(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100910
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】重力供給式透析システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 1/28 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
A61M1/28
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023077804
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2020554082の分割
【原出願日】2019-04-04
(31)【優先権主張番号】15/946,395
(32)【優先日】2018-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】イン-チェン ロー
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ダブリュー. ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ユアンパン サミュエル ディン
(72)【発明者】
【氏名】ラオ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ザカリア ルイス フラー
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ジョゼフ ガイアー
(72)【発明者】
【氏名】アラン ジョン ハーヴェイ
(72)【発明者】
【氏名】レアンス キアトウケイジー ロー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】重力供給式透析システムおよび方法の提供。
【解決手段】重力供給式腹膜透析(「PD」)機械は、支持表面上に設定されるように構成されたフレームと、少なくとも1つのロードセルと、少なくとも1つのロードセルを介してフレームによって支持される秤台であって、少なくとも1つのロードセルは、フレームと秤台との間に位置付けられている、秤台と、秤台と機械連通し、それから下向きに延びている排出コンテナ支持体とを含み、機械は、フレームが支持表面上に設定されているとき、新鮮PD液と使用済みPD液との複合重量が少なくとも1つのロードセルによって感知され得るように、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、少なくとも1つのロードセルの上方で秤台によって支持可能であり、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、少なくとも1つのロードセルの下方で排出コンテナ支持体によって支持可能であるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる「GRAVITY FED DIALYSIS SYSTEMS AND METHODS」と題され、2018年4月5日に出願された米国出願第15/946,395号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、腹膜透析に関し、より具体的に、重力供給式腹膜透析に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の原因に起因して、ヒトの腎臓系は、衰え得る。腎不全は、いくつかの生理学的障害を生じさせる。水、鉱物、および毎日の代謝負荷の排泄のバランスが、もはや可能ではなく、代謝の毒性最終生成物(例えば、尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)が、血液および組織内に蓄積し得る。
【0004】
腎不全および腎臓機能の低減は、透析を用いて治療されてきた。透析は、そうでなければ正常に機能する腎臓によって除去されたであろう、老廃物、毒素、および過剰な水分を身体から除去する。腎臓機能の置換のための透析治療は、治療が生命を救うことができるので、多くの人々に重要である。
【0005】
血液透析(「HD」)および腹膜透析(「PD」)は、腎臓機能の損失を治療するために一般的に使用される2つのタイプの透析療法である。HDは、患者の血液から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。患者は、患者の血管系の中に挿入されるカテーテルを介して、血液透析機械に接続される。血液が、患者から、機械に接続される透析器の中空多孔質管の内側を通して、患者に戻るように圧送される。HD機械は、HD透析液を生成し、HD透析液は、浸透を介して血液を浄化するために中空多孔質管の外側に圧送される。限外濾過と呼ばれる過剰な血液水分が、血液から膜の細孔を通して透析液の中に引かれ、それは、排出部に搬送される。浄化された血液が、患者に戻される。大量の透析液、例えば、約120リットルが、単一の血液透析療法中に血液を透析するために消費され得る。HD治療は、数時間持続し得、週に約3または4回、治療センターで実施され得る。
【0006】
PDは、カテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入されるPD透析液を使用する。PD透析液は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、浸透を介して、患者の血流から腹膜を通して透析液の中に通過する、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して生じる。使用済み透析液が、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。上記のサイクルは、繰り返され得る。
【0007】
持続的携帯型腹膜透析(「CAPD」)、自動腹膜透析(「APD」)を含む種々のタイプのPD療法が存在する。CAPDは、手動透析治療である。患者は、埋め込まれたカテーテルを排出部に手動で接続し、以前の交換で患者の中に前もって注入されていた使用済み透析液が患者の腹膜腔から排出されることを可能にする。患者は、次いで、カテーテルを新鮮透析液の袋に接続し、カテーテルを通して患者の中に新鮮透析液を注入する。患者は、新鮮透析袋からカテーテルを接続解除し、透析液が患者の腹膜腔内に滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、本明細書に説明されるように生じる。滞留期間後、患者は、例えば、1日に4回、手動透析手技を繰り返し、手技の各々は、約1時間持続する。
【0008】
CAPDは、比較的に安価であり、概して、患者を過圧することが可能ではない重力駆動型である。Brandes et al.によって文献内で公開された患者データは、充填サイクル中の流量が、比較的に一定であり、患者の姿勢(例えば、仰臥または座位)および供給袋の頭の高さに関連することを示す。しかしながら、排出サイクルは、通常、充填サイクルの長さの約2倍かかり、時間との真数関係を有する。重力供給式排出サイクル内で、腹膜内体積の約80%が、合計排出時間の最初の40%以内に排出される。同様の結果が、Amici et al.によって文献内で公開された患者データから見出される。重力充填および排出の流量は、カテーテルタイプおよび管類セットタイプ等のいくつかの追加のパラメータによる影響も受け得る。CAPDは、患者からかなりの量の時間および労力も要求する。
【0009】
本開示の出願人によって提供される1つの公知のCAPDシステムは、1つは空であり、1つは新鮮な液で満たされている2つの2.5リットル溶液袋を含む。治療のために必要とされる管およびクランプが、2つの袋とともに提供される。新鮮な袋は、患者の上方に位置付けられ、空の排出袋は、患者の下方に位置付けられる。新鮮な液袋を具備するラインが、クランプ締め解除され、新鮮な液が患者まで重力流動し、新鮮な袋が空になることを可能にする。滞留期間後、空の排出袋を具備するラインが、クランプ締め解除され、使用済み透析液が患者から排出袋まで重力流動し、排出袋を充填することを可能にする。システムは、次いで、廃棄される。除去されるUFの量を決定するために、患者は、患者送達に先立って新鮮な充填袋の重量を量り、排出が完了した後に得られる満杯の排出袋の重量からその重量を減算する。患者は、次いで、UF重量差を手動で記録しなければならない。患者が、典型的であるように、複数の充填、滞留、および排出サイクルを実施するように処方されている場合、上記のプロセスは、新しいCAPDツイン袋セットを使用して繰り返される。例えば、24時間の間に全体的なUFを決定するために、個々のCAPDセットの各々からのUF重量の量が、追加される。
【0010】
APDは、透析治療が、排出、充填、および滞留サイクルを含むという点で、CAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的に、患者が眠っている間に自動的にサイクルを実施する。APD機械は、治療サイクルを手動で実施する必要から、および日中に供給品を輸送する必要から患者を解放する。APD機械は、埋め込まれたカテーテルに、新鮮透析溶液源または袋に、および液排出部に流体的に接続する。APD機械は、源または袋からカテーテルを通して患者の腹膜腔の中に新鮮透析溶液を圧送し、透析液が患者の腹膜腔内に滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送を生じさせる。APD機械は、次いで、排出するように患者の腹膜腔から使用済み透析液を圧送する。手動プロセスと同様、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルが、APD中に生じる。「最後の充填」も、CAPDおよびAPDの両方の終わりに起こり得、それは、次の治療または中間透析液交換まで患者の腹膜腔内に残留する。
【0011】
APDの1つの欠点は、コストである。世界のある地域において、APD機械は、患者の大多数に法外に高価である。故に、依然として、治療あたり低いコストを提示しながら、CAPDを受ける患者の要求される時間および労力を排除する、または低減させる、患者が眠っている間に実施され得る腹膜透析治療を提供する低コスト方法の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に説明される例は、ある構成要素を再利用し、使い捨て廃棄物およびコストを低減させるように構成された使い捨てセットと共に動作する重力供給式PD機械を採用する腹膜透析(「PD」)システムを開示する。重力供給式PD機械は、機械が患者の家庭または住居内の部屋から部屋に容易に移動させられ得るように、キャスタ上に置かれ、ハンドルを含むフレームを含む。フレームは、キャスタからフレームの上部に搭載される上部プレートまで上向きに延びている。1つ以上のロードセルが、上部プレートに搭載される。例えば、ロードセルが、上部プレートの各角において搭載され得る。ロードセルの各々は、上部プレートに搭載するロードセルカップ、ロードセルカップ内に位置するロードセルセンサ、ロードセルカップ内のロードセルセンサの上方に置かれる圧縮性過負荷ブッシング、および、ロードセルセンサと圧縮性過負荷ブッシングとの間に位置するロードアプリケータを具備し得る。
【0013】
秤台が、ロードセルによって支持されるが、それに接続されないように、ロードセルの上に(例えば、圧縮性過負荷ブッシングの上に)設置される。このように、1つ以上のロードセルは、秤台上に設置され、それから垂れ下がる重量全体を把握し、感知する。一実施形態において、秤台上に設置される重量は、1つ以上の新鮮PD液供給コンテナを受け取るようにサイズを決定される供給コンテナ受け取りトレイを含む。一実装において、受け取りトレイは、2つの5リットル新鮮PD液袋を受け取るようにサイズを決定される。
【0014】
一実施形態において、秤台から垂れ下がる重量は、秤台に搭載され、それから下に延びている複数の、例えば、第1および第2の部材を有する排出コンテナ支持体を含む。排出コンテナ支持体の排出コンテナ受け取り部分が、秤台から下に延びている第1および第2の部材の底部において提供される(例えば、取り付けられる)。排出コンテナ受け取り台が、排出コンテナ受け取り部分にヒンジ連結されて取り付けられ得る。排出コンテナ受け取りトレイが、次いで、排出コンテナ受け取り台上に除去可能に設定され得る。1つ以上の使用済みPD液排出コンテナが、次いで、排出コンテナ受け取りトレイの中に除去可能に設置され得る。1つ以上の使用済みPD液排出コンテナは、排出コンテナ受け取り台と排出コンテナ受け取り部分との間のヒンジ連結関係を介して、所望に応じて傾けられ得る。
【0015】
重力供給式機械の配置は、故に、新鮮PD液供給コンテナを機械の上部に、使用済みPD液排出コンテナを機械の底部またはその近傍に位置付け得、治療のために座っている、または眠っている患者は、供給コンテナと排出コンテナとの間の機械のほぼ中央に位置する。このように、新鮮PD液が、新鮮PD液供給コンテナから患者まで重力流動し得る一方で、使用済みPD液が、患者から使用済みPD液排出コンテナまで重力流動し得る。ある実施形態において、機械は、患者が、治療中に排出弁の下方に位置する場合、使用済みPD液が、患者から、排出弁を越えて上に、そして排出ラインを通して使用済みPD液排出コンテナまで下へと吸い取られ得るように、使い捨てセットを患者に接続することに先立って、新鮮PD液供給コンテナから排出弁を通して最初に新鮮PD液で使い捨てセットをプライミングする。
【0016】
