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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010104
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】操舵装置及び運転切替制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/181 20060101AFI20230113BHJP
   B62D 1/185 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
B62D1/181
B62D1/185
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113964
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 潤
(72)【発明者】
【氏名】田口 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】西田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】岡 大登志
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DD05
3D030DD13
3D030DD64
(57)【要約】
【課題】ステアリングポジションを高い精度で検出すること。
【解決手段】一端にステアリングホイール121が取り付けられ、ステアリングホイール121から入力されるトルクにより回転するステアリングシャフト3と、ステアリングシャフト3を回転自在に支持し、軸方向の相対変位が可能に組み合わされる少なくとも2つのコラム部材11、20、40を有するステアリングコラム10と、コラム部材11、20、40同士を軸方向に相対変位させるテレスコピック用アクチュエータ80、90と、コラム部材11、20、40同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを検出するセンサ18、58と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端にステアリングホイールが取り付けられ、前記ステアリングホイールから入力されるトルクにより回転するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回転自在に支持し、軸方向の相対変位が可能に組み合わされる少なくとも2つのコラム部材を有するステアリングコラムと、
前記コラム部材同士を軸方向に相対変位させるテレスコピック用アクチュエータと、
前記コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを検出するセンサと、
を備える操舵装置。
【請求項2】
前記センサは、相対変位が可能に組み合わされる前記コラム部材同士のうち一方の前記コラム部材が他方の前記コラム部材に対して、前記コラム部材同士が相対変位する軸方向の範囲における前記ステアリングホイールが位置する側の最大変位位置に位置することを検出する
請求項1に記載の操舵装置。
【請求項3】
前記コラム部材は、第1のコラム部材と、前記第1のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされる第2のコラム部材と、前記第2のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされると共に前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する第3のコラム部材とを有し、
前記テレスコピック用アクチュエータは、前記第1のコラム部材に対して前記第2のコラム部材を軸方向に変位させる第1のテレスコピック用アクチュエータと、前記第2のコラム部材に対して前記第3のコラム部材を軸方向に変位させる第2のテレスコピック用アクチュエータとを有し、
前記センサは、前記第2のコラム部材が前記第1のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第1センサと、前記第3のコラム部材が前記第2のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第2センサとを有する
請求項1または2に記載の操舵装置。
【請求項4】
前記第1センサは、前記第2のコラム部材が前記第1のコラム部材に対して相対変位する軸方向の範囲における一端側の最大変位位置に前記第2のコラム部材が位置することを検出し、
前記第2センサは、前記第3のコラム部材が前記第2のコラム部材に対して相対変位する軸方向の範囲における、前記第1センサが軸方向において前記第2のコラム部材を検出する側の最大変位位置と同じ方向側の最大変位位置に前記第3のコラム部材が位置することを検出する
請求項3に記載の操舵装置。
【請求項5】
一端にステアリングホイールが取り付けられ、前記ステアリングホイールから入力されるトルクにより回転するステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回転自在に支持し、軸方向の相対変位が可能に組み合わされる少なくとも2つのコラム部材を有するステアリングコラムと、
前記コラム部材同士を軸方向に相対変位させるテレスコピック用アクチュエータと、
前記コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを検出するセンサと、
車両の運転制御を自動運転と手動運転とで切り替える運転制御部と、
を備え、
前記運転制御部は、前記運転制御を前記自動運転から前記手動運転へ切り替える要求があった場合には、前記テレスコピック用アクチュエータによって前記コラム部材同士を軸方向に相対変位させ、前記コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを前記センサにより検出したら、前記自動運転から前記手動運転へ切り替えることを特徴とする運転切替制御装置。
【請求項6】
前記コラム部材は、第1のコラム部材と、前記第1のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされる第2のコラム部材と、前記第2のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされると共に前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する第3のコラム部材とを有し、
前記テレスコピック用アクチュエータは、前記第1のコラム部材に対して前記第2のコラム部材を軸方向に変位させる第1のテレスコピック用アクチュエータと、前記第2のコラム部材に対して前記第3のコラム部材を軸方向に変位させる第2のテレスコピック用アクチュエータとを有し、
前記センサは、前記第2のコラム部材が前記第1のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第1センサと、前記第3のコラム部材が前記第2のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第2センサとを有し、
前記運転制御部は、前記運転制御を前記自動運転から前記手動運転へ切り替える要求があった場合には、前記第1のテレスコピック用アクチュエータによって前記第2のコラム部材を前記第1のコラム部材に対して軸方向に変位させると共に、前記第2のテレスコピック用アクチュエータによって前記第3のコラム部材を前記第2のコラム部材に対して軸方向に変位させ、前記第2のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第1センサにより検出したら、または、前記第3のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第2センサにより検出したら、前記自動運転から前記手動運転へ切り替える
請求項5に記載の運転切替制御装置。
【請求項7】
前記運転制御部は、前記運転制御を前記自動運転から前記手動運転へ切り替える要求があった場合には、前記第2のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第1センサにより検出し、且つ、前記第3のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第2センサにより検出したら、前記自動運転から前記手動運転へ切り替える
請求項6に記載の運転切替制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、操舵装置及び運転切替制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、車両の運転を自動的に行う自動運転技術の開発が進んでおり、自動運転技術が搭載された車両では、車両の走行状態や運転者の希望に応じて、運転の制御を自動運転と、運転者が運転操作を行う手動運転とを切り替えることが可能になっている。その際に、自動運転と手動運転とでは、シートポジションやステアリングポジションを異ならせることが可能になっている。例えば、自動運転では、シートポジションやステアリングポジションを、運転者がある程度リラックスできる位置に調節することが可能になり、手動運転では、シートポジションやステアリングポジションを、運転者が運転操作を適切に行うことができる位置に調節することを可能としている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-111392号公報
【特許文献2】特開2016-168972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載されているような、自動運転技術が搭載された車両に備えられる操舵装置では、自動運転時と手動運転時とでステアリングポジションを切り替えることが可能になっている。例えば、操舵装置が、ステアリングホイールの位置を前後方向に移動させることができるテレスコピック機構を備えている場合には、自動運転時にはステアリングホイールの位置を前側に移動させ、手動運転時にはステアリングホイールの位置を後側に移動させる。これにより、自動運転時には、運転者とステアリングホイールとの距離が大きくなることにより運転者の前側の空間が大きくなるため、運転者はリラックスすることができ、手動運転時には運転者とステアリングホイールとの距離が小さくなることにより、運転者が運転操作を適切に行うことが可能になる。
【0005】
ここで、車両の運転制御を、自動運転が行われている状態から手動運転に切り替える際には、ステアリングホイールの位置を後側に移動させ、運転者が運転操作を適切に行うことが可能になったことを検出した後に、制御を切り替える必要がある。このため、ステアリングポジションの検出は高い精度で行う必要があり、特に、ステアリングホイールの位置を運転者が操作することができる位置になったか否かの検出については、高い精度で行うことが求められていた。
