(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100551
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】製函装置、箱詰装置、及び製函方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/07 20170101AFI20230711BHJP
【FI】
B31B50/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001309
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】多田 照之
(72)【発明者】
【氏名】佐田 皓平
(72)【発明者】
【氏名】岡本 裕司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健汰
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA04
3E075BA04
3E075CA01
3E075DA03
3E075DA23
3E075DA32
3E075DC33
3E075DC53
3E075DD24
3E075DD42
3E075DE25
3E075GA01
(57)【要約】
【課題】装置の大型化を抑制できる製函装置、この製函装置を用いた箱詰装置、及びこの製函装置で用いられる製函方法を提供する。
【解決手段】製函装置100は、保持部121と、移動機構122とを備える。保持部121は、ダンボールシートSの第1側面T1を保持する。移動機構122は、保持部121がダンボールシートSの第1側面T1を保持し始める第1位置P1と、保持部121がダンボールシートSを角筒状に展開し終える第2位置P2との間で保持部121を移動させる。移動機構122は、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第1位置P1に近づく方向に移動させる第1動作と、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第2位置P2に近づく方向へ移動させる第2動作とを所定回数行い、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状のダンボール箱Bにする展開動作を行う。
【選択図】
図8C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳まれたダンボールシートを展開して角筒状のダンボール箱にする製函装置であって、
前記ダンボールシートの一側面を保持する保持部と、
前記保持部が前記ダンボールシートの前記一側面を保持し始める第1位置と、前記保持部が前記ダンボールシートを角筒状に展開し終える第2位置との間で前記保持部を移動させる移動機構と
を備え、
前記移動機構は、
前記ダンボールシートを保持した状態の前記保持部を前記第1位置に近づく方向に移動させる第1動作と、前記ダンボールシートを保持した状態の前記保持部を前記第2位置に近づく方向へ移動させる第2動作とを所定回数行い、折り畳まれた前記ダンボールシートを展開して角筒状の前記ダンボール箱にする展開動作を行う、
製函装置。
【請求項2】
前記展開動作は、
複数回の前記第1動作と、複数回の前記第2動作からなる、
請求項1に記載の製函装置。
【請求項3】
複数回の前記第1動作は、
互いに異なる位置から開始される、
請求項2に記載の製函装置。
【請求項4】
前記ダンボールシートを複数枚収容する収容部をさらに有し、
前記収容部において前記移動機構により保持される前記ダンボールシートは、前記一側面である第1側面と対向する第2側面が保持されていない、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製函装置。
【請求項5】
前記収容部は、
前記第2側面が別の前記ダンボールシートの前記第1側面に対向した状態で前記ダンボールシートを収容する、
請求項4に記載の製函装置。
【請求項6】
前記ダンボールシートは、
展開された状態において蓋部となるフラップをさらに有し、
前記第2動作の間に前記フラップに接触して前記ダンボールシートの一部が前記第2位置へ向かって移動することを制限することにより、前記ダンボールシートの展開を補助する展開補助部をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の製函装置。
【請求項7】
前記展開補助部は、
前記第1動作の終了後に、前記フラップに接触しない位置まで移動する、
請求項6に記載の製函装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の製函装置と、
前記製函装置が展開したダンボールシートに物品を箱詰めする箱詰機構と
を備えた箱詰装置であって、
前記製函装置は、前記箱詰機構の下方に配置されている、
箱詰装置。
【請求項9】
折り畳まれたダンボールシートを展開して角筒状のダンボール箱にする製函方法であって、
前記ダンボールシートの一側面を第1方向へ向かって移動させる第1動作と、前記ダンボールシートの前記一側面を前記第1方向とは反対の第2方向へ向かって移動させる第2動作とが所定回数行われる、
製函方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
製函装置及び箱詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳まれたダンボールシートから角筒状のダンボール箱を組み立てる製函装置が知られている。特許文献1(特開2014-061635号公報)は、ダンボールシートが折り畳まれた状態で互いに対向する2つの面のそれぞれを把持する第1把持部及び第2把持部と、第1把持部及び第2把持部のそれぞれを異なる経路で移動させる移動機構とを備えた製函装置を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1が開示する製函装置のように、第1把持部及び第2把持部をそれぞれ異なる経路で移動させる場合、第1把持部及び第2把持部それぞれが占有する領域を確保する必要が生じるため、装置が大型化するという問題がある。
【0004】
本発明は、装置の大型化を抑制できる製函装置、この製函装置を用いた箱詰装置、及びこの製函装置が実行する製函方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る製函装置は、折り畳まれたダンボールシートを展開して角筒状のダンボール箱にする製函装置であって、保持部と、移動機構とを備える。保持部は、ダンボールシートの一側面を保持する。移動機構は、保持部がダンボールシートの一側面を保持し始める第1位置と、保持部がダンボールシートを角筒状に展開し終える第2位置との間で保持部を移動させる。移動機構は、ダンボールシートを保持した状態の保持部を第1位置に近づく方向に移動させる第1動作と、ダンボールシートを保持した状態の保持部を第2位置に近づく方向へ移動させる第2動作とを所定回数行い、折り畳まれたダンボールシートを展開して角筒状のダンボール箱にする展開動作を行う。
