(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100320
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】コンテンツを管理するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230711BHJP
G06Q 20/38 20120101ALI20230711BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/38 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000879
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】石岡 伸晴
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】 NFTを用いたデジタルコンテンツの管理を支援する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係るコンテンツ管理サーバ10は、通信ネットワーク20を介してトークン管理サーバ22及びユーザ端末30と通信可能に接続されており、当該ユーザ端末30を操作するユーザに対して、コンテンツを管理するコンテンツ管理サービスを提供する。当該サーバ10は、ユーザが保有するコンテンツに関連付けられた画像を参照先の画像とするトークン(NFT)を発行し、当該画像を変更して保存し、当該トークンの参照先の画像を、変更前の画像から変更後の画像に変更するから、トークンを用いて管理されるコンテンツに関連付けられた画像の容易な変更が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサと、情報を記憶する記憶装置と、を備え、コンテンツを管理するためのシステムであって、
前記記憶装置は、複数のコンテンツの各々に関連付けられた1又は複数の画像を記憶し、
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
ブロックチェーン上で発行されるトークンを管理するための第1ユーザのトークン管理用アカウントが所有する非代替性のトークンとして、前記第1ユーザが保有する特定コンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とする特定トークンを発行するステップと、
前記第1画像に変更が加えられた第2画像を前記特定コンテンツに関連付けて保存するステップと、
前記特定トークンの参照先の画像を、前記第1画像から前記第2画像へと変更するステップと、を実行する、
システム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記第1ユーザに対して前記特定コンテンツを付与するステップを実行し、
前記特定トークンを発行するステップは、前記第1ユーザに対する前記特定コンテンツの付与に伴って、前記特定トークンを発行することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記特定トークンの参照先の画像を前記第2画像へと変更するステップは、前記第2画像の保存に伴って、前記特定トークンの参照先の画像を前記第2画像へと変更することを含む、
請求項1又は2のシステム。
【請求項4】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記特定トークンの参照先の画像を、前記特定コンテンツに関連付けられた複数の画像の中から前記第1ユーザによって選択された画像へと変更するステップを実行する、
請求項1ないし3何れかのシステム。
【請求項5】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記第1画像に対して特定オブジェクトの画像が追加された画像を前記第2画像として生成するステップを実行する、
請求項1ないし4何れかのシステム。
【請求項6】
前記特定オブジェクトは、複数のオブジェクトの中から前記第1ユーザによって選択される、
請求項5のシステム。
【請求項7】
前記特定オブジェクトは、複数のオブジェクト間で個別に識別可能な画像を有するオブジェクトを含む、
請求項5又は6のシステム。
【請求項8】
前記特定オブジェクトは、人物のサインを含む、
請求項5ないし7何れかのシステム。
【請求項9】
前記特定オブジェクトは、前記第1ユーザによって生成されたオブジェクトを含む、
請求項5ないし8何れかのシステム。
【請求項10】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、所定条件を充足した前記第1ユーザに対して前記特定オブジェクトを付与するステップを実行する、
請求項5ないし9何れかのシステム。
【請求項11】
前記特定コンテンツは、イベントに関するコンテンツであり、
前記特定オブジェクトを付与するステップは、前記イベントの会場における前記第1ユーザによる行動に応じて、前記イベント及び/又は前記会場に関する前記特定オブジェクトを前記第1ユーザに付与することを含む、
請求項10のシステム。
【請求項12】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記特定コンテンツの保有者の前記第1ユーザから第2ユーザへの変更に伴って、前記特定トークンの所有者を前記第1ユーザのトークン管理用アカウントから前記第2ユーザのトークン管理用アカウントへと変更するステップを実行する、
請求項1ないし11何れかのシステム。
【請求項13】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記特定トークンの所有者の前記第1ユーザのトークン管理用アカウントから第2ユーザのトークン管理用アカウントへの変更に伴って、前記特定コンテンツの保有者を前記第1ユーザから前記第2ユーザへと変更するステップを実行する、
請求項1ないし12何れかのシステム。
【請求項14】
複数のコンテンツの各々に関連付けられた1又は複数の画像を記憶する記憶装置にアクセス可能な1又は複数のコンピュータによって実行され、コンテンツを管理するための方法であって、
ブロックチェーン上で発行されるトークンを管理するための第1ユーザのトークン管理用アカウントが所有する非代替性のトークンとして、前記第1ユーザが保有する特定コンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とする特定トークンを発行するステップと、
前記第1画像に変更が加えられた第2画像を前記特定コンテンツに関連付けて保存するステップと、
前記特定トークンの参照先の画像を、前記第1画像から前記第2画像へと変更するステップと、を備える、
方法。
【請求項15】