【0006】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、ステアリングポジションを高い精度で検出することのできる操舵装置及び運転切替制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の操舵装置は、一端にステアリングホイールが取り付けられ、前記ステアリングホイールから入力されるトルクにより回転するステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回転自在に支持し、軸方向の相対変位が可能に組み合わされる少なくとも2つのコラム部材を有するステアリングコラムと、前記コラム部材同士を軸方向に相対変位させるテレスコピック用アクチュエータと、前記コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを検出するセンサと、を備える。
【0008】
この構成によれば、コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことをセンサによって検出することができるため、コラム部材同士の相対的な変位によって軸方向に変位するステアリングホイールの変位の状態を、高い精度で検出することができる。これにより、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0009】
望ましい形態として、前記センサは、相対変位が可能に組み合わされる前記コラム部材同士のうち一方の前記コラム部材が他方の前記コラム部材に対して、前記コラム部材同士が相対変位する軸方向の範囲における前記ステアリングホイールが位置する側の最大変位位置に位置することを検出する。
【0010】
この構成によれば、ステアリングホイールを軸方向に変位させる際に、一方のコラム部材が他方のコラム部材に対して、ステアリングホイールが位置する側である後側の最大変位位置に位置するか否かをセンサにより検出することができる。これにより、ステアリングホイールが後側の最大変位位置に位置するか否かを検出することができ、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0011】
望ましい形態として、前記コラム部材は、第1のコラム部材と、前記第1のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされる第2のコラム部材と、前記第2のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされると共に前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する第3のコラム部材とを有し、前記テレスコピック用アクチュエータは、前記第1のコラム部材に対して前記第2のコラム部材を軸方向に変位させる第1のテレスコピック用アクチュエータと、前記第2のコラム部材に対して前記第3のコラム部材を軸方向に変位させる第2のテレスコピック用アクチュエータとを有し、前記センサは、前記第2のコラム部材が前記第1のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第1センサと、前記第3のコラム部材が前記第2のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第2センサとを有する。
【0012】
この構成によれば、それぞれ独立して変位可能な第2のコラム部材と第3のコラム部材との変位の状態を、第1センサと第2センサとで独立して検出することができるため、第2のコラム部材と第3のコラム部材が変位することにより軸方向に変位するステアリングホイールの変位の状態を、高い精度で検出することができる。これにより、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0013】
望ましい形態として、前記第1センサは、前記第2のコラム部材が前記第1のコラム部材に対して相対変位する軸方向の範囲における一端側の最大変位位置に前記第2のコラム部材が位置することを検出し、前記第2センサは、前記第3のコラム部材が前記第2のコラム部材に対して相対変位する軸方向の範囲における、前記第1センサが軸方向において前記第2のコラム部材を検出する側の最大変位位置と同じ方向側の最大変位位置に前記第3のコラム部材が位置することを検出する。
【0014】
この構成によれば、第2のコラム部材と第3のコラム部材とをそれぞれ軸方向に変位させることによりステアリングホイールを軸方向に変位させる際に、ステアリングホイールが軸方向の変位の範囲における最大変位位置に位置するか否かを、第1センサと第2センサとにより検出することができる。これにより、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0015】
本開示の運転切替制御装置は、一端にステアリングホイールが取り付けられ、前記ステアリングホイールから入力されるトルクにより回転するステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを回転自在に支持し、軸方向の相対変位が可能に組み合わされる少なくとも2つのコラム部材を有するステアリングコラムと、前記コラム部材同士を軸方向に相対変位させるテレスコピック用アクチュエータと、前記コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを検出するセンサと、車両の運転制御を自動運転と手動運転とで切り替える運転制御部と、を備え、前記運転制御部は、前記運転制御を前記自動運転から前記手動運転へ切り替える要求があった場合には、前記テレスコピック用アクチュエータによって前記コラム部材同士を軸方向に相対変位させ、前記コラム部材同士の相対的な位置が所定の位置に変位したことを前記センサにより検出したら、前記自動運転から前記手動運転へ切り替える。
【0016】
この構成によれば、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、相対変位が可能に組み合わされるコラム部材同士の変位の状態をセンサによって検出することにより、ステアリングホイールが所定の位置に変位したか否かを検出することができる。このため、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、ステアリングホイールが所定の位置に変位したことを検出した後に、手動運転へ切り替えることができる。これにより、ステアリングポジションを高い精度で検出することができ、高い精度で検出したステアリングポジションの検出結果に基づいて、運転制御を切り替えることができる。
【0017】
望ましい形態として、前記コラム部材は、第1のコラム部材と、前記第1のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされる第2のコラム部材と、前記第2のコラム部材に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされると共に前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する第3のコラム部材とを有し、前記テレスコピック用アクチュエータは、前記第1のコラム部材に対して前記第2のコラム部材を軸方向に変位させる第1のテレスコピック用アクチュエータと、前記第2のコラム部材に対して前記第3のコラム部材を軸方向に変位させる第2のテレスコピック用アクチュエータとを有し、前記センサは、前記第2のコラム部材が前記第1のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第1センサと、前記第3のコラム部材が前記第2のコラム部材に対して所定の位置に変位したことを検出する第2センサとを有し、前記運転制御部は、前記運転制御を前記自動運転から前記手動運転へ切り替える要求があった場合には、前記第1のテレスコピック用アクチュエータによって前記第2のコラム部材を前記第1のコラム部材に対して軸方向に変位させると共に、前記第2のテレスコピック用アクチュエータによって前記第3のコラム部材を前記第2のコラム部材に対して軸方向に変位させ、前記第2のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第1センサにより検出したら、または、前記第3のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第2センサにより検出したら、前記自動運転から前記手動運転へ切り替える。
【0018】
この構成によれば、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、それぞれ独立して変位可能な第2のコラム部材と第3のコラム部材との変位の状態を第1センサと第2センサとで独立して検出することにより、ステアリングホイールが所定の位置に変位したか否かを高い精度で検出することができる。これにより、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、高い精度で検出したステアリングポジションの検出結果に基づいて、運転制御を切り替えることができる。
【0019】
望ましい形態として、前記運転制御部は、前記運転制御を前記自動運転から前記手動運転へ切り替える要求があった場合には、前記第2のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第1センサにより検出し、且つ、前記第3のコラム部材が所定の位置に変位したことを前記第2センサにより検出したら、前記自動運転から前記手動運転へ切り替える。
【0020】
この構成によれば、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、それぞれ独立して変位可能な第2のコラム部材と第3のコラム部材との双方が所定の位置に変位したことを第1センサと第2センサとで独立して検出することにより、ステアリングホイールが所定の位置に変位したか否かを高い精度で検出することができる。これにより、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、高い精度で検出したステアリングポジションの検出結果に基づいて、運転制御を切り替えることができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示に係る操舵装置及び運転切替制御装置は、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る操舵装置を含む運転切替制御装置を示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る操舵装置が有するステアリングコラム装置の側面図である。
