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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100978
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】3DTV放送送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/161 20180101AFI20230711BHJP
   H04N 13/194 20180101ALI20230711BHJP
   H04N 19/33 20140101ALI20230711BHJP
   H04N 19/597 20140101ALI20230711BHJP
【FI】
H04N13/161
H04N13/194
H04N19/33
H04N19/597
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079687
(22)【出願日】2023-05-12
(62)【分割の表示】P 2021066089の分割
【原出願日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】10-2015-0020917
(32)【優先日】2015-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0013097
(32)【優先日】2016-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】596099882
【氏名又は名称】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
(71)【出願人】
【識別番号】512100744
【氏名又は名称】ククミン ユニバーシティ インダストリー アカデミック コーポレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン-フン
(72)【発明者】
【氏名】キム、フイ、ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョヨン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジン、ス
(72)【発明者】
【氏名】カン、トン、ウク
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、キョン、フン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】階層的符号化器を用いるイン-バンド移動放送システムで受信装置の階層的復号化器と互換性を維持すると同時に、付加映像に対する追加データなしに融合型3DTVのような両眼式3DTVサービスを提供する。
【解決手段】3DTV放送送信装置は、付加映像を符号化して基本階層データを生成し、基準映像と前記基本階層ストリームから復号された映像との間の相関映像を符号化して向上階層データを生成し、前記基本階層データと前記向上階層データを伝送する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元(two-dimensional、2D)ビデオ及び3次元(three-dimensional、3D)ビデオを提供する方法であって、
低解像度の2Dビデオ、高解像度の2Dビデオ、及び高解像度の3Dビデオを同時に提供するため、前記3Dビデオの左映像を基準映像として選択し、前記左映像に対応する右映像を付加映像として選択する段階と、
前記付加映像に対してダウンサンプリング(down-sampling)を行う段階と、
ダウンサンプリングされた付加映像を符号化することにより、前記低解像度の2Dビデオのための基本階層ストリームを生成する段階と、
前記ダウンサンプリングされた付加映像に対してアップサンプリング(up-sampling)を行うことによってアップサンプリングされた付加映像を生成する段階と、
前記基準映像と前記アップサンプリングされた付加映像との間の相関関係を使用して、前記高解像度の2Dビデオ及び前記高解像度の3Dビデオのための向上階層ストリームを生成する段階と、
前記基本階層ストリームと前記向上階層ストリームを受信装置に伝送する段階と、を含み、
前記ダウンサンプリングされた付加映像に対応する基本階層ストリームと前記相関関係に対する前記向上階層ストリームは、前記基準映像に対応する前記高解像度2Dビデオを取得するために、前記受信装置によって使用される、ビデオの提供方法。
