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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100418
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】電気錠装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/00 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
E05B47/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001093
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000138462
【氏名又は名称】株式会社ユーシン
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】中石 和宏
(57)【要約】
【課題】
電子錠装置のオートロック一時停止制御について、誤操作の可能性の低減と、操作性向上とを図る。
【解決手段】
電子錠装置1の制御部13は、ポテンションセンサ15からの入力に基づいて、操作ノブ7が施錠位置から、設定時間Tset_a内に、解錠位置に操作され、施錠位置に操作されたことを検出すると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置と前記解錠位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、第1設定時間内に、前記解錠位置に操作され、再び前記施錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項2】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、第2設定時間内に、前記中立位置に操作され、再び前記施錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御への切り替えから第3設定時間が経過すると、前記駆動部により、前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを解錠させると共に、前記手動操作部を前記解錠位置として、前記オートロック一時停止制御を継続する、請求項1又は2に記載の電子錠装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御への切り替えから前記第3設定時間に達する前に、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から前記解錠位置に操作されたことを検出しても、前記オートロック一時停止制御を継続する、請求項3に記載の電子錠装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記オートロック一時停止制御を実行中、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が第4設定時間以上前記施錠位置であることを検出すると、前記オートロック一時停止制御から前記オートロック制御に切り替える、請求項1から4のいずれか1項に記載の電子錠装置。
【請求項6】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記解錠位置から前記中立位置に操作され、第5設定時間以上前記中立位置で維持されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項7】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から前記中立位置に操作され、第6設定時間以上前記中立位置で維持されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御への切り替後、前記手動操作部が前記施錠位置に操作されたことを前記位置検出部からの入力に基づいて検出すると、前記オートロック一時停止制御から前記オートロック制御に切り替える一方、前記手動操作部が前記解錠位置に操作されたことを前記位置検出部からの入力に基づいて検出すると、前記オートロック一時停止制御を継続する、請求項6又は7に記載の電子錠装置。
【請求項9】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、前記中立位置に操作され、第6設定時間以上前記中立位置で維持され、第7設定時間内に前記解錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項10】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、前記中立位置に操作され、第6設定時間以上前記中立位置で維持されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項11】
施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、
前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、
前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、
前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、
前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、
前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、
前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、前記中立位置に操作され、第6設定時間以上前記中立位置で維持された後、前記解錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置。
【請求項12】