図3図3は、実施形態に係る操舵装置が有するステアリングコラム装置の斜視図である。
図4図4は、図2のA-A矢視図である。
図5図5は、図4のB-B断面図である。
図6図6は、変位ブラケットの斜視図であり、揺動支持ブラケット部に配置されるチルト用送りねじ装置の説明図である。
図7図7は、図5のC-C矢視図である。
図8図8は、図5における第1センサがスライダを検知していない状態を示す説明図である。
図9図9は、図5のD-D矢視図である。
図10図10は、図5における第2センサが連結部材を検知している状態を示す説明図である。
図11図11は、実施形態に係る操舵装置におけるステアリングコラム装置の伸縮についての説明図である。
図12図12は、実施形態に係る操舵装置におけるステアリングコラム装置の伸縮についての説明図である。
図13図13は、実施形態に係る操舵装置におけるステアリングコラム装置の伸縮についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0024】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る操舵装置1を含む運転切替制御装置200を示す模式図である。本実施形態に係る操舵装置1は、ステアバイワイヤ方式のステアリングシステム120に組み込まれている。ステアバイワイヤ方式のステアリングシステム120は、ステアリングホイール121及び該ステアリングホイール121の操舵量を測定するためのセンサ(図示省略)を有する操舵装置1と、一対の操舵輪135に舵角を付与するための転舵装置130とを電気的に接続してなる。即ち、ステアバイワイヤ方式のステアリングシステム120では、運転者によるステアリングホイール121の操作量を、操舵装置1のセンサにより測定する。そして、センサの出力信号に基づいて、転舵装置130のアクチュエータ131を駆動し、車両の幅方向に配置されたラック軸やねじ軸などの直動軸を車両の幅方向に変位させ、一対のタイロッド132を押し引きして、一対の操舵輪135に舵角を付与する。
【0025】
また、本実施形態に係る操舵装置1は、車両に搭載されるセンサ類や地図情報、GPS(Global Positioning System)により得られる自車の位置情報、他車等の外部の装置との間で通信を行う通信装置等に基づいて、運転者の運転操作によらずに車両が自動的に運転を行う、いわゆる自動運転を行うことができる車両に搭載される。このため、操舵装置1が搭載される車両には、車両の運転制御を自動運転と手動運転とで切り替える運転制御部210が備えられている。運転制御部210は、車両に備えられる制御装置に、機能の一部として組み込まれていてもよく、個別の装置として車両に搭載されていてもよい。
【0026】
操舵装置1は、ステアリングホイール121の位置が手動運転に適した位置であるか否かを検出する第1センサ18と第2センサ58とを備えている。第1センサ18と第2センサ58とは、軸方向の相対変位が可能に組み合わされる後述するコラム部材同士の相対的な位置が、所定の位置に変位したことを検出するセンサになっている。第1センサ18と第2センサ58とは、運転制御部210に対して電気的に接続されており、それぞれ検出結果を運転制御部210に対して出力することが可能になっている。第1センサ18と第2センサ58とを備え、ステアリングホイール121の位置に関する検出結果を運転制御部210に出力することが可能な操舵装置1は、運転制御部210と共に、車両の運転制御の切り替えを行う運転切替制御装置200を構成している。
【0027】
操舵装置1は、ステアリングコラム装置2と、ステアリングシャフト3とを備える。なお、操舵装置1に関して前後方向、上下方向及び幅方向とは、操舵装置1を車両に取り付けた状態での車両の前後方向、上下方向及び幅方向をいう。
【0028】
図2は、実施形態に係る操舵装置1が有するステアリングコラム装置2の側面図である。図3は、実施形態に係る操舵装置1が有するステアリングコラム装置2の斜視図である。ステアリングコラム装置2は、ステアリングコラム10と、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80と、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90と、チルト用アクチュエータ100とを備える。
【0029】
ステアリングコラム10は、固定ブラケット11と、コラムホルダ20と、アッパコラム40とを備え、全長を伸縮可能に構成されている。具体的には、ステアリングコラム10は、固定ブラケット11とコラムホルダ20とを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせ、且つ、コラムホルダ20とアッパコラム40とを、軸方向の相対変位を可能に組み合わせてなる。
【0030】
固定ブラケット11は、固定板部12と、固定側ブラケット部15とを備える。
【0031】
固定板部12は、上下方向から見て前後方向に伸長する矩形形状を有し、且つ、幅方向両側部分のそれぞれの前後方向2箇所に、上下方向に貫通する通孔13を有する。固定ブラケット11は、固定板部12の通孔13に下側から挿通した取付ボルト14により、ステアリングコラム装置2が搭載される車両の車体(図示省略)に対し支持固定される。
【0032】
固定側ブラケット部15は、前後方向から見て略U字形形状を有し、固定板部12の前側の端部に固設されている。即ち、固定側ブラケット部15は、固定板部12の前側端部の幅方向両側の端部から下側に向けて垂下した一対の固定側側板部16a、16bと、該固定側側板部16a、16bの下側の端部同士を連結する固定側連結部とを有する。
【0033】
コラムホルダ20は、固定ブラケット11に対し軸方向(前後方向)の相対変位を可能に支持された変位ブラケット21と、該変位ブラケット21に対し上下方向の揺動を可能に支持されたロアコラム50とを備える。
【0034】
変位ブラケット21は、変位板部22と、一対の垂下板部24a、24bと、揺動支持ブラケット部25とを備える。
【0035】
変位板部22は、上下方向から見て前後方向に伸長する矩形形状を有している。
【0036】
一対の垂下板部24a、24bは、変位板部22の前側部分から中間部分にかけての部分の幅方向両側の端部から下側に向けて垂下している。
【0037】
図4は、図2のA-A矢視図である。揺動支持ブラケット部25は、前後方向から見て略U字形形状を有し、変位板部22の後側の端部に固設されている。即ち、揺動支持ブラケット部25は、変位板部22の後側の端部の幅方向両側の端部から下側に向けて垂下した一対の変位側側板部26a、26bと、該一対の変位側側板部26a、26bの下側の端部同士を連結する変位側連結部27とを有する。
【0038】
固定ブラケット11と、コラムホルダ20との間には、リニアガイド30が配置されており、固定ブラケット11とコラムホルダ20とは、リニアガイド30を介して軸方向の相対変位を可能に組み合わされている。リニアガイド30は、コラムホルダ20が有する変位ブラケット21と、固定ブラケット11との間に配置され、変位ブラケット21は、リニアガイド30により、固定ブラケット11に対し軸方向の相対変位を可能に支持されている。即ち、本実施形態では、固定ブラケット11が第1のコラム部材を構成し、且つ、コラムホルダ20が第2のコラム部材を構成する。
【0039】
リニアガイド30は、軸方向(前後方向)に伸長する矩形形状を有するガイドレール31と、軸方向から見て略U字形形状を有し、且つ、ガイドレール31に対し該ガイドレール31に沿って軸方向の変位を可能に組み合わされたスライダ32とを備える。本実施形態では、ガイドレール31を、固定ブラケット11の固定板部12の下面に結合固定している。また、スライダ32を、変位ブラケット21の変位板部22の上面に結合固定している。
【0040】
なお、リニアガイド30としては、滑り式リニアガイドと、ボール循環式リニアガイドと、非循環ローラ式リニアガイドとのうちのいずれのリニアガイドを使用しても良い。滑り式リニアガイドは、ガイドレールに形成されたレール溝に、スライダに形成された係合凸部を係合してなる。ボール循環式リニアガイドは、ガイドレールとスライダとの間に備えられた負荷路に複数個のボールを転動可能に配置し、且つ、スライダの内部に、ガイドレールとスライダとの相対変位に伴い負荷路の終点に移動したボールを、負荷路の始点に戻す循環路を設けてなる。非循環ローラ式リニアガイドは、スライダに回転自在に支持された複数個のローラを、ガイドレールに形成された転動面に転がり接触させてなる。
【0041】
ロアコラム50は、略円筒形状を有し、変位ブラケット21に対し上下方向の揺動を可能に支持されている。ロアコラム50は、前側部分に大径部51を有し、且つ、後側部分に、大径部51よりも内径寸法が小さい小径部52を有する。
【0042】
図5は、図4のB-B断面図である。ロアコラム50は、軸方向中間部の下面、つまり、大径部51の後側部分から小径部52の前側の端部にかけての部分の下面に、軸方向に伸長する長孔53を有している。また、ロアコラム50は、大径部51の前側の端部及び小径部52の前側の端部のそれぞれの上面に、ねじ孔54a、54bを有する。ねじ孔54a、54bのそれぞれには、先端部に、ポリアセタール(POM)などの摩擦係数が小さい材料製のパッド55a、55bが接着固定されたスクリュープラグ56a、56bが螺合されている。
【0043】
ロアコラム50は、後側部分が、チルト用アクチュエータ100を構成するチルト用送りねじ装置102(図6参照)を介して、変位ブラケット21の揺動支持ブラケット部25に対し上下方向の変位が可能に支持されている。また、ロアコラム50は、前側部分が、インナコラム60と反力付与装置(図示省略)とを介して、車体に支持される固定ブラケット11の固定側ブラケット部15に枢支されている。
【0044】
図6は、変位ブラケット21の斜視図であり、揺動支持ブラケット部25に配置されるチルト用送りねじ装置102の説明図である。変位ブラケット21には、チルト用アクチュエータ100を構成するチルト用送りねじ装置102が配置されている。チルト用送りねじ装置102は、外周面に雄ねじ部を有するねじ軸103と、内周面にねじ軸103の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部が形成されるナット105とを備えており、ナット105は、外周面に円柱状の枢支軸部104を有している。
【0045】
ねじ軸103は、揺動支持ブラケット部25の幅方向片側の変位側側板部26aに形成される凹溝28及び変位側連結部27に形成された円孔の内側に、軸受装置106を介して回転自在に支持されている。詳しくは、変位ブラケット21の揺動支持ブラケット部25が有する一対の変位側側板部26a、26bのうち一方の変位側側板部26aには、幅方向内側面に、上下方向に伸長する凹溝28が形成されている。また、変位ブラケット21の揺動支持ブラケット部25が有する変位側連結部27は、幅方向片側部分、即ち、凹溝28が形成される変位側側板部26aが位置する側の部分に、上下方向に貫通する円孔が形成されている。ねじ軸103は、これらのように形成される凹溝28及び変位側連結部27の円孔の内側に、軸受装置106を介して支持されている。
