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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100547
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8238 20060101AFI20230711BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20230711BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20230711BHJP
   H10B 12/00 20230101ALI20230711BHJP
   H10B 99/00 20230101ALI20230711BHJP
【FI】
H01L27/092 F
H01L21/82 S
H01L27/06 102A
H01L21/82 L
H01L27/108 681F
H01L27/10 481
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001304
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 博之
【テーマコード(参考)】
5F048
5F064
5F083
【Fターム(参考)】
5F048AB01
5F048AC03
5F048AC10
5F048BB05
5F048BF16
5F048BF17
5F048CB02
5F064BB07
5F064BB12
5F064BB14
5F064CC09
5F064CC12
5F064CC22
5F064EE23
5F064EE27
5F064EE42
5F083AD00
5F083GA06
5F083GA09
5F083LA09
5F083LA10
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083ZA01
(57)【要約】
【課題】所望の電圧まで降圧させることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】第1の電圧を第2の電圧に降圧して出力部から出力する降圧回路における前記第2の電圧を供給する第1のトランジスタ又は第2のトランジスタの少なくとも一方は、前記出力部に接続されているドレイン電極の拡散層と第1の金属層とを接続する第1のコンタクトの数より、接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給されるソース電極の第2のコンタクトの数の方が多く設けられており、前記出力部に接続されている前記ドレイン電極の前記第1の金属層と第2の金属層とを接続する第1のビアの数より、接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の第2のビアの数の方が多く設けられている半導体装置100が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電圧を第2の電圧に降圧して出力部から出力する降圧回路における前記第2の電圧を供給する第1のトランジスタ又は第2のトランジスタの少なくとも一方は、
前記出力部に接続されているドレイン電極の拡散層と第1の金属層とを接続する第1のコンタクトの数より、接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給されるソース電極の第2のコンタクトの数の方が多く設けられており、前記出力部に接続されている前記ドレイン電極の前記第1の金属層と第2の金属層とを接続する第1のビアの数より、接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の第2のビアの数の方が多く設けられている、
半導体装置。
【請求項2】
複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とによって分割され、前記第2の電圧を供給するために前記出力部の電圧をフィードバックして参照電圧と比較して発生させた第3の電圧が供給されるゲート電極のポリシリコン層が前記ドレイン電極又は前記ソース電極の拡散層を囲んでいる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の前記第2の金属層と、前記出力部に接続されている前記ドレイン電極の前記第2の金属層とが、前記拡散層の上部でゲート長方向に配線され、前記ソース電極の前記第2の金属層の配線が、前記ドレイン電極の前記第2の金属層の配線の間を通過している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の前記第2の金属層が、前記出力部に接続されている前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタの前記拡散層の上部でゲート長方向に配線され、前記出力部に接続されているドレイン電極の前記第2の金属層が、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタの前記拡散層の外側でゲート長方向に配線されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2のコンタクトの数は前記第1のコンタクトの数の2倍以上であり、
