(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100915
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230711BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077886
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2018231710の分割
【原出願日】2018-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】515141056
【氏名又は名称】アセンブローグ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】橋田 浩一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザのニーズを高い精度で満たすリコメンドを生成できる情報処理装置及びプログラムを提供すること。
【解決手段】情報処理システム1において、情報処理装置10は、ユーザデータを格納し、格納されたユーザデータを出力するPDS(Personal Data Store)部12と、ユーザとの対話を通じてユーザデータを取得し、PDS部12に格納する対話部11と、事業者システム30から商品・サービスに係る情報を含むカタログデータを取得し、PDS部12が出力するユーザデータに基づいて、カタログデータから少なくとも一の商品・サービスのリコメンドを生成し、生成されたリコメンドをユーザに対して出力するマッチング部13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデータを格納し、格納されたユーザデータを出力するPDS(Personal
Data Store)部と、
ユーザとの対話を通じて前記ユーザデータを取得し、前記PDS部に格納する対話部と
、
事業者システムから商品・サービスに係る情報を含むカタログデータを取得し、前記P
DS部が出力するユーザデータに基づいて、前記カタログデータから少なくとも一の商品
・サービスのリコメンドを生成し、生成された前記リコメンドを前記ユーザに対して出力
するマッチング部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記PDS部は、ユーザ又は該ユーザにより認証された者のみがアクセスできるように
前記ユーザデータを格納する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対話部は、前記カタログデータに含まれる商品・サービスに対するユーザの評価を
前記ユーザデータとして更に取得する、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記マッチング部は、前記ユーザデータの各部分の前記リコメンドへの貢献度を更に出
力する、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
記憶部を備えるコンピュータに、
ユーザデータを格納し、格納されたユーザデータを出力するPDS(Personal
Data Store)部と、
ユーザとの対話を通じて前記ユーザデータを取得し、前記PDS部に格納する対話部と
、
事業者システムから商品・サービスに係る情報を含むカタログデータを取得し、前記P
DS部が出力するユーザデータに基づいて、前記カタログデータから少なくとも一の商品
・サービスのリコメンドを生成し、生成された前記リコメンドを前記ユーザに対して出力
し前記ユーザデータの各部分の前記リコメンドへの貢献度を更に出力するマッチング部と
、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザ(個人や事業者等)の様々なニーズを把握するために、クッキーID
等を用いて、情報端末による検索ログ、AIスピーカの利用履歴、及び購買履歴等のデー
タを取得することが行われている。このようにして取得されたデータは、各事業者がリコ
メンドサービスやターゲティング広告に用いている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザに対して施設情報のリコメンド通知を行うシステムが
開示されている。特許文献1に記載のシステムにおいては、ユーザのカレンダ情報及びユ
ーザ属性情報に基づいて、ユーザに予約を促すべき施設が判定され、当該施設に関する所
定のリコメンドが通知される。
【0004】
また、特許文献2には、SNSにおいてユーザのフレンドに対して所定のリコメンドを
通知するリコメンド装置が開示されている。当該リコメンド装置において、所定の条件が
満たされると、ユーザの公開情報及びユーザのフレンドの商品購入履歴に基づいて所定の
商品が選定される。そして、選定された商品を電子市場にて購入してユーザに贈与すべき
旨のリコメンドが、ユーザのフレンドに対して通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-174166号公報
【特許文献2】特表2016-125237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来は各事業者がそれぞれ独自にデータを収集し、当該データをリコ
メンドに活用している。しかしながら、各事業者が独自に収集したデータにはプライバシ
ー等に関する制限があるため、一の事業者が収集したデータを他の事業者が利用すること
は想定されていない。したがって、いずれの事業者もユーザのデータを総合的に収集する