【0046】
軸受装置106としては、例えば、ラジアル転がり軸受や滑り軸受が用いられる。また、ねじ軸103の雄ねじ部に螺合するナット105に形成される枢支軸部104は、ロアコラム50の後側部分、即ち、ロアコラム50における小径部52の外周面に形成された枢支凹部に揺動可能に係合しており、ロアコラム50を枢支している。このため、ねじ軸103が回転した場合には、ねじ軸103の回転に伴ってナット105がねじ軸103に沿って該ねじ軸103の軸方向(上下方向)に変位することにより、ロアコラム50の後側部分が、変位ブラケット21の揺動支持ブラケット部25に対して上下方向に変位する。
【0047】
インナコラム60は、円筒部61と、該円筒部61の前側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がったフランジ部62とを備える。インナコラム60は、ロアコラム50に対して該ロアコラム50の軸方向の相対変位を可能に組み合わされている。具体的には、円筒部61の後側部分をロアコラム50の大径部51に隙間嵌で内嵌し、且つ、ロアコラム50の前側のねじ孔54aに螺合したスクリュープラグ56aのパッド55aを、円筒部61の後側部分の外周面に突き当てている。これにより、ステアリングコラム装置2は、インナコラム60を、ロアコラム50に対して該ロアコラム50の軸方向の相対変位を可能に内嵌している。
【0048】
反力付与装置(図示省略)は、インナコラム60のフランジ部62に形成された通孔に後側から挿通した固定ボルト64により、インナコラム60に対し支持固定されている。また、反力付与装置は、固定側ブラケット部15の固定側側板部16a、16bに形成された通孔を挿通した枢支ボルト65により、固定ブラケット11に対し枢支されている。
【0049】
このため、チルト用送りねじ装置102が有するねじ軸103の回転に伴い、ナット105が上下方向に変位することで、ロアコラム50の後側部分が、変位ブラケット21の揺動支持ブラケット部25に対し上下方向に変位すると、ロアコラム50は、枢支ボルト65を中心に上下方向に揺動する。即ち、枢支ボルト65は、ロアコラム50が上下方向に揺動する際における揺動軸になっている。
【0050】
アッパコラム40(図5参照)は、略円筒形状を有し、コラムホルダ20に対して軸方向への相対変位が可能に組み合わされている。本実施形態では、アッパコラム40は、第2のコラム部材であるコラムホルダ20に対し軸方向の相対変位を可能に組み合わされる第3のコラム部材を構成する。具体的には、アッパコラム40は、前側部分がロアコラム50の小径部52に隙間嵌で内嵌し、且つ、ロアコラム50の後側のねじ孔54bに螺合したスクリュープラグ56bのパッド55bが、アッパコラム40の外周面に当接している。これにより、アッパコラム40は、ロアコラム50に対して該ロアコラム50の軸方向への相対変位が可能に内嵌している。
【0051】
ステアリングコラム10は、これらのように軸方向の相対変位が可能に組み合わされる少なくとも2つのコラム部材を有しており、本実施形態では、コラム部材は、第1のコラム部材である固定ブラケット11と、第2のコラム部材であるコラムホルダ20と、第3のコラム部材であるアッパコラム40とを有している。
【0052】
ロア側テレスコピック用アクチュエータ80(図2参照)は、ロア側テレスコピック用モータ81を有し、該ロア側テレスコピック用モータ81を駆動源として、固定ブラケット11に対しコラムホルダ20を軸方向に変位させる。本実施形態では、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80が第1のテレスコピック用アクチュエータを構成し、且つ、ロア側テレスコピック用モータ81が第1のテレスコピック用モータを構成する。ロア側テレスコピック用モータ81は、運転制御部210(図1参照)によって制御可能になっている。
【0053】
ロア側テレスコピック用モータ81は、ステアリングシャフト3の軸方向における位置が、ロアコラム50が揺動する際の揺動軸である枢支ボルト65の位置よりもステアリングホイール121(図1参照)寄りに位置している。つまり、ステアリングホイール121は、ステアリングシャフト3の後端に位置するステアリングホイール取付部3aに取り付け可能になっており、ロア側テレスコピック用モータ81は、ステアリングシャフト3の軸方向における位置が、枢支ボルト65の位置よりも、ステアリングシャフト3のステアリングホイール取付部3a寄りに位置している。換言すると、ロア側テレスコピック用モータ81は、ステアリングシャフト3の軸方向における位置が、枢支ボルト65の位置よりも後側に位置している。
【0054】
ロア側テレスコピック用アクチュエータ80は、ロア側テレスコピック用モータ81の出力軸の回転運動を、直線運動に変換するためのロア側送りねじ装置82をさらに有する。ロア側送りねじ装置82は、外周面に雄ねじ部を有し、ロア側テレスコピック用モータ81により回転駆動されるねじ軸83と、内周面に、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有するナット84とを備える。
【0055】
本実施形態に係るステアリングコラム装置2では、ねじ軸83を、固定ブラケット11に対し回転のみ可能に支持し、且つ、ナット84を、コラムホルダ20の変位ブラケット21に対し支持固定している。具体的には、ねじ軸83を、固定ブラケット11を構成する固定側ブラケット部15における固定側側板部16bの幅方向外側面に対し回転のみ自在に固定し、且つ、ナット84を、変位ブラケット21における垂下板部24bの幅方向外側面に支持固定している。
【0056】
また、ロア側テレスコピック用モータ81を、固定側ブラケット部15に対し支持固定しており、ロア側テレスコピック用モータ81で発生した回転駆動力を、減速機構を介してねじ軸83に伝達可能にしている。減速機構としては、本実施形態ではウォーム減速機が用いられる。ナット84は、ロア側テレスコピック用モータ81から減速機構を介してねじ軸83に伝達される回転駆動力によってねじ軸83を回転駆動することに伴い、該ねじ軸83に沿って前後方向に変位することが可能になっている。ナット84は、変位ブラケット21の垂下板部24bにナット支持部材85によって支持固定されているため、変位ブラケット21は、前後方向に変位するナット84に伴って、固定ブラケット11に対し該固定ブラケット11の軸方向、即ち、前後方向に変位することが可能になっている。
【0057】
アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90(図3参照)は、アッパ側テレスコピック用モータ91を有し、該アッパ側テレスコピック用モータ91を駆動源として、コラムホルダ20に対しアッパコラム40を軸方向に変位させる。本実施形態では、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90が第2のテレスコピック用アクチュエータを構成し、且つ、アッパ側テレスコピック用モータ91が第2のテレスコピック用モータを構成する。アッパ側テレスコピック用モータ91は、運転制御部210(図1参照)によって制御可能になっている。アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90は、アッパ側テレスコピック用モータ91の出力軸の回転運動を、直線運動に変換するためのアッパ側送りねじ装置92(図5参照)をさらに有する。
【0058】
アッパ側送りねじ装置92は、外周面に雄ねじ部を有し、アッパ側テレスコピック用モータ91により回転駆動されるねじ軸93と、内周面に、前記雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有するナット94(図5参照)とを備える。
【0059】
本実施形態では、ねじ軸93を、コラムホルダ20のロアコラム50に対し回転のみ可能に支持し、且つ、ナット94を、アッパコラム40に対し支持固定している。具体的には、ねじ軸93を、ロアコラム50の大径部51の前側部分の下面に対し回転のみ自在に支持し、且つ、ナット94を、複数の部材からなる連結部材95によって、アッパコラム40の前側部分の下面に対し支持固定している。詳しくは、連結部材95は、ロアコラム50の下面に形成される長孔53を貫通して配置されており、連結部材95の下側部分は、ロアコラム50の下側に位置するナット94に連結され、連結部材95の上側部分は、ロアコラム50内に位置するアッパコラム40に連結されている。これにより、連結部材95は、ロアコラム50の下側に位置するナット94を、ロアコラム50内に位置するアッパコラム40に対して支持固定している。また、アッパ側テレスコピック用モータ91を、ロアコラム50に対し支持固定している。
【0060】
アッパ側テレスコピック用モータ91で発生した回転駆動力は、ウォーム減速機などの減速機構を介してねじ軸93に伝達可能になっている。このため、アッパ側テレスコピック用モータ91で発生した回転駆動力は、減速機構を介してねじ軸93に伝達され、ねじ軸93に伝達された駆動力によってねじ軸93が回転駆動することにより、ねじ軸93に螺合するナット94は、ねじ軸93に沿って前後方向に変位する。これにより、ナット94が支持固定されるアッパコラム40は、ナット94の前後方向の変位に伴って、ロアコラム50に対し該ロアコラム50の軸方向、即ち、前後方向に変位することが可能になっている。
【0061】
図7は、図5のC-C矢視図である。図8は、図5における第1センサ18がスライダ32を検知していない状態を示す説明図である。図7図8は、リニアガイド30が有するガイドレール31とスライダ32との双方を図示しており、即ち、固定ブラケット11に配置されるガイドレール31と、コラムホルダ20が有する変位ブラケット21に配置されるスライダ32との双方を図示している。固定ブラケット11には、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して所定の位置に変位したことを検出する第1センサ18が配置されている。
【0062】
第1センサ18は、固定ブラケット11におけるガイドレール31が配置される側の面に配置されている。詳しくは、第1センサ18は、固定ブラケット11に配置されるガイドレール31の延在方向における、固定側ブラケット部15が位置する側の反対側の端部付近、即ち、ガイドレール31の延在方向における両端のうち後側の端部付近で、ガイドレール31の端部の側方に配置されている。
【0063】
第1センサ18は、固定ブラケット11に取り付けられる本体部18aと、本体部18aに配置されて本体部18aに対して可動する検出部18bとを有している。本体部18aは、略直方体状の形状で形成され、固定ブラケット11における、ガイドレール31の端部付近の位置で、ガイドレール31の幅方向、或いは操舵装置1の幅方向におけるガイドレール31の近傍に、ガイドレール31から離隔して配置されている。
