(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100595
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】分光フィルタ、それを含むイメージセンサ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G01J 3/36 20060101AFI20230711BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20230711BHJP
G01J 3/26 20060101ALI20230711BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20230711BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20230711BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G01J3/36
H01L27/146 D
G01J3/26
G02B5/26
G02B5/28
G02B5/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000377
(22)【出願日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0002351
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 孝 哲
(72)【発明者】
【氏名】李 在 崇
(72)【発明者】
【氏名】盧 永 瑾
【テーマコード(参考)】
2G020
2H148
4M118
【Fターム(参考)】
2G020AA04
2G020CB34
2G020CC26
2G020CC27
2G020CC63
2G020CD24
2G020CD36
2G020CD37
2H148BG11
2H148BH01
2H148FA05
2H148FA09
2H148FA22
2H148GA24
2H148GA33
2H148GA51
2H148GA61
4M118AA10
4M118AB01
4M118AB04
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA34
4M118FA06
4M118GC07
4M118GC20
4M118GD03
4M118GD04
(57)【要約】
【課題】分光フィルタ、それを含むイメージセンサ及び電子装置を提供する。
【解決手段】分光フィルタは、複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、各ユニットフィルタは、互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層と、第1及び第2金属反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、第1金属反射層の下部に設けられ、第2パターンを含む下部パターン膜とを含む。ここで、同一中心波長を有するユニットフィルタは、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償するために、キャビティの第1パターン及び下部パターン膜の第2パターンがユニットフィルタの位置によって変化するように構成される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層と、
前記第1及び第2金属反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、
前記第1金属反射層の下部に設けられ、第2パターンを含む下部パターン膜と、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、入射光の主光線角度(CRA: Chief Ray Angle)が変わることによって発生する中心波長シフトを補償するために、前記キャビティの第1パターン及び前記下部パターン膜の第2パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成された、分光フィルタ。
【請求項2】
前記第1及び第2パターンのサイズを変化させることにより、前記キャビティ及び前記下部パターン膜の有効屈折率が調節される、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項3】
前記キャビティは、同一厚みを有するように設けられ、前記下部パターン膜は、同一厚みを有するように設けられる、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項4】
前記第1及び第2金属反射層は、それぞれAl、Ag、Au、Cu、W、TiまたはTiNを含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項5】
前記各ユニットフィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、第3パターンを含む上部パターン膜をさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項6】
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、前記上部パターン膜の第3パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成された、請求項5に記載の分光フィルタ。
【請求項7】
前記第2金属反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含む、請求項1に記載の分光フィルタ。
【請求項8】
それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2反射層と、
前記第1及び第2反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタのうち一部は、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償する波長シフト補償層を含む、分光フィルタ。
【請求項9】
前記波長シフト補償層は、前記ユニットフィルタの位置によって異なる厚みを有するように構成される、請求項8に記載の分光フィルタ。
【請求項10】
前記波長シフト補償層は、前記ユニットフィルタの位置によって変化するパターンを含む、請求項8に記載の分光フィルタ。
【請求項11】
前記第1及び第2反射層は、第1及び第2金属反射層を含む、請求項8に記載の分光フィルタ。
【請求項12】
前記第1金属反射層の下部には、第2パターンを含む下部パターン膜が設けられる、請求項11に記載の分光フィルタ。
【請求項13】
前記下部パターン膜は、下部波長シフト補償層をさらに含む、請求項12に記載の分光フィルタ。
【請求項14】
前記第2金属反射層の上部には、第3パターンを含む上部パターン膜が設けられる、請求項11に記載の分光フィルタ。
【請求項15】
前記上部パターン膜は、上部波長シフト補償層をさらに含む、請求項14に記載の分光フィルタ。
【請求項16】
複数の画素を含む画素アレイと、
前記画素アレイに設けられる分光フィルタと、を含み、
前記分光フィルタは、それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層と、
前記第1及び第2金属反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、
前記第1金属反射層の下部に設けられ、第2パターンを含む下部パターン膜と、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償するために、前記キャビティの第1パターン及び前記下部パターン膜の第2パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成された、イメージセンサ。
【請求項17】
前記各ユニットフィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、第3パターンを含む上部パターン膜をさらに含む、請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、前記上部パターン膜の第3パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成された、請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記分光フィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含む、請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含む、請求項16に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光フィルタ、それを含むイメージセンサ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイメージセンサは、波長帯域を赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3つの区間にのみ分類したが、色表現精度と対象体認識性能の向上のためには、波長帯域をより多くの区間に分ける分光フィルタを具備したイメージセンサの開発が必要である。しかしながら、従来の分光フィルタは、体積が大きく、複合の光学素子部品で構成された専用カメラ用に使用されており、半導体チップ上に分光フィルタを集積したイメージセンサのモジュール技術は、まだ研究開発中である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、分光フィルタ、それを含むイメージセンサ及び電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面において、
それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層と、
前記第1及び第2金属反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、
前記第1金属反射層の下部に設けられ、第2パターンを含む下部パターン膜と、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、入射光の主光線角度(CRA: Chief Ray Angle)が変わることによって発生する中心波長シフトを補償するために、前記キャビティの第1パターン及び前記下部パターン膜の第2パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成された分光フィルタが提供される。
【0005】
前記第1及び第2パターンのサイズを変化させることにより、前記キャビティ及び前記下部パターン膜の有効屈折率が調節されうる。
【0006】
前記キャビティは、同一厚みを有するように設けられ、前記下部パターン膜は、同一厚みを有するように設けられうる。
【0007】
前記キャビティは、第1誘電体と、前記第1誘電体と異なる屈折率を有し、前記第1パターンを形成する第2誘電体と、を含む。
【0008】
前記下部パターン膜は、第3誘電体と、前記第3誘電体と異なる屈折率を有し、前記第2パターンを形成する第4誘電体と、を含む。
【0009】
前記第1及び第2金属反射層は、それぞれAl、Ag、Au、Cu、W、TiまたはTiNを含む。
【0010】
前記各ユニットフィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、第3パターンを含む上部パターン膜をさらに含む。
【0011】
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、前記上部パターン膜の第3パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成されうる。
【0012】
前記上部パターン膜は、第5誘電体と、前記第5誘電体と異なる屈折率を有し、前記第3パターンを形成する第6誘電体と、を含む。
【0013】
前記分光フィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0014】
他の側面において、
それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2ブラッグ反射層と、
前記第1及び第2ブラッグ反射層間に設けられ、パターンを含むキャビティと、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償するために、前記キャビティのパターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成された分光フィルタが提供される。
【0015】
前記キャビティは、第1誘電体と、前記第1誘電体と異なる屈折率を有し、前記パターンを形成する第2誘電体と、を含む。
【0016】
