(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101021
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】送達ワイヤ組立体及びインプラントを含むインプラントシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/12 20060101AFI20230711BHJP
【FI】
A61B17/12
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023083118
(22)【出願日】2023-05-19
(62)【分割の表示】P 2020509115の分割
【原出願日】2018-08-17
(31)【優先権主張番号】1713329.9
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】514222743
【氏名又は名称】クリアストリーム・テクノロジーズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】ケホー,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】マクドナー,ドナル
(72)【発明者】
【氏名】オシェイ,ジョン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】分離機構の直径が縮小される改善型のインプラントシステムを提供する。
【解決手段】インプラントシステム10は、雌型分離機構構成要素21を有する送達ワイヤ組立体20と、雄型分離機構構成要素31を有するインプラント30と、を含み、雌型分離機構構成要素は、雄型分離機構構成要素が雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように、雄型分離機構構成要素を受容するように構成されたコイルを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌型分離機構構成要素を有する送達ワイヤ組立体と、
雄型分離機構構成要素を有するインプラントと、を含み、
前記雌型分離機構構成要素は、前記雄型分離機構構成要素が前記雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように、前記雄型分離機構構成要素を受容するように構成されたコイルを含む、インプラントシステム。
【請求項2】
前記雄型分離機構構成要素は、前記雄型分離機構構成要素及び前記雌型分離機構構成要素間の相対回転によって、前記雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように構成される、請求項1に記載のインプラントシステム。
【請求項3】
前記雄型分離機構構成要素は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を含む、請求項1又は2に記載のインプラントシステム。
【請求項4】
前記コイルは、コイルばねである、請求項1から3のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項5】
前記雌型分離機構構成要素は、内部穴を画定するシリンダを更に含み、
前記コイルは、前記シリンダの前記内部穴の中に配設される、請求項1から4のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項6】
前記コイルは、前記コイルの長さの少なくとも一部に沿って前記内部穴の表面と当接し、且つ、任意選択で、
前記コイルは、前記コイルの全長に沿って前記内部穴の前記表面と当接する、請求項5に記載のインプラントシステム。
【請求項7】
前記コイルの少なくとも一部は、前記内部穴の長さに沿って自由に並進運動する、請求項5又は6に記載のインプラントシステム。
【請求項8】
前記コイルの一端は、前記シリンダに固定され、且つ、任意選択で、
前記コイルの前記一端は、前記内部穴の端部に固定される、請求項5から7のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項9】
前記コイルの一端の少なくとも一部は、マンドレルの上に配設される、請求項5から8のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項10】
前記雄型分離機構構成要素は、撚り合わされた2つのワイヤを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項11】
前記2つのワイヤの外側表面は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を画定する、請求項10に記載のインプラントシステム。
【請求項12】
前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記2つのワイヤのピッチの整数倍である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記2つのワイヤのピッチの1、2、3、4又は5倍である、請求項10又は11に記載のインプラントシステム。
【請求項13】
前記2つのワイヤのピッチは、一定である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、一定である、請求項10から12のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項14】
前記2つのワイヤは、前記インプラントのコアの一部を形成し、且つ、任意選択で、前記コアは、前記インプラントの中央コアである、請求項10から13のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項15】
前記2つのワイヤの巻き方は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルの巻き方と同じである、請求項10から14のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項16】
前記雄型分離機構構成要素は、コイルを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項17】
