(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100480
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】LED照明装置及びLED照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230711BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230711BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20230711BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230711BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230711BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S2/00 230
F21V19/00 510
F21Y103:10
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001195
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】三枝 浩和
(72)【発明者】
【氏名】高島 淳
(72)【発明者】
【氏名】中村 恭平
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA09
(57)【要約】
【課題】フレームの後方側に広い配線スペースを確保することとフレームの後方側に配置される導電線の線噛みを抑制することとを実現しつつ、フレームが変形することを抑制できるLED照明装置等を提供する。
【解決手段】LED照明装置3は、LED20が配置された基板10と、基板10が取り付けられた長尺状のフレーム40と、LED20を覆うようにフレーム40に取り付けられた長尺状のカバー部材30と、を備え、フレーム40は、前記基板が取り付けられ且つ全体として平板状に形成された部位を有し、当該部位は、フレーム40の長手方向に沿って線状に形成された突条の補強部41を少なくとも1つ有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDが配置された基板と、
前記基板が取り付けられた長尺状のフレームと、
前記LEDを覆うように前記フレームに取り付けられた長尺状のカバー部材と、を備え、
前記フレームは、前記基板が取り付けられ且つ全体として平板状に形成された部位を有し、
前記部位は、前記フレームの長手方向に沿って線状に形成された突条の補強部を少なくとも1つ有する、
LED照明装置。
【請求項2】
前記補強部は、前記金属板にビード加工を施すことにより形成されている、
請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記補強部は、前記部位の一方の面に形成された線状の凸状部と、前記凸状部と背向する位置に前記部位の他方の面に形成された線状の凹状部とによって構成されている、
請求項1又は2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記補強部は、前記部位に複数形成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記基板は、複数の前記補強部のうちの隣り合う2つの補強部の間に位置している、
請求項4に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記部位と前記基板との間に、前記基板と前記フレームとを接合する接合部が設けられている、
請求項1~5のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項7】
少なくとも1つの前記補強部は、前記フレームの厚み方向において、前記基板と重なる位置に形成された補強部である、
請求項1~6のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記基板と重なる位置に形成された前記補強部の凹状部に、前記基板と前記フレームとを接合する接合部が設けられている、
請求項7に記載のLED照明装置。
【請求項9】
前記接合部は、接着剤である、
請求項6又は8に記載のLED照明装置。
【請求項10】
前記LEDに電力を供給するための電源装置を備え、
前記補強部の少なくとも一部は、前記電源装置に覆われている、
請求項1~9のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項11】
前記フレームは、前記部位の短手方向の先端部を厚み方向に折り返すことで形成された折返部を有する、
請求項1~10のいずれか1項に記載のLED照明装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のLED照明装置と、
前記LED照明装置を保持する器具本体と、を備える、
LED照明器具。
【請求項13】
前記LED照明装置は、着脱自在に前記器具本体に取り付けられている、
請求項12に記載のLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明装置及びLED照明装置を備えるLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を用いたLED照明器具が知られている。例えば、天井に設置されるLED照明器具として、ライトバーと呼ばれる長尺状のLED照明装置と、LED照明装置が着脱可能に取り付けられる凹部を有する長尺状の器具本体とを備える照明器具が知られている(特許文献1)。
【0003】
この種のLED照明装置は、長尺状の基板と、基板に実装された複数のLEDと、複数のLEDを覆う長尺状で透光性を有するカバー部材と、基板を支持するとともにカバー部材が取り付けられる長尺状のフレームとを備える。
【0004】
フレームは、例えば、LEDが実装された基板が取り付けられる主板部と、主板部の短手方向(幅方向)の両端部から天井側に向けて延在する一対の側板部とを有する。このフレームの側板部には、カバー部材の側板部が取り付けられる。
【0005】
このように、従来のフレームは、断面形状が略コの字形状であり、フレームの後方側(天井側)には、主板部と一対の側板部とで囲まれる凹部が形成される。このフレームの凹部には、電源装置が配置されたり、センサユニット等の機能部品が配置されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フレームに、天井側に向けて延在する一対の側板部が設けられていると(つまりフレームの断面形状が略コの字形状であると)、フレームの天井側において電源装置や機能部品に接続される導電線を配置するための配線スペースが狭くなる。
【0008】
そこで、フレームに、一対の側板部を設けない構成にすることが考えられる。例えば、フレームを平板状の板部材のみで構成することが考えられる。
【0009】
しかしながら、単にフレームの全体形状を平板状にしただけでは、フレームの強度が低下し、LED照明装置の剛性が低くなる。このため、フレームが変形して、LED照明装置が変形するおそれがある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、基板が取り付けられる主板部を平板状にしたとしても、フレームが変形することを抑制できるLED照明装置及びLED照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係るLED照明装置の一態様は、LEDが配置された基板と、前記基板が取り付けられた長尺状のフレームと、前記LEDを覆うように前記フレームに取り付けられた長尺状のカバー部材と、を備え、前記フレームは、前記基板が取り付けられ且つ全体として平板状に形成された部位を有し、前記部位は、前記フレームの長手方向に沿って線状に形成された突条の補強部を少なくとも1つ有する。
【0012】
また、本発明に係るLED照明器具の一態様は、上記のLED照明装置と、前記LED照明装置を保持する器具本体と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
基板が取り付けられる主板部を平板状にしたとしても、フレームが変形することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係るLED照明器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係るLED照明器具の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係るLED照明器具の断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係るLED照明装置をカバー部材側から見たときの斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係るLED照明装置を裏側から見たときの斜視図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係るLED照明装置の断面斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係るLED照明装置の分解斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1に係るLED照明器具において、LED照明装置を器具本体に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係るLED照明器具の断面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態1の変形例1に係るLED照明器具の断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態1の変形例2に係るLED照明器具の断面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態1の変形例3に係るLED照明器具の断面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態1の変形例4に係るLED照明器具の断面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態1の変形例5に係るLED照明器具の断面図である。