【0006】
本製函装置によれば、移動機構が第1動作の後に第2動作を行うことで、第1動作において生じた慣性力で一側面以外の側面部を第1位置に近づく方向に向かって移動させることができる。この結果、ダンボールシートの側面部が展開して、製函装置は、第2動作の後の終了動作において容易にダンボールシートを角筒状に展開できる。
【0007】
このように、本製函装置によれば、ダンボールシートの一側面を保持した保持部のみを第1位置と第2位置との間で移動させることで容易に角筒状のダンボール箱を形成することができる。したがって、本製函装置によれば、ダンボールシートの対向する2つの面を把持して移動させる機構を備えた製函装置と比べて保持部の数及び保持部が占有する領域を減らすことができるため、装置の大型化を抑制できる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製函装置は、第1観点の製函装置であって、展開動作が、複数回の第1動作と、複数回の第2動作からなる。
【0009】
本製函装置によれば、第1動作及び第2動作が複数回にわたって行われるため、より確実にダンボールシートを角筒状に展開することができる。
【0010】
本発明の第3観点に係る製函装置は、第2観点の製函装置であって、複数回の第1動作が、互いに異なる位置から開始される。
【0011】
本製函装置によれば、展開動作において第1動作及び第2動作を繰り返すにしたがって第1動作が開始される位置が第2位置に近づくため、短時間でダンボールシートを角筒状に展開することができる。
【0012】
本発明の第4観点に係る製函装置は、第1観点から第3観点の製函装置のいずれかであって、ダンボールシートを複数枚収容する収容部をさらに備える。収容部において移動機構により保持されるダンボールシートは、一側面である第1側面と対抗する第2側面が保持されていない。
【0013】
本製函装置によれば、第2側面を保持する機構が不要であるため、装置の大型化を抑制できる。
【0014】
本発明の第5観点に係る製函装置は、第4観点の製函装置であって、収容部が、第2側面が別のダンボールシートの第1側面に対向した状態でダンボールシートを収容する。
【0015】
本発明の第6観点に係る製函装置は、第1観点から第5観点の製函装置のいずれかであって、ダンボールシートが、展開された状態において蓋部となるフラップをさらに有する。製函装置は、第2動作の間にフラップに接触してダンボールシートの一部が第2位置へ向かって移動することを制限することにより、ダンボールシートの展開を補助する展開補助部をさらに備える。
【0016】
本製函装置によれば、展開補助部によりダンボールシートの展開が補助されるため、より確実にダンボールシートを角筒状に展開することができる。
【0017】
本発明の第7観点に係る製函装置は、第6観点の製函装置であって、展開補助部は、第1動作の終了後に、フラップに接触しない位置まで移動する。
【0018】
本製函装置によれば、展開補助部がダンボール箱の搬送を妨げることが抑制される。
【0019】
本発明の第8観点に係る箱詰装置は、第1観点から第7観点の製函装置のいずれかと、製函装置が展開したダンボールシートに物品を箱詰めする箱詰機構とを備え、製函装置が箱詰機構の下方に配置されている。
【0020】
本箱詰装置によれば、製函装置を下段に設けることにより、装置の大型化が抑制される。
【0021】
本発明の第8観点に係る製函方法は、折り畳まれたダンボールシートを展開して角筒状のダンボール箱にする製函方法であって、ダンボールシートの一側面を第1方向へ向かって移動させる第1動作と、ダンボールシートの一側面を第1方向とは反対の第2方向へ向かって移動させる第2動作とが所定回数行われる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る製函装置は、装置の大型化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図4】折り畳まれたダンボールシートSを第1側面側(後述)から見た図である。
【
図5】折り畳まれたダンボールシートSを
図3とは反対側の第2側面側(後述)から見た図である。
【
図8A】展開動作の各段階における製函部120の平面図である。
【
図8B】展開動作の各段階における製函部120の平面図である。
【
図8C】展開動作の各段階における製函部120の平面図である。
【
図8D】展開動作の各段階における製函部120の平面図である。
【
図9A】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図9B】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図9C】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図9D】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図9E】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図9F】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図9G】箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【
図10A】変形例B係る箱詰装置1の展開動作を説明するための製函装置100の平面図である。
【
図10B】変形例B係る箱詰装置1の展開動作を説明するための製函装置100の平面図である。
【
図10C】変形例B係る箱詰装置1の展開動作を説明するための製函装置100の平面図である。
【
図10D】変形例B係る箱詰装置1の展開動作を説明するための製函装置100の平面図である。
【
図11A】変形例C係る箱詰装置1が備える製函部120の平面図である。
【
図11B】変形例C係る箱詰装置1が備える製函部120の側面図である。
【
図12A】変形例D係る箱詰装置1が備える製函部120の平面図である。
【
図12B】変形例D係る箱詰装置1が備える製函部120の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明一実施形態に係る製函装置100を備える箱詰装置1について説明する。
【0025】
なお、以下で説明する実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0026】
また、以下の説明において、位置関係や向きを説明するため、便宜上、上、下、前(正面)、後(背面)、左、右等の表現を使う場合がある。これらの表現の示す方向は、特記無き場合図中に示した矢印の方向に従う。また、以下の説明において、平行、直交、垂直、水平、鉛直等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味で平行、直交、垂直、水平、鉛直等の関係にある場合に限定されず、実質的に平行、直交、垂直、水平、鉛直等の関係にある場合を含む。
【0027】
