(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100785
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】血管内埋込可能補綴弁の製造に関するシステム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023074405
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2020550059の分割
【原出願日】2018-12-10
(31)【優先権主張番号】62/597,099
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/698,749
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/699,467
(32)【優先日】2018-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】305053547
【氏名又は名称】カリフォルニア インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】516333805
【氏名又は名称】フォルダックス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】モルテザ ガリブ
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル ベドロシアン
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー ライダー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ジー. ベイス
(57)【要約】
【課題】人工ポリマー弁尖を有する埋込可能補綴心臓弁等の補綴弁の製造および製造可能性のための改良された技法を提供すること
【解決手段】改良された補綴心臓弁、その製造方法、および、弁を製造するためのシステムおよびデバイスが、説明される。補綴心臓弁は、経カテーテル埋め込みのために構成されることができる。補綴心臓弁は、人工弁尖を有することができる。補綴心臓弁は、ポリマー浸漬プロセスによって等、多数の方法で製造されることができる。一実施形態において、埋込可能弁を製造する方法は、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ステントを金型上に設置することと、金型の少なくとも一部およびステントの少なくとも一部がポリマーコーティングで被覆されるように、金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋込可能弁を製造する方法であって、
ステントの1つの端部のみを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、
前記浸漬されたステントを型に設置することであって、前記型は、抜き勾配位置と、抜き勾配位置に隣接する輪郭面部分とを備え、前記浸漬されたステントは、前記抜き勾配位置が前記ステント上の交連位置と整列させられるように、前記型に設置される、ことと、
前記型の少なくとも前記輪郭面部分および前記ステントの少なくとも一部がポリマーコーティングで被覆されるように、前記型および浸漬されたステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、
前記ポリマーコーティングを硬化させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記輪郭面部分は、複数の弁尖のネガ型像を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記型は、流出部分を備え、前記ポリマーコーティングを硬化させることは、湿潤ポリマーが前記流出部分に沿って排出されることを可能にすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化させられたポリマーコーティングをトリミングすることにより、複数の弁尖を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
最終形態における前記埋込可能弁は、前記埋込可能弁の外部上流部分の周りに位置するエレクトロスピニングされたポリマーを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することは、前記ステント上に湿潤ポリマーコーティングを形成し、前記ステントを前記型に設置することは、前記湿潤ポリマーコーティングを有する前記ステントを前記型に設置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することは、前記ステント上に湿潤ポリマーコーティングを形成し、前記方法は、前記ステントを前記型に設置する前に、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
同一の湿潤ポリマーが、前記ステントを浸漬するステップのために、および、前記型および浸漬されたステントを浸漬するステップのために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
異なる粘度を有する湿潤ポリマーが、前記ステントを浸漬するステップのために、および、前記型および浸漬されたステントを浸漬するステップのために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
最終形態における前記埋込可能弁は、収縮構成と拡張構成との間で遷移することができる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
埋込可能弁を製造する方法であって、
ステントの1つの端部のみを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、
前記浸漬されたステントを型に設置することと、
前記型の少なくとも一部および前記ステントの少なくとも一部がポリマーコーティングで被覆されるように、前記型および浸漬されたステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、
前記ポリマーコーティングを硬化させることと、
前記ポリマーコーティングをトリミングすることにより、複数の弁尖を形成することと
を含み、最終形態における前記埋込可能弁は、前記埋込可能弁の外部上流部分の周りに位置するエレクトロスピニングされたポリマーを備える、方法。
【請求項12】
前記型は、前記複数の弁尖のネガ型像を備える輪郭面部分を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記型は、流出部分を備え、前記ポリマーコーティングを硬化させることは、湿潤ポリマーが前記流出部分に沿って排出されることを可能にすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することは、前記ステント上に湿潤ポリマーコーティングを形成し、前記ステントを前記型に設置することは、前記湿潤ポリマーコーティングを有する前記ステントを前記型に設置することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することは、前記ステント上に湿潤ポリマーコーティングを形成し、前記方法は、前記ステントを前記型に設置する前に、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
同一の湿潤ポリマーが、前記ステントを浸漬するステップのために、および、前記型および浸漬されたステントを浸漬するステップのために使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
異なる粘度を有する湿潤ポリマーが、前記ステントを浸漬するステップのために、および、前記型および浸漬されたステントを浸漬するステップのために使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
最終形態における前記埋込可能弁は、収縮構成と拡張構成との間で遷移することができる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全てが、その全体として、かつあらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる2017年12月11日に出願された米国仮特許出願第62/597,099号、2018年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/698,749号、および2018年7月17日に出願された米国仮特許出願第62/699,467号の利益および優先権を主張する。
(分野)
【0002】
本明細書に説明される主題は、概して、改良された置換弁に関し、より具体的には、人工ポリマー弁尖を有する埋込可能補綴心臓弁等の補綴弁の製造および製造可能性のための改良された技法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は、身体を通した血流を適切な方向に維持するためのいくつかの弁を有する。心臓の主な弁は、二尖弁(僧帽弁)および三尖弁を含む房室(AV)弁、ならびに大動脈弁および肺動脈弁を含む半月弁である。健康であるとき、これらの弁の各々は、類似様式において動作する。弁は、弁の両側で生じる圧力差に応答して、開放状態(血流を可能にする)と閉鎖状態(血流を防止する)との間を移行する。
【0004】
患者の健康は、これらの弁のうちのいずれかが機能不全となり始める場合、深刻なリスクにさらされ得る。機能不全は、種々の理由に起因し得るが、これは、典型的に、血流を制限する狭窄症または反流のいずれかをもたらし、血液は、誤った方向に流動することが可能にされる。欠陥が深刻である場合、心臓弁は、置換を要求し得る。
【0005】
多大な努力が、置換心臓弁、その中でもとりわけ、置換大動脈弁および僧帽弁の開発につぎ込まれている。現在、補綴弁の経カテーテル埋込に対する関心が高い。経カテーテル弁実装は、多くの場合、人工動脈ステントと統合される生体プロテーゼ弁を伴う。この方法は、低侵襲性カテーテルベース埋込技法を伴う組織ベースの弁の利点を提供する。そのような経カテーテル埋込技法の実施例は、経カテーテル大動脈弁埋込(TAVI)および経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)等の大動脈弁置換技法、ならびに経カテーテル僧帽弁埋込(TMVI)および経カテーテル僧帽弁置換(TMVR)等の僧帽弁置換技法を含む。これらの技法は、(最初に自然弁を切除することと対照的に)カテーテルを用いて患者の身体に弁プロテーゼを導入し、次いで、既存の損傷した心臓弁の上にプロテーゼを拡張させることを伴う。生体プロテーゼ弁の経カテーテル埋込は、弁尖を形成するために使用される生物学的組織の有限の寿命に悩まされ、それは、カテーテルベースの埋込によってさらに悪化する。弁をカテーテルの中に嵌入するために、弁は、大動脈弁または僧帽弁位置における動作のために必要なサイズよりも小さい断面サイズまで縮小されなければならない。このサイズ縮小は、組織弁尖に折り目をつけ得、これらの折り目は、折り目のない組織よりも高い速度で石灰化を受けやすくなる。
【0006】
これらおよび他の理由から、改良された埋込可能弁、ならびに埋込可能弁を製造するための改良されたシステム、デバイス、および方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に提供されるものは、カテーテルまたは他の血管内送達デバイスを通した埋込のために構成される補綴心臓弁のいくつかの例示的実施形態である。これらの実施形態は、概して、2つまたはそれを上回る人工ポリマー弁尖を有する弁本体と結合されるステントまたは支持構造を含む。補綴弁は、患者の脈管を通した通過を可能にする縮小された半径方向寸法まで収縮される、または別様に埋込後に要求されるものよりも小さい寸法において患者の身体の中に導入されることができる。補綴弁は、多くの実施形態では、自律的に、患者の血流を調整する際の動作のための拡張構成に拡張することができる。補綴弁は、大動脈弁または僧帽弁置換として構成されることができる。
【0008】
補綴心臓弁を製造する、または製造する際に使用するためのシステム、デバイス、および方法もまた、提供される。これらの実施形態の多くは、湿潤ポリマーの中に補綴弁の(または補綴心臓弁の形成において使用される)要素の一部または全てを浸し、その上にポリマーのコーティングを形成することを伴う、浸漬鋳造または浸漬プロセスを利用する。ポリマーは、次いで、硬化され、心臓弁の一部の上にコーティングを形成する、または心臓弁自体の構成要素を形成することができる。方法実施形態の多数の変形例が、開示され、これらの方法自体が、改変され、再配列され、付加的ステップで補完されることができる。
【0009】
本明細書に説明される主題の他のシステム、デバイス、方法、特徴、および利点も、以下の図および詳細な説明の精査に応じて、当業者に明白である、または明白となるであろう。全てのそのような付加的システム、方法、特徴、および利点は、本説明内に含まれ、本明細書に説明される主題の範囲内であり、付随の請求項によって保護されることを意図している。例示的実施形態の特徴は、請求項におけるそれらの特徴の明確な列挙がなくても、添付される請求項を限定するものとして、いかようにも解釈されるべきではない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
埋込可能弁であって、前記埋込可能弁は、
複数の偏向可能支柱を備えているステントと、
前記ステントと結合されたポリマー弁本体であって、前記ポリマー弁本体は、複数の人工弁尖を備えている、ポリマー弁本体と
を備え、
前記埋込可能弁は、ある半径方向寸法を有し、収縮状態と拡張状態との間で遷移可能であり、前記半径方向寸法は、前記拡張状態におけるより前記収縮状態において比較的に小さい、埋込可能弁。
(項目2)
前記ステントと弁本体とは、硬化ポリマーを用いて一緒に結合されている、項目1に記載の埋込可能弁。
(項目3)
前記ステントは、前記硬化ポリマー中にカプセル化されている、項目1に記載の埋込可能弁。
(項目4)
前記ポリマー弁本体は、前記硬化ポリマーから成る、項目3に記載の埋込可能弁。
(項目5)
前記埋込可能弁は、縦方向軸を有し、前記埋込可能弁が前記拡張状態にあるとき、前記複数の偏向可能支柱は、前記縦方向軸を横断している、項目1に記載の埋込可能弁。
(項目6)
完全に収縮状態にあるとき、前記複数の偏向可能支柱は、前記縦方向軸に平行または実質的に平行である、項目5に記載の埋込可能弁。
(項目7)
複数の縦方向支柱をさらに備え、前記複数の縦方向支柱の各々は、隣接する弁尖間の交連に位置付けられている、項目5に記載の埋込可能弁。
(項目8)
前記複数の縦方向支柱の各々は、前記埋込可能弁が前記拡張および収縮構成にあるとき、前記埋込可能弁の縦方向軸に平行である、項目7に記載の埋込可能弁。
(項目9)
前記複数の偏向可能支柱は、交差し、複数のセルを形成している、項目7または8に記載の埋込可能弁。
(項目10)
前記ステントは、前記ステントの下流端に隣接して位置しているセルの第1の行を備え、前記複数の縦方向支柱は、前記セルの第1の行の中にある、項目9に記載の埋込可能弁。
(項目11)
前記ステントは、前記セルの第1の行の上流に位置しているセルの第2の行を備え、いかなる縦方向支柱も、前記セルの第2の行の中にない、項目10に記載の埋込可能弁。
(項目12)
前記弁本体は、前記ステントの上流端から上流に位置しているスカートを備えている、項目1に記載の埋込可能弁。
(項目13)
前記スカートは、前記ステントの前記上流端を越えて延びている、項目12に記載の埋込可能弁。
(項目14)
前記スカートは、前記ステントの外部上流部分の上に延びている、項目13に記載の埋込可能弁。
(項目15)
前記スカートは、前記ステントの外部上流部分の上に延び、前記ステントの外部上流部分に接合されていない、項目14に記載の埋込可能弁。
