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特開2023-100888有機・無機ハイブリッドフォトレジスト工程液組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100888
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】有機・無機ハイブリッドフォトレジスト工程液組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20230711BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230711BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20230711BHJP
   G03F 7/42 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
G03F7/32
G03F7/004
G03F7/004 501
G03F7/004 504
G03F7/004 531
G03F7/16
G03F7/42
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077199
(22)【出願日】2023-05-09
(62)【分割の表示】P 2021503601の分割
【原出願日】2019-07-05
(31)【優先権主張番号】10-2018-0091227
(32)【優先日】2018-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516210942
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YOUNG CHANG CHEMICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】有機・無機ハイブリッドフォトレジストの薄膜形成工程、現像工程、剥離工程で使用される有機・無機ハイブリッドフォトレジスト工程液組成物およびその処理方法に関する。
【解決手段】工程液組成物は、特定の化合物;およびケトン類、エステル類、エーテル類、添加剤またはこれらの混合物;で構成される。工程液組成物は、有機物の処理だけでなく、無機物に対する吸着能力に優れるので、無機物の残留を最小化して工程不良を予防することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機錫系フォトレジストの薄膜形成工程、現像工程で使用される有機錫系フォトレジスト工程液組成物であって、
アセチルアセトン70乃至95重量%;及び
キレート剤;を含む、有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項2】
i)アセチルアセトン;
ii)キレート剤;および
iii)ケトン類、エステル類、エーテル類、界面活性剤またはこれらの混合物;で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項3】
i)アセチルアセトン70~95重量%;
ii)キレート剤5重量%;および
iii)残量のケトン類、エステル類、エーテル類、界面活性剤またはこれらの混合物;で構成されることを特徴とする、請求項2に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項4】
ケトン類は2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項5】
エステル類はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、γ-ブチロラクトン、エチルラクテート、ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項6】
エーテル類はプロピレングリコールモノメチルエーテルであることを特徴とする、請求項2に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項7】
キレート剤はイオン性液体、ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項8】
界面活性剤はポリプロピレングリコール、ポリアスパラギン酸、またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【請求項9】
電子ビーム、EUV、ArFおよびKrFレーザの照射によって行われる有機錫系フォトレジストパターニング工程に使用されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の有機錫系フォトレジスト工程液組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材上に有機・無機ハイブリッドフォトレジストを形成する工程で、或いは形成された有機・無機ハイブリッドフォトレジストを処理するときに好適に使用される工程液組成物、およびその工程液組成物を用いた有機・無機ハイブリッドフォトレジスト処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程において、フォトレジストを用いた工程は以前から採用されてきている。しかし、持続的な微細化に伴い、微細化が可能なフォトレジストの露光光源が変化し、これによりフォトレジストの素材も変化している。I-line光源を用いたフォトレジストから、KrF、ArF、ArF Emmersion、EUV光源を用いた工程に適した素材が開発された。ところが、微細パターニングに特化された適切な素材を使用するほど、これらの素材のエッチング耐性などの物理的な特性が低下するという問題が発生し、有機・無機複合素材の適用が一つのアプリケーションとして登場することになった。ポリシロキサン、ポリシラザンなどの有機・無機複合素材は、優れた様々な物性を持っているため、ギャップフィル用素材および反射防止膜などの素材として半導体工程で使われているが、自体的に感光性特性を持っていないため、直接パターニング素材として使われてはいない。