上で説明されるように、一実施形態における秤台は、1つ以上のロードセルが、新鮮および使用済みPD液の両方の重量を感知するように、新鮮および使用済みPD液の両方を支持する。1つ以上のロードセルからの信号は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリと、ユーザインターフェース(ディスプレイデバイスおよび入力デバイス、例えば、タッチスクリーンおよび/または膜スイッチ)と、(例えば、データカードを受け入れるための)1つ以上のデータポートと、(例えば、二重入力電圧制御のための)電子機器と、一実施形態において、ネットワーク接続(例えば、イーサネット(登録商標))とを有する制御ユニットに送信される。制御ユニットは、使い捨てセット(例えば、新鮮PD液(患者への)弁および使用済みPD液(患者からの)弁)と共に動作する弁を制御する。制御ユニットは1つ以上の温度センサを介した制御ユニットへのフィードバックを使用して、加熱器(例えば、1つ以上の抵抗加熱コイル)をさらに制御し得、加熱器および温度センサは、新鮮PD液が、所望の温度、例えば、体温または37℃まで加熱されるように、供給コンテナ受け取りトレイの下方に位置し、トレイおよびトレイの上に設置される新鮮PD液コンテナを加熱する。
【0017】
PD液制御に関して、制御ユニットは、ロードセルから、最初に供給コンテナ受け取りトレイ上に装填される新鮮PD液の量、例えば、新鮮PD液の2つの5リットル袋の重量を把握する。第1の患者充填後、制御ユニットは、ロードセルから、例えば、重量が減少する量によって、患者に送達された新鮮PD液の量を把握する。使用済み透析液が、使用済みPD液排出コンテナに除去される第1の患者滞留および排出後、制御ユニットは、ロードセルから、例えば、重量が増加する量によって、患者から除去された使用済みPD液および追加の限外濾過(「UF」)の量を把握し、ここで、液が、新鮮(秤台の上方に位置する)および使用済み(秤台の下方に位置する)PD液コンテナの両方の中に残留している。第1の患者充填、滞留、および排出後、完全な排出を仮定すると、制御ユニットが、患者からのUF除去に起因する初期新鮮PD液重量より多くの重量を把握することが予期される。第2、第3、第4等の充填、滞留、および排出サイクルが、上で説明されるものと同じ様式で動作し、充填量が、機械から患者まで重力流動する新鮮PD液に起因する重量減少によって決定される一方で、排出量が、患者から機械まで重力流動する使用済みPD液およびUFに起因する重量増加によって決定される。
【0018】
全ての新鮮PD液が、新鮮PD液供給コンテナから排出され、全ての使用済みPD液およびUFが、患者から使用済みPD液排出コンテナに排出されたとき、制御ユニットは、最終的な合計使用済み液量から初期の合計新鮮液量を減算することによって、治療のために患者から除去されたUFの合計量を計算し得る。上記様式において、サイクル毎および合計のUF量が、本開示の制御ユニットおよびロードセル配置によって決定され得る。そのような量が、ユーザインターフェースの透析デバイスにおいてユーザに表示され、外部メモリデバイス、例えば、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)フラッシュドライブにダウンロードするために、または一実施形態において、ネットワーク接続を介してネットワークおよび/または遠隔サーバにアップロードするために、記録され得る。
【0019】
一実施形態において、本開示の使い捨てセットは、現在の治療で、前の治療からの供給ラインおよび接続された新鮮PD液供給コンテナを再利用する。使い捨てセットは、マルチポートコネクタ、例えば、Y-コネクタまたはT-コネクタ等の3方向コネクタを含む。患者ラインが、一方の端部においてマルチポートコネクタの第1のポートに、他方の端部において患者に取り付けられる。供給ラインが、一方の端部においてマルチポートコネクタの第2のポートに、他方の端部において1つ以上の新鮮PD液供給コンテナに取り付けられる(例えば、複数の供給コンテナに繋がる2つ以上の枝ラインの中への分岐または分割)。排出ラインが、一方の端部においてマルチポートコネクタの第3のポートに、他方の端部において1つ以上の使用済みPD液排出コンテナに取り付けられる(例えば、複数の排出コンテナに繋がる2つ以上の枝ラインの中への分岐または分割)。排出ラインおよび排出コンテナは、ある実施形態において、前の治療で供給ラインおよび供給コンテナとしての役割を果たし、それは、(i)供給コンテナが、治療の終わりに空である、(ii)供給ラインが、少なくともどんなかなりの量においても患者からの流出液に触れない、(iii)再利用されるラインおよび基部が、同じ患者のための後続の治療で使用されるので可能にされる。
【0020】
種々の実施形態において、マルチポートコネクタの第2のポートに接続する供給ラインのコネクタは、コネクタの一部が残留し、マルチポートコネクタ、患者ライン、および排出ラインとともに廃棄されるように、ユーザが壊す、壊れやすい部分を含む。コネクタの残りの部分は、再利用され、新しいマルチポートコネクタの第3のポートに除去可能にシールする二次接続部分を含む。除去可能なシールは、依然として、高齢であり得る患者が供給するために過度ではない接続力を要求しながら、好適な液密接続を提供するように構成される。同じ様式で、壊れやすい部分は、その破断力が過度ではないように構成される。
【0021】
本開示の重力流PDシステムは、一実施形態において、異なるタイプの自動PD治療を提供するように構成される。治療は、機械における制御ユニットの中にプログラムされ得、ネットワークを経由して制御ユニットにダウンロードされ、および/または、遠隔データ記憶デバイス、例えば、USBドライブから制御ユニットにアップロードされ得る。制御ユニットは、例えば、自動腹膜透析(「APD」)治療またはデバイス支援持続的携帯型腹膜透析(「DA-CAPD」)治療のいずれかを実施する選択肢を患者に提供し得る。APD治療とDA-CAPD治療との間の主要な差異は、(i)DA-CAPDと対比してAPD治療により多くの自動サイクルが存在すること、および、(ii)APD治療のための充填体積が、典型的に、DA-CAPD治療のためのそれと異なる(例えば、より少ない)、および、(iii)APD治療のための滞留時間が、典型的に、DA-CAPD治療のためのそれと異なる(例えば、より少ない)からである。DA-CAPD治療は、おそらく、APD治療より多くの手動交換ステップも有する。
【0022】
制御ユニットは、患者が、ある日にAPD治療を実行し、次の日にDA-CAPD治療を実行することを可能にし得、逆も同様である。制御ユニットは、複数のAPD治療および複数のDA-CAPD治療を記憶し、患者が、1日またはそれを上回る連続日にわたって実行されるべき所望の治療を選ぶことも可能にし得る。
【0023】
本明細書の開示を踏まえて、いかようにも開示を限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第1の側面において、重力供給式腹膜透析(「PD」)機械は、支持表面上に設定されるように構成されるフレームと、少なくとも1つのロードセルと、フレームと秤台との間に位置付けられる少なくとも1つのロードセルを介して、フレームによって支持される秤台と、フレームが、支持表面上に設定されているとき、秤台と機械連通し、それから下向きに延びている排出コンテナ支持体とを含み、機械は、フレームが、支持表面上に設定されているとき、新鮮PD液と使用済みPD液との複合重量が、少なくとも1つのロードセルによって感知され得るように、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、少なくとも1つのロードセルの上方で秤台によって支持可能であり、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、少なくとも1つのロードセルの下方で排出コンテナ支持体によって支持可能であるように構成される。
【0024】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第2の側面において、排出コンテナ支持体は、秤台と機械連通し、それから下向きに延びている複数の部材と、複数の部材間に位置している排出コンテナ受け取り部分とを含む。
【0025】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第3の側面において、透析機械は、排出コンテナ支持体の排出コンテナ受け取り部分の上方に除去可能に設置可能な排出コンテナ受け取りトレイを含み、排出コンテナ受け取りトレイは、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナを受け入れるようにサイズを決定される。
【0026】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第2の側面と組み合わせられ得る本開示の第4の側面において、フレームは、各々が輪郭を画定する複数の脚部を含み、排出コンテナ支持体の複数の部材の各々は、脚部のうちの少なくとも1つの輪郭に合致する輪郭を画定する。
【0027】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第5の側面において、排出コンテナ支持体は、秤台に直接接続される。
【0028】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第6の側面において、秤台は、複数の角を含み、それは、複数のロードセルを含み、秤台とフレームとの間に、秤台の各角を支持している1つのロードセルを含む。
【0029】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第7の側面において、透析機械は、秤台と機械連通している供給コンテナ受け取りトレイを含み、供給コンテナ受け取りトレイは、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナを受け入れるようにサイズを決定される。
【0030】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第7の側面と組み合わせられ得る本開示の第8の側面において、秤台または供給コンテナ受け取りトレイのうちの少なくとも1つは、供給コンテナの低くされた出口部分の方に新鮮PD液を向ける角度で少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナを支持するように構成される。
【0031】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第7の側面と組み合わせられ得る本開示の第9の側面において、透析機械は、供給コンテナ受け取りトレイを加熱し、次に、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナを加熱するように位置付けられ、配置された加熱器を含む。
【0032】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第10の側面において、透析機械は、制御ユニットと、新鮮PD液が少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナから患者まで重力流動することを選択的に可能にするための制御ユニットの制御下の第1の弁と、使用済みPD液が患者から少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナまで重力流動することを選択的に可能にするための制御ユニットの制御下の第2の弁とを含む。
【0033】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第10の側面と組み合わせられ得る本開示の第11の側面において、少なくとも1つのロードセルは、制御ユニットと信号通信する。
【0034】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第10の側面と組み合わせられ得る本開示の第12の側面において、制御ユニットは、ユーザインターフェースを含み、ユーザインターフェースは、ディスプレイと、少なくとも1つの入力デバイスとを含み、制御ユニットは、複数の異なるPD治療タイプを表示するように、かつユーザが少なくとも1つの入力デバイスを使用して今後の治療のために治療タイプのうちの1つを選択することを可能にするようにプログラムされる。
【0035】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第12の側面と組み合わせられ得る本開示の第13の側面において、PD治療タイプのうちの第1のものは、自動腹膜透析を含み、PD治療タイプのうちの第2のものは、デバイス支援持続的携帯型腹膜透析を含む。
【0036】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第14の側面において、少なくとも1つのロードセルは、ロードセルセンサを支持しているロードセル搭載カップを含み、ロードセル搭載カップは、フレームに搭載され、負荷をロードセルセンサに送達するように位置付けられ、配置されたロードアプリケータを収納し、ロードアプリケータは、秤台と機械連通する。
【0037】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第15の側面において、重力供給式腹膜透析(「PD」)機械は、支持表面上に設定されるように構成されたフレームと、少なくとも1つのロードセルと、フレームと秤台との間に位置付けられる少なくとも1つのロードセルを介して、フレームによって支持される秤台と、フレームが、支持表面上に設定されているとき、秤台と機械連通し、それから下向きに延びている排出コンテナ支持体であって、機械は、フレームが、支持表面上に設定されているとき、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、少なくとも1つのロードセルの上方で秤台によって支持可能であり、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、少なくとも1つのロードセルの下方で排出コンテナ支持体によって支持可能であるように構成されている、排出コンテナ支持体と、少なくとも1つのロードセルからのフィードバックを介して、新鮮PD液および使用済みPD液の瞬間複合重量を監視するように構成された制御ユニットであって、制御ユニットは、瞬間複合重量の減少を記録することによって、新鮮PD液の患者充填の量を決定するように構成され、制御ユニットは、瞬間複合重量の増加を記録することによって、使用済みPD液の患者排出の量を決定するように構成される、制御ユニットとを含む。