【
図15】
図15は、実施の形態2に係るLED照明器具の断面図である。
【
図16】
図16は、実施の形態2の変形例1に係るLED照明器具の断面図である。
【
図17】
図17は、実施の形態2に変形例2に係るLED照明器具の断面図である。
【
図18】
図18は、変形例1に係るLED照明器具の断面図である。
【
図19】
図19は、変形例2に係るLED照明器具の断面図である。
【
図20】
図20は、変形例3に係るLED照明器具に用いられるフレームの上面図である。
【
図21】
図21は、フレームの第1変形例を示す断面図である。
【
図22】
図22は、フレームの第2変形例を示す断面図である。
【
図23】
図23は、フレームの第3変形例を示す断面図である。
【
図24】
図24は、変形例4に係るLED照明器具の断面図である。
【
図25】
図25は、変形例5に係るLED照明器具の断面図である。
【
図26】
図26は、変形例6に係るLED照明器具の断面図である。
【
図27】
図27は、変形例7に係るLED照明器具の断面図である。
【
図28】
図28は、変形例82に係るLED照明器具の断面図である。
【
図29】
図29は、変形例9に係るLED照明器具の断面図である。
【
図30】
図30は、変形例10に係るLED照明器具の断面図である。
【
図31】
図31は、変形例8~10に係るLED照明器具に用いられるフレームの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0016】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0017】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係るLED照明器具1の構成について、
図1~
図3を用いて説明する。
図1は、実施の形態1に係るLED照明器具1の斜視図である。
図2は、同LED照明器具1の分解斜視図である。
図3は、同LED照明器具1の断面図である。なお、
図3は、LED照明器具1の短手方向と平行な平面で切断したときの断面を示している。
【0018】
本実施の形態に係るLED照明器具1は、
図1~
図3に示すように、器具本体2と、器具本体2に取り付けられるLED照明装置3とを備える。
【0019】
器具本体2は、LED照明装置3を保持している。器具本体2は、建物における所定の箇所に設置される。本実施の形態におけるLED照明器具1は、天井直付け型の照明器具である。したがって、器具本体2は、ボルト等を用いて室内の天井に取り付けられる。
【0020】
本実施の形態において、器具本体2は、板金製であり、金属板に曲げ加工等を施すことにより、Y軸方向に長尺且つ扁平な箱形状に形成されている。
図2に示すように、器具本体2には、矩形状の開口面を有する凹部2aが設けられている。凹部2aは、器具本体2の長手方向に沿って長尺状に設けられている。凹部2aは、LED照明装置3を収納するための収納部であり、器具本体2の略全長に亘って設けられている。また、
図2及び
図3に示すように、器具本体2の幅方向における凹部2aの両側には、凹部2aの開口端縁から延出し且つ外側に行くほど上側(天井側)に傾斜する傾斜面2bがそれぞれ設けられている。
【0021】
LED照明装置3は、LEDを光源として用いた光源ユニットである。LED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに着脱自在に取り付けられている。例えば、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに取り付けたり、器具本体2の凹部2aに取り付けられたLED照明装置3を凹部2aから取り外したりすることができる。詳細は後述するが、LED照明装置3と器具本体2とは、LED照明装置3に設けられた引っ掛け金具5及び弾性保持部材6(本実施の形態ではキックバネ)を器具本体2に引っ掛けて係止させることで固定することができる。
【0022】
図3に示すように、LED照明装置3は、器具本体2に収納された電源装置4から供給される電力によって発光する。電源装置4は、LED照明装置3に電力を供給するための装置である。電源装置4は、電気的な機能部品の一例である。
【0023】
電源装置4は、LED照明装置3の背面側に配置されている。具体的には、電源装置4は、器具本体2の凹部2aに配置される。本実施の形態において、電源装置4は、LED照明装置3の一部としてLED照明装置3に取り付けられており、LED照明装置3と一体になっている。なお、電源装置4は、LED照明装置3と一体ではなく、LED照明装置3と分離して器具本体2に配置されていてもよい。
【0024】
電源装置4は、LED照明装置3を発光させるための電力を生成する電源回路によって構成されている。具体的には、電源装置4は、プリント配線基板等の回路基板4aと、回路基板4aに実装された複数の電子部品4bとを有する。本実施の形態において、電源装置4は、さらに、複数の電子部品4bが実装された回路基板4aを収納する回路ケース4cを有する。回路ケース4cは、一例として、金属製の筐体である。電源装置4を構成する電源回路は、例えば、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換し、当該直流電力をLED照明装置3のLEDに供給する。
【0025】
電源装置4には、天井裏から器具本体2の貫通孔に挿通されて器具本体2の凹部2aに引き出された電源線(VVFケーブル等)が接続された電源端子台8(
図2参照)を介して交流電力が供給される。電源端子台8は、器具本体2の凹部2aに設置されている。
【0026】
次に、
図1~
図3を参照しつつ、
図4~
図7を用いて、LED照明装置3の詳細な構造について説明する。
図4は、実施の形態1に係るLED照明装置3をカバー部材30側から見たときの斜視図であり、
図5は、同LED照明装置3を裏側から見たときの斜視図である。
図6は、同LED照明装置3の断面斜視図である。
図7は、同LED照明装置3の分解斜視図である。
【0027】
図2、
図4及び
図5に示すように、LED照明装置3は、ライトバーと呼ばれる長尺状のライン光源である。LED照明装置3は、例えば白色光等の所定の色の光を発光する。
【0028】
図3、
図6及び
図7に示すように、LED照明装置3は、基板10と、基板10に配置されたLED20と、LED20を覆うカバー部材30と、基板10を支持するフレーム40と、エンドキャップ50とを備える。
【0029】
基板10は、LED20を実装するための実装基板である。本実施の形態において、基板10は、フレーム40の長手方向(Y軸方向)に長尺状をなす略矩形状に形成されている。基板10の厚みは、例えば1.0mmである。基板10は、フレーム40の長手方向の全長と略同等の長さでもよいし、フレーム40の長手方向に沿って複数枚並べられていてもよい。
図7に示すように、本実施の形態において、基板10は、フレーム40の長手方向に沿って2枚並べられている。
【0030】
図6及び
図7に示すように、基板10は、一方の面である第1面10aと、第1面10aに背向する他方の面である第2面10bとを有する。基板10の第1面10aは、LED20が実装される面であるオモテ面である。一方、基板10の第2面10bは、フレーム40に対面するウラ面である。本実施の形態において、基板10の第2面10bは、フレーム40に接触している。
【0031】
基板10は、例えば金属配線が所定のパターンで形成されたプリント配線基板(プリント基板)である。なお、基板10の表面には、配線を保護するとともに絶縁耐圧を確保するために、配線を覆うように絶縁性樹脂材料からなるレジストが形成されていてもよい。基板10は、LED20が実装される第1面10aのみに配線が形成された片面配線基板であってもよいし、第1面10a及び第2面10bの各々に配線が形成された両面配線基板であってもよい。
【0032】
基板10を構成する基材としては、絶縁性樹脂材料からなる樹脂基板、アルミナ等のセラミック材料の焼結体からなるセラミック基板、アルミニウムまたは銅等の金属材料からなる金属基材の表面に絶縁被膜を施すことで得られるメタルベース基板等が用いられる。
【0033】
基板10が樹脂基板によって構成されている場合、樹脂基板としては、例えば、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなるガラスエポキシ基板(CEM-3、FR-4等)、クラフト紙等とフェノール樹脂とによって構成された紙フェノール基材(FR-1、FR-2)、紙とエポキシ樹脂とによって構成された紙エポキシ基材(FR-3)、又は、ポリイミド等からなるポリイミド基板等を用いることができる。また、基板10は、リジッド基板であってもよいし、フィルム状のフレキシブル基板であってもよい。
【0034】
基板10に形成された金属配線は、電源装置4と電気的に接続されている。この場合、基板10に形成された電極又はコネクタ端子と電源装置4とが導電線によって接続されている。基板10と電源装置4とを接続する導電線は、例えば、フレーム40に設けられた貫通孔に挿通されている。