前記分光フィルタは、前記第2ブラッグ反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0017】
さらに他の側面において、
それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2反射層と、
前記第1及び第2反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタのうち一部は、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償する波長シフト補償層を含む分光フィルタが提供される。
【0018】
前記波長シフト補償層は、前記ユニットフィルタの位置によって異なる厚みを有するように構成されうる。
【0019】
前記波長シフト補償層は、前記ユニットフィルタの位置によって変化するパターンを含む。
【0020】
前記第1及び第2反射層は、第1及び第2金属反射層を含む。
【0021】
前記第1金属反射層の下部には、第2パターンを含む下部パターン膜が設けられうる。前記下部パターン膜は、下部波長シフト補償層をさらに含んでもよい。
【0022】
前記第2金属反射層の上部には、第3パターンを含む上部パターン膜が設けられうる。前記上部パターン膜は、上部波長シフト補償層をさらに含んでもよい。
【0023】
前記分光フィルタは、前記第2反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0024】
さらに他の側面において、
複数の画素を含む画素アレイと、
前記画素アレイに設けられる分光フィルタと、を含み、
前記分光フィルタは、それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層と、
前記第1及び第2金属反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、
前記第1金属反射層の下部に設けられ、第2パターンを含む下部パターン膜と、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償するために、前記キャビティの第1パターン及び前記下部パターン膜の第2パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成されたイメージセンサが提供される。
【0025】
前記各ユニットフィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、第3パターンを含む上部パターン膜をさらに含んでもよい。
【0026】
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、前記上部パターン膜の第3パターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成されうる。
【0027】
前記分光フィルタは、前記第2金属反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0028】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含んでもよい。
【0029】
さらに他の側面において、
前述のイメージセンサを含む電子装置が提供される。
【0030】
前記電子装置は、モバイルフォン、スマートフォン、タブレット、スマートタブレット、デジタルカメラ、カムコーダ、ノート型パソコン、TV、スマートTV、スマート冷蔵庫、保安カメラ、ロボットまたは医療用カメラを含む。
【0031】
さらに他の側面において、
複数の画素を含む画素アレイと、
前記画素アレイに設けられる分光フィルタと、を含み、
前記分光フィルタは、それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2ブラッグ反射層と、
前記第1及び第2ブラッグ反射層間に設けられ、パターンを含むキャビティと、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタは、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償するために、前記キャビティのパターンが前記ユニットフィルタの位置によって変化するように構成されたイメージセンサが提供される。
【0032】
前記分光フィルタは、前記第2ブラッグ反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0033】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含んでもよい。
【0034】
さらに他の側面において、
複数の画素を含む画素アレイと、
前記画素アレイに設けられる分光フィルタと、を含み、
前記分光フィルタは、それぞれ互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含む複数のフィルタアレイを含み、
前記各ユニットフィルタは、
互いに離隔されて設けられる第1及び第2反射層と、
前記第1及び第2反射層間に設けられ、第1パターンを含むキャビティと、を含み、
同一中心波長を有する前記ユニットフィルタのうち一部は、互いに異なる位置に設けられて発生する中心波長シフトを補償する波長シフト補償層を含むイメージセンサが提供される。
【0035】
前記波長シフト補償層は、前記ユニットフィルタの位置によって異なる厚みを有するように構成されうる。
【0036】
前記波長シフト補償層は、前記ユニットフィルタの位置によって変化するパターンを含む。
【0037】
前記第1及び第2反射層は、第1及び第2金属反射層を含む。
【0038】
前記第1金属反射層の下部には、第2パターンを含む下部パターン膜が設けられうる。前記下部パターン膜は、下部波長シフト補償層をさらに含んでもよい。
【0039】
前記第2金属反射層の上部には、第3パターンを含む上部パターン膜が設けられうる。前記上部パターン膜は、上部波長シフト補償層をさらに含んでもよい。
【0040】
前記分光フィルタは、前記第2反射層の上部に設けられ、特定波長帯域のみを透過させるカラーフィルタをさらに含んでもよい。
【0041】
前記イメージセンサは、タイミングコントローラ、ロウデコーダ及び出力回路をさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】例示的な実施形態によるイメージセンサの断面を概略的に示す図面である。
【
図2】例示的な実施形態による分光フィルタの平面図を示す図面である。
【
図3】
図2に示された例示的な実施形態による分光フィルタにおいて、I-I’線に沿って見たフィルタアレイの断面図である。
【
図4A】
図3に示されたキャビティのパターンを例示的に示す図面である。
【
図4B】
図3に示されたキャビティのパターンを例示的に示す図面である。
【
図5】比較例による分光フィルタを示す図面である。
【
図6】
図5に示された分光フィルタにおいて、入射光の主光線角度が変化することによって発生する中心波長シフトを見せる透過スペクトルを例示的に示す図面である。
【
図7】例示的な実施形態による分光フィルタにおいて、互いに異なる位置に配置されたユニットフィルタを示す平面図である。
【
図8】
図7のII-II’線に沿って見た断面図である。
【
図9】
図8において、分光フィルタの中心にある第1ユニットフィルタの第1キャビティ、第1位置にある第1ユニットフィルタの第1キャビティ、及び第2位置にある第1ユニットフィルタの第1キャビティを例示的に示す内部平面図である。
【
図10】
図8に示された分光フィルタにおいて、第1キャビティの有効屈折率のみを変化させた場合に透過スペクトルを示す図面である。
【
図11】
図8に示された分光フィルタにおいて、第1キャビティ、第1下部パターン膜及び第1上部パターン膜の有効屈折率を変化させた場合に透過スペクトルを示す図面である。
【
図12】他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図13】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図14】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図15】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図16】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図17】
図16に示された波長シフト補償層を示す内部平面図である。
【
図18】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図19】
図18に示された波長シフト補償層を示す内部平面図である。
【
図20】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図21】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図22】さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタを示す図面である。
【
図23】例示的な実施形態によるイメージセンサのブロック図である。
【
図24】例示的な実施形態によるイメージセンサを含む電子装置を概略的に示すブロック図である。
【
図25】
図24のカメラモジュールを概略的に示すブロック図である。
【
図26】例示的な実施形態によるイメージセンサが適用された電子装置の多様な例を示す図面である。
【
図27】例示的な実施形態によるイメージセンサが適用された電子装置の多様な例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付された図面を参照して、例示的な実施形態について詳細に説明する。以下の図面において、同じ参照符号は、同じ構成要素を指し、図面上で、各構成要素の大きさは、説明の明瞭性及び便宜上、誇張されうる。一方、以下に述べられる実施形態は、単に例示的なものに過ぎず、それら実施形態から多様な変形が可能である。
【0044】
以下で、「上部」や「上」と記載されたものは、接触してすぐ上下左右にあるものだけでなく、非接触で上下左右にあるものも含む。単数の表現は、文脈上明白に取り立てて意味しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に逆の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0045】
「前記」の用語、及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものである。方法を構成する段階について、明白に順序を記載するか、または反する記載がなければ、当該段階は、適当な順序で行われてもよいが、必ずしも記載された順序に限定されるものではない。
【0046】
また、明細書に記載された「…部」、「モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアにより具現されたり、ハードウェアとソフトウェアとの結合により具現されたりする。
【0047】
図面に示した構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結、及び/または物理的または回路的連結を例示的に表すものであり、実際の装置では、代替可能であったり追加されたりする多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路的な連結として表される。
【0048】
全ての例または例示的な用語の使用は、単に技術的思想を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲により限定されない限り、当該例または例示的な用語によって範囲が限定されるものではない。
【0049】
図1は、例示的な実施形態によるイメージセンサ1000の断面を概略的に示す図面である。
図1に示されたイメージセンサ1000は、例えば、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)イメージセンサまたはCCD(charge coupled device)イメージセンサを含んでもよい。
【0050】
図1を参照すれば、イメージセンサ1000は、画素アレイ65と、当該画素アレイ上に設けられる共振器構造体80とを含むものでもある。ここで、画素アレイ65は、二次元的に配列される複数の画素を含み、共振器構造体80は、複数の画素に対応して設けられる複数の共振器を含む。
図1には、画素アレイ65が4個の画素を含み、共振器構造体80が4個の共振器を含む場合が例示的に示されている。
【0051】
画素アレイ65の各画素は、光電変換素子であるフォトダイオード(photodiode)62と、当該フォトダイオード62を駆動させるための駆動回路52とを含むものでもある。フォトダイオード62は、半導体基板61に埋め込まれるように設けられうる。半導体基板61としては、例えば、シリコン基板が使用されるが、それに限定されるものではない。半導体基板61の下面には、配線層(wiring layer)51が設けられ、当該配線層51の内部に、例えば、MOSFETのような駆動回路52が設けられうる。
