(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100779
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】マウンティングプレス、マウンティングプレス用の吸引装置及びモジュール式マウンティングプレスシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20230711BHJP
G01N 1/44 20060101ALI20230711BHJP
G01N 1/36 20060101ALI20230711BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G01N1/28 Z
G01N1/44
G01N1/36
G01N1/00 101X
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073944
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2021164695の分割
【原出願日】2018-03-12
(31)【優先権主張番号】102017109677.9
(32)【優先日】2017-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】519079533
【氏名又は名称】アーテーエム キューネス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ATM Qness GmbH
【住所又は居所原語表記】Emil-Reinert-Strasse 2, 57636 Mammelzen,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボンガルツ, ヨッヘン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】試料のマウンティングのためのマウンティングプレスであって、より快適に使用できるようにし、厄介な又は有害でさえある塵埃及び/又は蒸気をマウンティングプレスから除去するマウンティングプレスを提供する。
【解決手段】当該モジュール式マウンティングプレスシステムは、少なくとも1つの外部マウンティングプレスを制御するためのベースモジュールと、試料を受容するための第1のマウンティングシリンダを有する、前記ベースモジュールとは別個であり、当該ベースモジュールによって制御可能な第1の外部マウンティングプレスと、を備え、前記ベースモジュールは、前記少なくとも1つの外部マウンティングプレスの制御データを入力するための中央入力装置と、前記外部マウンティングプレスのための制御パラメータを生成すると共に、当該制御パラメータを前記外部マウンティングプレスに出力するための中央制御装置と、を備える。
【選択図】
図31
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属組織学的又は材料組織学的分析のための試料のホットマウンティングのためのモジュール式マウンティングプレスシステムであって、
第1のシリンダ開口(11)を有し、金属組織学的又は材料組織学的分析のための試料を受容するための第1のマウンティングシリンダ(10)と、前記第1のマウンティングシリンダ(10)内に挿入された試料を加熱及び冷却するための水冷式の第1の加熱冷却部(14)と、を有する第1のマウンティングプレス(102)を備えるベースモジュール(101)であって、前記第1の加熱冷却部は前記第1のマウンティングシリンダ(10)を環状に取り囲み、前記第1のマウンティングプレス(102)は、第1のスライド台(134)と、前記第1のスライド台を第1の移動方向に沿ってガイドする第1の台ガイド(122)と、を含み、前記第1のスライド台は前記第1の台ガイド上で移動されることができ、前記第1のスライド台は使用位置を備えることができ、当該使用位置において、前記第1のスライド台は前記第1のシリンダ開口(11)を覆うと共に閉鎖し、前記第1のマウンティングプレス(102)は、前記第1のスライド台の前記使用位置を検知する第1の位置センサ(30)を含む、ベースモジュール(101)と、
第2のシリンダ開口(11)を有し、金属組織学的又は材料組織学的分析のための試料を受容するための第2のマウンティングシリンダ(10)と、前記第2のマウンティングシリンダ(10)内に挿入された試料を加熱及び冷却するための水冷式の第2の加熱冷却部(14)と、を有する、前記ベースモジュール(101)とは別個な外部の第2のマウンティングプレス(104)であって、前記第2の加熱冷却部は前記第2のマウンティングシリンダ(10)を環状に取り囲み、前記外部の第2のマウンティングプレス(104)は、第2のスライド台(134)と、前記第2のスライド台を第2の移動方向に沿ってガイドする第2の台ガイド(122)と、を含み、前記第2のスライド台は前記第2の台ガイド上で移動されることができ、前記第2のスライド台は使用位置を備えることができ、当該使用位置において、前記第2のスライド台は前記第2のシリンダ開口(11)を覆うと共に閉鎖し、前記第2のマウンティングプレス(104)は、前記第2のスライド台の前記使用位置を検知する第2の位置センサ(30)を含む、第2のマウンティングプレス(104)と、
を含み、
前記ベースモジュール(101)は、前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)を制御するために設計されており、前記外部の第2のマウンティングプレス(104)は完全なプロセス制御ユニットを含まず、前記外部の第2のマウンティングプレス(104)内で生じるプロセスは前記ベースモジュール(101)から制御され、
前記ベースモジュール(101)は、
前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)を制御するための制御データを入力するための中央入力装置(94)と、
前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)のための制御パラメータを生成すると共に、当該制御パラメータを前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)に出力するための中央制御装置(92)と、
を含む、モジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項2】
前記ベースモジュール(101)は更に、
前記モジュール式マウンティングプレスシステムを外部電源に接続するための中央電力供給接続部(110)、及び/又は、
前記電力を前記外部の第2のマウンティングプレス間に供給するための、電力分配器(91)
を含む、請求項1に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項3】
前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)に冷却水を供給するための水分配器(116)を更に含む、請求項1又は2に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項4】
前記ベースモジュール(101)は、
前記外部の第2のマウンティングプレス(104)によって必要とされる電力、及び、前記外部の第2のマウンティングプレスを制御するための制御データを伝達するために、前記外部の第2のマウンティングプレス(104)を前記ベースモジュール(101)に電気的に接続するための少なくとも1つのマウンティングプレスコネクタ(108)を更に含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項5】
前記電力分配器(91)は、前記電力を、それぞれの前記マウンティングプレス(102,104)への前記電力の分配の設定可能な優先順位を考慮して、前記公共電力供給網から前記ベースモジュール(101)の前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)に分配する、及び/又は、
前記電力分配器は、前記電力を、設定可能な電力量が達成又は超過した場合に、前記ベースモジュール(101)の前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレスに、クロック制御して分配する、請求項2に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのマウンティングプレスコネクタ(108)、前記中央電力供給接続部(110)及び前記水分配器(116,118)は、前記ベースモジュール(110)の後側に配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項7】
前記マウンティングプレス(102,104)のそれぞれが、前記シリンダ開口(11)を取り囲んで水平方向に延びる平坦な面を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項8】
