(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100520
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】物品移送ユニット及び袋搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20230711BHJP
B65B 43/52 20060101ALI20230711BHJP
B65G 54/02 20060101ALI20230711BHJP
B65G 47/68 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B65G47/52 101Z
B65B43/52 A
B65G54/02
B65G47/68 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001254
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 徹
【テーマコード(参考)】
3E030
3F021
3F044
3F070
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030AA09
3E030BB05
3E030DA06
3F021AA05
3F021BA02
3F021CA06
3F044AA11
3F044AB16
3F044CD01
3F044CE16
3F070AA18
3F070BD07
3F070BE03
3F070ED01
3F070ED02
(57)【要約】
【課題】袋などの物品の搬送数を可変的に変更可能な物品移送ユニット及び袋搬送システムを提供する。
【解決手段】物品移送ユニット12は、物品供給ゾーンZ11、Z12及び物品放出ゾーンZ2を有する移送レーン20と、移送レーン20に沿ってお互いに独立して移動可能な複数の移送体30であって、物品供給ゾーンZ11、Z12で受け取った物品群Bgとともに物品放出ゾーンZ2に移動する複数の移送体30と、物品放出ゾーンZ2に位置する1以上の移送体30から後段ユニットに物品群Bgを送り出す後段送出装置18とを備える。物品放出ゾーンZ2には2以上の移送体30が同時に位置することが可能であり、移送制御部32は、複数の移送体30の移動をコントロールして、物品放出ゾーンZ2に同時に位置する移送体30の数及び位置のうちの少なくともいずれか一方を変えられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給ユニットから送り出される複数の物品群を物品供給ゾーンで受け取って物品放出ゾーンに移送し、前記物品放出ゾーンから後段ユニットに送り出す物品移送ユニットであって、
前記物品供給ゾーン及び前記物品放出ゾーンを有する移送レーンと、
前記移送レーンに沿ってお互いに独立して移動可能な複数の移送体であって、前記物品供給ゾーンで受け取った物品群とともに前記物品放出ゾーンに移動する複数の移送体と、
前記物品放出ゾーンに位置する1以上の移送体から前記後段ユニットに物品群を送り出す後段送出装置と、
前記複数の移送体の移動及び前記後段送出装置をコントロールする移送制御部と、を備え、
前記複数の物品群の各々は、1又は複数の物品を含み、
前記物品放出ゾーンには2以上の移送体が同時に位置することが可能であり、
前記移送制御部は、前記複数の移送体の移動をコントロールして、前記物品放出ゾーンに同時に位置する移送体の数及び位置のうちの少なくともいずれか一方を変えられる
物品移送ユニット。
【請求項2】
前記移送レーンは、物品移送体待機ゾーンを有し、
前記複数の移送体のうち物品群とともに移動する移送体は、前記物品移送体待機ゾーンを経由して、前記物品放出ゾーンに移動する請求項1に記載の物品移送ユニット。
【請求項3】
前記移送レーンは、空移送体待機ゾーンを有し、
前記複数の移送体のうち物品群を持たずに移動する移送体は、前記空移送体待機ゾーンを経由して、前記物品供給ゾーンに移動する請求項1又は2に記載の物品移送ユニット。
【請求項4】
前記物品供給ゾーンは複数設けられ、前記複数の物品供給ゾーンの各々に、前記物品供給ユニットから送り出された物品群が供給される請求項1~3のいずれか一項に記載の物品移送ユニット。
【請求項5】
前記空移送体待機ゾーンは複数設けられ、
前記複数の空移送体待機ゾーンは、前記複数の物品供給ゾーンに対して割り当てられ、
前記複数の移送体の各々は、前記複数の空移送体待機ゾーンのいずれかを経由して、割り当てられた物品供給ゾーンに移動する請求項3を引用する請求項4に記載の物品移送ユニット。
【請求項6】
前記物品放出ゾーンは複数設けられ、前記複数の物品放出ゾーンは、前記後段ユニットに含まれる複数の後段装置に対して割り当てられる請求項1~5のいずれか一項に記載の物品移送ユニット。
【請求項7】
前記複数の移送体は、磁力によって、前記移送レーンに沿って移動し、
前記移送制御部は、前記複数の移送体に作用する磁力をコントロールする請求項1~6のいずれか一項に記載の物品移送ユニット。
【請求項8】
製袋機を含む袋供給ユニットと、
請求項1~7のいずれか一項に記載の物品移送ユニットと、
前記物品移送ユニットから送り出される1又は複数の袋群を前記物品群として受け取る後段ユニットと、を備える袋搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品移送ユニット及び袋搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1が開示する装置では、多数の袋が複数列に並べられ、一度に複数の袋が下流に搬送される。特に、進行方向と垂直な方向に2つの袋が並んだ状態で進行方向に搬送される状態から、当該垂直な方向に4つの袋が並んだ状態で進行方向に搬送される状態に、袋の搬送態様が変えられる。
【0003】
一方、特許文献2が開示する装置では、進行方向と垂直な方向に2つの袋が並んだ状態から、当該垂直な方向に1つのみが配置された状態に、袋の搬送態様が変えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-18816号公報
【特許文献2】特開2012-12041号公報
