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特開2023-100673細胞療法および関連方法のための表現型マーカー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100673
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】細胞療法および関連方法のための表現型マーカー
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20230711BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20230711BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230711BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230711BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230711BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230711BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230711BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230711BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230711BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230711BHJP
   A61K 38/19 20060101ALI20230711BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230711BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230711BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230711BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230711BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230711BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20230711BHJP
【FI】
A61K35/17 ZNA
A61K38/02
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61P31/04
A61P31/12
A61P37/02
A61P29/00
A61P35/00
A61P35/02
A61K45/00
A61K38/19
A61K47/68
A61P43/00 121
C12N5/10
C07K16/28
C07K19/00
C12N5/0783
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066140
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2020531126の分割
【原出願日】2018-12-07
(31)【優先権主張番号】62/596,775
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/643,165
(32)【優先日】2018-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/657,716
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/716,967
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】516316897
【氏名又は名称】ジュノー セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ラーソン ライアン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ラムスボルグ クリストファー グレン
(72)【発明者】
【氏名】サザランド クレア エル.
(72)【発明者】
【氏名】デイブ ケダール ヒマーンシュ
(72)【発明者】
【氏名】イー ネイサン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ヨースト レイチェル ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウゼ ロナルド ジェイムズ ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】デヴリース トッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】治療用T細胞組成物の1以上の用量の投与を伴う細胞療法、ならびにそれにおいて使用するための方法、組成物および製造品を提供する。
【解決手段】T細胞組成物の細胞は、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)等のキメラ受容体、または例えばT細胞受容体(TCR)等の他のトランスジェニック受容体を発現する。投与される細胞の用量もしくは細胞の単位、および/または投与される細胞の表現型を含む本開示の態様の特徴は、様々な利点、例えば、T細胞組成物が投与される対象における一貫した投薬、毒性のリスク低下、および/または応答の増加を与える。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、前記治療用組成物。
【請求項2】
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも50%、または少なくとも約50%、または50%、または約50%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項3】
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも60%、または少なくとも約60%、または60%、または約60%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項4】
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも70%、または少なくとも約70%、または70%、または約70%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項5】
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも80%、または少なくとも約80%、または80%、または約80%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、請求項1記載の治療用組成物。
【請求項6】
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+およびCD4+のT細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;ならびに/あるいは
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
請求項1~5のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項7】
組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数のまたは該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+およびCD4+のT細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;ならびに/あるいは
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
前記治療用組成物。
【請求項8】
前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CCR7について表面陽性である、請求項1~7のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項9】
前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CD27について表面陽性である、請求項1~7のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項10】
前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CCR7およびCD27について表面陽性である、請求項1~7のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項11】
1つまたは複数の単位用量の細胞を含む、請求項1~10のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項12】
前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;および/あるいは
前記単位用量または前記組成物が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、
請求項1~11のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項13】
前記組成物または前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、請求項1~12のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項14】
前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、請求項1~13のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項15】
前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、請求項1~14のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項16】
前記単位用量または前記組成物が、規定の数の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および受容体+/CD4+/CCR7+細胞、または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項1~15のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項17】
規定の数または比の細胞が、さらに、CD27+またはCD45RA-の細胞である、請求項16記載の治療用組成物。
【請求項18】
前記単位用量または前記組成物が、規定の数の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および受容体+/CD4+/CD27+細胞、または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項1~15のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項19】
規定の数または比の細胞が、さらに、CCR7+またはCD45RA-の細胞である、請求項18記載の治療用組成物。
【請求項20】
前記単位用量もしくは前記組成物が、規定の数の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む;ならびに/または前記単位用量もしくは前記組成物が、規定の数の、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、請求項1~19のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項21】
前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、請求項1~20のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項22】
組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む;および/あるいは組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、請求項1~21のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項23】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、請求項1~22のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項24】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しない細胞の総数である、および/またはアポトーシスマーカー陰性(-)である細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、請求項1~23のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項25】
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、請求項1~29のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項26】
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、請求項25記載の治療用組成物。
【請求項27】
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、請求項25または26記載の治療用組成物。
【請求項28】
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項1~27のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項29】
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含み、かつ、該細胞外ドメインと該細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、請求項1~28のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項30】
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、請求項28記載の治療用組成物。
【請求項31】
前記フラグメントがscFvを含む、請求項30記載の治療用組成物。
【請求項32】
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、請求項29~31のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項33】
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項29~32のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項34】
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、請求項33記載の治療用組成物。
【請求項35】
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、請求項33または34記載の治療用組成物。
【請求項36】
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、請求項33~35のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項37】
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、請求項1~36のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項38】
T細胞が、対象に対して自己である、請求項1~37のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項39】
T細胞が、対象に対して同種である、請求項1~37のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項40】
対象ががんを有し、任意で、該がんが白血病またはリンパ腫である、請求項37~39のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項41】
対象が、細胞を得るときに、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、請求項40記載の治療用細胞組成物。
【請求項42】
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm2超、40cm2超、50cm2超、60cm2超、もしくは70cm2超、または約30cm2超、約40cm2超、約50cm2超、約60cm2超、もしくは約70cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、請求項41記載の治療用細胞組成物。
【請求項43】
対象における腫瘍のSPDが、50cm2超または約50cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、請求項42記載の治療用細胞組成物。
【請求項44】
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、請求項42または43記載の治療用細胞組成物。
【請求項45】
請求項1~44のいずれか一項記載の組成物を含む容器と、
疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
【請求項46】
1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1つまたは複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する(任意で表面発現する)組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記容器と;
疾患または状態を有する対象に、治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
【請求項47】
1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1つまたは複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する(任意で表面発現する)組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記容器と;
疾患または状態を有する対象に、治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
【請求項48】
細胞の単位用量が、請求項1~44のいずれか一項記載の組成物を含む、請求項46または47記載の製造品。
【請求項49】
疾患または状態を有する対象に、1つもしくは複数の単位用量の請求項1もしくは7記載の治療用組成物、または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+T細胞を含む治療用組成物、ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、任意で、
細胞の単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ/あるいは
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、前記処置方法。
【請求項50】
細胞の単位用量が規定の数のCD8+/CCR7+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4+/CCR7+細胞を含む、請求項49記載の方法。
【請求項51】
疾患または状態を有する対象に、1つもしくは複数の単位用量の請求項1もしくは7記載の治療用組成物、または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+T細胞を含む治療用組成物、ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、任意で、
細胞の単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ/あるいは
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCD27を発現する細胞(CD27+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、前記処置方法。
【請求項52】
細胞の単位用量が規定の数のCD8+/CD27+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4+/CD27+細胞を含む、請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;
前記単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、
請求項49~52のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、請求項49~53のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、請求項49~54のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および受容体+/CD4+/CCR7+細胞、または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項49、50、および53~55のいずれか一項記載の方法。
【請求項57】
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および受容体+/CD4+/CD27+細胞、または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項51~55のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む;ならびに/または細胞の単位用量が、規定の数の、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、請求項56または57記載の方法。
【請求項59】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-である;および/あるいは前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
疾患または状態を有する対象に、1つまたは複数の単位用量の請求項1または7記載の組成物を投与する工程を含む、処置方法。
【請求項61】
細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ
前記方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、
請求項60記載の方法。
【請求項62】
疾患または状態を有する対象に、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+T細胞を含む治療用組成物、ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、
細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、
前記処置方法。
【請求項63】
細胞の単位用量が規定の数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項58~62のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;
前記単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、
請求項58~63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞;および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項58~64のいずれか一項記載の方法。
【請求項66】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、請求項58~65のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項58~66のいずれか一項記載の方法。
【請求項68】
規定の数の細胞が、CD45RAをさらに発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらにCD45RA-細胞である、請求項49~67のいずれか一項記載の方法。
【請求項69】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む、請求項49~68のいずれか一項記載の方法。
【請求項70】
前記単位用量が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、請求項49~69のいずれか一項記載の方法。
【請求項71】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、請求項70記載の方法。
【請求項72】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しない細胞の総数である、および/またはアポトーシスマーカー陰性(-)である細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、請求項49~71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与する工程を含む、請求項49~72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
複数の別個の組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、請求項73記載の方法。
【請求項75】
前記第一の組成物が、CD8+T細胞を含む、請求項74記載の方法。
【請求項76】
前記第一の組成物が、CD4+T細胞を含む、請求項74記載の方法。
【請求項77】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、48時間以内の間隔をあけて投与する工程を含む、請求項49~76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、36時間以内の間隔をあけて、24時間以内の間隔をあけて、12時間以内の間隔をあけて、6時間以内の間隔をあけて、4時間以内の間隔をあけて、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、または30分間以内の間隔をあけて投与される、請求項77記載の方法。
【請求項79】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、30分間以内の間隔をあけて、15分間以内の間隔をあけて、10分間以内の間隔をあけて、もしくは5分間以内の間隔をあけて、または同時に投与される、請求項77または78記載の方法。
【請求項80】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4+細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、請求項73~79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
CD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8+細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、請求項73~79のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7を発現するT細胞(受容体+/CCR7+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;
(b)受容体+/CCR7+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
【請求項83】
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)受容体+/CCR7+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
【請求項84】
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7および/またはCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+および/または受容体+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、該組成物の全てまたは一部、および任意で別の溶液を容器に充填する工程であって、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞、あるいは規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法。
【請求項85】
T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
【請求項86】
T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
【請求項87】
細胞の単位用量が規定の数のCD8+/CCR7+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4+/CCR7+細胞を含む、請求項83~86のいずれか一項記載の方法。
【請求項88】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;
前記単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、
請求項82~87のいずれか一項記載の方法。
【請求項89】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、請求項82~88のいずれか一項記載の方法。
【請求項90】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、請求項82~89のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項82~90のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
前記単位用量が、CD27および/もしくはCD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD27+またはCD45RA-細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、請求項82~91のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
治療用組成物において、CD27および/もしくはCD45RAを発現するかまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD27+またはCD45RA-であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する工程をさらに含む、請求項82~92のいずれか一項記載の方法。
【請求項94】
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、ならびに/または細胞の単位用量が、規定の数の、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、請求項92または93記載の方法。
【請求項95】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、請求項92~95のいずれか一項記載の方法。
【請求項96】
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;
(b)受容体+/CCR7+/CD27+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
【請求項97】
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、組成物の全てまたは一部、および任意で別の溶液を容器に充填する工程であって、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法。
【請求項98】
T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
【請求項99】
細胞の単位用量が規定の数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項96~98のいずれか一項記載の方法。
【請求項100】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、もしくは総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;前記単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、もしくは約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、もしくは総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;ならびに/または前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項96~99のいずれか一項記載の方法。
【請求項101】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項96~100のいずれか一項記載の方法。
【請求項102】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、請求項96~103のいずれか一項記載の方法。
【請求項103】
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項96~102のいずれか一項記載の方法。
【請求項104】
前記単位用量が、CD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD45RA-細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、請求項96~103のいずれか一項記載の方法。
【請求項105】
治療用組成物において、CD45RAを発現するかまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD45RA-であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する工程をさらに含む、請求項96~104のいずれか一項記載の方法。
【請求項106】
i)対象からの生物学的試料から、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を含むインプット組成物を提供する工程;
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程;ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、前記方法。
【請求項107】
組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドをインプット組成物に導入する工程を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
該インプット組成物が、対象からの生物学的試料から提供される、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を含み、かつ、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることによって、該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物が刺激され、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらし;ならびに
該方法が、規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、
前記方法。
【請求項108】
i)対象から得られた生物学的試料から、目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を単離し、それにより、インプット組成物を生成する工程;
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程;ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、前記方法。
【請求項109】
組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドをインプット組成物に導入する工程を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
該インプット組成物が、目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を、対象から得られた生物学的試料から単離することによって生成され、かつ、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることによって、該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物が刺激され、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらし;ならびに
該方法が、規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、
前記方法。
【請求項110】
前記インプット組成物が、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を含む、請求項106~109のいずれか一項記載の方法。
【請求項111】
前記インプット組成物が、目標パーセンテージのCD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-、および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+の細胞を含む、請求項106~110のいずれか一項記載の方法。
【請求項112】
前記アウトプット組成物が、
規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+の細胞と受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+の細胞;または
規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+の細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+の細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞
を含む、請求項106~111のいずれか一項記載の方法。
【請求項113】
疾患または状態を有する対象に投与するためのT細胞組成物の1つまたは複数の単位用量を決定する工程をさらに含み、該単位用量が、
規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞;
規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞;あるいは
規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞
を含むアウトプット組成物の全てまたは一部を含む、請求項106~112のいずれか一項記載の方法。
【請求項114】
細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+細胞、CD4+/CCR7+細胞、CD8+/CD27+細胞、CD4+/CD27+細胞、CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/またはCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項113記載の方法。
【請求項115】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、総受容体+/CD4+/CD27+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項113または114に記載の方法。
【請求項116】
前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+;および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞;および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、
請求項113~115のいずれか一項記載の方法。
【請求項117】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である;
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である;および/あるいは
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、
請求項113~116のいずれか一項記載の方法。
【請求項118】
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である;および/あるいは規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である;および/あるいは規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、請求項113~117のいずれか一項記載の方法。
【請求項119】
前記単位用量が、CD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD45RA-細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、請求項113~118のいずれか一項記載の方法。
【請求項120】
細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、請求項110記載の方法。
【請求項121】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-である、請求項113~120のいずれか一項記載の方法。
【請求項122】
提供または単離の前に、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞の数、体積あたりの数、重量あたりの数、および/またはパーセンテージを決定する工程を含む、請求項106~121のいずれか一項記載の方法。
【請求項123】
1種または複数種の刺激剤が、T細胞、CD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞を活性化することができる;TCR複合体を通してシグナルを誘導することができる;ならびに/またはT細胞、CD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞の増殖を誘導することができる、請求項106~122のいずれか一項記載の方法。
【請求項124】
1種または複数種の刺激剤が、TCR複合体のメンバーに結合する、任意で、CD3に特異的に結合する一次作用物質を含む、請求項106~123のいずれか一項記載の方法。
【請求項125】
1種または複数種の刺激剤が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質をさらに含む、請求項124記載の方法。
【請求項126】
前記共刺激分子が、CD28、CD137(4-1BB)、OX40、またはICOSからなる群より選択される、請求項125記載の方法。
【請求項127】
一次作用物質および二次作用物質が抗体を含み、任意で、1種または複数種の刺激剤が、抗CD3抗体および抗CD28抗体と共にインキュベートすることを含む、請求項125または126に記載の方法。
【請求項128】
1種または複数種の刺激剤が、固体支持体、任意でビーズの表面上に存在する、請求項106~127のいずれか一項記載の方法。
【請求項129】
1種または複数種の刺激剤が、CD3結合分子;CD28結合分子;組換えIL-2;組換えIL-15;および組換えIL-7、抗原受容体によって特異的に認識される抗原を含むワクチン、および抗原受容体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項106~128のいずれか一項記載の方法。
【請求項130】
治療用組成物が、請求項1または7記載の組成物である、請求項82~129のいずれか一項記載の方法。
【請求項131】
疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与する工程をさらに含む、請求項82~130のいずれか一項記載の方法。
【請求項132】
前記方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、請求項82~131のいずれか一項記載の方法。
【請求項133】
単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む;82-および/あるいは単位用量が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、請求項82~132のいずれか一項記載の方法。
【請求項134】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、請求項82~133のいずれか一項記載の方法。
【請求項135】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しない細胞の総数である、および/またはアポトーシスマーカー陰性(-)である細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、請求項82~134のいずれか一項記載の方法。
【請求項136】
複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与する工程を含む、請求項131~135のいずれか一項記載の方法。
【請求項137】
複数の別個の組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、請求項136記載の方法。
【請求項138】
第一の組成物が、CD8+T細胞を含む、請求項137記載の方法。
【請求項139】
第一の組成物が、CD4+T細胞を含む、請求項137記載の方法。
【請求項140】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、48時間以内の間隔をあけて投与する工程を含む、請求項131~139のいずれか一項記載の方法。
【請求項141】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、36時間以内の間隔をあけて、24時間以内の間隔をあけて、12時間以内の間隔をあけて、6時間以内の間隔をあけて、4時間以内の間隔をあけて、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、または30分間以内の間隔をあけて投与される、請求項140記載の方法。
【請求項142】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、30分間以内の間隔をあけて、15分間以内の間隔をあけて、10分間以内の間隔をあけて、もしくは5分間以内の間隔をあけて、または同時に投与される、請求項140または141記載の方法。
【請求項143】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4+細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、請求項136~142のいずれか一項記載の方法。
【請求項144】
CD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8+細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、請求項136~142のいずれか一項記載の方法。
【請求項145】
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、請求項49~144のいずれか一項記載の方法。
【請求項146】
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、請求項145記載の方法。
【請求項147】
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、請求項145または146記載の方法。
【請求項148】
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項49~147のいずれか一項記載の方法。
【請求項149】
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含み、かつ、該細胞外ドメインと該細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、請求項48~148のいずれか一項記載の方法。
【請求項150】
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、請求項149記載の方法。
【請求項151】
前記フラグメントが、scFvを含む、請求項150記載の方法。
【請求項152】
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、請求項149~151のいずれか一項記載の方法。
【請求項153】
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項149~152のいずれか一項記載の方法。
【請求項154】
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、請求項153記載の方法。
【請求項155】
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、請求項153または154記載の方法。
【請求項156】
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、請求項153~155のいずれか一項記載の方法。
【請求項157】
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、請求項49~156のいずれか一項記載の方法。
【請求項158】
T細胞が、対象に対して自己である、請求項49~157のいずれか一項記載の方法。
【請求項159】
T細胞が、対象に対して同種である、請求項49~157のいずれか一項記載の方法。
【請求項160】
対象ががんを有し、任意で、該がんが白血病またはリンパ腫である、請求項157~179のいずれか一項記載の方法。
【請求項161】
対象が、細胞を得るときに、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、請求項160記載の方法。
【請求項162】
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm2超、40cm2超、50cm2超、60cm2超、もしくは70cm2超、または約30cm2超、約40cm2超、約50cm2超、約60cm2超、もしくは約70cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、
請求項161記載の方法。
【請求項163】
対象における腫瘍のSPDが、50cm2超または約50cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、請求項162記載の方法。
【請求項164】
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、請求項162または163記載の方法。
【請求項165】
請求項106~164のいずれか一項記載の方法によって産生される、アウトプット組成物。
【請求項166】
請求項82~164のいずれか一項記載の方法によって決定または産生される、単位用量。
【請求項167】
請求項166記載の単位用量を含む、薬学的組成物。
【請求項168】
薬学的担体をさらに含む、請求項167記載の薬学的組成物。
【請求項169】
請求項165記載のアウトプット組成物、請求項166記載の単位用量、または請求項167もしくは168記載の薬学的組成物の全てまたは一部を哺乳動物対象に投与する工程を含む、処置方法。
【請求項170】
がんを処置するための、請求項165記載のアウトプット組成物、請求項166記載の単位用量、または請求項167もしくは168記載の薬学的組成物の全てまたは一部の使用。
【請求項171】
がんを処置するための医薬の製造における、請求項165記載のアウトプット組成物、請求項166記載の単位用量、または請求項167もしくは168記載の薬学的組成物の全てまたは一部の使用。
【請求項172】
がんの処置において使用するための、請求項165記載のアウトプット組成物、請求項166記載の単位用量、または請求項167もしくは168記載の薬学的組成物。
【請求項173】
抗原に結合する組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用細胞組成物であって、刺激剤で刺激した後、
該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生することができる;ならびに/あるいは
該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性である、
前記治療用細胞組成物。
【請求項174】
前記組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生することができる、請求項173記載の治療用細胞組成物。
【請求項175】
前記組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性である、請求項173または174記載の治療用細胞組成物。
【請求項176】
前記組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、サイトカインであるインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファを産生するために多機能性である、請求項173~175のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項177】
刺激剤が、非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤である、請求項173~176のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項178】
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、ポリクローナル刺激剤である、請求項177記載の治療用細胞組成物。
【請求項179】
非特異的または非抗原依存性の刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)、またはコンカナバリンA(ConA)を含む、請求項173~178のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項180】
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、PMA/イオノマイシンを含む、請求項177~179のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項181】
刺激剤が、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、該刺激剤が、抗原特異的刺激試薬である、および/または組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む、請求項173~176のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項182】
サイトカインの産生が、細胞内サイトカインアッセイによって測定される、請求項173~181のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項183】
前記組成物中のT細胞の総数の、または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%を含み、これらが、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である、請求項173~182のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項184】
前記T細胞が、対象から得られた初代細胞である、請求項173~183のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項185】
対象ががんを有し、任意で、該がんが白血病またはリンパ腫である、請求項184記載の治療用細胞組成物。
【請求項186】
対象が、細胞を得るときに、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、請求項185記載の治療用細胞組成物。
【請求項187】
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm2超、40cm2超、50cm2超、60cm2超、もしくは70cm2超、または約30cm2超、約40cm2超、約50cm2超、約60cm2超、もしくは約70cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、請求項186記載の治療用細胞組成物。
【請求項188】
対象における腫瘍のSPDが、50cm2超または約50cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、請求項187記載の治療用細胞組成物。
【請求項189】
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、請求項187または188記載の治療用細胞組成物。
【請求項190】
前記治療用細胞組成物はCD4+T細胞が富化されている、および/あるいは操作組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD4+である、請求項173~189のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項191】
前記治療用細胞組成物はCD3+T細胞が富化されている、CD4+およびCD8+T細胞が富化されている、ならびに/あるいは操作組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD3+またはCD4+およびCD8+である、請求項173~189のいずれか一項記載の治療用細胞組成物。
【請求項192】
約1:3~約3:1、任意で約1:2~2:1であるCD4+T細胞とCD8+T細胞の比で、CD4+およびCD8+のT細胞を含む、請求項191記載の治療用細胞組成物。
【請求項193】
組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む、請求項173~192のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項194】
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、請求項173~193のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項195】
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、請求項194記載の治療用組成物。
【請求項196】
前記標的抗原が、腫瘍抗原である、請求項194または195記載の治療用組成物。
【請求項197】
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、請求項194~196のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項198】
組換え受容体が、
機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメント
であるかまたはそれを含む、請求項173~197のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項199】
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項173~198のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項200】
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含む、請求項173~199のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項201】
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、請求項200記載の治療用組成物。
【請求項202】
前記フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、請求項201記載の治療用組成物。
【請求項203】
前記フラグメントが、scFvを含む、請求項201または202記載の治療用組成物。
【請求項204】
細胞内シグナル伝達ドメインが、
一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメイン
であるかまたはそれを含む、請求項200~203のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項205】
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、請求項200~204のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項206】
組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、請求項200~205のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項207】
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項200~206のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項208】
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、請求項207記載の治療用組成物。
【請求項209】
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、請求項207または208記載の治療用組成物。
【請求項210】
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、請求項207~209のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項211】
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、請求項173~210のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項212】
T細胞が、対象に対して自己である、請求項173~211のいずれか一項記載の治療用組成物。
【請求項213】
請求項173~212のいずれか一項記載の治療用細胞組成物を含む容器と、疾患または状態を有する対象に治療用細胞組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書とを含む製造品。
【請求項214】
複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与することが指示書に明記されている、請求項213記載の製造品。
【請求項215】
複数の別個の組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む治療用細胞組成物を含む第一の組成物と、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含み、該第二の組成物が、組換え受容体、あるいは抗原または疾患もしくは状態によって発現される細胞に特異的な組換え受容体を発現している細胞を含み、任意で、該第二の組成物が、請求項1~40のいずれか一項記載の組成物である、請求項214記載の製造品。
【請求項216】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、48時間以内の間隔をあけて、36時間以内の間隔をあけて、24時間以内の間隔をあけて、12時間以内の間隔をあけて、6時間以内の間隔をあけて、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、または同時に投与することが指示書に明記されている、請求項215記載の製造品。
【請求項217】
CD8+T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4+細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与することが指示書に明記されている、請求項215または216の製造か記載の製造品。
【請求項218】
疾患または状態を有する対象に、1つまたは複数の単位用量の請求項173~212のいずれか一項記載の治療用細胞組成物を投与する工程を含む、処置方法。
【請求項219】
前記治療用組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の治療用細胞組成物であり、1つまたは複数の単位用量が、CD8+T細胞およびCD4+細胞のうちの他方を含む第二の治療用細胞組成物をさらに含み、該第二の組成物が、組換え受容体、あるいは抗原または疾患もしくは状態によって発現される細胞に特異的な組換え受容体を発現している細胞を含み、任意で、該第二の組成物が、請求項173~212のいずれか一項記載の組成物である、請求項218記載の方法。
【請求項220】
第二の治療用細胞組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である、請求項47記載の方法。
【請求項221】
第二の治療用細胞組成物はCD8+T細胞が富化されている、および/あるいは操作組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD8+である、請求項219または220記載の方法。
【請求項222】
第一の治療用組成物および第二の治療用組成物が、互いの48時間以内もしくは約48時間以内、36時間以内もしくは約36時間以内、24時間以内もしくは約24時間以内、12時間以内もしくは約12時間以内、6時間以内もしくは約6時間以内、2時間以内もしくは約2時間以内、または1時間以内もしくは約1時間以内に投与される、請求項221記載の方法。
【請求項223】
CD8+T細胞を含む第二の治療用細胞組成物が、CD4+T細胞を含む第一の組成物の前に投与される、請求項221または222記載の方法。
【請求項224】
細胞の1つまたは複数の単位用量が、規定の比のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含み、その比が、1:3または約1:3および3:1または約3:1、任意で1:2または約1:2および2:1または約2:1、任意で1:1または約1:1である、請求項218~223のいずれか一項記載の方法。
【請求項225】
(A)組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標である要素について、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物をアッセイする工程であって、該要素が、(i)CCR7および/もしくはCD27について表面陽性であり、任意でCD45RAについて表面陰性である、組換え受容体を発現しているT細胞のパーセンテージ;ならびに/または(ii)刺激剤による刺激後にIL-2、TNF-アルファ、および/もしくはIFN-ガンマを産生することができる、組換え受容体を発現しているCD4+T細胞のパーセンテージより選択される、前記アッセイする工程と;
(B)疾患または状態を有する対象に療法を投与する工程であって、
(1)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値であるか閾値を上回る場合、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与すること;あるいは
(2)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が、該要素の閾値を下回る場合、
(a)操作細胞組成物の細胞の1つもしくは複数の単位用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)任意で、同じ疾患もしくは状態を有するが、該要素の閾値もしくはそれ以上を呈する同様の状況の対象に投与される1つもしくは複数の単位用量と比較して増加した、操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の1つもしくは複数の単位用量以外の、該疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を投与すること
より選択される、前記投与する工程と
を含み、
該要素の閾値が、
(i)該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
(ii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
(iii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
より選択される、対象を処置するための方法。
【請求項226】
疾患または状態を有する対象に療法を投与する工程であって、
(1)組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値であるか閾値を上回る場合、操作T細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与すること;あるいは
(2)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が、該要素の閾値を下回る場合、
(a)操作細胞組成物の細胞の1つもしくは複数の単位用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)任意で、同じ疾患もしくは状態を有するが、該要素の閾値もしくはそれ以上を呈する同様の状況の対象に投与される1つもしくは複数の単位用量と比較して増加した、操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の用量以外の、該疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を投与すること
より選択される、前記投与する工程
を含み、
該要素の閾値が、
(i)該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
(ii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
(iii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
より選択される、対象を処置するための方法。
【請求項227】
前記細胞組成物の細胞が、対象に対して自己である、請求項218~226のいずれか一項記載の方法。
【請求項228】
前記方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも75%が、1つまたは複数の単位用量の投与後少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、または少なくとも12ヶ月間の無増悪生存期間を達成する、請求項218~227のいずれか一項記載の方法。
【請求項229】
前記方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも75%が、1つまたは複数の単位用量の投与後少なくとも3ヶ月間もしくは少なくとも約3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間もしくは少なくとも約4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間もしくは少なくとも約5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間もしくは少なくとも約6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間もしくは少なくとも約9ヶ月間、または少なくとも12ヶ月間もしくは少なくとも約12ヶ月間、疾患が進行しない、請求項218~228のいずれか一項記載の方法。
【請求項230】
前記方法に従って処置された対象が、
生物学的試料、任意で血液または血清の試料における細胞組成物の細胞の薬物動態学的特性であって、同じ疾患または状態を有し、かつ、組換え受容体を発現しているが細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値を下回るT細胞を含む同様の用量の自己細胞組成物を投与された同様の状況の対象の群と比較して、平均して改善された、前記特性
を達成する、請求項218~229のいずれか一項記載の方法。
【請求項231】
前記薬物動態学的特性が、合計の経時的曝露(AUC)または生物学的試料におけるピーク細胞数である、請求項230記載の方法。
【請求項232】
(a)組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標である要素について、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物をアッセイする工程であって、該要素が、(i)CCR7および/もしくはCD27について表面陽性であり、任意でCD45RAについて表面陰性である、組換え受容体を発現しているT細胞のパーセンテージ;ならびに/または(ii)刺激剤による刺激後にIL-2、TNF-アルファ、および/もしくはIFN-ガンマを産生することができる、組換え受容体を発現しているCD4+T細胞のパーセンテージより選択される、前記アッセイする工程と;
(b)操作された細胞のある用量を含む細胞療法を投与した後の応答の可能性を決定する工程であって、該要素が閾値であるかもしくは閾値を超える場合、該療法を投与した後に、対象が任意で少なくとも3ヶ月間にわたって永続的応答もしくは無増悪生存期間を達成する可能性があると同定するか;または該要素が閾値を下回る場合、対象が該療法に対して永続的応答も無増悪生存期間も呈する可能性がないと同定する、前記決定する工程と
を含み、
該要素の閾値が、
(i)該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
(ii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
(iii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
より選択される、治療用T細胞組成物に対する応答の可能性を予測する方法。
【請求項233】
前記細胞組成物の細胞が、対象に対して自己である、請求項232記載の方法。
【請求項234】
対象が、療法に対して永続的応答または無増悪生存期間を達成する可能性があると同定された場合、操作T細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与する、請求項232または233に記載の方法。
【請求項235】
1つまたは複数の単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総T細胞(受容体+/T細胞)または総T細胞を含む、請求項218~231、233、および234のいずれか一項記載の方法。
【請求項236】
1つまたは複数の単位用量が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/T細胞または総T細胞を含む、請求項218~231および233~235のいずれか一項記載の方法。
【請求項237】
要素の閾値が、前記組成物中のT細胞の総数の、または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であることである、請求項225~236のいずれか一項記載の方法。
【請求項238】
要素の閾値が、組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生できることである、請求項225~237のいずれか一項記載の方法。
【請求項239】
要素の閾値が、組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であることである、請求項225~238のいずれか一項記載の方法。
【請求項240】
要素の閾値が、組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、サイトカインであるインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファを産生するために多機能性であることである、請求項225~239のいずれか一項記載の方法。
【請求項241】
対象が永続的応答も無増悪生存期間も達成する可能性がないと同定された場合、
(a)操作細胞組成物の細胞のある用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)任意で、同じ疾患もしくは状態を有するが、細胞療法に対して無増悪生存期間もしくは永続的応答を達成する可能性を呈する同様の状況の対象に投与された用量と比較して増加した、操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の用量以外の、疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を対象に投与する、請求項232~240のいずれか一項記載の方法。
【請求項242】
操作細胞組成物の細胞のある用量と、対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、または有効性を増加させることができる作用物質とを含む療法を投与する工程を含み、該作用物質が、CARに特異的な抗イディオタイプ抗体もしくはその抗原結合フラグメント、免疫チェックポイント阻害剤、代謝経路のモジュレーター、アデノシン受容体アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、抗TGFβ抗体、または抗TGFβR抗体、またはサイトカインである、請求項225~231および241のいずれか一項記載の方法。
【請求項243】
前記作用物質が、治療用T細胞組成物の投与の前、同時、または後に投与される、請求項242記載の方法。
【請求項244】
対象が、アッセイ時および/または投与前に、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、請求項218~242のいずれか一項記載の方法。
【請求項245】
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm2超、40cm2超、50cm2超、60cm2超、もしくは70cm2超、または約30cm2超、約40cm2超、約50cm2超、約60cm2超、もしくは約70cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、
請求項244記載の方法。
【請求項246】
対象における腫瘍のSPDが、50cm2超または約50cm2超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、請求項245記載の方法。
【請求項247】
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、請求項245または246記載の方法。
【請求項248】
刺激剤が、非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤である、請求項225~247のいずれか一項記載の方法。
【請求項249】
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、ポリクローナル刺激剤である、請求項248記載の方法。
【請求項250】
非特異的または非抗原依存性の刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)、またはコンカナバリンA(ConA)を含む、請求項248または249記載の方法。
【請求項251】
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、PMA/イオノマイシンを含む、請求項248~250のいずれか一項記載の方法。
【請求項252】
刺激剤が、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、該刺激剤が、抗原特異的刺激試薬である、および/または組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む、請求項225~247のいずれか一項記載の方法。
【請求項253】
サイトカインの産生が、細胞内サイトカインアッセイによって測定される、請求項225~252のいずれか一項記載の方法。
【請求項254】
組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む、請求項218~253のいずれか一項記載の方法。
【請求項255】
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、請求項218~254のいずれか一項記載の方法。
【請求項256】
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、請求項255記載の方法。
【請求項257】
前記標的抗原が、腫瘍抗原である、請求項255または256記載の方法。
【請求項258】
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、請求項255~257のいずれか一項記載の方法。
【請求項259】
組換え受容体が、
機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメント
であるかまたはそれを含む、請求項218~258のいずれか一項記載の方法。
【請求項260】
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項218~259のいずれか一項記載の方法。
【請求項261】
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含む、請求項218~260のいずれか一項記載の方法。
【請求項262】
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、請求項261記載の方法。
【請求項263】
前記フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、請求項262記載の方法。
【請求項264】
前記フラグメントが、scFvを含む、請求項262または263記載の方法。
【請求項265】
細胞内シグナル伝達ドメインが、
一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメイン
であるかまたはそれを含む、請求項261~264のいずれか一項記載の方法。
【請求項266】
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、請求項265記載の方法。
【請求項267】
組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、請求項261~266のいずれか一項記載の方法。
【請求項268】
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項261~267のいずれか一項記載の方法。
【請求項269】
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、請求項268記載の方法。
【請求項270】
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、請求項268または269記載の方法。
【請求項271】
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、請求項269または270記載の方法。
【請求項272】
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、請求項218~271のいずれか一項記載の方法。
【請求項273】
T細胞が、対象に対して自己である、請求項218~272のいずれか一項記載の方法。
【請求項274】
(a)刺激条件下でインプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成する工程であって、該インプット組成物が、規定の数の、アポトーシスマーカーを発現しないT細胞(アポトーシスマーカー陰性(-))を含む、前記工程と;
(b)該刺激された組成物からの細胞に組換え受容体を導入し、それにより、操作細胞組成物を生成する工程であって、該導入が、該刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを含む作用物質と接触させることを含む、前記工程と
を含む、治療用T細胞組成物を産生する方法。
【請求項275】
アポトーシスマーカー陰性T細胞が、
アポトーシスマーカー陰性CD3+細胞、アポトーシスマーカー陰性CD8+細胞、アポトーシスマーカー陰性CD4+細胞、またはアポトーシスマーカー陰性CD8+細胞およびアポトーシスマーカー陰性CD4+細胞
であるかまたはそれを含む、請求項274記載の方法。
【請求項276】
アポトーシスマーカーが、アネキシンVである、請求項274または275に記載の方法。
【請求項277】
アポトーシスマーカーが、活性化カスパーゼ3である、請求項274または275に記載の方法。
【請求項278】
T細胞の規定の数が、少なくとも50×106のアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、請求項274~276のいずれか一項記載の方法。
【請求項279】
T細胞の規定の数が、少なくとも100×106のアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、請求項274~278のいずれか一項記載の方法。
【請求項280】
T細胞の規定の数が、100×106または約100×106と500×106または約500×106との間の、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、請求項274~279のいずれか一項記載の方法。
【請求項281】
T細胞の規定の数が、300×106または約300×106の、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、請求項274~280のいずれか一項記載の方法。
【請求項282】
インプット組成物中の総T細胞のパーセンテージとしてのアポトーシスマーカー陰性T細胞のパーセンテージが、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である、請求項274~281のいずれか一項記載の方法。
【請求項283】
インキュベートする前に、規定の数のアポトーシスマーカー陰性T細胞を含むインプット組成物を得る、請求項274~282のいずれか一項記載の方法。
【請求項284】
インキュベートする前に、生物学的試料からアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を単離、選択、または富化する、請求項274~283のいずれか一項記載の方法。
【請求項285】
(a)アポトーシスマーカーを発現しないT細胞(アポトーシスマーカー陰性(-))、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞の集団を生物学的試料から単離、選択、または富化し、それにより、インプット組成物を得る工程と;
(b)刺激条件下で該インプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成する工程と;
(c)該刺激された組成物からの細胞に組換え受容体を導入し、それにより、操作細胞組成物を生成する工程であって、該導入が、該刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを含む作用物質と接触させることを含む、前記工程と
を含む、治療用T細胞組成物を産生する方法。
【請求項286】
生物学的試料が、対象から得られた初代T細胞、請求項284または285記載の方法。
【請求項287】
対象が、ヒト対象である、請求項286記載の方法。
【請求項288】
生物学的試料が、
全血試料、バッフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画のT細胞試料、リンパ球試料、白血球細胞試料、アフェレーシス産物、または白血球除去産物
であるかまたはそれを含む、請求項284~287のいずれか一項記載の方法。
【請求項289】
生物学的試料が、アフェレーシス産物または白血球除去産物を含む、請求項284~288のいずれか一項記載の方法。
【請求項290】
T細胞が、対象から生物学的試料を得た後36時間以内に該生物学的試料から単離、選択、または富化される、請求項284~289のいずれか一項記載の方法。
【請求項291】
生物学的試料が、対象から得られた後36時間以内に凍結保護物質の存在下で低温冷凍され、かつ、細胞の単離、選択、または富化前に解凍され、任意で、低温冷凍された試料が、細胞の単離、選択、または富化の直前、または6時間以内前、4時間以内前、2時間以内前、もしくは1時間以内前に解凍される、請求項284~289のいずれか一項記載の方法。
【請求項292】
インキュベーションが、1種または複数種のサイトカインの存在下、任意で無血清培地中で実施される、請求項274~291のいずれか一項記載の方法。
【請求項293】
1種または複数種のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7、および/または組換えIL-15より選択される、請求項292記載の方法。
【請求項294】
1種または複数種のサイトカインが、10~200IU/mLの組換えIL-2;100IU/mL~1,000IU/mLの組換えIL-7;および/または10~200IU/mLの組換えIL-15を含む、請求項293記載の方法。
【請求項295】
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合し、任意で、CD3に特異的に結合する一次作用物質を含み、任意で、該一次作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項274~294のいずれか一項記載の方法。
【請求項296】
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質をさらに含み、任意で、該共刺激分子が、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSより選択され、任意で、該二次作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメントである、請求項295記載の方法。
【請求項297】
刺激試薬が、抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合フラグメントと共にインキュベートすることを含む、請求項274~296のいずれか一項記載の方法。
【請求項298】
一次作用物質および/または二次作用物質が、固体支持体の表面上に存在する、請求項295~297のいずれか一項記載の方法。
【請求項299】
固体支持体が、ビーズであるかまたはそれを含む、請求項298記載の方法。
【請求項300】
一次作用物質および二次作用物質が、複数のストレプトアビジンまたはストレプトアビジンムテインの分子を含むオリゴマー粒子試薬の表面上に固定されているかまたは可逆的に結合している、請求項295~299のいずれか一項記載の方法。
【請求項301】
インプット組成物が、両端の値を含めて12時間~36時間、任意で24時間または約24時間、刺激条件下でインキュベートされる、請求項274~300のいずれか一項記載の方法。
【請求項302】
前記接触が、任意でレトロウイルスベクター、任意でレンチウイルスベクターを用いてウイルス形質導入によって実行される、請求項274~301のいずれか一項記載の方法。
【請求項303】
操作された細胞の増殖および/または増大を促進する条件下で操作組成物を培養し、それにより、操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を産生する工程をさらに含む、請求項274~302のいずれか一項記載の方法。
【請求項304】
前記培養が、1種または複数種のサイトカインの存在下、任意で無血清培地中で実施される、請求項303記載の方法。
【請求項305】
1種または複数種のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7、および/または組換えIL-15より選択される、請求項304記載の方法。
【請求項306】
1種または複数種のサイトカインが、50~400IU/mLの組換えIL-2;100IU/mL~2,000IU/mLの組換えIL-7;および/または50~400IU/mLの組換えIL-15を含む、請求項304または305記載の方法。
【請求項307】
インプット組成物が、2:1~1:2の、CD4+T細胞とCD8+T細胞の比で、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含むか;または
インプット組成物が、2:1~1:2の、CD4+T細胞とCD8+T細胞の比で、アポトーシスマーカー陰性CD4+T細胞およびアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、
請求項274~306のいずれか一項記載の方法。
【請求項308】
CD4+T細胞およびCD8+T細胞が、同じ生物学的試料またはそれに由来する試料から別々に選択、単離、または富化され、かつ、インキュベートする前に組み合わされる、請求項307記載の方法。
【請求項309】
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項274~308のいずれか一項記載の方法。
【請求項310】
アウトプット組成物が、
該組成物中のT細胞の総数のまたは該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
を含む、請求項303~309のいずれか一項記載の方法。
【請求項311】
刺激剤が、非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤である、請求項310記載の方法。
【請求項312】
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、ポリクローナル刺激剤である、請求項311記載の方法。
【請求項313】
非特異的または非抗原依存性の刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)、またはコンカナバリンA(ConA)を含む、請求項311または312記載の方法。
【請求項314】
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、PMA/イオノマイシンを含む、請求項311~313のいずれか一項記載の方法。
【請求項315】
刺激剤が、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、該刺激剤が、抗原特異的刺激試薬である、および/または組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む、請求項310記載の方法。
【請求項316】
サイトカインの産生が、細胞内サイトカインアッセイによって測定される、請求項310~315のいずれか一項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「PHENOTYPIC MARKERS FOR CELL THERAPY AND RELATED METHODS」を表題とする2017年12月8日に出願された米国仮出願番号62/596,775、「PHENOTYPIC MARKERS FOR CELL THERAPY AND RELATED METHODS」を表題とする2018年3月14日に出願された米国仮出願番号62/643,165、「PHENOTYPIC MARKERS FOR CELL THERAPY AND RELATED METHODS」を表題とする2018年4月13日に出願された米国仮出願番号62/657,716、および「PHENOTYPIC MARKERS FOR CELL THERAPY AND RELATED METHODS」を表題とする2018年8月9日に出願された米国仮出願番号62/716,967からの優先権を主張し、それらの内容は、その全体が参照により組み入れられる。
【0002】
配列表の参照による組み入れ
本願は、電子形式の配列表と共に出願される。配列表は、2018年12月7日に作成された735042014540SeqList.txtという名称のファイルとして提供され、35,461バイトのサイズである。電子形式の配列表内の情報は、その全体が参照により組み入れられる。
【0003】
分野
本開示は、治療用T細胞組成物の1以上の用量の投与を伴う細胞療法、ならびにそれにおいて使用するための方法、組成物および製造品に関する。T細胞組成物の細胞は、キメラ受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体またはT細胞受容体(TCR)などの他のトランスジェニック受容体を発現する。投与される細胞の用量もしくは細胞の単位および/または投与される細胞の表現型を含めた本開示の態様の特徴は、一貫性のある投薬、より低い毒性リスクおよび/またはT細胞組成物が投与された対象における増加した応答などの様々な利点を提供する。
【背景技術】
【0004】
背景
疾患および病態を処置するために様々な免疫療法および/または細胞療法の方法が利用可能である。例えば、養子細胞療法(キメラ抗原受容体(CAR)および/または他の組換え抗原受容体などの関心対象の疾患または障害に特異的なキメラ受容体を発現する細胞の投与を伴うもの、ならびに他の養子免疫細胞および養子T細胞療法を含む)は、がんまたは他の疾患もしくは障害の処置において有益であり得る。改善されたアプローチが必要とされている。そのような必要性を満たす方法および製造品が提供される。
【発明の概要】
【0005】
概要
組換え受容体を発現するT細胞を含有する治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、または少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、または少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、または少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、または少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、または少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、または少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、または少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、または少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、または少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、または少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、または少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、または少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、または少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%がCCR7および/またはCD27について表面陽性である、治療用組成物が本明細書に提供される。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である。
【0006】
いくつかの態様では、組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、CD8+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、CD4+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、CD8+およびCD4+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または少なくとも100%もしくは少なくとも約100%のCD8+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または少なくとも100%もしくは少なくとも約100%のCD4+ T細胞を含むかまたはそれからなる;ならびに/あるいは、組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、約1:1または約1:3~3:1または約1:2~2:1のCD4+:CD8+ T細胞を含むかまたはそれからなる。
【0007】
CD8+ T細胞のサブタイプもしくはCD4+ T細胞のサブタイプまたは組換え受容体を発現するそれらの細胞などの規定された数、またはそのようなCD8+およびCD4+ T細胞のサブタイプの比に基づいた細胞の単位用量を伴うかまたはそれを含む、方法、組成物、および製造品が本明細書に提供される。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数、または組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数が、CCR7について表面陽性である。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数、または組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数が、CD27について表面陽性である。いくつかの態様では、組成物中のT細胞の総数、または組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数が、CCR7およびCD27について表面陽性である。いくつかの態様では、組成物は、細胞の1以上の単位用量を含む。
【0008】
いくつかの態様では、細胞のサブタイプは、セントラルメモリー表現型のマーカーなどの細胞表面マーカーについて陽性であり、かつ/または、細胞表面マーカーは、CCR7および/またはCD27である。いくつかの態様では、提供される方法、組成物および製造品は、様々な腫瘍を含む疾患および病態の処置のための操作されたT細胞療法などの細胞療法に関連して使用するためのものである。
【0009】
製造品が本明細書に提供される。いくつかの態様では、提供される製造品は、組換え受容体を発現する(任意で、発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む、1以上の治療用組成物中に存在する細胞の1以上の単位用量であって、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する(任意で、表面発現する)規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、細胞の単位用量と;疾患または病態を有する対象に治療用組成物、任意でその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与するための使用説明書とを含む容器を含む。
【0010】
製造品が本明細書に提供される。いくつかの態様では、提供される製造品は、組換え受容体を発現する(任意で、発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む、1以上の治療用組成物中に存在する細胞の1以上の単位用量であって、分化抗原群27(CD27)を発現する(任意で、表面発現する)規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、細胞の単位用量と;疾患または病態を有する対象に治療用組成物、任意でその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与するための使用説明書とを含む容器を含む。
【0011】
また、治療用組成物が本明細書に提供される。いくつかの態様では、治療用組成物は、組換え受容体を発現するT細胞を含み、この場合、該組成物中のT細胞の総数の(または、組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の)少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、CD8+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、CD4+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、CD8+およびCD4+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または少なくとも100%もしくは少なくとも約100%のCD8+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または少なくとも99%もしくは約99%、または少なくとも100%もしくは少なくとも約100%のCD4+ T細胞を含むかまたはそれからなる;組成物中のT細胞および/または組換え受容体を発現するT細胞は、約1:1または約1:3~3:1または約1:2~2:1のCD4+:CD8+ T細胞を含むかまたはそれからなる。
【0012】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、本明細書に記載の治療用組成物のいずれかを含む。
【0013】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+細胞を含む;および/または、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CD27+細胞を含む;および/または、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む;および/または、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0014】
いくつかの態様では、単位用量または組成物は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、かつ/あるいは、単位用量または組成物は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。
【0015】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である;あるいは、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である。
【0016】
いくつかの態様では、細胞の単位用量または組成物は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0017】
いくつかの態様では、細胞の単位用量または組成物は、規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CCR7および/またはCD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。いくつかの態様では、規定された数の細胞はさらに、CCR7および/またはCD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定された数の細胞はさらに、CCR7+またはCD45RA-細胞である。
【0018】
いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD27および/またはCD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。いくつかの態様では、規定された数の細胞はさらに、CD27および/またはCD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定された数の細胞はさらに、CD27+またはCD45RA-細胞である。いくつかの態様では、規定された数はさらに、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない細胞を含み、任意で、規定された数はさらに、CD27+またはCD45RA-細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量または組成物は、規定された数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量または組成物は、規定された数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。
【0019】
いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である。
【0020】
また、組換え受容体を発現する、任意で発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む、1以上の治療用組成物中に存在する細胞の1以上の単位用量であって、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、細胞の単位用量と;疾患または病態を有する対象に治療用組成物、任意でその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与するための使用説明書とを含む容器を含む、製造品が本明細書に提供される。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0021】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である。
【0022】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0023】
いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。いくつかの態様では、規定された数の細胞はさらに、CD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定された数の細胞はさらに、CD45RA-細胞である。いくつかの態様では、規定された数はさらに、CD45RAを発現するまたは発現しない細胞を含み、任意で、規定された数はさらに、CD45RA-細胞を含む。
【0024】
いくつかの態様では、任意で同方法に従って生産された、複数の物品または単位用量または組成物の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。
【0025】
いくつかの態様では、組換え受容体を発現する細胞の単位用量または数は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む。いくつかの態様では、組換え受容体を発現する細胞の単位用量または数は、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む。
【0026】
いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、生存しているかまたは生存可能であるそのような細胞の総数である。いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、アポトーシスマーカーを発現しないそのような細胞の総数であり、かつ/または、アポトーシスマーカー陰性(-)であるそのような細胞の総数であり、ここで、アポトーシスマーカーは、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である。
【0027】
いくつかの態様では、使用説明書は、複数の別々の組成物に含有される複数の単位用量を投与することを明記する。いくつかの態様では、複数の別々の組成物は、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の一方を含む第一の組成物ならびにCD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の他方を含む第二の組成物を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は、CD8+ T細胞を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は、CD4+ T細胞を含む。
【0028】
いくつかの態様では、使用説明書は、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量、ならびに、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、10分以内または5分以内間隔をおいてまたは同時に投与することを明記する。
【0029】
いくつかの態様では、使用説明書は、CD4+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを明記する。いくつかの態様では、使用説明書は、CD8+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを明記する。
【0030】
いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、疾患、障害または病態の細胞または組織に関連する、同細胞または組織に特異的であるおよび/または同細胞または組織上に発現される、標的抗原に結合することができる。いくつかの態様では、疾患、障害または病態は、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである。いくつかの態様では、標的抗原は、腫瘍抗原である。
【0031】
いくつかの態様では、標的抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質結合受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerbB2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-AI)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソテリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原(oncofetal antigen)、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子の中から選択される。
【0032】
いくつかの態様では、組換え受容体は、機能的な非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合断片であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。
【0033】
いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、抗体またはその抗体断片(任意で、単鎖断片である)であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、断片は、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む。いくつかの態様では、断片は、scFvを含む。
【0034】
いくつかの態様では、組換え受容体は、細胞内シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む。
【0035】
いくつかの態様では、組換え受容体はさらに、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域はさらに、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間にある。
【0036】
いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた初代T細胞である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって自己である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって同種である。
【0037】
また、処置の方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、処置の方法は、疾患または病態を有する対象に本明細書に記載の任意の治療用組成物または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+ T細胞を含む治療用組成物の1以上の単位用量ならびに/またはそのような単位用量に対応する量を投与することを伴う。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含み;かつ/または、本方法に従って処置される対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。
【0038】
また、処置の方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、処置の方法は、疾患または病態を有する対象に本明細書に記載の治療用組成物または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+ T細胞を含む治療用組成物の1以上の単位用量ならびに/またはそのような単位用量に対応する量を投与することを伴い、任意で、細胞の単位用量は、分化抗原群27(CD27)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含み;かつ/または、本方法に従って処置される対象の群の中で、単位用量中のCD27を発現する細胞(CD27+細胞)の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。
【0039】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CD27+細胞を含む。
【0040】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。
【0041】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である;あるいは、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である。
【0042】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0043】
いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD27および/またはCD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CCR7および/またはCD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-である。
【0044】
いくつかの態様では、また、疾患または病態を有する対象に本明細書に記載の任意の組成物の1以上の単位用量を投与することを伴う、処置の方法が提供される。
【0045】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含み;かつ、本方法に従って処置される対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。
【0046】
また、疾患または病態を有する対象に組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物および/またはそのような単位用量に対応する量を投与することを伴う、処置の方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含み;かつ、本方法に従って処置される対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。
【0047】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0048】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞;および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である。
【0049】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0050】
いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD45RA-細胞の数に基づく。いくつかの態様では、規定された数の細胞はさらに、CD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定された数の細胞はさらに、CD45RA-細胞である。
【0051】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む。
【0052】
いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、生存しているかまたは生存可能であるそのような細胞の総数である。いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、アポトーシスマーカーを発現しないそのような細胞の総数であり、かつ/または、アポトーシスマーカー陰性(-)であるそのような細胞の総数であり、ここで、アポトーシスマーカーは、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である。
【0053】
いくつかの態様では、本方法は、複数の別々の組成物に含有される複数の単位用量を投与することを伴う。
【0054】
いくつかの態様では、複数の別々の組成物は、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の一方を含む第一の組成物ならびにCD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の他方を含む第二の組成物を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は、CD8+ T細胞を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は、CD4+ T細胞を含む。
【0055】
いくつかの態様では、本方法は、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量、ならびに、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、10分以内または5分以内間隔をおいてまたは同時に投与することを伴う。
【0056】
いくつかの態様では、本方法は、CD4+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを伴う。
【0057】
いくつかの態様では、本方法は、CD8+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを伴う。
【0058】
いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、疾患、障害または病態の細胞または組織に関連する、同細胞または組織に特異的であるおよび/または同細胞または組織上に発現される、標的抗原に結合することができる。いくつかの態様では、疾患、障害または病態は、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである。いくつかの態様では、標的抗原は、腫瘍抗原である。
【0059】
いくつかの態様では、標的抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質結合受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソテリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子の中から選択される。
【0060】
いくつかの態様では、組換え受容体は、機能的な非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合断片であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。
【0061】
いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、抗体またはその抗体断片(任意で、単鎖断片である)であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、断片は、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む。いくつかの態様では、断片は、scFvを含む。
【0062】
いくつかの態様では、組換え受容体は、細胞内シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む。
【0063】
いくつかの態様では、組換え受容体はさらに、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域はさらに、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。
【0064】
いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間にある。
【0065】
いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた初代T細胞である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって自己である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって同種である。
【0066】
また、対象を処置するための操作されたT細胞の用量単位を決定する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7を発現する(受容体+/CCR7+)T細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、受容体+/CCR7+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または病態を有する対象に投与するための細胞の1以上の単位用量を決定する段階であって、単位用量が、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0067】
また、対象を処置するための操作されたT細胞の用量単位を決定する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCD27を発現する(受容体+/CD27+)T細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階;ならびに(b)受容体+/CD27+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または病態を有する対象に投与するための細胞の1以上の単位用量を決定する段階であって、単位用量が、分化抗原群27(CD27)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を伴う。
【0068】
また、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を生産する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体ならびにCCR7およびCD27を発現する(受容体+/CCR7+/CD27+)T細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、組成物の全部または一部、任意で別の溶液を容器に充填して、T細胞組成物の単位用量を達成する段階であって、単位用量が、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、組成物の全部または一部、任意で別の溶液を容器に充填して、T細胞組成物の単位用量を達成する段階であって、単位用量が、分化抗原群27(CD27)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0069】
また、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を生産する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含むT細胞組成物の全部または一部を容器に充填して、T細胞組成物の単位用量を達成する段階であって、単位用量が、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0070】
また、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を生産する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含むT細胞組成物の全部または一部を容器に充填して、T細胞組成物の単位用量を達成する段階であって、単位用量が、分化抗原群27(CD27)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0071】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+細胞を含む。
【0072】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。
【0073】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である;あるいは、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である。
【0074】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0075】
いくつかの態様では、単位用量はさらに、CD27および/またはCD45を発現するまたは発現しない細胞を含む規定された数の細胞を含み、任意で、単位用量はさらに、CD27+またはCD45RA-細胞を含む規定された数の細胞を含む。
【0076】
いくつかの態様では、本方法はさらに、治療用組成物において、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD27+またはCD45RA-であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階を含む。
【0077】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。
【0078】
いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である。
【0079】
また、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体ならびにCCR7およびCD27を発現する(受容体+/CCR7+/CD27+)T細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、受容体+/CCR7+/CD27+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または病態を有する対象に投与するための細胞の1以上の単位用量を決定する段階であって、単位用量が、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0080】
また、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を生産する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体ならびにCCR7およびCD27を発現する(受容体+/CCR7+/CD27+)T細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階を含む。いくつかの態様では、本方法は、組成物の全部または一部、任意で別の溶液を容器に充填して、T細胞組成物の単位用量を達成する段階であって、単位用量が、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0081】
また、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を生産する方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、本方法は、疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含むT細胞組成物の全部または一部を容器に充填して、T細胞組成物の単位用量を達成する段階であって、単位用量が、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、段階を含む。
【0082】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0083】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0084】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である。
【0085】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0086】
いくつかの態様では、単位用量はさらに、CD45を発現するまたは発現しない細胞を含む規定された数の細胞を含み、任意で、単位用量はさらに、CD45RA-細胞を含む規定された数の細胞を含む。いくつかの態様では、本方法はさらに、治療用組成物において、CD45RAを発現するまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD45RA-であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する段階を含む。
【0087】
また、遺伝子操作された細胞を含む細胞組成物を作製するための方法が提供される。いくつかの態様では、本方法は、対象由来の生物学的試料から、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD8+ T細胞ならびに/あるいはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD4+ T細胞を含むインプット組成物を提供する段階を伴う。いくつかの態様では、本方法は、インプット組成物中に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入する段階を伴う。いくつかの態様では、本方法は、前記導入段階の前に、その間におよび/またはその後に、インプット組成物中の細胞を刺激する段階であって、1以上の刺激物質の存在下で細胞をインキュベートすることを含む刺激段階を伴い、前記刺激段階は、細胞の活性化および/または増殖をもたらす。いくつかの態様では、本方法は、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+ T細胞対CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞、ならびに/あるいは、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD8+ T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、アウトプット組成物を生産する。
【0088】
また、遺伝子操作された細胞を含む細胞組成物を作製するための方法が提供される。いくつかの態様では、本方法は、インプット組成物中に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入する段階であって、インプット組成物が、対象由来の生物学的試料から提供されるCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD8+ T細胞ならびに/あるいはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD4+ T細胞を含み、そして、インプット組成物が、前記導入段階の前に、その間におよび/またはその後に、1以上の刺激物質の存在下で細胞をインキュベートすることによって刺激され、前記刺激が、細胞の活性化および/または増殖をもたらす、段階を伴い;そして、本方法は、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+ T細胞対CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞ならびに/あるいは規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD8+ T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、アウトプット組成物を生産する。
【0089】
また、遺伝子操作された細胞を含む細胞組成物を作製するための方法が提供される。いくつかの態様では、本方法は、対象から得られた生物学的試料から、目標数のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD8+ T細胞ならびに/あるいは目標数のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD4+ T細胞を単離し、それによってインプット組成物を作製する段階を伴う。いくつかの態様では、本方法は、インプット組成物中に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入する段階を伴う。いくつかの態様では、本方法は、前記導入段階の前に、その間におよび/またはその後に、インプット組成物中の細胞を刺激する段階であって、1以上の刺激物質の存在下で細胞をインキュベートすることを含む刺激段階を伴い、前記刺激段階は、細胞の活性化および/または増殖をもたらす。いくつかの態様では、本方法は、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+ T細胞対CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞ならびに/あるいは規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD8+ T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、アウトプット組成物を生産する。
【0090】
また、遺伝子操作された細胞を含む細胞組成物を作製するための方法が提供される。いくつかの態様では、本方法は、インプット組成物中に、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入する段階であって、インプット組成物が、対象から得られた生物学的試料から、目標数のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD8+ T細胞ならびに/あるいは目標数のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD4+ T細胞を単離することによって作製され、そして、インプット組成物が、前記導入段階の前に、その間におよび/またはその後に、1以上の刺激物質の存在下で細胞をインキュベートすることによって刺激され、前記刺激が、細胞の活性化および/または増殖をもたらす、段階を伴い;そして、本方法は、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+ T細胞対CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞ならびに/あるいは規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD8+ T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む、アウトプット組成物を生産する。
【0091】
いくつかの態様では、インプット組成物は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD8+ T細胞ならびに/あるいはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD4+ T細胞を含む。
【0092】
いくつかの態様では、インプット組成物は、目標パーセンテージのCD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+細胞を含む。
【0093】
いくつかの態様では、アウトプット組成物は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞;あるいは、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞ならびに/または受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む。
【0094】
いくつかの態様では、本方法はまた、疾患または病態を有する対象に投与するためのT細胞組成物の1以上の単位用量を決定する段階であって、単位用量が、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセット;分化抗原群27(CD27)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセット;あるいは、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含むアウトプット組成物の全部または一部を含む、段階を伴う。
【0095】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+細胞、CD4+/CCR7+細胞、CD8+/CD27+細胞、CD4+/CD27+細胞、CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/またはCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0096】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、総受容体+/CD4+/CD27+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0097】
いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+;および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、4×106、5×106、6×106、7×106、8×106、9×106もしくは1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0098】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+、および/または 3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0099】
いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である;および/または、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である;および/または、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である。
【0100】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である;および/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である;および/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0101】
いくつかの態様では、単位用量はさらに、CD45を発現するまたは発現しない細胞を含む規定された数の細胞を含み、任意で、単位用量はさらに、CD45RA-細胞を含む規定された数の細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む。
【0102】
いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-である。
【0103】
いくつかの態様では、本方法はさらに、提供または単離の前に、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD8+ T細胞ならびに/あるいはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD4+ T細胞の数、体積当たりの数、重量当たりの数、および/またはパーセンテージを決定する段階を含む。
【0104】
いくつかの態様では、1以上の刺激物質は、T細胞、CD4+ T細胞および/またはCD8+ T細胞を活性化することができ;TCR複合体を通じてシグナルを誘導することができ;かつ/あるいは、T細胞、CD4+ T細胞および/またはCD8+ T細胞の増殖を誘導することができる。
【0105】
いくつかの態様では、1以上の刺激物質は、TCR複合体のメンバーに結合する、任意でCD3に特異的に結合する、一次作用物質を含む。いくつかの態様では、1以上の刺激物質はさらに、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質を含む。いくつかの態様では、共刺激分子は、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSからなる群より選択される。いくつかの態様では、一次作用物質および二次作用物質は、抗体を含み、任意で、1以上の刺激物質は、抗CD3抗体および抗CD28抗体とのインキュベーションを含む。いくつかの態様では、1以上の刺激物質は、固体支持体、任意でビーズの表面に存在する。いくつかの態様では、1以上の刺激物質は、CD3結合分子;CD28結合分子;組換えIL-2;組換えIL-15;および組換えIL-7、抗原受容体によって特異的に認識される抗原を含むワクチン、ならびに抗原受容体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0106】
いくつかの態様では、治療用組成物は、本明細書に記載の組成物のいずれかである。
【0107】
いくつかの態様では、本方法はさらに、疾患または病態を有する対象に治療用組成物、任意でその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを含む。
【0108】
いくつかの態様では、本方法に従って処置される対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。
【0109】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む。
【0110】
いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、生存しているかまたは生存可能であるそのような細胞の総数である。いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、アポトーシスマーカーを発現しないそのような細胞の総数であり、かつ/または、アポトーシスマーカー陰性(-)であるそのような細胞の総数であり、ここで、アポトーシスマーカーは、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である。
【0111】
いくつかの態様では、本方法は、複数の別々の組成物に含有される複数の単位用量を投与することを伴う。
【0112】
いくつかの態様では、複数の別々の組成物は、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の一方を含む第一の組成物ならびにCD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の他方を含む第二の組成物を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は、CD8+ T細胞を含む。いくつかの態様では、第一の組成物は、CD4+ T細胞を含む。
【0113】
いくつかの態様では、本方法は、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量、ならびに、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、10分以内または5分以内間隔をおいてまたは同時に投与することを伴う。
【0114】
いくつかの態様では、本方法は、CD4+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを伴う。いくつかの態様では、本方法は、CD8+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを伴う。
【0115】
いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、疾患、障害または病態の細胞または組織に関連する、同細胞または組織に特異的であるおよび/または同細胞または組織上に発現される、標的抗原に結合することができる。いくつかの態様では、疾患、障害または病態は、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである。いくつかの態様では、標的抗原は、腫瘍抗原である。
【0116】
いくつかの態様では、標的抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質結合受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソテリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子の中から選択される。
【0117】
いくつかの態様では、組換え受容体は、機能的な非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合断片であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、抗体またはその抗体断片(任意で、単鎖断片である)であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、断片は、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む。いくつかの態様では、断片は、scFvを含む。
【0118】
いくつかの態様では、組換え受容体は、細胞内シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む。
【0119】
いくつかの態様では、組換え受容体はさらに、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインを含む。
【0120】
いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域はさらに、共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間にある。
【0121】
いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた初代T細胞である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって自己である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって同種である。
【0122】
本明細書に提供されるいずれかの態様のいくつかの局面では、提供される治療用組成物または単位用量中の細胞は、組換え受容体の活性または存在に左右されるある特定の組換え受容体(例えばCAR)に依存的な活性、例えば、組換え受容体によって認識される抗原の存在下で誘導または媒介される活性を含めた、ある特定の機能的属性に関連する。いくつかの態様では、機能的属性は、より高いレベルのサイトカイン、例えば、IL-2の産生を含む。本明細書に提供されるいずれかの態様のいくつかの局面では、機能的属性は、より低いレベルのサイトカイン、例えば、IFNγまたはIL-13の産生を含む。いくつかの態様では、より高いまたはより低いレベルのそのようなサイトカインは、規定されていない数の特定の表現型の細胞が含有されるおよび/または特定の表現型の細胞が本明細書に提供される態様に係る特定の規定された比でない参照組成物を基準にする。いくつかの態様では、参照組成物は、エフェクターまたは分化した表現型を有するより大きな頻度または数のT細胞が含有されたものである。
【0123】
いくつかの局面では、治療用組成物または単位用量を本明細書に提供されるいずれかの態様に係る対象の群の1つに投与すると、対象の群の中の複数の対象は、投与後に増加した有効性、持続性および/または低減された毒性に関連する1以上の特徴を示す。いくつかの態様では、対象の群の中の複数の対象は、薬物動態パラメーター、毒性もしくは有害事象の発生の低減された可能性、および/または特定の応答、有効性もしくは生存アウトカムを示す可能性が高く、かつ/または、それに関連する。いくつかの態様では、対象は、疾患または病態を有する疑いのある対象である。いくつかの態様では、1以上の特徴は、規定されていない数の特定の表現型の細胞が含有されるおよび/または特定の表現型の細胞が本明細書に提供される態様に係る特定の規定された比でない参照組成物で処置された類似の対象の群と比べて改善される。いくつかの態様では、参照組成物は、エフェクターまたは分化した表現型を有するより大きな頻度または数のT細胞が含有されたものである。
【0124】
いくつかの局面では、治療用組成物または単位用量を本明細書に提供されるいずれかの態様に係る対象の群の1つに投与すると、対象の群の中の複数の対象は、最大(ピーク)血漿中濃度(Cmax)、ピーク時間(すなわち、最大血漿中濃度(Cmax)が生じたとき;Tmax)、最小血漿中濃度(すなわち、治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の用量間の最小血漿中濃度;Cmin)、排泄半減期(T1/2)および曲線下面積(すなわち、治療用物質CAR+ T細胞の血漿中濃度に対して時間をプロットすることによって作成された曲線下面積;AUC)などの特定の薬物動態パラメーターを示す可能性が高く、かつ/または、それに関連する。いくつかの局面では、治療用組成物または単位用量を投与すると、群の中の複数の対象は、投与された細胞の増加した最大(ピーク)血漿中濃度(Cmax)を示す可能性が高いかまたはそれに関連する。いくつかの態様では、群の中の複数の対象において治療用組成物または単位用量の細胞の長期持続性が観察される。
【0125】
いくつかの局面では、治療用組成物または単位用量を本明細書に提供されるいずれかの態様に係る対象の群の1つに投与すると、対象の群の中の複数の対象は、サイトカイン放出症候群(CRS)もしくは重度CRS(sCRS)または神経毒性(NT)もしくは重度NT(sNT)などの毒性または有害事象の発生の低減された可能性を示す可能性が高く、かつ/または、それに関連する。
【0126】
いくつかの局面では、治療用組成物または単位用量を本明細書に提供されるいずれかの態様に係る対象の群の1つに投与すると、対象の群の中の複数の対象は、特定の応答、有効性もしくは生存アウトカム、例えば、部分奏効(PR)もしくは部分寛解、完全奏効(CR)もしくは完全寛解、無増悪生存(PFS)、客観的奏効(OR)、全生存(OS)、無イベント生存(EFS)、増加した奏効期間(DOR)または増加した生存率を示す可能性が高く、かつ/または、それに関連する。いくつかの局面では、治療用組成物または単位用量を投与すると、群の中の複数の対象は、増加した無増悪生存(PFS)を示す可能性が高いかまたはそれに関連する。
【0127】
提供される態様のいずれかのいくつかの態様では、製造品に従った細胞の単位用量の方法および/または使用および/または投与は、例えば本方法に従ってまたは製造品中に提供される情報に従って処置された対象の集団において、ある特定のアウトカムを達成し、かつ/または、ある特定の低減された毒性リスクに関連する。いくつかの局面では、本方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも60%が、完全奏効(CR)もしくは完全寛解、無増悪生存(PFS)、客観的奏効(OR)、全生存(OS)、無イベント生存(EFS)、または3ヶ月超、6ヶ月超もしくは12ヶ月超にわたり持続可能である応答を達成する。提供される方法のいずれかのある特定の態様では、本方法に従って処置された対象の50%超または約50%超は、グレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)またはグレード3以上の神経毒性を示さない。いくつかの態様では、そのような対象は、早期発症型のCRSおよび/または神経毒性を示さず、例えば、投与の開始の3日後より前にCRSの発症を示さず、かつ/または、投与の開始の5日後より前に神経毒性の発症を示さない。提供される方法のいずれかのいくつかの態様では、本方法に従って処置された対象の30%超もしくは約30%超、35%超もしくは約35%超、40%超もしくは約40%超、または50%超もしくは約50%超は、いかなるグレードのサイトカイン放出症候群(CRS)も神経毒性も示さない。
【0128】
また、本明細書に記載の方法のいずれかによって生産されたアウトプット組成物が提供される。
【0129】
また、本明細書に記載の方法のいずれかによって決定または生産された単位用量が提供される。
【0130】
また、本明細書に記載の単位用量のいずれかを含む薬学的組成物が提供される。いくつかの態様では、薬学的組成物はまた、薬学的担体を含む。
【0131】
また、本明細書に記載のアウトプット組成物、単位用量または薬学的組成物のいずれかの全部または一部を哺乳動物対象に投与することを含む、処置の方法が提供される。
【0132】
また、がんを処置するための、本明細書に記載のアウトプット組成物、単位用量または薬学的組成物のいずれかの全部または一部の使用が提供される。
【0133】
また、がんを処置するための医薬の製造における、本明細書に記載のアウトプット組成物、単位用量または薬学的組成物のいずれかの全部または一部の使用が提供される。
【0134】
また、がんを処置する際に使用するための、本明細書に記載のアウトプット組成物、単位用量または薬学的組成物のいずれかの全部または一部が提供される。
【0135】
抗原に結合する組換え受容体を発現するT細胞を含有する治療用細胞組成物であって、刺激物質による刺激後、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができ;かつ/あるいは、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、または10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、または25%もしくは約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%またはより多くが、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性である、治療用細胞組成物が本明細書に提供される。いくつかの態様では、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができる。いくつかの態様では、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、または10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、または25%もしくは約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%またはより多くが、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性である。いくつかの態様では、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、または10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、または25%もしくは約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%またはより多くが、サイトカインであるインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの産生について多機能性である。
【0136】
いくつかの態様では、刺激物質は、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、ポリクローナル刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性刺激物質は、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)またはコンカナバリンA(ConA)を含む。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、PMA/イオノマイシンを含む。いくつかの態様では、刺激物質は、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、刺激物質は、抗原特異的刺激試薬であり、かつ/または、組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含有する。いくつかの態様では、サイトカインの産生は、細胞内サイトカインアッセイで測定される。
【0137】
いくつかの態様では、組成物は、該組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%を含有し、これらが、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である。
【0138】
いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた初代細胞である。いくつかの態様では、対象は、がんを有し、任意で、がんは、白血病またはリンパ腫である。いくつかの態様では、対象は、細胞を取得する時点に、高腫瘍量を有すると見なされるかまたはそれを有すると知られている対象である。いくつかの態様では、対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm2もしくは約30cm2、40cm2もしくは約40cm2、50cm2もしくは約50cm2、60cm2もしくは約60cm2または70cm2もしくは約70cm2を上回る場合、対象は高腫瘍量を有する;および/または、対象由来の生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5もしくは約5ミリグラム/リットル、10もしくは約10ミリグラム/リットル、15もしくは約15ミリグラム/リットル、20もしくは約20ミリグラム/リットル、25もしくは約25ミリグラム/リットル、30もしくは約30ミリグラム/リットル、40もしくは約40ミリグラム/リットルまたは50もしくは約50ミリグラム/リットルを上回る場合、対象は高腫瘍量を有する。いくつかの態様では、対象における腫瘍のSPDが50cm2または約50cm2を上回る場合、対象は高腫瘍量を有する。いくつかの態様では、CRPが生物学的試料中20または約20ミリグラム/リットルを上回る場合、対象は高腫瘍量を有する。
【0139】
いくつかの態様では、治療用細胞組成物は、CD4+ T細胞が濃縮され、かつ/または、操作された組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または、組成物中の総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%もしくは約90%~99%が、CD4+である。いくつかの態様では、治療用細胞組成物は、CD3+ T細胞が濃縮され、CD4+およびCD8+ T細胞が濃縮され、かつ/または、操作された組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または、組成物中の総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%もしくは約90%~99%が、CD3+またはCD4+およびCD8+である。いくつかの態様では、治療用細胞組成物は、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞を、CD4+ T細胞対CD8+ T細胞比約1:3~約3:1、任意で約1:2~2:1で含有する。
【0140】
いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、疾患、障害または病態の細胞または組織に関連する、同細胞または組織に特異的であるおよび/または同細胞または組織上に発現される、標的抗原に結合することができる。いくつかの態様では、疾患、障害または病態は、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである。いくつかの態様では、標的抗原は、腫瘍抗原である。いくつかの態様では、標的抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質結合受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタ-イソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原発現抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子の中から選択される。
【0141】
いくつかの態様では、組換え受容体は、機能的な非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合断片であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原結合ドメインを含有する細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含有する細胞内シグナル伝達領域を含有する。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、抗体またはその抗体断片(任意で、単鎖断片である)であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、断片は、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含有する。いくつかの態様では、断片は、scFvを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含有するシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、組換え受容体はさらに、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインを含有する。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域はさらに、共刺激シグナル伝達ドメインを含有する。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含有する。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含有する。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間にある。
【0142】
いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた初代T細胞である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって自己である。
【0143】
本明細書に記載の治療用細胞組成物と、疾患または病態を有する対象に治療用細胞組成物、任意でその1以上の単位用量および/またはそのような1以上の単位用量に対応する量を投与するための使用説明書とを含有する容器を含めた、製造品が本明細書に提供される。いくつかの態様では、使用説明書は、複数の別々の組成物に含有される複数の単位用量を投与することを明記する。いくつかの態様では、複数の別々の組成物は、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の一方を含有する治療用細胞組成物を含有する第一の組成物ならびにCD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の他方を含有する第二の組成物を含有し、前記第二の組成物は、組換え受容体または疾患もしくは病態によって発現される抗原にもしくは細胞に特異的な組換え受容体を発現する細胞を含有し、任意で、第二の組成物は、本明細書に記載の任意の組成物である。いくつかの態様では、使用説明書は、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量、ならびに、CD4+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を、48時間以内の間隔をおいて、36時間以内の間隔をおいて、24時間以内の間隔をおいて、12時間以内の間隔をおいて、6時間以内の間隔をおいて、2時間以内の間隔をおいて、1時間以内の間隔をおいてまたは同時に投与することを明記する。いくつかの態様では、使用説明書は、CD4+細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与する前に、CD8+ T細胞を含有する組成物またはその1以上の単位用量および/またはそのような単位用量の1以上に対応する量を投与することを明記する。
【0144】
疾患または病態を有する対象に本明細書に記載の治療用細胞組成物の1以上の単位用量を投与することを含む、処置の方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、治療用組成物は、CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の一方を含有する第一の治療用細胞組成物であり、そして、1以上の単位用量はさらに、CD8+ T細胞およびCD4+細胞の他方を含有する第二の治療用細胞組成物を含有し、前記第二の組成物は、組換え受容体または疾患もしくは病態によって発現される抗原にもしくは細胞に特異的な組換え受容体を発現する細胞を含有し、任意で、第二の組成物は、本明細書に記載の任意の組成物である。
【0145】
いくつかの態様では、第二の治療用細胞組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である。いくつかの態様では、第二の治療用細胞組成物は、CD8+ T細胞が濃縮され、かつ/または、操作された組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または、組成物中の総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%もしくは約90%~99%が、CD8+である。
【0146】
いくつかの態様では、第一の治療用組成物および第二の治療用組成物は、互いに、48時間もしくは約48時間以内、36時間もしくは約36時間以内、24時間もしくは約24時間以内、12時間もしくは約12時間以内、6時間もしくは約6時間以内、2時間もしくは約2時間以内または1時間もしくは約1時間以内に投与される。いくつかの態様では、CD8+ T細胞を含有する第二の治療用細胞組成物は、CD4+ T細胞を含有する第一の組成物の前に投与される。いくつかの態様では、細胞の1以上の単位用量は、規定された比のCD4+ T細胞対CD8+ T細胞を含有し、その比は、1:3および3:1であるか、または約1:3および約3:1であり、任意で1:2および2:1であるか、または約1:2および2:1であり、任意で1:1または約1:1である。
【0147】
(A)組換え受容体を発現するT細胞を含有する操作細胞組成物を、(i)CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意でCD45RAについて表面陰性である組換え受容体を発現するT細胞のパーセンテージ;ならびに/あるいは(ii)刺激物質による刺激後にIL-2、TNF-アルファおよび/またはIFN-ガンマを産生することができる組換え受容体を発現するCD4+ T細胞のパーセンテージから選択される、組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標となる因子について、アッセイする段階;ならびに(B)疾患または病態を有する対象に療法を投与する段階であって、(1)操作されたT細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標となる因子が閾値であるかまたは閾値を上回る場合、組換え受容体を発現するT細胞を含有する操作細胞組成物の細胞の1以上の単位用量を対象に投与する段階;あるいは(2)操作されたT細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標となる因子が因子の閾値を下回る場合、(a)操作細胞組成物の細胞の1以上の単位用量および対象において操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖または有効性を増加させることができる作用物質、(b)操作細胞組成物の細胞の増加した、任意で、同じ疾患または病態を有するが因子の閾値以上を示す同状況の対象に投与される1以上の単位用量と比べて増加した、用量;あるいは(c)操作細胞組成物の1以上の単位用量以外の疾患または病態を処置するための代替治療処置から選択される療法を投与する段階、から選択される投与段階を含む、対象の処置のための方法であって、因子の閾値が、(i)組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%、70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは(ii)組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、刺激物質による刺激後にインターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは(iii)組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の10%もしくは約10%、15%もしくは約15%、20%もしくは約20%、25%もしくは約25%、30%もしくは約30%、40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%またはより多くが、刺激物質による刺激後にインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性であることから選択される、方法が本明細書に提供される。
【0148】
疾患または病態を有する対象に療法を投与する段階であって、(1)組換え受容体を発現するT細胞を含有する操作細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標となる因子が閾値であるかまたは閾値を上回る場合、操作されたT細胞組成物の細胞の1以上の単位用量を対象に投与する段階;あるいは(2)操作されたT細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標となる因子が因子の閾値を下回る場合、(a)操作細胞組成物の細胞の1以上の単位用量および対象において操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖または有効性を増加させることができる作用物質、(b)操作細胞組成物の細胞の増加した、任意で、同じ疾患または病態を有するが因子の閾値以上を示す同状況の対象に投与される1以上の単位用量と比べて増加した、用量;あるいは(c)操作細胞組成物の用量以外の疾患または病態を処置するための代替治療処置から選択される療法を投与する段階、から選択される投与段階を含む、対象の処置のための方法であって、因子の閾値が、(i)組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%、70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは(ii)組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、刺激物質による刺激後にインターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは(iii)組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の10%もしくは約10%、15%もしくは約15%、20%もしくは約20%、25%もしくは約25%、30%もしくは約30%、40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%またはより多くが、刺激物質による刺激後にインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性であることから選択される、方法が本明細書に提供される。
【0149】
いくつかの態様では、細胞組成物の細胞は、対象にとって自己である。いくつかの態様では、本方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、または少なくとも75%が、1以上の単位用量の投与後、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間または少なくとも12ヶ月間無増悪生存を達成する。いくつかの態様では、本方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%または少なくとも70%、または少なくとも75%が、1以上の単位用量の投与後、少なくとも3ヶ月間もしくは少なくとも約3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間もしくは少なくとも約4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間もしくは少なくとも約5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間もしくは少なくとも約6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間もしくは少なくとも約9ヶ月間または少なくとも12ヶ月間もしくは少なくとも約12ヶ月間疾患進行を達成しない。いくつかの態様では、本方法に従って処置された対象は、同じ疾患または病態を有し、かつ、組換え受容体を発現するT細胞を含む自家細胞組成物の類似用量が投与されたが、細胞の機能または表現型の指標となる因子が閾値を下回る、同状況の対象の群と比較して、平均して改善された、生物学的試料、任意で血液または血清試料中の細胞組成物の細胞の薬物動態特性を達成する。いくつかの態様では、薬物動態特性は、経時的総曝露(AUC)または生物学的試料中の細胞のピーク数である。
【0150】
治療用T細胞組成物に対する応答の可能性を予測する方法であって、(a)組換え受容体を発現するT細胞を含有する操作細胞組成物を、(i)CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意でCD45RAについて表面陰性である組換え受容体を発現するT細胞のパーセンテージ;ならびに/あるいは(ii)刺激物質による刺激後にIL-2、TNF-アルファおよび/またはIFN-ガンマを産生することができる組換え受容体を発現するCD4+ T細胞のパーセンテージから選択される、組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標となる因子について、アッセイする段階;ならびに(b)ある用量の操作された細胞を含有する細胞療法の投与後の応答の可能性を判定する段階であって、因子が閾値であるかまたは閾値を上回る場合、対象が、持続可能な応答または無増悪生存を、療法の投与後、任意で少なくとも3ヶ月間達成する可能性が高いと見なされ;または、因子が閾値を下回る場合、対象が療法に対して持続可能な応答または無増悪生存を示す可能性が低いと見なされ、因子の閾値が、(i)組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%、70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは(ii)組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、刺激物質による刺激後にインターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは(iii)組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の10%もしくは約10%、15%もしくは約15%、20%もしくは約20%、25%もしくは約25%、30%もしくは約30%、40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%またはより多くが、刺激物質による刺激後にインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性であることから選択される、段階を含む方法が本明細書に提供される。
【0151】
いくつかの態様では、細胞組成物の細胞は、対象にとって自己である。いくつかの態様では、対象が療法に対して持続可能な応答または無増悪生存を達成する可能性が高いと見なされる場合、操作されたT細胞組成物の細胞の1以上の単位用量を対象に投与する。いくつかの態様では、1以上の単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総T細胞(受容体+/T細胞)または総T細胞を含有する。いくつかの態様では、1以上の単位用量は、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/T細胞または総T細胞を含有する。いくつかの態様では、因子の閾値は、組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%、70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であることである。いくつかの態様では、因子の閾値は、組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中のT細胞の総数の40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%、70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であることである。いくつかの態様では、因子の閾値は、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の70%もしくは約70%、80%もしくは約80%、85%もしくは約85%、90%もしくは約90%、91%もしくは約91%、92%もしくは約92%、93%もしくは約93%、94%もしくは約94%、95%もしくは約95%、96%もしくは約96%、97%もしくは約97%、98%もしくは約98%、99%もしくは約99%または100%もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができることである。いくつかの態様では、因子の閾値は、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の10%もしくは約10%、15%もしくは約15%、20%もしくは約20%、25%もしくは約25%、30%もしくは約30%、40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%またはより多くが、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性であることである。いくつかの態様では、因子の閾値は、組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の10%もしくは約10%、15%もしくは約15%、20%もしくは約20%、25%もしくは約25%、30%もしくは約30%、40%もしくは約40%、50%もしくは約50%、60%もしくは約60%またはより多くが、サイトカインであるインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの産生について多機能性であることである。
【0152】
いくつかの態様では、対象が持続可能な応答または無増悪生存を達成する可能性が低いと見なされる場合、(a)操作細胞組成物の細胞のある用量、および対象において操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖または有効性を増加させることができる作用物質、(b)操作細胞組成物の細胞の増加した、任意で、同じ疾患または病態を有するが細胞療法に対して無増悪生存または持続可能な応答を達成する可能性を示す同状況の対象に投与される用量と比べて増加した、用量;あるいは(c)操作細胞組成物の用量以外の疾患または病態を処置するための代替治療処置から選択される療法を対象に投与する。
【0153】
いくつかの態様では、本方法は、操作細胞組成物の細胞のある用量と、対象において操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖または有効性を増加させることができる作用物質とを含む療法であって、作用物質が、CARに特異的な抗イディオタイプ抗体またはその抗原結合断片、免疫チェックポイント阻害剤、代謝経路のモジュレーター、アデノシン受容体アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、抗TGFβ抗体もしくは抗TGFβR抗体またはサイトカインである、療法の投与を含む。いくつかの態様では、作用物質は、治療用T細胞組成物の投与の前に、それと同時にまたはその後に投与される。
【0154】
いくつかの態様では、対象は、アッセイの時点におよび/または投与の前に、高腫瘍量を有すると見なされるかまたはそれを有すると知られている対象である。いくつかの態様では、対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm2もしくは約30cm2、40cm2もしくは約40cm2、50cm2もしくは約50cm2、60cm2もしくは約60cm2または70cm2もしくは約70cm2を上回る場合、対象は高腫瘍量を有する;および/または、対象由来の生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5もしくは約5ミリグラム/リットル、10もしくは約10ミリグラム/リットル、15もしくは約15ミリグラム/リットル、20もしくは約20ミリグラム/リットル、25もしくは約25ミリグラム/リットル、30もしくは約30ミリグラム/リットル、40もしくは約40ミリグラム/リットルまたは50もしくは約50ミリグラム/リットルを上回る場合、対象は高腫瘍量を有する。いくつかの態様では、対象における腫瘍のSPDが50cm2または約50cm2を上回る場合、対象は高腫瘍量を有する。いくつかの態様では、CRPが生物学的試料中20または約20ミリグラム/リットルを上回る場合、対象は高腫瘍量を有する。
【0155】
いくつかの態様では、刺激物質は、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、ポリクローナル刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性刺激物質は、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)またはコンカナバリンA(ConA)を含有する。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、PMA/イオノマイシンを含有する。いくつかの態様では、刺激物質は、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、刺激物質は、抗原特異的刺激試薬であり、かつ/または、組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む。いくつかの態様では、サイトカインの産生は、細胞内サイトカインアッセイで測定される。
【0156】
いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含有する。いくつかの態様では、組換え受容体は、疾患、障害または病態の細胞または組織に関連する、同細胞または組織に特異的であるおよび/または同細胞または組織上に発現される、標的抗原に結合することができる。いくつかの態様では、疾患、障害または病態は、感染性疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症性疾患、または腫瘍もしくはがんである。いくつかの態様では、標的抗原は、腫瘍抗原である。いくつかの態様では、標的抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質結合受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタ-イソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原発現抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子の中から選択される。
【0157】
いくつかの態様では、組換え受容体は、機能的な非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合断片であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。いくつかの態様では、組換え受容体は、抗原結合ドメインを含有する細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含有する細胞内シグナル伝達領域を含有する。いくつかの態様では、抗原結合ドメインは、抗体またはその抗体断片(任意で、単鎖断片である)であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、断片は、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含有する。いくつかの態様では、断片は、scFvを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含有するシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、組換え受容体はさらに、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインを含有する。一部の態様では、細胞内シグナル伝達領域はさらに、共刺激シグナル伝達ドメインを含有する。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含有する。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、CD28、4-1BBもしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含有する。いくつかの態様では、共刺激シグナル伝達ドメインは、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間にある。
【0158】
いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた初代T細胞である。いくつかの態様では、T細胞は、対象にとって自己である。
【0159】
治療用T細胞組成物を生産する方法であって、(a)アポトーシスマーカーを発現しない(アポトーシスマーカー陰性(-))規定された数のT細胞を含有するインプット組成物を刺激条件下でインキュベートし、それによって刺激された組成物を作製する段階;および(b)刺激された組成物由来の細胞に組換え受容体を導入し、それによって操作細胞組成物を作製する段階であって、該導入が、該刺激された組成物の細胞を、該組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを含む作用物質と接触させることを含む、前記段階を含む、方法が本明細書に提供される。いくつかの態様では、アポトーシスマーカー陰性T細胞は、アポトーシスマーカー陰性CD3+細胞、アポトーシスマーカー陰性CD8+細胞、アポトーシスマーカー陰性CD4+細胞、またはアポトーシスマーカー陰性CD8+細胞およびアポトーシスマーカー陰性CD4+細胞であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、アポトーシスマーカーは、アネキシンVである。いくつかの態様では、アポトーシスマーカーは、活性化カスパーゼ3である。いくつかの態様では、規定された数のT細胞は、少なくとも50×106のアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞を含有する。いくつかの態様では、規定された数のT細胞は、少なくとも100×106のアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞を含有する。いくつかの態様では、規定された数のT細胞は、100×106または約100×106と500×106または約500×106との間の、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞を含む。いくつかの態様では、規定された数のT細胞は、300×106もしくは約300×106の、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞を含む。
【0160】
いくつかの態様では、インプット組成物中の総T細胞のパーセンテージとしてのアポトーシスマーカー陰性T細胞のパーセンテージは、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である。いくつかの態様では、インキュベートする前に、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞を生物学的試料から単離、選択または濃縮する。
【0161】
治療用T細胞組成物を生産する方法であって、(a)生物学的試料から、アポトーシスマーカーを発現しない(アポトーシスマーカー陰性(-))T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞の集団を単離、選択または濃縮し、それによってインプット組成物を得る段階;(b)インプット組成物を刺激条件下でインキュベートし、それによって刺激された組成物を作製する段階;ならびに(c)刺激された組成物由来の細胞に組換え受容体を導入し、それによって操作細胞組成物を作製する段階であって、該導入が、該刺激された組成物の細胞を、該組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを含む作用物質と接触させることを含む、前記段階を含む、方法が本明細書に提供される。
【0162】
いくつかの態様では、生物学的試料は、対象から得られた初代T細胞。いくつかの態様では、対象は、ヒト対象である。いくつかの態様では、生物学的試料は、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物であるかまたはそれを含有する。いくつかの態様では、生物学的試料は、アフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物を含有する。いくつかの態様では、T細胞は、対象から得られた後36時間以内に生物学的試料から単離、選択または濃縮される。いくつかの態様では、生物学的試料は、対象から得られた後36時間以内に凍結保護物質の存在下で低温凍結させ、そして、細胞を単離、選択または濃縮する前に、融解させ、任意で、低温凍結させた試料は、細胞を単離、選択または濃縮する直前に、または、その6時間以内前、4時間以内前、2時間以内前または1時間以内前に融解させる。
【0163】
いくつかの態様では、インキュベーションは、1以上のサイトカインの存在下、任意で無血清培地中で実施される。いくつかの態様では、1以上のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7、および/または組換えIL-15から選択される。いくつかの態様では、1以上のサイトカインは、10~200IU/mLの組換えIL-2;100IU/mL~1,000IU/mLの組換えIL-7;および/または10~200IU/mLの組換えIL-15を含む。いくつかの態様では、刺激試薬は、TCR複合体のメンバーに特異的に結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次作用物質を含有し、任意で、一次作用物質は、抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様では、刺激試薬はさらに、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質を含有し、任意で、共刺激分子は、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40またはICOSから選択され、任意で、二次作用物質は、抗体またはその抗原結合断片である。いくつかの態様では、刺激試薬は、抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合断片とのインキュベーションを含む。いくつかの態様では、一次作用物質および/または二次作用物質は、固体支持体の表面に存在する。いくつかの態様では、固体支持体は、ビーズであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、一次作用物質および二次作用物質は、複数のストレプトアビジンまたはストレプトアビジン変異タンパク質分子を含むオリゴマー粒子試薬の表面に固定されるかまたは可逆的に結合される。
【0164】
いくつかの態様では、インプット組成物は、刺激条件下で、12時間以上36時間以下、任意で24時間もしくは約24時間インキュベートされる。いくつかの態様では、接触させる段階は、ウイルス形質導入によって、任意でレトロウイルスベクター、任意でレンチウイルスベクターを用いて行われる。