前記外部の第2のマウンティングプレス(104)は、前記作動状態を表示するための表示装置(98)を含む、及び/又は、
前記表示装置は、少なくとも「加熱動作」、「受容準備完了」又は「受容完了」、「冷却作動」、及び、「準備未完了」又は「カバーが開いている」という作動状態を表示するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項9】
前記外部の第2のマウンティングプレス(104)は、前記中央入力装置で設定されるべきパラメータの選択のために独自の操作ボタン(96)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項10】
前記操作ボタン(96)は、同時に前記外部の第2のマウンティングプレス(104)の作動状態を表示するための表示装置(98)を含むように、例えばそれぞれの作動状態を同時に表すための照明可能な操作ボタンとして構成されている、請求項9に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項11】
残余顆粒(180)を受容するための区画(1)を前記マウンティングプレス(102,104)に更に含む、及び/又は、
例えば顆粒粉末、顆粒(180)又は蒸気を吸引するための中央吸引装置(150)を更に備え、前記中央吸引装置は前記ベースモジュール(101)によって制御可能である、請求項1~10のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項12】
前記中央吸引装置(150)は、
吸引作用を提供するための真空発生装置(160)、及び/又は、
前記ベースモジュール(101)の前記第1のマウンティングプレス(102)及び前記外部の第2のマウンティングプレス(104)を前記中央吸引装置(150)と接続するための吸引分配器(164)を更に備える、請求項11に記載のモジュール式マウンティングプレスシステム。
【請求項13】
例えば顆粒粉末、顆粒(180)又は蒸気を吸引するための中央吸引装置(150)を備える請求項1~12のいずれか1項に記載のモジュール式マウンティングプレスシステムであって、
前記中央吸引装置(150)は、前記シリンダ開口(11)取り囲んで配置された吸引開口(152)を含む、モジュール式マウンティングプレスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引装置を備えるマウンティングプレス(Einbettpresse)、マウンティングプレス用の吸引装置、及び、モジュール式マウンティングプレスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特に試料のホットマウンティング用のマウンティングプレスは、それ自体公知であり、それらは、顕微鏡法を用いて例えば金属材料の組織の記述のためのワークピースを調製するための、金属組織学的又は材料組織学的分析において広く使用される。しかしながら、複合材料又はセラミック材料の分析のための準備にも、試料又はワークピースを準備するためにマウンティングプレスが使用され、当該試料又はワークピースに基づいて、例えば微量反応(Anschliff)が準備され、光学又は電子顕微鏡によって調査され得る。
【0003】
その際、マウンティングは、基本的に、試料のより良好な取り扱い、及び、周縁ゾーンの支持又は亀裂、細孔若しくは腐食層の浸透に寄与する。その際、マウンティング補助(Einbetthilfen)が、試料を例えば直立した位置で固定するために使用され得る。
【0004】
例えば材料破壊の調査のため、あるいは、一般的に品質管理及び純粋な金属組織学から材料組織学へのマウンティングプレスの適用範囲の拡大のための、絶えず増大する材料の材料組織学的分析に対する関心、並びに、それと関連する試料体積の増加及びマウンティングプレスのより集中的な使用に起因して、マウンティングプレスを技術的に、例えば操作人間工学に関して改善することに恒常的な関心が存在する。しかしながら、マウンティングプレスの使用に関する労働安全性も、危険な又は健康に有害な影響を回避するために、絶え間なく改善されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した背景に鑑みて、試料のマウンティング、特にホットマウンティングのためのマウンティングプレスであって、マウンティングプレスをより快適に使用できるようにし、厄介な又は有害でさえある塵埃及び/又は蒸気をマウンティングプレスから除去するマウンティングプレスを提供することを課題とした。これにより、ユーザの作業負荷軽減が実現され、ユーザの労働安全性が向上する。それは、安価で、信頼性があり、耐久性がある。
【0006】
本発明の課題の別の観点は、例えば既存のマウンティングプレスに後付けされるのにも適している、一体化された又は一体化可能な吸引装置を提供することである。
【0007】
本発明の課題の更なる観点は、マウンティングプレスの操作を快適にする、試料の並列的なマウンティング、特にホットマウンティングのためのモジュール式マウンティングプレスシステムを提供することである。特に本発明は、ユーザの作業負荷軽減を実現し、労働安全性をも向上させることを課題とした。それはまた、高価な部品を束ね、合理化することによって、安価で、信頼性があり、耐久性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な展開は、従属請求項において定義されている。
【0009】
本発明は、マウンティング材料の状態の、典型的には顆粒の状態の試料をマウンティングするためのマウンティングプレスに関する。その際、1つ又は複数の試料が、同時にマウンティングプレス内で処理され得る。
【0010】
本発明によるマウンティングプレスは、試料を受容するためのマウンティングシリンダ又はプレスシリンダを含んでいる。マウンティングシリンダは、主シリンダ軸とシリンダ開口とを備え、主シリンダ軸はマウンティングシリンダの内部を延びると共にシリンダ開口を貫通している。
【0011】
マウンティングプレスは、更に、シリンダ開口を取り囲んで延びるカバーを含んでいる。カバーは、特に水平な主延在方向を有する平らな又は平坦な面であり得る。シリンダ開口は、カバーに設けられていてもよい。特に有利には、カバーは、横方向に配置されたキャリッジ受容部を備えるキャリッジ支持体、例えば、スライドクロージャを受容するためのスライドガイドである。
【0012】
本発明によるマウンティングプレスは、特にシリンダ開口を取り巻く領域からの、例えば顆粒粉末、顆粒又は蒸気を吸引するための吸引装置を含んでいる。例えば、吸引装置は、マウンティングプレスに完全に取り付けられているか又は組み込まれている。吸引装置は、吸引作用を提供するための真空発生装置を備え、少なくとも部分的に、カバーに取り付けられているか、又は、カバーに埋め込まれているか、又は、カバーに接続されている。
【0013】
カバーは、有利には、シリンダ開口が設けられたカバープレートである。カバーは、スライド台のためのスライドガイドをも備え得る。
【0014】
吸引装置は、その場合、少なくとも部分的にスライド台に組み込まれていてもよい。吸引された顆粒粉末及び/又は吸引された蒸気は、そのような有利な実施形態においては、有利にはスライド台を貫いて導かれ得る。
【0015】
別の実施形態において、吸引装置は、カバープレートに設けられたシリンダ開口を取り囲んで配置された吸引開口を、カバープレートに備えることができる。
【0016】
吸引作用を提供するための真空発生装置は、マウンティングプレスに配置されていてもよい。
【0017】
別の実施形態において、顆粒を受容するための前側の顆粒区画が配置されていてもよい。ここには、例えば、マウンティングシリンダの所望の又は最大の充填レベルを超えてマウンティングシリンダ内に導入された過剰の顆粒が導入され得る。それは、吸引開口を通らない残余顆粒であり得る。特に有利には、残余顆粒は、スライド台がマウンティングプレスの起動又は使用の前にシリンダ開口の上に移されることにより、スライド台から顆粒区画内へ運ばれる。スライド工程の際、残余顆粒は、スライド台の前面によって捕捉され、カバーによって顆粒区画内へ移される。
【0018】
マウンティングプレスが、マウンティングシリンダ又はプレスシリンダと、シリンダ開口と、マウンティングシリンダを貫いて延びる主シリンダ軸とを備える、マウンティングプレス用の吸引装置の一実施形態においては、シリンダ開口を取り囲んで延びるカバー及び吸引作用を提供するための真空発生装置が提供され得る。真空発生装置は、特にブロワー装置である。
【0019】
更に、吸引装置は、真空発生装置と接続された少なくとも1つの吸引空気チャネルを備える。吸引空気は、吸引された塵埃、顆粒又は蒸気と共に、吸引空気チャネル内を真空発生装置へ導かれる。
【0020】
吸引装置は、吸引作用がシリンダ開口の領域において達成され得るよう、シリンダ開口に隣接して配置された、吸引空気チャネルと接続された少なくとも1つの吸引開口を備える。吸引装置は、更に、少なくとも部分的に、カバーに取り付けられているか、又は、カバーに組み込まれていてもよい。