前記雄型分離機構構成要素の前記コイルの外側表面は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を画定する、請求項16に記載のインプラントシステム。
【請求項18】
前記雌型分離機構構成要素の前記コイルの巻き方は、前記雄型分離機構構成要素の前記コイルの巻き方と同じである、請求項16又は17に記載のインプラントシステム。
【請求項19】
前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記雄型分離機構構成要素の前記コイルのピッチの整数倍である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記雄型分離機構構成要素の前記コイルのピッチの1、2、3、4又は5倍である、請求項16、17又は18に記載のインプラントシステム。
【請求項20】
前記雄型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、一定である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、一定である、請求項16から19のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項21】
前記インプラントは、体腔に埋め込まれるように構成される、請求項1から20のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インプラントシステムに関する。特に、本開示は、送達ワイヤ組立体及びインプラントを含むインプラントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、送達ワイヤを使用して送達されるインプラントは、インプラントに連結された送達ワイヤの操作によって、体腔を通って並進運動される。インプラントがボディ内に正しく位置決めされた後で、送達ワイヤは、インプラントから連結解除されて取り除かれて、それによって、インプラントが展開位置に残る。送達ワイヤは、送達ワイヤをインプラントから連結解除するために選択的に動作され得る分離機構によってインプラントに連結される。
【0003】
送達ワイヤ及びインプラントがその中を通って並進運動する体腔の直径は小さい傾向があるので、送達ワイヤ及びインプラントの直径が可能な限り小さいことが望ましい。知られているデバイスでは、分離機構は、挿入中のインプラント及び送達ワイヤの全体の直径に大きく寄与することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、分離機構の直径が縮小される改善型のインプラントシステムの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様では、インプラントシステムが提供され、雌型分離機構構成要素を有する送達ワイヤ組立体を含む。インプラントシステムは、雄型分離機構構成要素を有するインプラントを更に含む。雌型分離機構構成要素は、雄型分離機構構成要素が雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように、雄型分離機構構成要素を受容するように構成されたコイルを含む。
【0006】
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素は、雄型分離機構構成要素及び雌型分離機構構成要素間の相対回転によって、雌型分離機構構成要素に取り付けられるように構成される。
【0007】
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素は、雌型分離機構構成要素のコイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を含む。
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素は、雌型分離機構構成要素のコイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成される。
【0008】
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素は、雌型分離機構構成要素のコイルの中央部分(又は内腔)の中に受容されるように構成される。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素は、コイルを1つだけ有する。
【0009】
1つの実施形態では、雌型分離機構のコイルは、雌型分離機構の中央軸上に配設される。
1つの実施形態では、雌型分離機構のコイルの軸は、送達ワイヤの軸と同軸である。
【0010】
1つの実施形態では、コイルは、コイルばねである。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素は、内部穴を画定するシリンダを更に含み、コイルは、シリンダの内部穴の中に配設される。
【0011】
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素は、内部穴を画定するシリンダを更に含み、コイルは、シリンダの内部穴の中に完全に又は部分的に配設される。
1つの実施形態では、コイルは、コイルの長さの少なくとも一部に沿って内部穴の表面と当接する。
【0012】
1つの実施形態では、コイルは、コイルの全長に沿って内部穴の表面と当接する。
1つの実施形態では、コイルの少なくとも一部は、内部穴の長さに沿って自由に並進運動する。
【0013】
1つの実施形態では、コイルの一端は、シリンダに固定される。
1つの実施形態では、コイルの一端は、内部穴の端部に固定される。
1つの実施形態では、内部穴の一端は、閉じており、内部穴の他端は、開いている。
【0014】
1つの実施形態では、内部穴の他端は、雄型分離機構構成要素を受容するためである。
1つの実施形態では、コイルの一端は、内部穴の他端に固定される。
1つの実施形態では、コイルの一端の少なくとも一部は、マンドレルの上に配設される。
【0015】
1つの実施形態では、マンドレルは、シリンダの内部穴の長さの少なくとも一部に沿って延びる。
1つの実施形態では、マンドレルは、内部穴の閉鎖端部から延びる。
【0016】
1つの実施形態では、雌型分離機構は、観察窓を含む。観察窓は、雄型分離機構が雌型分離機構の中に正しく受容されているか、及び/又は、そこから取り除かれているか、をユーザが決定するのを可能にするように構成され得る。観察窓は、雌型分離機構にレーザカットされ得る。