【0003】
しかし、最近、コバルト、ハフニウム、錫およびアンチモンなどを用いて有機・無機複合素材を作り、パターニングが可能な素材が開発されている。これらを半導体工程に適用するためには、これらを処理することができる薬液が必要となった。
【0004】
通常、フォトレジスト溶液をスピニング方法で塗布して感光性膜を形成する際には、エッジリンス工程が同時に行われ、また、これと同時に、ウエハー裏面の汚染を防止するためにバックリンスが行われる。また、塗布されたフォトレジストに露光を行った後、現像工程が行われる。また、塗布膜が形成された後に問題が発生した場合、または工程が完了した後にフォトレジスト膜を除去するために、剥離、洗浄またはリンスすることが必要である。
【0005】
従来のフォトレジストは、有機物からなるフォトレジスト、または最近開発されている有機・無機ハイブリッドフォトレジストを処理するためには、新しい素材の組成物が必要になった。そこで、本発明では、有機・無機ハイブリッドフォトレジストの塗膜を形成する工程、およびこれら剥離、洗浄およびリンスする工程で問題がない処理溶剤、およびこれを用いた有機・無機ハイブリッドフォトレジストの処理方法を提供することを目的とする。また、有機・無機ハイブリッドフォトレジストは、無機物が含まれており、これらに対する溶解性に優れなければならず、無機物の除去性に優れなければならない。また、フォトレジストの塗膜には影響を与えない処理溶剤の提供および処理方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためのもので、その目的は、有機・無機ハイブリッドフォトレジストを用いてパターニング工程を行う上で塗布膜の形成に影響を与えることなく、エッジリンスやバックリンスを用いたウエハー基材の汚染を防止することができ、露光工程後に現像を行うことができ、有機・無機ハイブリッドフォトレジストの塗布にエラーが発生したり、工程完了後にこれを除去する剥離、洗浄およびリンス工程でパーティクル問題を発生させたりしないという優れた性能を有する処理溶剤を提供し、さらにこれを用いた処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
有機・無機ハイブリッドフォトレジストを使用する工程において、有機・無機ハイブリッドフォトレジストを塗布する工程と同時に行われるエッジリンス工程およびバックリンス工程、露光後の現像工程、フォトレジストを除去するリワーク工程で有機・無機ハイブリッドフォトレジストを処理する剥離、洗浄およびリンス液の組成物に関するものである。
有機・無機ハイブリッドフォトレジスト組成物は、EUV、ArFおよびKrFレーザー照射によって行われるパターニング工程で使用される素材であり、これらの無機物は、コバルト(Co)、アンチモン(Sb)、ハフニウム(Hf)、パラジウム(Pd)、錫(Sn)およびこれらの混合物で構成されており、有機リガンドと陽イオン無機リガンドで構成されている場合もある。
【0008】
【0009】
【0010】
有機・無機フォトレジスト処理液組成物において、化学式1の化合物は、好ましくはアセチルアセトンである。
ケトン類は、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、またはこれらの混合物を含む。
【0011】
エステル類は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、γ-ブチロラクトン、エチルラクテート、ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルまたはこれらの混合物を含む。
エーテル類は、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含む。
【0012】
有機・無機ハイブリッドフォトレジスト処理溶液としての使用に適した、添加剤は、キレート剤または界面活性剤を適用することができ、キレート剤は、イオン性液体、ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸またはこれらの混合物を含み、界面活性剤は、ポリプロピレングリコールまたはポリアスパラギン酸を含む。
【発明の効果】
【0013】
従来のフォトレジストも、これらを処理するための工程液が開発され、多くの工程で工程に合わせて使用されている。
【0014】
しかし、有機・無機ハイブリッドフォトレジストの場合、無機物を含んでいるため、これらの無機物を除去しなければパーティクルの問題が発生したり、後続のドライエッチング工程でエッチング不良が発生したりすることもあるなど、工程問題を引き起こすおそれがある。
【0015】
よって、有機物と無機物をすべて除去、洗浄およびリンスすることができる処理溶液が必要になった。
【0016】