【0021】
別の例において、吸引装置は、吸引作用がマウンティングシリンダのシリンダ開口の領域において直接的に発揮されるように構成されていてもよい。このために、少なくとも1つの吸引開口は、シリンダ開口から横方向に間隔をあけて、カバーに設けられていてもよい。少なくとも1つの吸引開口は、シリンダ開口の周りで同心状にカバーに設けられているか、又は、カバーに取り付けられていてもよい。
【0022】
カバーは、有利にはカバープレートであり、スライド台のためのスライドガイドを備えている。
【0023】
特にカバープレートの台ガイド内で、シリンダ軸に対して横方向に移動することができるスライド台を備える吸引装置においては、少なくとも1つの又は別の吸引開口が、スライド台に配置され得る。例えば、吸引開口は、スライド台の前側に配置されており、その結果、スライド台が、シリンダ開口がスライド台によって覆われていない吸引位置にあるとき、吸引装置は、シリンダ開口の領域に直接的に向けられた作用を達成する。
【0024】
少なくとも1つの吸引開口は、スライド台を貫いて吸引空気チャネルに接続され得る。例えば、スライド台は、当該スライド台を貫いて少なくとも1つの吸引開口を吸引空気チャネルと接続する、少なくとも1つのスライド台チャネルを含む。必要に応じて、スライド台が吸引位置を備えることも補完的に可能であり、当該吸引位置においては、少なくとも1つの吸引空気開口が、スライド台を貫いて連通した真空装置によって吸引負圧を負荷され得る。
【0025】
スライド台は使用位置を備えることができ、当該使用位置において、スライド台はシリンダ開口を覆う、即ち有利には完全にシリンダ開口と整列した態様で隠される。
【0026】
吸引装置は、マウンティングプレスのプレス工程中に生成される蒸気を吸引するための蒸気吸引を提供することができる。この場合、スライド台は、当該スライド台の使用位置においてシリンダ開口の領域に吸引作用がもたらされるように構成され得る。このために、スライド台は、当該スライド台の使用位置において吸引装置の吸引空気チャネルと連通した態様で接続されるスライド台チャネルを備えることができる。
【0027】
吸引空気チャネルの少なくとも一部がカバープレートに設けられていてもよく、その結果、吸引空気チャネルはカバーを貫いて導かれる、及び/又は、少なくとも一部がカバーを貫いて導かれる。
【0028】
吸引装置は、別の例では、更に、有利には真空発生装置の近傍に配置されたフィルタ要素を備えることができる。そのようなフィルタ要素によって、顆粒粉末、顆粒、又は場合によっては蒸気が、吸引空気から濾過され得る。吸引装置の構成に応じて、フィルタ要素は、必要に応じてフィルタ作用、フィルタのメッシュサイズに関して選択され得る。
【0029】
吸引装置は、一例では、更に、別のシリンダ開口を有する少なくとも1つの別のマウンティングプレスを含むことができ、その際、真空発生装置は共通の真空発生装置である。吸引装置は、この例では、マウンティングシリンダのシリンダ開口の領域において直接的に、及び同時に、少なくとも1つの別のマウンティングプレスの別のシリンダ開口において、吸引作用を発揮するよう構成されている。
【0030】
拡張された実施例では、吸引装置を有するマウンティングプレスは、スライドクロージャを備えることもできる。
【0031】
マウンティングプレスは、このために、試料を受容するためのマウンティングシリンダ又はプレスシリンダを含む。マウンティングシリンダは、主シリンダ軸とシリンダ開口とを備え、主シリンダ軸はマウンティングシリンダの内部を延びると共にシリンダ開口を貫通している。
【0032】
マウンティングプレスは、更に有利には、スライド台と、上部ピストンと、上部ピストンと作動結合された閉鎖レバーとを有するスライドクロージャを含む。スライド台は、主シリンダ軸に対して横方向に、特に垂直に移動可能に形成されており、有利には、閉鎖レバーによって移動される。換言すれば、閉鎖レバーは手動であるように形成されており、その結果、スライドクロージャのスライド台は、閉鎖レバーを把持することによって、主シリンダ軸に対して横方向に容易に移動させることができる。これにより、スライド台は、スライド台の使用位置に案内されることができ、当該使用位置において、上部ピストンは、マウンティングシリンダのシリンダ開口に又はその内部に案内されることができる。
【0033】
この場合、閉鎖レバーは、少なくとも1つの開放位置及び閉鎖位置を備えることができ、例えば手動で開放位置から閉鎖位置へ移行させることができる。有利な実施形態では、閉鎖レバーの開放位置から閉鎖位置へ移行させ及び戻すことは、キャリッジの使用位置においてのみ可能である。この場合、スライド台が使用位置以外の位置を占める場合に閉鎖レバーをブロックするために、固定装置又は閉鎖レバーロックが設けられていてもよい。スライド台は、その場合、閉鎖レバーによって、例えばキャリッジ支持体に沿って自由に移動されることができる。しかしながら、閉鎖レバーの開放位置から閉鎖位置への移行は、有利には、スライド台が使用位置にある場合にブロックされるか又はただ解放される。閉鎖レバーは、開放位置から閉鎖位置へ移行されるために、スライド台の閉鎖レバーに手で加えられた引張力が戻り止めに打ち勝つよう、係止保持されるように構成されていてもよい。
【0034】
閉鎖レバーは、スライド台が使用位置にあるとき、閉鎖レバーを開放位置から閉鎖位置へ案内することによって上部ピストンがシリンダ開口を閉鎖するように、上部ピストンと協働する。上部ピストンは、特に力を受ける態様で又はロックされて支持する態様でシリンダ開口を閉鎖し、その際、試料中で又は試料の調製中に発生するガス及び蒸気は、必要に応じて漏れ出ることができる。換言すれば、スライド台が使用位置に移動され、閉鎖レバーが閉鎖位置に案内されることによって、マウンティングプレスは、閉鎖レバーを用いて容易に、作動待機状態に移行され得る。
【0035】
シリンダの主シリンダ軸は、有利には、シリンダ中心軸、即ち、数学的な高さ方向に沿ってシリンダの中心を通って延びる軸である。スライド台の使用位置において、主シリンダ軸は、有利には、上部ピストンの中心を通過する。換言すれば、使用位置において、上部ピストンは、マウンティングシリンダのシリンダ開口と並ぶように整列されるか、または、スライド台と整列され得る。
【0036】
マウンティングプレスは、有利にはキャリッジ支持体を含む。キャリッジ支持体は、第1の実施形態では、スライド台がそれに沿って又はその上で移動可能な、平坦又は平な面である。シリンダ開口は、有利には、キャリッジ支持体に設けられている。即ち、キャリッジ支持体は、有利には、シリンダ開口の出口表面も存在する平面内で、シリンダ開口を全ての方面から取り囲む。換言すれば、シリンダ開口の出口表面及びキャリッジ支持体は、共通の平面を形成する。したがって、キャリッジ支持体は、その主延在方向に、有利にはシリンダ軸に対して横方向に配置されており、特に、それに対して垂直に配置されている。
【0037】
スライドクロージャは、更に有利には、キャリッジ支持体に沿って移動可能であり、シリンダ開口を覆って位置付けられ得る。
【0038】
本発明は、更に、シリンダ開口と、マウンティングシリンダを通って延びる主シリンダ軸とを有するマウンティングシリンダを備えるマウンティングプレス用のスライドクロージャに関する。スライドクロージャは、当該スライドクロージャ内に配置された上部ピストンと、上部ピストンと作動結合された閉鎖レバーと、主シリンダ軸に対して横方向、特に垂直方向に移動可能に形成されたスライド台とを備え、当該スライド台により、上部ピストンは、スライド台の使用位置において、マウンティングシリンダのシリンダ開口に又はその内部に案内され得る。
【0039】
上部ピストンは、少なくとも1つの開放位置及び閉鎖位置を備え、開放位置から閉鎖位置へ移行され得る。有利には、上部ピストンは、キャリッジの使用位置において、開放位置から閉鎖位置へ移行され得る。
【0040】
閉鎖レバーは、スライド台が使用位置にあるとき、閉鎖レバーを案内することによって上部ピストンが開放位置から閉鎖位置へ移動され、シリンダ開口を閉鎖するように、上部ピストンと協働する。換言すれば、閉鎖レバーは、上部ピストンが開放位置を占めるとき開放位置にあり、上部ピストンが閉鎖位置を占めるとき閉鎖位置にある。
【0041】
閉鎖レバーは、有利には閉鎖軸を備える。閉鎖軸は、閉鎖レバーの軸受又は旋回点を形成し、例えば閉鎖レバーの手動操作を通じた力の印加は、特にマウンティングプレスを閉鎖するための上部ピストン上に、閉鎖軸を介して伝達され得る。
【0042】
上部ピストンは、閉鎖軸の周りでの閉鎖レバーの回転運動によって、開放位置から閉鎖位置へ移行される。
【0043】
閉鎖軸は、更に有利には偏心部材を備える。偏心部材は、例えば同じ軸上に閉鎖軸と共に組み付けられており、閉鎖軸の回転の際、共に回転する。代替的に、閉鎖軸は偏心軸であり、即ち特にカムを備え、したがってカム軸であるか、又は一般にその延長方向に亘って可変の断面を有する。したがって、閉鎖軸は、上部ピストンを直接的に又は間接的に開放位置から閉鎖位置へ移行させるように構成されている。
