(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100932
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ECの海外への提供を支援するための方法及びプログラム並びにそれを用いる装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230711BHJP
【FI】
G06Q30/0601 340
G06Q30/0601
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023078203
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2019070262の分割
【原出願日】2018-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2017157289
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018053849
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515237326
【氏名又は名称】株式会社ジグザグ
(74)【代理人】
【識別番号】110003605
【氏名又は名称】弁理士法人六本木通り特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲里 一義
(72)【発明者】
【氏名】新垣 久史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】海外からの購入をより容易にして越境ECを促すECの海外への提供を支援するための方法を提供する。
【解決手段】ECの海外への提供を支援する方法において、第2のサーバは、ユーザー端末から、第1のサーバにより提供されるECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信する。該モジュールは、当該商品の商品ページとともに、当該商品を購入するための入力欄をユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであり、ユーザー端末のアクセス元の所在国に応じて、ユーザー端末における読み込みの可否が判定される。当該判定の結果が可である場合、第2のサーバは、当該ECサイトのために設けられた設定情報に応じてモジュールを生成し、ユーザー端末に送信する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ECの海外への提供を支援するための方法であって、
ユーザー端末が、ECサイトで販売される商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素をウェブブラウザに表示するステップと、
前記ユーザー端末が、前記表示要素の一部又は前記商品ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、
前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、前記ウェブブラウザを、前記ECサイトの前記商品ページから、前記異なるサーバにより提供されるウェブサイトに遷移させるステップをさらに含み、
前記入力に対応する商品購入のための決済は、前記ウェブサイトから行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記表示要素は、前記商品ページの上に重ねて表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記表示要素は、前記ウェブブラウザの下部に固定して表示されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記商品ページの前記一部は、前記商品ページに表示される商品を購入対象として選択するためのボタンであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記入力欄は、前記商品の数量の入力欄を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記入力欄は、前記商品の色及びサイズの少なくとも一方の入力欄を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記入力欄は、前記商品の色及びサイズの少なくとも一方のプルダウンメニューを含み、
前記プルダウンメニューの選択肢は、前記商品ページを表示するための商品ページ表示情報の記述内容に基づいて決定されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記入力欄は、ポップアップウィンドウ内に表示されることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ポップアップウィンドウは、モーダルウィンドウとして表示されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記入力欄は、前記商品の画像とともに表示されることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記表示要素の前記一部は、前記表示要素に含まれるショッピングカートアイコン以外の部分であることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記異なるサーバを運営する事業者は、決済がなされる1又は複数の商品の代理購入を行う者であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記表示要素は、前記ユーザー端末のアクセス元の所在国に応じて読み込まれる第1のモジュールによって表示されることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記入力欄は、前記ECサイト又は前記ECサイトの前記商品ページごとに与えられる識別子に応じて読み込まれる第2のモジュールによって表示されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールは、単一のJSファイルとして読み込まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ECの海外への提供を支援するための方法であって、