音及び視覚表示の少なくとも一方で使用者に変化を知らせる報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御への切り替えの際に、前記報知部を駆動する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電子錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の既存のドアに取り付けられる後付けの電子錠装置では、施錠忘れ防止のためのオートロック制御が実行される。つまり、電子錠装置は、施錠から解錠となった後、一定時間経過した場合や、ドアの開状態からドアの閉状態になることで、自動的に施錠を実行する。しかし、ゴミ捨て等の日常作業のための短時間の外出時には、鍵(シリンダー錠に限らず、携帯機、スマートフォンを含む)を持参せずに室内側のサムターンを操作して、手動で電子錠装置を解錠し、ドアを開放して外出することが多く、その場合、そのままドアを閉めてしまうと、オートロック制御による施錠の結果、屋外に閉め出される。
【0003】
特許文献1には、そのような短時間の外出時などの必要な場合に、オートロック制御を一時停止できる電子錠装置が開示されている。具体的には、オートロック制御を一時停止するには、一定時間以内に、操作ノブを解錠位置とする操作を複数回行う必要がある。
【0004】
特許文献1の電子錠装置における、オートロック一時停止制御には以下の問題がある。まず、この電子錠装置では、オートロック一時停止制御のためには操作ノブを解錠位置に複数回操作する必要がある一方、オートロック一時停止制御後に操作ノブが施錠位置に操作されると、オートロック制御に切り替えられる。そのため、オートロック一時停止制御のために施錠位置と解錠位置との間で操作ノブを複数回操作しても、誤って最後に操作ノブが施錠位置とすると、オートロック一時停止制御への切り替えがなされない。つまり、オートロック一時停止制御への切り替えが、使用者の本来の意図に反する誤操作により実行されない可能性がある。次に、オートロック一時停止制御のために一定時間内に操作ノブを複数回解錠位置とするためには、使用者はノブを何回操作したかを覚えている必要がある。この点で煩雑な操作が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開2020/003487号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電子錠装置のオートロック一時停止制御について、誤操作の可能性の低減と、操作性向上とを図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置とに手動操作可能である手動操作部と、前記手動操作部が前記施錠位置と前記解錠位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、第1設定時間内に、前記解錠位置に操作され、再び前記施錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置を提供する。
【0008】
本発明の第2の態様は、施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、第2設定時間内に、前記中立位置に操作され、再び前記施錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置を提供する。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、手動操作部を、施錠位置から、一定時間内(第1設定時間内)に、解錠位置に操作し、再び施錠位置に操作することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。また、本発明の第2の態様によれば、手動操作部を、施錠位置から、一定時間内(第2の設定時間内)に、中立位置に操作し、再び施錠位置に操作することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。
【0010】
一定時間内に、オートロック一時停止制御への切り替えのための操作開始時の位置、つまり施錠位置から別の位置(第1の態様では解錠位置で、第2の態様では中立位置)とした手動操作部をもとの施錠位置に戻すだけで、オートロック一時停止制御へ切り替えられる。従って、使用者が本来の意図に反して手動操作部をさらに操作し、それによってオートロック一時停止制御への切り替えがなされないのを防止できる。つまり、本来の意図に反し、使用者が手動操作部を誤操作する可能性を低減できる。
【0011】
第1及び第2の態様のいずれについても、手動操作部を2回操作するだけで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、手動操作部の3回以上の操作回数を使用者が覚えておく必要がない。この点で第1及び第2の態様のいずれについても、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる手動操作部の操作の操作性を向上できる。
【0012】
本発明の第3の態様は、施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記解錠位置から前記中立位置に操作され、第5設定時間以上前記中立位置で維持されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置を提供する。
【0013】
本発明の第4の態様は、施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から前記中立位置に操作され、第6設定時間以上前記中立位置で維持されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置を提供する。
【0014】
本発明の第3の態様によれば、手動操作部を、解錠位置から中立位置に操作して一定時間(第5設定時間)保持することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。また、本発明の第4の態様によれば、手動操作部を、施錠位置から中立位置に操作して一定時間(第5設定時間)保持することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。
【0015】
オートロック一時停止制御への切り替えのための操作開始時の位置(第3の態様では解錠位置で、第4の態様では施錠位置)から、手動操作部を中立位置として一定時間保持するだけで、オートロック一時停止制御により切り替えられる。従って、使用者が本来の意図に反して手動操作部をさらに操作し、それによってオートロック一時停止制御への切り替えがなされないのを防止できる。つまり、本来の意図に反し、使用者が手動操作部を誤操作する可能性を低減できる。
【0016】
第3及び第4の態様のいずれについても、手動操作部を1回操作するだけで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、手動操作部の操作回数を使用者が覚えておく必要がない。この点で第3及び第4の態様のいずれについても、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる手動操作部の操作の操作性を向上できる。