【請求項2】
前記基本階層ストリームと前記向上階層ストリームを前記受信装置に伝送する段階は、
前記基本階層ストリームを第1の2Dビデオサービスに対応する第1の物理階層パイプ(physical layer pipe、PLP)を介して伝送する段階と、
前記向上階層ストリームを第2の2Dビデオサービスに対応する第2のPLPを介して伝送する段階と、を含む、請求項1に記載のビデオの提供方法。
【請求項3】
前記第1の2Dビデオサービスは、移動TVチャンネルに対応し、前記第2の2Dビデオサービスは、固定TVチャンネルに対応する、請求項2に記載のビデオの提供方法。
【請求項4】
前記基本階層ストリームと前記向上階層ストリームを前記受信装置に伝送する段階は、
第1の変調方式に応じて前記基本階層ストリームを変調する段階と、
第2の変調方式に応じて前記向上階層ストリームを変調する段階と、を含み、
前記第2の変調方式の伝送効率は、前記第1の変調方式の伝送効率よりも良い、請求項1に記載のビデオの提供方法。
【請求項5】
高解像度の2次元(two-dimensional、2D)ビデオを受信する方法であって、
低解像度にダウンサンプリング(down-sampling)された右映像が伝送装置によって符号化されている基本階層ストリームを受信する段階と、
ダウンサンプリングされた後、アップサンプリング(up-sampling)された右映像と、
前記右映像に対応する高解像度の左映像との間の相関関係が前記伝送装置によって符号化されている向上階層ストリームを受信する段階と、
前記基本階層ストリームを復号化して前記ダウンサンプリングされた右映像を取得し、前記向上階層ストリームを復号化することにより前記ダウンサンプリングされた後、アップサンプリングされた右映像と、前記高解像度の左映像との間の相関関係を取得する段階と、
前記ダウンサンプリングされた右映像及び前記相関関係を基に、前記左映像に対応する高解像度の2Dビデオを取得する段階と、を含み、
前記ダウンサンプリングされた右映像は、前記伝送装置が3次元(three-dimensional、3D)ビデオの高解像度の右映像に対してダウンサンプリングを行うことによって生成される、ビデオの受信方法。
【請求項6】
前記基本階層ストリームを受信する段階は、第1伝送チャンネルを介して前記基本階層ストリームを受信する段階を含み、
前記向上階層ストリームを受信する段階は、第2伝送チャンネルを介して前記向上階層ストリームを受信する段階を含む、請求項5に記載のビデオの受信方法。
【請求項7】
前記基本階層ストリームから取得された前記ダウンサンプリングされた右映像を使用して、ユーザーに低解像度の2Dビデオサービスを提供する段階をさらに含む、請求項5に記載のビデオサービスの受信方法。
【請求項8】
前記基本階層ストリーム及び前記向上階層ストリームは、放送ネットワークを介して受信される、請求項5に記載のビデオサービスの受信方法。
【請求項9】
前記基本階層ストリーム及び前記向上階層ストリームは、通信ネットワークを介して受信される、請求項5に記載のビデオサービスの受信方法。
【請求項10】
高解像度の3次元(three-dimensional、3D)ビデオを受信する装置であって、
低解像度にダウンサンプリング(down-sampling)された高解像度の右映像が伝送装置によって符号化されている基本階層ストリームと、ダウンサンプリングされた後、アップサンプリング(up-sampling)された右映像と、前記右映像に対応する高解像度の左映像との間の相関関係が前記伝送装置によって符号化されている向上階層ストリームを受信する受信部と、
前記基本階層ストリームを復号化して前記ダウンサンプリングされた右映像を取得し、
前記向上階層ストリームを復号化して前記ダウンサンプリングされた後、アップサンプリングされた右映像と、前記高解像度の左映像との間の相関関係を取得する階層的復号化器と、
前記ダウンサンプリングされた右映像及び前記相関関係を基に、前記左映像に対応する高解像度の2次元(two-dimensional、2D)ビデオを取得し、前記高解像度の2Dビデオ及び前記ダウンサンプリングされた右映像を基に、前記高解像度の3Dビデオを取得する再生部と、を含み、
前記ダウンサンプリングされた右映像は、前記伝送装置が3Dビデオの高解像度の右映像に対してダウンサンプリングを行うことによって生成される、ビデオの受信装置。
【請求項11】
前記再生部はまた、前記基本階層ストリームから取得された前記ダウンサンプリングされた右映像を使用して、ユーザーに低解像度の2Dビデオサービスを提供する、請求項10に記載のビデオサービスの受信装置。
【請求項12】