ユーザー端末が、ECサイトで販売される商品についての商品ページをウェブブラウザに表示するステップと、
前記ユーザー端末が、前記商品ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、
前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
コンピュータに、ECの海外への提供を支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
前記コンピュータが、ECサイトで販売される商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素をウェブブラウザに表示するステップと、
前記コンピュータが、前記表示要素の一部又は前記商品ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、
前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記コンピュータが、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップと
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項19】
海外からの商品購入を支援するための方法であって、
ユーザー端末から、ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信するステップと、
前記ユーザー端末のアクセス元の所在国を判別して、前記モジュールの読み込みの可否を判定するステップと、
前記判定の結果が可である場合に、前記ECサイトの設定情報に応じて生成した前記ECサイトのためのモジュールを前記ユーザー端末に送信するステップと
を含み、
前記モジュールは、前記商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入するための入力欄を前記ユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記モジュールは、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素を前記商品ページの上に重ねて表示させることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記設定情報は、前記ECサイトの商品ページ表示情報の形式が記述されていることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記設定情報は、前記ECサイトにおける不正決済防止の要否が指定されていることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項23】
前記要否が要の場合、前記モジュールは、不正決済防止モジュールを含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
コンピュータに、海外からの商品購入を支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
ユーザー端末から、ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信するステップと、
前記ユーザー端末のアクセス元の所在国を判別して、前記モジュールの読み込みの可否を判定するステップと、
前記判定の結果が可である場合に、前記ECサイトの設定情報に応じて生成した前記ECサイトのためのモジュールを前記ユーザー端末に送信するステップと
を含み、
前記モジュールは、前記商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入するための入力欄を前記ユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであることを特徴とするプログラム。
【請求項25】
海外からの商品購入を支援するための装置であって、
ユーザー端末から、ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信し、
前記ユーザー端末のアクセス元の所在国を判別して、前記モジュールの読み込みの可否を判定し、
前記判定の結果が可である場合に、前記ECサイトの設定情報に応じて生成した前記ECサイトのためのモジュールを前記ユーザー端末に送信し、
