(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100324
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ペースト状身体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20230711BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230711BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/34
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000891
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
(74)【代理人】
【識別番号】100097504
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 純雄
(72)【発明者】
【氏名】坂爪 佑真
(72)【発明者】
【氏名】森川 稔之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 卓巳
(72)【発明者】
【氏名】林 優惟子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB031
4C083AB032
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083CC23
4C083DD22
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持ち、さらに泡立て時に液だれしにくいことで使用性に優れ、チューブ等から取り出しやすい硬度であり、形態安定性に優れるペースト状身体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】ペースト状身体洗浄剤組成物は、(A)炭素数8~22のアシル基を有するアシルメチル-β-アラニンを20質量%~50質量%、(B)アルカリ剤、および(C)炭素数3~6の2~4価アルコールを20質量%~45質量%を含有し、成分(B)による成分(A)の中和度が10~60%であることを特徴とする。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)炭素数8~22のアシル基を有するアシルメチル-β-アラニンを20質量%~50質量%、
(B)アルカリ剤、および
(C)炭素数3~6の2~4価アルコールを20質量%~45質量%
を含有し、
前記成分(B)による前記成分(A)の中和度が10~60%であることを特徴とする、ペースト状身体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト状身体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体洗浄用の洗浄剤組成物において、洗浄成分として高級脂肪酸塩が広く用いられてきた。しかし、高級脂肪酸塩は泡立ちや洗浄後のさっぱり感に優れるものの、その洗浄力の高さから、皮膚に対する刺激性の高いことが欠点であった。更に、洗浄後およびタオルドライ後に皮膚のきしみやつっぱりを感じることがあった。
そこで、皮膚に対する作用が穏和な洗浄剤として、アミノ酸系界面活性剤が注目を集めており、それを主成分とする洗浄剤組成物が開発、提案されている。
【0003】
一方、ペースト状身体洗浄剤組成物において、液だれを生じ易い液体洗浄剤や、溶け崩れが生じやすい固形洗浄剤に代わり、液だれがなく、チューブ等に充填することで使用時に適宜必要量を取り出せる等、使用性に優れることから、ペースト状やクリーム状の洗浄剤が消費者に好まれている。
【0004】
そこで、N-アシルアミノ酸塩を主成分とする、ペースト状やクリーム状の洗浄剤組成物を調製する試みが種々なされてきた。特に、N-アシル酸性アミノ酸塩およびN-アシル中性アミノ酸塩は、ペースト状やクリーム状の洗浄剤組成物に広く用いられている。
【0005】
特許文献1には、N-アシル酸性アミノ酸塩を主成分とする洗浄剤組成物が提案され、皮膚に対する刺激性の低さに優れていた。しかし、本組成物は洗浄後にぬるつきを感じることがあり、洗浄後のさっぱり感に劣る場合があった。
【0006】
これに対して、特許文献2には、N-アシルグリシン塩を主成分とする洗浄剤組成物が提案され、洗浄後のぬるつきがなく、さっぱり感に優れていた。しかし、本組成物はタオルドライ後のしっとり感に劣る場合があった。さらに、これらの洗浄剤組成物は、組成物を適量取り、水を加えて泡立てる際に、希釈した液の粘度が低いことで液だれしやすく、使用性に劣る場合があった。
【0007】
これに対して、特許文献3には、N-アシルグルタミン酸カリウム塩を主剤とし、N-アシル中性アミノ酸およびその塩を含む洗浄剤組成物が提案され、液だれしにくく使用性に優れていた。しかし、本組成物も洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感の両立は困難であった。
【0008】
一方、特許文献4には、N-アシルメチル-β-アラニン塩を含む洗浄剤組成物が提案され、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感に優れていた。また、組成物の粘度および希釈液の粘度が高い場合、液だれは生じにくく、本組成物は粘度を高めることが容易なため、液だれしにくく使用性に優れていた。そこで、泡立て時の液だれが少なく、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持つアミノ酸系界面活性剤として、N-アシルメチル-β-アラニンおよびその塩を用いることが考えられる。