【0017】
本発明の第5の態様は、施錠と解錠の切り替え操作のための施解錠部を備えるドアに取り付けられる本体と、前記施解錠部に機械的に連結される連結部と、前記本体に設けられ、前記連結部と一体的に動作し、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを施錠させる施錠位置と、前記連結部を介して前記施解錠部に前記ドアを解錠させる解錠位置と、前記施錠位置と前記解錠位置の間の中立位置とに手動操作可能である手動操作部と、前記手動操作部が前記施錠位置、前記解錠位置、及び中立位置のいずれに位置するかを検出する位置検出部と、前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠及び解錠させる駆動部と、前記位置検出部により前記施解錠部が施錠位置から解錠位置に変化したことが検出されてから予め定められた時間継続すると、前記駆動部により前記連結部を駆動して前記施解錠部に前記ドアを施錠させるオートロック制御と、前記オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御とを実行可能な制御部とを備え、前記制御部は、前記位置検出部からの入力に基づいて、前記手動操作部が前記施錠位置から、前記中立位置に操作され、第6設定時間以上前記中立位置で維持され、第7設定時間内に前記解錠位置に操作されたことを検出すると、前記オートロック制御から前記オートロック一時停止制御に切り替える、電子錠装置を提供する。
【0018】
本発明の第5の態様によれば、手動操作部を、解錠位置から中立位置に操作して一定時間(第6設定時間)保持し、第7設定時間内に前記解錠位置に操作することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。これにより、解錠操作時に一旦操作を停止するという簡単な操作でオートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる手動操作部の操作の操作性を向上できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の電子錠装置によれば、オートロック一時停止制御について、誤操作の可能性を低減し、操作性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態に係る電子錠装置の斜視図。
図2図1の電子錠装置をドアに取り付けた状態を示す正面図。
図3図1の電子錠装置をドアに取り付けた状態を示す右側面図。
図4】本発明の第1実施形態に係る電子錠装置のブロック図。
図5】操作ノブの解錠位置、施錠位置、及び中立位置の関係を説明するための概念図。
図6】本発明の第1実施形態におけるオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図7A】本発明の第1実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図7B】本発明の第1実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図8】本発明の第1実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示すタイムチャート。
図9】本発明の第1実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する動作の他の一例を示すタイムチャート。
図10】本発明の第2実施形態におけるオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図11A】本発明の第2実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図11B】本発明の第2実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図12】本発明の第3実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図13】本発明の第3実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図14】本発明の第3実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示すタイムチャート。
図15】本発明の第4実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図16】本発明の第4実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図17】本発明の第5実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示すタイムチャート。
図18A】本発明の第5実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図18B】本発明の第5実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図19】本発明の第6実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示すタイムチャート。
図20A】本発明の第6実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図20B】本発明の第6実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
図21】本発明の第7実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示すタイムチャート。
図22A】本発明の第7実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御のための操作ノブの操作を説明するための概念図。
図22B】本発明の第7実施形態に係る電子錠装置のオートロック一時停止制御に関連する制御を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子錠装置1を示す。図2及び図3に示すように、この電子錠装置1は、ドア2に後付けして使用される。
【0023】
図2及び図3を参照すると、ドア2は、ドア枠3の収容部3a,3bに収容可能なラッチ2aとデッドボルト2bを備える。
【0024】