【0052】
半導体基板61の上部には、複数の共振器を含む共振器構造体80が設けられている。各共振器は、所望の特定波長領域の光を透過させるように設けられうる。各共振器は、互いに離隔されて設けられる第1及び第2反射層81、82と、第1反射層81と第2反射層82との間に設けられるキャビティ83a、83b、83c、83dとを含むものでもある。第1及び第2反射層それぞれは、例えば、金属反射層またはブラッグ反射層を含んでもよい。各キャビティ83a、83b、83c、83dは、所望の特定波長領域の光を共振させるように設けられうる。
【0053】
半導体基板61の上面と共振器構造体80との間には、第1機能層71が設けられうる。第1機能層71は、例えば、共振器構造体80を透過してフォトダイオード62側に入射される光の透過度を向上させる役割を行うことができる。このために、第1機能層71は、屈折率が調節された誘電体層または誘電体パターンを含んでもよい。
【0054】
共振器構造体80の上面には、第2機能層72が設けられうる。第2機能層72は、例えば、共振器構造体80側に入射される光の透過度を向上させる役割を行うことができる。このために、第2機能層72は、屈折率が調節された誘電体層または誘電体パターンを含んでもよい。第2機能層72の上面には、第3機能層90がさらに設けられてもよい。第3機能層90は、例えば、反射防止層(antireflection layer)、集束レンズ、カラーフィルタ、短波長吸収フィルタまたは長波長遮断フィルタなどを含むが、それらは、単に例示的なものである。
【0055】
前述の第1、第2及び第3機能層71、72、90のうち少なくとも1層は、共振器構造体80と共に後述する分光フィルタを構成することができる。以下、例示的な実施形態による分光フィルタを具体的に説明する。
【0056】
図2は、例示的な実施形態による分光フィルタ1100の平面図である。
【0057】
図2を参照すれば、分光フィルタ1100は、二次元形態に配列される複数のフィルタアレイ1110を含むものでもある。
図2には、5×5アレイ形態に配列される25個のフィルタアレイが例示的に示されている。ここで、各フィルタアレイ1110は、例えば、4×4アレイ形態に配列される互いに異なる中心波長を有する16個のユニットフィルタF1~F16を含む。
【0058】
図3は、
図2に示された例示的な実施形態による分光フィルタにおいて、I-I’線に沿って見たフィルタアレイの断面図である。
【0059】
図2及び
図3を参照すれば、分光フィルタ1100は、二次元形態に配列される複数のユニットフィルタF1、F2、F3、F4を含む。当該分光フィルタ1100の下部には、複数のユニットフィルタF1、F2、F3、F4に対応する複数の画素101、102、103、104を含む画素アレイ4100が設けられうる。
図3には、4個の第1、第2、第3及び第4ユニットフィルタF1、F2、F3、F4、並びに4個の第1、第2、第3及び第4画素101、102、103、104が例示的に示されている。第1、第2、第3及び第4ユニットフィルタF1、F2、F3、F4は、互いに異なる中心波長を有するように設けられうる。
【0060】
分光フィルタ1100は、複数の共振器を含む共振層120を含む。共振層120は、互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる複数のキャビティ121、122、123、124とを含む。第1及び第2金属反射層127、128は、それぞれ下部及び上部金属反射層にもなる。
図3には、4個の第1、第2、第3及び第4共振器、並びに4個の第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124が例示的に示されている。
【0061】
第1共振器は、第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第1キャビティ121とを含み、第2共振器は、第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第2キャビティ122とを含む。そして、第3共振器は、第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第3キャビティ123とを含み、第4共振器は、第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第4キャビティ124とを含む。ここで、第1、第2、第3及び第4共振器は、互いに異なる中心波長を有することができる。
【0062】
各共振器は、ファブリ・ペロー(Fabry-Perot)構造を有することができる。光が第2金属反射層128を透過して各キャビティ121、122、123、124に入射されれば、当該光は、第1及び第2金属反射層127、128間で各キャビティ121、122、123、124の内部を往復し、その過程で補強干渉と相殺干渉を起こすこととなる。そして、各キャビティ121、122、123、124において、補強干渉条件を満足する特定中心波長を有する光が第1金属反射層127を透過して画素アレイ4100の各画素101、102、103、104に入射される。
【0063】
第1及び第2金属反射層127、128は、所定波長領域の光を反射させることができる金属物質を含むものでもある。例えば、第1及び第2金属反射層127、128は、それぞれAl、Ag、Au、Cu、W、TiまたはTiNなどを含むが、それらは、単に例示的なものである。第1及び第2金属反射層127、128は、同じ金属物質を含むが、必ずしもそれに限定されるものではなく、第1及び第2金属反射層127、128が互いに異なる金属物質を含むこともできる。また、一部キャビティ121、122、123、124に設けられる第1金属反射層(または、第2金属反射層)は、他のキャビティ121、122、123、124に設けられる第1金属反射層(または、第2金属反射層)とは異なる金属物質を含むものでもある。第1及び第2金属反射層127、128は、ほぼ数十nmの厚みにも設けられる。例えば、第1及び第2金属反射層127、128それぞれは、ほぼ10nm~50nmの厚みを有するが、それに限定されるものではない。
【0064】
第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124は、有効屈折率を調節することにより、互いに異なる中心波長を有するように設けられうる。このために、第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124は、中心波長に対応する互いに異なる第1パターンを含む。例えば、第1キャビティ121は、第1中心波長に対応する第1パターンを有することができ、第2キャビティ122は、第2中心波長に対応する第1パターンを有することができる。第3キャビティ123は、第3中心波長に対応する第1パターンを有することができ、第4キャビティ124は、第4中心波長に対応する第1パターンを有することができる。
【0065】
各キャビティ121、122、123、124は、第1誘電体125aと、当該第1誘電体125a内に周期的に配置されて第1パターンを形成する複数の第2誘電体125bとを含むものでもある。ここで、第2誘電体125bは、第1誘電体125aと異なる屈折率を有することができる。第1及び第2誘電体125a、125bは、それぞれ、例えば、シリコン、シリコン酸化物、シリコン窒化物またはチタン酸化物などを含んでもよい。具体的な例として、第1誘電体125aは、シリコン酸化物を含み、第2誘電体125bは、チタン酸化物を含むが、それは、単に例示的なものである。
【0066】
図4A及び
図4Bには、各キャビティ121、122、123、124に適用可能な例示的な第1パターンが示されている。
図4Aを参照すれば、一例による第1パターン170では、第1誘電体170aの内部に、第1誘電体170aより高い屈折率を有する第2誘電体170bが二次元アレイ形態に配列されている。
図4Aには、各第2誘電体170bが円形の断面を有する場合が例示的に示されているが、その他にも、各第2誘電体170bは、他の多様な形状の断面を有することができる。
図4Bを参照すれば、他の例による第1パターン180では、第1誘電体180aの内部に、第1誘電体180aより低い屈折率を有する第2誘電体180bが二次元アレイ形態に配列されている。
図4Bには、各第2誘電体180bが四角形の断面を有する場合が例示的に示されているが、その他にも、各第2誘電体180bは、他の多様な形状の断面を有することができる。
【0067】
図3に示されたように、第1誘電体125a内で周期的に配置される第2誘電体125bのサイズ及び/または形態を変化させることにより、互いに異なる第1パターンを形成することができ、これにより、有効屈折率を変化させ、互いに異なる中心波長を有するキャビティ121、122、123、124を形成することができる。
【0068】
キャビティ121、122、123、124の下面には、エッチング停止層(etch stop layer)129がさらに設けられてもよい。当該エッチング停止層129は、キャビティ121、122、123、124の形成のためのパターニング工程をより容易にするためのものである。エッチング停止層129は、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物またはハフニウム酸化物などを含むが、それらに限定されるものではない。
【0069】
以上のように、第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124は、第1及び第2金属反射層127、128間で中心波長に対応する互いに異なる第1パターンを有するように形成可能である。これにより、第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124は、同一厚みにも形成される。例えば、第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124は、ほぼ50nm~1000nmの厚みを有するが、それに限定されるものではない。
【0070】
共振層120と画素アレイ4100との間には、下部誘電膜130が設けられている。当該下部誘電膜130は、ユニットフィルタF1、F2、F3、F4の透過率を向上させるために設けられる。下部誘電膜130は、互いに異なる中心波長に対応して設けられる複数の下部パターン膜131、132、133、134を含むものでもある。
【0071】
下部誘電膜130は、第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134を含むものでもある。第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134は、それぞれ第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124の下部に設けられうる。第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134は、有効屈折率を調節することにより、互いに異なる中心波長に対応するように設けられうる。
【0072】
前述の第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124と同様に、第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134は、中心波長に対応する互いに異なる第2パターンを含む。例えば、第1下部パターン膜131は、第1中心波長に対応する第2パターンを有することができ、第2下部パターン膜132は、第2中心波長に対応する第2パターンを有することができる。第3下部パターン膜133は、第3中心波長に対応する第2パターンを有することができ、第4下部パターン膜134は、第4中心波長に対応する第2パターンを有することができる。
【0073】
各下部パターン膜131、132、133、134の第2パターンは、前述の各キャビティ121、122、123、124の第1パターンと類似した形態を有することができる。各下部パターン膜131、132、133、134は、第3誘電体135aと、当該第3誘電体135a内に周期的に配置されて第2パターンを形成する複数の第4誘電体135bとを含むものでもある。ここで、第4誘電体135bは、第3誘電体135aと異なる屈折率を有することができる。第3及び第4誘電体135a、135bは、それぞれ、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含むが、それらに限定されるものではない。
【0074】
第3誘電体135a内で周期的に配置される第4誘電体135bのサイズ及び/または形態を変化させることにより、互いに異なる第2パターンを形成することができ、これにより、有効屈折率が変化することにより、互いに異なる中心波長に対応する下部パターン膜131、132、133、134が形成可能である。
【0075】
下部パターン膜131、132、133、134の下面には、エッチング停止層139がさらに設けられてもよい。当該エッチング停止層139は、下部パターン膜131、132、133、134の形成のためのパターニング工程をより容易にするためのものである。エッチング停止層139は、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物またはハフニウム酸化物などを含むが、それらに限定されるものではない。
