(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100185
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20230710BHJP
F21V 21/03 20060101ALI20230710BHJP
【FI】
F21S9/02 120
F21V21/03 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000690
(22)【出願日】2022-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片野田 寛治
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智成
(57)【要約】
【課題】金具なしでも天井面への取り付けを行える表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置B1は、天井面300に取り付けられる。表示装置B1は、光源ユニットA1と、光源ユニットA1によって照らされる表示パネル20と、表示パネル20及び光源ユニットA1を保持する箱状の本体1と、を備える。本体1は、少なくとも一部が天井面300と接触する上壁100を有する。上壁100は、第1取付部116と、第2取付部117とを有する。第1取付部116は、天井面300に固定される金具101に取り付けられる。第2取付部117は、金具101を介さずに天井面300に取付可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井面に取り付けられる表示装置であって、
光源ユニットと、
前記光源ユニットによって照らされる表示パネルと、
前記表示パネル及び前記光源ユニットを保持する箱状の本体と、を備え、
前記本体は、少なくとも一部が前記天井面と接触する上壁を有し、
前記上壁は、
前記天井面に固定される金具に取り付けられる第1取付部と、
前記金具を介さずに前記天井面に取付可能な第2取付部と、を有する、
表示装置。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記天井面に対する前記上壁の第1動きに対応した一対の第1取付孔を含み、
前記第2取付部は、前記天井面に対する前記上壁の前記第1動きとは異なる第2動きに対応した一対の第2取付孔を含む、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1動きは、前記天井面に対して垂直な軸の周りを前記上壁が回転移動する動きであり、
前記第2動きは、前記天井面に対して平行な一方向に前記上壁が平行移動する動きである、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記一対の第1取付孔は、前記軸と前記上壁との交点に関して点対称な形状を有する、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記一対の第2取付孔の少なくとも一方は、前記一方向に延びる長孔を含む、
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記一対の第2取付孔の一方は、前記長孔の長手方向の一端から丸形又は角形に拡がる差込孔を更に含む、
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記一方向は、第1方向であり、
前記一対の第2取付孔の他方は、前記第1方向とは垂直な第2方向に延びる第2長孔である、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記一対の第2取付孔は、前記一対の第1取付孔で挟まれる位置に形成される、
請求項2-7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記本体は樹脂製であり、
前記本体に収容される金属製の取付板を更に備え、
前記取付板は、前記上壁と対面する対面部を含み、
前記一対の第1取付孔は、一対の壁用第1取付孔であり、
前記一対の第2取付孔は、一対の壁用第2取付孔であり、
前記対面部は、
前記一対の壁用第1取付孔に対応する位置に形成された一対の板用第1取付孔と、
前記一対の壁用第2取付孔に対応する位置に形成された一対の板用第2取付孔と、を有する、
請求項2-8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記上壁は、前記一対の壁用第1取付孔及び前記一対の壁用第2取付孔の周囲に立設されたリブを更に有する、
請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関し、より詳細には、天井面に取り付けられる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載のものは、取付金具を介して天井の取付面に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、表示装置が設けられる環境によっては、取付金具が不要な場合もある。そのような場合でも、特許文献1に記載のものは、取付面に取付金具を固定する等の作業を要するため、作業効率が低下する。そこで、金具なしでも天井面への取り付けを行える表示装置が要望される。
