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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010095
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】食器洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/14 20060101AFI20230113BHJP
   A47L 15/06 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
A47L15/14
A47L15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113942
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】浦田 敦史
(57)【要約】      (修正有)
【課題】食器かごに載置された食器類を好適に洗浄可能な食器洗浄システムを提供する。
【解決手段】本発明の食器洗浄システム10は、食器洗浄機1と、サーバ60と、携帯端末70とを備えている。食器洗浄機1は、食器類を載置可能な食器かごを有しており、食器かごに載置された食器類の洗浄を行う。サーバ60は、食器かごの形状を含む機器情報601を記憶する。また、サーバ60及び携帯端末70は、食器洗浄機1で洗浄される食器類の種類及び数量の情報が含まれた食器類情報を作成する。さらに、サーバ60は、機器情報601及び食器類情報に基づき、食器かごにおける食器類の提案情報を作成する。そして、携帯端末70は、この提案情報の報知を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄槽と、前記洗浄槽内に洗浄水を噴射可能な洗浄手段と、前記洗浄手段の性能に基づいて形成され、食器類を載置可能な食器かごとを有し、前記食器かごに載置された前記食器類の洗浄を行う食器洗浄機と、
前記食器かごの形状を含む機器情報を記憶する記憶手段と、
前記食器洗浄機で洗浄を行う前記食器類の種類及び数量の情報が含まれた食器類情報を作成する情報作成手段と、
前記機器情報及び前記食器類情報に基づき、前記食器かごにおける前記食器類の載置の提案である提案情報を作成する提案作成手段と、
前記提案情報を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする食器洗浄システム。
【請求項2】
前記食器洗浄機で洗浄を行う前記食器類を撮影して食器類画像を作成する画像作成手段を備え、
前記情報作成手段は、前記食器類画像に基づいて前記食器類情報を作成可能である請求項1記載の食器洗浄システム。
【請求項3】
前記情報作成手段は、調理機器に自動調理させる料理の情報を有する調理プログラムに基づいて前記食器類情報を作成可能である請求項1記載の食器洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食器洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の食器洗浄機が開示されている。この食器洗浄機は、洗浄槽と、洗浄手段と、食器かごとを備えている。洗浄槽は略矩形状に形成されている。洗浄手段は、洗浄槽内に洗浄水を噴射可能である。
【0003】
食器かごは、洗浄槽内に設けられている。食器かごは、大皿、小皿、茶碗及びコップ等の食器類を載置可能となっている。また、食器かごには、載置される食器類の種類に応じて、複数の指定位置が予め設定されている。さらに、食器かごは、複数の支持部材と、複数の表示部とを有している。各支持部材は、各指定位置にそれぞれ配置されており、食器類を支持可能となっている。これらの各支持部材は、配置された指定位置等に応じて、形状や互いの間隔等が規定されている。各表示部は、指定位置の近傍に配置されている。各表示部は、指定位置に載置可能な食器類の図形と、その食器類の名称を示す文字とで構成されている。
【0004】
この食器洗浄機では、食器類を食器かごに載置するに当たり、各表示部によって、食器類の種類に応じた指定位置を使用者が判別し易くなっている。このため、この食器洗浄機では、利用者が食器類を食器かごに載置し易く、また、食器類を各支持部材によって好適に支持できる。これにより、この食器洗浄機では、食器かごに載置された食器類を好適に洗浄可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-32567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、食器洗浄機で洗浄を行う食器類の種類によっては、表示部による指示が存在せず、いずれの指定位置に載置すべきか使用者が判断し難い場合がある。また、食器洗浄機が1回に洗浄を行う食器類について、特定の種類に数量の偏りが生じる場合がある。この場合、食器かごで予め設定された指定位置に食器類を載置するよりも、他の指定位置に載置した方が食器類を好適に載置でき、結果として、食器類を好適に洗浄できる場合があり得る。
【0007】
しかし、食器類を載置する際における位置等の食器類の載置の仕方は、食器かごの形状等によって異なるため、使用者は、最適な食器類の載置の仕方を判断することが難しい。一方、使用者が食器かごにおける食器類の載置を恣意的に判断した場合には、却って食器類を好適に洗浄し得ない場合があり得る。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、食器かごに載置された食器類を好適に洗浄可能な食器洗浄システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の食器洗浄システムは、洗浄槽と、前記洗浄槽内に洗浄水を噴射可能な洗浄手段と、前記洗浄手段の性能に基づいて形成され、食器類を載置可能な食器かごとを有し、前記食器かごに載置された前記食器類の洗浄を行う食器洗浄機と、
前記食器かごの形状を含む機器情報を記憶する記憶手段と、
前記食器洗浄機で洗浄を行う前記食器類の種類及び数量の情報が含まれた食器類情報を作成する情報作成手段と、
前記機器情報及び前記食器類情報に基づき、前記食器かごにおける前記食器類の載置の提案である提案情報を作成する提案作成手段と、
前記提案情報を報知する報知手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明の食器洗浄システムでは、記憶手段が機器情報を記憶する。この機器情報には、食器かごの形状が含まれている。ここで、食器かごは、洗浄手段の性能に基づいて形成されている。つまり、食器かごの形状は、載置された食器類に対して洗浄手段の性能が発揮されるように設計されている。
【0011】
また、この食器洗浄システムでは、情報作成手段が食器類情報を作成する。この食器類情報には、食器洗浄機で洗浄される食器類の種類及び数量の情報が含まれている。そして、提案作成手段は、食器かごにおける食器類の提案情報を作成する。ここで、この提案情報としては、例えば、食器かごに食器類を載置する際の位置の情報が挙げられる他、食器かごに食器類を載置した際における食器類同士の間隔等の情報が挙げられる。そして、報知手段は提案情報を報知する。これにより、この食器洗浄システムの使用者は、提案作成手段が提案した提案情報に基づいて、食器かごに食器類を容易に載置することができる。
【0012】
ここで、提案作成手段は、機器情報及び食器類情報に基づいて食器類の提案情報を作成する。つまり、提案作成手段は、食器類の形状及び数量の情報だけでなく、食器かごの形状、ひいては洗浄手段の性能も加味した上で、食器類の提案情報を作成する。このため、この食器洗浄システムでは、提案作成手段が作成した食器類の提案情報どおりに使用者が食器かごに食器類を載置することにより、洗浄手段、ひいては食器洗浄機は、これらの食器類に対して性能を好適に発揮できる。
【0013】
したがって、本発明の食器洗浄システムによれば、食器かごに載置された食器類を好適に洗浄できる。
【0014】
本発明の食器洗浄システムは、食器洗浄機で洗浄を行う食器類を撮影して食器類画像を作成する画像作成手段を備え得る。そして、情報作成手段は、食器類画像に基づいて食器類情報を作成可能であることが好ましい。