(項目16)
前記ステントは、一次頂部と、二次頂部とを備えている、項目1-15のいずれかに記載の埋込可能弁。
(項目17)
前記一次頂部は、複数の一次頂部セグメントを備え、前記二次頂部は、複数の二次頂部セグメントを備えている、項目16に記載の埋込可能弁。
(項目18)
前記複数の一次頂部セグメントの各々の下流末端が、隣接する弁尖間の界面と半径方向に整列させられている、項目17に記載の埋込可能弁。
(項目19)
前記複数の二次頂部セグメントの各々は、前記複数の一次頂部セグメントの各々の下流末端の上流にある下流末端を有する、項目17に記載の埋込可能弁。
(項目20)
前記ステントは、腰部を備え、前記一次および二次頂部は、前記埋込可能弁が前記拡張構成にあるとき、前記腰部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びている、項目16に記載の埋込可能弁。
(項目21)
前記二次頂部は、前記埋込可能弁が前記拡張構成にあるとき、前記一次頂部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びている、項目20に記載の埋込可能弁。
(項目22)
前記二次頂部は、前記弁が開放するとき、第1の位置から半径方向に外向きに偏向し、前記弁が閉鎖するとき、前記第1の位置に戻るように偏向するように構成されている、項目21に記載の埋込可能弁。
(項目23)
前記ステントは、前記一次および二次頂部の上流に位置している三次頂部を備えている、項目16に記載の埋込可能弁。
(項目24)
前記三次頂部は、複数の三次頂部セグメントを備えている、項目23に記載の埋込可能弁。
(項目25)
前記ステントの上流末端が、前記複数の三次頂部セグメントの各々の上流末端によって形成されている、項目24に記載の埋込可能弁。
(項目26)
前記ステントは、腰部を備え、前記一次頂部、二次頂部、および三次頂部は、前記埋込可能弁が前記拡張構成にあるとき、前記腰部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びている、項目23に記載の埋込可能弁。
(項目27)
前記二次頂部は、前記埋込可能弁が前記拡張構成にあるとき、前記一次頂部および前記三次頂部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びている、項目26に記載の埋込可能弁。
(項目28)
前記複数の弁尖は、2つまたは3つの弁尖である、項目1-27のいずれかに記載の埋込可能弁。
(項目29)
前記埋込可能弁は、ヒトの心臓の大動脈弁に取って代わるように構成されている、項目1-27のいずれかに記載の埋込可能弁。
(項目30)
前記埋込可能弁は、ヒトの心臓の僧帽弁に取って代わるように構成されている、項目1-27のいずれかに記載の埋込可能弁。
(項目31)
前記ステントは、一次構造を備え、二次構造が、前記一次構造の上にコーティングされている、項目1-27のいずれかに記載の埋込可能弁。
(項目32)
補綴弁を埋め込む方法であって、前記方法は、
前記補綴弁が収縮状態にある間に細長い送達デバイスを用いて、受容者の身体を通して前記補綴弁を移動させることと、
少なくとも前記送達デバイスから前記補綴弁を展開することによって、前記受容者の身体内に前記補綴弁を埋め込むことであって、前記補綴弁は、拡張構成において埋め込まれる、ことと
を含み、
前記補綴弁は、項目1-31のいずれかによるものである、方法。
(項目33)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ステントを金型上に設置することと、
前記金型の少なくとも一部および前記ステントの少なくとも一部がポリマーコーティングで被覆されるように、前記金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目34)
前記金型は、弁尖を形成するための輪郭面を備えている、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記ステントは、前記ステントが前記金型上の前記輪郭面と整列させられるように前記金型上に設置される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記金型の前記輪郭面は、前記ステント上の交連位置と整列させられた抜き勾配を有する、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記ポリマーコーティングをトリミングし、複数の弁尖を形成することをさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目38)
前記金型から前記ステントおよびポリマーコーティングを除去することをさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目39)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することは、前記ステント上に湿潤ポリマーコーティングを形成し、前記ステントを前記金型上に設置することは、前記湿潤ポリマーコーティングを伴う前記ステントを前記金型上に設置することを含む、項目33に記載の方法。
(項目40)
前記ポリマーコーティングを仕上げ、前記埋込可能弁を形成することをさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目41)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目40に記載の方法。
(項目42)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
ポリマー弁本体を形成することと、
ステントの上に前記ポリマー弁本体を位置付けることと、
ポリマーコーティングが上流部分上に設置されるように、前記ステントおよびポリマー弁本体の前記上流部分を湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目43)
前記ポリマー弁本体を形成することは、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬し、前記金型上にポリマーコーティングを形成することと、
前記金型上の前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと、
前記弁本体をトリミングし、複数の弁尖を形成することと
を含む、項目42に記載の方法。
(項目44)
前記金型は、前記複数の弁尖を形成するための輪郭面を備えている、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ステントの上に前記ポリマー弁本体を位置付けることに先立って、前記浸漬されたステントが硬化することを可能にすることと
をさらに含む、項目42に記載の方法。
(項目46)
前記ポリマー弁本体は、前記ステントが前記複数の弁尖と整列させられるように、前記ステントの上に位置付けられる、項目42に記載の方法。
(項目47)
前記ポリマー弁本体は、隣接する弁尖間の交連位置が前記ステント上の対応する位置と整列させられるように、前記ステントの上に位置付けられる、項目42に記載の方法。
(項目48)
前記弁本体は、複数の弁尖を備え、前記ステントおよびポリマー弁本体の前記上流部分は、前記ポリマーコーティングが前記上流部分上に設置され、前記複数の弁尖上に設置されないように、湿潤ポリマー中に浸漬される、項目42に記載の方法。
(項目49)
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることは、前記弁本体の上流端が下向きに面している間に前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含む、項目42に記載の方法。
(項目50)
前記埋込可能弁は、前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目42に記載の方法。
(項目51)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目50に記載の方法。
(項目52)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
ポリマー弁本体を形成することと、
ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
その上に湿潤ポリマーを有する前記ステントを前記ポリマー弁本体の上に位置付けることと、
ポリマーコーティングが上流部分上に設置されるように、前記ステントおよびポリマー弁本体の前記上流部分を湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目53)
前記ポリマー弁本体を形成することは、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬し、前記金型上にポリマーコーティングを形成することと、
前記金型上の前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと
を含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記金型は、前記複数の弁尖を形成するための輪郭面を備えている、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記ステントは、前記ステントが前記弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、前記弁本体の上に位置付けられる、項目52に記載の方法。
(項目56)
前記ステントは、前記ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置が前記ステント上の対応する位置と整列させられるように、前記ポリマー弁本体の上に位置付けられる、項目52に記載の方法。
(項目57)
前記弁本体は、複数の弁尖を備え、前記ステントおよびポリマー弁本体の前記上流部分は、前記ポリマーコーティングが前記上流部分上に設置され、前記複数の弁尖上に設置されないように、湿潤ポリマー中に浸漬される、項目52に記載の方法。
(項目58)
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることは、前記弁本体の上流端が下向きに面している間に前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含む、項目52に記載の方法。
(項目59)
前記埋込可能弁は、前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目52に記載の方法。
(項目60)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目59に記載の方法。
(項目61)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬し、湿潤状態におけるポリマーコーティングを形成することと、
ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
その上に湿潤ポリマーを有する前記ステントを前記湿潤状態における前記ポリマーコーティングの上に位置付けることと、
前記ステントおよびポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目62)
前記金型は、複数の弁尖を形成するための輪郭面を備えている、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記ステントは、前記ステントが前記金型の前記輪郭面と整列させられるように、前記湿潤状態における前記ポリマーコーティングの上に位置付けられる、項目61に記載の方法。
(項目64)
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることは、前記金型の下流端が上向きに面している間に前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含む、項目61に記載の方法。
(項目65)
前記埋込可能弁は、前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目61に記載の方法。
(項目66)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目61に記載の方法。
(項目67)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
ステントをポリマー弁本体の上に位置付けることと、
前記ステントを前記ポリマー弁本体に接合することと
を含む、方法。
(項目68)
前記ステントを前記ポリマー弁本体の上に位置付けることに先立って、前記ポリマー弁本体を形成することをさらに含む、項目67に記載の方法。
(項目69)
前記ポリマー弁本体を形成することは、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記金型上の前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
を含む、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記金型は、前記複数の弁尖を形成するための輪郭面を備えている、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ポリマー弁本体の上に前記ステントを位置付けることに先立って、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
をさらに含む、項目67に記載の方法。
(項目72)
前記ステントは、前記ステントが前記弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、前記弁本体の上に位置付けられる、項目67に記載の方法。
(項目73)
前記ステントは、前記ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置が前記ステント上の対応する位置と整列させられるように、前記ポリマー弁本体の上に位置付けられる、項目67に記載の方法。
(項目74)
前記ステントを前記ポリマー弁本体に接合することは、ポリマー接合、溶剤接合、プラズマ接合、または超音波溶接のうちの1つを用いて実施される、項目67に記載の方法。(項目75)
前記埋込可能弁は、前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目67に記載の方法。
(項目76)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目75に記載の方法。
(項目77)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
ポリマー弁本体をその上に湿潤ポリマーを有する前記ステント内に位置付けることと、
その上に湿潤ポリマーを有する前記ステントの上に前記ポリマー弁本体のスカートを位置付けることと、
前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目78)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することに先立って、前記ポリマー弁本体を形成することをさらに含む、項目77に記載の方法。
(項目79)
前記ポリマー弁本体を形成することは、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記金型上の前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
