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特開2023-100931価格算出装置、価格算出方法、価格算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100931
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】価格算出装置、価格算出方法、価格算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230711BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078192
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2022104611の分割
【原出願日】2017-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】筒井 二朗
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザに提供するサービスについて、適正価格を提示することが可能な価格算出システムを提供する。
【解決手段】本発明の一態様における価格算出装置は、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報を記憶する第1記憶部と、前記第1満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する算出部と、を含み、前記算出部は、所定の期間ごとに、前記適正価格を算出することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報を記憶する第1記憶部と、
前記第1満空情報の空席情報が0より大きい場合であっても当該空席情報が所定値未満である場合には、前記自店舗で提供される商品又はサービスの一部を閲覧不可または選択不可とする制御部と、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、店舗が提供するサービスの価格を算出する価格算出装置、価格算出方法、価格算出プログラムおよび価格算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗の空席を求める技術や、ユーザが空席を探す作業を支援する技術が開発されていた。特許文献1は、テーブルごとの注文を受け付ける装置に清算情報が入力された場合、当該テーブルを空席と管理して、店舗の空席数を求める技術を開示している。また、特許文献2は、予約者が求めている座席が無い場合、当該予約者による代わりの席を探す作業を支援する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-95076号公報
【特許文献2】特開2001-357273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1や特許文献2には、空席を求める技術やユーザによる代わりの席を探す作業を支援する技術が開示されているにすぎず、ユーザに対して、空席の有無しか提示することができない。そのため、ユーザに対して、一定の価格によるサービスの提供しか提示できず、本体であれば高い価格を提示できた場合であっても、当該一定の価格による予約しか促せず、売上や利益率の低下につながるおそれがあった。また、より低い価格を提示することにより、ユーザに予約を促すことができた場合であっても、一定の価格による予約しか促せないので、ユーザの来店機会を失うおそれもあった。
【0005】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、ユーザに提供するサービスについて、適正価格を提示することが可能な価格算出装置、価格算出方法、価格算出プログラムおよび価格算出システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様における価格算出装置は、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報を記憶する第1記憶部と、前記第1満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する算出部と、を含み、前記算出部は、所定の期間ごとに、前記適正価格を算出することを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記第1満空情報は、時間帯ごとの満空情報および日ごとの満空情報を含み、前記算出部は、前記適正価格に対する影響度を示す重み付けを、前記時間帯ごとの満空情報および日ごとの満空情報の各々に設定し、前記時間帯ごとの重み付けを前記日ごとの重み付けに比較して大きくすることを特徴としてもよい。
【0008】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記第1満空情報は、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報から求められる自店舗の利用人数ごとの満空情報をさらに含み、前記算出部は、前記適正価格の算出要求に含まれる利用予定人数における前記利用人数ごとの満室情報に基づいて、前記適正価格を算出することを特徴としてもよい。
【0009】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記自店舗以外の他店舗の空席状況に関する情報である第2満空情報を記憶する第2記憶部をさらに備え、前記算出部は、前記第1満空情報および前記第2満空情報に基づいて、前記適正価格を算出することを特徴としてもよい。
【0010】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記算出部は、前記適正価格に対する影響度を示す重み付けを、前記第1満空情報および前記第2満空情報の各々に設定し、前記第1満空情報の重み付けを前記第2満空情報の重み付けに比較して大きくすることを特徴としてもよい。
【0011】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記第1満空情報および第2満空情報は、時間帯ごとの満空情報および日ごとの満空情報を含み、前記算出部は、前記第1満空情報および前記第2満空情報の時間帯ごとの満空情報の重み付けを、前記第1満空情報および前記第2満空情報の日ごとの満空情報の重み付けよりも大きくすることを特徴としてもよい。
【0012】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記第2満空情報は、前記自店舗の含まれるエリア、業態、価格帯のうちの少なくともいずれか一つに対応する前記他店舗の満空情報を含むことを特徴としてもよい。