コンテンツを管理するためのプログラムであって、複数のコンテンツの各々に関連付けられた1又は複数の画像を記憶する記憶装置にアクセス可能な1又は複数のコンピュータに、
ブロックチェーン上で発行されるトークンを管理するための第1ユーザのトークン管理用アカウントが所有する非代替性のトークンとして、前記第1ユーザが保有する特定コンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とする特定トークンを発行するステップと、
前記第1画像に変更が加えられた第2画像を前記特定コンテンツに関連付けて保存するステップと、
前記特定トークンの参照先の画像を、前記第1画像から前記第2画像へと変更するステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを管理するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オンラインゲーム等において、アイテム等のデジタルコンテンツがユーザに付与されることがある(例えば、下記特許文献1を参照)。また、近年、こうしたコンテンツを、NFT(Non Fungible Token)を用いて管理することが行われている。NFTは、ブロックチェーンの技術を用いて発行される非代替性のトークンであり、例えば、参照先をデジタルコンテンツとするNFTが、トークンの取引所等で取引される。こうした仕組みは、オンラインゲームのアイテム等のコンテンツの価値を向上させ得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デジタルコンテンツの種類によっては、ユーザが保有している期間において、何らかの変更が加えられる場合も想定される。そして、コンテンツが変更される度にNFTを発行してしまうと、NFTの管理が煩雑になってしまう。
【0005】
本発明の実施形態は、NFTを用いたデジタルコンテンツの管理を支援することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサと、情報を記憶する記憶装置と、を備え、コンテンツを管理するためのシステムであって、前記記憶装置は、複数のコンテンツの各々に関連付けられた1又は複数の画像を記憶し、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、ブロックチェーン上で発行されるトークンを管理するための第1ユーザのトークン管理用アカウントが所有する非代替性のトークンとして、前記第1ユーザが保有する特定コンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とする特定トークンを発行するステップと、前記第1画像に変更が加えられた第2画像を前記特定コンテンツに関連付けて保存するステップと、前記特定トークンの参照先の画像を、前記第1画像から前記第2画像へと変更するステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、複数のコンテンツの各々に関連付けられた1又は複数の画像を記憶する記憶装置にアクセス可能な1又は複数のコンピュータによって実行され、コンテンツを管理するための方法であって、ブロックチェーン上で発行されるトークンを管理するための第1ユーザのトークン管理用アカウントが所有する非代替性のトークンとして、前記第1ユーザが保有する特定コンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とする特定トークンを発行するステップと、前記第1画像に変更が加えられた第2画像を前記特定コンテンツに関連付けて保存するステップと、前記特定トークンの参照先の画像を、前記第1画像から前記第2画像へと変更するステップと、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、コンテンツを管理するためのプログラムであって、複数のコンテンツの各々に関連付けられた1又は複数の画像を記憶する記憶装置にアクセス可能な1又は複数のコンピュータに、ブロックチェーン上で発行されるトークンを管理するための第1ユーザのトークン管理用アカウントが所有する非代替性のトークンとして、前記第1ユーザが保有する特定コンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とする特定トークンを発行するステップと、前記第1画像に変更が加えられた第2画像を前記特定コンテンツに関連付けて保存するステップと、前記特定トークンの参照先の画像を、前記第1画像から前記第2画像へと変更するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、NFTを用いたデジタルコンテンツの管理を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコンテンツ管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
【
図3】コンテンツ情報テーブル152が管理する情報を例示する図。
【
図4】オブジェクト情報テーブル153が管理する情報を例示する図。
【
図5】保有コンテンツ管理テーブル154が管理する情報を例示する図。
【
図6】保有オブジェクト管理テーブル155が管理する情報を例示する図。
【
図9】カード購入画面60の購入ボタン621の選択に応じてサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図11】コンテンツ画像データベース156に格納される2つの基本画像を説明するための図。
【
図12】トークンを発行する際に、コンテンツ管理サーバ10とトークン管理サーバ22との間で行われる処理を例示するシーケンス図。
【
図15】二次元コードの検出後のスタンプ取得画面80を例示する図。
【
図18】追加用オブジェクトが追加された選手カードの画像を例示する図。
【
図19】確定ボタン208の選択に応じてサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図20】コンテンツ画像データベース156に格納される基本画像、サイン付き画像、スタンプ付き画像、及び、トークン用の画像を説明するための図。
【
図21】ユーザ間での選手カードの取引の成立に応じてサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介して、トークン管理サーバ22及びユーザ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。サーバ10は、ユーザ端末30を操作するユーザに対して、コンテンツを管理するコンテンツ管理サービスを提供する。コンテンツ管理サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
