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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100372
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】枯損抑制システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20230711BHJP
   E01C 5/00 20060101ALI20230711BHJP
   A01G 20/00 20180101ALI20230711BHJP
【FI】
A01G7/00 601Z
E01C5/00
A01G20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000989
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】槌尾 健
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 護
【テーマコード(参考)】
2B022
2D051
【Fターム(参考)】
2B022AA03
2B022AB02
2B022DA17
2D051AA05
2D051AH05
(57)【要約】
【課題】駐車場に植えられた植物が車両からの熱によって枯損することを抑制することが可能となる、枯損抑制システムを提供すること。
【解決手段】枯損抑制システム20は、駐車場1に植えられる植物Pが車両Cからの熱Hによって枯損することを抑制するためのシステムであって、車両Cが所定位置に駐車したことを検知する検知部21と、植物Pを冷却する冷却部22と、検知部21の検知結果に基づいて、所定位置に対応する植物Pを冷却部22によって冷却させる冷却制御部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に植えられる植物が車両からの熱によって枯損することを抑制するための枯損抑制システムであって、
前記車両が所定位置に駐車したことを検知する検知手段と、
前記植物を冷却する冷却手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、前記所定位置に対応する前記植物を前記冷却手段によって冷却させる冷却制御手段と、
を備える枯損抑制システム。
【請求項2】
前記検知手段、前記冷却手段、又は前記冷却制御手段の少なくともいずれか1つを、前記駐車場に設けられる付属物内に配置した、
請求項1に記載の枯損抑制システム。
【請求項3】
前記付属物は、車止め、植物保護材、又は/及び白線部材を含む、
請求項2に記載の枯損抑制システム。
【請求項4】
所定方法で取得した判定パラメータであって、前記冷却手段の作動基準とすべき判定パラメータに基づいて、前記冷却手段を作動させるか否かを判定する判定手段を備え、
前記冷却制御手段は、前記検知手段の検知結果及び前記判定手段の判定結果に基づいて、前記所定位置に対応する前記植物を前記冷却手段によって冷却させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の枯損抑制システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枯損抑制システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場に植えられている芝生が枯損することを抑制する技術の一つとして、車両の車輪を載せるためのコンクリートブロックを駐車場に設けて、コンクリートブロックの側壁及び上版において内部空間へ連通する貫通孔を形成することで、タイヤによって芝生が踏み潰されることを回避しながら、芝生が枯れることを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-053466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駐車場の芝生が枯損する理由の一つとして、駐車中の車両のエンジン熱によって、芝生がダメージを受けること(具体的には、エンジン部分から下方への熱風によって芝生が有する酵素等たんぱく質の熱変性により起こる高温障害等)が知られている。しかしながら、上記従来の技術においては、上述したように、貫通孔を有するコンクリートブロックの上に車両を駐車するので、駐車中の車両のエンジン熱によって芝生がダメージを受けるおそれがあることから、芝生の如き植物の枯損を抑制する観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、駐車場に植えられた植物が車両からの熱によって枯損することを抑制することが可能となる、枯損抑制システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の枯損抑制システムは、駐車場に植えられる植物が車両からの熱によって枯損することを抑制するための枯損抑制システムであって、前記車両が所定位置に駐車したことを検知する検知手段と、前記植物を冷却する冷却手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記所定位置に対応する前記植物を前記冷却手段によって冷却させる冷却制御手段と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の枯損抑制システムは、請求項1に記載の枯損抑制システムにおいて、前記検知手段、前記冷却手段、又は前記冷却制御手段の少なくともいずれか1つを、前記駐車場に設けられる付属物内に配置した。