【特許文献3】特開平4-292330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1及び特許文献2が開示する装置のように、袋の搬送列数(すなわち搬送方向と垂直な方向に並べられる袋の数)を変える従来装置では、変更の前後における袋の搬送列数は予め決められており、変更の前後における袋の搬送列数を適応的に変えることはできない。そのため、袋の搬送列数を増やすように変更する装置は、袋の搬送列数を減らすように変更することはできない。同様に、袋の搬送列数を減らすように変更する装置は、袋の搬送列数を増やすように変更することはできない。
【0006】
したがって、袋の搬送列数を変更する従来の袋移送ユニットは、上流側に設けられる袋供給ユニットの袋供給性能と、下流側に設けられる後段ユニットの袋受取性能とに応じた特有の構成を有する。そのため、袋供給ユニットの袋供給性能及び/又は後段ユニットの袋受取性能を変更する場合には、当該変更前まで使われていた袋移送ユニットではそのような変更には適切に対応できない。したがって、変更後の袋供給性能及び袋受取性能に対応した新たな袋移送ユニットの設置が必要とされ、装置コストの増大を招く。
【0007】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、袋などの物品の搬送数を適応的に変更可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、物品供給ユニットから送り出される複数の物品群を物品供給ゾーンで受け取って物品放出ゾーンに移送し、物品放出ゾーンから後段ユニットに送り出す物品移送ユニットであって、物品供給ゾーン及び物品放出ゾーンを有する移送レーンと、移送レーンに沿ってお互いに独立して移動可能な複数の移送体であって、物品供給ゾーンで受け取った物品群とともに物品放出ゾーンに移動する複数の移送体と、物品放出ゾーンに位置する1以上の移送体から後段ユニットに物品群を送り出す後段送出装置と、複数の移送体の移動及び後段送出装置をコントロールする移送制御部と、を備え、複数の物品群の各々は、1又は複数の物品を含み、物品放出ゾーンには2以上の移送体が同時に位置することが可能であり、移送制御部は、複数の移送体の移動をコントロールして、物品放出ゾーンに同時に位置する移送体の数及び位置のうちの少なくともいずれか一方を変えられる物品移送ユニットに関する。
【0009】
移送レーンは、物品移送体待機ゾーンを有し、複数の移送体のうち物品群とともに移動する移送体は、物品移送体待機ゾーンを経由して、物品放出ゾーンに移動してもよい。
【0010】
移送レーンは、空移送体待機ゾーンを有し、複数の移送体のうち物品群を持たずに移動する移送体は、空移送体待機ゾーンを経由して、物品供給ゾーンに移動してもよい。
【0011】
物品供給ゾーンは複数設けられ、複数の物品供給ゾーンの各々に、物品供給ユニットから送り出された物品群が供給されてもよい。
【0012】
空移送体待機ゾーンは複数設けられ、複数の空移送体待機ゾーンは、複数の物品供給ゾーンに対して割り当てられ、複数の移送体の各々は、複数の空移送体待機ゾーンのいずれかを経由して、割り当てられた物品供給ゾーンに移動してもよい。
【0013】
物品放出ゾーンは複数設けられ、複数の物品放出ゾーンは、後段ユニットに含まれる複数の後段装置に対して割り当てられてもよい。
【0014】
複数の移送体は、磁力によって、移送レーンに沿って移動し、移送制御部は、複数の移送体に作用する磁力をコントロールしてもよい。
【0015】
本発明の他の態様は、製袋機を含む袋供給ユニットと、上記の物品移送ユニットと、物品移送ユニットから送り出される1又は複数の袋群を物品群として受け取る後段ユニットと、を備える袋搬送システムに関する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、袋などの物品の搬送数を適応的に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る袋搬送システムの一例の概略を示す平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す袋搬送システムの作動例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す袋搬送システムの作動例を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1に示す袋搬送システムの作動例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す袋搬送システムの作動例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る袋搬送システムの一例の概略を示す平面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態に係る袋搬送システムの一例の概略を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の典型的な実施形態について説明する。
【0019】
下記の各実施形態は、物品として袋B(特に袋群Bg)を搬送する袋搬送システム10に関するが、袋以外の容器を搬送する容器搬送システム及び容器以外の物品を搬送する物品搬送システムに対しても同様に応用可能である。
【0020】
下記の説明において「上流」及び「下流」の用語は、特に断りがない限り、通常運転時の移送体の移動方向を基準とする。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る袋搬送システム10の一例の概略を示す平面図である。
【0022】
図1に示す袋搬送システム10は、袋供給ユニット11と、袋供給ユニット11から受け取った袋群Bgを移送する袋移送ユニット12と、袋移送ユニット12から送り出される1又は複数の袋群Bgを受け取る後段ユニット13と、を備える。
【0023】
図1に示す袋供給ユニット11は、複数の袋供給装置(すなわち第1袋供給装置11a及び第2袋供給装置11b)を含む。第1袋供給装置11a及び第2袋供給装置11bは、各々、製袋機14及び供給中継装置15を有する。
【0024】
製袋機14は、連続的に多数の袋(空袋)Bを作り出して、供給中継装置15に送る。製袋機14の具体的な構成は限定されない。一例として、製袋機14は特開2009-18816号公報に記載の横型製袋機と同様の構成を有してもよい。
【0025】