【0038】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第15の側面と組み合わせられ得る本開示の第16の側面において、制御ユニットは、患者充填の量と患者排出の量を区別することによって、患者から除去された限外濾過の量を決定するようにさらに構成される。
【0039】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第16の側面と組み合わせられ得る本開示の第17の側面において、区別することは、(i)複数の患者排出後、かつ除去される限外濾過の結果として生じる量を合計した後、または、(ii)複数の患者充填量を合計し、複数の患者排出量を合計すると、生じる。
【0040】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第18の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナと、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナとの間に位置している管類とを含む使い捨てセットと、使い捨てセットと共に動作可能な重力供給式PD機械であって、支持表面上に設定されるように構成されたフレームと、少なくとも1つのロードセルと、フレームと秤台との間に位置付けられる少なくとも1つのロードセルを介して、フレームによって支持される秤台と、フレームが、支持表面上に設定されているとき、秤台と機械連通し、それから下向きに延びている排出コンテナ支持体とを含み、機械は、フレームが、支持表面上に設定されているとき、新鮮PD液と使用済みPD液との複合重量が、少なくとも1つのロードセルによって感知され得るように、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、少なくとも1つのロードセルの上方で秤台によって支持可能であり、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、少なくとも1つのロードセルの下方で排出コンテナ支持体によって支持可能であるように構成される、重力供給式PD機械とを含む。
【0041】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第18の側面と組み合わせられ得る本開示の第19の側面において、重力供給式PD機械は、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと患者との間に位置している管類と共に動作するように構成されている少なくとも1つの弁と、患者と少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナとの間で動作するように構成されている少なくとも1つの弁とを含む。
【0042】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第20の側面において、腹膜透析(「PD」)システムは、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナと、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナとの間に位置している管類とを含む使い捨てセットと、使い捨てセットと共に動作可能な重力供給式PD機械であって、ユーザインターフェースと少なくとも1つの入力デバイスとを有する制御ユニットを含み、制御ユニットは、(i)3回以上の患者充填が1つ以上のAPD滞留持続時間を使用して実施される自動腹膜透析(「APD」)治療、または、(ii)2回の患者充填が、1つ以上のDA-CAPD滞留持続時間を使用して実施され、平均DA-CAPD滞留持続時間が、平均APD滞留持続時間より長い、デバイス支援持続的携帯型腹膜透析(DA-CAPD)治療のいずれかを実施するためのオプションをユーザに提供するように構成される、重力供給式PD機械とを含む。
【0043】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第20の側面と組み合わせられ得る本開示の第21の側面において、DA-CAPD治療患者充填は、可変の、例えば、APD患者充填が使用するそれより多い量の新鮮PD液を使用する。
【0044】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第20の側面と組み合わせられ得る本開示の第22の側面において、DA-CAPD治療は、APD治療が含むそれより多くの手動ステップを含む。
【0045】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第23の側面において、透析治療のための使い捨てセットは、患者コネクタに接続するように構成された第1のコネクタと、マルチポートコネクタの第1のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む患者ラインと、PD液供給コンテナに接続するように構成された第1のコネクタと、マルチポートコネクタの第2のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む供給ラインであって、供給ラインの第2のコネクタは、透析治療後、供給ラインと壊れやすい部分が壊された後に残留する第2のコネクタの二次接続部分とが、後続の透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にする壊れやすい部分を含む、供給ラインとを含み、マルチポートコネクタの第3のポートは、以前の透析治療からの供給ラインおよび二次接続部分が、透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にするように構成され、以前の透析治療からの二次接続部分は、透析治療のために第3のポートに除去可能にシールするように構成される。
【0046】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第23の側面と組み合わせられ得る本開示の第24の側面において、マルチポートコネクタは、Y-コネクタまたはT-コネクタを含む。
【0047】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第23の側面と組み合わせられ得る本開示の第25の側面において、使い捨てセットは、第1のコネクタに接続されるPD液供給コンテナをさらに含み、PD液供給コンテナは、後続の治療のためのPD液排出コンテナとして使用される。
【0048】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第25の側面と組み合わせられ得る本開示の第26の側面において、PD液供給コンテナは、PD液排出コンテナとして動作するときに患者から除去される限外濾過の量を貯蔵することが可能であるように、PD液供給コンテナに貯蔵される新鮮PD液の量に対して大きくサイズを決定される。
【0049】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第23の側面と組み合わせられ得る本開示の第27の側面において、供給ラインの第1のコネクタは、第1の第1のコネクタであり、供給ラインは、第1の枝および第2の枝に分割され、第1の枝は、第1のPD液供給コンテナに接続可能な第1の第1のコネクタに繋がり、第2の枝は、第2のPD液供給コンテナに接続可能な第2の第1のコネクタに繋がる。
【0050】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第27の側面と組み合わせられ得る本開示の第28の側面において、第1のPD液供給コンテナは、後続の治療のための第1のPD液排出コンテナとして使用され、第2のPD液供給コンテナは、後続の治療のための第2のPD液排出コンテナとして使用される。
【0051】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第27の側面と組み合わせられ得る本開示の第29の側面において、供給ラインは、供給ラインの第2のコネクタと第1および第2の枝との間に共通区分を含み、それは、共通区分に取り付けられたラインクランプを含み、ラインクランプは、供給ラインの第2のコネクタの壊れやすい部分を壊すことに先立って閉鎖される。
【0052】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第23の側面と組み合わせられ得る本開示の第30の側面において、マルチポートコネクタの第3のポートは、フランジを含み、二次接続部分は、二次接続部分が第3のポートに除去可能にシールされるとき、第3のポートのフランジに除去可能に(例えば、スナップ嵌めして)掛止するようにサイズを決定され、配置される少なくとも1つのフックを含む。
【0053】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第23の側面と組み合わせられ得る本開示の第31の側面において、二次接続部分は、二次接続部分を第3のポートに除去可能に(例えば、圧入して)シールするために、マルチポートコネクタの第3のポートの内径より大きい外径を含む。
【0054】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る本開示の第32の側面において、透析治療のための使い捨てセットは、患者コネクタに接続するように構成された第1のコネクタと、マルチポートコネクタの第1のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む患者ラインと、PD液供給コンテナに接続するように構成された第1のコネクタと、マルチポートコネクタの第2のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む供給ラインであって、供給ラインは、透析治療後、第2のコネクタの少なくとも一部および供給ラインの管類が、後続の透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にするように構成される、供給ラインとを含み、マルチポートコネクタの第3のポートは、以前の透析治療からの供給ラインの管類および第2のコネクタの少なくとも一部が、透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にするように構成され、以前の透析治療からの第2のコネクタの少なくとも一部は、第3のポートに除去可能にシールするように構成される。
【0055】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第32の側面と組み合わせられ得る本開示の第33の側面において、第2のコネクタは、第2のコネクタの少なくとも一部および供給ラインの管類が、壊れやすい部分において断ち切られ、後続の透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にする壊れやすい部分を含む。
【0056】
本開示の第34の側面において、
図1-19に関連して開示される構造および機能性のうちのいずれかは、
図1-19に関連して開示される他の構造および機能性のうちのいずれかと組み合わせられ得る。
【0057】
本開示および上記の側面を踏まえて、したがって、改良された重力供給式PD機械を提供することが、本開示の利点である。
【0058】
改良されたPD使い捨て用品を提供することが、本開示の別の利点である。
【0059】
使い捨て廃棄物およびコストを削減することが、本開示のさらなる利点である。
【0060】
手動持続的携帯型PDアクションおよびステップの量を低減させることが、本開示のさらに別の利点である。
【0061】
構築することが効率的かつ費用効果が高い重力供給式PD機械を提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0062】
新鮮および使用済み液送達およびUF除去量を正確に制御する重力供給式PD機械を提供することが、本開示のさらに別の利点である。
【0063】
本明細書に議論される利点は、おそらく、本明細書に開示される実施形態の全てではなく、1つまたはいくつかで見出され得る。追加の特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の発明を実施するための形態および図から明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
重力供給式腹膜透析(「PD」)機械であって、前記透析機械は、
支持表面上に設定されるように構成されたフレームと、
少なくとも1つのロードセルと、
前記少なくとも1つのロードセルを介して前記フレームによって支持された秤台であって、前記少なくとも1つのロードセルは、前記フレームと秤台との間に位置付けられている、秤台と、
前記フレームが前記支持表面上に設定されているとき、前記秤台と機械連通し、前記秤台から下向きに延びている排出コンテナ支持体と
を備え、