【0035】
図6及び
図7に示すように、基板10の第1面10aには、複数のLED20が実装されている。本実施の形態において、複数のLED20は、基板10の長手方向(Y軸方向)に沿って直線状に一列に且つ所定の間隔をおいて実装されている。具体的には、複数のLED20は、カバー部材30及びフレーム40の長手方向の略全長にわたって実装されている。なお、複数のLED20は、基板10の長手方向に沿って、一列ではなく、複数列で実装されていてもよい。
【0036】
LED20は、発光素子の一例である。本実施の形態において、複数のLED20の各々は、個々にパッケージ化されたSMD構造のLED素子(LED光源)である。この場合、各LED20は、樹脂製又はセラミック製の白色の容器(パッケージ)と、容器内に配置されたLEDチップ(ベアチップ)と、LEDチップを封止する封止部材とを備える。本実施の形態において、LED20は、白色光を放出する白色LED素子である。この場合、例えば、LEDチップとしては、通電されると青色光を発する青色LEDチップが用いられ、容器に充填される封止部材としては、YAG等の黄色蛍光体が含有されたシリコーン樹脂(蛍光体含有樹脂)が用いられる。
【0037】
複数のLED20は、電源装置4と基板10とを接続する導電線を介して電源装置4から供給される直流電流によって発光する。
【0038】
複数のLED20は、カバー部材30で覆われている。具体的には、全てのLED20がカバー部材30で覆われている。カバー部材30は、透光性を有する透光カバーの一例であり、LED20から出射する光を透過する。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性を有するだけではなく、拡散性を有する拡散カバーである。したがって、カバー部材30に入射したLED20の光は、カバー部材30で拡散(散乱)しながらカバー部材30を透過する。
【0039】
図3及び
図6に示すように、カバー部材30は、基板10を覆っている。具体的には、カバー部材30は、複数のLED20を覆うように基板10の第1面10aと対向して配置されている。本実施の形態において、カバー部材30は、LED20が配置された基板10の全体を覆っている。
【0040】
図5及び
図6に示すように、カバー部材30は、さらに、基板10が配置されたフレーム40を覆っている。本実施の形態において、カバー部材30は、基板10が配置されたフレーム40の全体を覆っている。なお、カバー部材30は、基板10及びフレーム40と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。
【0041】
カバー部材30は、フレーム40に取り付けられる。また、カバー部材30とフレーム40とによって筒体が構成されており、基板10と基板10に実装された複数のLED20とは、この筒体内に収納されている。
【0042】
カバー部材30は、基板10及びLED20を覆うようにフレーム40に取り付けられている。
図3及び
図6に示すように、カバー部材30は、カバー本体部31と、カバー本体部31に接続された取付部32とを有する。
【0043】
図7に示すように、カバー本体部31は、Y軸方向に長尺状であり、樋状に形成されている。カバー本体部31は、例えば扁平状の略セミシリンドリカル形状である。したがって、カバー本体部31は、Y軸方向に延在する長尺矩形状の開口端面を有する。また、X軸方向に沿って切断したときのカバー本体部31の断面形状は、略円弧状に湾曲した湾曲形状を有する。
【0044】
図3及び
図6に示すように、カバー本体部31は、取付部32からカバー本体部31の幅方向の外方に突出する突出部31aを含む。突出部31aは、カバー本体部31の短手方向(幅方向)の両端部に形成されている。各突出部31aは、フレーム40側とは反対側に凹む凹部31a1を有する。なお、凹部31a1が形成されていると、この凹部31a1が虫ポケットとなって凹部31a1に虫の死骸や異物が溜まってしまい、カバー本体部31の短手方向の端部がきれいに光らなくなるおそれがある。そこで、各突出部31aには凹部31a1を形成しなくてもよい。この場合、例えば、突出部31aのXZ断面の形状をV字形状とし、突出部31aの天井側の部分が取付部32の第1挟持片32aと同一の平面をなすように形成されていてもよい。
【0045】
取付部32は、フレーム40に取り付けられる部分である。具体的には、取付部32は、フレーム40の短手方向(幅方向)の端部に取り付けられている。なお、取付部32は、カバー本体部31から天井側に向かって延在する延在部を含む。
【0046】
本実施の形態において、取付部32は、フレーム40の短手方向の両端部に設けられている。つまり、カバー部材30は、一対の取付部32を有する。
【0047】
一対の取付部32は、カバー本体部31に設けられている。具体的には、一対の取付部32は、カバー本体部31の短手方向(X軸方向)の両端部の各々からカバー本体部31に立設するように一対の脚部として形成されている。したがって、一対の取付部32は、カバー本体部31から天井側に向かって突出している。なお、
図7に示すように、一対の取付部32の各々は、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。一対の取付部32のY軸方向の長さは、互いに同じであるが、これに限らない。
【0048】
図3及び
図6に示すように、取付部32は、フレーム40の短手方向の端部を挟む一対の挟持片として第1挟持片32a及び第2挟持片32bを有する。したがって、フレーム40の短手方向の端部は、第1挟持片32aと第2挟持片32bとの間に位置しており、第1挟持片32aと第2挟持片32bとによって挟まれている。これにより、フレーム40は、厚み方向(Z軸方向)の動きが規制されて取付部32に保持される。このように、取付部32は、フレーム40を保持する保持部としても機能する。
【0049】
具体的には、取付部32は、第1挟持片32a及び第2挟持片32bに加えて、Z軸方向に延在する立板部32cを有している。したがって、取付部32は、第1挟持片32aと第2挟持片32bと立板部32cとで構成される断面コの字形状の凹部を有する。フレーム40の短手方向の端部は、この取付部32の凹部に挿入されている。これにより、フレーム40は、厚み方向(Z軸方向)の動きが規制されるだけではなく、水平方向(X軸方向)の動きも規制される。
【0050】
なお、第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、厚みが一定の板状に形成された板片である。第1挟持片32a及び第2挟持片32bにおいて、第1挟持片32aは床側に位置する板片であり、第2挟持片32bは、天井側に位置する板片である。
【0051】
第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、一対の取付部32の各々に設けられている。したがって、フレーム40の短手方向の両端部が、一対の取付部32の各々における第1挟持片32a及び第2挟持片32bによって保持されている。具体的には、フレーム40の短手方向の両端部の各々は、各取付部32において第1挟持片32aと第2挟持片32bと立板部32cとで構成される断面コの字形状の凹部に挿入されている。
【0052】
なお、各取付部32において、第1挟持片32a及び第2挟持片32bの両方が、フレーム40の短手方向の端部に必ずしも接触していなくてもよい。具体的には、第1挟持片32a及び第2挟持片32bの一方のみがフレーム40の短手方向の端部に接触していてもよい。例えば、LED照明器具1が天井に設置された場合、
図3に示すように、天井側の第2挟持片32bがフレーム40の短手方向の端部に接触しておらず、床側の第1挟持片32aのみがフレーム40の短手方向の端部に接触していてもよい。この場合、床側の第1挟持片32aは、フレーム40を支持するストッパーとして機能している。つまり、床側の一対の第1挟持片32aは、フレーム40がLED20の光出射側(床側)にずれないように、フレーム40の短手方向の端部を支持している。
【0053】
第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、立板部32cの内側において立板部32cから立設している。具体的には、第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、X軸方向に突出するように形成され、X軸方向に延在している。第1挟持片32aと第2挟持片32bとは、平行に形成されている。
【0054】
本実施の形態において、各取付部32において、第1挟持片32a及び第2挟持片32bのX軸方向の長さは、互いに同じである。また、一対の取付部32における一対の第1挟持片32a同士のX軸方向の長さも同じであり、一対の取付部32における一対の第2挟持片32b同士のX軸方向の長さも同じである。なお、一対の取付部32の各々における第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、Z軸方向の同じ高さ位置に設けられている。したがって、カバー部材30の短手方向における2つの第1挟持片32aと2つの第2挟持片32bとは、左右対称形状になっている。
【0055】
また、
図7に示すように、各取付部32における第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、Y軸方向に沿って長尺状に形成されている。また、第1挟持片32a及び第2挟持片32bのY軸方向の長さも互いに同じである。一例として、第1挟持片32a及び第2挟持片32bは、同じ形状及び同じ長さであるが、これに限らない。なお、一対の取付部32における各立板部32cのZ軸方向の長さも互いに同じであるが、これに限らない。
【0056】