本発明の有機・無機ハイブリッドフォトレジスト工程液の組成物は、有機物の処理だけでなく、無機物に対する吸着能力に優れるため、上記の塗膜を形成および除去する工程で無機物の残留を最小化して工程不良を予防することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
別に定義されない限り、本明細書で使用されたすべての技術的および科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を持つ。一般的に、本明細書で使用された命名法は、本技術分野でよく知られており、通常使用されるものである。
【0018】
半導体デバイスの微細化に伴い、露光光源は短波長に発展されてきた。これに合わせて、フォトレジストも、短波長に感応しうる方向に開発されてきた。パターンの微細化に伴い、フォトレジストの膜質の厚さも次第にさらに低くなってきた。
【0019】
しかし、このように低くなった膜厚では、ドライエッチング耐性が足りない場合が発生した。これを補完するために、ハードマスク素材が適用されたが、これに伴う工程数の増加などによりドライエッチング耐性に優れたフォトレジストの開発が求められた。
【0020】
このため、有機・無機ハイブリッドフォトレジストを適用してドライエッチング耐性を高める方法が開発されている。有機・無機ハイブリッドフォトレジストは、コバルト(Co)、アンチモン(Sb)、ハフニウム(Hf)、パラジウム(Pd)、錫(Sn)などの無機物に有機物を合成して使用し、陰イオンの有機リガンドと陽イオン無機リガンドで構成されていることもある。それで、無機物が含まれている有機・無機ハイブリッドフォトレジストを適用する工程、または除去する工程で無機物を完全に除去しなければ、パーティクル問題による工程不良が発生するおそれがある。
【0021】
有機・無機ハイブリッドフォトレジストを適用する工程は、感光性膜を塗布してパターンを形成するステップであって、液状のフォトレジストをスピン塗布方式で塗布し、ウエハーの縁部のエッジリンスおよびウエハーの裏面のバックリンスを行うことにより、フォトレジストの残留物を除去しなければならない。
エッジリンスが不完全であって有機または無機パーティクルが残留すると、後続工程でウエハーの内部に遷移して工程不良を引き起こすおそれがあり、バックリンスが不完全になると、フォト装備においてウエハーを移動させるチャックが汚染して装備の誤作動などの装備問題を引き起こすおそれがある。このため、これらを除去する工程および処理溶液が必要である。
【0022】
有機・無機ハイブリッドフォトレジストの露光工程後の現像工程で処理溶液が使用できる。
【0023】
従来の半導体フォトレジストは、2.38%のTMAHが最も広く使用されてきたが、パターンの微細化に伴ってLER(ラインエッジラフネス)がイッシューとなった。LERが良くなければ、マイクロブリッジが発生する。これは、以後にドライエッチング工程で工程不良を引き起こす。よって、現像液としてアルカリ溶液を使用する代わりに、フォトレジストをネガティブトーンに作って現像液として有機溶媒を使用することにより、LERを改善させることができる。このため、本処理溶液は、現像液としても適用が可能である。
【0024】
また、フォトレジスト薄膜を形成した後、間違った薄膜形成によってフォトレジストをリワーク、洗浄またはリンスする必要性がある。ここでも、無機パーティクルが存在しないように完全に薄膜を除去することができる工程、および処理溶液が必要である。
【0025】
有機物を処理するための技術的な方法は、ソルベーションまたは浸透性などを用いた方法が主に使用される。しかし、有機・無機ハイブリッド物質を処理するためには、無機物をどのように処理するかもさらに必要である。無機物を除去するために、キレーティングを行うことが一番良い方法である。
【0026】
有機物と無機物とが混合されている物質を処理するのに最も良い方法は、有機物に対する優れた溶解性を有しながら、無機物に対する優れたキレーティング性能を持つことである。
【0027】
本発明の一実施形態に係る有機錫系フォトレジストの処理溶液は、アセチルアセトンを含むものであって、前記有機錫系フォトレジストの薄膜形成工程、現像工程で使用することが可能な組成物である。
【0028】
【0029】
【0030】
アセチルアセトンの構造は、二つの互変異性体(tautomer)形態であって、迅速に相互変換される有機化合物として有名である。二つの互変異性体のペアは、相互変換が非常に速いため、様々な工程で一つの物質として見做されて使用される。
このような構造的特徴により、多くのメタルとコンプレックス構造を持つ。メタルアセチルアセトネートコンプレックスと呼ばれる当該構造は、非常に容易に形成され、メタルリガンドなどの合成に利用されてきた。
【0031】
リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、銅(Cu)、銀(Ag)、チタン(Ti)およびセシウム(Cs)は、アセチルアセトンと1:1のコンプレックスをなし、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、水銀(Hg)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)および鉛(Pb)は、アセチルアセトンと1:2のコンプレックスをなし、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セシウム(Ce)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、レニウム(Re)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)は、アセチルアセトンと1:3のコンプレックスをなし、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、トリウム(Th)、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)およびセリウム(Ce)は、アセチルアセトンと1:4のコンプレックスをなすと知られている。または、有機物に対する溶解度に優れ、かつ工程で処理溶液として使用するのに優れた物性を有する。
