(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101043
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】底マチ付き包装袋連包を給袋する給袋装置及び当該給袋装置を備えた包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/08 20120101AFI20230712BHJP
B65B 51/26 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B65B9/08
B65B51/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001356
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】大島 雅志
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050AB08
3E050CA01
3E050CA08
3E050DB04
3E050DD03
3E050DF01
3E050DH09
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB08
3E050GA02
3E050GA06
3E050GB02
3E050GB09
3E050JA04
3E094AA12
3E094BA01
3E094BA06
3E094CA06
3E094DA07
3E094EA04
3E094FA07
3E094FA14
3E094GA05
3E094GA15
3E094HA03
3E094HA08
(57)【要約】
【課題】長尺フィルムから形成した包装袋連包に係る各包装袋の容量を増やした給袋装置を提供するとともに、前記包装袋に係る包装工程を担う各種装置の構成やそれら装置のレイアウトを簡潔にした包装機を提供する。
【解決手段】包装機100に組み込まれる給袋装置10は、フィルム供給ユニット11と折込ユニット12と製袋ユニット13とからなる。フィルム供給ユニットから折込ユニットへ供給された長尺フィルムFは、ガイドプレート16に沿って折り目を内側にした谷折りに折りたたまれて帯体を形成すると共に当該帯体の谷底部をガイド片18で折り込んで折込部Aを形成する。当該折込部を備えた帯体は、製袋ユニットのサイドシーラー20で形成されたサイドシール部Sと、続くボトムシーラー21で形成された平面視略円形状又は相対する円弧からなる略舟形状の底マチと当該底マチに連接する脚部Lを備えた包装袋Bが連接してなる包装袋連包1に形成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略二等辺三角形状の板材からなり、当該板材の先端を反板材側斜め上方へ指向するように折り曲げて形成した略二等辺三角形状のガイド片を有するガイドプレートと、
前記ガイド片の先端に対向配置され、前記ガイドプレートに対して垂設されたガイドローラー対と、
当該ガイドローラー対の後段に立設されたサイドシーラー対と、
を備え、
フィルムロールから繰り出される長尺フィルムが、前記ガイドプレートの下面側で底辺から先端に向かって長手方向に摺動するとき、
当該長尺フィルムの左右両端が、前記ガイドプレートの左右両斜辺に沿って当該ガイドプレートの下面側から上面側へそれぞれ回り込み、
前記長尺フィルムの幅方向中心が前記ガイドプレートの先端で抑えつけられ、当該長尺フィルムの幅方向中心に形成された前記ガイド片の底辺と同幅の谷底部を、前記ガイド片の左右両斜辺に沿って山折りに折り込んで折込部を形成し、
前記ガイドローラー間に折りたたまれた前記長尺フィルムを通して、前記谷底部に前記折込部を備えた帯体を形成し、
当該帯体を前記サイドシーラー対が所定間隔で挟み込んでシールして、当該帯体上に所定間隔でサイドシール部を形成し、隣り合う当該サイドシール部で区画された包装袋を形成して、
前記長尺フィルムから、下端近傍に前記折込部を備えた前記包装袋が連接する包装袋連包を形成するようにしたことを特徴とする給袋装置。
【請求項2】
前記サイドシーラー対の後段に、前記包装袋連包の長手方向に沿って上面が下方に湾曲している一対のヒーターブロックを備えたボトムシーラー対を設け、