【0015】
また、情報作成手段は、調理機器に自動調理させる料理の情報を有する調理プログラムに基づいて食器類情報を作成可能であることも好ましい。
【0016】
これらの場合には、食器類情報の作成を容易化することができるため、利便性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の食器洗浄システムによれば、食器かごに載置された食器類を好適に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施例1の食器洗浄システムを示す模式図である。
図2図2は、実施例1の食器洗浄システムに係り、食器洗浄機を示す断面図である。
図3図3は、実施例1の食器洗浄システムに係り、食器かごを示す平面図である。
図4図4は、実施例1の食器洗浄システムに係り、携帯端末を示す模式図である。
図5図5は、実施例1の食器洗浄システムに係り、食器類情報の作成手順を示すフロー図である。
図6図6は、実施例1の食器洗浄システムに係り、食器類を撮影する状態を示す模式図である。
図7図7は、実施例1の食器洗浄システムに係り、食器類画像を示す模式図である。
図8図8は、実施例1の食器洗浄システムに係り、提案情報の作成手順等を示すフロー図である。
図9図9は、実施例2の食器洗浄システムを示す模式図である。
図10図10は、実施例2の食器洗浄システムに係り、ガスコンロにおいて自動調理が可能な料理の種類と、各料理に用いられる食器類の種類及び数量とを示す一覧表である。
図11図11は、実施例2の食器洗浄システムに係り、食器類情報の作成手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明するとともに、変形例について説明する。
【0020】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の食器洗浄システム10は、食器洗浄機1と、サーバ60と、携帯端末70とを備えている。サーバ60は、本発明における「記憶手段」及び「提案作成手段」の一例である。また、サーバ60及び携帯端末70は、本発明における「情報作成手段」の一例である。さらに、携帯端末70は、本発明における「報知手段」及び「画像作成手段」の一例である。
【0021】
本実施例では、図2に示す各矢印によって、食器洗浄機1の前後方向及び上下方向を規定している。また、図3では、図2に対応して食器洗浄機1の前後方向を規定している他、食器洗浄機1の左右方向、すなわち幅方向を規定している。これらの前後方向、上下方向及び左右方向は互いに直交している。
【0022】
図2に示すように、食器洗浄機1はシステムキッチン100に組み込まれており、システムキッチン100の天板CT1の下方に設置されている。食器洗浄機1は、筐体3と、洗浄槽5と、洗浄手段7と、食器かご9とを備えている。
【0023】
筐体3は、前後方向、上下方向及び左右方向に延びる略矩形の箱状に形成されている。筐体3は、筐体3の内部と外部とを連通させる筐体開口3hを有している。また、筐体3の内部には、後述する洗浄槽5の洗浄空間5hを閉塞及び開放を行う蓋体35が設けられている他、洗浄槽5に水を供給する給水管P1と、洗浄槽5内の洗浄水を食器洗浄機1の外部に排水する排水管P2とが設けられている。また、給水管P1には、給水管P1を開閉する給水電磁弁37が設けられている。
【0024】
洗浄槽5は、前後方向、上下方向及び左右方向に延びる略区形状をなしている。洗浄槽5には、洗浄空間5hが形成されている。洗浄空間5hは、上部が開放されている他、排気通路5aによって洗浄槽5の外部、すなわち食器洗浄機1の外部と連通している。さらに、洗浄空間5hには給水管P1が接続されている。
【0025】
また、洗浄槽5には貯水室51及びヒータ室52が形成されている。貯水室51は、洗浄空間5hの下部と連通しており、洗浄水を貯留可能となっている。また、貯水室51は排水管P2と接続している。ここで、洗浄水は、給水管P1から洗浄空間5hに給水された水のみで構成される場合の他、給水管P1から洗浄空間5hに給水された水に対して洗剤等の処理剤が混合されることで構成される。
【0026】
さらに、貯水室51には洗浄手段7が設けられている。洗浄手段7は、ノズル53、フィルタ54及びポンプ55によって構成されている。ノズル53は、複数の吐出孔53aを有しており、各吐出孔53aから洗浄空間5h内に洗浄水を噴射可能である。ポンプ55は、貯水室51内でフィルタ54を通過した洗浄水をノズル53に供給する他、洗浄水を排水管P2に流通させる。
【0027】
ヒータ室52は、洗浄空間5hよりも下方に位置している。ヒータ室52の内部には、洗浄水や洗浄空間5h内の空気を加熱可能なヒータ52aが設けられている。
【0028】
さらに、洗浄槽5には、水位検知槽56及び乾燥ファン57が設けられている。水位検知槽56は、内部に洗浄水の一部が流入可能となっている。また、水位検知槽56には、水位センサ56aが設けられている。水位センサ56aは、水位検知槽56内の洗浄水を通じて洗浄空間5h内の洗浄水の水位を検知する。乾燥ファン57は、食器洗浄機1の外部の空気を洗浄空間5h内に供給する。
【0029】
また、洗浄槽5の前部の上端には、把持部5gが設けられている他、操作部40及び報知部41が設けられている。操作部40は、食器洗浄機1の使用者が食器洗浄機1の操作を行う。具体的には、使用者は操作部40を通じて、洗浄運転の種類の選択や洗浄運転の時間の選択等を行う。報知部41は、液晶パネル(図示略)を有している。報知部41は、使用者が選択した洗浄運転の種類や時間等を液晶パネルに表示する。
【0030】
さらに、洗浄槽5の前部には、洗剤自動投入装置59と、第1制御部C1とが設けられている。洗剤自動投入装置59は内部に洗剤が貯留されており、貯留された洗剤を所定のタイミングで洗浄空間5hに自動で投入する。第1制御部C1は、食器洗浄機1の作動制御を行うための制御プログラムを記憶している。第1制御部C1は、操作部40、報知部41、洗浄手段7及び洗剤自動投入装置59等と電気的に接続されている。第1制御部C1は、制御プログラムに基づいて洗浄手段7及び洗剤自動投入装置59等の制御を行い、食器洗浄機1を作動させる。
【0031】
また、第1制御部C1は、図1に示すサーバ60と無線による通信が可能となっている。なお、第1制御部C1は、サーバ60と有線による通信が可能となっていても良い。また、第1制御部C1は、サーバ60及び携帯端末70の両方と無線による通信が可能となっていても良い。
【0032】
洗浄槽5は、筐体3に対して前後方向に移動可能となっている。洗浄槽5は、筐体3に対して前方に移動することにより、筐体開口3hを経て筐体3の外部に露出する。ここで、図2では、洗浄槽5が筐体3に対して最も後方に移動した状態を図示している。また、蓋体35は、洗浄槽5が筐体3の内部に位置しているときには、下方に移動して洗浄空間5hの上部を閉鎖する。
【0033】
食器かご9は、洗浄槽5の洗浄空間5h内に設けられている。食器かご9は、食器類TWを収容可能である。ここで、食器類TWには、図7に示す大皿TW1、小皿TW2、茶碗TW3及び汁椀TW4等の食器の他、コップTW5、箸TW6、フォーク及びスプーン(図示略)等の飲食用具等が含まれる。さらに、食器類TWには、調理に用いるフライパン、鍋等の調理容器(図示略)等も含まれる。
【0034】
図3に示すように、食器かご9は、かご本体91と、複数の支持部材93と、第1~5表示部95a~95eとを有している。かご本体91は、所定の長さに形成された樹脂材を前後方向及び左右方向に複数組み合わせることによって形成されている。また、かご本体91には、第1~6指定位置911~916が設定されている。第1~6指定位置911~916は、それぞれ食器類TWの種類に応じて設定されており、食器類TWを載置可能となっている。なお、かご本体91に設定される指定位置の数の他、かご本体91を占める第1~6指定位置911~916の割合等は適宜設計可能である。
【0035】
