(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100605
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】複雑な金属酸化物構造のパターン形成
(51)【国際特許分類】
B32B 9/00 20060101AFI20230711BHJP
B32B 3/14 20060101ALI20230711BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20230711BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
B32B9/00 A
B32B3/14
G02B3/00 Z
G02B5/18
G02B3/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023043988
(22)【出願日】2023-03-20
(62)【分割の表示】P 2020517961の分割
【原出願日】2018-09-28
(31)【優先権主張番号】62/565,703
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505231659
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス、ジェームス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハウエル、アイリーン アール.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テクスチャード表面を備える物品を提供する。
【解決手段】基板120上にナノ粒子インク150を配置し、その上に、パターン化構造を備えるスタンプを配置し、パターンを前記ナノ粒子インクに転写することでパターンを有するテクスチャードナノ粒子インクを形成すること、または、パターン化表面を備えるテンプレート130を基板上に配置し、前記テンプレートをナノ粒子インクで平坦化することでパターンを有するテクスチャードナノ粒子インクを形成すること、のいずれかによって前記基板上に、パターンを有する前記テクスチャードナノ粒子インクを形成し、前記テクスチャードナノ粒子インクに対して原子層堆積(ALD)を少なくとも1サイクル実施することによって製造される物品である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にテンプレートを配置し、
前記テンプレートをナノ粒子インクで平坦化すること
を備える、テクスチャード表面を製造する方法。
【請求項2】
刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テンプレートが架橋された材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記テンプレートがポリマー樹脂を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記刻印することが、残留物のないインプリントリソグラフィを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成する、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、前記刻印されたテンプレートおよび基板を第1アニーリングすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1アニーリングが、加熱、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、および紫外線照射を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記テンプレートを前記基板から取り除くことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記取り除くことが、溶解、か焼、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、または紫外線照射を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板およびテンプレートを第2アニーリングすることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特徴要素が、約2:1から約10:1の高さ:幅のアスペクト比を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記特徴要素が周期的パターンで配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項16】
前記特徴要素がランダムに配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記モールドが、少なくとも1つの実質的に平坦な表面を含み、前記複数の特徴要素の少なくとも1つが、前記モールドと鋭角を形成する側面を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記鋭角が約10度から約89度の範囲である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
転写印刷マスターを形成するために、刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化し、
前記転写印刷マスターを基板に接触させること
を備える、テクスチャード表面を製造する方法。
【請求項20】
前記平坦化の前に第1の基板上にテンプレートを配置し、
前記刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印すること
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記転写印刷マスターを取り除いて、前記第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記テンプレートの表面がハードコートを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記刻印されたテンプレートが架橋された材料を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記テンプレートがポリマー樹脂を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記刻印することが、残留物のないインプリントリソグラフィを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成する
、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記ナノ粒子インクが、前記刻印されたテンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記方法が、前記基板およびテンプレートをアニーリングすることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記アニーリングが、加熱、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、および紫外線照射を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記接触が、シート式のまたはロールツーロール式の転写プロセスを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記取り除くことが、溶解、か焼、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、または紫外線照射を含む、請求項21記載の方法。
【請求項33】
請求項1に記載の方法により形成されたテクスチャード表面を含む物品。
【請求項34】
前記物品が、レンズ、平坦レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、またはブレーズ回折格子を含む、請求項33に記載の物品。
【請求項35】
請求項19に記載の方法によって形成されたテクスチャード表面を含む物品。
【請求項36】
前記物品が、レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、平坦レンズ、遮蔽箔、またはブレーズ回折格子を含む、請求項35に記載の物品。
【請求項37】
基板上にテンプレートを配置し、
刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、
前記刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化し、
前記ナノ粒子インクをアニーリングし、
前記刻印されたテンプレートを取り除くこと
を備え、
前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、
前記ナノ粒子インクは、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、
前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、
テクスチャード表面を製造する方法。
【請求項38】
第1の基板上にテンプレートを配置し、
刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、
前記刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化して転写印刷マスターを形成し、
前記ナノ粒子インクをアニーリングし、
前記転写印刷マスターを第2の基板と接触させ、
前記転写印刷マスターを取り除いて、前記第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することを備え、
前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、
前記ナノ粒子インクは、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、
前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、
テクスチャード表面を製造する方法。
【請求項39】
第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含む原子層堆積(ALD)を、前記刻印された特徴要素上で少なくとも1サイクル実施し、
前記第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2、またはそれらの組み合わせを含み、
前記第2の反応物質は水を含み、
yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、
Mは金属であり、
各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、
各Rは独立して水素か置換または非置換のC1-20アルキルであり、
Cpは、置換または非置換のシクロペンタジエニルである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含む原子層堆積(ALD)を、前記刻印された特徴要素上で少なくとも1サイクル実施することをさらに備え、
前記第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2、またはそれらの組み合わせを含み、
前記第2の反応物質は水を含み、
yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、Mは金属であり、
各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、
各Rは独立して水素か置換または非置換のC1-20アルキルであり、
Cpは、置換または非置換のシクロペンタジエニルである、請求項20に記載の方法。
【請求項41】
前記ALDは、前記特徴要素の細孔をTiO2で充填する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または光に曝露された後、前記特徴要素が約1~15%の収縮を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または光に曝露された後、前記特徴要素が約1.2~4.0の屈折率を有する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
そこから突出する複数の特徴要素を含む表面を備える物品であって、前記特徴要素の高さ:幅のアスペクト比が約2:1から約10:1である、前記物品。
