(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100327
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】自律走行型掃除機及びこれを備えた掃除システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230711BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G05D1/02 J
A47L9/28 E
A47L9/28 Q
A47L9/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000900
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】荒井 貴啓
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 亮
(72)【発明者】
【氏名】菅井 正寛
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DA00
5H301AA01
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK08
5H301KK18
5H301KK19
5H301LL01
5H301LL03
5H301LL11
5H301QQ04
(57)【要約】
【課題】移動可能な障害物を除去した場合に増加する掃除可能範囲を把握する。
【解決手段】本発明の自律走行型掃除機Sは、距離を測定するLiDAR41と、物の形状や位置を検知するカメラ50とを備える。制御装置30はカメラ50で撮影した画像データから障害物の情報を取得する画像処理部32と、LiDAR41と画像処理部32の情報から地図を作成する地図作成部31と、自律走行型掃除機Sの自己位置を判定する自己位置判定部33と、地図情報及び自己位置情報に基づいて走行経路を作成する走行経路作成部34と、を備える。地図作成部31は障害物を除去した時の地図情報を作成する機能を備え、走行経路作成部34は地図作成部31が作成した障害物を除去した場合の地図情報に基づいて障害物を除去した時における自律走行型掃除機Sの走行可能範囲情報を作成し、情報端末装置100に送信する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動輪及び前記駆動輪を駆動する走行モータを備えた掃除機本体と、前記掃除機本体に備えられ、ごみを集塵するダストケースと、前記掃除機本体に備えられ、吸引力を発生させるファンモータと、前記走行モータ、前記ファンモータを制御する制御装置とを備えた自律走行型掃除機であって、
前記自律走行型掃除機と周囲の距離を測定する測距センサと、物の形状や位置を検知する撮像部と、情報端末装置と送受信を行う通信手段と、を備え、
前記制御装置は前記撮像部で撮影した画像データを処理して障害物を識別し、障害物の相対位置に関する情報を取得する画像処理部と、前記測距センサの情報と前記画像処理部の情報に基づいて地図を作成する地図作成部と、前記測距センサの情報に基づいて前記自律走行型掃除機の自己位置を判定する自己位置判定部と、前記地図作成部で作成された地図情報及び前記自己位置判定部で判定された前記自律走行型掃除機の自己位置情報に基づいて前記自律走行型掃除機の走行経路を作成する走行経路作成部と、を備え、
前記地図作成部は障害物を除去した時の地図情報を作成する機能を備え、
前記走行経路作成部は前記地図作成部が作成した障害物を除去した場合の地図情報に基づいて障害物を除去した時における前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を作成し、前記通信手段を介して前記情報端末装置に送信することを特徴とする自律走行型掃除機。
【請求項2】
請求項1において、
前記走行経路作成部は、前記自律走行型掃除機が充電台に帰還後、障害物を除去した時における前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を作成することを特徴とする自律走行型掃除機。
【請求項3】
請求項1において、
前記画像処理部は、障害物の種類を認識し、認識した障害物が移動可能な物であるか否かを判断することを特徴とする自律走行型掃除機。
【請求項4】
走行モータ、ファンモータを制御する制御装置を備えた自律走行型掃除機と、前記自律走行型掃除機との間、及び情報通信端末との間で情報を送受信する家電サーバーとを備えた掃除システムであって、
前記自律走行型掃除機は、前記自律走行型掃除機と周囲の距離を測定する測距センサと、物の形状や位置を検知する撮像部と、を備え、
前記制御装置は前記撮像部で撮影した画像データを処理して障害物を識別し、障害物の相対位置に関する情報を取得する画像処理部と、前記測距センサの情報と前記画像処理部の情報に基づいて地図を作成する地図作成部と、前記測距センサの情報に基づいて前記自律走行型掃除機の自己位置を判定する自己位置判定部と、前記地図作成部で作成された地図情報及び前記自己位置判定部で判定された前記自律走行型掃除機の自己位置情報に基づいて前記自律走行型掃除機の走行経路を作成する走行経路作成部と、を備え、