【0076】
以上のように、第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134は、中心波長に対応して互いに異なる第2パターンを有するように形成可能である。従って、前述の第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124と同様に、第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134は、同一厚みにも形成される。例えば、第1、第2、第3及び第4下部パターン膜131、132、133、134は、ほぼ100nm~1000nmの厚みを有するが、それに限定されるものではない。
【0077】
共振層120の上面には、上部誘電膜240がさらに設けられてもよい。当該上部誘電膜240は、ユニットフィルタの透過率を向上させるために設けられる。上部誘電膜240は、互いに異なる中心波長に対応して設けられる複数の上部パターン膜241、242、243、244を含むものでもある。
【0078】
上部誘電膜240は、第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244を含むものでもある。第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244は、それぞれ第1、第2、第3及び第4キャビティ121、122、123、124の上部に設けられうる。
【0079】
第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244は、有効屈折率を調節することにより、互いに異なる中心波長に対応するように設けられうる。第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244は、中心波長に対応する互いに異なる第3パターンを含む。例えば、第1上部パターン膜241は、第1中心波長に対応する第3パターンを有することができ、第2上部パターン膜242は、第2中心波長に対応する第3パターンを有することができる。第3上部パターン膜243は、第3中心波長に対応する第3パターンを有することができ、第4上部パターン膜244は、第4中心波長に対応する第3パターンを有することができる。
【0080】
各上部パターン膜241、242、243、244の第3パターンは、前述の各下部パターン膜131、132、133、134の第2パターンと類似した形態を有することができる。各上部パターン膜241、242、243、244は、第5誘電体245aと、当該第5誘電体245a内に周期的に配置されて第3パターンを形成する複数の第6誘電体245bとを含むものでもある。ここで、第6誘電体245bは、第5誘電体245aと異なる屈折率を有することができる。第5及び第6誘電体245a、245bは、それぞれ、例えば、チタン酸化物、シリコン窒化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物または高屈折ポリマーなどを含むが、それらに限定されるものではない。
【0081】
第5誘電体245a内で周期的に配置される第6誘電体245bのサイズ及び/または形態を変化させることにより、互いに異なる第3パターンを形成することができ、これにより、有効屈折率が変化することにより、互いに異なる中心波長に対応する上部パターン膜241、242、243、244が形成可能である。
【0082】
上部パターン膜241、242、243、244の下面には、エッチング停止層249がさらに設けられてもよい。エッチング停止層249は、例えば、シリコン酸化物、チタン酸化物またはハフニウム酸化物などを含むが、それらに限定されるものではない。
【0083】
以上のように、第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244は、中心波長に対応して互いに異なる第3パターンを有するように形成可能である。従って、前述のキャビティ121、122、123、124及び下部パターン膜131、132、133、134と同様に、第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244は、同一厚みにも形成される。例えば、第1、第2、第3及び第4上部パターン膜241、242、243、244は、ほぼ100nm~1000nmの厚みを有するが、それに限定されるものではない。
【0084】
図5は、比較例による分光フィルタ1100’を示す図面である。
【0085】
図5を参照すれば、分光フィルタ1100’は、二次元形態に配列される複数のフィルタアレイ1110’を含み、各フィルタアレイ1110’は、互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含むものでもある。複数のフィルタアレイは、同一構造を有するように構成されうる。例えば、分光フィルタ1100’の中心に位置したフィルタアレイ1110’のユニットフィルタは、分光フィルタ1100’の外郭に位置したフィルタアレイ1110’を構成するユニットフィルタとも同じである。
【0086】
図5には、分光フィルタ1100’の中心に位置したフィルタアレイ1110’の第1ユニットフィルタF1と、分光フィルタ1100’の外郭に位置したフィルタアレイ1110’の第1ユニットフィルタF1’とが例示的に示されている。ここで、分光フィルタ1100’の中心に位置した第1ユニットフィルタF1と、分光フィルタ1100’の外郭に位置した第1ユニットフィルタF1’は、互いに同じく構成されている。
【0087】
図5を参照すれば、分光フィルタ1100’の中心に位置した第1ユニットフィルタF1には、光学システム50を介して入射光が垂直に入射され、分光フィルタ1100’の外郭に位置した第1ユニットフィルタF1’には、光学システム50を介して入射光が傾斜して入射される。分光フィルタ1100’の中心に位置した第1ユニットフィルタF1に入射される光の主光線角度(CRA: Chief Ray Angle)は、0°となり、分光フィルタ1100’の外郭に位置した第1ユニットフィルタF1’に入射される光の主光線角度は、所定角度(θ)となる。
【0088】
分光フィルタ1100’の中心から外郭に行くほど、入射光の主光線角度(θ)は次第に増加し、比較例による分光フィルタ1100’では、入射光の主光線角度が増加するにつれて、ユニットフィルタの中心波長が短波の方にシフトされる効果が発生しうる。
【0089】
図6は、
図5に示された分光フィルタ1100’において、入射光の主光線角度が変化することによって発生する中心波長シフトを例示的に示すシミュレーション結果である。
図6において、C1は、入射光の主光線角度が0°である分光フィルタ1100’の中心に位置した第1ユニットフィルタF1の透過スペクトルを示し、C2は、入射光の主光線角度が30°である分光フィルタ1100’の外郭に位置した第1ユニットフィルタF1’の透過スペクトルを示す。
【0090】
図6を参照すれば、分光フィルタ1100’の中心に位置した第1ユニットフィルタF1の中心波長は、λ
1であるが、分光フィルタ1100’の外郭に位置した第1ユニットフィルタF1’の中心波長は、λ
1より短いλ
1’にシフトしたことが分かる。
【0091】
以上のように、比較例による分光フィルタ1100’では、入射光の主光線角度が変化することにより、中心波長シフトが発生するので、分光フィルタ1100’の中心に位置したユニットフィルタと、分光フィルタ1100’の外郭に位置したユニットフィルタとが互いに同じ構造を有しているが、互いに異なる中心波長を有することができる。
【0092】
例示的な実施形態は、ユニットフィルタの位置により、キャビティ及び下部パターン膜の有効屈折率を変化させることにより、入射光の主光線角度が変わることによって発生する中心波長シフトを補償することができる分光フィルタ1100を提供する。
【0093】
以下、分光フィルタ1100を構成するフィルタアレイ1110それぞれのユニットフィルタのうち、同一中心波長を有し、互いに異なる位置に配置された第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”を例として説明する。
【0094】
図7は、例示的な実施形態による分光フィルタ1100において、互いに異なる位置に配置された第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”を示す平面図であり、
図8は、
図7のII-II’線に沿って見た断面図である。
【0095】
図7及び
図8において、L1は、入射光の主光線角度がθ
1である第1位置を連結した円を示し、L2は、入射光の主光線角度がθ
2(>θ
1)である第2位置を連結した円を示す。F1は、分光フィルタの中心にある第1ユニットフィルタを示し、F1’は、入射光の主光線角度がθ
1である第1位置にある第1ユニットフィルタを示し、F1”は、入射光の主光線角度がθ
2である第2位置にある第1ユニットフィルタを示す。ここで、互いに異なる位置に設けられた第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”は、いずれも同一中心波長を有することができる。
【0096】
図7及び
図8を参照すれば、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”それぞれは、互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第1キャビティ121、121’、121”と、第1金属反射層127の下部に設けられる第1下部パターン膜131、131’、131”とを含むものでもある。そして、第2金属反射層128の上部には、第1上部パターン膜241、241’、241”がさらに設けられてもよい。第1下部パターン膜131、131’、131”の下部には、画素アレイ4100の画素101、201、301が配置されうる。
【0097】
第1キャビティ121、121’、121”は、第1誘電体125a、125a’、125a”と、当該第1誘電体125a、125a’、125a”内に周期的に配置されて第1パターンを形成する複数の第2誘電体125b、125b’、125b”とを含むものでもある。ここで、第2誘電体125b、125b’、125b”は、第1誘電体125a、125a’、125a”と異なる屈折率を有することができる。第1下部パターン膜131、131’、131”は、第3誘電体135a、135a’、135a”と、当該第3誘電体135a、135a’、135a”内に周期的に配置されて第2パターンを形成する複数の第4誘電体135b、135b’、135b”とを含むものでもある。ここで、第4誘電体135b、135b’、135b”は、第3誘電体135a、135a’、135a”と異なる屈折率を有することができる。第1上部パターン膜241、241’、241”は、第5誘電体245a、245a’、245a”と、当該第5誘電体245a、245a’、245a”内に周期的に配置されて第3パターンを形成する複数の第6誘電体245b、245b’、245b”とを含むものでもある。ここで、第6誘電体245b、245b’、245b”は、第5誘電体245a、245a’、245a”と異なる屈折率を有することができる。
【0098】
本実施形態では、入射光の主光線角度が変わることによって発生する中心波長シフトを補償するために、第1キャビティ121、121’、121”及び第1下部パターン膜131、131’、131”は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置によって有効屈折率が調節されるように構成可能である。また、第1上部パターン膜241、241’、241”も、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置によって有効屈折率が調節されるように構成可能である。
【0099】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンを変化させることにより、第1キャビティ121、121’、121”の有効屈折率を変化させることができる。ここで、第1キャビティ121、121’、121”の有効屈折率は、入射光の主光線角度によって発生する中心波長シフトを補償する程度にも調節される。第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くほど、入射光の主光線角度が大きくなり、これにより、中心波長シフト効果は増大しうる。従って、中心波長シフトを補償するためには、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタの中心から外郭に行くほど、第1キャビティ121、121’、121”の有効屈折率変化が大きくなる。
【0100】
第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、そのサイズが変化するように形成可能である。具体的には、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くにつれて、サイズが変化するように形成される。