【0005】
本開示の目的は、金具なしでも天井面への取り付けを行える表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、天井面に取り付けられる。前記表示装置は、光源ユニットと、前記光源ユニットによって照らされる表示パネルと、前記表示パネル及び前記光源ユニットを保持する箱状の本体と、を備える。前記本体は、少なくとも一部が前記天井面と接触する上壁を有する。前記上壁は、第1取付部と、第2取付部とを有する。前記第1取付部は、前記天井面に固定される金具に取り付けられる。前記第2取付部は、前記金具を介さずに前記天井面に取付可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置は、金具なしでも天井面への取り付けを行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る表示装置の外観図である。
【
図2】
図2は、同上の表示装置の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上の表示装置の取付板を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、同上の表示装置の天井面への取付方法を説明するための分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0010】
(1)概要
本開示の実施形態に係る表示装置B1は、
図5に示すように、天井面300に取り付けられる。
【0011】
なお、以下に説明する表示装置B1は、事務所及び店舗などの建物の避難口又は避難口への通路に設置される誘導灯である。ただし、実施形態に係る表示装置は、誘導灯に限定されず、例えば、建物内の特定の場所(化粧室など)を表示する用途などに用いられても構わない。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、
図1に矢印で示す上下、前後及び左右の各方向を、表示装置B1の上下、前後及び左右の各方向と定義する。
【0012】
(1-1)表示装置
表示装置B1は、
図1に示すように、光源ユニットA1と、光源ユニットA1によって照らされる表示パネル20と、表示パネル20及び光源ユニットA1を保持する本体1と、を備える。
【0013】
(1-1-1)本体
本体1は、合成樹脂材料により、前面に開口部を有する四角形の箱状に形成されている。表示パネル20及び光源ユニットA1は、本体1の前面の開口部に取り付けられる。
【0014】
本体1は、
図2に示すように、光源ユニットA1を点灯させるための電源装置11、2次電池を有する電池ユニット13、端子台12、取付板10などを収容している。
【0015】
電源装置11は、常用電源(例えば、商用の電力系統)から供給される常用電力で光源ユニットA1を点灯させるとともに、電池ユニット13を充電する。また、電源装置11は、電力系統の停電時においては、電池ユニット13から供給される非常用電力で光源ユニットA1を点灯させる。
【0016】
取付板10は、金属材料によって板状に形成されている(
図2参照)。取付板10は、本体1の内底面にねじ止めされる。電源装置11と端子台12は、取付板10にねじ止めされて本体1内に収容される。なお、電池ユニット13は、取付板10に対して着脱可能に取り付けられる。
【0017】
(1-1-2)光源ユニットと表示パネル
光源ユニットA1は筐体4を有し、筐体4内に発光部及び導光体等(図示しない)が収納されている。表示パネル20は導光板21を含み、導光板21は保持体22によって保持されている。
【0018】
光源ユニットA1において発光部が発し導光体で導かれた光は、導光板21の入射面210から導光板21に入射する。導光板21に入射した光は、導光板21内を進行しながら保持体22の後面で全反射されて前方へ出射して表示パネル20を照らすことができる。
【0019】
なお、光源ユニットA1及び表示パネル20は、実施形態では、本体1の片面に設けられているが、本体1の両面に設けられてもよい。
【0020】
(1-1-3)本体の上壁
本体1は、少なくとも一部が天井面300と接触する上壁100を有する。
【0021】
上壁100は、
図3に示すように、第1取付部116と、第2取付部117とを有する。なお、上壁100は、電源線303が引き込まれる電源穴115を更に有する。
【0022】
(1-1-3a)第1取付部
第1取付部116は、天井面300に固定される金具101に取り付けられる。
【0023】
詳細は後述するが、例えば、