前記地図作成部は障害物を除去した時の地図情報を作成する機能を備え、
前記走行経路作成部は前記地図作成部が作成した障害物を除去した場合の地図情報に基づいて障害物を除去した時における前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を作成し、前記家電サーバーに送信することを特徴とする掃除システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記家電サーバーは、前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を情報端末装置に送信することを特徴とする掃除システム。
【請求項6】
請求項4において、
前記走行経路作成部は、前記自律走行型掃除機が充電台に帰還後、障害物を除去した時における前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を作成することを特徴とする掃除システム。
【請求項7】
請求項4において、
前記画像処理部は、障害物の種類を認識し、認識した障害物が移動可能な物であるか否かを判断することを特徴とする掃除システム。
【請求項8】
請求項5において、
前記家電サーバーは、前記情報端末装置の要求に応じて地図情報を前記情報端末装置に送信することを特徴とする掃除システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行して掃除を行う自律走行型掃除機及びこれを備えた掃除システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行型掃除機として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、自律走行型掃除機の走行環境の情報を取得する環境計測センサと、環境計測センサの情報に基づいて走行環境の地図を作成する地図作成部と、地図作成部が作成した地図を記憶する記憶部と、環境計測センサが取得した情報と地図に基づいて、自己の位置を判定すると共に、自身が走行不能な状況であるか否かを判定し、この状況を判定した位置および/または領域を記憶させる自己位置判定部とを備える技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、自律走行型掃除機が走行不能となった位置、領域は把握できるものの、移動可能な障害物を除去した場合に増加する掃除可能範囲を把握することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、移動可能な障害物を除去した場合に増加する掃除可能範囲を把握することができる自律走行型掃除機及びこれを備えた掃除システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の自律走行型掃除機は、駆動輪及び前記駆動輪を駆動する走行モータを備えた掃除機本体と、前記掃除機本体に備えられ、ごみを集塵するダストケースと、前記掃除機本体に備えられ、吸引力を発生させるファンモータと、前記走行モータ、前記ファンモータを制御する制御装置とを備えた自律走行型掃除機であって、前記自律走行型掃除機と周囲の距離を測定する測距センサと、物の形状や位置を検知する撮像部と、情報端末装置と送受信を行う通信手段と、を備え、前記制御装置は前記撮像部で撮影した画像データを処理して障害物を識別し、障害物の相対位置に関する情報を取得する画像処理部と、前記測距センサの情報と前記画像処理部の情報に基づいて地図を作成する地図作成部と、前記測距センサの情報に基づいて前記自律走行型掃除機の自己位置を判定する自己位置判定部と、前記地図作成部で作成された地図情報及び前記自己位置判定部で判定された前記自律走行型掃除機の自己位置情報に基づいて前記自律走行型掃除機の走行経路を作成する走行経路作成部と、を備え、前記地図作成部は障害物を除去した時の地図情報を作成する機能を備え、前記走行経路作成部は前記地図作成部が作成した障害物を除去した場合の地図情報に基づいて障害物を除去した時における前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を作成し、前記通信手段を介して前記情報端末装置に送信することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の掃除システムは、走行モータ、ファンモータを制御する制御装置を備えた自律走行型掃除機と、前記自律走行型掃除機との間、及び情報通信端末との間で情報を送受信する家電サーバーとを備えた掃除システムであって、前記自律走行型掃除機は、前記自律走行型掃除機と周囲の距離を測定する測距センサと、物の形状や位置を検知する撮像部と、を備え、前記制御装置は前記撮像部で撮影した画像データを処理して障害物を識別し、障害物の相対位置に関する情報を取得する画像処理部と、前記測距センサの情報と前記画像処理部の情報に基づいて地図を作成する地図作成部と、前記測距センサの情報に基づいて前記自律走行型