【0044】
閉鎖軸は、更に有利には、開放位置から閉鎖位置への上部ピストンの移行の際に閉鎖軸が直接的に上部ピストンに作用し、シリンダ開口を閉鎖するように上部ピストンを移動させるよう、上部ピストンに隣接して配置されている。例えば、閉鎖軸は、上部ピストンの真上に配置されており、カム又は偏心部材は、上部ピストンの上に接している。閉鎖軸の回転、したがってカム又は偏心部材の回転の際、この例では、下向きの力が上部ピストンに作用し、それにより、スライド台が使用位置にある場合、上部ピストンがマウンティングシリンダ内へ移動する。
【0045】
スライドクロージャは、更に有利には、少なくとも一時的に上部ピストンを開放位置又は閉鎖位置のいずれかに保持するための保持力を提供するために、少なくとも1つの圧縮可能な要素、特にバネ要素を備える。換言すれば、上部ピストンは(1つ又は複数の)バネ要素によって例えば開放位置に保持され、カムに対して又は偏心部材に対して押し付けられる。例えば閉鎖レバーの操作によって、偏心部材又はカムから上部ピストンへの下向きの力が、圧縮可能な要素の保持力を超えると、上部ピストンは、偏心部材又はカム若しくは閉鎖レバーによって閉鎖位置へ移行され、即ちマウンティングシリンダ内に移動される。
【0046】
特に有利には、上部ピストンは、開放位置と閉鎖位置の間で死点位置をとることができ、上部ピストンは、閉鎖レバーによってピストンの位置を死点位置より先へ移動させることにより、それぞれの位置、即ち開放位置又は閉鎖位置において、確実に保持される。
【0047】
スライド台は、更に有利には、シリンダ開口が完全に解放されるサービス位置を有し、特にスライド台は、サービス位置においてサービス軸を中心に傾斜され得る。更に有利には、スライド台は、傾斜した位置に拘束され得る。
【0048】
別の実施例において、スライド台は、スライド台の位置を検出するためのセンサ装置を含む。例えば、センサ装置によって、使用位置又はサービス位置がとられているかどうかが、検出され得る。更に、例えば、スライド台及び/又は閉鎖レバーが閉鎖位置又は使用位置をとった場合にのみ、スライド台の位置情報がマウンティングプレスの制御装置に出力され、マウンティングプレスの作動が位置情報に応じて制御され得る。
【0049】
別の実施例において、スライドクロージャはキャリッジ支持体を含み、スライド台はキャリッジ支持体に沿って移動可能であり、キャリッジ支持体は、スライド台を受容し又は案内するためのキャリッジ受容部又はスライドガイドを備える。キャリッジ支持体は、一例では、横方向に配置されたキャリッジ受容部を有する平らな又は平坦な面、例えばスライドガイドである。
【0050】
スライドクロージャは、更に、前側顆粒区画を備えることができ、特に過剰な顆粒は、スライド台の使用位置の方向への移動によって、顆粒区画内へ搬送される。
【0051】
顆粒区画は、取り外し可能に構成することができ、その際、顆粒区画は、特に、顆粒区画内に集められた過剰な顆粒を容易に空にするために、キャリッジ支持体に取り付けるための磁気ホルダを備える。
【0052】
本発明は、更に、上述したスライドクロージャを有するマウンティングプレスに関する。
【0053】
マウンティングプレスの別の構成の別の観点において、試料をマウンティングするためのモジュール式マウンティングプレスシステムが記載される。マウンティング材料中に、典型的には顆粒中に試料をマウンティングするためのマウンティングプレスでは、1つ又は複数の試料がマウンティングプレス内で同時に処理され得る。マウンティングプレスは、試料を受容するためのマウンティングシリンダを含む。マウンティングシリンダは、主シリンダ軸とシリンダ開口とを備え、主シリンダ軸はマウンティングシリンダの内部を延びると共にシリンダ開口を貫通している。
【0054】
マウンティングプレスの別の構成のこの態様において、モジュール式マウンティングプレスシステムは、少なくとも1つの外部マウンティングプレスを制御するためのベースモジュールと、試料を受容するための第1のマウンティングシリンダを有する、ベースモジュールとは別個であってこれにより制御され得る第1の外部マウンティングプレスと、を備える。
【0055】
ベースモジュールは、少なくとも1つの外部マウンティングプレスの制御データを入力するための中央入力装置と、モジュール式マウンティングプレスシステムを外部電源に接続するための中央電力供給接続部と、少なくとも1つの外部マウンティングプレスに電力を供給するための電力分配器と、を含む。
【0056】
モジュール式埋め込みプレスシステムは、更に、少なくとも1つの外部マウンティングプレスに冷却水を供給するための水分配器を備えてもよい。
【0057】
ベースモジュールは、更に、少なくとも1つの外部マウンティングプレスによって必要とされる電力、及び、少なくとも1つの外部マウンティングプレスを制御するための制御データを伝達するために、少なくとも1つの外部マウンティングプレスをベースモジュールに電気的に接続するための少なくとも1つのマウンティングプレスコネクタを更に含むことができる。
【0058】
ベースモジュールは、別の実施形態において、共通のベースモジュールハウジングの内部に収容されたベースモジュール・マウンティングプレスを備える。換言すれば、これは、ベースモジュールの制御装置と一体に構成された、ベースモジュールハウジング内の内部マウンティングプレスである。
【0059】
電力分配器は、中央制御装置によって設定可能な優先順位を考慮して、電力をベースモジュール・マウンティングプレス及び少なくとも1つの外部マウンティングプレスに分配するように構成されていてもよい。換言すれば、中央制御装置によって、例えばユーザ入力を通じて又はプログラムによる決定を通じて、それぞれの内部又は外部マウンティングプレスへの電力の分配の順序が生じ得る。これは、例えば、モジュール式マウンティングプレスシステムをより小規模の供給網で作動させることを可能とするが、その際、全てのマウンティングプレスは、時間損失が可能な限り小さく保たれるように起動される。換言すれば、完全なモジュール式マウンティングプレスシステムは、このようにして、有利には、一般的に通常の又は標準化された電力供給網で作動させることができる。例えば、マウンティングプレスは、典型的には、加熱プロセス中にのみフル電力を必要とし、それに対して冷却プロセス中にははるかに小さな電力しか必要としない。
【0060】
モジュール式マウンティングプレスシステムの電力分配器は、更に、電力を、設定可能な電力量を達成又は超過した場合に、ベースモジュール・マウンティングプレス及び少なくとも1つの外部マウンティングプレスに、クロック制御して分配するように構成することができる。換言すれば、電力分配器は、電力を、外部の電力網が必要とする総電力量を超えないように、マウンティングプレスに分配するよう構成されていてもよい。電力分配器が、中央制御装置によって利用可能にされたデータに基づいて、例えば、外部マウンティングプレスプレスの加熱プロセスが依然として継続しているが、完了が目前であることを認識した場合、この加熱プロセスAには、優先順位Aが割り当てられ得る。次いで、プロセスBの所望の開始、例えば更なる加熱プロセスは、中央制御装置によって遅延させて開始されることができる。即ち、プロセスBの所望の加熱プロセスは、プロセスAがより少ない電力しか必要とせず、プロセスBの開始に十分なエネルギーが利用可能である場合にのみ開始される。換言すれば、優先的に制御されたプロセスBは、プロセスAが計時を開始し、したがってプロセスBのための空きクロックが準備されているときにのみ開始される。他のケースにおいて、プロセスBは直ちに開始されることができ、電力は、電力分配器によって、両方のプロセスが、必要に応じて低減された電力で又は混合クロックで作動されるよう、プロセスAおよびBに分配されることができる。これは、電力のクロック分配によって達成することができる。
【0061】
少なくとも1つのマウンティングプレスプレスコネクタ、中央電力供給接続部及び水分配器は、例えば、ベースモジュールの後側に一緒に配置され得る。
【0062】
更に有利には、2つ又は3つの外部マウンティングプレスプレスが、ベースモジュールに接続可能である。全ての外部マウンティングプレスプレスは、ベースモジュールによって制御され、電力を供給されることができる。特に有利には、外部マウンティングプレスは、もはや完全なプロセス制御ユニットを必要としない。なぜなら、全てのプロセス制御要素がベースモジュール内に収容されているからである。これにより、システムコストの大幅な低減を達成することができる。同時に、全てのプロセスが中央システムによって起動され管理されることを可能とすることにより、ユーザにとっての人間工学が向上され得る。例えば、これは、複数のマウンティングプレスが並列的に同一のプロセスを実行し、ユーザが最初のプロセスのために1回だけプロセスパラメータを手で入力し、次いで、更なる同一のプロセスをプログラミングするために、中央制御装置に既に入力されたパラメータを使用しなければならない場合に効果を生じ得る。また、ただ1つの制御及び操作ユニットを考慮に入れるだけでよく、モジュール式マウンティングプレスシステムの全てのマウンティングプレスの作動パラメータが集約された場所に表示されることによって、ユーザの負荷は低減される。