当該ボトムシーラー対の相対する前記ヒーターブロックが、前記折込部を挟み込んでシールして、
前記包装袋の袋底部に平面視略円形状又は略舟形状の底マチを形成するとともに、前記包装袋を自立可能に支持する脚部を形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の給袋装置。
【請求項3】
略二等辺三角形状の板材からなり、当該板材の先端を反板材側斜め上方へ指向するように折り曲げて形成した略二等辺三角形状のガイド片を有するガイドプレートと、
前記ガイド片の先端に対向配置され、前記ガイドプレートに対して垂設されたガイドローラー対と、
当該ガイドローラー対の後段に立設されたサイドシーラー対と、
を備え、
フィルムロールから繰り出される長尺フィルムが、前記ガイドプレートの下面側で底辺から先端に向かって長手方向に摺動するとき、
当該長尺フィルムの左右両端が、前記ガイドプレートの左右両斜辺に沿って当該ガイドプレートの下面側から上面側へそれぞれ回り込み、
前記長尺フィルムの幅方向中心が前記ガイドプレートの先端で抑えつけられ、当該長尺フィルムの幅方向中心に形成された前記ガイド片の底辺と同幅の谷底部を、前記ガイド片の左右両斜辺に沿って山折りに折り込んで折込部を形成し、
前記ガイドローラー間に折りたたまれた前記長尺フィルムを通して、前記谷底部に前記折込部を備えた帯体を形成し、
当該帯体を前記サイドシーラー対が所定間隔で挟み込んでシールして、当該帯体上に所定間隔でサイドシール部を形成し、隣り合う当該サイドシール部で区画された包装袋を形成して、
前記長尺フィルムから、下縁部近傍に前記折込部を備えた前記包装袋が連接する包装袋連包を形成する給袋装置と、
当該給袋装置から供給される前記包装袋連包を搬送経路に沿って第1グリップで反給袋装置側へ引っ張って搬送する搬送装置とを有し、
前記給袋装置から給袋された前記包装袋連包を、前記搬送装置が前記搬送経路に沿って搬送するとき、
当該搬送経路上で、前記包装袋の上端に形成した開口部と前記折込部を開いて被包装物を充填し、前記包装袋内を所定の不活性ガスでガス置換してから、前記袋口部を封止する包装工程を実行して、前記包装袋に前記被包装物を充填した袋製品を製造するようにしたことを特徴とする包装機。
【請求項4】
前記給袋装置の前記サイドシーラー対の後段に、前記包装袋連包の長手方向に沿って上面が下方に湾曲している一対のヒーターブロックを備えたボトムシーラー対を設け、
当該ボトムシーラー対の相対する前記ヒーターブロックが、前記折込部を挟み込んでシールして、
前記包装袋の袋底部に平面視略円形状又は略舟形状の底マチを形成するとともに、前記包装袋を自立可能に支持する脚部を形成するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の包装機。
【請求項5】
前記搬送装置が、
前記搬送経路と並行するガイドレールと、
前記各サイドシール部を把持する第2グリップを有し、ガイドレール上を走行する複数個の移動体と、
前記移動体と前記ガイドレールの一方に永久磁石を取り付け、他方に電磁石を取り付けて、前記移動体をリニア駆動で各個独立して前記ガイドレール上を移動させる駆動手段と、
前記ガイドレール上における前記各移動体の位置をそれぞれ検知して所定位置に停止させる移動体位置制御手段とを備え、
一の前記移動体とその直後の移動体の停止位置を制御して一のサイドシール部とその直後のサイドシール部との間隔を、前記包装各工程にあわせて調整するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の包装機。
【請求項6】
前記給袋装置と前記搬送装置の間に、
前記包装袋連包を構成する前記包装袋を挟んで温める複数組のウォーマー対を備えた袋温め装置を設け、
所定の温度に温められた前記包装袋を、前記サイドシール部を把持する一の前記移動体とその直後の移動体で引っ張って、
前記包装袋を引き伸ばすようにしたことを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の包装機。
【請求項7】
前記搬送経路の上流側から、
前記包装袋の前記開口部を開く案内ヘラ、及び前記袋底部の前記底マチを開く吸盤対を備えた開放装置と、
開口した前記開口部に差し込まれ、前記被包装物を送り込む充填ジョウゴを備え、前記包装袋内へ前記被包装物を充填する充填装置と、