本実施形態において、コンテンツ管理サービスにおいて管理されるコンテンツは、様々な種類のデジタルコンテンツを含む。例えば、コンテンツは、カード、キャラクタ、及び、アイテム等を含み、典型的には、サービス内でユーザに対して付与される。
【0014】
まず、コンテンツ管理サーバ10のハードウェア構成について説明する。コンテンツ管理サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0015】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0016】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0017】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0018】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、ユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル151と、コンテンツ管理サービスにおいて管理されるコンテンツに関する情報を管理するコンテンツ情報テーブル152と、コンテンツに対して追加されるオブジェクトに関する情報を管理するオブジェクト情報テーブル153と、ユーザが保有するコンテンツに関する情報を管理する保有コンテンツ管理テーブル154と、ユーザが保有するオブジェクトに関する情報を管理する保有オブジェクト管理テーブル155と、ユーザが保有するコンテンツに関連付けられた画像を格納するコンテンツ画像データベース156と、を有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、コンテンツ管理サーバ10を、コンテンツ管理サービスを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介して、ユーザ端末30において実行されるように構成され得る。
【0019】
本実施形態において、コンテンツ管理サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0020】
このように構成されたコンテンツ管理サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、ユーザ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0021】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0022】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0023】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0024】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0025】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、本実施形態のコンテンツ管理サービス用のアプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0026】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータ、又はゲーム専用端末等として構成され得る。
【0027】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされている端末側プログラム42を介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供するコンテンツ管理サービスを利用することができる。
【0028】
次に、このように構成されたコンテンツ管理サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部111、及び、コンテンツ管理部113として機能するように構成されている。
【0029】
管理機能制御部111は、サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部111は、管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。管理機能制御部111によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザアカウントの管理等を含む。
【0030】
コンテンツ管理部113は、コンテンツの管理に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、コンテンツ管理部113は、コンテンツの管理に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0031】
本実施形態において、コンテンツ管理部113は、ユーザのトークン管理用アカウントが所有するNFT(ブロックチェーン上で発行される非代替性のトークン)として、当該ユーザが保有するコンテンツに関連付けられた第1画像を参照先の画像とするトークンを発行するように構成されている。コンテンツに関連付けられた画像は、コンテンツ画像データベース156に格納されている。例えば、コンテンツ管理部113は、こうしたトークンの発行をトークン管理サーバ22に対して要求する。トークン管理サーバ22は、一般的なコンピュータとしてのハードウェア構成を有し、ブロックチェーン上で発行される、代替性及び非代替性のトークンを管理する機能を有する。こうしたトークンは、例えば、イーサリアムのプラットフォーム上で管理される。ユーザのトークン管理用アカウントは、例えば、ユーザ情報テーブル151において管理される。
【0032】
また、コンテンツ管理部113は、コンテンツに関連付けられた第1画像に変更が加えられた第2画像を当該コンテンツに関連付けてコンテンツ画像データベース156に保存するように構成されている。
【0033】
また、コンテンツ管理部113は、第1画像を参照先の画像として発行されたトークンの参照先の画像を、当該第1画像から第2画像へと変更するように構成されている。トークンの参照先は、典型的には、対応する画像ファイルのURLであり、トークンのメタデータの一部としてブロックチェーン上に記録される。例えば、コンテンツ管理部113は、コンテンツ画像データベース156において、トークンの参照先のURLに対応するファイル名の画像を、第1画像から第2画像へと変更する。
【0034】
このように、本実施形態におけるコンテンツ管理サーバ10は、ユーザが保有するコンテンツに関連付けられた画像を参照先の画像とするトークン(NFT)を発行し、当該画像を変更して保存し、当該トークンの参照先の画像を、変更前の画像から変更後の画像に変更するから、トークンを用いて管理されるコンテンツに関連付けられた画像の容易な変更が可能となる。つまり、サーバ10は、NFTを用いたデジタルコンテンツの管理を支援する。