図5に示すような、一対のナット付ボルト106a,106bが植設され、かつ一対の金具用取付孔(107a1,107a2),107bが形成された金具101が、一対のネジ110a,110bで天井面300に取り付けられる。
【0024】
第1取付部116は、
図3-
図5に示すような、一対のナット付ボルト106a,106bと契合する一対の第1取付孔(本体1の上壁100に形成された一対の壁用第1取付孔116a,116b、及び取付板10の対面部10Aに形成された一対の板用第1取付孔16a,16b)を含む。一対の第1取付孔(116a,116b及び16a,16b)が一対のナット付ボルト106a,106bと契合することで、第1取付部116は、天井面300に取り付けられる。
【0025】
(1-1-3b)第2取付部
第2取付部117は、金具101を介さずに天井面300に取付可能である。
【0026】
第2取付部117は、例えば、
図3-
図5に示すような、一対の第2取付孔(本体1の上壁100に形成された一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117b、及び取付板10の対面部10Aに形成された一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17b)を含んでおり、金具101を介さずに、一対のネジ110a,110bで天井面300に取り付けられる。
【0027】
ただし、第2取付部117は、変形例で説明するように、金具101が介在した状態で、金具101を取り付けには使用せず、一対のネジ110a,110bによる取り付けを行うことも可能である。
【0028】
このように、表示装置B1では、金具101を介した第1取付部116よる取り付けと、金具101を介さない第2取付部117による取り付けとが可能となる。また、表示装置B1では、金具101を介した第2取付部117による取り付けも可能となる。従って、表示装置B1は、金具101なしでも天井面300への取り付けを行える。
【0029】
従って、表示装置B1は、金具101が不要な環境では、金具101を天井面300に固定する作業なしで取り付けが行えるため、作業効率の向上を図ることができる。
【0030】
(2)詳細
(2-1)天井面
天井面300の裏側に金属製のボックス(図示しない)が設けられており、このボックスには、
図5に示すように、一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17bに対応する位置に、一対のネジ孔(301a,301b),(302a,302b)が形成されている。
【0031】
本実施形態では、
図5に示したように、板用第2取付孔17a1,17a2(及び壁用第2取付孔117a1,117a2:図示しない)に対応する位置にネジ孔301a,301bが、板用第2取付孔17b(及び壁用第2取付孔117b:図示しない)に対応する位置にネジ孔302a,302bが、それぞれ形成されている。外側の一対のネジ孔301a,302bの間の距離がd1、内側の一対のネジ孔301b,302aの間の距離がd2である。なお、d1は、例えば83.5mmであり、d2は、例えば66.7mmであるが、これに限らない。外側の一対のネジ孔301a,302b、又は内側の一対のネジ孔301b,302aに、一対のネジ110a,110bがねじ込まれる。
【0032】
また、天井面300の裏側に設けられたボックス(図示しない)から電源線303が引き出されている。
【0033】
(2-2)第1及び第2取付部の詳細:異なる動きに対応した2種類の一対の取付孔
第1取付部116は、一対の壁用第1取付孔116a,116bを含む。一対の第1取付孔116a,116bは、天井面300に対する上壁100の第1動きに対応している。
【0034】
第1動きは、例えば、回転移動である。本実施形態における第1動きは、天井面300に対して垂直な軸310の周りを上壁100(本体1)が回転移動する動きである。
【0035】
第2取付部117は、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bを含む。一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bは、天井面300に対する上壁100の、上記第1動きとは異なる第2動きに対応している。
【0036】
第2動きは、例えば、平行移動である。本実施形態における第2動きは、天井面300に対して平行な一方向に上壁100(本体1)が平行移動する動きである。
【0037】
天井面300に対して平行な一方向とは、例えば、上壁100に形成された一対の壁用第1取付孔116a,116bを結ぶ直線の方向である第1方向(
図1では、左右方向)である。本実施形態における第1方向は、一対の壁用第1取付孔116a,116bの小孔同士を結ぶ直線の方向である。
【0038】
なお、第1動きと第2動きの組み合わせは、上記に限らない。例えば、第1動きが平行移動、第2動きが回転移動であってもよい。または、例えば、第1動きが回転移動、第2動きが平行移動と回転移動との組み合わせ(例えば、平行移動の後、回転移動する等)であってもよい。上壁100には、第1動きに対応した一対の壁用第1取付孔と、第2動きに対応した一対の壁用第2取付孔とが形成される。
