(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100239
(43)【公開日】2023-07-18
(54)【発明の名称】調整可能な下半身アタッチメント付き着用型の補助装置
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20230710BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022091207
(22)【出願日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】10 2022 100 205.5
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517273548
【氏名又は名称】イョット.シュマルツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー エーベルハルト
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ ハーバウアー-リース
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS38
3C707XK06
3C707XK12
3C707XK24
3C707XK28
3C707XK74
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの解剖学的状態に柔軟に適応させることができる補助装置を提供する。
【解決手段】本発明は、第1の支持体(22-1)と第2の支持体(22-2)とを有する支持構造体(16)とを備え、第1の支持体と第2の支持体とがそれぞれ背部(24-1、24-2)とブーム部(26-1、26-2)とを有し、支持構造体をオペレータの骨盤、腰部および/または腰部領域に結合するための下半身接続部(18)、オペレータの上半身に支持構造体を結合するための上半身接続部(20)、オペレータの手または前腕領域にそれぞれ接続するための第1の接続部(40-1)および第2の接続部(40-2)を有し、第1の支持体が第1の下部接続点(30-1)で下半身接続部に接続され、第2の支持体が第2の下半身接続部に接続され、下側の接続点(30-2)が、第1下側の接続点と第2下側の接続点との相対位置を変更できるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重(14)を吊り上げおよび/または保持するための着用型の補助装置(10)であって、
第1の支持体(22-1)と第2の支持体(22-2)とを有する支持構造体(16)であって、前記第1の支持体(22-1)と前記第2の支持体(22-2)とは、夫々背部(24-1、24-2)およびブーム部(26-1、26-2)を備え、その結果、前記補助装置(10)がオペレータ(12)によって着用されると、前記背部(24-1、24-2)は、実質的にオペレータ(12)の背面に沿って配置され、前記ブーム部(26-1、26-2)は、後方から前方まで延在する支持構造体(16)と、
前記支持構造体(16)を前記オペレータ(12)の骨盤、腰部および/または腰部領域に結合するための下半身接続部(18)と、
前記支持構造体(16)を前記オペレータ(12)の上半身、特に背中、肩および/または胸部領域に接続するための上半身接続部(20)と、
前記オペレータ(12)の右側の手または前腕領域に接続するための第1の手接続部(40-1)であって、第1の長さが可変な接続装置(42-1)を介して前記第1の支持体(22-1)に接続される第1の手接続部(40-1)と、
前記オペレータ(12)の左側の手または前腕領域に接続するための第2の手接続部(40-2)であって、第2の長さが可変な接続装置(42-2)を介して前記第2の支持体(22-2)に接続される第2の手接続部(40-2)と、
を備え、
前記第1の支持体(22-1)は、第1の下部接続点(30-1)において前記下半身接続部(18)に結合され、前記第2の支持体(22-2)は、第2の下部接続点(30-2)において前記下半身接続部(18)に結合されているとともに、前記下半身接続部(18)は、前記第1の下部接続点(30-1)と前記第2の下部接続点(30-2)との相対的な距離が変更可能に構成されている
着用型の補助装置(10)
【請求項2】
前記下半身接続部(18)は、特に、前記第1の下部接続点(30-1)と前記第2の下部接続点(30-2)との間の距離を変更できるように構成されている請求項1に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項3】
前記下半身接続部(18)は、前記第1の下部接続点(30-1)と前記第2の下部接続点(30-2)との相対位置、特に、前記第1の下部接続点(30-1)および/または前記第2の下部接続点(30-2)の位置が、正中面(50)に対して外側方向および内側方向に、且つ/または前頭面(52)に対して前方および後方に、特に互いに独立して変更可能に、さらに特に調整可能に構成されている請求項1または2に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項4】
前記第1の支持体(22-1)および前記第2の支持体(22-2)は、下半身接続部に枢着され、特に、前記第1の支持体(22-1)は、第1の下部接続点(30-1)において第1の下部ジョイント装置(48-1)を介して前記下半身接続部(18)に接続され、前記第2の支持体(22-2)は、第2の下部接続点(30-2)において第2の下部ジョイント装置(48-2)を介して前記下半身接続部(18)に接続される請求項1~3のいずれか1項に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項5】
