(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100331
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】操作スイッチ、スイッチユニット、及びスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 35/00 20060101AFI20230711BHJP
B66B 1/46 20060101ALI20230711BHJP
H01H 9/18 20060101ALI20230711BHJP
H01H 9/02 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
H01H35/00 X
B66B1/46 A
H01H9/18 A
H01H9/02 A
H01H35/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000904
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】岡本 壮平
(72)【発明者】
【氏名】平尾 忠悦
【テーマコード(参考)】
3F502
5G052
5G055
【Fターム(参考)】
3F502MA31
5G052AA05
5G052AA07
5G052AA22
5G052BB10
5G052HA01
5G052HA06
5G052HB04
5G052JA02
5G052JA07
5G052JB05
5G055AA10
5G055AA11
5G055AB04
5G055AC01
5G055AD12
5G055AE03
5G055AE08
5G055AE12
5G055AE17
5G055AE25
5G055AG08
(57)【要約】
【課題】センサ基板31に対して操作受付パネル32を精度よく配置できるとともに、組付け性を向上できる操作スイッチ1、スイッチユニット111、及びスイッチ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】操作動作を検知するセンサユニット30と、センサユニット30が組付けられる筐体10とを備え、センサユニット30が、発光素子39及び受光素子40を前面に実装したセンサ基板31と、センサ基板31に対向配置された光透過性を有する操作受付パネル32と、センサ基板31及び操作受付パネル32を保持する保持部材36とを備え、操作受付パネル32が、少なくとも対向する受光素子40へ向けて反射光を集光する集光レンズ部32aを備え、保持部材36が、センサ基板31と操作受付パネル32との間に配置され、センサ基板31に対する操作受付パネル32の相対位置を位置決めする構成である操作スイッチ1であることを特徴とする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作動作を検知するセンサユニットと、
該センサユニットが組付け方向に沿って組付けられるとともに、前記組付け方向に沿って延びる略筒状の筐体とを備え、
前記センサユニットが、
光を発光する発光素子、及び前記操作動作によって反射した前記光の反射光を受光する受光素子を一方の主面に実装したセンサ基板と、
該センサ基板の前記一方の主面に対して前記組付け方向とは逆方向に対向配置された光透過性を有する光透過性部材と、
前記センサ基板及び前記光透過性部材を保持する保持部材とを備え、
前記光透過性部材が、
少なくとも対向する前記受光素子へ向けて前記反射光を集光する集光レンズ部を備え、
前記保持部材が、
前記センサ基板と前記光透過性部材との間に配置され、前記センサ基板に対する前記光透過性部材の相対位置を位置決めする構成である
操作スイッチ。
【請求項2】
前記センサ基板が、
前記組付け方向とは逆方向に沿って前記保持部材に締結固定される構成であり、
前記光透過性部材が、
前記組付け方向に沿って前記保持部材に係止される構成である
請求項1に記載の操作スイッチ。
【請求項3】
前記保持部材が、
前記センサ基板の一方の主面が当接する基板当接面と、
前記センサ基板の一方の主面に対向する前記光透過性部材の対向面が当接する透過部材当接面とを備えた
請求項1または請求項2に記載の操作スイッチ。
【請求項4】
前記保持部材が、
前記光透過性部材に設けた被係止孔に係止されるとともに、前記組付け方向とは逆方向へ向けた前記光透過性部材の移動を規制する係止部を備えた
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項5】
前記保持部材が、
前記組付け方向へ向けて延びる略板状に形成された複数の前記係止部を備え、
前記センサ基板が、
前記保持部材の前記係止部の先端が嵌合する複数の嵌合孔を備えた
請求項4に記載の操作スイッチ。
【請求項6】
前記保持部材が、
前記組付け方向を回転軸とする前記光透過性部材の回転を規制する回転方向規制壁部を備えた
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項7】
前記センサ基板が、
前記一方の主面の略中心に対してオフセットした位置に、前記組付け方向に沿って貫通した位置決め孔を備え、
前記保持部材が、
前記組付け方向へ向けて突設するとともに、前記センサ基板の前記位置決め孔に嵌合する位置決め部を備えた
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項8】
前記保持部材及び前記光透過性部材のうち、いずれか一方が、
前記組付け方向に直交する直交方向で他方に当接するとともに、前記直交方向における前記光透過性部材の位置を位置決めする複数の直交方向突部を備えた
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項9】
前記保持部材が、
前記筐体の内部に収容されるように前記組付け方向へ向けて延びるとともに、前記筐体に係止される複数の組付け脚部を備えた
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項10】
前記組付け方向に沿って前記筐体の内部に収容保持されるとともに、外部機器との電気的な授受を制御する入出力制御部と、
前記センサユニットの前記センサ基板と前記入出力制御部とを電気的に接続する可撓性を有する帯状電線とを備えた
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項11】
前記センサ基板が、
前記発光素子及び前記受光素子の周囲に配置された照明用発光素子を備え、
前記センサユニットが、
前記照明用発光素子の光を透過する光透過性を有するとともに、前記光透過性部材を囲うように略環状に形成された照明用パネルを備え、
該照明用パネルが、
前記光透過性部材に装着された状態で前記筐体に組付けられた
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載の操作スイッチ。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1つの操作スイッチが、少なくとも2つ以上一体的に支持された
スイッチユニット。
【請求項13】
請求項1から請求項11のいずれか1つに記載の操作スイッチと、
該操作スイッチが検知した操作動作に基づいて動作する動作部と、
前記操作スイッチ及び前記動作部に電気的に接続される制御部とを備え、
該制御部が、
前記操作スイッチから取得した前記操作動作の検知を示す検知信号に基づいて、前記動作部の動作を制御する構成である
スイッチ装置。
【請求項14】
前記制御部が、
2つの前記操作スイッチの双方から前記検知信号を取得している場合、前記動作部の制御を開始する構成である
請求項13に記載のスイッチ装置。
【請求項15】
前記制御部が、
複数の前記操作スイッチから前記検知信号を連続して取得した場合、前記検知信号を取得した順番に基づいて、前記動作部の動作を制御する構成である
請求項13に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば人の操作動作を検知して、検知した操作動作に応じた信号を出力するような操作スイッチ、スイッチユニット、及びスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、製造設備の制御盤やエレベータなどでは、従来の押しボタンスイッチに換えて、人の操作動作を非接触でも検知可能な操作スイッチが採用されている。このような操作スイッチには、照射光を照射する発光素子と、物体で反射した照射光の反射光を受光する受光素子とで、物体の有無を検知する光電スイッチ(特許文献1参照)の技術を応用したものがある。
【0003】
この発光素子及び受光素子を備えたスイッチでは、発光素子及び受光素子が実装された基板に対して、レンズとして機能する光透過性部材を対向配置することで、照射光または/および反射光を拡散または集光させている。このため、発光素子及び受光素子を備えたスイッチでは、レンズとして機能する光透過性部材を、基板に対する相対位置を位置合わせした状態で筐体に固定する必要がある。
【0004】
例えば特許文献1では、基板が組付けられた筐体に対して、レンズユニットを紫外線硬化樹脂で仮止めしたのち、照射光の照射範囲を測定しながら、照射光の照射範囲が所望される範囲となるようにレンズユニットを三次元的に移動させている。
そして、レンズユニットの位置調整が完了すると、特許文献1では、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させることで、レンズユニットを筐体に固定している。
【0005】
ところで、光透過性部材を三次元的に移動させて位置合わせし、紫外線硬化樹脂で筐体に固定する場合、光透過性部材の位置合わせと、硬化に伴う紫外線硬化樹脂の収縮を考慮した組付けとを行う必要があるため、特許文献1では、光透過性部材の組付けに時間がかかるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題に鑑み、センサ基板に対して光透過性部材を精度よく配置できるとともに、組付け性を向上できる操作スイッチ、スイッチユニット、及びスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、操作動作を検知するセンサユニットと、該センサユニットが組付け方向に沿って組付けられるとともに、前記組付け方向に沿って延びる略筒状の筐体とを備え、前記センサユニットが、光を発光する発光素子、及び前記操作動作によって反射した前記光の反射光を受光する受光素子を一方の主面に実装したセンサ基板と、該センサ基板の前記一方の主面に対して前記組付け方向とは逆方向に対向配置された光透過性を有する光透過性部材と、前記センサ基板及び前記光透過性部材を保持する保持部材とを備え、前記光透過性部材が、少なくとも対向する前記受光素子へ向けて前記反射光を集光する集光レンズ部を備え、前記保持部材が、前記センサ基板と前記光透過性部材との間に配置され、前記センサ基板に対する前記光透過性部材の相対位置を位置決めする構成である操作スイッチであることを特徴とする。