前記開口部に差し込まれ、前記不活性ガスを送り込むガスノズルを備え、前記包装袋内をガス置換するガス置換装置と、
前記開口部をシールして前記包装袋を封止するシール装置とを、
前記搬送経路に沿って設けたことを特徴とする請求項3に記載の包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺フィルムを幅方向に折り重ねて所定間隔でシールして袋部を区画形成した包装袋連包を給袋する給袋装置と、当該給袋装置を備えた包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装袋に被包装物を充填した袋製品には、被包装物の酸化による劣化を防止するために、たとえば、窒素ガスのような不活性ガスによって袋内をガス置換するようにしたものが知られている。
特開2007-223673号公報に開示されている充填包装装置は、長尺フィルムに所定の間隔でシュートを挟み込みながら二つ折りにして、回転体に放射方向に取り付けられた区画シール装置でシュート間をヒートシールして区画シール部で区画された袋部を形成し、回転体の周方向に沿って搬送される間に、被包装物を袋部へ充填して、袋部内をガス置換して封止するように構成されている。区画シール装置はまた搬送される長尺フィルムを挟持するグリップを兼ねている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の充填包装装置の区画シール装置は、回転体に放射方向に取り付けられていることから、当該区画シール装置間の幅を調整するのが難しい。また、長尺フィルムを単純に二つ折りとしていることから互いに連接する各包装袋の容量が少ない。
さらに、長尺フィルムをヒートシールする区画シール装置がグリップを兼ねているため、配線や構造が複雑になり、またヒートシールした後もしばらく長尺フィルムを挟持していなければならないため、排熱やフィルムの冷却の効率が悪くなるおそれがある。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、長尺フィルムから形成した包装袋連包に係る各包装袋の容量を増やした給袋装置を提供するとともに、前記包装袋に係る包装工程を担う各種装置の構成やそれら装置のレイアウトを簡潔にした包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の給袋装置は、略二等辺三角形状の板材からなり、当該板材の先端を反板材側斜め上方へ指向するように折り曲げて形成した略二等辺三角形状のガイド片を有するガイドプレートと、
前記ガイド片の先端に対向配置され、前記ガイドプレートに対して垂設されたガイドローラー対と、
当該ガイドローラー対の後段に立設されたサイドシーラー対と、
を備え、
フィルムロールから繰り出される長尺フィルムが、前記ガイドプレートの下面側で底辺から先端に向かって長手方向に摺動するとき、
当該長尺フィルムの左右両端が、前記ガイドプレートの左右両斜辺に沿って当該ガイドプレートの下面側から上面側へそれぞれ回り込み、
前記長尺フィルムの幅方向中心が前記ガイドプレートの先端で抑えつけられ、当該長尺フィルムの幅方向中心に形成された前記ガイド片の底辺と同幅の谷底部を、前記ガイド片の左右両斜辺に沿って山折りに折り込んで折込部を形成し、
前記ガイドローラー間に折りたたまれた前記長尺フィルムを通して、前記谷底部に前記折込部を備えた帯体を形成し、
当該帯体を前記サイドシーラー対が所定間隔で挟み込んでシールして、当該帯体上に所定間隔でサイドシール部を形成し、隣り合う当該サイドシール部で区画された包装袋を形成して、
前記長尺フィルムから、下端近傍に前記折込部を備えた前記包装袋が連接する包装袋連包を形成するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の給袋装置は、請求項1に記載の発明において、前記サイドシーラー対の後段に、前記包装袋連包の長手方向に沿って上面が下方に湾曲している一対のヒーターブロックを備えたボトムシーラー対を設け、
当該ボトムシーラー対の相対する前記ヒーターブロックが、前記折込部を挟み込んでシールして、