【0064】
また、検出部18bは、本体部18aにおけるガイドレール31が位置する側の面、即ち、ガイドレール31に対向する面に配置されている。検出部18bは、例えば、板状の部材からなり、連結部18c(図8参照)によって本体部18aに対して、連結部18cを揺動軸として揺動自在に本体部18aに連結している。
【0065】
連結部18cは、本体部18aのガイドレール31が位置する側の面における、固定側ブラケット部15が位置する側、即ち、本体部18aにおける前側の端部付近に位置しており、揺動の軸方向がガイドレール31の厚さ方向になる向きで配置されている。検出部18bは、連結部18cから、前後方向における長さが本体部18aと同程度の長さで後側に向かって延びる板状の形状で形成されている。これにより、検出部18bは、連結部18cを中心として本体部18aに対して揺動することが可能になっている。
【0066】
また、検出部18bは、検出部18bに対して負荷が作用していない状態では、連結部18c側から後側に向かうに従って本体部18aから離れる徐々に離れる方向に本体部18aに対して傾斜して配置されている(図8参照)。詳しくは、検出部18bには、連結部18c側から後側に向かうに従って本体部18aから離れる方向に、本体部18aに対して傾斜する付勢力が付与されている。このため、検出部18bは、検出部18bと本体部18aとの距離を小さくする方向の負荷が検出部18bに対して作用した場合に、連結部18cを中心として揺動することにより本体部18aとの距離が小さくなり(図7参照)、負荷が除去されたら、検出部18bは付勢力により、連結部18c側から後側に向かうに従って本体部18aから離れる状態になる。
【0067】
連結部18cを中心として揺動する検出部18bを有する第1センサ18は、検出部18bに対して負荷が作用することにより、検出部18bが連結部18cを中心として揺動し、検出部18bと本体部18aとの距離が小さくなった状態であるか否かを検出することが可能になっている。
【0068】
これらのように構成される第1センサ18は、ガイドレール31と共にリニアガイド30を構成し、コラムホルダ20が有する変位ブラケット21に取り付けられるスライダ32を検出することにより、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して所定の位置に変位したことを検出する。具体的には、コラムホルダ20は、固定ブラケット11に対して軸方向に相対変位可能に組み合わされているが、第1センサ18は、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して相対変位する軸方向の範囲における、一端側の最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを検出することが可能になっている。
【0069】
つまり、第1センサ18は、ガイドレール31の延在方向における後側の端部付近で、ガイドレール31の端部の側方に配置されている。このため、第1センサ18は、固定ブラケット11に対してコラムホルダ20が、後側へ相対変位することにより、変位ブラケット21に取り付けられるスライダ32が、ガイドレール31の後側の端部付近の位置に移動した場合、スライダ32は第1センサ18の検出部18bに接触し始める。
【0070】
スライダ32が第1センサ18の検出部18bに接触し始めた状態で、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対してさらに後側に相対変位した場合、検出部18bは、連結部18cを中心として揺動することにより、本体部18aとの距離が小さくなる。これにより、第1センサ18は、検出部18bと本体部18aとの距離が小さくなったことを検出する。この状態は、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の相対的な位置が、後側への最大変位位置であるため、第1センサ18は、検出部18bと本体部18aとの距離が小さくなったことの検出を介して、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の相対的な位置が、後側への最大変位位置に位置することを検出する。つまり、第1センサ18は、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して相対変位する軸方向の範囲において、ステアリングホイール121が位置する側である後側の最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを検出する。
【0071】
コラムホルダ20の位置が、後側への最大変位位置に位置することを第1センサ18で検出した場合、検出結果は第1センサ18から運転制御部210に伝達され、運転制御部210で取得する。
【0072】
図9は、図5のD-D矢視図である。図10は、図5における第2センサ58が連結部材95を検知している状態を示す説明図である。図9図10は、アッパ側送りねじ装置92が有するナット94(図5参照)をアッパコラム40に支持固定する連結部材95の位置での矢視図になっている。コラムホルダ20には、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して所定の位置に変位したことを検出する第2センサ58が配置されている。
【0073】
第2センサ58は、コラムホルダ20が有するロアコラム50における長孔53が形成されている側の面、即ち、ロアコラム50の下面に配置されている。詳しくは、第2センサ58は、ロアコラム50に形成される長孔53の延在方向における両端、即ち、前後方向における長孔53の両端のうち、後側の端部付近に配置されている。
【0074】
第2センサ58は、第1センサ18と同様の構成になっており、ロアコラム50に取り付けられる本体部58aと、本体部58aに配置されて本体部58aに対して可動する検出部58bとを有している。つまり、第2センサ58の検出部58bは、第1センサ18と同様に、例えば、板状の部材からなり、連結部58c(図9参照)によって本体部58aに対して、連結部58cを揺動軸として揺動自在に本体部58aに連結している。
【0075】
第2センサ58の本体部58aは、略直方体状の形状で形成されており、ロアコラム50の下面における長孔53の端部付近の位置で、検出部58bが配置されている側の面が、長孔53が位置する側に向く向きで配置されている。つまり、第2センサ58は、本体部58aに配置される検出部58bが、前側に位置する向きで配置され、検出部58bは、連結部58cを中心として略前後方向に揺動することが可能になっている。
【0076】
また、検出部58bには、連結部58cから離れるに従って本体部58aから離れる方向に、本体部58aに対して傾斜する付勢力が付与されている。このため、検出部58bは、検出部58bと本体部58aとの距離を小さくする方向の負荷が検出部58bに対して作用した場合に、連結部58cを中心として揺動することにより本体部58aとの距離が小さくなり(図10参照)、負荷が除去されたら、検出部58bは付勢力により、連結部58c側から後側に向かうに従って本体部58aから離れる状態になる。
【0077】
本体部58aに対して揺動する検出部58bを有する第2センサ58は、検出部58bに対して負荷が作用することにより、検出部58bが連結部58cを中心として揺動し、検出部58bと本体部58aとの距離が小さくなった状態であるか否かを検出することが可能になっている。
【0078】
これらのように構成される第2センサ58は、アッパ側送りねじ装置92を構成するナット94(図5参照)をアッパコラム40に支持固定する連結部材95を検出することにより、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して所定の位置に変位したことを検出する。具体的には、アッパコラム40は、コラムホルダ20に対して軸方向に相対変位可能に組み合わされているが、第2センサ58は、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する軸方向の範囲における、一端側の最大変位位置にアッパコラム40が位置することを検出することが可能になっている。
【0079】
つまり、第2センサ58は、ロアコラム50に形成される長孔53の延在方向における後側の端部付近に配置されている。このため、第2センサ58は、コラムホルダ20に対してアッパコラム40が、後側へ相対変位することにより、アッパ側送りねじ装置92のナット94をアッパコラム40に支持固定する連結部材95が、長孔53の後側の端部付近の位置に移動した場合、連結部材95は第2センサ58の検出部58bに接触する。
【0080】
これにより、検出部58bは、連結部58cを中心として揺動することにより本体部58aとの距離が小さくなり、第2センサ58は、検出部58bと本体部58aとの距離が小さくなったことを検出する。この状態は、コラムホルダ20に対するアッパコラム40の相対的な位置が、後側への最大変位位置であるため、第2センサ58は、検出部58bと本体部58aとの距離が小さくなったことの検出を介して、コラムホルダ20に対するアッパコラム40の相対的な位置が、後側への最大変位位置に位置することを検出する。つまり、第2センサ58は、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する軸方向の範囲において、ステアリングホイール121が位置する側の最大変位位置にアッパコラム40が位置することを検出する。
【0081】
このように、第2センサ58は、第1センサ18が、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の相対的な位置が、最も後側に位置することを検出するのと同様に、コラムホルダ20に対するアッパコラム40の相対的な位置が、最も後側に位置することを検出する。即ち、第2センサ58は、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する軸方向の範囲における、第1センサ18が軸方向においてコラムホルダ20を検出する側である後側の最大変位位置と同じ方向側の最大変位位置に、アッパコラム40が位置することを検出する。
【0082】
アッパコラム40の位置が、後側への最大変位位置に位置することを第2センサ58で検出した場合、検出結果は第2センサ58から運転制御部210に伝達され、運転制御部210で取得する。
【0083】
次に、ステアリングコラム装置2の伸縮について説明する。図11図13は、実施形態に係る操舵装置1におけるステアリングコラム装置2の伸縮についての説明図である。操舵装置1が有するステアリングコラム装置2は、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80とアッパ側テレスコピック用アクチュエータ90を動作させることにより、固定ブラケット11に対するステアリングシャフト3の相対的な位置を、前後方向に変位させることが可能になっている。