このように構成される取付部32は、カバー部材30とフレーム40との間の空間に虫が侵入することを抑制する機能も有する。例えば、第1挟持片32aとフレーム40とが接触することで、カバー部材30の第1挟持片32aとフレーム40との間に隙間から虫が入り込むことを抑制できる。これにより、カバー部材30のカバー本体部31とフレーム40との間の空間に虫が侵入することを抑制できる。
【0057】
カバー部材30は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性を有する材料で構成されている。本実施の形態において、カバー部材30は、透光性樹脂材料によって構成されている。この場合、カバー部材30は、光拡散材が内部に分散された乳白色のカバー部材とすることができる。このようなカバー部材30は、光拡散材を混合した透光性樹脂材料を所定形状に樹脂成型することによって作製することができる。光拡散材としては、シリカ粒子等の光反射性微粒子を用いることができる。
【0058】
なお、カバー部材30としては、内部に光拡散材を分散させるのではなく、透明カバーの表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することによって構成されていてもよい。また、カバー部材30は、光拡散材を用いるのではなく、拡散加工を施すことによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。例えば、カバー部材30は、シボ加工等の表面処理を施すことによって透明カバーの表面に微小凹凸を形成したり、透明カバーの表面にドットパターンを印刷したりすることによって光拡散性を有するように構成されていてもよい。なお、カバー部材30は、拡散加工する場合であっても、光拡散性を高めるために、さらに光拡散材を含有させてもよい。
【0059】
本実施の形態において、カバー部材30を構成するカバー本体部31及び取付部32は、一体に形成されている。したがって、カバー本体部31及び取付部32は、同じ材料によって構成されている。
【0060】
なお、カバー部材30は、1種類の樹脂材料ではなく、2種類以上の樹脂材料によって構成してもよい。例えば、カバー本体部31と取付部32とを異なる樹脂材料によって構成してもよい。一例として、カバー本体部31を透光性樹脂材料で構成し、取付部32を白色樹脂材料によって構成することができる。この場合、カバー部材30は2色成形により形成することができる。
【0061】
フレーム40は、基板10を支持する長尺状の支持部材(ベース部材)である。フレーム40には、基板10が取り付けられる。具体的には、フレーム40に基板10を載置して基板10をフレーム40に固定することで、基板10はフレーム40に支持される。本実施の形態において、フレーム40は、基板10だけではなく、カバー部材30も支持している。具体的には、カバー部材30は、フレーム40に固定されている。
【0062】
フレーム40は、板金製であり、金属板によって構成されている。フレーム40は、例えばSPCC(Steel Plate Cold Commercial;冷間圧延鋼板)製の1枚の板金(金属板)にロール成形加工又はプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。
【0063】
図3~
図7に示すように、フレーム40は、全体として平板状に形成された部位として主板部を有する。本実施の形態において、フレーム40は、主板部のみで構成されており、フレーム40の全部又は大部分が平板状に形成されたものである。具体的には、フレーム40は、XZ断面において、略I字形状である。したがって、フレーム40は、断面形状が略コの字状の従来のフレームのように天井側に向かって延在する一対の側板部を有しておらず、Z軸方向の高さが低い薄形状になっている。なお、フレーム40は、基板10及び器具本体2と同様に、Y軸方向に長尺状に形成されている。
【0064】
フレーム40を構成する金属板の厚みは、例えば、0.2mm~2mmである。本実施の形態において、フレーム40は、板金加工により形成されているので、フレーム40を構成する金属板の厚みは、1mm以下であるとよい。具体的には、フレーム40を構成する金属板の厚みは、0.5mmとした。
【0065】
フレーム40には、LED20が実装された基板10が配置されている。具体的には、フレーム40における全体として平板状に形成された部位(主板部)に基板10が配置されている。基板10は、フレーム40の床側の面に載置されている。基板10の第2面10bとフレーム40の床側の面とが面接触している。
【0066】
なお、フレーム40を基準にして、フレーム40における基板10が配置される側の方向を前方(第1方向)とし、前方とは反対側の方向を後方(第2方向)とすると、本実施の形態において、フレーム40の前方側は、床側(カバー部材30側)であり、フレーム40の後方側は、天井側(背面側)である。
【0067】
基板10は、フレーム40における全体として平板状に形成された部位(主板部)に取り付けられている。例えば、基板10は、フレーム40に形成された爪部によってフレーム40に固定されている。爪部は、板金製のフレーム40の一部を切り起こすことによって形成することができる。フレーム40に載置された基板10は、この爪部を折り曲げて爪部に係止されることでフレーム40に固定される。また、フレーム40には、基板10の電極と電源装置4とを電気的に接続するための導電線が挿通される貫通孔が設けられている。
【0068】
全体として平板状のフレーム40は、天井と平行となるように配置されている。具体的には、平板状のフレーム40は、フレーム40に配置された基板10が天井と平行となるように配置されている。
【0069】
図3及び
図7に示すように、フレーム40における全体として平板状に形成された部位(主板部)は、フレーム40の長手方向に沿って線状に形成された突条の補強部41を少なくとも1つ有する。つまり、突条の補強部41は、断面視において主板40Mの主面から突出するように形成されており、且つ、線状に細長く延在するように形成されている。補強部41は、ビード加工又はエンボス加工等のプレス加工により形成することができる。本実施の形態において、補強部41は、フレーム40を構成する金属板にビード加工(紐出し加工)を施すことにより形成されている。具体的には、金型等を用いて金属板の厚み方向の一方に金属板を押し上げることで金属板を厚み方向に変形させた補強部41を形成することができる。このようにして形成された補強部41は、金属板の一方の面に形成された線状の凸状部と、この凸状部と背向する位置に金属板の他方の面に形成された線状の凹状部とによって構成されている。つまり、補強部41における金属板の厚みと補強部41が設けられていない金属板の厚みとは基本的には同じである。このように、フレーム40に補強部41を形成することで、フレーム40の剛性を大きくすることができる。つまり、補強部41は、機械的強度を大きくするための補強リブとして機能する。
【0070】
補強部41の断面形状は、一例として円形の一部であり、本実施の形態では、半円形である。つまり、補強部41の凸状部の外側の形状及び補強部41の内側の形状は、いずれも半円形である。
【0071】
補強部41は、フレーム40の長手方向の一方の端部から他方の端部にわたって形成されている。なお、補強部41は、フレーム40の長手方向に沿って断続的に形成されていてもよい。
【0072】
補強部41は、フレーム40に複数形成されている。複数の補強部41は、平行に形成されている。本実施の形態において、複数の補強部41は、フレーム40の両面に形成されており、前方側(床側)に突出する第1補強部41aと、後方側(天井側)に突出する第2補強部41bとを含む。第1補強部41a及び第2補強部41bは、2つずつ設けられている。つまり、補強部41は、4つ設けられている。
【0073】
図7に示すように、第1補強部41aの長手方向の両端部は、フレーム40の長手方向の端縁よりも後退した位置に存在する。つまり、第1補強部41aは、フレーム40の長手方向の端縁にまで形成されていない。一方、第2補強部41bの長手方向の端部は、フレーム40の長手方向の端縁にまで形成されている。なお、第1補強部41aの長手方向の両端部をフレーム40の長手方向の端縁まで形成し、第2補強部41bの長手方向の両端部をフレーム40の長手方向の端縁まで形成しないようにしてもよい。あるいは、第1補強部41aの長手方向の両端部と第2補強部41bの長手方向の両端部とを、いずれもフレーム40の長手方向の端縁まで形成してもよいし、いずれもフレーム40の長手方向の端縁まで形成しないようにしてもよい。
【0074】
補強部41の凸状部の幅は、一例として、10mm以下ないし5mm以下であり、本実施の形態では、3mm程度とした。また、補強部41の凸状部の高さは、一例として、5mm以下である。本実施の形態において、複数の補強部41の各々における凸状部の幅及び高さは、全て同じであるが、これに限らない。また、複数の補強部41の断面形状も全て同じであるが、これに限らない。
【0075】
フレーム40に配置される基板10は、複数の補強部41のうちの隣り合う2つの補強部41の間に位置している。具体的には、
図3に示すように、基板10は、2つの第1補強部41aの間に位置している。したがって、2つの第1補強部41aの間隔は、基板10の短手方向の長さ(幅)よりも大きい。本実施の形態において、基板10を挟む2つの第1補強部41aは、基板10の側面に隣接している。つまり、2つの第1補強部41aの間隔は、基板10の幅とほぼ同じである。これにより、2つの第1補強部41aによって基板10の幅方向の動きを規制することができる。つまり、2つの第1補強部41aによって基板10の位置を決めることができる。
【0076】
特に、電源装置4とLEDモジュール(基板10の配線)との電気的接続をリード線を用いずにピンで直接連結する等の構造(2次側配線レス構造)とする場合には精度の高い位置規制が必要になるが、2つの第1補強部41aによって基板10の位置決めを行うことで、2次側配線レス構造を採用しても高い精度で電源装置4とLEDモジュールとの電気的接続を行うことができる。