前記第2のビアの数は前記第1のビアの数の2倍以上である、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置と、
前記半導体装置と電気的に接続されるメモリセルと、
を備える、半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は微細化が進んでおり、半導体装置の内部回路の電源電圧は低下させる必要がある。一方、半導体装置へ供給される外部電源電圧は、従来仕様との互換性を保つために従来通りの高い電圧でありうる。そこで、外部電源電圧が高電圧で入力される場合を考慮して、高電圧を低電圧へ降圧するレギュレータを半導体装置に内蔵し、このレギュレータの出力電圧を内部回路へ供給することが行われる。例えば、特許文献1は、半導体装置において、外部電源電圧をチップ内部で必要とする電源電圧に降圧する降圧回路を開示している。
【0003】
また例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の場合、メモリキャパシタの信号電荷量を規定するとともに、プリチャージ時のデータ線電圧として、外部電源電圧を内部動作電圧に降圧した上で、さらに1/2に降圧するのに、ドライバを備えた降圧回路を用いることが一般的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-87987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしプロセスの微細化が進むと、降圧回路において十分に電流を引き抜けず、電圧を降下させることができず、出力電圧が規定の電圧を超えてしまう場合があった。十分に電流を引き抜けないのは、電流を引き抜くためのドライバの閾値の上昇に起因するものであり、ドライバのゲート幅を大きくしても、電流の引き抜きの改善効果がほとんど得られない。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、所望の電圧まで降圧させることが可能な半導体装置及び半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る半導体装置は、第1の電圧を第2の電圧に降圧して出力部から出力する降圧回路における前記第2の電圧を供給する第1のトランジスタ又は第2のトランジスタの少なくとも一方は、前記出力部に接続されているドレイン電極の拡散層と第1の金属層とを接続する第1のコンタクトの数より、接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給されるソース電極の第2のコンタクトの数の方が多く設けられており、前記出力部に接続されている前記ドレイン電極の前記第1の金属層と第2の金属層とを接続する第1のビアの数より、接地電圧に接続されている、または前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の第2のビアの数の方が多く設けられている。
【0008】
本発明の第2態様に係る半導体装置は、第1態様に係る半導体装置であって、複数の前記ソース電極と複数の前記ドレイン電極とによって分割され、前記第2の電圧を供給するために前記出力部の電圧をフィードバックして参照電圧と比較して発生させた第3の電圧が供給されるゲート電極のポリシリコン層が前記ドレイン電極又は前記ソース電極の拡散層を囲んでいる。
【0009】
本発明の第3態様に係る半導体装置は、第1態様に係る半導体装置であって、前記接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の前記第2の金属層と、前記出力部に接続されている前記ドレイン電極の前記第2の金属層とが、前記拡散層の上部でゲート長方向に配線され、前記ソース電極の前記第2の金属層の配線が、前記ドレイン電極の前記第2の金属層の配線の間を通過している。
【0010】
本発明の第4態様に係る半導体装置は、第1態様に係る半導体装置であって、前記接地電圧に接続されている、又は前記第1の電圧が供給される前記ソース電極の前記第2の金属層が、前記出力部に接続されている前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタの前記拡散層の上部でゲート長方向に配線され、前記出力部に接続されているドレイン電極の前記第2の金属層が、前記第1のトランジスタ又は前記第2のトランジスタの前記拡散層の外側でゲート長方向に配線されている。
【0011】