図9は、分光フィルタ1100の中心にある第1ユニットフィルタF1の第1キャビティ121、第1位置にある第1ユニットフィルタF1’の第1キャビティ121’、及び第2位置にある第1ユニットフィルタF1”の第1キャビティ121”を例示的に示す内部平面図である。
図9を参照すれば、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くほど、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、そのサイズが次第に大きくなる。しかしながら、必ずしもそれに限定されるものではなく、第1及び第2誘電体を構成する物質により、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くほど、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、そのサイズが次第に小さくなることも可能である。
【0101】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、第1下部パターン膜131、131’、131”の第2パターンを変化させることにより、第1下部パターン膜131、131’、131”の有効屈折率を変化させることができる。ここで、第1下部パターン膜131、131’、131”の有効屈折率は、入射光の主光線角度によって発生する中心波長シフトを補償する程度にも調節される。
【0102】
第1下部パターン膜131、131’、131”の第2パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、そのサイズが変化するように形成可能である。具体的には、第1下部パターン膜131、131’、131”の第2パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くにつれて、そのサイズが大きくなるか、あるいは小さくなるように形成される。
【0103】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、第1上部パターン膜241、241’、241”の第3パターンを変化させることにより、第1上部パターン膜241、241’、241”の有効屈折率を変化させることができる。ここで、第1上部パターン膜241、241’、241”の有効屈折率は、入射光の主光線角度によって発生する中心波長シフトを補償する程度にも調節される。第1上部パターン膜241、241’、241”の第3パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、そのサイズが変化するように形成される。
【0104】
図10は、
図8に示された分光フィルタにおいて、第1キャビティの有効屈折率のみを変化させた場合に透過スペクトルを示すシミュレーション結果である。
図10において、C1は、入射光の主光線角度が0°である位置における第1ユニットフィルタの透過スペクトルを示し、C2は、入射光の主光線角度が30°である位置における第1ユニットフィルタの透過スペクトルを示す。
【0105】
図10を参照すれば、第1キャビティの有効屈折率を調節することにより、入射光の主光線角度が30°である位置における第1ユニットフィルタは、入射光の主光線角度が0°である位置における第1ユニットフィルタと同一中心波長を有することができるが、透過度は、入射光の主光線角度が0°である位置における第1ユニットフィルタに比べて低くなることが分かる。
【0106】
図11は、
図8に示された分光フィルタにおいて、第1キャビティ、第1下部パターン膜及び第1上部パターン膜の有効屈折率を変化させた場合に透過スペクトルを示す図面である。
図11において、C1は、入射光の主光線角度が0°である位置における第1ユニットフィルタの透過スペクトルを示し、C2は、入射光の主光線角度が30°である位置における第1ユニットフィルタの透過スペクトルを示す。
【0107】
図11を参照すれば、第1キャビティ、第1下部パターン膜及び第1上部パターン膜の有効屈折率を調節することにより、入射光の主光線角度が30°である位置における第1ユニットフィルタは、入射光の主光線角度が0°である位置における第1ユニットフィルタと同一中心波長を有し、類似した透過度を有することが分かる。
【0108】
以上のように、本実施形態による分光フィルタ1100では、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変化するにつれて、第1キャビティ121、121’、121”、第1下部パターン膜131、131’、131”及び第1上部パターン膜241、241’、241”の有効屈折率を変化させることにより、入射光の主光線角度が変わることによって発生する中心波長シフトを補償することができ、これにより、互いに異なる位置に設けられた第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”がいずれも同一中心波長を有することができる。
【0109】
図12は、他の例示的な実施形態による分光フィルタ1200を示す図面である。
図12に示された分光フィルタ1200は、第1キャビティ121、121’、121”上に、上部パターン膜の代わりにカラーフィルタ150が設けられているという点を除いては、
図8に示された分光フィルタ1100と同一である。
【0110】
図12を参照すれば、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、そのサイズが変化するように形成可能である。具体的には、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くにつれて、そのサイズが変化するように形成される。そして、第1下部パターン膜131、131’、131”の第2パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、そのサイズが変化するように形成可能である。
【0111】
第1キャビティ121、121’、121”の上部には、カラーフィルタ150が設けられうる。ここで、カラーフィルタ150は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”が所望しない波長帯域の光を遮断する役割を行うことができる。例えば、カラーフィルタ150は、青色、緑色または赤色のカラーフィルタを含んでもよい。
【0112】
図13は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1300を示す図面である。
【0113】
図13を参照すれば、分光フィルタ1300は、二次元形態に配列される複数のフィルタアレイ1110を含み、各フィルタアレイは、互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含むものでもある。
図13には、複数のフィルタアレイそれぞれから選択された、同一中心波長を有し、互いに異なる位置に配置された第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”が例示的に示されている。ここで、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”は、同一中心波長を有している。
【0114】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”それぞれは、互いに離隔されて設けられる第1及び第2ブラッグ反射層341、342と、第1及び第2ブラッグ反射層341、342間に設けられる第1キャビティ121、121’、121”とを含むものでもある。
【0115】
第1及び第2ブラッグ反射層341、342は、分散ブラッグ反射器(DBR: Distributed Bragg Reflector)にもなる。第1ブラッグ反射層341は、互いに異なる屈折率を有する第1及び第2物質層341a、341bが交互に積層された構造を有することができ、第2ブラッグ反射層342は、互いに異なる屈折率を有する第3及び第4物質層342a、342bが交互に積層された構造を有することができる。
【0116】
第1キャビティ121、121’、121”は、第1誘電体125a、125a’、125a”と、当該第1誘電体125a、125a’、125a”内に周期的に配置されて第1パターンを形成する複数の第2誘電体125b、125b’、125b”とを含むものでもある。ここで、第2誘電体125b、125b’、125b”は、第1誘電体125a、125a’、125a”と異なる屈折率を有することができる。
【0117】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンを変化させることにより、第1キャビティ121、121’、121”の有効屈折率を変化させることができる。ここで、第1キャビティ121、121’、121”の有効屈折率は、入射光の主光線角度によって発生する中心波長シフトを補償する程度にも調節される。
【0118】
第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が変わるにつれて、そのサイズが変化するように形成可能である。具体的には、第1キャビティ121、121’、121”の第1パターンは、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1100の中心から外郭に行くにつれて、そのサイズが変化するように形成される。
【0119】
図14は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1400を示す図面である。
図14に示された分光フィルタ1400は、カラーフィルタ450をさらに含むという点を除いては、
図13に示された分光フィルタ1300と同一である。
【0120】
図14を参照すれば、第2ブラッグ反射層342上にカラーフィルタ450が設けられている。ここで、カラーフィルタ450は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”が所望しない波長帯域の光を遮断する役割を行うものであり、例えば、カラーフィルタ450は、青色、緑色または赤色のカラーフィルタを含んでもよい。
【0121】
図15は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1500を示す図面である。
【0122】
図15を参照すれば、分光フィルタ1500は、二次元形態に配列される複数のフィルタアレイ1110を含み、各フィルタアレイ1110は、互いに異なる中心波長を有する複数のユニットフィルタを含むものでもある。
図15には、各フィルタアレイ1110のユニットフィルタのうち、分光フィルタ1500の中心にある第1ユニットフィルタF1、入射光の主光線角度がθ
1である第1位置に設けられた第1ユニットフィルタF1’、及び入射光の主光線角度がθ
2である第2位置に設けられた第1ユニットフィルタF1”が例示的に示されている。ここで、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”は、同一中心波長を有している。
【0123】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”それぞれは、互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第1キャビティ121と、第1金属反射層127の下部に設けられる第1下部パターン膜131とを含むものでもある。そして、第2金属反射層128の上部には、第1上部パターン膜241がさらに設けられてもよい。
【0124】
各第1キャビティ121は、第1誘電体125aと、当該第1誘電体125a内に周期的に配置されて第1パターンを形成する複数の第2誘電体125bとを含むものでもある。ここで、第1キャビティ121は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第1パターンを含む。
【0125】
各第1下部パターン膜131は、第3誘電体135aと、当該第3誘電体135a内に周期的に配置されて第2パターンを形成する複数の第4誘電体135bとを含むものでもある。ここで、第1下部パターン膜131は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第2パターンを含む。
【0126】
各第1上部パターン膜241は、第5誘電体245aと、当該第5誘電体245a内に周期的に配置されて第3パターンを形成する複数の第6誘電体245bとを含むものでもある。ここで、第1上部パターン膜241は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第3パターンを含む。
【0127】
第1位置にある第1ユニットフィルタF1’は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第1波長シフト補償層561’をさらに含み、第2位置にある第1ユニットフィルタF1”は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第2波長シフト補償層561”をさらに含んでもよい。第1及び第2波長シフト補償層561’、561”は、第1ユニットフィルタF1’、F1”の位置によって発生する中心波長シフトを補償するために設けられうる。