【0165】
いくつかの態様では、本方法はさらに、操作された組成物を操作された細胞の増殖および/または増大を促進する条件下で培養し、それによって操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を生産する段階を含む。いくつかの態様では、培養する段階は、1以上のサイトカインの存在下、任意で無血清培地中で実施される。いくつかの態様では、1以上のサイトカインは、組換えIL-2、組換えIL-7、および/または組換えIL-15から選択される。いくつかの態様では、1以上のサイトカインは、50~400IU/mLの組換えIL-2;100IU/mL~2,000IU/mLの組換えIL-7;および/または50~400IU/mLの組換えIL-15を含有する。
【0166】
いくつかの態様では、インプット組成物は、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞を、CD4+ T細胞対CD8+ T細胞比2:1~1:2で含有するか;または、インプット組成物は、アポトーシスマーカー陰性CD4+ T細胞およびアポトーシスマーカー陰性CD8+ T細胞をCD4+T細胞対CD8+ T細胞比2:1~1:2で含有する。いくつかの態様では、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞は、同じ生物学的試料またはそれに由来する試料から、別々に選択、単離または濃縮され、インキュベートする前に組み合わされる。いくつかの態様では、組換え受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)である。
【0167】
いくつかの態様では、アウトプット組成物は、該組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の少なくとも40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは約99%または少なくとも100%もしくは約100%を含有し、これらが、CCR7および/またはCD27について表面陽性である;ならびに/あるいは組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または少なくとも100%もしくは少なくとも約100%が、刺激物質による刺激後にインターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができる;ならびに/あるいは組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、またはより多くが、刺激物質による刺激後にインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性である。いくつかの態様では、刺激物質は、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、ポリクローナル刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性刺激物質は、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)またはコンカナバリンA(ConA)を含む。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、PMA/イオノマイシンを含有する。いくつかの態様では、刺激物質は、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、刺激物質は、抗原特異的刺激試薬であり、かつ/または、組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含有する。いくつかの態様では、サイトカインの産生は、細胞内サイトカインアッセイで測定される。
【図面の簡単な説明】
【0168】
図1A図1Aは、DL1およびDL2で投与するためのCAR T細胞組成物中に存在するCD3+ CAR+ T細胞の数を示す。
図1B図1Bは、DL1およびDL2で投与するためのCAR T細胞組成物中に存在するCD4+CAR+およびCD8+CAR+細胞、CD4+CAR+TNF-α+細胞およびCD8+CAR+TNF-α+、CD4+CAR+CCR7+細胞およびCD8+CAR+CCR7+細胞の数を示す。
図1C図1Cは、DL1およびDL2で投与するためのCAR T細胞組成物中に存在するCD4+CAR+およびCD8+CAR+細胞、CD4+CAR+CCR7+細胞およびCD8+CAR+CCR7+細胞の数を示す。
図2】抗CD19 CAR発現細胞が投与されている87人の対象由来の血液試料中の、短縮受容体に特異的な抗体を使用したフローサイトメトリーによって評価された、CAR発現CD3+細胞/血液1μLの中央(±四分位)数(CD3、円;N=87);または、CARをコードするベクター中に存在するウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)に特異的なプライマーを使用した定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって評価された、組み込まれたCAR導入遺伝子コピー/ゲノムDNA 1μgの中央(±四分位)数(qPCR、四角;N=85)を描写する。フローサイトメトリーにおけるCAR+細胞検出についてのカットオフは、CAR+ゲートにおいてイベント≧25と設定され、qPCRについての検出限界は、ゲノムDNA 1μg当たりCAR導入遺伝子コピー≧12.5であった。
図3A図3Aは、CD4+ CAR+細胞およびCD8+ CAR+細胞それぞれの薬物動態パラメーターに対するCCR7+細胞(中でも、CD4+ CAR+およびCD8+ CAR+細胞集団)のパーセンテージのプロットを示す(細胞療法が投与された対象についての血液中のCD4+ CAR+細胞のAUC0-28またはCD8+ CAR+細胞のAUC0-28によって示される通り)。各ドットは、個々の患者を表し、個々のドットの濃淡は、患者が用量レベル1(DL1)を受けたか用量レベル2(DL2)を受けたかを示している。図3Bは、高(この評価において、二方向積和(SPD)値が50cm2より大きいかまたはそれに等しいことによって示される)または低(SPD値が50cm2未満)処置前腫瘍量(処置前リンパ球枯渇化学療法の時点に評価された)を示すことが観察された対象を別々に示した類似のプロットを示す。図3Cは、細胞療法が投与された対象についての血液中のCD4+ CAR+細胞のAUC0-28またはCD8+ CAR+細胞のAUC0-28に対するCD4+CAR+CCR7+細胞およびCD8+CAR+CCR7+細胞の数のプロットを、相関係数および関連するp値と共に描写する。図3D~3Jは、CD4+ CAR+ T細胞(図3A、3D~3F)およびCD8+ CAR+ T細胞(図3G~3J)の薬物動態パラメーター(AUC0-28およびCmax)に対するCCR7+またはCCR7+CD27+ CD4+またはCD8+ CAR+ T細胞のパーセンテージのプロットを、相関係数および関連するp値と共に描写する。
図3B図3Aの説明を参照。
図3C図3Aの説明を参照。
図3D図3Aの説明を参照。
図3E図3Aの説明を参照。
図3F図3Aの説明を参照。
図3G図3Aの説明を参照。
図3H図3Aの説明を参照。
図3I図3Aの説明を参照。
図3J図3Aの説明を参照。
図4図4A~4Bは、CARによって認識される抗原(CD19)で刺激した際のCD4+ CAR+組成物によるIFNγ(図4A)およびIL-2(図4B)分泌に対するCD4+CAR+細胞の中のCCR7+CD27+細胞のパーセンテージのプロットを描写する。
図5図5A~5Bは、CARによって認識される抗原(CD19)で刺激した際のCD4+ CAR+組成物によるIL-5(図5A)およびIL-13(図5B)分泌に対するCD8+CAR+細胞の中のCCR7+CD27+細胞のパーセンテージのプロットを描写する。
図6A図6A~6Dは、CD4+ CAR+ T細胞(無増悪生存について図6A、奏効期間について図6C)の中のおよびCD8+ CAR+ T細胞(無増悪生存について図6B、奏効期間について図6D)の中のある特定の閾値レベルを上回るかまたは下回るパーセンテージのCCR7+CD27+ CAR+ T細胞を含有する組成物が投与された群に分けた、CAR+ T細胞組成物が投与された対象についてのカプランマイヤー生存曲線を示す。
図6B図6Aの説明を参照。
図6C図6Aの説明を参照。
図6D図6Aの説明を参照。
図7-1】図7A~7Bは、対象に投与された細胞組成物中のCD4+CAR+細胞の中のCCR7+CD27+細胞のパーセンテージ(図7A)またはCD4+ CAR+細胞によるIFNγ分泌(図7B)を、対象が続いてサイトカイン放出症候群(CRS;グレード0対グレード1またはより高い)を発症したかどうかの関数として描写したボックスプロットを示す。図7C~7Dは、対象に投与された細胞組成物中のCD4+CAR+細胞の中のCCR7+CD27+細胞のパーセンテージ(図7C)またはCD4+ CAR+細胞によるIFNγ分泌(図7D)を、対象が続いて神経毒性(NT;グレード0~2対グレード3またはより高い)を発症したかどうかの関数として描写したボックスプロットを示す。
図7-2】図7-1の説明を参照。
図8図8Aは、t-分布型確率的近傍埋め込み法(tSNE)に基づいた例示的なマルチパラメーター表現型分析を示す。図8Bは、CCR7およびCD27発現についての分析から特定された細胞サブタイプの(図8A上に描かれた外形境界内の)例示的なフローサイトメトリープロットを示す。
図9-1】図9A~9Cは、CAR+ T細胞組成物の投与の6ヶ月後の完全奏効(CR)を示した対象と進行(PD)または部分奏効(PR)を示した対象とを識別する変数を特定するための、表現型および機能的属性(図9A)ならびにトランスクリプトーム(図9B)およびエピゲノム分析(図9C)の例示的な部分最小二乗法判別分析(PLS-DA)評価を示す。
図9-2】図9-1の説明を参照。
図10A図10Aは、操作細胞組成物中のCD4+CAR+CCR7+CD27+細胞の頻度に対する操作前の組成物中のCD4+CCR7+CD27+細胞の頻度のプロットを示す(スピアマンの順位相関係数:0.591)。
図10B図10Bは、操作前の組成物中のCD8+CCR7+CD27+細胞の頻度と操作細胞組成物中のCD8+CAR+CCR7+CD27+細胞の頻度とのプロットを示す(スピアマンの順位相関係数:0.357)。
図11A図11A~11Dは、ビーズに基づいた刺激試薬(Bead)および基本培地中でのインキュベーション(Bead-Basal Media)またはオリゴマー刺激試薬(Oligomer)を伴う例示的な増大および非増大プロセスから作製されたCAR+ T細胞組成物からの結果を描写する。図11Aは、CCR7およびCD27の両方について陽性のCD4+およびCD8+ T細胞のパーセンテージを描写する。図11Bは、CD4+CAR+T細胞に対するCCR7+CD27+細胞のパーセンテージを描写する。図11Cは、CD8+CAR+T細胞に対するCCR7+CD27+細胞のパーセンテージを描写する。図11Dは、1日目の活性化(活性化d1)、2日目の形質導入(形質導入d2)、および培養の開始後の様々な時点(d4 INOC+2、d6 INOC+4、d7 INOC+5)を含めた、製造プロセスの間の様々な日における例示的な増大プロセスからの代表的なドナーから生成されたCCR7+ CD27+細胞のパーセンテージを表示する。
図11B図11Aの説明を参照。
図11C図11Aの説明を参照。
図11D図11Aの説明を参照。
図12】単離されたCD4+およびCD8+ T細胞組成物の操作前のならびにCD4+およびCD8+ 治療用CAR+T細胞組成物の操作後のT細胞クローン性を示す(シャノン指数が適用された)。
図13A図13Aおよび13Bは、最大選択ランク統計を使用して判定された場合の、治療用組成物のCD4+/CAR+ T細胞中のそれぞれIL-2またはTNFαを産生する細胞のパーセンテージが「高い」または「低い」患者についての無増悪生存曲線(コックス比例ハザード(上部)および最適分割(下部))を示す。
図13B図13Aの説明を参照。
図14】6ヶ月目の完全奏効(CR)(三角)または奏効喪失/無奏効(円)を示す対象における、臨床的アウトカムと二方向積和(SPD)ベースラインおよびC-反応性タンパク質(CRP)レベルベースラインとの関係性を示す。
図15】6ヶ月目の完全奏効(CR)(三角;1)または奏効喪失/無奏効(円;0)を示す対象における高ベースラインSPD/CRPから作製された治療用T細胞組成物中のIL-2/CD4+/CAR+細胞のパーセンテージを示す。
図16】インプット組成物中のアポトーシスマーカー活性化カスパーゼ3について陽性の細胞についての例示的な三分位カットオフ値に関する無増悪生存曲線を示す。
図17】濃縮されたインプットT細胞組成物中のアポトーシスマーカー活性化カスパーゼ3について陽性の細胞の、出発アフェレーシス試料の齢、すなわち、T細胞の濃縮前のアフェレーシスとそのさらなる処理との間の時間の長さ(例えば、時間(h)単位)が変化した試料の関数としてのパーセントを示す。左のプロットは、CD4+/活性化カスパーゼ3+細胞のパーセンテージを示し、右のプロットは、CD8+/活性化カスパーゼ3+細胞のパーセンテージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0169】
詳細な説明
様々な腫瘍を含む疾患および病態の処置のための操作されたT細胞療法などの細胞療法に関連して使用するための、方法、組成物、および製造品が本明細書に提供される。提供される態様は、疾患または病態に関連する分子を認識しかつ/またはそれに特異的に結合して、そのような分子への結合時にそのような分子に対する免疫応答などの応答をもたらすように設計された組換え受容体を発現するような操作されたT細胞、例えば組換えタンパク質を発現するように操作されたT細胞を含有する、治療用T細胞組成物に関する。該受容体は、キメラ受容体、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)、およびトランスジェニックT細胞受容体(TCR)を含む他のトランスジェニック抗原受容体を含み得る。
【0170】
いくつかの局面における提供される態様は、細胞表現型、例えば、表面マーカーの存在および/もしくは発現ならびに/または表面マーカーの非存在もしくは発現の欠如が、治療用T細胞組成物の機能もしくは活性、薬物動態パラメーター、例えば、曝露もしくは最大細胞濃度、サイトカイン放出症候群(CRS)もしくは神経毒性(NT)などの毒性を生じる可能性のリスク、および/またはT細胞組成物が投与された対象における細胞療法のアウトカム、例えば細胞療法に対する応答に関係する、ならびに/または、治療用T細胞組成物の効力に関する情報を提供し得る、局面に関する。いくつかの局面では、提供される態様は、ある特定の細胞表現型、例えば、1以上の表面マーカーの発現、1以上のサイトカインの産生が、薬物動態パラメーター、応答の可能性および/または毒性を生じる可能性に関連するという観察に基づく。いくつかの態様では、投与のためのT細胞組成物、例えば、薬物組成物中のC-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)、CD27およびCD45RAまたはそれらの組み合わせなどの細胞表面マーカーの発現および/または発現の非存在は、薬物動態パラメーターおよび/または応答もしくは毒性アウトカムと正にまたは負に相関する。いくつかの局面では、分化の進んでいないT細胞産物に関連するかまたはナイーブ様もしくはセントラルメモリーT細胞サブセットが濃縮された産物の表現型および機能的属性が、対象への投与後、改善された薬物動態特性または応答、例えば、応答の持続期間および/または無増悪生存と相関するまたはそれとの関係を示すということが本明細書において観察される。
【0171】
提供される態様の局面はまた、治療用T細胞組成物の投薬に関連した用途を含む、細胞集団の指標となる表現型などのある特定の表現型の細胞の数と相関している、細胞の数、比、パーセンテージおよび/または比率を含有する単位用量を投与または提供することに関する。いくつかの局面では、提供される態様は、一貫性のある投薬および/または投与を可能にする。いくつかの局面では、提供される態様を使用して、ある特定のアウトカムの可能性および/またはある特定の薬物動態パラメーターの値、毒性のリスクおよび/または細胞療法の応答、効力もしくは有効性を評価してよい。いくつかの局面では、提供される方法は、T細胞組成物の効力を保証しながら、治療用T細胞組成物の用量が投与された対象において毒性のリスクを制御、改善または低減することができる。また、該細胞を含有し、かつ、そのような投薬レジメンに従って投与するために設計された、製造品が提供される。
【0172】
いくつかの態様では、提供される方法、用量、単位用量、組成物および製造品は、細胞療法の適切な用量を決定する際におよび/または療法のための細胞組成物を放出もしくは作製する際に、ある特定の表現型、例えば、表面マーカーの発現、およびそれらの組み合わせを考慮することが有利であり得るという観察に基づく。ある特定の利用可能な方法では、用量は、特定の細胞タイプ、例えば特定の活性を示すように操作された細胞タイプ、例えば操作された受容体について陽性である細胞タイプの数に基づく。例えば、ある特定の利用可能な方法および用量では、用量は、生存可能な細胞傷害性(例えば、CD8+)の操作されたT細胞などの生存可能な操作されたT細胞またはそれらのサブセットの数(または患者体重当たりの数)の間で観察されるまたは疑われる関係に基づく。様々な状況において、そのような数は、有効性および/もしくは安全性アウトカム(例えば、応答)ならびに/または毒性(例えば、神経毒性、脳浮腫およびCRS)のリスクと関係を有し得る。それにもかかわらず、そのような測定基準は、いくつかの状況において、対象における薬理学的パラメーター、毒性、CRSまたはNTのリスクと、特に他の変数を考慮に入れることなしには、一貫して適切に関連することがないという観察に基づく態様が、本明細書に提供される。したがって、そのような測定基準にのみ依拠した、用量を規定して放出について産物を評価するためのアプローチは、十分に満足いくものではない場合がある。例えば、そのようなアプローチは、いくつかの状況において、安全で有効な細胞療法のためのある特定の治療範囲またはウインドウに達し得ない。そのような欠点に取り組む方法(処置、投薬、用量決定およびアッセイ法を含む)、治療用組成物、および製造品が本明細書に提供される。
【0173】
いくつかの局面では、提供される態様は、細胞の制御された一貫性のある用量の投与を可能にし、それによって対象における有効性および/または安全性アウトカムの変動を最小限に抑える。いくつかの局面では、細胞の用量を、特定の細胞のサブセットの規定された数、比、パーセンテージおよび/または比率に基づいて、例えば、細胞表現型に基づいて制御することは、特定の表現型を有する細胞のサブセットが及ぼす、治療用組成物中に含有される細胞の健康、効力および/または有効性への影響の理解を可能にする。そのようなアプローチを使用して、細胞療法における細胞の一貫性のある正確な有効用量を決定および/もしくは算出することができ、ならびに/または、細胞療法の薬物動態パラメーターを制御することができる。投与のための単位用量を含めたそのような用量を、特定の表面マーカーを発現するおよび/または特定の表現型を有する細胞の数、比、パーセンテージおよび/または比率に基づいて決定する方法、そのような方法を使用して決定された用量と投与のための使用説明書とを含有する製造品およびキット、ならびに関連する処置の方法が提供される。いくつかの局面では、提供される態様は、操作細胞組成物中の細胞の属性、ならびに応答および毒性などの薬物動態(PK)および臨床的アウトカムとの潜在的な関連性を、対象に投与するための治療用組成物中の、CCR7+、CD27+および/またはCD45RA-である、CD4+およびCD8+ CAR+ T細胞ならびに任意でそのサブセットの数の一貫性および厳格な制御に基づいて特定することを可能にする。投与のための細胞組成物中のCAR+細胞の総数のそのような一貫性および厳格な制御は、投与のための操作細胞組成物中の細胞の他の局面を評価および制御する戦略の基準を提供することができる。
【0174】
いくつかの局面では、提供される態様は、低い変動性を示し、純粋でありかつ正確な用量を含有する、CAR+ T細胞組成物の投与を可能にし、それによって、様々な細胞属性と応答および毒性などの臨床的アウトカムとの間の関係の特定が可能となる。いくつかの局面では、提供される態様は、分化の進んでいない表現型などのある特定の表現型に関連するマーカーを発現する細胞集団が、ある特定の機能的プロファイル(例えば、サイトカイン産生)を示すという観察に基づく。いくつかの局面では、CCR7+CD27+ CD4+ CAR T細胞は、低減されたIFNγおよび増加したIL-2を産生し、そして、いくつかの局面では、CCR7+CD27+ CD8+ CAR T細胞は、例えばCARの抗原特異的刺激時に、低減されたIL-5およびIL-13を産生する。いくつかの態様では、組成物中の細胞のある特定のパーセンテージが分化の進んでいない状態を示しかつ/またはCCR7+CD27+であるCAR+ T細胞を含有する投与される細胞組成物は、例えばそのような細胞集団のより低いパーセンテージを含有する組成物と比べて、望ましいまたは改善された薬物動態パラメーター、安全性イベントおよび増加した持続可能な応答に関連する。
【0175】
特許文書、科学論文およびデータベースを含めて、本願において参照されるすべての刊行物は、それぞれの個々の刊行物が個々に参照により組み入れられていたかのように同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み入れられる。本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる特許、特許出願、公開特許出願および他の刊行物において示される定義に反する場合、または、そうでなければ、該定義と一致しない場合、本明細書において示される定義が、参照により本明細書に組み入れられる定義に優先する。
【0176】
本明細書において使用されるセクション見出しは、構成を目的としたものにすぎず、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0177】
I. 治療用T細胞組成物における用量および用量決定
様々な腫瘍を含む疾患および病態の処置のための操作されたT細胞療法などの細胞療法に関連して使用するための、方法、組成物、および製造品が本明細書に提供される。提供される態様は、対象に投与するための用量を決定する方法、関連する処置の方法、細胞の用量を含有する組成物、ならびに関連する製造品およびキットに関する。いくつかの局面における提供される態様は、投与のための組成物中の細胞の細胞表現型、例えば、表面マーカーの存在および/もしくは発現、表面マーカーの非存在もしくは発現の欠如ならびに/または1以上のサイトカイン(例えばIL-2)を産生する能力が、薬物動態パラメーター、例えば、曝露または最大細胞濃度の値または測定に関係する、それと相関するまたはそれに関連する、局面に関する。いくつかの局面では、表現型および/またはパラメーターはまた、細胞の活性および/もしくは機能、ならびに/またはサイトカイン放出症候群(CRS)もしくは神経毒性(NT)などの毒性を生じる可能性、ならびに/またはT細胞組成物が投与された対象における細胞療法のアウトカム、例えば、細胞療法に対する応答、例えば応答の持続期間および無増悪生存に関係する、それと相関するまたはそれに関連する。
【0178】
いくつかの局面では、提供される態様は、細胞組成物の用量、例えば、細胞組成物の1以上の単位用量および/またはそのような単位用量に対応する量を決定および/または投与することを伴う。いくつかの局面では、細胞の用量は、特定の表現型を有する生物学的に活性な操作されたT細胞が濃縮される、例えば、該T細胞の高いパーセンテージまたは比較的高いパーセンテージを有する。いくつかの局面では、用量は、特定の表現型を有する生物学的に活性な操作されたT細胞の数に基づく。いくつかの局面では、「生物学的に活性な」は、細胞死を受けるようにプログラミングされていない細胞、例えば、非アポトーシス細胞またはアポトーシス経路への侵入の徴候を示さない細胞の性質を指す。いくつかの局面では、用量は、特定の表現型を有する生物学的に活性な操作されたCD8+ T細胞の数に基づき、かつ/または、その場合の用量は、特定の表現型を有する生物学的に活性な操作されたT細胞の総数に基づく。
【0179】
いくつかの態様では、本方法は、単位用量が、特定の表現型を有する操作された細胞の比較的一貫性のある数、比率、比および/またはパーセンテージを1以上の特定の組成物中に包含することを保証する。いくつかの局面では、一貫性は、比較的一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカムに関連するかまたはそれに関係する。いくつかの態様では、一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカム(例えば、持続可能な応答、持続可能な無増悪生存)を可能にする操作された細胞のパーセンテージは、CCR7および/またはCD27について表面陽性、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である、組成物中の操作された細胞(例えば、T細胞)の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中の操作された細胞(例えば、T細胞)の総数の少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、操作された細胞(例えば、T細胞)はさらに、活性化カスパーゼ3またはアネキシンVなどのアポトーシスマーカーについて陰性である。いくつかの態様では、一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカム(例えば、持続可能な応答、持続可能な無増悪生存)を可能にする操作された細胞のパーセンテージは、アポトーシスのマーカー(例えば、カスパーゼ-3、アネキシンV)について陰性である、組成物中の操作された細胞(例えば、T細胞)の総数のまたは組換え受容体を発現する組成物中の操作された細胞(例えば、T細胞)の総数の少なくとも75%もしくは少なくとも約75%、または75%もしくは約75%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、または、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカム(例えば、持続可能な応答、持続可能な無増悪生存)を可能にする操作された細胞のパーセンテージは、インターロイキン2(IL-2)および/もしくはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができる、組成物中の操作されたCD4+ T細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する操作されたCD4+ T細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカム(例えば、持続可能な応答、持続可能な無増悪生存)を可能にする操作された細胞のパーセンテージは、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性である、組成物中の操作されたCD4+ T細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する操作されたCD4+ T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、または10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、または25%もしくは約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、あるいはより多くであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカム(例えば、持続可能な応答、持続可能な無増悪生存)を可能にする組成物の操作された細胞は、本明細書に記載の1以上の表現型であるかまたはそれを含む。したがって、いくつかの態様では、一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカム(例えば、持続可能な応答、持続可能な無増悪生存)を可能にする操作された細胞のパーセンテージは、表現型のパーセンテージの組み合わせであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、治療用組成物として使用されるべき組成物は、組成物(例えば、アウトプット組成物)中の1以上の表現型を含む細胞のパーセンテージに基づいて選択される。
【0180】
いくつかの局面では、複数の対象、組成物および/または用量において、数、比率、比および/またはパーセンテージは、比較的一貫性があり、例えば、組成物または単位用量中の、特定の表現型を有する、例えば、CCR7を発現する(CCR7+)および/または1以上のサイトカインを産生する能力を有する、細胞の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。いくつかの局面では、組成物または単位用量中の、特定の表現型を有する、例えば、CCR7を発現する(CCR7+)および/または1以上のサイトカインを産生する能力を有する、細胞の数または比は、該プロセスによって生産された複数のT細胞組成物中の前記数または比の平均から20%以下または10%以下または5%以下変動し、かつ/または、そのような平均から1標準偏差以下変動し、または、決定された複数のT細胞組成物または用量の中で20%以下または10%以下または5%以下変動する。
【0181】
いくつかの態様では、本方法は、CARなどの組換え受容体を発現する細胞、例えば、操作されたT細胞の1以上の単位用量を決定および/または投与することを伴う。いくつかの局面では、本方法は、特定の表面マーカー表現型などの特定の表現型を有するおよび/もしくは1以上のサイトカインを産生する能力などの機能的活性を示す細胞が濃縮された、かつ/または、高いもしくは比較的高いパーセンテージの該細胞を含有する、細胞の1以上の単位用量を投与することを伴う。いくつかの局面では、単位用量は、操作されたT細胞、例えば、特定の表面マーカー表現型などの特定の表現型を有するおよび/または1以上のサイトカインを産生する能力などの機能的活性を示す特定の細胞のサブセットの数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率に基づいて決定される。いくつかの態様では、操作されたまたは治療用細胞組成物は、例えば操作されたアウトプット組成物を作製するために使用される出発材料もしくはインプット組成物と比べてそのような表現型もしくは機能的属性を有する細胞を含有するかまたはそれが濃縮されたアウトプット組成物をもたらす方法によって生産することができる。操作された細胞を作製するための方法に従って生産されたアウトプット組成物などの操作されたまたは治療用細胞組成物の細胞の例示的な表現型および機能的属性(任意のそのような組成物の1以上の単位用量中のものを含む)が、本明細書に記載される。
【0182】
いくつかの局面では、細胞マーカーは、細胞の健康、生存性および/または細胞のアポトーシス状態の指標となるマーカーを含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CD3、CD4、CD8、CCR7、CD27、CD45RA、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3を含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CCR7、CD27および/またはCD45RAを含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CCR7および/またはCD27を含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CCR7である。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CD27である。
【0183】
いくつかの局面では、提供される方法はまた、治療用組成物を、細胞表現型、例えば、マーカー、例えばCD3、CD4、CD8、CCR7、CD27、CD45RA、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3の発現について評価することを伴う。いくつかの態様では、表現型は、抗原特異的機能を含む。いくつかの態様では、表現型は、例えば組換え受容体(例えば、CAR)が特異的に結合するおよび/または認識する抗原で刺激した際の、サイトカインの産生または分泌を含む。いくつかの態様では、表現型は、サイトカイン、例えば、Th1、Th2、Th17および/またはTregサブタイプに関連するサイトカインなどの特定の細胞タイプに関連するサイトカインの産生を含む。
【0184】
いくつかの局面では、提供される方法は、疾患または病態を有する対象に投与するための操作されたT細胞を含有する治療用組成物の好適な用量、例えば、1以上の単位用量を決定することを伴う。いくつかの局面では、本方法はまた、操作されたT細胞を含有する治療用組成物中の、操作されたT細胞、例えば、特定の表面マーカー表現型などの特定の表現型を有する特定の細胞のサブセットの数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率を評価することを伴う。いくつかの態様では、提供される方法は、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7を発現する(受容体+/CCR7+)T細胞の数、パーセンテージ、または比を評価することを伴う。
【0185】
いくつかの態様では、提供される方法は、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+ T細胞を含む治療用組成物において、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価することを伴う。評価のための他の例示的な表現型マーカーおよび/または評価のための方法は、以下に、例えば、セクションI.Aに記載される。いくつかの局面では、単位用量は、いずれかの評価に基づいて決定することができる。いくつかの局面では、本方法はまた、組換え受容体(例えば、CAR)または組換え受容体の代理マーカーを発現する細胞の数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率を評価することを伴う。用量、例えば、1以上の単位用量は、本明細書に記載の表現型マーカーのいずれかの数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率についての評価に基づいて決定することができる。
【0186】
A. 細胞表現型の判定
いくつかの態様では、細胞表現型、またはそのような表現型の細胞の組成物中のレベルもしくはパーセンテージは、細胞の活性および/もしくは機能、ならびに/またはサイトカイン放出症候群(CRS)もしくは神経毒性(NT)などの毒性を生じる可能性、ならびに/またはT細胞組成物が投与された対象における細胞療法のアウトカム、例えば、細胞療法に対する応答、例えば応答の持続期間および無増悪生存と相関するかまたはそれに関連する。いくつかの態様では、特異的な表現型を有する細胞を含む組成物、より特定すると、そのような特異的な表現型を有する細胞のパーセンテージは、持続可能な応答および/または無増悪生存などの臨床的アウトカムと相関する。いくつかの態様では、表現型は、表面分子および/またはT細胞組成物内の細胞もしくは細胞の部分集団によって蓄積し得るかもしくは産生され得る分子を含めた、1以上の特異的分子の存在または非存在を評価することによって判定される。いくつかの態様では、表現型は、直接にまたは反対に、T細胞組成物内の細胞のまたは細胞の集団の生物学的活性を示すかまたはその指標となる。いくつかの態様では、表現型は、刺激物に応答した因子(例えば、サイトカイン)の産生などの細胞活性を含み得る。ある特定の態様では、細胞組成物の評価は、細胞組成物の表現型を特定、検出または定量するために実施される。特定の態様では、細胞組成物の測定は、特異的分子の存在、非存在、発現の程度またはレベルを特定、検出または定量するために実施される。
【0187】
細胞組成物(例えば、操作されたT細胞組成物)の表現型は、いくつかの場合に、細胞組成物を作製するために使用される出発細胞材料(例えば、アフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物)の表現型および細胞組成物を作製するために処理を受ける細胞材料の表現型を含むがそれらに限定されない多くの因子に依存し得ることが想定される。したがって、いくつかの態様では、表現型は、出発材料および/または細胞組成物を作製するために処理を受ける材料、ならびに最終細胞組成物の細胞において評価される。
【0188】
いくつかの態様では、表現型は、細胞の生存性の指標となる。いくつかの態様では、表現型は、アポトーシスの非存在、アポトーシスの早期段階の非存在またはアポトーシスの後期段階の非存在の指標となる。いくつかの態様では、表現型は、アポトーシス、アポトーシスの早期段階またはアポトーシスの後期段階の非存在の指標となる因子の非存在である。いくつかの態様では、表現型は、組換え受容体発現T細胞(例えば、CAR+ T細胞)、CD8+ T細胞またはCD4+ T細胞などのT細胞の部分集団またはサブセットの表現型である。いくつかの態様では、表現型は、活性化されていない細胞、および/または、1以上の活性化マーカーの発現を欠いているかまたはその発現が低減されたもしくは低い細胞の表現型である。いくつかの態様では、表現型は、枯渇されていない細胞、および/または、1以上の枯渇マーカーの発現を欠いているかまたはその発現が低減されたもしくは低い細胞の表現型である。
【0189】
いくつかの態様では、表現型は、表現型の指標となるある特定の表面マーカー、例えば、表面タンパク質、表現型の指標となる細胞内マーカー、または表現型の指標となる核酸、または表現型の指標となる他の分子もしくは因子などの、1以上の特異的分子の細胞中の発現の存在、非存在またはレベルによって示される。いくつかの態様では、表現型は、特異的分子の1以上の陽性または陰性の発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、特異的分子は、表面マーカー、例えば、膜糖タンパク質もしくは受容体;アポトーシスもしくは生存性に関連するマーカー;または、免疫細胞の状態を示す特異的分子、例えば、活性化、枯渇もしくは成熟またはナイーブ表現型に関連するマーカーを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、特異的分子に基づいて細胞を評価もしくは測定する、計数する、および/または定量するための任意の公知の方法を使用して、表現型の細胞の数を決定することができる。
【0190】
いくつかの態様では、表現型は、1以上の特異的分子の細胞中の陽性または陰性の発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、陽性発現は、特異的分子の細胞中の検出可能な量によって示される。ある特定の態様では、検出可能な量は、特異的分子の細胞中の任意の検出された量である。特定の態様では、検出可能な量は、細胞中のバックグラウンド、例えば、バックグラウンド染色、シグナルなどより大きな量である。ある特定の態様では、陽性発現は、閾値、例えば、所定の閾値より大きな特異的分子の量である。同様に、特定の態様では、特異的分子の陰性発現を有する細胞は、陽性発現を有すると判定されない任意の細胞であり得るか、または特異的分子の検出可能な量もしくはバックグラウンドを上回る特異的分子の検出可能な量を欠く細胞である。いくつかの態様では、特異的分子の量が閾値を下回る場合に、細胞は特異的分子の陰性発現を有する。当業者は、ルーチン技術として特異的分子についての陽性および/または陰性発現を定義するためにどのように閾値を定義すればよいか、そして、閾値が、例えば限定されないが、検出のアッセイまたは方法、特異的分子のアイデンティティー、検出に使用される試薬、および機器の特異的パラメーターに従って定義され得ることを理解するだろう。
【0191】
特異的分子を検出するおよび/または細胞の表現型を分析するために使用できる方法の例は、生化学的分析;免疫化学的分析;画像解析;細胞形態学的解析;PCR、シーケンシング、ハイスループットシーケンシング、DNAメチル化の判定などの分子解析;タンパク質グリコシル化および/またはリン酸化パターンの判定などのプロテオミクス解析;ゲノム解析;エピゲノム解析(例えば、ChIP-seqまたはATAC-seq);トランスクリプトーム解析(例えば、RNA-seq);ならびにそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、本方法は、免疫受容体レパートリー、例えば、T細胞受容体(TCR)のレパートリーの評価を含むことができる。いくつかの局面では、表現型のいずれかの判定は、ハイスループットの自動化された方法でおよび/または単一細胞に基づいた方法によって評価することができる。いくつかの局面では、大規模またはゲノムワイド法を使用して、1以上の分子シグネチャを特定することができる。いくつかの局面では、大規模またはゲノムワイド法を使用して、療法のアウトカム、例えば、有効性および安全性、または薬物動態パラメーターに関連する、分子シグネチャを特定することができる。いくつかの局面では、1以上の分子シグネチャ、例えば、細胞中の特異的RNAまたはタンパク質の発現を判定することができる。いくつかの態様では、表現型の分子的特徴は、画像解析、PCR(標準PCRおよびPCRのすべての変形型を含む)、マイクロアレイ(DNAマイクロアレイ、マイクロRNA用のMMチップ、タンパク質マイクロアレイ、細胞マイクロアレイ、抗体マイクロアレイ、および炭水化物アレイを含むがこれらに限定されない)、シーケンシング、バイオマーカー検出、またはDNAメチル化もしくはタンパク質グリコシル化パターンを判定するための方法によって分析される。特定の態様では、特異的分子は、ポリペプチド、すなわちタンパク質である。いくつかの態様では、特異的分子は、ポリヌクレオチドである。
【0192】
いくつかの態様では、特異的分子の陽性または陰性発現は、細胞を、それぞれ陽性または陰性選択された細胞上に発現される1以上の表面マーカー(マーカー+)または比較的高いレベルで発現される1以上の表面マーカー(マーカーhigh)に特異的に結合する1以上の抗体または他の結合物質とインキュベートすることによって判定される。特定の態様では、陽性または陰性発現は、フローサイトメトリー、免疫組織化学、または特異的マーカーを検出するための任意の他の好適な方法によって判定される。
【0193】
特定の態様では、特異的分子の発現は、フローサイトメトリーで評価される。フローサイトメトリーは、細胞を流体の流れに懸濁させ、それらを電子検出装置のそばを通過させることによる、細胞計数、細胞選別、バイオマーカー検出およびタンパク質工学において用いられるレーザーまたはインピーダンスに基づいた生物物理学的技術である。これは、毎秒最大数千個の粒子の物理化学特性の同時のマルチパラメトリック分析を可能にする。
【0194】
フローサイトメーターによって生成されたデータは、ヒストグラムを作成するために一次元で、または二次元のドットプロットで、さらには三次元でプロットすることができる。これらのプロット上の領域を、「ゲート」と称される一連のサブセット抽出物を創出することによって蛍光強度に基づいて逐次的に分離することができる。とりわけ免疫学との関連で、診断および臨床目的に具体的なゲーティングプロトコルが存在する。プロットは対数スケールで作られることが多い。異なる蛍光色素の発光スペクトルが重複するので、検出器におけるシグナルは、電子的にも計算的にも補正されなければならない。フローサイトメーターを使用して蓄積されたデータは、ソフトウェア、例えば、JMP(統計ソフトウェア)、WinMDI、Flowingソフトウェア、およびウェブベースのCytobank)、Cellcion、FCS Express、FlowJo、FACSDiva、CytoPaint(aka Paint-A-Gate)、VenturiOne、CellQuest Pro、InfinicytまたはCytospecを使用して解析することができる。
【0195】
フローサイトメトリーは、当技術分野における標準的な技法であり、当業者は、1以上の特異的分子を検出するために、かつ、データを解析して細胞の集団中の1以上の特異的分子の発現を判定するために、どのようにプロトコルを設計または調整すればよいかを容易に理解するだろう。フローサイトメトリーのための標準的なプロトコルおよび技法は、Loyd "Flow Cytometry in Microbiology; Practical Flow Cytometry by Howard M. Shapiro; Flow Cytometry for Biotechnology by Larry A. Sklar, Handbook of Flow Cytometry Methods by J. Paul Robinson, et al., Current Protocols in Cytometry, Wiley-Liss Pub, Flow Cytometry in Clinical Diagnosis, v4, (Carey, McCoy, and Keren, eds), ASCP Press, 2007, Ormerod, M.G. (ed.) (2000) Flow Cytometry-A practical approach. 3rd edition. Oxford University Press, Oxford, UK, Ormerod, M.G. (1999) Flow Cytometry. 2nd edition. BIOS Scientific Publishers, Oxford.、および Flow Cytometry-A basic introduction. Michael G. Ormerod, 2008に見いだされる。
【0196】
いくつかの態様では、細胞は、さらなる分析のために表現型によって選別される。いくつかの態様では、同じ細胞組成物内の異なる表現型の細胞は、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって選別される。FACSは、不均質な細胞混合物を2以上の容器に、1個の細胞を一度に、各細胞の特異的な光散乱特性および蛍光特性に基づいて選別することを可能にする、特殊な形態のフローサイトメトリーである。これは、個々の細胞からの蛍光シグナルの高速で客観的かつ定量的な記録ならびに特定の関心対象の細胞の物理的分離を提供するので、有用な科学機器である。
【0197】
いくつかの態様では、表現型は、総T細胞の数または総CD3+ T細胞の数を含む。特定の態様では、組換え受容体またはCARを発現する細胞を含有する、T細胞組成物、例えば、治療用T細胞組成物は、T細胞の1以上の異なるサブタイプを含み得る。いくつかの態様では、表現型は、T細胞サブタイプのアイデンティティーであるかまたはそれを含む。T細胞の異なる集団またはサブタイプは、エフェクターT細胞、ヘルパーT細胞、メモリーT細胞、制御性T細胞、ナイーブT細胞、CD4+細胞およびCD8+ T細胞を含むが、それらに限定されない。ある特定の態様では、T細胞サブタイプは、特異的分子の存在または非存在を検出することによって特定され得る。ある特定の態様では、特異的分子は、T細胞サブタイプを特定するために使用できる表面マーカーである。
【0198】
いくつかの態様では、表現型は、表面マーカー、例えば、CD3、CD4、CD8、CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD4、CD8、CD45RAおよび/またはCD45ROである1以上の特異的分子の陽性または高レベル発現である。ある特定の態様では、表現型は、例えば1以上の表面マーカーの陽性表面マーカー発現に基づいた、T細胞のまたはT細胞の部分集団もしくはサブセットの表面マーカー、例えば、CD3+、CD4+、CD8+、CD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+および/またはCD45RO+である。いくつかの態様では、表現型は、表面マーカー、例えば、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)、分化抗原群27(CD27)、分化抗原群28(CD28)および分化抗原群45RA(CD45RA)である1以上の特異的分子の陽性または高レベル発現である。ある特定の態様では、表現型マーカーは、CCR7、CD27、CD28、CD44、CD45RA、CD62LおよびL-セレクチンを含む。いくつかの態様では、表現型は、表面マーカー、例えば、CD3、CD4、CD8、CD28、CD62L、CCR7、CD27、CD127、CD4、CD8、CD45RAおよび/またはCD45ROである1以上の特異的分子の発現の陰性または非存在である。ある特定の態様では、表現型は、例えば1以上の表面マーカーの表面マーカー発現の非存在に基づいた、T細胞のまたはT細胞の部分集団もしくはサブセットの表面マーカー、例えば、CD3-、CD4-、CD8-、CD28-、CD62L-、CCR7-、CD27-、CD127-、CD4-、CD8-、CD45RA-および/またはCD45RO-である。いくつかの態様では、表現型は、表面マーカー、例えば、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)、分化抗原群27(CD27)、分化抗原群28(CD28)および分化抗原群45RA(CD45RA)である1以上の特異的分子の発現の陰性または非存在である。ある特定の態様では、表現型マーカーは、CCR7、CD27、CD28、CD44、CD45RA、CD62LおよびL-セレクチンを含む。
【0199】
ある特定の態様では、表現型は、CD27、CCR7および/またはCD45RAの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+である。いくつかの態様では、表現型は、CD27+である。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD27+である。いくつかの態様では、表現型は、CD45RA-である。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD45RA-である。いくつかの態様では、表現型は、CD27+/CD45RA-である。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CD45RA-である。
【0200】
ある特定の態様では、表面マーカーは、組換え受容体、例えば、CARの発現を示す。特定の態様では、表面マーカーは、いくつかの局面では、抗イディオタイプ抗体などの抗体を使用して判定することができる、組換え受容体、例えばCARの発現である。いくつかの態様では、組換え受容体の発現を示す表面マーカーは、代理マーカーである。特定の態様では、そのような代理マーカーは、活性をほとんど有さないように修飾されている表面タンパク質である。ある特定の態様では、代理マーカーは、組換え受容体をコードする同じポリヌクレオチド上にコードされる。いくつかの態様では、組換え受容体をコードする核酸配列は、マーカーをコードする核酸配列に、任意で、内部リボソーム進入部位(IRES)によって、または自己切断ペプチドもしくはリボソームスキッピングを引き起こすペプチドをコードする核酸、例えばT2A(例えば、SEQ ID NO:6および17)、P2A(例えば、SEQ ID NO:18および19)、E2A(例えば、SEQ ID NO:20)もしくはF2A(例えば、SEQ ID NO:21)などの2A配列によって隔てられて、機能的に連結される。いくつかの場合には、外来性のマーカー遺伝子を、細胞の検出または選択を可能にするために、いくつかの場合には、また細胞自殺を促進するために、操作された細胞と共に利用してよい。
【0201】
例示的な代理マーカーは、短縮ヒト上皮成長因子受容体2(tHER2)、短縮上皮成長因子受容体(EGFRt、SEQ ID NO:7または16に示される例示的なEGFRt配列)もしくは前立腺特異的膜抗原(PSMA)またはその修飾された形態などの、短縮細胞表面ポリペプチドを含むことができる。EGFRtは、EGFRt構築物および組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)で操作されている細胞を特定もしくは選択するためにおよび/または該受容体を発現する細胞を排除もしくは分離するために使用することができる、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))または他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープを含有してよい。米国特許第8,802,374号およびLiu et al., Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434を参照されたい。いくつかの局面では、マーカー、例えば代理マーカーは、CD34、NGFR、または上皮成長因子受容体(例えば、tEGFR)の全てまたは一部(例えば、短縮形態)を含む。いくつかの態様では、マーカーをコードする核酸は、リンカー配列、例えば切断可能リンカー配列、例えばT2Aをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結される。例えば、マーカー、および任意でリンカー配列は、PCT公開番号WO2014031687に開示の通りのいずれかであることができる。例えば、マーカーは、任意でT2A切断可能リンカー配列などのリンカー配列に連結されている、短縮EGFR(tEGFR)であることができる。短縮EGFR(例えば、tEGFR)についての例示的なポリペプチドは、SEQ ID NO:7もしくは16に示されるアミノ酸の配列、またはSEQ ID NO:7もしくは16に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれより大きい配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
【0202】
いくつかの態様では、マーカーは、緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールドGFP、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えばtdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedまたはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青色緑色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)、および黄色蛍光タンパク質(YFP)、ならびにそれらのバリアント(蛍光タンパク質の種バリアント、単量体バリアント、ならびにコドン最適化および/または増強されたバリアントを含む)などの蛍光タンパク質であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、マーカーは、ルシフェラーゼ、大腸菌(E. coli)由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などの酵素であるかまたはそれを含む。例示的な発光レポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ(luc)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GUS)またはそれらのバリアントを含む。
【0203】
ある特定の態様では、表現型は、1以上の表面マーカーCD3、CD4、CD8、および/または組換え受容体(例えば、CAR)もしくは組換え受容体(例えば、CAR)の発現を示すかもしくはそれと相関するその代理マーカーの発現、例えば表面発現を含む。
【0204】
特定の態様では、表現型は、表面マーカーである1以上の特異的分子の発現によって特定される。ある特定の態様では、表現型は、CD3、CD4、CD8および/または組換え受容体、例えばCARの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、組換え受容体は、CARである。特定の態様では、表現型は、CD3+/CAR+、CD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+を含む。
【0205】
ある特定の態様では、表現型は、CD27、CCR7および/もしくはCD45RA、ならびに/または組換え受容体、例えばCARの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、CD27+/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、CD45RA-/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD45RA-/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、CD27+/CD45RA-/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CD45RA-/CAR+である。
【0206】
いくつかの態様では、表現型は、生存性である。ある特定の態様では、表現型は、細胞が、正常な機能的細胞プロセスを受けていることおよび/またはネクローシスもしくはプログラム細胞死を受けていないかまたはネクローシスもしくはプログラム細胞死を受けるプロセス下にないことを示している、マーカーの陽性発現である。いくつかの態様では、生存性は、細胞の酸化還元電位、細胞膜の完全性、またはミトコンドリアの活性もしくは機能によって評価することができる。いくつかの態様では、生存性は、アッセイにおける細胞死に関連する特異的分子の非存在、または細胞死の徴候の非存在である。
【0207】
いくつかの態様では、表現型は、細胞生存性であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、細胞の生存性は、当技術分野においてルーチンである多数の手段によって、検出、測定および/または評価することができる。そのような生存性アッセイの非限定例は、色素取り込みアッセイ(例えば、カルセインAMアッセイ)、XTT細胞生存性アッセイ、および色素排除アッセイ(例えば、トリパンブルー、エオシンまたはプロピジウム色素排除アッセイ)を含むが、それらに限定されない。生存性アッセイは、細胞用量、細胞組成物および/または細胞試料中の生存可能な細胞の数またはパーセンテージ(例えば、頻度)を決定するために有用である。特定の態様では、表現型は、細胞生存性を、他の特徴、例えば、組換え受容体発現と共に含む。
【0208】
ある特定の態様では、表現型は、細胞生存性、生存可能なCD3+、生存可能なCD4+、生存可能なCD8+、生存可能なCD3+/CAR+、生存可能なCD4+/CAR+、生存可能なCD8+/CAR+、生存可能なCD4+/CCR7+/CAR+、生存可能なCD8+/CD27+/CAR+、生存可能なCD4+/CD27+/CAR+、生存可能なCD8+/CCR7+/CD27+/CAR+、生存可能なCD4+/CCR7+/CD27+/CAR+、生存可能なCD8+/CCR7+/CD45RA-/CAR+もしくは生存可能なCD4+/CCR7+/CD45RA-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。
【0209】
特定の態様では、表現型は、アポトーシスおよび/または細胞がアポトーシスプロセスを受けているとの徴候の非存在であるかまたはそれを含む。アポトーシスは、特徴的な細胞の変化および死を導く一連の類型的な形態学的かつ生化学的な事象を含む、プログラム細胞死のプロセスである。これらの変化は、小疱形成、細胞収縮、核断片化、クロマチン凝縮、染色体DNA断片化および広範囲のmRNA分解を含む。アポトーシスは、よく特徴付けられているプロセスであり、様々な段階に関連する特異的分子が当技術分野において周知である。
【0210】
いくつかの態様では、表現型は、アポトーシスの早期段階の非存在、ならびに/またはアポトーシスの早期段階に関連する指示因子および/もしくは特異的分子の非存在である。アポトーシスの早期段階では、細胞膜およびミトコンドリア膜の変化が明らかになる。細胞の細胞質および核において生化学的変化も現れる。例えば、アポトーシスの早期段階は、ある特定のカスパーゼ、例えば、2、8、9および10の活性化によって示され得る。特定の態様では、表現型は、アポトーシスの後期段階の非存在、ならびに/またはアポトーシスの後期段階に関連する指示因子および/もしくは特異的分子の非存在である。アポトーシスの中期~後期の段階は、膜完全性のさらなる喪失、クロマチン凝縮およびDNA断片化によって特徴付けられ、カスパーゼ3、6および7の活性化などの生化学的事象を含む。
【0211】
ある特定の態様では、表現型は、アポトーシスを開始すると知られているアポトーシス促進性因子、例えば、死受容体経路のメンバー、ミトコンドリア(固有の)経路の活性化メンバー、例えばBcl-2ファミリーメンバー(例えば、Bax、BadおよびBid)およびカスパーゼを含めた、アポトーシスに関連する1以上の因子の陰性発現である。いくつかの態様では、表現型は、アポトーシスのマーカー陰性または少量である。ある特定の態様では、表現型は、アポトーシスのマーカーの陰性発現である。ある特定の態様では、表現型は、細胞組成物とインキュベートまたは接触させたときにアポトーシスを受けている細胞に優先的に結合する指示因子、例えば、アネキシンV分子の非存在である。いくつかの態様では、表現型は、細胞中のアポトーシス状態の指標となる1以上のマーカーの発現であるかまたはそれを含む。
【0212】
いくつかの態様では、表現型は、アポトーシスに対するマーカーである特異的分子の陰性(または低)発現である。様々なアポトーシスマーカーが業者に公知であり、1以上のカスパーゼの活性の増加、すなわち、活性化カスパーゼ(例えば、活性カスパーゼ)、PARP切断の増加、細胞死経路のメンバーであるBcl-2ファミリータンパク質、例えば、FasおよびFADDの活性化および/もしくは移行、核収縮の存在(例えば、顕微鏡によってモニタリングされる)ならびに染色体DNA断片化の存在(例えば、染色体DNAラダーの存在)またはTUNEL染色およびアネキシンV染色を含むアポトーシスアッセイによるものを含むが、それらに限定されない。
【0213】
カスパーゼは、アスパラギン酸残基の後でタンパク質を切断する酵素であり、その用語は、「システイン-アスパラギン酸プロテアーゼ」に由来する。カスパーゼは、アポトーシスに関与し、したがって、カスパーゼ-3などのカスパーゼの活性化は、アポトーシスの増加または復活の指標となる。ある特定の態様では、カスパーゼ活性化は、当業者に公知の方法によって検出することができる。いくつかの態様では、活性化カスパーゼに特異的に結合する(すなわち、切断されたポリペプチドに特異的に結合する)抗体を使用して、カスパーゼ活性化を検出することができる。別の例では、カスパーゼ活性の蛍光色素阻害剤(FLICA)アッセイを利用して、カスパーゼ-3によるアセチルAsp-Glu-Val-Asp 7-アミド-4-メチルクマリン(Ac-DEVD-AMC)の加水分解を検出(すなわち、蛍光7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC)の放出を検出)することによって、カスパーゼ-3活性化を検出することができる。FLICAアッセイを使用して、多数のカスパーゼによってプロセシングされた基質の産物を検出することによって、カスパーゼ活性化を判定することができる(例えば、FAM-VAD-FMK FLICA)。他の技法は、発光原性カスパーゼ-8テトラペプチド基質(Z-LETD-アミノルシフェリン)、カスパーゼ-9テトラペプチド基質(Z-LEHD-アミノルシフェリン)、カスパーゼ-3/7基質(Z-DEVD-アミノルシフェリン)、カスパーゼ-6基質(Z-VEID-アミノルシフェリン)、またはカスパーゼ-2基質(Z-VDVAD-アミノルシフェリン)を使用する、The CASPASE-GLO(登録商標)カスパーゼアッセイ(PROMEGA)を含む。
【0214】
ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ-1、活性化カスパーゼ-2、活性化カスパーゼ-3、活性化カスパーゼ-7、活性化カスパーゼ-8、活性化カスパーゼ-9、活性化カスパーゼ-10および/または活性化カスパーゼ-13の細胞中の陰性発現であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、カスパーゼ(例えば、上記のいずれか)の代用形(開裂された酵素前駆体)の形態もまた、アポトーシスの存在を示すマーカーである。いくつかの態様では、表現型は、カスパーゼ-3の代用形などのカスパーゼの代用形の非存在または陰性発現であるかまたはそれを含む。
【0215】
いくつかの態様では、アポトーシスのマーカーは、ポリADP-リボースポリメラーゼ1(PARP)によって切断される。PARPは、アポトーシスの早期段階の間にカスパーゼによって切断される。したがって、切断されたPARPペプチドの検出は、アポトーシスに対するマーカーである。特定の態様では、表現型は、切断されたPARPの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。
【0216】
いくつかの態様では、アポトーシスのマーカーは、アポトーシスに関連する細胞中の特徴を検出する試薬である。ある特定の態様では、試薬は、アネキシンV分子である。アポトーシスの早期段階の間、脂質ホスファチジルセリン(PS)は、原形質膜の内部から外葉へと移行する。PSは、通常、健康および/または非アポトーシス細胞中の内膜に限局されている。アネキシンVは、ホスファチジルセリン(PS)に高親和性で優先的に結合するタンパク質である。蛍光タグまたは他のレポーターにコンジュゲートさせると、アネキシンVを使用して、アポトーシスのこの早期の細胞表面指示因子を迅速に検出することができる。いくつかの態様では、外膜上のPSの存在は、アポトーシスの後期段階まで持続する。したがって、いくつかの態様では、アネキシンV染色は、アポトーシスの早期および後期の両段階の徴候である。ある特定の態様では、アネキシン、例えばアネキシンVを、検出可能な標識でタグ化し、細胞組成物の細胞とインキュベートし、それに曝露させ、および/またはそれと接触させて、アポトーシスを受けている細胞を、例えばフローサイトメトリーによって検出する。いくつかの態様では、蛍光タグ化されたアネキシン、例えば、アネキシンVを使用して、フローサイトメトリー解析のために細胞を、例えばアネキシン-V/7-AADアッセイを用いて染色する。アネキシンを用いたアポトーシス検出に好適な代替プロトコルは、放射標識されたアネキシンVを利用する技法およびアッセイを含む。ある特定の態様では、表現型は、アネキシンによる陰性染色、例えばアネキシンV-であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、外側の原形質膜上のPSの非存在であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、アネキシン、例えばアネキシンVが結合していない細胞であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、外膜上の検出可能なPSを欠いている細胞は、アネキシンV-である。特定の態様では、標識アネキシンVとのインキュベーション後にアッセイ、例えば、フローサイトメトリーにおいてアネキシンV-が結合していない細胞は、アネキシンV-である。
【0217】
特定の態様では、表現型は、アネキシンV-、アネキシンV-CD3+、アネキシンV-CD4+、アネキシンV-CD8+、アネキシンV-CD3+/CAR+、アネキシンV-CD4+/CAR+、アネキシンV-CD8+/CAR+、活性化カスパーゼ3-、活性化カスパーゼ3-/CD3+、活性化カスパーゼ3-/CD4+、活性化カスパーゼ3-/CD8+、活性化カスパーゼ3-/CD3+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+、アネキシンV-/CD4+/CCR7+/CAR+、アネキシンV-/CD8+/CD27+/CAR+、アネキシンV-/CD4+/CD27+/CAR+、アネキシンV-/CD8+/CCR7+/CD27+/CAR+、アネキシンV-/CD4+/CCR7+/CD27+/CAR+、アネキシンV-/CD8+/CCR7+/CD45RA-/CAR+もしくはアネキシンV-/CD4+/CCR7+/CD45RA-;活性化カスパーゼ3-/CD4+/CCR7+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CD27+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CD27+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CCR7+/CD27+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CCR7+/CD27+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CCR7+/CD45RA-/CAR+もしくは活性化カスパーゼ3-/CD4+/CCR7+/CD45RA-、またはそれらの組み合わせである。
【0218】
特定の態様は、アポトーシスに対するマーカーの発現について陽性の細胞が、プログラム細胞死を受けていること、免疫機能の低減または消失を示すこと、ならびに、もしあれば、活性化、増大を受けかつ/または抗原に結合して、免疫応答または活性を開始、実施、またはそれに寄与する能力の減少を有することを想定する。特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼについての陰性発現および/またはアネキシンVによる陰性染色によって定義される。
【0219】
ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-(カスパーゼ3-)および/またはアネキシンV-であるかまたはそれを含む。
【0220】
中でも、表現型は、T細胞の1以上のサブタイプもしくは部分集団、またはそれらの表現型に一般的に関連する1以上のマーカーの発現または表面発現である。T細胞サブタイプおよび部分集団は、ナイーブT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、メモリーT細胞およびそれらのサブタイプ、例えば幹細胞メモリーT(TSCM)、セントラルメモリーT(TCM)、エフェクターメモリーT(TEM)、TEMRA細胞または最終分化エフェクターメモリーT細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、未成熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞、天然に存在する適応制御性T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞、例えばTH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、瀘胞ヘルパーT細胞、アルファ/ベータT細胞、およびデルタ/ガンマT細胞を含み得る、CD4+および/またはCD8+ T細胞ならびにそれらのサブタイプを含み得る。
【0221】
いくつかの局面では、表現型の中には、発現またはマーカーまたは機能、例えば、分化の進んでいない細胞サブセットまたは分化の進んだサブセットに関連する、サイトカイン分泌などの抗原特異的機能が含まれる。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+、CD27+およびインターロイキン-2(IL-2)の産生の1以上などの、分化の進んでいないサブセットに関連するものである。いくつかの局面では、分化の進んでいないサブセットはまた、治療有効性、自己再生、生存機能または移植片対宿主病にも関係し得る。いくつかの態様では、表現型は、インターフェロン-ガンマ(IFN-γ)またはIL-13の産生の1以上などの、分化の進んだサブセットに関連するものである。いくつかの局面では、分化の進んだサブセットはまた、老化およびエフェクター機能にも関係し得る。
【0222】
いくつかの態様では、表現型は、それらの同族抗原に曝露されたメモリーT細胞またはメモリーT細胞サブセットの表現型であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、TCM細胞、TEM細胞もしくはTEMRA細胞、TSCM細胞、またはそれらの組み合わせなどの、メモリーT細胞(またはそれに関連する1以上のマーカー)の表現型であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、メモリーおよび/もしくはメモリーT細胞またはそれらのサブタイプに対するマーカーである1以上の特異的分子の発現であるかまたはそれを含む。いくつかの局面では、TCM細胞に関連する例示的な表現型は、CD45RA-、CD62L+、CCR7+およびCD95+の1以上を含むことができる。いくつかの局面では、TEM細胞に関連する例示的な表現型は、CD45RA-、CD62L-、CCR7-およびCD95+の1以上を含むことができる。
【0223】
特定の態様では、表現型は、ナイーブT細胞に対するマーカーである1以上の特異的分子の発現であるかまたはそれを含む。
【0224】
いくつかの態様では、表現型は、メモリーT細胞またはナイーブT細胞であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、メモリーに対するマーカーである1以上の特異的分子の陽性または陰性発現である。いくつかの態様では、メモリーマーカーは、メモリーT細胞集団を定義するために使用され得る特異的分子である。
【0225】
いくつかの態様では、表現型は、非メモリーT細胞またはそのサブタイプに関連する1以上のマーカーの表現型であるかまたはそれを含む;いくつかの局面では、それは、ナイーブ細胞に関連する表現型もしくはマーカーであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CD28+/CD45RA+である。ある特定の態様では、表現型は、CCR7+/CD45RA+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、セントラルメモリーT細胞の表現型であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CD28+/CD45RA-であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CCR7-/CD27+/CD28+/CD45RA-であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、TEMRA細胞またはTSCM細胞のものであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、CD45RA+であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CCR7-/CD27-/CD28-/CD45RA+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD27+/CD28+、CD27-/CD28+、CD27+/CD28-またはCD27-/CD28-の1つであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CD45RA+である。ある特定の態様では、表現型は、CCR7+/CD45RA+であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CCR7+/CD27+/CD45RA-であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CCR7-/CD27+/CD45RA-であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、CD45RA+であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CCR7-/CD27-/CD45RA+であるかまたはそれを含む。
【0226】
いくつかの態様では、表現型は、前述の表現型特性のいずれかであるかまたはそれを含み、かつ、メモリーT細胞もしくはメモリーサブタイプに関連しCARを発現する表現型、またはCARを発現するナイーブ細胞に関連する表現型などの組換え受容体の発現をさらに含む。ある特定の態様では、表現型は、CARを発現するセントラルメモリーT細胞またはステムセントラルメモリーT細胞のものであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CARを発現するエフェクターメモリー細胞のものであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CARを発現するTEMRA細胞のものであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CAR+/CCR7+/CD27+/CD28+/CD45RA-;CAR+/CCR7-/CD27+/CD28+/CD45RA-;CAR+/CCR7-/CD27-/CD28-/CD45RA+;CAR+/CD27+/CD28+;CAR+/CD27-/CD28+;CAR+/CD27+/CD28-;またはCAR+/CD27-/CD28-であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CAR+/CCR7+/CD27+/CD45RA-;CAR+/CCR7-/CD27+/CD45RA-;CAR+/CCR7-/CD27-/CD28-/CD45RA+;CAR+/CD27+;CAR+/CD27-;CAR+/CD27+/CD28-;またはCAR+/CD27-/CD28-であるかまたはそれを含む。
【0227】
ある特定の態様では、表現型は、アポトーシスのマーカーについて陰性であるT細胞の表現型であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、アポトーシスのマーカーについて陰性であるナイーブ細胞であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、アポトーシスのマーカーは、活性化カスパーゼ3である。いくつかの態様では、アポトーシスのマーカーは、アネキシンVによる陽性染色である。
【0228】
特定の態様では、表現型は、CARを発現するアポトーシスのマーカーについて陰性であるメモリーT細胞またはそのサブタイプのものであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CARを発現するアポトーシスのマーカーについて陰性であるメモリーT細胞または特定のサブタイプのものであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、CARを発現するアポトーシスのマーカーについて陰性であるナイーブ細胞であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、CARを発現するアポトーシスのマーカーについて陰性であるセントラルメモリーT細胞またはTSCM細胞またはナイーブ細胞のものであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CARを発現するアポトーシスのマーカーについて陰性であるエフェクターメモリー細胞のものであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、アネキシンV-/CAR+/CCR7+/CD27+/CD28+/CD45RA-;アネキシンV-/CAR+/CCR7-/CD27+/CD28+/CD45RA-;アネキシンV-/CAR+/CCR7-/CD27-/CD28-/CD45RA+;アネキシンV-/CAR+/CD27+/CD28+;アネキシンV-/CAR+/CD27-/CD28+;アネキシンV-/CAR+/CD27+/CD28-;またはアネキシンV-/CAR+/CD27-/CD28-であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7+/CD27+/CD28+/CD45RA-;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-/CD27+/CD28+/CD45RA-;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-/CD27-/CD28-/CD45RA+;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+/CD28+;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-/CD28+;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+/CD28-;または活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-/CD28-であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、アネキシンV-/CAR+/CCR7+/CD27+/CD45RA-;アネキシンV-/CAR+/CCR7-/CD27+/CD45RA-;アネキシンV-/CAR+/CCR7-/CD27-/CD45RA+;アネキシンV-/CAR+/CD27+/CD28+;アネキシンV-/CAR+/CD27-/CD28+;アネキシンV-/CAR+/CD27+;またはアネキシンV-/CAR+/CD27-であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7+/CD27+/CD45RA-;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-/CD27+/CD45RA-;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-/CD27-/CD45RA+;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+/CD28+;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-/CD28+;活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+;または活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-であるかまたはそれを含む。
【0229】
特定の態様では、表現型は、CD27+/CD28+、CD27-/CD28+、CD27+/CD28-、CD27-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CAR+/CD27+/CD28+、CAR+/CD27-/CD28+、CAR+/CD27+/CD28-、CAR+/CD27-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+/CD28+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-/CD28+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+/CD28-、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、アネキシンV-/CAR+/CD27+/CD28+、アネキシンV-/CAR+/CD27-/CD28+、アネキシンV-/CAR+/CD27+/CD28-、アネキシンV-/CAR+/CD27-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CD27+、CD27-、CD27+、CD27-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CAR+/CD27+、CAR+/CD27-、CAR+/CD27+、CAR+/CD27-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CD27-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、アネキシンV-/CAR+/CD27+、アネキシンV-/CAR+/CD27-、アネキシンV-/CAR+/CD27+、アネキシンV-/CAR+/CD27-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。
【0230】
特定の態様では、表現型は、CCR7+/CD28+、CCR7-/CD28+、CCR7+/CD28-、CCR7-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CAR+/CCR7+/CD28+、CAR+/CCR7-/CD28+、CAR+/CCR7+/CD28-、CAR+/CCR7-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7+/CD28+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-/CD28+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7+/CD28-、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、アネキシンV-/CAR+/CCR7+/CD28+、アネキシンV-/CAR+/CCR7-/CD28+、アネキシンV-/CAR+/CCR7+/CD28-、アネキシンV-/CAR+/CCR7-/CD28-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CCR7+、CCR7-、CCR7+、CCR7-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CAR+/CCR7+、CAR+/CCR7-、CAR+/CCR7+、CAR+/CCR7-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7+、活性化カスパーゼ3-/CAR+/CCR7-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、アネキシンV-/CAR+/CCR7+、アネキシンV-/CAR+/CCR7-、アネキシンV-/CAR+/CCR7+、アネキシンV-/CAR+/CCR7-、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。
【0231】
いくつかの態様では、表現型は、枯渇のマーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、枯渇に関連する特異的分子の陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、特異的分子は、枯渇に関連する任意の分子または枯渇に関連する品質、例えば、不十分なエフェクター機能または阻害性受容体発現である。特定の態様では、表現型は、免疫チェックポイント阻害剤の陽性または陰性発現である。特定の態様では、枯渇のマーカーは、CTLA-4、FOXP3、PD-1、TIGIT、LAB-3、2B4、BTLA、TIM3、VISTAもしくはCD96、またはそれらの組み合わせである。ある特定の態様では、表現型は、CTLA-4、FOXP3、PD-1、TIGIT、LAB-3、2B4、BTLA、TIM3、VISTAもしくはCD96、またはそれらの組み合わせの陽性または陰性発現である。特定の態様では、表現型は、PD1および/またはFOXP3の陽性または陰性発現である。
【0232】
いくつかの態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD3+細胞中の枯渇マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD4+細胞中の枯渇マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、枯渇マーカーの陽性または陰性発現、およびCD3+、および組換え受容体またはCARの陽性発現であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD4+細胞中の枯渇マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD8+細胞中の枯渇マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。特定の態様では、枯渇マーカーは、CTLA-4、FOXP3、PD-1、TIGIT、LAB-3、2B4、BTLA、TIM3、VISTAまたはCD96の1以上である。特定の態様では、枯渇マーカーは、PD1および/またはFOXP3である。
【0233】
特定の態様では、表現型は、PD1-/CD3+、PD1-/CD4+、PD1-/CD8+、PD1-/CD3+/CAR+、PD1-/CD4+/CAR+、PD1-/CD8+/CAR+、PD1-/アネキシンV-、PD1-/アネキシンV-/CD3+、PD1-/アネキシンV-/CD4+、PD1-/アネキシンV-/CD8+、PD1-/アネキシンV/-CD3+/CAR+、PD1-/アネキシンV-/CD4+/CAR+、PD1-/アネキシンV-/CD8+/CAR+、PD1-/活性化カスパーゼ3-、PD1-/活性化カスパーゼ3-/CD3+、PD1-/活性化カスパーゼ3-/CD4+、PD1-/活性化カスパーゼ3-/CD8+、PD1-/活性化カスパーゼ3-/CD3+/CAR+、PD1-/活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+、PD1-/活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。
【0234】
ある特定の態様では、表現型は、FOXP3-/CD3+、FOXP3-CD4+、FOXP3-/CD8+、FOXP3-/CD3+/CAR+、FOXP3-/CD4+/CAR+、FOXP3-/CD8+/CAR+、FOXP3-/アネキシンV-、FOXP3-/アネキシンV-/CD3+、FOXP3-/アネキシンV-/CD4+、FOXP3-/アネキシンV-/CD8+、FOXP3-/アネキシンV/-CD3+/CAR+、FOXP3-/アネキシンV-/CD4+/CAR+、FOXP3-/アネキシンV-/CD8+/CAR+、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-/CD3+、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-/CD4+、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-/CD8+、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-/CD3+/CAR+、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+、FOXP3-/活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。
【0235】
ある特定の態様では、表現型は、T細胞活性化に関連する特異的分子の陰性発現である。いくつかの態様では、表現型は、活性化マーカーである特異的分子の1以上の陰性発現であるかまたはそれを含む。一般に、T細胞活性化は、2つの同時シグナルを必要とする。第一は、ペプチド抗原を担持する主要組織適合性複合体(MHC)分子へのT細胞受容体複合体(TCR)の結合である。第二は、B7-2またはB7-1などのAPCの表面中のタンパク質への共刺激性受容体CD28の結合によって提供される。ある特定の態様では、特異的分子は、TCR活性化に関連する、例えば、T細胞活性化の結果として、活性化される、変更されるまたは発現される。いくつかの態様では、特異的分子は、CD28受容体、例えば、T細胞活性化の結果として、活性化される、変更されるまたは発現される分子の活性化に関連する。
【0236】
特定の態様では、表現型は、活性化マーカーである特異的分子の1以上の陰性発現であるかまたはそれを含む。ある特定の態様の1以上では、活性化マーカーは、CD25、CD26、CD27、CD28、CD30、CD71、CD154、CD40L、CD127、LAG3、Ki67、またはそれらの組み合わせの1以上である。ある特定の態様では、表現型は、CD25、CD26、CD27、CD28、CD30、CD71、CD154、CD40L、CD127、LAG3またはKi67の1以上の陰性または陽性発現である。ある特定の態様では、表現型は、CD25、CD127、LAG3、Ki67、またはそれらの組み合わせの発現であるかまたはそれを含む。
【0237】
いくつかの態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD3+細胞中の活性化マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD4+細胞中の活性化マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、組換え受容体またはCARを発現するCD8+細胞中の活性化マーカーの陽性または陰性発現であるかまたはそれを含む。特定の態様では、活性化マーカーは、CD25、CD26、CD27、CD28、CD30、CD71、CD154、CD40L、CD127、LAG3またはKi67の1以上である。特定の態様では、活性化マーカーは、CD25、CD127、LAG3、Ki67、またはそれらの組み合わせである。
【0238】
特定の態様では、表現型は、活性化マーカーの陽性または陰性発現、ならびにCD3+、CD4+、CD8+、CD3+/CAR+、CD4+/CAR+、CD8+/CAR+、アネキシンV-、アネキシンV-/CD3+、アネキシンV-/CD4+、アネキシンV-/CD8+、アネキシンV/-CD3+/CAR+、アネキシンV-/CD4+/CAR+、アネキシンV-/CD8+/CAR+、活性化カスパーゼ3-、活性化カスパーゼ3-/CD3+、活性化カスパーゼ3-/CD4+、活性化カスパーゼ3-/CD8+、活性化カスパーゼ3-/CD3+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。
【0239】
いくつかの態様では、表現型は、刺激物、例えば、免疫細胞機能を誘発する、誘導する、刺激するまたは延長する刺激物に対する応答によって評価される。ある特定の態様では、細胞は、刺激条件または刺激物質の存在下でインキュベートされ、表現型は、刺激に対する応答であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、1以上の刺激に応答した可溶性因子の産生または分泌であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、1以上の刺激に応答した可溶性因子の欠如または産生または分泌であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、可溶性因子は、サイトカインである。いくつかの態様では、サイトカインは、IL-2である。いくつかの態様では、サイトカインは、TNFaである。
【0240】
該条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば、栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオン、および/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体、ならびに細胞を活性化するように設計された任意の他の作用物質の1以上を含むことができる。いくつかの態様では、細胞は、刺激され、表現型は、可溶性因子、例えば、サイトカインまたはケモカインが産生または分泌されるか否かによって判定される。いくつかの態様では、刺激は、非特異的であり、すなわち、抗原特異的刺激ではない。いくつかの態様では、刺激は、PMAおよびイオノマイシンを含む。いくつかの態様では、細胞は、刺激条件または刺激物質の存在下で、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約18時間、約24時間、約48時間、または1時間~4時間、1時間~12時間、12時間~24時間の期間、または24時間を超える期間インキュベートされる。
【0241】
いくつかの態様では、細胞は、組換え受容体に特異的である抗原もしくはそのエピトープである、または組換え受容体に結合するおよび/もしくはそれを認識する抗体もしくはその断片である、またはそれらの組み合わせである、作用物質で刺激される。いくつかの態様では、組換え受容体は、CARであり、そして、作用物質は、CARに特異的である抗原もしくはそのエピトープである、またはCARに結合するおよび/もしくはそれを認識する抗体もしくはその断片である、またはそれらの組み合わせである。特定の態様では、細胞は、CARによって認識される抗原の表面発現を有する標的細胞の存在下で細胞をインキュベートすることによって刺激される。ある特定の態様では、組換え受容体は、CARであり、そして、作用物質は、CARに結合する抗体またはその活性断片、バリアントもしくは部分である。ある特定の態様では、CARに結合する抗体またはその活性断片、バリアントもしくは部分は、抗イディオタイプ(抗ID)抗体である。
【0242】
いくつかの態様では、刺激条件または作用物質は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを刺激/活性化することができる、1以上の作用物質、例えば、リガンドを含む。いくつかの局面では、作用物質は、T細胞においてTCR/CD3細胞内シグナルカスケードを有効にするかまたは開始する。そのような作用物質は、抗体、例えばTCR成分および/または共刺激性受容体に特異的なもの、例えば、抗CD3、抗CD28(例えば、ビーズなどの固体支持体に結合している)、および/または1以上のサイトカインを含むことができる。いくつかの態様では、1以上の作用物質は、PMAおよびイオノマイシンである。
【0243】
特定の態様では、表現型は、刺激の1以上に応答したサイトカインの産生または分泌であるかまたはそれを含む。サイトカインの産生および/または分泌は、免疫応答に寄与し、抗ウイルスタンパク質の誘導およびT細胞増殖の誘導を含めた異なるプロセスに関与する。サイトカインは、あらかじめ形成されている因子ではなく、細胞の活性化に応答して急速に産生および分泌される。サイトカインの産生または分泌は、当技術分野において公知の任意の好適な技法によって測定、検出、および/または定量され得る。
【0244】
ある特定の態様では、表現型は、1以上のサイトカインの産生である。いくつかの態様では、同じ細胞からの2以上のサイトカインの産生は、そのような細胞の多機能的特徴の指標となり得る。特定の態様では、1以上のサイトカインの産生は、細胞内サイトカイン染色によって、測定、検出、および/または定量される。フローサイトメトリーによる細胞内サイトカイン染色(ICS)は、サイトカイン産生を単一細胞レベルで研究するために十分に適合された技法である。それは、細胞刺激後の小胞体内のサイトカインの産生および蓄積を検出し、それによって、特定のサイトカインの産生についてまたは閾値に基づいた高産生細胞と低産生細胞の分離について陽性または陰性である細胞集団の特定が可能となる。いくつかの態様では、上記のように、刺激は、非特異的な刺激(例えば、抗原特異的刺激ではない)を使用して実施することができる。例えば、PMA/イオノマイシンを非特異的な細胞刺激に使用することができる。いくつかの態様では、刺激は、組換え受容体(例えば、CAR)に特異的である抗原もしくはそのエピトープである、または組換え受容体に結合するおよび/もしくはそれを認識する抗体もしくはその断片である、またはそれらの組み合わせである、作用物質によって実施することができる。ICSはまた、細胞表面マーカーを使用したイムノフェノタイピング用の他のフローサイトメトリープロトコル、または特定の細胞の部分群におけるサイトカイン産生にアクセスするMHC多量体と組み合わせて使用することもでき、このことから、ICSは、極めて柔軟かつ汎用的な方法となる。サイトカイン産生を測定または検出するための他の単一細胞技法は、ELISPOT、限界希釈およびT細胞クローニングを含むが、それらに限定されない。
【0245】
いくつかの態様では、表現型は、組換え受容体に特異的なおよび/またはそれによって認識される抗原による組換え受容体の刺激後などの、サイトカインの産生である。特定の態様では、表現型は、組換え受容体に特異的なおよび/またはそれによって認識される抗原による組換え受容体の刺激後などの、サイトカインの産生の欠如である。特定の態様では、表現型は、サイトカインの産生について陽性であるかまたはその高レベル産生である。ある特定の態様では、表現型は、サイトカインの産生について陰性であるかまたはその低レベル産生である。サイトカインは、インターロイキン-1(IL-1)、IL-1β、IL-2、sIL-2Ra、IL-3、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、IL-13、IL 27、IL-33、IL-35、TNF、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、CXCL2、CCL2、CCL3、CCL5、CCL17、CCL24、PGD2、LTB4、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1α、MIP-1β、Flt-3L、フラクタルカイン、および/またはIL-5を含み得るが、それらに限定されない。いくつかの態様では、表現型は、サイトカイン、例えば、Th1、Th2、Th17および/またはTregサブタイプに関連するサイトカインなどの特定の細胞タイプに関連するサイトカインの産生を含む。いくつかの態様では、例示的なTh1に関係するサイトカインは、IL-2、IFN-γおよびトランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF-β)を含み、いくつかの場合に、細胞の免疫応答に関与する。いくつかの態様では、例示的なTh2に関係するサイトカインは、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10およびIL-13を含み、いくつかの場合に、体液性免疫および抗炎症特性に関連する。いくつかの態様では、例示的なTh17に関係するサイトカインは、IL-17AおよびIL-17Fを含み、いくつかの場合に、例えば炎症反応の間の、好中球およびマクロファージの動員に関与する。
【0246】
いくつかの態様では、表現型は、サイトカインの産生であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、1を超えるサイトカインの産生(例えば、多機能性)であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、1以上のサイトカインの産生の欠如であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、IL-2、IL-5、IL-13、IFN-ガンマまたはTNF-アルファの1以上の産生またはその欠如であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、IL-2、IL-13、IFN-ガンマまたはTNF-アルファの1以上の産生またはその欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、サイトカインの産生の存在、および/またはその高レベル産生の存在である。いくつかの態様では、表現型は、低いサイトカイン産生、低減されたサイトカイン産生またはサイトカイン産生の非存在である。
【0247】
いくつかの態様では、表現型は、例えば、分泌が阻止または阻害されたとき刺激物質の存在下または刺激条件下で測定された場合の、サイトカインの内部(細胞内)産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、刺激物質は、非特異的な刺激物質、例えば、抗原結合ドメイン(例えば、組換え受容体(例えば、CAR)上の)に結合しない刺激物質である。いくつかの態様では、刺激物質は、非特異的な刺激物質として作用することができるPMA/イオノマイシンである。いくつかの態様では、刺激物質は、特異的な刺激物質であり、例えば、組換え受容体(例えば、CAR)に特異的である抗原もしくはそのエピトープである、または組換え受容体に結合するおよび/もしくはそれを認識する抗体もしくはその断片である、またはそれらの組み合わせである、刺激物質である。特定の態様では、表現型は、サイトカインの内部産生の欠如または非存在であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、ICSアッセイで測定された場合の、1を超えるサイトカインの産生時の1以上のサイトカインの内部量であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、ICSアッセイで測定された場合の、IL-2、IL-5、IL-13、IFN-ガンマまたはTNF-アルファの1以上の内部量であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、ICSアッセイで測定された場合の、1以上のサイトカインの低い内部量または検出可能な量の欠如であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、ICSアッセイで測定された場合の、IL-2、IL-5、IL-13、IFN-ガンマまたはTNF-アルファの低い内部量または検出可能な量の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、例えば、多重化アッセイまたは多機能性を評価するアッセイ(例えば、Xue et al., (2017) Journal for ImmunoTherapy of Cancer 5:85を参照のこと)による、複数のサイトカインの評価を含む。いくつかの態様では、サイトカイン発現の欠如は、細胞の活性および/もしくは機能ならびに/または応答の持続期間および無増悪生存と逆に相関するかまたは関連する。いくつかの態様では、サイトカイン産生が低減された、それが最小であるまたはそれがないと任意の公知の方法または本明細書に記載の方法に従って評価された細胞は、細胞組成物(例えば、アウトプット組成物、治療用細胞組成物)中で低減される。
【0248】
特定の態様は、表現型がサイトカインの産生またはサイトカインの産生の欠如もしくはその量が少ないことを含み得ることを想定する。これは、サイトカインのアイデンティティー、サイトカインを検出するために実施されるアッセイ、およびアッセイと共に使用される刺激物質または条件を含むがそれらに限定されない数種の因子に依存し得る。例えば、いくつかの態様では、表現型が、ICSによって示された場合のIL-13産生の欠如またはそのレベルが低いことであるかまたはそれを含む一方で、いくつかの態様では、表現型が、ICSによって示された場合のIFN-ガンマの産生であるかまたはそれを含むことが想定される。
【0249】
いくつかの態様では、表現型は、1以上のサイトカインの産生、ならびにCD3+、CD4+、CD8+、CD3+/CAR+、CD4+/CAR+、CD8+/CAR+、アネキシンV-、アネキシンV-CD3+、アネキシンV-CD4+、アネキシンV-CD8+、アネキシンV-CD3+/CAR+、アネキシンV-CD4+/CAR+、アネキシンV-CD8+/CAR+、活性化カスパーゼ3-、活性化カスパーゼ3-/CD3+、活性化カスパーゼ3-/CD4+、活性化カスパーゼ3-/CD8+、活性化カスパーゼ3-/CD3+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+、もしくは活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+のいずれか、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、CD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+中の1以上のサイトカインの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、1以上のサイトカインは、IL-2、IFN-ガンマ、および/またはTNF-アルファである。いくつかの態様では、表現型は、CD4+/CAR+細胞中のIL-2の産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD4+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびIFN-ガンマの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD8+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD8+/CAR+細胞中のIFN-ガンマおよびTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2の産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびIFN-ガンマの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+細胞中のIFN-ガンマおよびTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、アネキシンV-/CD4+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、アネキシンV-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、アネキシンV-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびIFN-ガンマの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、アネキシンV-/CD8+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、アネキシンV-/CD8+/CAR+細胞中のIFN-ガンマおよびTNF-アルファの産生であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、この段落に記載の表現型は、持続可能な応答および無増悪生存と正に相関する。したがって、いくつかの態様では、これらの表現型を含む細胞は、細胞組成物(例えば、アウトプット組成物、治療用細胞組成物)中で最大化または増加される。いくつかの態様では、細胞組成物は、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができる、CD4+ T細胞、例えば組換え受容体(例えば、CAR)を発現する操作されたCD4 T細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%を組成物中に含む。いくつかの態様では、細胞組成物は、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性である、CD4+ T細胞、例えば組換え受容体(例えば、CAR)を発現する操作されたCD4 T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、または10%もしくは約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、または25%もしくは約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、あるいはより多くを組成物中に含む。
【0250】
いくつかの態様では、表現型は、1以上のサイトカインの産生の欠如であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、1以上のサイトカインの産生の欠如、ならびにCD3+、CD4+、CD8+、CD3+/CAR+、CD4+/CAR+、CD8+/CAR+、アネキシンV-、アネキシンV-CD3+、アネキシンV-CD4+、アネキシンV-CD8+、アネキシンV-CD3+/CAR+、アネキシンV-CD4+/CAR+、アネキシンV-CD8+/CAR+、活性化カスパーゼ3-、活性化カスパーゼ3-/CD3+、活性化カスパーゼ3-/CD4+、活性化カスパーゼ3-/CD8+、活性化カスパーゼ3-/CD3+/CAR+、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+、もしくは活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+のいずれか、またはそれらの組み合わせであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、1以上のサイトカインは、IL-2、IFN-ガンマ、および/またはTNF-アルファである。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2の産生の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびTNF-アルファの産生の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD4+/CAR+細胞中のIL-2およびIFN-ガンマの産生の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+細胞中のTNF-アルファの産生の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化カスパーゼ3-/CD8+/CAR+細胞中のINF-ガンマおよびTNF-アルファの産生の欠如であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、この段落に記載の表現型は、持続可能な応答および無増悪生存と負に相関する。したがって、いくつかの態様では、これらの表現型を含む細胞は、細胞組成物(例えば、アウトプット組成物、治療用細胞組成物)中で最小化または低減される。例えば、いくつかの態様では、この段落の表現型を含む細胞は、細胞組成物(例えば、アウトプット組成物、治療用細胞組成物)中の総細胞の2%、5%、10%、15%、20%または25%未満を構成する。
【0251】
特定の態様では、表現型は、ICSアッセイで測定された場合のIL-2、IL-13、IFN-ガンマまたはTNF-アルファの1以上の内部量および特定の細胞タイプの細胞サブセットまたは細胞に対する1以上の特異的マーカーの存在または非存在であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、IL-2、IL-13、IFN-ガンマまたはTNF-アルファの1以上の産生またはその欠如、ならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、IL-2の産生ならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、IL-2の産生の欠如または産生が低いことならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、IL-13の産生ならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、IL-13の産生ならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、IL-13の産生の欠如または産生が低いことならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、IFN-ガンマの産生ならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、TNF-アルファの産生ならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、TNF-アルファの産生の欠如または産生が低いことならびにCD4+/CAR+および/またはCD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。
【0252】
任意の1以上の表現型は、単独でまたは組み合わせで、提供される方法に従って評価または判定することができる。いくつかの態様では、表現型は、CD3+、CD3+/CAR+、CD4+/CAR+、CD8+/CAR+、またはそれらの組み合わせである。
【0253】
ある特定の態様では、表現型は、CD3+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、CD3+/CAR+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、CD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、CD4+/CAR+であるかまたはそれを含む。
【0254】
特定の態様では、表現型は、アネキシン-/CD3+/CAR+であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、アネキシン-/CD4+/CAR+であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、アネキシン-/CD8+/CARである。
【0255】
特定の態様では、表現型は、細胞内IL-2の欠如またはその量が低いことおよびCD4+/CAR+であるかまたはそれを含む。特定の態様では、表現型は、細胞内IL-13の欠如またはその量が低いことおよびCD4+/CAR+である。いくつかの態様では、表現型は、IL-13の細胞内発現の欠如またはその量が低いことおよびCD8+/CAR+細胞である。特定の態様では、表現型は、細胞内TNF-アルファの欠如またはその量が低いこと、CD4+/CAR+である。
【0256】
ある特定の態様では、表現型は、CD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。ある特定の態様では、表現型は、アネキシン-/CD8+/CAR+であるかまたはそれを含む。
【0257】
いくつかの態様では、表現型は、任意で抗原もしくは組換え受容体に非特異的なおよび/またはポリクローナルで産生される、サイトカインの1つまたは組み合わせ(1以上のサイトカインは、IL-2、IL-13、IL-17、IFN-ガンマまたはTNF-アルファである)の産生の指示因子を含む。いくつかの態様では、産生の指示因子は、T細胞組成物の試料をポリクローナル作用物質、抗原特異的作用物質または組換え受容体(任意でCAR)に結合する作用物質とインキュベートすることを含むアッセイ、任意で細胞内サイトカイン染色アッセイで測定される。いくつかの態様では、作用物質は、PMAおよびイオノマイシンであるかもしくはそれを含み、または、T細胞受容体もしくはT細胞受容体複合体アゴニストであるかもしくはそれを含む。いくつかの態様では、表現型は、活性化マーカーの陰性発現であって、CD25、CD127、LAG3、Ki67およびそれらの組み合わせの中から選択される活性化マーカーの陰性発現を含む。いくつかの態様では、表現型は、枯渇マーカーの陰性発現であって、PD1もしくはFOXP3遺伝子産物またはそれらの組み合わせである枯渇マーカーの陰性発現を含む。いくつかの態様では、表現型は、ナイーブ表現型またはメモリー表現型を含み、任意で、メモリー表現型は、Tエフェクターメモリー表現型、Tセントラルメモリー表現型、またはCD45RA(Temra)を発現するTエフェクターメモリー表現型を含む。
【0258】
いくつかの態様では、組換え受容体(例えば、CAR)に依存的な活性は、炎症促進性サイトカイン、任意で、TNF-アルファ、IFN-ガンマおよびIL-2の1つまたは組み合わせの産生または蓄積の尺度である。いくつかの態様では、参照尺度は、組換え受容体(例えば、CAR)を含む、複数の、任意で、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20の参照治療用T細胞組成物の中の尺度の平均であって、(i)各々が、対象(任意で、対象は、抗原を発現するまたはそれに関連する疾患または病態を有する)への投与後に許容される安全性プロファイルをもたらすと観察または判定されている、参照治療用T細胞組成物;および/または(ii)各々が、対象(任意で、対象は、抗原を発現するまたはそれに関連する疾患または病態を有する)への投与後に所望の有効性をもたらすと観察または判定されている、参照治療用T細胞組成物の中の尺度の平均である。
【0259】
ある特定の態様では、細胞組成物の特定の表現型の細胞の数、倍数または分数が、決定、測定、取得、検出、観察および/または特定される。いくつかの態様では、細胞組成物は、T細胞組成物である。ある特定の態様では、細胞組成物は、組換え受容体、例えば、CARを発現する細胞を含有する。特定の態様では、細胞組成物は、疾患または病態を処置するために対象に投与され得る組換え受容体を発現する細胞を含有する治療用T組成物である。ある特定の態様では、該表現型の細胞の数は、細胞組成物の表現型の細胞の総数である。ある特定の態様では、該表現型の細胞の数は、細胞組成物の用量中に存在する表現型の細胞の総数である。特定の態様では、該表現型の細胞の数は、細胞組成物の試料中に存在する表現型の細胞の数である。いくつかの態様では、該表現型の細胞の数は、細胞組成物、またはその用量もしくは試料中に存在する、表現型の細胞の頻度、比および/またはパーセンテージとして表され得る。
【0260】
特定の態様では、表現型の細胞の数、倍数または分数は、例えば、数、倍数または分数の関係のある値の範囲を圧縮するために、変換される。いくつかの態様では、変換は、データセット中の各点への決定的数学関数の任意の適用であり、例えば、各データ点xが、その変換値y=f(x)(式中、fは、関数である)に置き換えられる。一般に、変換は、データが、適用されるべき統計的推測手順の仮定をより厳密に満たすかまたはグラフの解釈もしくは外形を改善すると見受けられるように、適用され得る。ほとんどの場合、データを変換するために使用される関数は、可逆であり、一般には連続である。変換は、通常、比較可能な測定値の集合に適用される。好適な変換の例は、対数および平方根変換、相反変換、ならびにべき変換を含むが、それらに限定されない。ある特定の態様では、ある表現型の細胞の数、倍数または分数は、対数変換によって変換される。ある特定の態様では、対数変換は、共通対数(log10(x))、自然対数(ln(x))または二進対数(log2(x))である。
【0261】
B. 投薬および投与の決定
治療用組成物またはその用量は、いくつかの態様では、治療的に有効な量または予防的に有効な量などの、疾患または病態を治療または予防するのに有効な量の細胞を含有する。いくつかの態様では、組成物は、疾患または病態の負担を低減するのに有効な量の細胞を含む。いくつかの態様では、組成物は、組成物が投与された対象の群の中で、より一貫性のあるアウトカム、例えば、応答および/もしくは安全性アウトカム、ならびに/またはより一貫性のある薬物動態パラメーターを提供する量の細胞を含む。いくつかの態様では、組成物は、持続可能な応答および/または無増悪生存を促進するのに有効な量の細胞を含む。いくつかの局面では、提供される方法は、T細胞を含有する治療用組成物を細胞表現型について評価すること、およびそのようなアウトカムに基づいて用量を決定することを伴う。
【0262】
いくつかの態様では、用量は、特定の表現型を有する操作された細胞の比較的一貫性のある数、比率、比および/またはパーセンテージを1以上の特定の組成物中に包含するように決定される。いくつかの局面では、一貫性は、比較的一貫性のある活性、機能、薬物動態パラメーター、毒性アウトカムおよび/または応答アウトカムに関連するかまたはそれに関係する。いくつかの局面では、複数の対象、組成物および/または用量において、数、比率、比および/またはパーセンテージは、比較的一貫性があり、例えば、組成物または単位用量中の、特定の表現型を有する、例えばCCR7を発現する(CCR7+)またはサイトカインを産生する、例えばIL-2、TNF-アルファもしくはIFN-ガンマを産生する細胞の数または比は、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下または5%以下変動する。いくつかの局面では、組成物または単位用量中の、特定の表現型を有する、例えばCCR7を発現する(CCR7+)細胞の数または比は、該プロセスによって生産された複数のT細胞組成物中の前記数または比の平均から20%以下または10%以下または5%以下変動し、かつ/または、そのような平均から1標準偏差以下変動し、または決定された複数のT細胞組成物または用量の中で20%以下または10%以下または5%以下変動する。いくつかの態様では、複数の対象は、少なくとも10の対象、例えば、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100またはより多くの対象を含む。
【0263】
いくつかの局面では、用量、例えば、1以上の単位用量は、操作されたT細胞、例えば、特定の表面マーカー表現型などの特定の表現型を有する特定の細胞のサブセットの数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率に基づいて決定される。いくつかの局面では、細胞表現型は、特定の細胞マーカー、例えば、表面マーカーの発現および/または発現の非存在に基づいて決定される。いくつかの局面では、細胞マーカーは、細胞の生存性および/またはアポトーシス状態の指標となるマーカーを含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CD3、CD4、CD8、CCR7、CD27、CD45RA、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3を含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CCR7である。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CD27である。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CCR7および/またはCD27を含む。いくつかの局面では、例示的なマーカーは、CCR7、CD27および/またはCD45RAを含む。
【0264】
いくつかの態様では、治療用T細胞組成物の1以上の単位用量、例えば、本明細書に記載のいずれかおよび/または本明細書に提供される本方法によって決定された任意の単位用量を対象に投与することを伴う、方法が提供される。
【0265】
いくつかの態様では、疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合するキメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を含む細胞を含む単位用量のT細胞組成物を疾患または病態を有する対象に投与すること伴う方法であって、治療用組成物の規定された数の総組換え受容体発現(受容体+)細胞、総CD8+組換え受容体発現(受容体+/CD8+)細胞が投与される、ならびに/または、そのような細胞の、ある特定の表現型、例えば、CCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、CCR7-/CD27-/CD8+を有する規定された数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率の細胞を含有する単位用量が投与される、方法が提供される。
【0266】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)ならびに/またはCCR7を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD27および/またはCD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。
【0267】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、分化抗原群27(CD27)を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)ならびに/またはCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CCR7および/またはCD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。
【0268】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、CCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD8+ T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する規定された数の組換え受容体発現CD4+ T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞ならびに/または規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、規定された数または比はさらに、CD45RAの細胞上での発現または発現の非存在に基づく。
【0269】
いくつかの態様では、単位用量中の細胞の数は、細胞が由来する対象などの特定の対象にある用量で投与することが望まれる、細胞の数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、またはある特定の表現型のそのような細胞、例えば、CD3、CD4、CD8、CCR7、CD27、CD45RA、アネキシンVもしくは活性化カスパーゼ3から選択される1以上のマーカーを発現するもしくは発現しない細胞の数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率である。いくつかの態様では、単位用量中の細胞の数は、細胞の数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、またはある特定の表現型のそのような細胞、例えば、CCR7+、CD27+、CD45RA+、CD45RA-、CD4+、CD8+、CD3+、アポトーシスマーカー陰性(例えば、アネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞、または前述のいずれかの1以上について陽性もしくは陰性である細胞の数、パーセンテージ、比、頻度および/または比率である。
【0270】
いくつかの態様では、単位用量中の細胞の数は、細胞が由来する対象などの特定の対象にある用量で投与することが望まれる、細胞の数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、またはある特定の表現型のそのような細胞、例えば、CCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、CCR7-/CD27-/CD8+;およびアポトーシスマーカー陰性(例えば、アネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞の数、パーセンテージ、比および/または比率である。いくつかの態様では、単位用量は、規定された細胞の数、または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、またはある特定の表現型のそのような細胞、例えば、CCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、CCR7-/CD27-/CD8+;およびアポトーシスマーカー陰性(例えば、アネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞、ならびに/またはそれらの任意のサブセットの数、パーセンテージ、比および/または比率を含有する。
【0271】
いくつかの態様では、単位用量は、アネキシンV-/CCR7+/CAR+;アネキシンV-/CCR7+/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7+/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CD27+/CAR+;アネキシンV-/CD27+/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CD27+/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7+/CD27+/CAR+;アネキシンV-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7+/CD45RA-/CAR+;アネキシンV-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7-/CD45RA-/CAR+;アネキシンV-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7-/CD27-/CAR+、アネキシンV-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CD27+/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CD27+/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CD27+/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD27+/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD45RA-/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD45RA-/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD27-/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD4+;および/もしくは活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD8+;またはそれらの組み合わせの表現型を有するものなどの、細胞組成物中の、細胞もしくは細胞タイプの数、ならびに/または、細胞もしくは細胞タイプの頻度、比および/もしくはパーセンテージ、例えば、個々の集団、表現型、またはサブタイプに基づいて決定される。
【0272】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。
【0273】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて5×105もしくは約5×105と5×107もしくは約5×107との間、1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも5×107もしくは少なくとも約5×107、少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、または少なくとも約5×105の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含む。
【0274】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて5×105もしくは約5×105と5×107もしくは約5×107との間、1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CD27+細胞または受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも5×107もしくは少なくとも約5×107、少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、または少なくとも約5×105の総受容体+/CD8+/CD27+細胞または受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。
【0275】
いくつかの態様では、単位用量は、各数値を含めて少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも3×106もしくは少なくとも約3×106、少なくとも4×106もしくは少なくとも約4×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、および/または、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも3×106もしくは少なくとも約3×106、少なくとも4×106もしくは少なくとも約4×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、および/または、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7 +細胞を含む。
【0276】
いくつかの態様では、単位用量は、各数値を含めて少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも3×106もしくは少なくとも約3×106、少なくとも4×106もしくは少なくとも約4×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも3×106もしくは少なくとも約3×106、少なくとも4×106もしくは少なくとも約4×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む単位用量を含む。
【0277】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて5×105もしくは約5×105と5×107もしくは約5×107との間、1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、少なくとも5×107もしくは少なくとも5×107もしくは少なくとも約5×107、少なくとも1×107もしくは少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107、少なくとも5×106もしくは少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも1×106もしくは少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、または少なくとも5×105もしくは少なくとも約5×105の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0278】
いくつかの態様では、単位用量は、各数値を含めて少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも3×106もしくは少なくとも約3×106、少なくとも4×106もしくは少なくとも約4×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/または、少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、少なくとも2×106もしくは少なくとも約2×106、少なくとも3×106もしくは少なくとも約3×106、少なくとも4×106もしくは少なくとも約4×106、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/または、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0279】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0280】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0281】
いくつかの態様では、単位用量は、れぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、1×108もしくは約1×108以下、5×107もしくは約5×107以下、1×107もしくは約1×107以下、5×106もしくは約5×106以下、1×106もしくは約1×106以下、または5×105もしくは約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0282】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0283】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、5×108もしくは約5×108以下、1×108もしくは約1×108以下、5×107もしくは約5×107以下、1×107もしくは約1×107以下、5×106もしくは約5×106以下、1×106もしくは約1×106以下、または5×105もしくは約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む。
【0284】
いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、生存しているかまたは生存可能であるそのような細胞の総数である。いくつかの態様では、CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数は、アポトーシスマーカーを発現しないそのような細胞の総数であり、かつ/または、アポトーシスマーカー陰性(-)であるそのような細胞の総数であり、ここで、アポトーシスマーカーは、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である。
【0285】
いくつかの態様では、本明細書に提供される組換え受容体を発現するT細胞を含む組成物のいずれかにおいて、該組成物中のT細胞の総数の(または、組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の)少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である。
【0286】
いくつかの態様では、本明細書に提供される組換え受容体を発現するT細胞を含む組成物のいずれかにおいて、該組成物中のT細胞の総数の(または、組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の)少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、または85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、または91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、または92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、または93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、または94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、または95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、または96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、または98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または99%もしくは約99%、あるいは少なくとも100%もしくは少なくとも約100%、または100%もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができる。いくつかの態様では、T細胞は、IL-2および/またはTNF-アルファを産生することができ、CD4+ T細胞である。
【0287】
いくつかの態様では、本明細書に提供される組換え受容体を発現するT細胞を含む組成物のいずれかにおいて、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、または15%もしくは約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、または20%もしくは約20%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、または30%もしくは約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、または40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、または50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、または60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、または70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または80%もしくは約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または90%もしくは約90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて15%もしくは約15%と90%もしくは約90%との間、20%もしくは約20%と80%もしくは約80%との間、30%もしくは約30%と70%もしくは約70%との間、または40%もしくは約40%と60%もしくは約60%との間が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である。いくつかの態様では、本明細書に提供される組換え受容体を発現するT細胞を含む組成物のいずれかにおいて、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて15%もしくは約15%と90%もしくは約90%との間、20%もしくは約20%と80%もしくは約80%との間、30%もしくは約30%と70%もしくは約70%との間、または40%もしくは約40%と60%もしくは約60%との間が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である。いくつかの態様では、単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または、単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて15%もしくは約15%と90%もしくは約90%との間、20%もしくは約20%と80%もしくは約80%との間、30%もしくは約30%と70%もしくは約70%との間、または40%もしくは約40%と60%もしくは約60%との間が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である。
【0288】
いくつかの態様では、本明細書に提供される組換え受容体を発現するT細胞を含む組成物のいずれかにおいて、組成物または単位用量中の総受容体+/CD8+細胞の少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または、組成物または単位用量中の総受容体+/CD8+細胞の、それぞれ両端の値を含めて50%もしくは約50%と90%もしくは約90%との間、60%もしくは約60%と90%もしくは約90%との間、70%もしくは約70%と80%もしくは約80%との間が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+または受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+である。いくつかの態様では、本明細書に提供される組換え受容体を発現するT細胞を含む組成物のいずれかにおいて、組成物または単位用量中の総受容体+/CD4+細胞の少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、または、組成物または単位用量中の総受容体+/CD4+細胞の、それぞれ両端の値を含めて50%もしくは約50%と90%もしくは約90%との間、60%もしくは約60%と90%もしくは約90%との間、70%もしくは約70%と80%もしくは約80%との間が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/ CCR7+/CD45RA-である。いくつかの態様では、組成物中の総受容体+/CD8+細胞の少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+であるか;または、組成物中の総受容体+/CD4+細胞の少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、または少なくとも90%もしくは少なくとも約90%が、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である。
【0289】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、1×108もしくは約1×108以下、5×107もしくは約5×107以下、1×107もしくは約1×107以下、5×106もしくは約5×106以下、1×106もしくは約1×106以下、または5×105もしくは約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む。
【0290】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0291】
いくつかの態様では、単位用量は、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。いくつかの態様では、単位用量は、1×108もしくは約1×108以下、5×107もしくは約5×107以下、1×107もしくは約1×107以下、5×106もしくは約5×106以下、1×106もしくは約1×106以下、または5×105もしくは約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む。
【0292】
いくつかの態様では、細胞の単位用量は、規定された比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞対受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比は、任意で1:1であるかもしくは約1:1であり、または約1:3~約3:1である。
【0293】
いくつかの態様では、提供される方法は、規定された数の細胞を含有する用量を投与することを伴う。いくつかの態様では、用量、例えば、CCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、またはCCR7-/CD27-/CD8+である、規定された数の細胞、例えば、規定された数のCAR+細胞は、5.0×106もしくは約5.0×106と2.25×107もしくは約2.25×107との間、5.0×106もしくは約5.0×106と2.0×107もしくは約2.0×107との間、5.0×106もしくは約5.0×106と1.5×107もしくは約1.5×107との間、5.0×106もしくは約5.0×106と1.0×107もしくは約1.0×107との間、5.0×106もしくは約5.0×106と7.5×106もしくは約7.5×106との間、7.5×106もしくは約、7.5×106と2.25×107もしくは約2.25×107との間、7.5×106もしくは約7.5×106と2.0×107もしくは約2.0×107との間、7.5×106もしくは約7.5×106と1.5×107もしくは約1.5×107との間、7.5×106もしくは約7.5×106と1.0×107もしくは約1.0×107との間、1.0×107もしくは約1.0×107と2.25×107もしくは約2.25×107との間、1.0×107もしくは約1.0×107と2.0×107もしくは約2.0×107との間、1.0×107もしくは約1.0×107と1.5×107もしくは約1.5×107との間、1.5×107もしくは約1.5×107と2.25×107もしくは約2.25×107との間、1.5×107もしくは約1.5×107と2.0×107もしくは約2.0×107との間、2.0×107もしくは約2.0×107と2.25×107もしくは約2.25×107との間である。いくつかの態様では、そのような用量、例えば、そのような規定された数の細胞は、投与される組成物中の総組換え受容体発現細胞を指す。いくつかの局面では、投与される規定された数の組換え受容体発現細胞は、アポトーシスマーカー陰性(-)である細胞であり、任意で、アポトーシスマーカーは、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である。
【0294】
いくつかの態様では、単位用量の細胞の用量は、ある数の細胞、例えば、規定された数の細胞、少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、少なくとも6×106もしくは少なくとも約6×106、少なくとも7×106もしくは少なくとも約7×106、少なくとも8×106もしくは少なくとも約8×106、少なくとも9×106もしくは少なくとも約9×106、少なくとも10×106もしくは少なくとも約10×106と、約15×106との間の組換え受容体発現細胞、例えば、CCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、もしくはCCR7-/CD27-/CD8+である、ならびに/またはアポトーシスマーカー陰性(-)およびCD8+である、組換え受容体発現細胞を含有し、任意で、アポトーシスマーカーは、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である。
【0295】
いくつかの態様では、1回量の細胞は、提供される方法、および/または提供される製造品もしくは組成物に従って、対象に投与される。いくつかの態様では、該用量のサイズまたは投与のタイミングは、対象における特定の疾患または症状に応じて決定される。場合によっては、提供される明細記述を考慮して、特定の疾患のための該用量のサイズまたは投与のタイミングを経験的に決定することができる。
【0296】
いくつかの態様では、該用量の細胞は、2×105細胞/kg~2×106細胞/kgまたは約2×105細胞/kg~約2×106細胞/kg、例えば、4×105細胞/kg~1×106細胞/kgもしくは約4×105細胞/kg~約1×106細胞/kg、または6×105細胞/kg~約8×105細胞/kgもしくは約6×105細胞/kg~約8×105細胞/kgを含む。いくつかの態様では、該用量の細胞は、対象の体重1キログラムあたりわずか2×105の細胞(例えば、CAR発現細胞などの抗原発現細胞)(細胞/kg)を含み、例えば、わずか3×105細胞/kgもしくはわずか約3×105細胞/kg、わずか4×105細胞/kgもしくはわずか約4×105細胞/kg、わずか5×105細胞/kgもしくはわずか約5×105細胞/kg、わずか6×105細胞/kgもしくはわずか約6×105細胞/kg、わずか7×105細胞/kgもしくはわずか約7×105細胞/kg、わずか8×105細胞/kgもしくはわずか約8×105細胞/kg、わずか9×105細胞/kgもしくはわずか約9×105細胞/kg、わずか1×106細胞/kgもしくはわずか約1×106細胞/kg、またはわずか2×106細胞/kgもしくはわずか約2×106細胞/kgを含む。いくつかの態様では、該用量の細胞は、対象の体重1キログラムあたり少なくとも2×105または少なくとも約2×105または2×105または約2×105の細胞(例えば、CAR発現細胞などの抗原発現細胞)(細胞/kg)を含み、例えば、少なくとも3×105細胞/kgもしくは少なくとも約3×105細胞/kgもしくは3×105細胞/kgもしくは約3×105細胞/kg、少なくとも4×105細胞/kgもしくは少なくとも約4×105細胞/kgもしくは4×105細胞/kgもしくは約4×105細胞/kg、少なくとも5×105細胞/kgもしくは少なくとも約5×105細胞/kgもしくは5×105細胞/kgもしくは約5×105細胞/kg、少なくとも6×105細胞/kgもしくは少なくとも約6×105細胞/kgもしくは6×105細胞/kgもしくは約6×105細胞/kg、少なくとも7×105細胞/kgもしくは少なくとも約7×105細胞/kgもしくは7×105細胞/kgもしくは約7×105細胞/kg、少なくとも8×105細胞/kgもしくは少なくとも約8×105細胞/kgもしくは8×105細胞/kgもしくは約8×105細胞/kg、少なくとも9×105細胞/kgもしくは少なくとも約9×105細胞/kgもしくは9×105細胞/kgもしくは約9×105細胞/kg、少なくとも1×106細胞/kgもしくは少なくとも約1×106細胞/kgもしくは1×106細胞/kgもしくは約1×106細胞/kg、または少なくとも2×106細胞/kgもしくは少なくとも約2×106細胞/kgもしくは2×106細胞/kgもしくは約2×106細胞/kgを含む。
【0297】
特定の態様では、細胞、または細胞のサブタイプの個々の集団は、対象に、10万~1000億または約10万~約1000億の細胞の範囲、および/または対象の体重1キログラムあたりの細胞のその量で投与され、例えば、10万~500億または約10万~約500億の細胞(例えば、500万もしくは約500万の細胞、2500万もしくは約2500万の細胞、5億もしくは約5億の細胞、10億もしくは約10億の細胞、50億もしくは約50億の細胞、200億もしくは約200億の細胞、300億もしくは約300億の細胞、400億もしくは約400億の細胞、または前述の値のいずれか2つによって定義された範囲)、100万~500億または約100万~約500億の細胞(例えば、500万もしくは約500万の細胞、2500万もしくは約2500万の細胞、5億もしくは約5億の細胞、10億もしくは約10億の細胞、50億もしくは約50億の細胞、200億もしくは約200億の細胞、300億もしくは約300億の細胞、400億もしくは約400億の細胞、または前述の値のいずれか2つによって定義された範囲)、例えば、1000万~1000億または約1000万~約1000億の細胞(例えば、2000万もしくは約2000万の細胞、3000万もしくは約3000万の細胞、4000万もしくは約4000万の細胞、6000万もしくは約6000万の細胞、7000万もしくは約7000万の細胞、8000万もしくは約8000万の細胞、9000万もしくは約9000万の細胞、100億もしくは約100億の細胞、250億もしくは約250億の細胞、500億もしくは約500億の細胞、750億もしくは約750億の細胞、900億もしくは約900億の細胞、または前述の値のいずれか2つによって定義される範囲)、場合によっては、1億~500億または約1億~約500億の細胞(例えば、1億2000万もしくは約1億2000万の細胞、2億5000万もしくは約2億5000万の細胞、3億5000万もしくは約3億5000万の細胞、4億5000万もしくは約4億5000万の細胞、6億5000万もしくは約6億5000万の細胞、8億もしくは約8億の細胞、9億もしくは約9億の細胞、30億もしくは約30億の細胞、300億もしくは約300億の細胞、450億もしくは約450億の細胞)、またはこれらの範囲の中間の任意の値および/または対象の体重1キログラムあたりで投与される。投与量は、疾患もしくは障害および/または患者および/または他の治療に特有の属性に応じて変化し得る。ある態様では、細胞の用量は、細胞の用量が対象の体表面積もしくは体重に縛られていないまたは対象の体表面積もしくは体重に基づいていない用量であるような、細胞の均一用量または細胞の固定用量である。
【0298】
いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、該用量は、約5×108未満の総組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)を含み、例えば、1×106~5×108または約1×106~約5×108の範囲のそのような細胞を含み、例えば、2×106、5×106、1×107、5×107、1×108、1.5×108、もしくは5×108、または約2×106、約5×106、約1×107、約5×107、約1×108、約1.5×108、もしくは約5×108、または前述の値のいずれか2つの間の範囲のそのような総細胞を含む。いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、該用量は、1×106または約1×106より多く、かつ2×109または約2×109より少ない総組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)を含み、例えば、2.5×107~1.2×109または約2.5×107~約1.2×109の範囲のそのような細胞、例えば、2.5×107、5×107、1×108、1.5×108、または約2.5×107、約5×107、約1×108、約1.5×108、または前述の値のいずれか2つの間の範囲のそのような総細胞を含む。
【0299】
いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞の該用量は、以下を含む:1×105~5×108または約1×105~約5×108の総CAR発現(CAR発現)T細胞、1×105~2.5×108または約1×105~約2.5×108の総CAR発現T細胞、1×105~1×108または約1×105~約1×108の総CAR発現T細胞、1×105~5×107または約1×105~約5×107の総CAR発現T細胞、1×105~2.5×107または約1×105~約2.5×107の総CAR発現T細胞、1×105~1×107または約1×105~約1×107の総CAR発現T細胞、1×105~5×106または約1×105~約5×106の総CAR発現T細胞、1×105~2.5×106または約1×105~約2.5×106の総CAR発現T細胞、1×105~1×106または約1×105~約1×106の総CAR発現T細胞、1×106~5×108または約1×106~約5×108の総CAR発現T細胞、1×106~2.5×108または約1×106~約2.5×108の総CAR発現T細胞、1×106~1×108または約1×106~約1×108の総CAR発現T細胞、1×106~5×107または約1×106~約5×107の総CAR発現T細胞、1×106~2.5×107または約1×106~約2.5×107の総CAR発現T細胞、1×106~1×107または約1×106~約1×107の総CAR発現T細胞、1×106~5×106または約1×106~約5×106の総CAR発現T細胞、1×106~2.5×106または約1×106~約2.5×106の総CAR発現T細胞、2.5×106~5×108または約2.5×106~約5×108の総CAR発現T細胞、2.5×106~2.5×108または約2.5×106~約2.5×108の総CAR発現T細胞、2.5×106~1×108または約2.5×106~約1×108の総CAR発現T細胞、2.5×106~5×107または約2.5×106~約5×107の総CAR発現T細胞、2.5×106~2.5×107または約2.5×106~約2.5×107の総CAR発現T細胞、2.5×106~1×107または約2.5×106~約1×107の総CAR発現T細胞、2.5×106~5×106または約2.5×106~約5×106の総CAR発現T細胞、5×106~5×108または約5×106~約5×108の総CAR発現T細胞、5×106~2.5×108または約5×106~約2.5×108の総CAR発現T細胞、5×106~1×108または約5×106~約1×108の総CAR発現T細胞、5×106~5×107または約5×106~約5×107の総CAR発現T細胞、5×106~2.5×107または約5×106~約2.5×107の総CAR発現T細胞、5×106~1×107または約5×106~約1×107の総CAR発現T細胞、1×107~5×108または約1×107~約5×108の総CAR発現T細胞、1×107~2.5×108または約1×107~約2.5×108の総CAR発現T細胞、1×107~1×108または約1×107~約1×108の総CAR発現T細胞、1×107~5×107または約1×107~約5×107の総CAR発現T細胞、1×107~2.5×107または約1×107~約2.5×107の総CAR発現T細胞、2.5×107~5×108または約2.5×107~約5×108の総CAR発現T細胞、2.5×107~2.5×108または約2.5×107~約2.5×108の総CAR発現T細胞、2.5×107~1×108または約2.5×107~約1×108の総CAR発現T細胞、2.5×107~5×107または約2.5×107~約5×107の総CAR発現T細胞、約5×107~約5×108の総CAR発現T細胞、約5×107~約2.5×108の総CAR発現T細胞、約5×107~約1×108の総CAR発現T細胞、1×108~5×108または約1×108~約5×108の総CAR発現T細胞、1×108~2.5×108または約1×108~約2.5×108の総CAR発現T細胞、2.5×108~5×108または約2.5×108~約5×108の総CAR発現T細胞。いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞の該用量は、2.5×107~1.5×108または約2.5×107~約1.5×108の総CAR発現T細胞、例えば、5×107~1×108または約5×107~約1×108の総CAR発現T細胞を含む。
【0300】
いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞の該用量は、少なくとも1×105または約1×105のCAR発現細胞、少なくとも2.5×105または約2.5×105のCAR発現細胞、少なくとも5×105または約5×105のCAR発現細胞、少なくとも1×106または約1×106のCAR発現細胞、少なくとも2.5×106または約2.5×106のCAR発現細胞、少なくとも5×106または約5×106のCAR発現細胞、少なくとも1×107または約1×107のCAR発現細胞、少なくとも2.5×107または約2.5×107のCAR発現細胞、少なくとも5×107または約5×107のCAR発現細胞、少なくとも1×108または約1×108のCAR発現細胞、少なくとも1.5×108または約1.5×108のCAR発現細胞、少なくとも2.5×108または約2.5×108のCAR発現細胞、または少なくとも5×108または約5×108のCAR発現細胞を含む。
【0301】
いくつかの態様では、細胞療法は、1×105~5×108もしくは約1×105~約5×108の総組換え受容体発現細胞、総T細胞、もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)、5×105~1×107もしくは約5×105~約1×107の総組換え受容体発現細胞、総T細胞、もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)、または1×106~1×107もしくは約1×106~約1×107の総組換え受容体発現細胞、総T細胞、もしくは総末梢血単核細胞(PBMC)の数の細胞を含む用量の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、少なくとも1×105または約1×105の総組換え受容体発現細胞、総T細胞、または総末梢血単核細胞(PBMC)、例えば、少なくとも1×106または約1×106、少なくとも1×107または約1×107、少なくとも1×108または約1×108のそのような細胞の数を含む細胞の用量の投与を含む。いくつかの態様では、その数は、CD3+またはCD8+の総数を基準にし、場合によっては、組換え受容体発現(例えば、CAR+)細胞の総数をも基準にする。いくつかの態様では、細胞療法は、1×105~5×108もしくは約1×105~約5×108のCD3+もしくはCD8+総T細胞またはCD3+もしくはCD8+組換え受容体発現細胞、5×105~1×107もしくは約5×105~約1×107のCD3+もしくはCD8+総T細胞またはCD3+もしくはCD8+組換え受容体発現細胞、あるいは1×106~1×107もしくは約1×106~約1×107のCD3+もしくはCD8+総T細胞またはCD3+もしくはCD8+組換え受容体発現細胞の数の細胞を含む用量の投与を含む。いくつかの態様では、細胞療法は、1×105~5×108もしくは約1×105~約5×108の総CD3+/CAR+またはCD8+/CAR+細胞、5×105~1×107もしくは約5×105~約1×107の総CD3+/CAR+またはCD8+/CAR+細胞、または1×106~1×107もしくは約1×106~約1×107の総CD3+/CAR+またはCD8+/CAR+細胞の数の細胞を含む用量の投与を含む。
【0302】
いくつかの態様では、該用量のT細胞には、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞、またはCD4+およびCD8+ T細胞が含まれる。
【0303】
いくつかの態様では、例えば、対象がヒトである場合、該用量のCD8+ T細胞(CD4+およびCD8+ T細胞を含む用量を含む)は、1×106~5×108または約1×106~約5×108の総組換え受容体(例えば、CAR)発現CD8+細胞を含み、例えば、5×106~1×108または約5×106~約1×108の範囲のそのような細胞、例えば、1×107、2.5×107、5×107、7.5×107、1×108、1.5×108、または5×108のそのような総細胞、または前述の値のいずれか2つの間の範囲を含む。いくつかの態様では、患者は複数回の投与を受け、各用量または総用量は前述の値のいずれかの範囲内であり得る。いくつかの態様では、細胞の該用量は、1×107~0.75×108または約1×107~約0.75×108の総組換え受容体発現CD8+ T細胞、1×107~5×107または約1×107~約5×107の総組換え受容体発現CD8+ T細胞、1×107~0.25×108または約1×107~約0.25×108の総組換え受容体発現CD8+ T細胞の投与を含む。いくつかの態様では、細胞の該用量は、1×107、2.5×107、5×107、7.5×107、1×108、1.5×108、2.5×108、もしくは5×108、または約1×107、約2.5×107、約5×107、約7.5×107、約1×108、約1.5×108、約2.5×108、もしくは約5×108の総組換え受容体発現CD8+ T細胞の投与を含む。
【0304】
いくつかの態様では、細胞、例えば組換え受容体発現T細胞の用量は、対象に1回量として投与されるか、または2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年またはそれ以上の期間内に1回だけ投与される。
【0305】
養子細胞療法との関係において、所定の「用量」の投与は、単一の組成物としての細胞の所定の量もしくは数の投与および/または中断のない単回投与(例えば、単回注射または連続注入としての投与)を包含し、さらに、分割用量または複数の組成物としての細胞の所定の量もしくは数の投与(特定の期間、例えばせいぜい3日間にわたって、複数の個別の組成物または注入として提供される)を包含する。したがって、いくつかの状況では、該用量は、単一時点で投与または開始される、指定された数の細胞の単回投与または連続投与である。しかしながら、状況によっては、該用量は、1日1回3日間もしくは2日間など、せいぜい3日間にわたる複数回の注射または注入として、あるいは1日にわたる複数回の注入により投与される。
【0306】
したがって、いくつかの局面では、該用量の細胞は単一の薬学的組成物として投与される。いくつかの態様では、該用量の細胞は複数の組成物(集合的に該用量の細胞を含有する)として投与される。
【0307】
いくつかの態様では、用語「分割用量」は、2日以上にわたって投与されるように分割された用量を指す。このタイプの投薬は、本方法により包含され、1回量であるとみなされる。
【0308】
したがって、細胞の用量は、分割用量として、例えば経時的に投与される分割用量として、投与され得る。例えば、いくつかの態様では、該用量を2日間または3日間にわたって対象に投与することができる。代表的な分割投与法には、初日に該用量の25%を投与し、2日目に該用量の残り75%を投与することが含まれる。他の態様では、該用量の33%を初日に投与して、残り67%を2日目に投与してもよい。いくつかの局面では、該用量の10%を初日に投与し、該用量の30%を2日目に投与し、該用量の60%を3日目に投与する。いくつかの態様では、分割用量が3日を超えて広がることはない。
【0309】
いくつかの態様では、該用量の細胞は、例えば第1および第2の、任意でそれ以上の、複数の組成物または溶液の投与によって投与され、各組成物または溶液は該用量の一部の細胞を含有する。いくつかの局面では、それぞれが異なる細胞の集団および/またはサブタイプを含有する複数の組成物は、任意で一定期間内に、別々にまたは独立して投与される。例えば、細胞の集団またはサブタイプは、それぞれCD8+およびCD4+ T細胞、および/またはそれぞれCD8+およびCD4+濃縮集団、例えば、それぞれが組換え受容体を発現するように遺伝子操作された細胞を個別に含むCD4+および/またはCD8+ T細胞、を含むことができる。いくつかの態様では、該用量の投与は、1回量のCD8+ T細胞または1回量のCD4+ T細胞を含む第1の組成物の投与と、該用量のCD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の他方を含む第2の組成物の投与を含む。
【0310】
いくつかの態様では、前記組成物または用量の投与、例えば、複数の細胞組成物の投与は、細胞組成物の別々の投与を含む。いくつかの局面では、別々の投与は、同時に、または任意の順序で連続して行われる。いくつかの態様では、該用量は第1の組成物および第2の組成物を含み、第1の組成物と第2の組成物を0~12時間間隔で、0~6時間間隔で、または0~2時間間隔で投与する。いくつかの態様では、第1の組成物の投与開始と第2の組成物の投与開始を、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、10分以内、または5分以内の間隔で行う。いくつかの態様では、第1の組成物の投与の開始および/または完了と、第2の組成物の投与の完了および/または開始を、2時間以内、1時間以内、30分以内、15分以内、10分以内、または5分以内の間隔で行う。
【0311】
いくつかの態様では、第1の組成物、例えば、該用量の第1の組成物は、CD4+ T細胞を含む。いくつかの態様では、第1の組成物、例えば、該用量の第1の組成物は、CD8+ T細胞を含む。いくつかの態様では、第1の組成物は、第2の組成物の前に投与される。いくつかの態様では、第2の組成物、例えば、該用量の第2の組成物は、CD4+ T細胞を含む。いくつかの態様では、第2の組成物、例えば、該用量の第2の組成物は、CD8+ T細胞を含む。
【0312】
いくつかの態様では、細胞の該用量または組成物は、規定されたまたは目標の比率の組換え受容体を発現するCD4+細胞と組換え受容体を発現するCD8+細胞、および/またはCD4+細胞とCD8+細胞を含み、この比は、任意で約1:1であるか、または約1:3~約3:1であり、例えば約1:1である。いくつかの局面では、異なる細胞集団の目標のまたは所望の比率(例えば、CD4+:CD8+比またはCAR+ CD4+:CAR+ CD8+比、例えば1:1)での組成物または用量の投与は、該集団の一方を含む細胞組成物の投与、次いで該集団の他方を含む別個の細胞組成物の投与を含み、その場合、該投与を目標または所望の比率で行う。いくつかの局面では、規定された比率での細胞の用量または組成物の投与は、T細胞療法の拡大増殖、持続性および/または抗腫瘍活性の改善につながる。
【0313】
いくつかの態様では、対象は、細胞の複数回の用量、例えば、2回以上の用量または複数回の連続用量を受け取る。いくつかの態様では、2回の用量が対象に投与される。いくつかの態様では、対象は連続用量を受け取り、例えば、初回用量の約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21日後に2回目の用量を投与される。いくつかの態様では、初回用量の後に複数回の連続用量が投与され、その連続用量の投与後に1回または複数回の追加の用量が投与されるようにする。いくつかの局面では、追加の用量で対象に投与される細胞の数は、初回用量および/または連続用量と同じであるか、または同様である。いくつかの態様では、1回または複数回の追加の用量は、前の用量よりも多い。
【0314】
いくつかの局面では、初回用量および/または連続用量のサイズは、以下のような、1つまたは複数の基準に基づいて決定される:以前の治療(例えば化学療法)に対する対象の反応、対象における疾病負荷、例えば、腫瘍の量、大きさ、サイズ、または転移の程度、範囲、もしくはタイプ、ステージ(病期)、および/または毒性の結果(例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性)を発症する対象の可能性もしくは発生率、ならびに/または投与される細胞および/もしくは組換え受容体に対する宿主免疫反応。
【0315】
いくつかの局面では、初回用量の投与と連続用量の投与との間の期間は、約9~約35日、約14~約28日、または15~27日である。いくつかの態様では、連続用量の投与は、初回用量の投与から約14日以上で約28日未満の時点である。いくつかの局面では、初回用量と連続用量との間の期間は、約21日である。いくつかの態様では、その連続用量の投与後に、1回または複数回の追加の用量、例えば連続用量が投与される。いくつかの局面では、1回または複数回の追加の連続用量は、前回の用量の投与から少なくとも約14日で約28日未満に投与される。いくつかの態様では、追加の用量は、前回の投与から約14日未満に投与され、例えば、前回の投与の4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13日後に投与される。いくつかの態様では、用量は、前回の投与から約14日未満には投与されず、かつ/または前回の投与から約28日を超えて投与されない。
【0316】
いくつかの態様では、細胞、例えば組換え受容体発現細胞、の用量は、T細胞の初回用量およびT細胞の連続用量を含む2回の用量(例えば、2回量)を含み、ここで、初回の用量と2回目の用量の一方または両方は、T細胞の分割用量の投与を含む。
【0317】
いくつかの態様では、細胞の前記用量は一般に、疾病負荷を軽減するのに効果的な、十分な量である。
【0318】
いくつかの態様では、前記細胞は、細胞もしくは細胞タイプ(複数可)の所望の用量もしくは数、および/または細胞タイプの所望の比率を含む、所望の投与量で投与される。したがって、いくつかの態様での細胞の投与量は、細胞の総数(または体重1kgあたりの数)、および個々の集団またはサブタイプの所望の比、例えばCD4+対CD8+比、に基づいている。いくつかの態様では、細胞の投与量は、個々の集団中の細胞のまたは個々の細胞タイプの所望の総数(または体重1kgあたりの数)に基づいている。いくつかの態様では、投与量は、例えば、総細胞の所望の数、所望の比率、個々の集団中の細胞の所望の総数などの、そのような特徴の組み合わせに基づいている。
【0319】
いくつかの態様では、細胞の集団またはサブタイプ、例えばCD8+およびCD4+ T細胞は、総細胞の所望の用量(例えば、T細胞の所望の用量)の許容差(tolerated difference)で、または許容差の範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の用量は、細胞の所望の数、または細胞が投与される対象の体重の単位あたりの細胞の所望の数、例えば細胞数/kgである。いくつかの局面では、所望の用量は、細胞の最小数または体重の単位あたりの細胞の最小数であるか、それを上回る数である。いくつかの局面では、所望の用量で投与される総細胞の中で、個々の集団またはサブタイプは、所望の出力比(例えば、CD4+対CD8+比)で、またはそれに近い比率で存在し、例えば、そのような比率の一定の許容差または誤差の範囲内で存在する。
【0320】
いくつかの態様では、前記細胞は、細胞の個々の集団またはサブタイプの1つまたは複数の所望の用量(例えば、CD4+細胞の所望の用量および/またはCD8+細胞の所望の用量)の許容差の範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の用量は、サブタイプまたは集団の細胞の所望の数、または細胞が投与される対象の体重の単位あたりのそのような細胞の所望の数、例えば細胞数/kgである。いくつかの局面では、所望の用量は、集団またはサブタイプの細胞の最小数、あるいは体重の単位あたりの集団またはサブタイプの細胞の最小数であるか、それを上回る数である。
【0321】
したがって、いくつかの態様では、投与量は、総細胞の所望の固定用量および所望の比率に基づき、かつ/または個々のサブタイプもしくはサブ集団の1つまたは複数、例えばそれぞれ、の所望の固定用量に基づく。こうして、いくつかの態様では、投与量は、T細胞の所望の固定もしくは最小用量およびCD4+対CD8+細胞の所望の比率に基づき、かつ/またはCD4+および/またはCD8+細胞の所望の固定もしくは最小用量に基づく。
【0322】
いくつかの態様では、細胞は、複数の細胞集団またはサブタイプ、例えばCD4+およびCD8+細胞またはサブタイプ、の所望の出力比の許容範囲内で投与される。いくつかの局面では、所望の比は、特定の比であるか、ある範囲の比であり得る。例えば、いくつかの態様では、所望の比(例えば、CD4+対CD8+細胞の比)は、1:5~5:1または約1:5~約5:1(または約1:5以上かつ約5:1以下)、1:3~3:1または約1:3~約3:1(または約1:3以上かつ約3:1以下)、例えば、2:1~1:5または約2:1~約1:5(または約1:5以上かつ約2:1以下)、例えば、5:1、4.5:1、4:1、3.5:1、3:1、2.5:1、2:1、1.9:1、1.8:1、1.7:1、1.6:1、1.5:1、1.4:1、1.3:1、1.2:1、1.1:1、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:3.5、1:4、1:4.5、もしくは1:5、または約5:1、約4.5:1、約4:1、約3.5:1、約3:1、約2.5:1、約2:1、約1.9:1、約1.8:1、約1.7:1、約1.6:1、約1.5:1、約1.4:1、約1.3:1、約1.2:1、約1.1:1、約1:1、約1:1.1、約1:1.2、約1:1.3、約1:1.4、約1:1.5、約1:1.6、約1:1.7、約1:1.8、約1:1.9、約1:2、約1:2.5、約1:3、約1:3.5、約1:4、約1:4.5、もしくは約1:5である。いくつかの局面では、許容差は、所望の比の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%以内である(これらの範囲内の任意の値を含む)。
【0323】
特定の態様では、細胞の数および/または濃度は、組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞の数を指す。他の態様では、細胞の数および/または濃度は、投与される全ての細胞、T細胞、または末梢血単核細胞(PBMC)の数または濃度を指す。
【0324】
いくつかの局面では、用量のサイズは、以下のような、1つまたは複数の基準に基づいて決定される:以前の治療(例えば化学療法)に対する対象の反応、対象における疾病負荷、例えば、腫瘍の量、大きさ、サイズ、または転移の程度、範囲、もしくはタイプ、ステージ(病期)、および/または毒性の結果(例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性)を発症する対象の可能性もしくは発生率、ならびに/または投与される細胞および/もしくは組換え受容体に対する宿主免疫反応。
【0325】
いくつかの態様では、前記方法はまた、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞の1回または複数回の追加の用量を投与し、かつ/またはリンパ球除去療法を施す工程を含み、かつ/または該方法の1つまたは複数の工程は繰り返される。ある態様では、1回または複数回の追加の用量は、初期用量と同じである。ある態様では、1回または複数回の追加の用量は、初期用量と異なり、例えば、初期用量よりも高く、例えば、初期用量よりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはそれ以上高いか、または初期用量よりも低く、例えば、初期用量よりも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはそれ以上低い。いくつかの態様では、1回または複数回の追加の用量の投与は、初期治療または以前の治療に対する対象の反応、対象における疾病負荷、例えば、腫瘍の量、大きさ、サイズ、または転移の程度、範囲、もしくはタイプ、ステージ(病期)、および/または毒性の結果(例えば、CRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍崩壊症候群、神経毒性)を発症する対象の可能性もしくは発生率、ならびに/または投与される細胞および/もしくは組換え受容体に対する宿主免疫反応に基づいて決定される。
【0326】
C. 処置の方法
処置の方法であって、例えば、1以上の用量、例えば、単位用量を含む、本明細書に記載の操作された細胞または操作された細胞を含有する組成物のいずれか、または本明細書に記載の1以上の単位用量を含有する任意の組成物を投与することを含む、処置の方法が本明細書に提供される。いくつかの局面では、また、本明細書に記載の操作された細胞または操作された細胞もしくは単位用量を含有する組成物のいずれかを疾患または障害を有する対象などの対象に投与する方法が提供される。いくつかの局面では、また、疾患または障害の処置のための、本明細書に記載の操作された細胞または操作された細胞を含有する組成物のいずれかの使用が提供される。いくつかの局面では、また、疾患または障害の処置のための医薬の製造のための、本明細書に記載の操作された細胞または操作された細胞もしくは単位用量を含有する組成物のいずれかの使用が提供される。いくつかの局面では、また、疾患もしくは障害の処置において使用するための、または疾患もしくは障害を有する対象に投与するための、本明細書に記載の操作された細胞または操作された細胞もしくは単位用量を含有する組成物のいずれかが提供される。
【0327】
キメラ抗原受容体(CAR)などの組換え受容体を発現する操作された細胞、またはそれを含む組成物は、多種多様な治療、診断および予防上の徴候において有用である。例えば、操作された細胞または操作された細胞を含む組成物は、対象における多種多様な疾患および障害を処置する際に有用である。そのような方法および使用は、例えば、操作された細胞、またはそれを含有する組成物を腫瘍またはがんなどの疾患、病態または障害を有する対象に投与することを伴う、治療的方法および使用を含む。いくつかの態様では、操作された細胞またはそれを含む組成物は、疾患または障害の処置に有効な有効量で投与される。使用は、そのような方法および処置における、ならびに、そのような治療的方法を行うための医薬の調製における、操作された細胞または組成物の使用を含む。いくつかの態様では、本方法は、操作された細胞またはそれを含む組成物を、疾患または病態を有するまたは有する疑いのある対象に投与することによって行われる。いくつかの態様では、本方法は、それによって、対象における疾患または病態または障害を処置する。
【0328】
養子細胞療法のための細胞の投与のための方法は、公知であり、提供される方法および組成物に関連して使用され得る。例えば、養子T細胞療法の方法は、例えば、Gruenbergらによる米国特許出願公開番号2003/0170238;Rosenbergによる米国特許第4,690,915号; Rosenberg (2011) Nat Rev Clin Oncol. 8(10):577-85)に記載されている。例えば、Themeli et al. (2013) Nat Biotechnol. 31(10): 928-933; Tsukahara et al. (2013) Biochem Biophys Res Commun 438(1): 84-9; Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338を参照されたい。
【0329】
処置される疾患または病態は、抗原の発現が、疾患、病態または障害の病因に関連するおよび/またはそれに関与する、例えば、そのような疾患、病態または障害を引き起こす、悪化させるまたはそれ以外の点で関与する、いずれかのものであることができる。例示的な疾患および病態は、細胞の悪性腫瘍もしくは形質転換(例えば、がん)、自己免疫性もしくは炎症性疾患、または感染性疾患、例えば細菌、ウイルスもしくは他の病原体によって引き起こされる感染性疾患に関連する疾患または病態を含むことができる。処置することができる様々な疾患および病態に関連する抗原を含む例示的な抗原は、上に記載している。特定の態様では、キメラ抗原受容体またはトランスジェニックTCRは、疾患または病態に関連する抗原に特異的に結合する。
【0330】
中でも、疾患、病態および障害は、固形腫瘍、血液悪性腫瘍および黒色腫を含む腫瘍、限局性および転移性腫瘍を含む腫瘍、感染性疾患、例えば、ウイルスまたは他の病原体、例えば、HIV、HCV、HBV、CMV、HPVによる感染症、および寄生虫性疾患、ならびに自己免疫性および炎症性疾患である。いくつかの態様では、疾患、障害または病態は、腫瘍、がん、悪性腫瘍、新生物、または他の増殖性の疾患もしくは障害である。いくつかの態様では、疾患または病態は、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様では、B細胞悪性腫瘍は、白血病またはリンパ腫である。そのような疾患は、白血病、リンパ腫、例えば、急性骨髄(または骨髄性)白血病(AML)、慢性骨髄(または骨髄性)白血病(CML)、急性リンパ性(またはリンパ芽球性)白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、有毛細胞白血病(HCL)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、濾胞性リンパ腫、難治性濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および多発性骨髄腫(MM)を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様では、疾患または病態は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の中から選択されるB細胞悪性腫瘍である。いくつかの態様では、疾患または病態は、NHLであり、NHLは、侵攻性NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、NOS(無痛性型からデノボで形質転換された)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(TCHRBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、および/または濾胞性リンパ腫(FL)、任意で、濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)からなる群より選択される。
【0331】
いくつかの局面では、疾患または病態は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、成人ALL、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、またはびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。いくつかの場合に、疾患または病態は、侵攻性NHLであるNHLなどを含むNHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、NOS(無痛性型からデノボで形質転換された)、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(TCHRBCL)、バーキットリンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、および/または濾胞性リンパ腫(FL)、任意で、濾胞性リンパ腫グレード3B(FL3B)である。いくつかの局面では、CARなどの組換え受容体は、疾患もしくは病態に関連する抗原またはB細胞悪性腫瘍に関連する病変の環境の細胞中に発現される抗原に特異的に結合する。受容体が標的とする抗原は、いくつかの態様では、多数の公知のB細胞マーカーのいずれかなどの、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様では、受容体が標的とする抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bもしくはCD30、またはそれらの組み合わせである。
【0332】
いくつかの態様では、疾患または病態は、多発性骨髄腫などの骨髄腫である。いくつかの局面では、CARなどの組換え受容体は、疾患もしくは病態に関連する抗原または多発性骨髄腫に関連する病変の環境の細胞中に発現される抗原に特異的に結合する。受容体が標的とする抗原は、いくつかの態様では、多発性骨髄腫に関連する抗原を含む。いくつかの局面では、抗原、例えば、第二のまたは追加の抗原、例えば、疾患特異的抗原および/または関係する抗原は、B細胞成熟抗原(BCMA)、Gタンパク質結合受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)、CD38(サイクリックADPリボースヒドロラーゼ)、CD138(シンデカン-1、シンデカン、SYN-1)、CS-1(CS1、CD2サブセット1、CRACC、SLAMF7、CD319、および19A24)、BAFF-R、TACIおよび/またはFcRH5など、多発性骨髄腫上に発現される。他の例示的な多発性骨髄腫抗原は、CD56、TIM-3、CD33、CD123、CD44、CD20、CD40、CD74、CD200、EGFR、β2-ミクログロブリン、HM1.24、IGF-1R、IL-6R、TRAIL-R1、およびアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)を含む。Benson and Byrd, J. Clin. Oncol. (2012) 30(16): 2013-15; Tao and Anderson, Bone Marrow Research (2011):924058; Chu et al., Leukemia (2013) 28(4):917-27; Garfall et al., Discov Med. (2014) 17(91):37-46を参照されたい。いくつかの態様では、抗原は、CD38などの、リンパ系腫瘍、骨髄腫、AIDS関連リンパ腫、および/または移植後リンパ増殖に存在するものを含む。そのような抗原に対して指向される抗体または抗原結合断片は、公知であり、例えば、米国特許第8,153,765号;第8,603477号、第8,008,450号;米国公開番号US20120189622もしくはUS20100260748;および/または国際PCT公開番号WO2006099875、WO2009080829もしくはWO2012092612もしくはWO2014210064に記載されているものを含む。いくつかの態様では、そのような抗体またはその抗原結合断片(例えば、scFv)は、多重特異性抗体、多重特異性CARなどの多重特異性キメラ受容体、および/または多重特異性細胞中に含有される。
【0333】
いくつかの態様では、疾患または障害は、Gタンパク質結合受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)の発現および/またはB細胞成熟抗原(BCMA)の発現に関連する。
【0334】
いくつかの態様では、疾患または障害は、B細胞が関係する障害である。提供される方法の提供される態様のいずれかの一部において、BCMAに関連する疾患または障害は、自己免疫性の疾患または障害である。提供される方法の提供される態様のいずれかの一部において、自己免疫性の疾患または障害は、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、炎症性腸疾患、関節リウマチ、ANCA関連血管炎、特発性血小板減少性紫斑(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑(TTP)、自己免疫性血小板減少、シャーガス病、グレーブス病、ヴェグナー肉芽腫症、結節性多発動脈炎、シェーグレン症候群、尋常性天疱瘡、強皮症、多発性硬化症、乾癬、IgA腎症、IgM多発ニューロパシー、血管炎、真性糖尿病、レイノー症候群、抗リン脂質抗体症候群、グッドパスチャー病、川崎病、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、または進行性糸球体腎炎である。
【0335】
いくつかの態様では、疾患または障害は、がんである。いくつかの態様では、がんは、GPRC5D発現がんである。いくつかの態様では、がんは、形質細胞悪性腫瘍であり、形質細胞悪性腫瘍は、多発性骨髄腫(MM)または形質細胞腫である。いくつかの態様では、がんは、多発性骨髄腫(MM)である。いくつかの態様では、がんは、再発性/難治性多発性骨髄腫である。
【0336】
いくつかの態様では、疾患または病態は、限定されないが、ウイルス、レトロウイルス、細菌、および原虫による感染症、免疫不全、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、アデノウイルス、BKポリオーマウイルスなどの、感染性疾患または病態である。いくつかの態様では、疾患または病態は、関節炎、例えば、関節リウマチ(RA)、I型糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、炎症性腸疾患、乾癬、強皮症、自己免疫性甲状腺疾患、グレーブス病、クローン病、多発性硬化症、喘息、および/または移植に関連する疾患もしくは病態などの、自己免疫性または炎症性疾患または病態である。
【0337】
いくつかの態様では、疾患または障害に関連する抗原は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても知られている)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても知られている)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても知られている)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質結合受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球型抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球型抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソテリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児性抗原、黒色腫優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異的抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、トロホブラスト糖タンパク質(TPBG、5T4としても知られている)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても知られている)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタ-イソメラーゼまたはDCTとしても知られている)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原発現抗原、またはユニバーサルタグに関連する抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子であるかまたはそれを含む。受容体が標的とする抗原は、いくつかの態様では、多数の公知のB細胞マーカーのいずれかなどの、B細胞悪性腫瘍に関連する抗原を含む。いくつかの態様では、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30であるかまたはそれを含む。
【0338】
いくつかの態様では、抗原は、病原体特異的もしくは病原発現抗原であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、抗原は、ウイルス抗原(例えば、HIV、HCV、HBVなどに由来するウイルス抗原)、細菌抗原、および/または寄生虫抗原である。
【0339】
いくつかの態様では、細胞療法、例えば、養子T細胞療法は、細胞療法を受けようとする対象からまたはそのような対象に由来する試料から細胞が単離されかつ/または別の方法で調製される、自家移入によって行われる。したがって、いくつかの局面では、細胞は、処置および細胞を必要とする対象、例えば患者に由来し、単離および処理された後に細胞が同じ対象に投与される。
【0340】
いくつかの態様では、細胞療法、例えば、養子T細胞療法は、細胞療法を受けようとするまたは細胞療法を最終的に受ける対象以外の対象、例えば、第一の対象から細胞が単離されかつ/または別の方法で調製される、同種移入によって行われる。そのような態様では、次いで、細胞が、同じ種の異なる対象、例えば第二の対象に投与される。いくつかの態様では、第一の対象および第二の対象は、遺伝的に同一である。いくつかの態様では、第一の対象および第二の対象は、遺伝的に類似している。いくつかの態様では、第二の対象は、第一の対象と同じHLAクラスまたはスーパータイプを発現する。
【0341】
細胞を、任意の好適な手段によって、例えば、ボーラス注入によって、注射、例えば、静脈内もしくは皮下注射、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下(subconjectval、subconjuntival)注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射、または強膜近傍後方(posterior juxtascleral)送達によって投与することができる。いくつかの態様では、これらは、非経口、肺内、および鼻腔内、局所処置が望ましい場合は病巣内投与によって投与される。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を含む。いくつかの態様では、細胞の単回ボーラス投与によって所与の用量が投与される。いくつかの態様では、例えば3日以内の期間にわたる細胞の複数回ボーラス投与によって、または細胞の連続注入投与によって、所与の用量が投与される。いくつかの態様では、細胞用量または任意の追加の療法、例えば、リンパ球枯渇療法、インターベンション療法および/もしくは併用療法の投与は、外来送達(outpatient delivery)を介して行われる。
【0342】
疾患の予防または治療のために、適切な投与量は、処置されるべき疾患の種類、細胞または組換え受容体のタイプ、疾患の重症度および経過、細胞が予防目的で投与されるか治療目的で投与されるか、以前の療法、対象の病歴および細胞に対する応答、ならびに主治医の判断に依存し得る。組成物および細胞は、いくつかの態様では、一度または一連の処置にわたって対象に適切に投与される。