【0013】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記第1満空情報および前記第2満空情報は、店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報から求められる店舗の利用人数ごとの満空情報をさらに含み、前記算出部は、前記適正価格の算出要求に含まれる利用予定人数における前記利用人数ごとの満室情報に基づいて、前記適正価格を算出することを特徴としてもよい。
【0014】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記第1満空情報および前記第2満空情報は、店舗の利用人数ごとの満空情報を含み、前記適正価格の算出要求に含まれる利用予定人数における前記利用人数ごとの満室情報に空きが存在しない場合、前記自店舗または前記他店舗に対して、前記利用予定人数での利用希望条件を送信する条件送信部をさらに含むことを特徴としてもよい。
【0015】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記算出部は、前記第1満空情報または前記第2満空情報の空席情報が所定値未満である場合、前記自店舗または前記他店舗で提供される商品の一部を閲覧不可または選択不可とすることを特徴としてもよい。
【0016】
本発明の一態様における価格算出装置において、前記算出部は、予め設定された上限値および下限値の間で前記適正価格を算出することを特徴としてもよい。
【0017】
本発明の一態様における価格算出方法は、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報を記憶する記憶ステップと、前記第1満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する算出ステップと、を含み、前記算出ステップにおいて、所定の期間ごとに、前記適正価格を算出することを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様における価格算出プログラムは、コンピュータに、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報を記憶する記憶機能と、前記第1満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する算出機能と、を実現させ、前記算出機能において、所定の期間ごとに、前記適正価格を算出することを特徴とする価格算出プログラム。
【0019】
本発明の一態様における価格算出システムは、自店舗の店舗情報の閲覧状況を要求するユーザ端末と、前記ユーザ端末から前記閲覧要求を受信した場合、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する価格算出装置と、前記価格算出装置に対して、自装置の店舗情報を送信する店舗端末と、を含み、前記価格算出装置は、前記自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報を記憶する第1記憶部と、前記第1満空情報に基づいて、所定の期間ごとに、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、満空情報に基づいて適正価格を算出することにより、ユーザに提供するサービスについて適正価格を提示することができ、売上や利益率の低下やユーザの来店機会の喪失を防止することが可能な、価格算出装置、価格算出方法および価格算出プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態における、価格算出システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態における、価格算出装置の構成例を示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態における、第1記憶情報の構成例を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態における、店舗端末の構成例を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態における、ユーザ端末の構成例を示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態における、価格算出装置の動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の第2の実施形態における、価格算出システムの構成例を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態における、価格算出装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報に基づいて、当該自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する場合の実施形態である。自店舗の自店舗の空席状況に関する情報に基づいて、提供するサービスの適正価格を算出するため、例えば、空席が多い場合は価格を下げることによってユーザの来店機会の喪失を防止することが可能であり、空席が少ない場合は価格を上げることにより、売上や利益率の低下を防止することが可能となる。
【0024】
(システム構成)
図1は、本発明の第1の実施形態における、価格算出システムの構成例を示す図である。図1に示すように、価格算出システムは、価格算出装置10と、店舗端末20と、ユーザ端末30と、ネットワーク40を含む。なお、価格算出システムに含まれる店舗端末20およびユーザ端末30は1台に限られず、複数台であってもよい。
【0025】
価格算出装置10は、ユーザ端末30から店舗情報の閲覧要求を受信し、当該ユーザ端末30に対して、当該閲覧要求に含まれる店舗の店舗情報を送信する機能を備える。また、価格算出装置10は、店舗端末20から、店舗の店舗情報を取得する機能を備える。また、価格算出装置10は、自店舗の空席状況に関する情報である第1満室情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する機能を備える。また、価格算出装置10は、算出した適正価格を、店舗端末20およびユーザ端末30に対して送信する機能を備える。
【0026】
自店舗で提供するサービスは、例えば、飲食店等がユーザに提供する飲食物等のことである。例えば、自店舗で提供するサービスは、飲食店等で提供する各種コース(飲食物等のコース)や、各種プラン(飲食物等のプラン)のことである。なお、店舗は、飲食店等に限られず、どのような業態であってもよく、例えば、マッサージ店、美容室、ホテルや旅館などの宿泊施設などであってもよい。また、自店舗で提供するサービスは、その店舗が属する業態によって様々であり、例えば、マッサージ店であればユーザに施すマッサージであり、美容室であればカットやブローであり、宿泊施設であれば宿泊プランなどであってもよい。
【0027】