供給中継装置15は、供給コンベア16及び集積装置17を有する。供給コンベア16は、製袋機14から受け取った袋Bと、集積装置17により作られる袋群Bgとを、下流に送る。集積装置17は、製袋機14から送られてくる複数の袋Bを高さ方向に積み重ねて束状の袋群Bgを作り出す。集積装置17の具体的な構成は限定されない。一例として、集積装置17は特開平4-292330号公報に記載の積み重ね装置と同様の構成を有してもよい。集積装置17により作り出された袋群Bgは、供給コンベア16に載せられ、供給コンベア16によって下流に送られる。
【0026】
本例の各袋群Bgは複数の袋Bを含むが、袋群Bgは1枚の袋Bのみを含んでもよい。各袋群Bgは典型的には1~50枚の袋Bを含むが、各袋群Bgに含まれる袋Bの数は限定されない。全ての袋群Bgが1枚の袋Bのみを含む場合、集積装置17は不要である。
【0027】
供給中継装置15は、更に、旋回装置(図示省略)及び受渡装置(図示省略)を有する。旋回装置は、供給コンベア16に載せられた袋群Bgを、鉛直方向に延びる回転軸線を中心に90度回転させて、袋群Bgの向きを変える。受渡装置は、旋回装置により向きが変えられた後の袋群Bgを、供給コンベア16から、袋供給ゾーン(すなわち第1袋供給ゾーンZ11及び第2袋供給ゾーンZ12の各々)に位置する移送体30に渡す。旋回装置及び受渡装置の具体的な構成は限定されない。旋回装置及び受渡装置は、例えば袋群Bgを持ち上げつつ、当該袋群Bgを旋回及び/又は移動させてもよい。
【0028】
このようにして第1袋供給装置11a及び第2袋供給装置11bの各々で作り出された袋群Bgは、袋移送ユニット12の袋供給ゾーンZ11、Z12に送り出される。第1袋供給装置11a及び第2袋供給装置11bの各々は、制御装置(図示省略)の制御下で駆動し、上述の製袋機14及び供給中継装置15(すなわち供給コンベア16、集積装置17、旋回装置及び受渡装置)が連動して、複数の袋群Bgを連続的に袋供給ゾーンZ11、Z12に送り出すことができる。
【0029】
図1に示す例では、製袋機14から供給中継装置15(特に供給コンベア16)に複数(2つ)の袋Bが同時的に提供され、供給中継装置15から袋供給ゾーンZ11(具体的には第1袋供給ゾーンZ11及び第2袋供給ゾーンZ12の各々に位置する複数(2つ)の移送体30)に複数(2つ)の袋群Bgが同時的に提供される。
【0030】
袋移送ユニット12は、袋供給ユニット11(第1袋供給装置11a及び第2袋供給装置11b)から送り出される複数の袋群Bgを袋供給ゾーンZ11、Z12で受け取って袋放出ゾーンZ2に移送し、袋放出ゾーンZ2から後段ユニット13に袋群Bgを送り出す。
【0031】
本例の袋移送ユニット12は、移送レーン20と、移送レーン20上を移動する複数の移送体30と、各移送体30から後段ユニット13に袋群Bgを送り出す後段送出装置18と、複数の移送体30の移動及び後段送出装置18をコントロールする移送制御部32と、を有する。
【0032】
移送レーン20は第1レーン21~第6レーン26を有する。第1レーン21~第4レーン24は、この順番で環状(すなわち無端状)に並べられ、隣り合うレーンはお互いに対して隙間なく接続する。
【0033】
第1レーン21は、袋供給ゾーン(すなわち第1袋供給ゾーンZ11及び第2袋供給ゾーンZ12)を有する。第1袋供給ゾーンZ11には、第1袋供給装置11aから袋群Bgが供給される1以上の移送体30(
図1に示す例では2つの移送体30)が同時的に配置される。第2袋供給ゾーンZ12には、第2袋供給装置11bから袋群Bgが供給される1以上の移送体30(
図1に示す例では2つの移送体30)が同時的に配置される。
【0034】
第3レーン23は、袋放出ゾーンZ2を有する。袋放出ゾーンZ2には、袋群Bgが載せられている1以上の移送体30(
図1に示す例では多数の移送体30)が配置される。袋放出ゾーンZ2は、複数(例えば10以上)の移送体30が同時的に位置することが可能な大きさ(長さ)を有する。ただし、袋放出ゾーンZ2には、必ずしも、配置可能な最大数の移送体30が同時的に配置されるとは限らない。袋放出ゾーンZ2に配置される移送体30の数及び位置は、移送制御部32の制御下で、変更可能である。
【0035】
第1レーン21の一方の端部と第3レーン23の一方の端部とは第2レーン22を介して接続され、第1レーン21の他方の端部と第3レーン23の他方の端部とは第4レーン24を介して接続される。
【0036】
第1レーン21及び第3レーン23は、上述のように第2レーン22及び第4レーン24を介して相互に接続されるだけではなく、更に第5レーン25及び第6レーン26を介しても相互に接続される。
【0037】
第5レーン25の一端は、第1レーン21のうち第1袋供給ゾーンZ11よりも下流の部分(特に第1袋供給ゾーンZ11と第2袋供給ゾーンZ12との間の部分)に接続され、他端は、第3レーン23のうち袋放出ゾーンZ2よりも上流の部分に接続される。第6レーン26の一端は、第1レーン21のうち第2袋供給ゾーンZ12よりも上流の部分(特に第1袋供給ゾーンZ11と第2袋供給ゾーンZ12との間の部分)に接続され、他端は、第3レーン23のうち袋放出ゾーンZ2よりも下流の部分に接続される。第1レーン21のうち、第6レーン26が接続される部分は、第5レーン25が接続される部分よりも上流に位置する。
【0038】
上述の構成を有する移送レーン20において、第4レーン24は第1空移送体待機ゾーンZ41を有し、第5レーン25は第1袋移送体待機ゾーンZ31を有する。また第6レーン26は第2空移送体待機ゾーンZ42を有し、第2レーン22は第2袋移送体待機ゾーンZ32を有する。
【0039】
なお第1空移送体待機ゾーンZ41は、第4レーン24においてだけではなく、第4レーン24に隣接するレーンにおいても設けられうる。本例では、第4レーン24及び第1レーン21にわたって第1空移送体待機ゾーンZ41が設けられる。
【0040】
また第2空移送体待機ゾーンZ42は、第6レーン26においてだけではなく、第6レーン26に隣接するレーンにおいても設けられうる。本例では、後述のように(
図2等参照)、第6レーン26及び第1レーン21において第2空移送体待機ゾーンZ42が設けられる。
【0041】
また第2袋移送体待機ゾーンZ32は、第2レーン22においてだけではなく、第2レーン22に隣接するレーン(例えば第1レーン21及び/又は第3レーン23)にも設けられうる。
【0042】
また第1袋移送体待機ゾーンZ31、第2袋移送体待機ゾーンZ32、第1空移送体待機ゾーンZ41及び第2空移送体待機ゾーンZ42の各々は、単一の連続領域によって構成されてもよいし、お互いに離間した2以上の離散領域を含んでもよい。