【0039】
このように、2種類の一対の取付孔は、金具101を介した天井面300への取り付けと、金具101を介さない天井面300への取り付けとに対応している。具体的には、一対の壁用第1取付孔116a,116bは回転移動に対応し、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bは平行移動に対応している。天井面300に固定された金具101に表示装置B1を取り付ける場合は回転移動によって、金具101なしで天井面300に表示装置B1を取り付け場合は平行移動によって、表示装置B1の天井面300に対する位置決めを行うことができる。
【0040】
(2-2-1)一対の壁用第1取付孔
一対の壁用第1取付孔116a,116bは、点対称な形状に形成される。点対称な形状とは、一方を一の点の周りに180度回転させたとき、他方と重なるような形状である。
【0041】
一対の壁用第1取付孔116a,116bは、例えば、
図5に示されるように、軸310と上壁100との交点311に関して点対称な形状を有する。
【0042】
具体的には、一対の壁用第1取付孔116a,116bの各々は、大孔及び当該大孔と連通した小孔からなるダルマ態様の孔(以下「ダルマ孔」と記す)である。ダルマ孔において、小孔は、金具101に植設されたナット付ボルト106a,106bのナットが貫通せず、ボルトのみ貫通可能である。他方、大孔は、ナットも貫通可能である。
【0043】
一対の壁用第1取付孔116a,116bは、互いに合同かつ向きが逆(大孔に対する小孔の位置が反対)のダルマ孔である。すなわち、第1取付孔116aでは、大孔に対して小孔が上側に位置し、第1取付孔116bでは、大孔に対して小孔が下側に位置している。
【0044】
このように、回転移動に対応した点対称な形状の一対の壁用第1取付孔116a,116bによって、金具101を介した取り付けを行える。
【0045】
(2-2-2)一対の壁用第2取付孔
一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bの少なくとも一方は、上記一方向(第1方向)に延びる長孔103(第1長孔)を含む。このような長孔103は、前述の平行移動に対応する。
【0046】
長孔103は、例えば、
図5に示されるように、天井面300に形成された一対のネジ孔302a,302bに対応している。
【0047】
長孔103は、一対のネジ孔302a,302bの間隔を超える長さを有する。また、長孔103は、ネジの頭部が貫通せず、ネジ部のみ貫通可能な幅を有する。
【0048】
(2-2-2a)一対の壁用第2取付孔の一方
本実施形態では、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bの一方が長孔103を含む。具体的には、
図3に示されるように、第2取付孔117bが長孔103を含む。
【0049】
このように、平行移動に対応した第1方向の長孔103を含む一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bによって、金具101を介さない取り付けを行える。
【0050】
第2取付孔117bは、長孔103に加えて、長孔103の一端から丸形又は角形に拡がる差込孔102を更に含む。言い換えると、差込孔102は、長孔103と連通しており、長孔103の幅より大きい径(例えば直径、最大径)を有する。差込孔102は、ネジ110a,110bの頭部も貫通可能である。
【0051】
表示装置B1では、差込孔102を利用した本体1の仮止めができるので、金具101を介さない取り付けの容易化を図ることができる。
【0052】
(2-2-2b)一対の壁用第2取付孔の他方
一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bの他方である第2取付孔17a1,17a2は、第1方向とは垂直な第2方向(
図1では、前後方向)に延びる長孔(第2長孔)である。なお、第2長孔(17a1,17a2)は、
図3に示されるように、第1長孔103よりも短い。
【0053】
第2取付孔17a1,17a2は、
図5に示されるように、天井面300に形成された一対のネジ孔301a,301bに対応している。
【0054】
長孔(第2長孔)である第2取付孔17a1,17a2によって、一方向(第1方向)とは垂直な方向(第2方向)の平行移動も可能となる結果、天井面300に対する位置合わせを容易化できる。
【0055】
(2-2-3)2種類の一対の壁用第2取付孔の位置関係
一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bは、一対の壁用第1取付孔116a,116bで挟まれる位置に形成される。本実施形態では、一対の第2取付孔(117a1,117a2),117bは、一対の壁用第1取付孔16a,16bの小孔同士を結ぶ直線に沿う位置に形成される。
【0056】