前記包装袋の袋底部に平面視略円形状又は略舟形状の底マチを形成するとともに、前記包装袋を自立可能に支持する脚部を形成するようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の包装機は、略二等辺三角形状の板材からなり、当該板材の先端を反板材側斜め上方へ指向するように折り曲げて形成した略二等辺三角形状のガイド片を有するガイドプレートと、
前記ガイド片の先端に対向配置され、前記ガイドプレートに対して垂設されたガイドローラー対と、
当該ガイドローラー対の後段に立設されたサイドシーラー対と、
を備え、
フィルムロールから繰り出される長尺フィルムが、前記ガイドプレートの下面側で底辺から先端に向かって長手方向に摺動するとき、
当該長尺フィルムの左右両端が、前記ガイドプレートの左右両斜辺に沿って当該ガイドプレートの下面側から上面側へそれぞれ回り込み、
前記長尺フィルムの幅方向中心が前記ガイドプレートの先端で抑えつけられ、当該長尺フィルムの幅方向中心に形成された前記ガイド片の底辺と同幅の谷底部を、前記ガイド片の左右両斜辺に沿って山折りに折り込んで折込部を形成し、
前記ガイドローラー間に折りたたまれた前記長尺フィルムを通して、前記谷底部に前記折込部を備えた帯体を形成し、
当該帯体を前記サイドシーラー対が所定間隔で挟み込んでシールして、当該帯体上に所定間隔でサイドシール部を形成し、隣り合う当該サイドシール部で区画された包装袋を形成して、
前記長尺フィルムから、下縁部近傍に前記折込部を備えた前記包装袋が連接する包装袋連包を形成する給袋装置と、
当該給袋装置から供給される前記包装袋連包を搬送経路に沿って第1グリップで反給袋装置側へ引っ張って搬送する搬送装置とを有し、
前記給袋装置から給袋された前記包装袋連包を、前記搬送装置が前記搬送経路に沿って搬送するとき、
当該搬送経路上で、前記包装袋の上端に形成した開口部と前記折込部を開いて被包装物を充填し、前記包装袋内を所定の不活性ガスでガス置換してから、前記袋口部を封止する包装工程を実行して、前記包装袋に前記被包装物を充填した袋製品を製造するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の包装機は、請求項3に記載の発明において、前記給袋装置の前記サイドシーラー対の後段に、前記包装袋連包の長手方向に沿って上面が下方に湾曲している一対のヒーターブロックを備えたボトムシーラー対を設け、
当該ボトムシーラー対の相対する前記ヒーターブロックが、前記折込部を挟み込んでシールして、
前記包装袋の袋底部に平面視略円形状又は略舟形状の底マチを形成するとともに、前記包装袋を自立可能に支持する脚部を形成するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の包装機は、請求項3に記載の発明において、前記搬送装置が、
前記搬送経路と並行するガイドレールと、
前記各サイドシール部を把持する第2グリップを有し、ガイドレール上を走行する複数個の移動体と、
前記移動体と前記ガイドレールの一方に永久磁石を取り付け、他方に電磁石を取り付けて、前記移動体をリニア駆動で各個独立して前記ガイドレール上を移動させる駆動手段と、
前記ガイドレール上における前記各移動体の位置をそれぞれ検知して所定位置に停止させる移動体位置制御手段とを備え、
一の前記移動体とその直後の移動体の停止位置を制御して一のサイドシール部とその直後のサイドシール部との間隔を、前記包装各工程にあわせて調整するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の包装機は、請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の発明において、前記給袋装置と前記搬送装置の間に、
前記包装袋連包を構成する前記包装袋を挟んで温める複数組のウォーマー対を備えた袋温め装置を設け、
所定の温度に温められた前記包装袋を、前記サイドシール部を把持する一の前記移動体とその直後の移動体で引っ張って、
前記包装袋を引き伸ばすようにしたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の包装機は、請求項3に記載の発明において、前記搬送経路の上流側から、
前記包装袋の前記開口部を開く案内ヘラ、及び前記袋底部の前記底マチを開く吸盤対を備えた開放装置と、
開口した前記開口部に差し込まれ、前記被包装物を送り込む充填ジョウゴを備え、前記包装袋内へ前記被包装物を充填する充填装置と、