前記モジュールは、前記商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入するための入力欄を前記ユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引(EC)の海外への提供を支援するための方法及びプログラム並びにそれを用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及、さらにはスマートフォンの普及が急速に進み、さまざまな情報が国境を越えてボーダーレスに手に入るようになっている。情報を入手できるウェブサイトには色々なものがあるが、ECを提供するウェブサイト(ECサイト)への海外からのアクセスも増加傾向にある。ECサイトによっては、外国語に対応していなくても、アクセス数の一定の割合が海外からの流入という例もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、こうした海外からアクセスがあってもECサイトの場合、情報を発信することを目的としたウェブサイトとは異なり、さらに決済と配送を済ませなければその目的を達成することができない。国境を越えた販売は、大幅なシステム改修を必要とすることも少なくなく容易ではない。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ECの海外への提供を支援するための方法及びプログラムにおいて、海外からの購入をより容易にして越境ECを促すことにある。
【0005】
また、本発明の別の目的は、当該方法又はプログラムを用いて、海外からの商品購入を支援するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ECの海外への提供を支援するための方法であって、ユーザー端末が、ECサイトで販売される商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素をウェブブラウザに表示するステップと、前記ユーザー端末が、前記表示要素の一部又は前記表示ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、前記ウェブブラウザを、前記ECサイトの前記商品ページから、前記異なるサーバにより提供されるウェブサイトに遷移させるステップをさらに含み、前記入力に対応する商品購入のための決済は、前記ウェブサイトから行われることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記表示要素は、前記商品ページの上に重ねて表示されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記表示要素は、前記ウェブブラウザの下部に固定して表示されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれかの態様において、前記表示ページの前記一部は、前記表示ページに表示される商品を購入対象として選択するためのボタンであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれかの態様において、前記入力欄は、前記商品の数量の入力欄を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第7の態様は、第1から第6のいずれかの態様において、前記入力欄は、前記商品の色及びサイズの少なくとも一方の入力欄を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記入力欄は、前記商品の色及びサイズの少なくとも一方のプルダウンメニューを含み、前記プルダウンメニューの選択肢は、前記商品ページを表示するための商品ページ表示情報の記述内容に基づいて決定されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第9の態様は、第6から第8のいずれかの態様において、前記入力欄は、ポップアップウィンドウ内に表示されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第10の態様は、第9の態様において、前記ポップアップウィンドウは、モーダルウィンドウとして表示されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第11の態様は、第6から第10のいずれかの態様において、前記入力欄は、前記商品の画像とともに表示されることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第12の態様は、第1から第11のいずれかの態様において、前記表示要素の前記一部は、前記表示要素に含まれるショッピングカートアイコン以外の部分であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第13の態様は、第1から第12のいずれかの態様において、前記異なるサーバを運営する事業者は、決済がなされる1又は複数の商品の代理購入を行う者であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第14の態様は、第1から第13のいずれかの態様において、前記表示要素は、前記ユーザー端末のアクセス元の所在国に応じて読み込まれる第1のモジュールによって表示されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の第15の態様は、第14の態様において、前記入力欄は、前記ECサイト又は前記ECサイトの前記商品ページごとに与えられる識別子に応じて読み込まれる第2のモジュールによって表示されることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の第16の態様は、第15の態様において、前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールは、単一のJSファイルとして読み込まれることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の第17の態様は、ECの海外への提供を支援するための方法であって、ユーザー端末が、ECサイトで販売される商品についての商品ページをウェブブラウザに表示するステップと、前記ユーザー端末が、前記商品ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の第18の態様は、コンピュータに、ECの海外への提供を支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