前記下半身接続部(18)は、前記支持体(22-1、22-2)に、特に下部ジョイント装置(48-1、48-2)を介して接続される下部力分配装置(58)を備え、前記下半身接続部(18)は、前記オペレータ(12)の身体領域に取り付けるために前記下部力分配装置(58)に接続される可撓性の下半身接続装置(80)を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項6】
前記下半身接続装置(80)は、少なくとも1つの織物部分、特にベルト、ベルトシステムまたはカフの形態を含む、請求項5に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項7】
前記下部力分配装置(58)は、前記第1の支持体(22-1)と前記第2の支持体(22-2)との間に延在する下部基体(60)を含み、前記支持体(22-1、22-2)は、特に、前記下部ジョイント装置(48-1、48-2)を介して配置される、請求項5または6のいずれかに記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項8】
前記下部基体(60)は、特に、前記下部接続点(30-1、30-2)間の距離を調整するように構成された第1の下部調整機構(64)を備え、特に、前記下部接続点(30-1、30-2)の位置を正中面(50)に対して外側方向および内側方向に変更するようになっている、請求項7に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項9】
支持体(22-1、22-2)、特に下部ジョイント装置(48-1、48-2)は、下半身接続部(18)、特に下部基体(60)に保持され、枢動装置(62-1、62- 2)は、前頭面(52)に対して前後に変化するように下部接続点(30-1、30- 2)を位置決めするように構成されている、枢動装置(62-1、62- 2)を有する請求項1~8のいずれか1項に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項10】
前記下部力分配装置(58)は、前記オペレータ(12)の右側の腰部に係合する第1の腰部シェル(84-1)と、前記オペレータ(12)の左側の腰部に係合する第2の腰部シェル(84-2)とを含み、前記第1の支持体(22-1)は、第1の下部ジョイント装置(48-1)を介して前記第1の腰部シェル(84-1)に接続され、前記第2の支持体(22-2)は、第2の下部ジョイント装置(48-2)を介して前記第2の腰部シェル(84-2)に接続され、特に、前記補助装置(10)が着用されると、前記腰部シェル(84-1,84-2)は、前記オペレータ(12の)の鼠径部(92)における腹側において、前記腰部シェル(84-1,84-2)を介して前記オペレータ(12)の身体領域に背中側に向かう力を導入する、請求項5または6に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項11】
前記第1および第2の腰部シェル(84-1、84-2)は、少なくとも1つの織物部分(82)上、特に、前記第1の腰部シェル(84-1)および/または前記第2の腰部シェル(84-2)を下半身接続装置(18)に対して移動させることによって、特に、前記下部接続点(30-1、30-2)間の距離、特に正中面(50)に対して外側方向および内側方向、且つ/または前頭面(52)に対して前方および後方に変化させることができるように、前記下半身接続装置(18)上に摺動可能に取り付けられる、請求項10に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項12】
前記下部力分配装置(58)は、前記下半身接続装置(80)を介して前記第1および/または前記第2の腰部シェル(84-1、84-2)に接続される少なくとも1つの腰部支持体(100)をさらに含み、特に、前記少なくとも1つの腰部支持体(100)は、前記下半身接続装置(80)、特に前記少なくとも1つの織物部分(82)に保持されていることにより、頭側および/または尾側に変位させることができる、請求項10または11のいずれか1項に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項13】
前記第1の支持体(22-1)は、第1の上部接続点(32-1)において、特に、第1上部ジョイント装置(106-1)を介して、上半身接続部(20)と結合され、前記第2の支持体は、第2の上部接続点(32-2)において、第2上部ジョイント装置(106-2)を介して上半身接続部(20)と接続されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項14】
前記上半身接続部(20)は、前記第1の上部接続点(32-1)と前記第2の上部接続点(32-2)との相対位置、特に前記第1の上部接続点(32-1)および/または前記第2の上部接続点(32-2)の位置が、前記補助装置(10)が正中面(50)に対して外側方向および内側方向に、且つ/または前頭面(52)に対して前方および後方に、特に互いに独立して変更可能であり、特に調整可能である、請求項13に記載の着用型の補助装置(10)。
【請求項15】
前記上半身接続部(20)および下半身接続部(18)は、上部接続点(32-1、32-2)の相対位置および下部接続点(30-1、30-2)の相対位置が、特に、互いに独立して調整され得るように構成されている、請求項1~14のいずれか1項に記載の着用型の補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オペレータが荷重を持ち上げおよび/または保持することを支援するための着用型の補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
補助装置は、物体を吊り上げるときにユーザに作用する荷重を地面方向に伝達し、または少なくとも選択された身体領域、例えばオペレータの腰部領域を通してユーザの関節および筋肉システムに伝達するために使用することができる。