【0343】
いくつかの態様では、細胞は、組み合わせ処置の一部として、例えば、細胞傷害性物質または治療用物質などの抗体または操作された細胞または受容体または作用物質などの別の治療的介入と同時にまたは任意の順序で連続的に投与される。細胞は、いくつかの態様では、1以上の追加の治療用物質とまたは別の治療用介入に関連して、同時にまたは任意の順序で連続的に共投与される。いくつかの状況において、細胞は、細胞集団が1以上の追加の治療用物質の効果を増強するような十分に短い期間で別の療法と共投与される(逆もまた同様である)。いくつかの態様では、細胞は、1以上の追加の治療用物質の前に投与される。いくつかの態様では、細胞は、1以上の追加の治療用物質の後に投与される。いくつかの態様では、1以上の追加の作用物質は、例えば、持続性を増強するための、IL-2などのサイトカインを含む。いくつかの態様では、本方法は、化学療法剤の投与を含む。
【0344】
いくつかの態様では、本方法は、投与の前に、例えば、腫瘍量を低減させる、化学療法剤、例えば、コンディショニング化学療法剤の投与を含む。
【0345】
免疫枯渇(例えば、リンパ球枯渇)療法で対象をプレコンディショニングすることは、いくつかの局面では、養子細胞療法(ACT)の効果を改善することができる。
【0346】
したがって、いくつかの態様では、本方法は、細胞療法の開始前に、シクロホスファミド、フルダラビン、またはそれらの組み合わせなどのリンパ球枯渇または化学療法剤などのプレコンディショニング剤を対象に投与することを含む。例えば、対象に、細胞療法の開始の少なくとも2日前、例えば少なくとも3、4、5、6、または7日前に、プレコンディショニング剤を投与してよい。いくつかの態様では、対象に、細胞療法の開始前の7日以内、例えば6、5、4、3、または2日以内に、プレコンディショニング剤が投与される。
【0347】
いくつかの態様では、対象に、20mg/kgまたは約20mg/kgと100mg/kgまたは約100mg/kgとの間、例えば、40mg/kgまたは約40mg/kgと80mg/kgまたは約80mg/kgとの間の用量のシクロホスファミドでプレコンディショニングされる。いくつかの局面では、対象は、60mg/kgまたは約60mg/kgのシクロホスファミドでプレコンディショニングされる。いくつかの態様では、シクロホスファミドを、単一用量で投与しても、例えば毎日、1日おきにまたは3日毎に与えられる複数用量で投与してもよい。いくつかの態様では、シクロホスファミドは、1日1回で、1日または2日間投与される。いくつかの態様では、リンパ球枯渇剤がシクロホスファミドを含む場合、対象に、シクロホスファミドが、両端の値を含めて100mg/m2もしくは約100mg/m2と500mg/m2もしくは約500mg/m2との間、例えば200mg/m2もしくは約200mg/m2と400mg/m2もしくは約400mg/m2との間、または250mg/m2もしくは約250mg/m2と350mg/m2もしくは約350mg/m2との間の用量で投与される。いくつかの状況で、対象に、約300mg/m2のシクロホスファミドが投与される。いくつかの態様では、シクロホスファミドを、単一用量で投与しても、例えば毎日、1日おきにまたは3日毎に与えられる複数用量で投与してもよい。いくつかの態様では、シクロホスファミドが、毎日、例えば1~5日間、例えば、3~5日間投与される。いくつかの状況で、細胞療法の開始前に、対象に、約300mg/m2のシクロホスファミドが3日間毎日投与される。
【0348】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇剤がフルダラビンを含む場合、対象に、フルダラビンが、両端の値を含めて1mg/m2または約1mg/m2と100mg/m2または約100mg/m2との間、例えば、10mg/m2もしくは約10mg/m2と75mg/m2もしくは約75mg/m2との間、15mg/m2もしくは約15mg/m2と50mg/m2もしくは約50mg/m2との間、20mg/m2もしくは約20mg/m2と40mg/m2もしくは約40mg/m2との間、または24mg/m2もしくは約24mg/m2と35mg/m2もしくは約35mg/m2との間の用量で投与される。いくつかの状況で、対象に、約30mg/m2のフルダラビンが投与される。いくつかの態様では、フルダラビンを、単一用量で投与しても、例えば毎日、1日おきにまたは3日毎に与えられる複数用量で投与してもよい。いくつかの態様では、フルダラビンが、毎日、例えば1~5日間、例えば、3~5日間投与される。いくつかの状況で、細胞療法の開始前に、対象に、約30mg/m2のフルダラビンが3日間毎日投与される。
【0349】
いくつかの態様では、リンパ球枯渇剤は、作用物質の組み合わせ、例えばシクロホスファミドとフルダラビンの組み合わせを含む。したがって、作用物質の組み合わせは、上述したものなどの任意の用量または投与スケジュールでのシクロホスファミドと、上述したものなどの任意の用量または投与スケジュールでのフルダラビンを含んでよい。例えば、いくつかの局面では、第一または後続の用量の前に、対象に、60mg/kg(約2g/m2)のシクロホスファミドおよび3~5用量の25mg/m2のフルダラビンが投与される。
【0350】
細胞が投与されたら、操作された細胞集団の生物学的活性が、いくつかの態様では、例えば、多数の公知の方法のいずれかによって測定される。評価するためのパラメーターは、インビボでは、例えば、画像検査による、またはエクスビボでは、例えば、ELISAもしくはフローサイトメトリーによる、操作されたもしくは天然のT細胞または他の免疫細胞の抗原への特異的結合を含む。ある特定の態様では、標的細胞を破壊する操作された細胞の能力を、公知の任意の好適な方法、例えば、Kochenderfer et al., J. Immunotherapy, 32(7): 689-702 (2009)、およびHerman et al. J. Immunological Methods, 285(1): 25-40 (2004)に記載されている、例えば細胞傷害性アッセイを使用して測定することができる。ある特定の態様では、細胞の生物学的活性は、CD107a、IFNγ、IL-2およびTNFなどの1以上のサイトカインの発現および/または分泌をアッセイすることによって測定される。いくつかの局面では、生物学的活性は、臨床的アウトカム、例えば腫瘍量または負荷の低減を評価することによって測定される。
【0351】
ある特定の態様では、操作された細胞は、それらの治療または予防有効性が増加するようにいくつもの方法でさらに改変される。例えば、集団によって発現される操作されたCARまたはTCRを、直接的にまたはリンカーを介して間接的に、標的指向部分にコンジュゲートすることができる。標的指向部分への化合物、例えば、CARまたはTCRのコンジュゲートの実施は、公知である。例えば、Wadwa et al., J. Drug Targeting 3: 1 1 1 (1995)、および米国特許第5,087,616号を参照されたい。
【0352】
いくつかの態様では、細胞は、組み合わせ処置の一部として、例えば、細胞傷害性物質または治療用物質などの抗体または操作された細胞または受容体または作用物質などの別の治療的介入と同時にまたは任意の順序で連続的に投与される。細胞は、いくつかの態様では、1以上の追加の治療用物質とまたは別の治療用介入に関連して、同時にまたは任意の順序で連続的に共投与される。いくつかの状況において、細胞は、細胞集団が1以上の追加の治療用物質の効果を増強するような十分に短い期間で別の療法と共投与される(逆もまた同様である)。いくつかの態様では、細胞は、1以上の追加の治療用物質の前に投与される。いくつかの態様では、細胞は、1以上の追加の治療用物質の後に投与される。いくつかの態様では、1以上の追加の作用物質は、例えば、持続性を増強するための、IL-2などのサイトカインを含む。
【0353】
D. 治療用T細胞組成物による療法のモニタリングまたは評価
1. 操作された細胞の薬物動態(PK)、例えばピーク細胞レベルおよび患者因子の評価
いくつかの態様では、本方法は、T細胞、例えば、T細胞ベースの療法に投与されるT細胞の曝露、数、濃度、持続性および増殖の評価を含む。いくつかの態様では、本方法は、操作されたT細胞、例えば、T細胞ベースの療法に投与されるT細胞、またはそのサブセット、例えばCD3+細胞、CD4+細胞、CD8+細胞、CD3+ CAR+細胞、CD4+ CAR+細胞もしくはCD8+ CAR+細胞の曝露、数またはレベルの評価を含む。いくつかの態様では、細胞の曝露、または延長された増大および/もしくは持続性、ならびに/または、本明細書に提供される本方法における、細胞、例えば、免疫療法、例えばT細胞療法に投与される細胞の細胞表現型もしくは機能的活性の変化は、T細胞の特性をインビトロまたはエクスビボで評価することによって測定することができる。いくつかの態様では、そのようなアッセイを使用して、本明細書に提供される細胞療法を投与する前または後に、免疫療法、例えばT細胞療法に使用されるT細胞の機能を判定または確認することができる。
【0354】
いくつかの局面では、曝露、数、濃度、持続性および増殖は、薬物動態パラメーターに関する。いくつかの場合に、薬物動態は、そのようなパラメーターを、投与後、最大(ピーク)血漿中濃度(Cmax)、ピーク時間(すなわち、最大血漿中濃度(Cmax)が生じたとき;Tmax)、最小血漿中濃度(すなわち、治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の用量間の最小血漿中濃度;Cmin)、排泄半減期(T1/2)および曲線下面積(すなわち、治療用物質CAR+ T細胞の血漿中濃度に対して時間をプロットすることによって作成された曲線下面積;AUC)として測定することによって、評価することができる。特定の治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の投与後の血漿中の濃度は、血液の試料中の治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の濃度を評価するのに適した当技術分野において公知の任意の方法、または本明細書に記載の任意の方法を使用して測定することができる。例えば、核酸ベースの方法、例えば定量PCR(qPCR)またはフローサイトメトリーベースの方法、または他のアッセイ、例えばイムノアッセイ、ELISAもしくはクロマトグラフィー/質量分析ベースのアッセイを使用することができる。
【0355】
いくつかの態様では、投与された細胞、例えば、CAR+ T細胞組成物の薬物動態(PK)を、投与された細胞のアベイラビリティ、例えば、バイオアベイラビリティを評価するために判定する。いくつかの態様では、投与された細胞の判定された薬物動態パラメーターは、最大(ピーク)血漿中濃度(Cmax)、例えば、CD3+ CAR+細胞、CD4+ CAR+細胞およびもしくはCD8+ CAR+ T細胞のCmax;Cmaxが達成された時点(Tmax)、例えば、CD3+ CAR+細胞、CD4+ CAR+細胞およびもしくはCD8+ CAR+ T細胞のTmax、ならびにまたは、曲線下面積(AUC)、例えば、CD3+ CAR+細胞、CD4+ CAR+細胞およびもしくはCD8+ CAR+ T細胞のAUC0-28を含む。いくつかの態様では、薬物動態パラメーターは、ピークCD3+ CAR+ T細胞濃度(Cmax CD3+ CAR+ T細胞)、またはCD8+ CAR+ T細胞濃度(Cmax CD8+ CAR+ T細胞)である。いくつかの態様では、薬物動態パラメーターは、CD3+ CAR+ T細胞のAUC0-28(AUC0-28 CD3+ CAR+ T細胞)、またはCD8+ CAR+ T細胞のAUC0-28(AUC0-28 CD8+ CAR+ T細胞)である。
【0356】
いくつかの態様では、「曝露」は、一定期間にわたる治療用物質の投与後の血漿(血液または血清)中の治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の身体への曝露を指すことができる。いくつかの態様では、曝露は、治療用物質、例えば、CAR+ T細胞のある用量の投与後の薬物動態分析によって判定された場合の、治療用物質濃度-時間曲線下面積(AUC)として示すことができる。いくつかの場合に、AUCは、細胞療法において投与された細胞について細胞*日/μL、またはその対応する単位で表される。いくつかの態様では、AUCは、試料患者集団などの患者集団における平均AUC、例えば、1以上の患者からの平均AUCとして測定される。いくつかの態様では、全身曝露は、一定期間内、例えば、0日目から、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28日目、もしくはより長い期間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15週目、もしくはより長い期間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、48ヶ月目、もしくはより長い期間の曲線下面積(AUC)を指す。いくつかの態様では、AUCは、全ての測定されたデータおよび測定された薬物動態(PK)パラメーターから外挿されたデータ、例えば試料患者集団などの患者集団からの平均AUCを含めた、治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の投与後0日目~28日目のAUC(AUC0-28)として測定される。いくつかの態様では、経時的な曝露、例えば、AUC0-28などの一定期間のAUCを判定するために、パラメーター、例えば、細胞濃度の経時的な複数の測定値または評価、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21または28日またはより長い期間毎に取られた測定値を使用して、治療用物質濃度-時間曲線が作成される。
【0357】
いくつかの態様では、組換え受容体を発現する細胞(例えば、T細胞ベースの療法に投与されるCAR発現細胞)の、T細胞の投与後ならびに療法の投与前、投与中および/または投与後の対象における存在および/または量が検出される。いくつかの局面では、定量PCR(qPCR)などの核酸ベースの方法を使用して、対象の血液または血清または器官または組織試料(例えば、疾患部位、例えば、腫瘍試料)中の組換え受容体を発現する細胞(例えば、T細胞ベースの療法に投与されるCAR発現細胞)の量を評価する。いくつかの局面では、持続性は、DNAの1マイクログラム当たりの受容体(例えば、CAR)をコードするDNAまたはプラスミドのコピーとして、あるいは、試料、例えば、血液または血清の1マイクロリットル当たりの、もしくは試料の1マイクロリットル当たりの末梢血単核細胞(PBMC)または白血球またはT細胞の総数当たりの受容体発現(例えば、CAR発現)細胞の数として定量される。いくつかの態様では、qPCRまたは他の核酸ベースの方法に使用されるプライマーまたはプローブは、組換え受容体をコードする核酸、ならびに/または、調節エレメント、例えば、プロモーター、転写および/もしくは転写後調節エレメントもしくは応答エレメント、またはマーカー、例えば、代理マーカーを含めた、プラスミドおよび/またはベクターの他の成分またはエレメントへの結合、認識および/または増幅に特異的である。いくつかの態様では、プライマーは、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)などの調節エレメントに特異的であることができる。いくつかの例では、組換え受容体を発現する細胞の存在および/または量は、DNAの質量当たりのCARをコードする核酸配列(例えば、導入遺伝子配列)またはCARをコードする配列に機能的に連結された核酸配列のコピー(例えば、コピー/DNA 1μg);経時的なコピー/DNA 1μgの曲線のAUC、処置後の最大またはピークコピー/DNA 1μg、あるいは、処置後またはその開始の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20もしくは21日目、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12週目、またはそれ以降におけるコピー/DNA 1μgとして表される。
【0358】
いくつかの態様では、細胞は、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与の4日後もしくは少なくとも4日後、14日後もしくは少なくとも14日後、15日後もしくは少なくとも15日後、27日後もしくは少なくとも27日後、または28日後もしくは少なくとも28日後に、対象において検出される。いくつかの局面では、細胞は、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与の、2週後もしくは少なくとも2週後、4週後もしくは少なくとも4週後、または6週後もしくは少なくとも6週後、あるいは3ヶ月後もしくは少なくとも3ヶ月後、6ヶ月後もしくは少なくとも6ヶ月後、または12ヶ月後もしくは少なくとも12ヶ月後、18ヶ月後もしくは少なくとも18ヶ月後、または24ヶ月後もしくは少なくとも24ヶ月後、または30ヶ月後もしくは少なくとも30ヶ月後、または36ヶ月後もしくは少なくとも36ヶ月後、あるいは1年後もしくは少なくとも1年後、2年後もしくは少なくとも2年後、3年後もしくは少なくとも3年後、4年後もしくは少なくとも4年後、5年後もしくは少なくとも5年後、またはより長い年数後に検出される。
【0359】
いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞の投与の開始の少なくとも8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日または21日後である時点に、ピークレベルおよび/またはAUCが評価され、かつ/または、試料が対象から得られる。いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞の投与の開始後の、それぞれ両端の値を含めて11日もしくは約11日と22日もしくは約22日との間、12日もしくは約12日と18日もしくは約18日との間、または14日もしくは約14日と16日もしくは約16日との間である時点に、ピークレベルおよび/またはAUCが評価され、かつ/または、試料が対象から得られる。
【0360】
増大および/または持続性の指標となるT細胞療法に投与される細胞、例えばT細胞の曝露、例えば、数または濃度を、対象が曝露される細胞の最大数または濃度、検出可能な細胞または一定の数もしくはパーセンテージを上回る細胞の持続時間、経時的な細胞の数もしくは濃度についての曲線下面積(AUC)、ならびに/またはそれらの組み合わせおよびそれらの指示因子という観点で定めてよい。そのようなアウトカムは、特定の試料、例えば、血液、血清、血漿もしくは組織、例えば腫瘍試料中、組換え受容体をコードする核酸のコピー数を核酸もしくはDNAの総数と比較して検出するqPCR、および/または、受容体を発現する細胞を一般的に受容体に特異的な抗体を使用して検出するフローサイトメトリーアッセイなどの公知の方法を使用して評価してよい。細胞ベースのアッセイを使用して、疾患もしくは病態の細胞または受容体によって認識される抗原を発現する細胞に結合するおよび/またはそれを中和するおよび/またはそれに対する応答(例えば、細胞毒性応答)を誘導することができる細胞などの、機能性細胞の数またはパーセンテージまたは濃度を検出してもよい。
【0361】
いくつかの局面では、細胞に対する対象の曝露の増加は、細胞の増大の増加を含む。いくつかの態様では、受容体発現細胞、例えばCAR発現細胞は、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与後に対象において増大する。
【0362】
いくつかの態様では、受容体を発現する細胞は、対象の血清、血漿、血液または組織、例えば、腫瘍試料中で、例えば、qPCRまたはフローサイトメトリーベースの検出法などの指定の方法によって、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与の少なくとも20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60日後またはより長い日数後、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24週間後または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23もしくは24週間後またはより長い週間後、検出可能である。
【0363】
いくつかの局面では、少なくとも1×102もしくは少なくとも約1×102、少なくとも1×103もしくは少なくとも約1×103、少なくとも1×104もしくは少なくとも約1×104、少なくとも1×105もしくは少なくとも約1×105、または少なくとも1×106もしくは少なくとも約1×106、または少なくとも5×106もしくは少なくとも約5×106、または少なくとも1×107もしくは少なくとも約1×107、または少なくとも5×107もしくは少なくとも約5×107、または少なくとも1×108もしくは少なくとも約1×108の組換え受容体発現、例えば、CAR発現細胞、および/または、1マイクロリットル当たり少なくとも10、25、50、100、200、300、400もしくは500、または1000の、例えば、1マイクロリットル当たり少なくとも10の受容体発現細胞が、対象または流体、血漿、血清、組織もしくはその区画、例えばその血液、例えば、末梢血もしくは疾患部位、例えば、腫瘍中で、検出可能であるかまたは存在する。いくつかの態様では、そのような細胞の数または濃度は、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与後、少なくとも20日もしくは少なくとも約20日、少なくとも40日もしくは少なくとも約40日、または少なくとも60日もしくは少なくとも約60日、あるいは少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12ヶ月または少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12ヶ月、あるいは少なくとも2または3年、対象において検出可能である。そのような細胞数は、フローサイトメトリーベースのまたは定量PCRベースの方法および公知の方法を使用した総細胞数への外挿法によって検出してよい。例えば、Brentjens et al., Sci Transl Med. 2013 5(177), Park et al, Molecular Therapy 15(4):825-833 (2007), Savoldo et al., JCI 121(5):1822-1826 (2011), Davila et al., (2013) PLoS ONE 8(4):e61338, Davila et al., Oncoimmunology 1(9):1577-1583 (2012), Lamers, Blood 2011 117:72-82, Jensen et al., Biol Blood Marrow Transplant 2010 September; 16(9): 1245-1256, Brentjens et al., Blood 2011 118(18):4817-4828を参照されたい。
【0364】
いくつかの局面では、免疫組織化学、PCRおよび/またはフローサイトメトリーによって測定された場合の、例えば末梢血または骨髄または他の区画中の、100個の細胞当たりの、組換え受容体をコードする核酸のコピー数、例えば、ベクターコピー数は、細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与の約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、もしくは少なくとも約6週間後、または少なくとも約2、3、4、5、6、7、8. 9、10、11、もしくは12ヶ月後または少なくとも2または3年後、少なくとも0.01、少なくとも0.1、少なくとも1、または少なくとも10である。いくつかの態様では、ゲノムDNA 1マイクログラム当たりの、受容体(例えば、CAR)を発現するベクターのコピー数は、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与の約1週間、約2週間、約3週間もしくは少なくとも約4週間後、またはそのような投与の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12ヶ月後または少なくとも2または3年後の時点、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも5000、または少なくとも10,000、または少なくとも15,000または少なくとも20,000である。
【0365】
いくつかの局面では、細胞によって発現される受容体、例えばCARは、対象、その血漿、血清、血液、組織および/または疾患部位、例えば、腫瘍部位において、細胞の投与の、例えば、T細胞の投与の開始の少なくとも3ヶ月もしくは少なくとも約3ヶ月後、少なくとも6ヶ月もしくは少なくとも約6ヶ月後、少なくとも12ヶ月もしくは少なくとも約12ヶ月後、少なくとも1年もしくは少なくとも約1年後、少なくとも2年もしくは少なくとも約2年後、少なくとも3年もしくは少なくとも約3年後、または3年超後である時点に、定量PCR(qPCR)によってまたはフローサイトメトリーによって検出可能である。いくつかの態様では、T細胞、例えば、CAR発現T細胞の投与後の対象の流体、血漿、血清、血液、組織、器官および/または疾患部位、例えば腫瘍部位中の受容体(例えば、CAR)を発現する細胞の経時的な濃度についての曲線下面積(AUC)が測定される。
【0366】
また、応答または持続可能な応答の可能性を評価する方法が提供される。いくつかの態様では、本方法は、対象由来の生物学的試料中、1以上の炎症性マーカーのピークレベルおよび/またはキメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞を含む遺伝子操作された細胞のピークレベルを検出する段階であって、対象に、疾患または病態を処置するための遺伝子操作された細胞のある用量が事前に投与されている、段階を伴う。いくつかの態様では、本方法は、個々に、ピークレベルを閾値と比較し、それによって、遺伝子操作された細胞の投与に対して対象が持続可能な応答を達成する可能性を判定することを伴う。
【0367】
いくつかの態様では、1以上の炎症性マーカーのピークレベルが閾値を下回る場合、対象は応答または持続可能な応答を達成する可能性が高く、1以上の炎症性マーカーのピークレベルが閾値を上回る場合、対象は持続可能な応答を達成する可能性は低い。いくつかの態様では、遺伝子操作された細胞のピークレベルが下側閾値~上側閾値の間の治療範囲内にある場合、対象は持続可能な応答を達成する可能性が高く、遺伝子操作された細胞のピークレベルが下側閾値を下回るかまたは上側閾値を上回る場合、対象は持続可能な応答を達成する可能性は低い。
【0368】
いくつかの場合に、提供される態様は、患者および/または疾患もしくは病態の属性、因子、特性、ならびに/あるいはバイオマーカーの発現などのパラメーターを評価することを伴う。いくつかの態様では、評価されるパラメーターは、薬物動態パラメーター、応答、持続可能な応答および/または毒性の発生に関連するおよび/またはそれと相関する。いくつかの態様では、パラメーターは、患者因子または患者属性を含む。いくつかの態様では、評価されるパラメーターは、本明細書に開示の細胞組成物の表現型と相関する。いくつかの態様では、評価されるパラメーターは、アウトプット組成物が、無増悪生存および/または持続可能な応答と相関する必要な細胞の組成(例えば、細胞表現型のパーセンテージ)を有するか否かを示す。いくつかの態様では、評価されるパラメーターを使用して、治療的投与に有用なアウトプット組成物を産生する可能性を予測することができる。いくつかの態様では、高い疾病負荷を有する患者、例えば、高いSPD(例えば、50cm2よりも大きいまたはそれに等しい値)またはCRP値(例えば、20mg/Lよりも大きいまたはそれに等しい値)を有する患者は、治療的投与に有用なアウトプット組成物を産生する可能性は低い。いくつかの態様では、低い疾病負荷を有する患者、例えば、低いSPD(例えば、50cm2未満の値)またはCRP値(例えば、20mg/L未満の値)を有する患者は、治療的投与に有用なアウトプット組成物を産生する可能性がより高い。いくつかの態様では、パラメーターは、疾患または病態の属性、因子、特性を含む。いくつかの態様では、パラメーターは、処置の前に、例えば、細胞療法の投与の前に評価される。いくつかの態様では、パラメーターは、処置の後に、例えば、細胞療法の1以上の用量の投与の後に評価される。
【0369】
いくつかの態様では、パラメーターは、薬物動態パラメーター、例えば、最大(ピーク)血漿中濃度(Cmax)、ピーク時間(すなわち、最大血漿中濃度(Cmax)が生じたとき;Tmax)、最小血漿中濃度(すなわち、治療用物質、例えば、CAR+ T細胞の用量間の最小血漿中濃度;Cmin)、排泄半減期(T1/2)および曲線下面積(すなわち、治療用物質CAR+ T細胞の血漿中濃度に対して時間をプロットすることによって作成された曲線下面積;AUC;AUC0-28など)であるかまたはそれを含む。
【0370】
いくつかの態様では、パラメーターは、患者の状態および/または患者の疾患もしくは病態の指標となる1以上の因子であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、パラメーターは、腫瘍量の指標となる。いくつかの態様では、腫瘍量の指標となる因子は、腫瘍の体積尺度である。いくつかの態様では、体積尺度は、腫瘍サイズ、腫瘍径、腫瘍体積、腫瘍質量、腫瘍負荷または塊(bulk)、腫瘍が関係する浮腫、腫瘍が関係するネクローシス、および/または転移の数もしくは程度などの病変の尺度である。いくつかの態様では、腫瘍の体積尺度は、二次元尺度である。例えば、いくつかの態様では、病変の面積は、すべての測定可能な腫瘍の最長径と最長垂直径の積として算出することができる。いくつかの場合に、腫瘍の体積尺度は、一次元尺度である。いくつかの場合に、測定可能な病変のサイズは、最長径として評価される。いくつかの態様では、二方向積和(SPD)、最長腫瘍径(LD)、最長腫瘍径の合計(SLD)、ネクローシス、腫瘍体積、ネクローシス体積、ネクローシス-腫瘍比(NTR)、腫瘍周辺浮腫(PTE)、および浮腫-腫瘍比(ETR)が測定される。
【0371】
腫瘍量の例示的な測定および評価法は、例えば、Carceller et al., Pediatr Blood Cancer. (2016) 63(8):1400-1406 および Eisenhauer et al., Eur J Cancer. (2009) 45(2):228-247に記載されている方法を含む。いくつかの態様では、体積は、すべての測定可能な腫瘍の最大垂直径の積の合計を決定することによって測定される二方向積和(SPD)である。いくつかの局面では、腫瘍または病変は、最長径(LD)を用いて一次元で、かつ/または、すべての測定可能な病変の最長腫瘍径の合計(SLD)を決定することによって測定される。いくつかの態様では、腫瘍の体積尺度は、ネクローシス体積および/またはネクローシス-腫瘍比(NTR)などの腫瘍ネクローシスの体積定量である。Monsky et al., Anticancer Res. (2012) 32(11): 4951-4961を参照されたい。いくつかの局面では、腫瘍の体積尺度は、腫瘍周辺浮腫(PTE)および/または浮腫-腫瘍比(ETR)などの腫瘍が関係する浮腫の体積定量である。いくつかの態様では、測定は、対象のコンピュータ断層撮影法(CT)、陽電子放出撮影法(PET)、および/または磁気共鳴画像法(MRI)などの画像処理技術を使用して実施することができる。
【0372】
いくつかの態様では、体積尺度は、SPDであり、いくつかの場合に、毒性、例えば、CRSまたはNTの発生は、閾値を上回るSPD値と相関する。いくつかの態様では、体積尺度は、SPDであり、閾値は、30cm2であるかもしくは約30cm2であり、40cm2であるかもしくは約40cm2であり、50cm2であるかもしくは約50cm2であり、60cm2であるかもしくは約60cm2であり、または70cm2であるかもしくは約70cm2である。いくつかの態様では、体積尺度は、SPDであり、閾値は、30cm2であるかもしくは約30cm2であり、40cm2であるかもしくは約40cm2であり、50cm2であるかもしくは約50cm2であり、60cm2であるかもしくは約60cm2であり、または70cm2であるかもしくは約70cm2である。
【0373】
いくつかの態様では、腫瘍の体積尺度は、対象における病態または疾患を確認および/または特定するためのルーチン評価または採決などのスクリーニングセッションで決定される。
【0374】
いくつかの局面では、パラメーター、例えば、腫瘍量の測定値は、薬物動態パラメーターと相関するおよび/またはそれに関連する。いくつかの態様では、薬物動態パラメーターを含むパラメーターは、応答および/もしくは持続可能な応答、ならびに/または毒性、例えば、CRSもしくは神経毒性(NT)を発生するリスクに関連する。
【0375】
いくつかの態様では、パラメーターは、バイオマーカーの少なくとも1つまたは一団であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、バイオマーカーの発現および/または存在は、薬物動態パラメーター、応答、持続可能な応答および/または毒性の発生に関連するおよび/またはそれと相関する。いくつかの態様では、パラメーターは、特定の参照値、例えば、応答および/もしくは持続可能な応答、ならびに/または毒性、例えば、CRSもしくは神経毒性(NT)を発生するリスクに関連するものと比較される。いくつかの態様では、本方法はまた、CAR+ T細胞の増大、増殖および/または活性をモジュレーションすることができる作用物質を、対象に、患者因子および/またはバイオマーカーの評価に基づいて投与することを伴う。
【0376】
いくつかの局面では、態様は、パラメーターを検出するための生物学的試料を取得すること、ならびに/または、パラメーターの存在を評価することおよび/もしくはパラメーターを検出することを伴う。いくつかの態様では、生物学的試料は、一般には、細胞療法の投与の、またはその第一の投与もしくは用量の、または前述のいずれかの開始後の4時間~12ヶ月以内に、例えば、一般には、細胞療法の投与後の、またはその第一の投与もしくは用量後の、または前述のいずれかの開始後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28、30、60もしくは90日以内または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28、30、60もしくは90日以内またはより長い日数以内、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15週間以内または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15週間以内またはより長い週数以内、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、48ヶ月以内または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、48ヶ月以内またはより長い月数以内に取得される。いくつかの態様では、パラメーターは、対象において、細胞療法の投与の前、あるいは細胞療法の投与またはその第一の投与もしくは用量の直後、あるいは前述のいずれかの開始後、例えば、一般には、細胞療法の投与の、またはその第一の投与もしくは用量の、または前述のいずれかの開始後の4時間~3日以内、例えば、一般には、細胞療法の投与後の、またはその第一の投与もしくは用量後の、または前述のいずれかの開始後の1日もしくは約1日、2日もしくは約2日または3日もしくは約3日以内に評価または測定される。いくつかの態様では、パラメーターは、評価または測定される。いくつかの態様では、パラメーターは、一般には、細胞療法の投与の、またはその第一の投与もしくは用量の、または前述のいずれかの開始後の4時間~12ヶ月以内、例えば、一般には、細胞療法の投与後の、またはその第一の投与もしくは用量後の、または前述のいずれかの開始後の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28、30、60もしくは90以内または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、21、28、30、60もしくは90以内またはより長い日数以内、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15週間以内または約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15週間以内またはより長い週数以内、あるいは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、48ヶ月以内または約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、48ヶ月以内またはより長い月数以内に評価される。
【0377】
いくつかの局面では、パラメーター、例えば、患者因子および/またはバイオマーカーは、薬物動態パラメーターと相関するおよび/またはそれに関連する。いくつかの態様では、薬物動態パラメーターを含むパラメーターは、応答および/もしくは持続可能な応答、ならびに/または毒性、例えば、CRSもしくは神経毒性(NT)を発生するリスクに関連する。
【0378】
いくつかの態様では、パラメーターは、バイオマーカーである。いくつかの態様では、パラメーターは、バイオマーカーの発現ならびに/または特定のバイオマーカーを発現する細胞の数、濃度および/もしくはパーセンテージであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、パラメーターは、複数のバイオマーカー、または複数のバイオマーカーを含む一団中の各バイオマーカーを含む。いくつかの態様では、バイオマーカーは、サイトカインおよび/または他の血清もしくは血液因子、例えば本明細書に記載したようないずれかであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、バイオマーカーまたは一団中の各バイオマーカーは、サイトカインであり、それは、いくつかの場合に、ケモカインであることができる。いくつかの態様では、バイオマーカーまたは一団中の各バイオマーカーは、可溶性受容体を含む。いくつかの態様では、バイオマーカーまたは一団中の各バイオマーカーは、可溶性血清タンパク質を含む。例示的なバイオマーカーまたはバイオマーカーの一団は、本明細書に記載している。
【0379】
いくつかの態様では、パラメーターは、血液分析物のレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、パラメーターは、炎症性マーカーのレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、血液分析物および/または炎症性マーカーは、インターロイキン-7(IL-7)、IL-15、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1α)のレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、血液分析物および/または炎症性マーカーは、IL-6、IL-10、IL-16、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、MIP-1α、MIP-1β、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、およびC-X-Cモチーフケモカイン10(CXCL10)のレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、血液分析物および/または炎症性マーカーは、フェリチン、C-反応性タンパク質(CRP)、D-二量体(フィブリン分解産物)、IL-6、IL-10、IL-15、IL-16、TNF-α、MIP-1α、およびMIP-1βのレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、血液分析物および/または炎症性マーカーは、LDH、フェリチン、CRP、IL-6、IL-8、IL-10、TNF-α、IFN-α2、MCP-1および/またはMIP-1βのレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、血液分析物および/または炎症性マーカーは、CRP、血清アミロイドA1(SAA-1)、IL-2、IL-6、IL-10、IL-15、TNF-α、MIP-1α、MIP-1β、MCP-1、CXCL10およびC-Cモチーフケモカインリガンド13(CCL13)のレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、血液分析物および/または炎症性マーカーは、LDH、フェリチン、CRP、D-二量体、SAA-1、IL-6、IL-10、IL-15、IL-16、TNF-α、IFN-γおよび/またはMIP-1αのレベルおよび/または濃度であるかまたはそれを含む。
【0380】
いくつかの態様では、炎症性マーカーは、C-反応性タンパク質(CRP)、赤血球沈降速度(ESR)、アルブミン、フェリチン、β2ミクログロブリン(β2-M)、または乳酸脱水素酵素(LDH)のレベルまたは存在であるかまたはそれを含み、これらが検出および評価される。いくつかの態様では、炎症性マーカーは、イムノアッセイを使用して評価される。例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、表面プラズモン共鳴(SPR)、ウエスタンブロット、ラテラルフローアッセイ、免疫組織化学、タンパク質アレイまたはイムノPCR(iPCR)を使用して、炎症性マーカーを検出することができる。いくつかの態様では、本製造品を使用することは、腫瘍量の指標となる炎症性マーカーを検出することを含む。いくつかの場合に、炎症性マーカーをアッセイまたは評価することは、フローサイトメトリーを使用することである。いくつかの場合に、試薬は、炎症性マーカーに結合する可溶性タンパク質である。一部の例では、試薬は、C-反応性タンパク質(CRP)、赤血球沈降速度(ESR)、アルブミン、フェリチン、β2ミクログロブリン(β2-M)または乳酸脱水素酵素(LDH)に結合するタンパク質である。
【0381】
いくつかの態様では、バイオマーカー、例えば、炎症性マーカーは、C-反応性タンパク質(CRP)であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、CRPは、インビトロ酵素結合免疫吸着アッセイを使用して評価され、血清、血漿または血液などの試料からヒトCRPの定量的な測定が得られる。いくつかの例では、CRPは、ヒト酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して検出される。いくつかの態様では、バイオマーカー、例えば炎症性マーカーは、赤血球沈降速度(ESR)であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、ESRは、垂直ピペットまたはチューブ中で血漿から分離した後に赤血球が沈降した距離(ミリメートル毎時間の単位)を測定することによって評価される。いくつかの態様では、バイオマーカーは、アルブミンであるかまたはそれを含む。いくつかの局面では、アルブミンは、比色試験またはインビトロ酵素結合免疫吸着アッセイを使用して評価される。いくつかの例では、アルブミンは、ヒト酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して検出される。いくつかの態様では、バイオマーカー、例えば、炎症性マーカーは、フェリチンまたはβ2ミクログロブリンであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、フェリチンまたはβ2ミクログロブリンは、イムノアッセイを使用して評価されるかまたはELISAを使用して検出される。いくつかの局面では、バイオマーカー、例えば、炎症性マーカーは、乳酸脱水素酵素(LDH)であるかまたはそれを含み、LDHは、比色試験またはインビトロ酵素結合免疫吸着アッセイを使用して評価される。
【0382】
いくつかの態様では、パラメーターは、LDHであり、いくつかの場合に、毒性、例えば、CRSまたはNTの発生は、閾値を上回るLDH値と相関する。いくつかの態様では、炎症性マーカーは、LDHであり、閾値は、300ユニット毎リットルであるかもしくは約300ユニット毎リットルであり、400ユニット毎リットルであるかもしくは約400ユニット毎リットルであり、500ユニット毎リットルであるかもしくは約500ユニット毎リットルであり、または600ユニット毎リットルであるかもしくは約600ユニット毎リットルである。
【0383】
いくつかの態様では、パラメーターまたはバイオマーカーは、LDHである。いくつかの態様では、バイオマーカーは、LDHであり、閾値は、500U/L以上である。いくつかの態様では、パラメーターまたはバイオマーカーは、SPDである。いくつかの態様では、パラメーターは、SPDであり、閾値は、50cm2以上もしくは約50cm2以上である。いくつかの態様では、バイオマーカーまたはパラメーターは、SPDおよびLDHであり、閾値は、50cm2以上のSPDおよび500U/L以上のLDHである。いくつかの態様では、バイオマーカーまたはパラメーターは、CRSまたはNTの発生リスクの増加に関連する。いくつかの態様では、閾値を上回るパラメーターまたはマーカーの測定値、例えば、50cm2以上のSPDおよび500U/L以上のLDHは、任意のグレードのCRSまたはNTなどのCRSまたはNTの発生リスクの、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはより大きい増加に関連する。いくつかの態様では、閾値を下回るパラメーターまたはマーカーの測定値、例えば、500cm2より小さいSPDおよび500U/Lより少ないLDHは、任意のグレードのCRSまたはNTなどのCRSまたはNTの発生リスクの、約2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍またはより大きい減少に関連する。
【0384】
2. 応答、有効性および生存の評価
いくつかの局面では、本方法は、特定の細胞表現型を有する細胞、例えば、CCR7+細胞の用量と、そのような細胞の用量が投与された対象における応答、有効性および/または生存との間の関連性または関係性を判定することを伴う。
【0385】
いくつかの局面では、NHLを有する対象などの対象における奏効率は、ルガーノ(Lugano)基準(Cheson et al., (2014) JCO 32(27):3059-3067; Johnson et al., (2015) Radiology 2:323-338; Cheson, B.D. (2015) Chin Clin Oncol 4(1):5)に戻づく。いくつかの局面では、応答評価は、臨床的方法、血液学的方法および/または分子的方法のいずれかを利用する。いくつかの局面では、ルガーノ基準を使用した応答評価は、適宜、陽電子放出撮影法(PET)-コンピュータ断層撮影法(CT)および/またはCTの使用を伴う。PET-CT評価はさらに、フルオロデオキシグルコース(FDG)-avidリンパ腫に対するFDGの使用を含んでよい。いくつかの局面では、FDG-avid組織診断において応答を評価するのにPET-CTを使用する場合、5ポイントスケールを使用してよい。いくつかの点で、5ポイントスケールは、以下の基準を含む:1、バックグラウンドを上回る取り込みなし;2、≦隔膜の取り込み;3、>隔膜であるが≦肝臓の取り込み;4、中程度に>肝臓の取り込み;5、肝臓よりも顕著に高い取り込みおよび/または新たな病変;X、リンパ腫に関係する可能性の低い取り込みの新たな領域。
【0386】
いくつかの局面では、ルガーノ基準を使用して説明する場合の完全奏効(CR)は、様々な測定可能な部位での完全代謝奏効および完全放射線学的奏功を伴う。いくつかの局面では、これらの部位は、リンパ節およびリンパ外部位を含み、この場合、CRは、PET-CTを使用したときに、残存腫瘤の有無にかかわらず、5ポイントスケールで1、2または3のスコアで表される。いくつかの局面では、高度な生理学的取り込みまたは脾臓もしくは骨髄内での活性化(例えば、化学療法または骨髄性コロニー刺激因子による)を伴うワルダイエル輪または節外性部位では、取り込みは、正常な隔膜および/または肝臓よりも大きい場合がある。この状況では、たとえ組織が高度な生理学的取り込みを有していたとしても、最初の病変部位での取り込みが、周辺の正常組織を超えなければ、完全代謝奏功が推測され得る。いくつかの局面では、応答は、CTを使用してリンパ節において評価され、この場合、CRは、疾患のリンパ外部位がなく、かつ、標的リンパ節/節性腫瘤が病変部の最長横径(LDi)で≦1.5cmまで退縮しなければならないと説明される。さらなる評価部位は、骨髄を含み、この場合、PET-CTに基づく評価は、骨髄におけるFDG-avid疾患の証拠の欠如を示すはずであり、CTに基づく評価は、正常な形態を示すはずであり、これらが不確かであれば、IHC陰性であるはずである。さらなる部位は、器官腫脹の評価を含んでよく、器官腫脹は正常まで退縮するはずである。いくつかの局面では、測定されなかった病変および新たな病変が評価され、これらは、CRの場合では存在しないはずである(Cheson et al., (2014) JCO 32(27):3059-3067; Johnson et al., (2015) Radiology 2:323-338; Cheson, B.D. (2015) Chin Clin Oncol 4(1):5)。
【0387】
いくつかの局面では、ルガーノ基準を使用して記載する場合の部分奏効(PR)は、様々な測定可能な部位での部分代謝および/または放射線学的奏功を伴う。いくつかの局面では、これらの部位は、リンパ節およびリンパ外部位を含み、この場合、PRは、PET-CTを使用したときにベースラインと比較して低減された取り込みおよび任意のサイズの残存腫瘤を伴い、4または5のスコアで表される。中間時期で、そのような所見は、応答のあった疾患を示唆することができる。処置の最後で、そのような所見は、残存疾患を示唆することができる。いくつかの局面では、応答は、CTを使用してリンパ節において評価され、この場合、PRは、最大6つの標的の測定可能なリンパ節および節外性部位のSPDの≧50%の減少と説明される。CT上で測定できないほど病変が小さいならば、デフォルト値として5mm×5mmが割り当てられ;病変がもはや可視できないならば、その値は、0mm×0mmである;リンパ節が>5mm×5mmであっても正常より小さい場合には、実際の測定値が算出に使用される。さらなる評価部位は、骨髄を含み、この場合、PET-CTに基づく評価は、正常な骨髄における取り込みよりも高度であるがベースラインと比較して低減された残存取り込みを示すはずである(化学療法からの反応性変化に対応する拡散した取り込みが認められた)。いくつかの局面では、リンパ節応答に関連して骨髄において持続性の巣状変化があれば、MRIもしくは生検、またはインターバルスキャンによるさらなる評価が考慮されるべきである。いくつかの局面では、さらなる部位は、器官腫脹の評価を含んでよく、この場合、脾臓は、長さが正常を>50%超えて退縮していなければならない。いくつかの局面では、測定されなかった病変および新たな病変が評価され、これらは、PRの場合では、非存在/正常であり、退縮しているが、増加しないはずである。また、応答なし/安定(SD)または進行(PD)も、PET-CTおよび/またはCTに基づく評価を使用して測定することができる(Cheson et al., (2014) JCO 32(27):3059-3067; Johnson et al., (2015) Radiology 2:323-338; Cheson, B.D. (2015) Chin Clin Oncol 4(1):5)。
【0388】
いくつかの点で、無増悪生存(PFS)は、がんなどの疾患の処置の間およびその後の、対象が疾患と共に生きているが疾患が悪化しない時間の長さと説明される。いくつかの局面では、客観的奏効(OR)は、測定可能な応答と説明される。いくつかの局面では、客観的奏効率(ORR)は、CRまたはPRを達成した患者の比率と説明される。いくつかの局面では、全生存(OS)は、がんなどの疾患の診断日または処置開始のいずれからの、疾患と診断された対象がなお生きている時間の長さと説明される。いくつかの局面では、無イベント生存(EFS)は、がんに対する処置が終了した後の、処置が阻止または遅延されると意図されたある特定の合併症またはイベントのない状態を対象が維持する時間の長さと説明される。これらのイベントは、がんの再発、または骨に広がったがんによる骨痛などのある特定の症状の発症、または死亡を含み得る。
【0389】
いくつかの態様では、奏効期間(DOR)の尺度は、腫瘍応答が文書として登録されてから疾患進行までの時間を含む。いくつかの態様では、応答を評価するためのパラメーターは、持続可能な応答、例えば、療法の開始から一定期間後も持続する応答を含むことができる。いくつかの態様では、持続可能な応答は、療法の開始の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18または24ヶ月後の奏効率によって示される。いくつかの態様では、応答は、3ヶ月超または6ヶ月超、持続可能である。
【0390】
いくつかの局面では、RECIST基準は、腫瘍縮小効果(objective tumor response)を;いくつかの局面では、固形腫瘍において、判定するために使用される(Eisenhauer et al., European Journal of Cancer 45 (2009) 228-247)。いくつかの局面では、RECIST基準は、標的病変に対する腫瘍縮小効果を判定するために使用される。いくつかの点で、RECIST基準を使用して判定する場合の完全奏効は、すべての標的病変の消失と説明され、あらゆる病理学的リンパ節(標的か非標的かにかかわらず)は、短軸が<10mmまで低減されていなければならない。他の局面では、RECIST基準を使用して判定する場合の部分奏効は、ベースラインの直径の和を基準として、標的病変の直径の和の少なくとも30%の減少と説明される。他の局面では、進行(PD)は、研究中の最小の和(これは、ベースラインの和が研究中の最小の和であればベースラインの和を含む)を基準として、標的病変の直径の和の少なくとも20%の増加と説明される。20%の相対的増加に加えて、その和は、少なくとも5mmの絶対的増加も示さなければならない(いくつかの局面では、1以上の新たな病変の出現も進行と見なされる)。他の局面では、安定(SD)は、研究中の直径の最小の和を基準として、PRの資格を得るほどには十分に縮小しておらず、PDの資格を得るほどには十分に増大していないと説明される。
【0391】
いくつかの局面では、提供される方法に従った、および/または提供される製造品もしくは組成物に従った投与は、一般に、対象における疾患または病態の増大または負担を低減または防止する。例えば、疾患または病態が腫瘍である場合、本方法は、一般に、腫瘍サイズ、塊、転移、骨髄中の芽細胞のパーセンテージまたは分子的に検出可能ながんを低減し、かつ/または、予後もしくは生存または腫瘍量に関連する他の症状を改善する。
【0392】
疾病負荷は、対象における、または対象の器官、組織もしくは体液、例えば、腫瘍の器官もしくは組織または別の場所(例えば、転移を示唆するだろう)における疾患の細胞の総数を包含する。例えば、腫瘍細胞は、特定の血液腫瘍に関連して血液中または骨髄中で検出および/または定量されてよい。疾患負荷は、いくつかの態様では、腫瘍の質量、転移の数もしくは程度、および/または骨髄中に存在する芽細胞のパーセンテージを含むことができる。
【0393】
いくつかの態様では、対象は、白血病を有する。疾病負荷の程度は、血液または骨髄における残存白血病の評価によって判定することができる。
【0394】
いくつかの局面では、CLLを有する対象などの対象における奏効率は、International Workshop on Chronic Lymphocytic Leukemia(IWCLL)応答基準(Hallek, et al., Blood 2008, Jun 15; 111(12): 5446-5456)に基づく。いくつかの局面では、これらの基準は、以下の通り説明される:完全寛解(CR)(いくつかの局面では、イムノフェノタイピングによる末梢血クローンリンパ球の非存在、リンパ節腫脹の非存在、肝腫大または脾腫大の非存在、全身症状および十分な血球数の非存在を必要とする);不完全な骨髄回復(CRi)を伴う完全寛解(いくつかの局面では、上記のCRであるが血球数が正常でないと説明される);部分寛解(PR)(いくつかの局面では、末梢血球数の改善と共に、リンパ球数の≧50%の低下、リンパ節腫脹の≧50%の低減または肝臓もしくは脾臓の≧50%の低減と説明される);進行(PD)(いくつかの局面では、>5×109/Lまでのリンパ球数の≧50%の上昇、リンパ節腫脹の≧50%の増加、肝臓もしくは脾臓サイズの≧50%の増加、リヒタートランスフォーメーション、またはCLLに起因する新たな血球減少と説明される);ならびに安定(いくつかの局面では、CR、CRi、PRまたはPDの基準を満たさないと説明される)。
【0395】
いくつかの態様では、対象は、組成物の細胞の1超の単位用量(または1単位用量)を含む細胞療法の投与後に持続可能な応答を示す。いくつかの態様では、持続可能な応答は、対象が処置の結果として部分または完全奏効を呈する、時間の長さ、通常は、月単位である。いくつかの態様では、持続可能な応答は、全生存の改善と同時に起こる。
【0396】
いくつかの態様では、対象は、組成物の細胞の1超の単位用量(または1単位用量)を含む細胞療法の投与後に無増悪生存(PFS)を示す。いくつかの態様では、無増悪生存は、疾患が悪化してない処置後または処置の開始後(例えば、組成物の細胞の1超の単位用量(または1単位用量)を含む細胞療法の投与後)の時間の長さを測定することによって判定される。いくつかの態様では、疾患ががんであるとき、無増悪生存は、がんが悪化または広がることのできないことを指す。いくつかの態様では、無増悪生存は、持続可能な応答と同時に起こる。
【0397】
いくつかの態様では、細胞の用量の投与の1ヶ月以内に、対象のリンパ節が20mmもしくは約20mm未満のサイズ、10mmもしくは約10mm未満のサイズまたは10mmもしくは約10mm未満サイズであるならば、対象は、CRまたはORを示す。
【0398】
いくつかの態様では、CLLの指標クローン(index clone)は、対象の骨髄において(または、本方法に従って処置された対象の50%、60%、70%、80%、90%超もしくはより多くの骨髄において)検出されない。いくつかの態様では、CLLの指標クローンは、IgHディープシーケンシングによって評価される。いくつかの態様では、指標クローンは、細胞の投与の1ヶ月もしくは約1ヶ月または少なくとも1ヶ月もしくは少なくとも約1ヶ月後、2ヶ月もしくは約2ヶ月または少なくとも2ヶ月もしくは少なくとも約2ヶ月後、3ヶ月もしくは約3ヶ月または少なくとも3ヶ月もしくは少なくとも約3ヶ月後、4ヶ月もしくは約4ヶ月または少なくとも4ヶ月もしくは少なくとも約4ヶ月後、5ヶ月もしくは約5ヶ月または少なくとも5ヶ月もしくは少なくとも約5ヶ月後、6ヶ月もしくは約6ヶ月または少なくとも6ヶ月もしくは少なくとも約6ヶ月後、12ヶ月もしくは約12ヶ月または少なくとも12ヶ月もしくは少なくとも約12ヶ月後、18ヶ月もしくは約18ヶ月または少なくとも18ヶ月もしくは少なくとも約18ヶ月後、または24ヶ月もしくは約24ヶ月または少なくとも24ヶ月もしくは少なくとも約24ヶ月後の時間に検出されない。
【0399】
いくつかの態様では、例えば、光学顕微鏡検査によって検出した場合に、骨髄中の芽細胞が5%超もしくはそれに等しい、例えば、骨髄中の芽細胞が10%超もしくはそれに等しい、骨髄中の芽細胞が20%超もしくはそれに等しい、骨髄中の芽細胞が30%超もしくはそれに等しい、骨髄中の芽細胞が40%超もしくはそれに等しい、または骨髄中の芽細胞が50%超もしくはそれに等しいならば、対象は、形態学的疾患(morphologic disease)を示す。いくつかの態様では、骨髄中の芽細胞が5%未満であるならば、対象は、完全または臨床的寛解を示す。
【0400】
いくつかの態様では、対象は、完全寛解を示し得るが、低比率の形態学的に検出不可能な(光学顕微鏡検査技法によって)残存白血病細胞が存在する。対象が、5%未満の骨髄中芽細胞を示し、分子的に検出可能ながんを示すならば、対象は、最小残存疾患(MRD)を示すと言われる。いくつかの態様では、分子的に検出可能ながんは、少数の細胞の高感度検出を可能にする多種多様な分子的技法のいずれかを使用して評価することができる。いくつかの局面では、そのような技法は、ユニークなIg/T細胞受容体遺伝子再編成または染色体転座によって生産された融合転写物を判定することができるPCRアッセイを含む。いくつかの態様では、フローサイトメトリーを使用して、白血病特異的免疫表現型に基づいてがん細胞を特定することができる。いくつかの態様では、がんの分子的検出は、100,000個の正常細胞の中で1個と少ない白血病細胞を検出することができる。いくつかの態様では、PCRまたはフローサイトメトリーなどによって100,000個の細胞の中で少なくとも1個または1個超の白血病細胞が検出されれば、対象は、分子的に検出可能なMRDを示す。いくつかの態様では、いくつかの場合に、PCRまたはフローサイトメトリー技法を使用して白血病細胞が対象において検出できないように、対象の疾病負荷は、分子的に検出不可能であるかまたはMRD-である。
【0401】
いくつかの局面では、疾患または病態は、第一の用量の投与後に持続し、かつ/または、第一の用量の投与は、対象において疾患または病態を根絶するのに十分ではない。
【0402】
いくつかの態様では、該方法は、疾患または病態の負荷、例えば、腫瘍細胞の数、腫瘍のサイズ、患者の生存期間または無イベント生存を、代替の投薬計画を使用した同等の方法、例えば、対象が1以上の代替治療用物質を受ける方法ならびに/あるいは対象が提供される方法および/または提供される製造品もしくは組成物に従った細胞の用量および/またはリンパ球枯渇剤を受けない方法によって観察されるであろう低減と比較して、より大きい程度におよび/またはより長い期間にわたって低減する。いくつかの態様では、代替の細胞用量は、参照組成物と称される。いくつかの態様では、参照組成物は、規定されていない数の特定の表現型の細胞および/または本明細書に提供される態様に係る特定の規定された比でない特定の表現型の細胞を含有する。いくつかの態様では、参照組成物は、エフェクターまたは分化した表現型を有するより大きな頻度または数のT細胞が含有されたものである。いくつかの態様では、対象における疾患または病態の負荷が検出、評価または測定される。疾病負荷は、いくつかの局面では、対象における、または対象の器官、組織もしくは体液、例えば血液もしくは血清における、疾患細胞または疾患関連細胞、例えば、腫瘍細胞の総数を検出することによって、検出してよい。いくつかの局面では、対象の生存、一定の期間内の生存、生存の程度、無イベント生存もしくは無症状生存の存在もしくは期間、または無再発生存が評価される。いくつかの態様では、疾患または病態の任意の症状が評価される。いくつかの態様では、疾患または病態負荷の尺度が指定される。
【0403】
いくつかの態様では、対象の無イベント生存率または全生存率は、他の方法、例えば、対象が1以上の代替治療用物質を受ける方法ならびに/あるいは対象が提供される方法および/または提供される製造品もしくは組成物に従った細胞の用量を受けない(例えば、参照組成物を受ける)および/またはリンパ球枯渇剤を受けない方法と比較して、本方法によって改善される。例えば、いくつかの態様では、本方法によって処置された用量後6ヶ月での対象についての無イベント生存率または確率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの局面では、全生存率は、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、または約95%超である。いくつかの態様では、本方法で処置された対象は、無イベント生存、無再発生存、あるいは少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年もしくは10年までの生存を示す。いくつかの態様では、無増悪期間(time to progression)が改善され、例えば、無増悪期間は、6ヶ月超もしくは約6ヶ月超、または少なくとも1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年もしくは10年である。
【0404】
いくつかの態様では、本方法による処置後に、再発の確率は、他の方法、例えば、対象が1以上の代替治療用物質を受ける方法ならびに/あるいは対象が提供される方法および/または提供される製造品もしくは組成物に従った細胞の用量を受けない(例えば、参照組成物を受ける)および/またはリンパ球枯渇剤を受けない方法と比較して、低下する。例えば、いくつかの態様では、第一の用量後、6ヶ月での再発の確率は、約80%未満、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、または約10%未満である。
【0405】
いくつかの場合に、投与された細胞のアベイラビリティ、例えば、バイオアベイラビリティを評価するために、投与された細胞、例えば、養子移入された細胞の薬物動態が判定される。養子移入された細胞の薬物動態を判定するための方法は、操作された細胞が投与されている対象から末梢血を採取し、末梢血中の操作された細胞の数または比を決定することを含んでよい。細胞を選択および/または単離するためのアプローチは、キメラ抗原受容体(CAR)特異的抗体(例えば、Brentjens et al., Sci. Transl. Med. 2013 Mar; 5(177): 177ra38)、タンパク質L(Zheng et al., J. Transl. Med. 2012 Feb; 10:29)、エピトープタグ、例えば、Strep-Tag配列(CAR中の特定部位に直接導入されることで、Strep-Tag用の結合試薬を使用してCARを直接評価する)(Liu et al. (2016) Nature Biotechnology, 34:430;国際特許出願公開番号WO2015095895)、およびCARポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体(国際特許出願公開番号WO2014190273を参照のこと)の使用を含んでよい。いくつかの場合には、外来性のマーカー遺伝子を、細胞の検出または選択を可能にするために、いくつかの場合には、また、細胞自殺を促進するために、操作された細胞療法と共に利用してよい。短縮上皮成長因子受容体(EGFRt)を、いくつかの場合に、形質導入細胞において関心対象の導入遺伝子(CARまたはTCR)と共発現させることができる(例えば、米国特許第8,802,374号を参照のこと)。EGFRtは、EGFRt構築物および別の組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)で操作されている細胞を特定もしくは選択するためにおよび/または該受容体を発現する細胞を排除もしくは分離するために使用することができる、抗体セツキシマブ (Erbitux(登録商標))または他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープを含有し得る。米国特許第8,802,374号およびLiu et al., Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434を参照されたい。
【0406】
いくつかの態様では、患者から得られた生物学的試料、例えば、血液中のCAR+ T細胞の数を、細胞療法の投与の一定期間後に決定して、例えば、細胞の薬物動態を判定することができる。いくつかの態様では、対象の血液における、または本方法によってそのように処置された対象の大部分における、検出可能なCAR+ T細胞、任意でCAR+ CD8+ T細胞および/またはCAR+ CD4+ T細胞の数は、1μL当たり細胞1個超、1μL当たり細胞5個超、または1μL当たり細胞10個超である。
【0407】
3. 毒性の評価
いくつかの局面では、本方法は、特定の細胞表現型を有する細胞、例えば、CCR7+細胞の用量と、そのような細胞の用量が投与された対象における毒性アウトカム、例えば、サイトカイン放出症候群(CRS)または神経毒性(NT)の発生と間の関連性または関係性を判定することを伴う。
【0408】
いくつかの局面では、毒によるアウトカムは、サイトカイン放出症候群(CRS)または重度CRS(sCRS)であるかまたはそれに関連するかまたはその指標となる。CRS、例えば、sCRSは、いくつかの場合に、養子T細胞療法後、および他の生物学的製品の対象への投与後に起こり得る。Davila et al., Sci Transl Med 6, 224ra25 (2014); Brentjens et al., Sci. Transl. Med. 5, 177ra38 (2013); Grupp et al., N. Engl. J. Med. 368, 1509-1518 (2013); および Kochenderfer et al., Blood 119, 2709-2720 (2012); Xu et al., Cancer Letters 343 (2014) 172-78を参照されたい。
【0409】
典型的には、CRSは、例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、単球および/またはマクロファージによって媒介される、悪化した全身免疫応答によって引き起こされる。そのような細胞は、多量の炎症メディエーター、例えば、サイトカインおよびケモカインを放出し得る。サイトカインは、急性炎症応答を誘発するおよび/または内皮臓器損傷を誘導する可能性があり、それが、微小血管漏出、心不全もしくは死亡をもたらし得る。重度の命に関わるCRSは、肺浸潤および肺損傷、腎不全、または播種性血管内凝固を導き得る。他の重度の命に関わる毒性は、心毒性、呼吸窮迫、神経毒性および/または肝不全を含むことができる。いくつかの局面では、発熱、特に、高熱(≧38.5℃または≧101.3°F)がCRSに関連する。いくつかの場合に、CRSの特徴または症状は、感染に似ている。いくつかの態様では、感染も、CRS症状を呈する対象において考慮され、培養によるモニタリングおよび経験的抗生物質療法を投与することができる。CRSに関連する他の症状は、心機能不全、成人性呼吸促迫症候群、腎および/または肝不全、凝血異常、播種性血管内凝固、ならびに毛細血管漏出症候群を含むことができる。
【0410】
CRSは、抗炎症療法、例えば、抗IL-6療法、例えば、抗IL-6抗体、例えば、トシリズマブ、または抗生物質もしくは記載されるような他の作用物質を使用して処置され得る。CRSのアウトカム、徴候および症状は、公知であり、本明細書に記載のものを含む。いくつかの態様では、特定の投与計画または投与が、所与のCRS関連アウトカム、徴候または症状をもたらす場合も、もたらさない場合も、特定のアウトカム、徴候および症状ならびに/またはその数量もしくは程度が指定され得る。
【0411】
CAR発現細胞の投与に関連して、CRSは、典型的には、CARを発現する細胞を注入して6~20日後に起こる。Xu et al., Cancer Letters 343 (2014) 172-78を参照されたい。いくつかの場合に、CRSは、CAR T細胞の注入後、6日未満または20日を超える時点で起こる。CRSの発生率およびタイミングは、注入時のベースラインサイトカインレベルまたは腫瘍量と関係し得る。一般に、CRSは、インターフェロン(IFN)-γ、腫瘍壊死因子(TNF)-α、および/またはインターロイキン(IL)-2の血清レベルの上昇を伴う。CRSにおいて急速に誘導され得る他のサイトカインは、IL-1β、IL-6、IL-8、およびIL-10である。
【0412】
CRSに関連する例示的なアウトカムは、発熱、硬直、悪寒、低血圧、呼吸困難、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳症、ALT/ASTの上昇、腎不全、心臓障害、低酸素、神経障害、および死亡を含む。神経学的合併症は、せん妄、発作様活動、錯乱、喚語困難(word-finding difficulty)、失語症、および/または昏迷状態を含む。他のCRSが関係するアウトカムは、疲労、悪心、頭痛、発作、頻拍、筋肉痛、発疹、急性血管漏出症候群、肝機能低下、および腎不全を含む。いくつかの局面では、CRSは、血清-フェリチン、d-二量体、アミノトランスフェラーゼ、乳酸脱水素酵素およびトリグリセリドなどの1以上の因子の増加に関連するか、または低フィブリノゲン血症もしくは肝脾腫に関連する。
【0413】
いくつかの態様では、CRSに関連するアウトカムは、持続性の発熱、例えば、2日以上、例えば、3日以上、例えば、4日以上にわたるまたは少なくとも3日間連続した、指定された温度の発熱、例えば、38または約38セルシウス度を超える発熱;38または約38セルシウス度を超える発熱;サイトカインの上昇、例えば、少なくとも2種のサイトカイン(例えば、インターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5、ならびに/または腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)からなる群のうちの少なくとも2種)の処置前レベルと比較した最大倍率変化、例えば、少なくとも75もしくは少なくとも約75の最大倍率変化、またはそのようなサイトカインの少なくとも1種の最大倍率変化、例えば、少なくとも250もしくは少なくとも約250の最大倍率変化;ならびに/あるいは、毒性の少なくとも1つの臨床徴候、例えば、低血圧(例えば、少なくとも1種の静脈内血管作動性昇圧薬(intravenous vasoactive pressor)によって測定した場合);低酸素(例えば、90%未満または約90%未満の血漿酸素(PO2)レベル);ならびに/あるいは1以上の神経障害(精神状態変化、鈍麻および発作を含む)の1以上を含む。いくつかの態様では、神経毒性(NT)は、CRSと同時に観察され得る。
【0414】
例示的なCRSが関係するアウトカムは、サイトカインおよびケモカインならびにCRSに関連する他の因子を含む、1以上の因子の増大したまたは高い血清レベルを含む。例示的なアウトカムはさらに、そのような因子の1以上の合成または分泌の増加を含む。そのような合成または分泌は、T細胞、またはT細胞と相互作用する細胞、例えば、自然免疫細胞もしくはB細胞によるものであり得る。
【0415】
いくつかの態様では、CRS関連血清因子またはCRSが関係するアウトカムは、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、TNF-a、IL-1β、IL-2、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、sIL-2Ra、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)、IL-6、およびIL-10、IL-1β、IL-8、IL-2、MIP-1、Flt-3L、フラクタルカイン、ならびに/またはIL-5を含めた、炎症性サイトカインおよび/またはケモカインを含む。いくつかの態様では、その因子またはアウトカムは、C反応性タンパク質(CRP)を含む。CRSの早期にかつ容易に測定可能な危険因子であることに加えて、CRPは、細胞増大のマーカーでもある。いくつかの態様では、高レベル、例えば、≧15mg/dLのCRPを有すると測定された対象は、CRSを有する。いくつかの態様では、高レベルのCRPを有すると測定された対象は、CRSを有さない。いくつかの態様では、CRSの尺度は、CRPおよびCRSの指標となる別の因子の尺度を含む。
【0416】
いくつかの態様では、1以上の炎症性サイトカインまたはケモカインは、CAR処置の前、その途中またはその後にモニタリングされる。いくつかの局面では、1以上のサイトカインまたはケモカインは、IFN-γ、TNF-α、IL-2、IL-1β、IL-6、IL-7、IL-8、IL-10、IL-12、sIL-2Rα、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、またはマクロファージ炎症性タンパク質(MIP)を含む。いくつかの態様では、IFN-γ、TNF-αおよびIL-6がモニタリングされる。
【0417】
どの患者が、sCRSを発症するリスクがある可能性がより高いかを予測するために、CRSの発症と相関するように思われるCRS基準が開発されている(Davilla et al. Science translational medicine. 2014;6(224):224ra25を参照のこと)。因子は、発熱、低酸素、低血圧、神経変化、炎症性サイトカイン、例えば、処置によって誘導される上昇が処置前の腫瘍量およびsCRS症状の両方とよい相関を示すことができる7種一組のサイトカイン(IFNγ、IL-5、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびGM-CSF)の血清レベルの上昇を含む。CRSの診断および管理に関する他のガイドラインは公知である(例えば、Lee et al, Blood. 2014;124(2):188-95を参照のこと)。いくつかの態様では、CRSグレードを反映する基準は、以下の表1に詳述するものである。
【0418】
(表2)CRSの例示的なグレード分類基準
【0419】
いくつかの局面では、CRSグレードを反映する基準は、以下の表3に詳述するものである。
【0420】
(表3)CRSの例示的なグレード分類基準
【0421】
いくつかの態様では、投与後、対象が、(1)少なくとも3日にわたる少なくとも38セルシウス度の発熱;(2)(a)投与直後のレベルと比較して、以下の7種のサイトカイン:インターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5のグループの少なくとも2種について少なくとも75の最大倍率変化、ならびに/または(b)投与直後のレベルと比較して、以下の7種類のサイトカイン:インターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5のグループの少なくとも1種について少なくとも250の最大倍率変化のいずれかを含む、サイトカインの上昇;ならびに(c)毒性の少なくとも1つの臨床徴候、例えば、低血圧(少なくとも1種の静脈内血管作動性昇圧薬を必要とする)または低酸素(PO2<90%)または1以上の神経障害(精神状態変化、鈍麻および/または発作を含む)を呈するのであれば、対象は、細胞療法またはその細胞の用量の投与に応答または付随して「重度CRS」(「sCRS」)を発症していると見なされる。いくつかの態様では、重度CRSは、表2または表3に示されるようなグレード3以上のCRSを含む。
【0422】
いくつかの態様では、重度CRSまたはグレード3以上のCRS、例えばグレード4以上のCRSに関連するアウトカムは、持続性の発熱、例えば、2日以上、例えば、3日以上、例えば、4日以上にわたるまたは少なくとも3日間連続した、指定された温度の発熱、例えば、38または約38セルシウス度を超える発熱;38または約38セルシウス度を超える発熱;サイトカインの上昇、例えば、少なくとも2種のサイトカイン(例えば、インターフェロンガンマ(IFNγ)、GM-CSF、IL-6、IL-10、Flt-3L、フラクタルカインおよびIL-5、ならびに/または腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)からなる群のうちの少なくとも2種)の処置前レベルと比較した最大倍率変化、例えば、少なくとも75もしくは約75の最大倍率変化、またはそのようなサイトカインの少なくとも1種の最大倍率変化、例えば、少なくとも250もしくは約250の最大倍率変化;ならびに/または、毒性の少なくとも1つの臨床徴候、例えば、低血圧(例えば、少なくとも1種の静脈内血管作動性昇圧薬によって測定した場合);低酸素(例えば、90%未満または約90%未満の血漿酸素(PO2)レベル);ならびに/あるいは1以上の神経障害(精神状態変化、鈍麻および発作を含む)の1以上を含む。いくつかの態様では、重度CRSは、集中治療室(ICU)での管理または治療を必要とするCRSを含む。
【0423】
いくつかの態様では、重度CRSなどのCRSは、(1)持続性の発熱(少なくとも3日間にわたる少なくとも38セルシウス度の発熱)および(2)少なくとも20mg/dLまたは約20mg/dLのCRPの血清レベルの組み合わせを包含する。いくつかの態様では、CRSは、2種以上の昇圧薬の使用を必要とする低血圧、または機械的換気を必要とする呼吸不全を包含する。いくつかの態様では、昇圧薬の投与量は、第二または後続の投与において増加される。
【0424】
いくつかの態様では、重度CRSまたはグレード3のCRSは、アラニンアミノトランスフェラーゼの増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの増加、寒気、発熱性好中球減少症、頭痛、左室機能不全、脳症、水頭症、および/または震えを包含する。
【0425】
様々なアウトカムを測定または検出する方法が指定され得る。
【0426】
いくつかの局面では、毒によるアウトカムは、神経毒性であるかまたはそれに関連する。いくつかの態様では、神経毒性の臨床リスクに関連する症状は、錯乱、せん妄、表出性失語、鈍麻、ミオクローヌス、嗜眠、精神状態変化、痙攣、発作様活動、発作(任意で、脳波[EEG]によって確認された場合)、ベータアミロイド(Aβ)レベルの上昇、グルタミン酸レベルの上昇、および酸素ラジカルレベルの上昇を含む。いくつかの態様では、神経毒性は、重症度に基づいてグレード分類される(例えば、グレード1~5スケールを使用して)(例えば、Guido Cavaletti & Paola Marmiroli Nature Reviews Neurology 6, 657-666 (December 2010); National Cancer Institute-Common Toxicity Criteria version 4.03 (NCI-CTCAE v4.03)を参照のこと)。
【0427】
いくつかの状況で、神経症状は、sCRSの最初期の症状であり得る。いくつかの態様では、神経症状は、細胞療法注入の5~7日後に始まることが認められる。いくつかの態様では、神経変化の持続期間は、3~19日の範囲であり得る。いくつかの場合に、sCRSの他の症状が消散した後に神経変化の回復が起こる。いくつかの態様では、神経変化の消散の時間または程度は、抗IL-6および/またはステロイドによる処置によって早まらない。
【0428】
いくつかの態様では、投与後、対象が、1)末梢運動神経の炎症または変性を含む末梢性運動ニューロパチーの症状;2)末梢感覚神経の炎症または変性を含む末梢性感覚ニューロパチーの症状、ジセステジア、例えば、異常かつ不快な感覚をもたらす感覚認知のゆがみ、神経痛、例えば、神経もしくは神経群に沿った激しく痛い感覚、ならびに/またはパレステジア、例えば、刺激物の非存在下での刺痛、しびれ、圧力、冷感および温感の異常な皮膚感覚をもたらす感覚ニューロンの機能障害の中から、セルフケア(例えば、入浴、衣服の着脱、食事、トイレの使用、服薬)を制限する症状を呈するのであれば、対象は、細胞療法またはその細胞の用量の投与に応答または付随して「重度神経毒性」を発症していると見なされる。いくつかの態様では、重度神経毒性は、表4に示されるようなグレード3以上の神経毒性を含む。
【0429】
(表4)神経毒性の例示的なグレード分類基準
【0430】
いくつかの態様では、本方法は、他の方法と比較して、CRSまたは神経毒性に関連する症状を低減する。いくつかの局面では、提供される方法は、他の方法と比較して、重度CRSまたはグレード3以上のCRSに関連する症状、アウトカムまたは因子を含めた、CRSに関連する症状、アウトカムまたは因子を低減する。例えば、本方法に従って処置された対象は、CRS、例えば重度CRSまたはグレード3以上のCRSの症状、アウトカムまたは因子、例えば表1または表2に記載、例えば示されているいずれかが、検出可能でない、および/または、それらが低減されている可能性がある。いくつかの態様では、本方法に従って処置された対象は、他の方法によって処置された対象と比較して、神経毒性の症状、例えば、四肢の脱力またはしびれ、記憶、視力および/または知性の喪失、制御不能な強迫行動および/または強制行動、妄想、頭痛、運動制御の喪失を含む認知問題および行動問題、認知衰退、ならびに自律神経系機能不全、ならびに性機能不全が低減されている可能性がある。いくつかの態様では、本方法に従って処置された対象は、末梢性運動ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、ジセステジア、神経痛またはパレステジアに関連する症状が低減されている可能性がある。
【0431】
いくつかの態様では、本方法は、ニューロン死などの神経系および/または脳への損傷を含む、神経毒性に関連するアウトカムを低減する。いくつかの局面では、本方法は、ベータアミロイド(Aβ)、グルタミン酸および酸素ラジカルなどの神経毒性に関連する因子のレベルを低減する。
【0432】
いくつかの態様では、毒性アウトカムは、用量制限毒性(DLT)である。いくつかの態様では、毒によるアウトカムは、用量制限毒性である。いくつかの態様では、毒によるアウトカムは、用量制限毒性の非存在である。いくつかの態様では、用量制限毒性(DLT)は、上記のいずれかおよびNational Cancer Institute (NCI) Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) version 4.0を含めた特定の毒性を評価するための任意の公知のまたは公開されているガイドラインによって評価された場合の、任意のグレード3以上の毒性として定義される。
【0433】
いくつかの態様では、提供される方法、および/または提供される製造品もしくは組成物に従ったT細胞のある用量の投与によって観察される、毒性、例えばCRSもしくは神経毒性または重度のCRSもしくは神経毒性、例えばグレード3以上のCRSもしくは神経毒性の低い発生率、発生リスクまたは発生可能性は、外来患者基準の細胞療法の投与を可能にする。いくつかの態様では、提供される方法、および/または提供される製造品もしくは組成物に従った細胞療法、例えばT細胞(例えば、CAR+ T細胞)の用量の投与は、外来患者基準で実施され、またはオーバーナイトステイを必要とする病院への入院などの対象の病院への入院を必要としない。
【0434】
いくつかの局面では、提供される方法、および/または提供される製造品もしくは組成物に従って細胞療法、例えばT細胞(例えば、CAR+ T細胞)の用量が投与された対象(外来患者基準で処置された対象を含む)には、対象が神経毒性またはCRSなどの毒性の徴候または症状を示さない限りまたはそれらを示すまで、細胞用量の投与の前またはその投与と共に任意の毒性を処置するための介入が投与されない。毒性を処置、遅延、減弱または改善するための例示的な作用物質は、本明細書に記載される。
【0435】
いくつかの態様では、細胞療法、例えばT細胞(例えば、CAR+ T細胞)の用量が投与された対象(外来患者基準で処置された対象を含む)が発熱を示す場合、発熱を低下させる処置が対象に与えられるか、またはその処置を受けるもしくは投与するように指示される。いくつかの態様では、対象における発熱は、ある特定の閾値温度またはレベルの体温またはそれを上回る体温である(または、測定される)、対象の体温として特徴づけられる。いくつかの局面では、閾値温度は、少なくとも低グレードの発熱、少なくとも中程度の発熱および/または少なくとも高グレードの発熱に関連する閾値温度である。いくつかの態様では、閾値温度は、特定の温度または範囲である。例えば、閾値温度は、38もしくは約38または少なくとも38もしくは少なくとも約38セルシウス度、39もしくは約39または少なくとも39もしくは少なくとも約39セルシウス度、40もしくは約40または少なくとも40もしくは少なくとも約40セルシウス度、41もしくは約41または少なくとも41もしくは少なくとも約41セルシウス度、または、42もしくは約42または少なくとも42もしくは少なくとも約42セルシウス度であってよく、かつ/または、38セルシウス度もしくは約38セルシウス度から39セルシウス度もしくは約39セルシウス度の範囲、39セルシウス度もしくは約39セルシウス度から40セルシウス度もしくは約40セルシウス度の範囲、40セルシウス度もしくは約40セルシウス度から41セルシウス度もしくは約41セルシウス度の範囲、または41セルシウス度もしくは約41セルシウス度から42セルシウス度もしくは約42セルシウス度の範囲であってよい。
【0436】
いくつかの態様では、発熱を低下させるように設計された処置は、解熱薬による処置を含む。解熱薬は、発熱を低下させる任意の作用物質、例えば、化合物、組成物または有効成分、例えば、NSAID(イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェンおよびニメスリドなど)、サリチル酸塩、例えばアスピリン、サリチル酸コリン、サリチル酸マグネシウムおよびサリチル酸ナトリウム、パラセタモル、アセトアミノフェン、メタミゾール、ナブメトン、フェナキソン(Phenaxone)、アンチピリン、解熱剤などの解熱効果を有することが知られているいくつもの作用物質の1種を含み得る。いくつかの態様では、解熱薬は、アセトアミノフェンである。いくつかの態様では、アセトアミノフェンは、12.5mg/kgの用量で最大4時間毎に経口または静脈内投与することができる。いくつかの態様では、解熱薬は、イブプロフェンまたはアスピリンであるかまたはそれを含む。
【0437】
いくつかの態様では、発熱が持続した発熱である場合、対象に、毒性を処置するための代替処置、例えば、以下のセクションIIに記載されているいずれかが投与される。外来患者基準で処置された対象については、対象が持続した発熱を有するおよび/または持続した発熱と判定されたもしくはそれを有すると判定された場合に、対象は病院に戻るよう指示される。いくつかの態様では、指定の処置、例えば、解熱薬、例えばNSAIDまたはサリチル酸塩、例えばイブプロフェン、アセトアミノフェンまたはアスピリンによる処置などの発熱を低下させるように設計された処置の後に、対象が、関連する閾値温度の発熱またはそれを上回る発熱を示す場合、および発熱もしくは対象の体温が低下しないか、または指定の量もしくはそれを超えて低下しない(例えば、1℃を超えて、一般には、約0.5℃、もしくは約0.5℃を超えて、約0.4℃、もしくは約0.4℃を超えて、約0.3℃、もしくは約を0.3℃超えて、または約0.2℃、もしくは約0.2℃を超えて変動しない)場合に、対象は、持続した発熱を有する、および/または、持続した発熱と判定されるもしくはそれを有すると見なされる。例えば、アセトアミノフェンなどの解熱薬による処置後でも、対象が、6時間の期間にわたって、8時間の期間にわたって、または12時間の期間にわたって、または24時間の期間にわたって、0.5℃もしくは約0.5℃、0.4℃もしくは約0.4℃、0.3℃もしくは約0.3℃または0.2℃もしくは約0.2℃低下しない、または0.5℃超もしくは約0.5℃超、0.4℃超もしくは約0.4℃超、0.3℃超もしくは約0.3℃超または0.2℃超もしくは約0.2℃超低下しない、または1%もしくは約1%、2%もしくは約2%、3%もしくは約3%、4%もしくは約4%、5%またはもしくは約5%低下しない少なくとも38もしくは少なくとも約38セルシウス度または少なくとも39もしくは少なくとも約39セルシウス度の発熱を示すかまたはそれを示すと判定された場合に、対象は、持続した発熱を有すると見なされる。いくつかの態様では、解熱薬の投与量は、例えば、対象において、発熱または特定の種類の発熱、例えば、細菌またはウイルス感染、例えば、限局性または全身感染に関連する発熱を低下させるのに通常有効な投与量である。
【0438】
いくつかの態様では、対象が、関連する閾値温度の発熱またはそれを上回る発熱を示す場合、および発熱または対象の体温が約1℃、または約1℃超変動しない、一般には、約0.5℃、もしくは約0.5℃超、約0.4℃、もしくは約0.4℃超、約0.3℃、もしくは約0.3℃超、または約0.2℃、もしくは約0.2℃超変動しない場合に、対象は、持続した発熱を有する、および/または、持続した発熱を有すると判定されるもしくはそれを有すると見なされる。そのような一定量を上回るまたは一定量の変動の非存在は、一般に、所与の期間にわたって(例えば、発熱の最初の徴候または指示された閾値を上回る最初の温度から測定され得る、24時間、12時間、8時間、6時間、3時間または1時間の期間にわたって)測定される。例えば、いくつかの態様では、対象が、6時間の期間にわたって、8時間の期間にわたって、または12時間の期間にわたって、または24時間の期間にわたって温度が0.5℃もしくは約0.5℃超、0.4℃もしくは約0.4℃超、0.3℃もしくは約0.3℃超、または0.2℃もしくは約0.2℃超変動しない、少なくとも38もしくは少なくとも約38または少なくとも38もしくは少なくとも約38セルシウス度または少なくとも39もしくは少なくとも約39または少なくとも39もしくは少なくとも約39セルシウス度の発熱を示す場合に、対象は、持続した発熱を示すと見なされるかまたは持続した発熱を示すと判定される。
【0439】
いくつかの態様では、発熱は、持続した発熱である;いくつかの局面では、対象は、対象が持続した発熱を有すると判定された時点、例えば、そのような判定の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間もしくはより短い時間内、または、T細胞、例えばCAR+ T細胞の用量などの細胞療法などの毒性を誘導する可能性を有する初期療法後の最初のそのような判定の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間もしくはより短い時間内に処置される。
【0440】
いくつかの態様では、毒性標的療法などの毒性を処置するための1以上の介入または作用物質は、例えば、前述の態様のいずれかに従って測定された場合に、対象が、持続した発熱を示すと判定されたもしくは確認された(例えば、最初に判定または確認された)時点またはその直後の時点に投与される。いくつかの態様では、1以上の毒性標的療法は、そのような確認または判定の一定期間内、例えば、その30分、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間または8時間以内に投与される。
【0441】
II. 操作細胞組成物を作製する方法
中でも、提供される態様は、遺伝子操作された細胞を含有する細胞組成物を作製または生産するための方法である。いくつかの態様では、本方法は、疾患または病態を有する対象を処置するための方法に従って使用するためなどの、CARなどの組換え受容体を発現する細胞を含有するアウトプット細胞組成物(それは、いくつかの場合に、治療用T細胞組成物である)を生産する。いくつかの態様では、操作細胞組成物を生産するためのプロセスの1以上の工程の特徴は、記載のようなある特定の特徴または表現型を有する細胞が濃縮された、例えば、操作細胞組成物を生産するために使用された出発材料の細胞における表現型の特徴と比較して濃縮された、アウトプット組成物をもたらすことができる。いくつかの態様では、本明細書に提供される方法によって作製または生産されたアウトプット組成物などの操作されたまたは治療用T細胞組成物は、対象に投与されたときに、いくつかの場合に、改善された薬物動態特性もしくは応答、例えば、応答の持続期間および/もしくは無増悪生存と相関する、分化の進んでいないT細胞産物に関連するかまたはナイーブ様もしくはセントラルメモリーT細胞サブセットが濃縮された産物および/またはより機能的に活性なT細胞産物の表現型および機能的属性を示す。また、組換え受容体を発現するT細胞を含む、治療用T細胞組成物、例えばアウトプット組成物であって、組成物の細胞について、分化の進んでいないT細胞産物に関連するかまたはナイーブ様もしくはセントラルメモリーT細胞サブセットが濃縮された産物および/またはより機能的に活性なT細胞産物の属性を含めた記載のような1以上の表現型または機能的属性を有するある特定のパーセンテージの細胞が濃縮されたまたはそれを示す、組成物が提供される。
【0442】
いくつかの態様では、本方法は、細胞の凍結保存、単離、分離、選択、活性化もしくは刺激、形質導入、培養、増大、洗浄、懸濁、希釈、濃縮および/または製剤化のための段階などの1以上の処理段階またはさらなる処理段階を含むプロセスを介して細胞組成物(例えば、治療用T細胞組成物)を作製または生産することを伴う。いくつかの態様では、細胞組成物(例えば、治療用T細胞組成物)を作製または生産する方法は、対象から細胞を単離し、調製し、処理し、1以上の刺激条件下で培養することを含む。いくつかの態様では、本方法は、細胞、例えば初代細胞(例えば、T細胞)が、生物学的試料(例えば、血液試料、アフェレーシス試料、白血球アフェレーシス試料)から最初に単離され、例えば選択または分離され;選択された細胞が、形質導入のためにウイルスベクター粒子とインキュベートされ(任意で、単離された細胞を刺激試薬の存在下で刺激する段階に続いて);形質導入細胞が、例えば細胞を増大するために培養され;形質導入細胞が組成物中に製剤化され、そして、提供される容器に組成物が投入される順序で行われる、処理段階を含む。いくつかの態様では、細胞組成物は、患者に、例えば単位用量として投与される。いくつかの態様では、作製された操作された細胞を含む細胞組成物が、凍結保存の前または後に、同じ対象に再導入される。いくつかの態様では、細胞は、単離、選択、形質導入および/または培養の前および/または後を含めた段階の1以上の段階の間、細胞を凍結保存し、その後に融解することができる。
【0443】
いくつかの態様では、1以上の処理段階は、(a)細胞を含有する生物学的試料(例えば、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物)を洗浄する段階、(b)試料から、細胞の所望のサブセットまたは集団(例えば、CD4+および/またはCD8+ T細胞)を、例えば、細胞と選択または免疫親和性試薬(免疫親和性に基づく分離用)とのインキュベーションによって単離、例えば選択する段階;c)単離された細胞、例えば選択された細胞を、ウイルスベクター粒子とインキュベートする段階、(d)記載のようなそのような方法を使用して細胞を培養(culturing)、培養(cultivating)または増大する段階、ならびに(e)形質導入細胞を、例えば薬学的に許容される緩衝剤、凍結保存剤または他の好適な媒体中に製剤化する段階の1以上を含むことができる。いくつかの態様では、本方法はさらに、(e)細胞とウイルスベクター粒子とのインキュベーションの前、その間および/またはそれに続いて実施することができる、細胞を刺激条件に曝露させることによって細胞を刺激する段階を含むことができる。いくつかの態様では、上記段階のいずれかの前またはそれに続いて、細胞の希釈、濃縮および/または緩衝液交換のためなどの洗浄または懸濁工程の1以上のさらなる段階を行うこともできる。いくつかの局面では、得られた操作細胞組成物(例えば、治療用T細胞組成物)は、1以上の容器に投入される。いくつかの態様では、細胞組成物は、患者に、例えば単位用量として投与される。
【0444】
いくつかの局面では、本方法を用いて、投与のための組成物中の細胞の、細胞表現型、例えば、表面マーカーの存在および/もしくは発現、ならびに/または表面マーカーの非存在もしくは発現の欠如などの、特定の性質、特徴および/または特性を有する細胞組成物を作製することができる。いくつかの局面では、特定の性質、特徴および/または特性、例えば、細胞表現型は、療法において所望のアウトカム、例えば、所望の応答もしくは安全性アウトカムに関連し、かつ/または、そのような所望のアウトカムに関連する所望の薬物動態パラメーターを示す。いくつかの態様では、本方法はまた、単位用量、例えば、本明細書に記載の方法を使用して作製された細胞組成物(例えば、対象に投与するための)の単位用量の決定および/または作製を含む。いくつかの局面では、本明細書に記載の方法に従って生産された細胞組成物および/またはその単位用量を、治療用途に、例えば、対象に細胞ベースの療法(例えば、本明細書に記載の処置の任意の方法を含む)を投与するために使用することができる。いくつかの局面では、本明細書に記載の細胞組成物および/または単位用量は、療法の特定の所望のアウトカム、例えば、所望の応答もしくは安全性アウトカムを達成するかまたはそれに関連し、かつ/または、そのような所望のアウトカムに関連する所望の薬物動態パラメーターを示すことができる。いくつかの態様では、細胞組成物を作製するための方法は、細胞組成物を作製または生産するための本明細書に記載の段階において使用するためのインプット組成物を作製または生産することを含む。いくつかの局面では、本方法は、インプット組成物を作製または生産することを伴う。いくつかの態様では、インプット組成物を作製するための1以上の方法は、(a)細胞を含有する生物学的試料(例えば、全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物、または白血球アフェレーシス産物)を洗浄する段階、(b)試料から、細胞の所望のサブセットまたは集団(例えば、CD4+および/またはCD8+ T細胞)を、例えば、細胞と選択または免疫親和性試薬(免疫親和性に基づく分離用)とのインキュベーションによって単離、例えば選択する段階の1以上を含むことができる、処理段階であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、インプット組成物は、単離、分離、選択のための段階などの1以上の処理段階を含むプロセスを介して作製される。したがって、いくつかの態様では、インプット組成物は、細胞組成物を作製または生産するための一般プロセスの第一の段階において作製される。いくつかの局面では、本方法を使用して操作するための細胞、例えばインプット組成物中の細胞は、本明細書に、例えば、セクションII.Aに記載の任意の細胞である。いくつかの局面では、インプット組成物は、分化の進んでいない細胞表現型に関連するかもしくはその指標となるマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプに関連するかもしくはその指標となるマーカーを含めた、ある特定の細胞表現型に関連する1以上のマーカーを発現する、例えば、細胞の表面で発現する、または発現しない、療法用の対象から得られるCD8+および/またはCD4+ T細胞の目標の数またはパーセンテージに基づいて作製される。いくつかの局面では、インプット組成物は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのT細胞ならびに/あるいはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない目標パーセンテージのCD4+ T細胞を含有する。いくつかの態様では、インプット組成物は、目標の数またはパーセンテージ(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはより多い)のアポトーシスのマーカー(例えば、活性化カスパーゼ-3、アネキシンV)を発現しないT細胞(例えば、CD4+およびCD8+ T細胞)を含有する。
【0445】
いくつかの局面では、インプット組成物は、例えば、組換え受容体(例えば、キメラ抗原受容体;CAR)をコードするポリヌクレオチドもしくはその一部分および/または他の分子、例えば任意のポリヌクレオチドもしくは核酸を含む1以上の作用物質、または、本明細書に、例えば、セクションII.C.3に記載のポリヌクレオチドを含有する1以上の作用物質の導入による、遺伝子操作の対象となる。いくつかの局面では、インプット組成物中の細胞は、1以上の作用物質および/またはポリヌクレオチド、例えば、本明細書に、例えば、セクションII.C.3記載のものを導入することによって操作される。いくつかの態様では、インプット組成物は、前記導入段階の前に、その間におよび/またはその後に、1以上の刺激物質の存在下で細胞をインキュベートすることによって刺激され、前記刺激が、細胞の活性化および/または増殖をもたらす。いくつかの態様では、刺激は、本明細書に、例えば、セクションII.Bに記載の刺激の方法のいずれかを使用して行うことができる。いくつかの態様では、インプット組成物は、細胞組成物を作製または生産するための処理段階またはさらなる処理段階のいずれかにおいて使用される。
【0446】
いくつかの局面では、本方法は、遺伝子操作された細胞、例えば、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)を発現する操作されたT細胞を含む、アウトプット組成物を生産する。いくつかの局面では、アウトプット組成物は、分化の進んでいない細胞表現型に関連するかもしくはその指標となるマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプに関連するかもしくはその指標となるマーカーを含めた、ある特定の細胞表現型に関連する1以上のマーカーを発現する、例えば、細胞の表面で発現する、または発現しない、規定された比、頻度および/または数の操作された細胞を含有する。いくつかの局面では、アウトプット組成物は、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+ T細胞対CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞ならびに/あるいは規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD8+ T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを含有する。いくつかの態様では、アウトプット組成物は、アポトーシスのマーカー(例えば、カスパーゼ-3、アネキシンV)を発現しないT細胞を含有する。いくつかの態様では、アウトプット組成物は、目標の数またはパーセンテージ(例えば、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはより多く)のアポトーシスのマーカー(例えば、カスパーゼ-3、アネキシンV)を発現しないT細胞を含有する。いくつかの態様では、アウトプット組成物は、刺激後にサイトカインを産生する目標の数またはパーセンテージのT細胞を含有する。いくつかの態様では、刺激は、組換え受容体(例えば、CAR)抗原特異的である。いくつかの態様では、刺激は、組換え受容体(例えば、CAR)抗原特異的でなく、例えば、刺激はPMA/イオノマイシンを伴う。いくつかの態様では、産生されるサイトカインは、IL-2、TNFα、および/またはIFNgであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、産生されるサイトカインは、IL-2および/またはTNFαであるかまたはそれを含む。いくつかの局面では、例えば、ある特定の特性および/または表現型に基づいた規定された比の細胞を含有する、所望のアウトプット組成物を、本明細書に記載の方法によって作製することができる。
【0447】
いくつかの態様では、本方法はまた、インプット組成物を作製する前に、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD8+ T細胞ならびに/あるいはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しないCD4+ T細胞を提供または単離すること、その数、体積当たりの数、重量当たりの数、および/またはパーセンテージを決定することを伴う。いくつかの態様では、本方法は、アポトーシスのマーカー(例えば、カスパーゼ-3、アネキシンV)を発現しないT細胞(例えば、CD4+、CD8+ T細胞)の数、体積当たりの数、重量当たりの数、および/またはパーセンテージを決定することを含む。
【0448】
特定の態様では、遺伝子操作は、核酸、例えば、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリヌクレオチドを含有する作用物質を導入するための、インプット組成物由来の細胞のトランスフェクションまたは形質導入であるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、アウトプット細胞組成物を作製することは、インプット組成物の細胞を活性化もしくは刺激する段階;インプット組成物由来の細胞を遺伝子操作、形質導入もしくはトランスフェクションする段階;および/またはトランスフェクションされた細胞を増大させる段階の1以上の段階を含み;それによって、規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+ T細胞対CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞ならびに/あるいは規定された比のCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD8+ T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現するまたは発現しない受容体+/CD4+ T細胞対組成物中の別の細胞のサブセットを有するアウトプット細胞組成物がもたらされる。いくつかの態様では、その1以上の段階は、刺激後にサイトカインを産生する目標の数またはパーセンテージのT細胞を含有するアウトプット細胞組成物をもたらす。いくつかの態様では、産生されるサイトカインは、IL-2、TNFα、および/またはIFNgであるかまたはそれを含む。いくつかの態様では、産生されるサイトカインは、IL-2および/またはTNFαであるかまたはそれを含む。
【0449】
いくつかの態様では、提供される方法は、臨床使用のための(例えば、養子細胞療法における)細胞の調製における1つ、複数またはすべての段階が、細胞を非無菌条件に曝露せずにかつ無菌室または無菌キャビネットを使用する必要なしに行われるように、実施される。そのようなプロセスのいくつかの態様では、細胞は、すべて閉鎖システム内で、単離、分離または選択、形質導入、洗浄、任意で活性化または刺激および製剤化される。そのようなプロセスのいくつかの局面では、細胞は、閉鎖システムから発現され、生体材料容器の1以上に導入される。いくつかの態様では、本方法は、自動的な様式で行われる。いくつかの態様では、その段階の1以上は、閉鎖システムまたはデバイスと別に行われる。
【0450】
いくつかの態様では、閉鎖システムは、細胞療法を製造、作製または生産するための方法の他の処理段階の1以上を行うために使用される。いくつかの態様では、処理段階、例えば、単離、選択および/または濃縮、処理、形質導入および操作に関連するインキュベーション、ならびに製剤化段階のうちの1以上またはすべては、システム、デバイスもしくは装置を使用して、統合型もしくは内臓型のシステムで、かつ/または、自動的もしくはプログラム可能な様式で行われる。いくつかの局面では、システムまたは装置は、ユーザーに処理、単離、操作および製剤化段階をプログラム化、制御、その結果を判断および/またはその多様な局面を調整させる、システムまたは装置と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータープログラムを含む。一例では、システムは、国際特許出願公開番号2009/072003またはUS20110003380A1に記載されているようなシステムである。一例では、システムは、国際公開番号2016/073602に記載されているようなシステムである。
【0451】
A. 試料からの細胞の単離または選択
いくつかの態様では、処理段階は、特定の疾患もしくは病態を有するものまたは細胞療法を必要とするものまたは細胞療法が投与されるものなどの対象から得られたまたはそれに由来するものなどの生物学的試料から、細胞またはその組成物を単離することを含む。いくつかの局面では、対象は、ヒト、例えば、そのために細胞が単離、処理および/または操作されている養子細胞療法などの特定の治療的介入を必要とする患者である対象ある。したがって、細胞は、いくつかの態様では、初代細胞、例えば、初代ヒト細胞である。いくつかの態様では、細胞は、CD4+およびCD8+ T細胞を含む。いくつかの態様では、細胞は、CD4+またはCD8+ T細胞を含む。試料は、組織、流体、および対象から直接採取された他の試料を含む。試料は、組織、流体、および対象から直接採取された他の試料に加え、分離、遠心分離、遺伝子操作(例えば、ウイルスベクターによる形質導入)、洗浄および/またはインキュベーションなどの1以上の処理段階から生じた試料も含む。生物学的試料は、生物学的供給源から直接得られた試料または処理された試料であることができる。生物学的試料は、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿および汗などの体液試料、組織試料および器官試料(それらに由来する処理済み試料を含む)を含むが、それらに限定されない。
【0452】
いくつかの局面では、細胞の由来源または単離源となる試料は、血液または血液由来の試料であるか、本明細書においてアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス試料とも称されるアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス産物であるか、またはそれに由来する。例示的試料は、全血、末梢血単核球(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸管関連リンパ組織、粘膜関連リンパ組織、脾臓、他のリンパ組織、肝臓、肺、胃、腸、大腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸、精巣、卵巣、扁桃もしくは他の器官、および/またはそれらに由来する細胞を含む。試料は、細胞療法、例えば養子細胞療法との関連において、自家供給源および同種供給源由来の試料を含む。
【0453】
いくつかの態様では、細胞は、細胞株、例えば、T細胞株に由来する。細胞は、いくつかの態様では、異種供給源、例えば、マウス、ラット、非ヒト霊長類およびブタから得られる。
【0454】
いくつかの例では、対象の循環血からの細胞が、例えば、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシスによって得られる。試料は、いくつかの局面では、T細胞、単球、顆粒球、B細胞、他の有核白血球、赤血球および/または血小板を含めて、リンパ球を含有し、いくつかの局面では、赤血球および血小板以外の細胞を含有する。
【0455】
いくつかの態様では、例えば血漿画分を除去するため、かつ、後続の処理段階のために適切な緩衝液または培地に細胞を入れるため、対象から収集された血液細胞を洗浄する。いくつかの態様では、細胞をリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄する。いくつかの態様では、洗浄溶液は、カルシウムおよび/もしくはマグネシウムならびに/または多くのもしくはすべての二価カチオンを欠いている。いくつかの局面では、洗浄段階は、半自動「フロースルー」遠心分離機(例えば、Cobe2991細胞処理装置、Baxter)により、製造者の指示に従って達成される。いくつかの局面では、洗浄段階は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)により、製造者の指示に従って達成される。いくつかの態様では、洗浄後に、例えばCa++/Mg++非含有PBSなどの多種多様な生物適合性緩衝液に、細胞を再懸濁する。ある特定の態様では、血液細胞試料の構成成分を取り出し、細胞を培養培地に直接再懸濁する。
【0456】
細胞は、通常、真核生物細胞、例えば哺乳動物細胞であり、典型的に、ヒト細胞である。いくつかの態様において、細胞は、血液、骨髄、リンパもしくはリンパ器官由来であるか、または免疫系の細胞、例えば自然もしくは適応免疫の細胞、例えば骨髄もしくは典型的にはT細胞および/もしくはNK細胞であるリンパ球を含むリンパ細胞である。他の例示的な細胞は、幹細胞、例えば複能性および多能性幹細胞を含み、人工多能性幹細胞(iPSC)を含む。細胞は典型的に、初代細胞、例えば対象から直接単離されたおよび/または対象から単離され凍結された細胞である。いくつかの態様において、細胞は、T細胞または他の細胞型の1つまたは複数のサブセット、例えば、総T細胞集団、CD4+細胞、CD8+細胞およびそれらのサブ集団、例えば機能、活性化状態、成熟度、分化、拡大増殖、再循環、局在化および/もしくは持続性に関する能力、抗原特異性、抗原受容体のタイプ、特定器官もしくは区画における存在、マーカーもしくはサイトカイン分泌プロフィール、ならびに/または分化度により定義されるものを含む。処置される対象に関して、細胞は、同種および/または自己であり得る。方法は特に、既製の方法を含む。いくつかの局面において、例えば既製の技術に関して、細胞は、多能性および/または複能性細胞、例えば幹細胞、例えば人工多能性幹細胞(iPSC)である。いくつかの態様において、方法は、対象から細胞を単離する工程、それらを調製、処理、培養および/または改変する工程、ならびに凍結保存の前または後にそれらを同一対象に再導入する工程を含む。
【0457】
特に、T細胞ならびに/またはCD4+および/もしくはCD8+ T細胞のサブタイプおよびサブ集団は、ナイーブT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、メモリーT細胞およびそれらのサブタイプ、例えば幹細胞メモリーT(TSCM)、セントラルメモリーT(TCM)、エフェクターメモリーT(TEM)または最終分化エフェクターメモリーT細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、未成熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞、自然および適応調節性T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞、例えばTH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、濾胞性ヘルパーT細胞、アルファ/ベータT細胞、ならびにデルタ/ガンマT細胞である。
【0458】
いくつかの態様において、細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの態様において、細胞は、単球または顆粒球、例えば骨髄細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球および/または好塩基球である。
【0459】
いくつかの態様において、単離方法は、1つまたは複数の特定の分子、例えば表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカーまたは核酸の細胞中の発現または存在に基づく、異なる細胞タイプの分離を含む。いくつかの態様において、そのようなマーカーに基づく分離のための任意の公知の方法を使用し得る。いくつかの態様において、分離はアフィニティーまたは免役アフィニティーベースの分離である。例えば、単離は、いくつかの局面において、細胞の発現または1つまたは複数のマーカー、通常は細胞表面マーカーの発現レベルに基づく、例えば、そのようなマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーション、次いで、一般に洗浄工程および抗体または結合パートナーが結合していない細胞からの、抗体または結合パートナーが結合した細胞の分離による、細胞および細胞集団の分離を含む。
【0460】
いくつかの態様では、細胞の分離は、1つ以上の調製および/または非アフィニティベースの細胞分離工程を含む。ある例では、細胞を洗浄し、遠心分離し、かつ/または1つまたは複数の試薬の存在下でインキュベーションして、例えば、不要な成分を除去し、所望の成分を濃縮し、特定の試薬に感受性のある細胞を溶解または除去する。ある例では、細胞を、密度、付着性、サイズ、特定の成分に対する感受性および/または耐性などの、1つ以上の特性に基づいて分離する。ある態様では、該方法は、赤血球を溶解することによる末梢血からの白血球の調製およびパーコールまたはフィコール勾配による遠心分離などの、密度に基づく細胞分離法を含む。
【0461】
いくつかの態様では、選択工程の少なくとも一部は、細胞と選択試薬とのインキュベーションを含む。選択試薬(複数可)とのインキュベーションは、例えば選択方法の一部として、1つ以上の異なる細胞タイプを選択するための1つまたは複数の選択試薬を使用して、表面マーカー、例えば表面タンパク質、細胞内マーカー、または核酸などの、1つ以上の特定の分子の細胞内または細胞上での発現または存在に基づいて行うことができる。いくつかの態様では、そのようなマーカーに基づいて分離するための選択試薬(複数可)を使用する公知の方法はどれも使用することができる。ある態様では、選択試薬(複数可)は、アフィニティまたはイムノアフィニティに基づいた分離をもたらす。例えば、いくつかの局面における選択は、1つ以上のマーカー、通常は細胞表面マーカー、の細胞の発現または発現レベルに基づいて細胞および細胞集団を分離するための試薬(複数可)とのインキュベーション、例えば、そのようなマーカーに特異的に結合する抗体または結合パートナーとのインキュベーション、続いて、一般的には洗浄工程、および抗体または結合パートナーに結合しなかった細胞からの抗体または結合パートナーに結合した細胞の分離を含む。いくつかの態様において、このプロセスの選択および/または他の局面は、国際特許出願公開番号WO/2015/164675に記載されるとおりである。
【0462】
前記プロセスのいくつかの局面では、ある量の細胞を、所望のアフィニティに基づくある量の選択試薬と混合する。イムノアフィニティに基づいた選択は、分離しようとする細胞と、該細胞上のマーカーに特異的に結合する分子、例えば固体表面(例えば、粒子)上の抗体または他の結合パートナーとの間の好ましいエネルギー相互作用をもたらす任意のシステムまたは方法を用いて実施することができる。ある態様では、そうした方法は、細胞のマーカーに特異的な選択試薬(例えば、抗体)でコーティングされた粒子、例えば磁性ビーズなどのビーズ、を用いて実施される。粒子(例えば、ビーズ)は、チューブまたはバッグなどの容器内で、振とうまたは混合しながら、エネルギー的に有利な相互作用を促進するのに役立つ一定の細胞密度対粒子(例えば、ビーズ)比で、細胞とインキュベーションまたは混合される。他の場合には、該方法は、選択の全てまたは一部が、例えば遠心回転下で、遠心チャンバーの内部キャビティ内で行われる、細胞の選択を含む。ある態様では、細胞と、イムノアフィニティに基づいた選択試薬などの選択試薬とのインキュベーションは、遠心チャンバー内で行われる。特定の態様では、単離または分離は、国際特許出願公開番号WO2009/072003、またはUS 20110003380 A1に記載されるシステム、デバイス、または装置を使用して実施される。一例として、そのシステムは、国際公開番号WO2016/073602に記載されるようなシステムである。
【0463】
いくつかの態様では、そのような選択工程またはその一部(例えば、抗体でコーティングされた磁性ビーズなどの粒子とのインキュベーション)を遠心チャンバーのキャビティ内で行うことにより、ユーザーは、各種溶液の量、処理中の溶液の追加、そのタイミングなどの特定のパラメータを制御することができ、これは他の利用可能な方法と比べて利点を提供し得る。例えば、インキュベーション中のキャビティ内の液体量を減らすことができると、キャビティ内の細胞の総数に影響を与えることなく、選択に使用した粒子(例えば、ビーズ試薬)の濃度、およびそれゆえに溶液の化学ポテンシャルを、高めることができる。これはひいては、処理中の細胞と選択に用いた粒子との間のペアワイズ相互作用を増強できる。いくつかの態様では、例えば、本明細書に記載のシステム、回路、および制御と関連する場合、チャンバー内でインキュベーション工程を実施することにより、ユーザーはインキュベーション中の所望の時点(複数可)で溶液の撹拌を行うことができ、これもまた、相互作用を改善し得る。
【0464】
いくつかの態様では、選択工程の少なくとも一部は遠心チャンバー内で行われ、これは細胞と選択試薬とのインキュベーションを含む。そのようなプロセスのいくつかの局面では、ある量の細胞は、所望のアフィニティに基づくある量の選択試薬と混合されるが、該選択試薬の量は、メーカーの指示に従って同数および/または同量の細胞を選択するためにチューブまたは容器で同様の選択を行うときに通常使用する量よりもはるかに少ない。いくつかの態様では、メーカーの指示に従って同数および/または同量の細胞をチューブまたは容器内でのインキュベーションで選択するために使用される同じ選択試薬(複数可)の量のわずか5%、10%、15%、20%、25%、50%、60%、70%、または80%にすぎない選択試薬(複数可)の量が使用される。
【0465】
いくつかの態様では、選択、例えば細胞のイムノアフィニティに基づいた選択のために、細胞は、選択緩衝液も含む組成物中で、チャンバーのキャビティ内において選択試薬とインキュベーションされる;該選択試薬は、例えば、濃縮または枯渇が望まれる細胞上の表面マーカーに特異的に結合するが、該組成物中の他の細胞には結合しない分子、例えば抗体であり、それは、必要に応じて、ポリマーまたは表面などの足場、例えば磁性ビーズなどのビーズに結合されていてよく、例えば、選択試薬はCD4およびCD8に特異的なモノクローナル抗体に結合された磁性ビーズである。いくつかの態様では、上述したように、選択試薬は、チューブ内で振とうまたは回転しながら選択を行う場合に同数または同量の細胞を選択するのとほぼ同じまたは同様の効率を達成するために通常使用されるか、または必要とされる選択試薬の量と比較して、実質的により少ない(例えば、該量のわずか5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%にすぎない)量で、該チャンバーのキャビティ内の細胞に添加される。いくつかの態様では、インキュベーションは、例えば10mL~200mL、例えば少なくとも10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または少なくとも約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、150mLもしくは200mL、または約10mL、約20mL、約30mL、約40mL、約50mL、約60mL、約70mL、約80mL、約90mL、約100mL、約150mLもしくは約200mLの試薬のインキュベーションにより目標体積を達成するために、細胞および選択試薬に選択緩衝液を添加して行われる。ある態様では、選択緩衝液と選択試薬を事前に混合してから細胞に添加する。ある態様では、選択緩衝液と選択試薬を別々に細胞に添加する。ある態様では、選択インキュベーションは定期的な穏やかな混合条件を用いて行われ、これはエネルギー的に有利な相互作用を促進するのに役立ち、それにより、高い選択効率を達成しながら、より少ない総選択試薬の使用を可能にする。
【0466】
いくつかの態様において、選択試薬とのインキュベーションの全持続時間は、5分~6時間または約5分~約6時間、例えば30分~3時間、例えば少なくとも30分、60分、120分もしくは180分、または少なくとも約30分、60分、120分もしくは180分である。
【0467】
いくつかの態様では、インキュベーションは一般に、混合条件下で、例えば一般に比較的低い力または速度でのスピニング(回転)の存在下で行われ、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば、600rpm、1000rpm、1500rpmもしくは1700rpm、または約600rpm、約1000rpm、約1500rpmもしくは約1700rpm、または少なくとも600rpm、1000rpm、1500rpmもしくは1700rpm)の、細胞のペレット化に使用される速度よりも低い速度で、または例えば80g~100gまたは約80g~約100g(例えば、80g、85g、90g、95gもしくは100g、または約80g、85g、90g、95gもしくは100g、または少なくとも80g、85g、90g、95gもしくは100g)の、サンプルへのまたはチャンバーもしくは他の容器の壁へのRCF(遠心力)で実施される。いくつかの態様では、スピンは、そのような低速でのスピンとそれに続く休止期間の繰り返される間隔とを用いて、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10秒間のスピンおよび/または休止、例えば、約1または2秒のスピンおよびその後の約5、6、7または8秒間の休止を用いて、実施される。
【0468】
いくつかの態様では、そのようなプロセスは、チャンバーが一体化されている完全に閉鎖されたシステム内で行われる。いくつかの態様では、このプロセス(およびいくつかの局面では1つ以上の追加の工程、例えば、アフェレーシスサンプルなどの細胞含有サンプルを洗浄する事前の洗浄工程)は、自動プログラムを用いて単一の閉鎖システムで洗浄および結合工程が完了するように、自動化された方法で実施され、結果として、細胞、試薬、その他の成分が適切なタイミングで該チャンバー内に引き込まれ、かつ該チャンバーから押し出されて、遠心分離が行われる。
【0469】
いくつかの態様では、細胞と選択試薬および/または試薬類とのインキュベーションおよび/または混合の後、インキュベーションされた細胞は、特定の試薬または試薬類の有無に基づいて細胞を選択するための分離工程にかけられる。ある態様では、分離は、細胞と選択試薬とのインキュベーションが行われたのと同じ閉鎖システムで行われる。ある態様では、選択試薬とのインキュベーション後、選択試薬が結合している細胞を含む、インキュベーションされた細胞は、細胞をイムノアフィニティに基づいて分離するためのシステムに移される。ある態様では、イムノアフィニティ分離用のシステムは、磁気分離カラムであるか、またはそれを含む。
【0470】
そのような分離工程は、試薬(例えば、抗体または結合パートナー)に結合した細胞がさらなる使用のために維持される正選択、および/または抗体もしくは結合パートナーに結合しなかった細胞が維持される負選択に基づき得る。いくつかの例において、両方の画分が、さらなる使用のために維持される。いくつかの局面において、負選択は、異種集団内である細胞型を特異的に特定する抗体が利用可能でない場合に特に有用であり得、分離は、望まれる集団以外の細胞により発現されるマーカーに基づき最適に実施される。
【0471】
いくつかの態様では、プロセスの工程は、インキュベーションされた細胞の負および/または正の選択をさらに含み、例えば、アフィニティに基づいた選択を行うことができるシステムまたは装置を使用する。ある態様では、分離は、正の選択による特定の細胞集団の濃縮、または負の選択による特定の細胞集団の枯渇により行われる。ある態様では、正または負の選択は、それぞれ、正または負に選択された細胞に発現された(marker)、または比較的高いレベルで発現された(markerhigh)1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合する、1つまたは複数の抗体もしくは他の結合作用物質と細胞とをインキュベーションすることによって達成される。同じ選択工程、例えば陽性または陰性選択工程を複数回実施することができる。特定の態様において、陽性または陰性選択された分画は、例えば陽性または陰性選択工程を繰り返すことにより、選択のためのプロセスに付される。いくつかの態様において、選択は、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回または9回よりも多く繰り返される。特定の態様において、同じ選択が最大5回実施される。特定の態様において、同じ選択工程が3回実施される。
【0472】
分離は、特定の細胞集団または特定のマーカーを発現する細胞の100%濃縮または除去を必要とするものではない。例えば、特定型の細胞、例えばあるマーカーを発現する細胞の正選択または濃縮は、そのような細胞の数またはパーセンテージの増加を表すが、それはそのマーカーを発現しない細胞が完全に存在しないことを必要とするものではない。同様に、特定型の細胞、例えばあるマーカーを発現する細胞の負選択、除去または排除は、そのような細胞の数またはパーセンテージの減少を表すが、全てのそのような細胞が完全に除去されることを必要とするものではない。
【0473】
いくつかの例において、1回の工程から正または負選択された画分を、別の分離工程、例えば後続の正または負選択に供する、複数回の分離工程が実施される。いくつかの例において、1回の分離工程は、複数のマーカーを同時に発現する細胞を、例えば、各々が負選択の標的となるマーカーに特異的な複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることによって、排除し得る。同様に、様々な細胞型において発現される複数の抗体または結合パートナーと共に細胞をインキュベートすることによって、複数の細胞型が同時に正選択され得る。特定の態様において、1つまたは複数の分離工程が繰り返される、および/または1回よりも多く実施される。いくつかの態様において、分離工程から得られる陽性または陰性選択された分画は、例えば陽性または陰性選択工程を繰り返すことにより、同じ分離工程に付される。いくつかの態様において、1つの分離工程が繰り返されて、および/または1回よりも多く実施されて、例えば、陽性選択された細胞の収率を高める、陰性選択された細胞の純度を高める、および/または陽性選択された細胞を陰性選択された分画からさらに取り出す。特定の態様において、1つまたは複数の分離工程が2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回よりも多く実施および/または繰り返される。特定の態様において、1つまたは複数の選択工程が1回~10回、1回~5回または3回~5回、実施および/または繰り返される。特定の態様において、1つまたは複数の選択工程が3回繰り返される。
【0474】
例えば、いくつかの局面では、T細胞の特定の亜集団、例えば、1つまたは複数の表面マーカーについて陽性の細胞、またはそのような表面マーカーを高レベルで発現する細胞、例えば、CD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+、および/またはCD45RO+ T細胞は、正または負の選択技術により分離される。ある態様では、そのような細胞は、これらのマーカーに特異的に結合する1つまたは複数の抗体もしくは結合パートナーとのインキュベーションによって選択される。ある態様では、抗体または結合パートナーを、磁性ビーズまたは常磁性ビーズなどの固相支持体またはマトリックスに、例えば直接的または間接的に結合させて、選択を行うことができる。例えば、CD3+, CD28+ T細胞は、抗CD3/抗CD28結合磁性ビーズ(例えば、DYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expander、および/またはExpACT(登録商標)ビーズ)を用いて、正に選択され得る。
【0475】
いくつかの態様において、非T細胞、例えばB細胞、単球または他の白血球において発現されるマーカー、例えばCD14の負選択によって、T細胞がPBMC試料から分離される。いくつかの局面において、CD4+またはCD8+選択工程は、CD4+ヘルパーおよびCD8+細胞傷害性T細胞を分離するために使用される。そのようなCD4+またはCD8+集団はさらに、1つまたは複数のナイーブ、メモリーおよび/またはエフェクターTサブ集団において発現されるかまたは相対的に高い程度発現されるマーカーについての正または負選択によってサブ集団に分類され得る。
【0476】
いくつかの態様において、CD8+ T細胞はさらに、例えばそれぞれのサブ集団に関連する表面抗原に基づく正または負選択によって、ナイーブ、セントラルメモリー、エフェクターメモリーおよび/またはセントラルメモリー幹細胞について濃縮される、またはそれらを排除される。いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞の濃縮は、効能を高めるために、例えば投与後の長期間の生存、拡大増殖および/または生着を改善するために実施され、それは、いくつかの局面において、そのようなサブ集団において特に確実である。Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82; Wang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照のこと。いくつかの態様において、TCM濃縮CD8+ T細胞およびCD4+ T細胞の混合は、効果をさらに向上させる。
【0477】
態様において、メモリーT細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-の両サブセットに存在する。PBMCは、例えば抗CD8および抗CD62L抗体を用いて、CD62L-CD8+および/もしくはCD62L+CD8+画分について濃縮され得るまたはそれらを排除され得る。
【0478】
いくつかの態様において、セントラルメモリーT(TCM)細胞についての濃縮は、CD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3および/またはCD127の陽性または高い表面発現に基づき、いくつかの局面において、それはCD45RAおよび/またはグランザイムBを発現するまたは高度に発現する細胞についての負選択に基づく。いくつかの局面において、TCM細胞について濃縮されたCD8+集団の単離は、CD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の排除およびCD62Lを発現する細胞についての正選択または濃縮によって実施される。1つの局面において、セントラルメモリーT(TCM)細胞についての濃縮は、CD4発現に基づいて選択された細胞の陰性の画分から出発し、これがCD14およびCD45RAの発現に基づく負選択およびCD62Lに基づく正選択に供されることによって実施される。
【0479】
そのような選択は、いくつかの局面において、同時に実施され、他の局面においては、任意の順で順次実施される。いくつかの局面において、CD8+ T細胞集団またはサブ集団を調製するのに使用したのと同じCD4発現ベースの選択設定が、CD4+ T細胞集団またはサブ集団を生成するためにも使用され、したがってCD4ベースの分離からの陽性および陰性の両画分が維持され、任意で1回または複数回のさらなる正または負選択工程を行った後に、この方法の後続の工程において使用される。ある態様では、CD4+ T細胞集団の選択とCD8+ T細胞集団の選択は、同時に行われる。ある態様では、CD4+ T細胞集団の選択とCD8+ T細胞集団の選択は、任意の順序で、連続して行われる。ある態様では、細胞を選択する方法は、公開された米国特許出願第US20170037369号に記載される方法を含むことができる。ある態様では、選択されたCD4+ T細胞集団と選択されたCD8+ T細胞集団は、選択工程後に組み合わせることができる。いくつかの局面では、選択されたCD4+ T細胞集団と選択されたCD8+ T細胞集団は、容器またはバイオリアクターバッグなどのバッグ内で組み合わされる。いくつかの態様において、選択されたCD4+T細胞集団および選択されたCD8+T細胞集団は別々に処理され、それにより、例えば提供される方法にしたがって、選択されたCD4+T細胞集団は、CD4+T細胞を富化され、刺激試薬(例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズ)とともにインキュベートされ、組換えタンパク質(例えばCAR)をコードするウイルスベクターを形質導入され、T細胞を拡大させる条件下で培養され、選択されたCD8+T細胞集団は、CD8+T細胞を富化され、刺激試薬(例えば抗CD3/抗CD28磁気ビーズ)とともにインキュベートされ、組換えタンパク質(例えばCAR)(同じドナーからのCD4+T細胞を操作する場合と同じ組換えタンパク質)をコードするウイルスベクターを形質導入され、T細胞を拡大させる条件下で培養される。
【0480】
特定の態様において、生物学的試料、例えばPBMCまたは他の白血球の試料がCD4+T細胞の選択に付されて、陰性分画と陽性分画の両方が保持される。特定の態様において、CD8+T細胞が陰性分画から選択される。いくつかの態様において、生物学的試料がCD8+T細胞の選択に付されて、陰性分画と陽性分画の両方が保持される。特定の態様において、CD4+T細胞が陰性分画から選択される。
【0481】
特定の例では、PBMCのサンプルまたは他の白血球サンプルがCD4+ T細胞の選択に供され、この場合には、負画分と正画分の両方が保持される。次に、その負画分は、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づいて負の選択に供され、かつCD62LまたはCCR7などのセントラルメモリーT細胞に特徴的なマーカーに基づいて正の選択に供される;この場合、正の選択と負の選択は任意の順序で行われる。
【0482】
CD4+ Tヘルパー細胞は、細胞表面抗原を有する細胞集団を特定することによって、ナイーブ細胞、セントラルメモリー細胞およびエフェクター細胞に分類されうる。CD4+リンパ球は、標準的な方法によって取得され得る。いくつかの態様において、ナイーブCD4+ Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、またはCD4+ T細胞である。いくつかの態様において、セントラルメモリーCD4+ T細胞は、CD62L+およびCD45RO+である。いくつかの態様において、エフェクターCD4+ T細胞は、CD62L-およびCD45RO-である。
【0483】
1つの例において、負選択によりCD4+ T細胞について濃縮するために、モノクローナル抗体カクテルは典型的に、CD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DRおよびCD8に対する抗体を含む。いくつかの態様において、抗体または結合パートナーは、正および/または負選択により細胞を分離できるよう、固体支持体またはマトリックス、例えば磁気ビーズまたは常磁性ビーズに結合される。例えば、いくつかの態様において、細胞および細胞集団は、(Methods in Molecular Medicine, vol. 58: Metastasis Research Protocols, Vol. 2: Cell Behavior In Vitro and In Vivo, p 17-25 Edited by: S. A. Brooks and U. Schumacher (著作権) Humana Press Inc., Totowa, NJで概説されている)免疫磁気(または親和性磁気)分離技術を用いて分離または単離される。
【0484】
いくつかの局面において、分離される細胞の、試料または組成物は、小さな、磁化可能なまたは磁気反応性の材料、例えば磁気反応粒子または微粒子、例えば常磁性ビーズ(例えば、DynabeadsまたはMACS(登録商標)ビーズ)を含む選択試薬と共にインキュベートされる。磁気反応性材料、例えば粒子は、通常、分離が望まれる、例えば負または正選択されることが望まれる、細胞、細胞群または細胞集団に存在する分子、例えば表面マーカーに特異的に結合する結合パートナー、例えば抗体に、直接的または間接的に付着される。
【0485】
いくつかの態様において、磁気粒子またはビーズは、特異的結合メンバー、例えば抗体または他の結合パートナーに結合された磁気反応性材料を含む。磁気分離方法において使用するための多くの周知の磁気反応性材料が存在する。適当な磁気粒子は、参照により本明細書に組み入れられるMoldayの米国特許第4,452,773号および欧州特許明細書EP 452342 Bに記載されるものを含む。コロイド状のサイズ指定された粒子、例えばOwenの米国特許第4,795,698号およびLibertiらの米国特許第5,200,084号に記載されるものが、他の例であり、これらも使用されうる。
【0486】
インキュベートは通常、磁気粒子またはビーズに付着された、抗体もしくは結合パートナーまたはそのような抗体もしくは結合パートナーに特異的に結合する分子、例えば二次抗体もしくは他の試薬が、試料中の細胞上に存在する場合に細胞表面分子に特異的に結合する条件下で、実施される。
【0487】
特定の態様において、磁気反応性粒子は、一次抗体もしくは他の結合パートナー、二次抗体、レクチン、酵素またはストレプトアビジンでコーティングされる。特定の態様において、磁気粒子は、1つまたは複数のマーカーに特異的な一次抗体のコーティングを通じて細胞に付着される。特定の態様において、ビーズではなく細胞が、一次抗体または結合パートナーによって標識され、次いで細胞型特異的な二次抗体または他の結合パートナー(例えばストレプトアビジン)でコーティングされた磁気粒子が添加される。特定の態様において、ストレプトアビジンコーティングされた磁気粒子が、ビオチニル化された一次または二次抗体と組み合わせて使用される。
【0488】
いくつかの局面において、分離以下の手順で達成される:試料は磁場に置かれ、磁気反応性または磁化可能粒子が付着された細胞は、磁石に誘引され、非標識細胞から分離される。正選択の場合、磁石に誘引される細胞が維持され、負選択の場合、誘引されない細胞(非標識細胞)が維持される。いくつかの局面において、同じ選択工程の間に正および負選択の組み合わせが実施され、正および負画分が維持され、さらに処理されるかまたはさらなる分離工程に供される。
【0489】
いくつかの態様において、親和性ベースの選択は、磁気活性化細胞選別(MACS)(Miltenyi Biotech, Auburn, CA)を通じた選択である。磁気活性化細胞選別(MACS)(例えば、CliniMACS)システムは、磁化粒子が付着した細胞の高純度選択を実現する。特定の態様において、MACSは、外部磁場の適用後に非標的種および標的種が順次溶出される様式で動作する。すなわち、磁化粒子に付着した細胞はその場で維持され、非付着種が溶出する。次いで、この第1の溶出工程が完了した後に、磁場内で捕捉され溶出を妨げられていた種が、溶出し回収され得るように何らかの様式で自由にされる。特定の態様において、非標的細胞は、標識され、異種細胞集団から排除される。
【0490】
いくつかの態様において、磁気反応性粒子は、その後にインキュベート、培養および/または改変される細胞に付着したまま維持され、いくつかの局面において、粒子は、患者に投与するための細胞に付着したまま維持される。いくつかの態様において、磁化可能または磁気反応性粒子は、細胞から除去される。細胞から磁化可能粒子を除去する方法は公知であり、例えば、競合する非標識抗体、磁化可能粒子または切断可能なリンカーにコンジュゲートされた抗体等の使用を含む。いくつかの態様において、磁化可能粒子は、生分解性である。
【0491】
特定の態様において、単離または分離は、方法の単離、細胞調製、分離、処理、インキュベーション、培養および/または製剤化工程の1つまたは複数を実施するシステム、デバイスまたは装置を使用して実施される。いくつかの局面において、システムは、例えばエラー、ユーザー取り扱いおよび/または汚染を最小化するために、これらの工程それぞれを閉鎖または無菌環境中で実施するために使用される。一例において、システムは、国際特許出願国際公開公報第2009/072003号またはUS20110003380A1記載されているシステムである。
【0492】
いくつかの態様において、システムまたは装置は、単離、処理、操作および製剤化工程の1つまたは複数、例えばすべてを、組み込まれた、または自蔵されたシステム中で、および/または自動化もしくはプログラム可能なやり方で実施する。いくつかの局面において、システムまたは装置は、ユーザーが処理、単離、操作および製剤化工程の様々な局面をプログラムする、制御する、それらの結果を評価する、および/または調節することを許す、システムまたは装置と通信するコンピュータおよび/またはコンピュータプログラムを含む。
【0493】
いくつかの局面において、分離および/または他の工程は、例えば、閉鎖滅菌システムにおける臨床規模レベルでの細胞の自動分離のために、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotic)を用いて実施される。構成要素は、統合マイクロコンピュータ、磁気分離ユニット、蠕動ポンプおよび様々なピンチ弁を含み得る。統合コンピュータは、いくつかの局面において、機器の全ての構成要素を制御し、繰り返される手順を標準化された順でシステムに実施させる。磁気分離ユニットは、いくつかの局面において、可動式永久磁石および選択カラム用ホルダーを含む。蠕動ポンプは、配管一式を通じて流速を制御し、ピンチ弁と共に、システムを通る緩衝液の流れの制御および細胞の継続的な分離を確実にする。
【0494】
CliniMACSシステムは、いくつかの局面において、滅菌、非発熱性溶液で供給される抗体結合磁化可能粒子を使用する。いくつかの態様において、細胞が磁気粒子で標識された後、過剰な粒子を除去するために細胞は洗浄される。その後、細胞調製バッグが配管一式に接続され、これがさらに緩衝液を含むバッグおよび細胞回収バッグに接続される。配管一式は、プレカラムおよび分離カラムを含む組み立て済み滅菌管からなり、一回使いきりである。分離プログラムの開始後、システムは自動的に細胞試料を分離カラムに投入する。標識された細胞はカラム内で維持され、非標識細胞は一連の洗浄工程によって除去される。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において使用される細胞集団は標識されず、カラム内で維持されない。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において使用される細胞集団は標識され、カラム内で維持される。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法において使用される細胞集団は、磁場の除去後にカラムから流出され、細胞回収バッグに回収される。
【0495】
特定の態様において、分離および/または他の工程は、CliniMACS Prodigyシステム(Miltenyi Biotec)を用いて実施される。CliniMACS Prodigyシステムは、いくつかの局面において、遠心分離による細胞の自動洗浄および分画を可能にする細胞処理ユニットを装備している。CliniMACS Prodigyシステムはまた、オンボードカメラおよび巨視的なソース細胞産物の層を識別することによって最適な細胞分画エンドポイントを決定する画像認識ソフトウェアを含み得る。例えば、末梢血は、自動的に赤血球、白血球および血漿層に分離される。CliniMACS Prodigyシステムはまた、細胞培養プロトコル、例えば細胞の分化および拡大増殖、抗原添加および長期的細胞培養を行う統合型細胞培養チャンバーを含み得る。投入口は、培地の無菌的除去および補充を可能にし得、細胞は統合型顕微鏡を用いてモニターされ得る。例えば、Klebanoff et al. (2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakuraet al. (2012) Blood.1:72-82、およびWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701を参照のこと。
【0496】
いくつかの態様において、本明細書に記載される細胞集団は、複数の細胞表面マーカーについて染色された細胞が流体の流れで運搬されるフローサイトメトリーを通じて、回収および濃縮(または排除)される。いくつかの態様において、本明細書に記載される細胞集団は、調製目的(FACS)選別を通じて回収および濃縮(または排除)される。特定の態様において、本明細書に記載される細胞集団は、FACSベースの検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップの使用によって回収および濃縮(または排除)される(例えば、WO 2010/033140、Cho et al. (2010) Lab Chip 10, 1567-1573;およびGodin et al. (2008) J Biophoton. 1(5):355-376を参照のこと)。両方の例において、細胞は、十分に定義されたT細胞サブセットの高純度の単離が可能なように複数のマーカーで染色され得る。
【0497】
いくつかの態様において、抗体また結合パートナーは、正および/または負選択のための分離を容易にするために、1つまたは複数の検出マーカーで標識される。例えば、分離は、蛍光標識された抗体への結合に基づき得る。いくつかの例において、1つまたは複数の細胞表面マーカーに特異的な抗体または他の結合パートナーの結合に基づく細胞の分離は、例えば調製目的(FACS)を含む蛍光活性化細胞選別(FACS)および/または例えばフローサイトメトリー検出システムと組み合わせた微小電気機械システム(MEMS)チップによって、流体の流れの中で実施される。そのような方法は、複数のマーカーに基づく同時の正および負選択を可能にする。
【0498】
いくつかの態様において、調製方法は、選択、単離、インキュベーションおよび/または操作の前または後で、細胞を凍結、例えば凍結保存する工程を含む。いくつかの態様において、方法は、選択、単離または富化の前または後で、細胞を凍結、例えば凍結保存する工程を含む。いくつかの態様において、凍結および後続の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球を除去し、ある程度は単球をも除去する。いくつかの態様において、細胞は、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程ののち、凍結溶液中に懸濁される。いくつかの局面において、多様な公知の凍結溶液およびパラメータのいずれかを使用し得る。一例は、20% DMSOおよび8%ヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBSまたは他の好適な細胞凍結媒体の使用を含む。次いで、DMSOおよびHSAの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるよう、それを媒体で1:1に希釈する。次いで、細胞を一般に毎分1℃の速度で-80℃に凍結させ、液体窒素貯蔵タンクの蒸気相中に貯蔵する。いくつかの態様において、細胞は、凍結保存に適したバッグ(例えばCryoMacs(登録商標)Freezing Bags, Miltenyi Biotec)に封入される。いくつかの態様において、細胞は、凍結保存に適したバイアル(例えばCellSeal(登録商標)Vials, Cook Regentec)に封入される。いくつかの態様において、凍結のための工程および/または試薬は、本明細書に記載される凍結のための工程および/または試薬のいずれかである、またはそれを含む。
【0499】
本明細書に記載される方法のいくつかの態様において、細胞死を減らす、最小化する、または防ぐために、選択、単離、インキュベーションおよび/または操作の前に試料(例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス産物)を凍結保存することが有益である。細胞死を減らし、最小化し、または防ぎ、細胞生存能力を保存するための非限定的な凍結保護法が以下に記載される。いくつかの態様において、細胞を含有する試料(例えば全血試料、バフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画T細胞試料、リンパ球試料、白血球試料、アフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物)を凍結保存および/または凍結保護(例えば凍結)したのち、細胞の集団を単離、選択、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、インキュベート、培養、収穫、製剤化する、および/または製剤化された細胞集団を対象に投与する任意の工程の前に解凍する。特定の態様において、アフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物を凍結保存および/または凍結保護(例えば凍結)したのち、上記のような細胞選択または単離工程(例えばT細胞選択または単離工程)に付す前に解凍する。いくつかの態様において、凍結保存および/または凍結保護されたアフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物を細胞(例えばT細胞)選択または単離工程に付したのち、後続の工程、例えば細胞の集団を活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、インキュベート、培養、収穫、製剤化する、および/または製剤化された細胞集団を対象に投与する工程のいずれかの最中またはそれらの合間に、さらなる凍結保存および/または凍結保護工程を実施しない。例えば、解凍された凍結保存および/または凍結保護されたアフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物から選択されたT細胞は、下流プロセス、例えばT細胞活性化/刺激または形質導入のために解凍される前に再び凍結保存および/または凍結保護されることはない。いくつかの態様において、凍結保存および/または凍結保護されたアフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物を細胞(例えばT細胞)選択または単離工程に付したのち、後続の工程、例えば細胞の集団を活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、インキュベート、培養、収穫、製剤化する、および/または製剤化された細胞集団を対象に投与する工程のいずれかの最中またはそれらの合間に、さらなる凍結保存および/または凍結保護工程を実施する。例えば、解凍された凍結保存および/または凍結保護されたアフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物から選択されたT細胞は、下流プロセス、例えばT細胞活性化/刺激または形質導入のために解凍される前に再び凍結保存および/または凍結保護される。
【0500】
特定の態様において、凍結保存および/または凍結保護されたアフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物はバンキングされ(例えば、試料を凍結する前のT細胞選択なしで)、それが、いくつかの局面において、後続の処理工程のためのより高い融通性を許すことができる。1つの局面において、選択の前の細胞のバンキングは下流プロセスのために細胞収率を高め、細胞をより早期にバンキングすることは、細胞がより健全であり、製造成功基準をより満たしやすいことを意味し得る。いくつかの態様において、バンキングされた細胞は、さらなる処理工程、例えば細胞組成物を生成または製造するための工程またはさらなる工程において、バンキングされなかった細胞よりもロバストである。もう1つの局面において、解凍されたならば、凍結保存および/または凍結保護されたアフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物は、1つまたは複数の異なる選択法に付されることができる。この手法の利点は、とりわけ、対象、例えば試料のドナーおよび/または別のレシピエントの疾患または状態の治療のための細胞療法の細胞の入手可能性、効能および/または他の局面を増強することである。
【0501】
いくつかの態様において、血液試料、アフェレーシス試料または白血球アフェレーシス試料の凍結保存は、試料が対象から得られてから1、2、3、4、5、10、15、20、24、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50時間以内に実施される。いくつかの態様において、血液試料、アフェレーシス試料または白血球アフェレーシス試料の凍結保存は、試料が対象から得られてから1日、2日または3日以内に実施される。
【0502】
いくつかの態様において、細胞を含有する試料(例えば血液試料、アフェレーシス産物または白血球アフェレーシス産物)は、アフェレーシスまたは白血球アフェレーシス中に加えられた1つまたは複数の抗凝固剤、例えばヘパリンを除去するために、洗浄される。いくつかの態様において、試料(例えば血液試料、アフェレーシス試料、白血球アフェレーシス試料)は、選択、単離および/または富化を受け、選択、単離および/または富化された細胞は凍結保存される。いくつかの態様において、単離、選択および/または富化される細胞はT細胞、例えば本明細書に記載される任意のT細胞である。いくつかの態様において、富化されたT細胞組成物は、単離、選択および/または富化ののち、凍結、例えば凍結保存および/または極低温凍結される。特定の態様において、富化されたCD4+T細胞の組成物が、単離、選択および/または富化ののち、凍結、例えば凍結保存および/または極低温凍結される。特定の態様において、富化されたCD8+T細胞の組成物が、単離、選択および/または富化ののち、凍結、例えば凍結保存および/または極低温凍結される。いくつかの態様において、富化されたT細胞は、細胞の組成物をインキュベート、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、培養、拡大、収穫および/または製剤化する任意の工程の前に、凍結、例えば凍結保存および/または極低温凍結される。特定の態様において、富化されたCD4+T細胞の組成物が、細胞の組成物をインキュベート、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、培養、拡大、収穫および/または製剤化する任意の工程の前に、凍結、例えば凍結保存および/または極低温凍結される。いくつかの態様において、富化されたCD8+T細胞の組成物が、細胞の組成物をインキュベート、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクト、培養、拡大、収穫および/または製剤化する任意の工程の前に、凍結、例えば凍結保存および/または極低温凍結される。特定の態様において、1つまたは複数の極低温凍結されたインプット組成物は、例えば-80℃または約-80℃で12時間~7日間、24時間~120時間または2日~5日間、貯蔵される。特定の態様において、1つまたは複数の極低温凍結されたインプット組成物は、-80℃または約-80℃で10日、9日、8日、7日、6日または5日、4日、3日、2日または1日未満の期間、貯蔵される。いくつかの態様において、1つまたは複数の極低温された凍結インプット組成物は、-80℃または約-80℃で1日、2日、3日、4日、5日もしくは6日間、または約1日、2日、3日、4日、5日もしくは6日間、貯蔵される。
【0503】
いくつかの態様において、試料(例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス試料)は、ドナーが疾患または状態の診断を受けたのち、事前の細胞選択の前またはそれなしで(例えば、事前のT細胞選択、例えばクロマトグラフィーによる選択なしで)捕集され、凍結保存および/または凍結保護される。いくつかの局面において、凍結保存のタイミングはまた、ドナーが以下の1つまたは複数を受ける前である:疾患または状態の任意の初期治療、任意の標的とされる治療または疾患もしくは状態の治療に関して標識された任意の治療または放射線および/または化学療法以外の任意の治療。いくつかの態様において、試料は、疾患の初期治療後の疾患の最初の再発ののち、かつドナーまたは対象が疾患のための後続の治療を受ける前に捕集される。初期および/または後続治療は、細胞療法以外の治療法であってもよい。いくつかの態様において、捕集された細胞は、初期および/または後続治療ののち、細胞療法に使用されてもよい。1つの局面において、事前の細胞選択なしで凍結保存および/または凍結保護された試料は、前払い費用、例えば、クロスオーバ試験を受け、後で治療を要するかもしれない無作為化臨床試験における非治療患者と関連する費用を減らすのに役立ち得る。
【0504】
いくつかの態様において、試料(例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス試料)は、疾患のための第二選択治療後の疾患の第二の再発ののち、かつドナーまたは対象が疾患のための後続治療を受ける前のタイミングで、事前の細胞選択の前またはそれなしで(例えば、事前のT細胞選択、例えばクロマトグラフィーによる選択なしで)捕集され、凍結保存および/または凍結保護される。いくつかの態様において、患者は、第二選択治療ののち、例えば特定の危険因子を評価することにより、再発の可能性が高いと識別される。いくつかの態様において、危険因子は、疾患タイプおよび/または遺伝子学、例えばダブルヒットリンパ腫、難治性原発がんまたは活性化B細胞リンパ腫に基づく。いくつかの態様において、危険因子は、臨床提示、例えば第一選択治療後の早期再発または治療後の他の悪い診断指標(例えばIPI(国際予後指標)>2)に基づく。
【0505】
いくつかの態様において、試料(例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス試料)は、ドナーまたは対象が疾患の診断を受ける前のタイミングで、事前の細胞選択の前またはそれなしで(例えば、事前のT細胞選択、例えばクロマトグラフィーによる選択なしで)捕集され、凍結保存および/または凍結保護される。いくつかの局面において、ドナーまたは対象は、疾患を発症するリスクがあると決定され得る。いくつかの局面において、ドナーまたは対象は健康な対象であり得る。特定の場合において、ドナーまたは対象は、寿命の後期において細胞療法が求められる場合、疾患を発症するリスクにあるとみなされる、または疾患を有すると診断されることなく、細胞をバンキングまたは貯蔵することを決めてもよい。いくつかの態様において、ドナーまたは対象は、遺伝子変異、遺伝子異常、遺伝子破壊、家族歴、タンパク質異常(例えば、タンパク質産生および/またはプロセシングの欠損)および疾患を発症するリスクを高め得る生活様式選択などの要因に基づいて、疾患を発症するリスクを有するとみなされ得る。いくつかの態様において、細胞は予防薬として捕集される。
【0506】
ドナー、ひいてはドナーの細胞が疾患のための幅広い治療を受けていない段階で、および/または疾患もしくは状態の罹患またはその診断の前にドナーが自らの細胞を貯蔵することを許すことにより、そのような細胞は、1回または複数回の治療ののちに収穫される細胞と比べ、細胞療法における使用に関して特定の利点を有し得る。例えば、1回または複数回の治療の前に収穫された細胞は、数回の治療を受けた細胞と比べ、より健康であり得る、より高いレベルの特定の細胞活動を示し得る、より急速に成長し得る、および/または遺伝子操作に対してより反応性であり得る。本明細書に記載される態様の利点のもう1つの例は利便性を含み得る。例えば、細胞療法に必要になる前にドナーの細胞を捕集し、任意で処理し、貯蔵することにより、細胞は、レシピエントが後にそれを必要とするとき、容易に入手可能になるであろう。これは、アフェレーシスラボの能力を高めて、アフェレーシス捕集プロセスをスケジューリングするとき、より高い融通性を技術者に提供することができる。
【0507】
いくつかの態様において、凍結保存された細胞(例えば、選択された細胞または試料(例えば血液試料、アフェレーシス試料、白血球アフェレーシス試料)中の細胞)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10日未満の期間または1、2、3、4、5、6、7、8週未満の期間または少なくとも1、2、3、4、5、6、7もしくは8週の期間または8週よりも長い期間、貯蔵され得る。いくつかの態様において、凍結保存された細胞(例えば、選択された細胞または試料(例えば血液試料、アフェレーシス試料、白血球アフェレーシス試料)中の細胞)は、約1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、12ヶ月またはより長い期間、貯蔵され得る。貯蔵後、細胞(例えば、選択された細胞または試料(例えば血液試料、アフェレーシス試料、白血球アフェレーシス試料)中の細胞)は解凍され得、処理は、プロセス中の同じポイントから再開され得る。いくつかの態様において、細胞は、さらなる処理、例えば刺激条件下でのインキュベーションの前に凍結保護され、貯蔵される。特定の態様において、培養および/または製剤化された細胞集団が、たとえば自家細胞療法として対象に投与される前に凍結保護され、貯蔵される。
【0508】
特定の態様において、細胞は、例えば、例えば血漿および血小板を除去するための洗浄工程ののち、凍結される。いくつかの態様において、細胞は、組換え受容体、例えばCARを発現する細胞、例えばCD4+および/またはCD8+T細胞の製造および/または産生と関連する工程のいずれかの前、後および/または最中に凍結される。特定の態様において、そのような工程は、細胞のサブセット、例えばCD4+および/またはCD8+T細胞の選択および/または単離、細胞、例えばT細胞もしくはそのサブセットの刺激および/または拡大または細胞のトランスフェクションもしくは形質導入をはじめとする、操作された細胞の生成と関連する任意の工程を含み得る。いくつかの態様において、細胞は、細胞の選択および/または単離、細胞の刺激および/または拡大または細胞のトランスフェクションもしくは形質導入の前に対象から捕集されたアフェレーシス試料の細胞である。特定の態様において、細胞は、操作プロセスの完了後、例えば単離、選択、刺激、活性化、形質導入、トランスフェクションおよび/または拡大の1つまたは複数の工程を含むプロセスののち、凍結される。
【0509】
いくつかの態様において、細胞は、凍結溶液、例えば凍結保護物質および/または凍結保護物質を含有する溶液中に懸濁される。いくつかの局面において、凍結保存もしくはガラス化媒体を含有する凍結溶液または凍結保護物質を含有する溶液を含む、多様な公知の凍結溶液およびパラメータのいずれかを使用し得る。好適な凍結保護物質は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、プロパンジオール、ポリエチレングリコール(PEG)、1,2-プロパンジオール(PROH)またはそれらの混合物を含むが、これに限定されない。いくつかの例において、凍結保存溶液は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルデンプン、多糖、単糖、アルギン酸塩、トレハロース、ラフモース、デキストラン、ヒト血清アルブミン、Ficoll、リポタンパク質、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルデンプン、自家血漿またはそれらの混合物をはじめとする1つまたは複数の非細胞透過性凍結保存物質を含有することができる。いくつかの態様において、細胞は、約1容量%~約20容量%、約3容量%~約9容量%または約6容量%~約9容量%の最終濃度の凍結保護物質を有する凍結溶液中に懸濁される。特定の態様において、凍結溶液中の凍結保護物質の最終濃度は、約3容量%、約4容量%、約5容量%、約5.5容量%、約6容量%、約6.5容量%、約7容量%、約7.5容量%、約8容量%、約8.5容量%、約9容量%、約9.5容量%または約10容量%である。
【0510】
いくつかの態様において、細胞は、例えば、特定の細胞密度、例えば既知の、または制御された細胞密度で凍結される。特定の態様において、凍結プロセス中の細胞密度は、凍結プロセス中に発生する、および/または凍結プロセスのせいで発生する細胞死および/または細胞損傷に影響し得る。例えば、特定の態様において、細胞密度は、凍結プロセス中の周囲との平衡、例えば浸透平衡に影響する。いくつかの態様において、この平衡は、脱水である、脱水を含む、および/または脱水を生じさせる。特定の態様において、脱水は、凍結溶液、例えばDMSOおよび/またはDMSO含有溶液との接触、混合および/またはインキュベーションで生じる細胞の脱水である、またはそれを含む。特定の態様において、脱水は、例えば、細胞に曝露される有効液体水濃度を減らすことによる、細胞外空間中での氷晶の核形成および拡大から生じる脱水である、またはそれを含む。いくつかの態様において、細胞は、異なる細胞密度、例えばより高い、または低い細胞密度で凍結される細胞よりも低速の脱水を生じさせる細胞密度で凍結される。いくつかの態様において、細胞は、同一または類似の条件下、異なる細胞密度、例えばより高い、または低い細胞密度で凍結される細胞と比べて約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍または100倍;少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍または100倍;または5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍または100倍の遅さの脱水を生じさせる細胞密度で凍結される。
【0511】
いくつかの態様において、凍結保護物質はDMSOである。特定の態様において、細胞は、約1容量%~約20容量%、約3容量%~約9容量%または約6容量%~約9容量%の最終濃度のDMSOを有する凍結溶液中に懸濁される。特定の態様において、凍結溶液中のDMSOの最終濃度は、約3容量%、約4容量%、約5容量%、約5.5容量%、約6容量%、約6.5容量%、約7容量%、約7.5容量%、約8容量%、約8.5容量%、約9容量%、約9.5容量%または約10容量%である。
【0512】
特定の態様において、細胞は、凍結溶液中、0.1×106個/mLもしくは約0.1×106個/mLと約5,000×106個/mLとの間、1×106個/mLもしくは約1×106個/mLと約500×106個/mLとの間、5×106個/mLもしくは約5×106個/mLと約150×106個/mLとの間、10×106個/mLもしくは約10×106個/mLと約70×106個/mLとの間、または15×106個/mLもしくは約15×106個/mLと約60×106個/mLとの間の密度で懸濁される。いくつかの態様において、細胞は生存可能な細胞である。
【0513】
特定の態様において、細胞は、凍結溶液中、それぞれ両端の値を含めて1×106個/mLもしくは約1×106個/mLと約1×108個/mLとの間、約1×106個/mLと約2×107個/mLとの間、約1×107個/mLと約5×107個/mLとの間、または約1×107個/mLと5×107個/mLとの間の密度で懸濁される。特定の態様において、細胞は、凍結溶液中、約1×106個/mL、約2×106個/mL、約5×106個/mL、約1×107個/mL、約1.5×107個/mL、約2×107個/mL、約2.5×107個/mL、約2.5×107個/mL、約2.5×107個/mL、約3×107個/mL、約3.5×107個/mL、約4×107個/mL、約4.5×107個/mLまたは約5×107個/mLの密度で懸濁される。特定の態様において、細胞は、凍結溶液中、約1.5×107個/mL~約6×107個/mLの密度で懸濁される。特定の態様において、細胞は、凍結溶液中、少なくとも約1×107個/mLの密度で懸濁される。特定の態様において、細胞は、凍結溶液中、少なくとも約1.5×107個/mLの密度で懸濁される。いくつかの態様において、細胞は生存可能な細胞である。
【0514】
いくつかの態様において、細胞は容器中で凍結される。特定の態様において、容器は凍結容器および/または凍結保護容器である。極低温凍結に適した容器は、バイアル、バッグ、例えばプラスチックバッグおよびケインを含むが、これらに限定されない。特定の態様において、細胞、例えば同じ細胞組成物、例えばCAR発現細胞を含む細胞組成物の細胞が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10よりも多い別々の容器中で凍結される。例えば、いくつかの態様において、細胞および/または細胞の組成物は、容器に適した量よりも大きい量で、例えば溶液、凍結溶液および/または凍結保護物質中に懸濁され、その量が2つ以上の容器に入れられる。いくつかの態様において、量は、100mL、50mL、25mL、20mL、15mL、10mL、5mL;約100mL、50mL、25mL、20mL、15mL、10mL、5mL;または100mL、50mL、25mL、20mL、15mL、10mL、5mL未満;または5mL未満であり、細胞は、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10よりも多い別々のバイアル中で凍結される。特定の態様において、同じ量の細胞が各バイアルに入れられる。いくつかの態様において、バイアルは同一のバイアル、例えば同じ型、モデルおよび/または製造ロットのバイアルである。特定の態様において、量は、10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、120mL、150mL、200mL;約10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、120mL、150mL、200mL;または10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、120mL、150mL、200mL超;または200mL以上であり、細胞は、2、3、4、5、6、7、8、9、10または10よりも多い別々のバッグ中で凍結される。特定の態様において、同じ量の細胞が各バッグに入れられる。いくつかの態様において、バイアルは同一のバッグ、例えば同じ型、モデルおよび/または製造ロットのバッグである。
【0515】
いくつかの態様において、容器はバイアルである。特定の態様において、容器は、0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mLもしくは50mL;約0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mLもしくは50mL;または少なくとも0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mLもしくは50mLの充填容積を有するバイアルである。いくつかの態様において、バイアルは、1mL~120mL、1mL~20mL、1mL~5mL、1mL~10mL、1mL~40mLまたは20mL~40mLの充填容積を有する。いくつかの態様において、バイアルは、凍結バイアル、凍結保護バイアルおよび/またはクライオバイアルである。好適なバイアルは公知であり、CellSeal(登録商標)Vials(Cook Regentec)ならびに全体として参照により本明細書に組み入れられる米国特許第8,936,905号、第9,565,854号および第8,709,797号に記載されているバイアルを含むが、これらに限定されない。
【0516】
特定の態様において、容器はバッグである。特定の態様において、容器は、0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mLもしくは50mL;約0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mLもしくは50mL;または少なくとも0.5mL、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、10mL、11mL、12mL、13mL、14mL、15mL、16mL、17mL、18mL、19mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mLもしくは50mLの充填容積を有するバッグである。いくつかの態様において、バッグは、1mL~120mL、1mL~20mL、1mL~5mL、1mL~40mL、20mL~40mL、1mL~70mLまたは50mL~70mLの充填容積を有する。いくつかの態様において、バッグは、100mL、75mL、70mL、50mL、25mL、20mLもしくは10mL;約100mL、75mL、70mL、50mL、25mL、20mLもしくは10mL;または100mL、75mL、70mL、50mL、25mL、20mLもしくは10mL以下の量を充填される。好適なバッグは公知であり、CryoMacs(登録商標)Freezing Bags(Miltenyi Biotec)を含むが、これに限定されない。特定の態様において、容積は室温における容積である。いくつかの態様において、容積は、両端の値を含めて37℃~4℃、16℃~27℃、または16℃、17℃、l8℃、l9℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃もしくは37℃;約16℃、17℃、l8℃、l9℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃もしくは37℃;もしくは少なくとも16℃、17℃、l8℃、l9℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃もしくは37℃での容積である。いくつかの態様において、容積は25℃での容積である。
【0517】
いくつかの態様において、1mL~20mLの量の媒体または溶液、例えば凍結溶液中の細胞が1つまたは複数のバイアル中で凍結される。いくつかの態様において、1つまたは複数のバイアルは1mL~5mLの充填容積を有する。特定の態様において、20mL~120mLの量の媒体または溶液、例えば凍結溶液中の細胞が1つまたは複数のバッグ中で凍結される。特定の態様において、1つまたは複数のバッグは20mL~40mLの充填容積を有する。いくつかの態様において、120mL以上の量の媒体または溶液、例えば凍結溶液中の細胞が1つまたは複数のバッグ中で凍結される。特定の態様において、1つまたは複数のバッグは50mL~70mLの充填容積を有する。
【0518】
特定の態様において、細胞は、容器、例えばバッグまたはバイアルに入れられた溶液、例えば凍結溶液中、一定の表面積対体積比で凍結される。特定の態様において、表面積対体積比は、0.1cm-1もしくは約0.1cm-1から100cm-1;1cm-1もしくは約1cm-1から50cm-1、1cm-1もしくは約1cm-1から20cm-1、1cm-1もしくは約1cm-1から10cm-1、2cm-1もしくは約2cm-1から10cm-1、3cm-1もしくは約3cm-1から7cm-1、または3cm-1もしくは約3cm-1から6cm-1である。特定の態様において、表面積対体積比は3cm-1または約3cm-1と6cm-1または約6cm-1との間である。いくつかの態様において、表面積対体積比は3cm-1、4cm-1、5cm-1、6cm-1もしくは7cm-1;約3cm-1、4cm-1、5cm-1、6cm-1もしくは7cm-1;または少なくとも3cm-1、4cm-1、5cm-1、6cm-1もしくは7cm-1である。
【0519】
いくつかの態様において、凍結保存媒体への移送は、例えば、後続の凍結のために媒体を除去する、および/または適切な凍結保存緩衝液もしくは媒体中の細胞を交換するための、試料、例えば操作された細胞組成物の洗浄を含むことができる1つまたは複数の処理工程と関連する。特定の態様において、凍結保存媒体への移送は、閉鎖無菌系中、臨床スケールレベルで完全に自動化されている。特定の態様において、凍結保存媒介への移送は、CliniMACSシステム(Miltenyi Biotec)を使用して実施される。
【0520】
いくつかの態様において、細胞は解凍される。特定の態様において、細胞は急速に、例えば細胞を過熱することなく、または細胞を37℃超などの高温に曝露することなく、できる限り急速に解凍される。いくつかの態様において、急速解凍は、高濃度の凍結保護物質および/またはDMSOへの細胞の曝露を減らす、および/または防ぐ。特定の態様において、解凍が起こる速度は、細胞が凍結され、解凍されるところの容器、例えばバイアルおよび/またはバッグの性質によって影響され得る。特定の態様において、細胞は、37℃、35℃、32℃、30℃、29℃、28℃、27℃、26℃、25℃、24℃、23℃、22℃、21℃、20℃もしくは15℃;約37℃、35℃、32℃、30℃、29℃、28℃、27℃、26℃、25℃、24℃、23℃、22℃、21℃、20℃もしくは15℃;または37℃、35℃、32℃、30℃、29℃、28℃、27℃、26℃、25℃、24℃、23℃、22℃、21℃、20℃もしくは15℃以下、あるいはそれぞれ両端の値を含めて15℃~30℃、23℃~28℃もしくは24℃~26℃の温度で解凍される。いくつかの態様において、細胞は、ヒートブロック上または水浴中で解凍される。特定の態様において、細胞は、ヒートブロック上または水浴中で解凍されない。いくつかの態様において、細胞は室温で解凍される。いくつかの態様において、容器壁の厚さが細胞解凍の速度に影響する。例えば、壁が厚い容器中の細胞は、壁がより薄い容器中の細胞よりも低い速度で解凍する。いくつかの態様において、低い表面積対容積比を有する容器は、低い解凍速度および/または不均等な解凍速度を有する。いくつかの態様において、凍結保存された細胞は、1cm-1、2cm-1、3cm-1、4cm-1、5cm-1、6cm-1、もしくは7cm-1、8cm-1、9cm-1、もしくは10cm-1;約1cm-1、2cm-1、3cm-1、4cm-1、5cm-1、6cm-1、もしくは7cm-1、8cm-1、9cm-1、もしくは10cm-1;または少なくとも1cm-1、2cm-1、3cm-1、4cm-1、5cm-1、6cm-1、もしくは7cm-1、8cm-1、9cm-1、もしくは10cm-1である表面積対容積比を有する容器中で急速に解凍される。特定の態様において、細胞は、120分、90分、60分、45分、30分、25分、20分、15分、もしくは10分;約120分、90分、60分、45分、30分、25分、20分、15分、もしくは10分;または120分、90分、60分、45分、30分、25分、20分、15分、もしくは10分未満で解凍される。いくつかの態様において、細胞は、それぞれ両端の値を含めて10分~60分、15分~45分または15分~25分で解凍される。特定の態様において、細胞は20分、約20分、または20分未満で解凍される。
【0521】
特定の態様において、解凍された細胞は、投与の前または任意の後続操作および/または処理工程の前に静置、例えばインキュベートまたは培養される。いくつかの態様において、細胞は、少量および/または検出不可能な量の凍結保護物質中に、または凍結保護物質、例えばDMSOの非存在下に静置される。特定の態様において、解凍された細胞は、例えば凍結保護物質および/またはDMSOを除去するための洗浄工程の後または直後に静置される。いくつかの態様において、静置は、37℃または約37℃での培養および/またはインキュベーションである、またはそれらを含む。いくつかの態様において、静置は、任意の処理または操作工程ととともに、および/またはそれと関連して使用される任意の試薬、例えば刺激試薬、ビーズ試薬または組換えサイトカインの非存在下で実施される。いくつかの態様において、細胞は、5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、18時間、もしくは24時間;約5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、18時間、もしくは24時間;または少なくとも5分間、10分間、15分間、30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、8時間、12時間、18時間、もしくは24時間、静置される。特定の態様において、細胞は2時間、約2時間、または少なくとも2時間、静置される。
【0522】
いくつかの態様において、細胞は、細胞を処理および/または操作するための該方法の前、最中または後で凍結、例えば凍結保存される。いくつかの態様において、凍結および後続の解凍工程は、細胞集団中の顆粒球を除去し、ある程度は単球をも除去する。細胞は一般に、毎分1℃の速度で-80℃に凍結され、液体窒素貯蔵タンクの蒸気相中に貯蔵される。いくつかの態様において、細胞は、コントロールレートフリーザーを使用しながら毎分1℃または約1℃の速度で能動的および/または効果的に冷却される。いくつかの態様において、細胞は、コントロールレートフリーザーを用いて凍結されることができる。いくつかの局面において、コントロールレートフリーザーは、プログラムされた冷却プロファイル、例えば複数の冷却および/または加熱速度を有するプロファイルで細胞を凍結するために使用される。そのような冷却プロファイルは、核形成、例えば氷形成を制御する、例えば細胞内氷形成を減らすようにプログラムされ得る。
【0523】
いくつかの態様において、凍結保護物質の存在下に凍結された、および/または特定の体積または表面積対体積比で容器に充填された、記載される細胞および組成物、例えば特定の濃度または細胞密度の細胞組成物のいずれかを含む凍結細胞の特徴は、解凍後の、代替手段によって凍結された細胞と比べて改善された、増大した、および/または高速の拡大;改善された、増大した、および/または高められた細胞生存ならびに減少した細胞死、例えば壊死、プログラム細胞死および/またはアポトーシスの事例;改善された、高められた、および/または増大した活性、例えば細胞溶解活性;および/または減少した老化または静止の事例を含む。
【0524】
特定の態様において、細胞は、本明細書に提供される細胞密度および/または表面積対体積比で凍結され、凍結、極低温凍結および/または凍結保存中に、またはそれらの結果として、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結された細胞と比べて減少した細胞死、例えば壊死および/またはアポトーシスを示す。特定の態様において、細胞は、本明細書に提供される細胞密度および/または表面積対体積比で凍結され、減少した遅延細胞死、例えば、凍結、極低温凍結および/または凍結保護後、例えば凍結細胞の解凍後48時間以内に例えば壊死、プログラム細胞死またはアポトーシスによって死ぬ細胞の量の減少を示す。特定の態様において、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結された細胞と比べて少なくとも、または約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または99%少ない細胞が、凍結および/または凍結保存中に、および/またはそれらの結果として死ぬ。特定の態様において、提供される細胞密度および/または表面積対体積比で凍結された細胞の40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%または0.01%未満が、凍結、極低温凍結および/または凍結保存中に、またはそれらの結果として死ぬ。
【0525】
いくつかの態様において、細胞は、本明細書に提供される細胞密度および/または表面積対体積比で凍結され、凍結、極低温凍結および/または凍結保存中に、またはそれらの結果として、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結された細胞と比べて減少した老化または静止の事例を有する。特定の態様において、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結された細胞と比べて少なくとも、または約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または99%少ない細胞が老化または静止細胞である。特定の態様において、細胞は、提供される細胞密度および/または表面積対体積比で凍結され、凍結、極低温凍結および/または凍結保存の結果として、それらの細胞の40%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、1%、0.1%または0.01%未満が老化および/または静止状態になる。
【0526】
特定の態様において、細胞は、本明細書に提供される細胞密度および/または表面積対体積比で凍結、たとえば凍結保存され、解凍後、例えば、例えば本明細書に記載される刺激試薬とのインキュベーションによる刺激条件下、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結された細胞と比べて改善された、より高速の、および/またはより急速の拡大を示す。特定の態様において、細胞は、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結された細胞と比べて、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、もしくは10倍;約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、もしくは10倍;または少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、もしくは10倍速い、および/または急速である速度で拡大する。例えば、いくつかの態様において、解凍された細胞は、同一または類似の条件下、異なる細胞密度および/または異なる表面積対体積比で凍結されたのち解凍された細胞よりも、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは99%;約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは99%;または少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくは99%短い期間で閾拡大、例えば所定の細胞数、密度または率、例えば2倍の拡大に達する。
【0527】
いくつかの態様において、細胞は、細胞密度で凍結、例えば凍結保存され、解凍後、例えば、本明細書に記載される細胞溶解活性を計測するための任意のアッセイによる計測で、同一または類似の条件下、異なる細胞密度、例えばより高いまたは低い密度で凍結された細胞と比べて改善された、増大した、および/またはより高い細胞溶解活性を示す。特定の態様において、細胞溶解活性は、同一または類似の条件下、異なる密度で凍結された細胞と比べて、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、もしくは10倍;約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、もしくは10倍;または少なくとも5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、もしくは10倍増大する。アフェレーシス試料などの試料からの細胞の極低温貯蔵および処理のための例示的な方法およびシステムは、国際公開出願国際公開公報第2018170188号に記載されているものを含むことができる。いくつかの態様において、方法およびシステムは、患者が細胞療法を必要とする前にアフェレーシスを捕集したのち、そのアフェレーシス試料を、細胞、例えばT細胞を組換え受容体(例えばCAR)で操作するプロセスにおける後の使用に備え、凍結保存に付すことを含む。場合によっては、そのようなプロセスは、本明細書に記載されるものを含むことができる。いくつかの態様において、アフェレーシス試料は、対象から捕集され、後続のT細胞選択、活性化、刺激、操作、形質導入、トランスフェクション、インキュベーション、培養、収穫、細胞集団の製剤化および/または製剤化された細胞集団の対象への投与の前に凍結保存される。そのような例において、凍結保存されたアフェレーシス試料は、本明細書に記載されるような1つまたは複数の選択工程に試料を付す前に解凍される。
【0528】
いくつかの態様において、凍結保存および/または凍結保護された細胞の試料(例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス試料)、例えば、事前の細胞選択に付されていない(例えば、事前のT細胞選択、例えばクロマトグラフィーによる選択なしの)細胞の試料は、細胞療法のための細胞集団、例えばCAR+T細胞を含有するT細胞集団の製造のための下流プロセスのためのその使用の前に解凍される。いくつかの態様において、そのような凍結保存および/または凍結保護された細胞の試料(例えばアフェレーシスまたは白血球アフェレーシス試料)は、操作されたT細胞療法、例えばCAR+T細胞療法のための本明細書に提供されるプロセスと関連して使用される。特定の例において、収穫/製剤化工程の前または最中にさらなる凍結保存工程は実施されない。
【0529】
1. インプット組成物の特徴
いくつかの態様において、インプット組成物は、生物学的試料、例えばアフェレーシス試料、白血球アフェレーシス試料から単離または選択されたT細胞を含む。いくつかの態様において、インプット組成物は、本明細書に記載される方法のいずれかにしたがって凍結保存され得る。特定の態様において、インプット組成物は、富化されたCD3+T細胞、例えば生存可能なCD3+T細胞の集団を含む。いくつかの態様において、インプット組成物の細胞の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%がCD3+T細胞、例えば生存可能なCD3+T細胞である。いくつかの態様において、インプット組成物は、本質的にCD3+T細胞、例えば生存可能なCD3+Tのみからなる。いくつかの態様において、インプット組成物は、CD4+細胞および/またはCD8+細胞を富化されている。
【0530】
特定の態様において、インプット組成物は、CD4+T細胞およびCD8+T細胞、例えばCD4+T細胞およびCD8+T細胞を富化された細胞の集団である。特定の態様において、インプット組成物は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%がCD4+またはCD8+T細胞である、またはそれを含む。いくつかの態様において、インプット組成物は本質的にCD4+TおよびCD8+T細胞のみからなる。
【0531】
特定の態様において、インプット組成物は、富化されたCD4+T細胞の集団である。特定の態様において、インプット組成物の細胞の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%がCD4+T細胞である。いくつかの態様において、インプット組成物は本質的にCD4+T細胞のみからなる。
【0532】
特定の態様において、インプット組成物は、富化されたCD8+T細胞の集団である。特定の態様において、インプット組成物の細胞の少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、または100%もしくは約100%がCD8+T細胞である。いくつかの態様において、インプット組成物は本質的にCD8+T細胞のみからなる。
【0533】
いくつかの態様において、富化されたCD4+T細胞の集団からの細胞と、富化されたCD8+T細胞の集団からの細胞とが混ぜられ、合わされ、および/またはプールされて、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含有するインプット組成物を生成する。特定の態様において、富化されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞の集団は、細胞を刺激する、例えばセクションII-Bに記載されるような刺激条件下で細胞を培養する前にプールされる、混ぜられる、および/または合わされる。特定の態様において、富化されたCD4+およびCD8+T細胞の集団は、CD4+およびCD8+T細胞を生物学的試料から単離、富化および/または選択したのち、プールされる、混ぜられる、および/または合わされる。特定の態様において、富化されたCD4+およびCD8+T細胞の集団は、富化されたCD4+およびCD8+T細胞の集団を凍結、例えば低温保存し、解凍したのち、プールされる、混ぜられる、および/または合わされる。
【0534】
特定の態様において、インプット組成物は、富化されたCD4+T細胞の集団からの細胞を、富化されたCD8+T細胞の集団からの細胞と混ぜる、プールする、および/または合わせることによって製造、生成または作製される。特定の態様において、富化されたCD4+T細胞の集団は、CD4+T細胞を少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または99.9%含有する。特定の態様において、富化されたCD4+T細胞の集団は、CD4+T細胞を100%含有する、またはCD4+T細胞を約100%含有する。特定の態様において、富化されたT細胞の集団は、CD8+T細胞を20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満しか含有しない、および/またはCD8+T細胞を含有しない、および/またはCD8+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。いくつかの態様において、細胞の集団は本質的にCD4+T細胞のみからなる。特定の態様において、富化されたCD8+T細胞の集団は、CD8+T細胞を少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または99.9%含有する、またはCD8+T細胞を100%もしくは約100%含有する。特定の態様において、富化されたCD8+T細胞の集団は、CD4+T細胞を20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満しか含有しない、および/またはCD4+T細胞を含有しない、および/またはCD4+T細胞を含まない、もしくは実質的に含まない。いくつかの態様において、細胞の集団は本質的にCD8+T細胞のみからなる。
【0535】
特定の態様において、CD4+T細胞およびCD8+T細胞は、1:10~10:1、1:5~5:1、4:1~1:4、1:3~3:1、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、1.25:1~1:1.25、1.2:1~1:1.2、1.1:1~1:1.1または約1:1もしくは1:1のCD4+T細胞:CD8+T細胞の比でプールされる、混ぜられる、および/または合わされる。特定の態様において、生存可能なCD4+T細胞および生存可能なCD8+T細胞が、1:10~10:1、1:5~5:1、4:1~1:4、1:3~3:1、2:1~1:2、1.5:1~1:1.5、1.25:1~1:1.25、1.2:1~1:1.2、1.1:1~1:1.1または約1:1もしくは1:1のCD4+T細胞:CD8+T細胞の比でプールされる、混ぜられる、および/または合わされる。
【0536】
特定の態様において、インプット組成物は、アポトーシスマーカーに関して陽性ではない細胞(例えばT細胞)を含有する。いくつかの態様において、アポトーシスマーカーはアネキシンVおよび/または活性化カスパーゼ3である。いくつかの態様において、インプット組成物に含まれる細胞は、アネキシンV-、アネキシンV-/CD3+、アネキシンV-/CD4+、アネキシンV-/CD8+、アネキシンV-/CD3+、活性化カスパーゼ3-、活性化カスパーゼ3-/CD3+、活性化カスパーゼ3-/CD4+、活性化カスパーゼ3-/CD8+またはそれらの組み合わせを含む、またはそれらである。
【0537】
いくつかの態様において、インプット組成物は、アポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現しないT細胞の目標数またはパーセンテージ(例えば5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%以下)を含有する。いくつかの態様において、インプット組成物は、刺激ののちサイトカインを産生するT細胞の目標数またはパーセンテージを含有する。いくつかの態様において、刺激は、組換え受容体(例えばCAR)抗原特異的な刺激、例えばPMA/イオノマイシンを含む刺激ではない。いくつかの態様において、産生されるサイトカインは、IL-2、TNFαおよび/またはIFNgである、またはそれらを含む。いくつかの態様において、産生されるサイトカインは、IL-2および/またはTNFαである、またはそれらを含む。いくつかの態様において、方法は、インプット組成物を提供、製造または生成する工程を含む。いくつかの態様において、インプット組成物は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含む。いくつかの態様において、インプット組成物は、アポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現しないT細胞を含有する。
【0538】
いくつかの局面において、インプット組成物は、対象からの生物学的試料から、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージを含有する細胞組成物を提供することによって生成することができる。いくつかの局面において、インプット組成物は、対象からの生物学的試料から、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含有する細胞組成物を提供することによって生成することができる。いくつかの局面において、インプット組成物は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の数、体積あたりの数、重量あたりの数および/またはパーセンテージを決定し、さらなる成分と混合したとき、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含有する細胞の特定の数、体積または重量を選択したのち、生成することができる。いくつかの局面において、インプット組成物は、CD4+T細胞を含有する細胞組成物と、CD8+T細胞を含有する細胞組成物とを混合することによって生成することができる。いくつかの態様において、インプット組成物は、CCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD8+T細胞および/またはCCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD4+T細胞の数、体積あたりの数、重量あたりの数および/またはパーセンテージを決定し、さらなる成分と混合したとき、CCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含有する細胞の特定の数、体積または重量を選択したのち、生成することができる。