前記機械は、前記フレームが前記支持表面上に設定されているとき、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、前記少なくとも1つのロードセルの上方で前記秤台によって支持可能であり、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、前記少なくとも1つのロードセルの下方で前記排出コンテナ支持体によって支持可能であり、それによって、新鮮PD液と使用済みPD液との複合重量が、前記少なくとも1つのロードセルによって感知可能であるように構成されている、透析機械。
(項目2)
前記排出コンテナ支持体は、前記秤台と機械連通し、前記秤台から下向きに延びている複数の部材と、前記複数の部材間に位置している排出コンテナ受け取り部分とを含む、項目1に記載の透析機械。
(項目3)
前記排出コンテナ支持体の前記排出コンテナ受け取り部分の上方に除去可能に設置可能な排出コンテナ受け取りトレイを含み、前記排出コンテナ受け取りトレイは、前記少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナを受け入れるようにサイズを決定されている、項目2に記載の透析機械。
(項目4)
前記フレームは、各々が輪郭を画定する複数の脚部を含み、前記排出コンテナ支持体の前記複数の部材の各々は、前記脚部のうちの少なくとも1つの前記輪郭に合致する輪郭を画定する、項目2に記載の透析機械。
(項目5)
前記排出コンテナ支持体は、前記秤台に直接接続されている、項目1-4のいずれかに記載の透析機械。
(項目6)
前記秤台は、複数の角を含み、前記透析機械は、複数のロードセルを含み、前記秤台と前記フレームとの間に前記秤台の各角を支持している1つのロードセルを含む、項目1-5のいずれかに記載の透析機械。
(項目7)
前記秤台と機械連通している供給コンテナ受け取りトレイを含み、前記供給コンテナ受け取りトレイは、前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナを受け入れるようにサイズを決定されている、項目1-6のいずれかに記載の透析機械。
(項目8)
前記秤台または前記供給コンテナ受け取りトレイのうちの少なくとも1つは、前記供給コンテナの低くされた出口部分の方に前記新鮮PD液を向ける角度で前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナを支持するように構成されている、項目7に記載の透析機械。
(項目9)
前記供給コンテナ受け取りトレイを加熱し、次に、前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナを加熱するように位置付けられ、配置された加熱器を含む、項目7または8に記載の透析機械。
(項目10)
制御ユニットと、新鮮PD液が前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナから患者まで重力流動することを選択的に可能にするための前記制御ユニットの制御下の第1の弁と、使用済みPD液が前記患者から前記少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナまで重力流動することを選択的に可能にするための前記制御ユニットの制御下の第2の弁とを含む、項目1-9のいずれかに記載の透析機械。
(項目11)
前記少なくとも1つのロードセルは、前記制御ユニットと信号通信している、項目10に記載の透析機械。
(項目12)
前記制御ユニットは、ユーザインターフェースを含み、前記ユーザインターフェースは、ディスプレイと、少なくとも1つの入力デバイスとを含み、前記制御ユニットは、複数の異なるPD治療タイプを表示することと、ユーザが前記少なくとも1つの入力デバイスを使用して今後の治療のために前記治療タイプのうちの1つを選択することを可能にすることとを行うようにプログラムされている、項目10または11に記載の透析機械。
(項目13)
前記PD治療タイプのうちの第1のものは、自動腹膜透析を含み、前記PD治療タイプのうちの第2のものは、デバイス支援持続的携帯型腹膜透析を含む、項目12に記載の透析機械。
(項目14)
前記少なくとも1つのロードセルは、ロードセルセンサを支持しているロードセル搭載カップを含み、前記ロードセル搭載カップは、前記フレームに搭載され、前記ロードセル搭載カップは、負荷を前記ロードセルセンサに送達するように位置付けられ、配置されたロードアプリケータを収納し、前記ロードアプリケータは、前記秤台と機械連通している、項目1-13のいずれかに記載の透析機械。
(項目15)
重力供給式腹膜透析(「PD」)機械であって、前記重力供給式PD機械は、
支持表面上に設定されるように構成されたフレームと、
少なくとも1つのロードセルと、
前記少なくとも1つのロードセルを介して前記フレームによって支持された秤台であって、前記少なくとも1つのロードセルは、前記フレームと秤台との間に位置付けられている、秤台と、
前記フレームが前記支持表面上に設定されているとき、前記秤台と機械連通し、前記秤台から下向きに延びている排出コンテナ支持体であって、前記機械は、前記フレームが前記支持表面上に設定されているとき、少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、前記少なくとも1つのロードセルの上方で前記秤台によって支持可能であり、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、前記少なくとも1つのロードセルの下方で前記排出コンテナ支持体によって支持可能であるように構成されている、排出コンテナ支持体と、
前記少なくとも1つのロードセルからのフィードバックを介して、新鮮PD液および使用済みPD液の瞬間複合重量を監視するように構成された制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、前記瞬間複合重量の減少を記録することによって、新鮮PD液の患者充填の量を決定するように構成され、前記制御ユニットは、前記瞬間複合重量の増加を記録することによって、使用済みPD液の患者排出の量を決定するように構成されている、重力供給式PD機械。
(項目16)
前記制御ユニットは、前記患者充填の量と前記患者排出の量とを区別することによって、患者から除去された限外濾過の量を決定するようにさらに構成されている、項目15に記載の重力供給式PD機械。
(項目17)
前記区別することは、(i)複数の患者排出後、かつ除去される前記限外濾過の結果として生じる量を合計した後、または、(ii)複数の患者充填量を合計し、複数の患者排出量を合計すると、生じる、項目16に記載の重力供給式PD機械。
(項目18)
腹膜透析(「PD」)システムであって、前記PDシステムは、
少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナと、前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと前記少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナとの間に位置している管類とを含む使い捨てセットと、
前記使い捨てセットと共に動作可能な重力供給式PD機械と
を備え、
前記重力供給式PD機械は、
支持表面上に設定されるように構成されたフレームと、
少なくとも1つのロードセルと、
前記少なくとも1つのロードセルを介して前記フレームによって支持された秤台であって、前記少なくとも1つのロードセルは、前記フレームと前記秤台との間に位置付けられている、秤台と、
前記フレームが前記支持表面上に設定されているとき、前記秤台と機械連通し、前記秤台から下向きに延びている排出コンテナ支持体と
を含み、
前記機械は、前記フレームが前記支持表面上に設定されているとき、前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナが、前記少なくとも1つのロードセルの上方で前記秤台によって支持可能であり、前記少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが、前記少なくとも1つのロードセルの下方で前記排出コンテナ支持体によって支持可能であり、それによって、新鮮PD液と使用済みPD液との複合重量が、前記少なくとも1つのロードセルによって感知可能であるように構成されている、PDシステム。
(項目19)
前記重力供給式PD機械は、少なくとも1つの弁を含み、前記少なくとも1つの弁は、前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと前記少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナとの間に位置している前記管類と共に動作するように構成されている、項目18に記載のPDシステム。
(項目20)
腹膜透析(「PD」)システムであって、前記PDシステムは、
少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナと、前記少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナと前記少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナとの間に位置している管類とを含む使い捨てセットと、
前記使い捨てセットと共に動作可能な重力供給式PD機械と
を備え、
前記重力供給式PD機械は、ユーザインターフェースと少なくとも1つの入力デバイスとを有する制御ユニットを含み、前記制御ユニットは、
(i)3回以上の患者充填が1つ以上のAPD滞留持続時間を使用して実施される自動腹膜透析(「APD」)治療、または、
(ii)2回の患者充填が1つ以上のデバイス支援持続的携帯型腹膜透析(DA-CAPD)滞留持続時間を使用して実施されるDA-CAPD治療
のいずれかを実施するためのオプションをユーザに提供するように構成され、
平均DA-CAPD滞留持続時間は、平均APD滞留持続時間より長い、PDシステム。
(項目21)
全DA-CAPD治療充填体積は、全APD患者充填体積より小さい、項目20に記載のPDシステム。
(項目22)
前記DA-CAPD治療は、前記APD治療が含むそれより多くの手動ステップを含む、項目20または21に記載のPDシステム。
(項目23)
透析治療のための使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
患者コネクタに接続するように構成された第1のコネクタと、マルチポートコネクタの第1のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む患者ラインと、
PD液供給コンテナに接続するように構成された第1のコネクタと、前記マルチポートコネクタの第2のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む供給ラインであって、前記供給ラインの前記第2のコネクタは、壊れやすい部分を含み、前記壊れやすい部分は、前記透析治療後、前記供給ラインと前記壊れやすい部分が壊された後に残留する前記第2のコネクタの二次接続部分とが後続の透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にする、供給ラインと
を含み、
前記マルチポートコネクタの第3のポートが、以前の透析治療からの供給ラインおよび二次接続部分が前記透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にするように構成され、前記以前の透析治療からの前記二次接続部分は、前記透析治療のために前記第3のポートに除去可能にシールするように構成されている、使い捨てセット。
(項目24)
前記マルチポートコネクタは、Y-コネクタまたはT-コネクタを含む、項目23に記載の使い捨てセット。
(項目25)
前記第1のコネクタに接続された前記PD液供給コンテナをさらに含み、前記PD液供給コンテナは、前記後続の治療のためのPD液排出コンテナとして使用される、項目23または24に記載の使い捨てセット。
(項目26)
前記PD液供給コンテナは、前記PD液排出コンテナとして動作するときに患者から除去される限外濾過の量を貯蔵することが可能であるように、前記PD液供給コンテナに貯蔵される新鮮PD液の量に対してサイズを決定されている、項目25に記載の使い捨てセット。
(項目27)
前記供給ラインの第1のコネクタは、第1の第1のコネクタであり、前記供給ラインは、第1の枝および第2の枝に分割されており、前記第1の枝は、第1のPD液供給コンテナに接続可能な前記第1の第1のコネクタに繋がり、前記第2の枝は、第2のPD液供給コンテナに接続可能な第2の第1のコネクタに繋がっている、項目23-26のいずれかに記載の使い捨てセット。
(項目28)
前記第1のPD液供給コンテナは、前記後続の治療のための第1のPD液排出コンテナとして使用され、前記第2のPD液供給コンテナは、前記後続の治療のための第2のPD液排出コンテナとして使用される、項目27に記載の使い捨てセット。
(項目29)
前記供給ラインは、前記供給ラインの前記第2のコネクタと前記第1および第2の枝との間に共通区分を含み、前記使い捨てセットは、前記共通区分に取り付けられたラインクランプを含み、前記ラインクランプは、前記供給ラインの前記第2のコネクタの前記壊れやすい部分を壊すことに先立って閉鎖される、項目27または28に記載の使い捨てセット。
(項目30)
前記マルチポートコネクタの前記第3のポートは、フランジを含み、前記二次接続部分は、前記二次接続部分が前記第3のポートに除去可能にシールされるとき、前記第3のポートの前記フランジに除去可能に掛止するようにサイズを決定され、配置された少なくとも1つのフックを含む、項目23-29のいずれかに記載の使い捨てセット。
(項目31)