【0003】
補助装置は、例えば、ユーザの作業場に設置される固定装置または半移動装置として構成することが知られている。例えば、チューブリフター、ロープバランサーまたはマニピュレータのような固定式のリフティング補助具は、従来技術に記載されており、これにより、個々の商品をピックアップし、1つの位置から別の位置に移動させることができる。しかし、このような補助装置は、容易に新しい場所に運び込んで使用できるようにすることができないので、その柔軟性に制限がある。
【0004】
補助装置はまた、ユーザが着用することができる完全なモバイル装置として構成することも知られている。このような移動型補助装置は、通常、補助装置をオペレータの身体に結合することができ、補助装置と身体との間で力を伝達することができる1つ以上の身体接続部を有する。
【0005】
例えば、荷物を吊り上げるための吊上補助装置として使用することができる所謂外骨格が知られている。外骨格は、吊上過程の運動連鎖全体を本質的に複製する、即ち、外骨格は、荷重を受ける肢と着用者の運動の自由度(外骨格の「関節」)をできるだけ正確に複製すると理解されている。このような解決策は、人体形態の外骨格としても知られている。しかし、このような外骨格には、複雑さの理由から、人体のすべての自由度がマッピングされるわけではなく、その結果、運動制限が生じ、従って使用の容易さが減少するという欠点がある。さらに、そのような外骨格は重いことが多く、したがって扱いにくい。
【0006】
非人体形態の吊上補助具は、WO 2014/195373 A1から既知であり、この吊上補助具は、互いに関連して移動可能な支持要素と、支持要素に堅固に接続された多数の身体取り付け点とを有する。
【0007】
原則として、既知の補助装置は、ユーザの特定の解剖学的状態に限定された範囲にしか適合させることができないので、身体と補助装置との間の力伝達に負の影響を及ぼし得る。さらに、既知の補助装置では、オペレータのための移動の自由、従ってユーザのための快適な着用が常に制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、物体を取り扱う際にユーザを負荷から効果的に解放し、ユーザの解剖学的状態に柔軟に適応させることができる補助装置を提供することを目的とする。さらに、補助装置は、ユーザのために高度の移動自由度を可能にすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する補助装置によって達成される。補助装置は、オペレータが物体を持ち上げ、および/または保持することを補助するために人が身体上に着用することができる装置(「身体に着用された持ち上げ補助装置」)の意味で、荷物を持ち上げ、および/または保持することを補助するための着用型の補助装置として構成される。別の言い方をすれば、補助装置は、人が着用できるように構成され、人は補助装置を着用して別の場所に移動することができる。前記装置は、特にオペレータがバックパックのように着用できるように構成されている。
【0011】
補助装置は、荷重の重力および/または慣性力を吸収し、この力をオペレータの特定の身体領域に向け直すように構成された支持構造体を有する。
【0012】
支持構造体は、第1の支持体(右側)と、第1の支持体から分離された第2の支持体(左側)とを含む。第1および第2の支持体はそれぞれ、背部およびブーム部を有する。補助装置がオペレータによって着用されると、支持体は、背部が後方、すなわち、身体の背中側または「背中側」に配置され、本質的に腰部から始まってオペレータの背部に沿って頭側に延在するか、または腰部から始まってオペレータの背部に沿って頭側に延びるように構成される。これは、背部がオペレータの背面と正確に平行に延在しなければならないことを意味しない。ブーム部は、補助装置を着用時に後方から前方、すなわち腹側、または「身体の後方から前方」に延びるように構成される。オペレータが直立している場合、背部は、特に、実質的に垂直に延在し、ブーム部は、少なくともセクション内で水平に延在する。この点に関して、背部は垂直支持体を形成することができ、ブーム部は水平支持体を形成することができる。背部および/またはブーム部は、その長さに沿って直線に形成することができ、または、少なくともその長手方向の範囲に沿ってセクション内に曲線部を有してよい。ブーム部は、特に背部に接続することができる。それぞれのブーム部は、補助装置の着用時にオペレータの肩上に延びることが好ましい。背部とブーム部とは、一体的にまたは別々に形成されてもよい。特に、背部は、ブーム部に、例えば、第1および/または第2のブーム枢動軸(後述参照)の周りを回動可能に接続することができる。背部およびブーム部は、特に、本質的に形状安定的に構成される。例えば、支持体は、管状部材および/または所定の長さに切断されたプロファイル材から形成することが考えられる。補助装置を異なる体の大きさ、特に背中の長さに適合させることができるように、それぞれの支持体の背部がそれ自体可変長に構成されている場合にも有利である。また、ブーム部の長さは可変とすることが考えられる。
【0013】
補助装置はまた、オペレータの上半身に支持構造体を結合するための上方の身体接続部、特に上半身接続部を含む。特に、上半身接続部は、支持構造体をオペレータの背部、肩部および/または胸部領域に結合するように構成することができる。
【0014】
補助装置はまた、オペレータの骨盤、腰部および/または腰部領域に支持構造体を結合するための下半身接続部、特に腰部接続部を含む。特に、下半身接続部は、支持構造体を大腿、膝または下肢などのオペレータの下肢に結合するようには構成されていない。
【0015】