【0009】
上記操作動作とは、人を含む動物が行う動作であって、例えば装置を動作開始させるために行う人のスイッチ操作、動作している装置を一時停止または完全停止させるために行う人のスイッチ操作などのことをいう。
上記光透過性部材とは、操作スイッチの意匠面の一部をなすとともに、例えば人の手が近接または接触する部材のことをいう。
上記相対位置とは、組付け方向の相対位置、組付け方向に直交する直交方向の相対位置、及び組付け方向を回転軸とする回転方向の相対位置のうち、1つ以上のことをいう。
【0010】
この発明によれば、センサ基板に対する光透過性部材の相対位置が保持部材によって位置決めされるため、操作スイッチは、センサ基板の位置合わせ、及び光透過性部材の位置合わせを不要にして、センサ基板に対して光透過性部材を所望される相対位置に配置することができる。
【0011】
例えば、操作スイッチは、センサ基板及び光透過性部材を保持部材に保持させるだけで、組付け方向におけるセンサ基板の受光素子と光透過性部材の集光レンズ部とを所望される間隔を隔てて対向させることができる。
【0012】
さらに、保持部材がセンサ基板及び光透過性部材を保持するため、操作スイッチは、所望される相対位置に配置されたセンサ基板と光透過性部材との位置関係を安定して維持することができる。
したがって、操作スイッチは、センサ基板に対して光透過性部材を精度よく配置できるとともに、組付け性を向上することができる。
【0013】
この発明の態様として、前記センサ基板が、前記組付け方向とは逆方向に沿って前記保持部材に締結固定される構成であり、前記光透過性部材が、前記組付け方向に沿って前記保持部材に係止される構成であってもよい。
【0014】
この構成によれば、センサ基板が保持部材に締結固定されるため、操作スイッチは、所望される位置に位置決めされたセンサ基板の位置ズレを防止できる。
さらに、紫外線硬化樹脂などの接着剤を用いることなく、センサ基板及び光透過性部材を保持できるため、操作スイッチは、例えば接着剤の収縮に伴う位置ズレが、センサ基板及び光透過性部材に生じることを防止できる。
【0015】
加えて、例えば接着剤を用いた場合、接着剤の硬化時間が必要になるのに対して、操作スイッチは、接着剤の硬化時間が不要になることで、センサ基板及び光透過性部材を効率よく保持部材に組付けることできる。
よって、操作スイッチは、センサ基板に対して光透過性部材をより精度よく配置できるとともに、組付け性をより向上することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記保持部材が、前記センサ基板の一方の主面が当接する基板当接面と、前記センサ基板の一方の主面に対向する前記光透過性部材の対向面が当接する透過部材当接面とを備えてもよい。
【0017】
この構成によれば、センサ基板及び光透過性部材が保持部材に当接するだけで、保持部材は、組付け方向におけるセンサ基板と光透過性部材との間隔を所望される間隔にすることができる。このため、操作スイッチは、センサ基板に対して光透過性部材をより精度よく配置することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記保持部材が、前記光透過性部材に設けた被係止孔に係止されるとともに、前記組付け方向とは逆方向へ向けた前記光透過性部材の移動を規制する係止部を備えてもよい。
上記係止部は、一体形成した爪部分を介して光透過性部材の被係止孔に直接的に係止される、あるいは別体の楔部材を介して光透過性部材の被係止孔に間接的に係止されるものなどをいう。
【0019】
この構成によれば、保持部材は、組付け方向とは逆方向への位置ズレを抑えた状態で、光透過性部材を保持することができる。このため、操作スイッチは、センサ基板に対して光透過性部材を精度よく配置することができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記保持部材が、前記組付け方向へ向けて延びる略板状に形成された複数の前記係止部を備え、前記センサ基板が、前記保持部材の前記係止部の先端が嵌合する複数の嵌合孔を備えてもよい。
この構成によれば、係止部の先端がセンサ基板に嵌合するため、保持部材は、組付け方向に直交する直交方向におけるセンサ基板の位置と、組付け方向を回転軸とする回転方向におけるセンサ基板の位置とを、係止部によって同時に位置決めすることができる。
【0021】
さらに、係止部の先端がセンサ基板に嵌合するため、保持部材は、組付け方向に直交する方向への係止部の撓み変形が、センサ基板によって阻害されることになる。換言すると、操作スイッチは、保持部材の係止部が光透過性部材の被係止孔から離脱することを、センサ基板によって阻止することができる。
【0022】
これにより、操作スイッチは、保持部材に対してセンサ基板を精度よく配置できるとともに、センサ基板に対する位置ズレをより抑えた状態で光透過性部材を保持することができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記保持部材が、前記組付け方向を回転軸とする前記光透過性部材の回転を規制する回転方向規制壁部を備えてもよい。
この構成によれば、保持部材は、保持部材に対する光透過性部材の回転方向の位置ズレを抑えることができる。このため、操作スイッチは、センサ基板に対して光透過性部材をさらに精度よく配置することができる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記センサ基板が、前記一方の主面の略中心に対してオフセットした位置に、前記組付け方向に沿って貫通した位置決め孔を備え、前記保持部材が、前記組付け方向へ向けて突設するとともに、前記センサ基板の前記位置決め孔に嵌合する位置決め部を備えてもよい。
【0025】
この構成によれば、保持部材は、組付け方向を回転軸とする回転方向において、センサ基板の位置を所望される位置に位置決めすることができる。このため、保持部材は、例えば光透過性部材の集光レンズ部とセンサ基板の受光素子とを確実に対向させることができる。
【0026】
よって、操作スイッチは、回転方向におけるセンサ基板と光透過性部材との位置ズレを抑えられるため、センサ基板に対して光透過性部材をさらに精度よく配置することができる。
【0027】
またこの発明の態様として、前記保持部材及び前記光透過性部材のうち、いずれか一方が、前記組付け方向に直交する直交方向で他方に当接するとともに、前記直交方向における前記光透過性部材の位置を位置決めする複数の直交方向突部を備えてもよい。
【0028】
この構成によれば、保持部材は、直交方向における光透過性部材の位置を所望される位置に位置決めすることができる。このため、保持部材は、例えば組付け方向から見た光透過性部材の中心を、センサ基板の中心に容易に略一致させることができる。
【0029】
よって、操作スイッチは、直交方向におけるセンサ基板と光透過性部材との位置ズレを抑えられるため、センサ基板に対して光透過性部材をさらに精度よく配置することができる。
【0030】
またこの発明の態様として、前記保持部材が、前記筐体の内部に収容されるように前記組付け方向へ向けて延びるとともに、前記筐体に係止される複数の組付け脚部を備えてもよい。
この構成によれば、操作スイッチは、センサ基板に対して光透過性部材が精度よく配置されたセンサユニットを、接着剤などを用いることなく筐体に組付けることができる。
【0031】
このため、例えば接着剤を用いてセンサユニットを筐体に固定する場合に比べて、操作スイッチは、接着剤の塗布や接着剤の硬化時間を不要にでき、センサユニットと筐体とを効率よく組付けることができる。
【0032】
さらに、保持部材の組付け脚部が筐体の外部に露出しないため、操作スイッチは、センサユニットが筐体に係止された状態が、意図しない外力によって解除されることを防止できる。
よって、操作スイッチは、センサユニットの筐体への組付け性を向上できるとともに、センサユニットを筐体に組付けた状態を安定して維持することができる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記組付け方向に沿って前記筐体の内部に収容保持されるとともに、外部機器との電気的な授受を制御する入出力制御部と、前記センサユニットの前記センサ基板と前記入出力制御部とを電気的に接続する可撓性を有する帯状電線とを備えてもよい。
上記帯状電線は、例えば平角導体を並置して構成したフレキシブルフラットケーブル、断面丸形の電線を並置して構成したリボンケーブルなどのことをいう。
【0034】
この構成によれば、センサ基板と入出力制御部とが可撓性を有する帯状電線で接続されるため、操作スイッチは、筐体への組付け性を確保できるとともに、センサ基板と入出力制御部との電気的な接続を安定して確保することができる。
【0035】
具体的には、入出力制御部を筐体に収容する際、帯状電線は、例えば断面丸形の電線に比べてコンパクトに折り畳んで筐体に収容することができる。このため、センサ基板と入出力制御部とを断面丸形の電線で接続した場合に比べて、操作スイッチは、筐体の大型化を抑えて、その大きさの小型化を図ることができる。
【0036】
さらに、別体で構成されたセンサ基板と入出力制御部とが帯状電線で接続されているため、例えば押しボタンスイッチに間違えられて押下された場合のように、意図しない外力がセンサユニットまたは入出力制御部に加わった際、操作スイッチは、意図しない外力をセンサ基板と入出力制御部との間で伝わり難くすることができる。
【0037】
このため、例えばセンサ基板と入出力制御部とをバスバーで接続した場合に比べて、操作スイッチは、帯状電線とセンサ基板との接続箇所、及び帯状電線と入出力制御部との接続箇所に作用する意図しない外力も低減することができる。
【0038】
これにより、操作スイッチは、帯状電線とセンサ基板との接続箇所、及び帯状電線と入出力制御部との接続箇所の脱落や破損を防止することができる。