(1)全体構成
箱詰装置1は、ダンボール箱Bを製函するとともに、ダンボール箱Bに物品を箱詰めする装置である。箱詰装置1は、製函装置100と、箱詰サブシステム200と、制御部300とを主に備える。
図1は、箱詰装置1の概略側面図である。
図2は、制御部300のブロック図である。
【0028】
本実施形態では、箱詰装置1が有するフレーム(図示省略)が、製函装置100と、箱詰サブシステム200とを支持している。製函装置100は、箱詰サブシステム200の下方に配置されている。
【0029】
詳細は後述するが、箱詰装置1では、製函装置100が製函したダンボール箱Bに、箱詰サブシステム200が箱詰め対象の物品である連包袋CBを箱詰めする。制御部300は、製函装置100及び箱詰サブシステム200の各機器を制御する。
【0030】
ダンボール箱Bを製函するとは、ダンボールシートSを展開して角筒状のダンボール箱にした後、底蓋BCを有するダンボール箱Bに組み立てる一連の動作を意味する。以下では、説明の便宜上、角筒状に展開された状態のダンボールシートSもダンボール箱Bと呼ぶ場合もある。
【0031】
(2)ダンボールシート/ダンボール箱の詳細
初めに、ダンボールシートSと、製函装置100によって角筒状に展開されたダンボール箱Bとについて、
図3~
図5を参照して説明する。
図3は、角筒状のダンボール箱Bの斜視図である。
図4は、ダンボールシートSを第1側面側(後述)から見た図である。
図5は、ダンボールシートSを
図4とは反対側の第2側面側(後述)から見た図である。なお、
図3で示される矢印の方向は、製函装置100の製函部120(後述)におけるダンボール箱Bの向きを示している。
図4及び
図5で示される矢印の方向は、製函装置100の収容部110(後述)におけるダンボールシートSBの向きを示している。
【0032】
(2-1)ダンボール箱
ダンボール箱B(角筒状に展開されたダンボールシートS)は、側面部Tと、上蓋側フラップF1と、底蓋側フラップF2とを主に有する。
【0033】
(2-1-1)側面部
側面部Tは、一対の開口(第1開口OP1及び第2開口OP2)を有する四角筒状の部分である。側面部Tは、ダンボール箱Bの側面を構成する。側面部Tは、第1側面T1、第2側面T2、第3側面T3、及び第4側面T4を含む。第1側面T1、第2側面T2、第3側面T3、及び第4側面T4は、この順番にループ上に連なっている。言い換えると、第1側面T1は第2側面T2と接続部分T12において接続され、第2側面T2は第3側面T3と接続部分T23において接続され、第3側面T3は第4側面T4と接続部分T34において接続され、第4側面T4は第1側面T1と接続部分T41において接続されている。ダンボール箱Bの側面部Tの隣接する2つの側面、言い換えれば互いに接続されている2つの側面は、直交している。また、ダンボール箱Bの側面部Tの内、第1側面T1と第3側面T3とは互いに平行で、第2側面T2と第4側面T4とは互いに平行である。
【0034】
(2-1-2)上蓋側フラップ
上蓋側フラップF1は、側面部Tの第1開口OP1側の縁部に接続されている。上蓋側フラップF1は、第1開口OP1を覆うように折られて、第1開口OP1を閉じるダンボール箱Bの上蓋部となる。上蓋側フラップF1は、フラップF11、フラップF12、フラップF13、及びフラップF14を含む。フラップF11、フラップF12、フラップF13、及びフラップF14は、それぞれ、長方形状の平板状部材である。フラップF11は、第1側面T1との接続部分F11aから、接続部分F11aに直交する方向(第1側面T1から離れる方向)に縁部F11bまで延びる。フラップF12は、第2側面T2との接続部分F12aから、接続部分F12aと直交する方向に縁部F12bまで延びる。フラップF13は、第3側面T3との接続部分F13aから、接続部分F13aと直交する方向に縁部F13bまで延びる。フラップF14は、第4側面T4との接続部分F14aから、接続部分F14aと直交する方向に縁部F14bまで延びる。
【0035】
本実施形態では、上蓋側フラップF1のうち、フラップF11及びフラップF13はメジャーフラップで、フラップF12及びフラップF14はマイナーフラップである。メジャーフラップとは、マイナーフラップより長さが長いフラップである。各フラップの長さは、そのフラップが接続されている側面との接続部分の長さに概ね等しい。例えば、メジャーフラップの長さは、フラップF11と第1側面T1との接続部分F11aの長さに概ね等しい。また、マイナーフラップの長さは、フラップF12と第2側面T2との接続部分F12aの長さに概ね等しい。
【0036】
本実施形態では、一対のメジャーフラップF11、F13が第1開口OP1を覆うように倒されると、第1開口OP1はメジャーフラップF11、F13で概ね覆われた状態(実質的に閉じられた状態)となる。また、本実施形態では、一対のマイナーフラップF12、F14が第1開口OP1を覆うように倒されても、フラップF12とフラップF14間に隙間が形成され、第1開口OP1は部分的に覆われた状態となる。
【0037】
(2-1-3)底蓋側フラップ
底蓋側フラップF2は、側面部Tの第2開口OP2側の縁部に接続されている。底蓋側フラップF2は、第2開口OP2を覆うように折られて、第2開口OP2を閉じるダンボール箱Bの底蓋BCとなる。底蓋側フラップF2は、フラップF21、フラップF22、フラップF23、及びフラップF24を含む。フラップF21、フラップF22、フラップF23、及びフラップF24は、それぞれ、長方形状の平板状部材である。フラップF21~フラップF24のそれぞれは、側面部Tの第1開口OP1側の縁部ではなく、側面部Tの第2開口OP2側の縁部に配置される以外は、フラップF11~フラップF14と同様であるので、記載の重複を避けるためここでは説明を省略する。
【0038】
(2-2)ダンボールシート
ダンボールシートSは、平面状に折り畳まれた状態のダンボール箱Bである。ダンボールシートSは、ダンボール箱Bにおいて四角筒状に展開される側面部Tの第1側面T1と第2側面T2とが対向し、第3側面T3と第4側面T4とが対向するように平面状に折り畳まれている。
【0039】
具体的には、ダンボールシートSでは、第1側面T1と第2側面T2とは、互いの内面が接するように接続部分T12に沿って折り曲げられた状態にある。また、第3側面T3と第4側面T4とは、互いの内面が接するように接続部分T34に沿って折り曲げられた状態にある。同時に、ダンボールシートSでは、第1側面T1と第4側面T4とは、同一仮想平面に含まれるように接続部分T41に沿って拡げられた状態にある。また、第2側面T2と第3側面T3とは、同一仮想平面に含まれるように接続部分T23に沿って拡げられた状態にある。
【0040】
側面部Tが上述の状態にあることにより、フラップF11及びフラップF14も、第1側面T1及び第4側面T4と同一仮想平面に含まれるように接続部分F11a及びF14aに沿って拡げられた状態にある。また、フラップF12及びフラップF13も、第2側面T2及び第3側面T3と同一仮想平面に含まれるように接続部分F12a及びF13aに沿って拡げられた状態にある。
【0041】