前記再生部はまた、前記ダウンサンプリングされた右映像と、前記相関関係を基に、ユーザーに前記左映像に対応する高解像度の2Dビデオを提供する、請求項10に記載のビデオの受信装置。
【請求項13】
前記基本階層ストリーム及び前記向上階層ストリームは、前記受信部によって放送ネットワークを介して受信される、請求項10に記載のビデオサービスの受信装置。
【請求項14】
前記基本階層ストリーム及び前記向上階層ストリームは、前記受信部によって通信ネットワークを介して受信される、請求項10に記載のビデオサービスの受信装置。
【請求項15】
2次元(two-dimensional、2D)ビデオ及び3次元(three-dimensional、3D)ビデオを提供する方法であって、
低解像度の2Dビデオ、高解像度の2Dビデオ、及び高解像度の3Dビデオを同時に提供するため、前記3Dビデオの左映像を基準映像として選択し、前記左映像に対応する右映像を付加映像として選択する段階と、
前記付加映像に対してダウンサンプリング(down-sampling)を行う段階と、
ダウンサンプリングされた付加映像を符号化することにより、前記低解像度の2Dビデオのための基本階層データを生成する段階と、
前記ダウンサンプリングされた付加映像に対してアップサンプリング(up-sampling)を行うことによってアップサンプリングされた付加映像を生成する段階と、
前記基準映像と前記アップサンプリングされた付加映像との間の相関関係を使用して、前記高解像度の2Dビデオ及び前記高解像度の3Dビデオのための向上階層データを生成する段階と、
前記基本階層データと前記向上階層データを受信装置に伝送する段階と、を含み、
前記ダウンサンプリングされた付加映像に対応する基本階層データと前記相関関係に対する前記向上階層データは、前記基準映像に対応する前記高解像度2Dビデオを取得するために、前記受信装置によって使用される、ビデオの提供方法。
【請求項16】
前記基本階層データと前記向上階層データを前記受信装置に伝送する段階は、
前記基本階層データ及び前記向上階層データを多重化する段階と、
前記多重化された基本階層データと向上階層データを伝送する段階と、を含む、請求項15に記載のビデオの提供方法。
【請求項17】
前記基本階層データと前記向上階層データを前記受信装置に伝送する段階は、
前記基本階層データと前記向上階層データを少なくとも1つの伝送ストリームに変換する段階と、
前記変換された少なくとも1つのトランスポート・ストリームを伝送する段階と、を含む、請求項15に記載のビデオの提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3DTV放送送受信装置に関し、特に、階層的ビデオ符号化器を用いるイン-バンド移動放送システムで既存の受信端の階層的ビデオ復号化器と互換性を維持すると同時に、付加映像に対する追加データなしに3DTVサービスを提供できる3DTV放送送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
階層的映像符号化は、多様なネットワークおよびユーザ環境に合わせてマルチメディアコンテンツを提供するために開発された符号化方式である。階層的映像符号化は、1つのビットストリームで多様な解像度、画質およびフレーム率などを支援するために映像情報を階層的な方式で符号化し、受信端末では受信条件に応じてビットストリームの一部または全部を選択的に抽出して、ユーザ環境に合った映像情報のみを復号化して用いることができる。
【0003】
このような階層的映像符号化方式を放送/通信サービスに適用する時、階層的2Dサービスを提供するために、低解像度および高解像度の同一視点映像データを基本階層(Base Layer)と向上階層(Enhancement Layer)に分離し、これら2つの階層データを放送網または通信網を介して伝送して、受信環境に応じて視聴者に階層的映像画質基盤の放送および通信映像サービスを提供するのが一般的である。
【0004】
一方、既存の固定および移動放送融合型3DTV方式は、基準映像と付加映像をそれぞれ独立に符号化して同時に放送するサイマルキャスト(simulcast)基盤の放送環境でより効率的な方式である。この方式は、イン-バンド(in-band)移動放送システムで固定および移動放送チャンネルにそれぞれ基準映像と付加映像を伝送することによって、追加的な帯域幅の割当てなしに既存の2D放送サービスとの逆互換性を満足しながら、3DTVサービスを同時に提供することができる。
【0005】