よって、操作スイッチは、筐体への組付け性を確保できるとともに、センサ基板と入出力制御部との電気的な接続を安定して確保することができる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記センサ基板が、前記発光素子及び前記受光素子の周囲に配置された照明用発光素子を備え、前記センサユニットが、前記照明用発光素子の光を透過する光透過性を有するとともに、前記光透過性部材を囲うように略環状に形成された照明用パネルを備え、該照明用パネルが、前記光透過性部材に装着された状態で前記筐体に組付けられてもよい。
【0040】
この構成によれば、照明用パネルが光透過性部材に装着されるため、保持部材は、照明用発光素子に対する照明用パネルの相対位置を、光透過性部材を介して位置決めすることができる。このため、操作スイッチは、センサ基板の照明用発光素子に対して照明用パネルを精度よく配置することができる。
【0041】
またこの発明の態様として、前記帯状電線が、コネクタを介して前記センサ基板、及び前記入出力制御部に接続されてもよい。
この構成によれば、例えば帯状電線をセンサ基板及び入出力制御部に半田付けで接続する場合に比べて、操作スイッチは、センサ基板及び入出力制御部の双方に帯状電線を容易に組み付けることができる。このため、操作スイッチは、帯状電線の組付け性を向上することができる。
【0042】
またこの発明の態様として、前記入出力制御部を係止によって収容保持する収容ケースを備え、該収容ケースが、前記入出力制御部を保持した状態で、前記組付け方向に沿って前記筐体の内部に収容されるとともに、前記筐体に係止される構成であってもよい。
【0043】
この構成によれば、入出力制御部が係止によって収容ケースに保持され、収容ケースが筐体に係止されるため、操作スイッチは、接着剤や締結部材などを用いて入出力制御部を筐体に固定する場合に比べて、入出力制御部を筐体に容易に固定することができる。
【0044】
またこの発明は、上述の操作スイッチが、少なくとも2つ以上一体的に支持されたスイッチユニットであることを特徴とする。
この発明によれば、スイッチユニットは、センサ基板に対して光透過性部材を精度よく配置した操作スイッチによって、操作動作を精度よく検知することができる。
【0045】
さらに、複数の操作スイッチを一体的に支持するため、スイッチユニットは、複数の操作スイッチの相対位置を維持したまま、複数の操作スイッチを所定箇所に同時に組付けることができる。このため、スイッチユニットは、操作スイッチの所定箇所への組付け性を向上することができる。
【0046】
またこの発明は、上述の操作スイッチと、該操作スイッチが検知した操作動作に基づいて動作する動作部と、前記操作スイッチ及び前記動作部に電気的に接続される制御部とを備え、該制御部が、前記操作スイッチから取得した前記操作動作の検知を示す検知信号に基づいて、前記動作部の動作を制御する構成であるスイッチ装置であることを特徴とする。
【0047】
この発明によれば、スイッチ装置は、センサ基板に対して光透過性部材を精度よく配置した操作スイッチによって、操作動作を精度よく検知することができる。このため、スイッチ装置は、所望される動作を動作部に確実に行わせることができる。
【0048】
またこの発明の態様として、前記制御部が、2つの前記操作スイッチの双方から前記検知信号を取得している場合、前記動作部の制御を開始する構成であってもよい。
この構成によれば、例えば2つの操作スイッチが操作動作を略同時に検知した場合に、動作部が動作開始するため、スイッチ装置は、操作スイッチが1つの場合に比べて、動作部の誤操作を防止できるとともに、動作部の安全性を向上することができる。
【0049】
またこの発明の態様として、前記制御部が、複数の前記操作スイッチから前記検知信号を連続して取得した場合、前記検知信号を取得した順番に基づいて、前記動作部の動作を制御する構成であってもよい。
【0050】
上記検知信号を連続して取得するとは、例えば1つ目の操作スイッチが出力した検知信号を取得し続けている間に、2つ目の操作スイッチが出力した検知信号を取得することをいう。あるいは例えば1つ目の操作スイッチが出力した検知信号と、2つ目の操作スイッチと出力した検知信号とを所定時間内に順番に取得することをいう。
【0051】
この構成によれば、検知信号を取得した順番に基づいて、制御部が動作部の動作を制御するため、スイッチ装置は、例えば人のジェスチャーに応じた動作を動作部に行わせることができる。
【0052】
より詳しくは、複数の操作スイッチを、動作部の移動方向を指示する操作スイッチとして、右側の操作スイッチと左側の操作スイッチとがこの順番で検知信号を出力した場合、スイッチ装置は、右から左へ向かう方向へ動作部を動作させることができる。
このため、スイッチ装置は、例えば複数の押しボタンスイッチを順番に押下する場合に比べて、操作動作の簡略化を図ることができる。
【0053】
あるいは、スイッチ装置は、複数の操作スイッチから検知信号を所定順序で取得した場合に、動作部の動作を開始させることができる。この場合、スイッチ装置は、操作スイッチが1つの場合に比べて、動作部の誤操作を防止できるため、動作部の安全性を向上することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明により、センサ基板に対して光透過性部材を精度よく配置できるとともに、組付け性を向上できる操作スイッチ、スイッチユニット、及びスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図3】操作スイッチの分解状態を前方上方視で示す分解斜視図。
【
図4】操作スイッチの分解状態を後方下方視で示す分解斜視図。
【
図6】入出力ユニットの分解状態を前方上方視で示す分解斜視図。
【
図7】入出力ユニットの分解状態を後方下方視で示す分解斜視図。
【
図8】幅方向に平行な水平断面での筐体の基板挟持部の断面形状を示す断面図。
【
図9】センサユニットの分解状態を前方上方視で示す分解斜視図。
【
図10】センサユニットの分解状態を後方下方視で示す分解斜視図。
【
図11】A-A矢視でのセンサユニットの断面を示す要部断面図。
【
図12】センサ基板及び保持部材を後方下方視で示す外観斜視図。
【
図13】幅方向に沿った水平断面でのセンサユニットの断面形状を示す断面図。
【
図14】操作受付けパネル及び保持部材を前方上方視で示す外観斜視図。
【
図15】センサ基板及び照明用パネルを示す外観斜視図。
【
図16】照明用パネルの凹面部の断面形状を示す断面図。
【
図17】幅方向に沿った鉛直断面での操作受付けパネル及び保持部材の断面形状を示す断面図。
【
図20】実施例2における搬送装置の構成を示すブロック図。
【
図21】スイッチユニットの概略を説明する説明図。
【
図22】実施例2における搬送装置の動作を示すフローチャート。
【
図23】別の実施形態における操作スイッチを説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0056】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例0057】
本実施形態の操作スイッチ1は、例えばエレベータなどの装置に取付けられ、装置を駆動開始させる人の操作動作を非接触でも検知可能に構成されたものである。このような操作スイッチ1について、
図1から
図17を用いて説明する。
【0058】
なお、
図1は操作スイッチ1の外観を説明する説明図であり、
図1(a)は前方上方視での操作スイッチ1の外観斜視図を示し、
図1(b)は後方下方視での操作スイッチの外観斜視図を示している。
【0059】
さらに、
図2は
図1(a)中のA-A矢視断面図を示し、
図3及び
図4は操作スイッチ1の分解斜視図を示し、
図5は筐体10の要部を断面で説明する説明図を示し、
図6及び
図7は入出力ユニット20の分解斜視図を示している。
【0060】
さらにまた、
図8は幅方向Yに平行な水平断面での筐体10の基板挟持部223の断面図を示し、
図9及び
図10はセンサユニット30の分解斜視図を示し、
図11はA-A矢視でのセンサユニット30の要部断面図を示し、
図12はセンサ基板31及び保持部材36の外観斜視図を示している。
【0061】
加えて、
図13は幅方向Yに沿った水平断面でのセンサユニット30の断面図を示し、
図14は操作受付パネル32及び保持部材36の外観斜視図を示し、
図15はセンサ基板31及び照明用パネル33の外観斜視図を示し、
図16は照明用パネル33の凹面部33aの断面図を示し、
図17は幅方向Yに沿った鉛直断面での操作受付パネル32及び保持部材36の断面図を示している。
【0062】
また、図中の矢印Xは、
図1(a)中の左側へ向かう方向を前方Xfとし、
図1(a)中の右側へ向かう方向を後方Xrとする操作スイッチ1の前後方向(以降、前後方向Xとする)を示している。
さらに、
図1(a)中の上側を操作スイッチ1の上方とし、
図1(a)中の下側を操作スイッチ1の下方として、図中の矢印Yは、上方から見て前後方向Xに直交する幅方向(以降、幅方向Yとする)を示している。
【0063】
本実施形態の操作スイッチ1は、
図1に示すように、前後方向Xに長い略円柱状のスイッチであって、人の操作動作を検知して、検知した操作動作に応じた信号を出力するものである。
なお、操作スイッチ1は、図示を省略した外部機器に電気的に接続され、検知した人の操作動作に応じた検知信号を外部機器に出力可能に構成されている。
【0064】
この操作スイッチ1は、
図1及び
図2に示すように、例えば前後方向Xに厚みを有する取付パネルPの前面に配置されるシールリング2と、取付パネルPの開口に挿通されるスイッチ本体3と、取付パネルPにスイッチ本体3を固定するための固定ナット4とで構成されている。
【0065】
なお、操作スイッチ1は、シールリング2及びスイッチ本体3が前方Xfから取付パネルPに装着され、固定ナット4が後方Xrからスイッチ本体3に装着されるものとする。
シールリング2は、
図2から
図4に示すように、正面視略円環状の平板であって、取付パネルPの前面と、スイッチ本体3(後述する筐体10の鍔部12)との間に配置されている。
【0066】
また、スイッチ本体3は、
図3及び
図4に示すように、金属製または合成樹脂製の筐体10と、筐体10に組付けられる入出力ユニット20及びセンサユニット30と、入出力ユニット20及びセンサユニット30を電気的に接続するフレキシブルフラットケーブル50とで構成されている。このスイッチ本体3は、筐体10に対して前方Xfから後方Xrへ向けて、入出力ユニット20及びセンサユニット30をこの順番で組付けて構成している。