これによって、一対の壁用第1取付孔116a,116bを挟む位置に形成される場合と比べて、大型化の回避を図ることができる。
【0057】
(2-2-4)取付板
本実施形態において、本体1は、前述したように、樹脂製である。これによって、表示装置B1の軽量化が図られる。
【0058】
一般に、表示装置B1を金具101なしで天井面300に取り付ける場合は、上壁100がネジ110a,110bで天井面300に固定されることになり、表示装置B1の重さの反力が、ネジ110a,110bの頭部から本体1の上壁100に直に加わる。このため、樹脂製の本体1では強度が不足し、上壁100が変形又は破損する可能性がある。
【0059】
そこで、表示装置B1では、本体1に収容された金属製の取付板10を利用して、上壁100の変形又は破損の抑制を図っている。ただし、上壁100が変形又は破損しない程度の強度を有していれば、取付板10を利用しなくてもよい。
【0060】
(2-2-4a)対面部
取付板10は、上壁100と対面する対面部10Aを含む。前述した2種類の一対の取付孔は、対面部10Aにも形成される。
【0061】
(2-2-4b)一対の板用第1取付孔及び一対の板用第2取付孔
対面部10Aは、一対の板用第1取付孔16a,16bと、一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17bと、を有する。
【0062】
すなわち、前述した第1取付部116は、一対の壁用第1取付孔116a,116bに加えて、一対の板用第1取付孔16a,16bを更に含む。また、第2取付部117は、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bに加えて、一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17bを更に含む。
【0063】
一対の板用第1取付孔16a,16bは、一対の壁用第1取付孔116a,116bに対応する位置に形成される。一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17bは、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bに対応する位置に形成される。
【0064】
一対の壁用第1取付孔116a,116bに関して(2-2-1)等で説明した事項は、一対の板用第1取付孔16a,16bにも当てはまる。また、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117bに関して(2-2-2)等で説明した事項は、一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17bにも当てはまる。
【0065】
なお、対面部10Aは、電源線303が引き込まれる電源穴15を更に有する。
【0066】
このように、本実施形態の表示装置B1では、本体1の上壁100とネジ110a,110bの頭部との間に金属製の対面部10Aが介在するので、樹脂製の上壁100をネジ110a,110bで固定する場合でも、上壁100の変形又は破損の防止を図ることができる。
【0067】
(2-2-5)上壁のリブ
上壁100は、リブ120を更に有する。リブ120は、一対の壁用第1取付孔116a,116b及び一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17bの周囲に立設される。
【0068】
これによって、上壁100の強度向上が図られる。また、本体1をネジ110a,110bで固定する場合は、ネジ110a,110bの方向規制を図ることができる。
【0069】
(2-2-6)金具
金具101は、
図5に示されるように、一対のナット付ボルト106a,106bと、一対の金具用取付孔(107a1,107a2),107bと、を有する。なお、金具101は、電源線303が引き込まれる電源穴105を更に有する。
【0070】
一対の金具用取付孔(107a1,107a2),107bのうち一方(本実施形態では、金具用取付孔107b)は、一対のナット付ボルト106a,106bを結ぶ直線の方向(上壁100が金具101を介して天井面300に取り付けられた状態で、第1方向と同じ方向)に延びる長孔103(第1長孔)を含む。なお、金具101は、表示装置B1と比べて軽量で仮止めの必要がないため、金具用取付孔107bには、表示装置B1の差込孔102に対応する要素は含まれない。
【0071】
一対のナット付ボルト106a,106bは、一対の壁用第1取付孔116a,116bに対応する位置に植設される。一対の金具用取付孔(107a1,107a2),107bは、一対の壁用第2取付孔(117a1,117a2),117b(及び一対の板用第2取付孔(17a1,17a2),17b)に対応する位置に形成される。
【0072】
表示装置B1は、このような金具101を介して、天井面300に取り付けられる。ナットの径は、ネジ110a,110bの頭部の径よりも大きく(