上半身接続部と下半身接続部は、特に、身体と支持構造体との間で力がそれらを介して伝達されるように構成されている。特に、上半身接続部は、支持構造体の死重、静的平衡に必要な支持反応、および支持体部分のガイドに起因する力を身体内に導入するように構成することができる。下半身接続部は、特に、荷重の取扱いに起因する力および/またはモーメントを身体に導入するように構成することができる。特に、上半身および/または下半身接続部は、支持構造体をオペレータの身体領域に固定し、したがってオペレータの身体上に補助装置を保持するように構成される。この点に関して、上半身および/または下半身接続部は、支持構造体を上半身または下半身接続部によって身体に連結することによって、オペレータが補助装置を「着用」できるように特に構成される。上半身および/または下半身接続部は、支持構造体に取り外し可能に接続することができ、特に、再び着用および脱着を繰り返すことができる。上半身接続部と下半身接続部は、好ましくは、互いに離れた位置に配置され、特に、支持構造体上に夫々力結合される。これは、保持された荷重から直接生じる垂直力がユーザの上半身に導入されないか、またはごく一部しかユーザの上半身に導入されないという利点を有する。
【0016】
補助装置は、オペレータの右側の手または前腕領域、例えば、オペレータの手首および/または手根部に接続するための、第1の(右)手接続部も含む。第1の手接続部は、第1の支持体、特に第1の支持体のブーム部の自由端に、長さが可変である第1の接続装置を介して接続される。
【0017】
補助装置はまた、オペレータの左側の手または前腕領域、例えばオペレータの手首および/または手根部に取り付けるための第2の(左)手接続部を含む。第2の手接続部は、第2の支持体、特に第2の支持体のブーム部の自由端に、長さが可変である第2の接続装置を介して接続される。
【0018】
手接続部は、人の手と補助装置との間のリンクとして機能する。保持された負荷の重さおよび慣性力は、手接続部および接続装置を介して支持構造体に導入され、次いで、オペレータの身体の選択された領域に身体接続部を介して導入され得る。提案された補助装置の場合、サポートは、特にオペレータの手首から開始する。手接続部は、好ましくは、人間の手が吊り上げられる物体を把持するために使用されるように構成され、これは、その汎用性の点で技術的把持システムよりも優れている。この目的のために、手接続部は種々の方法で構成することができる。例えば、手首および場合によっては手根を包むカフとしての実施形態が考えられる。
【0019】
長さが可変な接続装置は、特に引張ケーブルとして構成することができる。この点に関して、第1の引張ケーブルを介して第1の支持体に第1の手接続部を接続することができ、第2の引張ケーブルを介して第2の支持体に第2の手接続部を接続することができる。特に、ケーブルを駆動するための共通のまたはそれぞれの駆動装置を設けることができる。このようにして、例えば、吊り上げ動作中または荷重を静的に保持するときに、オペレータに対する能動的支持を達成することができる。少なくとも1つの駆動装置は、特に、支持構造体上に保持することができる。特に、引張ケーブルのケーブルは、それぞれ、ケーブルガイドを介して案内され、好ましくは、それぞれの支持体内を走行し、支持体、特にブーム部からケーブル偏向装置を介して出てくる。
【0020】
提案された補助装置において、第1の支持体、特に第1の支持体の背部は、第1の下部接続点で下半身接続部に接続され、第2の支持体、特に第2の支持体の背部は、第2の下部接続点で下半身接続部に接続される。また、下半身接続部は、特に、第1の下部接続点と第2の下部接続点との相対位置を変更することができるように構成される。
【0021】
このような構成は、補助装置をオペレータの特定の身体の解剖学的構造、特に腰部領域に柔軟に適応させ、したがって、身体への力の効率的な導入を達成することを可能にする。さらに、このような補助装置により着用快適性が向上するから、作業者は、補助装置を着用した状態においても、できるだけ妨げられないように作業活動を行うことができる。特に、下半身接続部は、第1の下部接続点および第2の下部接続点の相対位置を変更するように構成された少なくとも1つの調整機構を含む。
【0022】
有利には、特に、下半身接続部は、第1の下部接続点と第2の下部接続点との間の距離を変更することができるように構成することができる。特に、下半身接続部は、オペレータによって補助装置が着用されたときに、第1の下部接続点および/または第2の下部接続点の位置が、正中面に対して外側方向および/または内側方向に、すなわち、特に正中面に対して直交方向に変更され得るように構成することができる。これにより、下半身接続部を、オペレータの腰部の幅および/または腰部の対応する丸みに適合させることが可能になる。このようにして、一方では、高いレベルの着用快適性が達成され、他方では、オペレータの腰部領域への効率的な力の導入が達成され得る。この文脈では、解剖学的構造において一般的なように、正中面は、前方身体壁から後方身体壁まで延び、身体を左右対称に分割する特に垂直な身体平面を示す。
【0023】
また、下半身接続部は、オペレータによって補助装置が着用されたときに、第1の下部接続点および/または第2の下部接続点の前頭面に対して前方方向および/または後方方向、特に前記前頭面に直交する位置が、特に調整可能なように構成されている場合に有利である。これにより、第1および/または第2の下部接続点と前頭面との間の背面距離、すなわち、特に、第1および/または第2の下部接続点とオペレータの背面との間の距離を設定することができ、このようにして、補助装置をオペレータの特定の背面形状に適合させて調整することができる。以下の文脈において、前頭面は、解剖学において慣例的であるように、身体平面、特に、身体を前側部分と後側部分とに分割する垂直面を指す。
【0024】
有利な発展形態の枠組みにおいては、第1および第2の支持体は、それぞれ、下半身接続部にジョイントを介して接続され得る。このように支持体を下半身接続部に連結することにより、支持構造体と下半身接続部との相対的な移動が可能となり、補助装置を着用したときのオペレータの移動の自由度が増大する。特に、第1の支持体、好ましくは第1の支持体の背部は、第1下部ジョイント装置を介して第1の下部接続点における下半身接続部に接続することができ、好ましくは第2の支持体の背部は、第2の下部接続点に接続される下部ジョイント装置を介して第2の下部接続点に接続することができる。第1の支持体および第2の支持体がボールジョイントを介して下半身接続部に接続されている場合には、特に有利である。