を含む、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記弁本体上に複数の弁尖をトリミングすることをさらに含む、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記ポリマー弁本体は、前記ポリマー弁本体が前記金型上にある間に、その上に湿潤ポリマーを有する前記ステント内に位置付けられる、項目79に記載の方法。
(項目82)
前記弁本体は、前記ステントが前記弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、前記ステント内に位置付けられる、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記ポリマー弁本体は、前記ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置が前記ステント上の対応する位置と整列させられるように、前記ステント内に位置付けられる、項目81に記載の方法。
(項目84)
前記スカートと前記ステントとの間に剥離シムを設置することをさらに含む、項目77に記載の方法。
(項目85)
前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることは、前記ポリマー弁本体およびステントを外側マンドレル内に設置することを含む、項目77に記載の方法。
(項目86)
前記スカートが前記ステントの上に位置付けられた後、前記スカートの上に緊張要素を設置することをさらに含む、項目77に記載の方法。
(項目87)
前記スカートが前記ステントの上に位置付けられた後、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることに先立って、前記スカートの上に緊張要素を設置することをさらに含む、項目77に記載の方法。
(項目88)
前記埋込可能弁は、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にした後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目77に記載の方法。
(項目89)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目88に記載の方法。
(項目90)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
ポリマー弁本体をステント内に位置付けることと、
少なくとも部分的に前記ステントを半径方向に収縮させることと、
少なくとも部分的に半径方向に収縮されている間に前記ステントの上に前記ポリマー弁本体のスカートを位置付けることと、
前記ステントが拡張することを可能にすることと
を含む、方法。
(項目91)
前記ステント内に前記ポリマー弁本体を位置付けることに先立って、前記ポリマー弁本体を形成することをさらに含む、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記ポリマー弁本体を形成することは、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記金型上の前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
を含む、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記弁本体上に複数の弁尖をトリミングすることをさらに含む、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記ポリマー弁本体は、前記ポリマー弁本体が前記金型上にある間に前記ステント内に位置付けられる、項目92に記載の方法。
(項目95)
前記ポリマー弁本体を前記ステント内に位置付ける前、前記ステントをポリマーでコーティングすることをさらに含む、項目90に記載の方法。
(項目96)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ポリマー弁本体を前記ステント内に位置付ける前、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
をさらに含む、項目90に記載の方法。
(項目97)
前記弁本体は、前記ステントが前記弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、前記ステント内に位置付けられる、項目90に記載の方法。
(項目98)
前記ポリマー弁本体は、前記ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置が前記ステント上の対応する位置と整列させられるように、前記ステント内に位置付けられる、項目90に記載の方法。
(項目99)
前記スカートと前記ステントとの間に剥離シムを設置することをさらに含む、項目90に記載の方法。
(項目100)
前記少なくとも部分的に半径方向に前記ステントを収縮させることは、前記ポリマー弁本体およびステントを外側マンドレル内に設置することを含む、項目90に記載の方法。(項目101)
前記ステントが拡張することを可能にすることは、前記外側マンドレルから前記ステントを除去することを含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記スカートが前記ステントの上に位置付けられた後、前記スカートの上に緊張要素を設置することをさらに含む、項目90に記載の方法。
(項目103)
前記埋込可能弁は、前記ステントが拡張することを可能にした後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目90に記載の方法。
(項目104)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目103に記載の方法。
(項目105)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
複数の弁尖を有するポリマー弁本体の一部がステントを過ぎて延びているように、前記ステントの少なくとも一部の上に前記ポリマー弁本体を位置付けることと、
前記複数の弁尖が前記ステント内に位置付けられるように、前記ポリマー弁本体の一部を反転させることと
を含む、方法。
(項目106)
前記ステントの上に前記ポリマー弁本体を位置付けることに先立って、前記ポリマー弁本体を形成することをさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目107)
前記ポリマー弁本体を形成することは、
金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記金型上の前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
を含む、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記弁本体上に複数の弁尖をトリミングすることをさらに含む、項目107に記載の方法。
(項目109)
前記ステントの少なくとも一部の上に前記ポリマー弁本体を位置付ける前、前記ステントをポリマーでコーティングすることをさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目110)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ステントの少なくとも一部の上に前記ポリマー弁本体を位置付ける前、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
をさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目111)
前記ポリマー弁本体は、前記複数の弁尖が前記ステントと整列させられるように、前記ステントの少なくとも一部の上に位置付けられる、項目105に記載の方法。
(項目112)
前記ポリマー弁本体は、前記複数の弁尖のうちの隣接するもの間の交連位置が前記ステント上の対応する位置と整列させられるように、前記ステントの少なくとも一部の上に位置付けられる、項目105に記載の方法。
(項目113)
前記ポリマー弁本体の上に緊張要素を設置することをさらに含む、項目105に記載の方法。
(項目114)
前記埋込可能弁は、前記ポリマー弁本体の一部を反転させた後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目105に記載の方法。
(項目115)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目114に記載の方法。
(項目116)
埋込可能弁を製造する方法であって、前記方法は、
金型の上流端をステントの中に挿入することと、
前記金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬し、ポリマーコーティングを形成することと、
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にし、弁本体を形成することと、
前記金型から前記弁本体およびステントを除去することと、
前記弁本体の下流側を前記ステントの中に反転させることと
を含む、方法。
(項目117)
前記金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することに先立って、前記ステントおよび金型の外部の上に拘束バンドを適用することをさらに含む、項目116に記載の方法。
(項目118)
前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にし、弁本体を形成することは、前記金型の下流端が下向きに面している間に前記ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含む、項目116に記載の方法。
(項目119)
前記金型から前記弁本体およびステントを除去することに先立って、前記弁本体の前記下流側に複数の弁尖をトリミングすることをさらに含む、項目116に記載の方法。
(項目120)
前記ステントの中に前記金型の前記上流端を挿入する前、前記ステントをポリマーでコーティングすることをさらに含む、項目116に記載の方法。
(項目121)
前記ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、
前記ステントの中に前記金型の前記上流端を挿入する前、前記湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることと
をさらに含む、項目116に記載の方法。
(項目122)
前記ステントの中に前記金型の前記上流端を挿入することは、前記金型上の抜き勾配位置を前記ステント上の対応する位置と整列させることを含む、項目116に記載の方法。(項目123)
前記埋込可能弁は、前記ステントの中に前記弁本体の前記下流側を反転させた後、または、前記ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される、項目116に記載の方法。
(項目124)
前記埋込可能弁は、項目1-31のいずれかによるものである、項目123に記載の方法。
(項目125)
項目33-124のいずれかに記載の方法に従って製造された埋込可能弁。
【図面の簡単な説明】
【0010】
その構造および動作の両方に関する、本明細書に記載される主題の詳細は、同様の参照番号が同様の部分を指す、付随の図の検討によって明白となり得る。図中の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、主題の原理を図示することに重点が置かれている。さらに、全ての図示は、概念を伝えることを意図しており、相対的サイズ、形状、および他の詳細な属性は、文字通りまたは精密にではなく、図式的に図示され得る。
【0011】
【
図1A】
図1Aは、補綴弁の例示的実施形態を描写する斜視図である。
【0012】
【
図1B】
図1Bは、補綴弁の例示的実施形態を描写する見下げ図である。
【0013】
【
図1C】
図1C-1Dの各々は、拡張および収縮状態における補綴弁の例示的実施形態を描写する側面図である。
【
図1D】
図1C-1Dの各々は、拡張および収縮状態における補綴弁の例示的実施形態を描写する側面図である。
【0014】
【
図1E】
図1Eは、補綴弁のステントの例示的実施形態を描写する写真である。
【0015】
【
図2A】
図2A-2Bの各々は、拡張および収縮状態における補綴弁の例示的実施形態を描写する側面図である。
【
図2B】
図2A-2Bの各々は、拡張および収縮状態における補綴弁の例示的実施形態を描写する側面図である。
【0016】
【
図2C】
図2Cは、補綴弁の例示的実施形態を描写する側面図である。
【0017】
【
図3A】
図3Aは、拡張状態における補綴弁のステントの例示的実施形態の斜視図である。
【0018】
【
図3B】
図3Bは、拡張状態における補綴弁のステントの例示的実施形態の前半分の側面図である。
【0019】
【
図3C】
図3C-3Dの各々は、収縮状態における補綴弁のステントの例示的実施形態の斜視図および側面図である。
【
図3D】
図3C-3Dの各々は、収縮状態における補綴弁のステントの例示的実施形態の斜視図および側面図である。
【0020】
【
図3E】
図3E-3Fの各々は、弁が開放および閉鎖状態にあるときの大動脈の解剖学的構造の断面内の弁の例示的実施形態の前半分を描写する部分断面図である。
【
図3F】
図3E-3Fの各々は、弁が開放および閉鎖状態にあるときの大動脈の解剖学的構造の断面内の弁の例示的実施形態の前半分を描写する部分断面図である。
【0021】
【
図4-1】
図4A-4Fは、弁製造プロセスの種々の段階の実施例の写真である。
【
図4-2】
図4A-4Fは、弁製造プロセスの種々の段階の実施例の写真である。
【
図4-3】
図4A-4Fは、弁製造プロセスの種々の段階の実施例の写真である。
【0022】
【
図5-1】
図5Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【0023】
【
図5-2】
図5B-5Cの各々は、その上への例示的ステントの設置前後の金型の例示的実施形態の斜視図である。
【0024】
【
図6A】
図6Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【0025】
【
図6B】
図6B-6Cの各々は、拡張状態における弁本体のステントの例示的実施形態の斜視図および見下げ図である。
【
図6C】
図6B-6Cの各々は、拡張状態における弁本体のステントの例示的実施形態の斜視図および見下げ図である。
【0026】
【
図6D】
図6Dは、弁の例示的実施形態を製造する例示的段階を描写する写真である。
【0027】
【
図7】
図7-10Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【
図8】
図7-10Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【
図9】
図7-10Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【
図10A】
図7-10Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【0028】
【0029】
【
図11】
図11-13Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【
図12】
図11-13Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【
図13A】
図11-13Aは、弁を製造する方法の例示的実施形態を描写するフロー図である。
【0030】
【発明を実施するための形態】
【0031】
本主題が、詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。また、本開示の範囲は、添付される請求項によってのみ限定されるであろうため、本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0032】