ラッチ2aはドア2の室内側と室外側にそれぞれ設けられたドアハンドル2c,2dにより操作される。図2及び図3に示すドアハンドル2c,2dの非操作時には、ラッチ2aはドア2の収容部3aに収容され、ドアハンドル2c,2dを図2及び図3に示す姿勢から回転操作すると、ドア2内に格納可能とされてドア2の開放動作に応じて収容部3aから抜け出る。
【0025】
デッドボルト2bは、室内側のサムターン2e(施解錠部)と室外側のシリンダー2fにより操作される。シリンダー2fは、図示しない鍵(キー)で操作される。シリンダー2fは機械的な従来の金属製の鍵で操作可能な所謂タンブラー錠以外でもよく、金属製の鍵ではなく、例えば、携帯機、スマートフォン、カードキーやテンキー操作で暗証番号を入力するなどにより、操作可能な磁気的または電気的な錠装置を採用してもよい。サムターン2eに代えて、ボタン、スイッチ、レバー等を採用してもよい。
【0026】
サムターン2eが図2及び図3に示す回転角度位置にあるときは、デッドボルト2bは収容部3bに収容され、ドアハンドル2c,2dを操作してもドア2は閉状態で維持される(施錠)。一方、サムターン2eが操作され図2及び図3に示す回転角度位置から反時計周りに90度回転すると、デッドボルト2bはドア2内に引き込まれて収容部3bから離脱し、ドアハンドル2c,2dを操作すれはドア2を閉状態から開状態することが可能となる(解錠)。つまり、サムターン2eの回転操作により、ドア2の施錠と解錠の切り替え操作が可能である。シリンダー2fをシリンダー錠で回転操作することによっても、同様に、ドア2の施錠と解錠の切り替え操作が可能である。
【0027】
図1から図3を参照すると、電子錠装置1はドア2の室内側に取り付けられるケーシング5(本体)を備える。ケーシング5は、ドア2から突出するように、接着、ねじ止め等の手段によって基端がドア2に固定される台座部5aと、台座部5aの先端に設けられ、ドア2に対して間隔をあけて位置し、かつドア2に沿って延びる操作部5bとを備える。
【0028】
電子錠装置1は、ケーシング5の操作部5bからドア2に向かって延び、サムターン2eに対して機械的に連結されたサムターンホルダ6(連結部)を備える。サムターンホルダ6に代えて、ドア2からサムターン2eを取り外すことでアクセス可能となるサムターン2e回転軸に連結されるホルダを採用してもよい。
【0029】
ケーシング5の操作部5bには、回転式の操作ノブ7が設けられている。図4を併せて参照すると、ケーシング5内には、モータ11とギア列12が収容されている。操作ノブ7とギア列12の組み合わせが本発明における手動操作部を構成し、モータ11とギア列12の組み合わせが駆動部を構成している。
【0030】
操作ノブ7は、ギア列12を介してサムターンホルダ6と一体的に回転する。図5を参照すると、操作ノブ7は、使用者の手動操作で回転させることで「解錠位置」、「施錠位置」、及び「中立位置」に設定できる。操作ノブ7を「解錠位置」に回転させると、サムターンホルダ6、従ってサムターン2eも一体的に回転し、デッドボルト2bが収容部3bから抜け出てドア2が解錠される。また、操作ノブ7を「施錠位置」に回転させると、サムターンホルダ6、従ってサムターンホルダ6も一体的に回転し、デッドボルト2bが収容部3bに収容されてドア2が施錠される。「解錠位置」と「施錠位置」との間を回転する途中で、操作ノブ7は「中立位置」を通過する。このように、操作ノブ7は、手動操作により、サムターンホルダ6を介してサムターン2eにドア2を施解錠させる。
【0031】
モータ11の回転は、ギア列12を介してサムターンホルダ6に伝動される。つまり、モータ11は、ギア列12を介してサムターンホルダ6を回転駆動することで、サムターン2eにドア2を施錠及び解錠させる。
【0032】
モータ11の回転は、ギア列12を介して、操作ノブ7に伝動される。モータ11が「解錠位置」に操作ノブ7が回転する向きに回転すると、サムターンホルダ6、従ってサムターン2eが回転することで、デッドボルト2bが収容部3bから抜け出て、ドア2が解錠される。また、モータ11が「施錠位置」に操作ノブ7が回転する向きに回転すると、サムターンホルダ6、従ってサムターンが回転することで、デッドボルト2bが収容部3bに収容され、ドア2が施錠される。
【0033】
ギア列12はクラッチ機構(図示せず)を備えている。このクラッチ機構により、モータ11の回転は操作ノブ7に伝動されるが、操作ノブ7の手動回転はモータ11に伝動されない。
【0034】
図4を参照すると、ケーシング5内には、制御部13と、3種類のスイッチ、つまり手動回転スイッチ14、ポテンションセンサ15(位置検出部)、及び磁気センサ16を備える。また、ケーシング5の操作部5bにはLEDライト17(視覚表示による表示部)が設けられ、ケーシング5内にはブザー18(音による表示部)が収容されている。
【0035】
制御部13は、手動回転スイッチ14、ポテンションセンサ15、及び磁気センサ16からの入力に基づいて、モータ11、LEDライト17、及びブザー18を制御する。制御部13は、演算部21、入出力部22、記憶部23、及びタイマー24を備える。演算部21は、記憶部23とタイマー24を参照しつつ、入出力部22を介して入力された手動回転スイッチ14、ポテンションセンサ15、及び磁気センサ16からの入力に基づいて演算を行い、入出力部22を介してモータ11、LEDライト17、及びブザー18に対して指令を出力する。特に、制御部13は、モータ11に対して、操作ノブ7が「解錠位置」又は「施錠位置」となるような回転方向及び回転時間で作動させる指令を出力する。制御部13は、CPU、RAM、ROM等のハードウエアと、それに実装されたソフトウエアにより構築される。
【0036】
手動回転スイッチ14は、操作ノブ7の手動回転を検出する。この検出信号が入力されることで、手動操作時における、後述するオートロック一時停止制御に関して制御部13が起動する。
【0037】
ポテンションセンサ15は、操作ノブ7の回転角度位置を検出する。制御部13は、ポテンションセンサ15から入力されるアナログ電圧信号に基づいて回転角度位置を検出し、操作ノブ7が「解錠位置」、「施錠位置」、及び「中立位置」のいずれにあるのかを判断する。言い換えれば、ポテンションセンサ15は、操作ノブ7が「解錠位置」、「施錠位置」、及び「中立位置」のいずれに位置するのかを検出する。
【0038】
磁気センサ16は、ドア2のドア枠3に設置された磁石からの磁力を検出する。そのドア2の開閉状態に応じて変化する磁気センサ16からの入力に基づいて、制御部13は、ドア2が閉状態であるのか否かを判断する。
【0039】