【0025】
有利な発展形態の枠組みにおいて、下半身接続部は、支持体、特に支持体の背部に接続された下部力分配装置を備えてよい。下半身接続部は、さらに、オペレータの身体領域、特にオペレータの腰部、骨盤および/または腰部領域に接続するための1つ以上の力印加点または力印加表面を介して下部力分配装置に接続された身体接続装置を含むことができる。下部力分配装置は、特に、支持体からの力を吸収し、それを身体接続装置に向けるように構成され、その後、オペレータの身体に力を導入し、特に、広い領域にわたり、圧力ピークを回避する。
【0026】
下半身接続装置は、可撓性を有するように構成され、その結果、身体接続装置がオペレータの特定の解剖学的状態に可変的に適合することができる場合、これは特に有利であることが証明されている。この目的のために、下半身接続装置は、少なくとも1つの織物部分を備え、特に織物部分から構成し得る。少なくとも1つの織物部分は、例えば、可撓性ベルトまたはカフの形態で構成することができる。例えば、下半身接続装置は、オペレータの骨盤および/または腰部を包含し、適切な閉鎖要素を備える1つ以上のベルトを備えると考えられる。このような構成は、高度の着用快適性を提供すると同時に、オペレータの身体への補助装置の確実な取り付けを促進し、これにより、腰部の領域における力の効率的な導入を可能にする。
【0027】
有利な発展形態の枠組みにおいて、下部力分配装置は、支持体が、特に下部ジョイント装置を介して配置される下部基体を有してよい。下部基体は、好ましくは、第1の支持体と第2の支持体との間、特に第1の支持体の背部と第2の支持体の背部との間に延在する。この点において、基体は、第1の支持体と第2の支持体との間の下部接続リンクとして機能する。基体は、1つ以上の部分で構成することができる。
【0028】
下半身接続部、特に下部基体は、好ましくは、下部接続点間の距離を変化させるように特に調整するように構成された第1の下部調整機構を含む。特に、第1の下部調整機構は、補助装置が締め付けられるときに、正中面に対する下部接続点の位置を外側方向および/または内側方向に変化させるように構成することができる。例えば、各支持体は、ラックおよびピニオン機構を介して外側方向および内側方向に変位させることができるように、基体上に保持されるラック上に保持されることが考えられる。
【0029】
さらに、下半身接続部が、前頭面に対して前側方向(腹側)および前頭面にして後側方向(背中側)における下部接続点の位置を変更するように構成された第2の下部調整機構を含む場合には、有利であり得る。例えば、第1および第2の支持体、特に第1および第2の下部ジョイント装置は、それぞれ、枢動装置を介して枢動軸を中心に回転することができるように、基体に取り付けられることが考えられる。特に、補助装置が着用され、身体が直立位置にある場合、枢動軸は横断面に対して直角に配向される。以下の文脈において、横断面は、解剖学において通常、平面と呼ばれ、横断面、すなわち、オペレータの縦方向に直交する外側方向および内側方向、特に水平方向に、身体を通って横断的に延在し、したがってオペレータの身体を上部と下部に分割する平面である。この点に関して、枢動装置は、特に、前頭面に対して前方方向または前頭面に対して後方方向における下部ジョイント装置の位置を変化させるように構成することができる。例えば、下部ジョイント装置は、各々、回転するように固定された方法で、回転翼状部材に取り付けられ、回転翼状部材は、下部基体に取り付けられて、特に格納されている枢動軸を中心に回転することができる。第1および/または第2の下部調整機構は、補助装置の着用時にオペレータが接続点の位置を独立に設定し、必要に応じてそれらを変更できるように、操作要素を介して作動させることが好ましい。
【0030】
有利な発展形態の枠組みにおいて、下部力分配装置は、オペレータの右腰部領域と接触するための特に解剖学的形状の第1の腰部シェルと、オペレータの左腰部領域と接触するための特に解剖学的形状の第2の腰部シェルとを含み得る。腰部シェルは、可撓性の身体接続装置上に、特に好ましくは少なくとも1つの織物部分上に保持され、これを介して互いに力結合される。特に、第1の支持体は、第1の腰部シェルに、特に第1の下部ジョイント装置を介して接続され、第2の支持体は、特に第2の下部ジョイント装置を介して第2の腰部シェルに接続される。この点に関して、腰部シェルは、特に、支持体から操作に伴う力を吸収し、特に広い領域にわたって、かつ圧力ピークを回避しながら、オペレータの腰部領域にそれらを導入するように構成される。腰部シェルを備えた下部力分配装置のこのような構成は、特に効果的な力の身体への導入を可能にし、特に高いレベルの着用快適性を特徴とする。
【0031】
さらに、力の効率的な印加のために、オペレータによって補助装置が着用されたときに、オペレータの鼠径部領域内において、背中側、すなわち背中の方向、特に水平方向に、腰部シェルを介してオペレータの体内に力が導入されるように腰部シェルが構成されると有利であり得る。
【0032】
下半身接続部をオペレータの特定の身体に個別に適合させることができるように、第1および第2の腰部シェルが、可撓性の身体連結装置、特に少なくとも1つの織物部分を介して腰部輪郭に沿って可動的に取り付けられると有利である。特に、腰部シェルは、可撓性の身体接続装置に対して第1および/または第2の腰部シェルを動かすことによって、下側の接続点間の距離、従って、互いに対する支持体間の距離を調整することができるように、可撓性の身体接続装置上に保持することができる。特に、腰部シェルは、腰部シェルを動かすことによって、下部連結ポイントの位置を、正中面に対して外側方向および内側方向に、且つ/または前頭面に対して前方および後方に調整することができるように、下半身連結装置に摺動可能に取り付けることができる。