【0077】
また、複数の補強部41において、2つの第2補強部41bの間隔は、基板10を挟む2つの第1補強部41aの間隔よりも小さい。したがって、2つの第2補強部41bは、フレーム40の厚み方向(Z軸方向)において、基板10と重なる位置に形成されている。つまり、上面視において、2つの第2補強部41bは、基板10と重なっている。また、上面視において、2つの第2補強部41bは、いずれも2つの第1補強部41aの内側に位置している。
【0078】
フレーム40の短手方向(幅方向)の端部は、カバー部材30に取り付けられている。具体的には、フレーム40の短手方向の両端部の各々がカバー部材30に取り付けられている。より具体的には、カバー部材30における一対の取付部32の各々に設けられた第1挟持片32a及び第2挟持片32bにフレーム40の短手方向の端部が挟まれることで、フレーム40がカバー部材30に取り付けられている。
【0079】
本実施の形態では、フレーム40の短手方向の端部に設けられた折返部42がカバー部材30に取り付けられている。つまり、フレーム40の折返部42がカバー部材30に取り付けられている。具体的には、フレーム40の折返部42は、カバー部材30における第1挟持片32aと第2挟持片32bと立板部32cとで構成される断面コの字形状の凹部に挿入されている。
【0080】
折返部42は、フレーム40における全体として平板状に形成された部位(主板部)の短手方向の先端部を厚み方向に折り返すことで形成されている。本実施の形態において、折返部42は、折り返された部分と、折り返された部分に対向する部分(折り返されていない部分)とによって構成されている。折返部42における折り返された部分は、例えば、フレーム40の短手方向の先端部を天井側にカールさせて巻き上げることで形成することができる。なお、折返部42は、カールさせて形成されたものに限るものではなく、ヘミング加工等により形成されたものであってもよい。
【0081】
カバー部材30とフレーム40とを固定する際、カバー部材30の第1挟持片32a及び第2挟持片32bの間にフレーム40の折返部42を挿入して、第1挟持片32a及び第2挟持片32bに折返部42を係止させる。これにより、カバー部材30とフレーム40とを係止させて固定することができる。なお、カバー部材30とフレーム40とは、さらに、取付ネジによって固定されていてもよい。
【0082】
図3に示すように、フレーム40の天井側には、空間領域Sが形成されている。つまり、器具本体2とフレーム40との間に空間領域Sが存在している。この空間領域Sには、電源装置4が配置されている。電源装置4は、フレーム40の短手方向の一方側に寄せて配置されている。具体的には、電源装置4は、引っ掛け金具5が設けられた側方(
図3の左側)に寄せて配置されている。
【0083】
なお、フレーム40の補強部41の少なくとも一つは、フレーム40の天井側に配置された電源装置4に覆われている。つまり、上面視において、補強部41の少なくとも一部は、電源装置4と重なっている。本実施の形態では、全ての補強部41が電源装置4で覆われている。つまり、2つの第1補強部41aと2つの第2補強部41bとは電源装置4に覆われている。
【0084】
また、フレーム40の天井側の空間領域Sには、LED照明装置3を構成する部品として、LED20の点灯に関連する機能部品が配置されていてもよい。このような機能部品は、機能拡張モジュールである。機能拡張モジュールは、例えば、人感センサや明るさセンサの各種センサを備えるセンサユニット、無線信号を受信するアンテナ及び制御回路を有する無線モジュール、赤外線信号を受信する受光素子及び制御回路を有する赤外線モジュール、又は、基板10に実装されたLED20(第1光源)とは別の第2光源等である。無線信号又は赤外線信号は、例えば、LED20を点灯及び消灯したり調光・調色したりするためのリモコン信号、又は、LED照明装置3の各種設定を行うための設定信号等である。また、第2光源は、モニタ表示用の光源、カバー部材30から出射する照明光の配光を制御するための光源(例えばワイド配光にするための光源)、演出するためのカラー光源(例えば、赤色、青色及び緑色等のLED光源)、又は、非常時に点灯する非常用光源等である。なお、第2の光源として非常用光源を用いる場合は、第2光源を覆うカバー及び/又はカバー部材30は、ガラス等の難燃性材料によって構成されているとよい。また、機能部品は、電源装置4の一部であってもよい。
【0085】
空間領域Sに配置された機能部品と電源装置4とは、導電線によって電気的に接続されている。導電線は、LED照明装置3を構成する部品の一つである。導電線は、機能部品とともに空間領域Sに配置されている。つまり、機能部品に接続された導電線は、電源装置4に接続された電源線とともに、空間領域Sに収納されている。なお、空間領域Sには、
図3に示される弾性保持部材6も収納されている。
【0086】
カバー部材30とフレーム40とが固定されることで長尺状の筒体が構成される。
図1~
図5に示すように、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の長手方向の両端部の各々にエンドキャップ50が取り付けられている。
【0087】
本実施の形態において、エンドキャップ50は、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の開口端部を封鎖するように設けられている。つまり、エンドキャップ50は、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の開口端部に蓋をするように筒体に取り付けられており、筒体の開口端部を閉塞している。これにより、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の内部に埃や虫等が入ることを抑制することができる。なお、エンドキャップ50は、カバー部材30とフレーム40とで構成される筒体の開口端部を完全に閉塞せずに、エンドキャップ50とフレーム40との間に多少の隙間が空いていてもよい。
【0088】
エンドキャップ50は、カバー部材30の長手方向の両端部の各々に設けられている。つまり、エンドキャップ50は、カバー部材30の端部に設けられたカバーエンドである。エンドキャップ50は、カバー部材30の長手方向の端部に直接又は間接的に接続されている。例えば、エンドキャップ50とカバー部材30とは、接着剤により固着されている。
【0089】
エンドキャップ50は、樹脂材料によって構成されている。また、エンドキャップ50は、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。透光性を有するエンドキャップ50は、例えば、ポリカーボネート又はアクリル等の透明樹脂材料によって構成されている。また、エンドキャップ50は、透光性及び拡散性を有していてもよい。この場合、エンドキャップ50は、カバー部材30と同じ材料によって構成されていてもよいし、カバー部材30と異なる材料によって構成されていてもよい。
【0090】
このように構成されるLED照明装置3は、器具本体2の凹部2aに収納されて器具本体2に取り付けられる。具体的には、LED照明装置3は、
図3~
図5に示される引っ掛け金具5及び弾性保持部材6を用いて器具本体2に取り付けられる。引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム40に固定されている。
【0091】
図3に示すように、引っ掛け金具5は、フレーム40の後方側(天井側)に配置されている。引っ掛け金具5は、板金製の板部材である。引っ掛け金具5は、フレーム40の短手方向の一方の端部に固定されている。一例として、引っ掛け金具5は、ネジ等の固定部材によってフレーム40に固定されており、フレーム40から外側にはみ出すように延在している。引っ掛け金具5は、器具本体2に引っ掛けられる。本実施の形態では、器具本体2の凹部2aの内壁面にスリット2c(
図2参照)が設けられており、引っ掛け金具5は、このスリット2cに引っ掛けられる。
【0092】
弾性保持部材6は、フレーム40の後方側(天井側)に配置されている。弾性保持部材6は、例えばキックバネ等のスプリングである。弾性保持部材6は、フレーム40の短手方向の他方の端部に固定されている。つまり、弾性保持部材6は、フレーム40の幅方向において、引っ掛け金具5とは反対側に固定されている。弾性保持部材6は、ネジ等の固定部材によってフレーム40に固定されている。具体的には、弾性保持部材6は、取付ネジによってフレーム40に固定された保持金具6c(
図5参照)に固定されている。弾性保持部材6は、器具本体2に着脱可能に取り付けられる。本実施の形態において、弾性保持部材6は、器具本体2に固定された受け金具7に着脱可能に係止されている。
【0093】
なお、
図2に示すように、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、2つずつ設けられているが、これに限らない。また、引っ掛け金具5及び弾性保持部材6は、フレーム40の短手方向に対向する位置に設けられているが、これに限らない。
【0094】
ここで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法について、
図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態1に係るLED照明器具1において、LED照明装置3を器具本体2に取り付けるときの取付方法を説明するための図である。
【0095】
天井100に設置された器具本体2にLED照明装置3を取り付ける場合、まず、
図8の(a)に示すように、器具本体2に設けられたスリット2c(