具体的には、この食器かご9では、第1指定位置911には、主に大皿TW1を載置可能となっている。第2指定位置912及び第6指定位置916には、主に小皿TW2を載置可能となっている。第3指定位置913には、主に茶碗TW3や汁椀TW4を載置可能となっている。第4指定位置914及び第5指定位置915には、主に中皿や鉢(いずれも図示略)を載置可能となっている。なお、例えば、第1指定位置911に茶碗TW3やコップTW5を載置する等、第1~6指定位置911~916に対して、設計された食器類TW以外の食器類TWを載置することも可能である。
【0036】
各支持部材93は、それぞれかご本体91と接続しており、第1~6指定位置911~916に配置されている。各支持部材93は、第1~6指定位置911~916に載置された食器類TWを支持可能となっている。ここで、各支持部材93は、配置された第1~6指定位置911~916によって、形状が異なるように設計されている。例えば、第1指定位置911に配置された各支持部材93は、主に大皿TW1を支持可能な形状に設計されており、第3指定位置913に配置された各支持部材93は、主に茶碗TW3や汁椀TW4を支持可能な形状に設計されている。
【0037】
第1~5表示部95a~95eは、それぞれかご本体91に一体に設けられており、それぞれ第1~6指定位置911~916の近傍に配置されている。具体的には、第1表示部95aは第1指定位置911の近傍に配置されており、第2表示部95bは第2指定位置912の近傍に配置されており、第3表示部95cは第3指定位置913の近傍に配置されている。また、第4表示部95dは、第4指定位置914及び第5指定位置915の近傍に配置されている。そして、第5表示部95eは第6指定位置916の近傍に配置されている。
【0038】
また、第1~5表示部95a~95eには、それぞれ第1~6指定位置911~916に載置される食器類TWを模した図形が形成されている。例えば、第1表示部95aには大皿TW1を模した図形が形成されており、第2、5表示部95b、95eには小皿TW2を模した図形が形成されている。なお、第1~5表示部95a~95eを省略して食器かご9を構成しても良い。
【0039】
ここで、この食器洗浄機1において、食器かご9は、洗浄手段7の性能に基づいて形成されている。より具体的には、食器かご9では、ノズル53の各吐出孔53aから噴射される洗浄水の方向等を基に、かご本体91における第1~6指定位置911~916の配置箇所、各支持部材93の形状及び各支持部材93同士の間隔を設計している。これにより、例えば、第1指定位置911に配置された各支持部材93は、上記のように、主に大皿TW1を支持可能な形状に設計されていることに加えて、各吐出孔53aから噴射された洗浄液によって好適に洗浄できる姿勢及び間隔で大皿TW1等の食器類TWを支持可能な形状となっている。
【0040】
図1に示すように、サーバ60は、内部に第1演算部61と、第1記憶部62と、第1通信部63とを有している。第1演算部61は、CPU等で構成されており、サーバ60の作動制御を行う他、各種の演算を行う。第1記憶部62は、ROMやRAMの他、HDD(ハードディスクドライブ)等の記憶装置によって構成されている。第1記憶部62は、サーバ60の作動制御を行う制御プログラムの他、機器情報601と、サーバ側洗浄プログラム602とを記憶している。
【0041】
機器情報601には、食器かご9の形状に関する情報の他、食器洗浄機1の性能に関する情報が含まれている。ここで、食器かご9の形状に関する情報とは、具体的には、食器かご9の寸法の他、上記のような食器かご9における第1~6指定位置911~916の配置箇所や支持部材93の数量や形状等の情報である。食器洗浄機1の性能に関する情報とは、具体的には、ノズル53の形状やノズル53による洗浄水の噴射方向等、洗浄手段7の性能に関する情報の他、食器洗浄機1が実行する洗浄運転の種類や洗浄運転の時間等に関する情報が含まれている。なお、機器情報601には、食器洗浄機1における他の情報が含まれていても良い。また、食器洗浄機1の性能に関する情報から、洗浄運転の種類及び洗浄運転の時間に関する情報を除外しても良い。さらに、機器情報601は、食器かご9の形状に関する情報のみで構成されていても良い。
【0042】
サーバ側洗浄プログラム602は、端末側洗浄プログラム701とともに、食器類情報及び提案情報等の作成を行う。なお、食器類情報及び提案情報等の作成についての詳細は後述する。
【0043】
第1通信部63は、無線通信装置によって構成されている。サーバ60は、第1通信部63を通じて食器洗浄機1の第1制御部C1と通信可能となっている他、携帯端末70と通信可能となっている。なお、第1通信部63は、第1制御部C1や携帯端末70と有線による接続が可能な有線接続装置を有していても良い。
【0044】
図1及び図4に示す携帯端末70は、具体的にはスマートフォンである。図1に示すように、携帯端末70の表面には、タッチパネル式のディスプレイ70aが設けられている。
【0045】
また、ディスプレイ70aでは、食器洗浄機1で洗浄を行う食器類TWの種類や数量について、図6に示す食器洗浄システム10の使用者300(以下、単に使用者300という。)が入力可能となっている。さらに、ディスプレイ70aには、サーバ60が作成した食器類情報及び提案情報を表示可能である。これにより、ディスプレイ70aは、使用者300に対して食器類情報及び提案情報を報知可能となっている。なお、ディスプレイ70aに換えて、携帯端末70に設けられたスピーカ(図示略)を通じて食器類情報及び提案情報の報知を行ったり、ディスプレイ70a及びスピーカを通じて、食器類情報及び提案情報の報知を行ったりしても良い。
【0046】
また、図4に示すように、携帯端末70の裏面には、カメラ70bが設けられている。カメラ70bは、食器洗浄機1で洗浄を行う食器類TWを撮影可能となっている。携帯端末70は、使用者300がカメラ70bによって食器類TWを撮影することにより、これらの食器類TWについての食器類画像400(図7参照)を作成可能である。なお、スマートフォンに換えて、タブレット型コンピュータ等を携帯端末70として採用しても良い。また、携帯端末70として、食器洗浄システム10専用のコントローラ等を採用しても良い。
【0047】
また、携帯端末70は、内部に第2演算部71と、第2記憶部72と、第2通信部73とを有している。第2演算部71は、第1演算部61と同様、CPU等で構成されており、携帯端末70の作動制御を行う他、各種の演算を行う。第2記憶部72は、第1記憶部62と同様、ROMやRAMの他、記憶装置によって構成されている。第2記憶部72は、携帯端末70の作動制御を行う制御プログラムの他、端末側洗浄プログラム701を記憶している。
【0048】
第2通信部73は、第1通信部63と同様、無線通信装置によって構成されている。なお、第2通信部73を通じて、食器洗浄機1の第1制御部C1と携帯端末70とが通信可能に接続しても良い。この場合、携帯端末70を通じて食器洗浄機1における洗浄運転の種類や洗浄運転の時間の選択等を行ったり、洗浄運転の種類や時間等をディスプレイ70aに表示したりしても良い。
【0049】
以上のように構成された食器洗浄システム10では、食器類TWの洗浄を行うに当たって、使用者300は、食器洗浄機1の洗浄槽5を前方に移動させて、洗浄空間5h及び食器かご9を筐体3の外部に露出させる。そして、この状態で、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWを食器かご9に載置する。
【0050】
この際、使用者300は、食器洗浄機1で洗浄を行う食器類TWの種類に応じて第1~6指定位置911~916を選択する。ここで、食器かご9では、第1~6指定位置911~916の近傍に第1~5表示部95a~95eが設けられているため、使用者300は、食器類TWを載置すべき第1~6指定位置911~916を容易に判別することが可能となっている。
【0051】
このように、食器かご9に食器類TWを載置した後、使用者300は、図2に示すように、洗浄槽5を後方に移動させて、洗浄槽5を筐体3の内部に位置させる。そして、使用者300は操作部40の操作を行う。これにより、第1制御部C1は、制御プログラムに基づき、洗浄手段7等の作動制御を行い、洗浄運転を開始する。
【0052】