、前記コンピュータが、ECサイトで販売される商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素をウェブブラウザに表示するステップと、前記コンピュータが、前記表示要素の一部又は前記表示ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記コンピュータが、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップとを含むことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の第19の態様は、海外からの商品購入を支援するための方法であって、ユーザー端末から、ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信するステップと、前記ユーザー端末のアクセス元の所在国を判別して、前記モジュールの読み込みの可否を判定するステップと、前記判定の結果が可である場合に、前記ECサイトの設定情報に応じて生成した前記ECサイトのためのモジュールを前記ユーザー端末に送信するステップとを含み、前記モジュールは、前記商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入するための入力欄を前記ユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであることを特徴とする。
【0025】
また、本発明の第20の態様は、第19の態様において、前記モジュールは、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素を前記商品ページの上に重ねて表示させることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の第21の態様は、第19又は第20の態様において、前記設定情報は、前記ECサイトの商品ページ表示情報の形式が記述されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の第22の態様は、第19又は第20の態様において、前記設定情報は、前記ECサイトにおける不正決済防止の要否が指定されていることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の第23の態様は、第22の態様において、前記要否が要の場合、前記モジュールは、不正決済防止モジュールを含むことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の第24の態様は、コンピュータに、海外からの商品購入を支援するための方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、ユーザー端末から、ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信するステップと、前記ユーザー端末のアクセス元の所在国を判別して、前記モジュールの読み込みの可否を判定するステップと、前記判定の結果が可である場合に、前記ECサイトの設定情報に応じて生成した前記ECサイトのためのモジュールを前記ユーザー端末に送信するステップとを含み、前記モジュールは、前記商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入するための入力欄を前記ユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の第25の態様は、海外からの商品購入を支援するための装置であって、ユーザー端末から、ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュールの要求を受信し、前記ユーザー端末のアクセス元の所在国を判別して、前記モジュールの読み込みの可否を判定し、前記判定の結果が可である場合に、前記ECサイトの設定情報に応じて生成した前記ECサイトのためのモジュールを前記ユーザー端末に送信し、前記モジュールは、前記商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入するための入力欄を前記ユーザー端末のウェブブラウザに表示させるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様によれば、海外ユーザーに対して、国内ユーザーと同様にECサイトにおいて購入希望の商品選択を可能としつつ、当該ECサイトが自ら当該海外ユーザーの所在国への販売に対処する負担を代替して、越境ECを容易に実現可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるECの海外への提供を支援するための方法を用いて実現される取引を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかるプログラムにより表示される、商品を海外から購入することを支援するためのバナーを示す図である。
【
図3】
図2のバナーの一部をクリック又はタップした際に表示されるモーダルウィンドウの一例を示す図である。
【
図4】
図3のモーダルウィンドウにおいて入力がなされた後のバナーを示す図である。
【
図5】
図4のショッピングカートアイコンをクリック又はタップした際に表示されるモーダルウィンドウの一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態にかかる装置間の情報の授受を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態にかかるECの海外への提供を支援するための方法の流れ図である。
【