【0017】
1つの実施形態では、雌型分離機構は、観察窓を含む。観察窓は、雌型分離機構のシリンダに画定され得る。観察窓は、ユーザがシリンダの内部穴を観察するのを可能にするように構成され得る。観察窓は、雄型分離機構が雌型分離機構の中に受容されているか、及び/又は、そこから取り除かれているか、をユーザが決定するのを可能にするように構成され得る。観察窓は、雌型分離機構のシリンダにレーザカットされ得る。
【0018】
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素は、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤを含む。
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くのワイヤは、それらの長さの少なくとも部分に沿って撚り合わされる。
【0019】
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤの各ワイヤは、他のワイヤによって形成される螺旋の軸と同軸の軸を備えた螺旋を形成する。
1つの実施形態では、螺旋の個々の巻き方は、同じである。
【0020】
本開示を通して、「巻き方(換言すれば、巻き方向)」は、螺旋又は撚られたワイヤの撚りの方向を指す。
1つの実施形態では、螺旋の個々の巻き方は、右巻き又は左巻きである。
【0021】
1つの実施形態では、各螺旋のピッチは、同じである。
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤの外側表面は、雌型分離機構構成要素のコイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を画定する。
【0022】
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルのピッチは、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤのピッチの整数倍である。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルのピッチは、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤのピッチの1、2、3、4又は5倍である。
【0023】
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤのピッチは、一定である。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルのピッチは、一定である。
【0024】
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤは、インプラントのコアの一部を形成する。
1つの実施形態では、コアは、インプラントの中央コアである。中央コアは、インプラントの中央軸上に配設され得る。
【0025】
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤの巻き方は、雌型分離機構構成要素のコイルの巻き方と同じである。
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤの巻き方は、雌型分離機構構成要素のコイルの巻き方と反対である。
【0026】
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤの各々の巻き方は、雌型分離機構構成要素のコイルの巻き方と同じである。
1つの実施形態では、2、3又はそれより多くが撚り合わされたワイヤの各々の巻き方は、雌型分離機構構成要素のコイルの巻き方と反対である。
【0027】
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素は、コイルを含む。
1つの実施形態では、コイルの外側表面は、雌型分離機構構成要素のコイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を画定する。
【0028】
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルの巻き方は、雄型分離機構構成要素のコイルの巻き方と同じである。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルの巻き方は、雄型分離機構構成要素のコイルの巻き方と反対である。
【0029】
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルのピッチは、雄型分離機構構成要素のコイルのピッチの整数倍である。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルのピッチは、雄型分離機構構成要素のコイルのピッチの1、2、3、4又は5倍である。
【0030】
1つの実施形態では、雄型分離機構構成要素のコイルのピッチは、一定である。
1つの実施形態では、雌型分離機構構成要素のコイルのピッチは、一定である。
1つの実施形態では、インプラントは、体腔に埋め込まれるように構成される。
【0031】
雄型分離機構構成要素は、雌型分離機構構成要素に逆に取り付け可能であるように構成される。
雄型分離機構構成要素は、雌型分離機構構成要素に取り付け可能で分離可能であるように構成される。
【0032】
本開示の第2の態様では、送達ワイヤ組立体が提供され、雌型分離機構構成要素を有する。雌型分離機構構成要素は、雄型分離機構構成要素が雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように、インプラントの雄型分離機構構成要素を受容するように構成されたコイルを含む。
【0033】
本開示のこの態様の雌型分離機構構成要素は、本開示の第1の態様及びそれの任意の実施形態の雌型分離機構構成要素の、任意の特徴又は任意の特徴の組合せ、或いは、下で説明される任意の特徴を有する。
【0034】
本開示の第3の態様では、インプラントが提供され、雄型分離機構構成要素が雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように、送達ワイヤ組立体の雌型分離機構のコイルに受容されるように構成された雄型分離機構構成要素を有する。
【0035】