【0063】
少なくとも1つの外部マウンティングプレスは、別の有利な実施形態において、作動状態を表示するための表示装置、特に変色する表示装置を備えることができる。そのような表示装置は、例えば、4色ランプ又は異なる色値の4つのLEDによって実現される発光色を提供することを通じて具現され得る。したがって、例えば、外部マウンティングプレスの表示されるべき作動状態は、例えば、第1に加熱動作が例えば赤色、第2に受容準備完了又は受容完了が例えば緑色、第3に冷却作動が例えば青色、及び、第4に例えばカバーが開いているといった準備未完了が白色となるであろう。しかしながら、他の及び/又は別の作動状態の表示も、表示装置を用いて実現され得る。したがって、それぞれのマウンティングプレスに配置された分散型表示装置は、モジュール式マウンティングプレスシステムのマウンティングプレスのうち1つの基本的な状態についての迅速な第1概観をユーザに提供することができ、正確な状態データ及び別の情報は、更にベースモジュールの中央入力装置に表示され又は利用可能とされる。
【0064】
少なくとも1つの外部マウンティングプレスは、更に有利には、分散型操作ボタンを含むことができる。そのような分散型操作ボタンは、例えば、中央入力装置のために、表示、設定又はプログラムされるべきマウンティングプレスを選択するために、使用することができる。即ち、これは、プロセスパラメータの中央制御と、中央入力装置で設定されるべきパラメータの分散的選択との混合を伴う、特に有利でユーザフレンドリな実施形態を具現する。
【0065】
分散型操作ボタンは、更に有利には、同時に、先行する請求項による表示装置を含んでもよい。例えば、これは、照明可能な操作ボタンがそれぞれのマウントプレスプレスに配置され、操作ボタンの色状態がそれぞれのマウンティングプレスの作動状態を表すことによって、解決され得る。更に、これは、操作ボタンが、当該操作ボタンの周りにライトリング又はカラーリングを備え、カラーリングが、示される色に基づいて、それぞれのマウンティングプレスの作動状態を表すことによって、解決され得る。このようにして、モジュール式マウンティングプレスシステムの全てのマウンティングプレスの基本的な作動状態が、ユーザによって一目で把握され得る。マウンティングプレスに関する情報又はマウンティングプレスの作動過程の変更がユーザの側で望まれる場合、それぞれのマウンティングプレスを操作ボタンによって選択することができ、それぞれのプロセスパラメータを中央入力装置に入力することができる。
【0066】
ベースモジュール・マウンティングプレス及び/又は少なくとも1つの外部マウンティングプレスは、スライドクロージャを含んでいてもよい。
【0067】
モジュール式マウンティングプレスシステムは、更に、ベースモジュール・マウンティングプレス及び少なくとも1つの外部マウンティングプレスを中央吸引装置と接続するための吸引分配器を有する中央吸引装置を備えていてもよい。
【0068】
本発明はマウンティングプレスに特に有利に利用可能であるが、原理的に他の機械にも使用可能であることは、当業者には明らかである。これらを除外すべきではない。
以下において、本発明が、実施例に基づき、図面を参照して詳細に説明されるが、その際、同一の及び類似の要素には、部分的に同一の参照番号が付され、様々な実施例の特徴は互いに組み合わせられ得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】閉鎖レバーが閉鎖された状態のマウンティングプレスの概略的な側面図である。
【
図2】マウンティングプレスの概略的な前面図である。
【
図3】閉鎖レバーが閉鎖された状態のマウンティングプレスの側面断面図である。
【
図4】閉鎖レバーが閉鎖された状態のマウンティングプレスの上方斜視図である。
【
図5】閉鎖レバーが閉鎖された状態のマウンティングプレスの別の斜視図である。
【
図6】閉鎖レバーが閉鎖された状態のマウンティングプレスの別の断面図である。
【
図7】閉鎖レバーが閉鎖された状態のマウンティングプレスの更に別の断面図である。
【
図8】閉鎖レバーが頂点位置にある状態のマウンティングプレスの断面図である。
【
図9】閉鎖レバーが頂点位置にある状態のマウンティングプレスの概略的な側面図である。
【
図10】本発明によるマウンティングプレスの側面断面図である。
【
図11】本発明によるマウンティングプレスの前面断面図である。
【
図13】閉鎖レバーが開放された状態のマウンティングプレスの概略的な側面図である。
【
図14】閉鎖レバーが開放された状態のマウンティングプレスの概略的な前面図である。
【
図15】閉鎖レバーが開放された状態のマウンティングプレスの側面断面図である。
【
図16】閉鎖レバーが開放された状態のマウンティングプレスの斜視図である。
【
図17】閉鎖レバーが開放された状態のマウンティングプレスの別の斜視図である。
【
図18】閉鎖レバーが開放された状態のマウンティングプレスの側面断面図である。
【
図19】スライド台がサービス位置にある状態のマウンティングプレスの概略的な側面図である。
【
図20】スライド台がサービス位置にある状態のマウンティングプレスの側面断面図である。
【
図21】スライド台がサービス位置にある状態のマウンティングプレスの概略的な前面図である。
【
図22】スライド台がサービス位置にある状態のマウンティングプレスの斜視図である。
【
図23】スライド台がサービス位置にある状態のマウンティングプレスの別の斜視図である。
【
図24】吸引装置を備えるマウンティングプレスの側面断面図である。
【
図25】吸引装置を備えるマウンティングプレスの別の側面断面図である。
【
図26】吸引装置を備えるマウンティングプレスの斜視図である。
【
図27】吸引装置及びホッパーを備えるマウンティングプレスの斜視図である。
【
図28】吸引装置及びホッパーを備えるマウンティングプレスの別の実施形態の側面断面図である。
【
図29】モジュール式マウンティングプレスシステムの概略的な背面図である。
【
図30】モジュール式マウンティングプレスシステムの外部マウンティングプレスである。
【
図31】モジュール式マウンティングプレスシステムのベースモジュールである。
【
図32】ベースモジュール及び外部マウンティングプレスを備えるモジュール式マウンティングプレスシステムである。
【
図33】ベースモジュール及び外部マウンティングプレスを備えるモジュール式マウンティングプレスシステムの別の配置である。
【
図34】ベースモジュール及び3つの外部マウンティングプレスを備えるモジュール式マウンティングプレスシステムである。
【
図35】複数のマウンティングプレスの電力制御のための概略的なフローチャートである。
【
図36】充填アシスタントの別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1を参照すると、閉鎖レバー130が閉鎖された状態のマウンティングプレス100の、本発明によるスライドクロージャ装置120の第1の側面図が示されている。閉鎖レバー130は、スライド台134の上側に配置された閉鎖軸132に支持されている。閉鎖軸132は、この例では、外側を回転部材72によって覆われている。スライド台134は、キャリッジ支持体136に沿って移動することができ、マウンティングシリンダ10がスライドクロージャ120によって閉鎖されるよう、使用位置に位置している。
【0071】
図2は、閉鎖レバー130が閉鎖された状態の
図1に示されたスライドクロージャ装置120の正面図を示している。断面マークB-B及びA-Aは、それぞれ
図3又は
図7の断面を示している。スライド台134の前側には、吸引装置150の吸引開口152が配置されており、この例では、5個の吸引開口が並んで配置されている。
【0072】
図3は、クロージャ装置120が使用位置にあり、閉鎖レバー130が閉鎖位置にある、
図2の断面B-Bを示している。上部ピストン27は、シリンダ開口12(例えば
図15参照)が閉鎖されるように、シリンダ10の内部に挿入されている。閉鎖軸132は、スライド台134を横切って延びている。
【0073】
キャリッジ支持体136の前側には、過剰な顆粒を収集するための顆粒区画1が配置されている。スライド台134が使用位置に移動されると、過剰な顆粒を自動的にその中に押し出す。
【0074】
スライド台134の前側には、スライド台134の内部でスライド台チャネル154に合流する吸引開口152が示されている。
【0075】
図4は、以上と同様に閉鎖レバー130が閉鎖位置にあるクロージャ装置120の概略的な斜視図を示している。上部ピストンカバー128は、閉鎖位置においては、スライド台134の上面と面一で終端する。
図5は、シリンダ10を閉鎖状態に保持するクロージャ装置120の別の概略的な斜視図を示している。
【0076】
図6は別の断面図を示しており、この断面は、