本発明の第5態様に係る半導体装置は、第1態様~第4態様のいずれかに係る半導体装置であって、前記第2のコンタクトの数は前記第1のコンタクトの数の2倍以上であり、前記第2のビアの数は前記第1のビアの数の2倍以上である。
【0012】
本発明の第6態様に係る半導体記憶装置は、第1態様~第5態様のいずれかに係る半導体装置と、前記半導体装置と電気的に接続されるメモリセルと、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所望の電圧まで降圧させることが可能な半導体装置及び半導体記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す図である。
図2】本実施形態に係るドライバのNMOSトランジスタの平面図である。
図3】本実施形態に係るドライバのNMOSトランジスタの、図2のA-A’線の断面図である。
図4】比較例となるNMOSトランジスタの平面図である。
図5】本実施形態に係るドライバのNMOSトランジスタの平面図である。
図6】本実施形態に係るドライバのNMOSトランジスタの平面図である。
図7】本実施形態に係るドライバのNMOSトランジスタの平面図である。
図8】本実施形態に係る半導体装置を備えた半導体記憶装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0016】
図1は、本実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す図である。
【0017】
図1に示した半導体装置100は、直列に接続された抵抗R1、R2、R3と、コンパレータ101、102と、インバータ103、104と、ドライバ105、106と、を備える。ドライバ105はPMOSトランジスタであり、ドライバ106はNMOSトランジスタである。
【0018】
抵抗R1、R2、R3は、内部動作電圧VDを分圧するために設けられる。コンパレータ101は、抵抗R1と、抵抗R2、R3とによって内部動作電圧VDが分圧された電圧VREFUと、半導体装置100の出力電圧VCPとを比較して、出力電圧VCPの方が高ければ、ドライバ106のNMOSトランジスタをオンするための信号を出力する。コンパレータ102は、抵抗R1、R2と、抵抗R3と、によって内部動作電圧VDが分圧された電圧VREFLと、半導体装置100の出力電圧VCPとを比較して、出力電圧VCPの方が低ければ、ドライバ105のPMOSトランジスタをオンするための信号を出力する。なお、電圧VREFUはVD/2+ΔVであり、電圧VREFLはVD/2-ΔVである。
【0019】
ドライバ106は、NMOSトランジスタからなり、電圧VREFUと、半導体装置100の出力電圧VCPとを比較して、出力電圧VCPの方が高ければ、コンパレータ101からの出力に応じてNMOSトランジスタがオンされる。ドライバ106のNMOSトランジスタがオンされると、半導体装置100の出力から電流を引き抜き、出力電圧VCPを下げる。
【0020】
ドライバ105は、PMOSトランジスタからなり、電圧VREFLと、半導体装置100の出力電圧VCPとを比較して、出力電圧VCPの方が低ければ、コンパレータ102からの出力に応じてPMOSトランジスタがオンされる。ドライバ105のPMOSトランジスタがオンされると、半導体装置100の出力へ電流を流し込み、出力電圧VCPを上げる。
【0021】
本実施形態に係る半導体装置100は、ドライバ106の電流の引き抜き性能を高めることで、出力電圧VCPがVD/2+ΔVを超えないように制御できる。ドライバ106のNMOSトランジスタの構造例について説明する。
【0022】
(第1実施例)
まず、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの第1の実施例を示す。図2は、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの平面図である。また、図3は、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの、図2のA-A’線の断面図である。
【0023】
図2及び図3に示したように、ドライバ106の第1の実施例のNMOSトランジスタは、ソース電極の配線M1層108、ドレイン電極の配線M1層109、図1に示したNGノードのポリシリコン層110、コンタクト111、ビア112、NGノードのコンタクト113、NGノードの配線M1層114、VSSノードの配線M2層115、VCPノードの配線M2層116、及びN+拡散層117を備える。
【0024】
本実施形態に係るドライバ106は、回路面積を小さく抑えるため、電源電圧VD、接地電圧VSS及び出力電圧VCPはMOSドライバの上に配線している。なお、図2では、周囲に存在するドライバ106のNMOSトランジスタの基板電圧を給電するガードリング領域及びガードバンド領域の図示を省略している。ガードリング領域及びガードバンド領域の図示の省略は、以降の図でも同様である。
【0025】