洗浄運転が開始されることにより、給水電磁弁37が開弁し、給水管P1によって洗浄空間5h内に水が供給される。さらに、洗剤自動投入装置59によって、洗剤が洗浄空間5h内に適宜投入される。また、洗浄手段7では、ポンプ55によって洗浄水がノズル53に供給されることで、ノズル53の各吐出孔53aから洗浄水が洗浄空間5h内に噴射される。これにより、洗浄空間5h内において、洗浄水による食器類TWの洗浄が所定の時間で行われる。ここで、食器かご9では、各支持部材93について、洗浄手段7の性能と、配置された第1~6指定位置911~916とに応じて形状が設計されている。このため、食器類TWの洗浄が行われる間、各支持部材93は、第1~6指定位置911~916において好適に洗浄できる姿勢及び間隔で食器類TWを支持する。
【0053】
そして、食器類TWの洗浄が終了した後には、乾燥ファン57によって、食器類TWの乾燥が行われるとともに、排水管P2によって洗浄水が食器洗浄機1の外部に排出される。こうして、食器洗浄機1では洗浄運転が終了する。なお、洗浄運転が終了した後、使用者300は、洗浄槽5を前方に移動させることによって、洗浄空間5hの食器かご9から食器類TWを取り出すことができる。また、使用者300は、食器かご9に食器類TWを引き続き載置して保管することもできる。
【0054】
また、この食器洗浄システム10では、上記のように食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWについて、使用者300が第1~5表示部95a~95eに基づいて食器かご9に載置する場合だけでなく、サーバ60が食器かご9における食器類TWの載置の提案である提案情報を作成し、作成された提案情報を使用者300に報知することも可能となっている。
【0055】
サーバ60によって食器かご9における食器類TWの提案情報を作成させるに当たっては、図5のフロー図に示すように、まず初めに、端末側洗浄プログラム701及びサーバ側洗浄プログラム602をそれぞれ起動させる(ステップS101)。具体的には、使用者300が携帯端末70を操作して端末側洗浄プログラム701を起動させれば、その情報が携帯端末70からサーバ60に伝達される。これにより、サーバ60は、サーバ側洗浄プログラム602を起動させる。なお、サーバ側洗浄プログラム602は常に起動していても良い。
【0056】
次に、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWの種類及び数量について、使用者300による入力が行われたか否かを判断する(ステップS102)。この判断を行うに当たっては、携帯端末70のディスプレイ70aにおいて、食器洗浄機1で洗浄を行う食器類TWの種類及び数量の入力を行うか否かの表示を行い、使用者300の意思を確認する。また、この食器類TWの種類及び数量の入力は、使用者300が携帯端末70のディスプレイ70aを通じて行う。
【0057】
食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWの種類及び数量について、使用者300が入力を行わない場合(ステップS102:NO)、使用者300は、携帯端末70のカメラ70bを用いて、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWを撮影し、食器類画像400を作成する(ステップS103)。食器類TWの撮影を行うに当たっては、図6に示すように、使用者300は、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWが一つの食器類画像400内に収まるように、これらの食器類TWを例えばテーブル500等に並べた状態とする。この際、大皿TW1や小皿TW2のような食器類TWの種類及び数量が判別できるように、食器類TW同士が重なった状態となったり、食器類TWの一部が他の食器類TWに隠れたりしないように食器類TWをテーブル500等に並べる。そして、使用者300は、テーブル500等に並べられた食器類TWをカメラ70bによって上方から撮影する。これにより、携帯端末70の第2演算部71は、食器類画像400を作成する。
【0058】
ここで、図7に示すように、本実施例では、1枚の大皿TW1と、3枚の小皿TW2と、3個の茶碗TW3と、3個の汁椀TW4と、3個のコップTW5と、3膳の箸TW6が含まれた食器類画像400が作成された。そして、このようにして作成された食器類画像400は、携帯端末70からサーバ60に送信される(図5のステップS104)。なお、サーバ60に食器類画像400を送信するに先立って、食器類画像400の内容に不備があるか否かを使用者300に確認し、例えば、食器類画像400内に一部の食器類TWが含まれていない等、食器類画像400の内容に不備がある場合には、食器類画像400を再度作成する工程を設けても良い。
【0059】
次に、サーバ60は、受信した食器類画像400に存在する食器類TWの種類及び数量を特定し、食器類情報を作成する(ステップS105)。ここで、本実施例では、以下のようにして、サーバ60は、食器類画像400に存在する食器類TWの種類及び数量を特定する。
【0060】
すなわち、サーバ60が記憶するサーバ側洗浄プログラム602には、大皿TW1、小皿TW2及び箸TW6等について、それぞれの形状及び寸法に関する情報が記録されている。また、サーバ側洗浄プログラム602では、箸TW6の長さを基準値として設定している他、フォークやスプーンの長さを基準値として設定している。
【0061】
そして、サーバ60の第1演算部61は、食器類画像400において、箸TW6の形状と近似又は合致するオブジェクトを抽出し、抽出されたオブジェクトを箸TW6と判断する。こうして、第1演算部61は、食器類画像400から箸TW6を抽出する。食器類画像400から箸TW6を抽出した後、第1演算部61は、食器類画像400において、大皿TW1や小皿TW2の形状と近似するオブジェクトを抽出する。さらに、第1演算部61は、抽出した箸TW6の長さ、つまり基準値を基に、大皿TW1や小皿TW2の形状と近似するオブジェクトの寸法を算出する。そして、これらのオブジェクトの寸法と、サーバ側洗浄プログラム602に記録されている大皿TW1や小皿TW2等の寸法とを照合させることにより、第1演算部61は、食器類画像400から大皿TW1や小皿TW2等を抽出する。なお、食器類画像400から箸TW6を抽出できなかった場合には、フォークやスプーンを抽出し、これらの長さを基準値として、食器類画像400から大皿TW1や小皿TW2等を抽出する。
【0062】
ここで、箸TW6の長さを基準値とするのは、箸TW6は、例えば大人用や子供用によって形状に多少の違いが存在するものの、箸TW6としての用途を発揮するため、皿等に比べて形状の差が小さく、長さに違いが生じ難いためである。フォークやスプーンについても同様である。
【0063】
このように食器類画像400から抽出した大皿TW1、小皿TW2及び箸TW6等を基に、第1演算部61、すなわちサーバ60は、食器類画像400に存在する食器類TWの種類及び数量を特定する。そして、第1演算部61は、これらの食器類TWの種類及び数量の情報である食器類情報を作成する。なお、他の方法によって、食器類画像400から大皿TW1等の抽出を行っても良い。
【0064】
さらに、サーバ60は、第1通信部63を通じて、食器類情報を携帯端末70に送信する(ステップS106)。そして、食器類情報を受信した携帯端末70は、その食器類情報をディスプレイ70aに表示する(ステップS107)。
【0065】
次に、使用者300は、第1演算部61、ひいてはサーバ60が作成した食器類情報の内容が正確であるか否かを判断する(図8のステップS301)。
【0066】
ここで、食器類情報として、「大皿TW1が1枚」、「小皿TW2が3枚」、「茶碗TW3が3個」、「汁椀TW4が3個」、「コップTW5が3個」及び「箸TW6が3膳」と表示された場合、サーバ60が作成した食器類情報は、食器類画像400の内容と整合していることになる。このため、この場合には、使用者300は食器類情報の内容が正確であると判断する(ステップS301:YES)。そして、使用者300は、携帯端末70を通じて、ディスプレイ70aに表示された食器類情報が正確である旨をサーバ60に送信する(ステップS302)。これにより、サーバ60では、第1記憶部62が食器類情報を記憶する(ステップS303)。こうして、食器類情報の作成が完了する。
【0067】