【0084】
例えば、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80によって、コラムホルダ20を固定ブラケット11に対して相対的に最も前後側に移動させ、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によって、アッパコラム40をコラムホルダ20に対して相対的に最も前側に移動させた場合には、ステアリングシャフト3は、図3に示すように、固定ブラケット11に対する相対的な位置が最も前側に位置する状態になる。
【0085】
図3に示す状態の場合は、コラムホルダ20は、固定ブラケット11に対して最も後側に位置していないため、第1センサ18は、コラムホルダ20が後側への最大変位位置に位置することを検出しない。また、図3に示す状態の場合は、アッパコラム40も、コラムホルダ20に対して最も後側に位置していないため、第2センサ58は、アッパコラム40が後側への最大変位位置に位置することを検出しない。
【0086】
また、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80によって、コラムホルダ20を固定ブラケット11に対して相対的に最も後側に移動させ、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によって、アッパコラム40をコラムホルダ20に対して相対的に最も前側に移動させた場合には、ステアリングシャフト3は、図11に示すように、固定ブラケット11に対する相対的な位置が、図3の位置より後側に位置する状態になる。
【0087】
図11に示す状態の場合は、第1センサ18は、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して相対変位する範囲における、後側への最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを検出する。一方、図11に示す状態の場合は、アッパコラム40は、コラムホルダ20に対して最も後側に位置していないため、第2センサ58は、アッパコラム40が後側への最大変位位置に位置することを検出しない。
【0088】
また、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80によって、コラムホルダ20を固定ブラケット11に対して相対的に最も前側に移動させ、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によって、アッパコラム40をコラムホルダ20に対して相対的に最も後側に移動させた場合には、ステアリングシャフト3は、図12に示すように、固定ブラケット11に対する相対的な位置が、図3の位置より後側に位置する状態になる。
【0089】
図12に示す状態の場合は、コラムホルダ20は、固定ブラケット11に対して最も後側に位置していないため、第1センサ18は、コラムホルダ20が後側への最大変位位置に位置することを検出しない。一方、第2センサ58は、図12に示す状態の場合においても、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する範囲における、後側への最大変位位置にアッパコラム40が位置することを検出する。
【0090】
また、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80によって、コラムホルダ20を固定ブラケット11に対して相対的に最も後側に移動させ、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によって、アッパコラム40をコラムホルダ20に対して相対的に最も後側に移動させた場合には、ステアリングシャフト3は、図13に示すように、固定ブラケット11に対する相対的な位置が最も後側に位置する状態になる。
【0091】
図13に示す状態になった場合、第1センサ18は、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して相対変位する範囲における、後側への最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを検出する。また、図13に示す状態になった場合、第2センサ58は、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する範囲における、後側への最大変位位置にアッパコラム40が位置することを検出する。
【0092】
ステアリングコラム装置2は、これらのようにロア側テレスコピック用アクチュエータ80とアッパ側テレスコピック用アクチュエータ90とを動作させることにより、固定ブラケット11に対するステアリングシャフト3の相対的な位置を、前後方向に適宜変位させることができる。
【0093】
チルト用アクチュエータ100(図3参照)は、チルト用アクチュエータ100における駆動源であるチルト用モータ101と、チルト用送りねじ装置102(図6参照)とを有する。チルト用モータ101は、運転制御部210(図1参照)によって制御可能になっている。
【0094】
チルト用モータ101とチルト用送りねじ装置102とを有して構成されるチルト用アクチュエータ100は、ステアリングコラム10における、ステアリングシャフト3のステアリングホイール取付部3aが位置する側の反対側の端部側に位置してステアリングシャフト3の軸方向に直交する揺動軸を中心として、ステアリングシャフト3を揺動させることが可能になっている。本実施形態では、チルト用アクチュエータ100による揺動の中心となる揺動軸としては、枢支ボルト65が適用される。
【0095】
揺動軸である枢支ボルト65は、ステアリングコラム10におけるステアリングホイール取付部3aが位置する側の反対側の端部側、即ち、ステアリングコラム10の前端側に配置されるため、チルト用モータ101を含むチルト用アクチュエータ100は、ステアリングシャフト3の軸方向における位置が、枢支ボルト65の位置よりも後側の位置に配置されている。つまり、チルト用モータ101を有するチルト用アクチュエータ100は、ステアリングシャフト3の軸方向における位置が、枢支ボルト65の位置よりもステアリングホイール121(図1参照)寄りに位置している。
【0096】
これらのように構成されるチルト用アクチュエータ100は、チルト用モータ101で発生した回転駆動力を、ウォーム減速機などの減速機構を介してチルト用送りねじ装置102のねじ軸103(図6参照)に伝達可能になっている。このため、チルト用モータ101で発生した回転駆動力は、減速機構を介してチルト用送りねじ装置102のねじ軸103に伝達され、ねじ軸103に伝達された駆動力によってねじ軸103が回転駆動することにより、ねじ軸103に螺合するナット105(図6参照)は、ねじ軸103に沿って上下方向に移動する。これにより、チルト用アクチュエータ100は、ナット105に形成される枢支軸部104が枢支するロアコラム50の後側部分を、変位ブラケット21に対し上下方向に変位させる。
【0097】
ステアリングシャフト3(図5参照)は、インナシャフト4とアウタシャフト5とを、軸方向の相対変位を可能に、且つ、相対回転を不能に組み合わせてなる。本実施形態では、ステアリングシャフト3は、前側のインナシャフト4の後側部分と後側のアウタシャフト5の前側部分とをスプライン係合させることにより、インナシャフト4とアウタシャフト5とは、軸方向の相対変位を可能に、且つ、相対回転を不能に組み合わされている。
【0098】
ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム装置2が有するステアリングコラム10の径方向内側に回転自在に支持されており、即ち、ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム10が有するアッパコラム40の径方向内側に回転自在に支持されている。具体的には、アウタシャフト5の前側の端部が、アッパコラム40の前側の端部に、ラジアル転がり軸受6a(図5参照)により回転自在に支持され、且つ、アウタシャフト5の後側部分が、アッパコラム40の後側の端部に、ラジアル転がり軸受6b(図5参照)により回転自在に支持されている。これらにより、ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム10とともに伸縮し、且つ、アッパコラム40に対して相対回転が可能になっている。
【0099】
ステアリングシャフト3は、一端にステアリングホイール121(図1参照)が取り付けられ、ステアリングホイール121から入力されるトルクにより回転する。詳しくは、ステアリングホイール121は、ステアリングシャフト3における後側の端部、即ち、アウタシャフト5の後側の端部に形成されるステアリングホイール取付部3aに取り付けられ、アウタシャフト5により支持される。また、ステアリングシャフト3の前側の端部、即ち、インナシャフト4の前側の端部には、ステアリングホイール121に操作反力を付与するための反力付与装置(図示省略)が接続されている。反力付与装置は、運転者によって操作されたステアリングホイール121に対して、運転者の操作に対する操作反力を付与する装置になっている。
【0100】
本実施形態に係る操舵装置1において、ステアリングホイール121の前後位置を調節する際には、ロア側テレスコピック用モータ81への通電に基づいて、固定ブラケット11に対して変位ブラケット21を軸方向、即ち、前後方向に相対変位させ、これによりコラムホルダ20を前後方向に相対変位させる。または、アッパ側テレスコピック用モータ91への通電に基づいて、コラムホルダ20のロアコラム50に対して、アッパコラム40を軸方向、即ち、前後方向に相対変位させる。或いは、ステアリングホイール121の前後位置を調節する際には、ロア側テレスコピック用モータ81への通電に基づいてコラムホルダ20を前後方向に相対変位させることと、アッパ側テレスコピック用モータ91への通電に基づいてアッパコラム40を前後方向に相対変位させることとの双方を行ってもよい。
【0101】
詳しくは、ロア側テレスコピック用モータ81に通電した場合には、ロア側テレスコピック用モータ81により、ロア側送りねじ装置82のねじ軸83を回転駆動して、ナット84を前後方向に変位させる。これにより、ナット84が支持固定されている変位ブラケット21を、固定ブラケット11に対して固定ブラケット11の軸方向、即ち、前後方向に変位させる。また、アッパ側テレスコピック用モータ91に通電した場合には、アッパ側テレスコピック用モータ91により、アッパ側送りねじ装置92のねじ軸93を回転駆動して、ナット94を前後方向に変位させる。これにより、ナット94が支持固定されているアッパコラム40を、ロアコラム50に対してロアコラム50の軸方向、即ち、前後方向に変位させる。これによって、ステアリングコラム10の全長を伸縮させるとともに、ステアリングシャフト3の全長を伸縮させることで、ステアリングホイール121の前後位置を調節する。ステアリングホイール121の前後位置を所望の位置に調節した後は、ロア側テレスコピック用モータ81やアッパ側テレスコピック用モータ91への通電を停止する。