【請求項45】
前記特徴要素が周期的パターンで配置される、請求項44に記載の物品。
【請求項46】
前記特徴要素がランダムに配置される、請求項44に記載の物品。
【請求項47】
前記特徴要素の少なくとも1つが側面を有し、その側面が前記表面と鋭角を形成する、請求項44に記載の物品。
【請求項48】
前記鋭角が約10度から約89度の範囲である、請求項47に記載の物品。
【請求項49】
前記複数の特徴要素が、独立して、約1.2~4.0の屈折率を有する、請求項44に記載の物品。
【請求項50】
前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または光に曝露された後、前記特徴要素が独立して約1.2~約4.0の屈折率を有する、請求項49に記載の物品。
【請求項51】
前記物品が、レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、メタレンズ、ライトフィールドディスプレイ、平坦レンズ、またはブレーズ回折格子を含む、請求項44に記載の物品。
【請求項52】
前記物品が光学的に透明である、請求項44に記載の物品。
【請求項53】
前記物品は約400nmから約1400nmの範囲の電磁放射に対して光学的に透明である、請求項52に記載の物品。
【請求項54】
前記物品は、約400nm~約700nmの範囲の電磁放射に対して光学的に透明である、請求項52に記載の物品。
【請求項55】
前記物品が905nmを超える電磁放射に対して光学的に透明である、請求項52に記載の物品。
【請求項56】
前記物品は、仮想現実デバイスまたは拡張現実デバイスである、請求項44に記載の物品。
【請求項57】
前記物品がメタレンズまたは平坦レンズである、請求項44に記載の物品。
【請求項58】
ナノ粒子ベースのインクを基板上に配置し、
テクスチャード表面を得るために、複数の特徴要素を含むモールドで前記インクを刻印し、
第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含む原子層堆積(ALD)を、前記テクスチャード表面上で少なくとも1サイクル実施することを含み、
前記第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2、またはそれらの組み合わせを含み、
前記刻印することは、形状および位置が前記モールド上の前記特徴要素に実質的に対応する刻印された特徴要素を前記基板上に生成し、
前記ナノ粒子インクは、前記モールドの前記特徴要素を実質的に充填して前記特徴要素を生成し、
前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含み、
前記第2の反応物質は水を含み、
yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、
Mは金属であり、
各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、
各Rは独立して水素か置換または非置換のC1-20アルキルであり、
Cpは、置換または非置換のシクロペンタジエニルである、
テクスチャード表面を製造する方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法に従って形成された物品。
【請求項60】
前記物品が、そこから突出する複数の特徴要素を含む表面を備え、前記特徴要素の高さ:幅のアスペクト比が約2:1から約10:1である、請求項59記載の物品。
【請求項61】
前記特徴要素が周期的パターンで配置される、請求項60に記載の物品。
【請求項62】
前記特徴要素がランダムに配置される、請求項60に記載の物品。
【請求項63】
前記複数の特徴要素の少なくとも1つが側面を有し、その側面が前記表面と鋭角を形成する、請求項60に記載の物品。
【請求項64】
前記鋭角が約10度から約89度の範囲である、請求項63に記載の物品。
【請求項65】
前記複数の特徴要素が、独立して約1.2~4.0の屈折率を有する、請求項64に記載の物品。
【請求項66】
前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または光に曝露された後、前記特徴要素が独立して約1.2~約4.0の屈折率を有する、請求項65に記載の物品。
【請求項67】
前記屈折率が所定の屈折率値に対応する、請求項66に記載の物品。
【請求項68】
前記屈折率が所定の屈折率値の5パーセント以内である、請求項67に記載の物品。
【請求項69】
前記物品が、レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、メタレンズ、ライトフィールドディスプレイ、平坦レンズ、またはブレーズ回折格子を含む、請求項60に記載の物品。
【請求項70】
前記物品が光学的に透明である、請求項60に記載の物品。
【請求項71】
前記物品が屈折率値の勾配を有する、請求項60に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複雑な金属酸化物構造のパターン形成に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ構造化された金属、金属酸化物、および金属窒化物の構造物は、光学、メタマテリアル、メタ表面などの用途に重要視されている。光学用途およびメタマテリアル/メタ表面を含む多くの用途では、複雑な幾何形状が必要である。こうした構造物には、(高さ:幅が4:1を超える)高アスペクト比の構造物、基板表面の法線に対して異なる傾斜角を有する構造物(ブレーズ回折格子など)、および個々の構成要素が高さ、向きが異なる特徴要素(features)のパターンおよび/または面密度が大幅に異なる特徴要素のパターンが含まれる(たとえば、パターンの一部の領域は密集して配置された特徴要素を含み、パターンの他の領域は特徴要素を含まないかまたは特徴要素サイズに比べて掛け離れて配置された比較的疎な特徴要素の集団を含む)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの要件はいずれも従来のナノインプリントリソグラフィを使用して満たすことが困難な場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
テクスチャード表面を製造する方法を提供する。この方法は、基板上にテンプレートを配置し、前記テンプレートをナノ粒子インクで平坦化することを含む。
テクスチャード表面を製造する方法を提供する。この方法は、転写印刷マスターを形成するために、刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化し、前記転写印刷マスターを基板に接触させることを含む。
【0005】
テクスチャード表面を製造する方法が提供される。この方法は、基板上にテンプレートを配置し、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、ナノ粒子インクで刻印されたテンプレートを平坦化すること、ナノ粒子インクをアニーリングすること、刻印されたテンプレートを取り除くことを含む。この方法では、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0006】
テクスチャード表面を製造する方法が提供される。この方法は、第1の基板上にテンプレートを配置し、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、前記刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化して転写印刷マスターを形成し、前記ナノ粒子インクをアニーリングし、前記転写印刷マスターを第2の基板と接触させ、前記転写印刷マスターを取り除いて前記第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することを含む。この方法では、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0007】
様々な実施形態において、本方法は、表面上の多種多様な特徴要素のサイズおよび特徴要素の分布を有する複雑な構造幾何形状を容易に製造できる。前記様々な実施形態において、本発明の利点は、既存技術と比べて、他の後処理であるか焼時の特徴要素の収縮程度が比較的低いことと機械的堅牢性があることを含む。有利なことに、様々な実施形態において、この方法は、高アスペクト比構造物(高さ:幅が4:1を超える)、基板表面の法線に対して傾斜角が異なる構造物、および特徴要素のパターンの製造を可能にする。個々の構成要素は、高さ、方向、および/または特徴要素の面密度が大きく異なる点で異なる。有利なことに、様々な実施形態では、この方法は、密集した高密度の特徴要素を含むパターンの製造を可能にし、パターンの他の領域は特徴要素を含まないか、特徴要素サイズに対して掛け離れて配置された比較的疎な特徴要素の集団を含む。
【0008】
図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていないが、図面を通して同様の数字は実質的に同様の構成要素を表す。図面は、限定ではなく例として、本発明の様々な実施形態を一般的に示す。図面に表示される特徴は、一定の縮尺ではなく、例示目的および明確化のみを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、様々な実施形態による、テクスチャード表面を製造する方法の概略図である。
【
図2】
図2は、様々な実施形態による、モールドの表面に対して鋭角な特徴要素の概略図である。
【
図3】
図3は、様々な実施形態による、高密度の特徴要素を有する部分と低密度の特徴要素を有する部分とを有するモールドの概略図である。
【
図4】
図4は、様々な実施形態による、転写印刷マスターを使用してテクスチャード表面を製造する方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の主題のいくつかの例が部分的に示されている添付の図面を参照して本開示の主題の特定の実施形態を説明する。本開示の主題を、列挙した請求項と併せて説明するが、例示した主題は、本開示の主題に請求項を限定することを意図していないことに留意されたい。
【0011】
本明細書を通して、範囲の形式で表された値は、範囲の境界として明示的に列挙された数値だけでなく、その範囲内に含まれるすべての個々の数値やその範囲内のサブ範囲も含めるように、各数値とサブ範囲が明示的に列挙されているものとして柔軟に解釈すべきである。たとえば、「約0.1%から約5%」または「約0.1%から5%」の範囲は、約0.1%から約5%だけを含むのでなく、個々の値(たとえば、1%、2%、3%、および4%)および当該指定された範囲内のサブ範囲(たとえば、0.1%から0.5%、1.1%から2.2%、3.3%から4.4%)も含む。「約XからY」という文言は、別段の指示がない限り、「約Xから約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、または約Z」という文言は、別段の指示がない限り、「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を持っている。
【0012】
本明細書では、「一つの」や「その、前記、当該」という用語は、文脈で明確に指示されていない限り、1つ、または1つより多い複数を含むものとして使用される。「または」という用語は、別段の指示がない限り、非排他的な「または」を指すために使用される。「AおよびBの少なくとも一方」または「AまたはBの少なくとも一方」は、「A、B、またはAおよびB」と同じ意味である。さらに、本明細書で使用され他に定義されていない表現または用語は、説明のみを目的としており、限定を目的としていないことを理解されたい。章の見出しは、本明細書を読みやすくする支援を目的として使用しており、制限として解釈されるものではない。章の見出しに関連する情報は、その特定の章内に限らずその章以外で見られることもある。
【0013】
本明細書で説明した方法では、時間的なまたは動作の順序が明示的に述べられている場合を除いて、個々の行為を本発明の技術的思想から逸脱せずに任意の順序で実施してよい。さらに、いくつかの特定の行為は、それらを別々に実施することを請求項の文言が明示的に述べていない限り、同時に実施してもよい。たとえば、Xを実施するというある請求項の行為と、Yを実施するというある請求項の行為は、単一の動作内で同時に実施してよく、結果として生じるプロセスは、請求項に記載したプロセスの文言どおりの範囲に含まれる。
【0014】
本明細書で使用する「約」という用語は、まさに述べられた値または範囲を含めて、値または範囲のある程度のばらつきを許容でき、たとえば、指定された値のまたは指定された範囲の境界の10%以内、5%以内、または1%以内のばらつきを許容できる。
【0015】