この際、フラップF11は、フラップF12及びフラップF13の一部と対向する。フラップF12は、フラップF11と対向する。フラップF13は、フラップF11の一部及びフラップF14と対向する。フラップF14は、フラップF13と対向する。上述のように、本実施形態では、フラップF11及びフラップF13がメジャーフラップで、フラップF12及びフラップF14がマイナーフラップであるため、フラップF11とフラップF14との間の隙間G1が、フラップF13に対向する位置となる。
【0042】
(3)箱詰装置の詳細構成
次に、箱詰装置1の製函装置100、箱詰サブシステム200、及び制御部300について詳細を説明する。
図6は、箱詰装置1の平面図である。
図7は、製函装置100の平面図である。
【0043】
(3-1)製函装置
製函装置100は、ダンボール箱Bを製函して箱詰サブシステム200に供給する。製函装置100は、収容部110、製函部120、及び搬送部130を主に含む。
【0044】
(3-1-1)収容部
収容部110は、ダンボールシートSを複数枚収容する。
【0045】
ダンボールシートSは、上蓋側フラップF1が上側に位置し、底蓋側フラップF2が下側に位置するとともに、第1側面T1と第4側面T4とが前方側に向き、第2側面T2と第3側面T3とが後方側に向く姿勢で収容部110に収容されている。言い換えると、収容部110に収容されたダンボールシートSは、前方から見ると
図4に示されたように見え、後方から見ると
図5に示されたように見える。
【0046】
収容部110に収容された複数のダンボールシートSは、前後方向に重ねられている。言い換えると、収容部110は、第2側面T2が後方に重ねられた別のダンボールシートSの第1側面T1に対向した状態でダンボールシートSを収容している。したがって、収容部110において後述の移動機構122により保持されるダンボールシートSは、第1側面T1と対向する第2側面T2が保持されていない状態にある。
【0047】
(3-1-2)製函部
製函部120は、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状(具体的には、四角筒状)にした後、底蓋BCを有するダンボール箱Bに組み立てる。製函部120は、保持部121と、移動機構122と、底蓋形成部123とを主に含む。
【0048】
(3-1-2-1)保持部
保持部121は、ダンボールシートSの一側面である第1側面T1を保持する。保持部121は、複数の吸盤121aと、支持部材121bと、吸引駆動部121cとを主に有する。
【0049】
吸盤121aは、ダンボールシートSの第1側面T1に吸着して、第1側面T1を保持する。保持部121は、4つの吸盤121aを有する。保持部121が有する吸盤121aの数は、これに限定されず、3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
【0050】
支持部材121bは、複数の吸盤121aを支持する部材である。本実施形態では、支持部材121bは、前方から見て矩形の板状部材であり、四隅に吸盤121aが1つずつ配置されている。
【0051】
吸引駆動部121cは、吸盤121aをダンボールシートSに吸着させる。具体的には、吸引駆動部121cは、吸盤121aがダンボールシートSの第1側面T1に吸着するように、吸盤121aがダンボールシートSに接した状態で、吸盤121aの吸着面とダンボールシートSとの間に存在する空気を吸引する真空発生器である。吸引駆動部121cは、制御部300によって制御される。
【0052】
(3-1-2-2)移動機構
移動機構122は、保持部121がダンボールシートSの第1側面T1を保持し始める第1位置P1と、保持部121がダンボールシートSを角筒状に展開し終える第2位置P2との間で保持部121を移動させる(
図1、
図7参照)。移動機構122は、アーム122aと、移動部122bと、レール122cとを主に有する。
【0053】
移動機構122は、保持部121を第1位置P1から第2位置P2まで移動させる間に、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状にする展開動作を行う。展開動作は、ダンボールシートSを保持した状態で保持部121を第1位置P1に近づく方向に移動させる第1動作と、ダンボールシートSを保持した状態で保持部121を第2位置P2に近づく方向へ移動させる第2動作とを所定回数行い、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状のダンボール箱Bにする動作である。展開動作の詳細については、後述する。
【0054】
アーム122aは、保持部121を支持する部材である。アーム122aは、一端に保持部121の支持部材121bが固定され、他端に移動部122bが固定されている。
【0055】
移動部122bは、保持部121が第1位置P1と第2位置P2との間で移動するように、アーム122aを移動させるアクチュエータである。移動部122bは、モータ等が発生する駆動力によりレール122cに沿って移動する。移動部122bは、制御部300によって制御される。言い換えると、制御部300が移動部122bを制御することにより、展開動作が実現される。
【0056】
レール122cは、移動部122bの動きを所定の方向に制限するガイドレールである。本実施形態では、レール122cは、前後方向に沿って設けられる。これにより、移動部122bは、前後方向に沿って移動する。
【0057】
(3-1-2-3)底蓋形成部
底蓋形成部123は、角筒状に展開されたダンボールシートSの底蓋側フラップF2閉じて底蓋BCを形成する。具体的には、底蓋形成部123は、フラップF22及びフラップF24が内側に、フラップF21及びフラップF23が外側に配置されるように底蓋側フラップF2を折り込む。その後、底蓋形成部123は、テープ貼付機構(図示省略)を用いて、第4側面T4、フラップF21とフラップF23とが互いに対向する端部、及び第2側面T2の順にテープ(図示省略)を貼付することで、ダンボール箱Bの底蓋BCを形成する。底蓋形成部123は、制御部300によって制御される。
【0058】
(3-1-3)搬送部
搬送部130は、底蓋BCが形成されたダンボール箱Bを、箱詰サブシステム200の載置台210に形成された開口211(後述)の下方まで搬送する。搬送部130は、制御部300によって制御される。
【0059】
(3-2)箱詰サブシステム
箱詰サブシステム200は、製函装置100から供給された底蓋BCが形成されたダンボール箱Bに物品を箱詰めする箱詰動作を行う。箱詰サブシステム200は、載置台210と、箱詰機構220とを主に備える。
【0060】
本実施形態では、箱詰サブシステム200は、箱詰め対象の物品である連包袋CBの供給を受け、供給された連包袋CBをダンボール箱Bに詰める。連包袋とは、被包装物(例えばスナック菓子等)が収容されている複数の小袋SBが、直列に接続されている袋である(
図1参照)。連包袋CBは、例えば10個の小袋SBが連なって接続されている。なお、連包袋CBに含まれる小袋SBの数は、任意であり、10個に限定されない。連包袋CBでは、隣接する小袋SBどうしが接続部Jを介して接続されている。接続部Jは、各小袋SBの端部に設けられるシール部分である。