ことはできず、ユーザの一側面のみに関する部分的なデータに基づいてリコメンドを生成
することとなり、ユーザのニーズを高い精度で満たすことは困難である。
【0007】
一方、ユーザ自身のデータを、事業者の手に委ねることなく、ユーザ自らが総合的に蓄
積・管理するPDS(Personal Data Store)という技術がある。P
DSにおいては、ユーザに関するあらゆる情報が一元的・総合的に管理される。このよう
にPDSにおいて管理されたユーザの総合的なデータを用いることにより、リコメンドの
精度が上がることが期待される。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザのニーズを高い精度で満たすリコメンドを生成できる情報処
理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザデータを格納し、格納されたユーザデー
タを出力するPDS(Personal Data Store)部と、ユーザとの対話
を通じてユーザデータを取得し、PDS部に格納する対話部と、事業者システムから商品
・サービスに係る情報を含むカタログデータを取得し、PDS部が出力するユーザデータ
に基づいて、カタログデータから少なくとも一の商品・サービスのリコメンドを生成し、
生成されたリコメンドをユーザに対して出力するマッチング部と、を備える。
【0010】
この態様によれば、対話部が、ユーザとの対話を通じて当該ユーザのパーソナルデータ
も含めた様々なユーザデータを取得する。そして、対話部が取得したユーザデータは、P
DS部において当該ユーザによって所定のアクセスが制限された状態で管理される。そし
て、マッチング部は、当該ユーザデータと事業者システムから取得したカタログデータと
に基づいて所定のマッチング処理を行い、ユーザに対する商品・サービスのリコメンドを
生成及び出力する。したがって、ユーザに関するデータ(パーソナルデータ)に基づいて
、ユーザのニーズを高い精度で満たすリコメンドを生成することが可能となる。そして、
このように精度の高いリコメンドは、商品・サービスの購入や利用の頻度の向上につなが
る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザのニーズを高い精度で満たすリコメンドを生成できる情報処理
装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理装置及び情報処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るユーザ端末10のハードウェアの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係るユーザデータの取得及び格納処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係るマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る情報処理装置の概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。(なお、各図におい
て、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。)
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置及び情報処理システムの概略構成の一例を示
す図である。
図1に示すとおり、第1実施形態に係る情報処理装置は、ユーザ端末10と
して具現されている。情報処理システム1は、ユーザ端末10と、事業者システム20と
を備える。
【0015】
(1)機能構成
(1-1)ユーザ端末
ユーザ端末10は、例えば、一般の消費者や勤労者としてのユーザが使用する情報処理
端末である。ユーザ端末10は、ブロードバンド回線等の有線又は無線のネットワークを
介して、所定の事業者が管理する事業者システム20と通信可能に接続される。ユーザ端
末10は、例えば、ユーザが利用するコンピュータであって、メモリ及びプロセッサ等を
備えている。ユーザ端末10は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末、ス
マートフォン等である。
【0016】
ユーザ端末10のメモリには、対話部11、PDS部12、及びマッチング部13を実
行するためのプログラムが格納されており、ユーザ端末10のプロセッサは、当該プログ
ラムを実行することにより対話部11、PDS部12、及びマッチング部13を実現でき
る。対話部11、PDS部12、及びマッチング部13は、ユーザ端末10のプロセッサ
により実行される機能モジュールであってもよいし、それぞれが単独で実行されるアプリ
ケーション(アプリ)であってもよい。
【0017】
(1-2)対話部
対話部11は、ユーザとの対話を通じて該ユーザに関するユーザデータを取得する。対
話部11は、例えば、対話エージェント、チャットボット、及びAIスピーカ等としての
機能(例えば、自然言語対話等)を有していてもよい。
【0018】
対話部11が取り扱うユーザデータの内容は、特に限定されないが、例えば、本人の基
本的な属性情報のみならず、興味、所属、友人関係、行動履歴、商品・サービスの購入・
利用履歴等の様々なものが含まれる。具体的には、ソーシャルネットワークの情報、購買
履歴、嗜好情報(ランニングの記録、ハイキングの記録等)、医療の履歴、銀行の入出金
の履歴等が含まれる。
【0019】
対話部11は、後述するユーザ端末10の出力装置114を介して、ユーザに対する質