【0035】
本実施形態において、コンテンツ管理部113は、ユーザに対してコンテンツを付与するように構成され得る。例えば、ユーザは、有償で又は無償で、コンテンツを獲得することができる。この場合、コンテンツ管理部113は、ユーザに対するコンテンツの付与に伴って(例えば、付与の前に、又は、後において)、対応するトークン(当該ユーザのトークン管理用アカウントが所有すると共に、付与されたコンテンツに関連付けられた画像を参照先の画像とするトークン)を発行するように構成され得る。こうした構成は、コンテンツの付与に伴って、対応するトークンを発行することを可能とする。
【0036】
また、コンテンツ管理部113は、変更が加えられた第2画像の保存に伴って、対応するトークンの参照先の画像を当該第2画像へと変更するように構成され得る。例えば、コンテンツ管理部113は、第2画像を保存する際に、対応するトークンの参照先のURLに対応するパス及びファイル名で保存し、又は、第2画像を別に保存した後に、当該第2画像によって、対応するトークンの参照先のURLに対応するパス及びファイル名の画像を上書きする。こうした構成は、コンテンツに関連付けられた画像の変更に伴って、対応するトークンの参照先の画像を変更することを可能とする。
【0037】
本実施形態において、トークンの参照先の画像を、ユーザが個別に選択できるようにしてもよい。つまり、コンテンツ管理部113は、トークンの参照先の画像を、対応するコンテンツに関連付けられた複数の画像の中から当該ユーザによって選択された画像へと変更するように構成され得る。コンテンツに関連付けられた複数の画像に関する情報は、例えば、保有コンテンツ管理テーブル154において管理される。例えば、ユーザは、ユーザ端末30において出力される画面を介して、複数の画像の中からトークンの参照先の画像を選択する。こうした構成は、トークンの参照先の画像のユーザによる個別の選択を可能とする。
【0038】
本実施形態において、画像の変更は、様々な態様で実現され得る。例えば、コンテンツ管理部113は、第1画像に対してオブジェクトが追加された画像を第2画像として生成するように構成され得る。例えば、追加されるオブジェクトは、複数のオブジェクトの中からユーザによって選択され、又は、サーバ10によって自動的に特定される。こうした構成は、オブジェクトの追加による画像の変更を可能とする。
【0039】
本実施形態において、追加されるオブジェクトは、様々な種類のオブジェクトを含む。例えば、追加されるオブジェクトは、複数のオブジェクト間で個別に識別可能な画像を有するオブジェクトを含む。個別に識別可能なオブジェクトは、例えば、識別情報(番号又はコード等)を含むオブジェクトを含む。こうした構成は、個別に識別可能な画像が追加された画像の生成を可能とし、コンテンツの価値を向上させ得る。
【0040】
また、例えば、追加されるオブジェクトは、人物のサインを含む。この場合、サインの画像は、複数のオブジェクト間で共通の画像としてもよいし、個別に識別可能な画像(例えば、実際に個別に手書きで作成された画像等)としてもよい。こうした構成は、人物のサインが追加された画像の生成を可能とする。
【0041】
また、例えば、追加されるオブジェクトは、ユーザによって生成されたオブジェクトを含む。例えば、当該オブジェクトは、ユーザによって撮影された写真等を含む。こうした構成は、ユーザによって生成されたオブジェクトの画像への追加を可能とし、ユーザが、画像の生成を楽しむことを促進し得る。
【0042】
また、コンテンツ管理部113は、所定条件を充足したユーザに対してオブジェクトを付与するように構成され得る。例えば、ユーザは、有償で又は無償で、オブジェクトを獲得することができる。こうした構成は、オブジェクトの獲得に関する楽しみをユーザに与える。
【0043】
また、コンテンツは、イベントに関するコンテンツを含み、この場合、コンテンツ管理部113は、イベントの会場におけるユーザによる行動(情報の入力等)に応じて、当該イベント及び/又は当該会場に関するオブジェクトをユーザに付与するように構成され得る。例えば、コンテンツは、スポーツ選手のカードを含み、この場合、スポーツの試合の競技場におけるユーザによる行動(例えば、競技場において入手可能なコード等に埋め込まれたデータを、ユーザ端末30等を用いて読み取って入力すること、競技場に対応する地理的範囲にユーザが入る(ユーザ端末30の位置情報が含まれる)こと、及び、競技場に設けられた情報処理装置を介してユーザの識別情報を入力すること等を含む。)に応じて、試合及び/又は競技場に関するオブジェクトがユーザに対して付与される。こうした構成は、イベントの会場におけるユーザの行動に応じたオブジェクトの付与を可能とし、例えば、イベントが盛り上がることを支援する。
【0044】
また、コンテンツ管理部113は、オブジェクトの付与に応じて、ユーザに対して所定通知を行うように構成され得る。こうした構成は、オブジェクトが付与されたユーザに対して、当該オブジェクトの画像への追加を促すことができる。
【0045】
本実施形態において、コンテンツの保有者の変更に伴って、対応するトークンの所有者が変更されるようにしてもよい。つまり、コンテンツ管理部113は、コンテンツの保有者の第1ユーザから第2ユーザへの変更に伴って、当該コンテンツに対応するトークン(当該コンテンツの画像を参照先とするトークン)の所有者を、第1ユーザのトークン管理用アカウントから第2ユーザのトークン管理用アカウントへと変更するように構成され得る。例えば、コンテンツ管理部113は、こうしたトークンの所有者の変更を、トークン管理サーバ22に対して依頼する。こうした構成は、コンテンツの保有者の変更と、対応するトークンの所有者の変更とを容易に同期させることを可能とする。
【0046】
また、本実施形態において、トークンの所有者の変更に伴って、対応するコンテンツの保有者が変更されるようにしてもよい。つまり、コンテンツ管理部113は、トークンの所有者の、第1ユーザのトークン管理用アカウントから第2ユーザのトークン管理用アカウントへの変更に伴って、当該トークンに対応するコンテンツの保有者を、第1ユーザから第2ユーザへと変更するように構成され得る。例えば、コンテンツ管理部113は、こうしたコンテンツの保有者の変更を、トークン管理サーバ22からの依頼に応じて実行する。こうした構成は、トークンの所有者の変更と、対応するコンテンツの保有者の変更とを容易に同期させることを可能とする。
【0047】
次に、このような機能を有する本実施形態のコンテンツ管理サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例において、コンテンツ管理サーバ10は、プロスポーツの特定のチームの選手カードを管理する選手カード管理サービスを提供する。なお、サーバ10が、こうした選手カードの管理に加えて、対象のチームのファン向けの様々なサービスを提供するようにしてもよい。