前記二次接続部分は、前記二次接続部分を前記第3のポートに除去可能にシールするために、前記マルチポートコネクタの前記第3のポートの内径より大きい外径を含む、項目23-30のいずれかに記載の使い捨てセット。
(項目32)
透析治療のための使い捨てセットであって、前記使い捨てセットは、
患者コネクタに接続するように構成された第1のコネクタと、マルチポートコネクタの第1のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む患者ラインと、
PD液供給コンテナに接続するように構成された第1のコネクタと、前記マルチポートコネクタの第2のポートに接続するように構成された第2のコネクタとを含む供給ラインであって、前記供給ラインは、前記透析治療後、前記第2のコネクタの少なくとも一部および前記供給ラインの管類が、後続の透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にするように構成されている、供給ラインと
を含み、
前記マルチポートコネクタの第3のポートが、以前の透析治療からの供給ラインの管類および第2のコネクタの少なくとも一部が前記透析治療のための排出ラインとして使用されることを可能にするように構成され、前記以前の透析治療からの前記第2のコネクタの前記少なくとも一部は、前記第3のポートに除去可能にシールするように構成されている、使い捨てセット。
(項目33)
前記第2のコネクタは、壊れやすい部分を含み、前記壊れやすい部分は、前記第2のコネクタの前記少なくとも一部および前記供給ラインの管類が、前記壊れやすい部分において断ち切られ、前記後続の透析治療のための前記排出ラインとして使用されることを可能にする、項目32に記載の使い捨てセット。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】
図1は、本開示の腹膜透析システムの一実施形態の上部正面斜視図である。
【0065】
【
図2】
図2は、
図1のシステムとの併用のための重力供給式透析機械の一実施形態の正面立面図である。
【0066】
【
図3】
図3は、
図2の重力供給式透析機械実施形態の側面立面図である。
【0067】
【
図4】
図4は、
図2の重力供給式透析機械実施形態の上部後面斜視図である。
【0068】
【
図5】
図5は、
図2の重力供給式透析機械実施形態の後面立面図である。
【0069】
【
図6】
図6は、本開示の新鮮および使用済み透析溶液重量懸垂システムおよび方法に関する一実施形態を図示する、概略図である。
【0070】
【
図7A】
図7Aは、
図2-5の重力供給式透析機械と使用可能なロードセル配置に関する一実施形態の上部正面斜視図である。
【0071】
【
図7B】
図7Bは、
図2-5の重力供給式透析機械と使用可能なロードセル配置に関する一実施形態の側面立面断面図である。
【0072】
【
図8】
図8は、
図2-5の重力供給式透析機械と使用可能なロードセルに関する一実施形態の側面立面図である。
【0073】
【
図9】
図9は、新たに開封された使い捨てセットを前もって使用された使い捨てセットの再利用される部分と組み合わせる治療のための完全に据え付けられたセットを示す本開示の使い捨てセットの一実施形態の上平面図である。
【0074】
【
図10】
図10は、その滅菌包装から除去されたときに見えるような、本開示の使い捨てセットの一実施形態の上平面図である。
【0075】
【
図11】
図11は、後続の治療のための排出ラインとして使用される部分、および治療後に廃棄される部分を示す
図10の使い捨てセットの一実施形態の上平面図である。
【0076】
【
図12】
図12は、本開示の使い捨てセットと共に使用されるマルチポートコネクタの一実施形態の正面立面断面図である。
【0077】
【
図13A】
図13Aは、
図12のマルチポートコネクタと共に使用される壊れやすいコネクタの一実施形態の正面断面図である。
【0078】
【0079】
【
図14A】
図14Aは、本開示の使い捨てセットと共に使用されるマルチポートコネクタの別の実施形態の正面立面断面図である。
【0080】
【0081】
【
図15A】
図15Aは、
図14Aおよび14Bのマルチポートコネクタと共に使用される壊れやすいコネクタの一実施形態の正面断面図である。
【0082】
【0083】
【
図16】
図16は、本開示のPDシステムのディスプレイデバイス上に表示され、PDシステムによって実施可能である例示的自動腹膜透析(「APD」)治療を図示する。
【0084】
【
図17】
図17は、本開示のPDシステムのディスプレイデバイス上に表示され、PDシステムによって実施可能である第1の例示的デバイス支援持続的携帯型腹膜透析(「DA-CAPD」)治療を図示する。
【0085】
【
図18】
図18は、本開示のPDシステムのディスプレイデバイス上に表示され、PDシステムによって実施可能である第2の例示的デバイス支援持続的携帯型腹膜透析(「DA-CAPD」)治療を図示する。
【0086】
【
図19】
図19は、本開示のPDシステムのディスプレイデバイス上に表示され、PDシステムによって実施可能である第3の例示的デバイス支援持続的携帯型腹膜透析(「DA-CAPD」)治療を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0087】
(重力供給式機械およびシステム)
ここで、図面、特に、
図1を参照すると、腹膜透析(「PD」)システム10が、図示される。PDシステム10は、PD機械15と、使い捨てセット110とを含む。PD機械15は、一実施形態において、重力供給式PD機械である。一実施形態において、重力供給式機械15は、ポンプを使用せず、全ての流体移動のために重力に依拠する。代替実施形態において、重力供給式機械15は、1つ以上のポンプ、例えば、患者から排出部に使用済みPD液を除去するためのポンプを採用し得る。使い捨てセット110は、下で詳細に図示および議論される。
図2-5は、機械15の異なる図を提供する。
【0088】
図示される実施形態におけるPD機械15は、ステンレス鋼、鋼鉄、アルミニウム、繊維ガラス、またはポリエチレンまたはポリプロピレン等のプラスチック等の好適に頑丈な材料から作製されるフレーム20を含む。図示される実施形態におけるフレーム20は、ボルト留め、溶接、接着、または、一緒に一体的に形成される3つの部材22、24、および26で構成される基部を含む。図示される実施形態において、フレーム20の基部は、使い捨てセット110の少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナが容易に基部の中に持ち上げられ、それから除去され得るように、正面部材を含まない。図示される実施形態におけるフレーム20の基部が、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナの重量を直接支持しないことを理解されたい。しかしながら、フレーム20の基部は、少なくとも1つの使用済みPD液排出コンテナの周囲に延びているために十分に大型である。
【0089】
複数のキャスタ30が、フレーム20の基部の側面部材22および24の底部に接続され、それによって、PDシステム10は、フレーム20に接続されるハンドル32および34を使用して、容易に移動させられ得る。脚部36および38が、それぞれ、フレーム20の基部の部材22および24から上に延びている。脚部36および38は、それぞれ、部材22および24にボルト留め、溶接、接着されるか、または、それらと一体的に形成され得る。
図5および6は、一実施形態において、脚部36および38が、上部プレート40におけるそれらの上端において終端することを図示する。脚部36および38は、上部プレート40にボルト留め、溶接、接着されるか、または、それと一体的に形成され得る。
【0090】
上部プレート40は、フレーム20の上部と見なされ得、上部プレート40の上方に位置する全ての構造は、ロードセル50によって支持される。
図7Aの図示される実施形態において、例えば、上部プレート40の角の各々に1つ、4つのロードセル50が、提供される。単一の中心ロードセルを含むより少ないまたは多いロードセル50が、所望される場合、上部プレート40上に提供され得る。ある実施形態において、ロードセル50は、ロードセル50の上に置かれた秤台60を均一に支持するように、互いに間隔を置かれる。図示される実施形態において、秤台60の角の各々に1つ、4つのロードセル50が、提供される。
【0091】
図1-5は、機械15が排出コンテナ支持体70をさらに含むことを図示する。図示される実施形態における排出コンテナ支持体70は、秤台60と機械連通し、例えば、それに接続され、またはそれと一体的に形成され、それから下向きに延びている複数の部材72および74を含む。加えて、部材72および74は、部材72と74との間に位置する排出コンテナ受け取り部分76と機械連通する(例えば、それに接続されるか、または、それと一体的に形成される)。図示される実施形態において、排出コンテナ受け取り台78が、排出コンテナ受け取り部分76に固定され、その上方に置かれる。
図2および3に図示されるように、排出コンテナ受け取り台78は、排出コンテナ受け取りトレイ79内に位置する1つ以上の使用済みPD液排出コンテナが、機械15の中への即座の設置およびそれからの除去のために、所望に応じて傾けられ得るように、排出コンテナ受け取り部分76にヒンジ連結されて固定され得る。
【0092】
上部プレート40に接続されるフレーム20の脚部36および38が、剛性をフレーム20の基部の3つの部材22、24、および26に提供し、部材22および24が互いに外向きに、または互いに向かって内向きに曲がることを防止する傾向があることを理解されたい。排出コンテナ支持体70の部材72および74も、フレーム20の脚部36および38の輪郭と整列し、それを辿るようにサイズおよび形状を決定される。このように、ロードセル50に沿って浮動する(それに取り付けられない)秤台60および排出コンテナ支持体70は、フレーム20の脚部36と38との間で側方に拘束される。これは、ロードセル上に設置される重量、ピンおよび受け取り開口の提供(下で議論される)、ロードセル50の構築(下で議論される)、および秤台60に取り付けられる側面パネル(下で議論される)と組み合わせて、台60が上部プレート40から外れてスライドすることができることを防止する。
【0093】
図1-5は、一実施形態において、重力供給式PD機械15が、制御ユニット100をさらに含むことを図示する。制御ユニット100は、1つ以上のメモリ一緒に動作する1つ以上のマイクロプロセッサを含み得、それらは、下で詳細に議論されるように、1つ以上の腹膜透析治療を記憶するようにプログラムされる。制御ユニット100は、ビデオコントローラをさらに含み、ビデオコントローラは、1つ以上のメモリと共に動作する1つ以上のマイクロプロセッサとともに、ユーザインターフェース102(ディスプレイ104aと、少なくとも1つの入力デバイス104bとを含む)を制御するように動作可能である。入力デバイス104bは、膜スイッチ等の1つ以上の電気機械ボタン、および/またはディスプレイ104aと共に動作するタッチスクリーンオーバーレイであり得る。ディスプレイ104aは、液晶ディスプレイ(「LCD」)または発光ダイオード(「LED」)ディスプレイであり得る。
【0094】
図2および3は、制御ユニット100が、一実施形態において、新鮮PD液(患者へ)弁106aおよび使用済みPD液(患者からの)弁106b等の複数の弁を具備することを図示する。弁106aおよび106bは、制御ユニット160の制御下の電気作動型ソレノイド弁であり得る。ある実施形態において、弁106aおよび106bは、電力損失時のフェイルセーフ動作を提供するように、ばね閉鎖され、通電開放する。一般に、患者充填中、制御ユニット100が、上側新鮮PD液弁106aを通電開放させるであろう一方で、下側使用済みPD液弁106bは、通電されず、閉鎖される。患者排出中、制御ユニット100が、下側使用済みPD液弁106bを通電開放させるであろう一方で、上側新鮮PD液弁106aは、通電されず、閉鎖される。患者滞留中、制御ユニット100は、両方の弁106aおよび106bを通電させず、閉鎖させるであろう。
【0095】
図6は、本開示のシステム10および関連付けられる方法論を使用して、新鮮PD液供給コンテナ144および使用済みPD液排出コンテナ140を吊り下げるための一実施形態を図式的に図示する。システム10は、本明細書に説明されたように、部材22、24、および26(部材26のみが、
図6で視認可能である)を介して機械的に連結される脚部36および38を有するフレーム20を含む。フレーム20は、図示されるように、支持表面または地面上に置かれる。フレーム20は、脚部36および38の上端に位置する別個の台座またはフランジであるものとして
図6に図示される上部プレート40も含む。排出コンテナ支持体70は、図示される実施形態において、フレーム20の内側に位置する。排出コンテナ支持体70は、支持体70の排出コンテナ受け取り部分76を介して一緒に接合される側面部材72および74を含む。排出コンテナ支持体70の側面部材72および74は、それらの上端において秤台60に機械的に連結されるか、または、取り付けられる。
【0096】
図6における制御ユニット100は、図示される実施形態において、フレーム20によって支持される。制御ユニット100は、本明細書に説明されるような制御弁106aおよび106bを含む。使い捨てセット110は、新鮮PD液供給コンテナ144、使用済みPD液排出コンテナ140、および管類を間に含み、それは、下で詳細に説明される。管類に関する、および使い捨てセットの他の構成要素に関する要素番号が、機械15との使用中のそれらの位置付けのための一実施形態を示すために