【0128】
第1及び第2波長シフト補償層561’、561”は、所定の誘電物質、例えば、シリコン窒化物を含むが、それに限定されるものではない。第1及び第2波長シフト補償層561’、561”は、例えば、ほぼ1nm~30nmの厚みを有するが、それは、単に例示的なものである。
【0129】
第1及び第2波長シフト補償層561’、561”は、第1ユニットフィルタF1’、F1”の位置によって有効屈折率を調節するために、互いに異なる厚みにも設けられる。例えば、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1500の中心から外郭に行くほど、入射光の主光線角度が大きくなり、これにより、中心波長シフト効果が増大しうる。従って、そのような中心波長シフトを補償するためには、第2波長シフト補償層561”が第1波長シフト補償層561’に比べてさらに厚い厚みを有することができる。
【0130】
以上、第1及び第2波長シフト補償層561’、561”が第1キャビティ121にのみ設けられる場合が説明された。しかしながら、それに限定されず、第1及び第2波長シフト補償層561’、561”は、第1下部パターン膜131及び/または第1上部パターン膜241にさらに設けられることも可能である。
【0131】
図16は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1600を示す図面である。
【0132】
図16を参照すれば、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”それぞれは、互いに離隔されて設けられる第1及び第2金属反射層127、128と、第1及び第2金属反射層127、128間に設けられる第1キャビティ121と、第1金属反射層127の下部に設けられる第1下部パターン膜131とを含むものでもある。そして、第2金属反射層128の上部には、第1上部パターン膜241がさらに設けられてもよい。
【0133】
各第1キャビティ121は、第1誘電体125aと、当該第1誘電体125a内に周期的に配置されて第1パターンを形成する複数の第2誘電体125bとを含むものでもある。ここで、第1キャビティ121は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第1パターンを含む。各第1下部パターン膜131は、第3誘電体135aと、当該第3誘電体135a内に周期的に配置されて第2パターンを形成する複数の第4誘電体135bとを含むものでもある。ここで、第1下部パターン膜131は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第2パターンを含む。各第1上部パターン膜241は、第5誘電体245aと、当該第5誘電体245a内に周期的に配置されて第3パターンを形成する複数の第6誘電体245bとを含むものでもある。ここで、第1上部パターン膜241は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第3パターンを含む。
【0134】
分光フィルタ1600の中心にある第1ユニットフィルタF1は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第1波長シフト補償層661をさらに含み、第1位置にある第1ユニットフィルタF1’は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第2波長シフト補償層661’をさらに含み、第2位置にある第1ユニットフィルタF1”は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第3波長シフト補償層661”をさらに含んでもよい。第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置によってサイズが変化する第4パターンを含む。
【0135】
図17は、分光フィルタ1600の中心にある第1ユニットフィルタF1の第1波長シフト補償層661、第1位置にある第1ユニットフィルタF1’の第2波長シフト補償層661’、及び第2位置にある第1ユニットフィルタF1”の第3波長シフト補償層661”を例示的に示す内部平面図である。
図17を参照すれば、第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”は、それぞれ、第7誘電体661a、661a’、661a”と、当該第7誘電体661a、661a’、661a”内に周期的に配置されて第4パターンを形成する複数の第8誘電体661b、661b’、661b”とを含むものでもある。
【0136】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1600の中心から外郭に行くほど、第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”の第4パターンは、そのサイズが次第に大きくなるように形成される。しかし、必ずしもそれに限定されるものではなく、第7誘電体661a、661a’、661a”及び第8誘電体661b、661b’、661b”を構成する物質により、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1600の中心から外郭に行くほど、第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”の第4パターンは、そのサイズが次第に小さくなるように形成されることも可能である。前述の第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”は、第1下部パターン膜131及び/または第1上部パターン膜241にさらに設けられることも可能である。
【0137】
図18は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1700を示す図面である。
図18に示された分光フィルタ1700は、第1、第2及び第3波長シフト補償層761、761’、761”を除いては、
図16に示された分光フィルタ1600と同一である。
【0138】
図18を参照すれば、分光フィルタ1700の中心にある第1ユニットフィルタF1は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第1波長シフト補償層761をさらに含み、第1位置にある第1ユニットフィルタF1’は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第2波長シフト補償層761’をさらに含み、第2位置にある第1ユニットフィルタF1”は、第1キャビティ121と第2金属反射層128との間に設けられた第3波長シフト補償層761”をさらに含んでもよい。第1、第2及び第3波長シフト補償層761、761’、761”は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置によってサイズが変化する第4パターンを含む。
【0139】
図19は、分光フィルタ1700の中心にある第1ユニットフィルタF1の第1波長シフト補償層761、第1位置にある第1ユニットフィルタF1’の第2波長シフト補償層761’、及び第2位置にある第1ユニットフィルタF1”の第3波長シフト補償層761”を例示的に示す内部平面図である。
図19を参照すれば、第1、第2及び第3波長シフト補償層761、761’、761”は、それぞれ、第7誘電体761a、761a’、761a”と、当該第7誘電体761a、761a’、761a”内に配置されて第4パターンを形成する第8誘電体761b、761b’、761b”とを含むものでもある。
【0140】
第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置が分光フィルタ1700の中心から外郭に行くほど、第1、第2及び第3波長シフト補償層761、761’、761”の第4パターンは、そのサイズが次第に大きくなるように形成されるが、それに限定されない。
【0141】
図20は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1800を示す図面である。
図20に示された分光フィルタ1800は、第1、第2及び第3波長シフト補償層861、861’、861”上に、上部パターン膜の代わりにカラーフィルタ850が設けられているという点を除いては、
図16に示された分光フィルタ1600と同一である。
【0142】
図面には、第1キャビティ121に設けられた第1、第2及び第3波長シフト補償層861、861’、861”が
図16に示された第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”である場合が例示的に示されている。しかしながら、それに限定されるものではなく、第1キャビティ121には、
図15に示された第1及び第2波長シフト補償層561’、561”が設けられてもよく、
図18に示された第1、第2及び第3波長シフト補償層761、761’、761”が設けられてもよい。
【0143】
第1、第2及び第3シフト補償層861、861’、861”には、カラーフィルタ850が設けられうる。ここで、カラーフィルタ850は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”が所望しない波長帯域の光を遮断するものであり、例えば、青色、緑色または赤色のカラーフィルタを含んでもよい。
【0144】
図21は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ1900を示す図面である。
【0145】
図21を参照すれば、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”それぞれは、互いに離隔されて設けられる第1及び第2ブラッグ反射層341、342と、第1及び第2ブラッグ反射層341、342間に設けられる第1キャビティ121とを含むものでもある。ここで、第1キャビティ121は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”全てに対して同一サイズの第1パターンを含む。
【0146】
分光フィルタ1900の中心にある第1ユニットフィルタF1は、第1キャビティ121と第2ブラッグ反射層128との間に設けられた第1波長シフト補償層961をさらに含み、第1位置にある第1ユニットフィルタF1’は、第1キャビティ121と第2ブラッグ反射層128との間に設けられた第2波長シフト補償層961’をさらに含み、第2位置にある第1ユニットフィルタF1”は、第1キャビティ121と第2ブラッグ反射層128との間に設けられた第3波長シフト補償層961”をさらに含んでもよい。
【0147】
第1、第2及び第3波長シフト補償層961、961’、961”は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”の位置によってサイズが変化する第4パターンを含む。図面には、第1キャビティ121に設けられた第1、第2及び第3波長シフト補償層961、961’、961”が
図16に示された第1、第2及び第3波長シフト補償層661、661’、661”である場合が例示的に示されている。しかしながら、それに限定されるものではなく、第1キャビティ121には、
図15に示された第1及び第2波長シフト補償層561’、561”が設けられてもよく、
図18に示された第1、第2及び第3波長シフト補償層761、761’、761”が設けられてもよい。
【0148】
図22は、さらに他の例示的な実施形態による分光フィルタ2000を示す図面である。
図22に示された分光フィルタ2000は、カラーフィルタ1050をさらに含むという点を除いては、
図21に示された分光フィルタ1900と同一である。
【0149】
図22を参照すれば、第2ブラッグ反射層342上にカラーフィルタ1050が設けられている。ここで、カラーフィルタ1050は、第1ユニットフィルタF1、F1’、F1”が所望しない波長帯域の光を遮断する役割を行うものであり、例えば、カラーフィルタ1050は、青色、緑色または赤色のカラーフィルタを含んでもよい。
【0150】
図23は、例示的な実施形態によるイメージセンサの概略的なブロック図である。
【0151】
図23を参照すれば、イメージセンサ1000は、分光フィルタ1100、画素アレイ4100、タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020及び出力回路4030を含むものでもある。該イメージセンサは、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサを含むが、それらに限定されない。
【0152】