制御部13は、オートロック制御を実行可能である。オートロック制御では、制御部13は、磁気センサ16からの入力に基づいてドア2が開状態からドアの閉状態に移行し、ドア2の閉状態が予め定められた時間継続したことを検出し、かつポテンションセンサ15の入力から操作ノブ7が「解錠位置」である場合(ドア2が解錠されている場合)、または、ポテンションセンサ15の入力から操作ノブ7が「施錠位置」から「解錠位置」に変位したことを検出したにもかかわらず、磁気センサ16からの入力がドアの閉状態のままで変位せず、予め定められた時間継続したことを検出した場合、モータ11を操作ノブ7が「施錠位置」となる向きに回転させる。これによって、サムターンホルダ6を介してサムターン2eが回転し、デッドボルト2bをドア2から突出して収容部3bに収容され、ドア2が施錠される。
【0040】
また、制御部13は、オートロック制御を一時停止するオートロック一時停止制御を実行可能である。オートロック一時停止制御では、ドア2の閉状態が予め定められた時間継続したとしても、制御部13はモータ11による施錠を実行しない。
【0041】
オートロック制御からオートロック一時停止制御への切り替えは、使用者が操作ノブ7に予め定められた一定の操作を行うことにより実行される。図6は、本実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「施錠位置」から、設定時間Tset_a(第1設定時間)以内に、「解錠位置」に操作され、再び「施錠位置」に操作されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0042】
図7A,7Bを参照して、本実施形態における、制御部13によって実行されるオートロック一時停止制御に関連する制御を説明する。
【0043】
ステップS1で操作ノブ7が「施錠位置」であり、ステップS2で操作ノブ7が操作され、手動回転スイッチ14がオンしたか否か(若しくは「施錠位置」から外れたか否か)を判定する。そして、手動回転スイッチ14がオンされる(若しくは「施錠位置」から外れたことが検出される)と、ステップS3でタイマー24をスタートする。タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_aに達するまでにステップS5で操作ノブ7が「解錠位置」となったことが検出されると、そのままタイマーが継続される。そして、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_aに達するまでに操作ノブ7が「解錠位置」となったことが検出されなければ、ステップS1に戻る。さらに、ステップS6,S7において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_aに達するまでに操作ノブ7が「施錠位置」に戻ったことが検出されなければ、ステップS1に戻る。一方、ステップS6,S7において、設定時間Tset_a以内に操作ノブ7が「施錠位置」に戻ったことが検出されると、ステップS8においてオートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。この切り替え時には、ブザー18の駆動による音とLEDライト17の駆動による視覚表示のうちの少なくとも一方により、使用者に切り替えが通知される。また、ステップS9,S10において、いったんタイマー24をクリアした後に、再度、タイマー24をスタートする。
【0044】
次に、ステップS11において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_b(第3設定時間)未満であれば、ステップS12に移行する。ステップS12で操作ノブ7が「解錠位置」であることが検出されれば、つまり使用者より操作ノブ7が「施錠位置」から「解錠位置」に操作されていれば、ステップS14に移行してオートロック一時停止制御を維持し、ステップS15でタイマー24をクリアする。ステップS12で操作ノブ7が「解錠位置」であることが検出されなければ、ステップS11に戻る。
【0045】
一方、ステップS11において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_b(第3設定時間)以上であれば、ステップS13に移行する。ステップS13では、モータ11が作動する。モータ11は操作ノブ11が「施錠位置」を「解錠位置」となるように回転し、サムターンホルダ6を介してサムターン2eにドア2を解錠させる。その後、ステップS14,S15に移行する。
【0046】
ステップS11~S15における制御は、要するに以下である。まず、オートロック制御からオートロック一時停止制御への切り替えから設定時間Tset_b(第3設定時間)が経過すると、モータ11により、サムターンホルダ6を駆動してサムターン2eにドア2を解錠させると共に、操作ノブ7を「解錠位置」として、オートロック一時停止制御を継続する。一方、オートロック制御からオートロック一時停止制御への切り替えから設定時間Tset_b(第3設定時間)に達する前に、ポテンションセンサ15からの入力に基づいて、操作ノブ7が「施錠位置」から「解錠位置」に操作されたことを検出しても、オートロック一時停止制御を継続する。
【0047】
次に、ステップS16で操作ノブ7が「施錠位置」であることが検出されれば、つまり使用者によって操作ノブ7が「解錠位置」から「施錠位置」に操作されたことが検出されれば、ステップS17においてタイマー24がスタートする。ステップS18,S19のように、タイマー24で計時される時間が設定時間Tset_c(第4設定時間)に達する前に、操作ノブ7が「施錠位置」ではないこと、つまり使用者によって操作ノブ7が「施錠位置」から操作されたことが検出されると、ステップS16に戻る。一方、タイマー24で計時される時間が設定時間Tset_c(第4設定時間)以上となると、ステップS20においてオートロック一時停止制御からオートロック制御に切り替えられる。この切り替え時には、ブザー18の駆動による音とLEDライト17の駆動による視覚表示のうちの少なくとも一方により、使用者に切り替えが通知される。その後、ステップS19でタイマー24をクリアした後、ステップS1に戻る。
【0048】
ステップS16~S20における制御は、要するに以下である。つまり、オートロック一時停止制御を実行中、ポテンションセンサ15からの入力に基づいて、操作ノブ7が設定時間Tset_c(第4設定時間)以上「施錠位置」であることを検出すると、オートロック一時停止制御から前記オートロック制御に切り替える。
【0049】
図8は、本実施形態に係る電子錠装置1のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示す。
【0050】