図8】本発明の一実施形態にて用いる商品ページ表示情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0034】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態にかかるECの海外への提供を支援するための方法を用いて実現される取引を説明するための図である。海外ユーザーのユーザー端末100は、ECサイトを提供する第1のサーバ110に対し、当該ECサイトで販売される商品についての商品ページを要求する(S601)。第1のサーバ110は、当該要求に応じて、商品ページを表示するための商品ページ表示情報をユーザー端末100に送信する(S602)。
【0035】
商品ページ表示情報は、ウェブページを表示するためのHTML形式とすることができる。商品ページ表示情報が読み込まれると、第1のサーバ110とは異なる第2のサーバ120に対し、当該ECサイトの商品を海外から購入することを支援するためのモジュール121を要求する(S603)。
【0036】
モジュール121は、その詳細は後述するように、汎用モジュール121-1と個別モジュール121-2とにより構成してもよく、より詳細には、一例として、Javascript(登録商標)(以下「JS」ともいう。)により記述されたファイルとしてもよい。また、これも後述するように、ユーザー端末100のIPアドレスに基づいて、たとえば、端末のIPアドレスと当該端末の所在国との間の対応づけを参照してユーザー端末100のアクセス元の所在国を判別し、判別の結果に応じて、ユーザー端末100におけるモジュール121の読み込みの可否を判定することができる。
【0037】
ユーザー端末100において、モジュール121が読み込まれると(S604)、ユーザー端末100の表示画面には、上記商品ページとともに、当該商品を海外から購入することを支援するための表示要素が表示される(S701)。当該表示要素210は、
図2に例示するように、商品ページ200(表示されるべき詳細は省略)の上に重ねて、さらに好適には、ウェブブラウザの下部に固定して表示することができる。表示要素210は、たとえば、フローティングバナー又はポップアップウィンドウとして、商品ページの上に重ねることができる。
【0038】
商品ページ200が表示されているときに表示要素210の一部がクリック又はタップされた場合、ユーザー端末100は、当該商品を海外から購入するための入力欄を表示する(S702)。入力欄310は、
図3に例示するように、ポップアップウィンドウ300内に表示することができ、当該ポップアップウィンドウ300は、ユーザーによる応答が得られるまで親ウィンドウ又は親画面に対する操作を制限するモーダルウィンドウとして表示してもよい。
図3では、ユーザー端末100の表示画面を越えてポップアップウィンドウ300を示しているが、これは、スクロールした際に表示される領域を含めて示しているためである。以下で言及する
図5についても同様である。
【0039】
入力欄310は、表示要素210の一部がクリック又はタップされた場合に加えて、商品ページ200に表示される「カートに入れる」ボタン(図示せず)がクリック又はタップされた場合、すなわち、商品ページ200に表示される商品を購入対象として選択するためのボタンがクリック又はタップされた場合にも、表示させることができる。ECサイトにおいて、ユーザーは、1又は複数の商品をショッピングカートに入れた後にショッピングカートの中身を確認して購入に進むという流れに慣れており、表示要素210の存在に気付かずに、又は気付いていても慣れたUIである「カートに入れる」ボタンをクリック又はタップしてしまうことが少なくないことが分かった。したがって、商品ページ200に表示されている「カートに入れる」ボタンが選択されても、表示要素210を用いた購入の流れに誘導することで、海外からの購入を可能とすることができる。バナー、ポップアップ等の追加的な表示要素に対して無条件に不信感を抱くユーザーも一定数存在するところ、このように商品ページ200に表示される要素と関連づけることで、表示要素210に対する警戒心を和らげることができる。
【0040】
また、海外からの購入を支援するための表示要素210を「カートに入れる」ボタン等の商品を購入対象として選択するためのボタンの近傍に表示することも考えられる。このようにすることで、ユーザーが慣れたUIとの関連性を強め、表示要素210に対するクリック又はタップを促すことができる。一例として、「カートに入れる」ボタンの下方に近接して配置することが挙げられる。
【0041】
入力欄310は、商品の数量の入力欄310-3を含んでもよく、当該入力欄310-3は、商品の単価の下に表示すると合計金額であるか単価であるかの不確かさを生じにくくすることができる。
【0042】
入力欄310は、色の入力欄310-1及びサイズの入力欄310-2の少なくとも一方を含んでもよい。色の入力欄310-1及びサイズの入力欄310-2は、プルダウンメニューの形式とすることができ、プルダウンメニューの選択肢は、後述するように、商品ページ200を表示するための商品ページ表示情報の記述内容に基づいて決定可能である。ECサイトごとに商品ページ表示情報の形式が異なり得ることから、ECサイトごとに解析を行うために個別モジュール121-2を生成して、表示要素210のクリック又はタップに応じて実行することができる。これらに加えて、ECサイトごとに必要となるSKUを特定するためのその他の項目の入力欄を設けてもよい。
【0043】
商品の購入を行うのが海外ユーザーであることに鑑みると、意図した商品の購入手続を進めていることを視覚的に伝えるため、入力欄310は、当該商品の画像320とともに表示するのが好ましい。画像320は、商品単体の画像又は商品の着用時の画像とするほか、商品ページ200のキャプチャー画像としてもよい。商品ページ200内には複数の画像が表示されることが多く、いずれの画像が商品自体の画像であるかの判別が容易ではないことがあり、商品ページ200をキャプチャーすることによって、そのような判別を行うことなく、画像320の表示が可能となる。
【0044】