問を出力する。対話部11は、ユーザ端末10に予め格納された質問データを取得して、
これを出力してもよいし、通信ネットワークを介して他のデータベース等から質問データ
を取得して、これを出力してもよい。また、対話部11は、後述するカタログデータに含
まれる商品・サービスに対するユーザの評価を問う質問を出力し、その回答を取得しても
よい。
【0020】
対話部11が出力する質問は、明示的に何かを問う狭義の質問に限らず、ユーザから何
らかの回答を促すように示唆する語りかけ、呼びかけ、うなずき等の表示・表明を広く含
む。質問の出力態様は特に限定されないが、例えば、出力装置114が表示装置として構
成される場合、当該表示装置に質問に係るテキストや画像等の任意のコンテンツを表示し
てもよい。或いは、出力装置114が音声出力装置として構成される場合、出力装置11
4から質問に係る音声を出力してもよい。対話部11は、表示装置としての出力装置11
4に、(パーソナル)エージェント、アバタ等のキャラクタを表示させ、当該キャラクタ
が質問を発しているような態様で質問を出力してもよい。
【0021】
対話部11は、例えば、機械学習を用いて生成された学習モデルに基づき、取得したユ
ーザの回答の内容に応じて、その後の質問を適応的に変更してもよい。或いは、対話部1
1は、回答の内容に応じてその後の質問の内容が定められたシナリオ(予めユーザ端末1
0のメモリに記憶されたものでもよいし、他の情報処理装置やデータベース等から通信ネ
ットワークを介して取得したものでもよい)に基づいて、質問を出力してもよい。
【0022】
(1-3)PDS部
PDS部12は、ユーザ(個人や事業者)のデータ(ユーザデータ)を格納し、出力す
る機能を有する。
【0023】
<ユーザデータの範囲>
PDS部12は、ユーザデータを所定の記憶部に格納する。ユーザデータは、対話部1
1が収集したものでもよいが、これに限らず、他のアプリから取得したユーザデータや、
通信ネットワークを介して他の情報処理装置やデータベース等から取得したユーザデータ
を含んでもよい。PDS部12がユーザデータを格納する所定の記憶部は、例えば、後述
するユーザ端末10のメモリであってもよいし、外部のストレージであってもよい。
【0024】
<ユーザデータへのアクセス>
PDS部12は、ユーザ又は該ユーザにより認証された者のみがアクセスできるように
ユーザデータを格納してもよい。具体的には、PDS部12は、ユーザデータを秘匿化し
てもよい。ここで、秘匿化とは、ユーザデータへのアクセスを困難にすることをいう。例
えば、秘匿化には、暗号化や秘密分散等がある。
【0025】
(1-4)マッチング部
マッチング部13は、マッチング部の一例であって、ユーザデータに基づいて所定のリ
コメンドを生成する。
【0026】
マッチング部13は、例えば、事業者システム20から商品・サービスに係る情報を含
むカタログデータを取得する。そして、マッチング部13は、マッチング処理として、取
得したカタログデータの内容を解析して、PDS部12が格納したユーザデータに基づき
、カタログデータから少なくとも一の商品・サービスを選択しリコメンドを生成、出力す
る。
【0027】
マッチング部13が実行するマッチング処理の方法は、特に限定されないが、例えば、
ユーザの属性情報や購買情報等に基づいて、商品・サービスを選択してもよい。また、そ
のような属性情報、購買情報、及び嗜好情報等の事業者が取得可能な情報だけでなく、も
っと機微なパーソナルデータに基づいてマッチング処理が実行されてもよい。
【0028】
ここで、パーソナルデータとは、ユーザの個人情報を含むデータをいい、例えば、ユー
ザの悩み、嗜好、秘密や、性的指向、犯罪履歴等のユーザが他人から秘匿したいデータを
含む。また、パーソナルデータは、例えば対話部11との対話中やその他の場面において
ユーザが表明する、つぶやき等も広く含んでよい。
【0029】
マッチング部13は、所定の周期や、PDS部12が収集したユーザデータに更新があ
ったとき等の任意のタイミングで、カタログデータのリクエストを事業者システム20に
送信してもよい。
【0030】
マッチング部13は、前記ユーザデータの各部分がリコメンドにどの程度貢献したか(
リコメンドへの貢献度)を計算しこれを出力してもよい。ここで、ユーザデータの各部分
とは、例えば、上で列挙したユーザデータの具体例であってよい。たとえば、データのあ
る部分が実数値でありその値によってリコメンドの結果が微分可能のとき、その部分の貢
献度としてその導関数の値を用いることができる。
【0031】
マッチング部13は、ユーザデータの各部分のリコメンドへの貢献度を事業者システム
20に送信してもよい。それにより、事業者システム20は、ユーザデータの各部分をユ
ーザに提供した者に分配する報酬を算出してもよい。リコメンドに応じた購買が生じた場
合、その収益を貢献度に応じてデータ提供者にも分配することにより、より良質のパーソ
ナルデータがより多く本人に提供され、社会全体でより多くの価値が生まれると期待され
る。
【0032】
(1-5)事業者システム
事業者システム20は、例えば、商品・サービスの提供等の商品・サービスに係る事業
を行う事業体が管理・利用する情報処理システムである。事業者システム20を管理・利
用する事業体は特に限定されないが、例えば、商品の製造業者や販売業者、サービスの提
供者、卸売業者、小売業者(リアル店舗及び/又はECサイトを運営する者を含む)等を
含んでもよい。
【0033】
事業者システム20は、例えば、通信ネットワーク等を介してカタログデータをユーザ
端末10に送信する。カタログデータの内容は、事業者システム20を管理・利用する事
業体が提供する商品・サービス等に係るものであってよい。カタログデータには、例えば