本明細書で使用する「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、または少なくとも約99.999%以上、または100%といった、大部分、またはほとんどを指す。本明細書で使用する「実質的に含まない」という用語は、全く有さない、または、取るに足らない量を有することを意味することができ、材料の量が、当該材料を含む組成物の材料特性に影響を及ぼさず、当該組成物が当該材料の約0重量%~約5重量%、または約0重量%~約1重量%、または約5重量%以下、または、約0重量%~約5重量%、または約4.5重量%、4、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、または約0.001重量%より少ない、等しい、または多い。「実質的に含まない」という用語は、組成物が材料の約0重量%~約5重量%、または約0重量%~約1重量%、または約5重量%以下であるような、取るに足らない量を有すること、または、約4.5重量%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01、または約0.001重量%より少ない、等しい、または多い、または約0重量%であることを意味することができる。
【0016】
本明細書で定義される分子または有機基と併せて本明細書で使用する「置換」という用語は、そこに含まれる1つ以上の水素原子が1つ以上の非水素原子で置き換えられている状態を指す。本明細書で使用する「官能基」または「置換基」という用語は、分子上または有機基上にあり得る基または分子上または有機基上の置換されている基を指す。置換基または官能基の例には、ハロゲン(たとえば、F、Cl、Br、およびI);ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、オキソ(カルボニル)基、カルボン酸、カルボン酸塩、およびカルボン酸エステルを含むカルボキシル基などの基中の酸素原子;チオール基、硫化アルキル基、硫化アリール基、スルホキシド基、スルホン基、スルホニル基、スルホンアミド基などの硫黄原子;アミン、ヒドロキシアミン、ニトリル、ニトロ基、N-オキシド、ヒドラジド、アジド、エナミンなどの基の窒素原子;および、他の様々な基のヘテロ原子が含まれるがこれらに限定されない。置換炭素(または他の)原子に結合できる置換基の非限定的な例には、F、Cl、Br、I、OR、OC(O)N(R)2、CN、NO、NO2、ONO2、アジド、CF3、OCF3、R、O(オキソ)、S(チオノ)、C(O)、S(O)、メチレンジオキシエチレンジオキシ、N(R)2、SR、SOR、SO2R、SO2N(R)2、SO3R、C(O)R、C(O)C(O)R、C(O)CH2C(O)R、C(S)R、C(O)OR、OC(O)R、C(O)N(R)2、OC(O)N(R)2、C(S)N(R)2、(CH2)O-2N(R)C(O)R、(CH2)O-2N(R)N(R)2、N(R)N(R)C(O)R、N(R)N(R)C(O)OR、N(R)N(R)CON(R)2、N(R)SO2R、N(R)SO2N(R)2、N(R)C(O)OR、N(R)C(O)R、N(R)C(S)R、N(R)C(O)N(R)2、N(R)C(S)N(R)2、N(COR)COR、N(OR)R、C(=NH)N(R)2、C(O)N(OR)R、およびC(=NOR)Rが含まれる。ここで、Rは水素であるかまたは炭素系部分であることができ、たとえば、Rは水素、(C1~C100)ヒドロカルビル、アルキル、アシル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであってよく、または、窒素原子に結合したまたは隣接する窒素原子に結合した2つのR基は、1つまたは複数の窒素原子と一緒になってヘテロシクリルを形成してよい。
【0017】
本明細書で使用する「アルキル」という用語は、1~40個の炭素原子、1~約20個の炭素原子、1~12個の炭素、またはいくつかの実施形態では1~8個の炭素原子を有する、直鎖および分岐アルキル基およびシクロアルキル基を指す。直鎖アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、およびn-オクチル基などの1~8個の炭素原子を有するものが含まれる。分岐アルキル基の例には、限定ではないが、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2、2-ジメチルプロピル基が含まれる。本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、n-アルキル、イソアルキル、およびアンテイソアルキル基、ならびに他の分岐鎖形態のアルキルを包含する。代表的な置換アルキル基は、たとえばアミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、ニトロ、チオ、アルコキシ、およびハロゲン基など、本明細書で説明したいずれかの基で1回以上置換されてよい。
【0018】
本明細書で使用する「放射」という用語は、媒体または空間を通って移動するエネルギー粒子を指す。放射の例としては、可視光、赤外光、マイクロ波、電波、VLF波、極超長波、熱放射(熱)、黒体放射などがある。
【0019】
本明細書で使用する「光」という用語は、人間の目で見ることができる波長内およびその近くの電磁放射を指し、波長が約10nmから約300,000nmまでの紫外(UV)光および赤外光を含む。「光」という用語は、約300MHzから約300GHzの周波数のマイクロ波放射も含む。
【0020】
本明細書で使用する「UV光」という用語は、約10nm~約400nmの波長を有する電磁放射である紫外光を指す。
本明細書で使用する「赤外光」という用語は、約0.7マイクロメートルと約300マイクロメートルの間の波長を有する電磁放射を指す。
【0021】
本明細書で使用する「溶媒」という用語は、固体、液体、または気体を溶解できる液体を指す。溶媒の非限定的な例は、シリコーン、有機化合物、水、アルコール、イオン性液体、および超臨界流体である。
【0022】
本明細書で使用する「コーティング」という用語は、コーティングされた表面上にある連続的なまたは不連続的な材料層を指す。なお、この材料層は表面に浸透してよく、細孔などの領域を充填することができる。この材料層は、平坦面または曲面を含む任意の三次元形状を有してよい。一例では、コーティングは、コーティング材料の浴中への浸漬によって、多孔質または非多孔質であり得る1つまたは複数の表面上に形成することができる。
【0023】
本明細書で使用する「表面」という用語は、物体の境界または側面を指す。この境界または側面は、任意の周辺形状を有することができ、平坦、湾曲、または角を含む任意の三次元形状を有してよい。この境界または側面は、連続的または不連続であり得る。
【0024】
テクスチャード表面の製造方法
テクスチャード表面を製造する方法が提供される。この方法は、基板上にテンプレートを配置し、前記テンプレートをナノ粒子インクで平坦化することを含む。基板は、ガラス、石英、またはPETシートもしくはポリイミドシートなどのポリマー樹脂などの、非導電性および非反応性基板であり得る。いくつかの実施形態では、基板は、インジウムスズ酸化物(ITO)でコーティングされたガラス二酸化ケイ素である。
【0025】
いくつかの実施形態では、テンプレートは、架橋された材料であり得る。テンプレートは高分子樹脂であり得る。たとえば、テンプレートは、柔軟で変形可能な高分子材料から製造できる。たとえばポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)で架橋されたまたは非架橋の材料、その他のモノマーUV樹脂、ポリウレタン、またはパーフルオロポリエーテル(PFPE)。平坦化ステップは、テンプレート上にナノ粒子インクをスピンコーティングまたはブレードコーティングすることによって実施してよい。テンプレートは、PDMS前駆体と硬化剤とを含む混合物をキャストし、その後50℃を超える温度で硬化することで、基板上に堆積(deposit)してよい。硬化に光を使用する場合、温度は50℃未満の温度から選択してよい。テンプレートの厚さは、0.01mmから約5mm、または約0.5mmから約4.5mm、または約1mmから約3mmであってよい。いくつかの実施形態では、テンプレートは厚さを有することができ、それは約0.5mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、またはこれらの値間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0026】
ナノ粒子インクは、溶媒中のナノ粒子の分散液として存在してよい。ナノ粒子インクは、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物、グラフェン、酸化グラフェン、またはそれらの組み合わせを含むナノ粒子を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約1nm~約20nmの数平均および体積平均の粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、約1nmから約19nm、約2nmから約18nm、約3nmから約17nm、約4nmから約16nm、約5nmから約15nm、約6nmから約14nm、約7から約13nm、またはそれらの間の任意のサブ範囲の数平均粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は体積平均粒子サイズを有することができ、それは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約11nm、約12nm、約13nm、約14nm、約15nm、約16nm、約17nm、約18nm、約19nm、約20nm、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子は結晶質である。いくつかの実施形態では、分散液は液相としてアルコール溶媒を有する。いくつかの実施形態では、アルコールは、メタノール、イソプロパノール、1,2-プロパンジオール、またはそれらの混合物である。いくつかの実施形態では、アルコールは、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、(1,2-または1,3-または1,4-)ブタンジオール、およびそれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子インクはバインダー成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、バインダー成分はシロキサンを含むことができる。バインダーは、分散液中にゾルゲル前駆体として存在してよい。
【0029】
図1は、複数の特徴要素(110)を有するモールド(100)と、基板(120)と、テンプレート(130)とを示す。モールドでテンプレートを刻印した後、テンプレートに刻印された特徴要素(140)は、形状と位置がモールドの特徴要素に実質的に対応する。刻印されたテンプレートは、ナノ粒子インク(150)で平坦化して、刻印された特徴要素をナノ粒子インクで実質的に充填する(160)ことができる。テンプレートを取り除いた後、基板は、ナノ粒子インクからのナノ粒子材料で構成される特徴要素(170)を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、刻印前のテンプレート(130)の頂面(刻印される表面)は、テンプレートの頂面と刻印された特徴要素/空洞との間に疎水性/親水性コントラストを作り出すことができる物質でコーティングしてよい。そのようなコーティングは、テンプレートの表面に残留物層を残すことなく特徴要素を埋めることができる。
【0031】
この方法はさらに、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印することを含むことができる。モールドは、たとえば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、PUA(ポリウレタンアクリレート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、シリコン、ニッケル、石英、またはZrO
2からなる硬質モールドから作ることができる。刻印は、手作業で、またはNanonex NX-2000またはNX-2608BAなどの適切な装置を使用して完遂できる。いくつかの実施形態では、モールドは少なくとも1つの実質的に平坦な表面を有し、特徴要素の少なくとも1つは、モールドと鋭角を形成する側面を有する。この鋭角は、約10度から約89度の範囲、約20度から約60度の範囲、または約10度、15度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、または約89度より小さい、等しい、または大きい範囲であり得る。
図2は、モールド(200)上の平坦面に対して鋭角(220)を有する特徴要素(210)を有するモールドを示す。
【0032】