【0009】
しかし、特許文献5には、N-アシル中性アミノ酸塩を主成分とするクリーム状洗浄剤組成物が提案されていたものの、N-アシルメチル-β-アラニンおよびその塩を主成分とする場合、N-アシルメチル-β-アラニン塩の水溶性の高さによってペースト状やクリーム状の洗浄剤の調製が困難であること、または形態安定性に劣ることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公平04-73479号公報
【特許文献2】特開2001-31993号公報
【特許文献3】特開2009-67947号公報
【特許文献4】特開2014-172881号公報
【特許文献5】特開2000-143497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持ち、さらに泡立て時に液だれしにくいことで使用性に優れ、チューブ等から取り出しやすい硬度であり、形態安定性に優れるペースト状身体洗浄剤組成物が求められている。
【0012】
そこで、本発明の課題は、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持ち、さらに泡立て時に液だれしにくいことで使用性に優れ、チューブ等から取り出しやすい硬度であり、形態安定性に優れるペースト状身体洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、アシルメチル-β-アラニンを特定の中和度となるようにアルカリ剤を用いて中和し、2~4価アルコールを特定の質量比で組み合わせることにより、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持ち、さらに泡立て時に液だれしにくいことで使用性に優れ、チューブ等から取り出しやすい硬度であり、形態安定性に優れるペースト状身体洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
【0014】
すなわち本発明は、以下のものである。
(A)炭素数8~22のアシル基を有するアシルメチル-β-アラニンを20質量%~50質量%、
(B)アルカリ剤、および
(C)炭素数3~6の2~4価アルコールを20質量%~45質量%
を含有し、前記成分(B)による前記成分(A)の中和度が10~60%であることを特徴とする、ペースト状身体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明のペースト状身体洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」とも言う。)は、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持ち、さらに泡立て時に液だれしにくいことで使用性に優れ、チューブ等から取り出しやすい硬度であり、形態安定性に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を少なくとも含有する。以下、各成分について説明する。
【0017】
〔成分(A)〕
成分(A)は、炭素数8~22のアシル基を有するアシルメチル-β-アラニンである。
この炭素数8~22のアシル基を「RCO-」と表記したとき、Rは、炭素数8~22の炭化水素基であり、アシル基は、脂肪酸(RCOOH)から水酸基を除いたアシル基である。このアシル基(RCO-)は、飽和脂肪酸に由来するアシル基であってよく、不飽和脂肪酸に由来するアシル基であってもよいが、飽和脂肪酸に由来するアシル基が好ましい。またアシル基は、一種類の脂肪酸に由来するアシル基であってよく、また二種類以上の脂肪酸混合物に由来するアシル基であってよい。また、本発明の観点からは、このアシル基の炭素数は、8以上とすることが更に好ましく、また、18以下とすることが更に好ましい。
【0018】
更に具体的には、炭素数8~22の前記アシル基としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基、カプリロイル基、カプロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基、ベヘニル基などが挙げられる。その中で、好ましくは、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基であり、より好ましくは、ラウロイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基である。
【0019】
炭素数8~22のアシル基を有するアシルメチル-β-アラニンとしては、例えば、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-メチル-β-アラニンなどが挙げられる。
また、成分(A)としては、アシルメチル-β-アラニンを1種または2種以上を用いることができる。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物の全量を100質量%としたとき、成分(A)の含有量は20質量%~50質量%とする。成分(A)の含有量が20質量%以下であると、組成物の硬度が不十分となり、形態安定性、泡立て時の液だれしにくさ、洗浄後のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感も劣ることがあるので、20質量%以上とするが、25質量%以上とすることが好ましく、35質量%以上とすることが更に好ましい。また、成分(A)の含有量が50質量%を超えると、組成物の硬度が高く、容器からの吐出が困難となり、タオルドライ後のしっとり感も劣ることがあるので、50質量%以下とするが、45質量%以下であることが更に好ましい。