掃除機の自己位置を判定する自己位置判定部と、前記地図作成部で作成された地図情報及び前記自己位置判定部で判定された前記自律走行型掃除機の自己位置情報に基づいて前記自律走行型掃除機の走行経路を作成する走行経路作成部と、を備え、前記地図作成部は障害物を除去した時の地図情報を作成する機能を備え、前記走行経路作成部は前記地図作成部が作成した障害物を除去した場合の地図情報に基づいて障害物を除去した時における前記自律走行型掃除機の走行可能範囲情報を作成し、前記家電サーバーに送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、移動可能な障害物を除去した場合に増加する掃除可能範囲を把握することができる自律走行型掃除機及びこれを備えた掃除システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係る自律走行型掃除機の外観斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る自律走行型掃除機の底面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る自律走行型掃除機から上ケースを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図5】周囲検出センサユニットを示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る自律走行型掃除機を示す制御ブロック図である。
【
図8】本発明の実施例に係る自律走行型掃除機を含む掃除システムの構成図である。
【
図9】本発明の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施例に係る掃除開始から掃除終了までの流れを示すシーケンス図である。
【
図11】本発明の実施例に係る地図情報を示す図である。
【
図12】本発明の実施例に係る地図情報と障害物識別結果を示す図である。
【
図13】本発明の実施例に係る走行可能範囲情報の作成方法を示す図である。
【
図14】本発明の実施例に係る障害物除去時の地図情報を示す図である。
【
図15】本発明の実施例に係る障害物除去時の走行可能範囲を示す図である。
【
図16】本発明の実施例に係る家電サーバーと情報端末装置の流れを示すシーケンス図である。
【
図17】掃除終了後の地図情報と障害物を表示した情報端末装置の表示画面の一例である。
【
図18】障害物の情報を表示した情報端末装置の表示画面の一例である。
【
図19】障害物を除去した時の走行可能範囲を表示した情報端末装置の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
【0011】
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【0012】
図中、天井側を上、床面側を下、自律走行型掃除機の進行方向側を前、自律走行型掃除機の進行方向反対側を後、自律走行型掃除機の進行方向左側を左、自律走行型掃除機の進行方向右側を右と定義する。
【0013】
図1は、本発明の実施例に係る自律走行型掃除機の外観斜視図である。
図1に示すように、自律走行型掃除機Sは、所定の掃除領域(例えば、部屋の床面Y(
図4参照))を自律的に移動しながら自動的に掃除する電気機器である。また、自律走行型掃除機Sは、掃除機本体1、掃除機本体1の側周を覆うバンパ2、一対の駆動輪3,4(
図2参照)、補助輪5(
図2参照)、およびサイドブラシ6を備えている。
【0014】
掃除機本体1は、上面の少なくとも一部を形成する上カバー1uおよび底面の少なくとも一部を形成する下ケース1sを有する。
【0015】
上カバー1uには、運転の開始や停止などの各種操作を行うことができる操作ボタン7が設けられている。また、上カバー1uには、着脱可能なダストケース8が設けられている。このダストケース8は、前後方向の中央よりも後側に設けられている。また、ダストケース8は、ハンドル8aが回動可能に取り付けられている。
【0016】
バンパ2は、掃除機本体1の側周略全体に設けられている。このようなバンパ2としては、例えば無底の略筒形状として形成することができるが、少なくとも掃除機本体1の前方側の側周が水平方向、特に前後方向に可動な態様で設けられていればよい。また、バンパ2は、自律走行型掃除機Sが移動するのに伴って障害物等に接触した場合、接触に伴う力で押されることで自律走行型掃除機Sの内側(自律走行型掃除機Sの前方側でバンパ2に接触した場合は、後方)に向けて変位することができる。
【0017】
図2は、本発明の実施例に係る自律走行型掃除機の底面図である。
図2に示すように、駆動輪3,4は、駆動部の一例としての車輪であり、下ケース1sに取り付けられている。また、駆動輪3,4自体が回転することで自律走行型掃除機Sを前進、後退、旋回(超信地旋回を含む)させることができる。また、駆動輪3,4は左右両側に配置されており、それぞれ走行モータ3m,4m(
図3参照)および減速機で構成される車輪ユニットにより回転駆動される。また、駆動輪3,4は、前後方向において略中央で、左右方向について下ケースの外周寄りに(外側に)設けられている。