【0061】
詳細は後述するが、箱詰サブシステム200が行う箱詰動作では、初めに、複数の小袋SBが前後方向に直線状に連なって延びた姿勢の連包袋CBが載置台210の上に載置される。その後、箱詰機構220が、連包袋CBを、接続部Jを介して隣接する小袋SBの外面どうしが接触するようにアコーディオン状に折り畳んで、製函装置100から供給されたダンボール箱Bに箱詰めする。
【0062】
(3-2-1)載置台
載置台210は、連包袋CBが載置される台である。載置台210は、限定されるものではないが平面視において略矩形状である。載置台210は、複数の小袋SBが前後方向に直線状に連なって延びた姿勢の連包袋CBを載置できる大きさに形成される。
【0063】
載置台210は、左右方向の中央に開口211が形成されている。開口211は、アコーディオン状に折り畳んだ連包袋CBを載置台210の下方に移動させるために形成されている。上述したように、搬送部130は、開口211の下方に、底蓋BCが形成されたダンボール箱Bを搬送する。本実施形態では、開口211は、最も前方側に配置されたサブフレーム231b1(後述)と、前方側の端部とが、平面視において重なる位置に形成されている。
【0064】
開口211は、ゲート駆動機構211bにより駆動されるゲート211aによって開閉される。ゲート駆動機構211bは、制御部300によって制御される。
【0065】
(3-2-2)箱詰機構
箱詰機構220は、接続部Jを介して隣接する小袋SBの外面どうしが接触するように連包袋CBをアコーディオン状に折り畳んで、製函装置100から供給されたダンボール箱Bに箱詰めする。箱詰機構220は、複数の第1部材221と、複数の第1部材駆動機構221aと、複数の第2部材222と、メインフレーム223と、メインフレーム駆動機構223aと、複数のサブフレーム223bと、サブフレーム駆動機構223cとを主に含む。製函装置100は、箱詰機構220の下方に配置されている。
【0066】
(3-2-2-1)メインフレーム及びメインフレーム駆動機構
メインフレーム223は、複数のサブフレーム223bと、サブフレーム駆動機構223cとを主に支持する。メインフレーム223は、複数の小袋SBが前後方向に直線状に連なって延びた姿勢の連包袋CBと同程度の長さであって、前後方向に延びる梁状の部材である。メインフレーム223は、載置台210の情報に、平面視において載置台210の略中央に位置するように取り付けられている。具体的には、メインフレーム223は、箱詰装置1のフレーム10に支持されている。
【0067】
メインフレーム駆動機構223aは、メインフレーム223を上下方向に駆動するアクチュエータである。メインフレーム駆動機構223aは、制御部300によって制御される。
【0068】
(3-2-2-2)サブフレーム及びサブフレーム駆動機構
サブフレーム223bは、第1部材駆動機構221aと、第2部材222とを主に支持するフレームである。複数のサブフレーム223bは、前後方向に並んでメインフレーム223に支持されている。本実施形態では、箱詰機構220は、5つのサブフレーム223b(前方から順に、サブフレーム223b1、サブフレーム223b2、サブフレーム223b3、サブフレーム223b4、サブフレーム223b5)を有する。サブフレーム223bの数はこれに限定されず、例えば、連包袋CBが有する小袋SBの数に応じて適宜設定される。
【0069】
サブフレーム駆動機構223cは、複数のサブフレーム223bの少なくとも一部を、メインフレーム223に支持された状態で前後方向に駆動するアクチュエータである。サブフレーム駆動機構223cは、制御部300によって制御される。本実施形態では、サブフレーム駆動機構223cは、サブフレーム223b1以外のサブフレーム223bをそれぞれ駆動する。
【0070】
(3-2-2-3)第1部材及び第1部材駆動機構
第1部材221は、箱詰動作に際して連包袋CBに接触して、連包袋CBの姿勢を制御するための部材である。第1部材221は、連包袋CBの幅と同程度の長さであって、左右方向に延びる棒状の部材である。第1部材221は、箱詰動作に際して連包袋CBに接触するため、スポンジ、発泡部材、軟質ゴム等の剛性の低い弾性材料を用いて製造されることが好ましい。
【0071】
第1部材駆動機構221aは、第1部材221を支持し、上下方向に駆動するアクチュエータである。第1部材駆動機構221aは、制御部300によって制御される。
【0072】
(3-2-2-4)第2部材
第2部材222は、箱詰動作に際して隣り合う第2部材222とともに連包袋CBの小袋SBを把持(挟持)するための部材である。第2部材222は、左右方向に直交するように配置された板状の部材である。第2部材222の左右方向における幅は、連包袋CBの幅と同程度である。第2部材222の上下方向における幅は、小袋SBの高さ(言い換えると、連包袋CBの隣り合う接続部J間の長さ)より大きく形成されることが好ましい。第2部材222は、箱詰動作に際して、隣り合う第2部材222とともに連包袋CBを把持するため、金属、樹脂等の剛性の高い材料を用いて製造されることが好ましい。
【0073】
(3-3)制御部
制御部300は、製函装置100及び箱詰サブシステム200の各部の動作を制御して展開動作及び箱詰動作を実現する。制御部300は、吸引駆動部121c、移動部122b、底蓋形成部123、搬送部130、ゲート駆動機構211b、第1部材駆動機構221a、メインフレーム駆動機構223a、及びサブフレーム駆動機構223cのそれぞれに制御信号を送受信可能に接続されている。
【0074】
制御部300は、例えば、CPUや記憶装置を有するコンピュータである。制御部300は、通信可能に接続される複数のコンピュータを含んでいてもよい。制御部300は、CPUが記憶装置に記憶されている箱詰装置1の制御用プログラムを実行して、製函装置100及び箱詰サブシステム200の各部の動作を制御する。なお、制御部300は、ソフトウェアで実現されなくてもよく、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。
【0075】
(4)箱詰装置の動作の詳細
(4-1)展開動作
展開動作について説明する。
図8A~
図8Dは、展開動作の各段階における製函部120の平面図である。展開動作は、準備動作と、第1動作と、第2動作と、第3動作とを含む。
【0076】
(4-1-1)準備動作
初めに、制御部300は、移動機構122に準備動作を行わせる。準備動作において移動機構122は、収容部110に収容された複数のダンボールシートSの内、最も前方に位置するダンボールシートSの第1側面T1を保持した保持部121を前方に移動する。具体的には、制御部300は、第1位置P1まで移動した保持部121の吸盤121aを、吸引駆動部121cを制御することによりダンボールシートSの第1側面T1に吸着させる。その後、制御部300は、移動部122bに、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を前方に所定の距離D0だけ移動させる(