本明細書に説明される例示的実施形態は、2つまたはそれを上回る弁尖と結合される支持構造、ステント、またはフレームを有する補綴心臓弁等の改良された埋込可能補綴弁ならびに埋込可能弁の製造および製造可能性のための技法に関する。これらの実施形態は、特に、人工ポリマー弁尖のために好適であり、結果として生じる人工弁は、より長い寿命の追加された利益を伴う現在のアプローチに匹敵する利点を提供する。ポリマーベースの弁尖を伴う弁は、ポリマーが、生物学的組織と同一の構造支持を提供し得る一方、はるかに薄く、弁が送達のためにより容易に収縮されることを可能にするため、有利である。これは、ひいては、これが収縮される際にポリマーに対してより少ない応力をもたらし、これは、弁尖の長期的劣化を防止する。加えて、本明細書に説明される製造方法は、支持構造またはステントに弁尖を縫合することなく弁の加工を可能にし、したがって、高品質の繰り返し可能な結果を助長する。
(補綴弁の例示的実施形態)
【0033】
図1Aは、支持構造またはステント102と、弁本体104とを有する埋込可能補綴弁100の例示的実施形態を描写する斜視図である。本実施形態では、弁本体は、大動脈置換弁として構成され、3つの弁尖110-1、110-2、および110-3を有する。弁100は、血液が上流端106(時として、近位端と称される)から下流端108(時として遠位端と称される)に流動することを可能にするように構成され、弁100は、弁を通した血流の主要な方向に平行な上流端106と下流端108との間に延びている縦方向軸112を有する。
【0034】
本明細書に説明される弁100の全ての実施形態は、経カテーテル埋込のために構成されることができ、したがって、一方で、血流を調整するための(比較的に大きい半径方向寸法を有する)拡張または動作構成と、他方で、血管内送達を可能にする(比較的に小さい半径方向寸法を有する)収縮または送達可能構成との間で遷移することができる。
図1Bは、弁100の半径方向寸法または幅が参照114によって示される、拡張構成(部分的開放静止状態における弁尖110を伴う)における弁100の下流端108を描写する端面図である。
図1Cおよび1Dの各々は、拡張および収縮構成における弁100を描写する側面図である。弁100の縦方向寸法または長さは、参照116によって示される。弁100は、弁100が縦方向に延長され、半径方向に短縮される
図1Dの収縮構成においてよりも
図1Cの拡張構成において比較的に大きい半径方向寸法114と、比較的に小さい縦方向寸法116とを有する。
図1Eは、分離したステント102の例示的実施形態を描写する写真である。
【0035】
ステント102は、弁本体104と結合され、本体104のための半径方向および縦方向支持を提供する。
図1A-1Eの実施形態では、ステント102の本体は、一体型またはモノリシック本体においてともに結合される複数の支柱120を含む。各支柱120は、拡張および収縮状態の間のステント102の遷移のために変形可能である場所122において別の支柱と結合される。本実施形態では、支柱120は、複数の開放領域124が存在するように、交差パターンまたは格子において相互接続される。これらの開放領域124は、ここで示される構成において四辺菱形形状を有する。
図1Cに示される拡張状態では、各支柱120は、縦方向軸112と平行に位置する随意の支柱である支柱125を除いて、縦方向軸112に対してある角度に配向される。
【0036】
支柱125は、弁尖110-1および110-2が接する交連位置に対応するステント102上の位置において付加的支持(例えば、引張力、圧縮力、および側方力に対する抵抗)を提供する。ステント102上のこれらの位置は、参照番号111によって
図1Bに示される。2つの三角形形状の開放領域126が、支柱125の各側に存在する。個々の開放領域124または126を形成する支柱120および125の各セットは、ステント102のセルと称され得、支柱120および125は、2つまたはそれを上回るセルの一部であり得る。支柱125は、閉鎖状態にあるとき、弁100の下流部分の偏向に対する抵抗を提供することができ、弁本体104のポリマーをステント102に接合または結合するための増加された表面積を提供することができる。
【0037】
本実施形態では、参照番号131および132によって示されるセルの2つの行が存在し、各行は、9つのセルを含むが、これは、実施例にすぎず、行は、下記に記載されるように、他の数のセルを有することができる。弁尖110は、概して、領域134内のセルの下流行131に隣接して位置する。弁本体104の上流末端135は、ステント102の上流末端136に対する種々の場所にあり得る。本実施形態では、弁本体104の上流末端135は、弁本体104のある長さがステント102の上流に存在するように、ステント102の上流末端136のさらに上流(または近位)の位置にある。弁本体104の本上流部分は、スカート140と称され得る。スカート140は、いくつかの実施形態では、弁傍漏出を防止する、またはそれに抵抗することができ、また、そうでなければ弁に応力集中を導入し、ならびに周辺組織に外傷を与え得るいかなる鋭的または研磨性縁も被覆するために、ステント102の上に設置されることができる。本明細書に説明される製造技法(例えば、浸漬および射出成形)に加えて、スカート140は、ポリマーをエレクトロスピニングすることによって形成されることができる。
【0038】
図1Dの収縮構成では、ステント102および弁本体104の両方は、半径方向に収縮され、開放領域124および126を少なくとも部分的に閉鎖された状態に、殆どの場合、実質的に閉鎖された状態にさせる。本収縮構成では、各支柱120は、拡張構成においてよりも縦方向軸112に平行な状態により近い配向に移動する。弁100は、弁100が完全に収縮構成にあるとき、複数の支柱120のそれぞれの縦方向軸が、弁の縦方向軸112に平行である、または縦方向軸112に実質的に平行である(例えば、約5度またはそれ未満)ように構成されることができる。収縮構成では、弁本体104は、それ自体の上に半径方向に折畳または圧潰し、また、ステント102の縦方向延長を可能にするように縦方向に弾性的に変形することができる。拡張に応じて、弁本体104は、その元々の形状に弾性的に戻ることができる。
【0039】
図2Aおよび2Bの各々は、拡張および収縮状態における弁100の別の例示的実施形態の側面図である。ここでは、弁100は、セルの3つの行201-203を含む。第1の垂直支柱125-1が、セルの第1の行201内に存在し、弁尖110-1および110-2が接する交連位置111-1において付加的支持を提供する。第2の支柱125-2が、第1の支柱125-2の直接上流のセルの第3の行203内に存在し、場所111-1において付加的支持を提供する。第1および第2の支柱125-1および125-2の両方は、随意であり、それぞれ、好ましくは、収縮の間のステント102の縦方向延長を可能にするために弾性である。示されないが、類似する支柱125もまた、位置111-2および111-3に存在する。弁100の実施形態は、弁尖110が接する場所111のそれぞれにおいてゼロ、1つ、またはそれを上回る支柱125を有することができる。弁100の実施形態はまた、セルの1つのみの行またはセルの2つまたはそれを上回る行を有することができ、各行は、任意の数の2つまたはそれを上回るセルを含むことができる。多くの実施形態では、各行は、弁尖の数の整数倍であるいくつかのセルを含む。
【0040】
図2Cは、スカート140がステント102の上流側の上に設置(例えば、巻回または反転)されていることを除いて、
図2Aおよび2Bのものと類似する弁100の別の例示的実施形態の側面図を描写する。そのような構成は、弁100と隣接する組織との間の弁傍漏出に抵抗し、また、ステント102の相対的な鋭的または外傷性縁に対して組織を保護することができる。スカート140は、ステント102の任意の所望の長さ(例えば、10%、25%、50%、75%、100%)にわたって設置されることができる。ステント102が金属であり、スカート140がステント102の全長にわたって設置される場合、スカート140はまた、ステント102を電気的に絶縁するように機能することができる。スカート140は、ステント102の上流側または部分の外部に(例えば、ポリマーの硬化もしくはその他を通して)接合されることができる、またはそれに接合されることなく外部上流側に静止することができる。
【0041】
弁100は、管状細長い送達デバイス(例えば、カテーテル)の管腔内で収縮構成において搬送される、または収縮構成において拘束され、送達デバイスの外径上で搬送されることができ、これは、順に、管状または非管状であり得る。弁100は、送達デバイスによって付与される制約からの解放に応じて、収縮構成から拡張構成に自律的に拡張するように付勢されることができる(時として、「自己拡張」弁と称される)。ステント102および弁本体104の両方は、収縮後に拡張構成に戻る弾性材料であり得る。代替として、ステント102は、弾性であり、弁100を拡張構成に戻す主要または唯一の付勢としての役割を果たすことができる。弁100はまた、拡張構成への拡張を引き起こすための(バルーンまたは他の機構から等の)外力の印加を要求するように構成されることができる。
【0042】
弁100の別の例示的実施形態が、
図3A-3Fに関して説明され、弁100は、弁本体104と結合される輪郭ステント302を含む。
図3A-3Bの各々は、(弁本体104を伴わない)拡張状態におけるステント302の斜視図および側面図であり、
図3C-3Dの各々は、(弁本体104を伴わない)収縮状態におけるステント302の斜視図および側面図であり、
図3E-3Fの各々は、開放および閉鎖状態にある間のその解剖学的構造内の弁100の側面図を描写する大動脈の解剖学的構造の断面である。
【0043】
本例示的実施形態では、ステント302は、上流(近位)端306と、下流(遠位)端308とを有する、不均一半径の自己拡張フレームである。下流端308は、第1の(または一次)頂部310、ならびに一次頂部310よりもさらに半径方向に外向きに延在し得る第2の(または二次)頂部320を有する。一次頂部310は、二次頂部320よりもさらに遠位に延びている。第3の(または三次)頂部330が、ステント302の上流端306に位置する。狭幅領域(または腰部)340が、一方の頂部330と、他方の頂部310および320との間に存在する。腰部340は、ステント302が比較的に最も小さい半径方向幅を有する場所である。頂部310、320、および330の各々は、腰部340から半径方向に外向きに延びている(例えば、漸広する)。
【0044】
一次頂部310は、ステント302の格子配列の続きであり、隣接する弁尖(図示せず)が接する場所において3つの頂部セグメント311-1、311-2、および311-3を含む。一次頂部310は、人工弁尖110(
図3E-3F)の最適な取付を提供するために、自然心臓弁の三尖幾何学形状を模倣する。生体プロテーゼ(自然組織)弁尖が、代替として、ステント302上に取り付けられる(例えば、縫合される)ことができる。三尖幾何学形状は、高いオリフィス有効面積(EOA)を確実にする。心臓弁の自然な形状を模倣することによって、弁材料の通常の動作条件と関連付けられる応力は、ステント302を横断してより均一に拡散され、本デバイスの全体的寿命を増加させる。一次頂部310はまた、偏向することによって自然心臓弁取付部位の柔軟性を模倣し、これはさらに、弁100にわたる収縮期サイクル負荷と関連付けられる応力を分散させる。本偏向はまた、血液が大動脈洞を通して流動するためのより容易なアクセスを可能にする。
【0045】
二次頂部320もまた、ステント302の規則的格子の続きであり、一次頂部310を上回る範囲まで外向きに漸広する3つの頂部セグメント321-1、321-2、および321-3を含む(
図3B参照)。各二次頂部セグメント321は、解剖学的構造内の弁100の固定を補助する。セグメント321はまた、送達デバイスの糸、テザー、または他の部分を受容し得、3次元空間内の弁100の位置を物理的に操作し、ならびに埋込の間に弁100を半径方向に回転または傾斜させるために使用され得る、(例えば、最遠位支柱内の)整列孔351を含む。そのような制御は、医療専門家が精密な整列を達成することを補助する。整列孔351はまた、外科医が展開後に本デバイスを再整列させる必要がある場合、デバイス回収のために使用されることができる。
【0046】
フレームの近位端上に位置する三次頂部330は、固定を補助するわずかに外向きの拡張部を有する。ステント302は、例えば、大動脈弁または僧帽弁として使用されるとき、解剖学的構造内で自己位置特定する能力を有する。例えば、大動脈置換弁として構成されるとき、腰部340は、大動脈弁輪に直接隣接する設置を受け入れる。
【0047】
図3Eおよび3Fの各々は、開放および閉鎖状態における弁100を伴う、大動脈弁として構成され、大動脈の解剖学的構造内に展開される弁100の本実施形態を描写する。弁100の腰部340は、(大動脈の内部に膨らむ)弁輪351に隣接し、一次頂部310および二次頂部320は、上行大動脈353内の弁輪351の下流に位置し、三次頂部330は、弁輪351の上流に位置する。弁100は、腰部340が解剖学的構造内で拡張されるとき、頂部310、320、および330の半径方向寸法が弁輪351ならびに腰部340の半径方向寸法を超えるように定寸される。弁100は、適正な固定を確実にするためにわずかに過大に定寸されてもよく、埋め込まれるときに最大半径方向寸法まで拡張しない場合がある。
【0048】
弁100は、柔軟性質を有する。流動条件の間(
図3E)、弁尖110は、開放し、流動を可能にするが、弁100が閉鎖するとき(
図3F)、一次頂部310の頂部セグメント311は、半径方向に内向きに偏向し、血液が大動脈洞352の中にそれを通して容易に流動することを可能にする。二次頂部320の頂部セグメント321もまた、弁100の固定に影響を及ぼすことなく、より少ない程度で内向きに偏向することができる。
【0049】
本明細書に説明される弁100の実施形態は、ステント102および302の全体的サイズの最小化、心臓の電気電動経路との干渉の防止、弁100を横断する流体圧力勾配の最小化、ならびに3つの大動脈洞のうちのいずれかの閉塞の防止等の設計考慮事項を考慮することによって到達される。非限定的実施例として、
図3A-3Fの実施形態では、全体的縦横比(長さおよび幅)は、約1:1であり得、一次頂部高さと全長との比率は、約1:2であり得る。これらの縦横比は、患者に関連する種々の因子ならびに弁100が大動脈弁または僧帽弁置換として意図されるかどうかに応じて、必要に応じて変調されることができる。二次頂部および三次頂部の両方の各頂部セグメントの鋭角開弁角度は、50°であり得、最大60°(60°を含む)まで変動し、送達デバイスの内側に圧着および設置されるステントの能力を助長すると同時に、心室流出路(VOT)内に弁100を十分に固定するために十分な半径方向力を提供することができる。弁100の多くの実施形態は、円周が84%またはそれを上回って低減されるように収縮されることができる。セルの付加的行もまた、VOT内での付加的安定性のために、ならびにステント102または302が周辺組織に対して付与する半径方向力を増加させるために追加されてもよい。
【0050】
図3A-3Fに関して説明される弁100の実施形態は、主として、輪郭プロファイルおよび複数の下流頂部の存在において
図1A-2Cの実施形態と異なるが、
図1A-2Cに関して説明される弁100の全ての他の特徴および変形例は、
図3A-3Fの例示的実施形態に同様に適用されることができる。
【0051】
弁100の実施形態は、略直線の円筒形上流端を有するが、これらの実施形態は、代替として、湾曲またはスカラップ上流端を有することができる。スカラップ端部は、当業者に公知である(例えば、米国特許第9,301,837号(その全体として、かつあらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる)参照)。
【0052】
ステント302の実施形態の全てでは、二次頂部320および/または三次頂部330は、所望される場合、省略されることができる。代替として、頂部320および330の一方または両方が、含まれることができるが、頂部320および/または330が存在するステント302の側がステント302の縦方向軸に平行であるように、それらの長さに沿って一定の半径を有することができる。