【0067】
なお、フレキシブルフラットケーブル50は、周知技術のため、その詳細な説明を省略するが、幅方向Yに沿って並置した平角導体を、絶縁性を有するラミネートフィルムで被覆して形成している。このフレキシブルフラットケーブル50は、
図2に示すように、筐体10の内部において、厚み方向に折り畳まれた状態で収容されている。
【0068】
筐体10は、
図3及び
図4に示すように、取付パネルPの開口よりも僅かに小さい外径で前後方向Xに延びる略円筒状の筐体本体11と、筐体本体11の前端を拡径して形成した正面視略円環状の鍔部12とを備えている。
さらに、筐体10は、入出力ユニット20の後方Xrへの移動を規制する部分として、筐体本体11の後端を縮径して形成したストッパ部13を備えている。
【0069】
この筐体10の筐体本体11には、
図1から
図4に示すように、固定ナット4が螺合するネジ山部11aが外周面に形成され、入出力ユニット20の位置を規制する半円溝部11bと、入出力ユニット20及びセンサユニット30が係止される係止溝部11cとが内周面に形成されている。
【0070】
具体的には、ネジ山部11aは、
図2及び
図4に示すように、前後方向Xにおける前端から略中央に至る範囲の外周面に形成されている。
半円溝部11bは、
図4及び
図5(a)に示すように、筐体本体11の内周面における上部を前後方向Xに延びる凹溝形状に形成されている。
【0071】
この半円溝部11bは、
図5(a)に示すように、幅方向Yに沿った鉛直断面において、筐体本体11の内周面を上方へ向けて凹設した断面略半円状に形成されている。
係止溝部11cは、
図2、
図3、及び
図5(b)に示すように、筐体本体11の周方向に沿って、筐体本体11の内周面を凹設した凹溝形状に形成されている。
【0072】
また、スイッチ本体3の入出力ユニット20は、外部の電源から電力の供給を受け付ける機能と、センサユニット30に電力を供給する機能と、外部機器との間で各種信号の授受を行う機能とを有している。さらに、入出力ユニット20は、センサユニット30との間で各種信号の授受を行う機能と、センサユニット30からの信号を処理する機能とを有している。
【0073】
この入出力ユニット20は、
図6及び
図7に示すように、センサユニット30及び外部機器などとの入出力にかかる各種処理動作を制御する入出力制御部21と、入出力制御部21を収容保持する収容ケース22とを備えている。
【0074】
入出力制御部21は、
図6及び
図7に示すように、上下方向が厚み方向となるように配置された入出力基板23と、入出力基板23に実装された外部コネクタ24、内部コネクタ25、可変抵抗器26、及び複数の素子(図示省略)などで構成されている。
【0075】
具体的には、入出力基板23は、
図6から
図8に示すように、前後方向Xに長い板状体であって、幅方向Yに幅広な前部(符号省略)と、前部に対して幅方向Yに幅狭な後部(符号省略)とで構成されている。
【0076】
この入出力基板23は、
図8に示すように、平面視において、幅広な前部の後面が、後述する収容ケース22が当接する前側規制面23aとして形成されている。さらに、入出力基板23は、
図8に示すように、平面視において、幅狭な後部の幅方向両端を凹設した部分における後方Xrの端面が、後述する収容ケース22が当接する後側規制面23bとして形成されている。
【0077】
このような入出力基板23には、
図6及び
図7に示すように、一方の主面である下面に外部コネクタ24及び内部コネクタ25が実装され、他方の主面である上面に可変抵抗器26が実装されている。
【0078】
外部コネクタ24は、
図2及び
図7に示すように、入出力基板23の後部に配置され、一端が外部機器や電源に接続されたワイヤーハーネス(図示省略)の他端が接続される。この外部コネクタ24は、
図2に示すように、入出力基板23に接続された複数のコネクタ端子24aと、コネクタ端子24aを囲うコネクタハウジング24bとで構成されている。
【0079】
内部コネクタ25は、
図2及び
図7に示すように、入出力基板23の前部に配置され、フレキシブルフラットケーブル50の一端が接続されている。
【0080】
可変抵抗器26は、センサユニット30の検出距離を調整するために設けられた素子であって、
図2及び
図6に示すように、入出力基板23の後部に配置されている。この可変抵抗器26は、調整用つまみ27が後面に装着可能に配置されている。
なお、調整用つまみ27は、
図2及び
図7に示すように、正面視略円環状の弾性体28、及び正面視略半円状の蓋体29を介して、収容ケース22の後面に装着されている。
【0081】
また、入出力ユニット20の収容ケース22は、
図6及び
図7に示すように、前後方向Xに延びる略円筒状のケース本体部22aと、ケース本体部22aの後方Xrの開口を閉塞する底面部22bとで有底筒状体に形成されている。
【0082】
なお、収容ケース22の底面部22bには、
図7に示すように、外部コネクタ24を露出させるコネクタ開口221が下部に開口形成され、調整用つまみ27が挿通するつまみ用開口222が上部に開口形成されている。
【0083】
さらに、収容ケース22のケース本体部22aは、内部に収容された入出力基板23を、所望される上下方向の位置で保持する一組の基板挟持部223(
図5(a)参照)と、所望される前後方向Xの位置で保持する一対の基板係止部224(
図8参照)とを備えている。
加えて、収容ケース22のケース本体部22aは、筐体10の半円溝部11bに係合する半円突部225(
図5(a)参照)と、筐体10の係止溝部11cに係止される4つの筐体係止部226(
図6参照)とを備えている。
【0084】
具体的には、一組の基板挟持部223は、
図5(a)に示すように、幅方向Yで対向するケース本体部22aの内周面に突設され、入出力基板23における幅方向Yの端部を上下方向で挟持するように構成されている。
【0085】
より詳しくは、一組の基板挟持部223は、入出力基板23の厚みに略同じ上下方向の間隔を隔てて、ケース本体部22aの内周面に突設された一対の基板挟持部223を、幅方向Yに対向配置して形成されている。
【0086】
また、一対の基板係止部224は、
図6から
図8に示すように、ケース本体部における幅方向Yで対向する部分を開口した開口部(符号省略)に形成され、入出力基板23の前側規制面23a及び後側規制面23bに前後方向Xで当接可能に形成されている。
より詳しくは、基板係止部224は、
図8に示すように、開口部の前端から幅方向Yの内側へ向けて延設されたのち、後方Xrへ向けて延びる略板状に形成されている。
【0087】
この基板係止部224は、開口部の前端から幅方向Yの内側へ向けて延設された部分の前端面224aが、入出力基板23の前側規制面23aに当接可能に形成されている。
さらに、基板係止部224は、先端を幅方向Yの内側へ延設した部分の後端面224bが、入出力基板23の後側規制面23bに当接可能に形成されている。
【0088】
また、半円突部225は、
図5(a)及び
図6に示すように、前後方向Xに延びる正面視略半円状であって、ケース本体部22aの外周面における上部に、上方へ向けて突設されている。この半円突部225は、
図5(a)に示すように、筐体10の半円溝部11bに係合して、前後方向Xの回転軸とする入出力ユニット20の回転を規制する周り留めとして機能する。
【0089】
また、4つの筐体係止部226は、
図5(b)に示すように、筐体10の係止溝部11cにおける前方Xfの端面に当接して、入出力ユニット20の前方Xfへの移動を規制する爪部分226aを前端に有する形状に形成されている。
より詳しくは、4つの筐体係止部226は、
図6及び
図7に示すように、ケース本体部22aの周方向に所定間隔を隔てた位置で、前端から後方Xrへ向けて切り欠いたケース本体部22aのスリットによって、前後方向Xに延びる形状に形成されている。
【0090】
また、スイッチ本体3のセンサユニット30は、入出力ユニット20からの電力の供給を受け付ける機能と、入出力ユニット20からの信号に基づいた動作を制御する機能とを備えている。
さらに、センサユニット30は、前方Xfへ向けて照明光を照射する機能と、前方Xfへ向けて赤外線を照射する機能と、近接または接触した人の指先で反射した赤外線の反射光を受光する機能と、反射光の強度に応じた信号を入出力ユニット20に出力する機能とを備えている。
【0091】
このセンサユニット30は、
図9から
図11に示すように、筐体10の内部に収容されるセンサ基板31と、センサ基板31に対して前方Xfに所定間隔を隔てて対向配置された操作受付パネル32及び照明用パネル33とを備えている。
【0092】
さらに、センサユニット30は、
図9から
図11に示すように、操作受付パネル32に装着される小径シールリング34と、照明用パネル33に装着される大径シールリング35と、操作受付パネル32とセンサ基板31とを保持する保持部材36とを備えている。
【0093】
具体的には、センサユニット30のセンサ基板31は、
図9から
図11に示すように、前後方向Xに厚みを有するとともに、筐体10の内部に収容可能な直径の正面視略円板状に形成されている。このセンサ基板31には、
図12及び
図13に示すように、前後方向Xに貫通する一対の嵌合孔31a、1つの位置決め孔31b、及び一対のビス挿通孔31cが開口形成されるとともに、幅方向Yで対向する一対の切欠き部31dが形成されている。
【0094】
一対の嵌合孔31aは、
図12及び
図13に示すように、幅方向Yの略中央から幅方向Yの外側へ所定間隔を隔てた位置に開口形成されている。この一対の嵌合孔31aは、
図13に示すように、後述する保持部材36の嵌合突部362bが嵌合可能に形成されている。
【0095】
また、1つの位置決め孔31bは、
図12及び
図13に示すように、センサ基板31の背面視略中央に対して、幅方向Yの外側かつ僅かに上方へオフセットした位置に開口形成されている。この位置決め孔31bは、
図13に示すように、後述する保持部材の位置決めピン36eが嵌合可能に形成されている。
【0096】
また、一対のビス挿通孔31cは、
図12に示すように、センサ基板31を保持部材36に固定するためのビス37が挿通される貫通孔である。この一対のビス挿通孔31cは、
図12に示すように、幅方向Yの略中央において、センサ基板31の上端近傍と下端近傍とを、上下方向に長いスリット状に切り欠いて形成している。
また、一対の切欠き部31dは、
図12に示すように、後述する保持部材36の組付け脚部364に重なり合う部分を切り欠いて形成している。