【0043】
各移送体30は、袋供給ゾーンZ11、Z12で袋群Bgを受け取って、当該袋群Bgとともに袋放出ゾーンZ2に移動する。複数の移送体30は、移送レーン20に沿ってお互いに独立して移動可能に設けられる。
【0044】
本例の移送体30はシャトルとも呼ばれ、移送レーン20に沿って、袋供給ゾーンZ11、Z12と袋放出ゾーンZ2との間を巡回する。すなわち各移送体30は、袋供給ゾーンZ11、Z12で袋群Bgが載せられた後、移送レーン20に沿って袋供給ゾーンZ11、Z12から袋放出ゾーンZ2に移動することと、袋放出ゾーンZ2で後段送出装置18によって袋群Bgが後段ユニット13に送られた後、空の状態で袋放出ゾーンZ2から袋供給ゾーンZ11、Z12に移動することと、を繰り返す。
【0045】
本例では、複数の移送体30は、第1袋供給装置11aから袋群Bgを受け取って袋放出ゾーンZ2に運ぶ第1移送体グループと、第2袋供給装置11bから袋群Bgを受け取って袋放出ゾーンZ2に運ぶ第2移送体グループとに分類される。
【0046】
第1移送体グループの移送体30の移動ルートは、第1袋供給ゾーンZ11(第1レーン21)、第1袋移送体待機ゾーンZ31(第5レーン25)、袋放出ゾーンZ2(第3レーン23)及び第1空移送体待機ゾーンZ41(第4レーン24)を含む第1閉ループルートである(
図1中の一点鎖線参照)。
【0047】
第2移送体グループの移送体30の移動ルートは、第2袋供給ゾーンZ12(第1レーン21)、第2袋移送体待機ゾーンZ32(第2レーン22)、袋放出ゾーンZ2(第3レーン23)及び第2空移送体待機ゾーンZ42(第6レーン26)を含む第2閉ループルートである(
図1中の二点鎖線参照)。このように複数の袋供給ゾーンZ11、Z12の各々に対して特有の空移送体待機ゾーンZ41、Z42及び/又は特有の袋移送体待機ゾーンZ31、Z32を割り当てることで、複数の袋供給ゾーンZ11、Z12の各々に関して特有の閉ループルートを設けることができる。これにより、第1袋供給ゾーンZ11及び第2袋供給ゾーンZ12の一方において移送体30に対する袋群Bgの供給ができなくなった場合であっても、他方の袋供給ゾーンにおける移送体30に対する袋群Bgの供給及び他方の袋供給ゾーンから袋放出ゾーンZ2への袋群Bgの移送を適切に行うことが可能である。
【0048】
なお、各移送体30は、基本的に同じ移送体グループに分類され続けてもよいし、分類される移送体グループが適応的に決められてもよい。すなわち各移送体30は、常に同じ閉ループルート(第1閉ループルート又は第2閉ループルート)に沿って移動してもよい。或いは、各移送体30は、袋放出ゾーンZ2において袋群Bgが後段ユニット13に放出された後、移送制御部32の制御下で状況に応じて決められる閉ループルートをたどってもよい。
【0049】
各移送体30は、移送制御部32の制御下で、移送レーン20に沿って移動する。本例では、複数の移送体30は、磁力によって、移送レーン20に沿って移動する。移送制御部32は、複数の移送体30に作用する磁力をコントロールする。具体的には、移送レーン20(すなわち第1レーン21~第6レーン26の各々)には多数の電磁石(図示省略)が内蔵され且つ延在方向に沿って並べられており、移送制御部32は、これらの電磁石の各々に流す電流を調整する。例えばリニアモーターカーの移動駆動制御方式に基づいて、各移送体30の移動駆動制御を行うことが可能である。
【0050】
各移送体30の移動方式は、上述のリニア駆動方式(すなわち磁力駆動方式)には限定されず、任意の方式を採用しうる。例えば、各移送体30は、移送制御部32の制御下で駆動するモーターなどの動力装置を搭載し、当該動力装置から出力される動力によって移動してもよい。
【0051】
移送制御部32は、全ての移送体30の位置情報を直接的に又は間接的に把握及び監視しており、当該位置情報に基づいて各移送体30の移動をコントロールする。そのため移送制御部32は、複数の移送体30の移動をコントロールして、移送レーン20における任意領域に存在する移送体30の数及び位置を可変的に決めることができ、例えば袋放出ゾーンZ2において同時的に位置する移送体30の数及び位置を変えられる。
【0052】
後段送出装置18は、移送制御部32の制御下で、袋放出ゾーンZ2に位置する1以上の移送体30から後段ユニット13に袋群Bgを送り出すことが可能な任意の構成を有する。後段送出装置18は、各移送体30の構成(特に移送体30における袋群Bgの支持方法及び支持形態)に応じた機構を採用しうる。
【0053】
例えば、袋放出ゾーンZ2に位置する各移送体30において袋群Bgが把持されることが可能な状態に置かれる場合、後段送出装置18は、各移送体30における袋群Bgを把持及び解放が可能なグリッパーなどの把持ユニットと、当該把持ユニットを移動させることができる移動ユニットと、を備えてもよい。或いは、袋放出ゾーンZ2に位置する各移送体30において袋群Bgが後段ユニット13に向かってスライド移動可能な状態に置かれる場合、後段送出装置18は、各移送体30における袋群Bgをスライド移動させることができるプッシャーなどの押圧ユニットを備えてもよい。
【0054】
袋放出ゾーンZ2に複数の移送体30が位置する場合、後段送出装置18は、同時的に、袋放出ゾーンZ2に位置する複数の移送体30から後段ユニット13に袋群Bgを移動させる。なお、後段送出装置18によって複数の移送体30から後段ユニット13に袋群Bgが移動させられるタイミングは、必ずしも厳密な意味で同時である必要はなく、移送体30間で袋群Bgの移動タイミング(すなわち放出タイミング)にずれがあってもよい。
【0055】
その結果、後段ユニット13の放出搬送装置19(例えばベルトコンベア)には、袋放出ゾーンZ2に位置する複数の移送体30から送り出された複数の袋群Bgが直線状に一列に並ぶ。このようにして放出搬送装置19において並べられる複数の袋群Bgの並び方向(すなわち
図1の上下方向)は、これらの複数の袋群Bgを袋放出ゾーンZ2に運んだ複数の移送体30の袋放出ゾーンZ2における並び方向(すなわち
図1の上下方向)と一致し、放出搬送装置19による複数の袋群Bgの搬送方向に対して垂直を成す。
【0056】
ただし、袋放出ゾーンZ2から放出搬送装置19に送り出される複数の袋群Bgは、必ずしも、放出搬送装置19による搬送方向に対して垂直を成さなくてもよく、例えば当該搬送方向に対して傾斜する方向に並べられてもよい。