これに対し、サーバ60が作成した食器類情報、すなわち、ディスプレイ70aに表示された食器類情報として、例えば、「大皿TW1が2枚」、「小皿TW2が2枚」、「汁椀TW4が6個」、「コップTW5が3個」及び「箸TW6が3膳」が表示された場合、この食器類情報は、食器類画像400の内容と整合していないことになる。このため、このような場合には、使用者300は食器類情報の内容が不正確であると判断する(ステップS301:NO)。
【0068】
このため、使用者300は、携帯端末70を通じて、食器類情報を補正した補正情報を作成する(ステップS304)。つまり、上記の場合には、第1演算部61が作成した食器類情報のうち、「大皿TW1が2枚」、「小皿TW2が2枚」及び「汁椀TW4が6個」とされている個所について、「大皿TW1が1枚」、「小皿TW2が3枚」、「茶碗TW3が3個」及び「汁椀TW4が3個」」と補正した補正情報を作成する。
【0069】
また、たとえディスプレイ70aに表示された食器類情報の内容が食器類画像400の内容と整合した場合であっても、使用者300が食器類画像400に含まれていないフライパンや鍋等の食器類TWについて、大皿TW1等と同時に食器洗浄機1で洗浄することを所望する場合も想定される。この場合についても、ステップS304において、使用者300は、食器類情報に対して、食器洗浄機1での洗浄を所望する食器類TWの種類及び数量を追加する補正を行い、補正情報を作成する。
【0070】
そして、使用者300が作成した補正情報は、携帯端末70からサーバ60に送信される(ステップS305)。これにより、サーバ60、より具体的には、第1記憶部62は、補正情報が反映された食器類情報を記憶する(ステップS306)。こうして、この場合にも食器類情報の作成が完了する。なお、サーバ60が作成した食器類情報の内容が不正確である場合、食器類画像400から食器類TWの種類及び数量を特定し直して食器類情報を再度作成するとともに、この食器類情報の内容が正確であるか否かを判断する工程を設けても良い。
【0071】
また、この食器洗浄システム10では、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWの種類及び数量について、使用者300による入力が行われた場合(図5のステップS102:YES)、使用者300が入力した内容が携帯端末70からサーバ60に送信される。これにより、サーバ60は、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づいて、食器類情報を作成する(ステップS108)。
【0072】
こうして作成された食器類情報についても、サーバ60から携帯端末70に送信され(ステップS106)、ディスプレイ70aに表示される(ステップS107)。このように、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づいてサーバ60が食器類情報を作成した場合であっても、この食器洗浄システム10では、図8ステップS301において、食器類情報の内容が正確であるか否かを使用者300が判断する。そして、ステップS303又はステップS306を経ることにより、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づく食器類情報の作成が完了する。
【0073】
これらのように食器類情報の作成が完了した後、サーバ60は、機器情報601及び食器類情報に基づき、食器かご9における食器類TWの提案情報を作成する(ステップS307)。具体的には、この食器洗浄システム10では、第1演算部61は、第1記憶部62に記憶された食器類情報である1枚の大皿TW1と、3枚の小皿TW2と、3個の茶碗TW3と、3個の汁椀TW4と、3個のコップTW5と、3膳の箸TW6とについての食器かご9における適切な載置位置を演算して提案情報を作成する。
【0074】
ここで、この提案情報には、食器かご9に載置した際における大皿TW1と小皿TW2との間隔や小皿TW2同士の間隔等の他、食器かご9における大皿TW1等の各位置と、食器かご9に載置した際における大皿TW1等の向きや姿勢が含まれている。また、第1記憶部62は、第1演算部61が演算した提案情報を記憶する。
【0075】
そして、サーバ60は、第1演算部61が作成した提案情報を携帯端末70に送信する(ステップS308)。これにより、携帯端末70は、ディスプレイ70aに提案情報を表示する(ステップS309)。この結果、第1演算部61、ひいてはサーバ60が作成した食器類TWの提案情報が使用者300に報知される。
【0076】
こうして、この食器洗浄システム10によれば、使用者300は、ディスプレイ70aを通じて報知された提案情報に基づいて、食器かご9に食器類TWを容易に載置することが可能となっている。そして、提案情報に基づいて食器かご9に食器類TWが載置された後は、使用者300が第1~5表示部95a~95eに基づいて食器かご9に食器類TWを載置した場合と同様に、食器洗浄機1による食器類TWの洗浄が行われる。
【0077】
ところで、サーバ60が作成した食器類TWの提案情報では、例えば小皿TW2の載置位置について、本来、食器かご9において設定されている第2指定位置912や第6指定位置916とは異なる位置を指定する場合があり得る。
【0078】
この点、この食器洗浄システム10では、サーバ60は、機器情報601及び食器類情報に基づいて食器類TWの提案情報を作成する。つまり、サーバ60は、食器類TWの種類及び数量の情報だけでなく、食器かご9の形状に関する情報と、洗浄手段7の性能に関する情報と、食器洗浄機1が実行する洗浄運転の種類や洗浄運転の時間等に関する情報とを加味した上で、食器類TWの適切な載置位置を演算し、提案情報を作成している。
【0079】
つまり、食器かご9において、第1~6指定位置911~916は、食器洗浄機1の性能等に基づいた一般的な指標とならざるを得ないのに対し、サーバ60が提案する提案情報は、食器洗浄機1で実際に洗浄される食器類TWの種類及び数量と、洗浄手段7の性能等とに基づいて、個別具体的に作成される。
【0080】
さらに、サーバ60が作成した提案情報には、食器かご9に載置する際の食器類TWの位置だけでなく、食器かご9に載置した際の食器類TW同士の間隔、食器類TWの向き及び姿勢が含まれている。
【0081】
このため、この食器洗浄システム10では、サーバ60が作成した食器類TWの提案情報どおりに使用者300が食器かご9に食器類TWを載置することにより、食器洗浄機1は、これらの食器類TWに対して性能をより好適に発揮できるようになっている。
【0082】
したがって、実施例1の食器洗浄システム10によれば、食器かご9に載置された食器類TWを好適に洗浄できる。
【0083】
特に、この食器洗浄システム10では、サーバ60は、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づいて食器類情報を作成するだけでなく、食器類画像400に基づいて食器類情報を作成することも可能となっている。このため、この食器洗浄システム10では、サーバ60に食器類情報を作成させるに当たって、必ずしも使用者300は、食器類TWの種類及び数量を入力する必要がない。これらのため、この食器洗浄システム10では、利便性も高くなっている。
【0084】
また、この食器洗浄システム10では、図8のステップS301において、サーバ60が作成した食器類情報が正確であるか否かを使用者300に判断させている。さらに、ステップS304において、食器類情報を補正する機会を使用者300に付与している。また、この食器洗浄システム10では、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づいて食器類情報が作成された場合であっても、その食器類情報が正確であるか否かを使用者300に判断させ、食器類情報を補正する機会を使用者300に付与している。これにより、この食器洗浄システム10では、使用者300の誤入力に基づいた食器類情報が作成されることを防止している。こうして、この食器洗浄システム10では、提案情報に作成するに当たって用いられる食器類情報の精度が高くなっている。このため、この食器洗浄システム10では、サーバ60は、優れた食器類TWの提案情報を作成することが可能となっている。