本開示のこの態様の雄型分離機構構成要素は、本開示の第1の態様及びそれの任意の実施形態の雄型分離機構構成要素の、任意の特徴又は任意の特徴の組合せ、或いは、下で説明される任意の特徴を有する。
【0036】
本開示のよりよい理解のために、また、それがどのように実行に移すことができるかを示すために、参照は、単なる一例として、次の例示的な図面について行われる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本開示の実施形態に係るインプラントシステムを示す図である。
【
図2】
図1に示されたインプラントシステムの断面を示す図である。
【
図3】
図2に示されたインプラントシステムの断面の細部Sを示す図である。
【
図4】
図2に示されたインプラントシステムの断面の細部Rを示す図である。
【
図5】雄型分離機構構成要素の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本開示の実施形態に係るインプラントシステム10を示す。
図2は、インプラントシステム10の断面を示す。
インプラントシステム10は、送達ワイヤ組立体20及びインプラント30を含む。送達ワイヤ組立体20及びインプラント30は、一部だけが図に示される。
【0039】
送達ワイヤ組立体20は、コイル21aを含む雌型分離機構構成要素21を有する。
インプラント30は、雄型分離機構構成要素31を有し、それはインプラント30の中央コアの一部であってよい。
【0040】
インプラント30は、体腔内への埋込みのために構成されたインプラントであってよい。インプラント30は、送達ワイヤ組立体20によって体腔内の所望の場所に送達され得る。
【0041】
例えば、インプラント30は、体腔内の血栓形成を促進するための塞栓デバイスであってよい。インプラント30は、収縮送達構成及び拡大展開構成を有し得る。インプラント30は、ステムを含み得る。インプラント30は、ステムから半径方向外向きに延びる複数の柔軟な剛毛を含み得る。複数の柔軟な剛毛は、収縮送達構成及び拡大展開構成を有し得る。インプラント30のステムは、雄型分離機構構成要素31と連結され又はそれと一体にされ得る。
【0042】
コイル21aは、雄型分離機構構成要素31が雌型分離機構構成要素21に取り付け可
能であるように、雄型分離機構構成要素31を受容するように構成される。雄型分離機構構成要素31は、2つの構成要素間の第1の向きでの相対回転によって、雌型分離機構構成要素21に取り付け可能である。雄型分離機構構成要素31は、反対方向の2つの構成要素間の相対回転によって、雌型分離機構構成要素21から分離可能である。
【0043】
送達ワイヤ組立体は、送達ワイヤ22を含む。
雄型分離機構構成要素31が、雌型分離機構構成要素21に取り付けられると、送達ワイヤ22は、インプラント30を、体腔を通して、展開されることになっている場所まで、並進運動させるために、操作され得る。例えば、送達ワイヤ22の近位端部は、体腔を通るインプラント30の並進運動をもたらすように、並進運動され得る。インプラント30が正しい場所についた後で、雄型分離機構構成要素31は、相対回転によって、雌型分離機構構成要素21から分離され得る。
【0044】
雄型分離機構構成要素31は、それらの長さに沿って撚られている2つのワイヤから形成され得る。
図3は、
図2に示されたインプラントシステム10の断面の細部Sを示す。
図4は、
図2に示されたインプラントシステムの断面の細部Rを示す。
【0045】
コイル21aは、コイル21aの長さに沿って、雌型分離機構構成要素20のシリンダ21bの内部穴の表面に当接し得る。
コイル21aの一端は、シリンダ21bの閉鎖端部21dに固定され得る。コイル21aは、接着剤及び/又はクランプによって、シリンダ21bの閉鎖端部21dに固定され得る。
【0046】
固定されていないコイル21aの部分は、シリンダ21bの内部穴の長さに沿って自由に並進運動する。固定されていないコイル21aの部分は、コイル21aの自由部分を圧縮又は延長することによって並進運動し得る。
【0047】
コイルは、シリンダ21bの閉鎖端部に固定される。シリンダ21bの他端は、雄型分離機構構成要素31を受容するように開いている。
コイル21aの一端の一部は、シリンダ21bの閉鎖端部から延びるマンドレル21cの上に配設される。
【0048】
理解され得るように、撚り合わされた2つのワイヤ(即ち、雄型分離機構31)の外側表面は、雌型分離機構構成要素21のコイル21aによって形成された雌ねじと対合するように構成された雄ねじを画定する。
【0049】
雌型分離機構21は、観察窓21eを含み得る。観察窓21eは、雌型分離機構21のシリンダ21bに画定され得る。観察窓21eは、ユーザがコイル21a及びその中に配設された雄型分離機構構成要素31を見ることができ得るように、シリンダ21bの一部に沿って配設され得る。観察窓21eは、ユーザがシリンダ21bの内部穴を観察するのを可能にするように構成され得る。
【0050】
観察窓21eは、雄型分離機構31が雌型分離機構21の中に受容されているか、及び/又は、そこから取り除かれているか、をユーザが決定するのを可能にするように構成され得る。観察窓21eは、雌型分離機構21のシリンダ21bにレーザカットされ得る。
【0051】
図5は、雄型分離機構構成要素31の実施形態を示す。雄型分離機構構成要素31は、2つのワイヤをそれらの長さに沿って撚り合わすことによって形成される。ピッチCは、
図5に示される。
【0052】
上記の解説は、いかに本開示が当業者によって簡単に実施され得るかを完全に明らかにすると考えられるが、それは純粋に例示とみなされるべきである。特に、当業者には理解され得るように、可能である幾つかの変形例が存在する。
【0053】
例えば、上記の雄型分離機構構成要素31は、2つのワイヤを撚り合わすことによって形成されるが、他の実施形態は、雌型分離機構構成要素21との互換性も有する。
例えば、上記の雄型分離機構構成要素31は、2つのワイヤを撚り合わすことによって形成されるが、3つ以上のワイヤが雄型分離機構構成要素を形成するために撚り合わされる他の実施形態が企図されている。
【0054】
例えば、上記の雌型分離機構構成要素21は、雄型分離機構構成要素31を受容するためのコイル21aを含むが、代替の実施形態が企図されている。例えば、雌型分離機構構成要素21は、コイル21aを含まないことがあり、寧ろ、雄型分離機構構成要素31を受容するためにシリンダ21bの内側に作成された雌ねじを有する。
【0055】
例えば、雄型分離機構構成要素31は、コイルであってよい。幾つかの実施形態では、雄型分離機構構成要素のコイルは、雌型分離機構構成要素21のコイルよりもきつく巻かれる。