価格算出装置10は、例えば、サーバ装置であるが、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなどのコンピュータであってもよい。なお、価格算出装置10は、これらの装置に限られず、どのような装置であってもよい。なお、価格算出装置10は、これらの装置に限られず、どのような装置であってもよい。
【0028】
店舗端末20は、価格算出装置10に対して、店舗の店舗情報を取得する機能を備える。店舗情報は、店舗に関する情報である。店舗情報は、例えば、店舗が提供するサービスに関する情報や店舗の位置、クーポン情報、空席情報などを含む。なお、店舗情報は、どのような情報を含んでいてもよく、店舗の営業時間や連絡先、アクセス方法などの情報を含んでいてもよい。また、店舗情報の閲覧要求は、ユーザが指定する条件に合致する店舗情報の閲覧要求である。ユーザは、例えば、エリアや業態、価格帯を指定して、当該指定した条件に合致する店舗情報の閲覧を要求する。
【0029】
店舗端末20は、例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなどのコンピュータであるが、サーバ装置やスマートフォンや携帯電話などであってもよい。なお、店舗端末20は、これらの装置に限られず、どのような装置であってもよい。
【0030】
ユーザ端末30は、価格算出装置10に対して、店舗情報の閲覧要求を送信する機能を備える。また、ユーザ端末30は、価格算出装置10から、閲覧要求に対する応答として、所定の店舗情報を受信する機能を備える。ユーザ端末30は、ユーザが保持する端末であり、例えば、ユーザ端末30は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ、その他の電子機器である。なお、ユーザ端末30は、これらの装置に限られず、どのような装置であってもよい。
【0031】
ネットワーク40は、価格算出装置10、店舗端末20およびユーザ端末30の各々を相互に接続する役割を担う。ネットワーク40は、例えば、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク40は、イントラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)CDMA(code division multiple access)、衛星通信を含むことができる。
【0032】
(各装置の構成)
(価格算出装置10の構成例)
図2は、本発明の第1の実施形態における、価格算出装置10の構成例を示す図である。図2に例示するように、価格算出装置10は、例えば、制御部101と、通信部102と、第1記憶部103を含む。
【0033】
通信部102は、ネットワーク40を介して各種データの送受信を行う通信インタフェースである。通信部102は、ネットワーク40を介して、ユーザ端末30やユーザ端末30との通信を実行する機能を有する。通信部102は、各種データを制御部101からの指示に従って、ユーザ端末30やユーザ端末30に送信する。また、通信部102は、ユーザ端末30やユーザ端末30から送信された各種データを受信し、制御部101に通知する。
【0034】
通信部102は、ユーザ端末30に、閲覧要求に対する応答として、所定の店舗情報を送信する。通信部102は、ユーザ端末30ごとに、当該ユーザ端末30から受信した閲覧要求に対する応答として、所定の店舗情報を送信する。
【0035】
第1記憶部103は、価格算出装置10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。第1記憶部103は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、価格算出装置10は、プログラムを第1記憶部103に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部101が、当該制御部101に含まれる各部としての処理を実行してもよい。当該プログラムは、価格算出装置10に、制御部101が実行する各機能を実現させる。
【0036】
図2に例示するように、第1記憶部103は、自店舗の空清情報に関する情報である第1満空情報を記憶する。第1満空情報は、店舗の空席状況に関する情報であり、使用されていない席または予約されていない席である空席の数である。なお、第1満空情報は、店舗内の座席数に対して、使用されていない席または予約されていない席である空席の割合であってもよい。なお、第1満空情報は、店舗において使用されている席の状況に関する情報であってもよく、店舗内の座席数に対して、使用されている席または予約されている席の数や割合であってもよい。
【0037】
また、第1満空情報は、所定の時間ごとの満空情報を含んでいてもよく、例えば、時間帯ごとまたは日ごとの満空情報を含む。また、第1満空状況は、利用人数ごとの満空情報を含んでいてもよい。
【0038】
図3は、第1記憶部103に記憶される、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報である。図3に例示するように、第1満空情報は、日ごと及び時間帯ごとの満空情報を含む。図3の例では、第1満空情報は、「10日」や「11日」など、日ごとに満空情報を含む。また、第1満空情報は、「11:00~」や「13:00~」など、時間帯ごとに満空情報を含む。なお、時間帯は、図3に例示するように、「11:00~」、「13:00~」、「17:00~」、「18:00~」、「19:00~」、「20:00~」および「21:00~」と、1時間または2時間単位で分けてもよいが、30分単位など、どのような幅で時間帯を分けてもよい。また、図3に例示する時間帯は、あくまでも例示であって、どのように分けてもよい。
【0039】
また、第1満空情報は、自店舗の利用人数ごとの満空情報を含んでいてもよい。図3に例示するように、第1満空情報は、「1~2人」や「3~4人」など、利用人数ごとの満空情報を含む。図3の例では、「1~2人」、「3~4人」、「5~10人」、「11~20人」および「21人~」と、利用人数を5つに分けているが、どのような人数ごとに分類してもよい。
【0040】
第1記憶部103は、店舗端末20から受信した、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報に基づいて、店舗の利用人数を分けてもよい。例えば、第1記憶部204は、入出力部203から受け付けた個々のテーブル間の結合または分離情報に基づいて、例えば「1~2人」、「3~4人」、「5~10人」、「11~20人」および「21人~」と、利用人数を5つに分けてもよい。
【0041】
第1記憶部103は、利用人数ごとの満空情報を含む。図3に例示するように、第1記憶部103は、「1~2人」、「3~4人」、「5~10人」、「11~20人」および「21人~」という利用人数ごとに、満空情報を含む。
【0042】
以上のとおり、第1記憶部103は、所定の時間帯ごとに、および、利用人数ごとに、満空情報を含む。図3の例では、第1記憶部103は、「10日」の「11:00~」の「3~4人」の満空情報として、使用されていない席または予約されていない席である空席の数である「2」を記憶する。また、第1記憶部103は、「10日」の「19:00~」の「5~10人」の満空情報として、空席の数である「0」を記憶する。