、商品・サービスの各種情報(原材料、仕様、産地、製造業者名、販売ルート等)が、テ
キストや画像等のデータ形式を問わずに含まれてもよい。カタログデータは、商品・サー
ビスに関する売れ筋やランキング等の購入実績や、事業体からのお勧め商品・サービスに
関する情報や、口コミ情報を含んでもよい。
【0034】
事業者システム20は、所定の周期(時間、日、週、月、年その他任意の単位を含み、
周期が変動してもよい)や、カタログデータの更新時等の、任意のタイミングでカタログ
データをユーザ端末10に送信してもよい。或いは、事業者システム20は、ユーザ端末
10から取得したカタログデータのリクエストに応じて、カタログデータをユーザ端末1
0に送信してもよい。
【0035】
(2)ハードウェア構成
図2は、第1実施形態に係るユーザ端末10のハードウェアの概略構成の一例を示すブ
ロック図である。なお、事業者システム20も、以下に説明するユーザ端末10のハード
ウェア構成と同様のハードウェア構成を有していてもよい。
【0036】
図2に示すように、ユーザ端末10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)
102と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read Only Memory)10
6と、ドライブ装置108と、ネットワークI/F110と、入力装置112と、出力装
置114とを有する。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続され
ている。
【0037】
CPU102は、コンピュータの中で、各装置の制御やデータの演算、加工を行うプロ
セッサの一例である。CPU102は、RAM104又はROM106等のメモリに記憶
されたプログラムを実行する。CPU102は、入力装置112やネットワークI/F1
10などからデータを受け取り、演算、加工した上で、演算結果を出力装置114等に出
力する。
【0038】
RAM104は、例えば、主記憶部として構成されるメモリである。RAM104は、
CPU102が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケー
ションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶する記憶装置である。ROM106
は、例えば、補助記憶部として構成されるメモリであって、アプリケーションソフトウェ
アなどに関連するデータを記憶するメモリである。
【0039】
ドライブ装置108は、記録媒体116、例えばCD-ROMやSDカードなどからプ
ログラムやデータを読み出し、これをメモリにインストールする。また、記録媒体116
は、所定のプログラムやデータを格納し、この記録媒体116に格納されたプログラムや
データは、ドライブ装置108を介してユーザ端末10にインストールされる。インスト
ールされた所定のプログラムは、ユーザ端末10により実行可能となる。
【0040】
ネットワークI/F110は、通信機能を有する周辺機器とユーザ端末10とのインタ
ーフェースである。また、ネットワークI/F110は、例えば、有線及び/又は無線回
線などのデータ伝送路により構築されたLAN(Local Area Network)、WAN(Wide A
rea Network)などのネットワークを介して接続される。
【0041】
入力装置112は、例えば、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキー
ボードや、表示装置として構成された出力装置114の表示画面上でキーの選択等を行う
ためのマウスやスライドパッド等を有する。また、入力装置112は、例えば、ユーザの
音声を入力することの可能なマイクロフォン(マイク)等の音声入力装置として構成され
てもよい。また、入力装置112は、ユーザがCPU102に操作指示を与えたり、デー
タを入力したりするためのユーザインターフェースである。
【0042】
出力装置114は、例えば、表示装置及び/又は音声出力装置として構成される。出力
装置114は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により表示装置として構成
され、CPU102から入力される表示データに応じた表示が行われてもよい。また、出
力装置114は、スピーカ等により音声出力装置として構成され、CPU102から入力
される音声データに応じた音声を出力してもよい。
【0043】
なお、入力装置112や出力装置114は、ユーザ端末10の外部に設けられてもよい
。
【0044】
(3)情報処理システム1の処理
(3-1)ユーザデータの取得及び格納処理
図3は、第1実施形態に係るユーザデータの取得及び格納処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【0045】
(S201)
まず、対話部11は、ユーザに対する質問を出力する。出力の態様は特に限定されない
が、例えば、表示装置としての出力装置114にテキストや画像等の任意のコンテンツを
表示してもよいし、音声出力装置としての出力装置114から音声を出力してもよい。
【0046】
対話部11がユーザに対する質問を出力するタイミングは、特に限定されない。例えば
、ユーザ端末10が有する位置情報判定部(不図示)がユーザ端末10の位置の変化を判
定したときや、ユーザ端末10が事業者システム20からカタログデータを受信したとき
であってもよい。また、例えば、ユーザ端末10において対話部11が起動されたとき、