【0057】
放出搬送装置19は、載せられた複数の袋群Bgを下流に向けて搬送する。なお放出搬送装置19は、載せられた複数の袋群Bgを間欠的に搬送してもよいし、間欠停止することなく継続的に搬送してもよい。なお、放出搬送装置19の後段には任意のデバイスを設置可能である。例えば、放出搬送装置19によって下流に搬送された複数の袋群Bgは、放出搬送装置19の後段に設置された包装機などの他の装置や袋群Bgをストックする収容器に送り出される。
【0058】
次に、上述の袋搬送システム10の作動例について説明する。
【0059】
図2~
図5は、
図1に示す袋搬送システム10の作動例を示す図である。以下に説明する袋搬送システム10の作動は、移送制御部32の制御下で適宜実施される。
【0060】
図2に示すように、第1空移送体待機ゾーンZ41及び第2空移送体待機ゾーンZ42の各々には、複数の空の移送体30が待機する。
図2に示す例において第1空移送体待機ゾーンZ41で待機する複数の移送体30は、第1レーン21及び第4レーン24において、第1袋供給ゾーンZ11よりも上流側に位置する。また
図2に示す例において第2空移送体待機ゾーンZ42で待機する複数の移送体30は、第6レーン26及び第1レーン21において、第2袋供給ゾーンZ12よりも上流側に位置する。特に第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42は、第1レーン21のうち第5レーン25が接続する部分よりも下流側に位置する。
【0061】
なお、
図2に示す例では、袋放出ゾーンZ2にも複数の空の移送体30が待機している。ただし、袋放出ゾーンZ2には、空の移送体30が待機していなくてもよい。
【0062】
そして
図2に示すように、第1空移送体待機ゾーンZ41から第1袋供給ゾーンZ11に2つの空の移送体30が移動し、第2空移送体待機ゾーンZ42から第2袋供給ゾーンZ12に2つの空の移送体30が移動する。特に、第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42(とりわけ第2袋供給ゾーンZ12に隣り合って設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42)から第2袋供給ゾーンZ12に移送体30が移動されることで、第2袋供給ゾーンZ12に移送体30を迅速に補給することができる。
【0063】
そして第1袋供給装置11aから、第1袋供給ゾーンZ11に待機する2つの空の移送体30に、1つずつ袋群Bgが供給される。同様に、第2袋供給装置11bから第2袋供給ゾーンZ12に待機する2つの空の移送体30に、1つずつ袋群Bgが供給される。
【0064】
このようにして第1袋供給ゾーンZ11で袋群Bgが供給された2つの移送体30は、袋群Bgとともに、第1レーン21を通って第5レーン25に進行し、第1袋移送体待機ゾーンZ31で待機する(
図3参照)。一方、第2袋供給ゾーンZ12で袋群Bgが供給された2つの移送体30は、袋群Bgとともに、第1レーン21を通って第2レーン22に進行し、第2袋移送体待機ゾーンZ32で待機する。
【0065】
そして、上述の「移送体30の空移送体待機ゾーンZ41、Z42から袋供給ゾーンZ11、Z12への移動」、「袋供給ユニット11から、袋供給ゾーンZ11、Z12に位置する移送体30への袋群Bgの供給」及び「移送体30の袋供給ゾーンZ11、Z12から袋移送体待機ゾーンZ31、Z32への移動及び袋移送体待機ゾーンZ31、Z32での待機」が繰り返される。その結果、第1袋移送体待機ゾーンZ31及び第2袋移送体待機ゾーンZ32の各々には、袋群Bgを支持する複数の移送体30が待機する。
【0066】
なお、第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42には、待機する移送体30の減少に応じて、第6レーン26に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42から新たな空の移送体30が補給される。第6レーン26に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42から第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42への移送体30の補給タイミングは限定されない。第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42から第2袋供給ゾーンZ12に所定数の移送体30(例えば2以上の移送体30)が移動した後に、第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42への新たな空の移送体30の補給が行われてもよい。或いは、第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42から全ての移送体30が移動した後に、第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42への新たな空の移送体30の補給が行われてもよい。
【0067】
本例では、第1袋供給ゾーンZ11から第1袋移送体待機ゾーンZ31への移送体30の移動ルートと、第6レーン26に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42から第1レーン21に設けられる第2空移送体待機ゾーンZ42への移送体30の移動ルートとが、第1レーン21において部分的に一致する。そのため移送制御部32は、移送体30同士がぶつからないように、第1袋供給ゾーンZ11から第1袋移送体待機ゾーンZ31へ移動する移送体30及び第6レーン26から第1レーン21へ移動する移送体30の移動タイミング及び/又は移動速度を制御する。
【0068】
また、第1袋移送体待機ゾーンZ31から袋放出ゾーンZ2への移送体30の移動ルートと、第2袋移送体待機ゾーンZ32から袋放出ゾーンZ2への移送体30の移動ルートとが、第3レーン23において少なくとも部分的に一致する。また袋放出ゾーンZ2から第1空移送体待機ゾーンZ41への移送体30の移動ルートと、袋放出ゾーンZ2から第2空移送体待機ゾーンZ42への移送体30の移動ルートとが、第3レーン23において少なくとも部分的に一致する。そのため移送制御部32は、移送体30同士がぶつからないように、これらのゾーン間を移動する各移送体30の移動タイミング及び/又は移動速度を制御する。