【0048】
まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。
図2は、この例において、ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ情報テーブル151は、選手カード管理サービスを利用するユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、アカウント名、性別、及び生年月日等を含む「基本情報」、選手カードを含む様々なアイテムに交換可能なポイントの保有数である「保有ポイント数」、同じく様々なアイテムに交換可能なコインの保有数である「保有コイン数」、「トークン管理用アカウント」等の情報を管理する。ポイントは、様々なタイミングで(例えば、ログインボーナスとして)ユーザに対して付与される、無償のアイテムである。また、コインは、現実の通貨によって購入される、有償のアイテムである。
【0049】
トークン管理用アカウントは、トークン管理サーバ22が提供するトークン管理サービス用のアカウントである。この例におけるトークン管理サービスは、イーサリアムのプラットフォームを用いたトークンの管理が行われ、トークン管理用アカウントには、対応するユーザのイーサリアムアドレスが関連付けられている。トークン管理用アカウントは、ウォレットと呼ばれることもある。
【0050】
図3は、この例において、コンテンツ情報テーブル152が管理する情報を例示する。この例におけるコンテンツ情報テーブル152は、選手カード管理サービスにおいて提供される各選手カードのデザインに関する情報を管理し、図示するように、個別のカードデザインを識別する「カードデザインID」に対応付けて、対応する選手を識別する「選手ID」、対応する画像ファイルのURLである「画像URL」、「レアリティ」等の情報を管理する。カードデザインの画像ファイルは、ストレージ15等において管理される。また、この例では、同じ選手について、相互に異なる複数のカードデザインが存在する。
【0051】
図4は、この例において、オブジェクト情報テーブル153が管理する情報を例示する。この例におけるオブジェクト情報テーブル153は、選手カードの後述する基本画像に対して追加可能な追加用オブジェクトに関する情報を管理し、図示するように、個別の追加用オブジェクトを識別する「オブジェクトID」に対応付けて、追加用オブジェクトの分類である「オブジェクト種別」、対応する選手を識別する「選手ID」、対応する画像ファイルのURLである「画像URL」等の情報を管理する。追加用オブジェクトの画像ファイルは、ストレージ15等において管理される。
【0052】
この例における追加用オブジェクトは、「共通サイン」、「直筆サイン」及び「スタンプ」の3つに分類され、オブジェクト種別には、これらの分類の何れかに対応する値が設定される。共通サインは、選手によって手書きで作成されたサインの画像であるが、複数のオブジェクト間で共通の(コピーされた)画像を有する追加用オブジェクトである。直筆サインは、選手によって個別に手書きで作成されたサインの画像であって、複数のオブジェクト間で個別に識別可能な画像を有する追加用オブジェクトである。選手IDには、追加用オブジェクトが共通サイン又は直筆サインである場合に、対応する選手の値が設定される一方、スタンプである場合には何も設定されない。
【0053】
図5は、この例において、保有コンテンツ管理テーブル154が管理する情報を例示する。この例における保有コンテンツ管理テーブル154は、ユーザが保有する選手カードに関する情報を管理し、図示するように、個別の選手カードの個体を識別する「シリアル番号」に対応付けて、この選手カードを保有するユーザのユーザアカウントである「保有ユーザアカウント」、適用されているカードデザインを識別する「適用カードデザインID」、基本画像のURLである「基本画像URL」、サイン付き画像のURLである「サイン付き画像URL」、スタンプ付き画像のURLである「スタンプ付き画像URL」、対応するトークンの「トークンID」、対応するトークンの参照先の画像のURLである「トークン参照先URL」等の情報を管理する。
【0054】
詳しくは後述するが、この例では、シリアル番号で識別される選手カードの1つの個体に対して、基本画像、サイン付き画像、及び、スタンプ付き画像の3つのバリエーションの画像が関連付けられる。これらの画像に対応する画像ファイルは、コンテンツ画像データベース156(ストレージ15の所定フォルダ)において管理される。また、選手カードに対応するトークンの参照先の画像には、これらの3つのバリエーションの画像の何れかが設定される。
【0055】
図6は、この例において、保有オブジェクト管理テーブル155が管理する情報を例示する。この例における保有オブジェクト管理テーブル155は、ユーザが保有する追加用オブジェクトに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」、及び、対応するユーザが保有する追加用オブジェクトを識別する「オブジェクトID」の組合せを管理する。
【0056】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、コンテンツ管理サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において出力される画面等について説明する。
図7は、ユーザ端末30において出力されるホーム画面50を例示する。当該画面50は、この例の選手カード管理サービスを利用する際の起点となる画面であり、図示するように、カードメニューボタン521と、ショップメニューボタン522と、ガチャメニューボタン523と、その他メニューボタン524とを有する。カードメニューボタン521は、ユーザが保有する選手カードの閲覧及び編集を行うための画面要素である。こうした選手カードに関する機能については後述する。
【0057】
ショップメニューボタン522は、ユーザが、選手カード等のアイテムを購入(ポイント又はコインと交換)するための画面要素である。当該ボタン522が選択されると、購入するアイテムの種類を選択するための図示しない画面が出力される。ユーザは、当該画面を介して、購入するアイテムの種類を選択する。
【0058】
そして、購入するアイテムの種類として選手カードが選択されると、
図8に例示するカード購入画面60が出力される。当該画面60は、選手カードを購入するための画面であり、図示するように、各々が個別のカードデザインに対応する複数の個別表示領域62が2列で並べて配置されている。
【0059】
個別表示領域62は、対応するカードデザインの画像、及び、対応する選手に関する情報等を表示すると共に、購入ボタン621を有する。ユーザは、購入するカードデザインに対応する領域62が有する購入ボタン621を選択する。