【0053】
要求されないが、ステント102および302は、好ましくは、1つまたはそれを上回る材料から段階的に(例えば、一次またはコア構造が1つの材料から、二次構造またはコーティングが同一もしくは別の材料から)加工される。一次構造のための材料は、好ましくは、弾性または超弾性である。そのような材料の実施例は、チタン合金(例えば、ニチノール)、エルジロイ、ステンレス鋼、および種々のポリマーを含む。二次コーティングのための材料は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリウレタン、ULTEM等のポリエーテルイミド(PEI)等のポリマー材料、弁尖110を形成するために使用される人工材料のうちのいずれか、およびその他を含むことができる。弁尖110は、当技術分野において公知の任意の生体安定ポリウレタンおよびポリウレタン組成物(例えば、ポリシロキサン含有ポリウレタン等)を含む、ポリマー材料から加工されることができる。ポリウレタン含有弁尖の実施例は、米国特許第6,984,700号、米国特許第7,262,260号、米国特許第7,365,134号、米国特許公開第2017/0119923号(「Polyurethane/urea Compositions」)、およびYilgor et al.の「Silicone containing copolymers:Synthesis, properties and applications」Prog. Polym. Sci.(2013)(その全ては、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。理想的等方性非クリープ性特性に近い材料は、特に、多くの実施形態において使用するために好適である。弁尖110はまた、生物学的組織(例えば、ブタ弁)から加工されることができる。
(補綴弁製造の例示的実施形態)
【0054】
人工ポリマー弁尖110を有する弁100を製造するシステム、デバイス、および方法の多数の実施形態が、本明細書に説明される。これらのシステム、デバイス、および方法は、任意のステント幾何学形状またはポリマーに適用され、受容者の免疫系の異物応答に起因する炎症を低減させるために薬物溶出技術を組み込む等、複数の病状の治療を同時に伴うための弁の可能性として考えられる用途を拡大することができる。加えて、ここで説明される製造方法は、安価かつ繰り返し可能な製造のために自動化および/またはロボット化されることができる
【0055】
概して、製造方法は、ステント102または302の加工、次いで、それへの弁尖110または弁本体104の結合、もしくはその上への弁尖110の一体形成のいずれかを伴う。容易な議論のために、これらのシステム、デバイス、および方法は、ステント102を有する弁100の加工に関して本明細書に説明されるが、しかしながら、全てのそのようなシステム、デバイス、および方法は、輪郭ステント302を有する弁100の実施形態を加工するために同様に使用され得ることが強調される。本明細書に説明される製造実施形態は、浸漬鋳造または浸漬プロセスを利用するが、しかしながら、当業者は、他の匹敵する形成プロセス(例えば、成形)も、代わりに使用され得ることを認識するであろう。これが硬化する際のポリマー上への重力の均一な効果が、結果として生じる金型がポリマーの最も低いエネルギー状態において作成されることを確実にするため、浸漬が、使用される。これは、射出成形等の他の一般的な成形技法からもたらされ得るポリマーのマクロおよびミクロ構造における応力集中を排除し、したがって、弁の寿命を大幅に延長する。
【0056】
収縮可能ステント構造の使用に加えて、これらの浸漬技法の使用は、ステントがその静止サイズよりも小さい直径に収縮または圧着される能力を保持するであろうため、弁100が非侵襲性カテーテルベースの手技において埋め込まれることをより容易に可能にする。
【0057】
図4A-4Fは、説明される本実施形態と併せて参照されるであろう弁製造の種々の段階の写真である。
図4A-4Fは、主として、手で(手動で)製造する実施例であるが、これらの段階は、大量生産ラインにおいて使用するために自動化されることができる。本明細書に説明される製造実施形態は、2018年8月3日に出願され、「Systems, Devices, and Methods Relating to the Manufacture of Prosthetic Valves」と題された国際特許出願第PCT/US18/45202号(その全体として、かつあらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるアプローチのうちのいずれかを利用することができる。これらのアプローチは、非限定的実施例として、弁100のステントおよび/または弁本体のためのポリマーを硬化させるための2段階ポリマー硬化プロセスの使用ならびに/もしくは環境湿度チャンバ(EHC)の使用、および/または改良された追跡可能性ならびに/もしくは自動化のための識別子(例えば、バーコード)の適用を含む。
【0058】
図5Aは、弁100を製造する方法500の例示的実施形態を描写するフロー図である。502において、ステント102が、容器404内に含有される湿潤ポリマー402中に浸漬される(
図4A)。本明細書に説明される本および全ての浸漬段階では、湿潤ポリマーの中への構造の実際の移動は、コンピュータ制御デバイスを用いて自動化されることができる。本明細書に使用されるように、「浸漬」は、浸漬されるべき要素(例えば、ステント、金型、弁)を湿潤ポリマーの中に設置し、続けて、これを除去する行為を指す。浸漬は、ステント102の少なくとも1つの端部、好ましくは、全てがポリマー中でコーティングまたはカプセル化されるように実施されることができる。ステント102は、過剰なポリマーが流出することを可能にするように部分的に硬化されることができる、またはステント102は、(硬化することなく)504に直接進むことができる。504において、好ましくは、ステント102が依然として湿潤している(触れると少なくとも容易に変形可能かつ除去可能である)間、ステント102は、弁本体104および弁尖110を形成するように構成される金型520上に設置されることができる。金型520はまた、形成具またはマンドレルとも称され得、弁100の構成要素を生産するために、円筒形に、または任意の他の所望の方式で成形されることができる。金型520は、弁尖110の形成のための輪郭面を有することができるが、そのようなものは、要求されない。
【0059】
図5Bは、金型520を描写する斜視図であり、
図5Cは、ステント102と結合した後、金型およびステントアセンブリ540をもたらす、金型520を描写する斜視図である。浸漬および硬化の文脈では、用語「上向き」(例えば、「上向きに面する」)および「下向き」(例えば、「下向きに面する」)は、重力に対するそれらの通常の意味で使用される。したがって、
図5Bおよび5Cでは、金型520の上流端521は、下向きに面し、下流端522は、上向きに面している。
【0060】
浸漬に関して、本実施形態では、金型520は、金型520の上流端521が下流端522の上方にある(上流端521が上向きに面し、下流端522が下向きに面する)ように、ここで描写される配向から逆さまに回転される。金型520は、弁本体104の上流部分を形成するように構成される幾何学形状を伴う基部部分523を含む。金型520はまた、部分的開放静止位置における弁尖110の内部幾何学形状のネガ型像を形成する表面を伴う弁尖部分524を含む。弁尖部分524の上方に、硬化プロセスが金型の下流端522が下向きに面して起こる(いくつかの実施形態では、下流端522が上向きに面する間に硬化が起こり得る)場合、浸漬後に過剰なポリマーが弁尖110から離れるように流出または排出されることを可能にする流出部分526がある。流出部分526上で硬化するポリマーは、例えば、弁尖110がそれらの最終寸法にトリミングされる弁尖仕上げの間に除去されることができる。いくつかの実施形態では、トリミングステップは、金型520からの流出部分526自体の除去を伴うことができる。
【0061】
本実施形態では、ステント102は、(金型520上の隣接する弁尖の各対の間に位置する)3つの抜き勾配528が、隣接する弁尖が接する交連位置(例えば、
図1Bの位置111)に対応する位置であり得る、ステント102上の適切な個別の位置と整列させられるように、金型520上に設置される。本実施形態では、これらの位置は、3つの頂部セグメント530の下流末端である。設置は、
図5Cに示されるように、頂部セグメント530を形成する支柱120が抜き勾配528と一致するようなものであり得る。支柱120の抜き勾配528との整列は、ステント102への応力のさらなる分散を可能にし、また、抜き勾配528と整列させられる各頂部セグメント530の支柱が、弁100の動作の間に半径方向に内向きに偏向することを可能にする。本偏向は、そうでなければ弁尖110自体に対する歪みをもたらすであろう、弁尖110の閉鎖からもたらされる歪みエネルギーを吸収することができる。さらに、本偏向は、埋め込まれるときに弁100が不整列にされる場合であっても、全ての大動脈洞の遊隙の可能性を増加させる。
【0062】
ステント102が湿潤している間にステント102を金型520に結合することは、ステント102が金型520に接着し、したがって、浸漬プロセスの間に適切な位置に留まることを可能にし、また、続けて適用されるポリマーがステント102へのより強力な接合状態で硬化することを可能にする。506において、金型およびステントアセンブリ540が、流出部分526が最初に沈められるように湿潤ポリマーの中に浸漬されることができる。本明細書に説明される本および全ての実施形態では、金型520は、金型520の少なくとも弁尖部分524が被覆されるまで沈められることができる。基部部分523が沈められる範囲は、変動し得る。例えば、弁本体104がスカート140とともに構成される場合、金型520の沈没は、少なくともスカート140を形成するために十分遠くまで継続するべきである。金型520は、スカート140の所望の上流末端を過ぎて沈められることができ、いずれの過剰なポリマーも、スカート140を形成するためにトリミングされることができる。
【0063】
506における本浸漬は、好ましくは、502において使用されるものと同一のポリマーを用いて起こるが、異なるバッチが、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、506において使用されるポリマーは、502において使用されるポリマーと異なる粘度または化学組成を有してもよい。本明細書に開示される方法は、そのようなものに限定されないが、いくつかの例示的実施形態では、浸漬ステップ(本明細書に説明される本および全ての実施形態における)は、高温および高湿度の両方の下で、例えば、20~80%の範囲内の相対湿度(RH)および20~50℃の範囲内の温度で起こることができる。さらに、各浸漬ステップ(本明細書に説明される本および全ての実施形態における)は、金型および/またはステントの1回の沈没または複数の沈没とともに起こることができる。
【0064】
508において、アセンブリ540は、下流端522が下向きに面し、ポリマーが流出部分526に沿って排出され得るように硬化することを可能にされる。硬化レシピは、使用されるポリマーのタイプに応じて変動するであろう。硬化後、ステント102および弁本体104は、弁100を形成するようにともに確実に固定されるであろう。
【0065】
本明細書における本および全ての実施形態では、弁100は、硬化後に完成することができる、または弁100は、弁構造を完成させるために弁仕上げを受けることができる。仕上げの実施例は、弁尖110の表面をそれらの最終またはほぼ最終状態まで(例えば、レーザ切断、超音波トリミング、ウォーターナイフ、機械的クラムシェルカッタ、および同等物を通して)トリミングまたは修正すること、付加的コーティングまたは表面処理を弁100に適用すること、スカート140を移動させること(例えば、ステント102の上にスカート140を巻くこと)、付加的構造を弁100に取り付けること(本明細書に説明されるようなバンドまたは緊張要素等)、もしくはその他を含むことができる。仕上げられた弁の包装および滅菌が、次いで、起こることができる。
【0066】
本実施形態では、弁尖110のトリミングは、いったん弁尖110が硬化されると、起こることができる。本明細書に説明される本および全ての他の実施形態では、弁尖110のトリミングは、付加的製造ステップ(例えば、弁本体104のステント102との噛合)が依然として実施されるべきであるかどうかにかかわらず、いったん弁尖110が硬化されると、起こることができる。
【0067】
図6Aは、弁100を製造する方法600の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。602において、ステント102が、ステント本体の少なくとも一部、好ましくは、全てがポリマー中にカプセル化されるように、湿潤ポリマー中に浸漬される(
図4A)。次いで、604において、ステント102は、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に硬化することを可能にされる。ステント102のコーティングは、方法600の一部として実施されることができる、またはステント102は、事前コーティングされることができる、もしくはコーティングは、省略されることができる。別個に、弁本体104が、形成される。これは、606-610において起こることができる。606において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524および随意に、基部部分523の少なくとも一部が沈められるまで継続されるように浸漬され、その後、金型520は、除去される(
図4D)。608において、金型520はまた、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する(
図4E)。
図6Bおよび6Cは、金型520からの除去後の(上流端630および下流端632を有する)弁本体104の例示的実施形態の斜視図および見下げ図である。
【0068】
610において、いずれかの順序で、結果として生じる弁本体104が、金型520から除去され、弁尖110が、トリミングされることができる。612において、弁本体104は、次いで、ステント102の上に位置付けられ、整列させられる。
図6Dは、ステント、本事例では、ステント302の上に部分的に位置付けられる弁本体104の例示的実施形態の写真である。614において、弁本体およびステントアセンブリは、次いで、上流端が最初に、好ましくは、弁本体104の上流部分634(
図6B)の上に沈められるが、好ましくは、弁尖110に至らないようにポリマー中に浸漬され、弁本体104をステント102に取り付ける。これは、浸漬されるべきではないアセンブリの一部(例えば、弁尖110および/またはステント102の下流部分)を把持し、次いで、アセンブリをポリマーの中に浸漬することによって遂行されることができる。616において、弁100は、次いで、上流端106が下向きに面している間に硬化することを可能にされる。次いで、弁100は、所望される場合、任意の必要な上流端106へのトリミングおよびステント120にわたるスカート140の巻回または反転(
図2C)を含む仕上げを必要に応じて行われることができる。
【0069】
図7は、弁100を製造する方法700の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。弁本体が、例えば、702-704において形成されることができる。702において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524および随意に、基部部分523の少なくとも一部が沈められるまで継続されるように湿潤ポリマーの中に浸漬され、その後、金型520は、除去される(
図4D)。704において、金型520は、次いで、(過剰なポリマーが流出部分526から流出するように)下流端522を上流端520の真下にして懸下され、ポリマーは、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する(