ユーザー端末100は、たとえば、ショッピングカートに追加するための追加ボタン330がクリック又はタップされたことに応じて、表示された入力欄310に対する入力を受け付ける(S703)。
【0045】
商品の選択に必要な入力がなされ、ユーザー端末100においてローカルに記憶されると、表示要素210内に購入予定の商品が存在することを示す表示を行ってもよい。
図4の例では、ショッピングカートのアイコン211を表示要素210内に購入予定の商品数と共に表示している。
【0046】
表示要素210は、別の商品ページに遷移しても同様に表示し、当該ページにおいてショッピングカートアイコン211以外の部分がクリック又はタップされた場合に、
図3と同様の入力欄310を表示することで、複数の商品選択を容易にすることができる。ECサイトにおいて個別の商品について説明する商品ページではなく、トップページなどに遷移した際には、ショッピングカートアイコン211以外の部分がクリック又はタップされても、入力欄310の表示は行わず、たとえば、表示要素210を用いた海外からの購入の手順の説明する説明情報を表示してもよい。また、こうした表示要素210に対するユーザー操作への反応の違いを表すために、商品ページ200とそれ以外とで表示要素210の表現を異なるものとすることが好ましい。
【0047】
ショッピングカートアイコン211又は購入予定の商品数のクリック又はタップ等、商品の購入手続を進める意思表示がなされると、
図5に例示するように、ショッピングカートの中身、すなわち購入予定の商品の確認画面500が表示される。確認画面500において、意図した商品となっていれば、手続を次に進めるためのボタン510のクリック又はタップによって、配送先の住所入力画面に遷移し、配送先情報の入力が終われば、ユーザーは決済に進む意思表示を行う。これらの入力及び意思表示は、図示のように別画面に遷移して行ってもよいし、同一の画面において行ってもよい。ユーザーがここで支払いに同意する合計金額は、商品金額の合計に以下で述べる購入代行サービスの利用料等を加えた額とすることができる。
【0048】
購入手続を進める意思表示は、商品ページ200に表示されるショッピングカートアイコン(図示せず)のクリック又はタップにより行われたものとみなすこともできる。上述のように、ユーザーは、ECサイトにおいて、1又は複数の商品をショッピングカートに入れた後にショッピングカートの中身を確認して購入に進むという流れに慣れており、表示要素210のショッピングカートアイコン211ではなく商品ページ200上のショッピングカートアイコンをクリック又はタップしてしまうことが少なくないことが分かった。したがって、そのような場合にも表示要素210を用いた購入の流れに誘導することで、購入手続を続けることが可能となる。
【0049】
ユーザーによる決済に進む意思表示がなされたら、あるいは、入力欄310に対する入力に対応する商品購入の意思表示がなされたら、ユーザー端末100は、そのウェブブラウザを、当該ECサイトの商品ページから、当該ECサイトを提供する第1のサーバ110とは異なる第3のサーバ(不図示)により提供されるウェブサイトに遷移させる(S704)。ここで、第3のサーバは第2のサーバ120と同一としてもよいが、必ずしも同一とする必要はない。
【0050】
より具体的には、ユーザーによる決済に進む意思表示がなされたら、ユーザー端末100は、第3のサーバに対し、入力された商品購入に必要な購入情報を送信する(S605)。購入情報は、第3のサーバ又はそこからアクセス可能な記憶媒体又は記憶装置において、各注文の注文IDとともに記憶され、選択された商品についての商品情報及び配送先についての配送先情報を含む。第3のサーバは、ユーザー端末100に対し、注文ID又はこれに対応するキーにより特定される決済ページのURLを転送先ないし遷移先として送信する(S606)。ユーザー端末100のウェブブラウザは、当該URLの受信に応じて、上記ウェブサイトに遷移する。
【0051】
本実施形態において、決済は、遷移先のウェブサイトから行われるところ、当該ウェブサイトを運営する事業者は、ECの海外への提供を支援するため、商品の代理購入を行う。第3のサーバに送信された購入情報に基づいて、ECサイトから実際に商品の購入を当該ECサイトの運営者の所在国又はその配送可能国において行い、自らの配送先住所において受け取る。商品の受け取り後、当該事業者又はその指定業者がその検品及び梱包をし、海外ユーザーに配送する。
【0052】
上述のように、海外からECサイトにアクセスしたユーザーに対して、より正確には、当該ECサイトの運営者の所在国又はその配送可能国以外の国からアクセスしたユーザーに対して、当該ECサイト上で購入を希望する商品の選択を可能とし、決済手続については、当該ECサイト上ではなく、当該ECサイトの運営者の代わりに決済手続以降を行う購入代行業者が運営するウェブサイトから行うことによって、当該ECサイトの運営者は、配送可能国を自ら増やすことなく、広く海外ユーザーからの需要に応えることが可能となる。特に、本実施形態にかかる方法を用いれば、ECサイトの運営者は、第1のサーバ110により提供される各商品ページにモジュール121を読み込むための記述を一行埋め込むだけで、極めて容易に越境対応が可能となる。海外ユーザーにおいても、特別の設定を要求されることなく、初めてアクセスした海外のECサイトでの購入が可能となる。
【0053】
また、表示要素210の一部がクリック又はタップされたことに応じて入力欄310を表示することに加えて、又はこれに代替して、商品ページ200の一部、たとえば商品ページ200に表示される商品を購入対象として選択するためのボタンがクリック又はタップされたことに応じて入力欄310を表示することによって、所定の国からアクセスした海外ユーザーが直接ECサイトで決済を行う経路を遮断し、遷移先の第3のサーバにより提供されるウェブサイトから必ず決済が行われるようにすることが可能である。このようにした場合、多くのECサイトが対処に困っている海外からの不正決済のリスクを第3のサーバを運営する事業者に引受けさせ、越境対応に不慣れなECサイトを不正決済から守ることが出来る。商品ページ200の一部、たとえば商品ページ200に表示される商品を購入対象として選択するためのボタンがクリック又はタップされたことに応じて購入予定の商品の確認画面500を表示するようにしても、同様の利点が得られる。