図5参照)、ナットと上壁100との間の接触部分における単位面積当たりの力は弱いため、樹脂製の本体1でも上壁100の変形は抑制される。
【0073】
(3)取付例
表示装置B1の天井面300への取り付けは、本体1から光源ユニットA1及び表示パネル20を取り外した状態で行われる。具体的には、次の2つのいずれかの手順で取り付けが行われる。
【0074】
(3-1)取付例1:金具使用
本例では、最初、金具101が一対のネジ110a,110bで天井面300に固定される。詳しくは、例えば、
図5に示すように、一対のネジ110a,110bが、金具101の一対の金具用取付孔(107a1,107a2),107bを貫通し、一対のネジ孔301b,302aにねじ込まれることで、金具101は天井面300に固定される。
【0075】
次に、金具101の一対のナット付ボルト106a,106bが、本体1の上壁100の一対の壁用第1取付孔116a,116bに大孔側から挿入される。次に、上壁100(本体1)の回転により、一対のナット付ボルト106a,106bの位置が大穴側から小孔側に移動する。その後、ナットが締め上げられ、それによって、本体1の上壁100は、金具101を介して天井面300に固定される。
【0076】
(3-2)取付例2:金具不使用
本例では、最初、ネジ110bが、ネジ孔302a又は302bに途中までねじ込まれる。次に、ネジ110bの頭部側が、上壁100の壁用第2取付孔117b(及び取付板10の板用第2取付孔17b)の差込孔102から挿入されて長孔103側に変位するように、本体1が第1方向に平行移動される。これによって、本体1の上壁100が天井面300に仮止めされる。
【0077】
次に、ネジ110aが、板用第2取付孔17a及び壁用第2取付孔117a2を介して、ネジ孔301bにねじ込まれる。その後、途中までねじ込まれていたネジ110bが更にねじ込まれ、それによって、本体1の上壁100が、金具101を介さず直に天井面300に固定される。
【0078】
(4)まとめ
本開示の第1の態様に係る表示装置(B1)は、天井面(300)に取り付けられる。表示装置(B1)は、光源ユニット(A1)と、光源ユニット(A1)によって照らされる表示パネル(20)と、表示パネル(20)及び光源ユニット(A1)を保持する箱状の本体(1)と、を備える。本体(1)は、少なくとも一部が天井面(300)と接触する上壁(100)を有する。上壁(100)は、第1取付部(116)と、第2取付部(117)とを有する。第1取付部(116)は、天井面(300)に固定される金具(101)に取り付けられる。第2取付部(117)は、金具(101)を介さずに天井面(300)に取付可能である。
【0079】
この態様によれば、天井面(300)に固定される金具(101)に対する第1取付部(116)の取り付けと、金具(101)を介さない第2取付部(117)による取り付けとが可能となるので、金具(101)なしでも天井面(300)への取り付けを行える。
【0080】
なお、本体(1)と天井面(300)との間に金具(101)が介在した状態で、金具(101)を取り付けには使用せず、第2取付部(117)による取り付けが可能となってもよい。
【0081】
第2の態様に係る表示装置(B1)では、第1の態様において、第1取付部(116)は、一対の第1取付孔(116a,116b)を含む。一対の第1取付孔(116a,116b)は、天井面(300)に対する上壁(100)の第1動きに対応している。第2取付部(117)は、一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)を含む。一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)は、天井面(300)に対する上壁(100)の、前記第1動きとは異なる第2動きに対応している。
【0082】
この態様によれば、異なる動きに対応した2種類の取付孔によって、金具(101)なしでも天井面(300)への取り付けを行える。
【0083】
第3の態様に係る表示装置(B1)では、第2の態様において、前記第1動きは、天井面(300)に対して垂直な軸(310)の周りを上壁(100)が回転移動する動きである。前記第2動きは、天井面(300)に対して平行な一方向に上壁(100)が平行移動する動きである。
【0084】
この態様によれば、回転移動に対応した一対の第1取付孔(116a,116b)の、天井面(300)に固定される金具(101)に対する取り付けと、平行移動に対応した一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)の、金具(101)なしでの天井面(300)への取り付けと、を行える。
【0085】
第4の態様に係る表示装置(B1)では、第3の態様において、一対の第1取付孔(116a,116b)は、軸(310)と上壁(100)との交点(311)に関して点対称な形状を有する。
【0086】
この態様によれば、回転移動に対応した点対称な形状の一対の第1取付孔(116a,116b)によって、金具(101)を介した取り付けを行える。