特徴要素は、高さ:幅のアスペクト比を有することができ、それは約2:1から約10:1、約3:1から10:1、約4:1から約10:1、約5:1から約10:1、約6:1から約10:1、約7:1から約10:1、約9:1から約10:1、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。いくつかの実施形態では、特徴要素の高さ:幅のアスペクト比は、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0033】
特徴要素は、幅:高さのアスペクト比を有することができ、それは約2:1から約10:1、約3:1から10:1、約4:1から約10:1、約5:1から約10:1、約6:1から約10:1、約7:1から約10:1、約9:1から約10:1、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。いくつかの実施形態では、特徴要素の幅:高さアスペクト比は、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、特徴要素の高さは、約0.05ミクロンから約30ミクロン、約0.5ミクロンから約25ミクロン、約1ミクロンから約22ミクロン、約2ミクロンから約20ミクロン、約3ミクロンから約18ミクロン、約4ミクロンから約16ミクロン、約5ミクロンから約14ミクロン、約6ミクロンから約12ミクロン、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0035】
特徴要素の高さは、約0.05ミクロン、1ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、またはこれらの値の間の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、特徴要素の幅は、約0.05ミクロンから約30ミクロン、約0.5ミクロンから約25ミクロン、約1ミクロンから約22ミクロン、約2ミクロンから約20ミクロン、約3ミクロンから約18ミクロン、約4ミクロンから約16ミクロン、約5ミクロンから約14ミクロン、約6ミクロンから約12ミクロン、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。特徴要素の幅は、約0.05ミクロンから約1ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、またはこれらの値の間の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、特徴要素の深さは、約0.05ミクロンから約30ミクロン、0.5ミクロンから約25ミクロン、約1ミクロンから約22ミクロン、約2ミクロンから約20ミクロン、約3ミクロンから約18ミクロン、約4ミクロンから約16ミクロン、約5ミクロンから約14ミクロン、約6ミクロンから約12ミクロン、またはこれらの値の間の任意の範囲または部分範囲であり得る。特徴要素の深さは、約0.05ミクロン、1ミクロン、約2ミクロン、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、約11ミクロン、約12ミクロン、約13ミクロン、約14ミクロン、約15ミクロン、約16ミクロン、約17ミクロン、約18ミクロン、約19ミクロン、約20ミクロン、約21ミクロン、約22ミクロン、約23ミクロン、約24ミクロン、約25ミクロン、またはこれらの値の間の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記特徴要素は周期的パターンで配置される。いくつかの実施形態では、前記特徴要素はランダムに配置される。いくつかの実施形態では、特徴要素は、非周期的パターンで配置される。いくつかの実施形態では、モールドのある部分が、特徴要素が互いに接近して配置された高面密度部分であり、モールドの別の部分が、特徴要素を含まないかまたは特徴要素サイズに比べて掛け離れて配置された比較的少ない特徴要素を含むパターンであるように、モールドの特徴要素は配置される場合がある。
図3は、特徴要素が密集しているモールド(300)の一部(320)と、特徴要素のサイズに対して掛け離れて配置された比較的少数の特徴要素を有するモールドの一部(310)とを示す。
【0039】
いくつかの実施形態では、任意の2つの特徴要素間の分離は、約0.05ミクロンから約1000ミクロン、約5ミクロンから約900ミクロン、約10ミクロンから約800ミクロン、約20ミクロンから約700ミクロン、約50ミクロンから約600ミクロン、約75ミクロンから約500ミクロン、約100ミクロン~約400ミクロン、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0040】
任意の2つの特徴要素間の分離は、約0.05ミクロン、約1ミクロン、約5ミクロン、約10ミクロン、約15ミクロン、約25ミクロン、約35ミクロン、約45ミクロン、約55ミクロン、約65ミクロン、約75ミクロン、約85ミクロン、約95ミクロン、約105ミクロン、約115ミクロン、約125ミクロン、約135ミクロン、約145ミクロン、約155ミクロン、約165ミクロン、約175ミクロン、約185ミクロン、約195ミクロン、約205ミクロン、約215ミクロン、約225ミクロン、約235ミクロン、約245ミクロン、約255ミクロン、約265ミクロン、約275ミクロン、約285ミクロン、約295ミクロン、約305ミクロン、約315ミクロン、約325ミクロン、約335ミクロン、約345ミクロン、約355ミクロン、約365ミクロン、約375ミクロン、約385ミクロン、約395ミクロン、約405ミクロン、約415ミクロン、約425ミクロン、約435ミクロン、約445ミクロン、約455ミクロン、約465ミクロン、約475ミクロン、約485ミクロン、約495ミクロン、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記刻印することは、残留物のないインプリントリソグラフィを含む。テンプレート、基板、インクの表面エネルギーまたは表面張力の調節、およびインク濃度とコーティング速度の調節に基づいて、残留物のない刻印を行うことができる
いくつかの実施形態では、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成する。したがって、刻印によって、モールドの特徴要素のサイズと位置に対応するネガ型の特徴要素をテンプレートに生成することができる。テンプレート内の刻印された特徴要素を実質的に充填するようにナノ粒子インクをスピンコーティングすることで、刻印された特徴要素を含むテンプレートを平坦化を完遂できる。
【0042】
この方法は、刻印されたテンプレートを第1アニーリングすることをさらに含むことができる。第1アニーリングは、加熱、マイクロ波照射、可視光照射、赤外光照射、および紫外光照射を含む場合がある。アニーリングで電磁放射を使用する実施形態では、光源は恒明光源であってよく、またはインテンスパルスライトを送達するパルス光源を通して電磁放射が展開されてよい。いくつかの実施形態では、アニーリングは、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、または1000℃、またはその間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。いくつかの実施形態では、アニーリングは、100℃から500℃の温度で5分から2時間の期間にわたって行われる。いくつかの実施形態では、アニーリングは、5分、10分、15分、20分、25分、30分、40分、50分、60分、70分、80分、90分、100分、110分、または120分、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲である期間にわたって、100℃から1000℃の間の温度で行われる。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、テンプレートまたは刻印されたテンプレートを基板から取り除くことを含む。テンプレートまたは刻印されたテンプレートを取り除くことには、溶解、か焼、またはマイクロ波照射、可視光線、赤外線、または紫外線による照射を含めることができる。テンプレートまたは刻印されたテンプレートが取り除かれると、モールド上の特徴要素のサイズと位置に対応する硬化またはアニーリングされたナノ粒子インクから作られた特徴要素が出現する。
【0044】
基板およびナノ粒子インク特徴要素を第2アニーリングすることは、本明細書で説明した条件下で行うことができる。いくつかの実施形態では、第1アニーリングは、テンプレート内の粒子を乾燥/融合させる。いくつかの実施形態では、第2アニーリングは、ナノ粒子の基板へのおよびナノ粒子間の結合および接着を促進する。
【0045】
いくつかの実施形態では、テクスチャード表面を製造する方法が提供される。この方法は、基板上にテンプレートを配置し、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化すること、ナノ粒子インクをアニーリングすること、刻印されたテンプレートを取り除くことを含む。この方法では、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0046】
転写印刷マスターを使用してテクスチャード表面を製造する方法
転写印刷マスターを使用してテクスチャード表面を製造する方法は、本明細書で説明した方法と多くの類似点を共有している。上記で使用した材料、方法、および技法のいずれもが以下の製造方法でも使用することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、テクスチャード表面を製造する方法が提供される。この方法は、転写印刷マスターを形成するために、刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化し、前記転写印刷マスターを基板に接触させることを含む。ナノ粒子インクおよび基板の組成は、上述した通りであってよい。転写印刷マスターは、本明細書で説明したテンプレートまたは刻印されたテンプレートに適した任意の組成を有してよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記接触が、シート式のまたはロールツーロール式の転写プロセスを含む。この方法は、第1の基板上にテンプレートを配置すること、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を有するモールドでテンプレートを刻印して刻印されたテンプレートを形成することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法は、前記転写印刷マスターを取り除いて、第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することをさらに含む。転写印刷マスターを取り除くことは、たとえば、溶解、か焼、またはマイクロ波照射、可視光、赤外線または紫外線による照射を含むことによって完遂することができる。場合によっては、光はパルス化されてよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、前記テンプレートの表面はハードコートを含む。ハードコートは、シリカ、パーフルオロポリエーテル、フルオロ含有アクリレート、エポキシド、フルオロ変性シリカ材料、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、前記刻印されたテンプレートは、架橋された材料を含む。いくつかの実施形態では、前記テンプレートがポリマー樹脂を含む。テンプレートは、本明細書で説明した材料のいずれかを含むことができる。したがって、刻印によって、モールドの特徴要素のサイズと位置に対応するネガ型の特徴要素をテンプレートに生成することができる。刻印された特徴要素を含むテンプレートの平坦化は、テンプレート内の刻印された特徴要素を実質的に充填するようにナノ粒子インクをスピンコーティングすることで、完遂できる。
【0051】
いくつかの実施形態では、刻印には、残留物のないインプリントリソグラフィが含まれる。
残留物のないインプリントリソグラフィの有無にかかわらず、刻印は、モールド上の特徴要素と形状と位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を刻印されたテンプレートに生成できる。
いくつかの実施形態では、前記ナノ粒子インクが、前記刻印されたテンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填する。ナノ粒子インクは、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0052】