図8A参照)。距離D0は、例えば300mm程度である。
【0077】
(4-1-2)第1動作
次に、制御部300は、移動機構122に第1動作を行わせる。第1動作において移動機構122は、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第1位置P1に近づく方向に移動する。具体的には、制御部300は、移動部122bに、保持部121を第1位置P1に近づく方向(後方)に所定の距離D1だけ移動させる(
図8B参照)。距離D1は、距離D0よりも短い。距離D1は、例えば100mm程度である。
【0078】
これにより、ダンボールシートSの第1側面T1が後方に距離D1だけ移動する。第1側面T1の移動にともない、第2側面T2、第3側面T3及び第4側面T4も後方へ移動する。この際、第1側面T1と、第1側面T1に対向する第2側面T2及び第3側面T3とは、接触している。
【0079】
(4-1-3)第2動作
次に、制御部300は、第1動作を行った直後の移動機構122に第2動作を行わせる。第2動作において移動機構122は、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第2位置P2に近づく方向に移動する。具体的には、制御部300は、移動部122bに、保持部121を第2位置P2に近づく方向(前方)に所定の距離D2だけ移動させる(
図8C参照)。本実施形態では、距離D2は、距離D1と同じ距離である。
【0080】
これにより、ダンボールシートSの第1側面T1が前方に距離D2だけ移動する。この際、保持部121により保持されていない第2側面T2、第3側面T3及び第4側面T4は、第1動作において生じた慣性力が作用することにより、保持部121の動きに追従することなく第1位置P1に近づく方向(後方)に向かってわずかに移動する。この結果、側面部Tがわずかに展開して、第2側面T2及び第3側面T3と、第1側面T1及び第4側面T4との間に隙間GSが形成される(
図8C参照)。
【0081】
(4-1-4)終了動作
最後に、制御部300は、移動機構122に終了動作を行わせる。終了動作において移動機構122は、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第2位置P2まで移動する。具体的には、制御部300は、移動部122bに、第2位置P2まで移動させる(
図8D参照)。
【0082】
これにより、ダンボールシートSの第1側面T1が第2位置P2まで移動する。上述したように、第2動作において、第2側面T2及び第3側面T3と、第1側面T1及び第4側面T4との間に隙間GSが生じているため、隙間S1には大気が入り込んでいる。このため、第2動作により第1側面T1が第2位置P2まで移動しても、第2側面T2、第3側面T3及び第4側面T4は、保持部121の移動への追従が制限される。この結果、ダンボールシートSは、折り畳まれた状態にあった側面部Tがさらに展開して角筒状になる。以上で一連の展開動作が完了する。
【0083】
なお、以上では、便宜上、第2動作と終了動作とを別の動作として説明したが、移動機構122は、第2動作と終了動作とを、途中で保持部121を停止させることなく連続して行ってもよい。
【0084】
展開動作が完了すると、制御部300は、底蓋形成部123を制御してダンボール箱Bを形成する。具体的には、制御部300は、底蓋形成部123に角筒状に展開されたダンボールシートSの底蓋側フラップF2を閉じて底蓋BCを形成させる。
【0085】
その後、制御部300は、搬送部130に底蓋BCが形成されたダンボール箱Bを箱詰サブシステム200の載置台210に形成された開口211の下方まで搬送させる。なお、本実施形態では、箱詰サブシステム200の向きに合わせるために、搬送部130は、ダンボール箱Bを平面視において90°回転させる(
図1参照)。
【0086】
なお、以上では、展開動作を実行する移動機構122を備える製函装置100に関する発明として説明をしたが、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状のダンボール箱Bにする製函方法として展開動作を捉えることができる。すなわち、ダンボールシートSの一側面を第1方向(第1位置P1に近づく方向)へ向かって移動させる第1動作と、ダンボールシートSの一側面を第1方向とは反対の第2方向(第2位置P2に近づく方向)へ向かって移動させる第2動作とが所定回数行われる製函方法に関する発明であって、この製函方法を製函装置100が実行するものと捉えてもよい。
【0087】
(4-2)箱詰動作
箱詰動作について説明する。
図9A~
図9Gは、箱詰動作の各段階における箱詰サブシステム200の側面図である。
【0088】
箱詰動作が開始される前には、連包袋CBは、載置台210の左右方向の中央に、小袋SBが前後方向に直線状に連なって延びた姿勢で載置される。連包袋CBの載置方法は、特に限定されないが、例えば、載置台210の左右方向の端部に載置した連包袋CBを、前後方向に延びる棒状のガイド部材(図示省略)を用いて左右方向の中央まで移動させればよい。
【0089】
初めに、制御部300は第1部材駆動機構221a、メインフレーム駆動機構223a、及びサブフレーム駆動機構223cを制御して、第1部材221、メインフレーム223、及びサブフレーム223bを所定の初期位置に移動するとともに、ゲート211aを閉じる。具体的には、制御部300は、第1部材221及び第2部材222が連包袋CBに接触しないように、第1部材221及びメインフレーム223を上方に移動させる。また、制御部300は、支持する第1部材221の下端が所定の接続部Jの直上に位置するように、複数のサブフレーム223bをそれぞれ移動させる(
図9A参照)。より詳細には、制御部300は、前方から1番目の小袋SBと2番目の小袋SBとを接続する接続部Jの直上に、第1部材221が位置するようにサブフレーム223b1を移動させる。また、制御部300は、前方から3番目の小袋SBと4番目の小袋SBとを接続する接続部Jの直上に、支持する第1部材221が位置するようにサブフレーム223b2を移動させる。また、制御部300は、前方から5番目の小袋SBと6番目の小袋SBとを接続する接続部Jの直上に、支持する第1部材221が位置するようにサブフレーム223b3を移動させる。また、制御部300は、前方から7番目の小袋SBと8番目の小袋SBとを接続する接続部Jの直上に、支持する第1部材221が位置するようにサブフレーム223b4を移動させる。また、制御部300は、前方から9番目の小袋SBと10番目の小袋SBとを接続する接続部Jの直上に、支持する第1部材221が位置するようにサブフレーム223b2を移動させる。
【0090】
次に、制御部300は、第1部材駆動機構221aを制御して、連包袋CBが所定の姿勢となるように、第1部材221を下方に移動させる。具体的には、制御部300は、側面視において連包袋CBが第1部材221の接触する接続部Jにおいてわずかに下方に折れ曲がった状態になるまで第1部材221を下方に移動させる。これにより、第1部材221に接触していない接続部Jは、わずかに上方に折れ曲がった状態になる(