【0087】
第5の態様に係る表示装置(B1)では、第4の態様において、一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)の少なくとも一方は、前記一方向に延びる長孔(103)を含む。
【0088】
この態様によれば、平行移動に対応した一方向の長孔(103)を含む一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)によって、金具(101)を介さない取り付けを行える。
【0089】
第6の態様に係る表示装置(B1)では、第5の態様において、一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)の一方は、長孔(103)の長手方向の一端から丸形又は角形に拡がる差込孔(102)を更に含む。
【0090】
この態様によれば、差込孔(102)を利用した本体(1)の仮止めができるので、金具(101)を介さない取り付けの容易化を図ることができる。
【0091】
第7の態様に係る表示装置(B1)では、第6の態様において、前記一方向は、第1方向である。一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)の他方は、前記第1方向とは垂直な第2方向に延びる第2長孔である。
【0092】
この態様によれば、前記一方向(第1方向)とは垂直な方向(第2方向)の平行移動も可能となる結果、天井面(300)に対する位置合わせを容易化できる。
【0093】
第8の態様に係る表示装置(B1)では、第2-第7のいずれかの態様において、一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)は、一対の第1取付孔(116a,116b)で挟まれる位置に形成される。
【0094】
この態様によれば、一対の第1取付孔(116a,116b)を挟む位置に形成される場合と比べて、大型化の回避を図ることができる。
【0095】
第9の態様に係る表示装置(B1)では、第2-第8のいずれかの態様において、本体(1)は樹脂製である。表示装置(B1)は、本体(1)に収容される金属製の取付板(10)を更に備える。取付板(10)は、上壁(100)と対面する対面部(10A)を含む。一対の第1取付孔(116a,116b)は、一対の壁用第1取付孔(116a,116b)である。一対の第2取付孔((117a1,117a2),117b)は、一対の壁用第2取付孔((117a1,117a2),117b)である。対面部(10A)は、一対の板用第1取付孔(16a,16b)と、一対の板用第2取付孔((17a1,17a2),17b)とを有する。一対の板用第1取付孔(16a,16b)は、一対の壁用第1取付孔(116a,116b)に対応する位置に形成される。一対の板用第2取付孔((17a1,17a2),17b)は、一対の壁用第2取付孔((117a1,117a2),117b)に対応する位置に形成される。
【0096】
この態様によれば、樹脂製の本体(1)の上壁(100)をネジ(110a,110b)で固定する場合でも、本体(1)の上壁(100)とネジ(110a,110b)の頭部との間に金属製の対面部(10A)が介在するので、上壁(100)の変形又は破損の防止を図ることができる。
【0097】
第10の態様に係る表示装置(B1)では、第9の態様において、上壁(100)は、リブ(120)を更に有する。リブ(120)は、一対の壁用第1取付孔(116a,116b)及び一対の壁用第2取付孔((117a1,117a2),117b)の周囲に立設される。
【0098】
この態様によれば、上壁(100)の強度向上を図ることができる。本体(1)をネジ(110a,110b)で固定する場合は、ネジ(110a,110b)の方向規制を図ることができる。
【0099】
なお、第9又は第10の態様において、金具(101)は、一対のナット付ボルト(106a,106b)と、一対の金具用取付孔((107a1,107a2),107b)と、を有する。一対のナット付ボルト(106a,106b)は、一対の壁用第1取付孔(116a,116b)に対応する位置に植設される。一対の金具用取付孔((107a1,107a2),107b)は、一対の壁用第2取付孔((117a1,117a2),117b)に対応する位置に形成される。これによって、金具(101)を介した取り付けが行える。
【符号の説明】
【0100】
B1 表示装置
A1 光源ユニット
20 表示パネル
11 電源装置
1 本体
100 上壁
116 第1取付部
116a,116b 一対の第1取付孔(一対の壁用第1取付孔)
117 第2取付部
(117a1,117a2),117b 一対の第2取付孔(一対の壁用第2取付孔)
102 差込孔
103 長孔
120 リブ
10 取付板
10A 対面部
16a,16b 一対の板用第1取付孔
(17a1,17a2),17b 一対の板用第2取付孔
101 金具
106a,106b 一対のナット付ボルト
(107a1,107a2),107b 一対の金具用取付孔
300 天井面