【0539】
いくつかの態様において、インプット組成物は、対象から得られた生物学的試料から、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標数および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標数を単離、精製、分離または選択することによって生成することができる。いくつかの態様において、インプット組成物は、対象から得られた生物学的試料から、CCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標数および/またはCCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標数を単離、精製、分離または選択することによって生成することができる。いくつかの局面において、そのような細胞の目標数を合わせて、または混ぜて、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含むインプット組成物を生成することができる。いくつかの局面において、そのような細胞の目標数を合わせて、または混ぜて、CCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27、CD45RAおよび/またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)を発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含むインプット組成物を生成することができる。
【0540】
いくつかの局面において、インプット組成物は、CD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+細胞の目標パーセンテージを含む。いくつかの局面において、インプット組成物は、CD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+ならびにアポトーシスマーカー陰性(例えばアネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞の目標パーセンテージを含む。
【0541】
いくつかの態様において、インプット組成物はCD4+T細胞およびCD8+T細胞を含有する。特定の態様において、インプット組成物は、CD4+および/またはCD8+T細胞の1つまたは複数のサブタイプまたは集団。特定の態様において、1つまたは複数のサブタイプまたは集団は、特定の細胞表現型と関連する1つまたは複数のマーカー、例えば低分化度の細胞表現型と関連する、またはそれを示すマーカーおよび/またはメモリー細胞表現型と関連する、またはそれを示すマーカー発現する、例えば細胞の表面に発現する、または発現しない細胞を含む。特定の態様において、インプット組成物はCD4+T細胞を含有し、そのCD4+T細胞の少なくとも一部分が、CCR7および/またはCD27などの、低分化度の表現型と関連するマーカーを発現する。いくつかの態様において、インプット組成物はCD8+T細胞を含有し、そのCD8+T細胞の少なくとも一部分が、CCR7および/またはCD27などの、低分化度の表現型と関連するマーカーを発現する。特定の態様において、インプット組成物は、特定の表現型を示す細胞の、固定された、好ましい、目標の、画定された、および/または制御されたパーセンテージまたは比率、例えば、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD8+T細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを含む、および/または有する。
【0542】
特定の態様において、方法は、インプット組成物を生成または製造するために細胞または細胞の組成物を混ぜる、または合わせる1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、細胞または細胞組成物は、試料から選択および/または単離されたものである。いくつかの態様において、インプット組成物の細胞は、試料から選択および/または単離されたものである。いくつかの態様において、CD4+T細胞および/またはCD4+T細胞の組成物が試料から選択および/または単離される。いくつかの態様において、CD8+T細胞および/またはCD8+T細胞の組成物が試料から選択および/または単離される。いくつかの態様において、試料は生物学的試料、例えば血液試料、アフェレーシス試料および/または白血球アフェレーシス試料である。特定の態様において、試料は対象、例えばヒト対象に由来する。特定の態様において、CD4+T細胞の組成物およびCD8+T細胞の組成物は同じ試料から単離および/または選択される。特定の態様において、CD4+T細胞の組成物およびCD8+T細胞の組成物は、同じ対象から採取または取得された試料から単離および/または選択される。
【0543】
いくつかの態様において、インプット組成物の生成または製造は、細胞を評価、特徴付けおよび/または同定する1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、細胞は、CD4+T細胞の組成物中で評価、特徴付けおよび/または同定される。いくつかの態様において、細胞は、CD8+T細胞の組成物中で評価、特徴付けおよび/または同定される。いくつかの態様において、細胞は、低分化度の細胞表現型もしくは状態を示す、および/またはそれと関連するマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すマーカーに関して陽性である。特定の態様において、細胞は、T細胞における、より分化した状態を示す、および/またはそれと関連するマーカーに関して陰性である。特定の態様において、CD4+およびCD8+T細胞組成物からの細胞は、低分化度の細胞表現型もしくは状態と関連する1つまたは複数のマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すマーカーに関して陽性である、および/または、より分化した状態と関連する1つまたは複数のマーカーに関して陰性である細胞の量、レベル、部分および/またはパーセンテージを決定するために評価、特徴付けおよび/または同定される。特定の態様において、CD4+およびCD8+T細胞組成物からの細胞は、低分化度の細胞表現型もしくは状態と関連するマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すマーカーの特定の表現型、例えば発現または発現の欠如を示す細胞の量、レベル、部分および/またはパーセンテージを決定するために評価、特徴付けおよび/または同定される。
【0544】
いくつかの態様において、方法は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないT細胞の目標パーセンテージおよび/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージを有する細胞組成物、例えばインプット組成物を生成または製造するために、CD4+T細胞を含有する細胞組成物を、CD8+T細胞を含有する細胞組成物と混ぜる、または合わせる1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、インプット組成物の生成または製造は、(i)試料、例えば生物学的試料から、CD4+T細胞の組成物および/またはCD8+T細胞の組成物を単離または選択する工程;(ii)CD4+および/またはCD8+T細胞の組成物中の、低分化度の細胞表現型もしくは状態と関連する1つまたは複数のマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプもしくは高分化度のサブタイプと関連する、またはそれをを示すマーカー、例えばCCR7、CD27および/またはCD45RAに関して陽性または陰性である細胞の量、レベル、部分および/またはパーセンテージを評価、特徴付けおよび/または同定する工程;および/または(iii)CD4+T細胞の組成物の細胞とCD8+T細胞の組成物の細胞とを、試料中に存在する比とは異なる、インプット組成物中の、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないT細胞の目標、画定された、固定された、および/または好ましいパーセンテージおよび/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しないCD4+T細胞の目標パーセンテージで混ぜる、または合わせる工程の1つまたは複数の工程を含む。
【0545】
いくつかの局面において、インプット組成物中のCD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+細胞の目標パーセンテージは、インプット組成物中の全細胞(CD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+)の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、またはインプット組成物中の全細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%を含む。
【0546】
いくつかの態様において、インプット組成物中のCCR7+、CD27+および/またはCCR7+/CD27+細胞の目標パーセンテージは、インプット組成物中の全細胞(CCR7+、CD27+および/またはCCR7+/CD27+細胞)の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、またはインプット組成物中の全細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%である。
【0547】
いくつかの態様において、方法は、インプット組成物の細胞を遺伝子操作する1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、遺伝子操作は、インプット組成物の細胞を、細胞を活性化および/または刺激する条件下、インキュベートする工程、核酸分子、例えば組換えおよび/または異種核酸分子を含む1つまたは複数の作用物質を細胞に送達する工程、活性化または刺激条件下で細胞をインキュベートすることによって細胞を拡大させる工程、細胞を収穫する工程および/または細胞を凍結、例えば凍結保存によって貯蔵する工程の1つまたは複数の工程を含む。いくつかの態様において、遺伝子操作の1つまたは複数の工程は、操作された細胞を含有するアウトプット細胞組成物を製造する。特定の態様において、アウトプット組成物の操作された細胞は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞と、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD4+T細胞との固定された、画定された、および/または目標の比および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD8+T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD4+T細胞と、組成物中の細胞の別のサブセットとの画定された比を有する。
【0548】
B. 細胞の活性化および刺激
いくつかの態様において、1つまたは複数の処理工程は、単離された細胞、例えば選択された細胞集団を刺激する工程を含む。いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作の前に、またはそれと関連してインキュベートおよび/または培養される。インキュベーションは、遺伝子操作、例えば上記形質導入法の態様から生じる遺伝子操作の前であってもよいし、それと関連してもよい。いくつかの態様において、刺激は、例えば形質導入の前に、細胞の活性化および/または増殖を生じさせる。インキュベーション工程は、培養、培養(cultivation)、刺激、活性化および/または増殖を含むことができる。インキュベーションおよび/または操作は、培養容器、例えばユニット、チャンバー、ウェル、カラム、チューブ、チューブセット、弁、バイアル、培養皿、バッグまたは細胞を培養するための他の容器において実施され得る。いくつかの態様において、組成物または細胞は、刺激条件または刺激物質の存在下でインキュベートされる。そのような条件は、集団中の細胞の増殖、拡大、活性化および/または生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、および/または遺伝子操作に備えて、例えば組換え抗原受容体の導入に備えて細胞をプライミングするように設計された条件を含む。
【0549】
いくつかの態様において、処理工程は、細胞、例えば選択された細胞のインキュベーションを含み、インキュベーション工程は、細胞の培養、培養(cultivation)、刺激、活性化および/または増殖を含むことができる。いくつかの態様において、組成物または細胞は、刺激条件または刺激物質の存在下、インキュベートされる。そのような条件は、集団中の細胞の増殖、活性化および/または生存を誘導する、抗原曝露を模倣する、および/または遺伝子操作に備えて、例えば組換え抗原受容体の導入に備えて細胞をプライミングするように設計された条件を含む。
【0550】
いくつかの態様において、刺激および/または活性化のための条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンおよび/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体および細胞を活性化するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
【0551】
いくつかの態様において、刺激条件または刺激物質は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達ドメインを刺激または活性化することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンドを含む。いくつかの局面において、作用物質は、T細胞におけるTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケードを起動する、または開始させる。そのような作用物質は、たとえばITAM誘導シグナルの活性化を開始させるための一次シグナルを送るのに適した作用物質、たとば抗体、例えばTCRに特異的な抗体、例えば抗CD3抗体を含むことができる。いくつかの態様において、刺激条件は、共刺激受容体を刺激することができる1つまたは複数の作用物質、例えばリガンド、例えば抗CD28または抗4-1BBを含む。いくつかの態様において、そのような作用物質および/またはリガンドは、固体支持体、例えばビーズおよび/または1つまたは複数のサイトカインに結合していてもよい。刺激物質としては、抗CD3/抗CD28ビーズ(例えばDYNABEADS(登録商標)M-450 CD3/CD28 T Cell Expanderおよび/またはExpACT(登録商標)ビーズ)がある。任意で、拡大方法はさらに、抗CD3および/または抗CD28抗体を培地に加える(例えば少なくとも約0.5ng/mLの濃度で)工程を含み得る。いくつかの態様において、刺激物質は、IL-2、IL-7およびIL-15、例えば、少なくとも約10単位/mL、少なくとも約50単位/mL、少なくとも約100単位/mLまたは少なくとも約200単位/mLの濃度のIL-2を含む。
【0552】
いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激物質は、T細胞、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞を活性化することができる;TCR複合体を通してシグナルを誘導することができる;および/またはT細胞、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の増殖を誘導することができる。いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激物質は、TCR複合体のメンバーに結合する、任意でCD3に特異的に結合する一次作用物質を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激物質はさらに、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質を含む。いくつかの態様において、共刺激分子は、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40またはICOSからなる群より選択される。いくつかの態様において、一次および二次作用物質は抗体を含み、任意で、1つまたは複数の刺激物質は、抗CD3抗体および抗CD28抗体とのインキュベーションを含む。いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激物質は、固体支持体、任意ではビーズの表面に存在する。いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激物質は、CD3結合分子;CD28結合分子;組換えIL-2;組換えIL-15;および組換えIL-7、抗原受容体によって特異的に認識される抗原を含むワクチンならびに抗原受容体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0553】
条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンおよび/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体および細胞を活性化するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
【0554】
いくつかの態様において、抗原特異的T細胞、例えば抗原特異的CD4+および/またはCD8+T細胞は、ナイーブまたは抗原特異的Tリンパ球を抗原で刺激することによって得られる。例えば、感染した対象からT細胞を単離し、その細胞をインビトロで同じ抗原によって刺激することにより、サイトメガロウイルス抗原に対して抗原特異的T細胞株またはクローンを生成することができる。
【0555】
いくつかの局面において、インキュベーションは、Riddellらへの米国特許第6,040,177号、Klebanoff et al. (2012) J Immunother. 35(9): 651-660、Terakura et al. (2012) Blood.1:72-82および/またはWang et al. (2012) J Immunother. 35(9):689-701に記載されているものなどの技術にしたがって実施される。
【0556】
いくつかの態様において、刺激条件は、ヒトTリンパ球の成長に適した温度、例えば、少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。任意で、インキュベーションはさらに、非分裂性のEBV形質転換リンパ芽球様細胞(LCL)をフィーダー細胞として加えることを含み得る。LCLに対し、約6000~10,000radの範囲のガンマ線を照射することができる。LCLフィーダー細胞は、いくつかの局面において、任意の好適な量で、例えば、少なくとも約10:1のLCLフィーダー細胞:初期Tリンパ球の比で提供される。
【0557】
いくつかの態様において、1つまたは複数の刺激条件または刺激物質の存在下でのインキュベーションの少なくとも一部分は、例えば国際公開公報第2016/073602号に記載されているように、遠心チャンバーの内部キャビティ中、例えば遠心回転下で実施される。いくつかの態様において、遠心チャンバー中で実施されるインキュベーションの少なくとも一部分は、刺激および/または活性化を誘導するための試薬との混合を含む。いくつかの態様において、細胞、例えば選択された細胞が遠心チャンバー中で刺激条件または刺激物質と混合される。そのようなプロセスのいくつか局面において、一定量の細胞が、細胞培養プレートまたは他のシステム中で類似の刺激を実施するとき通常に用いられるよりもはるかに少ない量の1つまたは複数の刺激条件または刺激物質と混合される。
【0558】
いくつかの態様において、刺激物質は、選択が遠心チャンバー中、例えばチューブまたはバッグ中、混合なしで定期的に振とうまたは回転しながら実施されるとき、同じ数の細胞または同じ量の細胞のほぼ同じまたは類似の選択効率を達成するために通常使用される、または必要であろう刺激物質の量よりも実質的に少ない量(例えば、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%以下である量)で、チャンバーのキャビティ中の細胞に加えられる。いくつかの態様において、インキュベーションは、細胞および刺激物質へのインキュベーション緩衝液の添加とともに実施されて、例えば約10mL~約200mLまたは約20mL~約125mL、例えば少なくとも、もしくは少なくとも約、または約10mL、20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mL、100mL、105mL、110mL、115mL、120mL、125mL、130mL、135mL、140mL、145mL、150mL、160mL、170mL、180mL、160mLまたは200mLの試薬のインキュベーションで目標量を達成する。いくつかの態様において、インキュベーション緩衝液および刺激物質は細胞への添加の前に混合される。いくつかの態様において、インキュベーション緩衝液および刺激物質は別々に細胞に加えられる。いくつかの態様において、刺激インキュベーションは、定期的な静かな混合条件で実施され、それが、細胞の刺激および活性化を達成しながらも、エネルギー的に好ましい相互作用の促進を支援し、それにより、より少ない全刺激物質の使用を許すことができる。
【0559】
いくつかの態様において、インキュベーションは一般に、混合条件下、例えば、一般に比較的低い力または速度、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば、600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpm;または約600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpm;または少なくとも600rpm、1000rpmまたは1500rpmもしくは1700rpm)のスピンの存在下、例えば試料またはチャンバーもしくは他の容器の壁におけるRCF80g~100gまたは約80g~約100g(例えば80g、85g、90g、95g、もしくは100g;約80g、85g、90g、95g、もしくは100g;または少なくとも80g、85g、90g、95g、もしくは100g)で実施される。いくつかの態様において、スピンは、そのような低速でのスピンののち休止期間、例えばスピンおよび/または1、2、3、4、5、6、7、8、9または10秒間の休止、例えば約1または2秒間のスピンののち約5、6、7または8秒間の休止の繰り返し間隔を使用して実施される。
【0560】
いくつかの態様において、例えば刺激物質とのインキュベーションの全持続期間は、1時間もしくは約1時間と96時間もしくは約96時間との間、1時間もしくは約1時間と72時間もしくは約72時間との間、1時間もしくは約1時間と48時間もしくは約48時間との間、4時間もしくは約4時間と36時間もしくは約36時間との間、8時間もしくは約8時間と30時間もしくは約30時間との間、18時間もしくは約18時間と30時間もしくは約30時間との間、または12時間もしくは約12時間と24時間もしくは約24時間との間、例えば少なくとも、もしくは少なくとも約、または約6時間、12時間、18時間、24時間、36時間または72時間である。いくつかの態様において、さらなるインキュベーションは、1時間もしくは約1時間と48時間もしくは約48時間との間、4時間もしくは約4時間と36時間もしくは約36時間との間、8時間もしくは約8時間と30時間もしくは約30時間との間、または12時間もしくは約12時間と24時間もしくは約24時間との間である。
【0561】
C. 遺伝子操作
いくつかの態様において、処理工程は、組換えタンパク質をコードする核酸分子の導入を含む。いくつかの態様において、細胞、例えばT細胞は、組換え受容体を発現するように遺伝子操作される。そのような組換えタンパク質としては、組換え受容体、例えばセクションIIIに記載されるいずれかがある。いくつかの態様において、操作は、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを導入することによって実施される。同じく提供されるものは、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドならびにそのような核酸および/またはポリヌクレオチドを含有するベクターまたは構築物である。組換えタンパク質、例えば組換え受容体をコードする核酸分子の、細胞への導入は、いくつかの公知のベクターのいずれかを使用して実施され得る。そのようなベクターは、ウイルスおよび非ウイルス系、例えばレンチウイルスおよびガンマレトロウイルス系ならびにトランスポゾン系、たとえばPiggyBacまたはSleeping Beauty遺伝子導入系を含む。例示的な方法は、ウイルス、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルスを介するもの、形質導入、トランスポゾンおよびエレクトロポレーションを含む、受容体をコードする核酸の導入のための方法を含む。
【0562】
いくつかの態様において、操作された細胞の調製は、1つまたは複数の培養および/または調製工程を含む。トランスジェニック受容体、例えばCARをコードする核酸の導入のための細胞は、試料、例えば生物学的試料、例えば対象から得られる、または対象に由来する生物学的試料から単離され得る。いくつかの態様において、細胞が単離される対象は、疾患もしくは状態を有する、または細胞療法を必要とする、または細胞療法が施される対象である。対象は、いくつかの態様において、特定の治療的介入、例えばそのために細胞が単離、処理および/または操作される養子細胞療法を必要とするヒトである。
【0563】
特定の態様において、細胞の組成物は、例えば増殖および/または拡大を促進する条件下で細胞を培養する前に、操作、例えば形質導入またはトランスフェクトされる。特定の態様において、細胞の組成物は、組成物が刺激条件下で刺激、活性化および/またはインキュベートされたのち、操作される。特定の態様において、組成物は刺激された組成物である。特定の態様において、刺激された組成物は、事前に凍結保存および貯蔵されたものであり、操作の前に解凍される。
【0564】
いくつかの態様において、遺伝子導入は、まず、細胞を、例えばサイトカインまたは活性化マーカーの発現によって計測される、増殖、生存および/または活性化などの応答を誘導する刺激と合わせることなどによって刺激し、次いで、活性化された細胞を形質導入し、臨床用途に十分な数まで培養して拡大させることによって達成される。
【0565】
いくつかの態様において、組換え核酸は、組換え感染ウイルス粒子、例えばサルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)に由来するベクターを使用して、細胞に導入される。
【0566】
ある態様では、組換え核酸は、エレクトロポレーションを介してT細胞に導入される(例えば、Chicaybam et al, (2013) PLoS ONE 8(3): e60298およびVan Tedeloo et al. (2000) Gene Therapy 7(16): 1431-1437を参照されたい)。ある態様では、組換え核酸は、遺伝子転移を介してT細胞に導入される(例えば、Manuri et al. (2010) Hum Gene Ther 21(4): 427-437; Sharma et al. (2013) Molec Ther Nucl Acids 2, e74; およびHuang et al. (2009) Methods Mol Biol 506: 115-126を参照されたい)。免疫細胞に遺伝物質を導入して発現させる他の方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York. N.Y.に記載)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介トランスフェクション、タングステン粒子促進性微粒子銃(Johnston, Nature, 346: 776-777 (1990))、およびリン酸ストロンチウムDNA共沈(Brash et al., Mol. Cell Biol., 7: 2031-2034 (1987))が挙げられる。
【0567】
組換え産物をコードする核酸を導入するための他のアプローチおよびベクターは、例えば、国際特許出願公開番号WO2014055668、および米国特許第7,446,190号に記載されるものである。
【0568】
いくつかの態様では、細胞、例えばT細胞は、増殖中または増殖後のいずれかに、T細胞受容体(TCR)またはキメラ抗原受容体(CAR)をトランスフェクトされ得る。所望の受容体の遺伝子を導入するためのこのトランスフェクションは、例えば、任意の適切なレトロウイルスベクターを用いて実施できる。遺伝子改変された細胞集団は、その後、初期刺激(例えば、CD3/CD28刺激)から解放され、続いて(例えば、デノボ導入された受容体を介して)第2のタイプの刺激により刺激される。この第2のタイプの刺激には、ペプチド/MHC分子の形の抗原刺激、遺伝子導入された受容体のコグネイト(架橋性)リガンド(例えば、CARの天然リガンド)、または新しい受容体のフレームワーク内で(例えば、該受容体内の定常領域を認識することにより)直接結合する任意のリガンド(例えば、抗体)が含まれる。例えば、Cheadle et al, “Chimeric antigen receptors for T-cell based therapy” Methods Mol Biol. 2012; 907:645-66またはBarrett et al., Chimeric Antigen Receptor Therapy for Cancer Annual Review of Medicine Vol. 65: 333-347 (2014)を参照されたい。
【0569】
場合によっては、T細胞などの細胞を活性化することを必要としないベクターを使用してもよい。そのような場合には、活性化に先立って、細胞を選択し、かつ/または形質導入することができる。したがって、細胞の培養に先立ってまたはそれに続いて、場合によっては、その培養の少なくとも一部の間にまたはそれと同時に、細胞を遺伝子操作することが可能である。
【0570】
いくつかの局面では、細胞はさらに、サイトカインまたは他の因子の発現を促進するように操作される。追加の核酸の中で、例えば、導入用の遺伝子は、導入された細胞の生存能および/または機能を促進するなどによって、治療の有効性を改善する遺伝子;インビボでの生存または局在を評価するなどのために、細胞の選択および/または評価用の遺伝マーカーを提供する遺伝子;例えば、細胞をインビボで負の選択の影響を受けやすくすることにより、安全性を向上させる遺伝子であり、これらは、Lupton S. D. et al., Mol. and Cell Biol., 11:6 (1991); およびRiddell et al., Human Gene Therapy 3:319-338 (1992)に記載されている;また、ドミナントポジティブ選択マーカーとネガティブ選択マーカーとの融合により誘導された二機能性の選択融合遺伝子の使用について記載しているLuptonらによるPCT/US91/08442およびPCT/US94/05601の公開公報も参照されたい。例えば、Riddellらの米国特許第6,040,177号の14~17欄を参照されたい。
【0571】
いくつかの態様では、導入は、組成物の1個以上の細胞に、組換えタンパク質、例えば組換え受容体をコードする核酸分子を接触させることによって行われる。ある態様では、接触は、スピノキュレーション(例えば、遠心接種)などの遠心分離によって行うことができる。そのような方法には、国際公開番号WO2016/073602に記載される方法のいずれかが含まれる。例示的な遠心チャンバーには、Biosafe SAによって製造販売されるもの、例えば、A-200/FおよびA-200遠心チャンバーを含めて、Sepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムと共に使用するためのもの、およびそのようなシステムと共に使用するための様々なキットが含まれる。例示的なチャンバー、システム、ならびに処理計測器およびキャビネットは、例えば、米国特許第6,123,655号、米国特許第6,733,433号および公開された米国特許出願公開番号:US 2008/0171951、ならびに公開された国際特許出願公開番号WO 00/38762に記載されており、これらのそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。そのようなシステムと共に使用するための例示的なキットには、製品名CS-430.1、CS-490.1、CS-600.1またはCS-900.2としてBioSafe SAから販売される使い捨てキットが含まれるが、これらに限定されない。
【0572】
いくつかの態様では、前記システムは、他の計測器と共に含まれ、かつ/または他の計測器に接続して配置される;そうした他の計測器には、該システムで実施される形質導入工程および1つ以上の様々な他の処理工程(例えば、本明細書または国際公開番号WO2016/073602に記載される遠心チャンバーシステムを用いてまたはこれと接続して実施される1つ以上の処理工程)の側面を操作し、自動化し、制御し、かつ/またはモニタリングするための計測器が含まれる。ある態様でのこの計測器はキャビネットの中に含まれる。ある態様では、その計測器にはキャビネットが含まれ、そのキャビネットには、制御回路を含むハウジング、遠心分離機、カバー、モーター、ポンプ、センサー、ディスプレイ、およびユーザー・インターフェースが含まれる。例示的なデバイスは、米国特許第6,123,655号、同第6,733,433号、およびUS 2008/0171951に記載されている。
【0573】
いくつかの態様では、前記システムは、一連の容器、例えばバッグ、チューブ、ストップコック、クランプ、コネクター、および遠心チャンバーから構成される。いくつかの態様では、容器(例えば、バッグ)は、形質導入される細胞およびウイルスベクター粒子を同じ容器または別々の容器(例えば、同じバッグまたは別々のバッグ)内に含有する、1つ以上の容器(例えば、バッグ)を含む。いくつかの態様では、該システムはさらに、該チャンバーに引き込まれる希釈液および/または洗浄液などの媒体、および/または希釈し、再懸濁する他の成分、および/または該方法の間の洗浄成分および/または組成物を含有する1つ以上の容器(例えば、バッグ)を含む。該容器は、該システムの1つ以上の位置、例えば、入力ライン、希釈液ライン、洗浄ライン、廃棄物ラインおよび/または出力ラインに対応する位置に接続することができる。
【0574】
いくつかの態様では、前記チャンバーは遠心分離機を伴い、その遠心分離機は、該チャンバーを、例えばその回転軸周りに、回転させることができる。回転は、細胞の形質導入に関連するインキュベーションの前、間および/または後に、および/または他の処理工程の1つ以上において行うことができる。かくして、いくつかの態様では、様々な処理工程の1つ以上は、例えば特定の力での、回転の下で実施される。該チャンバーは一般に、垂直またはほぼ垂直の回転が可能であり、その結果、遠心の間、該チャンバーは垂直に位置し、側壁と軸が垂直またはほぼ垂直で、末端壁(複数可)が水平またはほぼ水平である。
【0575】
いくつかの態様において、細胞、ウイルス粒子および試薬を含有する組成物は、一般に相対的に低い力または速度、例えば細胞をペレット化するために使用される速度よりも低い速度、例えば600rpm~1700rpmまたは約600rpm~約1700rpm(例えば600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm;約600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm;または少なくとも600rpm、1000rpm、もしくは1500rpm、もしくは1700rpm)で回転させることができる。いくつかの態様において、回転は、例えばチャンバーまたはキャビティの内壁または外壁で測定して100g~3200gまたは約100g~約3200g(例えば100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g;または約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g;または少なくとも100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g;または少なくとも約100g、200g、300g、400g、500g、1000g、1500g、2000g、2500g、3000g、もしくは3200g)の力、例えば相対遠心力で実施される。語「相対遠心力」またはRCFは一般に、回転軸と比べて、空間中の特定の点における、地球の重力に対する、物体または物質(例えば細胞、試料もしくはペレットおよび/または回転させられるチャンバーもしくは他の容器中の点)に加えられる有効力であると理解される。値は、重力、回転速度および回転の半径(回転軸と、RCFが測定されるところの物体、物質または粒子との間の距離)を考慮に入れつつ、周知の公式を使用して決定され得る。
【0576】
いくつかの態様において、遺伝子操作の少なくとも一部、例えば形質導入中および/または遺伝子操作ののち、細胞は、上記のように、遺伝子操作された細胞の培養、例えば細胞の培養(cultivation)または拡大のための容器、例えばバッグ、例えばバイオリアクターバッグアセンブリに移される。いくつかの態様において、細胞の培養または拡大のための容器はバイオリアクターバッグ、例えば灌流バッグである。
【0577】
1. ベクターおよび方法
いくつかの態様において、処理工程は、組換えタンパク質をコードする核酸分子の、細胞への導入を含み、いくつかの公知のベクターのいずれかを使用して実施され得る。いくつかの態様において、ベクターは、組換え受容体をコードする核酸を含有する。特定の態様において、ベクターはウイルスベクター、非ウイルスベクターである。場合によっては、ベクターはウイルスベクター、例えばレトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターまたはガンマレトロウイルスベクターである。
【0578】
場合によっては、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸は、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を含有する。シグナルペプチドの非限定的な例は、例えば、GMCSFRアルファ鎖シグナルペプチド、CD8アルファシグナルペプチドまたはCD33シグナルペプチドを含む。
【0579】
いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクター、例えばレトロウイルスまたはレンチウイルスベクター、非ウイルスベクターまたはトランスポゾン、例えばSleeping Beautyトランスポゾン系、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクター、レンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマレトロウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)、脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルスベクターを含む。
【0580】
いくつかの態様において、ウイルスベクターまたは非ウイルスDNAは、異種組換えタンパク質をコードする核酸を含有する。いくつかの態様において、異種組換え分子は、組換え受容体、例えば抗原受容体、例えば遺伝子サイレンシングのためのSBトランスポゾン、カプシドで包まれたトランスポゾン、例えばゲノム組換えのための相同二本鎖核酸またはレポーター遺伝子(例えば蛍光タンパク質、例えばGFPまたはルシフェラーゼ)である、またはそれを含む。
【0581】
2. 形質導入のためのウイルスベクター粒子の調製
いくつかの態様において、組換え核酸は、組換え感染ウイルス粒子、例えばサルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターを使用して細胞に導入される。いくつかの態様において、組換え核酸は、組換えレンチウイルスベクターまたはレトロウイルスベクター、例えばガンマレトロウイルスベクターを使用してT細胞に導入される(例えば、Koste et al. (2014) Gene Therapy 2014 Apr 3. doi: 10.1038/gt.2014.25;Carlens et al. (2000) Exp Hematol 28(10): 1137-46;Alonso-Camino et al. (2013) Mol Ther Nucl Acids 2, e93;Park et al., Trends Biotechnol. 2011 November 29(11): 550-557を参照)。
【0582】
いくつかの態様において、レトロウイルスベクターは、長い末端反復(LTR)配列、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(MPSV)、マウス胚性幹細胞ウイルス(MESV)、マウス幹細胞ウイルス(MSCV)または脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)に由来するレトロウイルスベクターを有する。いくつかの態様において、レトロウイルスは、任意の鳥類または哺乳動物細胞に由来するものを含む。レトロウイルスは通常、両種指向性である、すなわち、ヒトを含むいくつかの種の宿主細胞に感染することができる。1つの態様において、発現される遺伝子がレトロウイルスgag、polおよび/またはenv配列に取って代わる。いくつかの例示的なレトロウイルス系が記載されている(例えば、米国特許第5,219,740号;第6,207,453号;第5,219,740号;Miller and Rosman (1989) BioTechniques 7:980-990;Miller, A. D. (1990) Human Gene Therapy 1:5-14;Scarpa et al. (1991) Virology 180:849-852;Burns et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:8033-8037およびBoris-Lawrie and Temin (1993) Cur. Opin. Genet. Develop. 3: 102-109)。
【0583】
レンチウイルス形質導入の方法は公知である。例示的な方法が、例えば、Wang et al. (2012) J. Immunother. 35(9): 689-701;Cooper et al. (2003) Blood. 101:1637-1644;Verhoeyen et al. (2009) Methods Mol Biol. 506: 97-114およびCavalieri et al. (2003) Blood. 102(2): 497-505に記載されている。
【0584】
いくつかの態様では、ウイルスベクター粒子は、レトロウイルスゲノムをベースとしたベクターに由来するゲノム、例えばレンチウイルスゲノムをベースとしたベクターに由来するゲノムを含む。提供されるウイルスベクターのいくつかの局面では、組換え受容体、例えばCARをコードする異種核酸は、ベクターゲノムの5'LTR配列と3'LTR配列との間に含まれ、かつ/または配置される。
【0585】
いくつかの態様では、ウイルスベクターゲノムは、レンチウイルスゲノム、例えばHIV-1ゲノムまたはSIVゲノムである。例えば、レンチウイルスベクターは、病原性遺伝子を多重に弱毒化することによって生成されており、例えば、遺伝子env、vif、vpuおよびnefを欠失させて、治療目的で該ベクターをより安全にすることができる。レンチウイルスベクターは公知であり、Naldini et al., (1996および1998); Zufferey et al., (1997); Dull et al., 1998; 米国特許第6,013,516号および同第5,994,136号を参照されたい。いくつかの態様では、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸の取り込み、選択、および核酸の宿主細胞への移入に必須の配列を含むように構成されている。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd., Manassas, Va. 20110-2209)などの寄託機関またはコレクションから容易に入手できるか、または一般的に利用可能な手法を用いて公知の供給源から分離できる。
【0586】
レンチウイルスベクターの非限定的な例には、レンチウイルスに由来するもの、例えば、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、HIV-2、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1(HTLV-1)、HTLV-2、または馬伝染性貧血ウイルス(EIAV)に由来するものが含まれる。例えば、レンチウイルスベクターは、HIV病原性遺伝子を多重に弱毒化することによって生成されており、例えば、遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefを欠失させて、治療目的で該ベクターをより安全にすることができる。レンチウイルスベクターは当技術分野で公知であり、Naldini et al., (1996および1998); Zufferey et al., (1997); Dull et al., 1998; 米国特許第6,013,516号および同第5,994,136号を参照されたい。いくつかの態様では、これらのウイルスベクターは、プラスミドベースまたはウイルスベースであり、外来核酸の取り込み、選択、および核酸の宿主細胞への移入に必須の配列を含むように構成されている。公知のレンチウイルスは、American Type Culture Collection(「ATCC」;10801 University Blvd., Manassas, Va. 20110-2209)などの寄託機関またはコレクションから容易に入手できるか、または一般的に利用可能な手法を用いて公知の供給源から分離できる。
【0587】
ウイルスベクターゲノムは通常、パッケージングまたはプロデューサー細胞株にトランスフェクトされ得るプラスミドの形で構築される。そのような例のいずれにおいても、組換え受容体などの組換えタンパク質をコードする核酸は、ウイルスベクターのある領域に、例えば、一般にはウイルスゲノムの非必須領域に、挿入または配置される。ある態様では、複製欠損のウイルスを作製するために、該核酸は、特定のウイルス配列の代わりにウイルスゲノムに挿入される。
【0588】
ゲノムがウイルスベクターゲノムのRNAコピーを含むレトロウイルス粒子を作製するために、任意の様々な公知方法を使用することができる。いくつかの態様では、少なくとも2つの構成要素がウイルスベースの遺伝子送達システムの作製に関与している:第一に、構造タンパク質ならびにウイルスベクター粒子を生成するために必要な酵素を含む、パッケージングプラスミド、第二に、ウイルスベクター自体、すなわち、導入される遺伝物質。これらの構成要素の一方または両方のデザインには、バイオセーフティセーフガード(biosafety safeguard)が導入され得る。
【0589】
いくつかの態様では、パッケージングプラスミドは、エンベロープタンパク質以外の全てのレトロウイルス(例えばHIV-1)タンパク質を含むことができる(Naldini et al., 1998)。他の態様では、ウイルスベクターは、追加のウイルス遺伝子、例えば、vpr、vif、vpuおよびnefといった病原性に関連するもの、および/またはHIVの主要なトランスアクチベーターであるTat、を欠くことができる。いくつかの態様では、レンチウイルスベクター、例えばHIVベースのレンチウイルスベクターは、親ウイルスの3つの遺伝子:gag、polおよびrevのみを含み、これは組換えによる野生型ウイルスの再構成の可能性を低減させるか、または排除する。
【0590】
いくつかの態様では、ウイルスベクターゲノムは、該ウイルスベクターゲノムから転写されたウイルスゲノムRNAをウイルス粒子にパッケージングするために必要な、全ての構成要素を含むパッケージング細胞株に導入される。あるいは、ウイルスベクターゲノムは、関心対象の1つ以上の配列(例えば、組換え核酸)に加えて、ウイルス成分をコードする1つ以上の遺伝子を含んでもよい。いくつかの局面では、しかしながら、標的細胞での該ゲノムの複製を防ぐために、複製に必要な内因性ウイルス遺伝子は除去されて、パッケージング細胞株で別個に提供される。
【0591】
いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、該粒子を生成するために必要な構成要素を含む1つ以上のプラスミドベクターをトランスフェクトされる。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、LTRs、シス作用性パッケージング配列および関心対象の配列、すなわち、CARなどの抗原受容体をコードする核酸、を含むウイルスベクターゲノムを含むプラスミド、ならびに、Gag、polおよび/またはrevなどのウイルスの酵素成分および/または構造成分をコードする1つまたは複数のヘルパープラスミドにより、トランスフェクトされる。いくつかの態様では、レトロウイルスベクター粒子を生成する様々な遺伝的構成要素を分離するために、複数のベクターが利用される。いくつかのそのような態様では、パッケージング細胞に別々のベクターを提供することにより、さもなければ複製能のあるウイルスを生成する可能性がある組換え事象の発生リスクを低減することができる。ある態様では、全てのレトロウイルス成分を備えた単一のプラスミドベクターが使用され得る。
【0592】
いくつかの態様では、レトロウイルスベクター粒子、例えばレンチウイルスベクター粒子は、宿主細胞の形質導入効率を高めるためにシュードタイプ化される。例えば、レンチウイルスベクター粒子などのレトロウイルスベクター粒子は、ある態様では、VSV-G糖タンパク質によりシュードタイプ化される;この糖タンパク質は、形質導入が可能な細胞の種類を拡大増殖する広い細胞宿主域を提供する。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、異種指向性、多指向性、または両指向性エンベロープ、例えば、シンドビスウイルスエンベロープ、GALVまたはVSV-Gを含むように、非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするプラスミドまたはポリヌクレオチドをトランスフェクトされる。
【0593】
いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、ウイルスのゲノムRNAをレンチウイルスベクター粒子にパッケージングするためにトランスで必要とされる、ウイルスの調節タンパク質および構造タンパク質などの、構成要素を提供する。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、レンチウイルスタンパク質を発現しかつ機能的なレンチウイルスベクター粒子を産生することができる、任意の細胞株であってよい。いくつかの局面では、適切なパッケージング細胞株として、293 (ATCC CCL X)、293T、HeLa (ATCC CCL 2)、D17 (ATCC CCL 183)、MDCK (ATCC CCL 34)、BHK (ATCC CCL-10)およびCf2Th (ATCC CRL 1430)細胞が挙げられる。
【0594】
いくつかの態様では、パッケージング細胞株はウイルスタンパク質(複数可)を安定して発現する。例えば、いくつかの局面では、gag、pol、revおよび/または他の構造遺伝子を含むが、LTRおよびパッケージング成分を含まない、パッケージング細胞株を構築することができる。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、異種タンパク質をコードする核酸分子および/またはエンベロープ糖タンパク質をコードする核酸を含むウイルスベクターゲノムと共に、1つ以上のウイルスタンパク質をコードする核酸分子により一過性にトランスフェクトされ得る。
【0595】
いくつかの態様では、ウイルスベクターとパッケージングプラスミドおよび/またはヘルパープラスミドは、トランスフェクションまたは感染を介して、パッケージング細胞株に導入される。パッケージング細胞株は、ウイルスベクターゲノムを含むウイルスベクター粒子を産生する。トランスフェクションまたは感染の方法は周知である。非限定的な例として、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、リポフェクション法、エレクトロポレーションおよびマイクロインジェクションが挙げられる。
【0596】
組換えプラスミドとレトロウイルスのLTRおよびパッケージング配列が特別な細胞株に(例えば、リン酸カルシウム沈殿により)導入されると、そのパッケージング配列は、組換えプラスミドのRNA転写物がウイルス粒子へとパッケージングされることを可能にし、その後ウイルス粒子は培地に分泌され得る。いくつかの態様における組換えレトロウイルスを含む培地は、その後回収され、必要に応じて濃縮されて、遺伝子導入に使用される。例えば、いくつかの局面では、パッケージングプラスミドと導入用ベクターのパッケージング細胞株への同時トランスフェクションの後、ウイルスベクター粒子は培養培地から回収されて、当業者が使用する標準的な方法により力価を測定される。
【0597】
いくつかの態様では、レトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターは、レンチウイルス粒子の生成を可能にするプラスミドの導入により、例示的なHEK 293T細胞株などの、パッケージング細胞株において産生され得る。いくつかの態様では、パッケージング細胞は、gagおよびpolをコードするポリヌクレオチド、および組換え受容体、例えばCARなどの抗原受容体をコードするポリヌクレオチドをトランスフェクトされ、かつ/または該ポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、任意でおよび/または追加的に、revタンパク質をコードするポリヌクレオチドをトランスフェクトされ、かつ/または該ポリヌクレオチドを含む。いくつかの態様では、パッケージング細胞株は、任意でおよび/または追加的に、VSV-Gなどの非天然エンベロープ糖タンパク質をコードするポリヌクレオチドをトランスフェクトされ、かつ/または該ポリヌクレオチドを含む。いくつかのそのような態様では、細胞(例えば、HEK 293T細胞)のトランスフェクションの約2日後、細胞上清は組換えレンチウイルスベクターを含んでおり、それを回収して、力価を測定することができる。
【0598】
回収および/または産生されたレトロウイルスベクター粒子は、記載された方法を用いて標的細胞を形質導入するために使用され得る。標的細胞に入ると、ウイルスRNAは逆転写され、核に移送され、宿主ゲノムに安定して組み込まれる。ウイルスRNAの組込みから1日または2日後、組換えタンパク質、例えばCARなどの抗原受容体の発現を検出することができる。
【0599】
3. 核酸
いくつかの態様において、核酸は、異種である、すなわち、細胞または細胞から得られた試料、例えば別の生物または細胞から得られた試料中に通常は存在せず、例えば、操作される細胞および/またはそのような細胞が由来する生物中に通常は見られない。いくつかの態様において、核酸は、非天然である、例えば、複数の異なる細胞タイプからの様々なドメインをコードする核酸のキメラ組み合わせを含むものを含め、自然界には見られない。
【0600】
いくつかの態様において、細胞は、遺伝子操作によって導入された1つまたは複数の核酸を含み、それにより、そのような核酸の組換えまたは遺伝子操作された産物を発現する。
【0601】
場合によっては、組換え受容体をコードする核酸配列は、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を含有する。いくつかの局面において、シグナル配列は、天然のポリペプチドに由来するシグナルペプチドをコードし得る。他の局面において、シグナル配列は、異種または非天然のシグナルペプチド、例えば、SEQ ID NO:24に示されるヌクレオチド配列によってコードされる、SEQ ID NO:25に示されるGMCSFRアルファ鎖の例示的なシグナルペプチドをコードし得る。場合によっては、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列は、シグナルペプチドをコードするシグナル配列を含有する。シグナルペプチドの例示的な非限定的な例は、例えば、SEQ ID NO:24に示されるヌクレオチド配列によってコードされる、SEQ ID NO:25に示されるGMCSFRアルファ鎖シグナルペプチド、またはSEQ ID NO:26に示されるCD8アルファシグナルペプチドを含む。
【0602】
いくつかの態様において、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドは、組換え受容体の発現を制御するために機能的に連結されている少なくとも1つのプロモーターを含有する。いくつかの例において、ポリヌクレオチドは、組換え受容体の発現を制御するために機能的に連結された2つ、3つまたはより多くのプロモーターを含有する。
【0603】
核酸分子が2つ以上の異なるポリペプチド鎖、例えば組換え受容体とマーカーとをコードする特定の場合、各ポリペプチド鎖は別個の核酸分子によってコードされることができる。例えば、2つの別々の核酸が提供され、それぞれは、細胞中での発現のために細胞に個々に導入されることができる。いくつかの態様において、組換え受容体をコードする核酸およびマーカーをコードする核酸は同じプロモーターに機能的に連結され、任意で、配列内リボソーム進入部位(IRES)によって、または自己切断ペプチドもしくはリボソームスキッピングを引き起こすペプチド(任意で、T2A、P2A、E2AまたはF2Aである)をコードする核酸によって切り離される。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸および組換え受容体をコードする核酸は2つの異なるプロモーターに機能的に連結される。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸および組換え受容体をコードする核酸は、細胞のゲノム内の異なる位置に存在する、または挿入される。いくつかの態様において、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドは、例えばレトロウイルス形質導入、トランスフェクションまたは形質転換により、培養される細胞を含有する組成物に導入される。
【0604】
いくつかの態様、例えばポリヌクレオチドが第一の核酸配列および第二の核酸配列を含有する態様において、異なるポリペプチド鎖それぞれをコードするコード配列は、同じである、または異なることができるプロモーターに機能的に連結されることができる。いくつかの態様において、核酸分子は、2つ以上の異なるポリペプチド鎖の発現を駆動するプロモーターを含有することができる。いくつかの態様において、そのような核酸分子は、マルチシストロン性(バイシストロン性またはトリシストロン性、例えば米国特許第6,060,273号を参照)であることができる。いくつかの態様において、転写単位が、1つのプロモーターからのメッセージによって遺伝子産物(例えば、マーカーをコードするものと、組換え受容体をコードするもの)の共発現を可能にする、IRES(配列内リボソーム進入部位)を含有するバイシストロン性単位として操作されることができる。
【0605】
あるいはまた、場合によっては、1つのプロモータが、自己切断ペプチド(例えば2A配列)またはプロテアーゼ認識部位(例えばフーリン)をコードする配列によって互いから切り離された2つまたは3つの遺伝子(例えば、マーカーをコードするものと、組換え受容体をコードするもの)を1つのオープンリーディングフレーム(ORF)中に含有するRNAの発現を指示し得る。したがって、ORFは1つのポリペプチドをコードし、それが、翻訳中(2Aの場合)または翻訳後、個々のタンパク質へとプロセシングされる。場合によっては、ペプチド、例えばT2Aは、リボソームをして、2AエレメントのC末端におけるペプチド結合の合成をスキップさせて(リボソームスキッピング)、2A配列の端部と下流側の次のペプチドとの間の分離を招くことができる(例えば、de Felipe, Genetic Vaccines and Ther. 2:13 (2004)およびde Felipe et al. Traffic 5:616-626 (2004)を参照)。様々な2Aエレメントが公知である。本明細書に開示される方法およびシステムに使用することができる2A配列の例は、非限定的に、米国特許出願公開第20070116690号に記載されている、口蹄疫ウイルス由来の2A配列(F2A、例えばSEQ ID NO:21)、馬鼻炎Aウイルス由来の2A配列(E2A、例えばSEQ ID NO:20)、Thosea asignaウイルス由来の2A配列(T2A、例えばSEQ ID NO:6または17)および豚テシオウイルス-1由来の2A配列(P2A、例えばSEQ ID NO:18または19)。
【0606】
本明細書に記載される組換え受容体のいずれも、組換え受容体をコードする1つまたは複数の核酸配列を含有するポリヌクレオチドにより、任意の組み合わせまたは配置でコードされることができる。例えば、1つ、2つ、3つまたはより多くのポリヌクレオチドが、1つ、2つ、3つまたはより多くの異なるポリペプチド、例えば組換え受容体をコードすることができる。いくつかの態様において、1つのベクターまたは構築物が、マーカーをコードする核酸配列を含有し、別個のベクターまたは構築物が、組換え受容体、例えばCARをコードする核酸配列を含有する。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸および組換え受容体をコードする核酸は2つの異なるプロモーターに機能的に連結される。いくつかの態様において、組換え受容体をコードする核酸は、マーカーをコードする核酸の下流に存在する。
【0607】
いくつかの態様において、ベクター骨格は、1つまたは複数のマーカーをコードする核酸配列を含有する。いくつかの態様において、1つまたは複数のマーカーは、形質導入マーカー、サロゲートマーカーおよび/または選択マーカーである。
【0608】
いくつかの態様において、マーカーは形質導入マーカーまたはサロゲートマーカーである。形質導入マーカーまたはサロゲートマーカーは、ポリヌクレオチド、例えば、組換え受容体をコードするポリヌクレオチドが導入された細胞を検出するために使用することができる。いくつかの態様において、形質導入マーカーは、細胞の改変を示す、または確認することができる。いくつかの態様において、サロゲートマーカーは、組換え受容体、例えばCARとともに細胞表面に共発現するように作られているタンパク質である。特定の態様において、そのようなサロゲートマーカーは、活性をほとんどまたは全く有しないように改変されている表面タンパク質である。ある特定の態様において、サロゲートマーカーは、組換え受容体をコードする同じポリヌクレオチド上にコードされる。いくつかの態様において、組換え受容体をコードする核酸配列は、マーカーをコードする核酸配列に機能的に連結され、任意で、配列内リボソーム進入部位(IRES)または自己切断ペプチドもしくはリボソームスキッピングを生じさせるペプチド、例えば2A配列、例えばT2A、P2A、E2AまたはF2Aをコードする核酸によって切り離されている。場合によっては、外来性のマーカー遺伝子を、操作された細胞とともに利用して、細胞の検出または選択を可能にし、また場合によっては、細胞自死を促進してもよい。
【0609】
例示的なサロゲートマーカーは、短縮型細胞表面ポリペプチド、例えば短縮型ヒト上皮成長因子受容体2(tHER2)、短縮型上皮成長因子受容体(EGFRt、例示的なEGFRt配列がSEQ ID NO:7または16に示されている)もしくは前立腺特異的膜抗原(PSMA)またはそれらの改変形態を含むことができる。EGFRtは、EGFRt構築物および組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)で操作された細胞を同定もしくは選択する、および/または受容体を発現する細胞を排除もしくは分離するために使用することができる、抗体セツキシマブ(Erbitux(登録商標))または他の治療用抗EGFR抗体もしくは結合分子によって認識されるエピトープを含有し得る。米国特許第8,802,374号およびLiu et al., Nature Biotech. 2016 April; 34(4): 430-434を参照すること。いくつかの局面において、マーカー、例えばサロゲートマーカーは、CD34、NGFR、CD19もしくは短縮型CD19、例えば短縮型ヒトCD19または上皮成長因子受容体(例えばtEGFR)の全部または一部(例えば短縮形態)を含む。いくつかの態様において、マーカーをコードする核酸は、リンカー配列、例えば切断可能なリンカー配列、例えばT2Aをコードするポリヌクレオチドに機能的に連結される。例えば、マーカーおよび任意でリンカー配列は、PCT国際公開公報第2014031687号に開示されているいずれかであることができる。例えば、マーカーは、任意でリンカー配列、例えばT2A切断可能なリンカー配列に連結されている短縮型EGFR(tEGFR)であることができる。短縮型EGFR(例えばtEGFR)のための例示的なポリペプチドは、SEQ ID NO:7もしくは16に示されるアミノ酸の配列またはSEQ ID NO:7もしくは16とで少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を含む。
【0610】
いくつかの態様において、マーカーは、蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、例えばスーパーフォールドGFP、赤色蛍光タンパク質(RFP)、例えばtdTomato、mCherry、mStrawberry、AsRed2、DsRedまたはDsRed2、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青緑色蛍光タンパク質(BFP)、高感度青色蛍光タンパク質(EBFP)および黄色蛍光タンパク質(YFP)ならびにそれらの変異体、例えば蛍光タンパク質の種変異体、単量体変異体ならびにコドン最適化および/または増強された変異体である、またはそれらを含む。いくつかの態様において、マーカーは、酵素、例えばルシフェラーゼ、大腸菌由来のlacZ遺伝子、アルカリホスファターゼ、分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)である、またはそれらを含む。例示的な発光レポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ(luc)、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、β-グルクロニダーゼ(GUS)またはそれらの変異体を含む。
【0611】
いくつかの態様において、マーカーは選択マーカーである。いくつかの態様において、選択マーカーは、外因性の作用物質または薬物に対する耐性を付与するポリペプチドである、またはそれを含む。いくつかの態様において、選択マーカーは抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの態様において、選択マーカーは、哺乳動物細胞に抗生物質耐性を付与する抗生物質耐性遺伝子である。いくつかの態様において、選択マーカーは、ピューロマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ジェネティシン耐性遺伝子もしくはゼオシン耐性遺伝子またはその改変形態である、またはそれを含む。
【0612】
D. 細胞の培養および/または拡大
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法を使用して操作された細胞は、1つまたは複数の培養工程、例えば、増殖および/または拡大を促進する条件下で細胞を培養する工程を受ける。いくつかの態様において、操作された細胞は、遺伝子操作する工程、例えば形質導入またはトランスフェクションによって組換えポリペプチドを細胞に導入する工程ののち、増殖および/または拡大を促進する条件下で培養される。特定の態様において、細胞は、刺激条件下でインキュベートされ、組換えポリヌクレオチド、例えば組換え受容体をコードするポリヌクレオチドを形質導入またはトランスフェクションされたのち、培養される。いくつかの態様において、培養は、富化されたT細胞の1つまたは複数の培養された組成物を製造する。いくつかの態様において、そのような条件は、集団中の細胞の増殖、拡大、活性化および/または生存を誘導するように設計され得る。特定の態様において、刺激条件は、特定の培地、温度、酸素含量、二酸化炭素含量、時間、作用物質、例えば栄養素、アミノ酸、抗生物質、イオンおよび/または刺激因子、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え可溶性受容体ならびに細胞の成長、分裂および/または拡大を促進するように設計された任意の他の作用物質の1つまたは複数を含むことができる。
【0613】
いくつかの態様において、操作された細胞は、加えられる細胞の培養のために細胞培地および/または細胞を例えばフィードポートを介して充填されることができる容器中で培養される。細胞は、例えば細胞の拡大および/または増殖のために細胞の培養が望まれる任意の細胞源に由来することができる。
【0614】
いくつかの局面において、培地は、細胞、例えばT細胞の成長、培養、拡大または増殖を支持する適合培地である。いくつかの局面において、培地は、塩、アミノ酸、ビタミン、砂糖またはそれらの任意の組み合わせの混合物を含有する液体であることができる。いくつかの態様において、培地はさらに、例えば、インキュベーション中に細胞の培養、拡大または増殖を刺激するための1つまたは複数の刺激条件または刺激物質を含有する。いくつかの態様において、刺激条件は、例えばIL-2、IL-7またはIL-15から選択される1つまたは複数のサイトカインである、またはそれを含む。いくつかの態様において、サイトカインは組換えサイトカインである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインはヒト組換えサイトカインである。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、T細胞によって発現される、および/またはT細胞に内在性である受容体に結合する、および/または結合することができる。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは、4-アルファヘリックスバンドルファミリーのサイトカインのメンバーである、またはそれを含む。いくつかの態様において、4-アルファヘリックスバンドルファミリーのサイトカインのメンバーは、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン12(IL-12)、インターロイキン15(IL-15)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を含むが、それらに限定されない。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインはIL-15である、またはIL-15を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインはIL-7である、またはIL-7を含む。特定の態様において、1つまたは複数のサイトカインは組換えIL-2である、または組換えIL-2を含む。
【0615】
いくつかの態様において、培養またはインキュベーション中の培地中の1つまたは複数のサイトカインの濃度は、独立して、1IU/mLもしくは約1IU/mLから1500IU/mLもしくは約1500IU/mL、例えば1IU/mLもしくは約1IU/mLから100IU/mLもしくは約100IU/mL、2IU/mLもしくは約2IU/mLから50IU/mLもしくは約50IU/mL、5IU/mLもしくは約5IU/mLから10IU/mLもしくは約10IU/mL、10IU/mLもしくは約10IU/mLから500IU/mLもしくは約500IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから250IU/mLもしくは約250IU/mL、または100IU/mLもしくは約100IU/mLから200IU/mLもしくは約200IU/mL、50IU/mLもしくは約50IU/mLから1500IU/mLもしくは約1500IU/mL、100IU/mLもしくは約100IU/mLから1000IU/mLもしくは約1000IU/mL、または200IU/mLもしくは約200IU/mLから600IU/mLもしくは約600IU/mLである。いくつかの態様において、1つまたは複数のサイトカインの濃度は、独立して、少なくとも、もしくは少なくとも約1IU/mL、5IU/mL、10IU/mL、50IU/mL、100IU/mL、200IU/mL、500IU/mL、1000IU/mLまたは1500IU/mLである。
【0616】
いくつかの局面において、細胞は、操作された細胞および培地の導入後の期間の少なくとも一部分の間、インキュベートされる。いくつかの態様において、刺激条件は一般に、一次免疫細胞、例えばヒトTリンパ球の成長に適した温度、例えば少なくとも約25℃、一般に少なくとも約30℃、一般に37℃または約37℃を含む。いくつかの態様において、富化されたT細胞の組成物は、25~38℃、例えば30~37℃、例えば37℃±2℃または約37℃±2℃の温度でインキュベートされる。いくつかの態様において、インキュベーションは、培養、例えば培養(cultivation)または拡大が細胞の所望または閾密度、濃度、数または用量を生じさせるまでの時間、実施される。いくつかの態様において、インキュベーションは、培養、例えば培養(cultivation)または拡大が生存可能細胞の所望または閾密度、濃度、数または用量を生じさせるまでの時間、実施される。いくつかの態様において、インキュベーションは、24時間超、48時間超、72時間超、96時間超、5日間超、6日間超、7日間超、8日間超、9日間超もしくはそれ以上;約24時間超、48時間超、72時間超、96時間超、5日間超、6日間超、7日間超、8日間超、9日間超もしくはそれ以上;または24時間、48時間、72時間、96時間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間もしくはそれ以上の期間である。
【0617】
いくつかの態様において、細胞は、細胞培養中に二酸化炭素の目標量を維持するための条件下、インキュベートされる。いくつかの局面において、これは、成長中の細胞の最適な培養、拡大および増殖を保証する。いくつかの局面において、二酸化炭素(CO2)の量は、10%~0%(v/v)、例えば8%~2%(v/v)、例えば5%または約5%(v/v)のCO2である。
【0618】
特定の態様において、培養は閉鎖系中で実施される。特定の態様において、培養は、閉鎖系中、無菌条件下で実施される。特定の態様において、培養は、提供されるシステムの1つまたは複数の工程と同じ閉鎖系中で実施される。いくつかの態様において、富化されたT細胞の組成物は閉鎖系から取り出され、培養のためのバイオリアクターに入れられる、および/またはそれに接続される。培養に適したバイオリアクターの例は、GE Xuri W25、GE Xuri W5、Sartorius BioSTAT RM 20|50、Finesse SmartRocker Bioreactor SystemsおよびPall XRS Bioreactor Systemsを含むが、それらに限定されない。いくつかの態様において、バイオリアクターは、培養工程の少なくとも一部分中、細胞を灌流および/または混合するために使用される。
【0619】
いくつかの態様において、封入状態、接続状態および/またはバイオリアクターの制御下で培養される細胞は、培養中、バイオリアクターなしで培養される細胞、例えば静的条件下、例えば混合、揺動、モーションおよび/または灌流なしで培養される細胞よりも急速に拡大を受ける。いくつかの態様において、封入状態、接続状態および/またはバイオリアクターの制御下で培養される細胞は、14日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、60時間、48時間、36時間、24時間または12時間以内に、閾拡大、細胞数および/または密度を達成する。いくつかの態様において、封入状態、接続状態および/またはバイオリアクターの制御下で培養される細胞は、細胞が封入状態、接続状態および/またはバイオリアクターの制御下で培養されない例示的および/または代替プロセスで培養される細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも150%、少なくとも1倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍の閾拡大、細胞数および/または密度を達成する。
【0620】
いくつかの態様において、混合は、揺動および/またはモーショニングである、またはそれらを含む。いくつかの態様において、細胞は、バイオリアクターとともに使用される容器、例えばバッグを使用してインキュベートされる。場合によっては、バイオリアクターは、モーショニングまたは揺動に付されることができ、それが、いくつかの局面において、酸素移動を増すことができる。バイオリアクタのモーショニングは、バイオリアクタの水平軸に沿う回転、バイオリアクターの垂直軸に沿う回転、バイオリアクターの傾斜した水平軸に沿う揺動またはそれらの任意の組み合わせを含み得るが、それに限定されない。いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部分は揺動とともに実施される。揺動速度および揺動角は、所望のかく拌を達成するように調節され得る。いくつかの態様において、揺動角は、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°、もしくは1°;または約20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°、もしくは1°である。特定の態様において、揺動角は6~16°である。他の態様において、揺動角は7~16°である。他の態様において、揺動角は8~12°である。いくつかの態様において、揺動速度は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、1 12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40rpmである。いくつかの態様において、揺動速度は4~12rpm、例えば4~6rpmである。細胞培養拡大の少なくとも一部分は、例えば、5°~10°、例えば6°の角度で一定の揺動速度、例えば5~15RPM、例えば6RPMまたは10RPMの揺動とともに実施される。
【0621】
いくつかの態様において、細胞、例えば操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞もしくは操作されたCD8+T細胞または本明細書に記載される任意の表現型の操作された細胞を含む組成物が界面活性剤の存在下で培養される。特定の態様において、組成物の細胞の培養は、例えば混合、揺動、モーションおよび/または灌流のせいで培養中に発生し得る剪断応力の量を減らす。特定の態様において、細胞、例えば操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞の組成物は界面活性剤とともに培養され、T細胞の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または少なくとも99.9%が、培養中または培養が完了したのち少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日または7日よりも長く生き残る、例えば生存可能である、および/または壊死、プログラム細胞死またはアポトーシスを受けない。特定の態様において、細胞、例えば操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞の組成物は界面活性剤の存在下で培養され、細胞の50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満または0.01%未満が、例えば剪断または剪断誘発応力のせいで、細胞死、例えばプログラム細胞死、アポトーシスおよび/または壊死を受ける。
【0622】
特定の態様において、細胞、例えば操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞の組成物が、0.1μL/mL~10.0μL/mL、0.2μL/mL~2.5μL/mL、0.5μL/mL~5μL/mL、1μL/mL~3μL/mLまたは2μL/mL~4μL/mLの界面活性剤の存在下で培養される。いくつかの態様において、細胞、例えば操作されたT細胞、例えば操作されたCD4+T細胞または操作されたCD8+T細胞の組成物は、0.1μL/mL、0.2μL/mL、0.4μL/mL、0.6μL/mL、0.8μL/mL、1μL/mL、1.5μL/mL、2.0μL/mL、2.5μL/mL、5.0μL/mL、10μL/mL、25μL/mLもしくは50μL/mL;約0.1μL/mL、0.2μL/mL、0.4μL/mL、0.6μL/mL、0.8μL/mL、1μL/mL、1.5μL/mL、2.0μL/mL、2.5μL/mL、5.0μL/mL、10μL/mL、25μL/mLもしくは50μL/mL;または少なくとも0.1μL/mL、0.2μL/mL、0.4μL/mL、0.6μL/mL、0.8μL/mL、1μL/mL、1.5μL/mL、2.0μL/mL、2.5μL/mL、5.0μL/mL、10μL/mL、25μL/mLもしくは50μL/mLの界面活性剤の存在下で培養される。特定の態様において、細胞の組成物は、2μL/mLまたは約2μL/mLの界面活性剤の存在下で培養される。
【0623】
いくつかの態様において、界面活性剤は、液体および/または固体の表面張力を減らす作用物質である、またはそれを含む。例えば、界面活性剤は、脂肪アルコール(例えばステリルアルコール)、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル(例えばTriton X-100)またはポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えばポリソルベート20、40、60)を含む。特定の態様において、界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)、ポロキサマー188(P188)からなる群より選択される。例示的な態様において、既知組成フィード培地中の界面活性剤の濃度は、PS80約0.0025%~約0.25%(v/v);PS20約0.0025%~約0.25%(v/v)またはP188約0.1%~5.0%(w/v)である。
【0624】
いくつかの態様において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤またはそれらに添加される非イオン性界面活性剤である、またはそれを含む。好適なアニオン性界面活性剤は、アルキルスルホネート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、ラウリン酸カリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルギン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシン、ホスファチジルイノシトール、ジホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジル酸およびそれらの塩、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コール酸および他の胆汁酸(例えばコール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸、グリコデオキシコール酸)およびそれらの塩(例えばデオキシコール酸ナトリウム)を含むが、それらに限定されない。
【0625】
いくつかの態様において、好適な非イオン性界面活性剤は、グリセリルエステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタンエステル、グリセロールモノステアレート、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アリールアルキルポリエーテルアルコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー)、ポロキサミン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、非結晶性セルロース、多糖類、例えばデンプンおよびデンプン誘導体、例えばヒドロキシエチルデンプン(HES)、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンを含む。特定の態様において、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのコポリマーであり、好ましくは、プロピレングリコールとエチレングリコールとのブロックコポリマーである。そのようなポリマーは、PLURONIC(登録商標)F68またはKolliphor(登録商標)P188とも呼ばれる、商品名POLOXAMERの下で販売されている。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、短いアルキル鎖を有するものが含まれる。そのような界面活性剤の一例がSOLUTOL(登録商標)HS15、ポリエチレン-660-ヒドロキシステアレートである。
【0626】
いくつかの態様において、好適なカチオン性界面活性剤は、天然リン脂質、合成リン脂質、第四級アンモニウム化合物、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、キトサン、ラウリルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、アシルカルニチン塩酸塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、ジミリストイルトリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、ジメチルアミノエタンカルバモイルコレステロール(DC-Chol)、1,2-ジアシルグリセロ-3-(O-アルキル)ホスホコリン、O-アルキルホスファチジルコリン、ハロゲン化アルキルピリジニウムまたは長鎖アルキルアミン、例えばn-オクチルアミンおよびオレイルアミンを含み得るが、それらに限定されない。
【0627】
両性イオン界面活性剤は、電気的に中性であるが、同じ分子内に局所的な正および負の電荷を有する。好適な両性イオン性界面活性剤は、両性イオン性リン脂質を含むが、それに限定されない。好適なリン脂質は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジアシル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(例えばジミリストイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DMPE)、ジパルミトイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DPPE)、ジステアロイル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DSPE)およびジオレオリル-グリセロ-ホスホエタノールアミン(DOPE))を含む。アニオン性および両性イオン性リン脂質を含むリン脂質の混合物が本発明において用いられてもよい。そのような混合物は、リゾリン脂質、卵もしくは大豆リン脂質またはそれらの任意の組み合わせを含むが、それに限定されない。リン脂質は、アニオン性リン脂質、両性イオン性リン脂質またはリン脂質の混合物のいずれであろうと、塩化または脱塩されてもよいし、水素化または部分水素化されてもよいし、天然、半合成または合成であってもよい。
【0628】
特定の態様において、界面活性剤はポロキサマー、例えばポロキサマー188である。いくつかの態様において、細胞の組成物は、0.1μL/mL~10.0μL/mL、0.2μL/mL~2.5μL/mL、0.5μL/mL~5μL/mL、1μL/mL~3μL/mLまたは2μL/mL~4μL/mLのポロキサマーの存在下で培養される。いくつかの態様において、細胞の組成物は、0.1μL/mL、0.2μL/mL、0.4μL/mL、0.6μL/mL、0.8μL/mL、1μL/mL、1.5μL/mL、2.0μL/mL、2.5μL/mL、5.0μL/mL、10μL/mL、25μL/mLもしくは50μL/mL;約0.1μL/mL、0.2μL/mL、0.4μL/mL、0.6μL/mL、0.8μL/mL、1μL/mL、1.5μL/mL、2.0μL/mL、2.5μL/mL、5.0μL/mL、10μL/mL、25μL/mLもしくは50μL/mL;または少なくとも0.1μL/mL、0.2μL/mL、0.4μL/mL、0.6μL/mL、0.8μL/mL、1μL/mL、1.5μL/mL、2.0μL/mL、2.5μL/mL、5.0μL/mL、10μL/mL、25μL/mLもしくは50μL/mLの界面活性剤の存在下で培養される。特定の態様において、細胞の組成物は、2μL/mLまたは約2μL/mLのポロキサマーの存在下で培養される。
【0629】
いくつかの局面において、CD4+およびCD8+細胞は、それぞれが閾量または細胞密度に達するまで拡大させる、場合によってはそれぞれ別々に拡大またはいっしょに拡大させる。特定の態様において、培養は、例えば、細胞が閾量、濃度および/または拡大を達成したとき細胞を収穫することによって終了する。特定の態様において、培養は、細胞が培養開始時の細胞の密度の量に対して約または少なくとも1.5倍の拡大、2倍の拡大、2.5倍の拡大、3倍の拡大、3.5倍の拡大、4倍の拡大、4.5倍の拡大、5倍の拡大、6倍の拡大、7倍の拡大、8倍の拡大、9倍の拡大、10倍の拡大または10倍を超える拡大を達成したとき終了する。いくつかの態様において、閾拡大は、例えば培養開始時の細胞の密度の量に対して4倍の拡大である。いくつかの態様において、培養は、例えば、細胞が細胞の閾全量、例えば閾細胞数を達成したとき細胞を収穫することによって終了する。いくつかの態様において、培養は、細胞が閾全有核細胞(TNC)数を達成したとき終了する。いくつかの態様において、培養は、細胞が閾生存可能細胞量、例えば閾生存可能細胞数を達成したとき終了する。いくつかの態様において、閾細胞数は、50×106個、100×106個、200×106個、300×106個、400×106個、600×106個、800×106個、1000×106個、1200×106個、1400×106個、1600×106個、1800×106個、2000×106個、2500×106個、3000×106個、4000×106個、5000×106個、10,000×106個、12,000×106個、15,000×106個もしくは20,000×106個;約50×106個、100×106個、200×106個、300×106個、400×106個、600×106個、800×106個、1000×106個、1200×106個、1400×106個、1600×106個、1800×106個、2000×106個、2500×106個、3000×106個、4000×106個、5000×106個、10,000×106個、12,000×106個、15,000×106個もしくは20,000×106個;または少なくとも50×106個、100×106個、200×106個、300×106個、400×106個、600×106個、800×106個、1000×106個、1200×106個、1400×106個、1600×106個、1800×106個、2000×106個、2500×106個、3000×106個、4000×106個、5000×106個、10,000×106個、12,000×106個、15,000×106個もしくは20,000×106個、または前記生存可能細胞閾値のいずれかである。
【0630】
特定の態様において、培養は、細胞が閾細胞数を達成したとき終了する。いくつかの態様において、培養は、閾細胞数が達成されたのち、6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日、またはそれ以上の日数;約6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日、またはそれ以上の日数;あるいは6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日、またはそれ以上の日数以内に終了する。特定の態様において、培養は、閾細胞数が達成されたのち1日または約1日で終了する。特定の態様において、閾密度は、0.1×106個/mL、0.5×106個/mL、1×106個/mL、1.2×106個/mL、1.5×106個/mL、1.6×106個/mL、1.8×106個/mL、2.0×106個/mL、2.5×106個/mL、3.0×106個/mL、3.5×106個/mL、4.0×106個/mL、4.5×106個/mL、5.0×106個/mL、6×106個/mL、8×106個/mLもしくは10×106個/mL;約0.1×106個/mL、0.5×106個/mL、1×106個/mL、1.2×106個/mL、1.5×106個/mL、1.6×106個/mL、1.8×106個/mL、2.0×106個/mL、2.5×106個/mL、3.0×106個/mL、3.5×106個/mL、4.0×106個/mL、4.5×106個/mL、5.0×106個/mL、6×106個/mL、8×106個/mLもしくは10×106個/mL;または少なくとも0.1×106個/mL、0.5×106個/mL、1×106個/mL、1.2×106個/mL、1.5×106個/mL、1.6×106個/mL、1.8×106個/mL、2.0×106個/mL、2.5×106個/mL、3.0×106個/mL、3.5×106個/mL、4.0×106個/mL、4.5×106個/mL、5.0×106個/mL、6×106個/mL、8×106個/mLもしくは10×106個/mLまたは前記生存可能細胞閾値のいずれかである。特定の態様において、培養は、細胞が閾密度を達成したとき終了する。いくつかの態様において、培養は、閾密度数が達成されたのち、6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日またはそれ以上の日数;約6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日またはそれ以上の日数;あるいは6時間、12時間、24時間、36時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日もしくは7日またはそれ以上の日数以内に終了する。特定の態様において、培養は、閾密度が達成されたのち1日または約1日で終了する。
【0631】
いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部分は静的条件下で実施される。いくつかの態様において、インキュベーションの少なくとも一部分は、例えば培養中に使用済み培地を出し、新鮮な培地を入れるための灌流とともに実施される。いくつかの態様において、方法は、例えばフィードポートを介して新鮮な培地を細胞培養物に灌流する工程を含む。いくつかの態様において、灌流中に加えられる培地は、1つまたは複数の刺激物質、例えば1つまたは複数の組換えサイトカイン、例えばIL-2、IL-7および/またはIL-15を含有する。いくつかの態様において、灌流中に加えられる培地は、静的インキュベーション中に使用される培地と同じである。
【0632】
いくつかの態様において、インキュベーションののち、容器、例えばバッグは、細胞療法を製造、生成または生産するための1つまたは複数の他の処理工程を実施するためのシステムに再び接続される、例えば、遠心チャンバーを含むシステムに再び接続される。いくつかの局面において、培養された細胞は、培養された細胞の製剤化のために、バッグからチャンバーの内部キャビティに移される。
【0633】
いくつかの態様において、T細胞は、培養開始組成物にフィーダー細胞、例えば非分裂性末梢血単核細胞(PBMC)を加え(例えば、得られる細胞集団が、拡大される初期集団中の各Tリンパ球あたり少なくとも約5、10、20もしくは40またはより多くのPBMCフィーダー細胞を含有するように);培養物をインキュベートする(例えば、T細胞の数を拡大させるのに十分な時間)ことによって拡大させる。いくつかの局面において、非分裂性フィーダー細胞は、ガンマ照射されたPBMCフィーダー細胞を含むことができる。いくつかの態様において、PBMCは、細胞分裂を防ぐために、約3000~3600radの範囲のガンマ線を照射される。いくつかの局面において、フィーダー細胞は、T細胞集団の添加の前に培地に加えられる。
【0634】
E. 組成物および製剤
本明細書に提供される方法は、特定の表現型および機能的特性を有する操作された細胞(例えばT細胞)のアウトプット組成物を製造することができる。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、例えば、治療または薬学的組成物または製剤になるように製剤化されることができる。したがって、同じく提供されるものは、細胞および/または細胞の用量のいずれかを含む組成物(例えばアウトプット組成物)、例えば、所与の用量またはその分画で投与するための数の細胞を含む、薬学的組成物および製剤を含む単位用量形態組成物である。薬学的組成物および製剤は一般に、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。いくつかの態様において、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含む細胞の用量は、組成物または製剤、例えば薬学的組成物または製剤として提供される。そのような組成物は、提供される方法および/または提供される製造品もしくは組成物にしたがって、例えば疾患、状態および障害の予防もしくは治療または検出、診断および予後判定法に使用することができる。いくつかの態様において、同じく提供されるものは、本明細書に記載される単位用量のいずれかおよび/または本明細書に記載される細胞の単位用量のいずれかを含む組成物である。いくつかの態様において、組成物はアウトプット組成物である。
【0635】
いくつかの態様において、組換え抗原受容体、例えばCARまたはTCRで操作された細胞を含む細胞の用量は、組成物または製剤、例えば薬学的組成物または製剤として提供される。そのような組成物は、疾患、状態および障害の予防もしくは治療のための方法を含む養子細胞療法にしたがって、または検出、診断および予後判定法において、使用することができる。いくつかの態様において、そのような組成物または製剤は、提供される生物医学的材料容器の中に、および/または提供される製造品の構成要素として、貯蔵、収容または移送されることができる。
【0636】
場合によっては、細胞は、細胞療法を製造、生成または生産するための1つまたは複数の工程(例えば、遠心チャンバーおよび/または閉鎖系中で実施される)で処理され、および/または、操作された細胞は、細胞の製剤、例えば、培養、例えば培養(cultivation)および拡大の前または後で提供される形質導入処理工程および/または前記1つまたは複数の他の処理工程から生じる遺伝子操作された細胞の製剤を含み得る。場合によっては、細胞は、投与、例えば単回投与または複数回投与のための量に製剤化されることができる。いくつかの態様において、細胞の製剤化と関連する提供される方法は、形質導入された細胞、例えば上記処理工程を使用して形質導入および/または拡大された細胞を閉鎖系中で処理する工程を含む。いくつかの態様において、製剤化された細胞は、生物医学的材料容器、例えば本明細書に提供されるバイアルに移送または導入することができる。
【0637】
特定の態様において、細胞、例えば操作され、培養されたT細胞の1つまたは複数の組成物(例えばアウトプット組成物)は製剤化される。特定の態様において、細胞、例えば操作され、培養されたT細胞の1つまたは複数の組成物は、1つまたは複数の組成物が操作および/または培養されたのち、製剤化される。
【0638】
いくつかの態様において、処理工程の1つまたは複数によって生成されたT細胞、例えばCD4+および/またはCD8+T細胞は製剤化される。いくつかの局面において、対象からの細胞の異なる集団および/またはサブタイプをそれぞれが含有する複数の組成物が、例えば、任意で一定の期間内の別々の、または独立した投与のために、別々に製造、生産または生成される。例えば、細胞の異なる集団および/またはサブタイプを含有する操作された細胞の別々の製剤は、それぞれCD8+およびCD4+T細胞および/またはそれぞれCD8+-およびCD4+-富化集団、例えば組換え受容体を発現するように遺伝子操作された細胞をそれぞれが個々に含むCD4+および/またはCD8+T細胞を含むことができる。いくつかの態様において、少なくとも1つの組成物が、組換え受容体を発現するように遺伝子操作されたCD4+T細胞とともに製剤化される。いくつかの態様において、少なくとも1つの組成物が、組換え受容体を発現するように遺伝子操作されたCD8+T細胞とともに製剤化される。いくつかの態様において、用量の投与は、CD8+T細胞の用量またはCD4+T細胞の用量を含む第一の組成物の投与ならびにCD4+T細胞の用量およびCD8+T細胞の用量の他方を含む第二の組成物の投与を含む。いくつかの態様において、CD8+T細胞の用量またはCD4+T細胞の用量を含む第一の組成物は、CD4+T細胞の用量およびCD8+T細胞の用量の他方を含む第二の組成物よりも前に投与される。いくつかの態様において、用量の投与は、CD8+T細胞の用量とCD4+T細胞の用量の両方を含む組成物の投与を含む。
【0639】
いくつかの態様において、細胞(例えば操作された細胞)は、少なくとも、投与された治療組成物中の細胞(またはそのサブセット)の特定のパーセンテージ(例えば少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%;もしくは少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%;または80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%;もしくは約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%)または数がそのようなマーカーに関して陽性であることを保証するために、例えば、製造プロセスの終了時またはその近くで、製剤化の前に、所望の表現型の1つまたは複数のマーカーの表面発現、例えばCCR7またはCD27発現に基づいて富化または分類される。
【0640】
特定の態様において、細胞、例えば操作され、培養されたT細胞の1つまたは複数の組成物(例えばアウトプット組成物)は、細胞の2つの別々の組成物、例えば別々の操作および/または培養された組成物である、またはそれらを含む。特定の態様において、細胞の2つの別々の組成物、例えば、同じ生物学的試料から選択、単離および/または富化され、別々に操作され、別々に培養されたCD4+T細胞およびCD8+T細胞の2つの別々の組成物が別々に製剤化される。特定の態様において、2つの別々の組成物は、CD4+T細胞の組成物、例えば操作および/または培養されたCD4+T細胞の組成物を含む。特定の態様において、2つの別々の組成物は、CD8+T細胞の組成物、例えば操作および/または培養されたCD8+T細胞の組成物を含む。いくつかの態様において、CD4+T細胞およびCD8+T細胞の2つの別々の組成物、例えば操作され、培養されたCD4+T細胞および操作され、培養されたCD8+T細胞の別々の組成物が別々に製剤化される。いくつかの態様において、細胞の1つの組成物が製剤化される。特定の態様において、1つの組成物は、CD4+T細胞の組成物、例えば操作および/または培養されたCD4+T細胞の組成物である。いくつかの態様において、1つの組成物は、製剤化の前に別々の組成物から合わされたCD4+およびCD8+T細胞の組成物である。
【0641】
いくつかの態様において、CD4+およびCD8+T細胞の別々の組成物、例えば操作され、培養されたCD4+TおよびCD8+T細胞の別々の組成物(例えばアウトプット組成物)は1つの組成物へと合わされ、製剤化される。特定の態様において、CD4+TおよびCD8+T細胞の別々の製剤化された組成物は、製剤化が実施された、および/または完了したのち、1つの組成物へと合わされる。特定の態様において、CD4+およびCD8+T細胞の別々の組成物、例えば操作され、培養されたCD4+TおよびCD8+T細胞の別々の組成物は別々の組成物として別々に製剤化される。
【0642】
いくつかの態様において、細胞は、容器、例えばバイアル、例えば本明細書に提供される生物医学的材料容器中の任意のバイアル中に製剤化されることができる。いくつかの態様において、細胞は、培養中に閾細胞数、密度および/または拡大が達成されてから0日~10日、0日~5日、2日~7日、0.5日~4日または1日~3日後に製剤化される。特定の態様において、細胞は、培養中に閾細胞数、密度および/または拡大が達成されてから12時間、18時間、24時間、1日、2日または3日後;または約12時間、18時間、24時間、1日、2日または3日後;または12時間、18時間、24時間、1日、2日または3日以内に製剤化される。いくつかの態様において、細胞は、培養中に閾細胞数、密度および/または拡大が達成されてから1日以内または約1日以内に製剤化される。
【0643】
いくつかの態様では、前記細胞は薬学的に許容される緩衝液中に製剤化され、その緩衝液は、いくつかの局面では、薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る。いくつかの態様では、処理工程は、対象に投与するために薬学的に許容されるまたは望ましい培地または製剤用緩衝液への培地の交換を含む。いくつかの態様では、処理工程は、1つ以上の任意の薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得る薬学的に許容される緩衝液中に細胞を置き替えるために、形質導入および/または増殖させた細胞を洗浄する工程を含むことができる。薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、そのような薬学的形態の例は、細胞および組成物を対象に投与するために許容可能な形態に関して以下に記載する任意のものであり得る。いくつかの態様における薬学的組成物は、疾患または症状を治療または予防するのに有効な量、例えば治療上有効または予防上有効な量の細胞を含む。
【0644】
語「薬学的製剤」とは、その中に含まれる有効成分の生物学的活性が効果を示すことを許すような形態にあり、その製剤が投与される対象にとって許容し得ないほど毒性であるさらなる成分を含有しない調製物を指す。
【0645】
「薬学的に許容される担体」は、対象に無毒である、活性成分以外の、薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0646】
いくつかの局面では、担体の選択は、一部には、特定の細胞および/または投与方法によって決まる。したがって、様々な適切な製剤が存在する。例えば、薬学的組成物は防腐剤を含むことができる。適切な防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、および塩化ベンザルコニウムが挙げられる。いくつかの局面では、2種以上の防腐剤の混合物が使用される。防腐剤またはその混合物は、一般的に、全組成物の約0.0001重量%~約2重量%の量で存在する。担体は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences 第16版, Osol, A.編 (1980)に記載されている。薬学的に許容される担体は、一般に、使用される用量および濃度でレシピエントに無毒である;それらには、限定するものではないが、以下が含まれる:緩衝液、例えば、リン酸、クエン酸、その他の有機酸;酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸およびメチオニン;防腐剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシン;単糖類、二糖類、および他の炭水化物、例えば、グルコース、マンノース、またはデキストリン;キレート剤、例えばEDTA;糖類、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成性の対イオン、例えばナトリウム;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/または非イオン性界面活性剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)。
【0647】
いくつかの局面では、緩衝剤が組成物中に含まれる。適切な緩衝剤には、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、その他の様々な酸および塩が含まれる。いくつかの局面では、2種以上の緩衝剤の混合物が使用される。緩衝剤またはそれらの混合物は、一般的に、全組成物の約0.001重量%~約4重量%の量で存在する。投与可能な薬学的組成物を調製する方法は公知である。例示的な方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins; 21st ed. (May 1, 2005)により詳しく説明されている。
【0648】
製剤には水溶液が含まれる。該製剤または組成物はまた、細胞により治療される特定の適応症、疾患または症状に有用な複数の活性成分(好ましくは、該細胞に対して相補的な活性を有するもの)を、それぞれの活性が互いに悪影響を及ぼさない場合に、含んでもよい。そのような活性成分は、意図した目的に有効な量で組み合わせて適切に存在する。したがって、いくつかの態様では、薬学的組成物は、他の薬学的に活性な薬剤または薬物、例えば、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、および/またはビンクリスチンなどの化学療法剤をさらに含む。いくつかの態様において、作用物質または細胞は、塩の形態、例えば薬学的に許容される塩の形態で投与される。好適な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸ならびに有機酸、例えば酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸およびアリールスルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸に由来するものを含む。
【0649】
いくつかの態様における組成物は、無菌の液体調製物、例えば、等張水溶液、懸濁液、乳濁液、分散液、または粘性組成物として提供され、これらは、いくつかの局面では、所定のpHに緩衝化され得る。液体組成物は、溶媒または分散媒であり得る担体を含むことができ、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適切な混合物を含有する。無菌の注射可能な溶液は、例えば、滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどの適切な担体、希釈剤、または賦形剤との混合物である溶媒の中に細胞を組み入れることによって調製され得る。該組成物は、所望の投与経路および製剤に応じて、湿潤剤、分散剤、または乳化剤(例えばメチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化または増粘添加剤、防腐剤、香味剤、および/または着色剤などの補助物質を含むことができる。適切な製剤を調製するために、いくつかの局面では標準テキストを参考にしてもよい。
【0650】
組成物の安定性および無菌性を高める種々の添加剤、例えば、抗菌防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、および緩衝剤を加えることができる。微生物の働きは、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、およびソルビン酸によって、確実に防止され得る。注射可能な薬学的形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる物質、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によって実現することができる。
【0651】
いくつかの態様では、製剤用緩衝液は凍結保存剤を含有する。いくつかの態様では、細胞は凍結保存液を用いて製剤化され、該凍結保存液は1.0%~30%DMSO溶液、例えば、5%~20%DMSO溶液または5%~10%DMSO溶液を含有する。いくつかの態様では、凍結保存液は、例えば、20%のDMSOと8%のヒト血清アルブミン(HSA)を含有するPBS、または他の適切な細胞凍結培地であるか、またはそれを含有する。いくつかの態様では、凍結保存液は、例えば、少なくとも7.5%または少なくとも約7.5%のDMSOであるか、またはそれを含有する。いくつかの態様では、処理工程は、凍結保存液中に細胞を置き替えるために、形質導入および/または増殖させた細胞を洗浄する工程を含み得る。いくつかの態様において、細胞は、12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%、もしくは5.0%、または約12.5%、12.0%、11.5%、11.0%、10.5%、10.0%、9.5%、9.0%、8.5%、8.0%、7.5%、7.0%、6.5%、6.0%、5.5%もしくは5.0%のDMSO、あるいは1%~15%、6%~12%、5%~10%もしくは6%~8% DMSOの最終濃度の媒体および/または溶液中で凍結、例えば凍結保存または凍結保護される。特定の態様において、細胞は、5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%、または約5.0%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、1.5%、1.25%、1.0%、0.75%、0.5%、もしくは0.25%のHSA、あるいは0.1%~5%、0.25%~4%、0.5%~2%もしくは1%~2% HSAの最終濃度の媒体および/または溶液中で凍結、例えば凍結保存または凍結保護される。
【0652】
特定の態様において、富化されたT細胞、例えば刺激、操作および/または培養されたT細胞の組成物は、製剤化され、凍結保存されたのち、例えば提供される生物医学的材料容器中で一定の期間、貯蔵される。特定の態様において、製剤化され、凍結保存された細胞は、注入のために放出されるまで、貯蔵される。特定の態様において、製剤化され、凍結保存された細胞は、1日~6ヶ月、1ヶ月~3ヶ月、1日~14日、1日~7日、3日~6日、6ヶ月~12ヶ月または12ヶ月よりも長い期間、貯蔵される。いくつかの態様において、細胞は、凍結保存され、1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日;約1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日;または1日、2日、3日、4日、5日、6日、もしくは7日未満の間、貯蔵される。特定の態様において、細胞は、貯蔵ののち解凍され、対象に投与される。特定の態様において、細胞は5日間または約5日間、貯蔵される。
【0653】
いくつかの態様では、製剤化は、培養または増殖させた細胞などの、細胞の洗浄、希釈または濃縮を含む1つまたは複数の処理工程を用いて実施される。いくつかの態様では、処理工程は、所望の濃度または数への細胞の希釈または濃縮を含むことができ、例えば、単位用量形態の組成物は、所定の用量またはその分割量で投与するための細胞の数を含む。いくつかの態様では、処理工程は量減少を含み、それによって、必要に応じて細胞の濃度を上げることができる。いくつかの態様では、処理工程は量追加を含み、それによって、必要に応じて細胞の濃度を下げることができる。いくつかの態様では、処理は、形質導入および/または増殖させた細胞にある量の製剤用緩衝液を加えることを含む。いくつかの態様では、製剤用緩衝液の量は、10mL~1000mLまたは約10mL~約1000mL、例えば、少なくとも50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mL、または少なくとも約50mL、100mL、200mL、300mL、400mL、500mL、600mL、700mL、800mL、900mLもしくは1000mL、または約50mL、約100mL、約200mL、約300mL、約400mL、約500mL、約600mL、約700mL、約800mL、約900mLもしくは約1000mLである。
【0654】
いくつかの態様では、細胞は、容器(例えば、バッグまたは遠心チャンバー)内で培養される(例えば、刺激され、遺伝子操作され、かつ/または増殖される)。いくつかの局面では、該容器は第1の容器であり、培養された細胞は、第1の容器(例えば、バッグまたは遠心チャンバー)から、第1の容器に動作可能に接続された、医用材料の容器などの、第2の容器に送られるか、または移される。いくつかの態様では、医用材料の容器は、一体化および/または動作可能な接続ができるように構成され、かつ/または前の1つ以上の処理工程のために使用された第1の容器(例えば、バッグまたは遠心チャンバー)に一体化されるか、または動作可能に接続される。いくつかの態様では、医用材料容器は、出力ラインまたは出力位置で、第1の容器(例えば、バッグまたは遠心チャンバー)に接続される。場合によっては、第1の容器(例えば、バッグまたは遠心チャンバー)は、注入チューブで医用材料容器のバイアルに接続される。
【0655】
いくつかの態様では、細胞組成物を製剤化するためのそのような処理工程は、閉鎖システムで実施される。代表的なそのような処理工程は、細胞処理システムに関連する1つ以上のシステムまたはキットと共に、遠心チャンバーを使用して行うことができ、例えば、遠心チャンバーはBiosafe SAから製造・販売されるものであり、Sepax(登録商標)またはSepax 2(登録商標)細胞処理システムと共に使用されるものを含む。例示的なシステムおよびプロセスは、国際公開番号WO2016/073602に記載されている。いくつかの態様では、その方法は、製剤化された組成物(記載された上記態様のいずれかにおいて、薬学的に許容される緩衝液などの製剤用緩衝液中に製剤化された結果として得られる、細胞の組成物である)を遠心チャンバーの内部キャビティから移送または移動させることを含む。いくつかの態様では、製剤化された組成物の移送または移動は、閉鎖システムの一部として遠心チャンバーと動作可能に接続された、本明細書に記載の医用材料容器のバイアルなどの容器への移送または移動である。いくつかの態様では、医用材料容器は、一体化および/または動作可能な接続ができるように構成され、かつ/または1つ以上の処理工程を実行する閉鎖システムまたはデバイスに一体化されるか、または動作可能に接続される。いくつかの態様では、医用材料容器は、出力ラインまたは出力位置で、システムに接続される。場合によっては、閉鎖システムは、注入チューブで医用材料容器のバイアルに接続される。本明細書に記載の医用材料容器と共に使用するための代表的な閉鎖システムとしては、Sepax(登録商標)およびSepax(登録商標)2システムが挙げられる。
【0656】
いくつかの態様では、該組成物は、遠心チャンバーまたは細胞処理システムなどの第1の容器から、マルチポート出力キットを介して、用意された医用材料容器に移される;該マルチポート出力キットは、製剤化された組成物の移送のために1つまたは複数の容器(例えば、医用材料容器)を接続できるポートとチューブラインの各端でつながったマルチウェイチューブマニホールドを含む。いくつかの局面では、所望の数または複数のそのようなバイアルは、マルチポート出力キットのポートの1つ以上、一般には2つ以上、例えば、少なくとも3、4、5、6、7、8またはそれ以上に無菌的に接続され得る。例えば、いくつかの態様では、1つまたは複数の容器、例えば医用材料容器を、該ポートに、または該ポートの全部より少ないポートに、取り付けることができる。こうして、いくつかの態様では、該システムは、医用材料容器の複数のバイアルへのアウトプット組成物の移送を行うことができる。
【0657】
いくつかの局面では、細胞は、単回投与量または複数回投与量などの投与量で、複数の出力容器(例えば、医用材料容器のバイアル)の1つ以上に送られるか、または移される。例えば、いくつかの態様では、医用材料容器のバイアルは、それぞれ、所定の用量またはその分割量で投与するための細胞の数を含むことができる。したがって、いくつかの局面では、各バイアルは単回投与量を含んでもよいし、複数のバイアルのうちの2つ以上、例えばバイアルの2つ、またはバイアルの3つが、一緒になって1回分の投与量を構成するように、所望の用量の分割量を含んでもよい。
【0658】
したがって、本明細書に記載される生物医学的材料容器中のバイアルは一般に、投与される細胞、例えばその1つまたは複数の単位用量を収容する。単位用量は、対象に投与される細胞の量または数であってもよいし、投与される細胞の数の2倍(またはより多く)であってもよい。それは、対象に投与されるであろう細胞の最低用量または可能な限り最低の用量であってもよい。
【0659】
いくつかの態様において、各バイアルは個々に細胞の単位用量を含む。したがって、いくつかの態様において、各容器は同じまたは概ねもしくは実質的に同じ数の細胞を含む。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも1×106個、2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、1×108個、2.5×108個、または5×108個、または少なくとも約1×106個、2×106個、5×106個、1×107個、5×107個、1×108個、2.5×108個、または5×108個の操作された細胞、全細胞、T細胞またはPBMCを含有する。いくつかの態様において、各単位用量は、少なくとも、2.5×107個もしくは約2.5×107個、5.0×107個もしくは約5.0×107個、1.5×108個もしくは約1.5×108個、3.0×108個もしくは約3.0×108個、4.5×108個もしくは約4.5×108個、8.0×108個もしくは約8.0×108個、または1.2×109個もしくは約1.2×109個の操作された細胞、全細胞、T細胞またはPBMCを含有する。いくつかの態様において、各単位用量は、2.5×107個もしくは約2.5×107個、5.0×107個もしくは約5.0×107個、1.5×108個もしくは約1.5×108個、3.0×108個もしくは約3.0×108個、4.5×108個もしくは約4.5×108個、8.0×108個もしくは約8.0×108個、または1.2×109個もしくは約1.2×109個以下の操作された細胞、全細胞、T細胞またはPBMCを含有する。いくつかの局面において、バイアルに収容することができる細胞の例示的な用量は、本明細書、例えばセクションIVに記載される任意の用量を含む。いくつかの局面において、対象に投与することができる細胞の例示的な用量は、本明細書、例えばセクションIVに記載される任意の用量を含む。
【0660】
いくつかの態様において、各容器中の製剤化細胞組成物の量は、10mL~100mL、例えば少なくとも、もしくは少なくとも約、または約20mL、30mL、40mL、50mL、60mL、70mL、80mL、90mLまたは100mLである。いくつかの態様において、バイアル中の細胞は凍結保存することができる。いくつかの態様において、バイアルは、さらなる使用まで、液体窒素中に貯蔵することができる。
【0661】
いくつかの態様において、方法によって製造されるそのような細胞またはそのような細胞を含む組成物は、疾患または状態を治療するために対象に投与される。いくつかの態様における薬学的組成物は、疾患または状態を治療または予防するのに有効な量、例えば治療的に有効または予防的に有効な量の作用物質または細胞を含有する。いくつかの態様において、治療または予防効能は、治療を受ける対象の定期的な評価によってモニターされる。数日またはより長い期間にわたる反復投与の場合、状態に依存して、治療は、症候の所望の抑制が起こるまで繰り返される。しかし、他の投与計画が有用であり得、決定されることができる。所望の投与量は、組成物の単回ボーラス投与、組成物の複数回ボーラス投与または組成物の連続注入投与によって送達することができる。
【0662】
作用物質または細胞は、任意の好適な手段によって、例えば、ボーラス注入によって、注射、例えば、静脈内もしくは皮下注射、眼内注射、眼周囲注射、網膜下注射、硝子体内注射、経中隔注射、強膜下注射、脈絡膜内注射、前房内注射、結膜下(subconjectval)注射、結膜下(subconjuntival)注射、テノン嚢下注射、眼球後注射、眼球周囲注射または後強膜近傍送達によって投与することができる。いくつかの態様において、これらは、非経口、肺内および鼻腔内投与によって、また、局所治療のために望まれるならば、病巣内投与によって投与される。非経口注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内または皮下投与を含む。いくつかの態様において、所与の用量が細胞または作用物質の単回ボーラス投与によって投与される。いくつかの態様において、それは、例えば3日以内の期間にわたる細胞もしくは作用物質の複数回ボーラス投与によって、または細胞もしくは作用物質の連続注入投与によって投与される。
【0663】
疾患の予防または治療の場合、適切な投与量は、治療される疾患のタイプ、作用物質のタイプ、細胞または組換え受容体のタイプ、疾患の重度および経過、作用物質または細胞が予防目的に投与されるのか治療目的に投与されるのか、以前の療法、対象の病歴ならびに作用物質または細胞に対する応答、ならびに主治医の裁量に依存し得る。組成物は、いくつかの態様において、1回または一連の治療で患者に適切に投与される。
【0664】
細胞または作用物質は、標準的な投与技術、製剤および/またはデバイスを使用して投与され得る。提供されるものは、製剤ならびに組成物の貯蔵および投与のためのデバイス、例えばシリンジおよびバイアルである。細胞に関して、投与は自家または異種であることができる。例えば、免疫応答性細胞または前駆細胞を、ある対象から得、同じ対象または異なる適合性の対象に投与することができる。末梢血由来免疫応答性細胞またはそれらの子孫(例えば、インビボ、エクスビボまたはインビトロ由来)を、カテーテル投与を含む局所注射、全身注射、局所注射、静脈内注射または非経口投与によって投与することができる。治療組成物(例えば、遺伝子改変された免疫応答性細胞を含有する薬学的組成物または神経毒性の症候を治療もしくは改善する作用物質)を投与するとき、それは一般に、単位用量注射可能剤形(溶液、懸濁液、エマルション)に製剤化される。
【0665】
製剤は、経口、静脈内、腹腔内、皮下、経肺、経皮、筋肉内、鼻腔内、口腔内、舌下または坐剤投与のための製剤を含む。いくつかの態様において、作用物質または細胞集団は非経口投与される。本明細書において使用される語「非経口」は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、腟内および腹腔内投与を含む。いくつかの態様において、作用物質または細胞集団は、静脈内、腹腔内または皮下注射による末梢全身送達を使用して対象に投与される。
【0666】
組成物は、いくつかの態様において、無菌液体調製物、例えば等張性水溶液、懸濁液、エマルション、分散液または粘性組成物として提供され、これらは、いくつかの局面において、選択されたpHに緩衝されてもよい。液体調製物は通常、ゲル、他の粘性組成物および固体組成物よりも調製しやすい。加えて、液体組成物は、特に注射によって投与する場合にいくらかより便利である。他方、粘性組成物は、特定の組織とのより長い接触期間を提供するために適切な粘度範囲内で製剤化することができる。液体または粘性組成物は、例えば水、食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)およびそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒であることができる担体を含むことができる。
【0667】
無菌注射溶液は、作用物質または細胞を、例えば好適な担体、希釈剤または賦形剤、例えば滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどと混合した溶媒に組み込むことによって調製することができる。
【0668】
インビボ投与に使用される製剤は一般に無菌である。無菌性は、例えば滅菌濾過膜に通す濾過によって容易に達成され得る。
【0669】
1. アウトプット組成物の特徴
提供される態様の中には、遺伝子操作された細胞を含有する細胞組成物、例えばアウトプット組成物を製造する方法がある。いくつかの局面において、アウトプット組成物は、インプット組成物、例えば本明細書に記載されるいずれかの遺伝子操作によって生成することができる。特定の態様において、本明細書に提供される方法は、インプット組成物からの細胞を遺伝子操作して、投与するための組成物中の細胞の特定の性質、特徴および/または特性、例えば細胞表現型、例えば、表面マーカーの存在および/または発現、および/または表面マーカーの発現の非存在もしくは発現の欠如を有する操作された細胞を含有するアウトプット細胞組成物を生成するための1つまたは複数の工程を含む。いくつかの局面において、アウトプット組成物中の細胞は、特定の細胞表現型と関連する1つまたは複数のマーカー、例えば、低分化度の細胞表現型と関連する、またはそれを示すマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すマーカーを発現する、例えば細胞の表面に発現する、または発現しない細胞を含む。いくつかの局面において、アウトプット組成物中の細胞は、例えば、本明細書に記載される刺激に応答して1つまたは複数のサイトカイン、例えば、低分化度の細胞表現型と関連する、またはそれを示すサイトカインおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すサイトカインを産生する細胞を含む。いくつかの態様において、本明細書に提供される方法は、疾患の治療に有用なアウトプット組成物を生成する。いくつかの態様において、アウトプット組成物もしくは製剤、治療組成物またはそれから製剤化された薬学的組成物は、無増悪生存期間および/または持続的奏効と相関する。いくつかの態様において、アウトプット組成物もしくは製剤、治療組成物またはそれから製剤化された薬学的組成物は、本明細書に記載されるような、高い、および/または低い疾病負荷を有する患者における無増悪生存期間および/または持続的奏効と相関する。
【0670】
特定の態様において、本明細書に提供される方法は、出発および/またはインプット組成物からの細胞を遺伝子操作して、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞と、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD4+T細胞との所定の比および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD8+T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD4+T細胞と、組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比を有する結果的な組成物および/またはアウトプット細胞組成物を生成するための1つまたは複数の工程を含む。
【0671】
特定の態様において、本明細書に提供される方法は、出発および/またはインプット組成物からの細胞を遺伝子操作して、IL-2、TNF-アルファまたはIFN-ガンマを産生する細胞、例えばCD4+細胞のパーセンテージを有する結果的な組成物および/またはアウトプット細胞組成物を生成するための1つまたは複数の工程を含む。
【0672】
特定の態様において、インプット組成物の内容物、組成および/または構成は、アウトプット細胞組成物の内容物、組成および/または構成と相関する、それらを制御する、それらと対応する、および/またはそれらと関連する。特定の態様において、インプット組成物中の、特定の表現型と関連する1つまたは複数のマーカー、例えば、低分化度の細胞表現型と関連する、またはそれを示すマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すマーカーを発現する細胞の量、部分、パーセンテージ、数、体積あたりの数、重量あたりの数および/または比は、アウトプット細胞組成物の内容物、組成および/または構成と相関する、それらを制御する、それらと対応する、および/またはそれらと関連する。特定の態様において、インプット組成物中の、特定の細胞表現型と関連する1つまたは複数のマーカー、例えば、低分化度の細胞表現型と関連する、またはそれを示すマーカーおよび/またはメモリー細胞サブタイプと関連する、またはそれを示すマーカーを発現するCD4+T細胞および/またはCD8+T細胞の量、部分、数、体積あたりの数、重量あたりの数および/または比は、アウトプット細胞組成物の内容物、組成および/または構成と相関する、それらを制御する、それらと対応する、および/またはそれらと関連する。いくつかの局面において、インプット組成物中の細胞のCCR7、CD27および/またはCD45RAの1つまたは複数の発現または発現の非存在は、例えば、組換え受容体を発現させるための遺伝子操作ののち、アウトプット組成物中の細胞のCCR7、CD27および/またはCD45RAの1つまたは複数の発現または発現の非存在と相関する。したがって、いくつかの局面において、CCR7、CD27および/またはCD45RAの1つまたは複数を発現する、または発現しない、インプット組成物中の細胞の数、頻度および/またはパーセンテージは、CCR7、CD27および/またはCD45RAの1つまたは複数を発現する、または発現しない、アウトプット組成物中の、組換え受容体を発現する操作された細胞の数、頻度および/またはパーセンテージと関連する、それらに相関する、および/またはそれらを示す。いくつかの局面において、インプット組成物の細胞中のアポトーシスマーカー(例えば活性化カスパーゼ3またはアネキシンV)の発現の非存在は、アウトプット組成物(例えば、本明細書に記載されるように1つまたは複数の単位用量で投与される製剤、治療組成物、薬学的組成物)の投与後の無増悪生存期間および/または持続的奏効と相関する。したがって、いくつかの局面において、アポトーシスマーカー(例えば活性化カスパーゼ3、アネキシンV)を発現しない、インプット組成物中の細胞の数、頻度および/またはパーセンテージは、疾患治療に有用なアウトプット組成物と関連し、相関する。
【0673】
いくつかの局面において、アウトプット組成物は、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞と、CCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD4+T細胞との所定の比および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD8+T細胞および/またはCCR7、CD27および/またはCD45RAを発現する、または発現しない受容体+/CD4+T細胞と、組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比を有する。
【0674】
いくつかの態様において、アウトプット組成物は、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞と、受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞との所定の比;または受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞と、組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比を有する。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、アポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ3、アネキシンV)を発現しない細胞を含む。
【0675】
いくつかの態様において、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞と、受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞との所定の比は、約1:1または約1:3~3:1または約1:2~2:1の、受容体+/CD8+/CCR7+:受容体+/CD4+/CCR7+;受容体+/CD8+/CD27+:受容体+/CD4+/CD27+;受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+:受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+;受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-:受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+:受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞を含む。いくつかの態様において、細胞の所定の比は、アポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ3、アネキシンV)を発現する細胞を含まない。
【0676】
いくつかの態様において、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+細胞と、組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比は、インプット組成物中の全細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%またはアウトプット組成物中の全受容体発現細胞(受容体+細胞)(受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+である)の約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%を含む。いくつかの態様において、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+および/または受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CC27+および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+と、組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比は、インプット組成物中の全細胞の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%またはアウトプット組成物中の全受容体発現細胞(受容体+細胞)(受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+および/または受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である)の約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%もしくは約40%~60%を含む。
【0677】
いくつかの態様において、アウトプット組成物は、組成物中の操作された細胞(例えばT細胞)の総数またはアポトーシスのマーカー(例えばカスパーゼ-3、アネキシンV)に関して陰性の、組換え受容体を発現する、組成物中の操作された細胞(例えばT細胞)の総数の少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%;もしくは少なくとも約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%;または75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%;もしくは約75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%を含む。いくつかの態様において、アポトーシスのマーカーは活性化カスパーゼ3である。いくつかの態様において、アポトーシスのマーカーはアネキシンVである。
【0678】
いくつかの態様において、アウトプット組成物は、IL-2、IFN-ガンマおよび/またはTNF-アルファである1つまたは複数のサイトカインを産生することができる細胞、例えばT細胞、例えば操作されたT細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、IL-2を産生することができるCD4+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、TNF-アルファを産生することができるCD4+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、IL-2、IFN-ガンマおよびTNF-アルファを産生することができるCD4+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、IL-2およびTNF-アルファを産生することができるCD4+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、IL-2およびIFN-ガンマを産生することができるCD4+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、TNF-アルファを産生することができるCD8+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、TNF-アルファおよびIFN-ガンマを産生することができるCD8+/CAR+細胞を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファから選択されるサイトカインを産生することができるCD4+T細胞、例えば、組換え受容体(例えばCAR)を発現する操作されたCD4 T細胞の総数の少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%;もしくは少なくとも約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%;または約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%;もしくは約70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%を含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物は、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファから選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であるCD4+T細胞、例えば、組換え受容体(例えばCAR)を発現する操作されたCD4 T細胞の総数の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、40%、もしくはより多く;もしくは少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、もしくはより多く;または10%、15%、20%、25%、30%、40%、もしくはより多く;もしくは約10%、15%、20%、25%、30%、40%、もしくはより多くを含む。
【0679】
特定の態様において、本明細書に提供される方法は、遺伝子操作された細胞を含有する細胞の組成物、例えばアウトプット細胞組成物を製造または生成する。特定の態様において、アウトプット細胞組成物とは、細胞を遺伝子操作する工程のいくつかまたはすべてから得られる細胞組成物である。特定の態様において、アウトプット細胞組成物は、インプット細胞組成物の細胞を遺伝子操作するプロセスから得られる。特定の態様において、プロセスは、細胞、例えばインプット細胞組成物から得られた細胞を活性化、形質導入もしくはトランスフェクト、拡大および/または収穫する1つまたは複数の工程を含む。特定の態様において、アウトプット細胞組成物は、遺伝子操作された細胞を含有する。特定の態様において、アウトプット細胞組成物の細胞は、遺伝子操作プロセスの工程をすべて受けたものである。
【0680】
いくつかの態様において、アウトプット細胞組成物は、遺伝子操作を介して導入された1つまたは複数の核酸を含み、それにより、そのような核酸の組換えまたは遺伝子操作された産物を発現する細胞を含有する。いくつかの態様において、核酸は異種核酸、すなわち、細胞または細胞から得られた試料中に通常は存在しない核酸、例えば別の生物または細胞から得られた核酸であり、例えば、操作される細胞および/またはそのような細胞が由来する生物中に通常は見られない。いくつかの態様において、核酸は、複数の異なる細胞タイプからの様々なドメインをコードする核酸のキメラ組み合わせを含むものを含め、天然ではない、例えば自然界には見られない核酸である。
【0681】
いくつかの態様において、アウトプット細胞組成物は、遺伝子操作された細胞を含有する。特定の態様において、アウトプット細胞組成物は、操作されたT細胞を含有する。いくつかの態様において、操作されたT細胞は、操作されたCD4+T細胞および操作されたCD8+T細胞を含む。特定の態様において、アウトプット細胞組成物は、操作されたT細胞を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%もしくは約100%含有する。特定の態様において、操作された細胞は組換え受容体を発現する。特定の態様において、アウトプット細胞組成物は、組換え受容体を発現するT細胞を少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%または100%もしくは約100%含有する。いくつかの態様において、組換え受容体はTCRまたはCARである。特定の態様において、組換え受容体はCARである。
【0682】
いくつかの局面において、方法はさらに、疾患または状態を有する対象に投与するためのT細胞組成物の1つまたは複数の単位用量を決定する工程を含み、単位用量はアウトプット組成物の全部または一部分を含む。いくつかの局面において、アウトプット組成物の全部または一部分を、対象への投与のための単位用量として使用することができる。いくつかの局面において、方法はまた、アウトプット組成物の全部または一部分を選択する工程および任意で、別の溶液と合わせて、投与のためのT細胞組成物の単位用量を達成する工程を含む。いくつかの局面において、提供される態様は、本明細書に記載される製造品に含有される、および/または、例えば治療目的のために対象に投与されることができるような、細胞組成物の1つまたは複数の単位用量および/またはそのような単位用量に対応する量を決定する工程を含む。いくつかの局面において、単位用量は、特定の表現型を有する生物学的に活性な操作されたT細胞の数に基づく、および/または、特定の表現型を有する生物学的に活性な操作されたT細胞の総数に基づく。いくつかの局面において、単位用量は、本明細書、例えばセクションIに記載されたいずれかの単位用量であることができる。いくつかの態様において、単位用量は、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)の所定の数ならびに/またはCCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)の所定の数ならびに/または受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞との所定の比ならびに/または受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比;表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)の所定の数ならびに/またはCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)の所定の数ならびに/または受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞との所定の比ならびに/または受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比;あるいはCCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)の所定の数ならびに/またはCCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)の所定の数ならびに/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞との所定の比ならびに/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の細胞の別のサブセットとの所定の比を含む、アウトプット組成物の全部または一部分を含む。
【0683】
いくつかの態様において、アウトプット組成物は、アウトプット組成物に含まれる細胞の表現型(例えば表面マーカー、アポトーシスマーカー、サイトカイン産生)およびアウトプット組成物中のそのような表現型のパーセンテージを決定するために評価される。いくつかの態様において、治療用のアウトプット組成物は、関心対象の特定の表現型を有する細胞の1つまたは複数のパーセンテージに基づいて選択される。いくつかの態様において、治療物質としての使用に選択されたアウトプット組成物は、本明細書に記載されるパーセンテージおよび表現型の1つまたは複数にしたがって特定の表現型(例えば表面マーカー、アポトーシスマーカー、サイトカイン産生)を有する細胞の1つまたは複数のパーセンテージを有する、または含む。いくつかの態様において、アウトプット組成物が1つまたは複数の表現型の1つまたは複数の目標パーセンテージ、例えば、本明細書に記載される特定の表現型のパーセンテージを含まないならば、アウトプット組成物は、表現型の目標パーセンテージが達成されるようにアウトプット組成物を選択、単離または富化するための選択プロセスを受け得る。いくつかの態様において、アウトプット組成物が、本明細書に記載される1つまたは複数の表現型の目標パーセンテージを達成するためのさらなる処理を受けることができないならば、アウトプット組成物は治療組成物として使用されない。
【0684】
いくつかの態様において、アウトプット組成物は、公知の凍結保存法または本明細書に記載される凍結保存法のいずれかにしたがって凍結保存される。
【0685】
III. 組換え受容体を発現する操作された細胞
いくつかの態様において、提供される方法および製造品は、組換え受容体を発現する操作された細胞、例えば免疫細胞、例えばT細胞に関する。いくつかの局面において、提供される方法は、組換え受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子操作されている操作されたT細胞、例えばCD3+T細胞、CD4+T細胞および/またはCD8+T細胞を投与する工程、たとえば、特定の表現型の細胞(例えばCCR7+またはCD27)の一定または所定のパーセンテージまたは数が本明細書に記載されるように投与される、そのような細胞の組成物を投与する工程を含む。いくつかの局面において、操作された細胞の組換え受容体は、疾患または状態と関連する抗原に結合する、および/またはそれを標的とすることができる。
【0686】
A. 組換え受容体
受容体には、抗原受容体およびその1つまたは複数の成分を含む受容体がある。組換え受容体には、キメラ受容体、例えばそのリガンド結合ドメインまたは結合フラグメントと細胞内シグナル伝達ドメインまたは領域を含むもの、機能的非TCR抗原受容体、キメラ抗原受容体(CAR)、およびT細胞受容体(TCR)、例えば組換えまたはトランスジェニックTCR、キメラ自己抗体受容体(CAAR)および前述のいずれかの成分が含まれる。CARなどの組換え受容体は、一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に、いくつかの局面ではリンカーおよび/または膜貫通ドメイン(複数可)を介して、連結された細胞外抗原(またはリガンド)結合ドメインを含む。
【0687】
1. キメラ抗原受容体(CAR)
いくつかの態様では、特定の抗原(またはマーカーもしくはリガンド)、例えば特定の細胞タイプの表面に発現される抗原、に対する特異性を有するCARを発現する、T細胞などの、遺伝子操作された細胞が提供される。いくつかの態様では、該抗原はポリペプチドである。いくつかの態様では、該抗原は炭水化物または他の分子である。いくつかの態様では、該抗原は、正常または非標的細胞もしくは組織と比較して、疾患または症状の細胞(例えば、腫瘍または病原性細胞)上に選択的に発現されるか、または過剰発現される。他の態様では、該抗原は正常細胞に発現され、かつ/または遺伝子操作された細胞に発現される。
【0688】
特定の態様では、キメラ受容体などの組換え受容体は、細胞内シグナル伝達領域を含み、それは、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができる細胞質(細胞内)領域などの、細胞質シグナル伝達ドメインまたは領域(細胞内シグナル伝達ドメインまたは領域とも交換可能に呼ばれる)、例えば、T細胞受容体(TCR)成分の細胞質シグナル伝達ドメインまたは領域(例えば、CD3ゼータ(CD3ζ)鎖のゼータ鎖の細胞質シグナル伝達ドメインまたは領域、またはその機能的バリアントもしくはシグナル伝達部分)を含み、かつ/またはそれは免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含む。
【0689】
いくつかの態様では、キメラ受容体はさらに、リガンド(例えば、抗原)抗原に特異的に結合する細胞外リガンド結合ドメインを含む。いくつかの態様では、キメラ受容体は、抗原に特異的に結合する細胞外抗原認識ドメインを含むCARである。いくつかの態様では、抗原などのリガンドは、細胞の表面に発現されるタンパク質である。いくつかの態様では、CARはTCR様CARであり、抗原はプロセシングされたペプチド抗原、例えば、細胞内タンパク質のペプチド抗原であり、これは、TCRと同様に、主要組織適合性複合体(MHC)分子の状況下にあって細胞表面で認識される。
【0690】
例示的な抗原受容体(例えば、CAR)、および遺伝子操作により該受容体を細胞に導入する方法は、例えば、以下に記載されているものを含む:国際特許出願公開番号WO200014257、WO2013126726、WO2012/129514、WO2014031687、WO2013/166321、WO2013/071154、WO2013/123061、米国特許出願公開番号:US2002131960、US2013287748、US20130149337、米国特許番号:6,451,995、7,446,190、8,252,592、8,339,645、8,398,282、7,446,179、6,410,319、7,070,995、7,265,209、7,354,762、7,446,191、8,324,353、8,479,118、およびヨーロッパ特許出願番号EP2537416、および/またはSadelain et al., Cancer Discov. 2013 April; 3(4): 388-398; Davila et al. (2013) PLoS ONE 8(4): e61338; Turtle et al., Curr. Opin. Immunol., 2012 October; 24(5): 633-39; Wu et al., Cancer, 2012 March 18(2): 160-75。いくつかの局面では、抗原受容体は、米国特許第7,446,190号に記載されるCAR、および国際特許出願公開番号WO/2014055668 A1に記載されるものを含む。CARの例には、前述の刊行物、例えば、WO2014031687、US 8,339,645、US 7,446,179、US 2013/0149337、米国特許第7,446,190号、米国特許第8,389,282号、Kochenderfer et al., 2013, Nature Reviews Clinical Oncology, 10, 267-276 (2013); Wang et al. (2012) J. Immunother. 35(9): 689-701; およびBrentjens et al., Sci Transl Med. 2013 5(177)のいずれかに開示されるCARが含まれる。また、WO2014031687、US 8,339,645、US 7,446,179、US 2013/0149337、米国特許第7,446,190号、および米国特許第8,389,282号も参照されたい。
【0691】
いくつかの態様では、CARは、特定の抗原(またはマーカーもしくはリガンド)、例えば、養子免疫療法の標的となる特定の細胞タイプに発現される抗原(例えば、がんマーカー)、および/または抑制応答(dampening response)を誘発することを目的とした抗原(例えば、正常または非罹患細胞タイプで発現される抗原)、に対する特異性を示すように構築される。したがって、CARは一般に、その細胞外部分に、1つ以上の抗原結合分子、例えば、1つ以上の抗原結合フラグメント、ドメイン、もしくは部分、または1つ以上の抗体可変ドメイン、および/または抗体分子を含む。いくつかの態様では、CARは、抗体分子の抗原結合部分(複数可)、例えば、モノクローナル抗体(mAb)の可変重鎖(VH)と可変軽鎖(VL)から誘導される一本鎖抗体フラグメント(scFv)を含む。
【0692】
いくつかの態様において、抗体またはその抗原結合部分は、組換え受容体、例えば抗原受容体の一部として細胞上に発現する。抗原受容体としては、機能的な非TCR抗原受容体、例えばキメラ抗原受容体(CAR)がある。一般に、ペプチド-MHC複合体に対するTCR様特異性を示す抗体または抗原結合フラグメントを含有するCARはTCR様CARとも呼ばれ得る。いくつかの態様において、TCR様CARのMHC-ペプチド複合体に特異的な細胞外抗原結合ドメインは、いくつかの局面においてリンカーおよび/または膜貫通ドメインを介して、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達成分に連結している。いくつかの態様において、そのような分子は通常、天然の抗原受容体、例えばTCRを通してシグナルを模倣または近似し、任意で、そのような受容体と共刺激受容体との組み合わせを通してシグナルを模倣または近似することができる。
【0693】
いくつかの態様において、組換え受容体、例えばキメラ受容体(例えばCAR)は、抗原(またはリガンド)に結合する、例えば特異的に結合するリガンド結合ドメインを含む。キメラ受容体によって標的とされる抗原としては、養子細胞療法によって標的とされる疾患、状態または細胞タイプに関連して発現する抗原がある。疾患および状態としては、増殖性、新生物性および悪性の疾患および障害、例えばがんおよび腫瘍、例えば血液がん、免疫系のがん、例えばリンパ腫、白血病および/または骨髄腫、例えばB型、T型および骨髄性白血病、リンパ腫および多発性骨髄腫がある。
【0694】
いくつかの態様において、抗原(またはリガンド)はポリペプチドである。いくつかの態様において、それは炭水化物または他の分子である。いくつかの態様において、抗原(またはリガンド)は、正常または非標的細胞または組織と比べ、疾患または状態の細胞、例えば腫瘍または病原性細胞上に選択的に発現または過剰発現する。他の態様において、抗原は正常細胞上に発現する、および/または操作された細胞上に発現する。
【0695】
いくつかの態様において、CARは、細胞の表面に発現する抗原、例えば無傷抗原を特異的に認識する抗体または抗原結合フラグメント(例えばscFv)を含有する。
【0696】
いくつかの態様において、抗原(またはリガンド)は腫瘍抗原またはがんマーカーである。いくつかの態様において、抗原(またはリガンド)は、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水酵素9(CA9、CAIXまたはG250とも知られる)、がん精巣抗原、がん精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2とも知られる)、がん胎児性抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、タイプIII上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5とも知られる)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp10O)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役型受容体5D(GPRC5D)、Her2/neu(受容体チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbBダイマー、ヒト高分子量黒色腫関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Rα)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼインサートドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、LRRC8A(Leucine Rich Repeat Containing 8 Family Member A)、ルイスY、黒色腫関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、がん胎児性抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、ROR1(Receptor Tyrosine Kinase Like Orphan Receptor 1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4とも知られる)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75とも知られる)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドーパクロムトートメラーゼ、ドーパクロムデルタイソメラーゼまたはDCTとも知られる)、血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異もしくは病原体発現抗原またはユニバーサルタグと関連する抗原および/またはビオチン化分子および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体によって発現される分子である、またはそれらを含む。いくつかの態様において受容体によって標的とされる抗原は、B細胞悪性腫瘍と関連する抗原、例えば多数の公知のB細胞マーカーのいずれかを含む。いくつかの態様において、抗原は、CD20、CD19、CD22、ROR1、CD45、CD21、CD5、CD33、Igカッパ、Igラムダ、CD79a、CD79bまたはCD30である、またはそれを含む。
【0697】
いくつかの態様において、抗原は、病原体特異抗原または病原体発現抗原である、またはそれを含む。いくつかの態様において、抗原はウイルス抗原(例えば、HIV、HCV、HBVなど由来のウイルス抗原)、細菌抗原および/または寄生虫抗原である。
【0698】
本明細書における用語「抗体」は、最も広い意味で使用され、以下を含むポリクローナルおよびモノクローナル抗体を含む:インタクトの抗体および機能的な(抗原結合)抗体フラグメント、例えば、抗原結合(Fab)フラグメント、F(ab')2フラグメント、Fab'フラグメント、Fvフラグメント、組換えIgG(rIgG)フラグメント、抗原に特異的に結合できる重鎖可変(VH)領域、一本鎖抗体フラグメント、例えば一本鎖可変フラグメント(scFv)、および単一ドメイン抗体(例えばsdAb、sdFv、ナノボディ)フラグメント。この用語は、免疫グロブリンの遺伝子操作されたおよび/またはその他の方法で改変された形態を含み、例えば、イントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体、およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性(例えば、二重特異性または三重特異性)抗体、ダイアボディ、トリアボディ、およびテトラボディ、タンデムジscFv、タンデムトリscFvを包含する。特に明記しない限り、「抗体」という用語は、本明細書では「抗原結合フラグメント」とも呼ばれるその機能的な抗体フラグメントを包含すると理解されるべきである。この用語はまた、IgGとそのサブクラス、IgM、IgE、IgA、およびIgDなどの、任意のクラスまたはサブクラスの抗体を含むインタクトまたは完全長の抗体を包含する。
【0699】
用語「相補性決定領域」および「CDR」は、「超可変領域」または「HVR」と同義語であり、場合によっては、抗原特異性および/または結合親和性を付与する抗体可変領域内のアミノ酸の非連続配列を指すことが知られている。一般に、各重鎖可変領域には3つのCDRがあり(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、各軽鎖可変領域には3つのCDRがある(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)。「フレームワーク領域」および「FR」は、場合によっては、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが知られている。一般に、各完全長重鎖可変領域には4つのFRがあり(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)、各完全長軽鎖可変領域には4つのFRがある(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)。
【0700】
所定のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列の境界は、いくつかのよく知られたスキームのいずれかを用いて簡単に決定することができ、そうしたスキームには、以下に記載されるものが含まれる:Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD(「Kabat」ナンバリングスキーム);Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948(「Chothia」ナンバリングスキーム);MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262:732-745 (1996), “Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography,” J. Mol. Biol. 262, 732-745.”(「Contact」ナンバリングスキーム);Lefranc MP et al., “IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains,” Dev Comp Immunol, 2003 Jan;27(1):55-77(「IMGT」ナンバリングスキーム);Honegger A and Plueckthun A, “Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool,” J Mol Biol, 2001 Jun 8;309(3):657-70(「Aho」ナンバリングスキーム);およびMartin et al., “Modeling antibody hypervariable loops: a combined algorithm,” PNAS, 1989, 86(23):9268-9272(「AbM」ナンバリングスキーム)。
【0701】
特定のCDRまたはFRの境界は、識別に使用したスキームによって異なることがある。例えば、Kabatスキームは構造的アラインメントに基づいており、一方Chothiaスキームは構造的情報に基づいている。KabatとChothiaの両スキームの番号付けは、最も一般的な抗体領域の配列の長さに基づいており、挿入文字(例えば「30a」)に対応する挿入および欠失が一部の抗体に現れる。これらの2つのスキームは、特定の挿入と欠失(「インデル」)を異なる位置に配置し、その結果として異なった番号付けをもたらす。Contactスキームは、複雑な結晶構造の解析に基づいており、多くの点でChothiaナンバリングスキームと類似している。AbMスキームは、Oxford Molecular社のAbM抗体モデリングソフトウェアで使用されたものに基づく、KabatとChothiaの定義の間の妥協案である。
【0702】
以下の表1は、それぞれKabat、Chothia、AbM、およびContactスキームで識別されるCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3およびCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3の例示的な位置境界を示す。CDR-H1の場合は、残基の番号付けが、KabatとChothiaの両方のナンバリングスキームを用いて示されている。FRはCDR間に位置し、例えば、FR-L1はCDR-L1の前に位置し、FR-L2はCDR-L1とCDR-L2の間に位置し、FR-L3はCDR-L2とCDR-L3の間に位置する、といった具合である。示されるKabatナンバリングスキームはH35AとH35Bに挿入を配置するため、示されるKabatナンバリング規則を用いて番号付けされた場合のChothia CDR-H1ループの終わりは、ループの長さに応じてH32とH34の間で異なることに留意されたい。
【0703】
(表1)各種のナンバリングスキームによるCDRの境界
1 - Kabat et al. (1991), “Sequences of Proteins of Immunological Interest,” 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD
2 - Al-Lazikani et al., (1997) JMB 273,927-948
【0704】
したがって、他に指定されない限り、所与の抗体またはその領域(その可変領域など)の「CDR」または「相補性決定領域」または個々の特定されたCDR(例えば、CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)は、前述のスキームまたは他の公知のスキームのいずれかによって定義された相補性決定領域(または具体的な相補性決定領域)を含むと理解されるべきである。例えば、特定のCDR(例えば、CDR-H3)が、所定のVHまたはVL領域のアミノ酸配列中に対応するCDRのアミノ酸配列を含むことが述べられている場合、そのようなCDRは、前述のスキームまたは他の公知のスキームのいずれかによって定義された対応するCDR(例えば、CDR-H3)の配列を可変領域内にもつことが理解される。いくつかの態様では、具体的なCDR配列が指定される。抗体の例示的なCDR配列は、各種のナンバリングスキームを用いて記載されるが、抗体は、前述の他のナンバリングスキームまたは当業者に公知の他のナンバリングスキームのいずれかに従って記載されるCDRを含み得ることが理解されよう。
【0705】
同様に、他に指定されない限り、所与の抗体またはその領域(その可変領域など)の「FR」または個々の特定されたFR(例えば、FR-H1、FR-H2、FR-H3、FR-H4)は、公知のスキームのいずれかによって定義されたフレームワーク領域(または具体的なフレームワーク領域)を含むと理解されるべきである。いくつかの場合には、Kabat、Chothia、AbMもしくはContactの方法、または他の公知のスキームによって定義されたCDRなど、特定のCDRまたはFR(複数可)を識別するためのスキームが指定される。他の場合には、CDRまたはFRの特定のアミノ酸配列が示される。
【0706】
用語「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体が抗原に結合する際に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖および軽鎖の可変領域(それぞれVHおよびVL)は一般に類似の構造を有し、各ドメインは4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と3つのCDRを含む。例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91 (2007)を参照されたい。単一のVHまたはVLドメインは、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、該抗原に結合する抗体からのVHまたはVLドメインを用いて、それぞれ相補的なVLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングすることにより、単離することができる。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993); Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照されたい。
【0707】
CARに含まれる抗体の中には、抗体フラグメントがある。「抗体フラグメント」または「抗原結合フラグメント」は、インタクトの抗体が結合する抗原に結合するインタクト抗体の一部を含む、インタクト抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例には、限定するものではないが、Fv、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;線形抗体;重鎖可変(VH)領域、一本鎖抗体分子、例えばscFvおよびVH領域のみを含む単一ドメイン抗体;および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体が含まれる。いくつかの態様では、CARの抗原結合ドメインは、可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)領域を含む抗体フラグメントであるか、またはそれを含む。特定の態様では、抗体は、重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域を含む一本鎖抗体フラグメント、例えばscFvである。
【0708】
いくつかの態様において、抗原または抗原結合ドメインはCD19である。いくつかの態様において、scFvは、CD19に特異的な抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様において、CD19に結合する抗体または抗体フラグメントはマウス由来抗体、例えばFMC63およびSJ25C1である。いくつかの態様において、抗体または抗体フラグメントは、例えば米国特許出願公開第2016/0152723号に記載されているヒト抗体である。
【0709】
いくつかの態様において、scFvはFMC63に由来する。FMC63とは一般に、ヒト由来のCD19を発現するNalm-1および-16細胞に対して産生されたマウスモノクロナールIgG1抗体を指す(Ling, N. R., et al. (1987). Leucocyte typing III. 302)。いくつかの態様において、FMC63抗体は、SEQ ID NO:38および39にそれぞれ示されるCDR-H1およびCDR-H2、ならびにSEQ ID NO:40または54に示されるCDR-H3;ならびにSEQ ID NO:35に示されるCDR-L1およびSEQ ID NO:36または55に示されるCDR-L2およびSEQ ID NO:37または34に示されるCDR-L3を含む。いくつかの態様において、FMC63抗体は、SEQ ID NO:41のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、SEQ ID NO:42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。
【0710】
いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:35のCDR-L1配列、SEQ ID NO:36のCDR-L2配列およびSEQ ID NO:37のCDR-L3配列を含む可変軽鎖および/またはSEQ ID NO:38のCDR-H1配列、SEQ ID NO:39のCDR-H2配列およびSEQ ID NO:40のCDR-H3配列を含む可変重鎖を含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:41に示される可変重鎖領域と、SEQ ID NO:42に示される可変軽鎖領域とを含む。いくつかの態様において、可変重鎖と可変軽鎖とはリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、リンカーはSEQ ID NO:56に示されている。いくつかの態様において、scFvは、順に、VH、リンカーおよびVLを含む。いくつかの態様において、scFvは、順に、VL、リンカーおよびVHを含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:57に示されるヌクレオチドの配列またはSEQ ID NO:57とで少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を示す配列によってコードされる。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:43に示されるアミノ酸の配列またはSEQ ID NO:43とで少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を示す配列を含む。
【0711】
いくつかの態様において、scFvはSJ25C1に由来する。SJ25C1とは、ヒト由来のCD19を発現するNalm-1および-16細胞に対して産生されたマウスモノクロナールIgG1抗体を指す(Ling, N. R., et al. (1987). Leucocyte typing III. 302)。いくつかの態様において、SJ25C1抗体は、SEQ ID NO:47~49にそれぞれ示されるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3、ならびにSEQ ID NO:44~46にそれぞれ示されるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む。いくつかの態様において、SJ25C1抗体は、SEQ ID NO:50のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)と、SEQ ID NO:51のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)とを含む。
【0712】
いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:44のCDR-L1配列、SEQ ID NO:45のCDR-L2配列およびSEQ ID NO:46のCDR-L3配列を含む可変軽鎖および/またはSEQ ID NO:47のCDR-H1配列、SEQ ID NO:48のCDR-H2配列およびSEQ ID NO:49のCDR-H3配列を含む可変重鎖を含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:50に示される可変重鎖領域と、SEQ ID NO:51に示される可変軽鎖領域とを含む。いくつかの態様において、可変重鎖と可変軽鎖とはリンカーによって接続されている。いくつかの態様において、リンカーはSEQ ID NO:52に示されている。いくつかの態様において、scFvは、順に、VH、リンカーおよびVLを含む。いくつかの態様において、scFvは、順に、VL、リンカーおよびVHを含む。いくつかの態様において、scFvは、SEQ ID NO:53に示されるアミノ酸の配列またはSEQ ID NO:53とで少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を示す配列を含む。
【0713】
いくつかの態様において、抗原はCD20である。いくつかの態様において、scFvは、CD20に特異的な抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様において、CD20に結合する抗体または抗体フラグメントは、リツキシマブである、またはリツキシマブに由来する抗体、例えばリツキシマブscFvである。
【0714】
いくつかの態様において、抗原はCD22である。いくつかの態様において、scFvは、CD22に特異的な抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様において、CD22に結合する抗体または抗体フラグメントは、m971である、またはm971に由来する抗体、例えばm971 scFvである。
【0715】
いくつかの態様において、抗原または抗原結合ドメインはBCMAである。いくつかの態様において、scFvは、BCMAに特異的な抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLを含有する。いくつかの態様において、BCMAに結合する抗体または抗体フラグメントは、国際特許出願国際公開公報第2016/090327号および国際公開公報第2016/09032号に記載されている抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLである、またはそれらを含有する。
【0716】
いくつかの態様では、抗原または抗原結合ドメインはGPRC5Dである。いくつかの態様では、scFvは、GPRC5Dに特異的な抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLを含む。いくつかの態様では、GPRC5Dに結合する抗体または抗体フラグメントは、国際特許出願、公開番号WO 2016/090329およびWO 2016/090312に記載される抗体または抗体フラグメントに由来するVHおよびVLであるか、またはそれらを含む。
【0717】
いくつかの態様では、CARは、TCR様抗体、例えば、細胞表面にMHC-ペプチド複合体として提示される、腫瘍関連抗原などの、細胞内抗原を特異的に認識する抗体または抗原結合フラグメント(例えば、scFv)を含む。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体を認識する抗体またはその抗原結合部分は、抗原受容体などの、組換え受容体の一部として細胞上に発現させることができる。抗原受容体の中には、キメラ抗原受容体(CAR)などの、機能的な非TCR抗原受容体がある。一般的に、ペプチド-MHC複合体に対するTCR様特異性を示す抗体または抗原結合フラグメントを含むCARは、TCR様CARともいうことができる。
【0718】
「主要組織適合性複合体」(MHC)への言及は、ポリペプチドのペプチド抗原(細胞内機構によってプロセシングされたペプチド抗原を含む)と場合により複合体化し得る、多型ペプチド結合部位または結合溝を含むタンパク質、一般的には糖タンパク質を指す。いくつかの場合には、MHC分子は、TCRなどのT細胞上の抗原受容体またはTCR様抗体によって認識されるコンフォメーションで抗原を提示するために、例えばペプチドとの複合体、すなわちMHC-ペプチド複合体として、細胞表面にディスプレイまたは発現され得る。一般的に、MHCクラスI分子は、場合により3つのαドメインを含む膜貫通α鎖と、非共有結合したβ2ミクログロブリンを有する、ヘテロ二量体である。一般的に、MHCクラスII分子は、2つの膜貫通糖タンパク質αおよびβで構成され、両方とも通常は膜にまたがっている。MHC分子は、ペプチドを結合するための抗原結合部位(複数可)および適切な抗原受容体による認識に必要な配列を含む、MHCの有効な部分を含み得る。いくつかの態様では、MHCクラスI分子は、細胞質ゾルに由来するペプチドを細胞表面に送達する;この場合には、MHC-ペプチド複合体はT細胞、例えば一般にはCD8+ T細胞によって認識されるが、場合によってはCD4+ T細胞によって認識される。いくつかの態様では、MHCクラスII分子は、小胞系(vesicular system)に由来するペプチドを細胞表面に送達する;この場合には、それらは通常CD4+ T細胞によって認識される。一般に、MHC分子は、マウスではH-2、ヒトではヒト白血球抗原(HLA)と総称される、連鎖している遺伝子座のグループによってコードされる。それゆえ、一般的に、ヒトMHCはヒト白血球抗原(HLA)と称されることもある。
【0719】
用語「MHC-ペプチド複合体」または「ペプチド-MHC複合体」またはその変形は、一般に、MHC分子の結合溝または裂け目に収まったペプチドの非共有結合的相互作用などによる、ペプチド抗原とMHC分子の複合体または会合を指す。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体は、細胞の表面上に存在するか、または提示される。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体は、抗原受容体、例えば、TCR、TCR様CAR、またはその抗原結合部分によって特異的に認識され得る。
【0720】
いくつかの態様では、ポリペプチドの、ペプチド抗原またはエピトープなどのペプチドは、例えば抗原受容体による認識のために、MHC分子と会合することができる。一般に、ペプチドは、ポリペプチドまたはタンパク質などのより長い生体分子に由来するか、またはその断片に基づく。いくつかの態様では、ペプチドは、典型的には約8~約24アミノ酸長である。いくつかの態様では、ペプチドは、MHCクラスII複合体での認識のために、9~22または約9~22アミノ酸の長さを有する。いくつかの態様では、ペプチドは、MHCクラスI複合体での認識のために、8~13または約8~13アミノ酸の長さを有する。いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体などの、MHC分子との関連でペプチドが認識されると、TCRまたはTCR様CARなどの抗原受容体は、T細胞応答、例えば、T細胞増殖、サイトカイン産生、細胞傷害性T細胞応答または他の応答を誘導するT細胞への活性化シグナルをもたらすか、または引き起こす。
【0721】
いくつかの態様では、TCR様抗体または抗原結合部分は、公知であるか、または公知の方法により作製することができる(例えば、米国特許出願公開番号US 2002/0150914; US 2003/0223994; US 2004/0191260; US 2006/0034850; US 2007/00992530; US20090226474; US20090304679; および国際PCT公開番号WO 03/068201を参照されたい)。
【0722】
いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分は、特定のMHC-ペプチド複合体を含む有効量の免疫原で宿主を免疫することによって作製され得る。いくつかの場合では、MHC-ペプチド複合体のペプチドは、MHCに結合することができる抗原、例えば、腫瘍抗原、例えば、ユニバーサル腫瘍抗原、骨髄腫抗原、または以下に記載される他の抗原、のエピトープである。いくつかの態様では、次いで、免疫応答を誘発するために、有効量の免疫原が宿主に投与される;その場合、免疫原は、MHC分子の結合溝内のペプチドの三次元表現に対する免疫応答を引き出すのに十分な期間にわたってその三次元形態を保持する。その後、宿主から回収された血清をアッセイして、MHC分子の結合溝内のペプチドの三次元表現を認識する所望の抗体が産生されているかどうかを判定する。いくつかの態様では、産生された抗体をアッセイして、該抗体がMHC-ペプチド複合体をMHC分子単独、関心対象のペプチド単独、およびMHCと無関係のペプチドとの複合体から区別し得ることを確認することができる。その後、所望の抗体を単離することができる。
【0723】
いくつかの態様では、MHC-ペプチド複合体に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分は、ファージ抗体ライブラリーなどの、抗体ライブラリーディスプレイ法を使用することによって取得することができる。いくつかの態様では、変異型Fab、scFvまたは他の抗体形態のファージディスプレイライブラリーが作製され、例えば、該ライブラリーではそのメンバーがCDR(複数可)の1つまたは複数の残基で変異している。例えば、米国特許出願公開番号US20020150914; US2014/0294841; およびCohen CJ. et al. (2003) J Mol. Recogn. 16:324-332を参照されたい。
【0724】
本明細書における語「抗体」は、最も広い意味で使用され、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、例えば無傷抗体および機能的(抗原結合)抗体フラグメント、例えば抗原結合(Fab)フラグメント、F(ab')2フラグメント、Fab'フラグメント、Fvフラグメント、組換えIgG(rIgG)フラグメント、抗原と特異的に結合することができる可変重鎖(VH)領域、単鎖抗体フラグメント、例えば単鎖可変フラグメント(scFv)および単一ドメイン抗体(例えばsdAb、sdFv、ナノボディ)フラグメントを含む。この語は、免疫グロブリンの遺伝子操作された形態および/または他のやり方で改変された形態、例えばイントラボディ、ペプチボディ、キメラ抗体、完全ヒト抗体、ヒト化抗体およびヘテロコンジュゲート抗体、多重特異性、例えば二重特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディおよびテトラボディ、タンデム型ジ-scFv、タンデム型トリ-scFvを包含する。別段の記述がない限り、語「抗体」は、その機能的抗体フラグメントを包含すると理解されるべきである。この語はまた、無傷抗体または完全長抗体、例えば任意のクラスまたはサブクラスの抗体、例えばIgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgAならびにIgDをも包含する。
【0725】
いくつかの態様において、抗原結合タンパク質、抗体およびその抗原結合フラグメントは、完全長抗体の抗原を特異的に認識する。いくつかの態様において、抗体の重鎖および軽鎖は、完全長であることもできるし、抗原結合部分(Fab、F(ab')2、Fvまたは単鎖Fvフラグメント(scFv))であることもできる。他の態様において、抗体重鎖定常領域は、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgEから選択され、特に、例えばIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4から、より具体的にはIgG1(例えばヒトIgG1)から選択される。もう1つの態様において、抗体軽鎖定常領域は、例えばカッパまたはラムダ、特にカッパから選択される。
【0726】
提供される抗体として、抗体フラグメントがある。「抗体フラグメント」とは、無傷抗体が結合する抗原と結合する無傷抗体の一部分を含む、無傷抗体以外の分子を指す。抗体フラグメントの例は、Fv、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2;ダイアボディ;線状抗体;可変重鎖(VH)領域、単鎖抗体分子、例えばscFvおよび単一ドメインVH単一抗体;ならびに抗体フラグメントから形成された多重特異性抗体を含むが、これらに限定されない。特定の態様において、抗体は、可変重鎖領域および/または可変軽鎖領域を含む単鎖抗体フラグメント、例えばscFvである。
【0727】
語「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗原への抗体の結合に関与する抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVHおよびVL)は一般に類似の構造を有し、各ドメインが、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、Kindt et al. Kuby Immunology, 6th ed., W.H. Freeman and Co., page 91 (2007)を参照すること)。1つのVHまたはVLドメインが、抗原結合特異性を付与するために十分であり得る。さらには、特定の抗原と結合する抗体を、抗原と結合する抗体からのVHまたはVLドメインを使用して単離して、それぞれ相補的VLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングしてもよい。例えば、Portolano et al., J. Immunol. 150:880-887 (1993);Clarkson et al., Nature 352:624-628 (1991)を参照すること。
【0728】
単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部もしくは一部分または抗体の軽鎖可変ドメインの全部もしくは一部分を含む抗体フラグメントである。特定の態様において、単一ドメイン抗体はヒト単一ドメイン抗体である。いくつかの態様において、CARは、抗原、例えば、腫瘍細胞またはがん細胞などの、標的とされるべき細胞または疾患のがんマーカーまたは細胞表面抗原、例えば本明細書に記載または公知の標的抗原のうちのいずれかと特異的に結合する抗体重鎖ドメインを含む。
【0729】
抗体フラグメントは、無傷抗体のタンパク質分解消化および組換え宿主細胞による産生をはじめとする多様な技法によって作製することができる。いくつかの態様において、抗体は、組換え産生されたフラグメント、例えば自然には存在しない配置を含むフラグメント、例えば合成リンカー、例えばペプチドリンカーによって結合された2つ以上の抗体領域もしくは鎖を有するフラグメントおよび/または天然の無傷抗体の酵素消化によっては産生され得ないフラグメントである。いくつかの態様において、抗体フラグメントはscFvである。
【0730】
「ヒト化」抗体とは、すべてまたは実質的にすべてのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDR由来であり、すべてまたは実質的にすべてのFRアミノ酸残基がヒトFR由来である抗体である。ヒト化抗体は、任意で、ヒト抗体由来の抗体定常領域の少なくとも一部分を含み得る。非ヒト抗体の「ヒト化形態」とは、通常はヒトへの免疫原性を減らしながらも非ヒト親抗体の特異性および親和性を保持するためにヒト化を受けた非ヒト抗体の変種を指す。いくつかの態様において、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば抗体特異性または親和性を回復または改善するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)からの対応する残基で置換される。
【0731】
したがって、いくつかの態様では、TCR様CARなどのキメラ抗原受容体は、抗体または抗体フラグメントを含む細胞外部分を含む。いくつかの態様では、その抗体またはフラグメントにはscFvが含まれる。いくつかの局面では、キメラ抗原受容体は、抗体またはフラグメントを含む細胞外部分と細胞内シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞で一次活性化シグナルを誘導できるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。
【0732】
いくつかの態様では、CAR、例えばその抗体部分などの、組換え受容体はさらに、スペーサーを含み、該スペーサーは、免疫グロブリン定常領域またはそのバリアントもしくは修飾バージョンの少なくとも一部、例えば、IgG4ヒンジ領域などのヒンジ領域、および/またはCH1/CLおよび/またはFc領域であっても、それを含んでもよい。いくつかの態様では、組換え受容体はさらに、スペーサーおよび/またはヒンジ領域を含む。いくつかの態様では、定常領域または部分は、ヒトIgG、例えばIgG4またはIgG1、のものである。いくつかの局面では、定常領域の部分は、抗原認識成分(例えば、scFv)と膜貫通ドメインとの間のスペーサー領域として機能する。スペーサーは、スペーサーがない場合と比較して、抗原結合後の細胞の応答性を増加させる長さのものであり得る。いくつかの例では、スペーサーは、12アミノ酸または約12アミノ酸の長さであるか、またはわずか12アミノ酸の長さであるにすぎない。例示的なスペーサーには、以下が含まれる:少なくとも約10~229アミノ酸、約10~200アミノ酸、約10~175アミノ酸、約10~150アミノ酸、約10~125アミノ酸、約10~100アミノ酸、約10~75アミノ酸、約10~50アミノ酸、約10~40アミノ酸、約10~30アミノ酸、約10~20アミノ酸、または約10~15アミノ酸を有するもの(上記範囲のいずれかの両端間の任意の整数を含む)。いくつかの態様では、スペーサー領域は、約12アミノ酸以下、約119アミノ酸以下、または約229アミノ酸以下を有する。例示的なスペーサーには、IgG4ヒンジ単独、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに連結されたIgG4ヒンジが含まれる。例示的なスペーサーには、限定するものではないが、Hudecek et al. (2013) Clin. Cancer Res., 19:3153; Hudecek et al. (2015) Cancer Immunol Res. 3(2): 125-135または国際特許出願公開番号WO2014031687に記載されるものが含まれる。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:1に示される配列を有し、SEQ ID NO:2に示される配列によってコードされる。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:3に示される配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:4に示される配列を有する。
【0733】
いくつかの局面において、スペーサーはポリペプチドスペーサーであり、ポリペプチドスペーサーは、(a)免疫グロブリンヒンジまたはその改変バージョンの全部または一部分を含む、もしくはそれからなる、または約15以下のアミノ酸を含み、CD28細胞外領域またはCD8細胞外領域を含まない、(b)免疫グロブリンヒンジ、任意でIgG4ヒンジまたはその改変バージョンの全部または一部分を含む、もしくはそれからなる、および/または約15以下のアミノ酸を含み、CD28細胞外領域またはCD8細胞外領域を含まない、または(c)長さが12または約12のアミノ酸である、および/または免疫グロブリンヒンジ、任意でIgG4またはその改変バージョンの全部または一部分を含む、もしくはそれからなる;または(d)SEQ ID NO:1、3~5、27~34または58に示されるアミノ酸の配列またはそれとで少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはより高い配列同一性を有する前記のいずれかの変異体からなる、またはそれを含む、または(e)式X1PPX2P(X1はグリシン、システインまたはアルギニンであり、X2はシステインまたはトレオニンである)を含む、またはそれからなる。
【0734】
いくつかの態様において、定常領域または部分はIgDのそれである。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:5に示される配列を有する。いくつかの態様において、スペーサーは、SEQ ID NO:1、3、4および5のいずれかとで少なくとも、もしくは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはより高い配列同一性を示すアミノ酸の配列を有する。
【0735】
抗原認識ドメインは一般に、1つまたは複数の細胞内シグナル伝達構成成分、例えば、CARの場合であればTCR複合体などの抗原受容体複合体を介する活性化を模倣し、かつ/または別の細胞表面受容体を通してシグナル伝達するシグナル伝達構成成分などに、連結される。したがって、いくつかの態様において、抗原結合構成成分(例えば、抗体)は、1つまたは複数の膜貫通ドメインおよび細胞内シグナル伝達領域に連結される。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは細胞外ドメインに融合される。1つの態様では、受容体、例えばCAR中のドメインの1つに天然で付随している膜貫通ドメインが使用される。場合によっては、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑えるために、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのそのようなドメインの結合を回避するように選択され、またはアミノ酸置換によって修飾される。
【0736】
膜貫通ドメインはいくつかの態様において、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来する。供給源が天然である場合、ドメインはいくつかの局面において、任意の膜結合型タンパク質または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通領域には、T細胞受容体のアルファ、ベータ、またはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD 16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD 134、CD137、CD 154に由来する(すなわち、少なくともその膜貫通領域を含む)ものが含まれる。あるいは、膜貫通ドメインはいくつかの態様において合成による。いくつかの局面において、合成膜貫通ドメインは、主に、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を含む。いくつかの局面において、合成膜貫通ドメインの各末端には、フェニルアラニン、トリプトファン、およびバリンのトリプレットが見いだされるであろう。いくつかの態様において、連結はリンカー、スペーサー、および/または膜貫通ドメインによる。