図9B参照)。なお、この段階では、第2部材222は、連包袋CBに接触しない。
【0091】
次に、制御部300は、第1部材221で接続部Jを下方に押しながら、サブフレーム駆動機構223cを制御して、隣り合うサブフレーム223b間の距離が同じ速度で短くなるように、サブフレーム223b1以外のサブフレーム223b(具体的には、サブフレーム223b2、サブフレーム223b3、サブフレーム223b4、及びサブフレーム223b5)をそれぞれ前方に向かって移動させる。これにより、連包袋CBの、第1部材221に接触する接続部Jどうしが接近し、連包袋CBは、側面視において接続部Jを介して隣接する小袋SBの外面どうしが接触するようにアコーディオン状に折り畳まれる(
図9C参照)。
【0092】
次に、制御部300は、メインフレーム駆動機構223aを制御して、メインフレーム223を下方に移動させる。具体的には、制御部300は、隣接する小袋SBどうしの接触する外面の内、載置台210に載置された状態で上方に面していた外面の間に第2部材222が挿入されるように第2部材222を下方に移動させる。その後、制御部300は、第1部材駆動機構221aを制御して、第1部材221を上方へ移動させる。
【0093】
さらに、制御部300は、サブフレーム駆動機構223cを制御して、隣り合うサブフレーム223b間の距離がさらに小さくなるように、サブフレーム223b1以外のサブフレーム223bをそれぞれ前方に向かって移動させる。具体的には、制御部300は、隣り合う第2部材222によって小袋SBが把持できる位置まで隣り合うサブフレーム223b間の距離を小さくする。これにより、第2部材222は、隣り合う第2部材222とともに連包袋CBを落下させることなく把持できる(
図9D参照)。
【0094】
次に、制御部300は、ゲート駆動機構211bを制御して、閉じられていたゲート211aを開く。その後、制御部300は、メインフレーム駆動機構223aを制御して、開口211を通して載置台210の下方に第2部材222を移動させる。上述したように、ダンボール箱Bが開口211の下方に搬送されているため、第2部材222の載置台210の下方への移動にともない、連包袋CBは、ダンボール箱Bの内部に入る(
図9E参照)。
【0095】
次に、制御部300は、サブフレーム駆動機構223cを制御して、隣り合うサブフレーム223bの距離が長くなるように、サブフレーム223b1以外のサブフレーム223bをそれぞれ後方に向かって移動させる。具体的には、制御部300は、隣り合う第2部材222によって小袋SBが把持できない位置まで隣り合うサブフレーム223b間の距離を大きくする。これにより、第2部材222は、隣り合う第2部材222とともに連包袋CBを把持できなくなる。
【0096】
さらに、制御部300は、第1部材駆動機構221aを制御して、連包袋CBの上面に接触するように第1部材221を下方に移動させる。同時に、制御部300は、メインフレーム駆動機構223aを制御して、第2部材222が連包袋CBに接触しなくなるまで、メインフレーム223を上方に移動させる。これにより、第2部材222は、隣り合う小袋SBの接触する外面の間から抜き出され、連包袋CBはダンボール箱Bの底蓋BCに向かって落下する(
図9F参照)。
【0097】
最後に、制御部300は、第1部材駆動機構221a、メインフレーム駆動機構223a、及びサブフレーム駆動機構223cを制御して、第1部材221、メインフレーム223、及びサブフレーム223bを初期位置に戻し、開かれていたゲート211aを閉じる(
図9G参照)。
【0098】
図示は省略するが、この後、連包袋CBが箱詰めされたダンボール箱Bは、箱詰装置1外へと搬出される。以上で一連の箱詰動作が完了する。
【0099】
なお、ここで説明した箱詰動作の態様は一例に過ぎず、適宜変更可能である。
【0100】
(5)特徴
(5-1)
製函装置100は、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状のダンボール箱Bにする。製函装置100は、保持部121と、移動機構122とを備える。保持部121は、ダンボールシートSの第1側面T1を保持する。移動機構122は、保持部121がダンボールシートSの第1側面T1を保持し始める第1位置P1と、保持部121がダンボールシートSを角筒状に展開し終える第2位置P2との間で保持部121を移動させる。移動機構122は、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第1位置P1に近づく方向に移動させる第1動作と、ダンボールシートSを保持した状態の保持部121を第2位置P2に近づく方向へ移動させる第2動作とをそれぞれ1回行い、折り畳まれたダンボールシートSを展開して角筒状のダンボール箱Bにする展開動作を行う。
【0101】
製函装置100によれば、移動機構122が第1動作の後に第2動作を行うことで、第1動作において生じた慣性力で側面部Tの第1側面T1以外(第2側面T2、第3側面T3及び第4側面T4)を第1位置P1に近づく方向に向かって移動させることができる。この結果、ダンボールシートSの側面部Tが展開して、製函装置100は、第2動作の後の終了動作において容易にダンボールシートSを角筒状に展開できる。
【0102】
このように、製函装置100によれば、ダンボールシートSの第1側面T1を保持した保持部121のみを第1位置P1と第2位置P2との間で移動させることで容易に角筒状のダンボール箱Bを形成することができる。したがって、製函装置100によれば、ダンボールシートSの対向する2つの面を把持して移動させる機構を備えた製函装置と比べて、保持部121が占有する領域を減らすことができるため、装置の大型化を抑制できる。
【0103】
(5-2)
製函装置100は、ダンボールシートSを複数枚収容する収容部110をさらに備える。収容部110において移動機構122により保持されるダンボールシートSは、第1側面T1と対抗する第2側面T2が保持されていない。
【0104】
製函装置100によれば、第2側面T2を保持する機構が不要であるため、装置の大型化を抑制できる。
【0105】
(5-3)
製函装置100の収容部110は、第2側面T2が別のダンボールシートSの第1側面T1に対向した状態でダンボールシートSを収容する。
【0106】
(5-4)
箱詰装置1は、製函装置100と、製函装置100が展開したダンボールシートSに物品を箱詰めする箱詰機構220とを備える。製函装置100は、箱詰機構220の下方に配置されている。
【0107】
箱詰装置1によれば、製函装置100を下段に設けることにより、装置の大型化が抑制される。
【0108】
(6)変形例
(6-1)変形例A
上述した実施形態では、展開動作は第1動作及び第2動作をそれぞれ1回だけ含んでいたが、展開動作は複数回の第1動作と、複数回の第2動作とからなってもよい。
【0109】
変形例Aに係る箱詰装置1では、移動機構122は、第1動作及び第2動作を複数回繰り返す。第1動作及び第2動作の回数は、例えば、2回から5回程度とすることができる。この際、距離D1及び距離D2は同じである。言い換えると、変形例Aに係る箱詰装置1では、移動機構122は、同じ位置で複数回の第1動作及び第2動作を行う。