特徴要素のサイズ、形状、および間隔は、本明細書で既に述べたとおりであり得る。いくつかの実施形態では、方法は、基板をアニールすることをさらに含む。アニーリングは、本明細書ですでに説明した方法および条件のいずれかを使用して実施することができる。いくつかの実施形態では、アニーリングは、加熱、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、および紫外線照射を含む。
【0053】
図4は、複数の特徴要素(410)を有するモールド(400)と、基板(420)と、テンプレート(430)とを示す。テンプレートをモールドで刻印した後、このテンプレートに刻印された特徴要素(440)は、形状と位置がモールド上の特徴要素に実質的に対応する。刻印されたテンプレートをナノ粒子インク(450)で平坦化して、刻印された特徴要素をナノ粒子インク(460)で実質的に充填し、転写印刷マスター(465)を形成することができる。この転写印刷マスターを、第2の基板(470)と接触させ、転写印刷マスターを取り除いた後、第2の基板には、ナノ粒子インクからのナノ粒子材料から構成された特徴要素(480)が当該基板上に配置される。
【0054】
いくつかの実施形態では、転写印刷マスター(465)およびナノ粒子インク(460)は、第2の基板(470)と接触する前にアニールされる。テンプレートは、転写印刷マスターを実質的に加熱することなく、構造物を加熱、アニール、またはその両方を行うために使用する照射に対して透明な材料を含むことができる。
【0055】
テクスチャード表面を含む製品は、本明細書で説明したいずれかの方法によって形成することができる。本明細書で説明した方法を使用して製造できる物品の例には、レンズ、平坦レンズ、メタレンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、シールド箔、およびブレーズ回折格子が含まれるが、これらに限定されない。物品は任意で光学的に透明であり得る。たとえば、物品は、可視および近赤外スペクトル(たとえば、約400nm~約1400nmの範囲)の波長を有する電磁放射に対して光学的に透明であり得る。物品は、仮想現実デバイスまたは拡張現実デバイスなどのデバイスであるか、またはこうしたデバイスの構成要素であり得る。たとえば、物品は、仮想現実用または拡張現実用の、レンズ、メガネ、またはゴーグルの構成要素であり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、テクスチャード表面を製造する方法が提供される。この方法は、第1の基板上にテンプレートを配置し、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化して転写印刷マスターを形成し、ナノ粒子インクをアニーリングし、転写印刷マスターを第2の基板と接触させ、前記転写印刷マスターを取り除いて、第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することをさらに含む。この方法では、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む。
【0057】
本明細書で説明した方法を使用して堆積された特徴要素によって、残留ナノ多孔度を含む構造物が結果として得られる場合がある。このような多孔度は、ナノ粒子ベースのインクからの表面にコーティングされた膜にも、基板に直接印刷された特徴要素にも、また、基板への後続の転写用のまたは単離構造の回復用のマスターに調製された特徴要素にも存在する。
【0058】
さらに、ナノ粒子分散液のみを含むインクを使用する場合や、ナノ粒子と所望の製品を生成するゾルゲルタイプの前駆体または特徴要素中に組み込まれたバインダーや他のバインダ材料の両方を含むインクを使用する場合に、このような多孔度が結果として得られる場合がある。場合によって、そのような残留多孔度は、たとえば、センサーやバッテリー電極を介するイオン輸送にとって望ましい。他の場合では、残留多孔度は、か焼中の構造特性、性能、機械的安定性、収縮、またはその両方の点で有害である。
【0059】
残留多孔度を減らすと(緻密化)、屈折率や導電率などの材料特性を調整でき、機械的安定性を向上させる。そのような緻密化は、本明細書で説明した特徴要素の残留細孔内の反応および/または堆積によって生じ、特性を向上させる。いくつかの実施形態では、堆積は、本明細書で説明した特徴要素の細孔内に材料を制御された量、組成、厚さ、またはこれらの特性の任意の組み合わせで堆積する化学蒸着(CVD)の使用を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、堆積は、本明細書で説明した特徴要素の細孔内に材料を制御された量、組成、厚さ、またはこれらの特性の任意の組み合わせで堆積する原子層堆積(ALD)の使用を含む。いくつかの実施形態では、CVDまたはALDによる堆積は、多孔質特徴要素と実質的に同じ組成の材料または多孔質特徴要素とは異なる組成の材料を堆積させることができる。ALDプロセスは、転写の前またはモールドを取り除く前のモールドに印刷されたパターンのおよび当該モールドに生成された構造物の機械的安定性を向上させ、パターンの転写を容易にする。
【0061】
いくつかの実施形態では、ALD、CVD、またはそれら両方を使用して、転写される構造に(パターニングされる特徴要素の組成と同じまたは異なる組成の)接着層を付与することができる。いくつかの実施形態では、ALD、CVD、またはそれら両方を使用して、本明細書で説明した特徴要素の基板への接着を強化することもできる。いくつかの実施形態では、ALD、CVD、またはそれら両方を使用して、本明細書で説明した特徴要素の表面粗さを低減することができる。
【0062】
ここで説明するALDプロセスは、金属酸化物インクを使用した従来のナノインプリントリソグラフィ(NIL)印刷で作成された構造物に適用できる。Kothariら(Kothari,R;Beaulieu,MR;Hendricks,NR;Li,SK;Watkins,JJ,Chemistry of Materials、第29巻、9号、3908-3918頁)に公開されたNIL印刷プロセスによって作成された構造物を、本明細書で説明したALDプロセスで処理できる。
【0063】
ALDでは、表面または基板は、第1の反応物質および第2の反応物質に連続して曝される。
第1および第2の反応物質は、重ならない方法で堆積される。ALDでは、表面への第1の反応物質などの反応性物質の堆積は、表面上の反応性部位の量によって制限される。すべての反応性部位が消費されると、追加の反応性物質が追加されるまで、それ以上の反応(たとえば、層の厚さの成膜や細孔の充填)は起こらない。残留する第1の反応物質分子を、第2の反応物質の添加および堆積の前に洗い流される場合がある。したがって、第1の反応物質の堆積後、第2の反応物質が堆積される。単一のALDサイクルには、第1の反応物質を堆積し、任意に過剰な第1の反応物質を洗い流し、第2の反応物質堆積を堆積し、任意に過剰な第2の反応物質を洗い流すことが含まれる。このプロセスを連続して繰り返すことで、堆積した層の厚さまたは多孔度の減少量を微調整できる。
【0064】
細孔の薄い表面コーティングから細孔の実質的な充填までの範囲で多孔度を様々に低減するのに、堆積を実施してよい。このような堆積は、ナノ粒子ベースのインクからコーティングされた膜に、支えなしで自立する印刷された特徴要素内で、またはマスターモールドの特徴要素内に含まれるナノ粒子組成物内で行うことができる。そのような堆積は、コーティングされたまたは印刷された膜および特徴要素のか焼(硬化またはアニーリング)の前または後に行うことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、空間的ALDプロセスを使用することができる。空間的ALDでは、試薬類(第1反応物質および第2反応物質)は不活性ガスによって空間的に分離され、基板はALDヘッドに対して移動されるかまたは、ALDヘッドが基板に対して移動される。空間的ALDは、特徴要素のロールツーロールプロセスに使用される場合がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、テクスチャード表面を製造する方法は、刻印された特徴要素に原子層堆積(ALD)を少なくとも1サイクル実施することを含み、ALDは、第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含み、第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2またはそれらの組み合わせを含み、前記第2の反応物質は水を含み、yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、各Rは独立して水素であるかまたは置換または非置換のC1-20アルキルであり、Cpは置換または非置換のシクロペンタジエニルである。
【0067】
適切な金属には、Al、Ti、Si、Cu、Pd、Ni、Ru、Ta、Zr、Zn、In、Hf、Sn、Pt、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態では、金属はTiである。いくつかの実施形態では、第1の反応物質は、以下の構造を有するテトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)である。
【0068】
【化1】
適切な第2の反応物質には、水、酸素、およびオゾンが含まれる。いくつかの実施形態では、第2の反応物質は水である。第2の反応物質は、1つまたは複数の特徴要素の表面、細孔内、またはその両方で第1の反応物質と反応する。たとえば、TDMATと水との反応により、1つ以上の特徴要素上に、の1つ以上の特徴要素細孔に、またはそれら両方にTiO
2が生成される。ALDは、約100℃~約800℃、約200~800℃、200~700℃、200~600℃、200~500℃、200~400℃、または200~300℃の温度で実施できる。いくつかの実施形態では、ALDは、約100℃、約200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、またはこれらの値の間の範囲の温度で行うことができる。いくつかの実施形態では、ALDは、250℃の温度で行われる。
【0069】
各ALDサイクル後の堆積材料の厚さは、約0.01Å~1.0Å、0.05Å~1.0Å、0.1Å~0.9Å、0.1Å~0.8Å、0.1Å~0.7Å、0.2Å~0.7Å、0.2Å~0.6Å、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。いくつかの実施形態では、各ALDサイクル後の堆積材料の厚さは、0.01Å、0.05Å、0.2Å、0.3Å、0.4Å、0.5Å、0.6Å、0.7Å、0.8Å、0.9Å、1.0Å、またはこれらの値の間の範囲であり得る。使用するALDサイクルの数は、約1~5000サイクル、1~4000サイクル、1~3000サイクル、1~2000サイクル、1~1000サイクル、1~500サイクル、1~400サイクル、1~300サイクル、1~200サイクル、1~100サイクル、1~90サイクル、1~80サイクル、1~70サイクル、1~60サイクル、1~50サイクル、1~40サイクル、1~30サイクル、1~20サイクル、またはこれらの値の間の任意の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ALDサイクルの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、220、240、260、280、300、320、340、360、380、400、420、440、460、480、500、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。
【0070】