【0060】
ここで、ユーザが選手カードを購入する際の処理について説明する。
図9は、カード購入画面60の購入ボタン621の選択に応じてサーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、購入された選手カードに対してシリアル番号を割り当てる(ステップS100)。シリアル番号は、選手カードの個体を識別する番号であり、同じカードデザインの選手カードであっても異なる番号が割り当てられる。最新のシリアル番号(保有コンテンツ管理テーブル154を参照することによって特定される。)に基づいて、新たなシリアル番号が発番される。
【0061】
そして、サーバ10は、購入された選手カードの基本画像を生成する(ステップS110)。具体的には、選択されているカードデザインに対して、割り当てられたシリアル番号が付加された画像が基本画像として生成される。基本画像は、上述したように、選手カードに関連付けられる画像の3つのバリエーションのうちの1つである。
【0062】
図10は、選手カードの基本画像を例示する。図示するように、基本画像は、カードデザインの画像CDと、当該画像CDの左上隅に付加された、シリアル番号を示す画像SRとによって構成される。
【0063】
図9のフローチャートに戻り、続いて、サーバ10は、生成した基本画像を保存する(ステップS120)。基本画像の画像ファイルは、コンテンツ画像データベース156に格納される。
【0064】
そして、サーバ10は、保存した基本画像をトークンの参照先の画像に設定する(ステップS130)。具体的には、購入された選手カードに対応するトークンの参照先のURLが設定され、当該URLに含まれるパス及びファイル名に従って、トークン用の画像として基本画像が保存される。トークン用の画像の画像ファイルは、コンテンツ画像データベース156に格納される。トークンの参照先のURLは、所定ルールに従って設定され、例えば、ユーザアカウント及びシリアル番号等に基づいて、パス及びファイル名が設定される。
【0065】
図11は、コンテンツ画像データベース156に格納される2つの基本画像を説明するための図である。図示するように、コンテンツ画像データベース156には、ステップS120において保存された選手カード管理サービス用の基本画像の画像ファイル(ファイル名「AAA1」)、及び、ステップS130において保存されたトークン用の(トークンの参照先の画像としての)基本画像の画像ファイル(ファイル名「AAA」)が別々に格納されている。
【0066】
図9のフローチャートに戻り、続いて、サーバ10は、対応するトークンを発行する(ステップS140)。具体的には、トークンの発行は、トークン管理サーバ22との通信を伴って行われる。
【0067】
図12は、トークンを発行する際に、コンテンツ管理サーバ10とトークン管理サーバ22との間で行われる処理を例示するシーケンス図である。まず、コンテンツ管理サーバ10が、トークン管理サーバ22に対して、トークンの発行依頼を送信する(ステップS200)。トークンの発行依頼は、図示するように、対応するユーザ(選手カードを購入したユーザ)のトークン管理用アカウント、及び、トークンの参照先のURLを伴って行われる。対応するユーザのトークン管理用アカウントは、ユーザ情報テーブル151において管理されている。
【0068】
続いて、トークンの発行依頼を受信したトークン管理サーバ22が、トークンを発行する(ステップS210)。具体的には、コンテンツ管理サーバ10から受信したトークン管理用アカウントが所有する、同じく受信したURLを参照先とするNFTを発行する。参照先のURLは、NFTのメタデータの一部としてブロックチェーン上に記録される。また、NFTの発行に応じて、トークン管理サーバ22からコンテンツ管理サーバ10に対して、発行されたNFTを識別するトークンIDが送信される。コンテンツ管理サーバ10は、トークン管理サーバ22からのトークンIDを受信する(ステップS220)。
【0069】
図9のフローチャートに戻り、そして、サーバ10は、ユーザが保有する選手カードに関する情報を登録する(ステップS150)。具体的には、保有コンテンツ管理テーブル154に新たなレコードが作成され、シリアル番号、保有ユーザアカウント、適用カードデザインID、基本画像URL、トークンID、及び、トークン参照先URLの各データ項目に対して、対応する値が設定される。
【0070】
以上、ユーザが選手カードを購入する際の処理について説明した。
図7のホーム画面50に戻り、ガチャメニューボタン523は、ユーザが、選手カード等のアイテムを抽選によって獲得するための画面要素である。当該ボタン523が選択されると、抽選を実行するための図示しない画面が出力され、ユーザは、当該画面を介して、抽選を実行することができる。抽選では、抽選対象の各アイテムの当選確率に従って当選アイテムが決定され、決定された当選アイテムがユーザに対して付与される。
【0071】
ここで、当選アイテムとして選手カードがユーザに対して付与される場合には、ユーザが選手カードを購入する場合と同様に、
図9に例示したフローチャートと同じ処理が実行される。具体的には、ユーザに付与される選手カードに対してシリアル番号が割り当てられて、基本画像が生成及び保存され、その後、対応するトークンが発行される。
【0072】
ここで、追加用オブジェクトをユーザに対して付与する際の処理について説明する。上述した追加用オブジェクトのうち、共通サインは、ログインボーナス等の報酬として、ユーザに対して付与される。ユーザに対する追加用オブジェクトの付与は、保有オブジェクト管理テーブル155に登録される。
【0073】
また、追加用オブジェクトのうち、直筆サインは、ユーザ端末30において出力される画面に対する操作を介して、ユーザに対して付与される。
図13は、ユーザ端末30において出力されるサイン入力画面70を例示する。当該画面70は、選手の直筆サインの追加用オブジェクトを生成及び取得するための画面であり、トップ画面50のその他メニューボタン524の選択を経由して出力される。サイン入力画面70は、図示するように、サイン入力領域72と、直筆サインを入力する選手を選択するための選手選択領域74と、送信ボタン76とを有する。サイン入力領域72は、手書き入力を受け付ける領域として構成されている。例えば、選手のサイン会等のイベントにおいて、ユーザは、ユーザ端末30においてサイン入力画面70を出力しておき、選手に対して、サイン入力領域72上での手書きサインの入力を依頼することになる。
【0074】
送信ボタン76が選択されると、サイン入力領域72を介して入力された直筆サインが追加用オブジェクトとして登録されると共にユーザに付与される。具体的には、入力された直筆サインの画像ファイルがストレージ15等に格納されると共に、当該直筆サインに関する情報がオブジェクト情報テーブル153に登録され、さらに、ユーザに対する直筆サインの付与が保有オブジェクト管理テーブル155に登録される。オブジェクト情報テーブル153の選手IDには、選手選択領域74を介して選択された選手に対応する値が設定される。