【0032】
有機・無機ハイブリッドフォトレジスト工程液組成物は、i)化学式1の化合物と;ii)ケトン類、エステル類、エーテル類、添加剤またはこれらの混合物と;を混合して使用することができる。
【0033】
有機・無機ハイブリッドフォトレジスト処理溶液の工程適合性のために、処理溶液の揮発度および粘度を合わせなければならない必要がある。このような場合に、ケトン類、エステ類およびエーテル類の有機溶媒を混合して使用することができ、さらに有機物の溶解速度を向上させるために混合して使用することができる。
【0034】
ケトン類は、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、またはこれらの混合物を含む。
エステル類は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、γ-ブチロラクトン、エチルラクテート、ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルまたはこれらの混合物を含む。
【0035】
エーテル類は、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含む。
添加剤は、キレート剤または界面活性剤を適用することができる。
有機・無機ハイブリッドフォトレジスト処理溶液としての使用に適した、キレート剤は、無機物に対するキレーティング性能を補完する添加剤として適用することができ、イオン性液体、ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸またはこれらの混合物を含み、界面活性剤は、ポリプロピレングリコールまたはポリアスパラギン酸を含む。
【0036】
本発明の有機・無機ハイブリッドフォトレジスト処理溶液および処理方法における適用工程は、当業分野における周知の方法によって行われ得る。
以下、本発明を実施例、比較例および実験例を用いてより詳細に説明する。しかし、下記の実施例、比較例および実験例は、本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲が下記の実施例、比較例および実験例によって制限されるものと解釈されず、多様に修正および変更することができるのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【実施例0037】
[実施例および比較例]
マグネチックバーが設置されているそれぞれの実験用ビーカーに[表1]に記載の組成比率で実施例および比較例の組成成分を投入し、ビーカーの上部を密閉させた後、常温で30分間400rpmの速度で攪拌して工程液組成物を製造した。
【0038】
【表1】
【0039】
[実験例]
1.有機・無機ハイブリッド化合物の製造
ジブチル錫マレエート(dibutyl tin maleate)、ジブチル錫ジラウレート(dibutyl tin dilaurate)、ジブチル錫ジアセテート(dibutyl tin diacetate)の3種の有機・無機ハイブリッド化合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルにそれぞれ3重量%で混合した後、ビーカーの上部を密閉させ、しかる後に、常温で30分間300rpmの速度で攪拌して組成物を製造した。
【0040】
2.EBR性能評価
前記実施例および比較例で製造された有機・無機ハイブリッド化合物の処理溶剤のエッジ切断性能を評価するために、8インチのシリコンウエハー上に、上述のように製造されたDTD溶液をスピンコーティングしながら、評価を行った。そして、光学顕微鏡を用いてビーズの除去性能を評価し、その結果を下記表2に示した。
【0041】
[評価基準]
◎:EBR面の真直度が均一で一定であり、非常に良好な状態
○:EBR面の真直度が75%以上で、良好な状態
△:EBR面の真直度が50%以上で、普通である状態
X:EBR面の真直度が50%未満で、不良な状態
【0042】
3.有機・無機ハイブリッド化合物の除去性能評価
前記実施例および比較例で製造された有機・無機ハイブリッド化合物の処理溶剤の有機・無機ハイブリッド化合物に対する除去性能を評価するために、8インチのシリコンウエハー上に、上述のように製造されたDTM、DTDおよびDTA溶液をスピンコーティングして膜質を形成した。その後、分あたり1リットルの量で処理溶剤をウエハーセンターから吐出して有機・無機ハイブリッド化合物を除去した後、100:1のDHF溶液に浸漬した。そして、DHF溶液の元素分析を介して残留錫の含有量を把握して、ウエハーの単位面積当たりの錫の数に換算した。その結果を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】
以上で説明したように、本発明の工程液組成物は、有機・無機混合物に対する溶解性およびエッジ切断能力に優れるうえ、半導体工程で適用するのに適した物性および安定性を持っているため、有機・無機ハイブリッドフォトレジストの工程液として使用するのに適している。