【0085】
また、この食器洗浄システム10において、機器情報601には、食器かご9の形状に関する情報だけでなく、食器洗浄機1の性能に関する情報、すなわち、洗浄手段7の性能に関する情報と、食器洗浄機1が実行する洗浄運転の種類や洗浄運転の時間等に関する情報とについても含まれている。このため、サーバ60は、提案情報を作成するに当たって、食器類情報及び食器かご9の形状に関する情報の他に、洗浄手段7の性能に関する情報と、食器洗浄機1が実行する洗浄運転の種類や洗浄運転の時間等に関する情報とについても加味している。このため、機器情報601が食器かご9の形状に関する情報のみで構成されている場合に比べて、サーバ60は、好適な提案情報を作成することが可能となっている。ここで、食器かご9は、洗浄手段7の性能に基づいて形成されているため、たとえ、機器情報601が食器かご9の形状に関する情報のみで構成されている場合であっても、この食器洗浄システム10において、サーバ60は、洗浄手段7の性能についても実質的に加味しつつ、載置情報を作成することが可能である。
【0086】
(実施例2)
図9に示すように、実施例2の食器洗浄システム20は、食器洗浄機1と、サーバ60と、携帯端末70と、ガスコンロ80とを備えている。ガスコンロ80は、本発明における「調理機器」の一例である。ガスコンロ80は、天板81、第1バーナ82、第2バーナ83、筐体84、加熱グリル85及び第2制御部C2を備えている。
【0087】
天板81は、略矩形の板状に形成されている。天板81には、第1五徳81aと第2五徳81bとが設置されている。第1五徳81aは第1バーナ82を囲んでおり、第2五徳81bは第2バーナ83を囲んでいる。第1五徳81a及び第2五徳81bには、フライパンや鍋等の調理容器を載置可能である。
【0088】
第1バーナ82及び第2バーナ83は、いずれも公知のバーナと同様の構成であり、ガスコンロ80の外部から供給された燃料ガスを燃焼させる。これにより、第1バーナ82及び第2バーナ83は、第1五徳81a及び第2五徳81bに載置されたフライパン等を加熱可能である。
【0089】
筐体84は矩形の箱状に形成されており、天板81に固定されている。筐体84には、第1バーナ82の操作を行う第1操作ダイヤル84aと、第2バーナ83の操作を行う第2操作ダイヤル84bと、加熱グリル85の操作を行う第3操作ダイヤル84cとが設けられている。
【0090】
加熱グリル85は、筐体84に設けられている。詳細な図示を省略するものの、加熱グリル85は、加熱庫と、グリル扉と、グリルトレーとを有している。加熱庫は、筐体84の内部に配置されている。グリル扉は、筐体84に対して引き出し可能に設けられており、加熱庫を開閉可能となっている。グリルトレーは、加熱料理を行う食材を載置可能となっている他、食材が入れられた調理容器を載置可能となっている。グリルトレーはグリル扉に連結されており、グリル扉の移動に伴って、加熱庫内に進入又は加熱庫内から脱出可能となっている。加熱グリル85は、加熱庫内において、グリルトレーに載置された調理容器の加熱を行う。
【0091】
第2制御部C2は、筐体84の内部に配置されている。第2制御部C2は、第1バーナ82、第2バーナ83及び加熱グリル85と電気的に接続されている他、第1~3操作ダイヤル84a~84cと電気的に接続されている。これにより、第2制御部C2は、第1~3操作ダイヤル84a~84cの各操作に基づいて第1バーナ82及び第2バーナ83の点火や消火を行う他、加熱グリル85の作動及び停止等を行う。
【0092】
また、第2制御部C2は、サーバ60及び携帯端末70と無線による通信が可能となっている。これにより、第2制御部C2は、サーバ60から制御信号を受信することにより、第1バーナ82、第2バーナ83及び加熱グリル85について、作動及び停止を含む出力制御を行う。こうして、第2制御部C2、ひいてはガスコンロ80は、第1バーナ82、第2バーナ83及び加熱グリル85による自動調理が可能となっている。また、第2制御部C2は、加熱グリル85等による自動調理が終了した際、終了情報を携帯端末70に送信可能となっている。なお、第2制御部C2は、サーバ60等と有線による通信が可能となっていても良い。
【0093】
また、この食器洗浄システム20では、サーバ60の第1記憶部62が機器情報601及びサーバ側洗浄プログラム602に加えて、サーバ側調理プログラム603を記憶している。また、携帯端末70の第2記憶部72が端末側洗浄プログラム701に加えて端末側調理プログラム702を記憶している。これらのサーバ側調理プログラム603及び端末側調理プログラム702は、本発明における「調理プログラム」の一例である。
【0094】
図10に示すように、サーバ側調理プログラム603及び端末側調理プログラム702には、ガスコンロ80において自動調理可能な第1~5料理と、第1~5料理に用いられる食器類TWの種類及び数量とが含まれている。
【0095】
ここで、本実施例において、第1~5料理に用いられる食器類TWの種類及び数量とは、自動調理された第1~5料理の食事を行うに当たって用いられる食器類TWの種類及び数量を指す。また、サーバ側調理プログラム603及び端末側調理プログラム702では、第1~5料理に用いる食器類TWの種類について、共通使用食器類と個別使用食器類とに分類している。共通食器類は、食事をする人数に関係なく、第1~5料理に用いられる食器である。個別使用食器類は、第1~5料理において、食事をする人数毎に用いられる食器である。
【0096】
例えば、ガスコンロ80において自動調理された第2料理を1人で食事する場合、共通食器類として1枚の大皿TW1が用いられる他、個別使用食器類として、1枚の小皿TW2と、1個の茶碗TW3と、1個の汁椀TW4と、1個のコップTW5とが用いられる。一方、加熱グリル85が自動調理した第2料理を3人で食事する場合、共通使用食器類として1枚の大皿TW1が用いられ、個別使用食器類として、3枚の小皿TW2と、3個の茶碗TW3と、3個の汁椀TW4と、3個のコップTW5とが用いられる。なお、第1~5料理に用いられる食器類TWの種類及び数量として、食事を行うに当たって用いられる食器類TWの種類及び数量に加えて、ガスコンロ80において第1~5料理を自動調理する際に用いられる食器類TWの種類及び数量を含んでいても良い。
【0097】
また、サーバ側調理プログラム603及び端末側調理プログラム702には、第1~5料理を調理するに当たって使用する第1バーナ82、第2バーナ83及び加熱グリル85の種類の他、加熱グリル85等の出力の値や作動時間等の制御情報が含まれている。なお、制御情報は、第2制御部C2に記憶されていても良い。
【0098】
この食器洗浄システム20では、使用者300が携帯端末70を通じて、ガスコンロ80に自動調理させる第1~5料理を選択可能である。また、携帯端末70は、第2制御部C2から終了情報を受信することにより、ディスプレイ70aに自動調理が完了した旨の表示を行い、使用者に報知を行うことが可能となっている。なお、この食器洗浄システム20では、第1~5料理から複数の料理を選択することも可能である。ここで、例えば、第1料理と第2料理と自動調理した場合、個別使用食器類として第1料理と第2料理とで重複する食器、すなわち茶碗TW3、汁椀TW4及びコップTW5については、第2料理では用いられない個別使用食器類として扱われる。
【0099】
また、この食器洗浄システム20では、サーバ60は、食器類情報を作成に当たって、サーバ側調理プログラム603が有している第1~5料理に用いる食器類TWの種類を利用可能となっている。この食器洗浄システム20における他の構成は、実施例1の食器洗浄システム10と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0100】
以上のように構成されたこの食器洗浄システム20では、使用者300がガスコンロ80の第1~3操作ダイヤル84a~84cを操作することによって、第1、2バーナ82、83や加熱グリル85で調理を行うことが可能である。また、この食器洗浄システム20では、調理プログラムから第1~5料理を選択することにより、これらの料理について、ガスコンロ80で自動調理を行うことが可能となっている。
【0101】