【0008】
請求項3に記載の枯損抑制システムは、請求項2に記載の枯損抑制システムにおいて、前記付属物は、車止め、植物保護材、又は/及び白線部材を含む。
【0009】
請求項4に記載の枯損抑制システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の枯損抑制システムにおいて、所定方法で取得した判定パラメータであって、前記冷却手段の作動基準とすべき判定パラメータに基づいて、前記冷却手段を作動させるか否かを判定する判定手段を備え、前記冷却制御手段は、前記検知手段の検知結果及び前記判定手段の判定結果に基づいて、前記所定位置に対応する前記植物を前記冷却手段によって冷却させる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の枯損抑制システムによれば、車両が所定位置に駐車したことを検知する検知手段と、植物を冷却する冷却手段と、検知手段の検知結果に基づいて、所定位置に対応する植物を冷却手段によって冷却させる冷却制御手段と、を備えるので、検知手段の検知結果に基づいて所定位置に対応する植物を冷却でき、植物が車両からの熱によって枯損することを抑制できる。
【0011】
請求項2に記載の枯損抑制システムによれば、検知手段、冷却手段、又は冷却制御手段の少なくともいずれか1つを、駐車場に設けられる付属物内に配置したので、検知手段、冷却手段、又は冷却制御手段の少なくともいずれか1つが外部に露出することを抑制でき、枯損抑制システムの意匠性を維持しやすくなる。
【0012】
請求項3に記載の枯損抑制システムによれば、付属物が、車止め、植物保護材、又は/及び白線部材を含むので、検知手段、冷却手段、又は冷却制御手段の少なくともいずれか1つの機能を効果的に発揮させることができ、枯損抑制システムの使用性を確保しやすくなる。
【0013】
請求項4に記載の枯損抑制システムによれば、所定方法で取得した判定パラメータであって、冷却手段の作動基準とすべき判定パラメータに基づいて、冷却手段を作動させるか否かを判定する判定手段を備え、冷却制御手段が、検知手段の検知結果及び判定手段の判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物を冷却手段によって冷却させるので、検知手段の検知結果及び判定手段の判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物を冷却できる。よって、冷却手段を無駄に作動させることを防止でき、植物の冷却を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係る枯損抑制システム及び駐車場を概念的に示す図である。
図2】枯損抑制システム及び車止めを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図3】枯損抑制システムの電気的構成を示したブロック図である。
図4】実施の形態1に係る枯損抑制処理のフローチャートである。
図5】実施の形態2に係る枯損抑制システム及び車止めを示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図6】枯損抑制システムの電気的構成を示したブロック図である。
図7】実施の形態2に係る枯損抑制処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る枯損抑制システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、駐車場に植えられた植物が車両からの熱によって枯損することを抑制するための枯損抑制システムに関する。
【0017】
ここで、「植物」とは、枯損抑制システムによって枯損が抑制される草や木を意味し、例えばコケ植物、シダ植物、種子植物等を含む概念であるが、実施の形態では、芝生として説明する。
【0018】
また、「車両」とは、駐車場に駐車される車輪のついた乗り物を意味し、例えば、四輪自動車、二輪自動車、電車の如き鉄道車両等を含む概念であるが、実施の形態では、四輪自動車として説明する。
【0019】
また、「枯損」とは、植物が枯れたり、又は損傷することを意味する。
【0020】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0021】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る枯損抑制システムについて説明する。この実施の形態1は、後述する冷却部を送風装置で構成した形態である。
【0022】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る枯損抑制システム20の構成と、枯損抑制システム20の駐車場1の構成について説明する。
【0023】
(構成-駐車場)
まず、駐車場1の構成について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態1に係る枯損抑制システム20及び駐車場1を概念的に示す図である。
【0025】
ここで、図1のX方向を駐車場1の左右方向又は幅方向(-X方向を駐車場1の左方向、+X方向を駐車場1の右方向)、図1のY方向を駐車場1の前後方向(+Y方向を駐車場1の前方向、-Y方向を駐車場1の後方向)と称し、図1のZ方向を駐車場1の上下方向(+Z方向を駐車場1の上方向、-Z方向を駐車場1の下方向)と称する。
【0026】
図1に示すように、実施の形態1に係る枯損抑制システム20が設置される駐車場1の路床2には、植栽部10、植物保護材11、車止め12、及び白線部材13が設けられている。