【0043】
制御部101は、例えば、中央処理装置(CPU)やマイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、制御部201は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよい。
【0044】
図2に例示するように、制御部101は、算出部111と、条件送信部112を含む。
【0045】
算出部111は、所定の期間ごとに、第1満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する。算出部111は、予め定められた標準価格を、第1満空情報に基づいて変更し、適正価格を算出する。
【0046】
標準価格は、自店舗で提供するサービスの標準となる価格である。標準価格は、店舗のスタッフなどにより、予め定められる。標準価格は、例えば、飲食店等における各種コース(飲食物等のコース)や、各種プラン(飲食物等のプラン)の標準となる価格である。また、標準価格は、マッサージ店におけるマッサージの標準となる価格や、美容室におけるカットやブローなどの標準となる価格、ホテルや旅館などの出区箔施設における標準となる宿泊費である。標準価格は、日ごとや時間帯ごと、月ごと、曜日ごと、季節ごとに、予め定められていてもよい。なお、標準価格は、店舗のスタッフが任意のタイミングで変更可能であってもよい。
【0047】
算出部111は、予め定められた標準価格を、第1満空情報に基づいて変更して、適正価格を算出する。算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が少ない場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、適正価格として算出する。算出部111は、例えば、第1満空情報としての“空席の数”が第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、適正価格として算出する。算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格に第1係数(例えば、1より大きい整数)を乗じて、適正価格を算出する。例えば、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が、第1所定数である「2」以下である場合、予め定められた5000円という標準価格に、第1係数である「1.2」を乗じて、6000円という適正価格を算出する。
【0048】
第1係数は、予め定められていても、任意のタイミングで設定可能であってもよい。また、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”に応じて、第1係数を変更してもよい。例えば、第1満空情報としての“空席の数”が少なくなるごとに、第1係数をより高い値に設定してもよい。例えば、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が「2」である場合、第1係数を「1.2」に設定し、第1満空情報としての“空席の数”が「4」である場合、第1係数を「1.1」に設定する。
【0049】
一方、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が多い場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、適正価格として算出する。算出部111は、例えば、第1満空情報としての“空席の数”が第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、適正価格として算出する。算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格に第2係数(例えば、1より小さい整数)を乗じて、適正価格を算出する。例えば、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が、第2所定数である「8」以上である場合、予め定められた5000円という標準価格に、第1係数である「0.8」を乗じて、4000円という適正価格を算出する。
【0050】
第2係数は、予め定められていても、任意のタイミングで設定可能であってもよい。また、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”に応じて、第2係数を変更してもよい。例えば、第1満空情報としての“空席の数”が多くなるごとに、第2係数をより低い値に設定してもよい。例えば、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”が「8」である場合、第1係数を「0.8」に設定し、第1満空情報としての“空席の数”が「6」である場合、第1係数を「0.9」に設定する。
【0051】
算出部111は、予め設定された上限値および下限値の間で、適正価格を算出する。例えば、算出部111は、適正価格として、予め設定された上限値である「6000円」と、予め設定された下限値である「4000円」の間で、適正価格を算出する。
【0052】
算出部111は、所定の時間帯ごとに、適正価格を算出してもよい。算出部111は、時間帯ごとの第1満空情報に基づいて、時間帯ごとに、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出してもよい。例えば、算出部111は、「11:00~」や「19:00~」などの時間帯ごとに、当該時間帯ごとの満空情報に基づいて、それぞれ適正価格を算出する。また、算出部111は、日ごとの第1満空情報に基づいて、日ごとに、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出してもよい。例えば、算出部111は、「10日」や「11日」などの日ごとに、当該日ごとの満空情報に基づいて、それぞれ適正価格を算出する。
【0053】
算出部111は、時間帯ごとの満空情報と、日ごとの満空情報とを利用可能である場合、当該時間帯ごとの満空情報を、日ごとの満空情報に比べて、より影響度を高く設定して、適正価格を算出する。算出部111は、例えば、適正価格に対する影響度を示す重み付けを、時間帯ごとの満空情報および日ごとの満空情報の各々に設定し、時間帯ごとの重み付けを日ごとの重み付けに比較して大きく設定する。例えば、算出部111は、時間帯ごとの重み付けを「0.8」、日ごとの重み付けを「0.2」と設定する。例えば、算出部111は、時間帯「19:00~」の「2」という空席数に対して重み付けを「0.8」、日ごと「11日」の「8」という空席数に対して重み付けを「0.2」と設定する。その結果、算出部111は、時間帯ごと満空情報に基づいて決定される第1係数「1.2」に重み付け「0.8」を乗じた数値と、日ごと満空情報に基づいて決定される第1係数「0.8」に重み付け「0.2」を乗じた数値とを加えて得た「1.12」を、標準価格5000円に乗じて、5600円という適正価格を算出する。なお、重み付けの値は、あくまでも例示であって、どのような数値であってもよい。