テクスチャード表面へのALDによる所望の材料の堆積が完了した後、テクスチャード表面は、約200℃~1000℃、200℃~900℃、200℃~800℃、200℃~700℃、200℃~600℃、200℃~500℃、400℃~800℃、またはこれらの値の間の任意の範囲の温度で加熱することができる。いくつかの実施形態では、ALDを有する所望の材料をテクスチャード表面に堆積させた後、テクスチャード表面を約200℃、250℃、300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、650℃、700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、950℃、1000℃、または任意の範囲これらの値の間のサブ範囲の温度で加熱することができる。加熱は約1~12時間、1~11時間、1~10時間、1~9時間、1~8時間、1~7時間、1~6時間、1~5時間、1~4時間、1~3時間、1~2時間、2~6時間、3~5時間、またはこれらの値の間の範囲で実施することができる。いくつかの実施形態では、加熱は、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲で行うことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ALD処理の後、特徴要素は、約1%から15%、1%から4%、1%から13%、1%から12%、1%から11%、1%から10%、1%~9%、1%~8%、1%~7%、1%~6%、1%~5%、1%~4%、または1%~3%の収縮を示す場合がある。いくつかの実施形態では、ALD処理後、特徴要素は、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%の収縮を示すことができる。7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ALD処理に続いて、構造物は、電磁放射への曝露によってアニールされ得る。電磁放射は、マイクロ波照射、可視光線照射、赤外線照射、および紫外線照射によって送達することができる。アニーリングで電磁放射を使用する実施形態では、光源は恒明光源あってよく、またはインテンスパルスライトを送達するパルス光源を通して電磁放射が展開されてよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、ALD処理後、特徴要素は、約1.2~4.0、1.2~3.8、1.2~3.6、1.2~3.4、1.2~3.2、1.2~3.0、1.2~2.8、1.2~2.6、1.2から2.4、1.2から2.2、1.2から2.0、1.2から1.8、1.2から1.6、1.2から1.4、またはこれらの値の間の範囲またはサブ範囲の屈折率を示すことがある。いくつかの実施形態では、ALD処理の後、特徴要素は、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、またはこれらの値の間の任意の範囲またはサブ範囲の屈折率を示すことがある。いくつかの実施形態では、ALDを使用して屈折率値の勾配を生成することができる。この勾配は、形成された特徴要素の上または周囲にALD堆積材料のシェルを形成することから生じ得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明したALD処理は、本明細書で説明した特徴要素の細孔を充填し、後処理中、アニーリング中、またはそれら両方での、印刷されたすなわち転写された特徴要素の収縮を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、ALDは、特徴要素の細孔をTiO2で充填する。いくつかの実施形態では、特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後、または特徴要素が光に曝露された後、特徴要素は約1~15%の収縮を有する。いくつかの実施形態では、特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後、または特徴要素が光に露光された後、特徴要素は約1.2~4.0の屈折率を有する。
【0074】
ALDによる細孔の充填では、物品の屈折率を調節または調整できる。いくつかの実施形態では、製造誤差を修正するのにALDを使用した調節または調整を使用して、たとえば、屈折率を形成された物品にはない所望の値にすることができる。
【0075】
しかしながら、ALDプロセスを使用して、所定の望ましい屈折率を下回る屈折率値を有するように意図的に形成された物品の屈折率値を調整することもできる。刻印することだけでは、所定の屈折率値を正確に達成できない場合がある。しかしながら、刻印を使用することによって、所定の屈折率値の約10%以内、または約9%、8%、7%、または約6%以内といった精度よい所定の屈折率値を得ることができる。その後、屈折率値を所定の値の約5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.05%、または約0.01%以内に、または所定の値に微調整するためにALDを使用することができる。
【0076】
ALDは、製品の多孔度を低減することにより、製品の屈折率を微調整できる。いくつかの実施形態では、多孔度は、刻印プロセス中に形成された意図せずに生成した多孔度から生じることがある。他の実施形態では、物品の多孔度は、物品に意図的に誘導することができ、たとえば、ナノ粒子は、物品に多孔度を誘導する有機リガンドで機能化することができる。多孔度は、インク内のナノ粒子の粒子サイズ分布、スピンコーティング時間を制御することによって、またはバインダーの選択と使用によってさらに調整できる。意図的に生成された細孔を埋めて屈折率を調整するためにALDを使用できる。
【実施例0077】
例示として示した以下の実施例を参照することによって本発明の様々な実施形態をよりよく理解することができる。本発明は、本明細書に示される実施例に限定されない。
実施例1
ナノ粒子インク膜上へのTiO2の堆積
ナノ粒子(NP)ベースのインクからスピンコーティングによって調製された膜は、1.82の屈折率(RI)を示す。このナノ粒子ベースのインクは、1,2-プロパンジオール、メタノール、イソプロパノール、およびチタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)を含有するものであった。250℃に加熱した後、この膜は約1.86の屈折率を示す。25回の堆積サイクルの後、膜は2.25の屈折率を示す。TiO2ナノ粒子インクからコーティングされたTiO2膜と、当該ナノ粒子ベースのインクを使用して調製しその後にALDによって細孔内にTiO2を堆積させたTiO2被膜とについて、475℃で4時間加熱した後の横方向の収縮を比較した。ALD処理なしの膜の収縮は18.8%であるのに対し、ALDで25サイクルと150サイクル処理した膜の収縮はそれぞれ6.8%および3.7%であった。多孔度は屈折率から計算できる。ALD処理なしの膜では、475℃4時間加熱の前後で多孔度がそれぞれ31.1%と28.1%であったのに対し、25サイクルのALD処理に供された膜では、475℃4時間加熱の前後で、多孔度がそれぞれ9.0%と6.9%であった。
【0078】
固有の屈折率が低い材料(SiO2など)の堆積物を細孔に堆積させて多孔度を減らすと、TiO2を使用した場合に比べて屈折率の増加を小さくできる。SiO2などの材料の使用は、屈折率値調整の別の方法となる。
【0079】
【表1】
裸のSiとTiO
2をスピンコーティングしたナノ粒子膜とに対してALDを250℃で実施して、TiO
2のALD有無による基板の屈折率の比較を調べた。予想外であるが、層厚さが1.4nmのTiO
2のALD層があると、屈折率は1.82から2.25に大幅に増加した。この実験に関連する数値データを表2に示す。鋭錐石の屈折率は文献値で2.488である。
【0080】
【表2】
表3および表4は、TiO
2のALD後の基板の屈折率の変化率に関連するデータを示す。
【0081】
【0082】
【表4】
ALD処理は、本明細書で説明したナノ粒子インク膜または特徴要素の多孔度を低減できる。細孔、バルク材料、および膜の屈折率値を使用してローレンツ・ローレンツの式から多孔度を推定できる。多孔度(空気の空洞)は、膜の屈折率を低下させる(n
air=1)。すべての膜はある程度の残留多孔度を有するが、ここで説明するALD処理膜と特徴要素は、はるかに小さい多孔度を有する。ALD処理されたサンプルは、ナノ粒子のみのサンプルと比較して、加熱処理による多孔度の変化が小さい。
【0083】
【表5】
実施例2
材料:1,2-プロパンジオール中の20重量%TiO
2ナノ粒子は、US Research Nanomaterials社から購入した。TiO
2前駆体であるテトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)、および酸化アルミニウム(Al
2O
3)前駆体であるトリメチルアルミニウム(TMA)は、Cambridge NanoTech社から購入した。イソプロパノール中75%のチタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)、および光開始剤2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(DMPA)99%は、Sigma Aldrich社から購入した。Sylgard184(ポリジメチルシロキサン、PDMS)はEllsworth Adhesives社から購入した。トリメチルシロキシ終端化した(7.0~8.0%ビニルメチルシロキサン)-ジメチルシロキサンコポリマー(VS)、キシレン中の白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(Pt-DVS)、および水素化物終端化した(25-30%メチルヒドロシロキサン)-ジメチルシロキサンコポリマー、水素化物終端(MCP)はGelest社から購入した。2,4,5,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラビニルシクロテトラシロキサン(TCS)は、Fluka社から購入した。Norland Optical接着剤60(NOA60)はNorland Products社から購入した。メタノールとイソプロパノールは、Fischer Scientific社から購入した。ペルフルオロジアクリレートであるフルオロリンクMD700はCornerstone Technology社から購入した。ST505 PET webはTekra社から購入した。シリコン基板はNova Electronics社から購入した。石英基板はChemGlass社から購入した。すべての材料は、さらなる精製をせずに使用した。
【0084】
方法:貯蔵したTiO2ナノ粒子をメタノールで20重量%から2.5~10重量%に希釈することでナノ粒子分散液を調製した。その後、この分散液を5分間超音波処理した。超音波処理後、この分散液(TiO2ナノ粒子の質量に対して固形分10%)に10%チタンジイソプロポキシドビス(アセチルアセトネート)またはテトラエチルオルトシリケート(TEOS)を追加し、再び5分間超音波処理した。
【0085】
平面膜またはパターン化膜を調製する前に、シリコン基板を酸素プラズマに5分間さらして表面を活性化した。すべての溶媒が除去されるまで、平面膜を3000rpmでスピンコーティングした。パターン化構造物を調製した。簡単に言うと、さまざまなナノパターンを含むフッ素化シリコンウェーハ上にPDMSプレポリマーを注ぐことによってスタンプを調製した。硬化後、PDMSスタンプは、簡単に取り外されて、溶剤を使ったNILに使用したり再利用できる。希釈したTiO2分散液を、5%RHで3000rpmで5~30秒間スピンコートし、その後、その膜の上にPDMSスタンプを注意深く載せた。数分間50℃のホットプレートに置いた後、PDMSスタンプを取り除くと、刻印されたTiO2が出現した。
【0086】
高アスペクト比(HAR)の柱については、改良手法を採用した。HARビアを含むフッ素化シリコンマスターを、(プレポリマー重量に対して)2%DMPAを含むFluorolink MD700プレポリマーでスピンコーティングし、その後、下向きにして、硬化NOA60コーティング付きのPETピースの上に置いた。このアセンブリ全体をNanonexインプリントツール(NX-2600BA)に入れ、2分間排気し、その後、15分間にわたって10psiで刻印およびUV硬化した。分離後、柱を含むフルオロポリマーレプリカモールドを、平坦で滑らかな表面を確保すべく、Nanoexを使用してNOA60の層でSiウェーハに接着した。これらHARパターンについては、HAR特徴要素の転写を改善するために、複合PDMSスタンプを調製した。この複合スタンプの製造は、簡潔に言えば、VS、TCS、Pt-DVS、およびMCPを適切な量で混合し、レプリカマスターに層をスピンコーティングし、ホットプレート上で硬化し、Sylgard184で背面支持することを含む。硬化後、HPDMSスタンプを使用して、TiO2ナノ粒子ベースのインクを刻印した。刻印したHAR柱状特徴要素に、分離前にスタンプを通してNIR照射(Adphos126-125NIR乾燥機)した。
【0087】
膜と構造物に、Cambridge NanoTech社のSavannah90ALDシステムでさまざまな数の堆積サイクルを行った。別段の指示のない限り、すべての堆積は250℃で実施した。後続のTiO2堆積レシピを、0.1秒のTDMATパルスとそれに続く0.015秒のH2Oパルスで構成し、予想される成膜速度は約0.4Å/サイクルである。Al2O3の堆積を、約1Å/サイクルの成膜速度に対応する0.015秒のH2Oパルスとそれに続く0.015秒のTMAパルスで同様に行った。
【0088】
特性評価:平面膜の屈折率と膜厚を、透過強度および反射強度とともに、JA Woollam社のRC2楕円偏光計の可変角度楕円偏光分光法によって測定した。楕円偏光分光データを、TiO2の透明領域に関するコーシー(Cauchy)モデルを使用してモデル化した。吸収領域(UV)を含めるためにクラマース・クローニッヒ整合性のあるb-スプラインモデルを使用した。
【0089】