ガスコンロ80で自動調理を行うに当たっては、図11のフロー図に示すように、まず初めに、端末側調理プログラム702と、サーバ側調理プログラム603とをそれぞれ起動させる(ステップS201)。この食器洗浄システム20は、使用者300が携帯端末70を操作して端末側調理プログラム702を起動させれば、その情報が携帯端末70からサーバ60に伝達される。これにより、サーバ60は、サーバ側調理プログラム603を起動させる。なお、サーバ側調理プログラム603を常に起動していても良い。
【0102】
次に、使用者300は携帯端末70を操作し、ガスコンロ80で自動調理を行う第1~5料理を選択する(ステップS202)。また、使用者300は携帯端末70を操作し、食事をする人数を入力する(ステップS203)。ここで、本実施例では、第2料理が選択され、食事をする人数が3人である場合を例に説明する。こうして選択された料理及び食事人数の情報は、携帯端末70からサーバ60に送信される(ステップS204)。これにより、サーバ60では、選択された料理及び食事人数を調理履歴として第1記憶部62に記憶させる(ステップS205)。
【0103】
また、携帯端末70のディスプレイ70aには、第2料理に用いる食材や自動調理前に施す食材の加工等の情報が表示される。これにより、使用者300は、ディスプレイ70aに表示された情報を基に自動調理の準備を行う。ここで、第2料理を調理するに当たっては、第1バーナ82、第2バーナ83及び加熱グリル85のうち、加熱グリル85のみが用いられることとする。このため、使用者300は、第2料理に必要な食材等を加熱グリル85のグリルトレーに載置し、グリルトレーとともに調理容器を加熱庫内に進入させる。そして、使用者300は、携帯端末70を操作し、自動調理の開始を指示する。これにより、サーバ60は、ガスコンロ80の第2制御部C2に対し制御信号を送信する。これにより、ガスコンロ80では、加熱グリル85において第2料理の自動調理を開始する(ステップS206)。なお、食材等を調理容器に入れた状態でグリルトレーに載置しても良い。
【0104】
また、携帯端末70のディスプレイ70aには、第2料理に用いられる食器類TWが表示される。つまり、本実施例では、共通使用食器類として1枚の大皿TW1と、個別使用食器類として、3枚の小皿TW2と、3個の茶碗TW3と、3個の汁椀TW4と、3個のコップTW5とが表示される。これにより、使用者300は、ディスプレイ70aに表示された食器類TWの準備を行う。そして、第2料理の自動調理が完了した後、使用者300は、準備した食器類TWを用いて食事を行う。
【0105】
そして、この食器洗浄システム20においても、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWについて、使用者300が第1~5表示部95a~95eに基づいて食器かご9に載置する場合だけでなく、サーバ60によって食器かご9における食器類TWの提案情報を作成し、作成された提案情報を使用者300に報知することが可能となっている。
【0106】
サーバ60に食器かご9における食器類TWの提案情報を作成させるに当たっては、実施例1の食器洗浄システム10と同様、使用者300は、端末側洗浄プログラム701及びサーバ側洗浄プログラム602をそれぞれ起動させる(ステップS207)なお、端末側調理プログラム702及びサーバ側調理プログラム603の起動に連動して、端末側洗浄プログラム701及びサーバ側洗浄プログラム602が自動的に起動しても良い。
【0107】
次に、実施例1の食器洗浄システム10と同様、この食器洗浄システム20においても、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWの種類及び数量について、使用者300による入力が行われたか否かを判断する(ステップS208)。
【0108】
使用者300による食器類TWの種類及び数量の入力が行われない場合(ステップS208:NO)、サーバ60では、第1演算部61が第1記憶部62に記憶された調理履歴、すなわち、ガスコンロ80で自動調理された料理及び使用者300が入力した食事人数を参照する(ステップS209)。
【0109】
次に、第1演算部61は、サーバ側調理プログラム603及び調理履歴に基づき、食器類情報を作成する(ステップS210)。具体的には、第1演算部61は、サーバ側調理プログラム603と調理履歴とを参照して、自動調理された第2料理を食事するに当たって使用された食器類TWの種類及び数量を特定する。つまり、第1演算部61は、サーバ側調理プログラム603から、第2料理に用いられる共通使用食器類の種類及び数量と、3人分の固有使用食器類の種類及び数量とを特定する。こうして、本実施例において第1演算部61は、1枚の大皿TW1と、3枚の小皿TW2と、3個の茶碗TW3と、3個の汁椀TW4と、3個のコップTW5とが使用されたことを特定する。そして、第1演算部61は、特定した食器類TWの種類及び数量の情報である食器類情報を作成する。
【0110】
そして、実施例1の食器洗浄システム10と同様、サーバ60は、第1通信部63を通じて、第1演算部61が作成した食器類情報を携帯端末70に送信する(ステップS211)。これにより、食器類情報を受信した携帯端末70は、その食器類情報をディスプレイ70aに表示する(ステップS212)。
【0111】
一方、食器洗浄機1によって洗浄を行う食器類TWの種類及び数量について、使用者300による入力が行われた場合(ステップS208:YES)、実施例1の食器洗浄システム10と同様、サーバ60は、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づいて、食器類情報を作成する(ステップS213)。この場合についても、作成された食器類情報が携帯端末70に送信され(ステップS211)、食器類情報がディスプレイ70aに表示される(ステップS212)。
【0112】
食器類情報がディスプレイ70aに表示された後は、実施例1の食器洗浄システム10と同様に、図8のステップS301以降の処理が行われる。これにより、食器類情報の内容が正確であるか否かの判断が行われる。この際、例えば、第2料理を食事するに当たって使用された食器類TW以外の食器類TWについても同時に食器洗浄機1で洗浄を行う場合には、使用者300は、その食器類TWの種類及び数量を入力する。こうして、必要に応じて食器類情報の補正を行う。
【0113】
その後、この食器洗浄システム20においても、実施例1の食器洗浄システム10と同様に、サーバ60によって、食器類TWの提案情報が作成され(ステップS307)、その提案情報が携帯端末70に送信される(ステップS308)。これにより、携帯端末70に提案情報が表示される(ステップS309)。
【0114】
こうして、この食器洗浄システム20においても、使用者300は、ディスプレイ70aを通じて報知された提案情報に基づいて、食器かご9に食器類TWを容易に載置することが可能となっている。
【0115】
特に、この食器洗浄システム20では、サーバ60は、使用者300が入力した食器類TWの種類及び数量に基づいて食器類情報を作成するだけでなく、サーバ側調理プログラム603に基づいて食器類情報を作成することも可能となっている。より厳密には、サーバ60の第1演算部61は、第1記憶部62が記憶するサーバ側調理プログラム603及び調理履歴に基づいて、食器類情報を作成することが可能となっている。このため、この食器洗浄システム20においても、サーバ60に食器類情報を作成させるに当たって、必ずしも使用者300は、食器類TWの種類及び数量を入力する必要がない。
【0116】
また、この食器洗浄システム20では、実施例1の食器洗浄システム10のように、食器類画像400から食器類TWを抽出して食器類情報を作成する場合に比べて、食器類情報を作成するに当たってのサーバ60の処理負担を軽減することが可能となっている。この食器洗浄システム20における他の作用は、実施例1の食器洗浄システム10と同様である。
【0117】
(変形例)