【0097】
このような形状のセンサ基板31には、
図10に示すように、一方の主面である後面に、フレキシブルフラットケーブル50の他端が接続される内部コネクタ38、及び複数の素子(図示省略)などが実装されている。
【0098】
さらに、センサ基板31には、
図9に示すように、他方の主面である前面に、1つの発光素子39、1つの受光素子40、8つの照明用発光素子41、及び複数の素子(図示省略)などが実装されている。
【0099】
具体的には、発光素子39は、例えば前方Xfへ向けて赤外線を照射可能なLED素子で構成されている。この発光素子39は、
図9及び
図11に示すように、センサ基板31の幅方向Yの略中央において、上下方向の略中央よりも上方に配置されている。
【0100】
受光素子40は、受光した反射光(赤外線)を、反射光の強度に応じた電気信号に変換する半導体素子で構成されている。この受光素子40は、
図9及び
図11に示すように、センサ基板31の幅方向Yの略中央において、上下方向の略中央よりも下方に配置されている。
【0101】
8つの照明用発光素子41は、例えば前方Xfへ向けて照明光を照射可能なLED素子で構成されている。この8つの照明用発光素子41は、センサ基板31の外周縁に沿って並置された2つの照明用発光素子41が、ビス挿通孔31cと切欠き部31dとの間に位置するようにセンサ基板31の周方向に所定間隔を隔てて配置されている(
図15参照)。
【0102】
また、センサユニット30の操作受付パネル32は、赤外線を透過可能な光透過性を有する合成樹脂製であって、筐体10の内径よりも小径の正面視略円形に形成されている。この操作受付パネル32は、
図9から
図11に示すように、前後方向Xに厚みを有するパネル本体321と、パネル本体321の後面から後方Xrへ延びる略円筒状の円筒壁部322と、円筒壁部322から延設された一対の被係止部323とで構成されている。
【0103】
具体的には、パネル本体321は、
図9から
図11に示すように、前後方向Xに厚みを有する正面視略円板状に形成されている。このパネル本体321の後面は、
図10及び
図11に示すように、センサ基板31の発光素子39に対向する部分が略平面に形成され、受光素子40に対向する部分が後方Xrへ膨出した形状に形成されている。
【0104】
このパネル本体321における後方Xrへ膨出した部分は、センサ基板31の受光素子40に反射光を収束させる集光レンズ部32aとして形成されている。
より詳しくは、集光レンズ部32aは、パネル本体321を前方Xfへ向けて背面視略円形状に凹設して薄肉化した部分の後面を、後方Xrへ向けて略ドーム状に膨出させた形状に形成されている。
【0105】
また、円筒壁部322は、
図10及び
図11に示すように、筐体10の内径よりも小径の外径と、発光素子39及び受光素子40を一体的に囲う内径とを有する略円筒状に形成されている。この円筒壁部322の内周面は、後述する保持部材36の保持本体361が嵌り合う形状に形成されている。
【0106】
より詳しくは、円筒壁部322は、幅方向Yに沿った縦断面において、上部が幅方向Yに略平行な平面322aを有し、下部が円筒壁部322の背面視略中央へ向けて突出した2つの突出面322bを有する凹凸形状に形成されている(
図17参照)。
【0107】
また、一対の被係止部323は、
図10及び
図11に示すように、円筒壁部322の後端から後方Xrへ向けて延設された略板状であって、幅方向Yに対向して形成されている。この被係止部323には、
図13及び
図14に示すように、幅方向Yに貫通するとともに、後述する保持部材36が幅方向Yの内側から係止される被係止孔323aが開口形成されている。
【0108】
また、センサユニット30の照明用パネル33は、照明用発光素子41の照明光を透過可能な光透過性を有する合成樹脂製であって、操作受付パネル32よりも僅かに大径の内径を有する正面視略円環状に形成されている。
【0109】
具体的には、照明用パネル33は、
図9から
図11に示すように、操作受付パネル32のパネル本体321を囲う正面視略円環状のパネル本体331と、パネル本体331から後方Xrへ僅かに延びる略筒状の円筒壁部332とで構成されている。
【0110】
なお、照明用パネル33の円筒壁部332は、
図11、
図15、及び
図16に示すように、操作受付パネル32の円筒壁部322の外周面に小径シールリング34を挟んで対向する内周面と、センサ基板31の照明用発光素子41に対向する後面とを有する形状に形成されている。
【0111】
このような照明用パネル33には、
図15及び
図16に示すように、円筒壁部332の後面を、前方Xfへ向けて凹設した凹面部33aが周方向に沿って8つ形成されている。この凹面部33aは、照明用発光素子41の照射光を前方Xfへ向けて拡散させるために設けられている。
【0112】
また、センサユニット30の小径シールリング34は、例えば弾性を有する合成樹脂製のシール部材であって、操作受付パネル32における円筒壁部322の外周面に装着される。この小径シールリング34は、操作受付パネル32の円筒壁部322と照明用パネル33の円筒壁部332との間に介在して、センサユニット30の内部への水分や粉塵の侵入を阻止している。
【0113】
また、センサユニット30の大径シールリング35は、例えば弾性を有する合成樹脂製のシール部材であって、照明用パネル33における円筒壁部332の外周面に装着される。この大径シールリング35は、照明用パネル33の円筒壁部332と筐体10の内周面との間に介在して、筐体10の内部への水分や粉塵の侵入を阻止している。
【0114】
また、センサユニット30の保持部材36は、
図9から
図11に示すように、センサ基板31と操作受付パネル32との間に配置され、センサ基板31及び操作受付パネル32を所望される位置に位置決めするとともに、位置決めされた状態のセンサ基板31及び操作受付パネル32を保持するように構成されている。換言すると、保持部材36は、センサ基板31に対する操作受付パネル32の相対位置を位置決めするように構成されている。
【0115】
この保持部材36は、
図9及び
図10に示すように、正面視略円形の保持本体361と、保持本体361の開口を通って後方Xrへ延びる一対の係止部362と、保持本体361の縁端に設けた一対のボス部363及び一対の組付け脚部364とを備えている。
【0116】
具体的には、保持本体361は、
図11、
図12、及び
図14に示すように、発光素子39を囲繞するように配置された上側囲繞部361aと、受光素子40を囲繞するように配置された下側囲繞部361bと、上側囲繞部361a及び下側囲繞部361bから突出した鍔部361cとで構成されている。
【0117】
上側囲繞部361aは、
図11、
図12、及び
図14に示すように、前方Xfが壁部(符号省略)で閉塞され、後方Xrが開口した略箱状であって、上下方向の略中央よりも上方に配置されている。
【0118】
この上側囲繞部361aは、正面視において、操作受付パネル32の円筒壁部322の内周面に対して、幅方向Yの側面が離間し、上方の側面が円筒壁部322の内周面に沿った形状に形成されている(
図17参照)。
なお、上側囲繞部361aには、発光素子39の照射光が通過する照射孔36aが、前方Xfの壁部に開口形成されている。
【0119】
下側囲繞部361bは、
図11、
図12、及び
図14に示すように、前方Xfが壁部(符号省略)で閉塞され、後方Xrが開口した略箱状であって、上下方向の略中央よりも下方に配置されている。
【0120】
この下側囲繞部361bは、正面視において、操作受付パネル32の円筒壁部322の内周面に対して、幅方向Yの側面が離間し、下方の側面が円筒壁部322の内周面に沿った形状に形成されている(
図17参照)。
【0121】
なお、下側囲繞部361bには、
図11、
図12、及び
図14に示すように、受光素子40に照射される反射光の光量を調整する絞り部36bが、前方Xfの壁部に形成されている。この絞り部36bは、
図11に示すように、前方Xfから後方Xrへ向かうほど、段階的に縮径された内周面を有する形状に形成されている。
【0122】
鍔部361cは、
図12及び
図14に示すように、上側囲繞部361a及び下側囲繞部361bにおける前後方向Xの略中央において、前後方向Xに直交する直交方向へ向けて突出した正面視略円形の板状に形成されている。この鍔部361cには、幅方向Yにおける上側囲繞部361a及び下側囲繞部361bの側面に隣接して、前後方向Xに貫通する開口(符号省略)が開口形成されている。
【0123】
このような保持本体361は、
図11、
図12、及び
図14に示すように、上側囲繞部361aの前面及び下側囲繞部361bの前面が、操作受付パネル32の後面に当接するパネル当接面36cとして形成され、上側囲繞部361aの後面及び下側囲繞部361bの後面が、センサ基板31の前面に当接する基板当接面36dとして形成されている。
【0124】
なお、保持本体361は、パネル当接面36c及び基板当接面36dが、それぞれ操作受付パネル32及びセンサ基板31に当接した状態において、受光素子40と集光レンズ部32aとの間隔が所望される間隔となる前後方向Xの長さに形成されている。
つまり、保持本体361は、前後方向Xにおけるセンサ基板31に対する操作受付パネル32の相対位置を位置決めする位置決め部として形成されている。
【0125】
さらに、保持本体361は、
図12及び
図14に示すように、センサ基板31の位置を位置決めする位置決めピン36eと、操作受付パネル32の回動を規制する回転規制壁部36fと、操作受付パネル32の位置を位置決めする複数の線状突部36gとを有している。
【0126】
より詳しくは、位置決めピン36eは、
図12及び
図13に示すように、下側囲繞部361bの後面(基板当接面36d)から後方Xrへ向けて延びる略柱状に形成されている。
また、回転規制壁部36fは、
図17に示すように、鍔部361cよりも前方Xfで、操作受付パネル32の円筒壁部322の内周面に対向する上側囲繞部361a及び下側囲繞部361bの側面で構成されている。
【0127】
具体的には、回転規制壁部36fは、
図17に示すように、円筒壁部322の平面322aを含む内周面に、僅かな隙間を隔てて対向する上側囲繞部361aの側面と、円筒壁部322の突出面322bを含む内周面に、僅かな隙間を隔てて対向する下側囲繞部361bの側面とで構成されている。
【0128】
また、複数の線状突部36gは、
図14及び