【0075】
また、追加用オブジェクトのうち、スタンプもまた、ユーザ端末30において出力される画面に対する操作を介して、ユーザに対して付与される。
図14は、ユーザ端末30において出力されるスタンプ取得画面80を例示する。当該画面80は、スポーツの試合会場に関するスタンプを取得するための画面であり、トップ画面50のその他メニューボタン524の選択を経由して出力される。スタンプ取得画面80は、図示するように、カメラを介して入力される画像を表示する画像表示領域82を有する。スタンプ取得画面80の出力に応じて、カメラを介して入力される画像に含まれる二次元コードの検出が行われる。例えば、試合会場において、スタンプに対応する二次元コードが掲示されており、ユーザは、スタンプ取得画面80を出力して、当該二次元コードの検出を行う。
【0076】
図15は、二次元コードの検出後のスタンプ取得画面80を例示する。この状態のスタンプ取得画面80は、図示するように、二次元コードに対応するスタンプの画像を表示する画像表示領域84と、送信ボタン86とを有する。二次元コードには、スタンプの画像のURLが埋め込まれており、画像表示領域84には、当該URLによって特定されるスタンプの画像が表示される。送信ボタン86が選択されると、対応するスタンプの画像が追加用オブジェクトとしてユーザに付与される。具体的には、ユーザに対するスタンプの付与が、保有オブジェクト管理テーブル155に登録される。
【0077】
この例において、ユーザ端末30が試合会場に対応する所定の地理的範囲に位置する場合に(例えば、ユーザ端末30の位置情報によって判断される。)、当該試合会場に関するスタンプが、対応するユーザに対して付与されるようにしてもよい。
【0078】
以上、追加用オブジェクトを付与する際の処理について説明した。
図7のホーム画面50に戻り、カードメニューボタン521は、ユーザが保有する選手カードの閲覧及び編集を行うための画面要素である。当該ボタン521が選択されると、
図16に例示するカード一覧画面90が出力される。当該画面90は、ユーザが保有する選手カードを一覧表示するための画面であり、図示するように、各々が個別の選手カードに関する情報を表示する個別表示領域92が2列で並べて配置されている。ユーザが保有する選手カードは、保有コンテンツ管理テーブル154を参照することによって特定される。
【0079】
個別表示領域92は、対応する選手カードの画像、及び、対応する選手に関する情報等を表示すると共に、編集ボタン921を有する。表示される選手カードの画像は、基本画像、サイン付き画像、及び、スタンプ付き画像のうち、トークンの参照先の画像として、その時点で設定されている画像である。ユーザは、編集する選手カードに対応する個別表示領域92が有する編集ボタン921を選択する。
【0080】
図17は、編集ボタン921の選択に応じて出力されるカード編集画面200を例示する。当該画面200は、選択された選手カードを編集するための画面であり、図示するように、選手カードの画像を表示する画像表示領域202と、「サイン」という文字列が付加されたサイン付き画像ボタン204と、「スタンプ」という文字列が付加されたスタンプ付き画像ボタン205と、「なし」という文字列が付加された基本画像ボタン206と、確定ボタン208とを有する。
【0081】
ボタン204~206は、何れか1つのみを選択できるように構成されている。サイン付き画像ボタン204は、ユーザが、選択されている選手カードに対応する選手のサイン(共通サイン又は直筆サイン)の追加用オブジェクトを保有している場合に選択可能となる。当該ボタン204の選択に応じて、選手カードの基本画像に対してサインの追加用オブジェクトが付加された画像が、サイン付き画像として画像表示領域202において表示される。なお、ユーザがサインの追加用オブジェクトを複数保有している場合には、追加するオブジェクトを選択することもできる。
【0082】
また、スタンプ付き画像ボタン205は、ユーザが、スタンプの追加用オブジェクトを保有している場合に選択可能となる。当該ボタン205の選択に応じて、選手カードの基本画像に対してスタンプの追加用オブジェクトが付加された画像が、スタンプ付き画像として画像表示領域202において表示される。なお、ユーザがスタンプの追加用オブジェクトを複数保有している場合には、追加するオブジェクトを選択することもできる。
【0083】
図18は、追加用オブジェクトが追加された選手カードの画像を例示する。上段の
図18(A)は、基本画像に対してサインの追加用オブジェクトが付加されたサイン付き画像であり、図示するように、カードの右下隅にサイン画像SGが追加されている。また、下段の
図18(B)は、基本画像に対してスタンプの追加用オブジェクトが付加されたスタンプ付き画像であり、図示するように、カードの右下隅にスタンプ画像STが追加されている。なお、ユーザが、追加用オブジェクトが追加される位置を調整できるようにしてもよい。
【0084】
図17のカード編集画面200に戻り、基本画像ボタン206が選択されると、基本画像が、画像表示領域202において表示される。
【0085】
図19は、カード編集画面200の確定ボタン208の選択に応じて、サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。図示するように、サーバ10は、まず、画像表示領域202において表示されている画像が、その時点で保存されている最新の画像と同じでない場合には(ステップS300においてNO)、表示されている画像を最新の画像として保存する(ステップS310)。具体的には、表示されているサイン付き画像、又は、スタンプ付き画像が、その時点で保存されている対応する画像と異なる(例えば、追加されているオブジェクトが変更されている)場合、又は、これらの画像がまだ保存されていない場合には、最新の画像と同じでないと判断されて、表示されている画像が保存される。
【0086】
続いて、サーバ10は、表示されている画像をトークンの参照先の画像に設定する(ステップS320)。具体的には、表示されている画像(サイン付き画像、スタンプ付き画像、及び、基本画像の何れか)によって、対応するトークンの参照先のURLに含まれるパス及びファイル名の画像が上書きされる。
【0087】
図20は、コンテンツ画像データベース156に格納される基本画像、サイン付き画像、スタンプ付き画像、及び、トークン用の画像を説明するための図である。図示するように、コンテンツ画像データベース156には、選手カード管理サービス用の画像として、基本画像の画像ファイル(ファイル名「AAA1」)に加えて、サイン付き画像の画像ファイル(ファイル名「AAA2」)及びスタンプ付き画像の画像ファイル(ファイル名「AAA3」)が格納され、これらの3つの画像の何れかが、トークン用の画像として設定される(対応する画像ファイル(ファイル名「AAA」)が上書きされる)。カード編集画面200は、選手カード管理サービス用のサイン付き画像及びスタンプ付き画像の編集と、3つのバリエーションの画像の何れかのトークン用の画像への設定(トークン用の画像の変更)を行うための画面であると言うこともできる。