分光フィルタ1100は、互いに異なる波長領域の光を透過させるものであり、二次元に配列される複数のユニットフィルタを含む。画素アレイ4100は、複数のユニットフィルタを透過した、互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含む。具体的には、画素アレイ4100は、複数のロウと複数のカラムとに沿って、二次元に配列された画素を含む。ロウデコーダ4020は、タイミングコントローラ4010から出力されたロウアドレス信号に応答して、画素アレイ4100のロウの1つを選択する。出力回路4030は、選択されたロウに沿って配列された複数の画素から、カラム単位で光感知信号を出力する。そのために、出力回路4030は、カラムデコーダとアナログ・デジタル変換器(ADC: analog to digital converter)とを含む。例えば、出力回路4030は、カラムデコーダと画素アレイ4100との間で、カラム別にそれぞれ配置された複数のADC、またはカラムデコーダの出力端に配置された1つのADCを含むものでもある。タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020及び出力回路4030は、1つのチップまたはそれぞれ別個のチップによっても具現される。出力回路4030を介して出力された映像信号を処理するためのプロセッサが、タイミングコントローラ4010、ロウデコーダ4020及び出力回路4030と共に、1つのチップによっても具現される。画素アレイ4100は、互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含み、ここで、画素の配列は、多様な方式により具現可能である。
【0153】
前述の分光フィルタ1100~2000の何れかを含むイメージセンサ1000は、多様な高性能光学装置または高性能電子装置に採用可能である。当該電子装置は、例えば、スマートフォン(smart phone)、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ(laptop)、PC(personal computer)、多様なポータブル機器、家電製品、保安カメラ、医療用カメラ、自動車、事物インターネット(IoT; Internet of Things)機器、その他のモバイルまたは非モバイルのコンピューティング装置であるが、それらに制限されない。
【0154】
該電子装置は、イメージセンサ1000以外にも、イメージセンサを制御するプロセッサ、例えば、アプリケーションプロセッサ(AP: Application Processor)をさらに含んでもよく、該プロセッサを介してオペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムを駆動し、多数のハードウェアまたはソフトウェアの構成要素を制御することができ、各種データ処理及び演算を遂行することができる。該プロセッサは、GPU(Graphic Processing Unit)及び/またはイメージ信号プロセッサ(Image Signal Processor)をさらに含んでもよい。該プロセッサにイメージ信号プロセッサが含まれる場合、イメージセンサにより獲得されたイメージ(または、映像)を、プロセッサを利用して保存及び/または出力することができる。
【0155】
図24は、イメージセンサ1000を含む電子装置ED01の一例を示すブロック図である。
図24を参照すれば、ネットワーク環境ED00において、電子装置ED01は、第1ネットワークED98(近距離無線通信ネットワークなど)を介して他の電子装置ED02と通信するか、あるいは第2ネットワークED99(遠距離無線通信ネットワークなど)を介してさらに他の電子装置ED04及び/またはサーバED08と通信することができる。電子装置ED01は、サーバED08を介して電子装置ED04と通信することができる。電子装置ED01は、プロセッサED20、メモリED30、入力装置ED50、音響出力装置ED55、表示装置ED60、オーディオモジュールED70、センサモジュールED76、インターフェースED77、ハプティックモジュールED79、カメラモジュールED80、電力管理モジュールED88、バッテリED89、通信モジュールED90、加入者識別モジュールED96及び/またはアンテナモジュールED97を含む。電子装置ED01には、当該構成要素のうち一部構成要素(表示装置ED60など)が省略されてもよく、他の構成要素が追加されてもよい。当該構成要素のうち一部は、1つの統合された回路により具現可能である。例えば、センサモジュールED76(指紋センサ、虹彩センサ、照度センサなど)は、表示装置ED60(ディスプレイなど)に組み込まれて具現可能である。また、イメージセンサ1000に分光機能が含まれる場合、センサモジュールの一部機能(カラーセンサ、照度センサ)が別途のセンサモジュールではないイメージセンサ1000自体で具現可能である。
【0156】
プロセッサED20は、ソフトウェア(プログラムED40など)を実行し、プロセッサED20に連結された電子装置ED01のうち1つまたは複数個の他の構成要素(ハードウェア、ソフトウェアの構成要素など)を制御することができ、多様なデータ処理または演算を遂行することができる。データ処理または演算の一部として、プロセッサED20は、他の構成要素(センサモジュールED76、通信モジュールED90など)から受信された命令及び/またはデータを揮発性メモリED32にロードし、揮発性メモリED32に保存された命令及び/またはデータを処理し、結果データを不揮発性メモリED34に保存することができる。プロセッサED20は、メインプロセッサED21(中央処理装置、アプリケーションプロセッサなど)と、それと独立してまたは共に運用可能な補助プロセッサED23(グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサハブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)とを含む。補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21よりも電力を低く使用し、特化された機能を遂行することができる。
【0157】
補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21がインアクティブ状態(スリープ状態)にある間に、メインプロセッサED21の代わりに、あるいはメインプロセッサED21がアクティブ状態(アプリケーション実行状態)にある間に、メインプロセッサED21と共に、電子装置ED01の構成要素のうち一部構成要素(表示装置ED60、センサモジュールED76、通信モジュールED90など)と関連した機能及び/または状態を制御することができる。補助プロセッサED23(イメージシグナルプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)は、機能的に関連した他の構成要素(カメラモジュールED80、通信モジュールED90など)の一部としても具現可能である。
【0158】
メモリED30は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20、センサモジュールED76など)が必要とする多様なデータを保存することができる。該データは、例えば、ソフトウェア(プログラムED40など)、並びにそれと関連した命令に係わる入力データ及び/または出力データを含む。メモリED30は、揮発性メモリED32及び/または不揮発性メモリED34を含む。不揮発性メモリED34は、電子装置ED01内に固定装着された内蔵メモリED36と、脱着可能な外装メモリED38とを含む。
【0159】
プログラムED40は、メモリED30にソフトウェアとして保存され、オペレーティングシステムED42、ミドルウェアED44及び/またはアプリケーションED46を含む。
【0160】
入力装置ED50は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20など)に使用される命令及び/またはデータを、電子装置ED01の外部(ユーザなど)から受信することができる。入力装置ED50は、マイク、マウス、キーボード及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含む。
【0161】
音響出力装置ED55は、音響信号を電子装置ED01の外部に出力することができる。音響出力装置ED55は、スピーカ及び/またはレシーバを含む。該スピーカは、マルチメディア再生または録音再生のように一般的な用途に使用され、該レシーバは、着信電話を受信するために使用される。該レシーバは、該スピーカの一部に結合されていてもよく、独立した別途の装置で具現されてもよい。
【0162】
表示装置ED60は、電子装置ED01の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置ED60は、ディスプレイ、ホログラム装置またはプロジェクタ、及び当該装置を制御するための制御回路を含む。表示装置ED60は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(Touch Circuitry)、及び/またはタッチにより発生する力の強度を測定するように設定されたセンサ回路(圧力センサなど)を含む。
【0163】
オーディオモジュールED70は、音を電気信号に変換させるか、あるいは電気信号を音に変換させることができる。オーディオモジュールED70は、入力装置ED50を介して音を獲得するか、あるいは音響出力装置ED55及び/または電子装置ED01と直接または無線で連結された他の電子装置(電子装置ED02など)のスピーカ及び/またはヘッドホンを介して音を出力することができる。
【0164】
センサモジュールED76は、電子装置ED01の作動状態(電力、温度など)、または外部の環境状態(ユーザ状態など)を感知し、感知された状態に対応する電気信号及び/またはデータ値を生成することができる。センサモジュールED76は、ジェスチャーセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、マグネチックセンサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、IR(Infrared)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ及び/または照度センサを含む。
【0165】
インターフェースED77は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と直接または無線で連結されるために使用可能な1つまたは複数の指定されたプロトコルを支援することができる。インターフェースED77は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、SDカードインターフェース及び/またはオーディオインターフェースを含む。
【0166】
連結端子ED78は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と物理的に連結可能なコネクタを含む。連結端子ED78は、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ及び/またはオーディオコネクタ(ヘッドホンコネクタなど)を含む。
【0167】
ハプティックモジュールED79は、電気的信号を、ユーザが触覚または運動感覚を通じて認知可能な機械的な刺激(振動、動きなど)あるいは電気的な刺激に変換することができる。ハプティックモジュールED79は、モータ、圧電素子及び/または電気刺激装置を含む。
【0168】
カメラモジュールED80は、静止画及び動画を撮影することができる。カメラモジュールED80は、1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリ、
図1のイメージセンサ1000、イメージシグナルプロセッサ及び/またはフラッシュを含む。カメラモジュールED80に含まれたレンズアセンブリは、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。
【0169】
電力管理モジュールED88は、電子装置ED01に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールED88は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部としても具現される。
【0170】
バッテリED89は、電子装置ED01の構成要素に電力を供給することができる。バッテリED89は、再充電不可能な一次電池、再充電可能な二次電池及び/または燃料電池を含む。
【0171】