【0018】
また、下ケース1sには、走行モータ3m,4m(
図3参照)、アーム3a,4a、および減速機構3b,4bを含んで構成される駆動機構を収容する駆動機構収容部11,11が設けられている。
【0019】
また、駆動輪3,4および駆動機構収容部11,11よりも後側には、回転ブラシ14を収容すると共にごみを吸い込む吸口部12、掻取りブラシ15などが設けられている。
【0020】
回転ブラシ14は、駆動輪3,4の回転中心を通る軸(左右方向)に略並行に配置されている。また、回転ブラシ14は、回転ブラシモータ14a(
図3参照)によって駆動される。
【0021】
掻取りブラシ15は、回転ブラシ14の回転軸と平行に配置されている。また、掻取りブラシ15は、いわゆるリントブラシで構成され、所定の角度範囲内で回動するようになっている。
【0022】
補助輪5は、従動輪であり、自由回転するキャスタである。また、補助輪5は、前後方向において自律走行型掃除機Sの前方側、左右方向について略中央に設けられている。また、補助輪5は、駆動輪3,4とともに下ケース1sを床面Y(
図4参照)から所定高さに保たせることに寄与する。また、駆動輪3,4および補助輪5によって、自律走行型掃除機Sを円滑に移動させることができる。補助輪5は、自律走行型掃除機Sの移動に伴い床面Yとの間で生じる摩擦力によって従動回転し、さらに向きが水平方向に360°公転できるように、下ケース1sに軸支されている。
【0023】
サイドブラシ6は、一部が掃除機本体1(
図1参照)よりも外側にあり、回転ブラシ14が届き難い場所の塵埃を吸口部12に導くブラシである。また、サイドブラシ6は、平面視において120°間隔で放射状に延びる3束のブラシを有し、下ケース1sの前側に配置されている。また、サイドブラシ6は、その根元がサイドブラシホルダ6aに固定されている。また、サイドブラシ6の回転軸は上下方向(
図2の紙面垂直方向)であり、サイドブラシ6の一部は平面視で掃除機本体1(
図1参照)から外側方に飛び出ている。
【0024】
また、サイドブラシ6の植毛は、先端に向かうにつれて床面Y(
図4参照)に近づくように傾斜しており、その先端付近は床面に接している。また、サイドブラシ6は、矢印α1で示すように、自律走行型掃除機Sの前方外側の領域を、左右方向外側から内側に向かう方向に掃引するように回転して、床面Y上の塵埃を中央の回転ブラシ14側に集める。なお、サイドブラシ6は、サイドブラシモータ6b(
図3参照)によって回転駆動される。
【0025】
また、下ケース1sには、前後左右の4箇所に床面用測距センサ13a,13b,13c,13dが設けられている。床面用測距センサ13aは、補助輪5の前方に位置している。床面用測距センサ13bは、駆動輪3と右側のサイドブラシ6との間の外周側に位置している。床面用測距センサ13cは、床面用測距センサ13bに対して左右対称に位置している。床面用測距センサ13dは、掻取りブラシ15の後方に位置している。
【0026】
また、下ケース1sには、充電台と電気的に接続される接続部16,16が設けられている。接続部16は、サイドブラシホルダ6aと床面用測距センサ13aとの間に位置している。
【0027】
図3は、本発明の実施例に係る自律走行型掃除機から上ケースを取り外した状態を示す斜視図である。
図4は、
図1のIV-IV線断面図である。
図5は、周囲検出センサユニットを示す斜視図である。
【0028】
図3及び
図4に示すように、自律走行型掃除機Sは、光を用いた測距センサの一例としてのLiDARユニット(長距離周囲検出センサ)40、カメラ(撮像部)50、測距センサ(近距離測距センサ)60、赤外線受光部70を備えている。LiDARユニット40(Light Detection and Ranging)は自律走行型掃除機Sの上面の中心軸上に配置される。カメラ50および測距センサ60、赤外線受光部70は、
図3に示すように、それぞれが正面側を向くように配置されている。
【0029】
本実施例の自律走行型掃除機Sは、掃除機本体1を駆動させる駆動輪3,4と、掃除機本体1に設けられるLiDARユニット40と、掃除機本体1の前面および側面に設けられるカメラ(撮像部)50と、掃除機本体1に設けられるカメラ(撮像部)50と、を備えることにより、清掃場所の地図を正確に作成することができる。
【0030】
図5に示すように、LiDARユニット40は上側の回転部40aと下側の固定部40bに分けられる。上側には赤外線等の光を用いて自律走行型掃除機Sと周囲との距離を測定する測距センサであるLiDAR41と、LiDAR41の水平面上の角度を検出するためのフォトインタラプタで構成される。下側の固定部はLiDAR41を回転させるための回転駆動モータ42、回転駆動モータ42の回転をLiDAR41に伝えるベルト43と回転部が回転する際の固定部との摩擦力を軽減するベアリング、フォトインタラプタが水平面上の角度を検出するための突起で構成される。LiDAR41は発光部41aと受光部41bで構成され、発光部41aの発光角度と受光部41bの受光角度に基づいて三角法で物体との距離を測定する。本実施例では、発光部41aは赤外線の発光部であり、受光部41bは赤外線の受光部であり、これらが一つのユニットで構成されている。