図6で提供される。新鮮液管類120a、120b、120cが、新鮮PD液供給コンテナ144から新鮮PD液(患者への)弁106aを通して患者Pまで伸びている。使用済み液管類120a、120b、120cが、患者Pから使用済みPD液(患者からの)弁106bを通して使用済みPD液排出コンテナ140まで伸びている。新鮮PD液は、新鮮PD液供給コンテナ144から患者Pまで、および患者P(例えば、吸い上げを介して)から使用済みPD液排出コンテナ140まで重力流動する。
【0097】
図6に図示されるように、秤台60、排出コンテナ支持体70、新鮮PD液供給コンテナ144、使用済みPD液排出コンテナ140、および使い捨てセット110の関連付けられる管類の全ては、秤台60/排出コンテナ支持体70と上部プレート40/フレーム20との間に位置する1つ以上のロードセル50によって支持される。1つ以上のロードセル50は、制御ユニット100によって給電され、ロードセル重量信号を制御ユニット100に送信する。任意の残留新鮮PD液、任意の収集された使用済みPD液、および患者からの任意の収集されたUFの複合重量は、故に、1つ以上のロードセル50によって監視される。1つ以上のロードセル50が把握しない液重量は、現在患者P内に存在している液の重量である。患者充填を計算および計測するために、したがって、制御ユニット100は、重量の規定された減少が1つ以上のロードセル50を介して記録されるまで、弁106aを通して充填する。所望の充填重量が、記録されると、制御ユニット100は、弁106aを閉鎖する。患者排出(使用済みPD液およびUFを含む)を計算および計測するために、制御ユニット100は、弁106bを通して排出し、患者排出が完了するまで、1つ以上のロードセル50を介して重量の増加を記録し、それは、少なくとも部分的に、生成され得るUFの種々の量に起因する重量の規定された増加である場ことも、そうでないこともある。患者排出が、例えば、ロードセル50による流出重量の増加の減速の自動決定または手動観察を介して完了すると、制御ユニット100は、弁106bを閉鎖する。
【0098】
システム10の新鮮PD液供給コンテナ144および使用済みPD液排出コンテナ140を吊り下げるための上で説明される構成は、いくつかの理由により有利である。第1に、議論されるように、全ての非患者液重量が、同じ1つ以上のロードセル50によって感知され、それは、ロードセル設置および液重量計算を効率化する。第2に、上部プレート40、ロードセル50、および秤台60を介した、ロードセルおよびプレート上プレートまたは台構成が、ロードセル50の出力が評価されることを可能にする。一実施形態におけるロードセル50の各々は、理論上、各々が同じ重量を感知するように、秤台60の期待質量中心および台が支持する合計重量から等しく、または、ほぼ等しく間隔を置かれる。制御ユニット100は、ロードセル50の各々からの重量を合計し、感知される合計重量に到達する。例えば、感知される合計重量が、60キログラム(「kg」)である場合、各ロードセルは、約15kgを読み取るはずである。制御ユニット100は、ロードセルのうちの1つが、一貫して、例えば、プラスまたはマイナス10パーセントだけ、他のロードセルと異なるように読み取っている場合、制御ユニットが、アラートをユーザインターフェース102に、おそらく、加えて、または代替として、ネットワークを経由してサービシングハブ、サーバ、および/またはポータルに送信し、点検または交換のために外れているロードセルをスケジュールするようにプログラムされ得る。複数のロードセル50の提供は、故に、自己調整タイプのシステムをもたらす。
【0099】
複数のロードセル50は、その意図された位置から傾けられた場合でさえも、秤台60が正確に読み取ること、および傾きが生じるときの自己診断も可能にする。傾くと、複数の(例えば、4つの)ロードセルからの読み取り値は、依然として、正確に合計重量を追加するはずであるが、ここにおいて、2つのロードセル50は、互いに一貫して読み取るが、集合的に他の2つのロードセル50と異なるように読み取り得る。例えば、再度、60kgの合計重量を仮定すると、ロードセルのうちの2つが、16kgを読み取り得る一方で、他の2つのロードセルは、14kgを読み取り得る。この傾き例において、制御ユニット100は、秤台60がその意図された位置から傾けられていることを認識し、全ての袋がシステム10から除去されると、ユーザに傾き問題を解決させるためにアラートをユーザインターフェース102に送信するようにプログラムされ得る。
【0100】
患者充填および排出に関して、治療中、患者は、新鮮PD液が新鮮コンテナから患者まで、および患者から使用済みPD液排出コンテナまで重力流動し得るように、典型的に、上側新鮮PD液供給コンテナと下側使用済みPD液排出コンテナとの間に座っているか、または眠っている。しかしながら、治療中の患者が排出コンテナ弁106bの下方に座っている場合、または眠っている場合、システム10は、サイフォン技法を使用し、使用済みPD液が排出弁106bを通して上に、次いで、排出ラインを下って使用済みPD液排出コンテナまで流動することを可能にする。そうするために、治療に先立って、制御ユニット100は、新鮮PD液コンテナから新鮮PD液を流動させ、供給ラインおよび患者ライン(通気キャップを具備し得る)と、排出ラインの少なくとも一部(排出弁106bまで、および/またはそれを越えて延びている)とから空気を放出するプライミング手技を実施する、プライミングされた使い捨てセット110は、吸い上げが生じることを可能にする。
【0101】
図5および6は、制御ユニット100が、電子機器108も含むことを図示する。電子機器108は、オン/オフスイッチ、AC電源プラグおよび/またはコード、例えば、電気絶縁を提供し得る1つ以上のコンバータ(例えば、1つ以上の変圧器を含む)、およびデータ入出力ポートのうちのいずれか1つ以上のものを含み得る。電子機器は、制御ユニット100が、例えば、インターネットまたは他の広域ネットワークを介して遠隔サーバにアクセスすることを可能にするイーサネット(登録商標)カードまたは他のデバイスも含み得る。制御ユニット100は、遠隔サーバからデバイスプログラムを受信するようにプログラムされ得る。デバイスプログラムは、下で説明される自動腹膜透析(「APD」)およびデバイス支援持続的携帯型腹膜透析(「DA-CAPD」)治療を実行し得る。
【0102】
図4および5は、機械15がプリント回路基板44から制御ユニット100まで延びている電気/信号ケーブル42を含むことを図示する。
プリント回路基板44およびケーブル42は、電力をロードセル50に運び、制御ユニット100へおよびそれから1つ以上の異なるタイプの信号を搬送するように構成された導体を含み、導体は、例えば、ロードセル50から重量信号を搬送する第1の導体、上壁64bの下面に沿って位置する熱電対またはサーミスタから温度信号を搬送する第2の導体、
および/または、他のタイプのセンサ信号を搬送する他の導体(例えば、漏出供給袋140を探すように供給コンテナ受け取りトレイ80内に位置付けられた1つ以上の湿潤または伝導度センサ)を含む。
【0103】
図7Aおよび7Bは、上部プレート40、ロードセル50、および秤台60をより詳細に図示する。図示される実施形態におけるフレーム20の脚部36および38が、上部プレート40にボルト留めされる一方で、図示される実施形態における部材72および74は、秤台60にボルト留めされる。
図7Aは、例えば、上部プレート40と秤台60との間に位置する4つのロードセル50を図示する。
図7Aは、ロードセル50と動作するプリント回路基板44もより詳細に図示する。
図7Aは、加えて、上部プレート40が、秤台60に形成された篏合開口68を通して延びているピンまたはボルト46を用いて取り付けられ、上部プレート40に対して秤台を中心に置き、上部プレート40に対する秤台60の側方移動をさらに制限する一方で、秤台が上部プレートに対して垂直に移動することを可能にし得ることを図示する。
【0104】
図7Bは、ロードセル50が、一実施形態において、上部プレート40にボルト留めされる一方で、秤台60がロードセル50の上で浮動することを図示する。
図7Bは、秤台60が側壁62に接続され、またはそれと形成され得、側壁が、カバー64を支持することをさらに図示する。カバー64は、前壁64aと、上壁64bと、後壁64cと、側壁64dとを含む。側壁62およびカバー64は、秤台60とともに浮動する。カバー64は、秤台60がどのロードセル50からも外れて移動させられることを防止する。
【0105】
供給コンテナ受け取りトレイ80が、提供され、カバー64の上壁64b上に置かれるか、またはそれにボルト留めされる。供給コンテナ受け取りトレイ80は、使い捨てセット110の1つ以上の新鮮PD液供給コンテナを受け取るようにサイズを決定される。図示される実施形態において、側壁62は、トレイ80の中に設置される少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナの前端が、コンテナの後端より低く存在するように、カバー64の上壁64bと供給コンテナ受け取りトレイ80とが傾けられるように、角度を付けられる。少なくとも1つのコンテナの前端は、使い捨てセットの管類に接続するポートを含む。少なくとも1つの新鮮PD液供給コンテナの傾けられた配置は、コンテナ内の空気が、コンテナの高度を上昇させられた後端に向かって移動することを可能にする。
【0106】
図示される実施形態において、抵抗加熱コイル66が、カバー64内に設置され、例えば、カバー64の上壁64bの下面に取り付けられる。
図7Bに断面で図示される加熱コイル66は、カバー64の上壁64bの底部に沿って前後に蛇行し得る。加熱コイル66は、電気的観点から単一のコイルを形成するか、または、2つ以上のコイルに分解され得る。ある実施形態における加熱器66は、上壁64bの下面に沿って位置する温度センサ(図示せず)と共に動作し、温度センサフィードバックを制御ユニット100に提供し、所望の新鮮PD液温度を達成する加熱器66の出力を制御することに役立つ。ある実施形態において、電子機器44は、温度フィードバックを促進するためのアナログ/デジタルコンバータを含む。ある実施形態において、制御ユニット電子機器108は、回路、例えば、入って来る交流(「AC」)電圧を感知するセンサと、制御ユニット100が感知されたAC電圧に基づいて切り替えるスイッチ(例えば、金属酸化膜電界効果トランジスタトランジスタ(「MOSFETS」)とを含み、それによって、加熱コイル66は、入力AC電圧にかかわらず同じ加熱電力を受け取る。加熱器電力のための上で説明されるスイッチおよび/またはセンサは、代替として、上部プレート電子機器44に位置し得る。電子機器108は、機械15がAC電圧入力にかかわらず動作させられ得るように、例えば、90VAC~240VACのAC入力の範囲を受け入れるコンバータも含み得る。コンバータは、所望の形態で所望の電圧も出力し、例えば、機械15の器具、センサ、および制御ユニット100の電力要件に応じて、120VACを12VDCに変換し得る。
【0107】
加熱コイル66からの配線(図示せず)は、電気/信号ケーブル42を介して制御ユニット100まで伸びている。制御ユニット100は、コンテナ受け取りトレイ80上に設置されるそのコンテナ内の新鮮PD液を体温(例えば、37℃)まで温めるように加熱コイル66を制御する。制御ユニット100は、コイル66へのオン/オフ電力デューティサイクルを使用して、新鮮PD液を加熱し得る。カバー64(カバー64は、曲げられ、一緒に溶接される単一の金属片であり得る)の上壁64bおよびいずれか1つ以上の他の壁は、アルミニウム、鋼鉄、またはステンレス鋼等の熱伝導性材料から作製され得る。コンテナ受け取りトレイ80も、同様に、加熱コイル66からの熱が、コンテナ受け取りトレイ80上に設置されるPD液コンテナに容易に伝導し得るように、アルミニウム、鋼鉄、またはステンレス鋼等の熱伝導性材料から作製され得る。図示される実施形態において、コンテナ受け取りトレイ80の前および側壁は、ユーザが過剰な熱を感じることなくそれらの表面に触れ得るように、断熱性材料82(例えば、高融点ポリマー、織物、繊維ガラス、またはおそらく、断熱塗料)でコーティングされ得る。
【0108】
ここで
図8を参照すると、ロードセル50に関する一実施形態が、図示される。図示される実施形態において、ロードセル50は、図示されるように、ロードセル50を上部プレート40に整列させ、固定する金属(例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、またはアルミニウム)、繊維ガラス、またはプラスチック(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)カップ52を含む。カップ52は、ロードセルセンサ54を保持し、ロードセルセンサ54の配線(電力および信号、図示せず)は、カップ52から制御ユニット100の中に伸びている電気/信号ケーブル42まで延び得る。
【0109】
圧縮性過負荷ブッシング56、例えば、ポリウレタン化合物または圧縮性シリコーンまたはシリコーンフォームが、図示されるように、カップ52内で保持され、秤台60に接触している。コイルばねが、可撓性材料の代わりに使用され得るが、過剰な周期的運動を受け得、それは、補正のためのソフトウェアフィルタリング/減衰を要求し得る。ソフトウェアフィルタリングが、ブッシング56に使用される材料(ポリマーまたは金属)または圧縮性構造(化合物、フォーム、またはばね)のタイプにかかわらず実装され得ることを理解されたい。いずれの場合も、ソフトウェアフィルリングは、システム10に存在する機械雑音(振動および他の摂動)の影響を軽減する。
【0110】
圧縮性過負荷ブッシング56およびカップ52は、負荷の急激な変化(例えば、袋の設置に起因する追加)から、および重量の過負荷から、ロードセンサ54を保護する。過負荷ブッシング56は、カップ52の上部と秤台60の底部との間の間隙Gを維持するようにサイズを決定され、配置される。このように、圧縮性過負荷ブッシング56、ロードアプリケータ58、およびロードセルセンサ54は、秤台60の上に設置され(新鮮PD液重量)、それから垂れ下がる(使用済みPD液重量)全重量を把握する。ブッシング材料は、負荷の適用に対して既知の割合で収縮し、負荷が着目測定範囲を通して増加させられるとき、徐々に閉鎖する間隙Gを緩和するように選択される。間隙Gは、負荷が着目範囲を超えて増加し、ロードセルセンサ54の過負荷限界に接近すると、完全に閉鎖された状態になる。完全に閉鎖された間隙は、全ての過剰な負荷をカップ52に移し、過負荷が起こり得る前にロードセルセンサ54を保護する。