【0069】
そして、袋群Bgを支持する複数の移送体30が、第1袋移送体待機ゾーンZ31及び第2袋移送体待機ゾーンZ32から袋放出ゾーンZ2に移動し(
図4参照)、袋放出ゾーンZ2において直線状に並べられる(
図5参照)。このようにして袋群Bgを持つ新たな移送体30が袋放出ゾーンZ2に移動するのに先立って、袋放出ゾーンZ2に待機していた空の移送体30は、袋放出ゾーンZ2から第1空移送体待機ゾーンZ41及び第2空移送体待機ゾーンZ42に移動する。その結果、袋放出ゾーンZ2には空きスペースが生まれ、当該空きスペースに袋群Bgを持つ新たな移送体30が移動する。
【0070】
本例では、第1袋移送体待機ゾーンZ31及び第2袋移送体待機ゾーンZ32の両方から袋放出ゾーンZ2に移送体30が移動する。そのため移送制御部32は、移送体30同士がぶつからないように、第1袋移送体待機ゾーンZ31から袋放出ゾーンZ2へ移動する移送体30及び第2袋移送体待機ゾーンZ32から袋放出ゾーンZ2へ移動する移送体30の移動タイミング及び/又は移動速度を制御する。
【0071】
そして、袋放出ゾーンZ2において所望数の移送体30が並べられた状態で、後段送出装置18によって、これらの移送体30から後段ユニット13(特に放出搬送装置19)に袋群Bgが移動させられる。その結果、
図5に示すように、放出搬送装置19には、袋放出ゾーンZ2に位置する複数の移送体30から送り出された複数の袋群Bgが、直線状に一列に並んだ状態で載せられる。
【0072】
このようにして複数の袋群Bgが載せられた放出搬送装置19は、載せられる袋群Bgを下流に移動させる。これにより放出搬送装置19のうち袋放出ゾーンZ2に隣り合う領域が空き領域になり、当該空き領域に、次に袋放出ゾーンZ2に並べられる複数の移送体30から送り出される袋群Bgが、直線状に一列に並んだ状態で載せられる。
【0073】
袋搬送システム10は上述の一連の工程を繰り返し行うことで、後段ユニット13(放出搬送装置19)に対し、1列に並んだ所望数の袋群Bgを、断続的に供給し続けることができる。
【0074】
以上説明したように本実施形態の袋移送ユニット(物品移送ユニット)12は、袋供給ユニット(物品供給ユニット)11から送り出される複数の袋群(物品群)Bgを袋供給ゾーン(物品供給ゾーン)Z11、Z12で受け取って袋放出ゾーン(物品放出ゾーン)Z2に移送し、袋放出ゾーンZ2から後段ユニット13に送り出す。当該袋移送ユニット12は、袋供給ゾーンZ11、Z12及び袋放出ゾーンZ2を有する移送レーン20と、移送レーン20に沿ってお互いに独立して移動可能な複数の移送体30であって、袋供給ゾーンZ11、Z12で受け取った袋群Bgとともに袋放出ゾーンZ2に移動する複数の移送体30と、袋放出ゾーンZ2に位置する1以上の移送体30から後段ユニット13に袋群Bgを送り出す後段送出装置18と、複数の移送体30の移動及び後段送出装置18をコントロールする移送制御部32と、を備える。複数の袋群Bgの各々は、1又は複数の袋(物品)Bを含む。袋放出ゾーンZ2には2以上の移送体30が同時に位置することが可能である。移送制御部32は、複数の移送体30の移動をコントロールして、袋放出ゾーンZ2に同時に位置する移送体30の数及び位置のうちの少なくともいずれか一方を変えられる。
【0075】
また本実施形態の袋搬送システム(物品搬送システム)10は、製袋機14を含む袋供給ユニット(物品供給ユニット)11と、袋移送ユニット(物品移送ユニット)12と、袋移送ユニット12から送り出される1又は複数の袋群Bgを物品群として受け取る後段ユニット13と、を備える。
【0076】
当該袋移送ユニット12及び当該袋搬送システム10によれば、袋移送ユニット12から後段ユニット13に移送する袋群Bgの数及び位置を適応的に変更可能である。すなわち移送制御部32の制御下で袋放出ゾーンZ2に同時に位置する移送体30の数を変えることで、袋移送ユニット12から後段ユニット13に移送する袋群Bgの数を増減させることができる。また移送制御部32の制御下で袋放出ゾーンZ2における移送体30の位置を調整することで、袋移送ユニット12から後段ユニット13に移送する袋群Bgの移送位置を調整することができる。
【0077】
また移送レーン20は、袋移送体待機ゾーン(物品移送体待機ゾーン)Z31、Z32を有し、複数の移送体30のうち袋群Bgとともに移動する移送体30は、袋移送体待機ゾーンZ31、Z32を経由して、袋放出ゾーンZ2に移動する。
【0078】
これにより、各移送体30は、移送レーン20に沿って、袋移送体待機ゾーンZ31、Z32から袋放出ゾーンZ2に効率的に移動できる。特に、袋移送体待機ゾーンZ31、Z32を移送体30の待機ゾーンとして利用することで、袋移送体待機ゾーンZ31、Z32に袋群Bgを持つ移送体30をストックしつつ、必要に応じて、所望タイミングで所望数の移送体30を袋放出ゾーンZ2に移動させることが可能である。これにより、袋供給ユニット11から袋移送ユニット12に一度に移送することができる袋群Bgの数よりも、袋移送ユニット12から後段ユニット13に一度に移送すべき袋群Bgの数が多い場合であっても、袋放出ゾーンZ2に所望数の移送体30を迅速に配置することができ、袋移送ユニット12から後段ユニット13への所望数の袋群Bgの移送を効率良く行うことができる。
【0079】
また移送レーン20は、空移送体待機ゾーンZ41、Z42を有し、複数の移送体30のうち袋群Bgを持たずに移動する移送体30は、空移送体待機ゾーンZ41、Z42を経由して、袋供給ゾーンZ11、Z12に移動する。
【0080】
これにより、各移送体30は、移送レーン20に沿って、空移送体待機ゾーンZ41、Z42から袋供給ゾーンZ11、Z12に効率的に移動できる。特に、空移送体待機ゾーンZ41、Z42を移送体30の待機ゾーンとして利用することで、空移送体待機ゾーンZ41、Z42に袋群Bgを持たない移送体30をストックしつつ、必要に応じて、所望タイミングで所望数の移送体30を袋供給ゾーンZ11、Z12に移動させることが可能である。
【0081】
また袋供給ゾーンZ11、Z12は複数設けられ、複数の袋供給ゾーンZ11、Z12の各々に、袋供給ユニット11から送り出された袋群Bgが供給される。
【0082】
これにより、多数の袋群Bgを袋供給ユニット11から袋移送ユニット12に効率的に供給することができる。
【0083】