【0088】
また、この例では、コンテンツ管理サーバ10が提供する選手カード管理サービス内で、ユーザ間での選手カードの取引が行われる。選手カードの取引は、例えば、譲渡人であるユーザが対象の選手カードのシリアル番号及び譲受人のユーザアカウントを特定して取引の申込を行った後、譲受人のユーザが承認することによって成立する。こうした取引は、ユーザ端末30において出力される図示しない画面を介して行われる。
【0089】
図21は、ユーザ間での選手カードの取引の成立に応じて、サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、取引対象の選手カードのサービス内の保有者を変更する(ステップS400)。具体的には、保有コンテンツ管理テーブル154の対応するレコードの保有ユーザアカウントが、譲渡人から譲受人へと変更される。
【0090】
続いて、サーバ10は、対応するトークンの所有者を変更する(ステップS410)。具体的には、コンテンツ管理サーバ10が、トークン管理サーバ22に対して、対応するトークンの所有者の変更依頼を送信する。変更依頼は、対象のトークンのトークンID及び譲受人のトークン管理用アカウントを伴って行われる。この依頼を受信したトークン管理サーバ22は、対象のトークンの所有者を譲受人のトークン管理用アカウントに変更する。こうしたトークンの所有者の変更は、ブロックチェーン上に記録される。
【0091】
上述した例において、トークンの参照先の画像の変更についても、ブロックチェーン上に記録されるようにしてもよい。例えば、当該画像の変更に伴って、コンテンツ管理サーバ10がトークン管理サーバ22に対して当該変更を通知すると、トークン管理サーバ22は、当該変更を、NFTのメタデータの一部としてブロックチェーン上に記録する。
【0092】
上述した例では、基本画像に対する追加用オブジェクトとして、サイン又はスタンプの何れか一方を追加できるようにしたが、これらの両方を追加できるようにしてもよい。また、サイン及びスタンプ以外の追加用オブジェクトを基本画像に対して追加できるようにしてもよい。例えば、ユーザが生成したオブジェクト(例えば、撮影した写真等)を追加用オブジェクトとして基本画像に追加できるようにしてもよい。また、シリアル番号を基本画像から除外し、シリアル番号についても追加オブジェクトとして取り扱うようにしてもよい。
【0093】
上述した例において、トークン管理サーバ22からの要求に応じて、選手カード管理サービス内での選手カードの保有者を変更するようにしてもよい。例えば、トーク管理サーバ22が提供するトークン管理サービスにおいて、トークンの所有者が変更された場合に、トークンID及び譲受人のトークン管理用アカウントを伴う依頼を受信すると、受信したトークンIDに対応する選手カードの保有者を、同じく受信したトークン管理用アカウントに対応するユーザに変更するようにしてもよい。
【0094】
上述した例では、トークンの管理機能をトークン管理サーバ22が有するようにしたが、トークンの管理機能をコンテンツ管理サーバ10が有するようにしてもよい。
【0095】
上述した例では、カード編集画面200を介して、サイン付き画像及びスタンプ付き画像の編集、及び、トークン用の画像の変更を行うようにしたが、こうした編集及び/又は変更が自動的に行われるようにしてもよい。例えば、追加用オブジェクトがユーザに対して付与されると、当該追加用オブジェクトが基本画像に付加された画像が自動的に生成されると共に、生成された画像がトークン用の画像として自動的に設定されるようにしてもよい。
【0096】
上述した例において、基本画像に対して追加用オブジェクトを追加可能な選手カードを制限してもよい。例えば、レアリティが所定値以上である選手カードについては追加用オブジェクトの追加が可能である一方、レアリティが所定値未満である選手カードについては追加用オブジェクトの追加が不可能であるようにしてもよい。
【0097】
上述した例では、選手カード管理サービス用の画像と、トークン用の画像とを別々に格納するようにしたが、このように画像を別々に管理しなくてもよい。例えば、選手カード管理サービス内では、基本画像のみを管理し、トークン用の画像として設定する際に、その都度、サイン付き画像、又は、スタンプ付き画像を生成するようにしてもよい。
【0098】
上述した例では、コンテンツ管理サーバ10によって管理されるデジタルコンテンツとして選手カードを例示したが、本実施形態の他の例では、選手カード以外の様々なデジタルコンテンツが管理対象となり得る。
【0099】
以上説明した本実施形態に係るコンテンツ管理サーバ10は、ユーザが保有するコンテンツ(例えば、選手カード)に関連付けられた画像を参照先の画像とするトークン(NFT)を発行し、当該画像を変更して保存し、当該トークンの参照先の画像を、変更前の画像から変更後の画像に変更するから、トークンを用いて管理されるコンテンツに関連付けられた画像の容易な変更が可能となる。このように、サーバ10は、NFTを用いたデジタルコンテンツの管理を支援する。
【0100】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるコンテンツ管理サーバ10が有する機能の一部又は全部は、コンテンツ管理サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。
【0101】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0102】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0103】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
10 コンテンツ管理サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 管理機能制御部
113 コンテンツ管理部
15 ストレージ
151 ユーザ情報テーブル
152 コンテンツ情報テーブル
153 オブジェクト情報テーブル
154 保有コンテンツ管理テーブル
155 保有オブジェクト管理テーブル
156 コンテンツ画像データベース
22 トークン管理サーバ
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
50 ホーム画面
60 カード購入画面
70 サイン入力画面
80 スタンプ取得画面
90 カード一覧画面
200 カード編集画面