【0737】
細胞内シグナル伝達領域には、天然抗原受容体を介するシグナル、共刺激受容体と組み合わされたそのような受容体を介するシグナル、および/または共刺激受容体のみを介するシグナルを模倣するか、またはそれらに近似するものが含まれる。いくつかの態様では、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、例えば2~10アミノ酸長のリンカー、例えばグリシンおよびセリン(例えば、グリシン-セリンダブレット)を含有するものなどが存在し、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間の連結を形成する。
【0738】
受容体、例えばCARは、一般に、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達構成成分または細胞内シグナル伝達構成成分群を含む。いくつかの態様において、受容体は、TCR複合体の細胞内構成成分、例えばT細胞活性化および細胞傷害性を媒介するTCR CD3鎖など、例えばCD3ゼータ鎖を含む。したがって、いくつかの局面において、ROR1結合抗体は1つまたは複数の細胞シグナル伝達モジュールに連結される。いくつかの態様において、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、受容体、例えばCARは、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25、またはCD16などの1つまたは複数の付加的な分子の一部をさらに含む。例えば、いくつかの局面において、CARは、CD3-ゼータ (CD3-ζ) またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25、またはCD16とのキメラ分子を含む。
【0739】
いくつかの態様では、CARの連結時に、CARの細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達領域は、免疫細胞、例えばCARを発現するように操作されたT細胞、の正常なエフェクター機能または応答の少なくとも1つを活性化する。例えば、状況によっては、CARは、細胞溶解活性またはTヘルパー活性などといったT細胞の機能、例えばサイトカインまたは他の因子の分泌などを誘導する。いくつかの態様では、例えば、抗原受容体構成成分または共刺激分子の細胞内シグナル伝達領域の切断された部分が、エフェクター機能シグナルを伝達するのであれば、インタクトな免疫刺激鎖の代わりにそれが使用される。いくつかの態様において、例えば1つまたは複数の細胞内ドメインを含む、細胞内シグナル伝達領域は、T細胞受容体 (TCR) の細胞質配列を含み、いくつかの局面では、天然状況においてそのような受容体と協調して作用して抗原受容体会合後にシグナル伝達を開始させる共受容体の細胞質配列、および/またはそのような分子の任意の派生物もしくは変種の細胞質配列、および/または同じ機能的能力を有する任意の合成配列も、含む。
【0740】
天然のTCRの状況において、完全な活性化は一般に、TCRを介するシグナル伝達のみならず、共刺激シグナルも必要とする。したがって、いくつかの態様では、完全な活性化を促進するために、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための構成成分もまたCARに含まれる。他の態様において、CARは、共刺激シグナルを生成するための構成成分を含まない。いくつかの局面では、同じ細胞中で付加的なCARが発現され、二次シグナルまたは共刺激シグナルを生成するための構成成分を提供する。
【0741】
T細胞活性化は、いくつかの局面において、2つのクラスの細胞質シグナル伝達配列:TCRを介する抗原依存性一次活性化を開始するもの(一次細胞質シグナル伝達配列);および抗原非依存的様式で作用して二次シグナルまたは共刺激シグナルを提供するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)によって媒介されると説明される。いくつかの局面において、CARは、そのようなシグナル伝達構成成分の一方または両方を含む。
【0742】
いくつかの局面において、CARは、TCR複合体の一次活性化を調節する一次細胞質シグナル伝達配列を含む。刺激様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシン活性化モチーフまたはITAMとして公知であるシグナル伝達モチーフを含有し得る。ITAM含有一次細胞質シグナル伝達配列の例には、TCRもしくはCD3ゼータ、FcRガンマ、またはFcRベータに由来するものが含まれる。いくつかの態様において、CAR中の細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータ由来の、細胞質シグナル伝達ドメイン、その一部、または配列を含有する。
【0743】
いくつかの態様において、CARは、CD28、4-1BB、OX40、DAP10、およびICOSなどの共刺激受容体のシグナル伝達領域および/または膜貫通部分を含む。いくつかの局面では、同じCARが、シグナル伝達領域と共刺激構成成分の両方を含む。
【0744】
いくつかの態様では、シグナル伝達領域が1つのCAR内に含まれる一方で、共刺激構成成分は、別の抗原を認識する別のCARによって提供される。いくつかの態様において、CARは、いずれも同じ細胞上に発現される活性化または刺激CAR、および共刺激CARを含む(WO2014/055668を参照されたい)。
【0745】
ある特定の態様において、細胞内シグナル伝達領域は、CD3(例えば、CD3-ゼータ)細胞内ドメインに連結されたCD28膜貫通およびシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達領域は、CD3ゼータ細胞内ドメインに連結されたキメラCD28およびCD137(4-1BB、TNFRSF9)共刺激ドメインを含む。
【0746】
いくつかの態様において、CARは、細胞質部分において、1つまたは複数の、例えば2つまたはそれ以上の、共刺激ドメインおよび活性化ドメイン、例えば一次活性化ドメインを包含する。例示的なCARは、CD3-ゼータ、CD28、および4-1BBの細胞内構成成分を含む。
【0747】
場合により、CARは、第1世代CAR、第2世代CAR、および/または第3世代CARと称される。いくつかの局面において、第1世代CARは、抗原結合時にCD3鎖誘導性シグナルを単に提供するものであり;いくつかの局面において、第2世代CARは、そのようなシグナルおよび共刺激シグナルを提供するもの、例えばCD28またはCD137などの共刺激受容体からの細胞内シグナリングドメインを含むものであり;いくつかの局面において、第3世代CARは、異なる共刺激受容体の複数の共刺激ドメインを含むものである。
【0748】
いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、本明細書に記載の抗体または断片を含有する細胞外部分を含む。いくつかの局面において、キメラ抗原受容体は、本明細書に記載の抗体または断片を含有する細胞外部分、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、抗体または断片はscFvまたは単一ドメインVH抗体を含み、細胞内ドメインはITAMを含有する。いくつかの局面において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ (CD3ζ) 鎖のゼータ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインを含む。
【0749】
いくつかの局面では、膜貫通ドメインはCD28の膜貫通部分を含む。細胞外ドメインと膜貫通ドメインは直接または間接的に連結され得る。いくつかの態様では、細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、本明細書に記載されるような、スペーサーによって連結される。いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、例えば膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間に、T細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含む。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子はCD28または4-1BBである。
【0750】
いくつかの態様では、CARは、抗体、例えば抗体フラグメント、CD28の膜貫通部分またはその機能的変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、およびCD28のシグナル伝達部分またはその機能的変異体とCD3ゼータのシグナル伝達部分またはその機能的変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、CARは、抗体、例えば抗体フラグメント、CD28の膜貫通部分またはその機能的変異体であるかまたはそれを含む膜貫通ドメイン、および4-1BBのシグナル伝達部分またはその機能的変異体とCD3ゼータのシグナル伝達部分またはその機能的変異体を含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかのそのような態様では、該受容体は、ヒトIg分子などのIg分子の一部を含むスペーサー、例えばIgG4ヒンジなどのIgヒンジを含むスペーサー、例えばヒンジのみのスペーサーをさらに含む。
【0751】
いくつかの態様では、該受容体、例えばCAR、の膜貫通ドメイン、は、ヒトCD28の膜貫通ドメインまたはその変異体、例えばヒトCD28の27アミノ酸膜貫通ドメイン(アクセッション番号:P10747.1)であるか、またはSEQ ID NO: 8に示されるアミノ酸配列またはSEQ ID NO: 8に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む膜貫通ドメインである;いくつかの態様では、組換え受容体の膜貫通ドメイン含有部分は、SEQ ID NO: 9に示されるアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0752】
いくつかの態様では、キメラ抗原受容体はT細胞共刺激分子の細胞内ドメインを含む。いくつかの局面において、T細胞共刺激分子はCD28または4-1BBである。
【0753】
いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、ヒトCD28の細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体もしくは部分、例えば、その41アミノ酸ドメインおよび/または天然CD28タンパク質の186-187位にLLからGGへの置換を有するそのようなドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、SEQ ID NO: 10または11に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO: 10または11に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含むことができる。いくつかの態様では、細胞内領域は、4-1BBの細胞内共刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体もしくは部分、例えば、ヒト4-1BBの42アミノ酸細胞質ドメイン(アクセッション番号Q07011.1)またはその機能的変異体もしくは部分、例えば、SEQ ID NO: 12に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO: 12に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0754】
いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、ヒトCD3鎖、任意でCD3ゼータ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能的変異体、例えば、ヒトCD3ζのアイソフォーム3の112アミノ酸細胞質ドメイン(アクセッション番号:P20963.2)または米国特許第7,446,190号または米国特許第8,911,993号に記載されるCD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、SEQ ID NO: 13、14または15に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO: 13、14または15に対して少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上、または少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはそれ以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0755】
いくつかの局面では、スペーサーは、IgGのヒンジ領域のみ、例えばIgG4またはIgG1のヒンジのみ、例えばSEQ ID NO:1に示されるヒンジのみのスペーサーを含む。他の態様では、スペーサーは、CH2および/またはCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、例えばSEQ ID NO:3に示される、CH2およびCH3ドメインに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、例えばSEQ ID NO:4に示される、CH3ドメインのみに連結されたIgヒンジ、例えばIgG4ヒンジである。いくつかの態様では、スペーサーは、グリシン-セリンリッチ配列または他の柔軟性のリンカー、例えば公知の柔軟性リンカーであるか、またはそれを含む。
【0756】
2. T細胞受容体(TCR)
いくつかの態様では、操作された細胞、例えばT細胞が提供され、これらは、腫瘍、ウイルスまたは自己免疫タンパク質の抗原などの、標的ポリペプチドのペプチドエピトープまたはT細胞エピトープを認識する、T細胞受容体(TCR)またはその抗原結合部分を発現する。
【0757】
いくつかの態様では、「T細胞受容体」または「TCR」は、可変α鎖およびβ鎖(それぞれ、TCRαおよびTCRβとしても知られる)もしくは可変γ鎖およびδ鎖(それぞれ、TCRαおよびTCRβとしても知られる)、またはその抗原結合部分を含み、かつMHC分子に結合されたペプチドに特異的に結合することができる分子である。いくつかの態様では、TCRはαβ型である。典型的には、αβ型およびγδ型で存在するTCRは一般に構造的に類似しているが、それらを発現するT細胞は異なる解剖学的位置または機能をもつ可能性がある。TCRは細胞の表面上に、または可溶性の形態で存在し得る。一般に、TCRはT細胞(またはTリンパ球)の表面に見られ、そこでは一般的に主要組織適合性複合体(MHC)分子に結合した抗原の認識に関与している。
【0758】
特に明記しない限り、用語「TCR」は、完全なTCRだけでなく、その抗原結合部分または抗原結合フラグメントを包含すると理解されるべきである。いくつかの態様では、TCRは、αβ型またはγδ型のTCRを含めて、インタクトまたは完全長のTCRである。いくつかの態様では、TCRは完全長のTCRに満たない抗原結合部分であるが、それは、MHC-ペプチド複合体に結合するなど、MHC分子に結合した特定のペプチドに結合する。いくつかの場合には、TCRの抗原結合部分またはフラグメントは、完全長またはインタクトのTCRの構造ドメインの一部のみを含んでいてよいが、完全なTCRが結合するMHC-ペプチド複合体などのペプチドエピトープに結合することができる。いくつかの場合には、抗原結合部分は、特定のMHC-ペプチド複合体に結合するための結合部位を形成するのに十分なTCRの可変ドメイン、例えば、TCRの可変α鎖および可変β鎖を含む。一般に、TCRの可変鎖は、ペプチド、MHCおよび/またはMHC-ペプチド複合体の認識に関与する相補性決定領域を含む。
【0759】
いくつかの態様では、TCRの可変ドメインは超可変ループまたは相補性決定領域(CDR)を含み、これらは一般に、抗原認識ならびに結合能および結合特異性に対する主要な寄与因子である。いくつかの態様では、TCRの1つのCDRまたはその組み合わせは、所与のTCR分子の抗原結合部位の全てまたは実質的に全てを形成する。TCR鎖の可変領域内の様々なCDRは一般に、フレームワーク領域(FR)によって分離されており、このFRは通常、CDRと比較して、TCR分子間でより少ない可変性(変動性)を示す(例えば、Jores et al., Proc. Nat'l Acad. Sci. U.S.A. 87:9138, 1990; Chothia et al., EMBO J. 7:3745, 1988を参照されたい;また、Lefranc et al., Dev. Comp. Immunol. 27:55, 2003も参照されたい)。いくつかの態様では、CDR3は、抗原結合または特異性に関与する主要なCDRであるか、または抗原認識にとって、および/またはペプチド-MHC複合体のプロセシングされたペプチド部分との相互作用にとって、所与のTCR可変領域の3つのCDRの中で最も重要である。ある状況下では、α鎖のCDR1は、特定の抗原ペプチドのN末端部分と相互作用することができる。ある状況下では、β鎖のCDR1は、該ペプチドのC末端部分と相互作用することができる。ある状況下では、CDR2は、MHC-ペプチド複合体のMHC部分との相互作用またはMHC部分の認識に最も強く寄与するか、またはそれに関与する主要なCDRである。いくつかの態様では、β鎖の可変領域は、さらなる超可変領域(CDR4またはHVR4)を含むことができ、これは一般に、スーパー抗原の結合に関与し、抗原認識には関与しない(Kotb (1995) Clinical Microbiology Reviews, 8:411-426)。
【0760】
いくつかの態様では、TCRはまた、定常ドメイン、膜貫通ドメイン、および/または短い細胞質テイルを含むことができる(例えば、Janeway et al., Immunobiology: The Immune System in Health and Disease, 3rd Ed., Current Biology Publications, p. 4:33, 1997を参照されたい)。いくつかの局面では、TCRの各鎖は、1つのN末端免疫グロブリン可変ドメイン、1つの免疫グロブリン定常ドメイン、膜貫通領域、およびC末端の短い細胞質テイルを保有することができる。いくつかの態様では、TCRは、シグナル伝達を媒介するのに関与するCD3複合体の不変タンパク質と会合する。
【0761】
いくつかの態様では、TCR鎖は1つまたは複数の定常ドメインを含む。例えば、所与のTCR鎖(例えば、α鎖またはβ鎖)の細胞外部分は、2つの免疫グロブリン様ドメイン、例えば、可変ドメイン(例えば、VαまたはVβ;典型的にはKabatナンバリング(Kabat et al., “Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Dept. Health and Human Services, Public Health Service National Institutes of Health, 1991, 5th ed.)に基づいてアミノ酸1-116)、および細胞膜に隣接する定常ドメイン(例えば、α鎖定常ドメインつまりCα、典型的にはKabatナンバリングに基づいて117-259位、またはβ鎖定常ドメインつまりCβ、典型的にはKabatナンバリングに基づいて117-295位)を含むことができる。例えば、場合により、2本の鎖によって形成されるTCRの細胞外部分は、2つの膜近位定常ドメインと、2つの膜遠位可変ドメインを含み、その可変ドメインにはそれぞれCDRが含まれる。TCRの定常ドメインは短い接続配列を含んでもよく、その場合には、システイン残基がジスルフィド結合を形成し、それによってTCRの2本の鎖を連結する。いくつかの態様では、TCRは、α鎖とβ鎖のそれぞれに追加のシステイン残基をもつことができ、その結果、TCRは定常ドメインに2つのジスルフィド結合を含むようになる。
【0762】
いくつかの態様では、TCR鎖は膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、膜貫通ドメインは正に帯電している。いくつかの場合には、TCR鎖は細胞質テイルを含む。場合によっては、この構造は、TCRを、CD3およびそのサブユニットなどの他の分子と会合させることができる。例えば、膜貫通領域と共に定常ドメインを含むTCRは、該タンパク質を細胞膜に固定して、CD3シグナル伝達装置または複合体の不変サブユニットと会合し得る。CD3シグナル伝達サブユニット(例えば、CD3γ、CD3δ、CD3ε、およびCD3ζ鎖)の細胞内テイルは、TCR複合体のシグナル伝達能力に関与する1つまたは複数の免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフつまりITAMを含む。
【0763】
いくつかの態様では、TCRは、2本の鎖αとβ(または任意でγとδ)のヘテロ二量体であるか、または一本鎖TCR構築物であり得る。いくつかの態様では、TCRは、1つまたは複数のジスルフィド結合などによって連結された2本の別個の鎖(α鎖とβ鎖、またはγ鎖とδ鎖)を含むヘテロ二量体である。
【0764】
いくつかの態様では、TCRは、Vα、Vβ鎖の配列などの、公知のTCR配列から作製することができ、それらの実質的に完全長のコード配列は容易に入手可能である。細胞源から、V鎖配列を含めて、完全長TCR配列を取得する方法はよく知られている。いくつかの態様では、TCRをコードする核酸は、例えば、所与の細胞内のまたは細胞から単離された、TCRをコードする核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、または公開されているTCR DNA配列の合成によって、様々なソースから取得可能である。
【0765】
いくつかの態様では、TCRは、生物学的供給源から、例えば細胞から、例えばT細胞(例えば細胞傷害性T細胞)、T細胞ハイブリドーマ、または他の公表されている供給源から得られる。いくつかの態様では、T細胞はインビボ単離された細胞から得ることができる。いくつかの態様では、TCRは胸腺で選択されたTCRである。いくつかの態様では、TCRはネオエピトープ制限TCRである。いくつかの態様では、T細胞は、培養したT細胞ハイブリドーマまたはクローンであり得る。いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分もしくはその抗原結合フラグメントは、TCRの配列の知識から合成的に作製され得る。
【0766】
いくつかの態様では、TCRは、標的ポリペプチド抗原またはその標的T細胞エピトープに対する候補TCRのライブラリーのスクリーニングから同定または選択されたTCRから作製される。TCRライブラリーは、対象から単離されたT細胞(PBMC、脾臓または他のリンパ器官に存在する細胞を含む)からのVαおよびVβのレパートリーの増幅によって作製され得る。場合によっては、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)からT細胞を増幅することができる。いくつかの態様では、TCRライブラリーは、CD4+またはCD8+細胞から作製され得る。いくつかの態様では、TCRは、正常または健常な対象のT細胞源、すなわち正常TCRライブラリーから増幅することができる。いくつかの態様では、TCRは、罹患した対象のT細胞源、すなわち罹患TCRライブラリーから増幅することができる。いくつかの態様では、縮重プライマーは、ヒトから得られたT細胞などのサンプルにおけるRT-PCRなどによって、VαおよびVβの遺伝子レパートリーを増幅するために使用される。いくつかの態様では、scTvライブラリーは、増幅産物がリンカーによって分離されるようにクローン化またはアセンブルされたナイーブVαおよびVβライブラリーから組み立てることができる。対象と細胞の供給源に応じて、該ライブラリーはHLAアレル特異的であり得る。あるいは、いくつかの態様では、TCRライブラリーは、親または足場TCR分子の突然変異誘発または多様化によって作製することができる。いくつかの局面では、TCRは、例えばα鎖またはβ鎖の、突然変異誘発などによる定方向進化に供される。いくつかの局面では、TCRのCDR内の特定の残基が変更される。いくつかの態様では、選択されたTCRは、親和性成熟によって改変され得る。いくつかの態様では、ペプチドに対するCTL活性を評価するためのスクリーニングなどによって、抗原特異的T細胞を選択することができる。いくつかの局面では、TCR、例えば抗原特異的T細胞上に存在するTCRは、例えば、抗原に対する特定の親和性または結合力などの結合活性によって、選択することができる。
【0767】
いくつかの態様では、遺伝子操作された抗原受容体には、組換えT細胞受容体(TCR)および/または天然に存在するT細胞からクローン化されたTCRが含まれる。いくつかの態様では、標的抗原(例えば、がん抗原)に対する高親和性T細胞クローンが同定され、患者から単離されて、細胞に導入される。いくつかの態様では、標的抗原に対するTCRクローンは、ヒト免疫系遺伝子(例えば、ヒト白血球抗原系、つまりHLA)により操作されたトランスジェニックマウスにおいて作製されてきた。例えば、腫瘍抗原については、Parkhurst et al. (2009) Clin Cancer Res. 15:169-180およびCohen et al. (2005) J Immunol. 175:5799-5808を参照されたい。いくつかの態様では、標的抗原に対するTCRを単離するために、ファージディスプレイが使用される(例えば、Varela-Rohena et al. (2008) Nat Med. 14:1390-1395およびLi (2005) Nat Biotechnol. 23:349-354を参照されたい)。
【0768】
いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、改変または操作されたものである。いくつかの態様では、改変された特性を有するTCR、例えば、特定のMHC-ペプチド複合体に対する親和性がより高いTCRを作製するために、定方向進化法が使用される。いくつかの態様では、定方向進化は、以下を含むがこれらに限定されないディスプレイ法によって達成される:酵母ディスプレイ(Holler et al. (2003) Nat Immunol, 4, 55-62; Holler et al. (2000) Proc Natl Acad Sci U S A, 97, 5387-92)、ファージディスプレイ(Li et al. (2005) Nat Biotechnol, 23, 349-54)、またはT細胞ディスプレイ(Chervin et al. (2008) J Immunol Methods, 339, 175-84)。いくつかの態様では、ディスプレイアプローチには、既知の親または基準TCRを操作または改変することが含まれる。例えば、いくつかの場合には、野生型TCRが、CDRの1個または複数の残基を変異させた変異型TCRを作製するためのテンプレートとして使用され、所望の標的抗原に対するより高い親和性などの、望ましい改変特性を備えた変異体が選択される。
【0769】
いくつかの態様では、関心対象のTCRの産生または作製に使用するための標的ポリペプチドのペプチドは知られているか、または当業者により容易に同定され得る。いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分の作製に使用するのに適したペプチドは、関心対象の標的ポリペプチド、例えば以下に記載する標的ポリペプチドなど、におけるHLA制限モチーフの存在に基づいて決定され得る。いくつかの態様では、ペプチドは、利用可能なコンピュータ予測モデルを用いて同定される。いくつかの態様では、MHCクラスI結合部位を予測するための、そのようなモデルには、ProPred1(Singh and Raghava (2001) Bioinformatics 17(12):1236-1237)およびSYFPEITHI(Schuler et al. (2007) Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, 409(1): 75-93 2007を参照)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、MHC拘束性エピトープはHLA-A0201である;これは、全白人の約39~46%に発現されるため、TCRまたは他のMHC-ペプチド結合分子の調製に使用するためのMHC抗原の適切な選択を表している。
【0770】
コンピュータ予測モデルを使用したHLA-A0201結合モチーフおよびプロテアソームと免疫プロテアソームの切断部位は、公知である。MHCクラスI結合部位を予測するための、そのようなモデルには、ProPred1(Singh and Raghava, ProPred: prediction of HLA-DR binding sites. BIOINFORMATICS 17(12):1236-1237 2001に詳述される)およびSYFPEITHI(Schuler et al. SYFPEITHI, Database for Searching and T-Cell Epitope Prediction. Immunoinformatics Methods in Molecular Biology, vol 409(1): 75-93 2007を参照)が含まれるが、これらに限定されない。
【0771】
いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合部分は、1つ以上の特性、例えば結合特性が変更されている、組換えにより作製された天然タンパク質またはその変異形態であり得る。いくつかの態様では、TCRは、様々な動物種の1つ、例えば、ヒト、マウス、ラット、または他の哺乳動物に由来することができる。TCRは細胞結合形態であっても可溶性形態であってもよい。いくつかの態様では、提供される方法の目的のために、TCRは、細胞の表面上に発現される細胞結合形態である。
【0772】
いくつかの態様では、TCRは完全長TCRである。いくつかの態様では、TCRは抗原結合部分である。いくつかの態様では、TCRは二量体TCR(dTCR)である。いくつかの態様では、TCRは一本鎖TCR(sc-TCR)である。いくつかの態様では、dTCRまたはscTCRは、WO 03/020763、WO 04/033685、WO2011/044186に記載される構造を有する。
【0773】
いくつかの態様では、TCRは膜貫通配列に対応する配列を含む。いくつかの態様では、TCRは細胞質配列に対応する配列を含む。いくつかの態様では、TCRはCD3とのTCR複合体を形成することができる。いくつかの態様では、dTCRまたはscTCRを含めて、TCRはどれも、T細胞の表面に活性TCRを生成するシグナル伝達ドメインに連結され得る。いくつかの態様では、TCRは細胞の表面に発現される。
【0774】
いくつかの態様では、dTCRは、TCRα鎖可変領域配列に対応する配列がTCRα鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第1のポリペプチドと、TCRβ鎖可変領域配列に対応する配列がTCRβ鎖定常領域細胞外配列に対応する配列のN末端に融合している第2のポリペプチドとを含み、第1および第2のポリペプチドはジスルフィド結合によって連結されている。いくつかの態様では、その結合は、天然の二量体αβTCRに存在する天然の鎖間ジスルフィド結合に対応し得る。いくつかの態様では、その鎖間ジスルフィド結合は、天然のTCRには存在しない。例えば、いくつかの態様では、1個または複数のシステインをdTCRポリペプチド対の定常領域細胞外配列に組み込むことができる。場合によっては、天然および非天然の両方のジスルフィド結合が望ましいかもしれない。いくつかの態様では、TCRは、膜に固定するための膜貫通配列を含む。
【0775】
いくつかの態様では、dTCRは、可変αドメイン、定常αドメイン、および定常αドメインのC末端に結合した第1の二量体化モチーフを含むTCRα鎖と、可変βドメイン、定常βドメイン、および定常βドメインのC末端に結合した第1の二量体化モチーフを含むTCRβ鎖とを含み、この場合には、第1および第2の二量体化モチーフが容易に相互作用して、第1の二量体化モチーフのアミノ酸と第2の二量体化モチーフのアミノ酸の間に共有結合を形成することによりTCRα鎖とTCRβ鎖を連結する。
【0776】
いくつかの態様では、TCRはscTCRである。一般的に、scTCRは公知の方法を用いて作製することができ、例えば、Soo Hoo, W. F. et al. PNAS (USA) 89, 4759 (1992); Wuelfing, C. and Plueckthun, A., J. Mol. Biol. 242, 655 (1994); Kurucz, I. et al. PNAS (USA) 90 3830 (1993); 国際公開PCT番号WO 96/13593、WO 96/18105、WO99/60120、WO99/18129、WO 03/020763、WO2011/044186; およびSchlueter, C. J. et al. J. Mol. Biol. 256, 859 (1996)を参照されたい。いくつかの態様では、scTCRは、TCR鎖同士の会合を容易にするために導入された非天然ジスルフィド鎖間結合を含む(例えば、国際公開PCT番号WO 03/020763を参照されたい)。いくつかの態様では、scTCRは、非ジスルフィド結合型のトランケートされたTCRであり、そのC末端に融合した異種ロイシンジッパーが鎖会合を促進する(例えば、国際公開PCT番号WO99/60120を参照されたい)。いくつかの態様では、scTCRは、TCRβ可変ドメインにペプチドリンカーを介して共有結合されたTCRα可変ドメインを含む(例えば、国際公開PCT番号WO99/18129を参照されたい)。
【0777】
いくつかの態様では、scTCRは、TCRα鎖可変領域に対応するアミノ酸配列によって構成された第1のセグメント、TCRβ鎖定常ドメイン細胞外配列に対応するアミノ酸配列のN末端に融合したTCRβ鎖可変領域配列に対応するアミノ酸配列によって構成された第2のセグメント、および第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列を含む。
【0778】
いくつかの態様では、scTCRは、α鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成された第1のセグメントと、β鎖細胞外定常および膜貫通配列のN末端に融合したβ鎖可変領域配列によって構成された第2のセグメントと、任意で、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列、を含む。
【0779】
いくつかの態様では、scTCRは、β鎖細胞外定常ドメイン配列のN末端に融合したTCRβ鎖可変領域配列で構成された第1のセグメントと、α鎖細胞外定常および膜貫通配列のN末端に融合したα鎖可変領域配列によって構成された第2のセグメントと、任意で、第1のセグメントのC末端を第2のセグメントのN末端に連結するリンカー配列、を含む。
【0780】
いくつかの態様では、第1および第2のTCRセグメントを連結するscTCRのリンカーは、TCR結合特異性を保持しながら、単一のポリペプチド鎖を形成することができる任意のリンカーであり得る。いくつかの態様では、リンカー配列は、例えば、式-P-AA-P-で表すことができ、ここで、Pはプロリンであり、AAは、アミノ酸がグリシンとセリンであるアミノ酸配列を表す。いくつかの態様では、第1および第2のセグメントは、その可変領域配列がそのような結合のために正しく配向されるように対合される。それゆえ、いくつかの場合には、リンカーは、第1のセグメントのC末端と第2のセグメントのN末端の間、またはその逆の間の距離にまたがるのに十分な長さがあるが、標的リガンドへのscTCRの結合をブロックまたは低減させるほど長すぎない。いくつかの態様では、リンカーは、10~45アミノ酸または約10~45アミノ酸、例えば10~30アミノ酸または26~41アミノ酸残基、例えば29、30、31または32アミノ酸を含み得る。いくつかの態様では、リンカーは、式-PGGG-(SGGGG)5-P-を有し、ここで、Pはプロリン、Gはグリシン、Sはセリンである(SEQ ID NO:22)。いくつかの態様では、リンカーは、配列GSADDAKKDAAKKDGKS(SEQ ID NO:23)を有する。
【0781】
いくつかの態様では、scTCRは、α鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基を、β鎖の定常ドメインの免疫グロブリン領域の残基に連結する、共有ジスルフィド結合を含む。いくつかの態様では、天然TCR中の鎖間ジスルフィド結合は存在しない。例えば、いくつかの態様では、1個または複数のシステインを、scTCRポリペプチドの第1および第2のセグメントの定常領域細胞外配列に組み込むことができる。場合によっては、天然および非天然の両方のジスルフィド結合が望ましいかもしれない。
【0782】
導入された鎖間ジスルフィド結合を含むdTCRまたはscTCRのいくつかの態様では、天然のジスルフィド結合は存在しない。いくつかの態様では、天然の鎖間ジスルフィド結合を形成している天然システインの1個または複数は、セリンまたはアラニンなどの別の残基に置き換えられる。いくつかの態様では、導入されたジスルフィド結合は、第1および第2のセグメントの非システイン残基をシステインに変異させることによって形成することができる。TCRの非天然ジスルフィド結合の例は、公開された国際PCT番号WO2006/000830に記載されている。
【0783】
いくつかの態様では、TCRまたはその抗原結合フラグメントは、標的抗原に対する平衡結合定数が10-5~10-12Mまたは約10-5~10-12M(およびその間の全ての個々の値と範囲)の親和性を示す。いくつかの態様では、標的抗原はMHC-ペプチド複合体またはリガンドである。
【0784】
いくつかの態様では、α鎖およびβ鎖などのTCRをコードする核酸(複数可)は、PCR、クローニングまたは他の適切な手段で増幅して、適切な発現ベクター(複数可)にクローン化することができる。発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターとすることができ、適切な宿主を形質転換またはトランスフェクトするために使用される。適切なベクターには、増殖と拡大のために、または発現のために、またはその両方のためにデザインされたもの、例えばプラスミドおよびウイルスなど、が含まれる。
【0785】
いくつかの態様では、ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences社)、pBluescriptシリーズ(Stratagene社,LaJolla,カリフォルニア州)、pETシリーズ(Novagen社,Madison,ウィスコンシン州)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech社,Uppsala,スウェーデン)、またはpEXシリーズ(Clontech社,Palo Alto,カリフォルニア州)であり得る。場合によっては、λG10、λGT11、λZapII(Stratagene社)、λEMBL4、λNM1149などのバクテリオファージベクターも使用できる。いくつかの態様では、植物発現ベクターが使用され、pBI01、pBI101.2、pBI101.3、pBI121およびpBIN19(Clontech社)が含まれる。いくつかの態様では、動物発現ベクターには、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech社)が含まれる。いくつかの態様では、レトロウイルスベクターなどの、ウイルスベクターが使用される。
【0786】
いくつかの態様では、組換え発現ベクターは、標準的な組換えDNA技術を用いて作製することができる。いくつかの態様では、ベクターは、ベクターを導入しようとする宿主のタイプ(例えば、細菌、真菌、植物または動物)に固有の調節配列、例えば転写および翻訳の開始および終止コドンを含むことができ、必要に応じて、該ベクターがDNAベースかRNAベースかを考慮する。いくつかの態様では、ベクターは、TCRまたは抗原結合部分(または他のMHC-ペプチド結合分子)をコードするヌクレオチド配列に機能的に連結された非天然プロモーターを含むことができる。いくつかの態様では、プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、およびマウス幹細胞ウイルスの長末端反復に見られるプロモーターであり得る。その他の公知のプロモーターも考えられる。
【0787】
いくつかの態様では、T細胞クローンが得られた後、TCRαおよびβ鎖を単離して、遺伝子発現ベクターにクローニングする。いくつかの態様では、TCRαおよびβ遺伝子は、両方の鎖が共発現するように、ピコルナウイルスの2Aリボソームスキップペプチドを介して連結される。いくつかの態様では、TCRの遺伝子導入は、レトロウイルスもしくはレンチウイルスベクター、またはトランスポゾンを介して達成される(例えば、Baum et al. (2006) Molecular Therapy: The Journal of the American Society of Gene Therapy. 13:1050-1063; Frecha et al. (2010) Molecular Therapy: The Journal of the American Society of Gene Therapy. 18:1748-1757; およびHackett et al. (2010) Molecular Therapy: The Journal of the American Society of Gene Therapy. 18:674-683を参照されたい)。
【0788】
いくつかの態様では、TCRをコードするベクターを作製するために、関心対象のTCRを発現するT細胞クローンから単離された全cDNAからα鎖およびβ鎖をPCR増幅して、発現ベクターにクローニングする。いくつかの態様では、α鎖とβ鎖を同じベクターにクローニングする。いくつかの態様では、α鎖とβ鎖を異なるベクターにクローニングする。いくつかの態様では、作製されたα鎖とβ鎖は、レトロウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクターに組み込まれる。
【0789】
3. キメラ自己抗体受容体(CAAR)
いくつかの態様では、組換え受容体はキメラ自己抗体受容体(CAAR)である。いくつかの態様では、CAARは自己抗体に特異的である。いくつかの態様では、CAARを発現するように操作されたT細胞などの、CAARを発現する細胞は、正常な抗体発現細胞ではなく、自己抗体発現細胞に特異的に結合して、それを死滅させるために使用することができる。いくつかの態様では、CAAR発現細胞は、自己免疫疾患などの、自己抗原の発現に関連する自己免疫疾患を治療するために使用できる。いくつかの態様では、CAAR発現細胞は、最終的に自己抗体を産生して細胞表面に自己抗体を提示するB細胞を標的とし、これらのB細胞を治療的介入のための疾患特異的標的としてマークすることができる。いくつかの態様では、CAAR発現細胞は、抗原特異的キメラ自己抗体受容体を使用して疾患原因のB細胞を標的とすることにより、自己免疫疾患における病原性B細胞を効率的に標的とし、かつ殺傷するために使用できる。いくつかの態様では、組換え受容体は、米国特許出願公開第US 2017/0051035号に記載されるような、CAARである。
【0790】
いくつかの態様では、CAARは、自己抗体結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナル伝達領域を含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞で一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)成分のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるか、またはそれを含む。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達領域は、二次または共刺激シグナル伝達領域(二次細胞内シグナル伝達領域)を含む。
【0791】
いくつかの態様では、自己抗体結合ドメインは、自己抗原またはその断片を含む。自己抗原の選択は、標的とされる自己抗体のタイプに依存し得る。例えば、自己抗原は、それが特定の疾患状態(例えば、自己抗体媒介自己免疫疾患などの自己免疫疾患)と関連する標的細胞(例えば、B細胞)上の自己抗体を認識するので、選択され得る。いくつかの態様では、自己免疫疾患には尋常性天疱瘡(pemphigus vulgaris:PV)が含まれる。例示的な自己抗原には、デスモグレイン1(Dsg1)およびDsg3が含まれる。
【0792】
4. マルチターゲティング
いくつかの態様において、細胞および方法は、それぞれが同じまたは異なる抗原を認識し、典型的にはそれぞれが異なる細胞内シグナル伝達構成成分を含む、2種またはそれ以上の遺伝子操作された受容体を細胞上に発現させるなどのマルチターゲティング戦略を含む。そのようなマルチターゲティング戦略は、例えば、国際特許出願公開番号WO2014055668 A1(例えば、オフターゲット細胞、例えば正常細胞上には個々に存在するが、処置されるべき疾患または状態の細胞上にのみ共に存在する2種類の異なる抗原を標的とする、活性化CARと共刺激CARとの組み合わせを記載している)、およびFedorov et al., Sci. Transl. Medicine, 5(215) (December, 2013)(活性化CARおよび阻害性CARを発現する細胞、例えば、活性化CARが、正常細胞または非罹患細胞と処置されるべき疾患または状態の細胞との両方に発現されるある抗原に結合し、阻害性CARが、正常細胞または処置が望ましくない細胞にのみ発現される別の抗原に結合する細胞などを記載している)に記載されている。
【0793】
例えば、いくつかの態様において、細胞は、一般的に、第1受容体によって認識される抗原、例えば第1抗原に特異的に結合した際に、細胞に対して活性化または刺激シグナルを誘導することができる第1の遺伝子操作された抗原受容体(例えば、CARまたはTCR)を発現する受容体を含む。いくつかの態様において、細胞は、一般的に、第2受容体によって認識される第2抗原に特異的に結合した際に、免疫細胞に対して共刺激シグナルを誘導することができる第2の遺伝子操作された抗原受容体(例えば、CARまたはTCR)、例えばキメラ共刺激受容体をさらに含む。いくつかの態様において、第1抗原と第2抗原は同じである。いくつかの態様において、第1抗原と第2抗原は異なる。
【0794】
いくつかの態様において、第1および/または第2の遺伝子操作された抗原受容体(例えば、CARまたはTCR)は、細胞に対して活性化または刺激シグナルを誘導することができる。いくつかの態様において、受容体は、ITAMまたはITAM様モチーフを含有する細胞内シグナル伝達構成成分を含む。いくつかの態様において、第1受容体によって誘導される活性化は、免疫応答の開始をもたらす、細胞におけるシグナル伝達またはタンパク質発現の変化、例えばITAMリン酸化および/もしくはITAM媒介性シグナル伝達カスケードの開始など、免疫シナプスの形成および/もしくは結合した受容体の近傍での分子(例えば、CD4もしくはCD8等)のクラスター化、1種もしくは複数種の転写因子、例えばNF-κBおよび/もしくはAP-1などの活性化、ならびに/またはサイトカインなどの因子の遺伝子発現の誘導、増殖、および/もしくは生存を伴う。
【0795】
いくつかの態様において、第1および/または第2受容体は、CD28、CD137 (4-1 BB) 、OX40、および/またはICOSなどの共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、第1および2受容体は、異なる共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含む。1つの態様において、第1受容体はCD28共刺激シグナル伝達領域を含有し、第2受容体は4-1BB共刺激シグナル伝達領域を含有し、またはその逆である。
【0796】
いくつかの態様において、第1および/または第2受容体は、ITAMまたはITAM様モチーフを含有する細胞内シグナル伝達ドメインおよび共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインの両方を含む。
【0797】
いくつかの態様において、第1受容体はITAMまたはITAM様モチーフを含有する細胞内シグナル伝達ドメインを含有し、第2受容体は共刺激受容体の細胞内シグナル伝達ドメインを含有する。同じ細胞内での活性化または刺激シグナルと共刺激シグナルとの組み合わせは、免疫応答、例えば強力でかつ持続的な免疫応答など、例えば、遺伝子発現の増加、サイトカインおよび他の因子の分泌、ならびに細胞死滅などのT細胞媒介性エフェクター機能などをもたらすものである。
【0798】
いくつかの態様において、第1受容体のみの連結によっても第2受容体のみの連結によっても、強力な免疫応答は誘導されない。いくつかの局面において、一方の受容体のみが連結された場合には、細胞は寛容化する、もしくは抗原に対して応答しなくなる、または阻害される、および/または増殖するように、もしくは因子を分泌するように、もしくはエフェクター機能を実行するように誘導されない。しかしながら、いくつかのそのような態様において、第1抗原および第2抗原を発現する細胞に遭遇した際など、複数の受容体が連結された場合には、例えば、1種もしくは複数種のサイトカインの分泌、増殖、持続、および/または標的細胞の細胞傷害性死滅などの免疫エフェクター機能の実行によって示されるような、完全な免疫活性化または刺激などの望ましい応答が達成される。
【0799】
いくつかの態様において、2種類の受容体はそれぞれ、受容体の一方がその抗原に結合することで細胞が活性化されるかまたは応答が誘導され、第2の阻害性受容体がその抗原に結合することで、その応答を抑制するかまたは減衰させるシグナルが誘導されるように、細胞に対して活性化シグナルおよび阻害シグナルを誘導する。例として、活性化CARと阻害性CARまたはiCARとの組み合わせがある。このような戦略を使用することができ、例えばこの場合、活性化CARは、疾患または状態において発現されるが、正常細胞上でも発現される抗原と結合し、阻害性受容体は、正常細胞上で発現されるが、疾患または状態の細胞上では発現されない別の抗原に結合する。
【0800】
いくつかの態様では、組換え受容体を発現する細胞はさらに、疾患または症状に関連する抗原および/またはそれに固有の抗原以外の抗原を認識するCARなどの、抑制性CAR(iCAR;Fedorov et al., Sci. Transl. Medicine, 5(215) (2013)を参照)を含む;それによって、疾患標的化CARを介して送達される活性化シグナルは、抑制性CARのそのリガンドへの結合によって減少または抑制されて、例えば、オフターゲット効果を低減する。
【0801】
いくつかの態様では、前記2つの受容体は、それぞれ、細胞への活性化シグナルと抑制シグナルを誘導し、その結果、該受容体の一方がその抗原に連結すると、細胞が活性化するか、または応答が誘導されるが、他方の抑制性受容体がその抗原に連結すると、その応答を抑制または弱めるシグナルが誘導される。例は、活性化CARと抑制性CAR(iCAR)の組み合わせである。そのような戦略は、例えば、オフターゲット効果の可能性を低減するために、次のような状況下で使用され得る:すなわち、活性化CARが、疾患または症状で発現されるが正常細胞でも発現される抗原に結合し、かつ抑制性受容体が、正常細胞には発現するが疾患または症状の細胞には発現しない別の抗原に結合する状況である。
【0802】
いくつかの局面では、キメラ受容体は、抑制性CAR(例えば、iCAR)であるか、またはそれを含み、かつ細胞におけるITAMおよび/または共刺激により促進される応答などの、免疫応答を弱めるまたは抑制する細胞内成分を含む。そのような細胞内シグナル伝達成分の例は、免疫チェックポイント分子に見られるもの、例えば、PD-1、CTLA4、LAG3、BTLA、OX2R、TIM-3、TIGIT、LAIR-1、PGE2受容体、A2ARを含むEP2/4アデノシン受容体などである。いくつかの局面では、遺伝子操作された細胞は、そのような抑制性分子の、または該分子に由来するシグナル伝達ドメインを含む抑制性CARを含み、その結果、それは、例えば活性化および/または共刺激CARによって誘導される、細胞の応答を弱める働きをするようになる。
【0803】
いくつかの態様において、特定の疾患または状態と関連した抗原が、一過性に(例えば、遺伝子操作と関連した刺激時に)または恒久的に非罹患細胞上で発現され、かつ/または操作された細胞自体において発現される場合に、マルチターゲティング戦略が用いられる。そのような場合、2つの別々の、かつ個々に特異的な抗原受容体の連結を必要とすることによって、特異性、選択性、および/または有効性が改善され得る。
【0804】
いくつかの態様において、複数種の抗原、例えば第1抗原および第2抗原は、標的とされる細胞、組織、または疾患もしくは状態において、例えばがん細胞などにおいて発現される。いくつかの局面において、細胞、組織、疾患、または状態は多発性骨髄腫または多発性骨髄腫細胞である。いくつかの態様において、複数種の抗原のうちの1種または複数種は一般に、細胞療法で標的とすることが望ましくない細胞、例えば正常なもしくは非罹患の細胞もしくは組織、および/または操作された細胞自体においても発現される。そのような態様では、細胞の応答を達成するために複数種の受容体の連結を必要とすることによって、特異性および/または有効性が達成される。
【0805】
IV. 製造品およびキット
同じく提供されるものは、提供される養子細胞療法の方法に従う対象への細胞の投与ならびに細胞および組成物の貯蔵および投与のための製造品、例えばキットおよびデバイスである。
【0806】
製造品は、1つまたは複数の容器、通常は複数の容器、パッケージング材料ならびに容器および/またはパッケージング材料上の、またはそれらと関連する、一般には対象への細胞の投与のための指示を含むラベルまたはパッケージインサートを含む。
【0807】
いくつかの態様において、提供されるものは、本明細書に記載される操作された細胞のいずれかの治療有効量を含む組成物および疾患または状態を治療するための対象への投与のための指示を含む製造品および/またはキットである。いくつかの態様において、指示は、本明細書に提供される方法の要素のいくつかまたはすべてを指定することができる。いくつかの態様において、指示は、細胞療法のための細胞の投与のための具体的な指示、例えば用量、タイミング、投与対象の選択および/または身元確認ならびに投与条件を指定する。いくつかの態様において、指示は、投与のための組成物に不随するラベルまたはパッケージインサートとして含まれることができる。いくつかの態様において、指示は、投与される組成物の用量、例えばその1つまたは複数の単位用量および/またはそのような1つまたは複数の単位用量に対応する量の決定を指定する。
【0808】
容器は一般に、投与される細胞、例えばその1つまたは複数の単位用量を収容する。製造品は通常、細胞の1つの単位用量をそれぞれが収容する複数の容器を含む。単位用量は、第一の用量において対象に投与される細胞の量もしくは数または第一の用量もしくは任意の1つまたは複数の連続用量で投与される数の2倍(またはより多く)であり得る。それは、投与法と関連して対象に投与される細胞の最低用量または可能な最低用量であり得る。いくつかの態様において、単位用量は、特定の疾患もしくは状態を有する任意の対象または本明細書の方法による任意の対象に1つの用量で投与されるであろう目標範囲内の、細胞の最低数または細胞の数または基準単位の最小数または目標基準単位もしくは基準単位である。
【0809】
いくつかの態様において、単位用量中の細胞の数は、特定の対象、例えばその細胞が由来した対象に用量中で投与することが望まれる、細胞の数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、または特定の表現型のそのような細胞、例えばCD4、CD8、CCR7、CD27、CD45RA、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3から選択される1つまたは複数のマーカーを発現する、または発現しない細胞の数、パーセンテージ、比、頻度および/またはパーセンテージである。いくつかの態様において、単位用量中の細胞の数は、特定の対象、例えばその細胞が由来した対象に用量中で投与することが望まれる、細胞の数または組換え受容体-発現もしくはCAR-発現細胞の数、または特定の表現型の細胞、例えばCCR7+、CD27+、CD45RA+、CD45RA-、CD4+、CD8+、アポトーシスマーカー陰性(例えばアネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞または前記のいずれかの1つまたは複数に関して陽性または陰性である細胞の数、パーセンテージ、比、頻度および/または割合である。
【0810】
いくつかの態様において、単位用量中の細胞の数は、特定の対象、例えばその細胞が由来した対象に用量中で投与することが望まれる、細胞の数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、または特定の表現型、例えばCCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、CCR7-/CD27-/CD8+のそのような細胞;およびアポトーシスマーカー陰性(例えばアネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞の数、パーセンテージ、比および/または比率である。いくつかの態様において、細胞の所定の数は、特定の対象、例えばその細胞が由来した対象に用量中で投与することが望まれる、細胞の数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数、または特定の表現型、例えばCCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、CCR7-/CD27-/CD8+のそのような細胞;およびアポトーシスマーカー陰性(例えばアネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞および/またはそれらの任意のサブセットの数、パーセンテージ、比および/または比率を含む。いくつかの態様において、細胞は、本明細書に提供される方法によって治療される、またはそれを必要とする対象に由来したものである。
【0811】
いくつかの態様において、指示は、細胞組成物中の細胞もしくは細胞タイプの量もしくは数および/または細胞もしくは細胞タイプ、例えば個々の集団、表現型もしくはサブタイプ、例えば、アネキシンV-/CCR7+/CAR+;アネキシンV-/CCR7+/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7+/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CD27+/CAR+;アネキシンV-/CD27+/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CD27+/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7+/CD27+/CAR+;アネキシンV-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7+/CD45RA-/CAR+;アネキシンV-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7-/CD45RA-/CAR+;アネキシンV-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD8+;アネキシンV-/CCR7-/CD27-/CAR+、アネキシンV-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD4+;アネキシンV-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CD27+/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CD27+/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CD27+/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD27+/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD27+/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD45RA-/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7+/CD45RA-/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD45RA-/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD4+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD45RA-/CAR+/CD8+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD27-/CAR+;活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD4+;および/または活性化カスパーゼ3-/CCR7-/CD27-/CAR+/CD8+;またはそれらの組み合わせの表現型を有するものの頻度、比および/またはパーセンテージを指定する。
【0812】
いくつかの態様において、製造品は、C-Cケモカイン受容体タイプ7(CCR7)を発現する操作されたCD8+T細胞の所定の数、比もしくはパーセンテージおよび/またはCCR7を発現する操作されたCD4+T細胞の所定の数;および/またはCCR7を発現するCD8+T細胞および/またはCCR7を発現するCD4+T細胞の所定の比を含む細胞の単位用量を含有する。いくつかの態様において、製造品は、疾患または状態を有する対象に対し、治療組成物、任意でその1つまたは複数の単位用量および/または単位用量のそのような1つまたは複数に対応する量を投与するための指示および/または本明細書に記載される表現型のいずれかを評価するための指示および/または投与するための用量および/または単位用量の1つまたは複数に対応する量を決定するための指示を含む。特定の表現型を有するCAR+発現細胞の所定の数、比またはパーセンテージの例示的な単位用量は、本開示を通して記載されるいずれかを含む。
【0813】
いくつかの態様において、各容器は、例えば、細胞の同じまたは実質的に同じ数または組換え受容体発現もしくはCAR発現細胞の数または特定の表現型、例えばCCR7+/CD4+、CCR7+/CD8+、CD27+/CD4+、CD27+/CD8+、CD45RA+/CD4+、CD45RA+/CD8+、CCR7-/CD4+、CCR7-/CD8+、CD27-/CD4+、CD27-/CD8+、CD45RA-/CD4+、CD45RA-/CD8+、CCR7+/CD27+/CD4+、CCR7+/CD27+/CD8+、CCR7+/CD45RA-/CD4+、CCR7+/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD45RA-/CD4+、CCR7-/CD45RA-/CD8+、CCR7-/CD27-/CD4+、CCR7-/CD27-/CD8+のそのような細胞;およびアポトーシスマーカー陰性(例えばアネキシンV-またはカスパーゼ3-)細胞の数を含む、細胞の単位用量を個々に含む。いくつかの態様において、各容器は、例えば、目標基準単位の同じまたは実質的に同じ数または目標範囲内の基準単位の数を含む、細胞の単位用量を個々に含む。
【0814】
いくつかの態様において、製造品またはキットは、組換え受容体を発現する複数のCD4+T細胞を含む容器、任意でバイアルと、組換え受容体を発現する複数のCD8+T細胞を含む容器、任意でバイアルとを含む。いくつかの態様において、製造品またはキットは、組換え受容体を発現する複数のCD4+T細胞を含む容器、任意でバイアルを含み、さらに、組換え受容体を発現する複数のCD8+T細胞を同じ容器中に含む。いくつかの態様において、凍結保護物質が細胞とともに含まれる。いくつかの局面において、容器はバッグである。
【0815】
好適な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよびフレキシブルバッグ、例えば注入バッグを含む。特定の態様において、容器は、バッグ、例えばフレキシブルバッグ、例えば対象への細胞の注入に適したもの、例えばフレキシブルプラスチックもしくはPVCバッグおよび/またはIV溶液バッグである。バッグは、いくつかの態様において、細胞および組成物の無菌溶液および送達を提供するために、封止可能および/または滅菌可能である。いくつかの態様において、容器、例えばバッグは、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500もしくは1000mL;または約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500もしくは1000mL;または少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500もしくは1000mL;または少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500もしくは1000mLの容量、例えば10もしくは約10mLと100もしくは約100mLとの間、または10もしくは約10mLと500もしくは約500mLとの間の容量を有する。いくつかの態様において、容器、例えばバッグは、安定である材料である、および/または安定である材料でできている、および/または、様々な温度の1つまたは複数、例えば冷温、例えば-20℃、-80℃、-l20℃、135℃以下もしくは約-20℃、-80℃、-l20℃、135℃以下または-20℃、-80℃、-l20℃、135℃もしくは約-20℃、-80℃、-l20℃、135℃の温度、および/または凍結保存に適した温度、および/または他の温度、例えば細胞の解凍に適した温度および体温、例えば37℃もしくは約37℃で細胞の安定な貯蔵および/または維持を提供して、例えば、治療の直前に、例えば対象の居場所または治療の場所、例えばベッド脇で、解凍を可能にする。
【0816】
容器は、ガラスまたはプラスチックなど、多様な材料から形成され得る。いくつかの態様において、容器は、1つまたは複数の管への管材もしくはカニューレ挿入の接続のための、例えば静脈または他の注入のための、および/または他の容器、例えば細胞培養および/または貯蔵バッグもしくは他の容器への、および容器からの移送のための接続のための1つまたは複数のポート、例えば無菌アクセスポートを含む。例示的な容器は、注射針によって穿孔可能なストッパを有するものを含む、注入バッグ、静脈溶液バッグ、バイアルを含む。
【0817】
製造品はさらに、1つまたは複数の識別情報および/または取り扱い指示を有するパッケージインサートまたはラベルを含み得る。いくつかの態様において、情報または指示は、特定の状態または疾患を治療するために内容物を使用することができる、または使用すべきであることを示す、および/またはそのための指示を提供する。ラベルまたはパッケージインサートは、製造品の内容物が疾患または状態を治療するために使用されるべきであることを示し得る。いくつかの態様において、ラベルまたはパッケージインサートは、例えば提供される方法の態様のいずれかにしたがって、対象、例えば細胞が由来した対象を、細胞の初回用量および1つまたは複数の連続的な用量の投与を含む方法によって治療するための指示を提供する。いくつかの態様において、指示は、1つの単位用量、例えば製造品の1個の容器の内容物の初回用量の投与、次いで、指定の時点における、または指定の時間窓内の、および/または対象における1つまたは複数の因子もしくはアウトカムの存在もしくは非存在または量もしくは程度の検出後の、1つまたは複数の連続的な用量を指定する。
【0818】
いくつかの態様において、指示は、単位用量の1つまたは複数の、対象への投与を指定する。いくつかの態様において、指示は、本明細書に提供される方法を使用して決定される用量の投与を指定する。いくつかの態様において、指示は、細胞表面マーカーの発現の評価に基づいて適切な用量を決定および/または計算する方法を指定する。
【0819】
いくつかの態様において、ラベルまたはパッケージインサートもしくはパッケージングは、細胞が由来する、および/または投与される対象の身元を指示するための識別情報を含む。自家導入の場合、細胞が由来する対象の身元は、細胞が投与される対象の身元と同じである。したがって、識別情報は、細胞が特定の患者、例えば細胞が由来した患者に投与されるべきであることを指定し得る。そのような情報は、パッケージング材料および/またはラベル中にバーコードまたは他のコード化識別情報の形態で存在してもよいし、対象の氏名および/または他の識別特徴を示してもよい。
【0820】
製造品は、いくつかの態様において、細胞を含む組成物、例えばその個別単位用量形態を収容する1つまたは複数の、通常は複数の容器を含み、さらに、1つまたは複数のさらなる容器を、細胞と合わせて、例えば同時または任意の順序で順に投与されるさらなる作用物質、例えば細胞傷害性または他の治療物質を含む、その中に収容された組成物とともに含む。代替的または追加的に、製造品はさらに、薬学的に許容される緩衝液を含む別の容器または同じ容器を含み得る。製造品はさらに、他の物質、例えば他の緩衝液、希釈剤、フィルター、管材、針および/またはシリンジを含んでもよい。
【0821】
語「パッケージインサート」は、そのような治療製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、併用療法、禁忌および/または注意に関する情報を含む、治療製品の販売用パッケージに慣例的に含まれる指示を指すために使用される。
【0822】
いくつかの態様において、製造品および/またはキットはさらに、生物学的試料、例えば投与の候補である、または治療を施されたことがある対象からの生物学的試料をアッセイするための1つまたは複数の試薬と、任意で、試薬またはアッセイの取り扱い指示と含む。いくつかの態様において、製造品および/またはキットは、特定の表現型マーカー、例えばCD4、CD8、CCR7、CD27および/またはCD45RAならびにアポトーシスを示す特定のマーカー、例えばアネキシンVおよび/またはカスパーゼ3切断のレベルを計測するための試薬と、計測のための指示とを含む。いくつかの態様において、生物学的試料は、血液、血漿もしくは血清試料である、またはそれから得られる。いくつかの態様において、試薬は、細胞療法の施与の前または細胞療法の施与の後で、例えば、対象を識別する、および/または治療アウトカムおよび/または毒性を評価するための診断目的に使用することができる。例えば、いくつかの態様において、製造品および/またはキットはさらに、特定の細胞表面マーカーまたは毒性と関連する他のマーカーのレベルを計測するための試薬と、計測のための指示とを含む。いくつかの態様において、試薬は、細胞表面マーカーまたは他のマーカーを計測するためのインビトロアッセイ、例えばイムノアッセイ、アプタマーベースのアッセイ、組織学的もしくは細胞学的アッセイまたはmRNA発現レベルアッセイを実施するための構成要素を含む。いくつかの態様において、インビトロアッセイは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、イムノブロッティング、免疫沈降法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫染色法、フローサイトメトリーアッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)、化学発光アッセイ、ラテラルフローイムノアッセイ、阻害アッセイおよびアビディティーアッセイから選択される。いくつかの局面において、試薬は、細胞表面マーカーまたは他のマーカーに特異的に結合する結合試薬である。場合によっては、結合試薬は、抗体もしくはその抗原結合フラグメント、アプタマーまたは核酸プローブである。いくつかの態様において、試薬は、CD4、CD8、CCR7、CD27、CD45RA、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3などのマーカーの発現および/または存在を検出するための試薬を含む。
【0823】
V. 定義
特に定義されない限り、本明細書で用いられる専門用語、表記、ならびに他の技術用語および科学用語または用語法は全て、特許請求される主題が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有することが意図される。場合によっては、一般に理解されている意味を有する用語を、明確にするためにおよび/またはすぐに参照できるように本明細書において定義するが、本明細書にそのような定義を含めることは、当技術分野において一般に理解されているものとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。
【0824】
本明細書で用いられる場合、単数形「1つの (a)」、「1つの (an)」、および「その」は、特に文脈によって明白に指示されていない限り、その対象物の複数形も含む。例えば、「1つの (a)」または「1つの (an)」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味する。本明細書に記載される局面および変形は、局面および変形「からなる」ならびに/または局面および変形「から本質的になる」を含むと理解される。
【0825】
本開示を通して、特許請求される主題の様々な局面は、範囲形式で提示される。範囲形式での記載は、単に便宜上および簡潔化のためであり、特許請求される主題の範囲に対する確固たる限定として解釈されるべきでないことが、理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、可能な部分範囲およびその範囲内の個々の数値を全て具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、ある値域が提供される場合、その範囲の上限値と下限値の間の各介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が、特許請求される主題内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、独立的にそのより小さな範囲内に含まれてよく、これらもまた、規定範囲における任意の具体的に除外される限界値に従って、特許請求される主題内に包含される。規定範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それら含まれた限界値の一方または両方を除外する範囲もまた、特許請求される主題内に含まれる。このことは、範囲の幅とは無関係に適用される。
【0826】
本明細書で用いられる「約」という用語は、当業者にとっては明白な、各値に関する通常の誤差範囲を指す。本明細書において「約」のついた値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータそのものに向けられた態様を含む(および記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は「X」の記載を含む。
【0827】
本明細書で使用する場合、ヌクレオチドまたはアミノ酸の位置が、配列表に示されるような開示された配列中のヌクレオチドまたはアミノ酸の位置に「対応する」という記載は、GAPアルゴリズムなどの標準的なアラインメントアルゴリズムを用いて同一性を最大化するように開示された配列とアラインメントさせたときに同定される、ヌクレオチドまたはアミノ酸の位置を指す。配列同士をアラインメントさせることにより、当業者は、例えば保存された同一のアミノ酸残基をガイドとして用いて、対応する残基を同定することができる。一般的に、対応する位置を同定するために、アミノ酸の配列は、最上位のマッチが得られるようにアラインメントされる(例えば、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W.編, Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G.編, Humana Press, New.Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; およびSequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J.編, M Stockton Press, New York, 1991; Carrillo et al. (1988) SIAM J Applied Math 48: 1073を参照されたい)。
【0828】
本明細書で用いられる「ベクター」という用語は、それが連結されている別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。本用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、およびそれが導入された宿主細胞のゲノム中に組み込まれたベクターを含む。ある特定のベクターは、それらが機能的に連結されている核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、本明細書において「発現ベクター」と称される。ベクターには、ウイルスベクター、例えばガンマレトロウイルスベクターといったレトロウイルスベクターおよびレンチウイルスベクターなどが含まれる。
【0829】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、および「宿主細胞培養物」という用語は互換的に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫も含む。宿主細胞には「形質転換体」および「形質転換細胞」が含まれ、これには初代形質転換細胞、および継代数に関係なくそれらに由来する子孫が含まれる。子孫は、核酸の内容が親細胞と完全に一致していなくてもよく、変異を含有してもよい。元の形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異体子孫も、本明細書に含まれる。
【0830】
本明細書で用いられる場合、細胞または細胞の集団が特定マーカーに関して「陽性」であるという記述は、特定マーカー、典型的には表面マーカーが、細胞上または細胞中に検出可能な程度に存在することを指す。表面マーカーに言及する場合、本用語は、フローサイトメトリーによって、例えばマーカーに特異的に結合する抗体で染色し該抗体を検出することによって、検出される表面発現の存在を指し、この場合、染色は、アイソタイプ一致対照を他の点では同一の条件下で用いて同じ手順を行って検出される染色を実質的に上回るレベルで、および/またはそのマーカーに関して陽性であることが公知である細胞のレベルと実質的に類似するレベルで、および/またはそのマーカーに関して陰性であることが公知である細胞のレベルよりも実質的に高いレベルで、フローサイトメトリーによって検出可能である。
【0831】
本明細書で用いられる場合、細胞または細胞の集団が特定マーカーに関して「陰性」であるという記述は、特定マーカー、典型的には表面マーカーが、細胞上または細胞中に実質的に検出可能な程度に存在しないことを指す。表面マーカーに言及する場合、本用語は、フローサイトメトリーによって、例えばマーカーに特異的に結合する抗体で染色し該抗体を検出することによって、検出される表面発現の非存在を指し、この場合、染色は、アイソタイプ一致対照を他の点では同一の条件下で用いて同じ手順を行って検出される染色を実質的に上回るレベルで、および/またはそのマーカーに関して陽性であることが公知である細胞のレベルよりも実質的に低いレベルで、および/またはそのマーカーに関して陰性であることが公知である細胞のレベルと比較して実質的に類似するレベルで、フローサイトメトリーによって検出されない。
【0832】
本明細書で使用する場合、アミノ酸配列(参照ポリペプチド配列)に関して使用するときの「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」および「同一性パーセント」とは、配列をアラインメントさせて、必要に応じて、最大の配列同一性パーセントを達成するためにギャップを導入した後、保存的置換を配列同一性の一部とみなさないで、参照ポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列(例えば、対象の抗体またはフラグメント)のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、当業者の技能の範囲内にある様々な方法で、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR社)ソフトウェアなどの公開されているコンピュータソフトウェアを使用して、達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされるアルゴリズムを含めて、配列をアラインメントするための適切なパラメータを決定することができる。
【0833】
アミノ酸の置換は、ポリペプチド中のあるアミノ酸を別のアミノ酸で置き換えることを含む。置換は、保存的アミノ酸置換であっても、非保存的アミノ酸置換であってもよい。アミノ酸の置換は、対象となる結合分子(例えば抗体)に導入されるか、または所望の活性(例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下、またはADCCもしくはCDCの改善)についてスクリーニングされる産物に導入することができる。
【0834】
アミノ酸は一般に、次の共通の側鎖特性に従ってグループに分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖の向きに影響を与える残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0835】
いくつかの態様では、保存的置換には、これらのクラスのうちのあるクラスのメンバーを同じクラスの別のメンバーと交換することが含まれる。いくつかの態様では、非保存的アミノ酸置換には、これらのクラスのうちのあるクラスのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することが含まれる。
【0836】
本明細書で使用する場合、組成物は、細胞を含めて、2つ以上の産物、物質、または化合物の任意の混合物を指す。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0837】
本明細書で使用する場合、「対象」は、哺乳動物、例えばヒトまたは他の動物であり、典型的にはヒトである。
【0838】
VI. 例示的態様
提供される態様には以下が含まれる:
1. 組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、前記治療用組成物。
2. 前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも50%、または少なくとも約50%、または50%、または約50%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、態様1記載の治療用組成物。
3. 前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも60%、または少なくとも約60%、または60%、または約60%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、態様1記載の治療用組成物。
4. 前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも70%、または少なくとも約70%、または70%、または約70%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、態様1記載の治療用組成物。
5. 前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも80%、または少なくとも約80%、または80%、または約80%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、態様1記載の治療用組成物。
6. 前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+およびCD4+のT細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;ならびに/あるいは
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
態様1~5のいずれか一項記載の治療用組成物。
7. 組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数のまたは該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+およびCD4+のT細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD4+T細胞を含むかまたは該細胞からなる;ならびに/あるいは
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
前記治療用組成物。
8. 前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CCR7について表面陽性である、態様1~7のいずれか記載の治療用組成物。
9. 前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CD27について表面陽性である、態様1~7のいずれか記載の治療用組成物。
10. 前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CCR7およびCD27について表面陽性である、態様1~7のいずれか記載の治療用組成物。
11. 1つまたは複数の単位用量の細胞を含む、態様1~10のいずれか記載の治療用組成物。
12. 前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;および/あるいは
前記単位用量または前記組成物が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、
態様1~11のいずれか記載の治療用組成物。
13. 前記組成物または前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様1~12のいずれか記載の治療用組成物。
14. 前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様1~13のいずれか記載の治療用組成物。
15. 組成物もしくは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または組成物もしくは単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは組成物もしくは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または組成物もしくは単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、態様1~14のいずれか記載の組成物。
16. 細胞の単位用量または組成物が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様1~15のいずれか記載の組成物。
17. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCD27および/またはCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様16記載の組成物。
18. 規定の数の細胞が、さらに、CD27および/またはCD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらに、CD27+またはCD45RA-の細胞である、態様16または17記載の組成物。
19. 細胞の単位用量または組成物が、規定の比の受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様1~15のいずれか記載の組成物。
20. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCCR7および/またはCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様19記載の組成物。
21. 規定の数の細胞が、さらに、CCR7および/またはCD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらに、CCR7+またはCD45RA-の細胞である、態様19または20記載の組成物。
22. 細胞の単位用量または組成物が、規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様1~21のいずれか記載の組成物。
23. 細胞の単位用量または組成物が、規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様1~21のいずれか記載の組成物。
24. 単位用量もしくは組成物中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量もしくは組成物中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、態様1~23のいずれか記載の組成物。
25. 組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む、態様1~24のいずれか記載の組成物。
26. 組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、態様1~24のいずれか記載の組成物。
27. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、態様1~26のいずれか記載の組成物。
28. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しないこのような細胞の総数であるおよび/またはアポトーシスマーカー陰性(-)であるこのような細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、態様1~27のいずれか記載の組成物。
29. 組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはそれを含む、態様1~28のいずれか記載の組成物。
30. 組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、態様1~29のいずれか記載の組成物。
31. 疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、態様30記載の組成物。
32. 標的抗原が、腫瘍抗原である、態様30または31記載の組成物。
33. 標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソセリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、態様30~32のいずれか記載の組成物。
34. 組換え受容体が、機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメントであるかまたはそれを含む、態様1~33のいずれか記載の組成物。
35. 組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、態様1~34のいずれか記載の組成物。
36. 組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、態様1~35のいずれか記載の組成物。
37. 抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、態様36記載の組成物。
38. フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、態様37記載の組成物。
39. フラグメントが、scFvを含む、態様37または38記載の組成物。
40. 組換え受容体が、細胞内シグナル伝達領域を含む、態様1~39のいずれか記載の組成物。
41. 細胞内シグナル伝達領域が、細胞内シグナル伝達ドメインを含む、態様40記載の組成物。
42. 細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様41記載の組成物。
43. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む、態様42記載の組成物。
44. 組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、態様40~43のいずれか記載の組成物。
45. 細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、態様40~44のいずれか記載の組成物。
46. 共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様45記載の組成物。
47. 共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、態様45または46記載の組成物。
48. 共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、態様45~47のいずれか記載の組成物。
49. T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、態様1~48のいずれか記載の組成物。
50. T細胞が、対象に対して自己である、態様1~49のいずれか記載の組成物。
51. T細胞が、対象に対して同種である、態様1~50のいずれか記載の組成物。
52. 態様1~51のいずれか記載の組成物を含む容器と、
疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
53. 1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1つまたは複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する(任意で表面発現する)組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記容器と;
疾患または状態を有する対象に、治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
54. 1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1つまたは複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する(任意で表面発現する)組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記容器と;
疾患または状態を有する対象に、治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
55. 細胞の単位用量が、態様1~51のいずれか記載の組成物を含む、態様53または54記載の製造品。
56. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CCR7+細胞を含む、態様53~55のいずれか記載の製造品。
57. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CD27+細胞を含む、および/または細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CD27+細胞を含む、態様53~55のいずれか記載の製造品。
58. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む;および/あるいは
単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、態様52~57のいずれか記載の製造品または組成物。
59. 単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様52~58のいずれか記載の製造品。
60. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様52~59のいずれか記載の製造品。
61. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、態様52~60のいずれか記載の製造品。
62. 細胞の単位用量または組成物が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様51~56および58~61のいずれか記載の製造品。
63. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCD27および/またはCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様62記載の製造品。
64. 規定の数の細胞が、さらに、CD27および/またはCD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらに、CD27+またはCD45RA-の細胞である、態様62または63記載の製造品。
65. 細胞の単位用量または組成物が、規定の比の受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様51~55および57~61のいずれか記載の製造品。
66. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCCR7および/またはCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様65記載の製造品。
67. 規定の数の細胞が、さらに、CCR7および/またはCD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらに、CCR7+またはCD45RA-の細胞である、態様65または66記載の製造品。
68. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様51~67のいずれか記載の製造品。
69. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様51~67のいずれか記載の製造品。
70. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、態様51~69のいずれか記載の製造品。
71. 1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1または複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む容器と;
疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
72. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様63、64、および66~71のいずれか記載の製造品。
73. 細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様63、64、および66~71のいずれか記載の製造品。
74. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様63、64、および66~73のいずれか記載の製造品。
75. 単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様63、64、および66~74のいずれか記載の製造品。
76. 単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様63、64、および66~75のいずれか記載の製造品。
77. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様63、64、および66~76のいずれか記載の製造品。
78. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、態様63、64、および66~77のいずれか記載の製造品。
79. 細胞の単位用量が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様63、64、および66~78のいずれか記載の製造品。
80. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様79記載の製造品。
81. 規定の数の細胞が、さらに、CD45RAを発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらに、CD45RA-細胞である、態様79または80記載の製造品。
82. 任意で同じ方法に従って産生された複数の物品または単位用量の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、態様52、53、55、56、58~64、および66~81のいずれか記載の製造品。
83. 組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む、態様52~82のいずれか記載の製造品。
84. 組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、態様52~83のいずれか記載の製造品または組成物。
85. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、態様52~84のいずれか記載の製造品。
86. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しないこのような細胞の総数であるおよび/またはアポトーシスマーカー陰性(-)であるこのような細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、態様52~85のいずれか記載の製造品。
87. 複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与することが指示書に明記されている、態様52~86のいずれか記載の製造品。
88. 複数の別個の組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、態様87記載の製造品。
89. 第一の組成物が、CD8+T細胞を含む、態様88記載の製造品。
90. 第一の組成物が、CD4+T細胞を含む、態様88記載の製造品。
91. CD8+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、2時間以内あけて、1時間以内あけて、30分間以内あけて、15分間以内あけて、10分間以内あけて、もしくは5分間以内あけて、または同時に投与することが指示書に明記されている、態様88~90のいずれか記載の製造品。
92. CD8+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4+細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与することが指示書に明記されている、態様88~91のいずれか記載の製造品。
93. CD4+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8+細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与することが指示書に明記されている、態様88~92のいずれか記載の製造品。
94. 組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはそれを含む、態様52~93のいずれか記載の製造品。
95. 組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、態様1~94のいずれか記載の製造品または組成物。
96. 疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、態様95記載の製造品または組成物。
97. 標的抗原が、腫瘍抗原である、態様95または96記載の製造品または組成物。
98. 標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、短縮型上皮成長因子タンパク質(tEGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソセリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、態様95~97のいずれか記載の製造品または組成物。
99. 組換え受容体が、機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメントであるかまたはそれを含む、態様1~98のいずれか記載の製造品または組成物。
100. 組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、態様1~99のいずれか記載の製造品または組成物。
101. 組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、態様1~100のいずれか記載の製造品または組成物。
102. 抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、態様101記載の製造品または組成物。
103. フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、態様102記載の製造品または組成物。
104. フラグメントが、scFvを含む、態様102または103記載の製造品または組成物。
105. 組換え受容体が、細胞内シグナル伝達領域を含む、態様1~104のいずれか記載の製造品または組成物。
106. 細胞内シグナル伝達領域が、細胞内シグナル伝達ドメインを含む、態様105記載の製造品または組成物。
107. 細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様106記載の製造品または組成物。
108. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む、態様107記載の製造品または組成物。
109. 組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、態様1~108のいずれか記載の製造品または組成物。
110. 細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、態様1~109のいずれか記載の製造品または組成物。
111. 共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様110記載の製造品または組成物。
112. 共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、態様110または111記載の製造品または組成物。
113. 共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、態様110~112のいずれか記載の製造品または組成物。
114. T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、態様1~113のいずれか記載の製造品または組成物。
115. T細胞が、対象に対して自己である、態様1~114のいずれか記載の製造品または組成物。
116. T細胞が、対象に対して同種である、態様1~114のいずれか記載の製造品または組成物。
117. 疾患または状態を有する対象に、1もしくは複数の単位用量の態様1もしくは7記載の治療用組成物または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+T細胞を含む治療用組成物、および/あるいはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、任意で、
細胞の単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ/あるいは
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、処置方法。
118. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+細胞を含む、態様117記載の方法。
119. 細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CCR7+細胞を含む、態様117記載の方法。
120. 疾患または状態を有する対象に、1もしくは複数の単位用量の態様1もしくは7記載の治療用組成物または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+T細胞を含む治療用組成物、および/あるいはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、任意で、
細胞の単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ/あるいは
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCD27を発現する細胞(CD27+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する方法。
121. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CD27+細胞を含む、態様120記載の方法。
122. 細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CD27+細胞を含む、態様120記載の方法。
123. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、態様117~122のいずれか記載の方法。
124. 単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、態様117~123のいずれか記載の方法。
125. 単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様117~124のいずれか記載の方法。
126. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様117~125のいずれか記載の方法。
127. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、態様117~126のいずれか記載の方法。
128. 細胞の単位用量が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様117~119および123~127のいずれか記載の方法。
129. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCD27および/またはCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様117~119および123~128のいずれか記載の方法。
130. 細胞の単位用量が、規定の比の受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様120~127のいずれか記載の方法。
131. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCCR7および/またはCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様120~127および130のいずれか記載の方法。
132. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様131記載の方法。
133. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-である、態様129、131、または132のいずれか記載の方法。
134. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様131記載の方法。
135. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、態様129、131、または132のいずれか記載の方法。
136. 疾患または状態を有する対象に、1または複数の単位用量の態様1または7記載の組成物を投与する工程を含む、処置方法。
137. 細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ
方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、態様136記載の方法。
138. 疾患または状態を有する対象に、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/もしくはCD4+T細胞を含む治療用組成物ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、
細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、処置方法。
139. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様129および131~138のいずれか記載の方法。
140. 細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様129および131~138のいずれか記載の方法。
141. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様129および131~140のいずれか記載の方法。
142. 単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様129および131~141のいずれか記載の方法。
143. 単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様129および131~142のいずれか記載の方法。
144. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞;および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様129および131~143のいずれか記載の方法。
145. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、態様129および131~144のいずれか記載の方法。
146. 細胞の単位用量が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様129および131~145のいずれか記載の方法。
147. 規定の数または比が、さらに、細胞上のCD45RAの発現または発現の非存在に基づく、態様129および131~146のいずれか記載の方法。
148. 規定の数の細胞が、CD45RAをさらに発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらにCD45RA-細胞である、態様129および131~147のいずれか記載の方法。
149. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む、態様117~148のいずれか記載の方法。
150. 単位用量が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、態様117~149のいずれか記載の方法。
151. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、態様117~150のいずれか記載の方法。
152. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しないこのような細胞の総数であるおよび/またはアポトーシスマーカー陰性(-)であるこのような細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、態様117~151のいずれか記載の方法。
153. 複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与する工程を含む、態様117~152のいずれか記載の方法。
154. 複数の別個の組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、態様117~153のいずれか記載の方法。
155. 第一の組成物が、CD8+T細胞を含む、態様154記載の方法。
156. 第一の組成物が、CD4+T細胞を含む、態様154記載の方法。
157. CD8+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、2時間以内あけて、1時間以内あけて、30分間以内あけて、15分間以内あけて、10分間以内あけて、もしくは5分間以内あけて、または同時に投与する工程を含む、態様154~156のいずれか記載の方法。
158. CD8+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4+細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、態様154~157のいずれか記載の方法。
159. CD4+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8+細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、態様154~158のいずれか記載の方法。
160. 組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはそれを含む、態様117~159のいずれか記載の方法。
161. 組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、態様117~160のいずれか記載の方法。
162. 疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、態様161記載の方法。
163. 標的抗原が、腫瘍抗原である、態様161または162記載の方法。
164. 標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソセリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、態様161~163のいずれか記載の方法。
165. 組換え受容体が、機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメントであるかまたはそれを含む、態様117~164のいずれか記載の方法。
166. 組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、態様117~165のいずれか記載の方法。
167. 組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、態様117~166のいずれか記載の方法。
168. 抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、態様167記載の方法。
169. フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、態様168記載の方法。
170. フラグメントが、scFvを含む、態様168または169記載の方法。
171. 組換え受容体が、細胞内シグナル伝達領域を含む、態様117~161のいずれか記載の方法。
172. 細胞内シグナル伝達領域が、細胞内シグナル伝達ドメインを含む、態様171記載の方法。
173. 細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様172記載の方法。
174. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む、態様173記載の方法。
175. 組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、態様117~174のいずれか記載の方法。
176. 細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、態様117~175のいずれか記載の方法。
177. 共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様176記載の方法。
178. 共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、態様176または177記載の方法。
179. 共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、態様176~178のいずれか記載の方法。
180. T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、態様117~179のいずれか記載の方法。
181. T細胞が、対象に対して自己である、態様117~180のいずれか記載の方法。
182. T細胞が、対象に対して同種である、態様117~180のいずれか記載の方法。
183. (a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7を発現するT細胞(受容体+/CCR7+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;
(b)受容体+/CCR7+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
184. (a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)受容体+/CCR7+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
185. (a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7および/またはCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+および/または受容体+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、該組成物の全てまたは一部、および任意で別の溶液を容器に充填する工程であって、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞、あるいは規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法。
186. T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
187. T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
188. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+細胞を含む、態様184~187のいずれか記載の方法。
189. 細胞の単位用量が、規定の数のCD4+/CCR7+細胞を含む、態様184~188のいずれか記載の方法。
190. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、態様184~189のいずれか記載の方法。
191. 単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CD27+細胞を含む、態様184~180のいずれか記載の方法。
192. 単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様184~191のいずれか記載の方法。
193. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞または総受容体+/CD8+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞または総受容体+/CD4+/CD27+を含む、態様184~192のいずれか記載の方法。
194. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+であるか;あるいは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である、態様184~193のいずれか記載の方法。
195. 細胞の単位用量が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様184~194のいずれか記載の方法。
196. 単位用量が、規定の数の、CD27および/もしくはCD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、規定の数の、CD27+またはCD45RA-細胞を含む細胞をさらに含む、態様184~195のいずれか記載の方法。
197. 治療用組成物におけるCD27および/もしくはCD45RAを発現するかまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD27+またはCD45RA-であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を判断する工程をさらに含む、態様184~196のいずれか記載の方法。
198. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様196または197記載の方法。
199. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様196または197記載の方法。
200. 前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-である、態様196~199のいずれか記載の方法。
201. (a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;
(b)受容体+/CCR7+/CD27+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
202. (a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+および/またはCD4+T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+/CD27+)の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、組成物の全てまたは一部、および任意で別の溶液を容器に充填する工程であって、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法。
203. T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
204. 細胞の単位用量が規定の数のCD8+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様201~203のいずれか記載の方法。
205. 細胞の単位用量が規定の数のCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様201~203のいずれか記載の方法。
206. 前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD8+細胞(受容体+/CD8+細胞)、もしくは組換え受容体を発現する総CD4+細胞(受容体+/CD4+細胞)、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、もしくは総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様201~205のいずれか記載の方法。
207. 前記単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、もしくは約5×105以下の総受容体+/CD8+細胞、もしくは総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、もしくは総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様201~206のいずれか記載の方法。
208. 前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様201~207のいずれか記載の方法。
209. 前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/あるいは3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様201~208のいずれか記載の方法。
210. 前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、態様201~209のいずれか記載の方法。
211. 細胞の単位用量が、規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様201~210のいずれか記載の方法。
212. 前記単位用量が、CD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD45RA-細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、態様201~211のいずれか記載の方法。
213. 治療用組成物において、CD45RAを発現するかまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD45RA-であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する工程をさらに含む、態様201~212のいずれか記載の方法。
214. i)対象からの生物学的試料から、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を含むインプット組成物を提供する工程;
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程;ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、前記方法。
215. 組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドをインプット組成物に導入する工程を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
該インプット組成物が、対象からの生物学的試料から提供される、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を含み、かつ、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることによって、該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物が刺激され、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらし;ならびに
該方法が、規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、
前記方法。
216. i)対象から得られた生物学的試料から、目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を単離し、それにより、インプット組成物を生成する工程;
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程;ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、前記方法。
217. 組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドをインプット組成物に導入する工程を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
該インプット組成物が、目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を、対象から得られた生物学的試料から単離することによって生成され、かつ、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることによって、該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物が刺激され、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらし;ならびに
該方法が、規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体+)CD8+T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD8+T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体+/CD4+T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、
前記方法。
218. 前記インプット組成物が、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞を含む、態様214~217のいずれか記載の方法。
219. 前記インプット組成物が、目標パーセンテージのCD4+/CCR7+、CD4+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD27+、CD4+/CCR7+/CD45RA-、CD4+/CCR7+/CD45RA+、CD8+/CCR7+、CD8+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD27+、CD8+/CCR7+/CD45RA-、および/またはCD8+/CCR7+/CD45RA+の細胞を含む、態様214~217のいずれか記載の方法。
220. 前記アウトプット組成物が、
規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+の細胞と受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+の細胞;または
規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+、受容体+/CD8+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA+の細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+、受容体+/CD4+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA+の細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞
を含む、態様214~219のいずれか記載の方法。
221. 疾患または状態を有する対象に投与するためのT細胞組成物の1つまたは複数の単位用量を決定する工程をさらに含み、該単位用量が、
規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞;
規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞;あるいは
規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8+T細胞(受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4+T細胞(受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、ならびに/または規定の比の、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/もしくは受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞
を含むアウトプット組成物の全てまたは一部を含む、態様214~219のいずれか記載の方法。
222. 細胞の単位用量が、規定の数のCD8+/CCR7+細胞、CD4+/CCR7+細胞、CD8+/CD27+細胞、CD4+/CD27+細胞、CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/またはCD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様221記載の方法。
223. 前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+細胞、または総受容体+/CD4+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+細胞、総受容体+/CD4+/CCR7+細胞、総受容体+/CD8+/CD27+細胞、総受容体+/CD4+/CD27+細胞、総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様221または222に記載の方法。
224. 単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+;および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および/または少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様221~223のいずれか記載の方法。
225. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD8+/CD27+細胞;および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+細胞もしくは総受容体+/CD4+/CD27+、および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および/または3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、態様221~224のいずれか記載の方法。
226. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+または受容体+/CD8+/CD27+である;および/あるいは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+または受容体+/CD4+/CD27+である;および/あるいは単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、態様221~225のいずれか記載の方法。
227. 細胞の単位用量が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である;および/あるいは規定の比の受容体+/CD8+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である;および/あるいは規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、態様221~226のいずれか記載の方法。
228. 単位用量が、規定の数の、CD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、規定の数の、CD45RA-細胞を含む細胞をさらに含む、態様221~227のいずれか記載の方法。
229. 細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞および/または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞を含む、態様228記載の方法。
230. 単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-または受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-である、態様221~229のいずれか記載の方法。
231. 提供または単離の前に、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8+T細胞、および/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4+T細胞の数、体積あたりの数、重量あたりの数、および/またはパーセンテージを決定する工程を含む、態様214~230のいずれか記載の方法。
232. 1種または複数種の刺激剤が、T細胞、CD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞を活性化することができる;TCR複合体を通してシグナルを誘導することができる;ならびに/またはT細胞、CD4+T細胞および/もしくはCD8+T細胞の増殖を誘導することができる、態様214~231のいずれか記載の方法。
233. 1種または複数種の刺激剤が、TCR複合体のメンバーに結合する、任意で、CD3に特異的に結合する一次作用物質を含む、態様214~232のいずれか記載の方法。
234. 1種または複数種の刺激剤が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質をさらに含む、態様233記載の方法。
235. 共刺激分子が、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSからなる群より選択される、態様234記載の方法。
236. 一次作用物質および二次作用物質が、抗体を含み、任意で、1種または複数種の刺激剤が、抗CD3抗体および抗CD28抗体と共にインキュベートすることを含む、態様234または235に記載の方法。
237. 1種または複数種の刺激剤が、固体支持体、任意でビーズの表面上に存在する、態様214~236のいずれか記載の方法。
238. 1種または複数種の刺激剤が、CD3結合分子;CD28結合分子;組換えIL-2;組換えIL-15;および組換えIL-7、抗原受容体によって特異的に認識される抗原を含むワクチン、および抗原受容体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、態様214~237のいずれか記載の方法。
239. 治療用組成物が、態様1記載の組成物である、態様183~238のいずれか記載の方法。
240. 疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を投与する工程をさらに含む、態様183~239のいずれか記載の方法。
241. 方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7+細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、態様183~240のいずれか記載の方法。
242. 単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、組換え受容体を発現する総CD3+細胞(受容体+/CD3+細胞)または総CD3+細胞を含む、態様183~241のいずれか記載の方法。
243. 単位用量が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、態様183~242のいずれか記載の方法。
244. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、態様183~243のいずれか記載の方法。
245. CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数、受容体+/CD8+細胞の総数、受容体+/CD4+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+細胞の総数、受容体+/CD8+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、受容体+/CD8+/CCR7+/CD45RA-細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD45RA-細胞が、アポトーシスマーカーを発現しないこのような細胞の総数であるおよび/またはアポトーシスマーカー陰性(-)であるこのような細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、態様183~224のいずれか記載の方法。
246. 複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与する工程を含む、態様240~245のいずれか記載の方法。
247. 複数の別個の組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、態様246記載の方法。
248. 第一の組成物が、CD8+T細胞を含む、態様247記載の方法。
249. 第一の組成物が、CD4+T細胞を含む、態様247記載の方法。
250. CD8+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、2時間以内あけて、1時間以内あけて、30分間以内あけて、15分間以内あけて、10分間以内あけて、もしくは5分間以内あけて、または同時に投与する工程を含む、態様247~249のいずれか記載の方法。
251. CD8+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4+細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、態様247~250のいずれか記載の方法。
252. CD4+T細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8+細胞またはその1もしくは複数の単位用量および/またはこのような1もしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、態様247~250のいずれか記載の方法。
253. 組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはそれを含む、態様183~252のいずれか記載の方法。
254. 組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、態様183~253のいずれか記載の方法。
255. 疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、態様254記載の方法。
256. 標的抗原が、腫瘍抗原である、態様254または255記載の方法。
257. 標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD138、CD171、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFR vIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、胎児アセチルコリン受容体(胎児AchR)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、メソセリン、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、態様254~256のいずれか記載の方法。
258. 組換え受容体が、機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメントであるかまたはそれを含む、態様183~257のいずれか記載の方法。
259. 組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、態様183~258のいずれか記載の方法。
260. 組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメインを含む、態様183~259のいずれか記載の方法。
261. 抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、態様260記載の方法。
262. フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、態様261記載の方法。
263. フラグメントが、scFvを含む、態様261または262記載の方法。
264. 組換え受容体が、細胞内シグナル伝達領域を含む、態様183~263のいずれか記載の方法。
265. 細胞内シグナル伝達領域が、細胞内シグナル伝達ドメインを含む、態様264記載の方法。
266. 細胞内シグナル伝達ドメインが、一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメインであるかまたはそれを含む、態様265記載の方法。
267. 細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分であるかまたはそれを含む、態様266記載の方法。
268. 組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、態様183~267のいずれか記載の方法。
269. 細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、態様183~268のいずれか記載の方法。
270. 共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、態様269記載の方法。
271. 共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、態様259または270記載の方法。
272. 共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、態様269~271のいずれか記載の方法。
273. T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、態様183~272のいずれか記載の方法。
274. T細胞が、対象に対して自己である、態様183~273のいずれか記載の方法。
275. T細胞が、対象に対して同種である、態様183~274のいずれか記載の方法。
276. 態様183~275のいずれか記載の方法によって産生される、アウトプット組成物。
277. 態様201~213および221~276のいずれか記載の方法によって決定または産生される、単位用量。
278. 態様277記載の単位用量を含む、薬学的組成物。
279. 薬学的担体をさらに含む、態様278記載の薬学的組成物。
280. 態様276記載のアウトプット組成物、態様277記載の単位用量、または態様278もしくは279記載の薬学的組成物の全てまたは一部を哺乳類対象に投与する工程を含む、処置方法。
281. がんを処置するための、態様276記載のアウトプット組成物、態様277記載の単位用量、または態様278もしくは279記載の薬学的組成物の全てまたは一部の使用。
282. がんを処置するための医薬の製造における、態様276記載のアウトプット組成物、態様277記載の単位用量、または態様278もしくは279記載の薬学的組成物の全てまたは一部の使用。
283. がんの処置において使用するための、態様276記載のアウトプット組成物、態様277記載の単位用量、または態様278もしくは279記載の薬学的組成物。
【実施例0839】
VII. 実施例
以下の実施例は、例証を目的としてのみ含まれ、本発明の範囲を限定する意図はない。
【0840】
実施例1 抗CD19 CAR発現T細胞の細胞属性および表現型、ならびに薬物動態学的(PK)パラメータ、奏功、および毒性の判断
キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作されたT細胞の細胞表現型と、対象への投与時の細胞の薬物動態学的(PK)パラメータ、奏功、および毒性のアウトカムとの間の関係を判断した。
【0841】
A. 治療用T細胞組成物の属性
CD19に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現している自己T細胞を含有する、例示的な治療用T細胞組成物を生成した。抗CD19 CARは、マウス抗体に由来する抗CD19 scFv(FMC63由来の可変領域、VL-リンカー-VH配向)、免疫グロブリン由来のスペーサー、CD28に由来する膜貫通ドメイン、4-1BBに由来する共刺激領域、およびCD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインを含有していた。ウイルスベクターは、T2Aリボソームスキップ配列によってCAR配列から隔てられた;CAR発現についての代理マーカーとして機能する短縮型受容体をコードしている配列をさらに含有していた。下記再発および難治性の非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する対象に投与するために使用した、生成された治療用T細胞組成物を、フローサイトメトリーおよびインビトロアッセイを使用して、100を超える表現型的、機能的、および細胞健康に関連する属性について判断した。操作の前および後に、様々な属性について細胞を判断した。
【0842】
判断した例示的な属性を、表E1に記載する。一般的にメモリー表現型組成物に関連する表現型属性および細胞健康表現型は、フローサイトメトリーを用いて調べた。T細胞機能は、インビトロ抗原特異的バイオアッセイを用いて判断した。代表的な数の凍結融解サイクルを受けた治療用T細胞組成物に対して特性評価および放出試験を行った。
【0843】
(表E1)抗CD19 CAR T細胞を含有する治療用細胞組成物で測定した代表的な特性評価属性
【0844】
投与するための細胞組成物を生成するために、白血球除去を介して対象から自己細胞を単離した。白血球除去試料を、CAR発現細胞を生成するためのプロセスに供した。プロセスは、自動洗浄を用いる細胞の洗浄とCD4+およびCD8+T細胞を精製するための免疫親和性に基づく選択とを含んでおり、その結果、それぞれ、CD8+(中央値99%、四分位数間範囲(IQR)98~100%の細胞がCD8+であった)およびCD4+(中央値99%、IQR 99~100%の細胞がCD4+であった)の細胞が富化された2つの組成物が得られた。
【0845】
富化されたCD4+およびCD8+の組成物の細胞を、4-1BB共刺激ドメインを有する抗CD19 CARをコードしているベクターによるレンチウイルス形質導入に別々に供した。次いで、形質導入された集団を、細胞を拡大するための刺激試薬の存在下で別々にインキュベートした。拡大されたCD8+およびCD4+の細胞を、別々に製剤化および冷凍保存し、そして、投与前には貯蔵しておいた。細胞健康の指標であるパラメータにおいて、異なる患者属性を有するもの等の異なる患者に由来するロットおよび/または細胞組成物間の変動を最小限にするために、ロットを越えて細胞を一定の体積で保持した。細胞産物は、厳密な範囲の生存細胞濃度を呈した(1群の対象についての細胞組成物の判断に基づいて、CD8+:中央値31×106細胞/mL、IQR 28~40×106細胞/mL、N=38;CD4+:中央値35×106細胞/mL、IQR 31~40×106、N=36)。
【0846】
投与現場において、細胞組成物を解凍し、そして、適切な用量(例えば、DL1については、5×107の総CAR発現T細胞(CAR発現CD4+およびCAR発現CD8+の細胞がそれぞれ2.5×107)またはDL2については、1×108の総CAR発現T細胞(CAR発現CD4+およびCAR発現CD8+の細胞がそれぞれ5×107))で、CD8+CAR+およびCD4+CAR+の細胞の数に対応する各組成物の標的体積に従って、別々に投与した。
【0847】
例えば、解凍後の生存能、細胞表面アネキシンV発現、および活性細胞内カスパーゼ3の濃度を測定することによって、投与するための組成物におけるCAR発現T細胞の健康の指標であるパラメータを判断した。アネキシンV発現細胞の中央パーセンテージは、CD8+CAR+T細胞の11%(IQR 9~18%;N=33)およびCD4+CAR+T細胞の10%(IQR 8~17%;N=31)であった。カスパーゼ3発現は、アネキシンV発現と同様であることが観察された。
【0848】
投与するための組成物におけるCAR+CD4+およびCAR+CD8+のT細胞の量は、正確に制御された。例示的な対象のセットに実際に投与された細胞の数は、所与の用量について細胞の目標数の8%以内であることが観察された:
・DL1で細胞が投与された対象(n=48)については、2.4~2.7×107(標的±8%)のCD4+CAR+T細胞および2.4~2.7×107(標的±8%)のCD8+CAR+T細胞
・DL2で細胞が投与された対象(n=20)については、4.6~5.1×107(標的±8%)のCD4+CAR+T細胞または4.6~5.1×107(標的±8%)のCD8+CAR+T細胞。
【0849】
投与された用量の範囲は、異なる例示的な対象のセットでは低い生存能を有することが見出された:
・DL1において48~52×106のCD3+CAR+T細胞(n=34)
・DL2において96~101×106のCD3+CAR+T細胞(n=29)
・DL1において24~27×106のCD4+CAR+またはCD8+CAR+のT細胞(n=34)
・DL2において46~51×106のCD4+CAR+またはCD8+CAR+のT細胞(n=29)
【0850】
図1Aに示すように、対象に投与されたCAR発現T細胞組成物は、高いT細胞純度および低いロット間変動を呈することが観察された。例えば、プロセスおよび産物の制御を考慮して、CAR T細胞を含有する治療用細胞組成物は、細胞特異的T細胞機能におけるロット間のばらつきが低いことが観察された。
【0851】
インビトロ抗原特異的サイトカイン蓄積および細胞内サイトカイン染色(ICS)も、複数のサイトカイン(IL-2、TNF-α、およびIFN-γ)のサイトカイン産生について、同様にロット間の低い変動を示した。例示的なICS実験では、組成物からの細胞をCD19で刺激し、メモリー表現型マーカーとしてTNF-αを含むサイトカインおよびC-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を含む表面タンパク質を染色し、そして、フローサイトメトリーによって分析した。サイトカインまたは表面タンパク質について陽性であった、投与するための組成物中の細胞の数を決定した。図1Bは、DL1およびDL2で投与するためのCAR T細胞組成物中に存在するCD4+CAR+およびCD8+CAR+の細胞、CD4+CAR+TNF-α+およびCD8+CAR+TNF-α+の細胞、CD4+CAR+CCR7+およびCD8+CAR+CCR7+の数を示す。図1Cは、異なる目盛で、制御された用量の組成物中のCD4+CAR+細胞、CD8+CAR+細胞、CD4+CAR+CCR7+細胞、およびCD8+CAR+CCR7+細胞の数を描写する別の図を示す。これらの結果を表E2にまとめる。結果は、CD4+CAR+およびCD8+CAR+の細胞、CD4+CAR+TNF-α+およびCD8+CAR+TNF-α+の細胞、CD4+CAR+CCR7+およびCD8+CAR+CCR7+の細胞の数において低いばらつきを示す。例えば、TNF-α産生について陽性である細胞の数について厳密な範囲が観察された(n=61)。
【0852】
(表E2)制御された用量、T細胞表現型、および細胞特異的機能(×106細胞)
【0853】
CD19による刺激後のCAR+細胞による腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)の産生の指標であるパラメータは、異なるロット間で狭い範囲を示し、相対標準偏差(RSD)は、CD4+CAR+ T細胞(N=59)について37%、そして、CD8+CAR+ T細胞(N=61)について51%であった。
【0854】
結果は、組成物と一貫した細胞健康との間の低いばらつきに、細胞組成物の製造および制御のプロセスの少なくとも3つの局面:投与されたCD4+およびCD8+の細胞の正確で一貫したフラット用量;表現型(例えば、CCR7)およびインビトロ機能(例えば、抗原刺激後のIL-2、TNF-α、およびIFN-γの産生)の組成物ロット間のばらつきを少なくするCD4+およびCD8+のT細胞培養条件の制御および最適化;ならびに組成物の一定の処方および体積が寄与したという知見と一致していた。結果は、対象に投与するための治療用組成物におけるCD4+およびCD8+のCAR+T細胞の数を厳密に制御することによって、操作細胞組成物における細胞の属性の同定(図1Cを参照)、そして、薬物動態(PK)ならびに奏功および毒性等の臨床的アウトカムとの潜在的関連性が可能になることも示した。
【0855】
B. 抗CD19 CAR+T細胞組成物の投与
臨床研究において、上記治療用CAR+T細胞組成物を、再発または難治性(R/R)のアグレッシブ非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する対象に投与した。具体的には、デノボまたはインドレントリンパ腫から形質転換した(NOS)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、高悪性度B細胞リンパ腫(ダブル/トリプルヒットを含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)または辺縁領域リンパ腫(MZL)から形質転換したDLBCL、原発性縦隔大細胞型b細胞リンパ腫(PMBCL)、および濾胞性リンパ腫グレード3b(FLG3B)を含むR/R NHLを有する成人対象のコホートに抗CD19 CAR発現T細胞組成物を投与した。フルコホート内のコアサブセットの対象についてアウトカムを別々に判断した(辺縁領域リンパ腫(MZL)および/または慢性リンパ性白血病(CLL、Richter's)から形質転換したパフォーマンスステータス不良(ECOG 2)のDLBCLを有する対象を除き、そして、原発性縦隔大細胞型b細胞リンパ腫(PMBCL)および濾胞性リンパ腫グレード3b(FLG3B)を有する対象を除く(コアコホート))。コアコホートは、NOSおよび濾胞性リンパ腫(tFL)から形質転換したDLBCL、または高悪性度B細胞リンパ腫(ダブル/トリプルヒット)、またはDLBCL組織学的検査によりMYCならびにBCL2および/もしくはBCL6の再編成を有し(ダブル/トリプルヒット)、そして、米国東海岸癌臨床試験グループパフォーマンスステータス(ECOG PS)が0もしくは1の高悪性度B細胞リンパ腫を有する対象を含んでいた。この実施例に提示されるこの時点における分析は、抗CD19 CAR発現細胞が投与されたフルコホートにおける合計91人の対象(奏功について判断された88人(コアコホートから65人)および安全性について判断された91人(コアコホートから67人))の判断に基づいていた。
【0856】
抗CD19 CARは、マウス抗体に由来する抗CD19 scFv(FMC63由来の可変領域、VL-リンカー-VH配向)、免疫グロブリン由来のスペーサー、CD28に由来する膜貫通ドメイン、4-1BBに由来する共刺激領域、およびCD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインを含有していた。ウイルスベクターは、T2Aリボソームスキップ配列によってCAR配列から隔てられた;CAR発現のための代理マーカーとして機能する短縮型受容体をコードしている配列をさらに含有していた。
【0857】
抗CD19 CAR発現細胞を含有している冷凍保存された細胞組成物を解凍した後、静脈内投与した。約1:1の目標比で別々に投与された、製剤化されたCD4+CAR+細胞集団および製剤化されたCD8+CAR+集団を投与することによって、規定の細胞組成物として治療用T細胞の用量を投与した。以下の通り、単一または二重の用量のCAR発現T細胞を対象に投与した(各単一用量は、それぞれ、CD4+CAR発現T細胞およびCD8+CAR発現T細胞を別々に注入することを介した):5×107の総CAR発現T細胞を含有する用量レベル1(DL1)の単一用量または1×108の総CAR発現T細胞を含有する用量レベル2(DL2)の単一用量。いくつかの場合には、各用量が約14日間あけて、1日目および14日目に投与されたDL1の二重用量を対象に投与した(誤投薬が原因で、2用量スケジュールを介してDL2用量を2回不注意で受けた1人の対象を含む)。DL1およびDL2で投与された組成物についてのT細胞サブセットの用量レベルおよび目標数を表E3に示す。コアコホートでは、34人の対象にDL1を投与し、そして、27人の対象にDL2を投与した。
【0858】
(表E3)抗CD19 CAR T細胞を含有している細胞組成物についてのT細胞サブセットの標的用量レベルおよび数
【0859】
C. 処置後の安全性および奏功のアウトカム
表E4は、2つの用量レベルにおけるフルコホートおよびコアコホートの総合効果および安全性のアウトカムを示す。客観的奏効率(ORR)は74%であり、これは完全奏効(CR)を示した52%の対象を含む。いずれかのグレードのサイトカイン放出症候群(CRS)の発生率は35%であり、1%は重症CRSであった;そして、いずれかのグレードの神経毒性(NT)の発生率は19%であり、1%は重症NTであった。
【0860】
(表E4)CAR+細胞投与後の奏功および安全性
a 同等のアウトカムを有するDL1D(用量レベル1、2用量スケジュール)で処置した4人の患者。
b PD、死亡、または28日目再ステージングスキャンの事象が生じた患者を含む。1人の患者は、再ステージングスキャンが利用可能ではなかった。
C データスナップショット日の28日前に少なくとも1用量の適合するCAR発現細胞産物を受けた、または死亡した全ての対象を含む。
【0861】
D. 薬物動態学的判断
代理マーカーとして使用した短縮型受容体に特異的な抗体を使用するフローサイトメトリーおよびキメラ抗原受容体(CAR)をコードしているベクター中に存在するウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント(WPRE)に特異的なプライマーを使用する定量ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)による、評価可能なPKを有するDLBCLコホートにおける86人の対象において投与前の時点(処置前またはリンパ球枯渇化学療法(LDC)前)および処置後の様々な時点(投与日を1日目とする)における末梢血および骨髄中のCAR+ T細胞の数。0~28日目の指定のCAR+細胞集団についての1マイクロリットルあたりの数をプロットした曲線下面積(AUC0-28;CAR+細胞×日/μL血液)、CAR+細胞の最大またはピーク血液濃度(Cmax;CAR+細胞/μL血液)、およびCmaxまでの時間(Tmax;日)を判断した。
【0862】
qPCRまたはフローサイトメトリーによって判断した、様々な指定の時点における血液1マイクロリットルあたりのCAR T細胞の検出数を描写する例示的なグラフを図2に示す。図2に示すように、対象由来の試料中のCAR発現細胞の濃度を、フローサイトメトリーベースのアッセイおよびqPCRベースのアッセイの両方によって観察した。
【0863】
実施例2 抗CD19 CAR発現T細胞の細胞属性と薬物動態学的(PK)パラメータ、奏功、および毒性との関連
実施例1で決定した、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作されたT細胞の判断された細胞属性と、対象への投与時の細胞の薬物動態学的(PK)パラメータ、奏功、および毒性のアウトカムとの間の関係を評価した。
【0864】
A. 薬物動態/CAR+T細胞曝露と投与された治療用細胞組成物の細胞表現型属性との間の関係
投与された治療用組成物におけるCAR+T細胞の特定の表現型的属性と、薬物動態(PK)またはCAR+T細胞曝露に関連するパラメータおよびサイトカイン産生との間の関係を判断した。
【0865】
具体的には、様々な対象に由来する細胞から操作され、そして、様々な対象に投与するために製剤化された治療用細胞組成物間のばらつきが低いことから、薬物動態学的パラメータ(例えば、AUC)、臨床的奏功のアウトカム、および毒性のアウトカム(例えば、CRSまたはNT)に関連する表現型(例えば、CCR7+発現およびサイトカイン産生)を検出することが可能であった。
【0866】
C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)、CD27、およびCD45RAを含むメモリー細胞サブタイプ等の特定のT細胞サブタイプの指標であり得る細胞表面マーカーの細胞表面発現レベルまたは発現の非存在を、フローサイトメトリーによって判断した。CD3、CD4、CD8、CD28、および/または代理マーカーとして使用される短縮型受容体の表面発現レベルについても判断し;活性化カスパーゼ3の存在をアポトーシス細胞の尺度として判断した。CD19(発現したCARに特異的な抗原)で刺激した後のサイトカイン産生(pg/mL)をCD8細胞で判断した。マーカーの発現およびサイトカイン産生は、投与後0~28日目(AUC0-28;投薬日を0日目とする)に対象の血液中で検出されたCAR+T細胞(またはそのサブセット)数をプロットした曲線下面積、および投与後のCAR+細胞の最大またはピーク血液濃度(Cmax)と相関していた。単変量、多変量、および機械学習ベースの分析を使用して相関を判断した。
【0867】
投与された治療用細胞組成物における活性カスパーゼ3陰性(非アポトーシス)細胞の中で、投与された組成物におけるCD4またはCD8 CAR+T細胞のうちのCCR7+細胞、CD27+細胞、CCR7+CD27+細胞、またはCD45RA-CCR7+細胞の総パーセンテージまたは総数は、CD4またはCD8のCmaxおよびAUC0-28と正の相関を示すことが観察された。CD45RA-CCR7-細胞の総パーセンテージまたは総数は、CD4またはCD8のCmaxおよびAUC0-28と負の相関を示すことが観察された。CCR7-CD27-細胞の総パーセンテージまたは総数は、CD4のCmaxおよびAUC0-28と負の相関を示すことが観察された。CD19の投与時のインビトロIL-2産生レベルは、CD8のCmaxおよびAUC0-28と相関することが観察された。
【0868】
図3Aは、(細胞療法が施された対象の血液中のCD4+CAR+細胞のAUC0-28またはCD8+CAR+細胞のAUC0-28によって示されるように)それぞれ(CD4+CAR+およびCD8+CAR+の細胞集団のうちの)CCR7+細胞のパーセンテージとCD4+CAR+細胞およびCD8+CAR+細胞の薬物動態との関係を判断する研究の結果を示す。各ドットは、個々の患者を表し、個々のドットの濃淡は患者に用量レベル1(DL1)が投与されたかまたは用量レベル2(DL2))が投与されたかを示す。図3Bには、このような分析が示され、結果は、(処置前リンパ球枯渇化学療法の時点で判断した)高い(この判断では、50cm2以上の二方向積和(SPD)値によって示される)または低い(50cm2未満のSPD値)処置前腫瘍量を呈することが観察された対象について別々に示される。投与された用量におけるCD4+CAR+細胞のうちのCCR7+細胞のパーセンテージは、CD4+のAUC0-28と正の相関を示すことが観察され、そして、投与された用量におけるCD8+CAR+細胞のうちのCCR7+細胞のパーセンテージは、CD8+のAUC0-28と正の相関を示すことが観察された。さらに、「高」処置前疾患負担群の対象に由来する細胞から生成された治療用操作細胞組成物は、一般に、CD8+およびCD4+の組成物の中でより高いパーセンテージのCCR7+細胞を呈することが観察された。図3Cは、それぞれ、細胞療法が施された対象の血液中のCCR7+CD4+CAR+およびCCR7+CD8+CAR+の細胞の総数とCD4+CAR+細胞のAUC0-28およびCD8+CAR+細胞のAUC0-28との間の関係を判断するための結果を示す。
【0869】
CD4+CAR+T細胞の属性とCD4+またはCD8+のCAR+T細胞のAUC0-28およびCmaxと間の関係の更なる判断において、CCR7+またはCCR7+CD27+であるCD4+CAR+T細胞のパーセンテージは、CD4+CAR+T細胞(図3A、3D~3F)およびCD8+CAR+T細胞(図3G~3J)のPKパラメータ(AUC0-28およびCmax)と相関することが観察された。結果は、CD4+CAR+T細胞がCD8+CAR+T細胞の拡大を支援することができるという知見と一致する。
【0870】
結果は、メモリー区画サブタイプ等のT細胞サブタイプの指標であるもの等の特定の表現型マーカー、例えばCCR7および/またはCD27を発現している細胞の治療用細胞組成物における発現量が、規定の細胞組成物が投与された対象において、CAR+T細胞への曝露の程度の指標であるもの等の薬物動態学的パラメータ、例えばAUC0-28および/またはCmaxと正の相関を示したという知見と一致していた。いくつかの局面では、CAR+T細胞組成物におけるCD45RA-CCR7-またはCCR7-CD27-細胞は、薬物動態的パラメータと負の相関を示した。
【0871】
B. 薬物動態/CAR+T細胞曝露、臨床的奏功、毒性と投与された治療用細胞組成物の細胞表現型属性との間の関係
治療用組成物におけるCAR+T細胞の特定の表現型的属性と、薬物動態(PK)またはCAR+T細胞曝露に関連するパラメータ、サイトカイン産生、臨床的奏功のアウトカム、および毒性のアウトカムとの間の関係を判断した。対象の例示的な群から生成され、そして、該群に投与された治療用組成物の分析では、メモリーT細胞サブタイプの指標であるマーカーを発現している細胞の頻度が高い組成物は、インビトロCD19刺激後のサイトカイン産生と強い相関を呈した。
【0872】
様々なマーカーの細胞表面発現レベル、活性化カスパーゼの存在、CD19による刺激後のCD4+およびCD8+の細胞におけるサイトカイン産生、投与後の薬物動態学的(PK)パラメータ(AUC0-28およびCmax)を上記の通り決定した。マーカーの発現およびサイトカイン産生は、特定のCAR+T細胞組成物が投与された上記コアコホートにおける評価可能な対象から決定した、AUC0-28、Cmax、および臨床的奏功のアウトカム(無増悪生存期間および持続性奏功を含む)、および毒性のアウトカム(サイトカイン放出症候群(CRS)または神経毒性(NT))と相関していた。単変量、多変量、および機械学習ベースの分析を使用して相関を判断した。細胞の様々な属性、および毒性、奏功、または薬物動態学的(PK)パラメータとの関連についての名目p値を示すヒートマップを作成した。
【0873】
結果は、特定の機能的プロファイル、安全性事象、および持続性奏功と、あまり分化していないT細胞状態の指標であるマーカー、例えばCCR7+CD27+を発現している細胞の頻度との間の関連を示した。具体的には、セントラルメモリーT細胞サブタイプの指標であるマーカーであるCCR7+細胞の頻度が高い組成物は、IL-2産生の増加を呈した(スピアマンρ=0.55、P<0.0001)。図4A~4Bに示すように、より高頻度のあまり分化していないCCR7+CD27+CAR+T細胞を含有しているCD4+CAR発現T細胞組成物は、より少ないIFNγ(図4A)およびより多いIL-2(図4B)を分泌する。対照的に、エフェクター分化したT細胞サブタイプに関連するマーカーを発現している細胞の頻度が高い組成物は、より多いIFNγ産生(ρ=0.51、P<0.0001)およびIL-13産生(ρ=0.45、P<0.0001)を呈した。図5A~5Bに示すように、より高頻度のあまり分化していないCCR7+CD27+CAR+T細胞を含有しているCD8+CAR発現T細胞組成物は、Th2に関連するいくつかのサイトカイン、例えば、IL-5(図5A)およびよりIL-13(図5B)を低レベルで産生する。
【0874】
組成物中のメモリー表現型と機能との間の相関は、セントラルメモリーサブセット組成物とCAR+細胞のピークインビボ拡大(ρ=0.42、P=0.002)および観察された無増悪生存期間(PFS)(カプランマイヤー生存の推定値、P=0.0164)との間の正の相関に転換される。図6A~6Dは、CD4+CAR+T細胞のうち(無増悪生存期間については図6A、奏功の持続については図6C)およびCD8+CAR+T細胞のうち(無増悪生存期間については図6B、奏功の持続については図6D)、特定の閾値レベルを上回るまたは下回る頻度のCCR7+CD27+CAR+T細胞を含有している組成物を投与した群に分けられた、CAR+T細胞組成物が投与された対象についてのカプランマイヤー生存曲線を示す。組成物中のCCR7+CD27+メモリー細胞が多いことは、無増悪生存期間が長いことと相関することが観察された。
【0875】
加えて、より高頻度のセントラルメモリー亜集団を含有しているCD4+CAR+T細胞組成物は、サイトカイン放出症候群(CRS、グレード1以上、P=0.0069;図7A)または重症神経毒性(NT、グレード3以上、P=0.0014、図7C)のいずれかである、治療用組成物の投与後に対象で毒性が発現したかどうかとの関係が実証された。IFNγ産生の少ないCD4+CAR+T細胞組成物は、CRS(グレード1以上、P=0.0186;図7B)または重症NT(グレード3以上、P=0.0055、図7D)に関連していた。
【0876】
結果は、操作細胞組成物の属性と、投与された細胞のPK、安全性、および奏功のアウトカムとの間の関係を示した。高頻度のCCR7+細胞を含む組成物は、あまり分化していないCAR+T細胞が薬物動態学的パラメータおよび無増悪生存期間に寄与するという知見と一致して、投与後にピークCAR+細胞拡大および持続性が増加したことが観察された。結果は、あまり分化していないT細胞に関連する表現型および機能的属性およびプロファイルが、NTまたはCRS等の可能性増加および奏功の持続性の改善との関係を呈したという知見と一致する。
【0877】
C. 多パラメータ表現型分析
フローサイトメトリーを使用して異なる細胞サブタイプ集団を同定するために、t分布型確率的近傍埋め込み法(tSNE)に基づいて、例示的な多パラメータ表現型分析を実施した。tSNE分析は、複数の細胞属性を2次元プロットに折りたたみ、そして、2次元プロットにおいて6つの異なる細胞サブタイプを同定することを含む、2次元空間における結果を表すための非線形次元数減少を含んでいた(図8Aを参照)。プロットに主に存在していた2つの属性を同定した。示す通り、CD4+およびCD8+のCAR+T細胞のうちのCCR7およびCD27を両方発現しているメモリーT細胞サブセット(図8Aに描かれている形状の境界内、図8Bに示すCCR7およびCD27の発現についてのフローサイトメトリープロット)を同定した。図4A~4Bおよび5A~5Bにおいて上に示した通り、同定された細胞は、異なる機能的プロファイルを呈した。
【0878】
D. 結論
対象に投与されたCAR+T細胞組成物は、低いばらつきを呈し、純粋であり、そして、正確な用量を含有していたので、様々な細胞属性と臨床的アウトカム、例えば、奏功および毒性との間の関係を同定することができた。メモリー表現型に関連するマーカーを発現している細胞集団は、特定の機能的プロファイル(例えば、サイトカイン産生)を呈し、CCR7+CD27+CD4+CAR T細胞は、より少ないIFNγおよびより多いIL-2を産生し、そして、CCR7+CD27+CD8+CAR T細胞は、より少ないIL-5およびIL-13を産生した。CCR7+CD27+発現等の表現型およびサイトカイン産生等の機能的プロファイルに基づいて、あまり分化していない状態のCAR+ T細胞を含有している投与された細胞組成物は、薬物動態学的パラメータ、安全性事象、および持続性奏功の増加に関連することが観察された。
【0879】
さらに、本明細書に提供される態様の中には、抗CD19 CAR+細胞を含有しているもの等、治療用細胞組成物(例えば、様々な異なる患者にわたる出発集団から産生されたもの)のロット間の低いばらつきを提供する方法および組成物を含むものも含まれる。提供される態様の中には、例えばこのような低い程度のばらつきに部分的に起因し得る、疾患負担に従って患者を層別化する、および/または投与後の1つまたは複数のアウトカムに関連し得る特定のT細胞表現型または表現型的属性、例えば、最大曝露レベルもしくは例えばAUCによって測定される経時的な曝露を含む、処置を施した後の患者のCAR-T細胞への曝露の指標である因子等の抗CD19 CAR+細胞の薬物動態学的パラメータを同定する能力に基づくものも含まれる。
【0880】
いくつかの態様では、このようなパラメータは、1つまたは複数のT細胞区画のサブタイプの指標である1つまたは複数のマーカー、例えば、セントラルメモリーT細胞表現型を含む、メモリーサブタイプの指標であるマーカーに関連する属性、例えばCCR7+もしくはCD27+の発現またはCCR7+および/もしくはCD27+細胞等のパーセンテージを含む。いくつかの局面では、このような結果は、例えば、少なくとも特定のパーセンテージの細胞がCCR7および/もしくはCD27等の1つもしくは複数のこのようなマーカーについて陽性である、組換え受容体(例えば、CAR)を発現している細胞組成物を含む細胞組成物を投与することによる、ならびに/または特定の数もしくはパーセンテージの、CCR7および/もしくはCD27等のこのようなマーカーを発現している細胞が、例えば多数の対象もしくは適応症にわたって投与に適応となる用量を投与することによる、このようなマーカーおよび/または属性のうちの1つまたは複数の発現に基づく投薬を支持する。このような態様の中には、投薬が、規定の数または固定用量の、CCR7+である組換え受容体(例えば、CAR)発現細胞に基づくものが含まれる。いくつかの局面では、このようなアプローチは、治療用組成物が投与された対象の中での用量間のばらつきを制限または低減することができる。いくつかの局面では、このようなアプローチによって、例えば経時的にまたはピーク時に、患者におけるCAR+T細胞レベルまたは曝露の程度等の特定の薬物動態学的属性を標的化および/または制御することが可能になる。いくつかの局面では、このようなパラメータは、投与された治療用T細胞組成物について、少なくとも所望の確率の特定の奏功もしくは効力のアウトカムに関連し、かつ1つまたは複数の有害作用または毒性のアウトカムの特定の確率またはリスクを下回ると観察されるもの等の、許容される治療濃度域または範囲内を標的とする。
【0881】
実施例3 持続性奏功に関連するCAR + T細胞組成物の分子署名の同定
臨床的奏功、例えば、CAR+T細胞投与時の持続性臨床的奏功に関連するCAR+T細胞組成物における分子署名を同定するために、様々な機能的属性の判断に加えて、トランスクリプトミクス的およびエピゲノミクス的分析等のゲノム特性評価研究を実施した。
【0882】
実施例1に上記した通り生成されたCAR+T細胞を含有している操作細胞組成物を、約100の表現型的および機能的属性の分析、ハイスループットRNAシーケンシング(RNA-seq)による約20,000のトランスクリプトの発現の判断、ならびにシーケンシングを使用するトランスポゼース接近可能なクロマチンアッセイ(ATAC-seq)による約100,000の調節領域におけるクロマチンの接近可能性の判断に供した。CAR+T細胞組成物の投与後6ヶ月目に、完全奏効(CR)を呈した対象と進行(PD)または部分奏功(PR)を呈した対象との間を判別する変数を同定するために、部分最小二乗判別分析(PLS-DA)によって属性を分析した。図9A~9Cに示す通り、表現型的および機能的属性の判断、ならびにトランスクリプトミクス的およびエピゲノミクス的分析を使用して、操作細胞組成物が投与された対象において、持続性臨床的奏功(例えば、6ヶ月目におけるCR)に関連する操作CAR+T細胞組成物の分子署名を同定することができる。結果は、操作細胞組成物のゲノム特性評価に基づいて効力および安全性と相関する分子署名を同定することができるという知見に一致する。
【0883】
実施例4 キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように操作する前および後のT細胞組成物におけるメモリー細胞サブタイプ属性間の関連
メモリーサブタイプの指標であるマーカー、例えばCCR7、CD27、および/またはCD45RAの発現を含む様々な細胞属性を、操作前の対象由来のT細胞組成物およびキメラ抗原受容体(CAR)を発現している操作治療用細胞組成物において判断した。2つの集団における属性間の関連を判断した。
【0884】
複数の対象由来のヒト末梢血単核細胞(PBMC)の白血球除去から免疫親和性に基づく富化によってCD4+およびCD8+のT細胞を選択した。このような選択されたT細胞の組成物(遺伝子操作前、「操作前組成物」と命名)を、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)、CD27およびCD45RAを含むメモリー細胞サブタイプ等の特定のT細胞サブタイプの指標である細胞表面マーカーの発現、ならびにCD3、CD4、CD8、CD28、および/または代理マーカーとして使用される短縮型受容体の表面発現を含む様々な属性について判断し、そして、活性化カスパーゼ3の存在をアポトーシス細胞の尺度として判断した。選択されたT細胞を、上記実施例1.Aに記載した、サイトカインの存在下で抗CD3および抗CD28の抗体でコーティングされたビーズと共にインキュベートし、続いて、抗CD19 CARをコードしているレンチウイルスベクターを形質導入することによって活性化した後、抗CD19 CARを発現するように遺伝子操作に供した。得られた細胞組成物を拡大し、そして、冷凍保存し(遺伝子操作後、「操作細胞組成物」と命名)、そして、上記の通り細胞属性について判断した。操作前組成物および操作細胞組成物における細胞属性間のペアワイズ相関のためのスピアマンの順位相関係数を決定した。
【0885】
図10A~10Bは、操作前組成物におけるCD4+CCR7+CD27+細胞の頻度と操作細胞組成物におけるCD4+CAR+CCR7+CD27+細胞の頻度との間(図10A;スピアマンの順位相関係数:0.591)、そして、操作前組成物におけるCD8+CCR7+CD27+細胞の頻度と操作細胞組成物におけるCD8+CAR+CCR7+CD27+細胞の頻度との間(図10B;スピアマンの順位相関係数:0.357)の相関の例示的な結果を示す。結果は、いくつかの場合において投与するための操作細胞組成物における、例えばCCR7および/またはCD27等のメモリー細胞サブタイプの指標である1つまたは複数のマーカーの発現が、操作前細胞組成物におけるマーカーの発現に関連することを示した。結果は、例えばCCR7および/またはCD27等のメモリー細胞サブタイプの指標であるマーカーを発現している細胞を特定の数またはパーセンテージ含有している操作細胞組成物が、操作前組成物におけるマーカーを発現している細胞の数またはパーセンテージに基づいて生成され得るという知見と一致していた。
【0886】
実施例5:CAR+T細胞を含有している操作T細胞組成物におけるナイーブ様マーカーの判断
ウイルスベクターを形質導入する前に抗CD3および抗CD28の抗体が結合している常磁性のポリスチレンでコーティングされたビーズから構成される刺激試薬を利用してT細胞を活性化する2つの並行プロセスによって、キメラ抗原受容体(CAR)を発現しているT細胞を含有している初代T細胞の操作組成物を産生した。両プロセスでは、同じ抗BCMA CARを発現するように、細胞をレンチウイルスの形質導入によって操作した。CARは、BCMAに特異的なscFv抗原結合ドメイン、CD28膜貫通領域、4-1BB共刺激シグナル伝達領域、およびCD3ゼータ由来の細胞内シグナル伝達ドメインを含有していた。プロセスは、その期間および細胞を拡大するための条件が異なっていた。産生されたT細胞組成物を、細胞表面マーカーについて判断した。
【0887】
両プロセスでは、CD4+およびCD8+の細胞の別個の組成物を、ヒトドナー由来の白血球除去試料から単離されたPBMCから選択し、そして、選択された細胞組成物を冷凍保存した。その後、CD4+およびCD8+のT細胞の別個の組成物を解凍し、そして、1:1の生存可能なCD4+T細胞と生存可能なCD8+T細胞の比で混合した。無血清培地中1:1のビーズと細胞の比で抗CD3/抗CD28抗体コンジュゲート化ビーズの存在下において18~30時間細胞をインキュベートすることによって、約300×106のT細胞(150×106のCD4+T細胞および150×106のCD8+T細胞)の混合インプット細胞組成物を刺激した。培地は、組換えIL-2、IL-7、およびIL-15も含有していた。刺激後、細胞を洗浄し、そして、添加剤、ならびに組換えIL-2、IL-7、およびIL-15を含有している無血清培地に再懸濁させた。
【0888】
一方のプロセス(例示的な非拡大プロセス)では、次いで、刺激された細胞組成物からの細胞を、抗BCMA CARをコードしているレンチウイルスベクターでスピン接種によって形質導入した。スピン接種後、細胞を洗浄し、そして、組換えIL-2、IL-7、およびIL-15を含有している無血清培地に再懸濁させた。再懸濁した組成物の細胞を、インキュベータ内において約37.0℃でインキュベートした。刺激の開始後約96時間目に、磁場の存在下で細胞を2回すすいで、抗CD3/抗CD28抗体コンジュゲート化常磁性ビーズを除去し、そして、10% DMSOを含有している溶液中で製剤化した。製剤化された細胞組成物をバッグまたはバイアルに移し、そして、約-80℃で貯蔵した。
【0889】
別のプロセス(例示的な拡大プロセス)では、インキュベーション後、刺激された細胞組成物からの約100×106の生存可能な細胞を、組換えIL-2、IL-7、およびIL-15を含有している無血清培地中で濃縮した。約1600gで60分間スピン接種によって、上記と同じ抗BCMA CARをコードしているレンチウイルスベクターで細胞を形質導入した。スピン接種後、組換えIL-2、IL-7、およびIL-15を含有している無血清培地に細胞を再懸濁させ、そして、約37℃で約18~30時間インキュベートした。次いで、バイオリアクター(例えば、揺動運動バイオリアクター)内の、インキュベーションおよび形質導入の工程中に使用したIL-2、IL-7、およびIL-15の2倍の濃度を含有している例示的な無血清培地約500mLに細胞を移すことによって、拡大のために培養した。生存可能な細胞の設定密度を達成したとき、灌流を開始し、ここで、連続混合を伴う半連続灌流によって培地を交換した。次の日、約3×106細胞/mLの閾値細胞密度が達成されるまで細胞をバイオリアクター内で培養したが、該密度は、典型的には、6~7日間の拡大を伴うプロセスで生じた。磁場に曝露することによって、抗CD3および抗CD28抗体コンジュゲート化常磁性ビーズを細胞組成物から除去した。次いで、細胞を収集し、そして、上記の通り製剤化および冷凍保存した。
【0890】
例示的な拡大および非拡大のプロセスを使用して産生されたT細胞組成物を、CD4、CD8、CCR7、およびCD27を含む表面マーカーを認識する試薬で染色し、そして、フローサイトメトリーによって判断した。CCR7およびCD27の染色の両方について表面陽性であるCD4+CAR+およびCD8+CAR+のT細胞のパーセンテージを図11Aに示す。図11Bおよび図11Cは、抗CD3/抗CD28抗体コンジュゲート化ビーズ刺激試薬と共にインキュベートする前のインプット組成物中のCCR7+CD27+細胞のパーセンテージと比較した、産生されたT細胞組成物中のCD4+CAR+T細胞およびCD8+CAR+のうちのCCR7+CD27+細胞のパーセンテージをそれぞれ描写する。示す通り、例示的な拡大プロセスと比較して、例示的な非拡大プロセスから産生されたT細胞組成物では、より高いパーセンテージのCCR7+CD27+が観察された。これら結果は、例示的な非拡大プロセスから生成された操作細胞組成物が、例示的な拡大プロセスによって生成された細胞組成物よりもナイーブ様のあまり分化していない表現型を有する細胞の部分が多いことと一致している。
【0891】
活性化時、形質導入時、または培養の開始後の様々な時点(接種+2、接種+4、または接種+5)を含む製造のプロセス中の様々な日における、代表的なドナーから例示的な拡大プロセスによって生成された細胞の更なる分析は、CCR7+CD27+細胞のパーセンテージの低下によって決定される通り、細胞の拡大がより分化した表現型に関連することを実証する(図11D)。
【0892】
実施例6:シーケンシングおよび分析方法を使用するT細胞クローン性の判断
キメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝子操作する前およびした後に、T細胞受容体(TCR)対の単一細胞シーケンシングを使用して、T細胞の組成物をT細胞クローンの存在量について判断した。
【0893】
CD4+およびCD8+のT細胞を精製するために免疫親和性に基づく選択によって白血球除去を介して対象から自己T細胞を単離し、その結果、それぞれ、CD8+およびCD4+のT細胞が富化された2つの組成物が得られた。富化されたCD4+およびCD8+の組成物の細胞を抗CD3/抗CD28常磁性ビーズで活性化し、次いで、抗CD19 CARをコードしているベクターによるレンチウイルス形質導入に別々に供した。抗CD19 CARは、マウス抗体に由来する抗CD19 scFv(FMC63由来の可変領域)、免疫グロブリン由来のスペーサー、CD28に由来する膜貫通ドメイン、4-1BBに由来する共刺激領域、およびCD3-ゼータ細胞内シグナル伝達ドメインを含有していた。次いで、形質導入された集団を、細胞を拡大するための刺激試薬の存在下で別々にインキュベートした。CAR発現T細胞を含有している拡大されたCD8+およびCD4+の組成物を製剤化し、そして、別々に冷凍保存し、そして、貯蔵した。
【0894】
操作前の単離されたCD4+およびCD8+のT細胞組成物(CMAT)、ならびに上記プロセスによる操作後のCD4+およびCD8+の治療用CAR+T細胞組成物のT細胞クローン性を判断した。T細胞のクローン性を判断するために、概してWO2016044227、WO2016176322、およびWO2012048340に記載の通り、細胞を単一細胞αβ対合TCRシーケンシングに供した。TCR遺伝子のバーコード化された単一細胞シーケンシングに基づいて、細胞集団における同定されたクローンのT細胞クローン性および多様性を決定した。いくつかの場合には、クローンを選別するために閾値としてシャノン指数を使用し(「シャノン調整クローン性」)、これは、試料のノイズを排除しながら試料間の関係を保つ。Chaara et al. (2018) Front Immunol 9:1038)を参照。
【0895】
図12は、シャノン指数を適用した後の各試料のクローン性を示す。図12に示す通り、遺伝子操作の前と後とでT細胞組成物間でCD4およびCD8の細胞のクローン性は異なっており、操作CAR+T細胞組成物は、細胞を操作するためのプロセスの開始前の組成物中のT細胞と比較して低いクローン性を示す。
【0896】
遺伝子操作後のCD4+およびCD8+の治療用CAR+T細胞組成物を、アネキシンVによる表面染色(アネキシンV-)またはカスパーゼ3切断(非アポトーシス細胞を示す)等のアポトーシスの指標である因子の発現、ならびにCD45RA、CCR7、CD27、CD4、およびCD8を含む様々な表面マーカーの発現について、フローサイトメトリーによって選別した。細胞の表現型は、細胞のクローン性の程度と相関していた。CD4+およびCD8+の治療用CAR+T細胞組成物の両方において、CCR7-/CD27-であったアポトーシスマーカー陰性細胞の存在は、組成物中の細胞のクローン性と高い正の相関を示したことが観察された。同様に、CCR7+またはCCR7+/CD27+であったアポトーシスマーカー陰性細胞の存在は、CD4+およびCD8+の治療用CAR+T細胞組成物のそれぞれにおいて細胞のクローン性と負の相関を示した。これらの結果は、例えばCCR7および/またはCD27の陽性によって決定される、細胞のクローン性があまり分化していないナイーブ様細胞と逆相関する可能性があるという知見と一致している。
【0897】
実施例7 細胞の表現型的および機能的属性と奏功との間の関係の判断
CD19に特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現している自己T細胞を含有している、例示的な治療用T細胞組成物を生成し、そして、実施例1に記載の通り患者に投与した。出発試料、富化されたCD4+またはCD8+のインプットT細胞組成物、および抗CD19 CARを発現している生成された治療用T細胞組成物を、フローサイトメトリーを使用して、様々な表現型、機能および細胞健康に関連する属性を含む様々な属性について判断した。
【0898】
治療用T細胞組成物が投与された対象の無増悪生存期間(PFS)を比較することによって判断したときの奏功のアウトカムに対する関係について、単変量分析を介して、生成されたCAR+ T細胞組成物の属性を分析した。同定された上位の変数属性の中に、ゴルジ阻害剤の存在下でPMA/イオノマイシンに応答して、フローベースの方法細胞内サイトカイン染色(ICS)等において非CAR抗原特異的にIL-2およびTNF-アルファを生成するCD4+CAR+T細胞の能力が含まれていた。具体的には、図13Aおよび13Bは、最大限に選択された順位統計量を使用して決定したとき、治療用組成物のCD4+/CAR+T細胞においてそれぞれIL-2およびTNFαを産生する細胞のパーセンテージが「高い」または「低い」患者についてのPFS曲線(コックス比例ハザード(上)および最適スプリット(下))を示す。図13Aおよび13Bに示す通り、より高レベルのCD4+/CAR+IL-2またはTNFα産生を含有している治療用T細胞組成物を投与した群は、より低いパーセンテージのこのような細胞を含有している治療用T細胞組成物を投与した対象と比較して生存期間の改善を示した。
【0899】
CAR+治療用T細胞組成物の投与前に、実施例2に記載の通り、ベースライン血清レベルの積和(SPD)をモニタリングすることによって、対象を腫瘍量について判断した。C反応性タンパク質(CRP)のベースライン血清レベルも決定した。実質的に実施例1に記載の通り対象にCAR発現T細胞組成物を投与した後、投与後6ヶ月目に各対象について臨床的アウトカムを決定したところ、疾患負担と相関していた。図14は、6ヶ月目に完全奏効(CR)(三角)または奏功の喪失/奏功無し(円))を呈する対象において、臨床的アウトカムがSPDまたはCRPのレベルに相関していたことを描写する。図14に示す通り、低いベースラインSDP(50cm2未満)および低いCRP値(ベースライン試料において20mg/L未満)によって示される疾患負担の低い患者は、より高いベースラインSPDおよびCRP値によって示される疾患負担の高い患者と比較して、6ヶ月目における奏功の喪失リスクが低かった。疾患負担の高い患者では、IL-2発現を生じさせるCD4+CAR+T細胞の頻度が高い治療用T細胞組成物は、6ヶ月目における奏功の維持と相関していた(図15)。同様の結果がTNF-アルファについても観察された。これらのデータは、CD4+CAR発現T細胞の特定の機能的属性、例えば、IL-2およびTNFαを産生する能力が、特に、疾患負担が高いかまたはSPDまたはCRPのベースラインレベルが閾値付近である対象において、臨床的奏功の維持と正の相関を示すという知見と一致している。
【0900】
(抗CD19 CARで操作する前の)選択され、そして、CD4+またはCD8+が富化されたインプット組成物の細胞健康を、アポトーシスのマーカー(例えば、活性化カスパーゼ3)についてのフローサイトメトリーによって判断した。細胞健康と奏功との間の関係を判断した。図16に示す通り、複数の富化されたT細胞インプット組成物の中で、インプット組成物におけるアポトーシスマーカー(例えば、活性化カスパーゼ3)について陽性である細胞の例示的な三分位カットオフ値は、治療用T細胞組成物を生成するために使用される出発T細胞材料中のアポトーシス細胞のパーセントとPFSの確率との間の関係を実証した。結果は、出発材料中のアポトーシスマーカー+細胞のパーセントと無増悪生存期間(PFS)の改善との間の逆相関と一致している。
【0901】
図17は、実質的に実施例1に記載のプロセスを使用して富化されたインプットT細胞組成物中のアポトーシスマーカー(例えば、活性化カスパーゼ3)について陽性である細胞のパーセントを、出発アフェレーシス試料の時期、すなわち、T細胞の富化前のアフェレーシスとその更なる処理との間の時間の長さ(例えば、時)が異なる試料の関数として示す。これらのデータは、アフェレーシス時期とアポトーシスマーカーについて陽性である細胞の存在との間の正の相関を裏付ける。
【0902】
富化されたCD8+またはCD4+T細胞出発試料中のアポトーシスマーカー(例えば、活性化カスパーゼ3)について陽性である細胞の存在と、形質導入された材料またはプロセスもしくは産物の特徴の様々な他のパラメータまたは属性との間の相関を表E5にまとめる。これらのデータは、出発T細胞材料のアポトーシスプロファイルが治療用組成物の品質と相関しているという知見をさらに裏付ける。
【0903】
(表E5)指定の属性の出発T細胞材料中の活性化カスパーゼ3との相関
【0904】
上記結果は、プロセスおよび/または生成されたCAR+治療用T細胞組成物の特徴に関連する特定の相関変数が、対象が持続性のPFSを呈する可能性がある確率を予測するまたは示すことができるモデルを支持する。多重性調整されたp値を付与するために順列を使用して決定したとき更なるスプリットが有意でなくなるまで再帰的に分割を実施する、再帰的分割生存曲線に条件付き推論ツリーを使用して(ボンフェローニ補正)、PFSの持続性と相関する変数の決定木を開発した。変数が出発T細胞材料(例えば、富化されたCD8+T細胞)中の低レベルのアポトーシスマーカー+/CD3+/CAR+細胞、治療用T細胞組成物を産生するためのプロセス中の比較的少数の細胞の倍加、および(例えば、細胞内サイトカインアッセイにおいてPMA/イオノマイシンに応答する)抗原非依存性刺激後にサイトカイン(例えば、IL-2またはTNF)について陰性である治療用T細胞組成物の細胞のうちのCAR+CD4+細胞の比較的低いパーセンテージを含んでいた、奏功の持続性の確率の改善がモデルによって推測された。
【0905】
本発明は、例えば本発明の様々な局面を例証するために提供されている特定の開示した態様に、範囲が限定されることを意図していない。本明細書の説明および教示から記載の組成物および方法への様々な修飾が明らかであろう。そのような変形は、本開示の真の範囲および主旨から逸脱することなく実施されてよく、これらが本開示の範囲内にあると意図される。
【0906】
配列
【0907】
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> Juno Therapeutis, Inc.
<120> PHENOTYPIC MARKERS FOR CELL THERAPY AND
RELATED METHODS
<150> US 62/596,775
<151> 2017-12-08
<150> US 62/643,165
<151> 2018-03-14
<150> US 62/657,716
<151> 2018-04-13
<150> US 62/716,967
<151> 2018-08-09
<160> 59
<170> FastSEQ for Windows Version 4.0