【0054】
算出部111は、自店舗の利用人数ごとに、適正価格を算出してもよい。算出部111は、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報から求められる自店舗の利用人数ごとの満空情報に基づいて、利用人数ごとに、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出してもよい。例えば、算出部111は、「1~2人」や「5~10人」などの利用人数ごとに、当該利用人数ごとの満空情報に基づいて、それぞれ適正価格を算出する。
【0055】
算出部111は、所定の周期で、適正価格を算出してもよいし、ユーザ端末30から店舗情報の閲覧要求を受信したタイミングで、当該適正価格を算出してもよい。なお、算出部111は、これらの例に限られず、任意のタイミングで、適正価格を算出してもよい。
【0056】
算出部111は、第1満空情報の空席情報が所定値未満である場合、自店舗で提供するサービスの一部を閲覧不可または選択不可とする旨を、店舗端末20およびユーザ端末30に送信してもよい。例えば、算出部111は、第1満空情報の空席情報が「2」未満である場合、自店舗で提供するサービスのうち、所定の価格未満のサービスを閲覧不可または選択不可とする。第1満空情報の空席情報が所定値未満である場合、自店舗で提供するサービスの一部を閲覧不可または選択不可とすることで、売上や利益率の低下を防止することが可能となる。
【0057】
条件送信部112は、ユーザが指定する条件に合致する店舗情報の閲覧要求に基づいて、算出部111が算出した適正価格を含む所定の店舗情報を作成する。条件送信部112は、ユーザ端末30から受信した閲覧状況に含まれる条件に合致する、適正価格を含む店舗情報を作成する。条件送信部112は、ユーザが指定したエリアや業態、価格帯に関する条件に基づき、それぞれが適正価格を含む複数の店舗情報を特定してもよい。条件送信部112は、適正価格を含む所定の店舗情報として、ユーザ端末30に当該店舗情報を表示するための表示データを作成する。条件送信部112は、所定の店舗情報としての表示データを、送信部102を介して、ユーザ端末30に送信する。
【0058】
条件送信部112は、適正価格の算出要求(ユーザ端末30から受信する店舗情報の閲覧要求)に含まれる利用予定人数における、利用人数ごとの満室情報に空きが存在しない場合、自店舗の店舗端末20に対して、利用予定人数での利用希望条件を送信する。例えば、条件送信部112は、適正価格の算出要求(ユーザ端末30から受信する店舗情報の閲覧要求)に含まれる利用予定人数「21人~」における、利用人数ごとの満室情報に空きが存在しない場合、自店舗の店舗端末20に対して、利用予定人数「21人~」での利用希望条件を送信する。
【0059】
(店舗端末20の構成例)
図4は、本発明の第1の実施形態における、店舗端末20の構成例を示す図である。図4に例示するように、店舗端末20は、例えば、制御部201と、通信部202と、入出力部203と、表示部204と、記憶部205を含む。
【0060】
通信部202は、ネットワーク40を介して各種データの送受信を行う通信インタフェースである。通信部202は、ネットワーク40を介して、価格算出装置10やユーザ端末30との通信を実行する機能を有する。通信部202は、各種データを制御部201からの指示に従って、価格算出装置10やユーザ端末30に送信する。また、通信部202は、価格算出装置10やユーザ端末30から送信された各種データを受信し、制御部201に通知する。また、通信部202は、価格算出装置10を介して受信するユーザ端末30からの予約に関する情報等を受信してもよい。
【0061】
入出力部203は、算出管理装置20に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部203は、店舗のスタッフからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部201や記憶部205に伝達する機能を有する。入出力部203は、キーボードやマウス、タッチパネル、マイク、各種センサなどである。なお、入出力部203は、これらの例に限定されず、どのような装置であってもよい。
【0062】
入出力部203は、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報を受け付ける。入出力部203は、例えば、店舗のスタッフが入力する、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報を受け付ける。また、入出力部203は、各種センサ等に基づいて、自動的に、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報を受け付けてもよい。入出力部203は、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報を制御部201や記憶部205に通知する。
【0063】
表示部204は、例えば、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display)である。なお、表示部204は、これらの例に限定されず、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよい。表示部204は、自店舗の第1店舗情報や、ユーザ端末30からの予約依頼などの各種情報を表示する。
【0064】
制御部201は、例えば、中央処理装置(CPU)やマイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、制御部101は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよい。
【0065】
図4に例示するように、制御部201は、受信処理部211と、送信処理部212を含む。受信処理部211は、価格算出装置10から、自装置の店舗情報の要求を受信する。送信処理部212は、記憶部205を参照して、価格算出装置10に対して自装置の店舗情報を送信する。
【0066】
記憶部205は、店舗端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部205は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、店舗端末20は、プログラムを記憶部205に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部201が、当該制御部201に含まれる各部としての処理を実行してもよい。
【0067】
また、記憶部205は、入出力部203から受け付けた、自店舗に配置される個々のテーブル間の結合または分離情報を記憶する。また、記憶部205は、図3に例示する第1店舗情報を記憶してもよい。
【0068】
(ユーザ端末30の構成例)