【0033】
有利な発展形態の枠組みにおいて、下部力分配装置は、また、少なくとも1つの腰椎支持体を含み得る。前記少なくとも1つの腰部支持体は、特に下半身連結装置、特に少なくとも1つの織物部分上に保持され得、これを介して第1および第2の腰部シェルに力結合され得る。その結果、操作力は、身体の別の領域に分配され得る。下半身接続装置を介した力伝達に加えて、前記少なくとも1つの腰部支持体は、腰部支持体と腰部シェルとの間に延びる少なくとも1つの弾性要素、特に弾性バンドを介して腰部シェルに接続することができる。前記少なくとも1つの弾性要素の剛性に応じて、前記腰椎支持体にどれだけの力を導入するかを調整することができる。
【0034】
支持構造体は、2つの支持体のうちの1つのみを介して上半身接続部に結合されることが考えられる。しかしながら、力を効率的に導入するためには、第1の支持体が第1の上部接続点で上半身接続部に接続され、第2の支持体が第2の上部接続点で上半身接続部に接続される場合に有利であることが分かる。有利な発展形態の枠組みにおいては、第1の支持体および第2の支持体は、それぞれ、上半身接続部に関節で接続されてもよい。特に、第1の支持体は、第1の上部ジョイント機構を介して第1の上部接続点で上半身接続部に接続され、第2の支持体は、第2の上部ジョイント機構を介して第2の上部接続点で上半身接続部に接続される。このような構成は、オペレータの移動の自由度をさらに増加させる。さらに、支持体を上半身接続部に連接させることにより、上部接続点間の距離とは独立して、特に、両方の支持体が上半身接続部に接続される場合に、下部接続点間の距離を設定することができる。例えば、支持体は、正中面および前頭面に対して傾斜させることができる。第1の上部ジョイント装置および第2の上部ジョイント装置の各々が、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのジョイント自由度を有すると特に有利であることが証明されている。
【0035】
上半身接続部をオペレータの背面形状に柔軟に適応させるために、上半身接続部が、特に、第1の上部接続点と第2の上部接続点との相対位置を変更できるように構成されている場合も有利である。特に、上半身接続部は、オペレータによって補助装置が着用されると、第1の上部接続点および/または第2の上部接続点の位置が、特に、正中面に対して外側方向および/または内側方向に調整され得るように構成することができる。これにより、上半身の接続部を背面幅に適合させることが可能となり、したがって、補助装置をオペレータに最適に適合させることが可能となる。また、上半身接続部は、オペレータによって補助装置が着用されると、第1の上半連結点および/または第2の上半連結点の位置が、特に、前頭面に対して前方方向および/または後方方向に調整され得るように構成することもできる。これにより、オペレータの背中までの支持体の距離を調整することが可能になる。
【0036】
上半身接続部と下半身接続部とが、上部接続点の相対位置と下部接続点の相対位置とを、特に、互いに独立に調整できるように構成されている場合には、特に有利である。このような構成により、例えば幅広い肩と狭い腰部を組み合わせた様々な解剖学的構造の組合せを描写することが可能になる。これは、特に、下半身および/または上半身接続部と支持体の関節接続部との上半身および/または下半身接続部の調整可能性を組み合わせることによって促進され得る。
【0037】
補助装置が、オペレータの解剖学的構造にうまく適応された後、例えば、作業プロセス中に、望ましくない調整を防止するために、補助装置が、第1および第2の下部接続点の相対的位置を決定するためのロック装置および/または第1および第2の上側ジョイントの相対的位置を決定するためのロック装置を有する場合にも有利である。特に、第1および/または第2の下部調整機構は、例えば、ラッチ機構を介してロック可能であるように構成することができる。
【0038】
有利な実施形態の一部として、第1の支持体のブーム部は、第1の支持体の背部に旋回可能に接続され得、第2の支持体のブーム部は、第2の支持体の背部に旋回可能に接続され得る。それぞれのブーム部は、好ましくは、それぞれの背部上に配置され、第1の、特に垂直のブーム枢動軸が背部の長手方向軸に平行に回動可能である。これにより、補助装置を着用したとき、特に後方部分を旋回させる必要なく、伸長ブーム部分を左または右に旋回させることが可能になる。代替的または追加的に、それぞれのブーム部は、背部の縦軸およびブーム部の縦軸に直交する、特に水平な、第2のブーム枢動軸の周りを枢動可能にするように、背部上に配置することができる。これにより、ブーム部を「上」または「下」に旋回させることができ、特に背部を旋回させる必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明は、図を参照して以下でより詳細に説明される。
【
図1】
図1は、補助装置の配置を説明するための簡略化された概略図である。
【
図2】
図2は、補助装置の使用状態を説明するための簡略化された概略図である。
【
図3】
図3は、補助装置の下半身接続の簡略化された概略正面図である。
【
図4】
図4は、
図3による下半身接続のアセンブリの簡略化された概略斜視後方面図である。
【
図5】
図5は、補助装置の簡略化された概略側面図である。
【
図6】
図6は、下半身接続の実施形態の概略斜視後方面図である。
【
図7a】
図7aは、下半身接続のさらなる実施形態の種々の図のスケッチ図である。スケッチされた表現である。
【
図7b】
図7bは、下半身接続のさらなる実施形態の種々の図のスケッチ図である。
【
図7c】
図7cは、下半身接続のさらなる実施形態の種々の図のスケッチ図である。
【
図8】
図8は、
図7a~
図7cによる下半身接続の平面図におけるスケッチされた表現である。
【
図9】