図17に示すように、前後方向Xに延びる略線状であって、回転規制壁部36fに設けられている。この線状突部36gは、操作受付パネル32の円筒壁部322の内周面に当接する形状に形成されている。
【0129】
また、保持部材36の一対の係止部362は、
図13及び
図14に示すように、上側囲繞部361aと下側囲繞部361bとの境界近傍の前端位置において、幅方向Yの両端から幅方向Yの外側へ延設されたのち、鍔部361cの開口をとおって後方Xrへ延びる略板状に形成されている。
【0130】
この係止部362の側面には、
図13及び
図14に示すように、幅方向Yの外側へ向けて突出するとともに、操作受付パネル32の被係止孔323aに係止される爪部分362aが突設されている。
さらに、係止部362の先端には、
図12及び
図13に示すように、後方Xrへ向けて突出するとともに、センサ基板31の嵌合孔31aに嵌合する略円柱状の嵌合突部362bが一体形成されている。
【0131】
また、保持部材36の一対のボス部363は、
図11、
図12、
図14に示すように、保持本体361の上端、及び保持本体361の下端に、それぞれ上方及び下方へ向けて突出するように形成されている。このボス部363には、センサ基板31の固定に用いるビス37が螺合するネジ孔363aが形成されている。
【0132】
また、保持部材36の一対の組付け脚部364は、
図12及び
図13に示すように、幅方向Yにおける保持本体361の縁端から後方Xrへ向けて延設されるとともに、その先端に幅方向Yの外側へ突出した爪部分364aを有する形状に形成されている。
【0133】
この組付け脚部364の爪部分364aは、
図13に示すように、前方Xfから後方Xrへ向けてセンサユニット30を筐体10に組付けた際、筐体10の係止溝部11cにおける前方Xfの端面に係止されるように形成されている。
【0134】
次に、上述した構成の操作スイッチ1の組付け工程の一例について、簡単に説明する。
まず、入出力ユニット20を組み立てる作業者または組付け装置は、収容ケース22の前方Xfから後方Xrへ向けて、フレキシブルフラットケーブル50の一端が接続された入出力制御部21を収容ケース22に収容する。
【0135】
この際、収容ケース22は、基板係止部224が入出力基板23の前側規制面23a及び後側規制面23bに当接することで、入出力基板23の前後方向Xへの移動を規制している。
さらに、作業者または組付け装置は、収容ケース22のつまみ用開口222を介して、調整用つまみ27、弾性体28、及び蓋体29をこの順番で収容ケース22に装着して、入出力ユニット20を構成する。
【0136】
一方、センサユニット30を組み立てる作業者または組付け装置は、小径シールリング34を装着した操作受付パネル32を、前方Xfから照明用パネル33に組付けたのち、照明用パネル33に大径シールリング35を装着する。
【0137】
その後、作業者または組付け装置は、操作受付パネル32の後面を保持部材36のパネル当接面36cに当接させるとともに、操作受付パネル32の被係止孔323aに保持部材36の係止部362を係止する。
【0138】
この際、保持部材36の線状突部36gによって、前後方向Xに直交する直交方向、及び前後方向Xの回転軸とする回転方向における操作受付パネル32の位置が位置決めされる。さらに、保持部材36の係止部362が、前方Xfへの操作受付パネル32の移動を爪部分362aによって阻止しながら、操作受付パネル32を保持する。
【0139】
照明用パネル33に大径シールリング35を装着すると、作業者または組付け装置は、センサ基板31の位置決め孔31b、及び嵌合孔31aをそれぞれ、保持部材36の位置決めピン36e、及び嵌合突部362bに嵌合させながら、センサ基板31の前面を保持部材36の基板当接面36dに当接させる。
【0140】
この際、保持部材36の位置決めピン36eと嵌合突部362bとによって、前後方向Xに直交する直交方向、及び前後方向Xを回転軸とする回転方向におけるセンサ基板31の位置が位置決めされる。
【0141】
その後、作業者または組付け装置は、ビス37を用いてセンサ基板31を保持部材36に締結固定して、センサユニット30を構成する。これにより、センサ基板31は、前後方向Xにおける操作受付パネル32との相対位置が位置決めされた状態で保持部材36に固定される。
【0142】
そして、作業者または組付け装置は、入出力ユニット20及びセンサユニット30をこの順番で、前方Xfから後方Xrへ向けて筐体10の内部に挿入するとともに、筐体10の係止溝部11cに係止させて、スイッチ本体3を構成する。
【0143】
この際、作業者または組付け装置は、フレキシブルフラットケーブル50をセンサユニット30に接続するとともに、フレキシブルフラットケーブル50を折り畳みながら、筐体10の内部に収容する。その後、作業者または組付け装置は、シールリング2及び固定ナット4を、スイッチ本体3に組付けることで、操作スイッチ1を構成する。
【0144】
引き続き、上述した操作スイッチ1を備えたスイッチ装置の一例として、操作スイッチ1が2つ設けられた昇降装置100について、
図18及び
図19を用いて説明する。
なお、
図18は昇降装置100のブロック図を示し、
図19は昇降装置100の動作のフローチャートを示している。
【0145】
実施例1の昇降装置100は、作業者の操作を受け付けるとともに、作業者の操作に基づいて昇降する装置であって、例えば薄鉄板を切断する油圧式のシャーリングマシンである。
この昇降装置100は、
図18に示すように、各種情報を記憶する記憶部101と、各種情報を表示する表示部102と、作業者の操作動作を検知する2つの操作スイッチ1と、操作スイッチ1が検知した操作動作に基づいて昇降する昇降部105と、これら各部の動作を制御する制御部106とを備えている。
【0146】
具体的には、記憶部101は、ハードディスクなどで構成され、各種情報を書き込んで記憶する機能と、各種情報を読み出す機能とを有している。この記憶部101には、制御対象である昇降部105の動作を制御するプログラムなどが記憶されている。
また、表示部102は、タッチパネルディスプレイや報知ランプなどで構成され、作業者に対して各種情報を表示する機能などを有している。
【0147】
また、2つの操作スイッチ1は、第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104で構成され、それぞれ外部コネクタ24に接続されたワイヤーハーネス(図示省略)を介して、制御部106に電気的に接続されている。
【0148】
この第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104は、作業者の操作動作を検知した場合、それぞれ作業者の操作動作を検知したことを示す検知信号を制御部106に出力する。
【0149】
なお、2つの操作スイッチ1は、昇降部105に対して離間した位置に配置されている。
また、昇降部105は、2つの操作スイッチ1が出力した検知信号に基づいて昇降する部分であって、例えばシャーリングマシンの場合、上刃を昇降させる機構部である。
【0150】
また、制御部106は、CPU及びメモリなどのハードウェアと、プログラム及びデータなどのソフトウェアとで構成されている。この制御部106は、記憶部101、表示部102、第1操作スイッチ103、及び第2操作スイッチ104との各種信号の授受に係る処理機能と、所定のバスを介して接続された各部の動作を制御する機能とを有している。
【0151】
さらに、制御部106は、昇降部105との各種信号の授受に係る処理機能と、昇降部105の動作を制御する機能とを有している。
なお、制御部106は、作業者の操作動作を検知したことを示す検知信号を、第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104の双方から略同時に取得した場合、昇降部105の制御を開始するように構成されている。
【0152】
次に、上述した構成の昇降装置100において、第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104が作業者の操作動作を検知した場合の処理動作について、
図19を用いて説明する。なお、昇降部105は、上昇位置で停止しているものとする。
【0153】
まず、昇降装置100に電力が供給されると、制御部106は、
図19に示すように、処理動作を開始する。その後、制御部106は、2つの操作スイッチ1(第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104)のうち、いずれか一方の操作スイッチ1からの検知信号を取得したか否かを判定する(ステップS151)。
【0154】
一方の操作スイッチ1からの検知信号を取得した場合(ステップS151:Yes)、制御部106は、
図19に示すように、他方の操作スイッチ1からの検知信号を略同時に取得したか否かを判定する(ステップS152)。
【0155】
他方の操作スイッチ1からの検知信号を略同時に取得している場合(ステップS152:Yes)、制御部106は、
図19に示すように、第1操作スイッチ103と第2操作スイッチ104とが略同時に作業者の操作動作を検知したと判定する。
【0156】
その後、制御部106は、降下開始させる制御信号を昇降部105に出力する(ステップS153)。この際、昇降部105は、制御部106から取得した制御信号に基づいて、降下動作を開始する。
【0157】
制御信号を出力すると、制御部106は、
図19に示すように、処理をステップS151に戻して、2つの操作スイッチ1のうち、少なくとも一方の操作スイッチ1から検知信号を取得しなくなるまで、あるいは電力の供給が遮断されるまで、ステップS151からステップS153の処理を繰り返す。
【0158】
なお、ステップS151において、一方の操作スイッチ1からの検知信号を取得していない場合(ステップS151:No)、またはステップS152において、他方の操作スイッチ1からの検知信号を取得していない場合(ステップS152:No)、制御部106は、
図19に示すように、処理をステップS151に戻して、電力の供給が遮断されるまで処理を繰り返す。
【0159】
以上のように、本実施形態の操作スイッチ1は、操作動作を検知するセンサユニット30と、センサユニット30が後方Xrに沿って組付けられるとともに、後方Xrに沿って延びる略筒状の筐体10とを備えたものである。
【0160】