<210> 1
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Spacer (IgG4hinge) (aa)
<400> 1
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1 5 10

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<211> 36
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Spacer (IgG4hinge) (nt)
<400> 2
gaatctaagt acggaccgcc ctgcccccct tgccct 36

<210> 3
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge-CH3 spacer
<400> 3
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro Gly Gln Pro Arg
1 5 10 15
Glu Pro Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys
20 25 30
Asn Gln Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp
35 40 45
Ile Ala Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys
50 55 60
Thr Thr Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser
65 70 75 80
Arg Leu Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser
85 90 95
Cys Ser Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser
100 105 110
Leu Ser Leu Ser Leu Gly Lys
115

<210> 4
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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge-CH2-CH3 spacer
<400> 4
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro Ala Pro Glu Phe
1 5 10 15
Leu Gly Gly Pro Ser Val Phe Leu Phe Pro Pro Lys Pro Lys Asp Thr
20 25 30
Leu Met Ile Ser Arg Thr Pro Glu Val Thr Cys Val Val Val Asp Val
35 40 45
Ser Gln Glu Asp Pro Glu Val Gln Phe Asn Trp Tyr Val Asp Gly Val
50 55 60
Glu Val His Asn Ala Lys Thr Lys Pro Arg Glu Glu Gln Phe Asn Ser
65 70 75 80
Thr Tyr Arg Val Val Ser Val Leu Thr Val Leu His Gln Asp Trp Leu
85 90 95
Asn Gly Lys Glu Tyr Lys Cys Lys Val Ser Asn Lys Gly Leu Pro Ser
100 105 110
Ser Ile Glu Lys Thr Ile Ser Lys Ala Lys Gly Gln Pro Arg Glu Pro
115 120 125
Gln Val Tyr Thr Leu Pro Pro Ser Gln Glu Glu Met Thr Lys Asn Gln
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Val Ser Leu Thr Cys Leu Val Lys Gly Phe Tyr Pro Ser Asp Ile Ala
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Val Glu Trp Glu Ser Asn Gly Gln Pro Glu Asn Asn Tyr Lys Thr Thr
165 170 175
Pro Pro Val Leu Asp Ser Asp Gly Ser Phe Phe Leu Tyr Ser Arg Leu
180 185 190
Thr Val Asp Lys Ser Arg Trp Gln Glu Gly Asn Val Phe Ser Cys Ser
195 200 205
Val Met His Glu Ala Leu His Asn His Tyr Thr Gln Lys Ser Leu Ser
210 215 220
Leu Ser Leu Gly Lys
225