【0027】
ここで、路床2の具体的な構成については任意であるが、比較的強度を有する材質で構成されることが望ましく、例えば、平坦な(又は非平坦な)コンクリート製(又はアスファルト等)の床体、又は/及び砕石の如き骨材等で構成されてもよい。
【0028】
また、例えば、路床2と植栽部10との間において、図示しない集水板(例えば、水分を透過しにくい材質(一例として、金属製)で形成された板状体)が設けられてもよい。これにより、植栽部10を透過した雨水等が、集水板を伝って図示しない集水用のタンク等に集められることで、当該タンクの水を植栽部10に植えられる植物P(以下、単に「植物P」と称する)の育成に再利用できる。
【0029】
(構成-駐車場-植栽部)
植栽部10は、植物Pを養生(生育)させるための植栽手段であり、図1に示すように、路床2の上面の略全体にわたって敷設されている。
【0030】
また、この植栽部10は、例えば保水性及び排水性に優れた公知の土壌で構成されている。一例として、高い透水性を有する透水層部であって、所定の径を有する砕石で構成される透水層部と、透水層よりも上方に位置する植栽層部であって、多孔質の火山砂利を主要骨材とする特殊な土壌(例えば、シルトや粘土といった細粒分を含まず、多孔質な礫砂を含む土壌等)、ガラス造粒砂、樹脂系チップ、ゴムチップ、又はこれらを組み合わせて構成される植栽層部と、植栽層部よりも上方に位置する調整層部であって、自然土壌等で構成され、且つ植栽層部の不陸を調整するための調整層部とを備えてもよい(いずれも図示省略)。
【0031】
(構成-駐車場-植物保護材)
植物保護材11は、駐車場1に設けられる付属物であって、植物Pを保護するための植物保護手段である。この植物保護材11は、植栽部10の上面において左右方向及び前後方向に沿って複数並設されており、収容空間部及び本体部を備えている(いずれも図示省略)。
【0032】
(構成-駐車場-植物保護材-収容空間部)
収容空間部は、植物Pを収容可能な空間部であり、各本体部の内部に複数設けられている。
【0033】
(構成-駐車場-植物保護材-本体部)
本体部は、植物保護材11の基本構造体である。この本体部は、植栽部10の上面に複数載置されており、隔壁、下面材、外枠材、及び連結部を備えている(いずれも図示省略)。
【0034】
このうち、隔壁は、収容空間部を区画するものである。この隔壁は、下面材から上方に向けて突出するように形成された板状体であり、各本体部の内部において複数設けられている。
【0035】
また、下面材は、植物保護材11の下端部を構成するものであると共に、人や車両Cが植物保護材11の上を移動した際に、植物保護材11が植栽部10に埋まってしまうことを防止するためのものである。この下面材は、例えば平坦な略矩形状の板状体にて形成されており、各本体部の下端部全体を略覆うように配置されている。また、下面材には、植物Pが植物保護材11から植栽部10に至るように生長可能にするための貫通孔が複数設けられている。
【0036】
また、外枠材は、本体部の外縁部を構成するものである。この外枠材は、下面材から上方に向けて突出するように形成された板状体であり、本体部の外縁部全体を略覆うように設けられている。
【0037】
また、連結部は、本体部同士を連結するものである。この連結部は、例えば着脱自在な公知の連結手段で構成されており、一例として、外枠材から外側に向けて突出する第1連結部と、外枠材に設けられ溝状の第2連結部であって、第1連結部と嵌合可能な第2連結部とを備えて構成されてもよい(いずれも図示省略)。
【0038】
(構成-駐車場-車止め)
車止め12は、駐車場1に設けられる付属物であって、車両Cの移動を抑制するための部材である。この車止めは、例えば公知の車止め(一例として、コンクリート製の中空状のブロック体)等を用いて構成されており、植物保護材11の上面に複数設けられている。具体的には、図1に示すように、植物保護材11の上面の領域のうち、車両Cが駐車される複数の駐車領域PAの各々に2つ設けられている。
【0039】
(構成-駐車場-白線部材)
白線部材13は、駐車場1に設けられる付属物であって、駐車領域PAを視認可能にするための部材である。この白線部材13は、例えば公知の中空状のマーカー部材を用いて構成されており、植物保護材11の上面に複数設けられている。具体的には、図1に示すように、各駐車領域PAの外縁部に設けられている。
【0040】
(構成-枯損抑制システム)
次に、枯損抑制システム20の構成について説明する。
【0041】
図2は、枯損抑制システム20及び車止め12を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図3は、枯損抑制システム20の電気的構成を示したブロック図である。
【0042】
枯損抑制システム20は、駐車場1に植えられる植物Pが車両C(具体的には、車両Cのエンジン部)からの熱Hによって枯損することを抑制するためのシステムである。この枯損抑制システム20は、駐車場1又はその近傍に設けられており、具体的には、各駐車領域PAに少なくとも1つ以上設けられている。また、図2図3に示すように、枯損抑制システム20は、検知部21、冷却部22、発電部23、蓄電部24、及び制御ユニット30を備えている。
【0043】
また、この枯損抑制システム20を構成する各構成要素の接続形態については、以下に示す通りに設定している。すなわち、後述する制御ユニット30の制御部33は、検知部21、冷却部22、及び蓄電部24の各々と配線25を介して電気的に接続されていると共に、蓄電部24は、検知部21、冷却部22、及び発電部23の各々と配線25を介して電気的に接続されている。これにより、後述する制御部33と、検知部21、冷却部22、及び蓄電部24の各々との相互間で通信又は電力供給を直接的又は間接的に行うことができると共に、蓄電部24と、検知部21、冷却部22、及び発電部23の各々との相互間で電力供給を行うことができる。