通信モジュールED90は、電子装置ED01と他の電子装置(電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)との直接(有線)通信チャネル及び/または無線通信チャネルの成立、並びに成立された通信チャネルを介した通信遂行を支援することができる。通信モジュールED90は、プロセッサED20(アプリケーションプロセッサなど)と独立して運用され、直接通信及び/または無線通信を支援する1つまたは複数のコミュニケーションプロセッサを含む。通信モジュールED90は、無線通信モジュールED92(セルラー通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite System)通信モジュールなど)及び/または有線通信モジュールED94(LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなど)を含む。それらの通信モジュールのうち該当する通信モジュールは、第1ネットワークED98(ブルートゥース、WiFi DirectまたはIrDA(Infrared Data Association)のような近距離通信ネットワーク)、あるいは第2ネットワークED99(セルラーネットワーク、インターネットまたはコンピュータネットワーク(LAN、WANなど)のような遠距離通信ネットワーク)を介して他の電子装置と通信することができる。そのような多くの種類の通信モジュールは、1つの構成要素(単一チップなど)により統合されるか、あるいは互いに別途の複数の構成要素(複数チップ)により具現される。無線通信モジュールED92は、加入者識別モジュールED96に保存された加入者情報(国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を利用して、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワーク内で、電子装置ED01を確認及び認証することができる。
【0172】
アンテナモジュールED97は、信号及び/または電力を、外部(他の電子装置など)に送信するか、あるいは外部から受信することができる。アンテナは、基板(PCBなど)上に形成された導電性パターンからなる放射体を含む。アンテナモジュールED97は、1つまたは複数のアンテナを含む。複数のアンテナが含まれた場合、通信モジュールED90により、複数のアンテナのうち、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワークで使用される通信方式に好適なアンテナが選択される。選択されたアンテナを介して、通信モジュールED90と他の電子装置との間に信号及び/または電力が送信または受信される。アンテナ以外に、他の部品(RFIC( Radio Frequency Integrated Circuits)など)がアンテナモジュールED97の一部として含まれてもよい。
【0173】
構成要素のうち一部は、周辺機器間の通信方式(バス、GPIO(General Purpose Input and Output)、SPI(Serial Peripheral Interface)、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)など)を介して互いに連結され、信号(命令、データなど)を相互交換することができる。
【0174】
命令またはデータは、第2ネットワークED99に連結されたサーバED08を介して、電子装置ED01と外部の電子装置ED04との間において送信または受信される。他の電子装置ED02、ED04は、電子装置ED01と同一または異なる種類の装置でもある。電子装置ED01で実行される動作の全部または一部は、他の電子装置ED02、ED04、ED08のうち1つまたは複数の装置で実行されてもよい。例えば、電子装置ED01がある機能やサービスを遂行しなければならないとき、機能またはサービスを自体でもって実行させる代わりに、1つまたは複数の他の電子装置にその機能またはそのサービスの一部または全体を遂行することを要請することができる。要請を受信した1つまたは複数の他の電子装置は、要請と関連した追加の機能またはサービスを実行し、その実行の結果を電子装置ED01に伝達することができる。そのために、クラウドコンピューティング技術、分散コンピューティング技術及び/またはクライアント・サーバコンピューティング技術が利用される。
【0175】
図25は、
図24のカメラモジュールED80を例示するブロック図である。
図25を参照すれば、カメラモジュールED80は、レンズアセンブリCM10、フラッシュCM20、イメージセンサ1000(
図1のイメージセンサ1000など)、イメージスタビライザーCM40、メモリCM50(バッファメモリなど)及び/またはイメージシグナルプロセッサCM60を含む。レンズアセンブリCM10は、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。カメラモジュールED80は、複数のレンズアセンブリCM10を含み、その場合、カメラモジュールED80は、デュアルカメラ、360°カメラまたは球状カメラ(Spherical Camera)にもなる。複数のレンズアセンブリCM10のうち一部は、同一なレンズ属性(画角、焦点距離、自動焦点、Fナンバー、光学ズームなど)を有するか、または異なるレンズ属性を有することができる。レンズアセンブリCM10は、広角レンズまたは望遠レンズを含む。
【0176】
フラッシュCM20は、被写体から放出または反射される光を強化するために使用される光を放出することができる。フラッシュCM20は、1つまたは複数の発光ダイオード(RGB(Red-Green-Blue)LED、White LED、Infrared LED、Ultraviolet LEDなど)及び/またはキセノンランプを含む。イメージセンサ1000は、
図1で説明したイメージセンサでもあり、被写体から放出または反射され、レンズアセンブリCM10を介して伝達された光を電気的な信号に変換することにより、被写体に対応するイメージを獲得することができる。イメージセンサ1000は、RGBセンサ、BW(Black and White)センサ、IRセンサまたはUVセンサのように、属性が異なるイメージセンサのうち選択された1つまたは複数のセンサを含む。イメージセンサ1000に含まれたそれぞれのセンサは、CCDセンサ及び/またはCMOSセンサによっても具現される。
【0177】
イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80、またはそれを含む電子装置ED01の動きに反応し、レンズアセンブリCM10に含まれた1つまたは複数個のレンズ、またはイメージセンサ1000を特定の方向に移動するか、あるいはイメージセンサ1000の動作特性を制御(リードアウト(Read-Out)タイミングの調整など)して、動きによる否定的な影響が補償されるようにする。イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80の内部または外部に配置されたジャイロセンサ(図示せず)または加速度センサ(図示せず)を利用して、カメラモジュールED80または電子装置ED01の動きを感知することができる。イメージスタビライザーCM40は、光学式にも具現される。
【0178】
メモリCM50は、イメージセンサ1000を介して獲得されたイメージの一部または全体のデータを次のイメージ処理作業のために保存することができる。例えば、複数のイメージが高速に獲得される場合、獲得された原本データ(Bayer-Patternedデータ、高解像度データなど)はメモリCM50に保存し、低解像度イメージのみをディスプレイした後、選択された(ユーザ選択など)イメージの原本データがイメージシグナルプロセッサCM60に伝達されるようにするのに使用可能である。メモリCM50は、電子装置ED01のメモリED30に統合されているか、あるいは独立して運用される別途のメモリで構成される。
【0179】
イメージシグナルプロセッサCM60は、イメージセンサ1000を介して獲得されたイメージ、またはメモリCM50に保存されたイメージデータに対し、イメージ処理を遂行することができる。該イメージ処理は、デプスマップ(Depth Map)生成、三次元モデリング、パノラマ生成、特徴点抽出、イメージ合成及び/またはイメージ補償(ノイズ低減、解像度調整、輝度調整、ブラーリング(Blurring)、シャープニング(Sharpening)、ソフトニング(Softening)など)を含む。イメージシグナルプロセッサCM60は、カメラモジュールED80に含まれた構成要素(イメージセンサ1000など)に対する制御(露出時間制御またはリードアウトタイミング制御など)を行うことができる。イメージシグナルプロセッサCM60により処理されたイメージは、追加処理のためにメモリCM50に再び保存されるか、あるいはカメラモジュールED80の外部構成要素(メモリED30、表示装置ED60、電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)に提供される。イメージシグナルプロセッサCM60は、プロセッサED20に統合されるか、あるいはプロセッサED20と独立して運用される別途のプロセッサで構成される。イメージシグナルプロセッサCM60がプロセッサED20と別途のプロセッサで構成された場合、イメージシグナルプロセッサCM60により処理されたイメージは、プロセッサED20により追加のイメージ処理を経た後、表示装置ED60を介して表示可能である。
【0180】
電子装置ED01は、それぞれ異なる属性または機能を有する複数のカメラモジュールED80を含む。その場合、複数のカメラモジュールED80のうち1つは広角カメラであり、他の1つは望遠カメラである。同様に、複数のカメラモジュールED80のうち1つは前面カメラであり、他の1つは背面カメラである。
【0181】
実施形態によるイメージセンサ1000は、
図26(a)に示されたモバイルフォンまたはスマートフォン5100m、
図26(b)に示されたタブレットまたはスマートタブレット5200、
図26(c)に示されたデジタルカメラまたはカムコーダ5300、
図26(d)に示されたノート型パソコン5400、あるいは
図26(e)に示されたTVまたはスマートTV 5500などに適用可能である。例えば、スマートフォン5100mまたはスマートタブレット5200は、高解像イメージセンサがそれぞれ搭載された複数の高解像カメラを含む。該高解像カメラを利用して、映像内の被写体の深さ情報を抽出するか、映像のアウトフォーカシングを調節するか、あるいは映像内の被写体を自動的に識別することができる。
【0182】
また、イメージセンサ1000は、
図27(a)に示されたスマート冷蔵庫5600、
図27(b)に示された保安カメラ5700、
図27(c)に示されたロボット5800、
図27(d)に示された医療用カメラ5900などに適用可能である。例えば、スマート冷蔵庫5600は、イメージセンサを利用して、冷蔵庫内にある食べ物を自動的に認識し、特定食べ物が存在するか否か、入庫または出庫された食べ物の種類などを、スマートフォンを介してユーザに報知することができる。保安カメラ5700は、超高解像度映像を提供することができ、高い感度を利用して、暗い環境でも映像内の事物または人間を認識可能にする。ロボット5800は、人間が直接接近できない災害または産業現場で投入され、高解像度映像を提供することができる。医療用カメラ5900は、診断または手術のための高解像度映像を提供することができ、視野を動的に調節することができる。
【0183】
また、イメージセンサ1000は、
図27(e)に示されたように、車両6000に適用可能である。車両6000は、多様な位置に配置された複数の車両用カメラ6010、6020、6030、6040を含み、それぞれの車両用カメラ6010、6020、6030、6040は、一実施形態によるイメージセンサを含む。車両6000は、複数の車両用カメラ6010、6020、6030、6040を利用して、車両6000の内部または周辺に係わる多様な情報を運転手に提供することができ、映像内の事物または人間を自動的に認識し、自律走行に必要な情報を提供することができる。
【0184】
以上の例示的な実施形態による分光フィルタでは、同一中心波長を有するユニットフィルタが位置によって有効屈折率が変化するように構成された要素(例えば、キャビティ、下部パターン膜、上部パターン膜または波長シフト補償層)を含むことにより、入射光の主光線角度が変わることによって発生する中心波長シフトを補償することができる。
【0185】
前述の分光フィルタを具備するイメージセンサ及びそれを含む電子装置は、図面に示された実施形態を参照して述べられたが、それは例示的なものに過ぎず、当該分野における通常の知識を有する者ならば、それらから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。権利範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に表されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は権利範囲に含まれたものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0186】
101、201、301 画素
121、121’、121” 第1キャビティ
125a、125a’、125a” 第1誘電体
125b、125b’、125b” 第2誘電体
127 第1金属反射層
128 第2金属反射層
129 エッチング停止層
131、131’、131” 第1下部パターン膜
135a、135a’、135a” 第3誘電体
135b、135b’、135b” 第4誘電体
139 エッチング停止層
241、241’、241” 第1上部パターン膜
245a、245a’、245a” 第5誘電体
245b、245b’、245b” 第6誘電体
249 エッチング停止層
1100 分光フィルタ
1110 フィルタアレイ
F1、F1’、F1” 第1ユニットフィルタ