図3において上部ピストンカバー128、閉鎖軸132及びシリンダ10の中心を通る平面に沿って取られている。閉鎖軸132は、その延在方向に沿って可変の断面を備える。閉鎖軸132は、バネ要素144が係合するノッチ142を有する。バネ要素144は、一種の「オーバーセンターロック」(Verknieung)と同様に、上部ピストン27及びしたがって閉鎖レバー130を、閉鎖位置又は開放位置に保持する復元力を生成する。更に、
図6には、台ガイド122が示されており、この台ガイドは、シリンダ10の両側において、スライド台134を、その移動方向に沿って(紙面から出る方向に)ガイドする。
【0077】
最後に、
図7は、
図2に示された切断線AーAに沿った断面図を示している。閉鎖軸132は、その全長のこの領域に2つの平坦化領域132a及び132bを備える。その間に、閉鎖軸132は、突出部、すなわちカム132cを備える。フレキシブルな部材144が平坦化領域132aに対して押し付けられ、そのようにして、閉鎖軸132が閉鎖位置に留まるような保持力が発生する。閉鎖軸132に対するフレキシブルな部材144のバネ力又は押し付け力を調整することによって、閉鎖レバー130を閉鎖位置から解放するために加えられなければならない解放力が、影響を受け又は調整され得る。
【0078】
図8を参照すると、クロージャ装置120は頂点位置に留まっており、当該頂点位置においては、閉鎖レバー130を閉鎖位置から解放するための解放力が今まさに加えられたか、あるいは、閉鎖レバー130が、閉鎖位置へ導かれる際に、増大しつつあるフレキシブルな部材144の保持力によって、閉鎖位置に移動されるところである。2つの端位置「開放位置」及び「閉鎖位置」への閉鎖レバーの移動は、したがって、「引っ張り及び戻り止め」である。閉鎖軸132が死点を超えて回転する結果、クロージャ装置120及びしたがってクロージャ装置と直接的に作動結合された上部ピストン27も楔止めされる。スライドクロージャ120の閉鎖位置において、マウンティングシリンダ10にシリンダ圧が作用すると、このシリンダ圧は、フレキシブルな部材144の平坦化領域132aとの楔止めに対して付加的な保持力を生成し、その結果、最終的に、スライドクロージャ120は、マウンティングプレス100の作動中に手で開くことはできなくなる。
図9は更に、頂点位置にあるクロージャ装置120の側面図を示している。
【0079】
図10を参照すると、スライド台134が使用位置にあり、閉鎖レバー130(この例ではレバー60)が閉鎖位置にあるスライドクロージャ装置120を有するマウンティングプレス100の側断面図が示されている。シリンダ10は、サンプルシリンダ10aと圧力シリンダ10bとに分割されており、シリンダチューブ53を備えている。前側には、過剰な顆粒を受容するための顆粒区画1が配置されている。カムガイド4が、カムロック5と共に、この例では偏心ボルト66によって実現された閉鎖軸132のための移動空間124を画定する。
【0080】
シリンダ10内に挿入された試料(図示せず)を加熱及び冷却するために、プレス領域の側方に加熱冷却部14が配置されている。加熱冷却部14は、シリンダ10を環状に取り囲んでいる。加熱冷却部14には、ホース配管34(例えば
図11参照)によって水が供給される。特定の直径を有するプレス型63が、サンプルシリンダ内に挿入されている。プレス型63は、様々な試料直径を実現するために、交換可能である。この例では、50mmのプレス型63が使用されている。
【0081】
下部圧力シリンダ10bは、シリンダヘッド16及びシリンダボトム17を備えている。圧力シリンダ10bの内部には、ピストン18が移動可能に配置されている。ピストン18は、ピストンロッド19によって上方下部ピストン23と連結されており、その結果、ピストン18の位置の変化が上方下部ピストン23の位置の変化を誘起する。上部ピストン27、この場合圧力ピストン27は、クロージャ装置120によって位置決めされ、サンプルシリンダ10aの内部に蓄積された圧力によって遮断される。油圧液体は、例えば油圧開口70を介して、高圧ホース55によって圧力シリンダ10bに供給され又は排出される。
【0082】
閉鎖レバー130、この場合レバー60は、感触を改善するためのグリップ面46を備えることができる。
【0083】
キャリッジ支持体136では、第1の位置センサ56、例えば近接スイッチ56を使用することができる。近接スイッチ56は、この例では、支持プレート74が格納されたか展開されたかを検出するように設計されており、これは、スライド台134がサービス位置を取ることができることを意味する(例えば
図18~23参照)。サービス位置を取るために、スライド台134は、キャリッジ支持体136上で完全にピボットプレート59の方向に移動され、ピボットプレート59上の軸73の周りで回転される。ここで、位置センサ56は、例えばノーマルオープン型の誘導式近接スイッチ56として実現されている。
【0084】
この例では、キャリッジ支持体136に、当該キャリッジ支持体の内部に設けられた吸引接続チャネル156を覆うカバープレート61が嵌め込まれている。この例では、スライド台134に吸引カバー68が取り付けられている。
【0085】
スライド台134の使用位置は、前方位置センサ30、特に誘導式位置センサ30によって検知される。
【0086】
図11を参照すると、
図10の実施形態が正面断面図で示されており、同様の参照番号は同様の物体を表す。スライド台134は使用位置を、レバー60は閉鎖位置を、それぞれ取っている。この実施形態では、台ガイド122は、スライド台134のガイドピン123の周りに係合し、それによりスライド台134のキャリッジ支持体136上での確実な案内を実現するため、スライドガイド64によって実現されている。
【0087】
閉鎖軸132は、閉鎖位置において、その下側のサンプルシリンダ10aの両側に、それぞれ1つのノッチ142を備え、当該ノッチ142の内部にそれぞれ1つのバネ部材144、ここではスプリングコンプレッサ71が嵌り込む。
【0088】
加熱冷却部14には、ホース配管34によって冷却水が供給される。
【0089】
図12は、クロージャ装置120が使用位置にあるマウンティングプレス100の概略図を示しており、当該使用位置において、シリンダ開口11(例えば、
図15参照)は、完全に閉鎖されている。サンプルシリンダ10a内における上部ピストン27の楔止め及びサンプルシリンダ10a内において蓄積された圧力のために、クロージャ装置120は閉鎖位置に保持されている。その際、スライド台134は、場合により、ガイドピン123を介して台ガイド122に圧力を蓄積し、したがってキャリッジ支持体136により保持される。
【0090】
クロージャ装置120の開放位置において、スライド台134はキャリッジ支持体136に沿って後端位置まで移動されることができ、当該後端位置では、ガイドピン123はもはや台ガイド122に係合しない。なぜなら、台ガイド122はキャリッジ支持体136の一部に亘ってのみ延びているからである。
【0091】
後端位置において、スライド台134は、旋回軸の周りを旋回することができ、その際、当該スライド台は、ピボットプレート59上に支持される。支持プレート74によって、サービス位置における係合が達成され得る。
【0092】
図13はマウンティングプレス100の側面図を示しており、ここではクロージャ装置が後端位置の方向に移動されており、その結果、シリンダ開口(例えば、
図15参照)が解放されている。
図13において、閉鎖レバー130の内部に閉鎖レバーセンサ80が一体化されており、当該閉鎖レバーセンサは、第2の閉鎖レバーセンサ82と共に、閉鎖レバー130の位置認識を可能にする。特に、閉鎖レバーセンサ80によって、閉鎖レバーの閉鎖位置を照会することができる。
図14は、スライド台134が同じ位置にある状態の正面図を示す。
【0093】
図15を参照すると、スライド台が
図13に関して説明された位置にある状態のマウンティングプレス100の一部の側断面図が示されている。
図15に示された形態のマウンティングプレス100は、図に示されたスライド台134の吸引位置で作動可能な吸引装置150を備える。吸引開口152は、スライド台チャネルを介して、カバー136又はキャリッジ支持体136に設けられた吸引接続チャネル156と連通するように接続されている。吸引接続チャネル156には、直接的に吸引空気チャネル158が接続している。
【0094】
更に、
図15には、シリンダ軸12が示されている。更に、
図15に示された顆粒区画1は、その内部に、スライド台134によって充填された残余顆粒180が収容されている。
【0095】
図16を参照すると、スライド台134の吸引位置が、別の斜視図で明示されている。スライド台134の内部には、この例では5つの吸引開口152が前側に組み込まれている。
図17も、スライド台134の吸引位置を、更に別の斜視図で明示している。
【0096】
図18を参照すると、閉鎖軸132が開放位置にある状態の閉鎖レバー130が示されている。フレキシブルな部材144は閉鎖軸の平坦化領域132bと係合し、それにより閉鎖レバー130に保持力を及ぼしている。閉鎖レバー130を開放位置から閉鎖位置へ移行させるために、フレキシブルな部材144は、