【0102】
ステアリングホイール121の上下位置を調節する際には、チルト用モータ101への通電に基づいて、ロアコラム50の後側部分を、変位ブラケット21に対して上下方向に相対変位させる。即ち、チルト用モータ101に通電し、チルト用モータ101により、チルト用送りねじ装置102のねじ軸103を回転駆動して、ナット105を上下方向に変位させる。これにより、ナット105に形成される枢支軸部104が枢支するロアコラム50を、枢支ボルト65を中心に揺動させ、ロアコラム50の後側部分を上下方向に変位させる。本実施形態に係るステアリングコラム装置2では、このようにステアリングコラム10の径方向内側に回転自在に支持されたステアリングシャフト3の後側の端部を上下方向に変位させることにより、ステアリングホイール121の上下位置を調節する。ステアリングホイール121の上下位置を所望の位置に調節した後は、チルト用モータ101への通電を停止する。
【0103】
なお、ステアリングホイール121の前後位置の調節と、上下位置の調節とは、同時に行うこともできるし、独立して異なる時間に行うこともできる。
【0104】
本実施形態に係る操舵装置1は、自動運転を行うことができる車両に搭載されている。つまり、車両には、車両の運転制御を自動運転と手動運転とで切り替える運転制御部210が搭載されている。運転制御部210は、車両の走行状況に基づいて自動運転が可能な状況であるか否かを判定する判定部(図示省略)や、運転者からの手動運転または自動運転の切り替えの要求を取得する取得部(図示省略)を、機能的に有している。運転制御部210は、車両の走行状況が自動運転が可能な状況であると判定部で判定し、且つ、運転者から自動運転の要求がある場合に、車両の運転制御を自動運転に切り替える。これにより、運転制御部210は、車両に搭載されるセンサ類や地図情報、自車の位置情報、他車等の外部の装置との間で行う通信等に基づいて、車両の自動運転の制御を行う。
【0105】
運転制御部210は、車両の運転制御を手動運転から自動運転に切り替える場合には、ロア側テレスコピック用モータ81を作動させることにより、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80によって、固定ブラケット11に対して相対変位するコラムホルダ20を、前側に変位させる。同様に、運転制御部210は、アッパ側テレスコピック用モータ91を作動させることにより、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によって、コラムホルダ20に対して相対変位するアッパコラム40を、前側に変位させる。これにより、ステアリングシャフト3の後側の端部に取り付けられるステアリングホイール121を前側に移動させ、運転者の前側の空間を大きくする。運転制御部210は、自動運転の制御を行う際には、このようにステアリングホイール121を前側に移動させることにより運転者の前側の空間を大きくし、ステアリングホイール121の位置であるステアリングポジションを、運転者がリラックスできる状態にする。
【0106】
自動運転中に運転者から手動運転に切り替える要求があったり、車両の走行状況が手動運転の方が好ましいことにより自動運転から手動運転に切り替える要求が判定部からあったりする場合には、運転制御部210は、運転制御を手動運転に切り替える前に、手動運転に向けた準備を行う。
【0107】
具体的には、運転制御部210は、運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、ロア側テレスコピック用モータ81を作動させることにより、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80によってコラムホルダ20を固定ブラケット11に対して、軸方向における後側に変位させる。また、運転制御部210は、アッパ側テレスコピック用モータ91を作動させることにより、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によってアッパコラム40をコラムホルダ20に対して、軸方向における後側に変位させる。つまり、運転制御部210は、運転者が運転操作を適切に行うことができるように、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80やアッパ側テレスコピック用アクチュエータ90によって、ステアリングシャフト3の後側の端部に取り付けられるステアリングホイール121を後側に移動させる。
【0108】
これらのように、ステアリングホイール121を後側に移動させる制御を行った運転制御部210は、第1センサ18と第2センサ58とでの検出結果を取得し、取得した検出結果に応じて運転制御の切り替えを行う。即ち、運転制御部210は、コラムホルダ20が所定の位置に変位したことを第1センサ18により検出したら、または、アッパコラム40が所定の位置に変位したことを第2センサ58により検出したら、自動運転から手動運転へ切り替える。具体的には、運転制御部210は、コラムホルダ20の変位の範囲において、ステアリングホイール121が位置する側である後側の最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを第1センサ18により検出したら、または、アッパコラム40の変位の範囲において、ステアリングホイール121が位置する側である後側の最大変位位置にアッパコラム40が位置することを第2センサ58により検出したら、自動運転から手動運転へ切り替える。これにより、運転制御部210は、ステアリングホイール121が後側に移動し、ステアリングポジションが、運転者が運転操作を適切に行うことができる位置になったことを確認した後に、車両の運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える。
【0109】
以上のように、本実施形態に係る操舵装置1は、前後方向、或いは軸方向のステアリングポジションの調整を、固定ブラケット11に対してコラムホルダ20を軸方向に変位させるロア側テレスコピック用アクチュエータ80と、コラムホルダ20に対してアッパコラム40を軸方向に変位させるアッパ側テレスコピック用アクチュエータ90とにより行う。また、ステアリングポジションを検出するためのセンサとして、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して所定の位置に変位したことを検出する第1センサ18と、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して所定の位置に変位したことを検出する第2センサ58と、を備えている。これにより、ステアリングポジションを調整する際には、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80により変位するコラムホルダ20が所定の位置に変位したことを第1センサ18で検出し、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90により変位するアッパコラム40が所定の位置に変位したことを第2センサ58で検出することができる。
【0110】
このため、例えば、車両の運転制御を自動運転から手動運転に切り替える際において、ステアリングポジションを手動運転に適した位置にする場合に、ステアリングホイール121を軸方向に変位させるコラム部材同士の相対的な位置が、所定の位置に変位したことを第1センサ18や第2センサ58で検出することができる。即ち、ステアリングポジションをテレスコピック用アクチュエータ80、90によって手動運転に適した位置にする場合に、固定ブラケット11に対して相対変位するコラムホルダ20が所定の位置に変位したことを第1センサ18で検出したり、コラムホルダ20に対して相対変位するアッパコラム40が所定の位置に変位したことを第2センサ58で検出したりすることができる。これにより、コラムホルダ20とアッパコラム40が変位することにより軸方向に変位するステアリングホイール121の変位の状態を、高い精度で検出することができる。この結果、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0111】
また、本実施形態に係る操舵装置1では、ステアリングポジションを手動運転に適した位置にする場合には、ステアリングホイール121を軸方向に変位させるために変位させるコラムホルダ20やアッパコラム40の状態を、第1センサ18と第2センサ58とでそれぞれ検出することができる。これにより、それぞれ独立して変位可能なコラムホルダ20とアッパコラム40との変位の状態を、第1センサ18と第2センサ58とで独立して検出することができるため、コラムホルダ20とアッパコラム40が変位することにより軸方向に変位するステアリングホイール121の変位の状態を、高い精度で検出することができる。この結果、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0112】
また、本実施形態に係る操舵装置1では、第1センサ18は、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して相対変位する軸方向の範囲において、ステアリングホイール121が位置する側の最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを検出する。また、第2センサ58は、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する軸方向の範囲において、ステアリングホイール121が位置する側の最大変位位置にアッパコラム40が位置することを検出する。これにより、ステアリングホイール121を軸方向に変位させる際に、コラムホルダ20やアッパコラム40が、ステアリングホイール121を後側に変位させる最大変位位置に位置するか否かを、第1センサ18や第2センサ58によって検出することができる。この結果、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0113】
また、本実施形態に係る操舵装置1では、第1センサ18は、コラムホルダ20が固定ブラケット11に対して相対変位する軸方向の範囲における、一端側の最大変位位置にコラムホルダ20が位置することを検出する。また、第2センサ58は、アッパコラム40がコラムホルダ20に対して相対変位する軸方向の範囲における、第1センサ18が軸方向においてコラムホルダ20を検出する側の最大変位位置と同じ方向側の最大変位位置にアッパコラム40が位置することを検出する。つまり、第1センサ18と第2センサ58とは、コラムホルダ20とアッパコラム40とのそれぞれの変位の範囲における、同じ方向側の最大変位位置にコラムホルダ20やアッパコラム40が位置すること検出することができる。