図2参照)に引っ掛け金具5を引っ掛けることでLED照明装置3を片持ち状態で吊り下げるとともに、キックバネである弾性保持部材6の一方の端部を器具本体2に固定された受け金具7に係止させる。
【0096】
このとき、フレーム40は全体的に平板状であって後方側に延在する側板部が無いので、フレーム40に取り付けられるカバー部材30の取付部32のZ軸方向の長さを短くすることができる。このため、LED照明装置3を側方から見たときに、弾性保持部材6の多くの部分が露出することになるので、弾性保持部材6の一部(具体的にはキックバネの端部)を容易に引き出すことができる。
【0097】
次に、
図8の(b)に示すように、引っ掛け金具5をスリット2cの奥に押し込みながら引っ掛け金具5を支点としてLED照明装置3を回転させることでLED照明装置3を器具本体2の凹部2a内に押し上げていく。
【0098】
このとき、本実施の形態では、フレーム40の背面側に配置された電源装置4は、引っ掛け金具5側に寄せて配置されている。つまり、電源装置4は、回転軸側に寄せて配置されている。このように、重量のある電源装置4を回転軸側に寄せて配置することで、小さな力でLED照明装置3を回転させることができる。
【0099】
そして、LED照明装置3を回転させてLED照明装置3を器具本体2の凹部2aに押し込むことで、
図8の(c)に示すように、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに嵌め込むことができる。これにより、LED照明装置3を器具本体2に取り付けることができる。
【0100】
なお、LED照明装置3を器具本体2から取り外す際は、上記とは逆の動作をすることで、LED照明装置3を器具本体2から取り外すことができる。
【0101】
このように、器具本体2に対してLED照明装置3を着脱する際、本実施の形態におけるLED照明装置3では、全体的に平板状に形成されたフレーム40を用いているので、LED照明装置3及び器具本体2に傷が付いたり、フレーム40の後方側に引き回されている導電線が線噛みしたりすることを抑制できる。この点について、以下説明する。
【0102】
従来のフレームには天井側に延在する側板部が設けられているので、このフレームを有するLED照明装置を器具本体2に取り付ける際に、フレームの側板部が器具本体2に当たったり、この側板部に取り付けられるカバー部材の側板部が器具本体2に当たったりして、意図しない箇所に傷が付いてしまうおそれがある。
【0103】
これに対して、本実施の形態に係るLED照明装置3では、フレーム40が全体的に平板状であって、フレーム40には天井側に向かって延在する側板部が無い。このため、フレーム40全体の厚みが薄くなり、また、この結果、フレーム40に取り付けられるカバー部材30の全体の厚みも薄くなるので、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける際に、フレーム40の一部又はカバー部材30の一部が器具本体2に当たることを抑制できる。つまり、施工時に、LED照明装置3又は器具本体2における意図しない箇所に傷が付いてしまうことを抑制することができる。
【0104】
また、従来のフレームのように天井側に向かって側板部が延在していると、フレームの天井側(背面側)に引き回される電源線又は信号線等の導電線が、フレームの側板部と器具本体2との間に挟まったり、フレームの側板部に取り付けられるカバー部材の側板部と器具本体2との間に挟まったりするおそれがある。つまり、導電線の線噛みが発生するおそれがある。
【0105】
これに対して、本実施の形態に係るLED照明装置3では、フレーム40が全体的に平板状であって、フレーム40には天井側に向かって長く延在する側板部が無いので、フレーム40の天井側に配置される導電線が、フレーム40の一部と器具本体2との間に挟まったり、カバー部材30の一部と器具本体2との間に挟まったりすることを抑制できる。つまり、導電線の線噛みが発生することを抑制することができる。
【0106】
このように、本実施の形態に係るLED照明装置3を用いることで、LED照明装置3及び器具本体2に傷が付いたり、フレーム40の後方側に引き回されている導電線が線噛みしたりすることを抑制できる。したがって、LED照明装置3を器具本体2に容易に取り付けることができる。つまり、LED照明器具1の施工性が向上する。
【0107】
また、本実施の形態におけるフレーム40は、全体として平板状であって、フレーム40には、従来のフレームのように天井側に向かって延在する側板部が存在しない。このため、フレームに取り付けられるカバー部材に、フレームの側板部を覆う側板部を設ける必要がなくなる。つまり、フレーム40に取り付けられるカバー部材30にも、後方側に向かって延在する側板部が存在しない。これにより、
図3に示すように、フレーム40の天井側の空間領域Sを広くすることができる。したがって、フレーム40の天井側(後方側)に配置される電源線等の導電線を配置するための配線スペースを広くすることができる。
【0108】
このように、本実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3によれば、フレーム40の後方側に広い配線スペースを確保しつつ、LED照明器具1を設置する際にフレーム40の後方側に配置される導電線が線噛みすることを抑制することができる。
【0109】
さらに、全体として平板状に形成されたフレーム40を用いることで、フレーム40にカバー部材30を取り付けたとしても、フレーム40とカバー部材30とで構成される筒体の高さ(厚み)を小さくすることができる。つまり、LED照明装置3の高さ(厚み)を小さくすることができ、LED照明装置3の低背化を図ることができる。これにより、器具本体2に対するLED照明装置3の着脱を容易に行うことができる。
【0110】
しかも、天井側に向かって延在する側板部が形成されていない平板状のフレーム40を用いることで、フレーム40の軽量化を図ることができるとともに、材料費及び加工費を低くすることができるので、フレーム40の低コスト化を図ることができる。したがって、LED照明装置3の軽量化及び低コスト化を図ることもできる。
【0111】
ただし、本実施の形態のように一対の側板部が設けられていないフレーム40は、一対の側板部が設けられている断面形状がコの字状の従来のフレームと比べて、機械的強度が低くなってしまう。このため、本実施の形態に係るフレーム40は、たわんだり反ったりして変形しやすい。この結果、本実施の形態に係るフレーム40にカバー部材30を取り付けたとしても、側板部が設けられた従来のフレームを用いた場合と比べて、フレーム40とカバー部材30とで構成される筒体の剛性が低い。このため、施工時等において、フレーム40が変形するおそれがある。
【0112】
そこで、本実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3においては、フレーム40における基板10が取り付けられる部位(主板部)には、フレーム40の長手方向に沿って線状に形成された突条の補強部41が形成されている。
【0113】
このようにフレーム40における基板10が取り付けられる部位(主板部)に補強部41を形成することで、フレーム40における基板10が取り付けられる部位(主板部)を全体として平板状にしたとしても、フレーム40の強度が低下することを抑制できる。つまり、フレーム40に補強部41を形成することによって、フレーム40の全体を平板状にしたことにより低下したフレーム40の強度を高めることができる。これにより、フレーム40が変形することを抑制することができる。したがって、LED照明装置3の剛性を高くすることができるので、LED照明装置3が変形することを抑制できる。
【0114】
以上説明したように、本実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3によれば、フレーム40における基板10が取り付けられる部位を全体として平板状に形成したとしても、フレーム40が変形することを抑制できる。したがって、全体として平板状に形成されたフレーム40を用いたことでフレーム40の後方側に広い配線スペースを確保することと、フレーム40の後方側に配置される導電線の線噛みを抑制することとを実現しつつ、フレーム40が変形することを抑制することができる。つまり、フレーム40の後方側における広い配線スペースの確保及び導電線の線噛みの抑制とフレーム40の変形抑制との両立を図ることができる。
【0115】
また、
図9に示すように、本実施の形態に係るLED照明器具1及びLED照明装置3は、さらに、補強部材60を備えている。
図9は、実施の形態1に係るLED照明器具1の断面図であり、補強部材60を通る平面で切断したときの断面を示している。
【0116】
補強部材60は、フレーム40を支持している。本実施の形態において、補強部材60は、カバー部材30も支持している。補強部材60は、例えば、取付ネジ70によってフレーム40に固定されている。なお、補強部材60とフレーム40とは、取付ネジ70以外の方法で固定してもよい。例えば、補強部材60の一部とフレーム40の一部とをかしめることで、補強部材60とフレーム40とを固定してもよい。
【0117】
補強部材60は、例えば、金属板に板金加工を施すことによって所定形状に形成された金属金具である。本実施の形態において、補強部材60は、LED照明装置3の後方側(天井側)の形状に沿って形成された形状を有する。具体的には、補強部材60は、カバー部材30における第2挟持片32bの天井側の面に沿って形成されているとともに、フレーム40の天井側の面に沿って形成されている。
【0118】
LED照明装置3は、補強部材60を1つ備えていてもよいし、複数備えていてもよい。
図5に示すように、本実施の形態では、LED照明装置3は、3つの補強部材60を備えている。この場合、LED照明装置3の長手方向の両端部と中央部とに補強部材60が配置されている。