変形例の食器洗浄システム20では、実施例2の食器洗浄システム20と異なり、サーバ側調理プログラム603及び端末側調理プログラム702が、ガスコンロ80において自動調理可能な第1~5料理の情報のみを有している。また、変形例の食器洗浄システム20では、サーバ側洗浄プログラム602が、第1~5料理に用いられる食器類TWの種類及び数量の情報と、ガスコンロ80において第1~5料理を自動調理する際に用いられる食器類TWの種類及び数量の情報とを有している。変形例の食器洗浄システム20における他の構成は、実施例2の食器洗浄システム20と同様である。なお、変形例の食器洗浄システム20において、サーバ側洗浄プログラム602及び端末側洗浄プログラム701の両方が、第1~5料理に用いられる食器類TWの種類及び数量の情報と、ガスコンロ80において第1~5料理を自動調理する際に用いられる食器類TWの種類及び数量の情報とを有していても良い。
【0118】
実施例2の食器洗浄システム20と同様、変形例の食器洗浄システム20においても、使用者300が携帯端末70を操作して、ガスコンロ80で自動調理を行う第1~5料理を選択すれば、選択された第1~5料理の情報がサーバ60に送信される。これにより、サーバ60は、ガスコンロ80の第2制御部C2に対し制御信号を送信することで、ガスコンロ80は、選択された第1~5料理の自動調理を開始する。
【0119】
ここで、変形例の食器洗浄システム20では、サーバ60は、サーバ側調理プログラム603及び端末側調理プログラム702に基づいて、食器類情報を作成する。自動調理を行う料理として第2料理が選択された場合を例に説明すると、サーバ60は、サーバ側洗浄プログラム602を参照して、第2料理に用いられる食器類TWの種類及び数量を特定するとともに、第2料理を自動調理する際に用いられる食器類TWの種類及び数量を特定する。
【0120】
そして、サーバ60は、特定した食器類TWの種類及び数量を食器類情報とする。この食器類情報についても、実施例2の食器洗浄システム20と同様、ディスプレイ70aに表示され、使用者300は、この食器類情報の内容が正確であるか否かを判断する。この際、食事をする人数が複数であれば、使用者300は携帯端末70を操作し、食事をする人数を入力する。使用者300が入力した食事人数は、補正情報としてサーバ60に送信される。これにより、サーバ60は、第2料理に対応する個別使用食器類の数量を変更した食器類情報、すなわち、補正情報を反映した食器類情報を記憶する。
【0121】
また、サーバ側洗浄プログラム602が有している情報とは異なる食器類TWを用いて第2料理の食事を行ったり、第2料理の自動調理を行ったりした場合には、使用者300は、実際に用いた食器類TWの種類及び数量を入力する。このように入力された食器類TWの種類及び数量についても、補正情報としてサーバ60に送信される。この場合についても、サーバ60は、補正情報を反映した食器類情報を記憶する。
【0122】
サーバ60が食器類情報を記憶した以降は、実施例2の食器洗浄システム20と同様、変形例の食器洗浄システム20においても、サーバ60が食器類TWの提案情報を作成する。そして、提案情報が使用者300に報知される。これにより、変形例の食器洗浄システム20についても、実施例2の食器洗浄システム20と同様の作用を奏することができる。
【0123】
以上において、本発明を実施例1、2及び変形例に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2及び変形例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0124】
例えば、実施例1の食器洗浄システム10では、箸TW6の長さを基準値としている。しかし、これに限らず、使用者300は、食器類TWが並べられたテーブル500等の長さを入力し、これを基準値さとしても良い。
【0125】
また、実施例1の食器洗浄システム10において、食器類TWに対して、種類や寸法等の情報が記憶された情報タグを設けるとともに、使用者300は、食器類画像400を作成するに当たって、使用者300は食器類TWとともに情報タグを撮影しても良い。そして、サーバ60は、食器類画像400に存在する情報タグが記憶している情報を基に、食器類情報を作成しても良い。
【0126】
さらに、実施例1の食器洗浄システム10について、食器洗浄機1と携帯端末70とを通信可能に接続するとともに、携帯端末70が食器類情報及び提案情報を作成することにより、サーバ60を省略する構成しても良い。同様に、実施例2及び変形例の食器洗浄システム20について、携帯端末70が食器類情報及び提案情報を作成するとともに、自動調理を行うに当たって携帯端末70からガスコンロ80の第2制御部C2に対して制御信号を送信することにより、サーバ60を省略する構成としても良い。
【0127】
また、操作部40を通じて食器類TWの種類及び数量を入力可能とし、第1制御部C1が食器類情報及び提案情報を作成し、報知部41において載置情報を報知することにより、食器洗浄機1単体で食器洗浄システム10を構成しても良い。
【0128】
さらに、実施例2の食器洗浄システム20について、ガスコンロ80を含めずに構成しても良い。すなわち、実施例2の食器洗浄システム20は、ガスコンロ80等の調理機器に自動調理させる料理の情報に基づいて、サーバ60が食器類情報を作成可能となっていれば良い。変形例の食器洗浄システム20についても同様である。
【0129】
また、実施例2の食器洗浄システム20において、サーバ側洗浄プログラム602とサーバ側調理プログラム603とを一つのプログラムに統合しても良い。同様に、端末側洗浄プログラム701と端末側調理プログラム702とを一つのプログラムに統合しても良い。変形例の食器洗浄システム20についても同様である。
【0130】
さらに、実施例1の食器洗浄システム10において、サーバ60は、過去に行った食器類情報の作成や提案情報の作成の他、使用者300による食器類情報の補正等を順次学習し、学習した内容を反映しつつ、将来の食器類情報の作成や提案情報の作成を行う構成としても良い。実施例2及び変形例の食器洗浄システム20についても同様である。
【0131】
また、実施例1、2及び変形例の食器洗浄システム10、20において、サーバ60は、食器類情報を作成した後、図8のステップS301~S306を省略して提案情報を作成しても良い。
【0132】
さらに、実施例1、2及び変形例の食器洗浄システム10、20において、食器類TWの種類及び数量の情報に加えて、食器類TWの汚れの情報にも基づいてサーバ60が食器類情報を作成しても良い。この場合、例えば、使用者300が食器類TWを用いた料理の種類を入力することにより、サーバ60が食器類TWの汚れを判断しても良い。また、実施例1食器洗浄システム10では、食器類画像400に含まれる食器類TWの汚れを抽出し、これによってサーバ60が食器類TWの汚れを判断しても良い。また、実施例2及び変形例の食器洗浄システム20では、自動調理される第1~5料理の種類に基づいて、サーバ60が食器類TWの汚れを判断しても良い。
【0133】
また、実施例1、2及び変形例の食器洗浄システム10、20において、食器洗浄機1は、システムキッチン100とは別体をなして、天板CT1等に設置される構成であっても良い。
【0134】
さらに、実施例2及び変形例の食器洗浄システム20において、ガスコンロ80に換えて、自動調理が可能なオーブンレンジ等を本発明における「調理機器」として採用しても良い。
【0135】
また、実施例1の食器洗浄システム10において、サーバ60が作成した提案情報には、食器かご9に載置する際の食器類TWの位置の他、食器かご9に載置した際の食器類TW同士の間隔、食器類TWの向き及び姿勢が含まれている。しかし、これに限らず、提案情報は、食器かご9に載置する際の食器類TWの位置のみであっても良い。実施例2及び変形例の食器洗浄システム20についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、食器洗浄機、食器洗浄乾燥機又は厨房設備等に利用可能である。
【符号の説明】
【0137】
1…食器洗浄機
9…食器かご
10、20…食器洗浄システム
60…サーバ(記憶手段、情報作成手段、提案手段)
70…携帯端末(情報作成手段、報知手段、画像作成手段)
80…ガスコンロ(調理機器)
400…食器類画像
601…機器情報
603…サーバ側調理プログラム(調理プログラム)
702…端末側調理プログラム(調理プログラム)
TW…食器類
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