【0044】
(構成-枯損抑制システム-検知部)
図2に戻り、検知部21は、車両Cが所定位置に駐車したことを検知する検知手段であり、例えば公知の検知装置(一例として、衝突振動感知装置)等を用いて構成されている。
【0045】
ここで、「所定位置」とは、車両Cが駐車される位置を意味し、実施の形態1では、検知部21の検知対象となる駐車領域PAとして説明する。
【0046】
また、検知部21の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、各駐車領域PAに設けられた車止め12、植物保護材11、又は/及び白線部材13の内部に配置している。具体的には、図2に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12内に配置している。
【0047】
この場合において、車止め12の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、図2に示すように、車止め12の面部のうち、車両C側の面部(図2では、前側の面部)にスリット12aが形成されることにより、検知部21の検知精度を高めることができる。
【0048】
このような配置により、検知部21が外部に露出することを抑制でき、枯損抑制システム20の意匠性を維持しやすくなる。特に、検知部21を車止め12内に配置するので、検知部21の機能を効果的に発揮させることができ、枯損抑制システム20の使用性を確保しやすくなる。
【0049】
また、検知部21が衝突振動感知装置である場合の検知動作については任意であるが、実施の形態1では、衝突振動感知装置によって検知された衝突値又は振動値が閾値以上である場合には、車両Cが所定位置に駐車した旨を示す検知信号を制御ユニット30に出力し、衝突振動感知装置によって検知された衝突値又は振動値が閾値以上でない場合には、検知信号を制御ユニット30に出力しないこと等が該当する。
【0050】
(構成-枯損抑制システム-冷却部)
冷却部22は、植物Pを冷却する冷却手段であり、例えば公知の冷却装置(一例として、送風装置(いわゆるファン))等を用いて構成されている。
【0051】
また、冷却部22の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、各駐車領域PAに設けられた車止め12、植物保護材11、又は/及び白線部材13の内部に配置している。具体的には、図2に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12内において、冷却部22から放出される冷却媒体CM(具体的には、冷気)がスリット12aを介して放出可能な位置(例えば、スリット12aと対向する位置であり、且つ駐車される車両Cの車輪によって冷却媒体CMの放出が阻害されにくい位置等)に配置している。
【0052】
このような配置により、冷却部22が外部に露出することを抑制でき、枯損抑制システム20の意匠性を維持しやすくなる。特に、冷却部22を車止め12内に配置するので、冷却部22の機能を効果的に発揮させることができ、枯損抑制システム20の使用性を確保しやすくなる。
【0053】
(構成-枯損抑制システム-発電部)
発電部23は、所定方法で発電する発電手段である。この発電部23は、例えば公知の発電装置(一例として、太陽光パネル等)を用いて構成され、図2に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12の上面に載置されている。
【0054】
(構成-枯損抑制システム-蓄電部)
蓄電部24は、発電部23にて発電された電力を蓄電する蓄電手段である。この蓄電部24は、例えば公知の蓄電装置(一例として、小型蓄電池)を用いて構成され、図2に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12の内部に配置されている。
【0055】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット)
制御ユニット30は、枯損抑制システム20を制御するためのユニットであり、図3に示すように、制御ユニット30は、通信部31、電源部32、制御部33、及び記憶部34を備えている。
【0056】
また、制御ユニット30の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、各駐車領域PAに設けられた車止め12、植物保護材11、又は/及び白線部材13の内部に配置しており、具体的には、図2に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12内に配置している。
【0057】
このような配置により、制御ユニット30が外部に露出することを抑制でき、枯損抑制システム20の意匠性を維持しやすくなる。
【0058】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット-通信部)
通信部31は、検知部21及び冷却部22の各々との間で配線25を介して通信を行うための通信手段である。
【0059】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット-電源部)
電源部32は、蓄電部24から供給された電力を、配線25を介して制御ユニット30の各部に供給する電源手段である。