【0031】
掃除機本体1に対する水平面上の角度は、掃除機本体1に固定された固定部40b上の各突起と回転部のフォトインタラプタで、フォトインタラプタの発光素子と受光素子の間に検出された突起の個数で回転部の水平面上の角度を検出している。掃除機本体1の前面方向の突起1つのみ他の突起を短くし、掃除機本体1の前面の角度を検出して、そこからの突起の検出数で各角度を検出している。
【0032】
LiDARユニット40で測定した掃除機本体1の水平面上の角度と障害物との距離に基づいて、周囲の地図情報を作成しながら、地図上の掃除機本体1の位置、速度ベクトルを特定する。なお、長距離周囲検出センサはLiDAR41に替えて、ミリ波レーダや超音波センサなど1m以上測定できる測距センサであればよい。LiDARユニット40の配置は掃除機本体1の上面に限らず下面でも構わない。また、LiDARユニット40の回転部の回転角度は360°に限らず、ベルトをリンク機構に置き換えて、60°以上測定できればよい。回転は首振り動作としても良い。LiDARの距離の測定方法は三角法でなく発光部と受光部の光の位相差を利用したTime of Flight方式でもよい。
【0033】
また、LiDARユニット40は、LiDAR41の光の強度を変更することで、より遠方の障害物を検出できる。しかし、LiDAR41の光の強度を常に高くしておくと消費電力が増加するので、遠方の障害物を検出する必要がないときには、強度を低くするようにすると良い。また、回転駆動モータ42の回転数を上げることで、より詳細に障害物の検出を行うことができる。しかし、回転駆動モータ42も常に回転数を高くしておくと消費電力が増加するので、障害物を詳細な角度で検出する必要がないときには、回転数を低くするようにすると良い。
【0034】
図6は、前方センサユニットの斜視図である。
図6に示すように、前方センサユニットは、カメラ50、測距センサ60、赤外線受光部70を内部に備えている。
【0035】
カメラ(撮像部)50は、単眼カメラであり、掃除機本体1の前面の中心軸に位置している。また、カメラ50は、LiDARユニット40に比べて、物の形状や位置を正確に検知することができるので、障害物を避け易くなる。また、カメラ50は、LiDARユニット40に比べて上下方向の画角を広く取ることができるので、床面の障害物を避けることができる。例えば、床面にある衣服を巻き込んだり、コードがブラシに絡まったりするのを防止できる。このように、カメラ50をLiDARユニット40と併用することにより、広範囲の障害物の大まかな配置を検知しながら、近距離の障害物の形状と位置を明確に検知することができ、障害物を判別することが可能になる。
【0036】
また、カメラ50は、フレームレートを変化させることができるものである。例えば、近くの障害物を検知する際にはフレームレートを上げ、障害物が何もない広い場所を移動する際にはフレームレートを下げる。これにより、カメラ50を、常にフレームレートを上げた状態で作動させる必要がないのでカメラ50の消費電力を抑えることができる。
【0037】
このように、本実施例ではLiDAR41とカメラ50との両者を利用することで、障害物までの距離情報と形状情報とを高精度に検知可能である。より具体的には、掃除領域の地図を作成するに際して、検知した障害物等の位置情報を主に又は専らLiDAR41を利用して検知及びマッピングし、形状情報を主に又は専らカメラを利用して検知及びマッピングすることができる。これらの連関を高精度にするため、本実施形態ではLiDAR41とカメラとを互いに隣接させて(離間距離が10cm、5cm又は3cm以内)設けている。
【0038】
さらに、LiDAR41によって検知した距離情報に基づいてカメラの焦点距離を調整したり掃除機本体1の移動速度を変更(例えば減速)したりしてもよい。
【0039】
測距センサ60は、LiDARより検知範囲が例えば1/10程度以上短く、比較的近傍の障害物(例えば1m程度、好ましくは50cm又は30cm程度まで以下)までの距離を検出する赤外線センサであり、例えばPSD(Position Sensitive Detector)センサによって構成される。また、測距センサ60は、正面および左右両側の計3箇所に設けられている。また、測距センサ60は、赤外線を発光させる発光部と、赤外線が障害物で反射して戻ってくる反射光を受光する受光部とを有している。受光部によって検出される反射光に基づいて、障害物までの距離が算出される。具体的には反射光を受ける位置、反射光を受けるまでの時間、反射光の量、強さ等に基づいて、障害物までの距離が算出される。なお、測距センサ60は、PSDセンサに限定されるものではなく、超音波センサとしてもよい。このように複数の測距センサ60を設けることにより、壁際に沿った掃除を行うことができる。
【0040】
なお、バンパ2は光を透過させる樹脂またはガラスで形成されている。バンパ2のうち少なくとも、測距センサ60の近傍は、赤外線の透過率が可視光および紫外線の透過率よりも大きい材料で形成されている。これにより、紫外線や可視光が受光部に入り込んで、障害物までの距離を誤認識する虞を低減できる。なお、使用する光の波長のみ透過する材料を用いてもよい。