この操作スイッチ1のセンサユニット30は、光を発光する発光素子39、及び作業者の操作動作によって反射した光の反射光を受光する受光素子40を前面に実装したセンサ基板31と、センサ基板31の前面に対して前方Xfに対向配置された光透過性を有する操作受付パネル32とを備えたものである。
さらに、センサユニット30は、センサ基板31及び操作受付パネル32を保持する保持部材36を備えたものである。
【0161】
さらにまた、操作スイッチ1の操作受付パネル32は、少なくとも対向する受光素子40へ向けて反射光を集光する集光レンズ部32aを備えたものである。
そして、操作スイッチ1の保持部材36が、センサ基板31と操作受付パネル32との間に配置され、センサ基板31に対する操作受付パネル32の相対位置を位置決めする構成である。
【0162】
この構成によれば、センサ基板31に対する操作受付パネル32の相対位置が保持部材36によって位置決めされるため、操作スイッチ1は、センサ基板31の位置合わせ、及び操作受付パネル32の位置合わせを不要にして、センサ基板31に対して操作受付パネル32を所望される相対位置に配置することができる。
【0163】
具体的には、操作スイッチ1は、センサ基板31及び操作受付パネル32を保持部材36に保持させるだけで、後方Xrにおけるセンサ基板31の受光素子40と操作受付パネル32の集光レンズ部32aとを所望される間隔を隔てて対向させることができる。
【0164】
さらに、保持部材36がセンサ基板31及び操作受付パネル32を保持するため、操作スイッチ1は、所望される相対位置に配置されたセンサ基板31と操作受付パネル32との位置関係を安定して維持することができる。
したがって、操作スイッチ1は、センサ基板31に対して操作受付パネル32を精度よく配置できるとともに、組付け性を向上することができる。
【0165】
また、操作スイッチ1は、センサ基板31が、前方Xfに沿って保持部材36に締結固定される構成であり、操作受付パネル32が、後方Xrに沿って保持部材36に係止される構成である。
この構成によれば、センサ基板31が保持部材36に締結固定されるため、操作スイッチ1は、所望される位置に位置決めされたセンサ基板31の位置ズレを防止できる。
【0166】
さらに、紫外線硬化樹脂などの接着剤を用いることなく、センサ基板31及び操作受付パネル32を保持できるため、操作スイッチ1は、例えば接着剤の収縮に伴う位置ズレが、センサ基板31及び操作受付パネル32に生じることを防止できる。
【0167】
加えて、例えば接着剤を用いた場合、接着剤の硬化時間が必要になるのに対して、操作スイッチ1は、接着剤の硬化時間が不要になることで、センサ基板31及び操作受付パネル32を効率よく保持部材36に組付けることできる。
よって、操作スイッチ1は、センサ基板31に対して操作受付パネル32をより精度よく配置できるとともに、組付け性をより向上することができる。
【0168】
また、保持部材36が、センサ基板31の前面が当接する基板当接面36dと、操作受付パネル32の後面が当接するパネル当接面36cとを備えたものである。
この構成によれば、センサ基板31及び操作受付パネル32が保持部材36に当接するだけで、保持部材36は、前後方向Xにおけるセンサ基板31と操作受付パネル32との間隔を所望される間隔にすることができる。このため、操作スイッチ1は、センサ基板31に対して操作受付パネル32をより精度よく配置することができる。
【0169】
また、保持部材36が、操作受付パネル32に設けた被係止孔323aに係止されるとともに、前方Xfへ向けた操作受付パネル32の移動を規制する係止部362を備えたものである。
この構成によれば、保持部材36は、前方Xfへの位置ズレを抑えた状態で、操作受付パネル32を保持することができる。このため、操作スイッチ1は、センサ基板31に対して操作受付パネル32を精度よく配置することができる。
【0170】
この際、保持部材36が後方Xrへの操作受付パネル32の移動を阻止しているため、保持部材36は、前後方向Xにおける操作受付パネル32の位置ズレをさらに確実に抑えることができる。
【0171】
また、操作スイッチ1は、保持部材36が、後方Xrへ向けて延びる略板状に形成された複数の係止部362を備え、センサ基板31が、保持部材36の係止部362の先端が嵌合する複数の嵌合孔31aを備えたものである。
【0172】
この構成によれば、係止部362の先端がセンサ基板31に嵌合するため、保持部材36は、前後方向Xに直交する直交方向におけるセンサ基板31の位置と、前後方向Xを回転軸とする回転方向におけるセンサ基板31の位置とを、係止部362によって同時に位置決めすることができる。
【0173】
さらに、係止部362の先端がセンサ基板31に嵌合するため、保持部材36は、幅方向Yへの係止部362の撓み変形が、センサ基板31によって阻害されることになる。換言すると、操作スイッチ1は、保持部材36の係止部362が操作受付パネル32の被係止孔323aから離脱することを、センサ基板31によって阻止することができる。
【0174】
これにより、操作スイッチ1は、保持部材36に対してセンサ基板31を精度よく配置できるとともに、センサ基板31に対する位置ズレをより抑えた状態で操作受付パネル32を保持することができる。
【0175】
また、保持部材36が、前後方向Xを回転軸とする操作受付パネル32の回転を規制する回転規制壁部36fを備えたものである。
この構成によれば、保持部材36は、保持部材36に対する操作受付パネル32の回転方向の位置ズレを抑えることができる。このため、操作スイッチ1は、センサ基板31に対して操作受付パネル32をさらに精度よく配置することができる。
【0176】
また、操作スイッチ1は、センサ基板31が、前面の略中心に対してオフセットした位置に、後方Xrに沿って貫通した位置決め孔31bを備え、保持部材36が、後方Xrへ向けて突設するとともに、センサ基板31の位置決め孔31bに嵌合する位置決めピン36eを備えたものである。
【0177】
この構成によれば、保持部材36は、前後方向Xを回転軸とする回転方向において、センサ基板31の位置を所望される位置に位置決めすることができる。このため、保持部材36は、例えば操作受付パネル32の集光レンズ部32aとセンサ基板31の受光素子40とを確実に対向させることができる。
【0178】
よって、操作スイッチ1は、回転方向におけるセンサ基板31と操作受付パネル32との位置ズレを抑えられるため、センサ基板31に対して操作受付パネル32をさらに精度よく配置することができる。
【0179】
また、保持部材36が、前後方向Xに直交する直交方向で操作受付パネル32に当接するとともに、直交方向における操作受付パネル32の位置を位置決めする複数の線状突部36gを備えたものである。
【0180】
この構成によれば、保持部材36は、直交方向における操作受付パネル32の位置を所望される位置に位置決めすることができる。このため、保持部材36は、例えば後方Xrから見た操作受付パネル32の中心を、センサ基板31の中心に容易に略一致させることができる。
【0181】
よって、操作スイッチ1は、直交方向におけるセンサ基板31と操作受付パネル32との位置ズレを抑えられるため、センサ基板31に対して操作受付パネル32をさらに精度よく配置することができる。
【0182】
また、保持部材36が、筐体10の内部に収容されるように後方Xrへ向けて延びるとともに、筐体10に係止される複数の組付け脚部364を備えたものである。
この構成によれば、操作スイッチ1は、センサ基板31に対して操作受付パネル32が精度よく配置されたセンサユニット30を、接着剤などを用いることなく筐体10に組付けることができる。
【0183】
このため、例えば接着剤を用いてセンサユニット30を筐体10に固定する場合に比べて、操作スイッチ1は、接着剤の塗布や接着剤の硬化時間を不要にでき、センサユニット30と筐体10とを効率よく組付けることができる。
【0184】
さらに、保持部材36の組付け脚部364が筐体10の外部に露出しないため、操作スイッチ1は、センサユニット30が筐体10に係止された状態が、意図しない外力によって解除されることを防止できる。
よって、操作スイッチ1は、センサユニット30の筐体10への組付け性を向上できるとともに、センサユニット30を筐体10に組付けた状態を安定して維持することができる。
【0185】
また、操作スイッチ1は、後方Xrに沿って筐体10の内部に収容保持されるとともに、外部機器との電気的な授受を制御する入出力制御部21と、センサユニット30のセンサ基板31と入出力制御部21とを電気的に接続する可撓性を有するフレキシブルフラットケーブル50とを備えたものである。
【0186】
この構成によれば、センサ基板31と入出力制御部21とが可撓性を有するフレキシブルフラットケーブル50で接続されるため、操作スイッチ1は、筐体10への組付け性を確保できるとともに、センサ基板31と入出力制御部21との電気的な接続を安定して確保することができる。
【0187】
具体的には、入出力制御部21を筐体10に収容する際、フレキシブルフラットケーブル50は、例えば断面丸形の電線に比べてコンパクトに折り畳んで筐体10に収容することができる。このため、センサ基板31と入出力制御部21とを断面丸形の電線で接続した場合に比べて、操作スイッチ1は、筐体10の大型化を抑えて、その大きさの小型化を図ることができる。
【0188】
さらに、別体で構成されたセンサ基板31と入出力制御部21とがフレキシブルフラットケーブル50で接続されているため、例えば押しボタンスイッチに間違えられて押下された場合のように、意図しない外力がセンサユニット30または入出力制御部21に加わった際、操作スイッチ1は、意図しない外力をセンサ基板31と入出力制御部21との間で伝わり難くすることができる。
【0189】
このため、例えばセンサ基板31と入出力制御部21とをバスバーで接続した場合に比べて、操作スイッチ1は、フレキシブルフラットケーブル50とセンサ基板31との接続箇所、及びフレキシブルフラットケーブル50と入出力制御部21との接続箇所に作用する意図しない外力も低減することができる。
【0190】
これにより、操作スイッチ1は、フレキシブルフラットケーブル50とセンサ基板31との接続箇所、及びフレキシブルフラットケーブル50と入出力制御部21との接続箇所の脱落や破損を防止することができる。
よって、操作スイッチ1は、筐体10への組付け性を確保できるとともに、センサ基板31と入出力制御部21との電気的な接続を安定して確保することができる。
【0191】
また、フレキシブルフラットケーブル50が、内部コネクタ25,38を介してセンサ基板31、及び入出力制御部21に接続されたものである。