FEI Magellan400FESEMを使用した走査型電子顕微鏡によってトップダウンおよび断面の膜とナノ構造物を分析した。表面粗さは、原子間力顕微鏡(Veeco Dimension3100)を使用して測定した。膜の深さに応じた組成は、Al-Kα放射(1486.6eV)を備えたQuantum2000 Scanning ESCAマイクロプローブ(Physical Electronics社)を使用したX線光電子分光法(XPS)によって特徴付けた。
【0090】
平面膜上へのALD
ナノ粒子ベースの膜とナノ構造物の両方をALDを使用して高密度化した。ナノ粒子分散液をSi基板上にスピンコーティングし、ALDの前に刻印するか完全に乾燥させることでナノ構造物と薄膜を調製した。参考のために、ALD処理毎に、ナノ粒子ベース膜上におよび裸のシリコン上にサンプルを堆積した。
【0091】
表6は、CambridgeNanoTech社によって提供された0.4Å/サイクルの成膜速度に従って計算された、裸のSiへのさまざまな堆積物の予想厚さを示す。屈折率と厚さの両方の測定値が予想結果とよく一致している。サイクル数に伴い屈折率の低下が予想されるが、これはほんの数回の堆積サイクルによる不連続な膜形成によるものである。各ALD処理の前後にナノ粒子膜を特徴付けした。
【0092】
【表6】
平面TiO
2ナノ粒子膜の厚さと屈折率をスピンコーティング後と、堆積を250℃で行ったため対照として250℃の加熱処理後に測定した。膜の屈折率はスピン後に1.82から1.86に増加し、膜厚は2時間250℃の加熱処理後に48nmから44nmに減少した。これらのわずかな変化は、ナノ粒子膜の穏やかな緻密化に起因する可能性がある。TiO
2ナノ粒子膜に対するALDの効果を判断するために、ナノ粒子分散液からいくつかの薄膜を調製し、それらをさまざまな数のALDサイクルにかけた。
【0093】
380サイクルのALD後に測定した合計膜厚は72nmであり、屈折率は2.26であるが、わずか25サイクル後では、膜厚の変化はごくわずかで、屈折率増加は約24%である。50サイクルのALDに波長に応じた全屈折率は、短いALDプロセスステップで達成できる劇的でほぼバルクの値を強調する。この結果は、ナノ粒子膜の固有の多孔度がALDによって減少していることを意味し、これは、ALDサイクルの増加に伴う膜表面形態の変化からも観察できる。スピン後の0、25、50、150、380回のALDサイクル後のナノ粒子膜の多孔度を、4時間475℃の加熱処理前と後について、ローレンツ・ローレンツの式を使用して計算したものを表7に示す。
【0094】
【表7】
ALD処理無しのナノ粒子膜の多孔度は約30%であった。これが(バルクTiO
2のn
D=2.488と比べて)1.82という比較的低屈折率値となった原因である。加熱後、当該処理無しサンプルの多孔度は減少するが、30%に近いままである。しかし、このナノ粒子膜に50回のALDサイクルを行った後、屈折率の増加に対応して、多孔度が20%以上劇的に減少した。さらに、このサンプルを加熱した後、多孔度は、処理無しサンプルの3%と比較して、わずか1.6%減少する。これらの結果は、25~50サイクルのALDが膜の多孔度を低下させ、膜の屈折率を向上させる効果的な方法であることを示唆する。空洞容積すなわち多孔度の減少は、加熱による収縮の減少を有利にもたらす。さらに、ALD前のナノ粒子膜の表面粗さ(rms)は2.1±0.1nmであったが、ALD後も大幅に変化しなかった。このことは、望ましくない散乱がパフォーマンスに悪影響を与える光学用途にとって重要な考慮事項である。
【0095】
パターン化表面へのALD
屈折率を信頼性よく測定できる平面膜とは異なり、パターン化表面の細孔へのALDによる堆積を確認するには、異なる手法が必要である。ALDを使用する細孔への堆積を確認するために、酸化アルミニウム(Al2O3)をTiO2回折格子に堆積させ、EDSを使用してこの回折格子全体の酸素、アルミニウム、チタンの存在を観察した。この例では、刻印された粒子とALD堆積材料の間の元素コントラストが得られるように、約10nmに対応する100サイクルのAl2O3を、刻印ラインに堆積した。
【0096】
堆積に続いて、特徴要素のサイズの変化と表面テクスチャの変化を観察して、ALDによるAl2O3の堆積を確認した。酸素が回折格子全体に存在することがEDSによって示された。これは予想どおりである。というのは、酸素がTiO2とAl2O3の両方の成分であるからである。アルミニウムの存在は勾配を示しており、アルミニウムは回折格子のエッジに集中し、回折格子の内方で濃度は減少している。チタンはその逆で、チタンが回折格子の内方に集中しているという結果が出ている。これらの得られた結果は予想結果と一致している。Al2O3は最初にナノ粒子の細孔の内部に堆積し、それから回折格子の外側にコンフォーマルに堆積を続ける。この確認により、パターン化されたTiO2ナノ粒子ベースの構造物はALDのTiO2で緻密化された。
【0097】
いくつかのフォトニック用途およびメタ表面用途に対しては、AR(アスペクト比)が1より大きいパターン化構造物を生成した。この柱は、直接パターン形成によって製造したが、エッチング工程やレジスト除去工程を必要とせず、ウェーハベースの製造に合わせて規模調製できる。対照的に、細い線状回折格子の場合、HAR柱は、スタンプの取り除き中に柱が破損させずにナノ粒子間の十分な結合を促進するために、スタンプを取り除く前にスタンプ介在アニーリング処理を必要とする。PDMSスタンプをナノ粒子膜上に置いた後、ホットプレート上で溶媒を乾燥させ、基板とスタンプとのアセンブリにNIR照射を20秒行った。
【0098】
柱を広い領域にわたって効果的にパターン化できる。マスター刻印とナノ粒子刻印とで特徴要素寸法の変化を比較するために、UV硬化性ポリマーNOA60を刻印した。シリコンマスター上のHAR柱部分に対しては、刻印されたNOA60柱の直径は柱の上部で140±5nm、高さが1.1μmと測定され、したがってHARは7.9である。しかし、同じ部分から刻印されたTiO2の直径は130±4nm、高さは815nmであり、したがってHARは6.3である。NOA刻印と比較して、マスターに対するナノ粒子柱の測定収縮率は直径で10%未満であるが、高さの収縮は26%である。この収縮は、溶媒を使った刻印技術(solvent-assisted imprinting technique)に起因しており、溶媒分散ナノ粒子が毛管力によってPDMSスタンプを充填し、次に溶剤がスタンプを介して拡散し、その結果、アンダーフィルモールド部(underfilled mold volume)ができる。特定の刻印された特徴要素の寸法を達成するために、収縮補償分を含めたマスターモールドを製造することができる。
【0099】
刻印されたHARのTiO2柱は、50サイクルのTiO2のALD後に同じ柱領域を示す。構造物の明らかな変化は観察されず、堆積したTiO2が単に表面に堆積しただけではないことを示す。ALD前後のHAR柱で観察された変化の1つは、ALD後のHARのわずかな増加である。これは、ALD中の加熱による穏やかな収縮(250℃)から生じる可能性が高い。
【0100】
全無機TiO2膜の調節性
可能な限り最高の屈折率を達成することが多くの用途で望まれるが、ある値範囲にわたって屈折率を調節可能な性能は、精密な屈折率仕立て(tailoring)、マッチング、および/または等級付け(grading)を必要とする状況への扉を開ける。TiO2ナノ粒子膜を5秒間スピンコーティングし、その後、ホットプレート上で60℃で2分間乾燥させて膜を調製した。この方法は、溶媒を使ったNILによるナノパターンの生成に使用される条件を模倣している。なお、これによってわずかに低い開始屈折率値(0サイクルのALD)が得られる。これは、ナノ粒子パッキングの違いに起因する可能性がある。溶媒が完全に除去されるまでスピンコートされた膜は、より密にパックされ、わずかに高い値になる(1.82対1.77)。屈折率(nD)は、2~15間のALDサイクル数に正比例して直線的に増加する。これにより中間の屈折率値にアクセスでき、ひいては屈折率分布型(GRIN)レンズの製造に使用可能である。この調節性の方法は、完全に無機的で単一の材料で構成できるという利点がある。耐久性とUV安定性に関心のある多くの用途で全無機材料は望ましい。さらに、TiO2のみを使用することにより、2つの材料間の適合性(compatibility)が保証される。
【0101】
採用した用語および表現は、限定ではなく説明を目的として使用しており、そのような用語および表現の使用は、例示し説明した特徴またはその一部の同等物を除外する意図はなく、本発明の実施形態の範囲内で、様々な改良が可能であることに留意されたい。したがって、特定の実施形態および任意選択の特徴によって本発明を具体的に開示したが、本開示の技術的思想の改良および変形は当業者によって行われ得ること、およびそのような改良および変形は本発明の実施形態の範囲内であると理解されたい。
【0102】
実施形態の列挙
以下に例示的な実施形態を提示するが、その番号付けは、重要度のレベルを指定するものとして解釈されるべきではない。
【0103】
実施形態1は、基板上にテンプレートを配置し、前記テンプレートをナノ粒子インクで平坦化することを備える、テクスチャード表面を製造する方法を提供する。
実施形態2は、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印することをさらに含む、実施形態1の方法を提供する。
【0104】
実施形態3は、前記テンプレートが架橋された材料を含む、実施形態1または2のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態4は、前記テンプレートがポリマー樹脂を含む、実施形態1~3のいずれか1つの方法を提供する。
【0105】
実施形態5は、前記刻印することが、残留物のないインプリントリソグラフィを含む、実施形態2の方法を提供する。
実施形態6は、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成する、実施形態2の方法を提供する。
【0106】
実施形態7は、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填する、実施形態6の方法を提供する。
実施形態8は、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態1~8のいずれか1つの方法を提供する。
【0107】
実施形態9は、前記方法が、前記刻印されたテンプレートおよび基板を第1アニーリングすることをさらに含む、実施形態1~9のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態10は、前記第1アニーリングが、加熱、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、および紫外線照射を含む、実施形態8の方法を提供する。
【0108】
実施形態11は、前記テンプレートを前記基板から取り除くことをさらに含む、実施形態1~10のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態12は、前記取り除くことが、溶解、か焼、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、または紫外線照射を含む、実施形態11の方法を提供する。
【0109】
実施形態13は、前記基板およびテンプレートを第2アニーリングすることをさらに含む、実施形態12の方法を提供する。
実施形態14は、前記特徴要素が、約2:1から約10:1の高さ:幅のアスペクト比を有する、実施形態2から13のいずれか1つの方法を提供する。
【0110】
実施形態15は、前記特徴要素が周期的パターンで配置される、実施形態2~14のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態16は、前記特徴要素がランダムに配置される、実施形態2~15のいずれか1つの方法を提供する。
【0111】
実施形態17は、前記モールドが、少なくとも1つの実質的に平坦な表面を含み、前記複数の特徴要素の少なくとも1つが、前記モールドと鋭角を形成する側面を有する、実施形態2~16のいずれか1つの方法を提供する。
【0112】
実施形態18は、前記鋭角が約10度から約89度の範囲である、実施形態17の方法を提供する。
実施形態19は、転写印刷マスターを形成するために、刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化し、前記転写印刷マスターを基板に接触させることを備える、テクスチャード表面を製造する方法を提供する。
【0113】
実施形態20は、前記平坦化の前に第1の基板上にテンプレートを配置し、前記刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印することをさらに備える、実施形態19の方法を提供する。
【0114】
実施形態21は、前記転写印刷マスターを取り除いて、第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することをさらに含む、実施形態19または20のいずれか1つの方法を提供する。
【0115】