図4E)。弁本体104が硬化された後、706において、ステント102が、少なくとも部分的に、好ましくは、全体的に、ポリマー中にステント102をカプセル化するために、浸漬される。708において、ステント102は、湿潤状態にある間、弁本体104および金型520の上に位置付けられ、必要に応じて、適切に整列させられる(
図4B参照)。710において、アセンブリ540が、次いで、上流端521が最初に沈められるように再び浸漬される(
図4C参照)。アセンブリ540は、弁本体104の上流部分(
図6Bの同様の部分634)を被覆するが、好ましくは、弁尖110に至らないように浸漬される。710における浸漬は、スカート140を形成することができる。712において、弁本体104およびステント102は、上流端106が下向きに面して硬化することを可能にされ、2つをともに取り付け、弁100を形成する。弁100は、次いで、所望される場合、任意の必要な上流端106へのトリミングおよびステント120にわたるスカート140の巻回または反転(
図2C)を含む仕上げを必要に応じて行われることができる。
【0070】
図8は、弁100を製造する方法800の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。802において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524が被覆され、随意に、基部部分523の少なくとも一部が被覆されるように、湿潤ポリマーの中に浸漬される。804において、ステント102が、少なくとも部分的に、好ましくは、全体的に、ポリマー中にステント102をカプセル化するために、浸漬される。802および804は、任意の順序で、または並行して実施されることができる。806において、ステント102および金型520を浸漬した後、両方が依然として少なくとも部分的に湿潤状態にある間(例えば、浸漬の直後、またはステント102および本体104のうちの一方もしくは両方が部分的に硬化した後)、ステント102は、金型520上の本体104の上に位置付けられ、必要に応じて整列させられる。808において、アセンブリが、下流端108が上に向いて硬化することを可能にされる。本配向にある間にアセンブリを硬化させることは、重力を利用し、金型520の基部部分523の上に流出する過剰なポリマーからスカート140を作成する。本過剰なポリマーは、そうでなければ金型520の流出部分526から滴り落ちるであろう。弁100は、次いで、金型520から除去され、所望される場合、任意の必要な上流端106へのトリミングおよびステント120にわたるスカート140の巻回または反転(
図2C)を含む仕上げを必要に応じて行われることができる。
【0071】
図9は、弁100を製造する方法900の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。902において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524が被覆され、随意に、基部部分523の少なくとも一部が被覆されるように、湿潤ポリマーの中に浸漬される。904において、金型520は、次いで、(過剰なポリマーが流出部分526から流出するように)下流端522を上流端520の真下にして懸下され、ポリマーは、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する(
図4E)。906において、ステント102が、マンドレル(例えば、円筒形マンドレル)の周囲に固定される。908において、ステント102およびマンドレルが、少なくとも部分的に、好ましくは、全体的に、ポリマー中にステント102をカプセル化するために、浸漬される(
図4F参照)。マンドレルの使用は、ステント本体に均一かつ繰り返し可能な内径を形成し、ならびにスカート140を確立することを補助する。909において、ステント102が、硬化することを可能にされる。910において、弁本体104およびステント102が硬化された後、ステント102は、(例えば、依然として金型520上にある)弁本体104の上に設置され、ステント102は、本体104に接合される。所望される場合、スカート140が、接合に先立ってステント120の上に巻回または反転されることができる(
図2C)。多くのタイプの接合方法が、使用されることができ、選定された方法は、好ましくは、ポリマー組成物に調整される。接合方法の実施例は、限定ではないが、ポリマー接合、溶剤接合、プラズマ接合、および超音波溶接を含む。弁100は、次いで、必要に応じて仕上げられることができる。
【0072】
図10Aは、弁100を製造するための方法1000の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。1002において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524が被覆され、随意に、基部部分523の少なくとも一部が被覆されるように、湿潤ポリマーの中に浸漬される。1004において、金型520は、次いで、(過剰なポリマーが流出部分526から流出するように)下流端522を上流端520の真下にして懸下され、ポリマーは、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する(
図4E)。1006において、弁尖110が、随意に、弁本体104が金型520上にある間にトリミングされる、および/または別様に仕上げられることができる。1008において、ステント102が、少なくとも部分的に、好ましくは、全体的に、ポリマー中にステント102をカプセル化するために、浸漬される。1010において、ステント102が依然として湿潤している間、弁本体104が、好ましくは、弁本体104が依然として金型520上にある間にステント102の内側に設置され、ステント102と整列させられる。1012において、スカート140が弁本体104において存在する場合、スカート140は、ステント102の上流側の上に巻回される、反転される、または別様に設置されることができる(
図2C参照)。
【0073】
1014において、弁アセンブリが、外側金型またはマンドレルの管腔もしくは陥凹の内側に設置され、硬化することを可能にされることができる。
図10Bは、(弁尖110のトリミングおよび流出部分526の除去後の)その上に弁本体104を有する金型520の断面図である。ステント102は、弁本体104の上にあり、スカート140は、ステント102の上に巻回されている。アセンブリは、外側マンドレル1001の内部空間1005内にある。随意の管状剥離シム1003が、ステント102の外部とスカート140の内部との間に設置され、2つの接着を防止することができる。外側マンドレル1001は、弁100に対して力を付与し、ステント102を弁本体104に硬化させ、2つの要素をともにする十分な固着を形成することを補助する。1016において、弁100が、外側マンドレル1001および金型520から除去されることができる。金型520からの除去の前または後に、任意の剥離シム1003が、弁100から除去されることができ、また、随意のバンドまたは他の緊張要素(例えば、事前延伸される)が、所望される場合、スカート140の周囲に設置され、ステント102の周囲でスカート140を定位置に保持することができる。緊張要素は、これが身体内で膨張するように親水性であり得、これは、弁傍漏出の防止を補助することができる。弁100は、次いで、必要に応じて仕上げられることができる。
【0074】
図11は、弁100を製造するための方法1100の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。1102において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524が被覆され、随意に、基部部分523の少なくとも一部が被覆されるように、湿潤ポリマーの中に浸漬される。1104において、金型520は、次いで、(過剰なポリマーが流出部分526から流出するように)下流端522を上流端520の真下にして懸下され、ポリマーは、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する(
図4E)。1106において、弁尖110が、随意に、弁本体104が金型520上にある間にトリミングされる、および/または別様に仕上げられることができる。1108において、ステント102が、随意に、少なくとも部分的に、好ましくは、全体的に、ポリマー中にステント102をカプセル化するために、ポリマー中に浸漬される。1110において、ステント102は(浸漬される場合)、乾燥状態まで硬化することを可能にされることができる。
【0075】
1112において、弁本体104が、好ましくは、弁本体104が金型520から除去された後、ステント102の内側に設置され、それと整列させられることができる。本実施形態では、1112は、ステント102が乾燥している間に実施されるが、他の実施形態では、ステント102は、湿潤ポリマー中での浸漬の後に湿潤状態にあり得る。1114において、ステント102が、外側マンドレル1001または別の圧着デバイスを使用して、その収縮構成に向かって部分的に収縮または圧着される。1116において、部分的収縮状態にある間、スカート140が、ステント102の上流側の上に巻回される、反転される、または別様に設置されることができる。スカート104は、好ましくは、ステント102の完全自己拡張半径方向寸法未満である半径方向寸法であり、したがって、ステント102および弁本体104は、スカート140の内部に対してステント102によって印加される拡張力によってともに保持される。1118において、ステント102が、その拡張状態に戻るように、またはスカート140によって印加される抵抗がさらなる拡張を妨げるまで、半径方向に拡張することを可能にされることができる。これは、外側マンドレル1001からステント102を除去することによって遂行されることができる。随意のバンドまたは他の緊張要素(例えば、事前延伸される)が、さらなる固着を追加するためにスカート140の周囲に設置されることができる。再び、緊張要素は、これが身体内で膨張するように親水性であり得、これは、弁傍漏出の防止を補助することができる。弁100は、次いで、必要に応じて仕上げられることができる。
【0076】
図12は、弁100を製造するための方法1200の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。1202において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524が被覆され、随意に、基部部分523の少なくとも一部が被覆されるように、湿潤ポリマーの中に浸漬される。1204において、金型520は、次いで、(過剰なポリマーが流出部分526から流出するように)下流端522を上流端520の真下にして懸下され、ポリマーは、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する(
図4E)。1206において、弁尖110が、随意に、弁本体104が金型520上にある間にトリミングされる、および/または別様に仕上げられることができる。1208において、ステント102が、随意に、少なくとも部分的に、好ましくは、全体的に、ポリマー中にステント102をカプセル化するために、浸漬される。1210において、浸漬される場合、ステント102は、硬化することを可能にされることができる。
【0077】
弁本体104が、次いで、金型520から除去されることができ、1212において、弁本体104の上流側のスカート140の少なくとも一部が、ステント102の外部の一部の上に設置されることができる。その際、弁本体104の弁尖110が、ステント102と、例えば、弁尖110の間の交連場所との整列のために構成されるステント102上の支柱または頂部セグメントと整列させられる。1214において、弁本体104の下流端または側が、弁尖110が、弁尖が血流を調整するように動作することを可能にする様式でステント102内に位置付けられるように、ステント102の内部(内側管腔)の中に反転または巻回される。随意のバンドまたは他の緊張要素(例えば、事前延伸される)が、次いで、さらなる固着を追加するためにスカート140の周囲に設置されることができる。再び、緊張要素は、これが身体内で膨張するように親水性であり得、これは、弁傍漏出の防止を補助することができる。弁100は、次いで、必要に応じて仕上げられることができる。
【0078】
図13Aは、弁100を製造するための方法1300の別の例示的実施形態を描写するフロー図である。1302において、金型520の上流端521が、ステント102の少なくとも一部が金型520の基部部分523の上にあるが、金型520の弁尖部分524の上に(例えば、
図5Cに描写されるほど遠くまで)延在しないように、(所望される場合、以前に浸漬および硬化され得る)ステント102の中に挿入される。金型520の上流端521は、所望される場合、挿入を補助するためのテーパを含むことができる。1304において、丸形バンドまたは他の緊張要素が、随意に、ステント102の外部の上に設置され、これを金型520に保持することができる。
図13Bは、ステント102の上に設置されるバンド1305を伴うそのような配列の実施例を描写する断面図である。ここで描写されるように、金型520の上流端521は、テーパ状部分529を含む。
【0079】
1306において、金型520が、下流端522が最初に沈められ、弁尖部分524が被覆され、基部部分523の一部が、好ましくは、バンド1305の上流末端まで、またはその近傍まで被覆されるように、湿潤ポリマーの中に浸漬される。1308において、金型520は、次いで、(過剰なポリマーが流出部分526から流出するように)下流端522を上流端520の真下にして懸下され、ポリマーは、乾燥状態まで完全に硬化する、または略乾燥状態まで実質的に完全に硬化することを可能にされ、弁本体104を形成する。1310において、弁尖110が、随意に、弁本体104が金型520上にある間にトリミングされる、および/または別様に仕上げられることができる。1312において、硬化ポリマーによってともに保持される弁本体104およびステント102が、金型520から除去される。1314において、弁本体104の下流側が、弁尖110をステント102内の所望の位置に設置するために、ステント102の内部に反転される。付加的外部バンドまたは緊張要素(例えば、親水性)が、所望される場合、弁100の外部の周囲に適用されることができる。弁100は、次いで、必要に応じて仕上げられることができる。
【0080】
当業者に公知であるように、金型520は、本明細書に説明される実施形態の全てにおいて、弁尖形成部分524が弁尖110の像を含まず、むしろ、円筒形または略円筒形形状を有するように構成されることができる。そのような形状は、弁尖110が位置付けられるべきである弁本体104の円筒形または略円筒形部分をもたらし、それらの弁尖110は、次いで、それに応じて、弁本体104をトリミングおよび/または成形することによって形成されることができる。
【0081】
前述で言及される固着技法に加えて、本明細書に説明される実施形態の全てでは、隣接する弁尖110の間の弁本体104の交連は、その場所に付加的支持を提供するための付加的方法を通して、ステント102に接合される、縫付される、または別様に固着されることができる。
【0082】
本明細書に説明される弁100の実施形態の全てでは、1つまたはそれを上回るアンカ、返し、接合部、または弁100から半径方向に外向きに延びている他の構造が、上流端106の近傍等のステント102および/または弁本体104上に位置付けられることができる。そのような要素は、埋込後に弁100を周辺組織に突接させることを補助する締結具として作用することができる。
【0083】
本明細書に説明される実施形態の全てでは、金型520および/またはマンドレル1001は、使用されるポリマーとの結合に抵抗する材料であり得る(またはその材料を用いてコーティングされる)。そのような構成は、金型520および/またはマンドレル1001から弁本体104ならびに/もしくはステント102を除去することをより容易にすることができる。