【0060】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット-制御部)
制御部33は、制御ユニット30の各部を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。
【0061】
また、制御部33は、図3に示すように、機能概念的に、冷却制御部33aを備えている。
【0062】
冷却制御部33aは、検知部21(具体的には、制御部33と接続された検知部21)の検知結果に基づいて、所定位置に対応する植物Pを冷却部22によって冷却させる冷却制御手段である。ここで、「所定位置に対応する植物P」とは、実施の形態1では、枯損抑制システム20が設置される駐車領域PAに位置する植物Pとして説明する。
【0063】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット-記憶部)
記憶部34は、枯損抑制システム20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、書き換え可能な記録媒体を用いて構成され、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性記録媒体を用いて構成されている。
【0064】
以上のような枯損抑制システム20の構成により、検知部21の検知結果に基づいて所定位置に対応する植物Pを冷却でき、植物Pが車両Cからの熱Hによって枯損することを抑制できる。
【0065】
(枯損抑制処理)
次に、上述したように構成された枯損抑制システム20における制御ユニット30の制御部33によって実行される枯損抑制処理について説明する。
【0066】
図4は、実施の形態1に係る枯損抑制処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。
【0067】
枯損抑制処理は、駐車場1に植えられる植物Pが車両Cからの熱Hによって枯損することを抑制するための処理である。ここで、実施の形態1では、駐車場1に設けられている複数の枯損抑制システム20に関する枯損抑制処理は、それぞれ同一の処理内容で実行されるので、以下では、図2の枯損抑制システム20の制御部33によって実行される枯損抑制処理に着目して説明する。
【0068】
また、この枯損抑制処理を実行するタイミングは任意であるが、実施の形態1においては、図2の枯損抑制システム20に電源が投入された後に起動される。
【0069】
枯損抑制処理が起動されると、図4に示すように、SA1において制御部33は、検知部21の検知結果に基づいて、所定位置(具体的には、図2の駐車領域PA)に車両Cが駐車されているか否かを判定する。
【0070】
この車両Cが駐車されているか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態1では、検知部21から検知信号を受信しているか否に基づいて判定し、検知信号を受信している場合には車両Cが駐車されていると判定し、検知信号を受信していない場合には車両Cが駐車されていないと判定する。
【0071】
そして、制御部33は、車両Cが駐車されていると判定されるまで待機し(SA1、No)、車両Cが駐車されていると判定された場合(SA1、Yes)にはSA2へ移行する。
【0072】
SA2において冷却制御部33aは、上記所定位置に対応する植物Pを冷却部22によって冷却させる。
【0073】
この植物Pを冷却部22によって冷却させる方法については任意であるが、駐車場1に駐車されている車両Cからの熱Hによって熱せられる植物P(具体的には、車両Cのエンジン部の真下に位置する植物P)の枯損を抑制するために、当該植物Pの葉表面温度が所定温度以下(例えば、60℃以下)となるように当該植物Pを冷却させることが望ましい。例えば、後述するSA3において車両Cが発車したと判定されるまで、冷却媒体CMを冷却部22から連続的又は断続的に放出することにより、冷却させてもよい。あるいは、SA2の処理開始から所定時間(例えば、30分から60分程度等)経過するまで冷却媒体CMを冷却部22から連続的に放出し、その後SA3において車両Cが発車したと判定されるまで冷却媒体CMを冷却部22から断続的に放出してもよい。
【0074】
SA3において制御部33は、検知部21の検知結果に基づいて、上記所定位置に駐車されている車両Cが発車したか否かを判定する。
【0075】
この車両Cが発車したか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態1では、検知部21から検知信号を受信しているか否に基づいて判定し、検知信号を受信していない場合には車両Cが発車したと判定し、検知信号を受信している場合には車両Cが発車していないと判定する。
【0076】
そして、制御部33は、車両Cが発車したと判定された場合(SA3、Yes)にはSA4へ移行する。一方、車両Cが発車していないと判定された場合(SA3、No)にはSA2へ移行し、SA3において車両Cが発車したと判定されるまで、SA2、SA3の処理を繰り返す。
【0077】
SA4において冷却制御部33aは、冷却部22による上記所定位置に対応する植物Pの冷却を停止する。具体的には、冷却部22からの冷却媒体CMの放出を停止させる。その後、制御部33は、SA1へ移行し、以降同様に、SA1からSA4の処理を繰り返す。
【0078】
このような枯損抑制処理により、検知部21の検知結果に基づいて、上記所定位置に対応する植物Pを冷却でき、当該植物Pが車両Cからの熱Hによって枯損することを抑制できる。