<210> 5
<211> 282
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> IgD-hinge-Fc
<400> 5
Arg Trp Pro Glu Ser Pro Lys Ala Gln Ala Ser Ser Val Pro Thr Ala
1 5 10 15
Gln Pro Gln Ala Glu Gly Ser Leu Ala Lys Ala Thr Thr Ala Pro Ala
20 25 30
Thr Thr Arg Asn Thr Gly Arg Gly Gly Glu Glu Lys Lys Lys Glu Lys
35 40 45
Glu Lys Glu Glu Gln Glu Glu Arg Glu Thr Lys Thr Pro Glu Cys Pro
50 55 60
Ser His Thr Gln Pro Leu Gly Val Tyr Leu Leu Thr Pro Ala Val Gln
65 70 75 80
Asp Leu Trp Leu Arg Asp Lys Ala Thr Phe Thr Cys Phe Val Val Gly
85 90 95
Ser Asp Leu Lys Asp Ala His Leu Thr Trp Glu Val Ala Gly Lys Val
100 105 110
Pro Thr Gly Gly Val Glu Glu Gly Leu Leu Glu Arg His Ser Asn Gly
115 120 125
Ser Gln Ser Gln His Ser Arg Leu Thr Leu Pro Arg Ser Leu Trp Asn
130 135 140
Ala Gly Thr Ser Val Thr Cys Thr Leu Asn His Pro Ser Leu Pro Pro
145 150 155 160
Gln Arg Leu Met Ala Leu Arg Glu Pro Ala Ala Gln Ala Pro Val Lys
165 170 175
Leu Ser Leu Asn Leu Leu Ala Ser Ser Asp Pro Pro Glu Ala Ala Ser
180 185 190
Trp Leu Leu Cys Glu Val Ser Gly Phe Ser Pro Pro Asn Ile Leu Leu
195 200 205
Met Trp Leu Glu Asp Gln Arg Glu Val Asn Thr Ser Gly Phe Ala Pro
210 215 220
Ala Arg Pro Pro Pro Gln Pro Gly Ser Thr Thr Phe Trp Ala Trp Ser
225 230 235 240
Val Leu Arg Val Pro Ala Pro Pro Ser Pro Gln Pro Ala Thr Tyr Thr
245 250 255
Cys Val Val Ser His Glu Asp Ser Arg Thr Leu Leu Asn Ala Ser Arg
260 265 270
Ser Leu Glu Val Ser Tyr Val Thr Asp His
275 280