【0084】
本明細書に説明される実施形態の全てでは、異なる特性を有するポリマーが、使用されることができる。これらの特性は、粘度、化学組成、添加剤の存在、および同等物を含むことができる。例えば、金型520およびステント102の各々は、同一の特性または異なる特性を有するポリマー中に浸漬されることができる。金型520および/またはステント102が、ある実施形態において複数回浸漬される場合、各浸漬は、同一または異なる特性を有するポリマーを伴い得る。
【0085】
本明細書に説明される弁100の実施形態は、三尖(3つの弁尖)弁であるが、弁100は、代替では、二尖(2つの弁尖)弁として実装および製造されることができる。本書の精査に応じて、当業者は、そのようなものが図に示されることを要求することなく、二尖弁として弁100を実装および製造する方法を容易に認識するであろう。
【0086】
本主題の種々の側面が、ここまで説明された実施形態の精査において、および/またはその補足において下記に記載され、ここでは、以下の実施形態の相互関係および互換性に重点が置かれている。言い換えると、実施形態の各特徴は、明示的に別様に記載されない、または論理的に非現実的ではない限り、あらゆる他の特徴と組み合わせられ得るという事実に重点が置かれている。
【0087】
多くの例示的実施形態では、複数の偏向可能支柱を含む、ステントと、ステントと結合されたポリマー弁本体であって、複数の人工弁尖を含む、ポリマー弁本体とを含む、埋込可能弁が、提供され、埋込可能弁は、ある半径方向寸法を有し、収縮状態と拡張状態との間で遷移可能であり、半径方向寸法は、拡張状態におけるより収縮状態において比較的に小さい。
【0088】
これらの弁実施形態では、ステントと弁本体とは、硬化ポリマーを用いて一緒に結合されていることができる。ステントは、硬化ポリマー中にカプセル化されることができる。ポリマー弁本体は、硬化ポリマーから成ることができる。
【0089】
これらの弁実施形態では、埋込可能弁は、縦方向軸を有することができ、埋込可能弁が拡張状態にあるとき、複数の偏向可能支柱は、縦方向軸を横断する。完全に収縮状態にあるとき、複数の偏向可能支柱は、縦方向軸に平行または実質的に平行であり得る。弁はさらに、複数の縦方向支柱を含み、複数の縦方向支柱の各々は、隣接する弁尖間の交連に位置付けられることができる。複数の縦方向支柱の各々は、埋込可能弁が拡張および収縮構成にあるとき、埋込可能弁の縦方向軸に平行であり得る。複数の偏向可能支柱は、交差し、複数のセルを形成することができる。ステントは、ステントの下流端に隣接して位置しているセルの第1の行を含むことができ、複数の縦方向支柱は、セルの第1の行の中にある。ステントは、セルの第1の行の上流に位置しているセルの第2の行を含むことができ、いかなる縦方向支柱も、セルの第2の行の中にない。
【0090】
これらの弁実施形態では、弁本体は、ステントの上流端から上流に位置するスカートを含むことができる。スカートは、ステントの上流端を越えて延びていることができる。スカートは、ステントの外部上流部分の上に延びていることができる。スカートは、ステントの外部上流部分の上に延びていることができ、ステントの外部上流部分に接続されることができない(接合されない)。
【0091】
これらの弁実施形態では、ステントは、一次頂部と、二次頂部とを含むことができる。一次頂部は、複数の一次頂部セグメントを含むことができ、二次頂部は、複数の二次頂部セグメントを含むことができる。複数の一次頂部セグメントの各々の下流末端が、隣接する弁尖間の界面と半径方向に整列させられることができる。複数の二次頂部セグメントの各々は、複数の一次頂部セグメントの各々の下流末端の上流にある下流末端を有することができる。ステントは、腰部を含むことができ、一次および二次頂部は、埋込可能弁が拡張構成にあるとき、腰部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びている。二次頂部は、埋込可能弁が拡張構成にあるとき、一次頂部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びていることができる。二次頂部は、弁が開放するとき、第1の位置から半径方向に外向きに偏向し、弁が閉鎖するとき、第1の位置に戻るように偏向するように構成されることができる。ステントは、一次および二次頂部の上流に位置している三次頂部を含むことができる。三次頂部は、複数の三次頂部セグメントを含むことができる。ステントの上流末端が、複数の三次頂部セグメントの各々の上流末端によって形成されることができる。ステントは、腰部を含むことができ、一次頂部、二次頂部、および三次頂部は、埋込可能弁が拡張構成にあるとき、腰部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びていることができる。二次頂部は、埋込可能弁が拡張構成にあるとき、一次頂部および三次頂部より比較的にさらに半径方向に外向きに延びていることができる。
【0092】
これらの弁実施形態では、複数の弁尖は、2つおよび2つのみの弁尖であり得る、または複数の弁尖は、3つおよび3つのみの弁尖であり得る。他の数の弁尖もまた、使用されることができる。これらの弁実施形態では、埋込可能弁は、ヒトの心臓の大動脈弁に取って代わるように構成されることができる。これらの弁実施形態では、埋込可能弁は、ヒトの心臓の僧帽弁に取って代わるように構成されることができる。これらの弁実施形態では、ステントは、一次構造を含み、二次構造が、一次構造の上にコーティングされることができる。
【0093】
多くの例示的実施形態では、補綴弁を埋め込む方法が、提供され、本方法は、補綴弁が収縮状態にある間に細長い送達デバイスを用いて、受容者の身体を通して補綴弁を移動させることと、少なくとも送達デバイスから補綴弁を展開することによって、受容者の身体内に補綴弁を埋め込むことであって、補綴弁は、拡張構成において埋め込まれる、こととを含み、補綴弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものである。
【0094】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第1の方法が、提供され、第1の方法は、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ステントを金型上に設置することと、金型の少なくとも一部およびステントの少なくとも一部がポリマーコーティングで被覆されるように、金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することと、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることとを含む。
【0095】
第1の方法のこれらの例示的実施形態では、金型は、弁尖を形成するための輪郭面を含むことができる。ステントは、ステントが金型上の輪郭面と整列させられるように金型上に設置されることができる。金型の輪郭面は、ステント上の交連位置と整列させられた抜き勾配を有する。
【0096】
第1の方法のこれらの例示的実施形態は、ポリマーコーティングをトリミングし、複数の弁尖を形成することを含むことができる。それらは、金型からステントおよびポリマーコーティングを除去することを含むことができる。
【0097】
第1の方法のこれらの例示的実施形態では、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することは、ステント上に湿潤ポリマーコーティングを形成することができ、ステントを金型上に設置することは、湿潤ポリマーコーティングを伴うステントを金型上に設置することを含むことができる。
【0098】
第1の方法のこれらの例示的実施形態は、ポリマーコーティングを仕上げ、埋込可能弁を形成することを含むことができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0099】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第2の方法が、提供され、第2の方法は、ポリマー弁本体を形成することと、ステントの上にポリマー弁本体を位置付けることと、ポリマーコーティングが上流部分上に設置されるように、ステントおよびポリマー弁本体の上流部分を湿潤ポリマー中に浸漬することと、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることとを含む。
【0100】
第2の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマー弁本体を形成することは、金型を湿潤ポリマー中に浸漬し、金型上にポリマーコーティングを形成することと、金型上のポリマーコーティングが硬化することを可能にすることと、弁本体をトリミングし、複数の弁尖を形成することとを含むことができる。金型は、複数の弁尖を形成するための輪郭面を含むことができる。
【0101】
第2の方法のこれらの例示的実施形態はまた、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ステントの上にポリマー弁本体を位置付けることに先立って、浸漬されたステントが硬化することを可能にすることとを含むことができる。
【0102】
第2の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマー弁本体は、ステントが複数の弁尖と整列させられるように、ステントの上に位置付けられることができる。ポリマー弁本体は、隣接する弁尖間の交連位置がステント上の対応する位置と整列させられるように、ステントの上に位置付けられることができる。
【0103】
第2の方法のこれらの例示的実施形態では、弁本体は、複数の弁尖を含むことができ、ステントおよびポリマー弁本体の上流部分は、ポリマーコーティングが上流部分上に設置され、複数の弁尖上に設置されないように、湿潤ポリマー中に浸漬されることができる。
【0104】
第2の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることは、弁本体の上流端が下向きに面している間にポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含むことができる。
【0105】
第2の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0106】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第3の方法が、提供され、第3の方法は、ポリマー弁本体を形成することと、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、その上に湿潤ポリマーを有するステントをポリマー弁本体の上に位置付けることと、ポリマーコーティングが上流部分上に設置されるように、ステントおよびポリマー弁本体の上流部分を湿潤ポリマー中に浸漬することと、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることとを含む。
【0107】
第3の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマー弁本体を形成することは、金型を湿潤ポリマー中に浸漬し、金型上にポリマーコーティングを形成することと、金型上のポリマーコーティングが硬化することを可能にすることとを含むことができる。金型は、複数の弁尖を形成するための輪郭面を含むことができる。
【0108】
第3の方法のこれらの例示的実施形態では、ステントは、ステントが弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、弁本体の上に位置付けられることができる。ステントは、ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置がステント上の対応する位置と整列させられるように、ポリマー弁本体の上に位置付けられることができる。
【0109】
第3の方法のこれらの例示的実施形態では、弁本体は、複数の弁尖を含むことができ、ステントおよびポリマー弁本体の上流部分は、ポリマーコーティングが上流部分上に設置され、複数の弁尖上に設置されないように、湿潤ポリマー中に浸漬される。
【0110】
第3の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることは、弁本体の上流端が下向きに面している間にポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含むことができる。
【0111】
第3の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0112】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第4の方法が、提供され、第4の方法は、金型を湿潤ポリマー中に浸漬し、湿潤状態におけるポリマーコーティングを形成することと、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、その上に湿潤ポリマーを有するステントを湿潤状態におけるポリマーコーティングの上に位置付けることと、ステントおよびポリマーコーティングが硬化することを可能にすることとを含む。
【0113】
第4の方法のこれらの例示的実施形態では、金型は、複数の弁尖を形成するための輪郭面を含むことができる。ステントは、ステントが金型の輪郭面と整列させられるように、湿潤状態におけるポリマーコーティングの上に位置付けられることができる。
【0114】
第4の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマーコーティングが硬化することを可能にすることは、金型の下流端が上向きに面している間にポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含むことができる。
【0115】
第4の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0116】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第5の方法が、提供され、第5の方法は、ステントをポリマー弁本体の上に位置付けることと、ステントをポリマー弁本体に接合することとを含む。
【0117】
第5の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントをポリマー弁本体の上に位置付けることに先立って、ポリマー弁本体を形成することを含むことができる。ポリマー弁本体を形成することは、金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、金型上の湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。金型は、複数の弁尖を形成するための輪郭面を含むことができる。
【0118】
第5の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ポリマー弁本体の上にステントを位置付けることに先立って、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。
【0119】
第5の方法のこれらの例示的実施形態では、ステントは、ステントが弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、弁本体の上に位置付けられることができる。ステントは、ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置がステント上の対応する位置と整列させられるように、ポリマー弁本体の上に位置付けられることができる。
【0120】
第5の方法のこれらの例示的実施形態では、ステントをポリマー弁本体に接合することは、以下のうちの1つ、すなわち、ポリマー接合、溶剤接合、プラズマ接合、または超音波溶接を用いて実施されることができる。