また空移送体待機ゾーンZ41、Z42は複数設けられ、複数の空移送体待機ゾーンZ41、Z42は、複数の袋供給ゾーンZ11、Z12に対して割り当てられ、複数の移送体30の各々は、複数の空移送体待機ゾーンZ41、Z42のいずれかを経由して、割り当てられた袋供給ゾーンZ11、Z12に移動する。
【0084】
これにより、複数の袋供給ゾーンZ11、Z12に対して移送体30を効率的に移動させることができる。
【0085】
また複数の移送体30は、磁力によって、移送レーン20に沿って移動し、移送制御部32は、複数の移送体30に作用する磁力をコントロールする。
【0086】
これにより、移送体30は、振動等の外力の影響が低減された状態で、スムーズに移動することができ、袋群Bgの状態が崩れるのを抑えつつ、袋供給ゾーンZ11、Z12から袋放出ゾーンZ2に袋群Bgを運ぶことができる。また移送体30の停止位置を柔軟に調整することが可能であり、袋放出ゾーンZ2における移送体30の配置数及び配置位置を細かく変えられる。
【0087】
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0088】
図6は、第2実施形態に係る袋搬送システム10の一例の概略を示す平面図である。
【0089】
本実施形態では、複数の袋放出ゾーン(すなわち第1袋放出ゾーンZ21、第2袋放出ゾーンZ22及び第3袋放出ゾーンZ23)設けられる。これらの袋放出ゾーンZ21、Z22、Z23は、後段ユニット13が具備する複数の放出搬送装置(第1放出搬送装置19a、第2放出搬送装置19b及び第3放出搬送装置19c:複数の後段装置)のそれぞれに対して割り当てられる。
【0090】
図6に示す例では、第1袋放出ゾーンZ21に隣り合って第1放出搬送装置19aが設けられ、第2袋放出ゾーンZ22に隣り合って第2放出搬送装置19bが設けられ、第3袋放出ゾーンZ23に隣り合って第3放出搬送装置19cが設けられる。
【0091】
後段送出装置18は、第1袋放出ゾーンZ21に位置する4つの移送体30から第1放出搬送装置19aに4つの袋群Bgを送り出し、第2袋放出ゾーンZ22に位置する6つの移送体30から第2放出搬送装置19bに6つの袋群Bgを送り出し、第3袋放出ゾーンZ23に位置する4つの移送体30から第3放出搬送装置19cに4つの袋群Bgを送り出す。
【0092】
後段送出装置18は、第1袋放出ゾーンZ21~第3袋放出ゾーンZ23のそれぞれから第1放出搬送装置19a~第3放出搬送装置19cへの袋群Bgの送り出しを同時的に(すなわち同一タイミングで)行ってもよいし、別々のタイミングで行ってもよい。また後段送出装置18は、第1袋放出ゾーンZ21~第3袋放出ゾーンZ23に対する共通の装置として設けられてもよいし、第1袋放出ゾーンZ21~第3袋放出ゾーンZ23のそれぞれに割り当てられる複数の別体装置として設けられてもよい。
【0093】
移送制御部32は、各移送体30の移動を緻密にコントロールして、袋放出ゾーンZ21、Z22、Z23の各々において所望数の移送体30を所望位置に正確に配置する。
【0094】
図6に示す袋搬送システム10の他の構成は、上述の
図1に示す袋搬送システム10と同様である。
【0095】
本実施形態の袋移送ユニット12によれば、後段ユニット13が複数の放出搬送装置(第1放出搬送装置19a~第3放出搬送装置19c)を具備する場合であっても、それぞれの放出搬送装置19a~19cに対して所望数の袋群Bgを適切に供給することが可能である。
【0096】
特に
図6に示す複数の袋放出ゾーン(第1袋放出ゾーンZ21~第3袋放出ゾーンZ23)は、
図1に示す1つの袋放出ゾーンZ2を複数ゾーンに区分することで、相互に区分される。したがって
図6に示す袋移送ユニット12は、後段ユニット13が
図6に示す3つの放出搬送装置19a~19cとは異なる数の放出搬送装置を含む場合、及び、後段ユニット13が
図6に示す3つの放出搬送装置19a~19cとは配置が異なる複数の放出搬送装置を含む場合にも、適応可能である。
【0097】
[第3実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0098】
図7は、第3実施形態に係る袋搬送システム10の一例の概略を示す平面図である。
【0099】
袋供給ユニット11が具備する袋供給装置の数は限定されず、
図7に示す例では3つの袋供給装置(すなわち第1袋供給装置11a~第3袋供給装置11c)が設けられる。袋供給ゾーンの数も限定されず、
図7に示す例では3つの袋供給装置11a~11cのそれぞれに割り当てられる3つの袋供給ゾーン(すなわち第1袋供給ゾーンZ11~第3袋供給ゾーンZ13)が第1レーン21に設けられる。
【0100】
第1袋供給ゾーンZ11には、第1袋供給装置11aから袋群Bgが供給される1以上の移送体30(
図7に示す例では2つの移送体30)が同時的に配置される。第2袋供給ゾーンZ12には、第2袋供給装置11bから袋群Bgが供給される1以上の移送体30(
図7に示す例では2つの移送体30)が同時的に配置される。第3袋供給ゾーンZ13には、第3袋供給装置11cから袋群Bgが供給される1以上の移送体30(
図7に示す例では2つの移送体30)が同時的に配置される。
【0101】
本実施形態においても、それぞれの袋供給ゾーンZ11~Z13に対して、別々の袋移送体待機ゾーンZ31~Z33及び別々の空移送体袋機ゾーンZ41~Z43が割り当てられる。
【0102】
具体的には、移送レーン20は、上述の第1レーン21~第6レーン26に加えて、第7レーン27及び第8レーン28を更に有する。
【0103】
第2レーン22の両端は、第1レーン21の途中及び第3レーン23の途中に接続され、第7レーン27の両端が、第1レーン21の端部及び第3レーン23の端部に接続される。第2レーン22の一方の端部は、第1レーン21のうち第2袋供給ゾーンZ12と第3袋供給ゾーンZ13との間の部分に接続され、他方の端部は、第3レーン23のうち第5レーン25が接続される部分と第7レーン27が接続される部分との間の部分に接続される。
【0104】
したがって
図7に示す例では、第1レーン21、第7レーン27、第3レーン23及び第4レーン24が、この順番で環状(すなわち無端状)に並べられ、隣り合うレーンはお互いに対して隙間なく接続する。
【0105】
第8レーン28の一方の端部は、第1レーン21のうち第1袋供給ゾーンZ11と第2袋供給ゾーンZ12の間の部分(特に、第1レーン21のうち第6レーン26が接続される部分と第5レーン25が接続される部分との間の部分)に接続される。第8レーン28の他方の端部は、第3レーン23のうち袋放出ゾーンZ2と第6レーン26が接続される部分との間の部分に接続される。