しかし、既存の固定および移動放送融合型3DTV方式は、基準映像と異なる視点(point of view)に相当する付加映像が全て伝送されるサイマルキャスト放送システムでのみ利用可能である。したがって、階層的映像符号化基盤のイン-バンド移動放送サービス環境では、基準映像とは異なる視点に相当する付加映像に対する追加データの伝送なしに3DTVサービスの提供が不可能である。つまり、同一視点データを階層的に伝送する階層的映像符号化方式は、放送および通信映像サービス環境で2Dサービスを提供するのには効率的であるが、基準映像と付加映像のような互いに異なる視点の映像が要求される融合型3DTVサービスの提供は不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、階層的符号化器を用いるイン-バンド移動放送システムで受信装置の階層的復号化器と互換性を維持すると同時に、付加映像(または基準映像)に対する追加データなしに融合型3DTVのような両眼式3DTVサービスを提供できる3DTV放送送受信装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によれば、3DTV放送送信装置の放送送信方法が提供される。3DTV放送送信方法は、付加映像を符号化して基本階層データを生成する段階と、基準映像と前記基本階層ストリームから復号された映像との間の相関映像を符号化して向上階層データを生成する段階と、前記基本階層データと前記向上階層データを伝送する段階とを含む。
【0008】
前記基本階層データを生成する段階は、前記付加映像をダウンサンプリングした後、符号化する段階を含み、前記向上階層データを生成する段階は、前記基本階層ストリームから復号された映像をアップサンプリングした後、前記相関映像を生成する段階を含んでもよい。
【0009】
前記伝送する段階は、前記基本階層データと前記向上階層データを少なくとも伝送ストリームに変換する段階と、前記少なくとも1つの伝送ストリームを伝送する段階とを含んでもよい。
【0010】
前記少なくとも1つの伝送ストリームを伝送する段階は、前記基本階層データに相当する伝送ストリームを移動網の移動TVチャンネルで伝送する段階と、前記向上階層データに相当する伝送ストリームを放送網の固定TVチャンネルで伝送する段階とを含んでもよい。
【0011】
前記少なくとも1つの伝送ストリームを伝送する段階は、前記少なくとも1つの伝送ストリームを設定された変調方式で変調する段階を含んでもよい。
【0012】
前記3DTV放送送信方法は、視点が互いに異なる左映像および右映像のうち、1つの映像を前記基準映像として選定し、他の1つの映像を前記付加映像として選定する段階をさらに含んでもよい。
【0013】
本発明の他の実施例によれば、3DTV放送受信装置の放送受信方法が提供される。3DTV放送受信方法は、付加映像が符号化された基本階層データを受信する段階と、基準映像と前記基本階層データから復号された映像との間の相関映像が符号化された向上階層データを受信する段階と、前記基本階層データを復号化して前記付加映像を取得する段階と、前記向上階層データを復号化して前記相関映像を取得する段階と、前記付加映像と前記相関映像を用いて前記基準映像を取得する段階と、前記付加映像および前記基準映像のうちの少なくとも1つを用いて放送サービスを提供する段階とを含む。
【0014】
前記符号化された基本階層データを受信する段階は、第1伝送チャンネルを介して前記符号化された基本階層データを受信する段階を含み、前記符号化された向上階層データを受信する段階は、第2伝送チャンネルを介して前記符号化された向上階層データを受信する段階を含んでもよい。
【0015】
前記提供する段階は、前記付加映像および前記基準映像を合成して3D映像を提供する段階を含んでもよい。
【0016】
前記提供する段階は、前記付加映像または前記基準映像を用いて2D映像を提供する段階を含んでもよい。
【0017】
視点が互いに異なる左映像および右映像のうち、1つの映像が前記基準映像であり、他の1つの映像が前記付加映像であってもよい。
【0018】
本発明のさらに他の実施例によれば、3DTV放送送信装置が提供される。3DTV放送送信装置は、階層的符号化器と、伝送部とを含む。前記階層的符号化器は、付加映像を符号化して基本階層データを生成し、基準映像と前記基本階層ストリームから復号された映像との間の相関映像を符号化して向上階層データを生成する。そして、前記伝送部は、前記基本階層データと前記向上階層データを少なくとも1つの伝送ストリームに変換して伝送する。
【0019】
前記3DTV放送送信装置は、前記基本階層データと前記向上階層データを多重化して前記伝送部に伝達する多重化器をさらに含んでもよい。
【0020】