図5は、本発明の第1の実施形態における、ユーザ端末30の構成例を示す図である。ユーザ端末30は、制御部301(CPU)、通信部302、入出力部303、表示部304、マイク/スピーカー305、記憶部306を備える。
【0069】
通信部302は、ネットワーク40を介して各種データの送受信を行う通信インタフェースである。通信部302は、ネットワーク40を介して、ユーザ端末30との通信を実行する機能を有する。通信部302は、各種データを制御部301からの指示に従って、ユーザ端末30に送信する。また、通信部302は、ユーザ端末30から送信された各種データを受信し、制御部301に伝達する。
【0070】
入出力部303は、ユーザ端末30に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部303は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報を制御部301に伝達する機能を有する。入出力部303は、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクなどである。なお、入出力部303は、これらの例に限定されず、どのような装置であってもよい。
【0071】
表示部304は、例えば、液晶ディスプレイやOELDである。なお、表示部304は、これらの例に限定されず、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などであってもよい。表示部304は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、画像やテキスト情報、3Dなどの表示データを表示可能である。
【0072】
マイク/スピーカー305は、音声データの入力または音声データの出力に利用される。ユーザ端末30は、マイク/スピーカー305によって、音声データを用いて、所定のデータの入出力を行うことが可能である。
【0073】
記憶部306は、ユーザ端末30が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部306は、例えば、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。なお、ユーザ端末30は、プログラムを記憶部306に記憶し、当該プログラムを実行して、制御部301が、当該制御部301に含まれる各部としての処理を実行してもよい。当該プログラムは、ユーザ端末30に、制御部301が実行する各機能を実現させる。
【0074】
制御部301は、例えば、中央処理装置(CPU)やマイクロプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、制御部301は、これらの例に限られず、どのようなものであってもよい。
【0075】
図5に例示するように、制御部301は、条件受付部311と、送信処理部312を含む。条件受付部311は、入出力部303を介して、ユーザから店舗情報の閲覧要求を受け付ける。条件受付部311は、例えば、閲覧したい店舗情報として、日時やエリア、業態、価格帯などの情報を受け付ける。送信処理部312は、条件受付部311が受け付けた店舗情報の閲覧要求を、送信部302を介して、価格算出装置10に送信する。
【0076】
(動作例)
図6は、価格算出装置10の動作例を示すフローチャートである。
【0077】
図6に例示するように、価格算出装置10の通信部102は、ユーザ端末30から、店舗情報の閲覧要求を受信する(S101)。
【0078】
制御部101の算出部111は、第1記憶部103を参照して、閲覧要求に含まれる店舗(自店舗)の第1満空情報を取得する(S102)。
【0079】
算出部111は、取得した第1満空情報に含まれる空席情報が、第1所定値未満であるか判定する(S103)。算出部111は、第1所定値以下の場合(S103のYES)、予め定められた標準価格に第1係数(例えば、1より大きい整数)を乗じて、適正価格を算出する(S104)。
【0080】
一方、算出部111は、第1所定値より大きい場合(S103のNO)、取得した第1満空情報に含まれる空席情報が、第2所定値以上であるか判定する(S105)。算出部111は、第2所定値以上の場合(S105のYES)、予め定められた標準価格に第2係数(例えば、1より小さい整数)を乗じて、適正価格を算出する(S106)。一方、算出部111は、第2所定値より大きい場合(S105のNO)、予め定められた標準価格を適正価格とする(S107)。
【0081】
制御部101の条件送信部112は、ユーザが指定する条件に合致する店舗情報の閲覧要求に基づいて、算出部111が算出した適正価格を含む所定の店舗情報を作成し、ユーザ端末30に送信する(S108)。
【0082】
上記の通り、第1の実施形態の価格算出システムは、自店舗の空席状況に関する情報である第1満空情報に基づいて、当該自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する場合の実施形態である。自店舗の自店舗の空席状況に関する情報に基づいて、提供するサービスの適正価格を算出するため、例えば、空席が多い場合は価格を下げることによってユーザの来店機会の喪失を防止することが可能であり、空席が少ない場合は価格を上げることにより、売上や利益率の低下を防止することが可能となる。
【0083】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、自店舗の予約状況を示す第1満空情報に加えて、他店舗の予約状況を示す第2満空情報に基づいて、当該自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する場合の実施形態である。他店舗の予約状況を加味して提供するサービスの適正価格を算出するため、例えば、他店舗の状況を考慮した適正価格を設定でき、より競争力のある価格を設定することでユーザの来店機会の喪失を防止できる。また、他店舗の予約状況が多い場合には、自店舗で提供するサービスの価格を上げることで、売上や利益率の低下を防止することも可能となる。
【0084】
(システム構成)
図7は、本発明の第2の実施形態における、価格算出システムの構成例を示す図である。図7に示すように、価格算出システムは、価格算出装置10と、自店舗の店舗端末20Aと、他店舗の店舗端末20Bと、ユーザ端末30と、ネットワーク40を含む。なお、価格算出システムに含まれる店舗端末20およびユーザ端末30は1台に限られず、複数台であってもよい。
【0085】
価格算出装置10は、ユーザ端末30から店舗情報の閲覧要求を受信し、当該ユーザ端末30に対して、当該閲覧要求に含まれる店舗の店舗情報を送信する機能を備える。また、価格算出装置10は、複数の店舗端末20から、店舗の店舗情報を取得する機能を備える。また、価格算出装置10は、自店舗の空席状況に関する情報である第1満室情報および他店舗の空席状況に関する情報である第2満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する機能を備える。また、価格算出装置10は、算出した適正価格を、店舗端末20およびユーザ端末30に対して送信する機能を備える。