【0041】
自律走行型掃除機Sは接続部16を介して充電台と電気的に接続され、蓄電池21に給電する。また自律走行型掃除機Sは、充電台から発信される3種類の赤外線LEDを赤外線受光部70で受信することで、受信した赤外線の種類に応じて掃除機本体に対する充電台の方向を特定する。
【0042】
図4に示すように、自律走行型掃除機Sは、蓄電池21、ファンモータ22、塵埃センサ80を内部に備えている。
【0043】
蓄電池21は、ファンモータ22の前方に配置され、走行モータ3m,4m(
図3参照)、回転ブラシモータ14a、ファンモータ22などの各種モータ、バンパセンサ(不図示)、カメラ50、測距センサ60、床面用測距センサ13a~13d、LiDARユニット40などの各種センサに電力を供給する。
【0044】
ファンモータ22は、吸引力を発生させて、回転ブラシ14によって掻き取られた塵埃をダストケース8内に集塵させるものである。また、ファンモータ22は、前後方向中央において駆動輪3,4間に設けられている。ダストケース8とファンモータ22との間には集塵フィルタ8bが配置されている。ダストケース8に塵埃とともに取り込まれた空気は、集塵フィルタ8bを介してファンモータ22内に取り込まれる。ファンモータ22の排気は主に下ケース1sに形成された排気口1t(
図2参照)から自律走行型掃除機Sの外部に排出されるが、一部が掃除機本体1の前方方向に排出し、排気を回転駆動モータ42の冷却に利用する。
【0045】
図7は、本発明の実施例に係る自律走行型掃除機を示す制御ブロック図である。
図7に示すように、制御装置30は、自律走行型掃除機Sを統括的に制御するものであり、例えばマイコン(Microcomputer)と周辺回路とが基板に実装されることで構成される。マイコンは、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実現される。周辺回路は、A/D・D/A変換器、センサ駆動回路、蓄電池21の充電回路のほか、後述する地図作成部、画像処理部、自己位置判定部、走行経路作成部、走行制御部を有している。
【0046】
また、制御装置30は、利用者による命令を入力可能な操作ボタン7の操作や、バンパセンサ(不図示)、床面用測距センサ13a~13d、測距センサ60、カメラ50、LiDAR41、塵埃センサ80、通信手段90から入力される信号に応じて演算処理を実行し、演算処理後の信号を出力する。図示はしないが、通信手段90は掃除機本体1の任意の位置に備えられている。
【0047】
自律走行型掃除機は、例えば使用者の指示、或いは予約された開始時間になると充電台から走行を開始し、床面等の掃除を実行する。掃除が終了すると、自律走行型掃除機は、充電台に帰還する。自律走行型掃除機は、壁や家具などの障害物を回避して掃除を行うが、例えば、被掃除面上に電源コード等が置かれていると、その周りを掃除することができなかった。また自律走行型掃除機が電源コードを検知できなかった場合には、自律走行型掃除機の回転ブラシや駆動輪が電源コードを巻き込んでしまい、走行不能となる可能性があった。以下、このような課題を解決するための手段について説明する。
【0048】
図8は、本発明の実施例に係る自律走行型掃除機を含む掃除システムの構成図である。本実施例の掃除システムは、自律走行型掃除機S、無線LANルーター200、情報端末装置100、家電サーバー300により構成されている。
【0049】
自律走行型掃除機Sは、宅内に設置された無線LANルーター200を介して、宅外の家電サーバー300に無線で接続することができる。また、自律走行型掃除機Sは、無線LANルーター200、家電サーバー300を介して、宅外及び宅内の情報端末装置100と通信を行うことができる。自律走行型掃除機Sは、宅内の情報端末装置100と通信を行う場合には、無線LANルーター200、家電サーバー300、無線LANルーター200、家電サーバー300を経由する。
【0050】
情報端末装置100は、無線LANルーター200、家電サーバー300を介して、自律走行型掃除機Sのスケジュール予約、掃除開始、停止の指示を行うことができる。スケジュール予約を受け付けた自律走行型掃除機Sは、設定された日時に掃除を開始する。また、掃除開始を受け付けた自律走行型掃除機Sは、充電台を離れ掃除を開始する。
【0051】
さらに、自律走行型掃除機Sは、LiDAR41と、カメラ50の情報に基づいて作成された地図情報を無線LANルーター200、家電サーバー300を介して、情報端末装置100に送信する。
【0052】
図9は、本発明の実施例に係る制御装置30の構成を示すブロック図である。
図9において、地図作成部31は、LiDAR41が検出した情報に基づいて自律走行型掃除機Sが掃除を行っている部屋の地図を作成する。地図作成部31で作成される地図情報は、二次元の格子状の地図である。
【0053】
画像処理部32は、カメラ50が撮影した画像データから障害物を識別し、障害物の相対位置に関する情報を取得して地図作成部31に送信する。
【0054】
自己位置判定部33は、LiDAR41が検出した情報に基づいて自律走行型掃除機Sの自己位置を判定し、地図作成部31に送信する。