時刻t0から時刻t1前までは、操作ノブ7は「施錠位置」であるが、時刻t1に使用者によって操作ノブ7が「施錠位置」から「解錠位置」に操作され、さらに時刻t2に「解錠位置」から再び「施錠位置」に操作される。時刻t2(「解錠位置」への操作)から時刻t2(「施錠位置」への操作)までの時間が設定時間Tset_a(第1設定時間)以内であれば、時刻t2にオートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。時刻t2から設定時間Tset_b(第3設定時間)が経過した時刻t3にモータ11が操作ノブ7とサムターン2eを「施錠位置」から「解錠位置」に回転させる。
【0051】
その後の、時刻t4に使用者により操作ノブ7が「解錠位置」から「施錠位置」に操作されると、設定時間Tsee_c(第4設定時間)に達した時刻t5にオートロック一時停止制御からオートロック制御に切り替えられる。
【0052】
図9は、本実施形態に係る電子錠装置1のオートロック一時停止制御に関連する動作の他の一例を示す。
【0053】
この例では、使用者の操作ノブ7の操作によって、時刻t2にオートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられ後、設定時間Tset_b(第3設定時間)以内の時刻t3に、使用者によって操作ノブ7が「施錠位置」から「解錠位置」に操作されるが、オートロック一時停止制御が維持される。図9の例のその他(時刻t0~t2,t4~t5)は、前述した図8の例と同様である。
【0054】
本実施形態の電子錠装置1によれば、操作ノブ7を、「施錠位置」から、一定時間内(設定時間Tset_a内)に、「解錠位置」に操作し、再び「施錠位置」に操作することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。一定時間内(設定時間Tset_a内)に、オートロック一時停止制御への切り替えのための操作開始時の位置、つまり「施錠位置」から「解錠位置」とした操作ノブ7をもとの「施錠位置」に戻すだけで、オートロック一時停止制御へ切り替えられる。従って、使用者が本来の意図に反して操作ノブ7をさらに操作し、それによってオートロック一時停止制御への切り替えがなされないのを防止できる。つまり、本来の意図に反し、使用者が操作ノブ7を誤操作する可能性を低減できる。
【0055】
操作ノブ7を2回操作するだけで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、操作ノブ7の3回以上の操作回数を使用者が覚えておく必要がない。この点で、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる操作ノブ7の操作の操作性を向上できる。
【0056】
以下、本発明の第2から第5実施形態を説明する。これらの実施形態は、制御部13によって実行される制御のみが異なる。従って、これらの実施形態の電子錠装置1の構成は、図1から図4を参照して説明した第1実施形態のものと同様である。以下の説明において、第1実施形態のものと同一の要素には同一の符号が使用される。
【0057】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「施錠位置」から、設定時間Tset_a(第2設定時間)以内に、「中立位置」に操作され、再び「施錠位置」に操作されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0058】
図11A,11Bに示す、本実施形態において制御部13によって実行されるオートロック一時停止制御に関連する制御は、ステップS5において操作ノブ7が「中立位置」であるか否かを判断する点を除いて、第1実施形態(図7A,7B)と同様である。
【0059】
本実施形態の電子錠装置1によれば、ステップS2で操作ノブ7が操作され、手動回転スイッチ14がオンしたか否か(若しくは「施錠位置」から外れたか否か)を判定する。そして、手動回転スイッチ14がオン(若しくは「施錠位置」から外れたことを検出)し、ステップS3でタイマー24をスタートする。タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_aに達するまでにステップS5で操作ノブ7が「中立位置」となったことが検出されると、そのままタイマーが継続される。そして、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_aに達するまでに操作ノブ7が「中立位置」とされ、さらに「中立位置」から「施錠位置」とされたことが検出されなければ、ステップS1に戻る。すなわち、一定時間内(設定時間Tset_a内)に、「施錠位置」から「中立位置」とした操作ノブ7をもとの「施錠位置」に戻すだけで、オートロック一時停止制御へ切り替えられるので、本来の意図に反し、使用者が操作ノブ7を誤操作する可能性を低減できる。
【0060】
また、操作ノブ7を2回操作するだけで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる操作ノブ7の操作の操作性を向上できる。
【0061】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「解錠位置」から「中立位置」に操作され、「中立位置」で設定時間Tset_d(第5設定時間)維持されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0062】
図13を参照して、本実施形態における、制御部13によって実行されるオートロック一時停止制御に関連する制御を説明する。
【0063】
ステップS21で操作ノブ7が「解錠位置」であり、ステップS22で操作ノブ7が「中立位置」であることが検出されると、つまり使用者より操作ノブ7が「解錠位置」から「中立位置」に操作されると、ステップS23でタイマー24がスタートする。そして、ステップS24,25において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_d(第5設定時間)に達するまでに、操作ノブ7が「中立位置」以外の位置(「解錠位置」又は「施錠位置」)に操作されたことが検出されると、つまり使用者より操作ノブ7が「中立位置」以外の位置に操作されると、ステップS21に戻る。一方、ステップS24,S25において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_d(第5設定時間)以上となると、すなわち操作ノブ7が設定時間Tset_d(第5設定時間)以上「中立位置」で維持されていることが検出されると、ステップS26において、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。この切り替え時には、ブザー18の駆動による音とLEDライト17の駆動による視覚表示のうちの少なくとも一方により、使用者に切り替えが通知される。また、ステップS27において、タイマー24をクリアする。
【0064】