図9は、調整可能性を説明するための補助装置の簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明および図面において、同一または対応する特徴に対して同一の参照記号が使用される。
【0041】
図1は、簡略化された概略図において、参照番号10によって全体的に示される、着用可能な補助装置を示す。補助装置10は、荷物14(
図2参照)を持ち上げ、および/または搬送するときに、オペレータ12を支持するように構成されている。以下に詳細に説明するように、補助装置10は、オペレータ12によって着用され、搬送される移動装置の意味で構成される。
【0042】
補助装置10は、荷重支持力、特にオペレータ12によって保持される荷重14の重量および/または慣性力を吸収し、それをオペレータ12の特定の身体領域に伝達するように構成された支持構造体16を含む。この目的のために、補助装置10は、支持構造体16をオペレータ12の骨盤、腰部および/または腰部領域に結合するための下半身接続部18と、オペレータ12の上半身に支持構造体16を結合するための上半身接続部20とをも含む(
図1および
図2を参照のこと)。
【0043】
支持構造体16は、第1(右)支持体22-1と第2(左)支持体22-2とを含む。
図1から分かるように、支持体22-1、22-2はそれぞれ、背部24-1、24-2およびブーム部26-1、26-2を含む。図示の例では、背部24-1、24-2は、支持コネクタ28を介してブーム部26-1、26-2に接続されているが、これは概略的にのみ示されている。また、背部24-1,24-2は、対応するブーム部26-1,26-2と一体に形成することも考えられる。ブーム部26-1、26-2は、対応するブームジョイント(図示せず)を介して対応する背部24-1、24-2に旋回可能に接続されることも考えられる。例えば、ブーム継手は、それぞれのブーム部26-1、26-2が、背部24-1、24-2の長手軸54に平行な第1の、特に垂直なブーム旋回軸を中心に、および/または背部24-1、24-2の長手軸54に対して、およびブーム部26-1、26-2の長手軸55に対して、特に水平な第2のブーム旋回軸に対して旋回できるように構成することができる。
【0044】
図1に概略的に示すように、第1の支持体22 - 1は、第1の下部接続点30 - 1において下半身接続部18に接続され、第1の上部接続点32 - 1において上半身接続部20に接続される。従って、第2の支持体22-2は、第2の下部接続点30-2において下半身接続部18に、第2の上部接続点32-2において上半身接続部20に接続される(後述)。
【0045】
図2から分かるように、補助装置10は、オペレータ12によって補助装置10が着用されると、背部24-1、24-2が後方に、すなわちオペレータ12の背面側34上に配置され、オペレータ12の背部に沿って(例えば、
図2において、垂直に)下半身接続部18から本質的に頭蓋側に延在するように構成される(
図2において矢印36参照)。補助装置10が着用されると、ブーム部26-1、26-2は、後方から前方、すなわち、オペレータ12の背面側34から前面側38まで、特にオペレータの肩上に延びるように構成される。
【0046】
図示の実施例では、背部24-1、24-2およびブーム部26-1、26-2は互いに直交している。しかし、図示されていない構成の場合には、他の構成も考えられる。例えば、補助装置10を前後に着用したとき、各ブーム部26-1,26-2は、背部24-1,24-2に接続され、且つ曲率を有すると考えられる。
【0047】
補助装置10はまた、オペレータ12の右側の手または前腕領域に取り付けるための第1の手接続部40-1と、オペレータ12の左手または前腕領域に取り付けるための第2の手接続部40-2とを含む。
図1に概略的に示すように、第1の手接続部40-1は、第1の接続装置42-1、特に特に長さが可変の第1の接続装置42-1を介して第1の支持体22-1のブーム部26-1に接続されている。第2の手接続部40-2は、第2の接続装置42-2、特に長さが可変の第2の接続装置42-2を介して第2の支持体22-2のブーム部26-2に接続されている。一例として、好ましくは、接続装置42-1、42-2は、駆動引張ケーブル44-1、44-2とすることができる。補助装置10はまた、好ましくは支持構造体16(
図2参照)に取り付けられる、各引張ケーブル44-1、44-2は、共通に、または別個に駆動装置46を有してよい。補助装置10は、次いで、各引張ケーブル44-1、44-2、特に支持体22に対して、駆動手段46から手接続部40-1、40-2にケーブルを案内するように適合された一体型ケーブルガイド(図示せず)を有してよい。特に、ケーブルは、ケーブル偏向装置(図示せず)を介してブーム部26-1、26-2の自由端に出すことができる。
【0048】
図1に概略的に示すように、第1の支持体22-1は、例えば、オプションの第1の下部ジョイント装置48-1を介して、第1の下部接続点30-1において下半身接続部18に接続され、第2の支持体22-2は、オプションの第2の下部ジョイント装置48-2を介して、第2の下部接続点30-2において下半身接続18に接続される。補助装置10を着用すると、下部ジョイント装置48-1、48-2は、正中面50に対する各支持体22-1、22-2の傾斜角α(
図7参照)と、前頭面52に対する各支持体22-1、22-2の傾斜角β(
図5参照)を変化させることができるように各々構成されている。さらに、下部ジョイント装置48-1、48-2は、それぞれの支持体22-1、22-2のそれぞれの背部24-1、24-2が下半身接続18上に保持され、その長手軸54の周りに回転するように構成することができる。図示の実施例では、下部ジョイント装置48- 1、48-2は、ボールジョイント56-1、56-2として構成されている。
【0049】
図3は、下半身接続部18の一実施形態の簡略化された概略図を示す。
図3から分かるように、下半身接続部18は、背部24-1、24-2の間に配置された基体60を備える。