【0114】
これにより、コラムホルダ20とアッパコラム40とをそれぞれ軸方向に変位させることによりステアリングホイール121を軸方向に変位させる際に、ステアリングホイール121が軸方向の変位の範囲における最大変位位置に位置するか否かを、第1センサ18と第2センサ58とにより検出することができる。この結果、ステアリングポジションを高い精度で検出することができる。
【0115】
また、本実施形態に係る運転切替制御装置200は、車両の運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、コラムホルダ20が所定の位置に変位したことを第1センサ18により検出したら、または、アッパコラム40が所定の位置に変位したことを第2センサ58により検出したら、手動運転へ切り替える。このため、自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合に、ステアリングホイール121を軸方向に変位させることを目的として軸方向に変位させるコラムホルダ20やアッパコラム40が、所定の位置に変位したことを第1センサ18や第2センサ58で検出した後に、手動運転へ切り替えることができる。この結果、ステアリングポジションを高い精度で検出することができ、高い精度で検出したステアリングポジションの検出結果に基づいて、運転制御を切り替えることができる。
【0116】
また、本実施形態に係る操舵装置1では、ステアリングコラム10を、固定ブラケット11とコラムホルダ20とを軸方向の相対変位を可能に組み合わせ、且つ、コラムホルダ20とアッパコラム40とを軸方向の相対変位を可能に組み合わせることにより構成している。即ち、ステアリングコラム10は、2段伸縮構造を有している。このため、ステアリングコラム10の全長の伸縮可能量を十分に確保しつつ、ロア側送りねじ装置82のねじ軸83及びアッパ側送りねじ装置92のねじ軸93の軸方向寸法が過大になることを防止できる。
【0117】
また、本実施形態の操舵装置1では、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80のロア側テレスコピック用モータ81とアッパ側テレスコピック用アクチュエータ90のアッパ側テレスコピック用モータ91とに同時に通電することで、コラムホルダ20を固定ブラケット11に対して軸方向に変位させると同時に、アッパコラム40をコラムホルダ20に対して軸方向に変位させることができる。このため、1個の電動モータにより、ステアリングコラムの全長を伸縮させる構造と比較して、ステアリングコラム10の伸縮速度を高速化し易くすることができる。
【0118】
なお、本実施形態に係る操舵装置1において、ステアリングホイール121の前後位置を調節する際には、例えば、コラムホルダ20を固定ブラケット11に対して軸方向に高速で大きく変位させた後、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の軸方向変位量や、コラムホルダ20に対するアッパコラム40の軸方向変位量を微調整することで、ステアリングホイール121の前後位置を所望の位置に調節することができる。
【0119】
[変形例]
上述した実施形態では、運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、運転制御部210は、コラムホルダ20が所定の位置に変位したことを第1センサ18で検出したら、または、アッパコラム40が所定の位置に変位したことを第2センサ58で検出したら手動運転に切り替えているが、手動運転に切り替える条件として、これ以外の条件も含めてもよい。例えば、コラムホルダ20を変位させるモータの回転数やアッパコラム40を変位させるモータの回転数も、自動運転から手動運転へ切り替える際における条件に含めてもよい。
【0120】
つまり、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の変位量は、ロア側テレスコピック用アクチュエータ80が有するロア側テレスコピック用モータ81の回転数から求めることができる。同様に、コラムホルダ20に対するアッパコラム40の変位量も、アッパ側テレスコピック用アクチュエータ90が有するアッパ側テレスコピック用モータ91の回転数から求めることができる。このため、ロア側テレスコピック用モータ81の回転数とアッパ側テレスコピック用モータ91の回転数とを、それぞれエンコーダ等の回転センサによって測定可能に構成し、ロア側テレスコピック用モータ81の回転数やアッパ側テレスコピック用モータ91の回転数を、自動運転から手動運転へ切り替える際における条件に含めてもよい。
【0121】
具体的には、運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、コラムホルダ20が所定の位置に変位したことを、第1センサ18での検出結果と、ロア側テレスコピック用モータ81の回転センサでの検出結果とに基づいて、手動運転に切り替えるようにしてもよい。または、運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、アッパコラム40が所定の位置に変位したことを、第2センサ58での検出結果と、アッパ側テレスコピック用モータ91の回転センサでの検出結果とに基づいて、手動運転に切り替えるようにしてもよい。
【0122】
このように、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の相対変位やコラムホルダ20に対するアッパコラム40の相対変位を検出する際に、第1センサ18や第2センサ58での検出結果と、ロア側テレスコピック用モータ81やアッパ側テレスコピック用モータ91の回転センサでの検出結果とに基づいて検出することにより、コラムホルダ20やアッパコラム40が所定の位置に変位したか否かを、より高い精度で検出することができる。この結果、ステアリングポジションをより高い精度で検出することができる。
【0123】
また、固定ブラケット11に対するコラムホルダ20の相対変位を検出するための検出手段として、第1センサ18と、ロア側テレスコピック用モータ81の回転数を検出する回転センサとを用いることにより、一方のセンサが故障した場合でも、他方のセンサにより、コラムホルダ20の相対変位の状態を検出することができる。同様に、コラムホルダ20に対するアッパコラム40の相対変位を検出するための検出手段として、第2センサ58での検出結果と、アッパ側テレスコピック用モータ91の回転数を検出する回転センサとを用いることにより、一方のセンサが故障した場合でも、他方のセンサにより、アッパコラム40の相対変位の状態を検出することができる。この結果、コラムホルダ20やアッパコラム40が所定の位置に変位したか否かを、より確実に検出することができ、ステアリングポジションをより高い精度で検出することができる。
【0124】
また、運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合には、運転制御部210は、コラムホルダ20が所定の位置に変位したことを第1センサ18により検出し、且つ、アッパコラム40が所定の位置に変位したことを第2センサ58により検出したら、手動運転へ切り替えてもよい。つまり、運転制御部210は、それぞれ独立して変位可能なコラムホルダ20とアッパコラム40との双方が所定の位置に変位したことを第1センサ18と第2センサ58とで検出した場合に、手動運転へ切り替えてもよい。これにより、運転制御を自動運転から手動運転へ切り替える要求があった場合に、ステアリングホイール121が所定の位置に変位したか否かを、第1センサ18と第2センサ58との双方により検出した後に、手動運転へ切り替えることができる。この結果、ステアリングポジションを高い精度で検出することができ、高い精度で検出したステアリングポジションの検出結果に基づいて、運転制御を切り替えることができる。
【0125】
また、上述した実施形態では、第1センサ18は、本体部18aと検出部18bとを備え、リニアガイド30のスライダ32が検出部18bに接触することにより、コラムホルダ20の変位を検出しているが、第1センサ18は、これ以外の手法によりコラムホルダ20の変位を検出してもよい。同様に、第2センサ58は、本体部58aと検出部58bとを備え、アッパ側送りねじ装置92のナット94をアッパコラム40に支持固定する連結部材95が検出部58bに接触することにより、アッパコラム40の変位を検出しているが、第2センサ58は、これ以外の手法によりアッパコラム40の変位を検出してもよい。第1センサ18は、固定ブラケット11に対して相対変位するコラムホルダ20の変位を検出でき、第2センサ58は、コラムホルダ20に対して相対変位するアッパコラム40の変位を検出することができれば、それらの構成や配置位置、手法は問わない。
【0126】
また、上述した実施形態では、本開示の一例として、ステアリングホイール121の前後位置を調節するためのテレスコピック機構と、上下位置を調節するためのチルト機構との両方を備えるステアリングコラム装置2に適用した場合について説明したが、本開示は、テレスコピック機構のみを備えるステアリングコラム装置に適用することもできる。
【0127】
以上、本開示の好適な実施形態を説明したが、本開示は上記の実施形態に記載されたものに限定されない。実施形態や変形例として説明した構成は、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 操舵装置
2 ステアリングコラム装置
3 ステアリングシャフト
4 インナシャフト
5 アウタシャフト
10 ステアリングコラム
11 固定ブラケット
12 固定板部
18 第1センサ
20 コラムホルダ
21 変位ブラケット
22 変位板部
30 リニアガイド
31 ガイドレール
32 スライダ
40 アッパコラム
50 ロアコラム
58 第2センサ
60 インナコラム
65 枢支ボルト
80 ロア側テレスコピック用アクチュエータ
81 ロア側テレスコピック用モータ
82 ロア側送りねじ装置
83 ねじ軸
84 ナット
90 アッパ側テレスコピック用アクチュエータ
91 アッパ側テレスコピック用モータ
92 アッパ側送りねじ装置
93 ねじ軸
94 ナット
95 連結部材
100 チルト用アクチュエータ
101 チルト用モータ
102 チルト用送りねじ装置
103 ねじ軸
105 ナット
120 ステアリングシステム
121 ステアリングホイール
130 転舵装置
131 アクチュエータ
132 タイロッド
135 操舵輪
200 運転切替制御装置
210 運転制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13