<210> 6
<211> 24
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> T2A
<400> 6
Leu Glu Gly Gly Gly Glu Gly Arg Gly Ser Leu Leu Thr Cys Gly Asp
1 5 10 15
Val Glu Glu Asn Pro Gly Pro Arg
20

<210> 7
<211> 357
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> tEGFR
<400> 7
Met Leu Leu Leu Val Thr Ser Leu Leu Leu Cys Glu Leu Pro His Pro
1 5 10 15
Ala Phe Leu Leu Ile Pro Arg Lys Val Cys Asn Gly Ile Gly Ile Gly
20 25 30
Glu Phe Lys Asp Ser Leu Ser Ile Asn Ala Thr Asn Ile Lys His Phe
35 40 45
Lys Asn Cys Thr Ser Ile Ser Gly Asp Leu His Ile Leu Pro Val Ala
50 55 60
Phe Arg Gly Asp Ser Phe Thr His Thr Pro Pro Leu Asp Pro Gln Glu
65 70 75 80
Leu Asp Ile Leu Lys Thr Val Lys Glu Ile Thr Gly Phe Leu Leu Ile
85 90 95
Gln Ala Trp Pro Glu Asn Arg Thr Asp Leu His Ala Phe Glu Asn Leu
100 105 110
Glu Ile Ile Arg Gly Arg Thr Lys Gln His Gly Gln Phe Ser Leu Ala
115 120 125
Val Val Ser Leu Asn Ile Thr Ser Leu Gly Leu Arg Ser Leu Lys Glu
130 135 140
Ile Ser Asp Gly Asp Val Ile Ile Ser Gly Asn Lys Asn Leu Cys Tyr
145 150 155 160
Ala Asn Thr Ile Asn Trp Lys Lys Leu Phe Gly Thr Ser Gly Gln Lys
165 170 175
Thr Lys Ile Ile Ser Asn Arg Gly Glu Asn Ser Cys Lys Ala Thr Gly
180 185 190
Gln Val Cys His Ala Leu Cys Ser Pro Glu Gly Cys Trp Gly Pro Glu
195 200 205
Pro Arg Asp Cys Val Ser Cys Arg Asn Val Ser Arg Gly Arg Glu Cys
210 215 220
Val Asp Lys Cys Asn Leu Leu Glu Gly Glu Pro Arg Glu Phe Val Glu
225 230 235 240
Asn Ser Glu Cys Ile Gln Cys His Pro Glu Cys Leu Pro Gln Ala Met
245 250 255
Asn Ile Thr Cys Thr Gly Arg Gly Pro Asp Asn Cys Ile Gln Cys Ala
260 265 270
His Tyr Ile Asp Gly Pro His Cys Val Lys Thr Cys Pro Ala Gly Val
275 280 285
Met Gly Glu Asn Asn Thr Leu Val Trp Lys Tyr Ala Asp Ala Gly His
290 295 300
Val Cys His Leu Cys His Pro Asn Cys Thr Tyr Gly Cys Thr Gly Pro
305 310 315 320
Gly Leu Glu Gly Cys Pro Thr Asn Gly Pro Lys Ile Pro Ser Ile Ala
325 330 335
Thr Gly Met Val Gly Ala Leu Leu Leu Leu Leu Val Val Ala Leu Gly
340 345 350
Ile Gly Leu Phe Met
355

<210> 8
<211> 27
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (amino acids 153-179 of Accession No. P10747)
<400> 8
Phe Trp Val Leu Val Val Val Gly Gly Val Leu Ala Cys Tyr Ser Leu
1 5 10 15
Leu Val Thr Val Ala Phe Ile Ile Phe Trp Val
20 25

<210> 9
<211> 66
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (amino acids 114-179 of Accession No. P10747)
<400> 9
Ile Glu Val Met Tyr Pro Pro Pro Tyr Leu Asp Asn Glu Lys Ser Asn
1 5 10 15
Gly Thr Ile Ile His Val Lys Gly Lys His Leu Cys Pro Ser Pro Leu
20 25 30
Phe Pro Gly Pro Ser Lys Pro Phe Trp Val Leu Val Val Val Gly Gly
35 40 45
Val Leu Ala Cys Tyr Ser Leu Leu Val Thr Val Ala Phe Ile Ile Phe
50 55 60
Trp Val
65

<210> 10
<211> 41
<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> CD28 (amino acids 180-220 of P10747)
<400> 10
Arg Ser Lys Arg Ser Arg Leu Leu His Ser Asp Tyr Met Asn Met Thr
1 5 10 15
Pro Arg Arg Pro Gly Pro Thr Arg Lys His Tyr Gln Pro Tyr Ala Pro
20 25 30
Pro Arg Asp Phe Ala Ala Tyr Arg Ser
35 40

<210> 11
<211> 41
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CD28 (LL to GG)
<400> 11
Arg Ser Lys Arg Ser Arg Gly Gly His Ser Asp Tyr Met Asn Met Thr
1 5 10 15
Pro Arg Arg Pro Gly Pro Thr Arg Lys His Tyr Gln Pro Tyr Ala Pro
20 25 30
Pro Arg Asp Phe Ala Ala Tyr Arg Ser
35 40

<210> 12
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<212> PRT
<213> Homo sapiens
<220>
<223> 4-1BB (amino acids 214-255 of Q07011.1)
<400> 12
Lys Arg Gly Arg Lys Lys Leu Leu Tyr Ile Phe Lys Gln Pro Phe Met
1 5 10 15
Arg Pro Val Gln Thr Thr Gln Glu Glu Asp Gly Cys Ser Cys Arg Phe
20 25 30
Pro Glu Glu Glu Glu Gly Gly Cys Glu Leu
35 40

<210> 13
<211> 112
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CD3 zeta
<400> 13
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Asp Ala Pro Ala Tyr Gln Gln Gly
1 5 10 15
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
20 25 30
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
35 40 45
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
50 55 60
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
65 70 75 80
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
85 90 95
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
100 105 110

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<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CD3 zeta
<400> 14
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Glu Pro Pro Ala Tyr Gln Gln Gly
1 5 10 15
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
20 25 30
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
35 40 45
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
50 55 60
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
65 70 75 80
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
85 90 95
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
100 105 110

<210> 15
<211> 112
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CD3 zeta
<400> 15
Arg Val Lys Phe Ser Arg Ser Ala Asp Ala Pro Ala Tyr Lys Gln Gly
1 5 10 15
Gln Asn Gln Leu Tyr Asn Glu Leu Asn Leu Gly Arg Arg Glu Glu Tyr
20 25 30
Asp Val Leu Asp Lys Arg Arg Gly Arg Asp Pro Glu Met Gly Gly Lys
35 40 45
Pro Arg Arg Lys Asn Pro Gln Glu Gly Leu Tyr Asn Glu Leu Gln Lys
50 55 60
Asp Lys Met Ala Glu Ala Tyr Ser Glu Ile Gly Met Lys Gly Glu Arg
65 70 75 80
Arg Arg Gly Lys Gly His Asp Gly Leu Tyr Gln Gly Leu Ser Thr Ala
85 90 95
Thr Lys Asp Thr Tyr Asp Ala Leu His Met Gln Ala Leu Pro Pro Arg
100 105 110

<210> 16
<211> 335
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> tEGFR
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Arg Lys Val Cys Asn Gly Ile Gly Ile Gly Glu Phe Lys Asp Ser Leu
1 5 10 15
Ser Ile Asn Ala Thr Asn Ile Lys His Phe Lys Asn Cys Thr Ser Ile
20 25 30
Ser Gly Asp Leu His Ile Leu Pro Val Ala Phe Arg Gly Asp Ser Phe
35 40 45
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50 55 60
Val Lys Glu Ile Thr Gly Phe Leu Leu Ile Gln Ala Trp Pro Glu Asn
65 70 75 80
Arg Thr Asp Leu His Ala Phe Glu Asn Leu Glu Ile Ile Arg Gly Arg
85 90 95
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100 105 110
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115 120 125
Ile Ile Ser Gly Asn Lys Asn Leu Cys Tyr Ala Asn Thr Ile Asn Trp
130 135 140
Lys Lys Leu Phe Gly Thr Ser Gly Gln Lys Thr Lys Ile Ile Ser Asn
145 150 155 160
Arg Gly Glu Asn Ser Cys Lys Ala Thr Gly Gln Val Cys His Ala Leu
165 170 175
Cys Ser Pro Glu Gly Cys Trp Gly Pro Glu Pro Arg Asp Cys Val Ser
180 185 190
Cys Arg Asn Val Ser Arg Gly Arg Glu Cys Val Asp Lys Cys Asn Leu
195 200 205
Leu Glu Gly Glu Pro Arg Glu Phe Val Glu Asn Ser Glu Cys Ile Gln
210 215 220
Cys His Pro Glu Cys Leu Pro Gln Ala Met Asn Ile Thr Cys Thr Gly
225 230 235 240
Arg Gly Pro Asp Asn Cys Ile Gln Cys Ala His Tyr Ile Asp Gly Pro
245 250 255
His Cys Val Lys Thr Cys Pro Ala Gly Val Met Gly Glu Asn Asn Thr
260 265 270
Leu Val Trp Lys Tyr Ala Asp Ala Gly His Val Cys His Leu Cys His
275 280 285
Pro Asn Cys Thr Tyr Gly Cys Thr Gly Pro Gly Leu Glu Gly Cys Pro
290 295 300
Thr Asn Gly Pro Lys Ile Pro Ser Ile Ala Thr Gly Met Val Gly Ala
305 310 315 320
Leu Leu Leu Leu Leu Val Val Ala Leu Gly Ile Gly Leu Phe Met
325 330 335

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<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> T2A
<400> 17
Glu Gly Arg Gly Ser Leu Leu Thr Cys Gly Asp Val Glu Glu Asn Pro
1 5 10 15
Gly Pro

<210> 18
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> P2A
<400> 18
Gly Ser Gly Ala Thr Asn Phe Ser Leu Leu Lys Gln Ala Gly Asp Val
1 5 10 15
Glu Glu Asn Pro Gly Pro
20

<210> 19
<211> 19
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> P2A
<400> 19
Ala Thr Asn Phe Ser Leu Leu Lys Gln Ala Gly Asp Val Glu Glu Asn
1 5 10 15
Pro Gly Pro

<210> 20
<211> 20
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> E2A
<400> 20
Gln Cys Thr Asn Tyr Ala Leu Leu Lys Leu Ala Gly Asp Val Glu Ser
1 5 10 15
Asn Pro Gly Pro
20

<210> 21
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> F2A
<400> 21
Val Lys Gln Thr Leu Asn Phe Asp Leu Leu Lys Leu Ala Gly Asp Val
1 5 10 15
Glu Ser Asn Pro Gly Pro
20

<210> 22
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Linker
<220>
<221> REPEAT
<222> (5)...(9)
<223> SGGGG is repeated 5 times
<400> 22
Pro Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Pro
1 5 10

<210> 23
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<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Linker
<400> 23
Gly Ser Ala Asp Asp Ala Lys Lys Asp Ala Ala Lys Lys Asp Gly Lys
1 5 10 15
Ser

<210> 24
<211> 66
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> GMCSFR alpha chain signal sequence
<400> 24
atgcttctcc tggtgacaag ccttctgctc tgtgagttac cacacccagc attcctcctg 60
atccca 66

<210> 25
<211> 22
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> GMCSFR alpha chain signal sequence
<400> 25
Met Leu Leu Leu Val Thr Ser Leu Leu Leu Cys Glu Leu Pro His Pro
1 5 10 15
Ala Phe Leu Leu Ile Pro
20

<210> 26
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CD8 alpha signal peptide
<400> 26
Met Ala Leu Pro Val Thr Ala Leu Leu Leu Pro Leu Ala Leu Leu Leu
1 5 10 15
His Ala

<210> 27
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 27
Glu Pro Lys Ser Cys Asp Lys Thr His Thr Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10 15

<210> 28
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 28
Glu Arg Lys Cys Cys Val Glu Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 29
<211> 61
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 29
Glu Leu Lys Thr Pro Leu Gly Asp Thr His Thr Cys Pro Arg Cys Pro
1 5 10 15
Glu Pro Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro Glu
20 25 30
Pro Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro Glu Pro
35 40 45
Lys Ser Cys Asp Thr Pro Pro Pro Cys Pro Arg Cys Pro
50 55 60

<210> 30
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 30
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Ser Cys Pro
1 5 10

<210> 31
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 31
Glu Ser Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 32
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 32
Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5

<210> 33
<211> 10
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 33
Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 34
<211> 14
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<400> 34
Glu Val Val Val Lys Tyr Gly Pro Pro Cys Pro Pro Cys Pro
1 5 10

<210> 35
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L1
<400> 35
Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr Leu Asn
1 5 10

<210> 36
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L2
<400> 36
Ser Arg Leu His Ser Gly Val
1 5

<210> 37
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L3
<400> 37
Gly Asn Thr Leu Pro Tyr Thr Phe Gly
1 5

<210> 38
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H1
<400> 38
Asp Tyr Gly Val Ser
1 5

<210> 39
<211> 16
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H2
<400> 39
Val Ile Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser
1 5 10 15

<210> 40
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H3
<400> 40
Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly
1 5

<210> 41
<211> 120
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VH
<400> 41
Glu Val Lys Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln
1 5 10 15
Ser Leu Ser Val Thr Cys Thr Val Ser Gly Val Ser Leu Pro Asp Tyr
20 25 30
Gly Val Ser Trp Ile Arg Gln Pro Pro Arg Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Val Ile Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ile Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu
65 70 75 80
Lys Met Asn Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Lys His Tyr Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln
100 105 110
Gly Thr Ser Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 42
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VL
<400> 42
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr His Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln
65 70 75 80
Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Thr
100 105

<210> 43
<211> 245
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> scFv
<400> 43
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Lys Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr His Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln
65 70 75 80
Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Thr Gly Ser Thr Ser Gly
100 105 110
Ser Gly Lys Pro Gly Ser Gly Glu Gly Ser Thr Lys Gly Glu Val Lys
115 120 125
Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln Ser Leu Ser
130 135 140
Val Thr Cys Thr Val Ser Gly Val Ser Leu Pro Asp Tyr Gly Val Ser
145 150 155 160
Trp Ile Arg Gln Pro Pro Arg Lys Gly Leu Glu Trp Leu Gly Val Ile
165 170 175
Trp Gly Ser Glu Thr Thr Tyr Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser Arg Leu
180 185 190
Thr Ile Ile Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu Lys Met Asn
195 200 205
Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala Lys His Tyr
210 215 220
Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Ser
225 230 235 240
Val Thr Val Ser Ser
245

<210> 44
<211> 11
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L1
<400> 44
Lys Ala Ser Gln Asn Val Gly Thr Asn Val Ala
1 5 10

<210> 45
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L2
<400> 45
Ser Ala Thr Tyr Arg Asn Ser
1 5

<210> 46
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR L3
<400> 46
Gln Gln Tyr Asn Arg Tyr Pro Tyr Thr
1 5

<210> 47
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H1
<400> 47
Ser Tyr Trp Met Asn
1 5

<210> 48
<211> 17
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H2
<400> 48
Gln Ile Tyr Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asn Tyr Asn Gly Lys Phe Lys
1 5 10 15
Gly

<210> 49
<211> 13
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> CDR H3
<400> 49
Lys Thr Ile Ser Ser Val Val Asp Phe Tyr Phe Asp Tyr
1 5 10

<210> 50
<211> 122
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VH
<400> 50
Glu Val Lys Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Trp Met Asn Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Gln Ile Tyr Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asn Tyr Asn Gly Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Gln Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Gly Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Lys Thr Ile Ser Ser Val Val Asp Phe Tyr Phe Asp Tyr Trp
100 105 110
Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 51
<211> 108
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> VL
<400> 51
Asp Ile Glu Leu Thr Gln Ser Pro Lys Phe Met Ser Thr Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Ser Val Thr Cys Lys Ala Ser Gln Asn Val Gly Thr Asn
20 25 30
Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ser Pro Lys Pro Leu Ile
35 40 45
Tyr Ser Ala Thr Tyr Arg Asn Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Thr Asn Val Gln Ser
65 70 75 80
Lys Asp Leu Ala Asp Tyr Phe Cys Gln Gln Tyr Asn Arg Tyr Pro Tyr
85 90 95
Thr Ser Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg
100 105

<210> 52
<211> 15
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Linker
<400> 52
Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser
1 5 10 15

<210> 53
<211> 245
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> scFv
<400> 53
Glu Val Lys Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Ile Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe Ser Ser Tyr
20 25 30
Trp Met Asn Trp Val Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Gln Ile Tyr Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asn Tyr Asn Gly Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Gln Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Gln Leu Ser Gly Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Phe Cys
85 90 95
Ala Arg Lys Thr Ile Ser Ser Val Val Asp Phe Tyr Phe Asp Tyr Trp
100 105 110
Gly Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser Gly Gly Gly Gly Ser Gly
115 120 125
Gly Gly Gly Ser Gly Gly Gly Gly Ser Asp Ile Glu Leu Thr Gln Ser
130 135 140
Pro Lys Phe Met Ser Thr Ser Val Gly Asp Arg Val Ser Val Thr Cys
145 150 155 160
Lys Ala Ser Gln Asn Val Gly Thr Asn Val Ala Trp Tyr Gln Gln Lys
165 170 175
Pro Gly Gln Ser Pro Lys Pro Leu Ile Tyr Ser Ala Thr Tyr Arg Asn
180 185 190
Ser Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe
195 200 205
Thr Leu Thr Ile Thr Asn Val Gln Ser Lys Asp Leu Ala Asp Tyr Phe
210 215 220
Cys Gln Gln Tyr Asn Arg Tyr Pro Tyr Thr Ser Gly Gly Gly Thr Lys
225 230 235 240
Leu Glu Ile Lys Arg
245

<210> 54
<211> 12
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> HC-CDR3
<400> 54
His Tyr Tyr Tyr Gly Gly Ser Tyr Ala Met Asp Tyr
1 5 10

<210> 55
<211> 7
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> LC-CDR2
<400> 55
His Thr Ser Arg Leu His Ser
1 5

<210> 56
<211> 9
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> LC-CDR3
<400> 56
Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Tyr Thr
1 5

<210> 57
<211> 735
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Sequence encoding scFv
<400> 57
gacatccaga tgacccagac cacctccagc ctgagcgcca gcctgggcga ccgggtgacc 60
atcagctgcc gggccagcca ggacatcagc aagtacctga actggtatca gcagaagccc 120
gacggcaccg tcaagctgct gatctaccac accagccggc tgcacagcgg cgtgcccagc 180
cggtttagcg gcagcggctc cggcaccgac tacagcctga ccatctccaa cctggaacag 240
gaagatatcg ccacctactt ttgccagcag ggcaacacac tgccctacac ctttggcggc 300
ggaacaaagc tggaaatcac cggcagcacc tccggcagcg gcaagcctgg cagcggcgag 360
ggcagcacca agggcgaggt gaagctgcag gaaagcggcc ctggcctggt ggcccccagc 420
cagagcctga gcgtgacctg caccgtgagc ggcgtgagcc tgcccgacta cggcgtgagc 480
tggatccggc agccccccag gaagggcctg gaatggctgg gcgtgatctg gggcagcgag 540
accacctact acaacagcgc cctgaagagc cggctgacca tcatcaagga caacagcaag 600
agccaggtgt tcctgaagat gaacagcctg cagaccgacg acaccgccat ctactactgc 660
gccaagcact actactacgg cggcagctac gccatggact actggggcca gggcaccagc 720
gtgaccgtga gcagc 735

<210> 58
<211> 5
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Hinge
<220>
<221> VARIANT
<222> (1)...(1)
<223> Xaa is glycine, cysteine or arginine
<220>
<221> VARIANT
<222> (4)...(4)
<223> Xaa is cysteine or threonine
<400> 58
Xaa Pro Pro Xaa Pro
1 5

<210> 59
<211> 18
<212> PRT
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Linker
<400> 59
Gly Ser Thr Ser Gly Ser Gly Lys Pro Gly Ser Gly Glu Gly Ser Thr
1 5 10 15
Lys Gly
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7-1】
図7-2】
図8
図9-1】
図9-2】
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
【配列表】
2023100673000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-05-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法であって、
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8+ およびCD4+T細胞を含む治療用組成物において組換え受容体ならびにC-Cケモカイン受容体7型(CCR7)およびCD27を発現するT細胞(受容体+/CCR7+/CD27+)の数、パーセンテージ、もしくは比評価する工程、ならびに
(b)受容体+/CCR7+/CD27+細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞含む、工程
を含む、方法
【請求項2】
単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法であって、
(a)複数の受容体+/CD8+ および受容体+/CD4+細胞を含む治療用組成物において受容体+/CCR7+/CD27+であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する工程ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、該組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該単位用量が規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞含む、工程
を含む、方法
【請求項3】
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;
前記単位用量が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む;
前記単位用量が、少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107 総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107 総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、あるいは
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+であり、かつ、前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
細胞の単位用量が、規定の比受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、該方法が、
i)対象からの生物学的試料から、目標数もしくは目標パーセンテージのCD4 + /CCR7 + /CD27 + およびCD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含むインプット組成物を提供する工程
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含み、
該方法が、規定の比の、CCR7およびCD27を発現する受容体+/CD8+T細胞とCCR7およびCD27を発現する受容体+/CD4+T細胞含むアウトプット組成物を産生する、方法。
【請求項7】
前記アウトプット組成物が、規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+ 受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
疾患または状態を有する対象に投与するためのT細胞組成物の1つまたは複数の単位用量を決定する工程をさらに含み、該単位用量が規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、または規定の比の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞含むアウトプット組成物の全てまたは一部を含む、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記単位用量が、
それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞;
少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および少なくとも約3×106、少なくとも約4×106、少なくとも約5×106、少なくとも約6×106、少なくとも約7×106、少なくとも約8×106、少なくとも約9×106、もしくは少なくとも約1×107の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞;あるいは
それぞれ両端の値を含めて、3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞および3×106もしくは約3×106と2.5×107もしくは約2.5×107との間、4×106もしくは約4×106と2×107もしくは約2×107との間、または5×106もしくは約5×106と1×107もしくは約1×107との間の総受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞
を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+ および受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+である、
請求項8または9記載の方法。
【請求項11】
細胞の単位用量が、規定の比受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞と受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞を含む、請求項8~10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
前記単位用量中の総受容体+細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体+細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、CD45RA + である、請求項8~11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
1種または複数種の刺激剤が、CD3結合分子、抗CD3抗体、CD28結合分子、抗CD28抗体、組換えIL-2、組換えIL-15、組換えIL-7、抗原受容体に特異的に認識される抗原を含むワクチン、および抗原受容体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項6~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む;および/あるいは
単位用量が、約5×108以下、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下の総受容体+/CD3+細胞または総CD3+細胞を含む、
請求項1~5および8~13のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
CD3+細胞の総数、受容体+/CD3+細胞の総数受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞の総数、および/または受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞の総数、生存しているかもしくは生存可能な該細胞の総数であるか、またはアポトーシスマーカーを発現しない該細胞の総数である、および/もしくはアポトーシスマーカー陰性(-)である該細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、請求項1~14のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
疾患または状態を処置する方法において使用するための医薬の製造における、組換え受容体を発現するT細胞を含む操作細胞組成物の使用であって、該方法が、
(a)組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標である要素について、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物をアッセイする工程であって、該要素がCD27およびCCR7について表面陽性である、組換え受容体を発現しているT細胞のパーセンテージである、工程と;
(b)疾患または状態を有する対象に療法を投与する工程であって、該投与が、
(i)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値であるか閾値を上回る場合、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与すること;あるいは
(ii)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が、該要素の閾値を下回る場合、
(A)操作細胞組成物の細胞の1つもしくは複数の単位用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(B)操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(C)操作細胞組成物の1つもしくは複数の単位用量以外の、該疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を投与すること
より選択され、
該要素の閾値が該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CD27およびCCR7について表面陽性である工程と
を含む、使用
【請求項17】
治療用T細胞組成物に対する応答の可能性を予測するインビトロまたはエクスビボの方法であって、
(a)組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標である要素について、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物をアッセイする工程であって、該要素がCD27およびCCR7について表面陽性である、組換え受容体を発現しているT細胞のパーセンテージである、工程と;
(b)操作された細胞のある用量を含む細胞療法を投与した後の応答の可能性を決定する工程であって、該要素が閾値であるかもしくは閾値を超える場合、該療法を投与した後に、対象が永続的応答もしくは無増悪生存期間を達成する可能性があると同定するか;または該要素が閾値を下回る場合、対象が該療法に対して永続的応答も無増悪生存期間も呈する可能性がないと同定し、
該要素の閾値が該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CD27およびCCR7について表面陽性である工程と
を含む、方法
【請求項18】
1つまたは複数の単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と5×108もしくは約5×108との間、1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間の、総受容体+/T細胞または総T細胞を含む、請求項16記載の使用。
【請求項19】
要素の閾値が、前記組成物中のT細胞の総数の、または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数約40%、CCR7およびCD27について表面陽性であることである請求項16もしくは18記載の使用または請求項17記載の方法。
【請求項20】
対象が永続的応答も無増悪生存期間も達成する可能性がないと同定された場合、
(a)操作細胞組成物の細胞のある用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の用量以外の、疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法の投与に対象が選択される、請求項16、18、および19のいずれか一項記載の使用または請求項17もしくは19記載の方法。
【請求項21】
刺激剤が、
(i)非特異的もしくは非抗原依存性のT細胞刺激剤である;または
(ii)組換え受容体に特異的に結合する、
請求項16および18~20のいずれか一項記載の使用または請求項17、19、および20のいずれか一項記載の方法。
【請求項22】
刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(HA)、またはコンカナバリンA(ConA)である、請求項16および18~21のいずれか一項記載の使用または請求項17および19~21のいずれか一項記載の方法。
【請求項23】
組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の数、パーセンテージ、または比が、CD27およびCCR7について表面陽性であり前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8+およびCD4+のT細胞を含むかまたは該細胞からなる、ならびに/あるいは
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
治療用組成物。
【請求項24】
前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて1×105もしくは約1×105と1×108もしくは約1×108との間、5×105もしくは約5×105と1×107もしくは約1×107との間、または1×106もしくは約1×106と1×107もしくは約1×107との間総受容体+/CD8+/CCR7+ /CD27 + 細胞および総受容体+/CD4+/CCR7+ /CD27 + 細胞を含む;または
前記単位用量または前記組成物が、約1×108以下、約5×107以下、約1×107以下、約5×106以下、約1×106以下、または約5×105以下総受容体+/CD8+/CCR7+ /CD27 + 細胞、または総受容体+/CD4+/CCR7+ /CD27 + 細胞を含む
請求項23記載の治療用組成物。
【請求項25】
疾患または状態を有する対象の処置のための医薬の製造における、1つまたは複数の単位用量の請求項23または24記載の組成物の使用。
【請求項26】
細胞の単位用量が、規定の数の受容体+/CD8+/CCR7+/CD27+細胞、および規定の数の受容体+/CD4+/CCR7+/CD27+細胞、請求項25記載の使用。
【請求項27】
抗原に結合する組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用細胞組成物であって、該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7およびCD27について表面陽性であり、かつ、刺激剤で刺激した後、
該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生することができる;あるいは
該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性である、
治療用細胞組成物。
【請求項28】
前記治療用細胞組成物はCD3+T細胞が富化されている、および/またはCD4+およびCD8+T細胞が富化されている、あるいは操作組成物中の総組換え受容体+細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD3+、および/またはCD4+およびCD8+である、請求項27記載の治療用細胞組成物。
【請求項29】
疾患または状態を有する対象の処置のための医薬の製造における、1つまたは複数の単位用量の請求項27または28記載の治療用細胞組成物の使用。
【請求項30】
前記治療用組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の治療用細胞組成物であり、1つまたは複数の単位用量が、CD8+T細胞およびCD4+細胞のうちの他方を含む第二の治療用細胞組成物をさらに含み、該第二の組成物が、組換え受容体、あるいは抗原または疾患もしくは状態によって発現される細胞に特異的な組換え受容体を発現している細胞を含む、請求項29記載の使用。
【請求項31】
第二の治療用細胞組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CD27およびCCR7について表面陽性である、請求項30記載の使用。
【請求項32】
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、請求項1~31のいずれか一項記載の方法、使用、治療用組成物、または治療用細胞組成物。
【請求項33】
インビトロまたはエクスビボで行われる、請求項1~15、17、および32のいずれか一項記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0167
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0167】
いくつかの態様では、アウトプット組成物は、該組成物中のT細胞の総数のまたは組換え受容体を発現する該組成物中のT細胞の総数の少なくとも40%もしくは約40%、少なくとも50%もしくは約50%、少なくとも60%もしくは約60%、少なくとも70%もしくは約70%、少なくとも80%もしくは約80%、少なくとも85%もしくは約85%、少なくとも90%もしくは約90%、少なくとも91%もしくは約91%、少なくとも92%もしくは約92%、少なくとも93%もしくは約93%、少なくとも94%もしくは約94%、少なくとも95%もしくは約95%、少なくとも96%もしくは約96%、少なくとも97%もしくは約97%、少なくとも98%もしくは約98%、少なくとも99%もしくは約99%または少なくとも100%もしくは約100%を含有し、これらが、CCR7および/またはCD27について表面陽性である;ならびに/あるいは組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも85%もしくは少なくとも約85%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも91%もしくは少なくとも約91%、少なくとも92%もしくは少なくとも約92%、少なくとも93%もしくは少なくとも約93%、少なくとも94%もしくは少なくとも約94%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも96%もしくは少なくとも約96%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、少なくとも98%もしくは少なくとも約98%、少なくとも99%もしくは少なくとも約99%、または少なくとも100%もしくは少なくとも約100%が、刺激物質による刺激後にインターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができる;ならびに/あるいは組換え受容体を発現する組成物中のCD4+ T細胞の総数の少なくとも10%もしくは少なくとも約10%、少なくとも15%もしくは少なくとも約15%、少なくとも20%もしくは少なくとも約20%、少なくとも25%もしくは少なくとも約25%、少なくとも30%もしくは少なくとも約30%、少なくとも40%もしくは少なくとも約40%、少なくとも50%もしくは少なくとも約50%、少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、またはより多くが、刺激物質による刺激後にインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)およびTNF-アルファの中から選択される2以上のサイトカインの産生について多機能性である。いくつかの態様では、刺激物質は、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、ポリクローナル刺激物質である。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性刺激物質は、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)またはコンカナバリンA(ConA)を含む。いくつかの態様では、非特異的または非抗原依存性T細胞刺激物質は、PMA/イオノマイシンを含有する。いくつかの態様では、刺激物質は、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、刺激物質は、抗原特異的刺激試薬であり、かつ/または、組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含有する。いくつかの態様では、サイトカインの産生は、細胞内サイトカインアッセイで測定される。
[本発明1001]
組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、前記治療用組成物。
[本発明1002]
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも50%、または少なくとも約50%、または50%、または約50%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、本発明1001の治療用組成物。
[本発明1003]
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも60%、または少なくとも約60%、または60%、または約60%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、本発明1001の治療用組成物。
[本発明1004]
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも70%、または少なくとも約70%、または70%、または約70%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、本発明1001の治療用組成物。
[本発明1005]
前記組成物中のT細胞の総数のまたは前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも80%、または少なくとも約80%、または80%、または約80%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性である、本発明1001の治療用組成物。
[本発明1006]
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD4 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8 + およびCD4 + のT細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD8 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD4 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;ならびに/あるいは
前記組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4 + T細胞とCD8 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
本発明1001~1005のいずれかの治療用組成物。
[本発明1007]
組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用組成物であって、該組成物中のT細胞の総数のまたは該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD4 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、CD8 + およびCD4 + のT細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD8 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%のCD4 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる;ならびに/あるいは
該組成物中のおよび/または組換え受容体を発現しているT細胞が、約1:1、または約1:3~3:1、または約1:2~2:1のCD4 + T細胞とCD8 + T細胞を含むかまたは該細胞からなる、
前記治療用組成物。
[本発明1008]
前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CCR7について表面陽性である、本発明1001~1007のいずれかの治療用組成物。
[本発明1009]
前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CD27について表面陽性である、本発明1001~1007のいずれかの治療用組成物。
[本発明1010]
前記組成物中のT細胞の総数または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数が、CCR7およびCD27について表面陽性である、本発明1001~1007のいずれかの治療用組成物。
[本発明1011]
1つまたは複数の単位用量の細胞を含む、本発明1001~1010のいずれかの治療用組成物。
[本発明1012]
前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD8 + 細胞(受容体 + /CD8 + 細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4 + 細胞(受容体 + /CD4 + 細胞)、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含む;および/あるいは
前記単位用量または前記組成物が、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD8 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含む、
本発明1001~1011のいずれかの治療用組成物。
[本発明1013]
前記組成物または前記単位用量が、少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞;および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD4 + /CD27 + を含む、本発明1001~1012のいずれかの治療用組成物。
[本発明1014]
前記単位用量または前記組成物が、それぞれ両端の値を含めて3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞または総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、および/あるいは3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞または総受容体 + /CD4 + /CD27 + を含む、本発明1001~1013のいずれかの治療用組成物。
[本発明1015]
前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + または受容体 + /CD8 + /CD27 + であるか;あるいは前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD4 + /CCR7 + または受容体 + /CD4 + /CD27 + である、本発明1001~1014のいずれかの治療用組成物。
[本発明1016]
前記単位用量または前記組成物が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1001~1015のいずれかの治療用組成物。
[本発明1017]
規定の数または比の細胞が、さらに、CD27 + またはCD45RA - の細胞である、本発明1016の治療用組成物。
[本発明1018]
前記単位用量または前記組成物が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1001~1015のいずれかの治療用組成物。
[本発明1019]
規定の数または比の細胞が、さらに、CCR7 + またはCD45RA - の細胞である、本発明1018の治療用組成物。
[本発明1020]
前記単位用量もしくは前記組成物が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む;ならびに/または前記単位用量もしくは前記組成物が、規定の数の、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む、本発明1001~1019のいずれかの治療用組成物。
[本発明1021]
前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量もしくは前記組成物中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 、または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - である、本発明1001~1020のいずれかの治療用組成物。
[本発明1022]
組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と5×10 8 もしくは約5×10 8 との間、1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD3 + 細胞(受容体 + /CD3 + 細胞)または総CD3 + 細胞を含む;および/あるいは組換え受容体を発現している細胞の単位用量または数が、約5×10 8 以下、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD3 + 細胞または総CD3 + 細胞を含む、本発明1001~1021のいずれかの治療用組成物。
[本発明1023]
CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞の総数、および/または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、本発明1001~1022のいずれかの治療用組成物。
[本発明1024]
CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞の総数、および/または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞が、アポトーシスマーカーを発現しない細胞の総数である、および/またはアポトーシスマーカー陰性( - )である細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、本発明1001~1023のいずれかの治療用組成物。
[本発明1025]
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、本発明1001~1029のいずれかの治療用組成物。
[本発明1026]
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、本発明1025の治療用組成物。
[本発明1027]
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、本発明1025または1026の治療用組成物。
[本発明1028]
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、本発明1001~1027のいずれかの治療用組成物。
[本発明1029]
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含み、かつ、該細胞外ドメインと該細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、本発明1001~1028のいずれかの治療用組成物。
[本発明1030]
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、本発明1028の治療用組成物。
[本発明1031]
前記フラグメントがscFvを含む、本発明1030の治療用組成物。
[本発明1032]
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、本発明1029~1031のいずれかの治療用組成物。
[本発明1033]
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、本発明1029~1032のいずれかの治療用組成物。
[本発明1034]
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1033の治療用組成物。
[本発明1035]
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1033または1034の治療用組成物。
[本発明1036]
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、本発明1033~1035のいずれかの治療用組成物。
[本発明1037]
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、本発明1001~1036のいずれかの治療用組成物。
[本発明1038]
T細胞が、対象に対して自己である、本発明1001~1037のいずれかの治療用組成物。
[本発明1039]
T細胞が、対象に対して同種である、本発明1001~1037のいずれかの治療用組成物。
[本発明1040]
対象ががんを有し、任意で、該がんが白血病またはリンパ腫である、本発明1037~1039のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1041]
対象が、細胞を得るときに、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、本発明1040の治療用細胞組成物。
[本発明1042]
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm 2 超、40cm 2 超、50cm 2 超、60cm 2 超、もしくは70cm 2 超、または約30cm 2 超、約40cm 2 超、約50cm 2 超、約60cm 2 超、もしくは約70cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、本発明1041の治療用細胞組成物。
[本発明1043]
対象における腫瘍のSPDが、50cm 2 超または約50cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、本発明1042の治療用細胞組成物。
[本発明1044]
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、本発明1042または1043の治療用細胞組成物。
[本発明1045]
本発明1001~1044のいずれかの組成物を含む容器と、
疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
[本発明1046]
1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1つまたは複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する(任意で表面発現する)組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記容器と;
疾患または状態を有する対象に、治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
[本発明1047]
1つまたは複数の治療用組成物中に存在する1つまたは複数の単位用量の細胞を含む容器であって、該単位用量が、組換え受容体を発現している(任意で発現するように操作された)複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含み、細胞の単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する(任意で表面発現する)組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記容器と;
疾患または状態を有する対象に、治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書と
を含む製造品。
[本発明1048]
細胞の単位用量が、本発明1001~1044のいずれかの組成物を含む、本発明1046または1047の製造品。
[本発明1049]
疾患または状態を有する対象に、1つもしくは複数の単位用量の本発明1001もしくは1007の治療用組成物、または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/もしくはCD4 + T細胞を含む治療用組成物、ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、任意で、
細胞の単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ/あるいは
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7 + 細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、前記処置方法。
[本発明1050]
細胞の単位用量が規定の数のCD8 + /CCR7 + 細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4 + /CCR7 + 細胞を含む、本発明1049の方法。
[本発明1051]
疾患または状態を有する対象に、1つもしくは複数の単位用量の本発明1001もしくは1007の治療用組成物、または組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/もしくはCD4 + T細胞を含む治療用組成物、ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、任意で、
細胞の単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ/あるいは
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCD27を発現する細胞(CD27 + 細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、前記処置方法。
[本発明1052]
細胞の単位用量が規定の数のCD8 + /CD27 + 細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1051の方法。
[本発明1053]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD8 + 細胞(受容体 + /CD8 + 細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4 + 細胞(受容体 + /CD4 + 細胞)、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含む;
前記単位用量が、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD8 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD4 + /CD27 + を含む、
本発明1049~1052のいずれかの方法。
[本発明1054]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞または総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、および/あるいは3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞または総受容体 + /CD4 + /CD27 + を含む、本発明1049~1053のいずれかの方法。
[本発明1055]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + または受容体 + /CD8 + /CD27 + であるか;あるいは前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD4 + /CCR7 + または受容体 + /CD4 + /CD27 + である、本発明1049~1054のいずれかの方法。
[本発明1056]
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1049、1050、および1053~1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1051~1055のいずれかの方法。
[本発明1058]
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む;ならびに/または細胞の単位用量が、規定の数の、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む、本発明1056または1057の方法。
[本発明1059]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + または受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - である;および/あるいは前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - である、本発明1058の方法。
[本発明1060]
疾患または状態を有する対象に、1つまたは複数の単位用量の本発明1001または1007の組成物を投与する工程を含む、処置方法。
[本発明1061]
細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ
前記方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7 + 細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、
本発明1060の方法。
[本発明1062]
疾患または状態を有する対象に、組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/もしくはCD4 + T細胞を含む治療用組成物、ならびに/またはこのような単位用量に対応する量を投与する工程を含む処置方法であって、
細胞の単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含み;かつ
該方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7 + 細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、
前記処置方法。
[本発明1063]
細胞の単位用量が規定の数のCD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1058~1062のいずれかの方法。
[本発明1064]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD8 + 細胞(受容体 + /CD8 + 細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4 + 細胞(受容体 + /CD4 + 細胞)、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む;
前記単位用量が、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD8 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞;および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、
本発明1058~1063のいずれかの方法。
[本発明1065]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞;および/あるいは3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1058~1064のいずれかの方法。
[本発明1066]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + である、本発明1058~1065のいずれかの方法。
[本発明1067]
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1058~1066のいずれかの方法。
[本発明1068]
規定の数の細胞が、CD45RAをさらに発現するかまたは発現せず、任意で、規定の数の細胞が、さらにCD45RA - 細胞である、本発明1049~1067のいずれかの方法。
[本発明1069]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と5×10 8 もしくは約5×10 8 との間、1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD3 + 細胞(受容体 + /CD3 + 細胞)または総CD3 + 細胞を含む、本発明1049~1068のいずれかの方法。
[本発明1070]
前記単位用量が、約5×10 8 以下、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD3 + 細胞または総CD3 + 細胞を含む、本発明1049~1069のいずれかの方法。
[本発明1071]
CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞の総数、および/または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、本発明1070の方法。
[本発明1072]
CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞の総数、および/または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞が、アポトーシスマーカーを発現しない細胞の総数である、および/またはアポトーシスマーカー陰性( - )である細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、本発明1049~1071のいずれかの方法。
[本発明1073]
複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与する工程を含む、本発明1049~1072のいずれかの方法。
[本発明1074]
複数の別個の組成物が、CD8 + T細胞およびCD4 + T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8 + T細胞およびCD4 + T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、本発明1073の方法。
[本発明1075]
前記第一の組成物が、CD8 + T細胞を含む、本発明1074の方法。
[本発明1076]
前記第一の組成物が、CD4 + T細胞を含む、本発明1074の方法。
[本発明1077]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、48時間以内の間隔をあけて投与する工程を含む、本発明1049~1076のいずれかの方法。
[本発明1078]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、36時間以内の間隔をあけて、24時間以内の間隔をあけて、12時間以内の間隔をあけて、6時間以内の間隔をあけて、4時間以内の間隔をあけて、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、または30分間以内の間隔をあけて投与される、本発明1077の方法。
[本発明1079]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、30分間以内の間隔をあけて、15分間以内の間隔をあけて、10分間以内の間隔をあけて、もしくは5分間以内の間隔をあけて、または同時に投与される、本発明1077または1078の方法。
[本発明1080]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4 + 細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、本発明1073~1079のいずれかの方法。
[本発明1081]
CD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8 + 細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、本発明1073~1079のいずれかの方法。
[本発明1082]
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7を発現するT細胞(受容体 + /CCR7 + )の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;
(b)受容体 + /CCR7 + 細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
[本発明1083]
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCD27を発現するT細胞(受容体 + /CD27 + )の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)受容体 + /CCR7 + 細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
[本発明1084]
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7および/またはCD27を発現するT細胞(受容体 + /CCR7 + および/または受容体 + /CD27 + )の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、該組成物の全てまたは一部、および任意で別の溶液を容器に充填する工程であって、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞、あるいは規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法。
[本発明1085]
T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
[本発明1086]
T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
[本発明1087]
細胞の単位用量が規定の数のCD8 + /CCR7 + 細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4 + /CCR7 + 細胞を含む、本発明1083~1086のいずれかの方法。
[本発明1088]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD8 + 細胞(受容体 + /CD8 + 細胞)、または組換え受容体を発現する総CD4 + 細胞(受容体 + /CD4 + 細胞)、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含む;
前記単位用量が、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD8 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD4 + /CD27 + を含む、
本発明1082~1087のいずれかの方法。
[本発明1089]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞または総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、および/あるいは3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞または総受容体 + /CD4 + /CD27 + を含む、本発明1082~1088のいずれかの方法。
[本発明1090]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + または受容体 + /CD8 + /CD27 + であるか;あるいは前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD4 + /CCR7 + または受容体 + /CD4 + /CD27 + である、本発明1082~1089のいずれかの方法。
[本発明1091]
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1082~1090のいずれかの方法。
[本発明1092]
前記単位用量が、CD27および/もしくはCD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD27 + またはCD45RA - 細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、本発明1082~1091のいずれかの方法。
[本発明1093]
治療用組成物において、CD27および/もしくはCD45RAを発現するかまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD27 + またはCD45RA - であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する工程をさらに含む、本発明1082~1092のいずれかの方法。
[本発明1094]
細胞の単位用量が、規定の数の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む、ならびに/または細胞の単位用量が、規定の数の、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む、本発明1092または1093の方法。
[本発明1095]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 、または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - である、本発明1092~1095のいずれかの方法。
[本発明1096]
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7およびCD27を発現するT細胞(受容体 + /CCR7 + /CD27 + )の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;
(b)受容体 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の数、パーセンテージ、または比に基づいて、疾患または状態を有する対象に投与するための細胞の細胞の1つまたは複数の単位用量を決定する工程であって、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、対象を処置するための操作されたT細胞の単位用量を決定する方法。
[本発明1097]
(a)組換え受容体を発現するように操作された複数のCD8 + および/またはCD4 + T細胞を含む治療用組成物において、組換え受容体およびCCR7およびCD27を発現するT細胞(受容体 + /CCR7 + /CD27 + )の数、パーセンテージ、または比を評価する工程;ならびに
(b)T細胞組成物の単位用量を達成するために、組成物の全てまたは一部、および任意で別の溶液を容器に充填する工程であって、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含む、前記工程
を含む、単位用量のT細胞組成物を含む組成物を産生する方法。
[本発明1098]
T細胞組成物の単位用量を達成するために、T細胞組成物の全てまたは一部を容器に充填する工程であって、該T細胞組成物が、疾患または状態に関連する抗原に特異的に結合する組換え受容体を含むT細胞を含む、前記工程を含み、該単位用量が、規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と組成物中の別のサブセットの細胞を含む、単位用量のT細胞組成物を含む治療用組成物を産生する方法。
[本発明1099]
細胞の単位用量が規定の数のCD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、および/または細胞の単位用量が規定の数のCD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1096~1098のいずれかの方法。
[本発明1100]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD8 + 細胞(受容体 + /CD8 + 細胞)、もしくは組換え受容体を発現する総CD4 + 細胞(受容体 + /CD4 + 細胞)、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、もしくは総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む;前記単位用量が、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、もしくは約5×10 5 以下の総受容体 + /CD8 + 細胞、もしくは総受容体 + /CD4 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、もしくは総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む;ならびに/または前記単位用量が、少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1096~1099のいずれかの方法。
[本発明1101]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、および/あるいは3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1096~1100のいずれかの方法。
[本発明1102]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + である、本発明1096~1103のいずれかの方法。
[本発明1103]
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1096~1102のいずれかの方法。
[本発明1104]
前記単位用量が、CD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD45RA - 細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、本発明1096~1103のいずれかの方法。
[本発明1105]
治療用組成物において、CD45RAを発現するかまたは発現しないT細胞の数、パーセンテージ、または比、任意で、CD45RA - であるT細胞の数、パーセンテージ、または比を評価する工程をさらに含む、本発明1096~1104のいずれかの方法。
[本発明1106]
i)対象からの生物学的試料から、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8 + T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4 + T細胞を含むインプット組成物を提供する工程;
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程;ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体 + )CD8 + T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD8 + T細胞ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、前記方法。
[本発明1107]
組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドをインプット組成物に導入する工程を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
該インプット組成物が、対象からの生物学的試料から提供される、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8 + T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4 + T細胞を含み、かつ、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることによって、該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物が刺激され、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらし;ならびに
該方法が、規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体 + )CD8 + T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD8 + T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、
前記方法。
[本発明1108]
i)対象から得られた生物学的試料から、目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8 + T細胞、ならびに/または目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4 + T細胞を単離し、それにより、インプット組成物を生成する工程;
ii)組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを該インプット組成物に導入する工程;ならびに
iii)該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物中の該細胞を刺激する工程であって、刺激が、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることを含み、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらす、前記工程
を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体 + )CD8 + T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD8 + T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、前記方法。
[本発明1109]
組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドをインプット組成物に導入する工程を含む、遺伝子操作細胞を含む細胞組成物を生成するための方法であって、
該インプット組成物が、目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8 + T細胞、ならびに/または目標数の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4 + T細胞を、対象から得られた生物学的試料から単離することによって生成され、かつ、1種または複数種の刺激剤の存在下で該細胞をインキュベートすることによって、該導入の前、導入中、および/または導入後に該インプット組成物が刺激され、該刺激が、該細胞の活性化および/または増殖をもたらし;ならびに
該方法が、規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない組換え受容体発現(受容体 + )CD8 + T細胞とCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞、ならびに/あるいは規定の比の、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD8 + T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しない受容体 + /CD4 + T細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞を含むアウトプット組成物を産生する、
前記方法。
[本発明1110]
前記インプット組成物が、目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8 + T細胞、ならびに/または目標パーセンテージの、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4 + T細胞を含む、本発明1106~1109のいずれかの方法。
[本発明1111]
前記インプット組成物が、目標パーセンテージのCD4 + /CCR7 + 、CD4 + /CD27 + 、CD4 + /CCR7 + /CD27 + 、CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 、CD4 + /CCR7 + /CD45RA + 、CD8 + /CCR7 + 、CD8 + /CD27 + 、CD8 + /CCR7 + /CD27 + 、CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 、および/またはCD8 + /CCR7 + /CD45RA + の細胞を含む、本発明1106~1110のいずれかの方法。
[本発明1112]
前記アウトプット組成物が、
規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 、受容体 + /CD8 + /CD27 + 、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - および/もしくは受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA + の細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 、受容体 + /CD4 + /CD27 + 、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA + の細胞;または
規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 、受容体 + /CD8 + /CD27 + 、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - および/もしくは受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA + の細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 、受容体 + /CD4 + /CD27 + 、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA + の細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞
を含む、本発明1106~1111のいずれかの方法。
[本発明1113]
疾患または状態を有する対象に投与するためのT細胞組成物の1つまたは複数の単位用量を決定する工程をさらに含み、該単位用量が、
規定の数の、C-Cケモカイン受容体7型(CCR7)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞;
規定の数の、表面抗原分類27(CD27)を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞;あるいは
規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD8 + T細胞(受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の数の、CCR7およびCD27を発現する組換え受容体発現CD4 + T細胞(受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞)、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、ならびに/または規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/もしくは受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と該組成物中の別のサブセットの細胞
を含むアウトプット組成物の全てまたは一部を含む、本発明1106~1112のいずれかの方法。
[本発明1114]
細胞の単位用量が、規定の数のCD8 + /CCR7 + 細胞、CD4 + /CCR7 + 細胞、CD8 + /CD27 + 細胞、CD4 + /CD27 + 細胞、CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、および/またはCD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1113の方法。
[本発明1115]
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞、総受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞、総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞、または総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、本発明1113または1114の方法。
[本発明1116]
前記単位用量が、少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞;および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD4 + /CD27 + ;および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞および/または少なくとも約3×10 6 、少なくとも約4×10 6 、少なくとも約5×10 6 、少なくとも約6×10 6 、少なくとも約7×10 6 、少なくとも約8×10 6 、少なくとも約9×10 6 、もしくは少なくとも約1×10 7 の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む;ならびに/あるいは
前記単位用量が、それぞれ両端の値を含めて、3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞;および/または3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞もしくは総受容体 + /CD4 + /CD27 + ;および/または3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞;および/または3×10 6 もしくは約3×10 6 と2.5×10 7 もしくは約2.5×10 7 との間、4×10 6 もしくは約4×10 6 と2×10 7 もしくは約2×10 7 との間、または5×10 6 もしくは約5×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の総受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含む、
本発明1113~1115のいずれかの方法。
[本発明1117]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + または受容体 + /CD8 + /CD27 + である;
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD4 + /CCR7 + または受容体 + /CD4 + /CD27 + である;および/あるいは
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + である、
本発明1113~1116のいずれかの方法。
[本発明1118]
細胞の単位用量が、規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である;および/あるいは規定の比の、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である;および/あるいは規定の比の、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞と受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞を含み、その比が、任意で1:1もしくは約1:1、または約1:3~約3:1である、本発明1113~1117のいずれかの方法。
[本発明1119]
前記単位用量が、CD45を発現するかまたは発現しない細胞を含む規定の数の細胞をさらに含み、任意で、該単位用量が、CD45RA - 細胞を含む規定の数の細胞をさらに含む、本発明1113~1118のいずれかの方法。
[本発明1120]
細胞の単位用量が、規定の数の受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞および/または受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞を含む、本発明1110の方法。
[本発明1121]
前記単位用量中の総受容体 + 細胞の少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90%、または前記単位用量中の総受容体 + 細胞の、それぞれ両端の値を含めて約15%~90%、約20%~80%、約30%~70%、もしくは約40%~60%が、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - または受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - である、本発明1113~1120のいずれかの方法。
[本発明1122]
提供または単離の前に、CCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD8 + T細胞、ならびに/またはCCR7、CD27、および/もしくはCD45RAを発現するかもしくは発現しないCD4 + T細胞の数、体積あたりの数、重量あたりの数、および/またはパーセンテージを決定する工程を含む、本発明1106~1121のいずれかの方法。
[本発明1123]
1種または複数種の刺激剤が、T細胞、CD4 + T細胞および/もしくはCD8 + T細胞を活性化することができる;TCR複合体を通してシグナルを誘導することができる;ならびに/またはT細胞、CD4 + T細胞および/もしくはCD8 + T細胞の増殖を誘導することができる、本発明1106~1122のいずれかの方法。
[本発明1124]
1種または複数種の刺激剤が、TCR複合体のメンバーに結合する、任意で、CD3に特異的に結合する一次作用物質を含む、本発明1106~1123のいずれかの方法。
[本発明1125]
1種または複数種の刺激剤が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質をさらに含む、本発明1124の方法。
[本発明1126]
前記共刺激分子が、CD28、CD137(4-1BB)、OX40、またはICOSからなる群より選択される、本発明1125の方法。
[本発明1127]
一次作用物質および二次作用物質が抗体を含み、任意で、1種または複数種の刺激剤が、抗CD3抗体および抗CD28抗体と共にインキュベートすることを含む、本発明1125または1126の方法。
[本発明1128]
1種または複数種の刺激剤が、固体支持体、任意でビーズの表面上に存在する、本発明1106~1127のいずれかの方法。
[本発明1129]
1種または複数種の刺激剤が、CD3結合分子;CD28結合分子;組換えIL-2;組換えIL-15;および組換えIL-7、抗原受容体によって特異的に認識される抗原を含むワクチン、および抗原受容体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される、本発明1106~1128のいずれかの方法。
[本発明1130]
治療用組成物が、本発明1001または1007の組成物である、本発明1082~1129のいずれかの方法。
[本発明1131]
疾患または状態を有する対象に治療用組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与する工程をさらに含む、本発明1082~1130のいずれかの方法。
[本発明1132]
前記方法に従って処置された対象の群の中で、単位用量中のCCR7を発現する細胞(CCR7 + 細胞)の数または比が、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、または5%以下変動する、本発明1082~1131のいずれかの方法。
[本発明1133]
単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と5×10 8 もしくは約5×10 8 との間、1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総CD3 + 細胞(受容体 + /CD3 + 細胞)または総CD3 + 細胞を含む;82-および/あるいは単位用量が、約5×10 8 以下、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /CD3 + 細胞または総CD3 + 細胞を含む、本発明1082~1132のいずれかの方法。
[本発明1134]
CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞の総数、および/または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞が、生存しているかまたは生存可能な細胞の総数である、本発明1082~1133のいずれかの方法。
[本発明1135]
CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD3 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD27 + 細胞の総数、受容体 + /CD8 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞の総数、および/または受容体 + /CD4 + /CCR7 + /CD45RA - 細胞が、アポトーシスマーカーを発現しない細胞の総数である、および/またはアポトーシスマーカー陰性( - )である細胞の総数であり、該アポトーシスマーカーが、アネキシンVまたは活性化カスパーゼ3である、本発明1082~1134のいずれかの方法。
[本発明1136]
複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与する工程を含む、本発明1131~1135のいずれかの方法。
[本発明1137]
複数の別個の組成物が、CD8 + T細胞およびCD4 + T細胞のうちの一方を含む第一の組成物と、CD8 + T細胞およびCD4 + T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含む、本発明1136の方法。
[本発明1138]
第一の組成物が、CD8 + T細胞を含む、本発明1137の方法。
[本発明1139]
第一の組成物が、CD4 + T細胞を含む、本発明1137の方法。
[本発明1140]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、48時間以内の間隔をあけて投与する工程を含む、本発明1131~1139のいずれかの方法。
[本発明1141]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、36時間以内の間隔をあけて、24時間以内の間隔をあけて、12時間以内の間隔をあけて、6時間以内の間隔をあけて、4時間以内の間隔をあけて、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、または30分間以内の間隔をあけて投与される、本発明1140の方法。
[本発明1142]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物が、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、30分間以内の間隔をあけて、15分間以内の間隔をあけて、10分間以内の間隔をあけて、もしくは5分間以内の間隔をあけて、または同時に投与される、本発明1140または1141の方法。
[本発明1143]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4 + 細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、本発明1136~1142のいずれかの方法。
[本発明1144]
CD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD8 + 細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与する工程を含む、本発明1136~1142のいずれかの方法。
[本発明1145]
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、本発明1049~1144のいずれかの方法。
[本発明1146]
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、本発明1145の方法。
[本発明1147]
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、本発明1145または1146の方法。
[本発明1148]
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、本発明1049~1147のいずれかの方法。
[本発明1149]
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含み、かつ、該細胞外ドメインと該細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、本発明1048~1148のいずれかの方法。
[本発明1150]
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、本発明1149の方法。
[本発明1151]
前記フラグメントが、scFvを含む、本発明1150の方法。
[本発明1152]
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、本発明1149~1151のいずれかの方法。
[本発明1153]
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、本発明1149~1152のいずれかの方法。
[本発明1154]
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1153の方法。
[本発明1155]
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1153または1154の方法。
[本発明1156]
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、本発明1153~1155のいずれかの方法。
[本発明1157]
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、本発明1049~1156のいずれかの方法。
[本発明1158]
T細胞が、対象に対して自己である、本発明1049~1157のいずれかの方法。
[本発明1159]
T細胞が、対象に対して同種である、本発明1049~1157のいずれかの方法。
[本発明1160]
対象ががんを有し、任意で、該がんが白血病またはリンパ腫である、本発明1157~1179のいずれかの方法。
[本発明1161]
対象が、細胞を得るときに、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、本発明1160の方法。
[本発明1162]
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm 2 超、40cm 2 超、50cm 2 超、60cm 2 超、もしくは70cm 2 超、または約30cm 2 超、約40cm 2 超、約50cm 2 超、約60cm 2 超、もしくは約70cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、
本発明1161の方法。
[本発明1163]
対象における腫瘍のSPDが、50cm 2 超または約50cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、本発明1162の方法。
[本発明1164]
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、本発明1162または1163の方法。
[本発明1165]
本発明1106~1164のいずれかの方法によって産生される、アウトプット組成物。
[本発明1166]
本発明1082~1164のいずれかの方法によって決定または産生される、単位用量。
[本発明1167]
本発明1166の単位用量を含む、薬学的組成物。
[本発明1168]
薬学的担体をさらに含む、本発明1167の薬学的組成物。
[本発明1169]
本発明1165のアウトプット組成物、本発明1166の単位用量、または本発明1167もしくは1168の薬学的組成物の全てまたは一部を哺乳動物対象に投与する工程を含む、処置方法。
[本発明1170]
がんを処置するための、本発明1165のアウトプット組成物、本発明1166の単位用量、または本発明1167もしくは1168の薬学的組成物の全てまたは一部の使用。
[本発明1171]
がんを処置するための医薬の製造における、本発明1165のアウトプット組成物、本発明1166の単位用量、または本発明1167もしくは1168の薬学的組成物の全てまたは一部の使用。
[本発明1172]
がんの処置において使用するための、本発明1165のアウトプット組成物、本発明1166の単位用量、または本発明1167もしくは1168の薬学的組成物。
[本発明1173]
抗原に結合する組換え受容体を発現しているT細胞を含む治療用細胞組成物であって、刺激剤で刺激した後、
該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生することができる;ならびに/あるいは
該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性である、
前記治療用細胞組成物。
[本発明1174]
前記組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生することができる、本発明1173の治療用細胞組成物。
[本発明1175]
前記組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性である、本発明1173または1174の治療用細胞組成物。
[本発明1176]
前記組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上、または10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、サイトカインであるインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファを産生するために多機能性である、本発明1173~1175のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1177]
刺激剤が、非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤である、本発明1173~1176のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1178]
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、ポリクローナル刺激剤である、本発明1177の治療用細胞組成物。
[本発明1179]
非特異的または非抗原依存性の刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)、またはコンカナバリンA(ConA)を含む、本発明1173~1178のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1180]
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、PMA/イオノマイシンを含む、本発明1177~1179のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1181]
刺激剤が、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、該刺激剤が、抗原特異的刺激試薬である、および/または組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む、本発明1173~1176のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1182]
サイトカインの産生が、細胞内サイトカインアッセイによって測定される、本発明1173~1181のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1183]
前記組成物中のT細胞の総数の、または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%を含み、これらが、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である、本発明1173~1182のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1184]
前記T細胞が、対象から得られた初代細胞である、本発明1173~1183のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1185]
対象ががんを有し、任意で、該がんが白血病またはリンパ腫である、本発明1184の治療用細胞組成物。
[本発明1186]
対象が、細胞を得るときに、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、本発明1185の治療用細胞組成物。
[本発明1187]
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm 2 超、40cm 2 超、50cm 2 超、60cm 2 超、もしくは70cm 2 超、または約30cm 2 超、約40cm 2 超、約50cm 2 超、約60cm 2 超、もしくは約70cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、本発明1186の治療用細胞組成物。
[本発明1188]
対象における腫瘍のSPDが、50cm 2 超または約50cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、本発明1187の治療用細胞組成物。
[本発明1189]
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、本発明1187または1188の治療用細胞組成物。
[本発明1190]
前記治療用細胞組成物はCD4+T細胞が富化されている、および/あるいは操作組成物中の総組換え受容体 + 細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD4 + である、本発明1173~1189のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1191]
前記治療用細胞組成物はCD3+T細胞が富化されている、CD4+およびCD8+T細胞が富化されている、ならびに/あるいは操作組成物中の総組換え受容体 + 細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD3+またはCD4 + およびCD8+である、本発明1173~1189のいずれかの治療用細胞組成物。
[本発明1192]
約1:3~約3:1、任意で約1:2~2:1であるCD4+T細胞とCD8+T細胞の比で、CD4+およびCD8+のT細胞を含む、本発明1191の治療用細胞組成物。
[本発明1193]
組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む、本発明1173~1192のいずれかの治療用組成物。
[本発明1194]
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、本発明1173~1193のいずれかの治療用組成物。
[本発明1195]
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、本発明1194の治療用組成物。
[本発明1196]
前記標的抗原が、腫瘍抗原である、本発明1194または1195の治療用組成物。
[本発明1197]
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、本発明1194~1196のいずれかの治療用組成物。
[本発明1198]
組換え受容体が、
機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメント
であるかまたはそれを含む、本発明1173~1197のいずれかの治療用組成物。
[本発明1199]
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、本発明1173~1198のいずれかの治療用組成物。
[本発明1200]
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含む、本発明1173~1199のいずれかの治療用組成物。
[本発明1201]
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、本発明1200の治療用組成物。
[本発明1202]
前記フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、本発明1201の治療用組成物。
[本発明1203]
前記フラグメントが、scFvを含む、本発明1201または1202の治療用組成物。
[本発明1204]
細胞内シグナル伝達ドメインが、
一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメイン
であるかまたはそれを含む、本発明1200~1203のいずれかの治療用組成物。
[本発明1205]
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、本発明1200~1204のいずれかの治療用組成物。
[本発明1206]
組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、本発明1200~1205のいずれかの治療用組成物。
[本発明1207]
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、本発明1200~1206のいずれかの治療用組成物。
[本発明1208]
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1207の治療用組成物。
[本発明1209]
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1207または1208の治療用組成物。
[本発明1210]
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、本発明1207~1209のいずれかの治療用組成物。
[本発明1211]
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、本発明1173~1210のいずれかの治療用組成物。
[本発明1212]
T細胞が、対象に対して自己である、本発明1173~1211のいずれかの治療用組成物。
[本発明1213]
本発明1173~1212のいずれかの治療用細胞組成物を含む容器と、疾患または状態を有する対象に治療用細胞組成物、任意でその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を投与するための指示書とを含む製造品。
[本発明1214]
複数の別個の組成物に含有された複数の単位用量を投与することが指示書に明記されている、本発明1213の製造品。
[本発明1215]
複数の別個の組成物が、CD8 + T細胞およびCD4 + T細胞のうちの一方を含む治療用細胞組成物を含む第一の組成物と、CD8 + T細胞およびCD4 + T細胞のうちの他方を含む第二の組成物とを含み、該第二の組成物が、組換え受容体、あるいは抗原または疾患もしくは状態によって発現される細胞に特異的な組換え受容体を発現している細胞を含み、任意で、該第二の組成物が、本発明1001~1040のいずれかの組成物である、本発明1214の製造品。
[本発明1216]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物、ならびにCD4 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、48時間以内の間隔をあけて、36時間以内の間隔をあけて、24時間以内の間隔をあけて、12時間以内の間隔をあけて、6時間以内の間隔をあけて、2時間以内の間隔をあけて、1時間以内の間隔をあけて、または同時に投与することが指示書に明記されている、本発明1215の製造品。
[本発明1217]
CD8 + T細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を、CD4 + 細胞またはその1つもしくは複数の単位用量および/またはこのような1つもしくは複数の単位用量に対応する量を含有する組成物を投与する前に投与することが指示書に明記されている、本発明1215または1216の製造か記載の製造品。
[本発明1218]
疾患または状態を有する対象に、1つまたは複数の単位用量の本発明1173~1212のいずれかの治療用細胞組成物を投与する工程を含む、処置方法。
[本発明1219]
前記治療用組成物が、CD8+T細胞およびCD4+T細胞のうちの一方を含む第一の治療用細胞組成物であり、1つまたは複数の単位用量が、CD8+T細胞およびCD4+細胞のうちの他方を含む第二の治療用細胞組成物をさらに含み、該第二の組成物が、組換え受容体、あるいは抗原または疾患もしくは状態によって発現される細胞に特異的な組換え受容体を発現している細胞を含み、任意で、該第二の組成物が、本発明1173~1212のいずれかの組成物である、本発明1218の方法。
[本発明1220]
第二の治療用細胞組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%、または40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であり、任意で、さらにCD45RAの表面発現について陰性である、本発明1047の方法。
[本発明1221]
第二の治療用細胞組成物はCD8+T細胞が富化されている、および/あるいは操作組成物中の総組換え受容体 + 細胞の少なくとも60%もしくは少なくとも約60%、少なくとも70%もしくは少なくとも約70%、少なくとも80%もしくは少なくとも約80%、少なくとも90%もしくは少なくとも約90%、少なくとも95%もしくは少なくとも約95%、少なくとも97%もしくは少なくとも約97%、または該組成物中の該総細胞の、それぞれ両端の値を含めて約60%~99%、約75%~99%、約85%~99%、もしくは約90%~99%がCD8 + である、本発明1219または1220の方法。
[本発明1222]
第一の治療用組成物および第二の治療用組成物が、互いの48時間以内もしくは約48時間以内、36時間以内もしくは約36時間以内、24時間以内もしくは約24時間以内、12時間以内もしくは約12時間以内、6時間以内もしくは約6時間以内、2時間以内もしくは約2時間以内、または1時間以内もしくは約1時間以内に投与される、本発明1221の方法。
[本発明1223]
CD8+T細胞を含む第二の治療用細胞組成物が、CD4+T細胞を含む第一の組成物の前に投与される、本発明1221または1222の方法。
[本発明1224]
細胞の1つまたは複数の単位用量が、規定の比のCD4+T細胞とCD8+T細胞を含み、その比が、1:3または約1:3および3:1または約3:1、任意で1:2または約1:2および2:1または約2:1、任意で1:1または約1:1である、本発明1218~1223のいずれかの方法。
[本発明1225]
(A)組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標である要素について、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物をアッセイする工程であって、該要素が、(i)CCR7および/もしくはCD27について表面陽性であり、任意でCD45RAについて表面陰性である、組換え受容体を発現しているT細胞のパーセンテージ;ならびに/または(ii)刺激剤による刺激後にIL-2、TNF-アルファ、および/もしくはIFN-ガンマを産生することができる、組換え受容体を発現しているCD4+T細胞のパーセンテージより選択される、前記アッセイする工程と;
(B)疾患または状態を有する対象に療法を投与する工程であって、
(1)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値であるか閾値を上回る場合、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与すること;あるいは
(2)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が、該要素の閾値を下回る場合、
(a)操作細胞組成物の細胞の1つもしくは複数の単位用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)任意で、同じ疾患もしくは状態を有するが、該要素の閾値もしくはそれ以上を呈する同様の状況の対象に投与される1つもしくは複数の単位用量と比較して増加した、操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の1つもしくは複数の単位用量以外の、該疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を投与すること
より選択される、前記投与する工程と
を含み、
該要素の閾値が、
(i)該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
(ii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
(iii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
より選択される、対象を処置するための方法。
[本発明1226]
疾患または状態を有する対象に療法を投与する工程であって、
(1)組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値であるか閾値を上回る場合、操作T細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与すること;あるいは
(2)操作T細胞組成物の細胞の機能または表現型の指標である要素が、該要素の閾値を下回る場合、
(a)操作細胞組成物の細胞の1つもしくは複数の単位用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)任意で、同じ疾患もしくは状態を有するが、該要素の閾値もしくはそれ以上を呈する同様の状況の対象に投与される1つもしくは複数の単位用量と比較して増加した、操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の用量以外の、該疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を投与すること
より選択される、前記投与する工程
を含み、
該要素の閾値が、
(i)該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
(ii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
(iii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
より選択される、対象を処置するための方法。
[本発明1227]
前記細胞組成物の細胞が、対象に対して自己である、本発明1218~1226のいずれかの方法。
[本発明1228]
前記方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも75%が、1つまたは複数の単位用量の投与後少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、または少なくとも12ヶ月間の無増悪生存期間を達成する、本発明1218~1227のいずれかの方法。
[本発明1229]
前記方法に従って処置された対象の少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも75%が、1つまたは複数の単位用量の投与後少なくとも3ヶ月間もしくは少なくとも約3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間もしくは少なくとも約4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間もしくは少なくとも約5ヶ月間、少なくとも6ヶ月間もしくは少なくとも約6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間もしくは少なくとも約9ヶ月間、または少なくとも12ヶ月間もしくは少なくとも約12ヶ月間、疾患が進行しない、本発明1218~1228のいずれかの方法。
[本発明1230]
前記方法に従って処置された対象が、
生物学的試料、任意で血液または血清の試料における細胞組成物の細胞の薬物動態学的特性であって、同じ疾患または状態を有し、かつ、組換え受容体を発現しているが細胞の機能または表現型の指標である要素が閾値を下回るT細胞を含む同様の用量の自己細胞組成物を投与された同様の状況の対象の群と比較して、平均して改善された、前記特性
を達成する、本発明1218~1229のいずれかの方法。
[本発明1231]
前記薬物動態学的特性が、合計の経時的曝露(AUC)または生物学的試料におけるピーク細胞数である、本発明1230の方法。
[本発明1232]
(a)組成物中の操作された細胞の機能または表現型の指標である要素について、組換え受容体を発現しているT細胞を含む操作細胞組成物をアッセイする工程であって、該要素が、(i)CCR7および/もしくはCD27について表面陽性であり、任意でCD45RAについて表面陰性である、組換え受容体を発現しているT細胞のパーセンテージ;ならびに/または(ii)刺激剤による刺激後にIL-2、TNF-アルファ、および/もしくはIFN-ガンマを産生することができる、組換え受容体を発現しているCD4+T細胞のパーセンテージより選択される、前記アッセイする工程と;
(b)操作された細胞のある用量を含む細胞療法を投与した後の応答の可能性を決定する工程であって、該要素が閾値であるかもしくは閾値を超える場合、該療法を投与した後に、対象が任意で少なくとも3ヶ月間にわたって永続的応答もしくは無増悪生存期間を達成する可能性があると同定するか;または該要素が閾値を下回る場合、対象が該療法に対して永続的応答も無増悪生存期間も呈する可能性がないと同定する、前記決定する工程と
を含み、
該要素の閾値が、
(i)該組成物中のT細胞の総数の、または該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
(ii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
(iii)該組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
より選択される、治療用T細胞組成物に対する応答の可能性を予測する方法。
[本発明1233]
前記細胞組成物の細胞が、対象に対して自己である、本発明1232の方法。
[本発明1234]
対象が、療法に対して永続的応答または無増悪生存期間を達成する可能性があると同定された場合、操作T細胞組成物の細胞の1つまたは複数の単位用量を該対象に投与する、本発明1232または1233の方法。
[本発明1235]
1つまたは複数の単位用量が、それぞれ両端の値を含めて1×10 5 もしくは約1×10 5 と5×10 8 もしくは約5×10 8 との間、1×10 5 もしくは約1×10 5 と1×10 8 もしくは約1×10 8 との間、5×10 5 もしくは約5×10 5 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間、または1×10 6 もしくは約1×10 6 と1×10 7 もしくは約1×10 7 との間の、組換え受容体を発現する総T細胞(受容体 + /T細胞)または総T細胞を含む、本発明1218~1231、1233、および1234のいずれかの方法。
[本発明1236]
1つまたは複数の単位用量が、約5×10 8 以下、約1×10 8 以下、約5×10 7 以下、約1×10 7 以下、約5×10 6 以下、約1×10 6 以下、または約5×10 5 以下の総受容体 + /T細胞または総T細胞を含む、本発明1218~1231および1233~1235のいずれかの方法。
[本発明1237]
要素の閾値が、前記組成物中のT細胞の総数の、または前記組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であることである、本発明1225~1236のいずれかの方法。
[本発明1238]
要素の閾値が、組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%、または約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、もしくは約100%が、インターロイキン2(IL-2)および/またはTNF-アルファより選択されるサイトカインを産生できることである、本発明1225~1237のいずれかの方法。
[本発明1239]
要素の閾値が、組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であることである、本発明1225~1238のいずれかの方法。
[本発明1240]
要素の閾値が、組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、もしくはそれ以上、または約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、もしくはそれ以上が、サイトカインであるインターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファを産生するために多機能性であることである、本発明1225~1239のいずれかの方法。
[本発明1241]
対象が永続的応答も無増悪生存期間も達成する可能性がないと同定された場合、
(a)操作細胞組成物の細胞のある用量、および該対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、もしくは有効性を増加させることができる作用物質、
(b)任意で、同じ疾患もしくは状態を有するが、細胞療法に対して無増悪生存期間もしくは永続的応答を達成する可能性を呈する同様の状況の対象に投与された用量と比較して増加した、操作細胞組成物の細胞の増加した用量;または
(c)操作細胞組成物の用量以外の、疾患もしくは状態を処置するための別の治療的処置
より選択される療法を対象に投与する、本発明1232~1240のいずれかの方法。
[本発明1242]
操作細胞組成物の細胞のある用量と、対象において該操作細胞組成物のT細胞の増大、増殖、または有効性を増加させることができる作用物質とを含む療法を投与する工程を含み、該作用物質が、CARに特異的な抗イディオタイプ抗体もしくはその抗原結合フラグメント、免疫チェックポイント阻害剤、代謝経路のモジュレーター、アデノシン受容体アンタゴニスト、キナーゼ阻害剤、抗TGFβ抗体、または抗TGFβR抗体、またはサイトカインである、本発明1225~1231および1241のいずれかの方法。
[本発明1243]
前記作用物質が、治療用T細胞組成物の投与の前、同時、または後に投与される、本発明1242の方法。
[本発明1244]
対象が、アッセイ時および/または投与前に、高腫瘍量を有すると同定されているかまたは知られている対象である、本発明1218~1242のいずれかの方法。
[本発明1245]
対象における腫瘍の二方向積和(SPD)が、30cm 2 超、40cm 2 超、50cm 2 超、60cm 2 超、もしくは70cm 2 超、または約30cm 2 超、約40cm 2 超、約50cm 2 超、約60cm 2 超、もしくは約70cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する;および/あるいは
対象からの生物学的試料、任意で血清試料中のC反応性タンパク質(CRP)が、5ミリグラム/リットル超、10ミリグラム/リットル超、15ミリグラム/リットル超、20ミリグラム/リットル超、25ミリグラム/リットル超、30ミリグラム/リットル超、40ミリグラム/リットル超、もしくは50ミリグラム/リットル超、または約5ミリグラム/リットル超、約10ミリグラム/リットル超、約15ミリグラム/リットル超、約20ミリグラム/リットル超、約25ミリグラム/リットル超、約30ミリグラム/リットル超、約40ミリグラム/リットル超、もしくは約50ミリグラム/リットル超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、
本発明1244の方法。
[本発明1246]
対象における腫瘍のSPDが、50cm 2 超または約50cm 2 超である場合、該対象が高腫瘍量を有する、本発明1245の方法。
[本発明1247]
CRPが、生物学的試料中20ミリグラム/リットル超または約20ミリグラム/リットル超である場合、対象が高腫瘍量を有する、本発明1245または1246の方法。
[本発明1248]
刺激剤が、非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤である、本発明1225~1247のいずれかの方法。
[本発明1249]
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、ポリクローナル刺激剤である、本発明1248の方法。
[本発明1250]
非特異的または非抗原依存性の刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)、またはコンカナバリンA(ConA)を含む、本発明1248または1249の方法。
[本発明1251]
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、PMA/イオノマイシンを含む、本発明1248~1250のいずれかの方法。
[本発明1252]
刺激剤が、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、該刺激剤が、抗原特異的刺激試薬である、および/または組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む、本発明1225~1247のいずれかの方法。
[本発明1253]
サイトカインの産生が、細胞内サイトカインアッセイによって測定される、本発明1225~1252のいずれかの方法。
[本発明1254]
組換え受容体が、キメラ受容体および/または組換え抗原受容体であるかまたはキメラ受容体および/または組換え抗原受容体を含む、本発明1218~1253のいずれかの方法。
[本発明1255]
組換え受容体が、疾患、障害、または状態の細胞または組織に関連する、該細胞または組織に特異的である、かつ/または該細胞または組織で発現する標的抗原に結合することができる、本発明1218~1254のいずれかの方法。
[本発明1256]
疾患、障害、または状態が、感染性の疾患もしくは障害、自己免疫疾患、炎症疾患、または腫瘍もしくはがんである、本発明1255の方法。
[本発明1257]
前記標的抗原が、腫瘍抗原である、本発明1255または1256の方法。
[本発明1258]
標的抗原が、αvβ6インテグリン(avb6インテグリン)、B細胞成熟抗原(BCMA)、B7-H3、B7-H6、炭酸脱水素酵素9(CA9、CAIXまたはG250としても公知)、がん精巣抗原、がん/精巣抗原1B(CTAG、NY-ESO-1およびLAGE-2としても公知)、がん胎児抗原(CEA)、サイクリン、サイクリンA2、C-Cモチーフケモカインリガンド1(CCL-1)、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD30、CD33、CD38、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD123、CD133、CD138、CD171、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、上皮成長因子タンパク質(EGFR)、III型上皮成長因子受容体変異(EGFRvIII)、上皮糖タンパク質2(EPG-2)、上皮糖タンパク質40(EPG-40)、エフリンB2、エフリン受容体A2(EPHa2)、エストロゲン受容体、Fc受容体様5(FCRL5;Fc受容体ホモログ5またはFCRH5としても公知)、葉酸結合タンパク質(FBP)、葉酸受容体アルファ、ガングリオシドGD2、O-アセチル化GD2(OGD2)、ガングリオシドGD3、糖タンパク質100(gp100)、グリピカン-3(GPC3)、Gタンパク質共役受容体5D(GPCR5D)、Her2/neu(受容体型チロシンキナーゼerb-B2)、Her3(erb-B3)、Her4(erb-B4)、erbB二量体、ヒト高分子量メラノーマ関連抗原(HMW-MAA)、B型肝炎表面抗原、ヒト白血球抗原A1(HLA-A1)、ヒト白血球抗原A2(HLA-A2)、IL-22受容体アルファ(IL-22Ra)、IL-13受容体アルファ2(IL-13Rα2)、キナーゼ挿入ドメイン受容体(kdr)、カッパ軽鎖、L1細胞接着分子(L1-CAM)、L1-CAMのCE7エピトープ、ロイシンリッチリピート含有8ファミリーメンバーA(LRRC8A)、ルイスY、メラノーマ関連抗原(MAGE)-A1、MAGE-A3、MAGE-A6、MAGE-A10、メソセリン(MSLN)、c-Met、マウスサイトメガロウイルス(CMV)、ムチン1(MUC1)、MUC16、ナチュラルキラーグループ2メンバーD(NKG2D)リガンド、メランA(MART-1)、神経細胞接着分子(NCAM)、腫瘍胎児抗原、メラノーマ優先発現抗原(PRAME)、プロゲステロン受容体、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(ROR1)、サバイビン、栄養膜糖タンパク質(TPBG、5T4としても公知)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG72)、チロシナーゼ関連タンパク質1(TRP1、TYRP1またはgp75としても公知)、チロシナーゼ関連タンパク質2(TRP2、ドパクロムトートメラーゼ、ドパクロムデルタイソメラーゼ、またはDCTとしても公知)、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、血管内皮成長因子受容体2(VEGFR2)、ウィルムス腫瘍1(WT-1)、病原体特異的もしくは病原体発現抗原、またはユニバーサルタグ関連抗原、および/またはビオチン化分子、および/またはHIV、HCV、HBVもしくは他の病原体により発現される分子の中より選択される、本発明1255~1257のいずれかの方法。
[本発明1259]
組換え受容体が、
機能性非TCR抗原受容体もしくはTCRまたはその抗原結合フラグメント
であるかまたはそれを含む、本発明1218~1258のいずれかの方法。
[本発明1260]
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、本発明1218~1259のいずれかの方法。
[本発明1261]
組換え受容体が、抗原結合ドメインを含む細胞外ドメイン、および細胞内シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達領域を含む、本発明1218~1260のいずれかの方法。
[本発明1262]
抗原結合ドメインが、抗体またはその抗体フラグメントであるかまたはそれを含み、任意で単鎖フラグメントである、本発明1261の方法。
[本発明1263]
前記フラグメントが、可動性リンカーによって連結された抗体可変領域を含む、本発明1262の方法。
[本発明1264]
前記フラグメントが、scFvを含む、本発明1262または1263の方法。
[本発明1265]
細胞内シグナル伝達ドメインが、
一次シグナル伝達ドメイン、T細胞において一次活性化シグナルを誘導することができるシグナル伝達ドメイン、T細胞受容体(TCR)構成要素のシグナル伝達ドメイン、および/または免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)を含むシグナル伝達ドメイン
であるかまたはそれを含む、本発明1261~1264のいずれかの方法。
[本発明1266]
細胞内シグナル伝達ドメインが、
CD3鎖、任意でCD3-ゼータ(CD3ζ)鎖の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分
であるかまたはそれを含む、本発明1265の方法。
[本発明1267]
組換え受容体が、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達領域との間に配置された膜貫通ドメインをさらに含む、本発明1261~1266のいずれかの方法。
[本発明1268]
細胞内シグナル伝達領域が、共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、本発明1261~1267のいずれかの方法。
[本発明1269]
共刺激シグナル伝達ドメインが、T細胞共刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインまたはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1268の方法。
[本発明1270]
共刺激シグナル伝達ドメインが、CD28、4-1BB、もしくはICOSの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはそのシグナル伝達部分を含む、本発明1268または1269の方法。
[本発明1271]
共刺激シグナル伝達ドメインが、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインとの間に存在する、本発明1269または1270の方法。
[本発明1272]
T細胞が、対象から得られた初代T細胞である、本発明1218~1271のいずれかの方法。
[本発明1273]
T細胞が、対象に対して自己である、本発明1218~1272のいずれかの方法。
[本発明1274]
(a)刺激条件下でインプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成する工程であって、該インプット組成物が、規定の数の、アポトーシスマーカーを発現しないT細胞(アポトーシスマーカー陰性( - ))を含む、前記工程と;
(b)該刺激された組成物からの細胞に組換え受容体を導入し、それにより、操作細胞組成物を生成する工程であって、該導入が、該刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを含む作用物質と接触させることを含む、前記工程と
を含む、治療用T細胞組成物を産生する方法。
[本発明1275]
アポトーシスマーカー陰性T細胞が、
アポトーシスマーカー陰性CD3 + 細胞、アポトーシスマーカー陰性CD8 + 細胞、アポトーシスマーカー陰性CD4+細胞、またはアポトーシスマーカー陰性CD8+細胞およびアポトーシスマーカー陰性CD4+細胞
であるかまたはそれを含む、本発明1274の方法。
[本発明1276]
アポトーシスマーカーが、アネキシンVである、本発明1274または1275の方法。
[本発明1277]
アポトーシスマーカーが、活性化カスパーゼ3である、本発明1274または1275の方法。
[本発明1278]
T細胞の規定の数が、少なくとも50×10 6 のアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、本発明1274~1276のいずれかの方法。
[本発明1279]
T細胞の規定の数が、少なくとも100×10 6 のアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、本発明1274~1278のいずれかの方法。
[本発明1280]
T細胞の規定の数が、100×10 6 または約100×10 6 と500×10 6 または約500×10 6 との間の、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、本発明1274~1279のいずれかの方法。
[本発明1281]
T細胞の規定の数が、300×10 6 または約300×10 6 の、アポトーシスマーカー陰性T細胞、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、本発明1274~1280のいずれかの方法。
[本発明1282]
インプット組成物中の総T細胞のパーセンテージとしてのアポトーシスマーカー陰性T細胞のパーセンテージが、70%超もしくは約70%超、80%超もしくは約80%超、90%超もしくは約90%超、または95%超もしくは約95%超である、本発明1274~1281のいずれかの方法。
[本発明1283]
インキュベートする前に、規定の数のアポトーシスマーカー陰性T細胞を含むインプット組成物を得る、本発明1274~1282のいずれかの方法。
[本発明1284]
インキュベートする前に、生物学的試料からアポトーシスマーカー陰性T細胞、任意で、アポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を単離、選択、または富化する、本発明1274~1283のいずれかの方法。
[本発明1285]
(a)アポトーシスマーカーを発現しないT細胞(アポトーシスマーカー陰性( - ))、任意でアポトーシスマーカー陰性CD4+および/またはアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞の集団を生物学的試料から単離、選択、または富化し、それにより、インプット組成物を得る工程と;
(b)刺激条件下で該インプット組成物をインキュベートし、それにより、刺激された組成物を生成する工程と;
(c)該刺激された組成物からの細胞に組換え受容体を導入し、それにより、操作細胞組成物を生成する工程であって、該導入が、該刺激された組成物の細胞を、組換え受容体をコードしているポリヌクレオチドを含む作用物質と接触させることを含む、前記工程と
を含む、治療用T細胞組成物を産生する方法。
[本発明1286]
生物学的試料が、対象から得られた初代T細胞、本発明1284または1285の方法。
[本発明1287]
対象が、ヒト対象である、本発明1286の方法。
[本発明1288]
生物学的試料が、
全血試料、バッフィーコート試料、末梢血単核細胞(PBMC)試料、未分画のT細胞試料、リンパ球試料、白血球細胞試料、アフェレーシス産物、または白血球除去産物
であるかまたはそれを含む、本発明1284~1287のいずれかの方法。
[本発明1289]
生物学的試料が、アフェレーシス産物または白血球除去産物を含む、本発明1284~1288のいずれかの方法。
[本発明1290]
T細胞が、対象から生物学的試料を得た後36時間以内に該生物学的試料から単離、選択、または富化される、本発明1284~1289のいずれかの方法。
[本発明1291]
生物学的試料が、対象から得られた後36時間以内に凍結保護物質の存在下で低温冷凍され、かつ、細胞の単離、選択、または富化前に解凍され、任意で、低温冷凍された試料が、細胞の単離、選択、または富化の直前、または6時間以内前、4時間以内前、2時間以内前、もしくは1時間以内前に解凍される、本発明1284~1289のいずれかの方法。
[本発明1292]
インキュベーションが、1種または複数種のサイトカインの存在下、任意で無血清培地中で実施される、本発明1274~1291のいずれかの方法。
[本発明1293]
1種または複数種のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7、および/または組換えIL-15より選択される、本発明1292の方法。
[本発明1294]
1種または複数種のサイトカインが、10~200IU/mLの組換えIL-2;100IU/mL~1,000IU/mLの組換えIL-7;および/または10~200IU/mLの組換えIL-15を含む、本発明1293の方法。
[本発明1295]
刺激試薬が、TCR複合体のメンバーに特異的に結合し、任意で、CD3に特異的に結合する一次作用物質を含み、任意で、該一次作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメントである、本発明1274~1294のいずれかの方法。
[本発明1296]
刺激試薬が、T細胞共刺激分子に特異的に結合する二次作用物質をさらに含み、任意で、該共刺激分子が、CD28、CD137(4-1-BB)、OX40、またはICOSより選択され、任意で、該二次作用物質が、抗体またはその抗原結合フラグメントである、本発明1295の方法。
[本発明1297]
刺激試薬が、抗CD3抗体および抗CD28抗体、またはその抗原結合フラグメントと共にインキュベートすることを含む、本発明1274~1296のいずれかの方法。
[本発明1298]
一次作用物質および/または二次作用物質が、固体支持体の表面上に存在する、本発明1295~1297のいずれかの方法。
[本発明1299]
固体支持体が、ビーズであるかまたはそれを含む、本発明1298の方法。
[本発明1300]
一次作用物質および二次作用物質が、複数のストレプトアビジンまたはストレプトアビジンムテインの分子を含むオリゴマー粒子試薬の表面上に固定されているかまたは可逆的に結合している、本発明1295~1299のいずれかの方法。
[本発明1301]
インプット組成物が、両端の値を含めて12時間~36時間、任意で24時間または約24時間、刺激条件下でインキュベートされる、本発明1274~1300のいずれかの方法。
[本発明1302]
前記接触が、任意でレトロウイルスベクター、任意でレンチウイルスベクターを用いてウイルス形質導入によって実行される、本発明1274~1301のいずれかの方法。
[本発明1303]
操作された細胞の増殖および/または増大を促進する条件下で操作組成物を培養し、それにより、操作されたT細胞を含むアウトプット組成物を産生する工程をさらに含む、本発明1274~1302のいずれかの方法。
[本発明1304]
前記培養が、1種または複数種のサイトカインの存在下、任意で無血清培地中で実施される、本発明1303の方法。
[本発明1305]
1種または複数種のサイトカインが、組換えIL-2、組換えIL-7、および/または組換えIL-15より選択される、本発明1304の方法。
[本発明1306]
1種または複数種のサイトカインが、50~400IU/mLの組換えIL-2;100IU/mL~2,000IU/mLの組換えIL-7;および/または50~400IU/mLの組換えIL-15を含む、本発明1304または1305の方法。
[本発明1307]
インプット組成物が、2:1~1:2の、CD4+T細胞とCD8+T細胞の比で、CD4+T細胞およびCD8+T細胞を含むか;または
インプット組成物が、2:1~1:2の、CD4+T細胞とCD8+T細胞の比で、アポトーシスマーカー陰性CD4+T細胞およびアポトーシスマーカー陰性CD8+T細胞を含む、
本発明1274~1306のいずれかの方法。
[本発明1308]
CD4+T細胞およびCD8+T細胞が、同じ生物学的試料またはそれに由来する試料から別々に選択、単離、または富化され、かつ、インキュベートする前に組み合わされる、本発明1307の方法。
[本発明1309]
組換え受容体が、キメラ抗原受容体(CAR)である、本発明1274~1308のいずれかの方法。
[本発明1310]
アウトプット組成物が、
該組成物中のT細胞の総数のまたは該組成物中の組換え受容体を発現しているT細胞の総数の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%が、CCR7および/またはCD27について表面陽性であること;ならびに/あるいは
組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、もしくは少なくとも100%、または少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、もしくは少なくとも約100%が、刺激剤による刺激後、インターロイキン2(IL-2)またはTNF-アルファを産生することができること;ならびに/あるいは
組成物中の組換え受容体を発現しているCD4+T細胞の総数の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、もしくはそれ以上、または少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、もしくはそれ以上が、刺激剤による刺激後、インターフェロン-ガンマ(IFN-ガンマ)、インターロイキン2(IL-2)、およびTNF-アルファの中より選択される2つ以上のサイトカインを産生するために多機能性であること
を含む、本発明1303~1309のいずれかの方法。
[本発明1311]
刺激剤が、非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤である、本発明1310の方法。
[本発明1312]
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、ポリクローナル刺激剤である、本発明1311の方法。
[本発明1313]
非特異的または非抗原依存性の刺激剤が、PMA/イオノマイシン、抗CD3/抗CD28、フィトヘマグルチニン(PHA)、またはコンカナバリンA(ConA)を含む、本発明1311または1312の方法。
[本発明1314]
非特異的または非抗原依存性のT細胞刺激剤が、PMA/イオノマイシンを含む、本発明1311~1313のいずれかの方法。
[本発明1315]
刺激剤が、組換え受容体に特異的に結合し、任意で、該刺激剤が、抗原特異的刺激試薬である、および/または組換え受容体によって特異的に認識される抗原もしくはその一部を含む、本発明1310の方法。
[本発明1316]
サイトカインの産生が、細胞内サイトカインアッセイによって測定される、本発明1310~1315のいずれかの方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
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