【0106】
第1袋供給ゾーンZ11~第3袋供給ゾーンZ13は、第1レーン21において、上流側から下流側に向かってこの順番で設けられる。また第1袋移送体待機ゾーンZ31、第2袋移送体待機ゾーンZ32及び第3袋移送体待機ゾーンZ33は、それぞれ第5レーン25、第2レーン22及び第7レーン27に設けられる。また第1空移送体待機ゾーンZ41、第2空移送体待機ゾーンZ42及び第3空移送体待機ゾーンZ43は、それぞれ第4レーン24、第6レーン26及び第8レーン28に設けられる。
【0107】
なお第1レーン21のうち第5レーン25が接続される部分と第2袋供給ゾーンZ12との間の領域が、第2空移送体待機ゾーンZ42及び/又は第3空移送体待機ゾーンZ43として利用されてもよい。また第1レーン21のうち第2レーン22が接続される部分と第3袋供給ゾーンZ13との間の領域が、第3空移送体待機ゾーンZ43として利用されてもよい。
【0108】
本例では、複数の移送体30は、第1袋供給装置11aから袋群Bgを受け取って袋放出ゾーンZ2に運ぶ第1移送体グループと、第2袋供給装置11bから袋群Bgを受け取って袋放出ゾーンZ2に運ぶ第2移送体グループと、第3袋供給装置11cから袋群Bgを受け取って袋放出ゾーンZ2に運ぶ第3移送体グループとに分類される。
【0109】
第1移送体グループの移送体30の移動ルートは、第1袋供給ゾーンZ11(第1レーン21)、第1袋移送体待機ゾーンZ31(第5レーン25)、袋放出ゾーンZ2(第3レーン23)及び第1空移送体待機ゾーンZ41(第4レーン24)を含む閉ループルートである(
図7中の一点鎖線参照)。
【0110】
第2移送体グループの移送体30の移動ルートは、第2袋供給ゾーンZ12(第1レーン21)、第2袋移送体待機ゾーンZ32(第2レーン22)、袋放出ゾーンZ2(第3レーン23)及び第2空移送体待機ゾーンZ42(第6レーン26)を含む閉ループルートである(
図7中の二点鎖線参照)。
【0111】
第3移送体グループの移送体30の移動ルートは、第3袋供給ゾーンZ13(第1レーン21)、第3袋移送体待機ゾーンZ33(第7レーン27)、袋放出ゾーンZ2(第3レーン23)及び第3空移送体待機ゾーンZ43(第8レーン28)を含む閉ループルートである(
図7中の点線参照)。
【0112】
本例では、第1移送体グループ~第3移送体グループ間で移送体30の移動ルートが、第1レーン21及び第3レーン23の各々において少なくとも部分的に一致する。そのため移送制御部32は、移送体30同士がぶつからないように、各移送体30の移動タイミング及び/又は移動速度を制御する。
【0113】
[変形例]
上述の各実施形態では、1又は複数の袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23に袋群Bgを持つ新たな移送体30を位置づける際に、複数の袋移送体待機ゾーンZ31~Z32から1又は複数の袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23に移送体30が移動するが、これには限定されない。例えば、複数の袋移送体待機ゾーンZ31~Z32のうちの1つ(例えば第1袋移送体待機ゾーンZ31)のみから、1又は複数の袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23に所望数の新たな移送体30を移動させてもよい。この場合、1又は複数の袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23から後段ユニット13に袋群Bgが送り出された後、新たな移送体30を1又は複数の袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23に位置づける際には、別の1つの袋移送体待機ゾーン(例えば第2袋移送体待機ゾーンZ32)のみから、1又は複数の袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23に所望数の新たな移送体30を移動させてもよい。
【0114】
また袋移送体待機ゾーンZ31~Z33は設けられなくてもよい。この場合、袋供給ゾーンZ11~Z13で袋Bが補給された移送体30は、袋供給ゾーンZ11~Z13から袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23に直接的に移動し、袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23において待機してもよい。
【0115】
また空移送体待機ゾーンZ41~Z43は設けられなくてもよい。この場合、袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23で袋群Bgを放出した後の空の移送体30は、袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23で待機した後、袋放出ゾーンZ2、Z21~Z23から袋供給ゾーンZ11~Z13に直接的に移動してもよい。
【0116】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 袋搬送システム、11 袋供給ユニット、11a 第1袋供給装置、11b 第2袋供給装置、11c 第3袋供給装置、12 袋移送ユニット、13 後段ユニット、14 製袋機、15 供給中継装置、16 供給コンベア、17 集積装置、18 後段送出装置、19 放出搬送装置、19a 第1放出搬送装置、19b 第2放出搬送装置、19c 第3放出搬送装置、20 移送レーン、21 第1レーン、22 第2レーン、23 第3レーン、24 第4レーン、25 第5レーン、26 第6レーン、27 第7レーン、28 第8レーン、30 移送体、32 移送制御部、B 袋、Bg 袋群、Z11 第1袋供給ゾーン、Z12 第2袋供給ゾーン、Z13 第3袋供給ゾーン、Z2 袋放出ゾーン、Z21 第1袋放出ゾーン、Z22 第2袋放出ゾーン、Z23 第3袋放出ゾーン、Z31 第1袋移送体待機ゾーン、Z32 第2袋移送体待機ゾーン、Z33 第3袋移送体待機ゾーン、Z41 第1空移送体待機ゾーン、Z42 第2空移送体待機ゾーン、Z43 第3空移送体待機ゾーン