【0121】
第5の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ポリマーコーティングが硬化することを可能にした後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0122】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第6の方法が、提供され、第6の方法は、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ポリマー弁本体をその上に湿潤ポリマーを有するステント内に位置付けることと、その上に湿潤ポリマーを有するステントの上にポリマー弁本体のスカートを位置付けることと、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含む。
【0123】
第6の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することに先立って、ポリマー弁本体を形成することを含むことができる。ポリマー弁本体を形成することは、金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、金型上の湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。第6の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、弁本体上に複数の弁尖をトリミングすることを含むことができる。ポリマー弁本体は、ポリマー弁本体が金型上にある間に、その上に湿潤ポリマーを有するステント内に位置付けられることができる。弁本体は、ステントが弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、ステント内に位置付けられる。ポリマー弁本体は、ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置がステント上の対応する位置と整列させられるように、ステント内に位置付けられることができる。
【0124】
第6の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、スカートとステントとの間に剥離シムを設置することを含むことができる。
【0125】
第6の方法のこれらの例示的実施形態では、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることは、ポリマー弁本体およびステントを外側マンドレル内に設置することを含むことができる。
【0126】
第6の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、スカートがステントの上に位置付けられた後、スカートの上に緊張要素を設置することを含むことができる。緊張要素は、スカートがステントの上に位置付けられた後、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることに先立って、スカートの上に設置されることができる。
【0127】
第6の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、湿潤ポリマーが硬化することを可能にした後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0128】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第7の方法が、提供され、第7の方法は、ポリマー弁本体をステント内に位置付けることと、少なくとも部分的にステントを半径方向に収縮させることと、少なくとも部分的に半径方向に収縮されている間にステントの上にポリマー弁本体のスカートを位置付けることと、ステントが拡張することを可能にすることとを含む。
【0129】
第7の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステント内にポリマー弁本体を位置付けることに先立って、ポリマー弁本体を形成することを含むことができる。ポリマー弁本体を形成することは、金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、金型上の湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。第7の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、弁本体上に複数の弁尖をトリミングすることを含むことができる。
【0130】
第7の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマー弁本体は、ポリマー弁本体が金型上にある間にステント内に位置付けられることができる。弁本体は、ステントが弁本体の複数の弁尖と整列させられるように、ステント内に位置付けられることができる。ポリマー弁本体は、ポリマー弁本体の隣接する弁尖間の交連位置がステント上の対応する位置と整列させられるように、ステント内に位置付けられることができる。
【0131】
第7の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ポリマー弁本体をステント内に位置付ける前、ステントをポリマーでコーティングすることを含むことができる。
【0132】
第7の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ポリマー弁本体をステント内に位置付ける前に、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。
【0133】
第7の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、スカートとステントとの間に剥離シムを設置することを含むことができる。
【0134】
第7の方法のこれらの例示的実施形態では、少なくとも部分的に半径方向にステントを収縮させることは、ポリマー弁本体およびステントを外側マンドレル内に設置することを含むことができる。ステントが拡張することを可能にすることは、外側マンドレルからステントを除去することを含むことができる。
【0135】
第7の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、スカートがステントの上に位置付けられた後、スカートの上に緊張要素を設置することを含むことができる。
【0136】
第7の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ステントが拡張することを可能にした後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0137】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第8の方法が、提供され、第8の方法は、複数の弁尖を有するポリマー弁本体の一部がステントを過ぎて延びているように、ステントの少なくとも一部の上にポリマー弁本体を位置付けることと、複数の弁尖がステント内に位置付けられるように、ポリマー弁本体の一部を反転させることとを含む。
【0138】
第8の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントの上にポリマー弁本体を位置付けることに先立って、ポリマー弁本体を形成することを含むことができる。ポリマー弁本体を形成することは、金型を湿潤ポリマー中に浸漬することと、金型上の湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。第8の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、弁本体上に複数の弁尖をトリミングすることを含むことができる。
【0139】
第8の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントの少なくとも一部の上にポリマー弁本体を位置付ける前、ステントをポリマーでコーティングすることを含むことができる。
【0140】
第8の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ステントの少なくとも一部の上にポリマー弁本体を位置付ける前、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。
【0141】
第8の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマー弁本体は、複数の弁尖がステントと整列させられるように、ステントの少なくとも一部の上に位置付けられることができる。ポリマー弁本体は、複数の弁尖のうちの隣接するもの間の交連位置がステント上の対応する位置と整列させられるように、ステントの少なくとも一部の上に位置付けられることができる。
【0142】
第8の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ポリマー弁本体の上に緊張要素を設置することを含むことができる。
【0143】
第8の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ポリマー弁本体の一部を反転させた後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成される。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0144】
多くの例示的実施形態では、埋込可能弁を製造する第9の方法が、提供され、第9の方法は、金型の上流端をステントの中に挿入することと、金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬し、ポリマーコーティングを形成することと、ポリマーコーティングが硬化することを可能にし、弁本体を形成することと、金型から弁本体およびステントを除去することと、弁本体の下流側をステントの中に反転させることとを含む。
【0145】
第9の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、金型およびステントを湿潤ポリマーの中に浸漬することに先立って、ステントおよび金型の外部の上に拘束バンドを適用することを含むことができる。
【0146】
第9の方法のこれらの例示的実施形態では、ポリマーコーティングが硬化することを可能にし、弁本体を形成することは、金型の下流端が下向きに面している間にポリマーコーティングが硬化することを可能にすることを含むことができる。
【0147】
第9の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、金型から弁本体およびステントを除去することに先立って、弁本体の下流側に複数の弁尖をトリミングすることを含むことができる。
【0148】
第9の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントの中に金型の上流端を挿入する前、ステントをポリマーでコーティングすることを含むことができる。
【0149】
第9の方法のこれらの例示的実施形態はさらに、ステントを湿潤ポリマー中に浸漬することと、ステントの中に金型の上流端を挿入する前、湿潤ポリマーが硬化することを可能にすることとを含むことができる。
【0150】
第9の方法のこれらの例示的実施形態では、ステントの中に金型の上流端を挿入することは、金型上の抜き勾配位置をステント上の対応する位置と整列させることを含むことができる。
【0151】
第9の方法のこれらの例示的実施形態では、埋込可能弁は、ステントの中に弁本体の下流側を反転させた後、または、ステントまたは弁本体に弁仕上げを実施した後、形成されることができる。埋込可能弁は、前述の弁実施形態のいずれかによるものであり得る。
【0152】
当業者は、本説明に照らして、ここで記載されていないが、本明細書に説明される補綴心臓弁を加工するために好適である、好適な浸漬鋳造手順、圧力、および温度の多くの変形例を容易に認識するであろう。同様に、当業者はまた、本説明に照らして、本明細書に説明される補綴心臓弁を加工するために使用され得る、浸漬鋳造の代替を認識するであろう。
【0153】
本明細書および添付される請求項に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数指示物を含む。
【0154】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別様に示さない限り、その範囲の上限と下限との間の下限の10分の1の単位までの各介在する値およびその記載される範囲内の任意の他の記載される、または介在する値が、本開示内に包含され、単独値として、またはより小さい範囲として請求されることができる。記載される範囲が限界のうちの一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のうちのの一方または両方を除外する範囲もまた、本開示内に含まれる。
【0155】
離散値または値の範囲が提供される場合、その値または値の範囲は、別様に示されない限り、離散数または数の範囲としてよりも広く請求され得る。例えば、本明細書に提供される各値または値の範囲は、近似として請求され得、本段落は、随時、「およそ」その値、「およそ」その値の範囲、「約」その値、および/または「約」その値の範囲として、各そのような値または値の範囲を列挙する、請求項の導入のための先行する基礎および記述による裏付けとしての役割を果たす。逆に、値または値の範囲が近似もしくは一般化、例えば、およそXまたは約Xとして記載される場合、その値または値の範囲は、そのような広範な用語を使用することなく、離散的に請求されることができる。
【0156】
しかしながら、本明細書に開示される主題が、請求項内におけるその値または値の範囲の明示的列挙がないことによって、特定の値または値の範囲に限定されることを含意するものとして、本明細書は、いかようにも解釈されるべきではない。値および値の範囲は、単に、実施例として本明細書に提供される。
【0157】
本明細書に提供される任意の実施形態に関して説明される全ての特徴、要素、構成要素、機能、およびステップは、任意の他の実施形態からのものと自由に組み合わせ可能かつそれで代用可能であるように意図されることに留意されたい。ある特徴、要素、構成要素、機能、またはステップが、一実施形態のみに関して説明される場合、特徴、要素、構成要素、機能、またはステップは、明示的に別様に記載されない限り、本明細書に説明されるあらゆる他の実施形態と併用され得ることを理解されたい。本段落は、したがって、随時、異なる実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを組み合わせる、または一実施形態からの特徴、要素、構成要素、機能、およびステップを別の実施形態のもので代用し、以下の説明が、明示的に記載しない場合であっても、特定の事例では、そのような組み合わせまたは代用も、可能性として考えられることの請求項の導入のための先行する基礎および記述による裏付けとしての役割を果たす。特に、あらゆるそのような組み合わせおよび代用の容認が、当業者によって容易に認識されるであろうことを前提として、あらゆる可能性として考えられる組み合わせおよび代用の明示的列挙は、過度に負担であることが明示的に認識される。
【0158】
実施形態は、種々の修正および代替形態が可能であるが、その具体的実施例が、図面に示され、本明細書では、詳細に説明される。しかしながら、これらの実施形態は、開示される特定の形態に限定されず、それと反対に、これらの実施形態は、本開示の精神内に該当するあらゆる修正、均等物、および代替を網羅するべきであることを理解されたい。さらに、実施形態の任意の特徴、機能、ステップ、または要素は、請求項内に列挙される、またはそれに追加されてもよく、ならびに負の限定は、その範囲内に該当しない特徴、機能、ステップ、または要素によって、本発明の請求項の範囲を定義する。
【外国語明細書】