次に、ステップS28において、操作ノブ7の位置が「解錠位置」であれば、つまり使用者により操作ノブ7が「解錠位置」に操作されていることが検出されれば、ステップS29でオートロック一時停止制御を維持し、ステップS28に戻る。一方、ステップS28において、操作ノブ7の位置が「施錠位置」であれば、つまり使用者により操作ノブ7が「施錠位置」に操作されていることが検出されば、ステップS30でオートロック一時停止制御からオートロック制御に切り替えられ、ステップS21に戻る。切り替え時には、ブザー18の駆動による音とLEDライト17の駆動による視覚表示のうちの少なくとも一方により、使用者に切り替えが通知される。
【0065】
ステップS28からステップS30の制御に代えて、第1実施形態(図7B)のステップS14からステップS18の制御を採用してもよい。この点は、後述する第4実施形態も同様である。また、第1及び第2実施形態のステップS14からステップS18の制御に代えて、本実施形態のステップS28からステップS30の制御を採用してもよい。
【0066】
図14は本実施形態に係る電子錠装置1のオートロック一時停止制御に関連する動作の一例を示す。
【0067】
時刻t0から時刻t1前までは、操作ノブ7は「解錠位置」であるが、時刻t1に使用者によって操作ノブ7が「解錠位置」から「中立位置」に操作される。操作ノブ7が「中立位置」となってから設定時間Tset_d(第5設定時間)に達した時刻t2に、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。その後、時刻t3に使用者によって操作ノブ7が「中立位置」から「解除位置」に操作されても、オートロック一時停止制御される。時刻t3に使用者によって操作ノブ7が「解除位置」から「施錠位置」に操作されると、オートロック一時停止制御からオートロック制御に切り替えられる。
【0068】
本実施形態の電子施錠装置1によれば、操作ノブ7を、「解錠位置」から「中立位置」に操作して一定時間(設定時間Tset_d)保持することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができる。従って、使用者が本来の意図に反して操作ノブ7をさらに操作し、それによってオートロック一時停止制御への切り替えがなされないのを防止できる。つまり、本来の意図に反し、使用者が手動操作部を誤操作する可能性を低減できる。
【0069】
操作ノブ7を1回操作するだけで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、操作ノブ7の操作回数を使用者が覚えておく必要がない。この点で、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる操作ノブ7の操作の操作性を向上できる。
【0070】
(第4実施形態)
図15は、第4実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「施錠位置」から「中立位置」に操作され、「中立位置」で設定時間Tset_d(第6設定時間)維持されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0071】
図16に示す、本実施形態において制御部13によって実行されるオートロック一時停止制御に関連する制御は、ステップS21において操作ノブ7が「施錠位置」であるか否かを判断する点を除いて、第3実施形態(図13)と同様である。
【0072】
本実施形態の電子施錠装置1によれば、操作ノブ7を、「施錠位置」から「中立位置」に操作して一定時間(設定時間Tset_d)保持することで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、本来の意図に反し、使用者が操作ノブ7を誤操作する可能性を低減できる。
【0073】
操作ノブ7を1回操作するだけで、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えることができるので、オートロック一時停止制御への切り替えのために必要となる操作ノブ7の操作の操作性を向上できる。
【0074】
(第5実施形態)
図17は、第5実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「施錠位置」から「中立位置」に操作され、「中立位置」で例えば1秒である設定時間Tset_e(第6設定時間)維持され、その後、例えば10秒である設定時間Tset_f(第7設定時間)内に「中立位置」から「解錠位置」に操作されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0075】
図18A,18Bを参照して、本実施形態における、制御部13によって実行されるオートロック一時停止制御に関連する制御を説明する。
【0076】
ステップS41で操作ノブ7が「施錠位置」であり、ステップS42で操作ノブ7が「中立位置」であることが検出されると、つまり使用者より操作ノブ7が「施錠位置」から「中立位置」に操作されると、ステップS43でタイマー24がスタートすると共に、使用者に不定状態になったことを知らせるためにLEDライト17が点灯する(LEDライト17は例えば1秒間経過すると消灯し、その際にはブザー18が駆動される)。タイマー24による計時はそのまま継続される。
【0077】
次に、ステップS44,45において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_e(第6設定時間)に達するまでに、操作ノブ7が「中立位置」以外の位置(「解錠位置」又は「施錠位置」)に操作されたことが検出されると、つまり使用者より操作ノブ7が「中立位置」以外の位置に操作されると、ステップS41に戻る。一方、ステップS44,S45において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_e(第6設定時間)以上となると、すなわち操作ノブ7が設定時間Tset_e(第6設定時間)以上「中立位置」で維持されていることが検出されると、ステップS46に移行する。ステップS46では、いったんタイマー24がクリアされて計時が停止される。また、ステップS47において、使用者に操作ノブ7を「中立位置」から「解錠位置」に操作することを促すために、LEDライト17が消灯し、ブザー18が例えば1秒駆動される。さらに、ステップS48においてタイマー24がスタートして計時が開始される。
【0078】