【0079】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、車両Cが所定位置に駐車したことを検知する検知部21と、植物Pを冷却する冷却部22と、検知部21の検知結果に基づいて、所定位置に対応する植物Pを冷却部22によって冷却させる冷却制御部33aと、を備えるので、検知部21の検知結果に基づいて所定位置に対応する植物Pを冷却でき、植物Pが車両Cからの熱Hによって枯損することを抑制できる。
【0080】
また、検知部21、冷却部22、又は冷却制御部33aの少なくともいずれか1つを、駐車場1に設けられる付属物内に配置したので、検知部21、冷却部22、又は冷却制御部33aの少なくともいずれか1つが外部に露出することを抑制でき、枯損抑制システム20の意匠性を維持しやすくなる。
【0081】
また、付属物が、車止め12、植物保護材11、又は/及び白線部材13を含むので、検知部21、冷却部22、又は冷却制御部33aの少なくともいずれか1つの機能を効果的に発揮させることができ、枯損抑制システム20の使用性を確保しやすくなる。
【0082】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る枯損抑制システムについて説明する。この実施の形態2は、冷却部を放水装置で構成した形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0083】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る枯損抑制システム120の構成と、枯損抑制システム120の駐車場100の構成について説明する。
【0084】
(構成-駐車場)
まず、駐車場100の構成について説明する。実施の形態2に係る駐車場100は、実施の形態1に係る駐車場1と略同一に構成されている。
【0085】
(構成-枯損抑制システム)
次に、枯損抑制システム120の構成について説明する。
【0086】
図5は、実施の形態2に係る枯損抑制システム120及び車止め12を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図6は、枯損抑制システム120の電気的構成を示したブロック図である。
【0087】
実施の形態2に係る枯損抑制システム120は、実施の形態1に係る枯損抑制システム20と略同一に構成されている。ただし、冷却部22及び制御ユニット30の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0088】
(構成-枯損抑制システム-冷却部)
冷却部22は、例えば公知の冷却装置(一例として、冷却媒体CMである冷水を放出する放水装置)等を用いて構成されており、図5に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12内に配置されている。
【0089】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット)
制御ユニット30は、図5に示すように、各駐車領域PAに設けられた各車止め12内に配置されており、図6に示すように、通信部31、電源部32、制御部33、及び記憶部34を備えている。ここで、実施の形態2に係る通信部31、電源部32、及び記憶部34の構成については、実施の形態1に係る通信部31、電源部32、及び記憶部34の構成と略同一に構成されているものの、実施の形態2に係る制御部33の構成については、下記に示す工夫が施されている。
【0090】
(構成-枯損抑制システム-制御ユニット-制御部)
制御部33は、図5に示すように、機能概念的に、冷却制御部33a及び判定部33bを備えている。
【0091】
このうち、判定部33bは、所定方法で取得した判定パラメータに基づいて、冷却部22を作動させるか否かを判定する判定手段である。
【0092】
ここで、「判定パラメータ」とは、冷却部22の作動基準とすべきパラメータを意味し、例えば、温度(一例として、駐車領域PAの表面温度等)、風速、天気、及び駐車時間等を含む概念であるが、実施の形態2では、駐車領域PAの表面温度として説明する。
【0093】
以上のような枯損抑制システム120の構成により、検知部21の検知結果及び判定部33bの判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物Pを冷却できる。よって、冷却部22を無駄に作動させることを防止でき、植物Pの冷却を効率的に行うことができる。
【0094】
(枯損抑制処理)
次に、上述したように構成された枯損抑制システム120における制御ユニット30の制御部33によって実行される枯損抑制処理について説明する。図7は、実施の形態2に係る枯損抑制処理のフローチャートである。
【0095】
枯損抑制処理が起動されると、図7に示すように、SB1において制御部33は、検知部21の検知結果に基づいて、所定位置に車両Cが駐車されているか否かを判定する。
【0096】
そして、制御部33は、車両Cが駐車されていると判定されるまで待機し(SB1、No)、車両Cが駐車されていると判定された場合(SB1、Yes)にはSB2へ移行する。
【0097】
SB2において判定部33bは、判定パラメータ(上記車両Cが駐車された駐車領域PAの表面温度)を示す情報(以下、「判定パラメータ情報」と称する)を取得する。
【0098】
この判定パラメータ情報の取得方法については任意であるが、例えば、駐車領域PAに設置された図示しない検出装置(例えば、温度センサ等)、又は、外部装置(例えば、外部サーバ、外部端末装置等)から判定パラメータ情報を受信することにより、取得してもよい。
【0099】