【0055】
地図作成部31では、画像処理部32が特定した障害物の位置情報を含む障害物識別結果、自己位置判定部33が判定した自律走行型掃除機Sの自己位置を作成した地図上に書き込む。地図作成部31で作成された地図情報、障害物識別結果は、制御装置30の記憶部に記憶される。
【0056】
走行経路作成部34は、自己位置判定部33が判定した自律走行型掃除機Sの自己位置、及び記憶部に記憶された地図情報に基づいて、走行可能な範囲を計算すると共に、自己位置を起点とした自律走行型掃除機Sの走行経路を作成し、通信手段90、走行制御部35に送信する。
【0057】
走行制御部35は、作成された走行経路に従って自律走行型掃除機Sが走行するよう走行モータ3m,4mを制御する。
【0058】
デバイス制御部36は、自律走行型掃除機Sの走行に伴い、走行モータ3m,4m、サイドブラシモータ6b、回転ブラシモータ14a、ファンモータ22を制御する。
【0059】
通信手段90は、走行経路作成部34が作成した走行経路を家電サーバー300に送信すると共に、自己位置判定部33が判定した自律走行型掃除機Sの自己位置、記憶部に記憶された地図情報、記憶部に記憶された障害物識別結果を定期的に家電サーバー300に送信する。
【0060】
次に、自律走行型掃除機S、家電サーバー300、情報端末装置100の動作について説明する。
図10は、本発明の実施例に係る掃除開始から掃除終了までの流れを示すシーケンス図である。
【0061】
自律走行型掃除機Sは、充電台を離れて掃除を開始すると、地図作成部31、画像処理部32、自己位置判定部33によって得られた地図情報、障害物識別結果、自律走行型掃除機Sの自己位置を、通信手段90を介して家電サーバー300に送信する。通信手段90から送信される情報は、自律走行型掃除機Sが充電台に帰還するまで定期的に送信される。
【0062】
図11及び
図12を用いて地図情報、及び地図情報と障害物識別結果のデータについて説明する。
図11は、本発明の実施例に係る地図情報を示す図である。
図12は、本発明の実施例に係る地図情報と障害物識別結果を示す図である。
図11及び
図12では、地図情報が二次元の格子状の地図として表されている。白色Wの部分は自律走行型掃除機Sが走行可能な範囲・走行済みの範囲を示している。黒色Bの部分は、走行不可能な範囲・障害物・壁を示している。灰色Gの部分は、走行可能な範囲であり、未走行箇所を示している。ハッチングHの部分は、障害物を識別した結果を示している。
【0063】
自律走行型掃除機Sが走行を行う部屋は壁に囲まれており、内部に家具等が置かれている。壁や家具は、掃除の都度移動させることができない障害物であるので、自律走行型掃除機Sの制御装置30は、走行不可能な範囲として認識される。部屋には、壁や家具といった移動不可の障害物の他に、例えば電源コード(ケーブル)がある。電源コードは自律走行型掃除機Sが巻き込む可能性があるので、画像処理部32では障害物として認識する。ただし、電源コードは移動可能であり、これを取り除くことで障害物が無くなるので、画像処理部32では、電源コードは壁や家具とは区別して認識する。電源コードを識別した結果が
図12のハッチングHのように地図情報に加えられる。画像処理部32は、障害物の種類を認識し、その障害物が移動可能な物であるか否かを判断する。
【0064】
図10に戻り、ユーザーの操作により情報端末装置100がアプリケーションソフトを起動し、家電サーバー300に地図情報を要求すると、家電サーバー300は自律走行型掃除機Sから送信された地図情報を情報端末装置100に逐次送信する。情報端末装置100の表示画面には、地図情報がリアルタイムで表示される。情報端末装置100の表示内容については後述する。なお、情報端末装置100にインストールされるアプリケーションソフトは、例えば家電サーバー300からダウンロードする。
【0065】
自律走行型掃除機Sは、走行経路作成部34で作成された走行経路を走行後、充電台に帰還する。
【0066】
充電台に帰還後、自律走行型掃除機Sは、識別した障害物を除去した時の走行可能範囲情報を作成する。走行可能範囲情報の作成方法及び作成結果について
図13乃至
図15を用いて説明する。
図13は、本発明の実施例に係る走行可能範囲情報の作成方法を示す図である。
図14は、本発明の実施例に係る障害物除去時の地図情報を示す図である。
図15は、本発明の実施例に係る障害物除去時の走行可能範囲を示す図である。
【0067】
図13において、地図作成部31は、制御装置30の記憶部に記憶された地図情報及び障害物識別結果に基づいて、識別された障害物を除去した場合の地図情報を作成し、走行経路作成部34に送信する。障害物を除去した時の地図情報は
図14のようになる。障害物が除去されると、障害物があった箇所の地図情報は、走行可能範囲、未走行箇所として灰色Gのように記憶される。
【0068】
走行経路作成部34は、走行経路作成部34で作成した障害物を除去した場合の地図情報に基づいて、障害物が除去された時の走行可能範囲情報を作成する。障害物を除去した時の走行可能範囲情報は