【0054】
ここでは、配送先情報がECサイト上で入力される例を説明したが、これを遷移先の決済ページにおいて入力するようにすることも考えられる。しかしながら、アクセスしているユーザーが「別サイトに遷移する」という違和感から離脱する可能性を低減するためには、配送先情報まで元のECサイトにおいて入力させることが好ましい。
【0055】
ユーザーによる決済に進む意思表示がなされたら、決済ページURLがリダイレクト先として送信されるが、これに加えて、決済ページURLが記載された電子メールをユーザーに送信してもよい。このようにすることで、通信状況等に起因してリダイレクトが遅延又は失敗した際にも、当該ユーザーは決済ページにアクセスすることができる。
【0056】
なお、上述のユーザー端末100は、通信インターフェース等の通信部101と、プロセッサ、CPU等の処理部102と、メモリ、ハードディスク等の記憶装置又は記憶媒体を含む記憶部103とを備えるコンピュータであり、処理部102において、上述した全て又は一部の処理を行うためのプログラムを実行することによって構成することができ、また当該プログラムは、1又は複数のプログラムを含むことがあり、また、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録して非一過性のプログラムプロダクトとすることができる。
【0057】
また、当然であるが、本明細書において「サーバ」は、単体のサーバにより構成される場合も、コンピュータネットワーク上で互いに通信可能な複数のサーバにより構成される場合もあり、当該サーバで実行される「プログラム」も、1又は複数のサーバ上で実行される1又は複数のプログラムを含むことが想定されていることを付記しておく。各サーバは、ユーザー端末100と同様、通信部、処理部、及び記憶部(不図示)を有する。
【0058】
また、「のみに基づいて」、「のみに応じて」、「のみの場合」というように「のみ」との記載がなければ、本明細書においては、付加的な情報も考慮し得ることが想定されていることに留意されたい。
【0059】
また、念のため、なんらかの方法、プログラム、端末、装置、サーバ又はシステム(以下「方法等」)において、本明細書で記述された動作と異なる動作を行う側面があるとしても、本発明の各態様は、本明細書で記述された動作のいずれかと同一の動作を対象とするものであり、本明細書で記述された動作と異なる動作が存在することは、当該方法等を本発明の各態様の範囲外とするものではないことを付言する。
【0060】
IP判別
ユーザー端末100から第2のサーバ120に対し、モジュール121の要求があった際(S603)、第2のサーバ120において、ユーザー端末100に割り当てられたIPアドレスに応じて、モジュール121をユーザー端末100において読み込ませるか否かを判定する。ユーザー端末100に割り当てられたIPアドレスを用いる以外に、ユーザー端末100がモバイル端末の場合にはGPSによる位置情報、無線通信の基地局の位置情報等に基づいて所在国を推定することもできる。
【0061】
一例として、IPアドレスにより推定されるユーザー端末100の所在国が第1のサーバ110により提供されるECサイトの運営者の所在国である場合、当該ECサイトで購入を行えばユーザー端末100に国内配送可能であるため、モジュール121は不要である。同様に、ユーザー端末100の所在国が当該ECサイトの運営者の配送可能国に含まれる場合にも、モジュール121は不要と判定することができる。
【0062】
また、第2のサーバ120において推定されたユーザー端末100の所在国が、商品によっては、当該ECサイトにとって販売不可の国であることがある。たとえば、商標上の理由、契約上の理由等が挙げられる。このような販売不可の国からアクセスがあった場合にも、モジュール121を読み込ませないと判定することができる。第2のサーバ120において、商品ごとに販売不可の国の一覧を保持していて、合致する場合にはモジュール121を送信しないようにすることができる。
【0063】
あるいは、ある商品を販売不可の国がある場合に、当該商品の商品ページ表示情報に販売禁止国の指定をしておき、モジュール121が読み込まれた際にこの指定をチェックさせることによって、ユーザー端末100側で販売の可否を判定してもよい。第2のサーバ120において推定されたユーザー端末100の所在国は、モジュール121に含めて、又はモジュール121と共にユーザー端末100に送信すれば、ユーザー端末100において、当該端末の所在国と販売禁止国との一致・不一致を判定することができる。一例として、商品ページに、
<p hidden class="deny-countries">
[US,IT]
</p>
のような記述を行うことで、アメリカ及びイタリアを当該商品の販売不可の国として指定可能である。販売不可である場合には、表示要素210を表示しない、表示要素210は表示するが表示要素210に「この商品はあなたの国へは配送できません。」等の説明を記載するといった処理を行う。後者のように表示要素210の表示自体は行う場合、表示要素210がクリック又はタップされても、当該商品を海外から購入するための入力欄310を表示させないのが好ましい。
【0064】
モジュール
ユーザー端末100から第2のサーバ120に対し、モジュール121の要求があった際(S603)、第2のサーバ120において、ユーザー端末100がアクセスしたECサイトに適合させたモジュール121を生成する。
【0065】
一例として、当該ECサイトの商品ページに、以下のようなJSスクリプトを記述しておく。