前記3DTV放送送信装置は、前記付加映像をダウンサンプリングして前記階層的符号化器に伝達するダウンサンプリング変換部をさらに含んでもよいし、前記階層的符号化器は、前記基本階層ストリームから復号された映像をアップサンプリングした後、前記相関映像を生成することができる。
【0021】
前記伝送部は、前記基本階層データと前記向上階層データをそれぞれ異なる伝送ストリームに変換することができる。
【0022】
前記伝送部は、前記基本階層データに相当する伝送ストリームを移動網の移動TVチャンネルで伝送し、前記向上階層データに相当する伝送ストリームを放送網の固定TVチャンネルで伝送することができる。
【0023】
前記3DTV放送送信装置は、前記視点が互いに異なる左映像および右映像のうち、1つの映像を前記基準映像として選定し、前記他の1つの映像を前記付加映像として選定する映像選定部をさらに含んでもよい。
【0024】
本発明のさらに他の実施例によれば、3DTV放送受信装置が提供される。3DTV放送受信装置は、受信部と、階層的復号化器と、再生部とを含む。前記受信部は、付加映像を符号化した基本階層データと、基準映像と前記基本階層データから復号された映像との間の相関映像を符号化した向上階層データとを受信する。前記階層的復号化器は、前記基本階層データおよび前記向上階層データのうちの少なくとも1つを復号化する。そして、前記再生部は、前記階層的復号化器を介して取得された少なくとも1つの映像を用いて放送サービスを提供する。
【0025】
前記階層的復号化器は、前記基本階層データを復号化して前記付加映像を取得し、前記向上階層データを復号化して前記相関映像を取得し、前記付加映像と前記相関映像を用いて基準映像を取得することができる。
【0026】
前記再生部は、前記付加映像および前記基準映像を合成して3D映像を提供したり、前記付加映像または前記基準映像を用いて2D映像を提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によれば、階層的符号化器に適用された放送サービス環境で融合型3DTVサービスに必要な3Dコンテンツを効率的に生成および伝送可能なため、2Dサービスの伝送のみが可能であった既存の方式よりも幅広い放送サービスを提供することができる。また、放送会社のサービスモデルに応じて多様な解像度の組合わせで3Dサービスを支援することができる。
【0028】
さらに、本発明の実施例による3D映像合成方式は、単に融合型3DTV放送環境だけでなく、全ての放送/通信媒体、DVD/ブルーレイディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)のような映像保存媒体およびファイルを介したサービス環境など階層的ビデオ符号化/復号化方式が適用されるあらゆる分野に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例による3DTV放送送信装置を示す図である。
図2】本発明の実施例による3DTV放送送信方法を示す図である。
図3】本発明の実施例による3DTV放送受信装置を示す図である。
図4】本発明の実施例による3DTV放送受信方法を示す図である。
図5】本発明の実施例による3DTV放送サービスの概念を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については類似の図面符号を付した。
【0031】
明細書および請求の範囲全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0032】
以下、本発明の実施例による放送送受信装置および方法について、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施例による3DTV放送送信装置を示す図であり、図2は、本発明の実施例による3DTV放送送信方法を示すフローチャートである。
【0034】
図1に示された3DTV放送送信装置100によって送信されるコンテンツは、映像、動画、テキストなどになってもよく、特に、映像のうち、3次元(three-dimensional、3D)映像は、視点が異なる左映像および右映像を含んでもよい。左映像および右映像のうち、1つは基準(base)映像として用いられ、他の1つは付加(additional)映像として用いられる。付加映像は、基準映像と対をなして1つの3D映像を構成するために用いられる映像を意味することができる。
【0035】
図1を参照すれば、3DTV放送送信装置100は、映像選定部110と、ダウンサンプリング(down-sampling)変換部120と、階層的符号化器(scalable coder)130と、多重化器140と、伝送部150とを含む。