【0086】
自店舗の店舗端末20Aと、他店舗の店舗端末20Bは、図4に例示する店舗端末20の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。また、ユーザ端末30の構成例は、図5に例示するユーザ端末30の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
【0087】
(各装置の構成)
(価格算出装置10の構成例)
図8は、本発明の第2の実施形態における、価格算出装置10の構成例を示す図である。図8に例示するように、価格算出装置10は、例えば、制御部101と、通信部102と、第1記憶部103と、第2記憶部104を含む。なお、通信部102と、第1記憶部103の構成例は、図2に例示する価格算出装置10の送信部102と第1記憶部103の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
【0088】
第2記憶部104は、他店舗の空席情報に関する情報である第2満空情報を記憶する。第2満空情報は、他店舗の空席状況に関する情報であり、使用されていない席または予約されていない席である空席の数である。なお、第2満空情報は、他店舗の店舗内の座席数に対して、使用されていない席または予約されていない席である空席の割合であってもよい。なお、第2満空情報は、他店舗において使用されている席の状況に関する情報であってもよく、他店舗内の座席数に対して、使用されている席または予約されている席の数や割合であってもよい。
【0089】
また、第2満空情報は、所定の時間ごとの満空情報を含んでいてもよく、例えば、時間帯ごとまたは日ごとの満空情報を含む。また、第2満空状況は、利用人数ごとの満空情報を含んでいてもよい。
【0090】
第2記憶部104は、例えば、図3に例示するような、他店舗の空席情報に関する情報である第2店舗情報を記憶する。なお、第2店舗情報の構成例は、図3に例示する第1店舗情報の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
【0091】
図8に例示するように、制御部101は、算出部111と、条件送信部112を含む。
【0092】
算出部111は、所定の期間ごとに、第1満空情報および第2満空情報に基づいて、自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する。算出部111は、予め定められた標準価格を、第1満空情報および第2満空情報に基づいて変更し、適正価格を算出する。
【0093】
算出部111は、予め定められた標準価格を、第1満空情報および第2満空情報に基づいて変更して、適正価格を算出する。なお、以下では、第1の実施形態における算出部111と異なる部分を中心に説明し、同様の部分については、第1の実施形態における算出部111と同様であるため、詳細な説明は省略される。
【0094】
算出部111は、例えば、第2満空情報としての“空席の数”が少ない場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、自店舗における適正価格として算出する。算出部111は、例えば、第2満空情報としての“空席の数”が第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、自店舗の適正価格として算出する。
【0095】
算出部111は、第2満空情報としての“空席の数”が第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格に第1係数(例えば、1より大きい整数)を乗じて、自店舗の適正価格を算出する。第2係数は、予め定められていても、任意のタイミングで設定可能であってもよい。また、算出部111は、第2満空情報としての“空席の数”に応じて、第1係数を変更してもよい。例えば、第2満空情報としての“空席の数”が少なくなるごとに、第1係数をより高い値に設定してもよい。
【0096】
一方、算出部111は、第2満空情報としての“空席の数”が多い場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、適正価格として算出する。算出部111は、例えば、第2満空情報としての“空席の数”が第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、自店舗の適正価格として算出する。
【0097】
算出部111は、第2満空情報としての“空席の数”が第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格に第2係数(例えば、1より小さい整数)を乗じて、適正価格を算出する。また、算出部111は、第1満空情報としての“空席の数”に応じて、第2係数を変更してもよい。例えば、第1満空情報としての“空席の数”が多くなるごとに、第2係数をより低い値に設定してもよい。
【0098】
また、算出部111は、例えば、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずれも少ない場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、自店舗における適正価格として算出してよい。算出部111は、例えば、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずれも第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、自店舗の適正価格として算出する。算出部111は、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずれも第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格に第1係数(例えば、1より大きい整数)を乗じて、自店舗の適正価格を算出する。
【0099】
一方、算出部111は、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数” がいずれも多い場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、自店舗の適正価格として算出する。算出部111は、例えば、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずれも第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、自店舗の適正価格として算出する。算出部111は、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずれも第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格に第2係数(例えば、1より小さい整数)を乗じて、自店舗の適正価格を算出する。
【0100】