<script type="text/javascript" src="https://checkout-api.xxxx.jp/v1/script?token=xyz"></script>
【0066】
ここで「checkout-api.xxxx.jp」は第2のサーバ120を示しており、「token=xyz」は、第1のサーバ110により提供されるECサイトを識別するための識別子が「xyz」であることを示している。当該識別子に対応するECサイトの設定情報が予め第2のサーバ120又はそこからアクセス可能な記憶装置又は記憶媒体に用意されており、当該設定情報に応じたモジュール121を生成する。
【0067】
すなわち、ECサイトごとに商品ページ表示情報の形式が異なり得ることから、ECサイトごとに、商品ページ表示情報のどの部分にどの情報が記述されているのかを設定しておくのが望ましい。
図8に示す例では、「colorType.color」という箇所に色の選択肢が記述されているので、設定情報においてこうした設定をしておくことで、モジュール121が商品ページ上で動作した際に、当該商品ページの商品ページ表示情報を用いて、色の入力欄310-1にかかるプルダウンメニューを動的に表示させることが可能となる。
【0068】
また、商品ページ200に表示される「カートに入れる」ボタンがクリック又はタップされた際に入力欄310を表示させる処理についても、モジュール121において記述することができる。商品ページ200に表示されるショッピングカートアイコンがクリック又はタップされた際にも同様である。より具体的には、「カートに入れる」ボタンは一般に、
<input type="button" value="Check" onclick="(カートに入れる動作)">
のように記述される。ユーザー端末100においてモジュール121が読み込まれた際にこのonclick属性の値を(入力欄210を表示させる動作)に書き換えることで、表示要素210を用いた購入の流れにユーザーを誘導することができる。
【0069】
商品ページ200の一部、たとえば商品ページ200に表示される商品を購入対象として選択するためのボタンがクリック又はタップされたことに応じて入力欄310又は確認画面500を表示するためのモジュールは、第2のサーバ120又はそこからアクセス可能な記憶装置又は記憶媒体に用意されたECサイトごとの設定情報に不正決済防止の要否を含め、要の場合に個別モジュール121-2の一部としてユーザー端末100に読み込ませることができる。当該モジュールを、不正決済防止モジュールと呼ぶことがある。あるいは、各商品ページの商品ページ表示情報に不正決済防止の要否の指定をしておき、個別モジュール-212が読み込まれた際にこの指定をチェックさせることによって、ユーザー端末100側で不正決済防止の要否を判定してもよい。
【0070】
モジュール121においては、このようなECサイトごと又はECサイトの商品ページごとに生成が必要な個別モジュール121-2と、各ECサイトに共通の汎用モジュール121-1とを区別して取り扱うことも可能であるが、これらを単一のJSファイルとして扱ってもよい。
【0071】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ECサイトの商品ページに表示される入力欄310に対する入力に対応する商品購入の意思表示がなされたら、ユーザー端末100のウェブブラウザを、当該ECサイトの商品ページ200から、当該ECサイトを提供する第1のサーバ110とは異なる第3のサーバにより提供されるウェブサイトに決済のために遷移させたが、第2の実施形態では、当該第3のサーバに対して、入力された商品購入に必要な購入情報の送信(S605に相当)は引き続き行うものの、当該第3のサーバによるウェブサイトへの転送は行わずに、商品ページ200に表示されたポップアップウィンドウ300から決済が行われるようにする。
【0072】
当該ECサイトで利用可能な決済手段によって異なることがあるものの、商品名又は商品ID、個数、金額等の商品購入に必要な購入情報の一部又は全てを決済のための決済サーバ(不図示)に送信し、必要に応じて決済が完了したことを待って、第3のサーバを運営する事業者は商品の代理購入を行うようにすればよい。
【0073】
このように、ECサイトから直接決済可能とすることで、別サイトへの遷移による離脱率を下げることができる一方、ECサイト又は商品ページごとに用意すべき設定情報に決算手段を呼び出すための決済手段情報を含めることが必要となり、ECサイトごとの第2のサーバ120における設定が複雑化する側面がある。
【符号の説明】
【0074】
100 ユーザー端末
101 通信部
102 処理部
103 記憶部
110 第1のサーバ
120 第2のサーバ
121 モジュール
121-1 汎用モジュール
121-2 個別モジュール
200 商品ページ
210 表示要素
211 ショッピングカートアイコン
300 ポップアップウィンドウ
310 入力欄
310-1 色の入力欄
310-2 サイズの入力欄
310-3 数量の入力欄
320 商品画像
330 追加ボタン
500 確認画面
510 進むボタン
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ECの海外への提供を支援するための方法であって、
ユーザー端末が、ECサイトで販売される商品についての商品ページとともに、前記商品を海外から購入することを支援するための表示要素をウェブブラウザに表示するステップと、
前記ユーザー端末が、前記表示要素の一部又は前記商品ページの一部がクリック又はタップされたことに伴い表示される、前記商品を海外から購入するための入力欄に対する入力を受け付けるステップと、
前記入力に対応する商品購入の意思表示がなされた場合、前記ユーザー端末が、入力された商品購入に必要な購入情報を前記ECサイトを提供するサーバとは異なるサーバに送信するステップと
を含むことを特徴とする方法。