【0110】
変形例Aに係る箱詰装置1によれば、第1動作及び第2動作が複数回にわたって行われるため、より確実にダンボールシートSを角筒状に展開することができる。
【0111】
(6-2)変形例B
変形例Aに係る箱詰装置1では、移動機構122は、複数回の第1動作及び第2動作を同じ位置で行ったが、これらは互いに異なる位置で行われてもよい。
図10A、
図10Bは、変形例B係る箱詰装置1で実行される展開動作を説明するための製函装置100の平面図である。
【0112】
変形例Bでは、移動機構122は、2回の第1動作を互いに異なる位置から開始する。具体的には、変形例Bでは、距離D2が距離D1よりも長い距離D2aに設定される(
図10B、
図10D参照)。これにより、変形例Bに係る箱詰装置1では、第1回目の第1動作(
図10A参照)と比べて、第2回目の第1動作(
図10C参照)が開始される位置が第2位置P2に近くなる。言い換えると、変形例Bに係る箱詰装置1では、第1動作及び第2動作が繰り返されるにしたがって、第1動作が開始される位置が前方に変化する。なお、第1動作及び第2動作の回数は、2回に限定されず3回以上であってもよい。
【0113】
変形例Bに係る箱詰装置1によれば、展開動作において第1動作及び第2動作を繰り返すにしたがって第1動作が開始される位置が第2位置P2に近づくため、変形例Aと比べて短時間でダンボールシートSを角筒状に展開することができる。
【0114】
(6-3)変形例C
変形例Cに係る箱詰装置1は、ダンボールシートSの展開を補助する第1展開補助部124をさらに備える。
図11Aは、変形例C係る箱詰装置1が備える製函部120の平面図である。
図11Bは、変形例C係る箱詰装置1が備える製函部120の側面図である。
【0115】
第1展開補助部124は、第2動作の間に上蓋側フラップF1に接触してダンボールシートSの一部が第2位置へ向かって移動することを制限することにより、ダンボールシートSの展開を補助する部材である。具体的には、第1展開補助部124は、製函部120において、ダンボールシートSが移動する領域の上方から下方に向かって延びる棒状の部材である。第1展開補助部124の長さは、第1動作に際して、前方に向かって移動するダンボールシートSの側面部Tに接触することなく、上蓋側フラップF1のみに接触する長さに設定される。また、第1展開補助部124は、第1位置P1から移動した直後のダンボールシートSのフラップF11とフラップF14との間の隙間G1通ってフラップF13に接触する位置に設けられている。さらに、第1展開補助部124は、先端(本実施形態では、下方)に向かって先端が細くなるように形成されている。
【0116】
これにより、第1展開補助部124は、第1位置P1からダンボールシートSが移動した後、隙間G1を通ってフラップF13に接触する。第1展開補助部124に接触したフラップF13及びフラップF13に接続された第3側面T3は、第1展開補助部124によって前方への移動が制限される。
【0117】
この結果、保持部121が前方へ移動する際(第1動作及び終了動作)に、第3側面T3の前方への移動が制限される。これにより、ダンボールシートSは、折り畳まれた状態にあった側面部Tが確実に角筒状に展開される。
【0118】
なお、搬送部130が底蓋BCの形成されたダンボール箱Bを搬送する際には、フラップF13が第3側面T3に対して後方へ向かって折れ曲がるため、第1展開補助部124がダンボール箱Bの搬送を妨げることは抑制される。
【0119】
変形例Cに係る箱詰装置1によれば、第1展開補助部124によりダンボールシートSの展開が補助されるため、より確実にダンボールシートSを角筒状に展開することができる。
【0120】
変形例Cに係る箱詰装置1は、第1展開補助部124を上蓋側フラップF1に接触しない位置まで移動させるアクチュエータ(図示省略)を備えてもよい。当該アクチュエータは、制御部300により制御され、第1動作が終了すると第1展開補助部124を上蓋側フラップF1に接触しない位置まで移動させる。これにより、第1展開補助部124が、第1動作の終了後に上蓋側フラップF1に接触しない位置まで移動できる。
【0121】
変形例Dに係る箱詰装置1によれば、第1展開補助部124がダンボール箱Bの搬送を妨げることが抑制される。
【0122】
(6-4)変形例D
変形例Dに係る箱詰装置1は、ダンボールシートSの展開を補助する第2展開補助部125をさらに備える。
図12Aは、変形例D係る箱詰装置1が備える製函部120の平面図である。
図12Bは、変形例D係る箱詰装置1が備える製函部120の側面図である。
【0123】
第2展開補助部125は、展開動作の間に側面部Tに接触してダンボールシートSの一部が第2位置へ向かって移動することを制限することにより、ダンボールシートSの展開を補助する部材である。具体的には、第2展開補助部125は、幅方向から見て緩やかな円弧を描くように形成された帯状の部材である。第2展開補助部125は、展開動作に際して、円弧の外周側の面にダンボールシートSの第4側面T4が接するように配置される。これにより、第2展開補助部125に接した第4側面T4が第1側面T1に対して直交するように接続部分T41に沿って折れ曲がるため、折り畳まれた状態にあった側面部Tは、確実に角筒状に展開される。
【0124】
変形例Dに係る箱詰装置1によれば、第2展開補助部125によりダンボールシートSの展開が補助されるため、より確実にダンボールシートSを角筒状に展開することができる。
【0125】
(6-5)変形例E
上述した実施形態では、製函装置100において移動機構122がダンボールシートSを移動させる方向及び搬送部130がダンボール箱Bを移動させる方向が前後方向であったが、これらの方向は左右方向であってもよい。この場合、搬送部130は、載置台210に形成された開口211の下方で、ダンボール箱Bを平面視において90°回転させなくてもよい。箱詰動作の終了後に連包袋CBが箱詰めされたダンボール箱Bが搬出される方向は、前後方向であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明に係る製函装置及び製函方法は、折り畳まれたダンボールシートを展開して角筒状にする製函装置に広く適用でき有用である。また、本発明に係る箱詰装置は、物品を箱詰めする箱詰装置に広く適用でき有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 箱詰装置
100 製函装置
110 収容部
120 製函部
121 保持部
122 移動機構
123 底蓋形成部
124 第1展開補助部
125 第2展開補助部
130 搬送部
200 箱詰サブシステム
210 載置台
220 箱詰機構
300 制御部
B ダンボール箱
CB 連包袋
F1 上蓋側フラップ
F2 底蓋側フラップ
J 接続部
P1 第1位置
P2 第2位置
S ダンボールシート
SB 小袋
T 側面部
T1 第1側面
T2 第2側面
T3 第3側面
T4 第4側面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】