SB3において判定部33bは、SB2にて取得された判定パラメータ情報の判定パラメータに基づいて、冷却部22を作動させるか否かを判定する。
【0100】
この冷却部22を作動させるか否かを判定する方法については任意であるが、実施の形態2では、上記判定パラメータの値(具体的には、上記車両Cが駐車された駐車領域PAの表面温度の値)が閾値以上であるか否かに基づいて判定し、上記閾値以上である場合には冷却部22を作動させると判定し、上記閾値以上でない場合には冷却部22を作動させないと判定する。
【0101】
ただし、これに限らず、例えば、上記判定パラメータが駐車場100周辺の風速である場合には、上記判定パラメータの値が閾値以上であるか否かに基づいて判定し、上記閾値以上である場合には冷却部22を作動させると判定し、上記閾値以上でない場合には冷却部22を作動させないと判定してもよい。また、上記判定パラメータが駐車場100周辺の天気である場合には、上記判定パラメータの天気が雨又は雪であるか否かに基づいて判定し、雨又は雪でない場合には冷却部22を作動させると判定し、雨又は雪である場合には冷却部22を作動させないと判定してもよい。また、上記判定パラメータが車両Cの駐車時間である場合には、上記判定パラメータの値が閾値以上であるか否かに基づいて判定し、上記閾値以上でない場合には冷却部22を作動させると判定し、上記閾値以上である場合には冷却部22を作動させないと判定してもよい。
【0102】
そして、判定部33bは、冷却部22を作動させると判定された場合(SB3、Yes)にはSB4へ移行し、冷却部22を作動させないと判定された場合(SB3、No)にはSB5へ移行する。
【0103】
SB4において冷却制御部33aは、冷却部22による上記所定位置に対応する植物Pの冷却を停止し、その後SB5へ移行する。
【0104】
SB5において制御部33は、検知部21の検知結果に基づいて、上記所定位置に駐車されている車両Cが発車したか否かを判定する。
【0105】
そして、制御部33は、車両Cが発車したと判定された場合(SB5、Yes)にはSB6へ移行する。一方、車両Cが発車していないと判定された場合(SB5、No)にはSB3へ移行し、SB5において車両Cが発車したと判定されるまで、SB3からSB5の処理を繰り返す。
【0106】
SB6において冷却制御部33aは、冷却部22による上記所定位置に対応する植物Pの冷却を停止する。具体的には、冷却部22からの冷却媒体CMの放出を停止させる。その後、制御部33は、SB1へ移行し、以降同様に、SB1からSB6の処理を繰り返す。
【0107】
このような枯損抑制処理により、検知部21の検知結果及び判定部33bの判定結果に基づいて、上記所定位置に対応する植物Pを冷却できる。よって、冷却部22を無駄に作動させることを防止でき、植物Pの冷却を効率的に行うことができる。
【0108】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、所定方法で取得した判定パラメータであって、冷却部22の作動基準とすべき判定パラメータに基づいて、冷却部22を作動させるか否かを判定する判定部33bを備え、冷却制御部33aが、検知部21の検知結果及び判定部33bの判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物Pを冷却部22によって冷却させるので、検知部21の検知結果及び判定部33bの判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物Pを冷却できる。よって、冷却部22を無駄に作動させることを防止でき、植物Pの冷却を効率的に行うことができる。
【0109】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0110】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0111】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、制御ユニット30を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に制御部33を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に記憶部34を設けてもよい。
【0112】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0113】
(駐車場について)
上記実施の形態1、2では、駐車場の路床2には、植物保護材11、車止め12、及び白線部材13が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、植物保護材11、車止め12、又は白線部材13のいずれか1つのみ又は2つのみを省略してもよい。
【0114】
また、上記実施の形態1、2では、植栽部10が、路床2の上面の略全体にわたって敷設されていると説明したが、これに限らず、例えば、路床2の上面の一部のみに敷設されてもよい。
【0115】
(付属物について)
上記実施の形態1、2では、付属物が、車止め12、植物保護材11、及び白線部材13を含むと説明したが、これに限らず、例えば、これらに加えて、駐車場に設置されるパーキングメーターを含んでもよい。
【0116】
(枯損抑制システムについて)
上記実施の形態1、2では、発電部23及び蓄電部24が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、検知部21、冷却部22、及び制御ユニット30に対して商用電源から電力が供給される場合には、発電部23及び蓄電部24を省略してもよい。