【0119】
なお、補強部材60は、保持金具6c等のLED照明装置3に取り付けられた金具の一部であってもよい。また、中央部の補強部材60は、電源装置4を構成する回路ケース4cの一部であってもよい。
【0120】
このように、フレーム40を補強部材60によって支持することで、フレーム40が変形することを一層抑制することができる。しかも、補強部材60によってフレーム40が背面側から支持されているので、フレーム40がカバー部材30から外れることを抑制することもできる。
【0121】
また、本実施の形態におけるフレーム40は、全体として平板状に形成された薄形状であり、断面形状が略I字状である。そこで、フレーム40を上下反転させて用いることができる。具体的には、
図3では、間隔が広い2つの凸状の第1補強部41aが床側に位置し、かつ、間隔が狭い2つの凸状の第2補強部41bが天井側に位置するようにフレーム40が配置されていたが、
図10に示されるLED照明器具1A及びLED照明装置3Aのように、
図3に示されるフレーム40と同じものを用いて、間隔が広い2つの凸状の第1補強部41aが天井側に位置し、間隔が狭い2つの凸状の第2補強部41bが床側に位置するようにフレーム40を配置してもよい。
【0122】
この場合、フレーム40の床側の面に配置される基板10Aは、間隔が狭い2つの第2補強部41bの間に配置されるので、
図3に示される基板10よりも、幅が狭いものを用いている。
【0123】
このように、フレーム40を上下反転させて用いることができるので、フレーム40の床側の面に凸状部となる2つの補強部41の間隔を広くしたり狭くしたりできる。これにより、2つの補強部41の間は、幅が広い基板10を配置したり、幅が狭い基板10Aを配置したりすることができる。このとき、幅が狭い基板10Aを用いる場合は、同じ色温度の光を発するLED20を一列のみが配置された基板10Aを用いて、幅が広い基板10を用いる場合は、調色できるように異なる色温度の光を発するLED20を2列に分けて配置された基板10を用いることができる。これにより、1つのフレーム40を用いて複数タイプのLED照明装置3を実現することができる。例えば、フレーム40を上下反転させるだけで、1つのフレーム40によって、非調光タイプのLED照明装置3と調光タイプのLED照明装置3とを製造することができる。
【0124】
なお、フレーム40を上下反転させるのではなく、
図11に示されるLED照明器具1B及びLED照明装置3Bのように、間隔が広い2つの凸状の第2補強部41bが天井側に位置し、かつ、間隔が狭い2つの凸状の第1補強部41aが床側に位置するようなフレーム40Bを用いてもよい。また、このフレーム40Bを上下反転させて配置してもよい。なお、フレーム40Bを上下反転させた場合、フレーム40Bには、
図3に示される幅が広い基板10を配置することができる。
【0125】
また、
図3に示されるLED照明器具1及びLED照明装置3では、フレーム40には、複数の補強部41として、2つの第1補強部41aと2つの第2補強部41bとが形成されていたが、第1補強部41a及び2つの第2補強部41bの数は、これに限るものではない。
【0126】
例えば、
図12に示されるLED照明器具1C及びLED照明装置3Cのように、複数の補強部41として、2つの第1補強部41aと1つの第2補強部41bとが形成されたフレーム40Cを用いてもよい。この場合、第2補強部41bは、フレーム40Cの短手方向の中央部に形成されているとよい。また、第2補強部41bは、上面視で、LED20と重なる位置に形成されているとよい。
【0127】
また、
図13に示されるLED照明器具1D及びLED照明装置3Dのように、複数の補強部41として、2つの第2補強部41bのみが形成されたフレーム40Dを用いてもよい。つまり、第1補強部41aが形成されていないフレーム40Dを用いてもよい。この場合、
図14に示されるLED照明器具1E及びLED照明装置3Eのように、1つの第2補強部41bのみが形成されたフレーム40Eを用いてもよい。つまり、補強部41は、複数個に限らず、1つのみであってもよい。
【0128】
このフレーム40Eのように、補強部41は、少なくとも1つ形成されていればよい。これにより、フレーム40Eの強度を効果的に向上させることができる。
【0129】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について、
図15を用いて説明する。
図15は、実施の形態2に係るLED照明器具1Fの断面図である。
【0130】
本実施の形態に係るLED照明器具1F及びLED照明装置3Fは、
図3に示されるLED照明器具1及びLED照明装置3において、フレーム40と基板10との間に接合部80が設けられた構成になっている。
【0131】
接合部80は、基板10とフレーム40とを接合する接合部材である。このように、基板10とフレーム40との間に接合部80を設けることで、基板10とフレーム40との密着性が向上する。
【0132】
本実施の形態において、接合部80は、絶縁性樹脂材料によって構成された接着剤である。この場合、接合部80としては、熱伝導性に優れたものを用いるとよい。これにより、LED20で発生した熱をフレーム40に効率的に伝導させることができるので、LED20で発生した熱の放熱性を向上させることができる。
【0133】
なお、接合部80は、接着剤に限るものではなく、両面テープ等であってもよいが、接合部80として接着剤を用いることで、フレーム40と基板10との熱膨張係数差による応力を接着剤で吸収することができる。しかも、接合部80として接着剤を用いることで、基板10とフレーム40との間に空隙が形成されることなく接着剤を充填することができるので、LED20で発生した熱を効果的に放熱させることができる。なお、本実施の形態では、接合部80として接着剤を用いた。
【0134】
図15に示すように、本実施の形態では、複数の補強部41のうち第2補強部41bが基板10と重なる位置に形成されている。このため、基板10とフレーム40との間に挿入された接合部80は、第2補強部41bの凹状部にも設けられている。本実施の形態でにおいて、接合部80は、第2補強部41bの凹状部に充填されているが、第2補強部41bの凹状部に充填されていなくてもよい。
【0135】
以上、本実施の形態に係るLED照明器具1F及びLED照明装置3Fにおいても、上記実施の形態1と同様に、フレーム40は、全体として平板状に形成された金属板によって構成されており、フレーム40は、フレーム40の長手方向に沿って線状に形成された突条の補強部41を少なくとも1つ有する。
【0136】
これにより、上記実施の形態1に係るLED照明器具1及びLED照明装置3と同様の効果を奏する。具体的には、基板10が取り付けられる部位(主板部)が全体として平板状に形成されたフレーム40を用いたことでフレーム40の後方側に広い配線スペースを確保することとフレーム40の後方側に配置される導電線の線噛みを抑制することとを実現しつつ、全体として平板状に形成されたフレーム40を用いたとしても補強部41で補強されているのでフレーム40が変形することを抑制できる。
【0137】
さらに、本実施の形態では、フレーム40と基板10との間に接合部80が設けられている。これにより、フレーム40と基板10との密着性を向上させることができるので、LED20で発生する熱の放熱性を向上させることができる。
【0138】
しかも、本実施の形態では、基板10と重なる位置に形成された第2補強部41bの凹状部に接合部80が設けられている。これにより、フレーム40と基板10との接合強度を向上させることができる。
【0139】
また、第2補強部41bの凹状部に重ねて基板10を配置することで、基板10とフレーム40との間に接合部80を構成する接着剤を塗布することで基板10をフレーム40に接合する際、余分な接着剤を第2補強部41bの凹状部に逃がすことができるので、余分な接着剤によって基板10が浮いてしまったり、接着剤が偏在して接合部80の厚みにムラが生じて基板10が傾くことを抑制したりすることができる。つまり、第2補強部41bの凹状部に接着剤を逃がすことができることで、接着剤のはみ出し量を容易に管理することができる。
【0140】
なお、本実施の形態では、
図3に示されるLED照明器具1及びLED照明装置3に接合部80を追加した構成としたが、これに限らない。
【0141】
例えば、
図16に示されるLED照明器具1G及びLED照明装置3Gのように、
図12に示されるLED照明器具1C及びLED照明装置3Cに接合部80を追加した構成としてもよい。つまり、補強部41として2つの第1補強部41aと1つの第2補強部41bとが形成されたフレーム40Cを用いたLED照明装置3Cにおいて、フレーム40Cと基板10との間に接合部80を設けてもよい。
【0142】
あるいは、
図17に示されるLED照明器具1H及びLED照明装置3Hのように、
図13に示されるLED照明器具1D及びLED照明装置3Dに接合部80を追加した構成としてもよい。つまり、補強部41として2つの第2補強部41bのみが形成されたフレーム40Dを用いたLED照明装置3Dにおいて、フレーム40Dと基板10との間に接合部80を設けてもよい。
【0143】
なお、その他の実施の形態に接合部80を追加してもよい。
【0144】
(変形例)
以上、本発明に係るLED照明器具及びLED照明装置について、実施の形態1、2に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態1、2に限定されるものではない。
【0145】
例えば、上記実施の形態1、2において、フレーム40~40Eの折返部42は、フレーム40の短手方向の先端部を後方側(天井側)に折り曲げるようにカールさせることで形成されていたが、これに限らない。具体的には、