この構成によれば、例えばフレキシブルフラットケーブル50をセンサ基板31及び入出力制御部21に半田付けで接続する場合に比べて、操作スイッチ1は、センサ基板31及び入出力制御部21の双方にフレキシブルフラットケーブル50を容易に組み付けることができる。このため、操作スイッチ1は、フレキシブルフラットケーブル50の組付け性を向上することができる。
【0192】
また、操作スイッチ1は、入出力制御部21を係止によって収容保持する収容ケース22を備えたものである。そして、収容ケース22が、入出力制御部21を保持した状態で、後方Xrに沿って筐体10の内部に収容されるとともに、筐体10に係止される構成である。
【0193】
この構成によれば、入出力制御部21が係止によって収容ケース22に保持され、収容ケース22が筐体10に係止されるため、操作スイッチ1は、接着剤や締結部材などを用いて入出力制御部21を筐体10に固定する場合に比べて、入出力制御部21を筐体10に容易に固定することができる。
【0194】
また、操作スイッチ1は、センサ基板31が、発光素子39及び受光素子40の周囲に配置された照明用発光素子41を備え、センサユニット30が、照明用発光素子41の光を透過する光透過性を有するとともに、操作受付パネル32を囲うように略環状に形成された照明用パネル33を備えたものである。そして、照明用パネル33が、操作受付パネル32に装着された状態で筐体10に組付けられたものである。
【0195】
この構成によれば、照明用パネル33が操作受付パネル32に装着されるため、保持部材36は、照明用発光素子41に対する照明用パネル33の相対位置を、操作受付パネル32を介して位置決めすることができる。このため、操作スイッチ1は、センサ基板31の照明用発光素子41に対して照明用パネル33を精度よく配置することができる。
【0196】
また、実施例1の昇降装置100は、上述の操作スイッチ1と、操作スイッチが検知した操作動作に基づいて動作する昇降部105と、操作スイッチ1及び昇降部105に電気的に接続される制御部106とを備えたものである。
【0197】
そして、制御部106が、操作スイッチ1から取得した操作動作の検知を示す検知信号に基づいて、昇降部105の動作を制御する構成である。
【0198】
この構成によれば、昇降装置100は、センサ基板42に対して操作受付パネル32を精度よく配置した操作スイッチ1によって、作業者の操作動作を精度よく検知することができる。このため、昇降装置100は、所望される動作を昇降部105に確実に行わせることができる。
【0199】
また、制御部106が、2つの操作スイッチ1(第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104)の双方から検知信号を取得している場合、昇降部105の制御を開始する構成である。
【0200】
この構成によれば、例えば2つの操作スイッチ1(第1操作スイッチ103及び第2操作スイッチ104)が操作動作を略同時に検知した場合に、昇降部105が動作開始するため、昇降装置100は、操作スイッチが1つの場合に比べて、昇降部105の誤操作を防止できるとともに、昇降部105の安全性を向上することができる。
より詳しくは、右操作スイッチ113及び左操作スイッチ114は、右から左へ、または左から右へ向けた作業者のジェスチャーを検知するために設けられている。この右操作スイッチ113及び左操作スイッチ114は、右操作スイッチ113に対して左操作スイッチ114が左側に位置するように配置されている。
一方、前進操作スイッチ115及び後進操作スイッチ116は、下から上へ、または上から下へ向けた作業者のジェスチャーを検知するために設けられている。この前進操作スイッチ115に対して後進操作スイッチ116が下方に位置するように配置されている。
一方、他方の操作スイッチ1からの検知信号を取得している場合(ステップS162:Yes)、制御部106は、他方の操作スイッチ1が右操作スイッチ113か否かを検知信号に基づいて判定する(ステップS163)。
他方の操作スイッチ1が右操作スイッチ113の場合(ステップS163:Yes)、制御部106は、左操作スイッチ114、右操作スイッチ113の順に作業者の操作動作を検知したと判定し、搬送部112の移動方向を作業者から見て左から右へ向かう水平方向に決定する(ステップS164)。
一方、他方の操作スイッチ1が右操作スイッチ113でない場合(ステップS163:No)、制御部106は、右操作スイッチ113、左操作スイッチ114の順に作業者の操作動作を検知したと判定し、搬送部112の移動方向を作業者から見て右から左へ向かう水平方向に決定する(ステップS165)。
他方の操作スイッチ1からの検知信号を取得している場合(ステップS168:Yes)、制御部106は、他方の操作スイッチ1が前進操作スイッチ115か否かを検知信号に基づいて判定する(ステップS169)。
他方の操作スイッチ1が前進操作スイッチ115の場合(ステップS169:Yes)、制御部106は、後進操作スイッチ116、前進操作スイッチ115の順に作業者の操作動作を検知したと判定し、搬送部112の移動方向を作業者から見て手前から奥へ向かう水平方向に決定する(ステップS170)。
一方、他方の操作スイッチ1が前進操作スイッチ115でない場合(ステップS169:No)、制御部106は、前進操作スイッチ115、後進操作スイッチ116の順に作業者の操作動作を検知したと判定し、搬送部112の移動方向を作業者から見て奥から手前へ向かう水平方向に決定する(ステップS171)。
以上のように、実施例2の操作スイッチ1及び搬送装置110は、センサ基板42に対して操作受付パネル32が精度よく配置されているため、上述の実施例1と同様の効果を奏することができる。
さらに、複数の操作スイッチ1を一体的に支持するため、スイッチユニット111は、複数の操作スイッチ1の相対位置を維持したまま、複数の操作スイッチ1を所定の取付パネルに同時に組付けることができる。このため、スイッチユニット111は、操作スイッチ1の所定の取付パネルへの組付け性を向上することができる。
また、実施例2の搬送装置110は、制御部106が、2つの操作スイッチ1から検知信号を連続して取得した場合、検知信号を取得した順番に基づいて、搬送部112の動作を制御する構成である。
この構成によれば、検知信号を取得した順番に基づいて、制御部106が搬送部112の動作を制御するため、搬送装置110は、例えば作業者のジェスチャーに応じた動作を搬送部112に行わせることができる。
より詳しくは、右操作スイッチ113と左操作スイッチ114とがこの順番で検知信号を出力した場合、搬送装置110は、右から左へ向かう水平方向へ搬送部112を動作させることができる。
このため、搬送装置110は、例えば複数の押しボタンスイッチを順番に押下する場合に比べて、操作動作の簡略化を図ることができる。
具体的には、上述した実施形態において、エレベータなどの装置に取付けられた操作スイッチ1としたが、これに限定せず、適宜の装置に取付けられた操作スイッチであってもよい。
また、装置を動作開始させる人の操作動作を検知する操作スイッチ1としたが、これに限定せず、動作している装置を一時停止または完全停止させる人の操作動作を検知する操作スイッチであってもよい。
また、操作スイッチ1が前後方向Xに沿って取付けられる取付パネルPとしたが、これに限定せず、幅方向Y、あるいは上下方向など適宜の方向から操作スイッチ1が取付けられる取付パネルであってもよい。
また、正面視略円形の操作スイッチ1としたが、これに限定せず、正面視略矩形の操作スイッチ、正面視略三角形の操作スイッチ、あるいは正面視略多角形の操作スイッチであってもよい。この際、筐体10は、略円筒状に限らず、略筒状であれば略矩形の筒状、略三角形の筒状、多角形の筒状などであってもよい。
また、取付パネルPとは別体の筐体10にセンサユニット30が組付けられる構成としたが、これに限定せず、取付パネルに一体的に設けられた筐体に、センサユニット30が取付けられる構成であってもよい。
また、受光素子40に対向する部分に集光レンズ部32aを有する操作受付パネル32としたが、これに限定せず、発光素子39に対向する部分に、発光素子39の照射光を収束または拡散させるレンズ部を備えた操作受付パネルであってもよい。
また、照明用発光素子41及び照明用パネル33を備えたセンサユニット30としたが、これに限定せず、照明用発光素子41及び照明用パネル33を備えていないセンサユニットとしてもよい。
また、小径シールリング34及び大径シールリング35を備えたセンサユニット30としたが、これに限定せず、小径シールリング34及び大径シールリング35を備えていないセンサユニットであってもよい。
また、保持部材36の係止部362に設けた嵌合突部362bが、センサ基板31の嵌合孔31aに嵌合する構成としたが、これに限定せず、保持部材36の係止部が、センサ基板31に設けた嵌合孔に直接的に嵌合する構成であってもよい。
また、入出力ユニット20とセンサユニット30とをフレキシブルフラットケーブル50で電気的に接続したが、これに限定せず、入出力ユニット20とセンサユニット30とを、断面丸形の電線を並置して構成したリボンケーブル、あるいは断面丸形の複数の電線で接続してもよい。
また、保持部材36の係止部362が、一体形成した爪部分362aを介して、操作受付パネル32の被係止孔323aに係止される構成としたが、これに限定しない。例えば保持部材36の係止部に設けた開口と、操作受付パネル32の被係止孔とに、別体の楔部材を係合することで、操作受付パネル32が保持部材36に間接的に係止される構成であってもよい。
また、線状突部36gが保持部材36の回転規制壁部36fに設けられた構成としたが、これに限定せず、線状突部が操作受付パネル32の円筒壁部322に設けられた構成であってもよい。
また、実施例1の昇降装置100、及び実施例2の搬送装置110に限定せず、操作スイッチ1を備えるとともに、操作スイッチ1が検知した操作動作によって動作部が動作するスイッチ装置であれば、適宜の構成としてもよい。この際、複数の操作スイッチ1と制御部とで操作装置を構成し、動作部を操作装置とは別体にしてもよい。
また、実施例2において、作業者の操作動作を検知した順番に基づいて、搬送部112の移動方向を決定する搬送装置110としたが、これに限定しない。例えば、複数の操作スイッチ1から検知信号を所定順序で取得した場合に、動作部の動作を開始させるスイッチ装置であってもよい。この場合、スイッチ装置は、操作スイッチが1つの場合に比べて、動作部の誤操作を防止できるため、動作部の安全性を向上することができる。