図2及び図3に示したドライバ106のNMOSトランジスタは、VSSノードの配線M2層115が形成されている領域において、VCPノードの配線M2層116に接続されているドレイン電極のN+拡散層117とドレイン電極の配線M1層109とを接続するコンタクト111(以下第1のコンタクトとも称する)の数より、VSSノードの配線M2層115に接続されているコンタクト111(以下第2のコンタクトとも称する)の数が多く設けられている。また、ドライバ106の第1の実施例のNMOSトランジスタは、VCPノードに接続されているドレイン電極の配線M1層109とVCPノードの配線M2層116とを接続するビア112(以下第1のビアとも称する)の数より、VSSノードに接続されているドレイン電極の配線M1層109とVSSノードの配線M2層115とを接続するビア112(以下第2のビアとも称する)の数の方が多く設けられている。
【0026】
例えば、第2のコンタクトの数は、第1のコンタクトの数の2倍以上であってもよい。また例えば、第2のビアの数は、第1のビアの数の2倍以上であってもよい。なおビア及びコンタクトの数は、回路規模に応じて適切に選択される。
【0027】
比較例として、VCPノードの配線M2層116に接続されているドレイン電極のN+拡散層117とドレイン電極の配線M1層109とを接続するコンタクト111と、接地電圧VSSに接続されているソース電極のコンタクト111の数とを同数にし、かつ、VCPノードに接続されているドレイン電極の配線M1層109とVCPノードの配線M2層116とを接続するビア112の数と、VSSノードに接続されているドレイン電極の配線M1層109とVSSノードの配線M2層115とを接続するビア112の数とを同数にした例を示す。
【0028】
図4は、ドライバ106のNMOSトランジスタの比較例となるNMOSトランジスタの平面図である。
【0029】
DRAMのメモリセルのプレート線電圧又はビット線プリチャージ電圧のように数mA以上の電流がVCPノードから引き抜かれる場合、外部パッドの接地電圧VSSに接続する経路の配線M2層115からソース電極のN+拡散層117の間にあるコンタクト111とビア112との抵抗によって、拡散層ソース電極の電圧が浮き上る。一方、ドライバ106の基板電圧は、電流が引き抜かれることが無いので電圧の浮き上りは無く、接地電圧VSSが供給されている。よって、ドライバ106のNMOSトランジスタの基板効果により閾値が上昇し、特にプロセスが微細化して、元々閾値が高く電圧VDが低い場合には、ドライバ106のゲート(NGノード)を電圧VDまで振幅させても十分な電流の引き抜きが得られない。十分な電流の引き抜きが得られないと、VCPノードの出力電圧がVD/2+ΔVを超えてしまうおそれがあった。トランジスタの閾値の上昇に起因するものであるので、ドライバ106のゲート幅を大きくしても、電流の引き抜きの改善効果はほとんど得られない。
【0030】
すなわち、図4に示した比較例では、放電能力が不足することにより、所望の電圧まで低下させることができない場合がある。
【0031】
これに対して、図2及び図3に示したドライバ106のNMOSトランジスタは、図2に示したようにコンタクト111とビア112とを設けることで、VSSノードの配線M2層115からソース電極のN+拡散層117の間にあるコンタクト111とビア112の抵抗を下げることが出来る。コンタクト111とビア112の抵抗を下げることで、基板効果によるドライバ106のNMOSトランジスタの閾値の上昇が抑えられる。
【0032】
詳細には、ソース拡散層を広げてコンタクト及びビアの数を2倍した場合、コンタクト抵抗及びビア抵抗は1/2になる。拡散層抵抗を考慮したとしても、どのような拡散層抵抗値であっても(すなわち、あらゆるプロセスであっても)、図2及び図3に示したドライバ106のNMOSトランジスタは必ず抵抗低減の効果が得られる。コンタクト抵抗及びビア抵抗が低減されれば、ソースの浮き上がりは低減されて、しきい値の上昇が抑えられることで、放電能力を確保することができる。
【0033】
ドライバ106のNMOSトランジスタの閾値の上昇が抑えられることで、VCPノードへの電流の流れ込みに対してゲート幅に比例した十分な電流引き抜き能力が確保でき、VCPノードの出力電圧をVD/2+ΔV以下に収めることができる。また、図2に示したように、両端のN+拡散層117をソース電極としたことによって、VCPノードの出力電圧VCPの電圧値に関わらず、ラッチアップを起こす可能性を無くすことができる。
【0034】
(第2実施例)
次に、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの第2の実施例を示す。図5は、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの平面図である。
【0035】
図5に示したNMOSトランジスタは、図2に示したNMOSトランジスタのレイアウトに対し、さらに素子分離領域上でNGノードのポリシリコン層110を接続して、ドレイン電極のN+拡散層117を囲んでいる。
【0036】