図4に示すように、支持体22-1、22-2は、例えば以下に詳述する枢動装置62を介して、下部ジョイント装置48-1、48-2を介して基体60上に保持される。基体60は、支持体22-1、22-2からの力を吸収し、それらを広範囲にわたって身体接続部18に導入するように構成された下部力分配装置58である。
【0050】
基体60は、下部ジョイント装置48-1、48-2と基体60との間の距離、したがって支持体22-1、22-2との間の距離を変化させるように構成された第1の下部調整機構64を含む。補助装置10が着用されると、第1の下部接続点30-1および第2の下部接続点30-2の位置を、中間部分において、特に、正中面50に対して外側方向および内側方向(
図3の両矢印66で示す)に調整することができる。例えば、第1の調整機構64は、左および右の歯付きラック装置76-1、76-2を備えることができ、これを介して、特に、枢動装置62-1、62-2を介して、支持体22-1、22-2を基体60上に保持することができる(
図6参照)。第1の下部調整機構64は、例えば、下側操作ユニット78を介して作動させることができる。
【0051】
図示の例では、支持体22-1、22-2は、下部基体60上に、特に下部ジョイント装置48-1、48-2を介して、それぞれ上述の枢動装置62-1、62-2を介して保持される。
図4に例示するように、下部ジョイント装置48-1、48-2は、下部基体60上の枢動軸70-1、70-2を中心に回動可能な回動翼状部材68-1、68-2上にそれぞれ取り付けられている。補助装置10が着用されると、枢動軸70-1、70-2は、特に、横断面に対して直交して(直立体位で)配向される。枢動装置62は、前頭面52に対して前方(腹側、
図5の矢印72参照)または後方(背中側、
図5の矢印74参照)に下部接続点30-1、30-2を位置決めし、変化させることを可能にする。この点に関して、枢動装置62-1、62-2は、第2の下部調整機構75を形成する。
【0052】
第1および第2の下部調整機構64、75を有する下部基体60の例示的な構成を
図6に示す。
【0053】
図3に部分的にしか示されていないように、下半身接続部18はまた、オペレータ12の腰部、骨盤および/または腰部領域に接続するための可撓性の下半身接続装置80を含む。下半身接続装置80は、特に、補助装置10が身体に接続される織物部分82を含む。例えば、織物部分82は、オペレータ12の腰部領域を包含するヒップベルト(図示せず)の形態で構成することができる。
【0054】
図7a~8は、下半身接続部18のさらなる例示的実施形態を示す。
図7cから分かるように、本実施形態における下部力分配装置58は、解剖学的形状の2つの腰部シェル84-1、84-2によって形成される。支持体22-1、22-2は、腰部シェル84-1、84-2上に、特にオプションの下部ジョイント装置48-1、48-2を介して保持される。例えば、腰部シェル84-1、84-2は、ボールジョイント56-1、56-2のそれぞれのボールレセプタクル86を保持していると考えられる。腰部シェル84-1,84-2は、例えばウエストバンド88として構成された織物部分82上に配置されている。
【0055】
図7cおよび
図8から分かるように、腰部シェル84-1、84-2は、例として、好ましくは、腰部シェル84-1、84-2が、補助装置10がオペレータ12の鼠径部92の上に置かれたときに腹側に配置され(
図8の矢印72を参照)、背中側に向けられた力(
図7の矢印74を参照)が腰部シェル84-1、84-2を介してオペレータ12の身体に導入されることができるように、織物部分82上に形成され、保持されている。腰部シェル84-1、84-2は、好ましくは、腰部シェル84-1、84-2を織物部分82に対してシフトさせることによって、下部接続点30-1、30-2の位置が、正中面50に対して外側方向または内側方向の両方に、また前頭面52に対して前方または後方に(
図8の両矢印96によって示される)移動可能に織物部分82に取り付けられる。
【0056】
図示された実施例では、下半身接続部18はまた、下部力分配装置58の一部である任意選択の腰部支持体100を含む。腰部支持体100は、織物部分82上に保持され、これを介して腰部シェル84-1、84-2に力結合される。任意に、腰部支持体100は、1つ以上の弾性ストラップ102(
図7a参照)を介して腰部シェル84-1、84-2に接続することもできる。腰部支持体100は、例えば、好ましくは、腰部支持体100の位置が、特に、頭蓋側(
図7aの矢印36参照)または尾部側(
図7aの矢印104参照)に調整されるように、織物部分82上に摺動可能に取り付けられる。
【0057】
図1に示すように、第1の支持体22-1は、第1の上部接続点32-1において任意に第1の上部ジョイント装置106-1を介して上半身接続装置20に接続することができ、第2の支持体22-2は、第2の上部接続点32-1において任意に第2の上部ジョイント装置106-2を介して上半身接続部20に接続することができる。特に、上部ジョイント装置106-1、106-2は、それぞれ3つのジョイント自由度を有する。
【0058】
さらに、上半身接続部は、第1の調整機構(図示せず)を備えてよく、これは、第1の上部ジョイント装置106-1と第2の上部ジョイント装置106-2との間の距離を変更するように構成される。例えば、上半身接続部20は、下半身接続部18と同様のラックおよびピニオン機構を有することが考えられる(
図6および上述参照)。上半身接続部20は、第2の上部調整機構(図示せず)を備えてもよく、これは、上部ジョイント装置106-1、106-2の位置を前頭面52に対して前方(
図5の矢印72参照)または後方(
図5の変化矢印74参照)に調整するように構成される。
【0059】
補助装置10の特に有利な効果は、下半身接続部18および上半身接続部20が相互作用する場合に生じる。
図9に概略的に示されるように、例えば、狭い腰部および広い背部を有する身体の解剖学的特徴をモデル化することが可能である。
【外国語明細書】