ステップS49,50において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_f(第7設定時間)以内に操作ノブ7が「中立位置」から「解除位置」に操作されなければ、ステップS41に戻る。一方、ステップS49,50において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_f(第7設定時間)以内に操作ノブ7が「中立位置」から「解除位置」に操作されると、ステップS51,52に移行する。ステップS52では、オートロック一時停止制御からオートロック制御に切り替えられ、ステップS51では、使用者にオーロック一時停止が開始されたこと知らせるために、LEDライト17の点灯とブザー18の駆動が所定時間(例えば0.5秒)実行される。
【0079】
ステップS51~54の制御は、第3実施形態(図13)のステップS27~30の制御と同様である。また、ステップS50~54の制御に代えて、第1実施形態(図7B)のステップS14~18の制御を採用してもよい。また、タイマー24は、設定時間Tset_e(第6設定時間)以上となった場合に計時を停止することなく、設定時間Tset_f(第7設定時間)を計時してもよい。
【0080】
(第6実施形態)
図19は、第6実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「施錠位置」から「中立位置」に操作され、「中立位置」で例えば1秒である設定時間Tset_e(第6設定時間)維持されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0081】
図20A,20Bを参照して、本実施形態における、制御部13によって実行されるオートロック一時停止制御に関連する制御を説明する。
【0082】
ステップS61で操作ノブ7が「施錠位置」であり、ステップS62で操作ノブ7が「中立位置」であることが検出されると、つまり使用者より操作ノブ7が「施錠位置」から「中立位置」に操作されると、ステップS63でタイマー24がスタートすると共に、使用者に不定状態になったことを知らせるためにLEDライト17が点灯する(LEDライト17は例えば1秒間経過すると消灯し、その際にはブザー18が駆動される)。タイマー24による計時はそのまま継続される。
【0083】
次に、ステップS64,65において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_e(第6設定時間)に達するまでに、操作ノブ7が「中立位置」以外の位置(「解錠位置」又は「施錠位置」)に操作されたことが検出されると、つまり使用者より操作ノブ7が「中立位置」以外の位置に操作されると、ステップS61に戻る。一方、ステップS64,S65において、タイマー24で計時している時間が設定時間Tset_e(第6設定時間)以上となると、すなわち操作ノブ7が設定時間Tset_e(第6設定時間)以上「中立位置」で維持されていることが検出されると、ステップS66に移行する。ステップS66では、タイマー24がクリアされて計時が停止される。また、ステップS67において、LEDライト17が消灯し、ブザー18が例えば1秒駆動される。さらに、ステップS68において、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0084】
次に、ステップS69において、操作ノブ7の位置が「解錠位置」であれば、つまり使用者により操作ノブ7が「解錠位置」に操作されていることが検出されれば、ステップS70でオートロック一時停止制御を維持し、ステップS69に戻る。一方、ステップS69において、操作ノブ7の位置が「施錠位置」であれば、つまり使用者により操作ノブ7が「施錠位置」に操作されていることが検出されば、ステップS71でオートロック一時停止制御からオートロック制御に切り替えられ、ステップS61に戻る。切り替え時には、ブザー18の駆動による音とLEDライト17の駆動による視覚表示のうちの少なくとも一方により、使用者に切り替えが通知される。
【0085】
(第7実施形態)
図21は、第7実施形態における、オートロック制御からオートロック一時停止制御へ切り替えるための操作ノブ7の操作の概要を示す。つまり、操作ノブ7が「施錠位置」から「中立位置」に操作され、「中立位置」で例えば1秒である設定時間Tset_e(第6設定時間)維持され、その後、「中立位置」から「解錠位置」に操作されると、オートロック制御からオートロック一時停止制御に切り替えられる。第5実施形態では、操作ノブ7が「中立位置」で設定時間Tset_e維持された後、設定時間Tset_f(第7設定時間)内に「中立位置」から「解錠位置」に操作されることが、オートロック一時停止制御への切り替えの条件であった(図17も18A,18B)。これに対して、本実施形態では、操作ノブ7が「中立位置」で設定時間Tset_e維持されると、時間的な制限はなく、操作ノブ7が「中立位置」でから「解錠位置」に操作されるとオートロック一時停止制御に切り替えられる。
【0086】
図22A,22Bを参照すると、本実施形態において、オートロック一時停止制御(ステップS141~156)は、ステップS150の操作が設定時間Tset_f(第7設定時間)内であるという条件に関する処理、つまり図18AのステップS48,S49と図18BのステップS53がない点を除き、第5実施形態における制御(図18A,18BのステップS41~S56)と同一である。
【0087】
操作ノブ7の操作位置については、手動回転スイッチ14または、ポテンションセンサ15のいずれで検出してもよく、タイマースタートの開始タイミングは、適宜設定することができる。すなわち、所定時間内に各実施形態における操作ノブ7の操作がされればよい。また、操作ノブ7は、回転タイプでなくてもよく、プッシュタイプやレバータイプとしてもよく、ケーシング5に操作ノブ7の操作位置を表示する表示部を設けてもよい。
【0088】
操作ノブ7を「中立位置」へ操作する実施形態においては、操作ノブ7が中立位置に保持され続けた場合には、ブザー18の駆動による音とLEDライト17の駆動による視覚表示のうちの少なくとも一方により、注意を促す警告を行ってもよい。また、「中立位置」からモータ11により強制的に操作ノブ7を「解錠位置」又は「施錠位置」に回転させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 電子錠装置
2 ドア
3 ドア枠
3a,3b 収容部
2a ラッチ
2b デッドボルト
2c,2d ドアハンドル
2e サムターン
2f シリンダー
5 ケーシング
5a 台座部
5b 操作部
6 サムターンホルダ
7 操作ノブ
11 モータ
12 ギア列
13 制御部
14 手動回転スイッチ
15 ポテンションセンサ
16 磁気センサ
17 LEDライト
18 ブザー
21 演算部
22 入出力部
23 記憶部
24 タイマー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B