【0021】
〔成分(B)〕
成分(B)は、アルカリ剤であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、有機アミンが挙げられる。例えば、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。また、有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。その中で、好ましくは、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムである。
成分(B)としては、上記アルカリ剤から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0022】
本発明の洗浄剤組成物における成分(B)による成分(A)の中和度は、10~60%とする。成分(B)による成分(A)の中和度が10%未満であると、硬度が高く、容器からの吐出が困難となり、泡立て時の液だれしにくさ、洗浄後のさっぱり感に劣ることがあるので、10%以上とするが、20%以上が好ましく、30%以上とすることが更に好ましい。また、成分(B)による成分(A)の中和度が60%を超えると、泡立て時の液だれしにくさ、形態安定性、タオルドライ後のしっとり感に劣ることがあるので、60%以下とするが、50%以下が好ましく、40%以下とすることが更に好ましい。
【0023】
成分(B)による成分(A)の中和度は以下の式により算出される。
【数1】
W
A: 成分(A)の仕込量(g)
W
B: 成分(B)の仕込量(g)
MW
A: 成分(A)の分子量
MW
B: 成分(B)の分子量
n: 成分(B)の価数
【0024】
〔成分(C)〕
成分(C)の炭素数3~6の2~4価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。その中で、特に好ましくは、グリセリンである。
成分(C)としては、上記2~4価アルコールから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物の全量を100質量%としたとき、成分(C)の含有量は、20質量%~45質量%とする。成分(C)の含有量が20質量%未満であると、組成物の硬度が不十分となり、形態安定性、タオルドライ後のしっとり感に劣ることがあるので、20質量%以上とするが、30質量%以上とすることが更に好ましい。また、成分(C)の含有量が45質量%を超えると、組成物の硬度が高く、容器からの吐出が困難となり、また洗浄後のさっぱり感が劣ることがあるので、45質量%以下とするが、40質量%以下とすることが更に好ましい。
【0026】
[成分(D)]
本発明のペースト状身体洗浄剤組成物は、上記成分(A)~(C)以外に、成分(D)として水を含んでいる。水は特に制限はなく、蒸留水、イオン交換水、水道水などを使用できる。成分(D)の含有量は、10~60質量%が好ましく、15~50質量%がより好ましい。
また、本発明の洗浄剤組成物の全量を100質量%としたとき、成分(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%が更に好ましく、100質量%であってもよい。
【0027】
〔他の成分〕
更に、本発明の洗浄剤組成物には、発明の効果を損なわない範囲でその他の任意成分を添加することができる。
その他の任意成分としては、例えば、植物油脂、動物油脂などの油脂類;スクワラン、流動パラフィン、水添ポリイソブテンなどの炭化水素油;セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール類;環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサンなどのシリコーン類;パルミチン酸2-エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ココイルアルギニンエチルPCAなどのカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤;ラウリルベタイン、ヤシ油脂肪酸アシルプロピルベタインなどの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子;エタノールなどの溶剤;クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩などのpH調整剤;トコフェロールなどの抗酸化剤;多糖類、アミノ酸、ペプチド、防腐剤、香料、着色料などを適宜含有させることができる。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、特に限定されるものではないが、好ましくは4.5~7.0、より好ましくは5.0~7.0、特に好ましくは5.5~7.0である。なお、本発明の洗浄剤組成物のpHは、精製水で10倍に希釈した後、測定する。
【実施例0029】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0030】
[実施例1~6、比較例1~5]
<洗浄剤組成物の調製>