実施形態22は、前記テンプレートの表面がハードコートを含む、実施形態19~21のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態23は、前記刻印されたテンプレートが架橋された材料を含む、実施形態20の方法を提供する。
【0116】
実施形態24は、前記テンプレートがポリマー樹脂を含む、実施形態19~23のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態25は、前記刻印することが、残留物のないインプリントリソグラフィを含む、実施形態20~24のいずれか1つの方法を提供する。
【0117】
実施形態26は、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成する、実施形態20~25のいずれか1つの方法を提供する。
【0118】
実施形態27は、前記ナノ粒子インクが、前記刻印されたテンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填する、実施形態26の方法を提供する。
実施形態28は、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物(ITO)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態19~27のいずれか1つの方法を提供する。
【0119】
実施形態29は、前記基板およびテンプレートをアニーリングすることをさらに含む実施形態19~28のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態30は、前記アニーリングが、加熱、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、および紫外線照射を含む実施形態29の方法を提供する。
【0120】
実施形態31は、前記接触が、シート式のまたはロールツーロール式の転写プロセスを含む、実施形態19~30のいずれか1つの方法を提供する。
実施形態32は、前記取り除くことが、溶解、か焼、マイクロ波照射、可視光照射、赤外線照射、または紫外線照射を含む、実施形態21~31のいずれか1つの方法を提供する。
【0121】
実施形態33は、実施形態1~32のいずれか1つの方法によって形成されたテクスチャード表面を含む物品を提供する。
実施形態34は、前記物品が、レンズ、平坦レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、またはブレーズ回折格子を含む実施形態33の物品を提供する。
【0122】
実施形態35は、実施形態19~34のいずれか1つの方法によって形成されたテクスチャード表面を含む物品を提供する。
実施形態36は、前記物品が、レンズ、平坦レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、またはブレーズ回折格子を含む実施形態35の物品を提供する。
【0123】
実施形態37は、基板上にテンプレートを配置し、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、前記刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化し、前記ナノ粒子インクをアニーリングし、前記刻印されたテンプレートを取り除くことを備え、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、テクスチャード表面を製造する方法を提供する。
【0124】
実施形態38は、第1の基板上にテンプレートを配置し、刻印されたテンプレートを形成するために、前記テンプレートを貫通する複数の特徴要素を含むモールドで前記テンプレートを刻印し、前記刻印されたテンプレートをナノ粒子インクで平坦化して転写印刷マスターを形成し、前記ナノ粒子インクをアニーリングし、前記転写印刷マスターを第2の基板と接触させ、前記転写印刷マスターを取り除いて前記第2の基板上に配置された複数の特徴要素を提供することを含み、前記刻印することは、前記モールド上の前記特徴要素と形状および位置が実質的に対応する刻印された特徴要素を前記テンプレートに生成し、前記ナノ粒子インクが、前記テンプレートの前記刻印された特徴要素を実質的に充填し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含む、テクスチャード表面を製造する方法を提供する。
【0125】
実施形態39は、第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含む原子層堆積(ALD)を、前記刻印された特徴要素上で少なくとも1サイクル実施し、前記第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2、またはそれらの組み合わせを含み、前記第2の反応物質は水を含み、yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、Mは金属であり、各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、各Rは独立して水素か置換または非置換のC1-20アルキルであり、Cpは、置換または非置換のシクロペンタジエニルである、実施形態38の方法を提供する。
【0126】
実施形態40は、第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含む原子層堆積(ALD)を、前記刻印された特徴要素上で少なくとも1サイクル実施し、前記第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2、またはそれらの組み合わせを含み、前記第2の反応物質は水を含み、yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、Mは金属であり、各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、各Rは独立して水素か置換または非置換のC1-20アルキルであり、Cpは、置換または非置換のシクロペンタジエニルである、実施形態20の方法を提供する。
【0127】
実施形態41は、前記ALDが前記特徴要素の細孔をTiO2で充填する、実施形態40の方法を提供する。
実施形態42は、前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または露光された後、前記特徴要素が約1~15%の収縮を有する、実施形態41の方法を提供する。
【0128】
実施形態43は、前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または露光された後、前記特徴要素は約1.2~4.0の屈折率を有する、実施形態42の方法を提供する。
【0129】
実施形態44は、物品を提供し、前記物品が、そこから突出する複数の特徴要素を含む表面を備え、前記特徴要素の高さ:幅のアスペクト比が約2:1から約10:1である。
実施形態45は、前記特徴要素が周期的パターンで配置される、実施形態44の物品を提供する。
【0130】
実施形態46は、前記特徴要素がランダムに配置される、実施形態44または45のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態47は、前記複数の特徴要素の少なくとも1つが側面を有し、その側面が前記表面と鋭角を形成する、実施形態44~46のいずれか1つの物品を提供する。
【0131】
実施形態48は、前記鋭角が約10度から約89度の範囲である、実施形態47の物品を提供する。
実施形態49は、前記複数の特徴要素が独立して約1.2~4.0の屈折率を有する、実施形態44~48のいずれか1つの物品を提供する。
【0132】
実施形態50は、前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または光に曝露された後、前記特徴要素が独立して約1.2~約4.0の屈折率を有する、実施形態49の物品を提供する。
【0133】
実施形態51は、前記物品が、レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、メタレンズ、ライトフィールドディスプレイ、平坦レンズ、またはブレーズ回折格子を含む、実施形態44~50のいずれか1つの物品を提供する。
【0134】
実施形態52は、前記物品が光学的に透明である、実施形態44~51のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態53は、前記物品は、約400nmから約1400nmの範囲の電磁放射に対して光学的に透明である実施形態52の物品を提供する。
【0135】
実施形態54は、前記物品が約400nmから約700nmの範囲の電磁放射に対して光学的に透明である実施形態52または53のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態55は、前記物品は905nmを超える電磁放射に対して光学的に透明である、実施形態52~54のいずれか1つの物品を提供する。
【0136】
実施形態56は、前記物品は、仮想現実デバイスまたは拡張現実デバイスである、実施形態44~55のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態57は、前記物品がメタレンズまたは平坦レンズである、実施形態44~56のいずれか1つの物品を提供する。
【0137】
実施形態58は、ナノ粒子ベースのインクを基板上に配置し、テクスチャード表面を得るために、複数の特徴要素を含むモールドで前記インクを刻印し、第1の反応物質および第2の反応物質を堆積させることを含む原子層堆積(ALD)を、前記テクスチャード表面上で少なくとも1サイクル実施することを含み、前記第1の反応物質は、MXy、MRy、M(NR)y、M(OR)y、MXyRz、MXy(NR)z、MXy(OR)z、MCp2、またはそれらの組み合わせを含み、前記刻印することは、形状および位置が前記モールド上の前記特徴要素に実質的に対応する刻印された特徴要素を前記基板上に生成し、前記ナノ粒子インクは、前記モールドの前記特徴要素を実質的に充填して前記特徴要素を生成し、前記ナノ粒子インクが、インジウムスズ酸化物、二酸化チタン、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属酸窒化物、金属酸炭化物、酸化ケイ素、金属ホウ化物、金属ケイ化物、またはそれらの組み合わせを含み、前記第2の反応物質は水を含み、yとzはそれぞれ独立して2~8の整数であり、Mは金属であり、各Xは独立してF、Cl、Br、またはIであり、各Rは独立して水素か置換または非置換のC1-20アルキルであり、Cpは、置換または非置換のシクロペンタジエニルである、テクスチャード表面を製造する方法を提供する。
【0138】
実施形態59は、実施形態58の方法に従って形成された物品を提供する。
実施形態60は、前記物品が、そこから突出する複数の特徴要素を含む表面を備え、前記特徴要素の高さ:幅のアスペクト比が約2:1から約10:1である実施形態58または59のいずれか1つの物品を提供する。
【0139】
実施形態61は、前記特徴要素が周期的パターンで配置される、実施形態60の物品を提供する。
実施形態62は、前記特徴要素がランダムに配置される、実施形態60の物品を提供する。
【0140】
実施形態63は、前記複数の特徴要素の少なくとも1つが側面を有し、その側面が前記表面と鋭角を形成する実施形態60~62のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態64は、前記鋭角が約10度から約89度の範囲である、実施形態63の物品を提供する。
【0141】
実施形態65は、前記複数の特徴要素が、独立して、約1.2~4.0の屈折率を有する、実施形態64の物品を提供する。
実施形態66は、前記特徴要素が約200℃~1000℃の温度で加熱された後または光に曝露された後、前記特徴要素が独立して約1.2~約4.0の屈折率を有する、実施形態65の物品を提供する。
【0142】
実施形態67は、前記屈折率が所定の屈折率値に対応する、実施形態66の物品を提供する。
実施形態68は、実施形態67の物品を提供し、前記屈折率は、所定の屈折率値の5パーセント以内である、実施形態66の物品を提供する。
【0143】
実施形態69は、前記物品が、レンズ、ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、タッチパネル、センサー表面、遮蔽箔、メタレンズ、ライトフィールドディスプレイ、平坦レンズ、またはブレーズ回折格子を含む、実施形態60~68のいずれか1つの物品を提供する。
【0144】
実施形態70は、物品が光学的に透明である、実施形態60~69のいずれか1つの物品を提供する。
実施形態71は、前記物品が屈折率値の勾配を有する、実施形態60~70のいずれか1つの実施形態の物品を提供する。