【0056】
上の全ては、完全に本開示の範囲内にあり、また、代替の実施形態の基礎を形成すると考えられ、上で説明された特徴の1つ又は複数の組合せは、上で開示された特定の組合せに限定されずに適用される。
【0057】
これに鑑みて、本開示の教示を実装する多くの代替案が存在するであろう。当業者が、当技術分野の普通の一般的知識に鑑みて開示されたか又は上から導き出されるものの幾つか又は全ての技術的な効果を保持しながら、本開示の範囲の中でそれ自体の状況及び要求に適するために、上記開示を修正及び適合できることは予想される。全てのそのような均等物、修正例、又は、適応例は、本開示の範囲の中に入る。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌型分離機構構成要素を有する送達ワイヤ組立体と、
雄型分離機構構成要素を有するインプラントと、を含み、
前記雌型分離機構構成要素は、前記雄型分離機構構成要素が前記雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように、前記雄型分離機構構成要素を受容するように構成されたコイルを含み、
前記雌型分離機構構成要素は、内部穴を画定するシリンダを更に含み、
前記コイルは、前記シリンダの前記内部穴の中に配設され、
前記コイルの少なくとも一部は、前記内部穴の長さに沿って自由に並進運動し、
前記雄型分離機構構成要素は、撚り合わされた2つのワイヤを含む、インプラントシステム。
【請求項2】
前記雄型分離機構構成要素は、前記雄型分離機構構成要素及び前記雌型分離機構構成要素間の相対回転によって、前記雌型分離機構構成要素に取り付け可能であるように構成される、請求項1に記載のインプラントシステム。
【請求項3】
前記雄型分離機構構成要素は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を含む、請求項1又は2に記載のインプラントシステム。
【請求項4】
前記コイルは、コイルばねである、請求項1から3のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項5】
前記コイルは、前記コイルの長さの少なくとも一部に沿って前記内部穴の表面と当接し、且つ、任意選択で、
前記コイルは、前記コイルの全長に沿って前記内部穴の前記表面と当接する、請求項1から4のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項6】
前記コイルの一端は、前記シリンダに固定され、且つ、任意選択で、
前記コイルの前記一端は、前記内部穴の端部に固定される、請求項1から5のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項7】
前記コイルの一端の少なくとも一部は、マンドレルの上に配設される、請求項1から6のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項8】
前記2つのワイヤの外側表面は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を画定する、請求項1から7のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項9】
前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記2つのワイヤのピッチの整数倍である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記2つのワイヤのピッチの1、2、3、4又は5倍である、請求項1から8のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項10】
前記2つのワイヤのピッチは、一定である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、一定である、請求項1から9のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項11】
前記2つのワイヤは、前記インプラントのコアの一部を形成し、且つ、任意選択で、前記コアは、前記インプラントの中央コアである、請求項1から10のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項12】
前記2つのワイヤの巻き方は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルの巻き方と同じである、請求項1から11のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項13】
前記雄型分離機構構成要素は、コイルを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項14】
前記雄型分離機構構成要素の前記コイルの外側表面は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルによって形成された雌ねじ部と対合するように構成された雄ねじ部を画定する、請求項13に記載のインプラントシステム。
【請求項15】
前記雌型分離機構構成要素の前記コイルの巻き方は、前記雄型分離機構構成要素の前記コイルの巻き方と同じである、請求項13又は14に記載のインプラントシステム。
【請求項16】
前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記雄型分離機構構成要素の前記コイルのピッチの整数倍である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、前記雄型分離機構構成要素の前記コイルのピッチの1、2、3、4又は5倍である、請求項13、14又は15に記載のインプラントシステム。
【請求項17】
前記雄型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、一定である、及び/又は、前記雌型分離機構構成要素の前記コイルのピッチは、一定である、請求項13から16のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【請求項18】
前記インプラントは、体腔に埋め込まれるように構成される、請求項1から17のいずれか1項に記載のインプラントシステム。
【外国語明細書】