図15のようになる。障害物が除去されたことにより、灰色Gに表示されていた箇所の走行が可能となり、灰色Gに表示されていた箇所に自律走行型掃除機Sの走行経路が追加される。
【0069】
図10に戻り、自律走行型掃除機Sは、走行経路作成部34が作成した障害物除去時の走行可能範囲情報を通信手段90を介して家電サーバー300に送信する。また、自律走行型掃除機Sは、掃除が終了した情報を通信手段90を介して家電サーバー300に送信する。家電サーバー300は、情報端末装置100に掃除が終了したことを通知する。
【0070】
ユーザーの操作により情報端末装置100がアプリケーションソフトを起動し、家電サーバー300に地図情報を要求すると、家電サーバー300は自律走行型掃除機Sから送信された地図情報を情報端末装置100に送信する。情報端末装置100の表示画面には、走行軌跡を含む自律走行型掃除機Sが掃除を終了した時の地図が表示される。
【0071】
次に、情報端末装置100に表示する表示内容について
図16から
図19を用いて説明する。
図16は、本発明の実施例に係る家電サーバーと情報端末装置の流れを示すシーケンス図である。
図17は、掃除終了後の地図情報と障害物を表示した情報端末装置の表示画面の一例である。
図18は、障害物の情報を表示した情報端末装置の表示画面の一例である。
図19は、障害物を除去した時の走行可能範囲を表示した情報端末装置の表示画面の一例である。
【0072】
図17に示すように、情報端末装置100の表示画面101には、掃除終了後の地図情報と障害物が表示されている。
図17に示す表示画面101では、壁や家具等の移動不可の障害物BA1と、電源コード等の除去可能な障害物BA2が表示されている。また、表示画面101には、障害物BA2に対応した障害物アイコン102が表示されている。障害物アイコン102には、具体的な障害物が絵として表示されている。ユーザーは、障害物アイコン102を確認することで障害物が何であるか、把握することができる。
【0073】
ユーザーが情報端末装置100の表示画面101に表示された障害物アイコン102をタップすると、情報端末装置100は障害物除去時の走行可能範囲情報を家電サーバー300に要求する(
図16)。
【0074】
情報端末装置100からの要求を受け、家電サーバー300は、障害物除去時の走行可能範囲情報を情報端末装置100に送信する。
【0075】
情報端末装置100は、家電サーバー300からの情報を受け、障害物除去に関するメッセージを表示画面101に表示する。例えば、
図18に示すように表示画面101には、「ケーブルが経路を塞いでいました。ケーブルを片付けた場合、掃除可能範囲がxxm
2増えます。掃除可能範囲を閲覧しますか?」といったメッセージが表示される。
【0076】
そして、ユーザーが表示画面101に表示されている「閲覧」をタップすると、
図19に示すように、電源コード除去後に掃除が可能となる範囲が拡張範囲EXとして表示される。すなわち、表示画面101には、掃除可能範囲の増加分が識別して表示される。本実施例は、ユーザーに対し、情報端末装置100を介して障害物除去の提案を行うことを特徴としている。本実施例では、障害物を除去すれば、これだけ掃除可能範囲が広がるということを可視化し、障害物の除去をユーザーに促すようにしている。
【0077】
そして、ユーザーは、障害物である電源コードを除去し、未掃除の拡張範囲EXについて自律走行型掃除機Sへ掃除の指示を行うことができる。
【0078】
以上説明したように、本実施例によれば、掃除の障害となった障害物の存在をユーザーに知らせると共に、障害物を除去した場合の効果を可視化するようにしているので、ユーザーが障害物を除去し易くなる。
【0079】
また、本実施例によれば、移動可能な障害物を除去した場合に増加する掃除可能範囲を把握することができる。
【0080】
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。例えば、自律走行型掃除機Sと情報端末装置100は、無線LANルーター200、家電サーバー300を介さず、直接データを送受信するようにしても良い。
【符号の説明】
【0081】
S…自律走行型掃除機、1…掃除機本体、1s…下ケース、1t…排気口、1u…上カバー、2…バンパ、3…駆動輪、3a…アーム、3b…減速機構、3m…走行モータ、4…駆動輪、4a…アーム、4b…減速機構、4m…走行モータ、5…補助輪、6…サイドブラシ、6a…サイドブラシホルダ、6b…サイドブラシモータ、7…操作ボタン、8…ダストケース、8a…ハンドル、8b…集塵フィルタ、9…表示部、11…駆動機構収容部、12…吸口部、13a,13b,13c,13d…床面用測距センサ、14…回転ブラシ、14a…回転ブラシモータ、15…掻取りブラシ、16…接続部、21…蓄電池、22…ファンモータ、30…制御装置、31…地図作成部、32…画像処理部、33…自己位置判定部、34…走行経路作成部、35…走行制御部、36…デバイス制御部、40…LiDARユニット、41…LiDAR、40a…回転部、40b…固定部、50…カメラ、60…測距センサ、70…赤外線受光部、80…塵埃センサ、90…通信手段、100…情報端末装置、101…表示画面、200…無線LANルーター、300…家電サーバー