降圧回路を使用しない場合に、VCPノードの出力電圧VCPを、VD等の接地電圧VSS以外の何らかの仕様の電圧に固定した場合に、ドライバ106のNMOSトランジスタには、ソース電極とドレイン電極とで電位差があることによってフィールドリーク電流が発生する。第1の実施例によってソース電極が大きくなるとフィールドリーク電流は増加するが、第2の実施例によれば、ポリシリコン層110に接地電圧VSSを印加することによって、フィールドリーク電流を無くすことができる。
【0037】
(第3実施例)
次に、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの第3の実施例を示す。図6は、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの平面図である。
【0038】
図6に示したNMOSトランジスタは、図2に示したNMOSトランジスタのレイアウトに対し、外部パッドの接地電圧VSSに接続する経路のVSSノードの配線M2層115を、NGノードのポリシリコン層110の中心付近にゲート幅方向と垂直に配線し、VSSノードの配線M2層115の両側にVCPノードの配線M2層116を配線している。
【0039】
図2に示した第1の実施例では、VCPノードの配線M2層116側のVSSノードの配線M2層115のビア112への電流集中が起こる。VSSノードの配線M2層115のビア112への電流集中が起こると、VCPノードの配線M2層116の下のソース電極のN+拡散層117では電圧の浮き上りが大きく、VCPノードの配線M2層116の下の領域のMOSトランジスタの閾値が他の領域のMOSトランジスタの閾値よりも大きくなっている。
【0040】
第3の実施例によれば、VCPノードの配線M2層116側のビア112からソース電極のN+拡散層117の端までの距離を、第1の実施例より短くしている。VCPノードの配線M2層116側のビア112からソース電極のN+拡散層117の端までの距離が短くなることによって、VCPノードの配線M2層116側のビア112への電流集中を緩和することができる。そのため、同じコンタクト数及びビア数ならば、第1の実施例よりもドライバ106のNMOSトランジスタの閾値の上昇を抑えることができる。
【0041】
(第4実施例)
次に、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの第4の実施例を示す。図7は、本実施形態に係るドライバ106のNMOSトランジスタの平面図である。
【0042】
図7に示したNMOSトランジスタは、図2に示したNMOSトランジスタのレイアウトに対し、VSSノードの配線M2層115がN+拡散層117の上に配線されている。また図7に示したNMOSトランジスタは、図2に示したNMOSトランジスタのレイアウトに対し、VCPノードの配線M2層116は、VCPノードの配線M1層109を引出し、素子分離領域上に配線されている。
【0043】
第4の実施例によれば、VSSノードの配線M2層115のビア112の個数が増え、しかもそれぞれのビア112へ均等に電流を流すことができる。数が増えたビア112へ均等に電流を流すことによって、ソース電極のN+拡散層117の電圧の浮き上りは小さく抑えることが出来る。その為、第4の実施例は、基板効果によるドライバ106のNMOSトランジスタの閾値の上昇が抑えられ、VCPノードへの電流の流れ込みに対して、ゲート幅に比例した十分な電流引き抜き能力が確保できる。
【0044】
上記各実施例では、ドライバ106のNMOSトランジスタについて説明したが、ドライバ105のPMOSトランジスタについても同様の構成を適用することができる。また、上記各実施例のトランジスタの構成は、図1に示した電圧をVDからVD/2に降圧する半導体装置に、任意の電圧に降圧する回路のドライバ部のNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタについて適用可能である。
【0045】
続いて、本実施形態に係る半導体装置を備えた半導体記憶装置を示す。図8は、本実施形態に係る半導体装置100を備えた半導体記憶装置1の例を示す図である。
【0046】
図8に示した半導体記憶装置1は、半導体装置100と、半導体装置100に電気的に接続されているメモリセル10と、を備える。半導体装置100は、例えば、メモリセル10のプレート線電圧又はビット線プリチャージ電圧をVCPノードから供給する。半導体記憶装置1は、半導体装置100からの出力電圧VCPが安定して供給されることで、例えば図4に示したような比較例のトランジスタがドライバ105、106に設けられている場合に比べ、メモリセル10の動作が安定する。
【0047】
以上説明したように本実施形態によれば、所望の電圧まで降圧させることが可能な半導体装置100及び半導体装置100を備えた半導体記憶装置1が提供される。
【符号の説明】
【0048】
1 半導体記憶装置
10 メモリセル
100 半導体装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8