図18に示されるLED照明器具1I及びLED照明装置3Iのように、フレーム40Iの折返部42Iは、フレーム40Iの短手方向の先端部を前方側(床側)に折り曲げるようにカールさせることで形成されていてもよい。なお、フレーム40の折返部42は、フレーム40の短手方向の先端部を湾曲するようにカールさせていたが、これに限らない。例えば、
図19に示されるLED照明器具1J及びLED照明装置3Jのように、フレーム40Jの折返部42Jは、フレーム40Jの短手方向の先端部を断面コの字状に折り曲げることで形成されていてもよい。この場合、折返部43Jと電源装置4の回路ケース4cの端部とを係止させてもよい。
【0146】
また、上記実施の形態1では、フレーム40は、補強部41としてフレーム40の長手方向(Y軸方向)に延在する第1補強部41a及び第2補強部41bのみを有していたが、これに限らない。例えば、
図20に示されるフレーム40Kのように、補強部41Kとして、フレーム40Kの長手方向(Y軸方向)に延在する第1補強部41a及び第2補強部41bに加えて、フレーム40Kの短手方向(X軸方向)に延在する第3補強部41zを有していてもよい。これにより、フレーム40Kの強度をさらに向上させることができる。また、第3補強部41cを設けることで、基板10の幅方向の動きを規制することができるだけではなく、基板10の長手方向の動きも規制することができる。したがって、基板10の位置決めをさらに簡単に行うことができる。特に、2次側配線レス構造とする場合は、基板10(LEDモジュール)の位置決めを精度よく行う必要があるが、第3補強部41cを形成することで、2次側配線レス構造にしたとしても、基板10(LEDモジュール)の位置決めを精度よく行うことができる。また、第3補強部41cを設けてフレーム40Kの強度を高くすることで、カバー部材30を横に広げてフレーム40Kに嵌め込む際に、カバー部材30が広がった状態で当たりがあるので、カバー部材30とフレーム40Kとを容易に組み込むことができる。なお、フレーム40Kに第3補強部41cを設けることが、他の実施の形態のフレームにも適用することができる。
【0147】
また、上記実施の形態1、2において、フレーム40~40Eにおける補強部41の断面形状は、半円であったが、これに限らない。例えば、
図21に示されるフレーム40Lのように、補強部41の断面形状は矩形であってもよいし、
図22に示されるフレーム40Mのように、補強部41の断面形状は三角形であってもよいし、
図23に示されるフレーム40Nのように、補強部41の断面形状は台形であってもよい。
【0148】
また、上記実施の形態1、2において、カバー部材30の取付部32における第1挟持片32a及び第2挟持片32bのX軸方向の長さは、同じであったが、これに限らない。例えば、
図24に示されるLED照明器具1O及びLED照明装置3Oにおけるカバー部材30Oの取付部32Oのように、床側の第1挟持片32aが天井側の第2挟持片32bよりも長くてもよい。これにより、カバー部材30Oを横に広げてフレーム40に嵌め込む際に、カバー部材30Oが広がった状態での当たりがあるので、カバー部材30Oとフレーム40とを容易に組み込むことができる。しかも、床側の第1挟持片32aが長いことで、フレーム40を上から入れるときに第1挟持片32aにフレーム40が当たって止まるので、カバー部材30Oとフレーム40とを容易に組み込むことができる。また、長い方の第1挟持片32aの材料を別の材料(例えば白色材料)にしてカバー部材30Oを2色成形で作製することで、フレーム40の白色塗装を無くすことができ、また、カバー部材30Oによる光のロスを低減することができる。
【0149】
あるいは、
図25に示されるLED照明器具1P及びLED照明装置3Pにおけるカバー部材30Pの取付部32Pのように、天井側の第2挟持片32bが床側の第1挟持片32aよりも長くてもよい。これにより、カバー部材30Pが広げられてもカバー部材30Pが外れにくいので、LED照明器具1Pの使用時にカバー部材30Pが外れてしまうことを抑制できる。さらに、床側の第1挟持片32aが短いことで、カバー部材30Pによる光のロスを低減することができる。
【0150】
また、上記実施の形態1、2において、フレーム40は、照明器具2の開口部の開口面付近に位置していたが、これに限らない。例えば、
図26に示されるLED照明器具1Q及びLED照明装置3Qのように、カバー部材30Qの取付部32Qにおける立板部32cを長くする等して、フレーム40を器具本体2の内部まで入り込むように構成してもよい。これにより、フレーム40に取り付けられた基板10に配置されたLED20とカバー部材30Qのカバー本体部31との距離を長くすることができるので、LED20の光による輝度ムラ(つぶつぶ感)を抑制し、カバー部材30Qにおける輝度均斉度を向上させることができる。また、LED20とカバー本体部31との距離を長くすることで、LED20の温度上昇を抑制できるので、LED20の発光効率を向上させることができる。
【0151】
あるいは、
図27に示されるLED照明器具1R及びLED照明装置3Rのように、カバー部材30Rの取付部32の位置を器具本体2の開口部よりも床側に位置するように構成する等して、フレーム40を器具本体2の開口部よりも床側に位置するように構成してもよい。これにより、器具本体2の内部の配線スペースを増加させることができる。また、
図27に示されるLED照明器具1Rの構造にすることで、フレーム40の幅を器具本体2の開口部の幅よりも大きくすることができる。さらに、カバー部材30Rの取付部32を介してフレーム40を器具本体2の開口部の当てることができるので位置決めを容易に行うこともできる。
【0152】
また、上記実施の形態1、2において、基板10全体がフレーム40に接触していたが、これに限らない。具体的には、
図28に示されるLED照明器具1S及びLED照明装置3Sのように、フレーム40Sに開口部40aが形成されており、基板10の第2面10bの一部がフレーム40Sの開口部40aから露出するように構成されていてもよい。この場合、基板10の第2面10bをフレーム40Sの外側面に接触させるのではなく、
図29に示されるLED照明器具1T及びLED照明装置3Tのように、基板10Aの第1面10aをフレーム40Sの内側面に接触させてもよい。つまり、基板10Aをフレーム40Sの外側ではなく内側に配置してもよい。また、基板10Aをフレーム40Sの内側に配置する場合、
図30に示されるLED照明器具1U及びLED照明装置3Uのように、基板10aを支持する支持部材90を別途配置してもよい。なお、開口部40aが形成されたフレーム40Sとしては、
図31に示される構成のものを用いることができる。
図31に示されるフレーム40Sでは、3つの開口部40aが形成されているが、これに限らない。また、フレーム40Sは、左右(短手方向に)2つに分離された2つのパーツによって構成されていてもよい。
【0153】
また、上記実施の形態1、2では、断面形状が略I字形状のフレーム40を用いたが、これに限らない。例えば、フレーム40の断面形状は、L字形状であってもよいし、M字形状であってもよい。また、フレーム40は、断面形状がコの字状又はU字状であって、全体として平板状に形成された部位(主板部)と、この部位の短手方向の両端部から天井側に向けて延在する一対の側板部とを有していてもよい。
【0154】
また、上記実施の形態1では、LED照明装置3を器具本体2に取り付ける場合、LED照明装置3を回転させることで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けたが、これに限らない。つまり、LED照明装置3を回転させることなく、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。具体的には、天井に設置された器具本体2に向かってLED照明装置3を平行移動させるようにLED照明装置3を鉛直方向に移動させて、LED照明装置3を器具本体2の凹部2aに鉛直方向に押し込んで嵌め込むことで、LED照明装置3を器具本体2に取り付けてもよい。
【0155】
また、上記実施の形態1、2では、LED20としてLEDチップがパッケージに実装されたSMDタイプのLED素子を用いており、基板10とLED20とからなる発光モジュールがSMDタイプのLEDモジュールであったが、これに限らない。例えば、基板10とLED20とからなる発光モジュールは、COB(Chip On Board)タイプのLEDモジュールであってもよい。この場合、LED20として、LEDチップ(ベアチップ)そのものを用いて、基板10に複数のLED20(LEDチップ)を直線状に配列し、封止部材(例えば蛍光体含有樹脂)によって複数のLED20を一括又は個別に封止すればよい。
【0156】
また、上記実施の形態1、2では、拡散性及び透光性を有するカバー部材30を用いたが、これに限らない。例えば、カバー部材30に代えて、拡散性及び透光性のうち透光性のみを有する透光カバーを用いてもよい。この場合、透光カバーとして、向こう側が透けて見えるくらいに透過率が高い透明カバーを用いてもよい。
【0157】
その他、上記各実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0158】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I、1J、1O、1P、1Q、1R、1S、1T、1U LED照明器具
2 器具本体
3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G、3H、3I、3J、3O、3P、3Q、3R、3S、3T、3U LED照明装置
4 電源装置
10、10A 基板
20 LED
40、40B、40C、40D、40E、40I、40J、40K、40L、40M、40N、40O、40P、40Q、40R、40S、40T、40U フレーム
41 補強部
41a 第1補強部
41b 第2補強部
41c 第3補強部
42、42I 折返部