【0111】
金属(例えば、ステンレス鋼、鋼鉄、またはアルミニウム)またはプラスチック(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン)ロードアプリケータ58が、圧縮性過負荷ブッシング56の下に位置し、重量を可撓性過負荷ブッシング56からロードセルセンサ54に移し、それは、次に、対応する重量信号を制御ユニット100に送信する。
図8にも図示されるように、ねじ、ペグ、または他のタイプの部材が、秤台60から圧縮性過負荷ブッシング56の中へ下に延び、所望の場所でロードセル50上に台60を設置し、台がロードセル50から外れてスライドすることを防止する。
(使い捨てセット)
【0112】
ここで
図9を参照すると、使用の準備ができている完全に接続された使い捨てセット110の一実施形態が、図示される。新しい患者ライン112が、新しいマルチポートコネクタ130aまたは130bの第1のポート(下で説明される)に接続される。新しい供給ライン120は、枝120bおよび120cを介して2つの(またはそれを上回る、または単一のみのコンテナ)満杯の新鮮PD液供給コンテナ144(例えば、袋)に接続され、かつ、その共通区分120aを介して新しいマルチポートコネクタ130aまたは130bの第2のポートに接続される。新鮮PD液供給コンテナ144は、ある実施形態において、供給コンテナ144が、排出コンテナ140として後に使用されるとき、患者の除去された限外濾過(「UF」)体積を保持するための余剰容積を有するように、供給コンテナ144内で保持される新鮮PD液の量に対して、例えば、10パーセント以上大きくサイズを決定される。代替として、標準的にサイズを決定された供給コンテナ144は、標準コンテナが、排出コンテナとして後に使用されるとき、追加のUF体積を繰り返し保持することが可能であるかどうかを確認するために試験され得るように、典型的に、空気で充填されたある量の空の空間を具備する。再利用される供給ライン120’(ここにおいて、排出ライン)が、枝120b’および120c’を介して2つの(またはそれを上回る、または単一のみのコンテナ)空の使用済みPD液排出コンテナ140(例えば、袋)に接続され、かつ、その共通区分120a’を介して新しいマルチポートコネクタ130aまたは130bの第3ポート(下で説明される)に接続される。
【0113】
治療後、または治療の24時間サイクル後、制御ユニット100は、任意の残留新鮮供給液が排出コンテナ140に送達されるようにし、供給ライン120とともに再利用される準備ができているように、PD液供給コンテナ144を空にし得る。使用済みPD液排出コンテナ140は、患者流出物(および未使用の新鮮な液)で満たされており、患者ライン112とともに廃棄される。
図9-11から、使い捨てセット110が使い捨て品のコストおよび廃棄物をかなり削減することを理解されたい。
【0114】
ここで
図10を参照すると、包装されたとき、またはその包装から除去されたときの使い捨てセット110の一実施形態が、図示される。使い捨てセット110は、ガンマ線、蒸気、および/またはエチレンオキシドを介して滅菌される包装内で提供される。図示される実施形態において、使い捨てセット110は、新鮮PD液供給コンテナ144または使用済みPD液排出コンテナ140と共に包装されない。代わりに、一実施形態において、新鮮PD液供給コンテナ144が、滅菌され、別個に提供される一方で、使用済みPD液排出コンテナ140は、排出ライン120’とともに、前の治療からの使い捨てセットとともに提供される。現在の治療からの供給ライン120および新鮮PD液供給コンテナ144は、後続の治療で排出ライン120’および使用済みPD液排出コンテナ140として再利用される。前の治療からの供給ライン120および新鮮PD液供給コンテナ144を現在の治療で排出ライン120’および使用済みPD液排出コンテナ140として再利用することは、使い捨て品の廃棄物およびコストを削減する。
【0115】
使い捨てセット110の管類は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、シリコーン、ポリプロピレン(「PP」)、ポリエチレン(「PE」)、およびそれらの混成物等の好適な医療グレード材料から作製され得る。使い捨てセット110のコネクタは、PVC、シリコーン、PP、PE、およびそれらの混成物等の好適な医療グレード材料から作製され得る。使い捨てセット110のPD液供給コンテナおよびPD液排出コンテナは、上でリストアップされる材料等の好適な医療グレード材料から作製され得る。
【0116】
図10は、包装されたときの使い捨てセット110が、第1の端部において、患者の留置カテーテル(図示せず)に接続するように構成された第1のコネクタまたは患者コネクタ114を含むか、またはそれに取り付けられる患者ライン112を含むことを図示する。患者は、例えば、患者の腹膜腔内に埋め込まれたPDカテーテルに繋がる患者移送セットを有し得る。患者コネクタ114は、システム10を使用する治療まで、患者コネクタキャップ116によって保護され、治療の時点で、患者は、キャップ116を除去し、患者コネクタ114を患者の移送セットに接続する。キャップ116は、上で議論されるプライミング中、空気が患者ラインから雰囲気に変位させられることを可能にするように、疎水性フィルタまたは通気口に取り付けられ得る。患者ライン112は、第2の端部において、Y-コネクタまたはT-コネクタ等のマルチポートコネクタ130aまたは130bの1つのポートに接続する。患者コネクタ114およびマルチポートコネクタ130aまたは130bへの患者ライン112の接続は、同じであることも、異なることもあり、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続のうちのいずれかであり得る。マルチポートコネクタ130aおよび130bの例示的実施形態が、下で詳細に議論される。
【0117】
図10は、包装されたときの使い捨てセット110が、Y-コネクタまたはT-コネクタ122から第1の枝120bおよび第2の枝120cに分岐する共通区分120aを有する供給ライン120を含むことを図示する。枝120bおよび120cは、例えば、スパイクであり得る第1のコネクタまたは供給コンテナコネクタ124において終端する。スパイク124は、第1および第2のPD液供給コンテナの篏合コネクタ(図示せず)にスパイクするように構成される。図示される実施形態におけるスパイク124は、先端保護具126によって被覆される。先端保護具126は、PD液供給コンテナをスパイクする時間まで、スパイク124を保護し、その時点で、先端保護具が除去される。コネクタ124は、代替として、圧縮(例えば、圧入)、ホース返し、またはルアーコネクタであり得る。ラインクランプ128が、図示される実施形態において、所望に応じて供給ライン120を閉鎖または開放するために共通区分120aに設置される。
【0118】
供給ライン120の共通区分120aは、任意の好適なタイプの接続、例えば、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または、熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して、第2のコネクタまたは壊れやすいコネクタ150aまたは150bにおいて終端する。壊れやすいコネクタ150aまたは150bは、次に、任意の好適なタイプの接続、例えば、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して、マルチポートコネクタ130aまたは130bの第2のポートに接続する。壊れやすいコネクタ150aまたは150bは、残留二次接続部分が、マルチポートコネクタ130aまたは130bの第2のポートに接続する壊れやすいコネクタ150aまたは150bの部分から断ち切られることを可能にする壊れやすい部分を含む。壊れやすいコネクタ150aまたは150bの残留二次接続部分は、任意の好適なタイプの接続、例えば、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、マルチポートコネクタ130aまたは130bの第3のポートにシールし、供給ライン120および1つ以上の新鮮PD液供給コンテナ144が、後続の治療で排出ライン120’および1つ以上の使用済みPD液排出コンテナ140としての役割を果たすことを可能にするように構成される。
【0119】
図10に図示されるように、マルチポートコネクタ130aまたは130bの第3のポートは、最初、キャップ118を具備し得、キャップは、以前の透析治療からの供給ライン120および壊れやすいコネクタ150aまたは150bの二次接続部分が、現在の透析治療のための排出ライン120’として使用されることを可能にするように、除去可能であり、再度、以前の透析治療からの二次接続部分は、透析治療のためにマルチポートコネクタ130aまたは130bの第3のポートに除去可能にシールするように構成される。
【0120】
図11は、使用後の
図10からの使い捨てセット110を図示する。プラス符号の左側の構造が、後続の治療に再利用される一方で、プラス符号の右側の構造は、廃棄される。特に、
図10からの供給ライン120は、
ここで、排出ライン120’になり、排出ライン120’は、共通区分120a’を含み、共通区分120a’は、残留二次コネクタ150a、150bと枝120b’および120c’とに接続され、枝120b’および120c’は、ここでは空の供給袋140に接続されるコネクタ124に繋がり、それらは、再利用されるが、患者コネクタ114に繋がり、かつマルチポートコネクタ130aまたは130bに繋がる(その第2のポートにおいて、二次コネクタ150a、150bから断ち切られた小型区分に接続される)患者ライン112は、廃棄される。ラインクランプ128は、ここでの排出ライン120’を閉鎖する前、可能な限り深く二次コネクタ150a、150bに向かって押され、次の治療に先立って空気が排出ライン120’の可能な限り大部分に進入することを防止し得る。ラインクランプ128を閉鎖することは、後続の透析治療のために新しい排出ライン120’を接続する前の新鮮PD液コンテナからの残存溶液の流出も防止する。
【0121】
ここで
図12を参照すると、マルチポートコネクタ130aに関するある実施形態が、図示される。マルチポートコネクタ130aは、上で説明される医療グレードコネクタ材料のうちのいずれかから作製され得る。マルチポートコネクタ130aは、熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して患者ライン112に接続するための第1のポート132を含む。マルチポートコネクタ130aは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して供給ライン120に接続するための第2のポート134を含む。マルチポートコネクタ130aは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して再利用される供給ライン120’に接続するための第3のポート136を含み、再利用される供給ライン120’は、ここにおいて、上で説明されるような排出ラインとしての機能を果たす。
【0122】
図示されるようなマルチポートコネクタ130aの第3のポート136は、マルチポートコネクタの残部と一体的に成型され得るフランジ138を含む。フランジ138は、図示されるような複数の開口138aおよび138bを含むか、または画定し、それらは、下で議論されるように、壊れやすいコネクタからのフックを捕捉するために使用される。
【0123】
図13Aおよび13Bは、壊れやすいコネクタ150aのある実施形態をより詳細に図示する。壊れやすいコネクタ150aは、マルチポートコネクタ130aの第3のポート136に密閉状態で接続するように構成される。壊れやすいコネクタ150aは、上で説明される医療グレードコネクタ材料のうちのいずれかから作製され得る。壊れやすいコネクタ150aは、廃棄される区分152を含み、廃棄される区分152は、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介してマルチポートコネクタ130aの第2のポート134に接続するポート154を有する。壊れやすいコネクタ150aは、残留区分156も含み、残留区分156は、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して、供給ライン120に接続するポート158を有する。
【0124】
廃棄される区分152と残留区分156とは、壊れやすい区分またはライン160によって互いに分離される。ユーザは、残留区分156および取り付けられた供給ライン120(再利用される)を、区分152、取り付けられたマルチポートコネクタ130a、廃棄される接続された患者ライン114、および排出ライン(前の治療からの供給ライン120)から断ち切り、それらは、廃棄される。壊れやすい区分またはライン160は、その破断力が、高齢であり得る患者に過度ではないように構成される。そのような力は、約10ニュートン~約60ニュートンであり得る。残留区分156は、壊れやすいライン160において終端する二次接続部分162を含む。二次接続部分162は、マルチポートコネクタ130aの第3のポート136に除去可能にシールするようにサイズを決定され、配置される。例えば、二次接続部分162の最大外径が、5.60ミリメートル(mm)であり得る一方で、第3のポートの最小内径は、5.0mmであり、二次接続部分162とマルチポートコネクタ130aの第3のポート136との間に圧縮または圧入を引き起こし得る。