所定の時刻になったとき、対話部11が予め指定された内容の回答の入力を取得したとき
等であってもよい。
【0047】
(S202)
次に、対話部11は、ユーザがユーザ端末10の入力装置112を操作することにより
回答を入力すると、当該回答を受け付ける。ユーザからの回答方法は特に限定されず、例
えばユーザは、テキスト入力やボタン押下等を行うことにより回答してもよい。或いは、
ユーザは、音声発話で回答してもよい。
【0048】
(S203)
次に、PDS部12は、対話部11が受け付けたユーザからの回答(ユーザデータ)を
加工及び/又は秘匿化し、メモリに格納する。PDS部12は、ユーザ又はユーザから認
証を受けた者以外がアクセスできないように秘匿化した上で、ユーザデータをメモリに格
納してもよい。以上で、ユーザデータの取得及び格納処理が終了する。
【0049】
(3-2)マッチング処理
図4は、第1実施形態に係るマッチング処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
(S301)
まず、マッチング部13は、PDS部12が収集したユーザデータを取得する。ユーザ
データの取得元は、上述のとおりPDS部12が格納するメモリの場所に準じてもよく、
例えば、ユーザ端末10のメモリや、外部のストレージであってもよい。
【0051】
(S302)
次に、マッチング部13は、事業者システム20からカタログデータを取得する。カタ
ログデータの取得のタイミングは、上述のとおり、任意のタイミングでよい。
【0052】
(S303)
次に、マッチング部13は、PDS部12から取得したユーザデータと、事業者システ
ム20から取得したカタログデータとのマッチング処理を行う。具体的には、マッチング
部13は、ユーザデータに基づいて、カタログデータから当該ユーザに対してリコメンド
する商品・サービスを選択する。
【0053】
(S304)
次に、マッチング部13は、マッチング処理に基づいて、選択された商品・サービスに
係るリコメンドを生成しこれを出力する。
【0054】
(S305)
次に、マッチング部13は、ユーザデータの各部分のリコメンドへの貢献度を計算し、
これを出力する。以上で、マッチング処理が終了する。
【0055】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る情報処理装置の概略構成の一例を示す図である。
図5に示
すとおり、第2実施形態に係る情報処理装置は、例えば事業者が管理・利用する事業者サ
ーバ30として具現されている。
【0056】
事業者サーバ30は、例えば、
図2を用いて説明したユーザ端末10と同様のハードウ
ェア構成を有していてもよい。事業者サーバ30は、事業者システム20の他に、機能モ
ジュール又はアプリケーションソフトウェアとしての対話部11、PDS部12、及びマ
ッチング部13を備えてもよい。このような形態によって、事業者は、自社のサーバにユ
ーザのPDSをホストして、対話部11及びマッチング部13を運用することが可能とな
る。
【0057】
事業者サーバ30は、格納(保存)・送信するユーザデータを全て秘匿化してもよい。
これにより、事業者もユーザの同意なくユーザデータにアクセスすることが技術的に不可
能となる。このような形態は、例えば情報銀行として、事業者はユーザデータをユーザか
ら預かり、ユーザは当該ユーザデータを必要なときに引きだして利用できるという関係が
実現される。
【0058】
また、事業者サーバ30においては、マッチング部13を備えていれば、カタログデー
タのサイズを制限する必要がなくなるというメリットがある。
【0059】
[変形例]
対話部11は、ユーザが商品・サービスを購入・利用時(購入・利用することを決定し
たときや、購入・利用の最中、購入・利用の後の所定期間等を広く含む)に、関連する商
品・サービスについての質問を出力してもよい。このようにタイムリーに質問を出力する
ことにより、ユーザにとって自然で負担感の少ない情報抽出(ユーザデータの収集)が可
能となる。
【0060】
以上説明した実施形態においては、対話部が、ユーザとの対話を通じて当該ユーザのパ
ーソナルデータも含めた様々なユーザデータを取得する。そして、対話部が取得したユー
ザデータは、PDS部において当該ユーザによって所定のアクセスが制限された状態で管
理される。そして、マッチング部は、当該ユーザデータと事業者システムから取得したカ
タログデータとに基づいて所定のマッチング処理を行い、ユーザに対する商品・サービス
のリコメンドを生成及び出力する。したがって、ユーザに関するデータ(パーソナルデー
タ)に基づいて、ユーザのニーズを高い精度で満たすリコメンドを生成することが可能と
なる。そして、このように精度の高いリコメンドは、商品・サービスの購入や利用の質と
頻度の向上につながる。
【0061】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定
して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件
、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができ
る。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可
能である。
【符号の説明】
【0062】
1…情報処理システム、10…ユーザ端末、11…対話部、12…PDS部、13…マ
ッチング部、20…事業者システム、30…事業者サーバ、102…CPU、104…R
AM、106…ROM、108…ドライブ装置、110…ネットワークI/F、112…
入力装置、114…出力装置、116…記録媒体