また、算出部111は、例えば、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずかが少ない場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、自店舗における適正価格として算出してよい。算出部111は、例えば、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずかが所定数以下である場合、予め定められた標準価格よりも高い価格を、自店舗の適正価格として算出する。算出部111は、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずかが第1所定数以下である場合、予め定められた標準価格に第1係数(例えば、1より大きい整数)を乗じて、自店舗の適正価格を算出する。
【0101】
一方、算出部111は、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずかが多い場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、自店舗の適正価格として算出する。算出部111は、例えば、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずかが第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格よりも低い価格を、自店舗の適正価格として算出する。算出部111は、第1満空情報および第2満空情報としての“空席の数”がいずかが第2所定数以上である場合、予め定められた標準価格に第2係数(例えば、1より小さい整数)を乗じて、自店舗の適正価格を算出する。
【0102】
算出部111は、第1満空情報の空席情報および/または第2満空情報の空席情報が所定値未満である場合、自店舗で提供するサービスの一部を閲覧不可または選択不可とする旨を、店舗端末20およびユーザ端末30に送信してもよい。
【0103】
また、算出部111は、第1満空情報と、第2満空情報とを利用可能である場合、当該第1満空情報を、第2満空情報に比べて、より影響度を高く設定して、適正価格を算出する。算出部111は、例えば、適正価格に対する影響度を示す重み付けを、第1満空情報および第2満空情報の各々に設定し、第1満空情報の重み付けを第2満空情報の重み付けに比較して大きく設定する。例えば、算出部111は、第1満空情報の重み付けを「0.6」、第2満空情報の重み付けを「0.4」と設定する。その結果、算出部111は、第1満空情報に基づいて決定される第1係数「1.2」に重み付け「0.6」を乗じた数値と、第2満空情報に基づいて決定される第1係数「0.8」に重み付け「0.4」を乗じた数値とを加えて得た「1.04」を、標準価格5000円に乗じて、5200円という適正価格を算出する。なお、重み付けの値は、あくまでも例示であって、どのような数値であってもよい。
【0104】
上記の通り、第2の実施形態の価格算出システムは、自店舗の予約状況を示す第1満空情報に加えて、他店舗の予約状況を示す第2満空情報に基づいて、当該自店舗で提供するサービスの適正価格を算出する場合の実施形態である。他店舗の予約状況を加味して提供するサービスの適正価格を算出するため、例えば、他店舗の状況を考慮した適正価格を設定でき、より競争力のある価格を設定することでユーザの来店機会の喪失を防止できる。また、他店舗の予約状況が多い場合には、自店舗で提供するサービスの価格を上げることで、売上や利益率の低下を防止することも可能となる。
【0105】
また、本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。記憶媒体は、HDDやSDDなどの任意の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。
【0106】
なお、価格算出装置10、店舗端末20および/またはユーザ端末30は、例えば、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。また、当該プログラムは、任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、価格算出装置10、店舗端末20および/またはユーザ端末30に提供されてもよい。価格算出装置10、店舗端末20および/またはユーザ端末30は、例えば、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
【0107】
なお、当該プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0108】
価格算出装置10、店舗端末20および/またはユーザ端末30における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0109】
本開示の実施形態を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、各実施形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10 価格算出装置
101 制御部、102 通信部、103 第1記憶部、104 第2記憶部
20 店舗端末
201 制御部、202 通信部、203 入出力部、204 表示部、205 記憶部
30 ユーザ端末
301 制御部、302 通信部、303 入出力部、304 表示部、305 マイク/スピーカー、306 記憶部
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自店舗の空席状況に関する情報であって予め定められた範囲の利用人数ごとの空席の数を記憶する第1記憶部と、
自店舗で提供するサービスの適正価格を前記適正価格の算出要求に含まれる利用予定人数に対応する前記空席の数に基づいて算出する算出部と、
を備え、
前記算出部は、前記利用人数ごとに対応する前記適正価格を当該利用人数に対応する前記空席の数に応じて算出する、
価格算出装置。
【請求項2】
コンピュータが、
自店舗の空席状況に関する情報であって予め定められた範囲の利用人数ごとの空席の数を記憶する第1記憶ステップと、
自店舗で提供するサービスの適正価格を前記適正価格の算出要求に含まれる利用予定人数に対応する前記空席の数に基づいて算出する算出ステップと、
を実行する価格算出方法であって、
前記算出ステップは、前記利用人数ごとに対応する前記適正価格を当該利用人数に対応する前記空席の数に応じて算出する、
価格算出方法。
【請求項3】
コンピュータに、
自店舗の空席状況に関する情報であって予め定められた範囲の利用人数ごとの空席の数を記憶する第1記憶ステップと、
自店舗で提供するサービスの適正価格を前記適正価格の算出要求に含まれる利用予定人数に対応する前記空席の数に基づいて算出する算出ステップと、
を実行させるための価格算出プログラムであって、
前記算出ステップは、前記利用人数ごとに対応する前記適正価格を当該利用人数に対応する前記空席の数に応じて算出する、
価格算出プログラム。