【0125】
残留区分156は、アーム164および166の遠位端に位置するフック168がマルチポートコネクタ130aの第3のポート136の開口138aおよび138bの中にスナップ嵌めし得るように、曲がるように構成されたアーム164および166(壊れやすいコネクタ150aと一体的に成型され得る)も含むか、または画定する。二次接続部分162およびフック168を、マルチポートコネクタ130aの第3のポート136に、かつそれから接続するために必要とされる力の複合量は、良好なシールを提供する一方で、高齢であり得る患者に過度に負担ではないように選択される。例えば、接続するための力が、約40ニュートン~約90ニュートン(例えば、50ニュートン)であり得る一方で、結果として生じるシール力は、約100ニュートン~約220ニュートンであり得る。
【0126】
ここで
図14Aおよび14Bを参照すると、マルチポートコネクタ130bに関するある実施形態が、図示される。マルチポートコネクタ130bは、上で説明される医療グレードコネクタ材料のうちのいずれかから作製され得る。マルチポートコネクタ130bは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して患者ライン112に接続するための第1のポート142を含む。マルチポートコネクタ130bは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して、供給ライン120に接続するための第2のポート146を含む。マルチポートコネクタ130bは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して再利用される供給ライン120’に接続するための第3のポート148を含み、再利用される供給ライン120’は、ここにおいて、上で説明されるような排出ラインとしての機能を果たす。図示されるようなマルチポートコネクタ130bの第3のポート148は、マルチポートコネクタの残部と一体的に成型され得るフランジを含む。フランジは、マルチポートコネクタ130bの手動操作のために使用され、マルチポートコネクタ130aおよび壊れやすいコネクタ150aを用いた場合のような壊れやすいコネクタ150bへの取り付けのためではない。
【0127】
図15Aおよび15Bは、壊れやすいコネクタ150bのある実施形態をより詳細に図示する。壊れやすいコネクタ150bは、マルチポートコネクタ130bの第3のポート148に密閉状態で接続するように構成される。壊れやすいコネクタ150bは、上で説明される医療グレードコネクタ材料のうちのいずれかから作製され得る。壊れやすいコネクタ150bは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して、マルチポートコネクタ130bの第2のポート146に接続するポート174を有する廃棄される区分172を含む。壊れやすいコネクタ150bは、圧縮(例えば、圧入)接続、ホース返し接続、またはルアー接続を介して、および/または熱接合、溶剤接合、超音波接合、接着接合等の接合を介して、供給ライン120に接続するポート178を有する残留区分176も含む。
【0128】
廃棄される区分172と残留区分176とは、壊れやすい区分またはライン180によって互いに分離される。ユーザは、残留区分176および取り付けられた供給ライン120(再利用される)を、廃棄される区分172、取り付けられたマルチポートコネクタ130b、廃棄される接続された患者ライン114、および排出ライン(前の治療からの供給ライン120)から断ち切る。壊れやすい区分またはライン180は、その破断力が、高齢であり得る患者に過度ではないように構成される。そのような力は、約10ニュートン~約60ニュートンであり得る。残留区分176は、壊れやすいライン180において終端する二次接続部分182を含む。二次接続部分182は、マルチポートコネクタ130bの第3のポート148に除去可能にシールするようにサイズを決定され、配置される。例えば、二次接続部分182の最大外径が、6.00ミリメートル(mm)であり得る一方で、第3のポート148の最小内径は、再度、5.0mmであり、二次接続部分162とマルチポートコネクタ130bの第3のポート148との間に圧縮または圧入を引き起こし得る。
【0129】
壊れやすいコネクタ150bは、余剰接続を提供するために壊れやすいコネクタ150aを用いて行われるようにアームを含まない。代わりに、二次接続部分182の最大外径は、壊れやすいコネクタ150aの二次接続部分182のそれより大きいように作製される。二次接続部分182をマルチポートコネクタ130bの第3のポート148に接続するために必要とされる力の量は、それにもかかわらず、二次接続部分162およびマルチポートコネクタ130aの第3のポート136のためのそれと同一であるか、または類似し、例えば、約40ニュートン~約90ニュートン、例えば、50ニュートンであり得る。
(PD治療)
【0130】
システム10は、患者のために自動患者充填、滞留、および排出を実施する。重力供給式透析機械15の制御ユニット100が、患者が想起し得る治療を記憶すること、および/または患者が所与の日のための治療を構築または形成することを可能にするテンプレートを記憶することが想定される。いずれの事例でも、自動腹膜透析(「APD」)治療またはデバイス支援持続的携帯型腹膜透析(「DA-CAPD」)治療のいずれかを実施する選択肢を患者に提供することが想定される。APD治療とDA-CAPD治療との間の主要な差異は、(i)DA-CAPDと対比してAPD治療により多くの自動サイクルが存在すること、および、(ii)APD治療のための充填体積がDA-CAPD治療のためのそれと異なること(典型的に、より少ない)、(iii)APD治療のための滞留時間が、DA-CAPD治療のためのそれと異なる(典型的に、より少ない)ことによる。DA-CAPD治療は、おそらく、APD治療より多くの手動交換ステップも有するであろうが、しかしながら、APD療法計画が、1回以上の手動日中液交換を含むことが可能である。
【0131】
図16は、機械15のディスプレイデバイス102上に表示されるAPD治療200を図示する。供給コンテナ受け取りトレイ80が新鮮透析液の2つの5リットルコンテナを保持すると仮定すると、APD治療200の6回の自動充填の各々は、約1.6リットルの充填体積を含み得る。9時間の合計治療時間を仮定すると、5回の短いサイクルの各々は、約108分持続し、各サイクルにおける滞留時間が約80~100分のサイクルであるようにする。機械15は、機械15を用いた次の夜間治療まで、日中に患者に残留する最後の充填体積を提供する。図示される実施形態におけるAPD治療200は、手動交換を有していない。
【0132】
図17-19内の下記の3つのDA-CAPD例に関して、現在の使い捨てセット110の供給コンテナ144の両方は、供給コンテナが、上で議論されるように新しい使い捨てセット110とともに排出コンテナとして使用され得るように、新しい使い捨てセット110が導入されるときに空である。供給コンテナ144は、DA-CAPDおよびAPDのために、新しい使い捨てセット110のための排出コンテナとして使用され得る。下記の例の各々は、任意の手動充填が、機械15に位置する供給コンテナ144からの新鮮透析液も使用するであろうと仮定するが、しかしながら、それは、要求されない。例えば、患者のルーチンは、機械15から離れて勤務時に実施される手動排出および充填を含み得る。そのような場合において、新しい使い捨てセット110を介して機械15上に装填される合計新鮮透析液体積は、新鮮な液が無駄にならないように、勤務時に実施される日中交換体積によって低減させられ得る。
【0133】
図17は、機械15のディスプレイデバイス102上に表示される第1のDA-CAPD治療210を図示する。再度、新鮮透析液の2つの5リットルコンテナを保持するための供給コンテナ受け取りトレイ80を仮定すると、図示される4つの合計サイクル(機械15によって実施される3回の患者充填)の各々は、約2.5リットルの充填体積を含み得る。新しいセット110が午後10時30分の交換時に装填されることも仮定すると、午後10時30分、午前3時、および午前7時30分に生じる充填の各々は、重力供給式PD機械15によって実施される。例えば、約4時間以上の午後10時30分~午前7時30分の間の自動滞留は、APDのためよりかなり長い。午前3時、午前7時30分、および午後10時30分に生じる排出も、同様に、重力供給式PD機械15によって実施される。午後6時に生じる排出および充填が、図示される実施形態において、手動で実施される一方で、午後10時30分に生じる排出は、手動で、または機械15を介して実施され得る。いずれの場合も、必要とされる患者労力の量は、かなり低減させられる。
【0134】
図18は、機械15のディスプレイデバイス102上に表示される第2のDA-CAPD治療220を図示する。再度、新鮮透析液の2つの5リットルコンテナを保持するための供給コンテナ受け取りトレイ80を仮定すると、図示される4つの合計サイクルの各々は、約2.5リットルの充填体積を含み得る。午後9時の交換時に装填されるべき新しいセット110も仮定すると、午後9時、午前1時30分、および午前6時に生じる充填の各々は、重力供給式PD機械15によって実施される。例えば、約4時間以上の午後9時~午前6時の間の自動滞留は、APDのためよりかなり長い。午前1時30分、午前6時、および可能性として午後9時に生じる排出も、同様に、重力供給式PD機械15によって実施される。午前10時30分に生じる排出および充填が、図示される実施形態において、手動で実施される一方で、午後9時に生じる排出は、手動で、または機械15を介して実施され得る。それにもかかわらず、再度、必要とされる患者労力の量は、かなり低減させられる。
【0135】
図19は、機械15のディスプレイデバイス102上に表示される第3のDA-CAPD治療230を図示する。再度、新鮮透析液の2つの5リットルコンテナを保持する供給コンテナ受け取りトレイ80を仮定すると、図示される4つの合計サイクルの各々は、約2.5リットルの充填体積を含み得る。午後11時の交換時に装填されるべき新しいセット110も仮定すると、午後11時、午前3時、および午前7時に生じる充填の各々は、重力供給式PD機械15によって実施される。例えば、150分以上の午後7時~午前7時の間の自動滞留は、APDのためよりかなり長い。午前3時、午前7時、および可能性として午後11時に生じる排出も、同様に、重力供給式PD機械15によって実施される。午後7時に生じる排出および充填が、図示される実施形態において、手動で実施される一方で、午後11時に生じる排出は、手動で、または機械15を介して実施され得る。それにもかかわらず、再度、必要とされる患者労力の量は、かなり低減させられる。
【0136】
APDとDA-CAPDとの間の1つの主要な差異は、滞留時間であることを理解されたい。サイクルあたりのAPD滞留が、通常、2.5時間より短い(典型的に、1.5~2時間)一方で、DA-CAPD滞留時間は、通常、3時間より長い(例えば、典型的に、4.5時間)。別の主要な差異は、合計充填体積である。DA-CAPDのための合計充填体積(例えば、6~8リットル)は、典型的に、APDのための合計充填体積(例えば、10~12リットル)より少ない。
図17-19内の例は、DA-CAPDのために2つの5リットル供給コンテナを使用した。供給コンテナは、代替として、患者が、例えば、勤務時に、手動交換のために別個の供給コンテナを使用する場合、3~4リットルまたはそれ未満を保持し得る。
【0137】
治療がAPD治療またはDA-CAPD治療であるかどうかにかかわらず、制御ユニット100は、新鮮PD液供給コンテナ144から患者まで流動する新鮮PD液に起因する重量の瞬間減少を記録することによって、患者充填の量を決定するように構成される。制御ユニット100は、治療のタイプにかかわらず、患者から使用済みPD液排出コンテナ140まで流動する使用済みPD液に起因する重量の瞬間増加を記録することによっても、患者排出の量を決定する。制御ユニット100は、次いで、2つの方法の一方またはその両方において、患者から除去される限外濾過(「UF」)の量を決定し、すなわち、(i)各充填、滞留、および排出サイクル後のUF量(ディスプレイデバイス104aを介して患者に表示され得る)を計算し、治療後、各サイクルに関するUF量を合計し、治療のために除去された合計UF(同様にディスプレイデバイス104aを介して患者に表示され得る)を計算するか、または、(ii)各充填、滞留、および排出サイクル後の充填量および排出量を合計し、次いで、治療の終わりの合計排出量から合計充填量を減算し、治療のために除去された合計UF(同様にディスプレイデバイス104aを介して患者に表示され得る)を決定し得る。
【0138】
本明細書に説明されるような機械15のロードセル構成に起因して、全ての液が新鮮PD液供給コンテナ144内に存在するか、全ての液が使用済みPD液排出コンテナ140内に存在するか、または液が供給コンテナ144と排出コンテナ140との間で分配されているかどうかは、制御ユニット100に問題ではないことを理解されたい。制御ユニット100は、関係なくロードセル50から瞬間重量を読み取る。重量区別因子は、患者に現在存在している液の量および患者から除去されたUFの量である。
【0139】
本明細書に説明される本好ましい実施形態への種々の変更および修正が、当業者に明白であろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図された利点を減退させることなく、行われることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付の請求項によって網羅されることが意図される。
【外国語明細書】