【0117】
また、上記実施の形態1、2では、検知部21、冷却部22、及び冷却制御部33aが、駐車場に設けられる同一の車止め12内に配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、検知部21、冷却部22、又は冷却制御部33aのいずれか1つのみ又は2つのみは、同一の車止め12内に配置され、残りは、異なる車止め12内、植物保護材11内、若しくは白線部材13内に設けられ、又は駐車領域PAの上面において外部に露出するように設けられてもよい。あるいは、検知部21、冷却部22、及び冷却制御部33aは、同一の植物保護材11内、若しくは同一の白線部材13内に設けられてもよく、又は、駐車領域PAの上面において外部に露出するように設けられてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態1、2では、車止め12内に1つの冷却部22が設けられていると説明したが、これに限らず、例えば、車止め12内に複数の冷却部22が設けられてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態1、2では、検知部21が、衝突振動感知装置であると説明したが、これに限らず、例えば、赤外線センサ又はカメラであってもよい。
【0120】
また、上記実施の形態1、2では、冷却部22が、送風装置又は放水装置であると説明したが、これに限らず、例えば、冷却媒体CMである氷を放出する放氷装置であってもよい。
【0121】
また、上記実施の形態1、2では、制御ユニット30が、各駐車領域PAに設けられた各車止め12内に配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、駐車場又はその近傍位置において、各車止め12内に設けられる複数の検知部21及び複数の冷却部22を制御可能な制御ユニット30が1つだけ設けられてもよい。
【0122】
(付記)
付記1の枯損抑制システムは、駐車場に植えられる植物が車両からの熱によって枯損することを抑制するための枯損抑制システムであって、前記車両が所定位置に駐車したことを検知する検知手段と、前記植物を冷却する冷却手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記所定位置に対応する前記植物を前記冷却手段によって冷却させる冷却制御手段と、を備える。
【0123】
付記2の枯損抑制システムは、付記1に記載の枯損抑制システムにおいて、前記検知手段、前記冷却手段、又は前記冷却制御手段の少なくともいずれか1つを、前記駐車場に設けられる付属物内に配置した。
【0124】
付記3の枯損抑制システムは、付記2に記載の枯損抑制システムにおいて、前記付属物は、車止め、植物保護材、又は/及び白線部材を含む。
【0125】
付記4の枯損抑制システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の枯損抑制システムにおいて、所定方法で取得した判定パラメータであって、前記冷却手段の作動基準とすべき判定パラメータに基づいて、前記冷却手段を作動させるか否かを判定する判定手段を備え、前記冷却制御手段は、前記検知手段の検知結果及び前記判定手段の判定結果に基づいて、前記所定位置に対応する前記植物を前記冷却手段によって冷却させる。
【0126】
(付記の効果)
付記1に記載の枯損抑制システムによれば、車両が所定位置に駐車したことを検知する検知手段と、植物を冷却する冷却手段と、検知手段の検知結果に基づいて、所定位置に対応する植物を冷却手段によって冷却させる冷却制御手段と、を備えるので、検知手段の検知結果に基づいて所定位置に対応する植物を冷却でき、植物が車両からの熱によって枯損することを抑制できる。
【0127】
付記2に記載の枯損抑制システムによれば、検知手段、冷却手段、又は冷却制御手段の少なくともいずれか1つを、駐車場に設けられる付属物内に配置したので、検知手段、冷却手段、又は冷却制御手段の少なくともいずれか1つが外部に露出することを抑制でき、枯損抑制システムの意匠性を維持しやすくなる。
【0128】
付記3に記載の枯損抑制システムによれば、付属物が、車止め、植物保護材、又は/及び白線部材を含むので、検知手段、冷却手段、又は冷却制御手段の少なくともいずれか1つの機能を効果的に発揮させることができ、枯損抑制システムの使用性を確保しやすくなる。
【0129】
付記4に記載の枯損抑制システムによれば、所定方法で取得した判定パラメータであって、冷却手段の作動基準とすべき判定パラメータに基づいて、冷却手段を作動させるか否かを判定する判定手段を備え、冷却制御手段が、検知手段の検知結果及び判定手段の判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物を冷却手段によって冷却させるので、検知手段の検知結果及び判定手段の判定結果に基づいて、所定位置に対応する植物を冷却できる。よって、冷却手段を無駄に作動させることを防止でき、植物の冷却を効率的に行うことができる。
【符号の説明】
【0130】
1 駐車場
2 路床
10 植栽部
11 植物保護材
12 車止め
12a スリット
13 白線部材
20 枯損抑制システム
21 検知部
22 冷却部
23 発電部
24 蓄電部
25 配線
30 制御ユニット
31 通信部
32 電源部
33 制御部
33a 冷却制御部
33b 判定部
34 記憶部
100 駐車場
120 枯損抑制システム
C 車両
CM 冷却媒体
H 熱
P 植物
PA 駐車領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7