図18の描画平面内において、力を加えることによって下方へ逸らされねばならず、その際、閉鎖レバー130に加えられる力は、場合によっては閉鎖軸132のカム132cを介して増強され、フレキシブルな部材144に伝達される。
【0097】
図19により、スライド台134のサービス位置が示されており、その際、スライド台134は、サービス位置において、キャリッジ支持体136にヒンジ止めされた支持プレート74によって支持される。
【0098】
図20は、スライド台134がサービス位置にある状態のマウンティングプレス100の別の実施形態を示しており、この実施形態において、支持プレート74は、スライド台134にヒンジ止めされていると共に、キャリッジ支持体136の凹部に支持されている。閉鎖軸132は、この位置においては、移動空間124の内部で完全に一方の側にオフセットされている。
【0099】
図21~
図23を参照すると、クロージャ装置120がサービス位置にある状態のマウンティングプレス100が、前側から示されており、下側からの上部ピストン27への容易なアクセス性が明示されている。ここでは、吸引装置150の実施形態も明示されている。吸引開口152は、スライド台チャネル154の内部に開口している。スライド台134が吸引位置にある場合、スライド台チャネル154の下側の開口は、吸引接続チャネル156の凹部と面一にされ、その結果、下側で生成された負圧は、吸引接続チャネル156及びスライド台チャネル154を介して吸引開口152に吸引作用を引き起こすことができる。
図22は、実施形態の斜視図を示している。
図23も、クロージャ装置120がサービス位置にある状態のマウンティングプレス100を、別の斜視図で示している。
図22及び23には、使用位置にあるスライド台134の位置を検出する前方位置センサ30が明確に示されている。
【0100】
図24を参照すると、スライド台134が吸引位置に置かれたマウンティングプレス100が、側面断面図で示されている。吸引開口152は、この場合も吸引位置においてキャリッジ支持体136内に設けられた吸引接続チャネル156に開口するスライド台チャネル154に開口している。吸引接続チャネル156の下側には、排気を、場合によっては蒸気及び/又は塵埃と共に真空発生装置160に排出する吸引空気チャネル158が配置されている。排気方向の下流に向かって真空発生装置160の後方には、吸引フィルタ162が配置されている。この配置は、例えば、吸引装置150によって蒸気が吸引されなければならない場合に有利である。吸引フィルタ162はまた、例えば、塵埃に加えて、比較的大きな粒子が吸引空気中に想定される場合、適当な位置、例えば、吸引空気チャネル158の内部であって真空発生装置160の前方に配置されてもよく、それによって真空発生装置の損傷が回避され得る。
【0101】
図25を参照すると、クロージャ装置120が閉鎖位置にあるマウンティングプレス100の別の実施形態が示されており、この場合、閉鎖位置において、及び特にマウンティングプレスの作動中及び加熱作動中においても、吸引が保証される吸引装置150が実現されている。吸引開口152は、上部ピストン27を取り囲んで配置されている。必要に応じて、スライド台134の吸引位置で使用されていた前側の吸引開口は、有利には閉鎖レバー130に配置又は取り付けられている吸引カバー155によって閉鎖される。このように、閉鎖レバー130は、作動を開始するためにマウンティングプレス100を閉鎖するだけではなく、前側の吸引開口152も閉鎖するので、マウンティングプレス100の作動のための真空発生装置160による吸引作用をシリンダ開口11の領域に集中させることができる。
【0102】
このように、例えば、加熱作動の間、したがって顆粒の溶融プロセスの間に、場合によっては環境にとって有害であるか又は健康にとって有害である可能性のある蒸気がサンプルシリンダ10aから流出した場合、本実施形態における吸引装置150は、これらの影響をも吸収することができ、したがってマウンティングプレスの適用性を向上させることができる。
【0103】
図26を参照すると、スライドクロージャ120を有するマウンティングプレス100の別の実施形態が示されており、この場合、吸引開口152が、カバー136‘又はキャリッジ支持体136に形成されている。吸引開口は、この例では、シリンダ開口11を取り囲んで同心状に配置されている。カバー136‘の下から、そこに取り付けられた吸引空気チャネル158によって、吸引開口152における吸引作用が生成され得る。
【0104】
図27は、マウンティングプレス100の更なる実施形態を示しており、この場合、顆粒180をシリンダ開口11内に充填するためのホッパー170が使用されている。ホッパーは、充填の際に漏斗によって直接的に塵埃を除去するために、吸引空気チャネル158によって真空装置160と接続され得る。
【0105】
図28を参照すると、顆粒180をシリンダ開口11内に充填するために使用されるホッパー170を有するマウンティングプレス100の別の実施形態が示されており、この場合、ホッパーは、吸引装置150に接続されている。ホッパーに取り付けられ、ホッパー170の下側の漏斗開口の周りを環状に延びる吸引開口152‘は、漏斗吸引空気チャネル158‘に連通して接続されている。ホッパー170は、有利には、漏斗吸引空気チャネル158‘がスライド台134内に存在する吸引開口152に調整可能に配置され得る。したがって、真空発生装置160は、有利には、ホッパー170にも吸引負圧を提供することができる。
【0106】
図29を参照すると、ベースモジュール101内に配置された内部マウンティングプレス102と、3つの外部マウンティングプレス104とを有するモジュール式マウンティングプレスシステム106の一実施形態が背面図で示されている。全てのマウンティングプレス102、104は、スライドクロージャ120を備え、互いに直接的に隣接して配置されている。
【0107】
ベースモジュール101は、後側に、外部マウンティングプレス104によって必要とされる電力及び外部マウンティングプレス104を制御するための制御データを伝達するための3つのマウンティングプレスコネクタ108を備えている。更に、ベースモジュール101は、全てのマウンティングプレス100、102、104に外部電源、例えば公共電力供給網からの電力を供給するための中央電力供給接続部110を備えている。更に、ベースモジュール101は、例えば外部水源又は熱交換器との循環回路のいずれかによって供給される冷却水入口112及び冷却水戻り114を含んでいる。モジュール式マウンティングプレスシステム106は、マウンティングプレス102、104を接続するための集水路116、118を備えている。更に、ベースモジュール101によって制御及び調整される中央吸引部164が設けられている。
【0108】
図30~34は、モジュール式マウンティングプレスシステムの作動の様々な変形例を示している。
図30は、本発明によるベースモジュール101に接続するための単一の外部マウンティングプレス104を示している。外部マウンティングプレス104はスライドクロージャ120を備えている。更に、外部マウンティングプレス104は、操作ボタン96及び表示装置98を備えている。
【0109】
図31は、内部マウンティングプレス102を有するベースモジュール101を示している。ベースモジュール101は中央入力装置94を備えており、当該中央入力装置によって、内部及び外部マウンティングプレス102、104がプログラムされ、制御され得る。更に、ベースモジュールは、操作ボタン96及び表示装置98を備えている。表示装置は、制御ボタン96を取り囲んで配置されたライトリング98として実現されている。ベースモジュール101には、更に、内部及び外部マウンティングプレス102、104のための制御パラメータを生成し出力する中央制御装置92が配置されている。更に、ベースモジュール101には、電力分配器91が配置されており、当該電力分配器によって、ベースモジュール101に供給される電力が、内部及び外部マウンティングプレス102、104に分配される。
【0110】
図32は、内部マウンティングプレス102及び外部マウンティングプレス104を有するモジュール式マウンティングプレスシステム106を示している。両方のマウンティングプレス102、104は、スライドクロージャ120と、操作ボタン96及び表示装置98とを備えている。ベースモジュール101は更に、ベースモジュールに接続された全てのマウンティングプレス102、104をプログラムし制御するための中央入力装置94を有する。
図33は、内部マウンティングプレス102及び外部マウンティングプレス104を有するモジュール式マウンティングプレスシステム106の別の代替的な配置を示している。
【0111】
最後に、