表1、表2中の成分(A)~(C)を順次水(成分(D))に添加して、80℃で撹拌しながら混合し、これを徐冷撹拌しながら25℃になるまで冷却して実施例1~6、比較例1~5の各洗浄剤組成物を調製した。
表1、表2中の各成分としては、化粧品用として提供されている市販の製品を用いた。なお、表1、表2中の各成分の含有量は、「質量%」単位にて示す。
【0031】
実施例1~6および比較例1~5の各洗浄剤組成物について、下記(1)~(5)に記載の通り、「泡立て時の液だれ」、「洗浄後のさっぱり感」、「タオルドライ後のしっとり感」、「硬度」、「形態安定性」について、評価を行った。
上記(1)~(5)の評価結果を、表1、2に併せて示した。
【0032】
<洗浄剤組成物の評価>
(1)泡立て時の液だれ
洗浄剤組成物を精製水で3倍に希釈した後、25℃においてB型粘度計(株式会社東京計器製作所製)を用い、粘度を測定した。測定した粘度に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<評価基準>
◎: 粘度が100mPa・s以上
○: 粘度が60mPa・s以上、100mPa・s未満
△: 粘度が30mPa・s以上、60mPa・s未満
×: 粘度が30mPa・s未満
【0033】
(2)洗浄後のさっぱり感
20~50歳の男女各10名をパネラーとし、洗浄剤組成物1gを用いて洗顔し、洗浄後のさっぱり感について、下記絶対評価基準に従って評価した。各パネラーの評価の合計点を求め、評価の合計点に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
2: さっぱり感が得られた
1: ややさっぱり感が得られた
0: さっぱり感が得られない
<評点の合計による4段階評価>
◎: 合計点30点以上
○: 合計点20点以上、30点未満
△: 合計点10点以上、20点未満
×: 合計点10点未満
【0034】
(3)タオルドライ後のしっとり感
20~50歳の男女各10名をパネラーとし、洗浄剤組成物1gを用いて洗顔し、タオルで水分を除去したあとのしっとり感について、下記絶対評価基準に従って評価した。各パネラーの評価の合計点を求め、評価の合計点に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
2: しっとり感が得られた
1: ややしっとり感が得られた
0: しっとり感が得られない
<評価基準>
◎: 合計点30点以上
○: 合計点20点以上30点未満
△: 合計点10点以上20点未満
×: 合計点10点未満
【0035】
(4)硬度(25℃)
実施例および比較例の各洗浄剤組成物20gを、チューブ容器(口径7Φ)に充填し、25℃で1週間保管した。20~50歳の男女各10名をパネラーとし、このチューブ容器の中央を指で押して組成物を吐出し、下記絶対評価基準に従って評価した。各パネラーの評価の合計点を求め、評価の合計点に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<評価基準>
2:適度
1: やや硬い
0: 硬い
<評点の合計による4段階評価>
◎: 合計点30点以上
○: 合計点20点以上30点未満
△: 合計点10点以上20点未満
×: 合計点10点未満
【0036】
(5)形態安定性(硬度(40℃))
実施例および比較例の各洗浄剤組成物20gを、チューブ容器(口径7Φ)に充填し、40℃で1週間保管した。20~50歳の男女各10名をパネラーとし、このチューブ容器の中央を指で押して組成物を吐出し、下記絶対評価基準に従って評価した。各パネラーの評価の合計点を求め、評価の合計点に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<評価基準>
2: 適度
1: やや緩い
0: 緩い
<評点の合計による4段階評価>
◎: 合計点30点以上
○: 合計点20点以上30点未満
△: 合計点10点以上20点未満
×: 合計点10点未満
【0037】
【0038】
【0039】
実施例1~6は、いずれも泡立て時の液だれしにくさ、洗浄後のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感、組成物の硬度、形態安定性が良好であった。
【0040】
一方、比較例1では、成分(B)による成分(A)の中和度が60%を超えたため、泡立て時の液だれしにくさ、タオルドライ後のしっとり感に劣り、組成物の硬度、形態安定性が不十分であった。
比較例2では、成分(C)の含有量が20質量%未満であったため、タオルドライ後のしっとり感、形態安定性が不十分であった。
比較例3では、成分(A)の代わりに、N-ラウロイルグルタミン酸を用いたため、泡立て時の液だれしにくさ、洗浄後のさっぱり感が不十分であった。
比較例4では、成分(A)の代わりに、N-ラウロイルグリシンを用いたため、泡立て時の液だれしにくさ、タオルドライ後のしっとり感が不十分であった。
比較例5では、成分(C)の代わりに、ソルビトールを用いたため、洗浄後のさっぱり感、形態安定性が不十分であった。
【0041】
更に、本発明の洗浄剤組成物の処方例を以下に具体的に示す。なお、本処方例においても水を用いて全量を100質量%に調整した。
【表3】
【0042】
本処方例の洗浄剤組成物は、硬度、泡立て時の液だれしにくさ、洗浄後のさっぱり感、タオルドライ後のしっとり感が良好であり、本発明の効果が認められた。
本発明は、洗浄後のさっぱり感とタオルドライ後のしっとり感を併せ持ち、さらに泡立て時に液だれしにくいことで使用性に優れ、チューブ等から取り出しやすい硬度であり、形態安定性に優れるペースト状身体洗浄剤組成物として提供できる。