【0036】
図2をみると、映像選定部110は、付加映像と基準映像を選定する(S210)。映像選定部110は、左映像および右映像のうち、1つの映像を付加映像として選定し、付加映像をダウンサンプリング変換部120に伝達し、他の1つの映像を基準映像として選定し、基準映像を階層的符号化器130に伝達する。例えば、左映像が基準映像として選定され、右映像が付加映像として選定される。これとは異なり、右映像が基準映像として選定され、左映像が付加映像として選定されてもよい。
【0037】
ダウンサンプリング変換部120は、付加映像をダウンサンプリングして階層的符号化器130に伝達する(S220)。左映像と右映像は、UHD(Ultra High-definition)解像度の映像であってもよいし、付加映像は、HD解像度でダウンサンプリングされる。
【0038】
階層的符号化器130は、ダウンサンプリングされた付加映像と基準映像を変形した階層的符号化方式で符号化して、基本階層データと向上階層データを生成する。ここで、変形した階層的符号化方式は、SHVC(Scalable High Efficiency Video Coding)の変形した方式を意味することができる。つまり、階層的符号化器130は、ダウンサンプリングされた付加映像を符号化して基本階層データを生成し(S230)、基本階層データから復号可能な映像(つまり、付加映像)と基準映像との間の相関映像を符号化して向上階層データを生成する(S240)。ここで、相関映像は、基本階層データから復号可能な映像(つまり、付加映像)と基準映像を用いて生成される映像を意味する。例えば、相関映像は、基本階層データから復号可能な映像(つまり、付加映像)と基準映像との間の異なる情報に相当する差分映像であってもよい。この時、付加映像は、ダウンサンプリング変換部120によってダウンサンプリングされて階層的符号化器130に入力されるので、基準映像とダウンサンプリングされた付加映像との間の解像度の差が発生する。したがって、階層的符号化器130は、基準映像とダウンサンプリングされた付加映像との間の解像度の差を補正するために、基本階層データから復号可能な映像を再びアップサンプリングした後、アップサンプリングした映像と基準映像との間の差分映像を圧縮して向上階層データを生成する。
【0039】
一般に、SHVC方式は、1つの映像(2D映像)を用いて基本階層データと向上階層データを生成する。反面、本発明の実施例による変形した階層的符号化方式は、互いに異なる映像つまり、付加映像と基準映像を用いて基本階層データと向上階層データを生成する。
【0040】
このように、変形した階層的符号化方式を用いることによって、3DTV放送送信装置100で基準映像を直接伝送しなくても、3DTV放送受信装置で基本階層データと向上階層データを用いて基準映像を取得することができる。
【0041】
このような階層的符号化器130は、向上階層データを生成するために基準映像を用いることを除けば、SHVC方式と同一であるので、階層的符号化器130の細部的なハードウェア構造に関する説明は省略する。
【0042】
多重化器140は、基本階層データと向上階層データを多重化する(S250)。
【0043】
伝送部150は、多重化された基本階層データと向上階層データを伝送する(S260)。伝送部150は、基本階層データと向上階層データを少なくとも1つの伝送ストリームに変換し、変換された少なくとも1つの伝送ストリームを伝送する。ここで、伝送ストリームは、物理階層パイプ(physical layer pipe、PLP)ストリームと呼ばれることもあり、伝送される網の種類によって、これとは異なる用語で使われることもある。例えば、基本階層データと向上階層データがそれぞれ異なる伝送ストリームに変換された場合、基本階層データに相当する伝送ストリームは移動網の移動TVチャンネルで伝送され、向上階層データに相当する伝送ストリームは放送網の固定TVチャンネルで伝送される。これとは異なり、基本階層データと向上階層データが1つの伝送ストリームに変換された場合、同一の網で伝送される。伝送部150は、変換された少なくとも1つの伝送ストリームを定められた変調方式で変調して伝送することができる。伝送部150は、基本階層データと向上階層データがそれぞれ異なる伝送ストリームに変換された場合、各伝送ストリームを互いに異なる変調方式で変調することができる。例えば、基本階層データに相当する伝送ストリームは相対的に受信性能に優れたQPSKまたは16-QAM方式で変調され、向上階層データに相当する伝送ストリームは伝送効率の高い256-QAM方式で変調される。
【0044】