図34は、内部マウンティングプレス102及び3つの外部マウンティングプレス104を有するモジュール式マウンティングプレスシステム106を示しており、3つの外部マウンティングプレスのそれぞれは、ベースモジュール101によって制御及びプログラムされると共に、ベースモジュール101によって電力が供給される。それぞれのマウンティングプレス102、104は互いに同一に具現されていてもよい。しかしながら、それぞれのマウンティングプレス102、104は、クロージャシステム120又は吸引装置150に関して異なる構成とすることもできる。また、このシステムでは、例えば、マウンティングプレス102、104に異なるプレス型63を設けることも容易に可能であり、その結果、異なるマウンティングプレス102、104が、プレス型63を交換する必要なく、異なるサンプル直径に対して使用され得る。
【0112】
図35は、モジュール式マウンティングプレスシステム106の簡単なフローチャートを示す。最初のステップ202において、プロセスが開始される。例えば、プロセスの開始は、モジュール式マウンティングプレスシステム106の1つ又は複数のマウンティングプレス102、104が既に動作中であり、ユーザによって中央入力装置94を介して別のマウンティングプレス102、104が起動されることを意味し得る。ベースモジュール101は、中央制御装置92を備え、当該中央制御装置によって、マウンティングプレス102、104が制御される。ここで、制御装置92は、ステップ204において、例えば、電力分配器91によって提供されるデータに基づいて、ベースモジュール101によって電力が供給されるべきマウンティングプレス102、104の数をチェックする。この例では、4つ以上のマウンティングユニット102、104が作動している場合にのみ、電力分配に関する優先順位付けが行われる。4つ未満のマウンティングユニット102、104が接続されているか又は作動中である場合、この例では、電力分配の優先順位付けは必要とされず、フローチャートはステップ220にジャンプして終了する。フローチャートの根底には、3つ以下のマウンティングユニットの並列作動の際に、全てのマウンティングユニット102、104が同時にフル作動するために十分な電力が利用可能であるという考えがある。
【0113】
4つ以上のマウンティングユニット102、104に対する照会に対して肯定的な回答が得られた場合、少なくとも4つのマウンティングユニット102、104の少なくとも4つの加熱冷却部14にエネルギーが供給されるべきであるかという次の照会が、ステップ206において行われる。全ての加熱冷却部14が並列に作動しているわけではない場合、フローチャートはループに戻り、ステップ206においてマウンティングユニットの状態が定期的にチェックされる。
【0114】
しかしながら、少なくとも4つの加熱冷却部14が並列に要求される場合、ステップ208において、マウンティングユニットのモード(加熱又は保持)及び温度の制御偏差に応じて、優先順位の決定が行われる。ステップ210において、どのような電力分配が実行されるべきかが決定され、この例では、最低の優先順位のマウンティングユニット102、104の加熱部がブロックされる。この照会も、3つより多くのマウンティングユニット102、104の競合しがちな並列作動が行われる限り、周期的に行われる。
【0115】
図36を参照すると、充填アシスタントのためのフローチャートが示されている。ステップ230においてプログラムフローが開始され、ステップ232において先ずアシスタントが起動されているかどうかが照会される。もしそうでなければ、フローチャートは中止され、ステップ260で終了する。
【0116】
アシスタントが起動されている限り、ステップ234において、マウンティングユニット102、104のキー96が押され、クロージャ120が開かれたかどうかの照会が行われる。換言すれば、アシスタントは、ステップ234において、更なるフローを継続するために、特にマウンティングユニット102、104の操作ボタン96によるマウンティングユニット102、104の選択を待つ。
【0117】
マウンティングユニット102、104の要求又は選択に応じて、次のステップ236において、選択されたマウンティングユニット102、104のピストン23がシャットダウンされる(キー/スイッチ操作)。ステップ238において、選択されたマウンティングユニット102、104における吸引又は中央吸引部164が、自動的に予め規定された時間にわたって作動される。
【0118】
ステップ240で、反転されたピストン運動に関して対応するボタンが視覚化において作動しているかどうかの照会が行われる。反転されたピストン運動が所望される場合、ピストン運動はステップ242で逆転される。
【0119】
ステップ244では、吸引の切り替えが可視化において決定されているかの照会が行われる。そうである場合、ステップ246で吸引が切り換えられる。
【0120】
最後に、ステップ248で、位置センサ30、56、80、82が、選択されたマウンティングユニット102、104のスライドクロージャ120の閉鎖位置に関して照会される。クロージャ120が完全に閉鎖されていると確認された場合、ステップ250においてマウンティングを開始することができる。
【0121】
選択されたマウンティングユニット102、104によるマウンティングプロセスの完了後、ステップ252において、クロージャを開くことができるかが照会される。そうである場合、ステップ254においてピストン23が始動され、充填アシスタントはステップ260において終了する。
【0122】
本発明は、吸引装置を備えたマウンティングプレス100、102、104の快適で迅速且つ安全な操作と、マウンティングプレス100、102、104の塵埃及び/又は蒸気の一体化された吸引による作業安全性の向上とを可能にする。したがって、本発明によれば、一貫して与えられた安全性の下で、本発明による吸引装置150を有するマウンティングプレス100、102、104が、より快適且つ迅速に操作され得る。排気及びダストクラウドの解消のための作業の際の中断は、もはや必要ではない。本発明はまた、スライドクロージャと組み合わせることができ、及び/又は、モジュール式マウンティングプレスシステムに組み込むことができる。したがって、スライドクロージャ120は、スライドクロージャ120内に配置された上部ピストン27への容易なアクセスを可能とし、当該上部ピストンは、例えば容易に洗浄又は交換することができる。
【0123】
上述した実施形態は例示的なものと理解されるべきであり、本発明は、それらに限定されず、請求項の保護範囲から逸脱することなく多くの方法で変更できることが、当業者には明らかである。更に、当業者には明らかなように、特徴は、明細書、特許請求の範囲、図面又は他の方法で開示されているか否かにかかわらず、たとえ他の特徴と共に記載されていても、本発明の本質的な構成要素を個々に定義する。全ての図において、同様の参照符号は同様の物体を表しており、その結果、1つの図のみで言及される物体の説明、又は、少なくとも全ての図に関して言及されていない物体の説明もまた、これらの図に転用され得、これらの図に関して、主題は、本明細書において明示的に記載されない。
【符号の説明】
【0124】
1 顆粒区画
5 カムロック
10 シリンダ又はマウンティングシリンダ又はプレスシリンダ
10a サンプルシリンダ
10b 圧力シリンダ
11 シリンダ開口
12 シリンダ軸
14 加熱冷却部
16 シリンダヘッド
17 シリンダボトム
18 ピストン
19 ピストンロッド
23 上方下部ピストン
27 上部ピストン又は圧力ピストン
34 ホース配管 冷却水
53 シリンダチューブ
55 ホース配管又は高圧ホース
56 第1の位置センサ又は近接スイッチ
59 ピボットプレート
60 レバー
61 カバープレート
63 プレス型
64 スライドガイド
65 スライドクロージャ
66 偏心ボルト
68 吸引カバー
70 油圧開口
72 回転部材
73 ピボット軸
74 支持プレート
80 閉鎖レバーセンサ
82 第2の閉鎖レバーセンサ
91 電力分配器
92 中央制御装置
94 中央入力装置
96 操作ボタン
98 表示装置
100 マウンティングプレス
101 ベースモジュール
102 内部マウンティングプレス
104 外部マウンティングプレス
106 モジュール式マウンティングプレスシステム
108 マウンティングプレスコネクタ
110 中央電力供給接続部
112 冷却水入口
114 冷却水戻り
116 集水路 冷却水入口
118 集水路 冷却水戻り
120 スライドクロージャ
122 台ガイド
123 ガイドピン
124 移動空間
128 上部ピストンカバー
130 閉鎖レバー
132 閉鎖軸
132a 閉鎖軸の平坦化領域
132b 閉鎖軸の平坦化領域
132c カム
134 スライド台
136 キャリッジ支持体
136’ カバー
142 ノッチ
144 フレキシブルな部材又はバネ要素
150 吸引装置
152 吸引開口
152’ 漏斗吸引開口
154 スライド台チャネル
156 吸引接続チャネル
158 吸引空気チャネル
158’ 漏斗吸引空気チャネル
160 真空発生装置
162 吸引フィルタ
164 中央吸引部
170 ホッパー
180 粒状物質
202~206 方法ステップ
【外国語明細書】