図3は、本発明の実施例による3DTV放送受信装置を示す図であり、図4は、本発明の実施例による3DTV放送受信方法を示すフローチャートである。
【0045】
図3を参照すれば、3DTV放送受信装置300は、受信部310と、逆多重化器320と、階層的復号化器330と、再生部340とを含む。
【0046】
図4をみると、受信部310は、3DTV放送送信装置100から伝送された少なくとも1つの伝送ストリームを受信し(S410)、受信した少なくとも1つの伝送ストリームを復調して逆多重化器320に伝達する。
【0047】
逆多重化器320は、3DTV放送送信装置100によって多重化された基本階層データと向上階層データを逆多重化して、基本階層データと向上階層データに分離する(S420)。
【0048】
階層的復号化器330は、基本階層データを復号化して付加映像のみを取得したり、基本階層データと向上階層データを階層的復号化して基準映像を取得する(S430)。階層的復号化器330は、基本階層データと向上階層データを階層的復号化方式で復号化して付加映像と相関映像をそれぞれ取得し、取得された付加映像と相関映像を用いて基準映像を生成することができる。相関映像としては、先に説明した差分映像が用いられる。階層的復号化方式は、SHVC復号化方式やHEVC復号化方式を含んでもよい。HEVC復号化方式を用いる階層的復号化器330は、基本階層データのみを復号化することができる。
【0049】
再生部340は、取得された付加映像のみを用いて2D映像を出力したり、取得された付加映像と取得された基準映像を用いて3D映像を出力することができる(S440)。
【0050】
例えば、3DTV放送受信装置300が移動受信機の場合、移動受信機は、移動網の移動TVチャンネルで伝送された基本階層データから付加映像を取得し、付加映像から移動2Dサービスを提供することができる。このように、3DTV放送受信装置300が移動受信機の場合、基本階層データのみを受信して復号化すればよいので、階層的復号化器330の代わりに、基本階層データを復号化可能な他の復号化器が用いられてもよい。
【0051】
これとは異なり、3DTV放送受信装置300が固定受信機の場合、固定受信機は、移動網の移動TVチャンネルで伝送された基本階層データから付加映像を取得し、固定網の固定TVチャンネルで伝送された向上階層データを用いて相関映像を取得した後、取得された付加映像と相関映像を用いて基準映像を取得する。そして、固定受信機は、付加映像と基準映像とを合成して3Dサービスを提供することができる。
【0052】
この時、付加映像と基準映像との合成時、それらの同期化のために、基準映像の再生時間、付加映像の再生時間、および基準映像の再生時間と付加映像の再生時間との間の誤差情報を含むシグナリング情報が別途に伝送される。
【0053】
図5は、本発明の実施例による3DTV放送サービスの概念を示す図である。
【0054】
図5を参照すれば、3DTV放送送信装置100によって付加映像の基本階層データが生成され、付加映像と基準映像との間の相関映像に相当する向上階層データが生成される。基本階層データと向上階層データがそれぞれ移動網の移動TVチャンネルと固定網の固定TVチャンネルで伝送される。
【0055】
すると、移動受信機に相当する3DTV放送受信装置300は基本階層データのみを受信できるため、基本階層データから付加映像を取得して移動HD2D映像を提供する。
【0056】
一方、固定受信機に相当する3DTV放送受信装置300は、基本階層データと向上階層データを全て受信することができる。したがって、固定受信機に相当する3DTV放送受信装置300は、基本階層データから付加映像を取得し、向上階層データから相関映像を取得した後、付加映像と相関映像を用いて基準映像を取得することができる。この時、3DTV放送受信装置300は、ユーザの選択によって基準映像のみを用いてUHD2D映像を提供することができ、付加映像と基準映像を全て用いてUHD3D映像を提供することができる。
【0057】
このように、本発明の実施例によれば、3DTV放送送信装置100で基準映像を直接伝送しなくても、3DTV放送受信装置300で3Dサービスの提供が可能になる。
【0058】
発明の実施例は、以上で説明した装置および/または方法によってのみ実現されるものではなく、本発明の実施例の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体によって実現されてもよいし、このような実現は先に説明した実施例の記載から本発明の属する技術分野の専門家であれば容易に実現できるのである。
【0059】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5