前記開口部に差し込まれ、前記不活性ガスを送り込むガスノズルを備え、前記包装袋内をガス置換するガス置換装置と、
前記開口部をシールして前記包装袋を封止するシール装置とを、
前記搬送経路に沿って設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の給袋装置によれば、略二等辺三角形状の板材からなり、当該板材の先端を反板材側斜め上方へ指向するように折り曲げて形成した略二等辺三角形状のガイド片を有するガイドプレートと、ガイド片の先端に対向配置され、ガイドプレートに対して垂設されたガイドローラー対と、当該ガイドローラー対の後段に立設されたサイドシーラー対によって、フィルムロールから繰り出される長尺フィルムを谷折りにして幅方向中心部に谷底部を形成し、当該谷底部を山折りに折り込んで折込部を形成して帯体を形成し、さらに当該帯体を所定間隔でサイドシーラー対が挟み込んでシールして、帯体上のサイドシール部で区画された袋部を形成し、当該袋部が連続する包装袋連包を形成するようにした。
これによって、帯体に形成した折込部は、袋部の袋底近傍でマチとして構成されるので、袋部の容量を拡大することができ、当該袋部へ多量の被包装物を充填したときであっても、袋口を封止しやすくすることができる。
また好ましくは、包装袋連包の長手方向に沿って上面が下方へ湾曲したボトムシーラー対で折込部をシールするようにした。
これによって、折込部でシールされる部分とシールされない部分が生じ、シールされなかった部分は、平面視円形状の底マチ部が形成され、シールされた部分は、折り返されたフィルムがシールされて底マチ部を支持する脚部が形成される。そのため、袋部を拡開したとき、当該袋部は略有底円筒状となり、また脚部によって、袋部を自立させることができる。したがって、袋部へ液体状又は粉体状の被包装物を多量に充填するとき、容易に充填することができる。
【0014】
請求項3に記載の包装機によれば、請求項1に記載の給袋装置を組み込んで包装機を構成するようにした。
これによって、複雑な装置を組み込むことなく、マチを有し、容量を拡大した袋部を備えた包装袋連包が所定の搬送経路を備えた搬送装置へ給袋され、当該搬送装置が包装袋連包を搬送するとき、搬送中に袋口を開き、被包装物を充填して、袋部内をガス置換して袋口を封止する包装工程を担う各種装置の構成やそれら装置のレイアウトを簡潔にすることができる。
また好ましくは、搬送装置がガイドレールに沿ってリニア駆動する複数個の移動体を有する構成とした。これによって、移動体が包装袋連包のサイドシール部をそれぞれ挟持して搬送することができ、移動体間の距離を制御することで、各袋部の開口具合或いは袋部の厚さを調整して、被包装物の充填を容易にしたり、袋口を封止したりする工程を容易に行うことができる。
さらに好ましくは、給袋装置と搬送装置の間に、包装袋連包の袋部を挟んで温める複数組のウォーマー対を備えた袋温め装置を設け、所定の温度に温められた袋部が、搬送経路上へ移ったとき、一の移動体とその直後の他の移動体で引っ張って、袋部を引き伸ばすようにした。これによって、袋部の容量を拡大することができる。
そして好ましくは、給袋装置から給袋された包装袋連包が搬送される搬送経路の上流側から、袋部を開放する袋開放装置、被包装物を充填する充填装置、袋部内をガス置換するガス置換装置、及び袋口をシールして袋部を封止するトップシール装置を設けた。
これによって、搬送経路に対して、包装工程を担う各装置を順に配置して、包装機上の各装置のレイアウトを簡潔にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施例に係る包装機における包装工程の全体構成の概略を示した工程図である。
【
図2】第1実施例に係る包装機の構成の概略を示した説明図である。
【
図3】第1実施例に係る給袋装置の折込ユニットに係る構成の概略を示した説明図である。
【
図4】第1実施例に係る給袋装置の製袋ユニットに係る構成の概略を示した説明図である。
【
図5】第1実施例に係る給袋装置において形成される包装袋連包の構成の概略を示した説明図である。
【
図6】第1実施例に係る包装機における各包装工程の概略を示した工程図である。
【
図7】第2実施例に係る包装機における袋温め装置と第2グリップの構成の概略を示した説明図である。
【
図8】第2実施例に係る袋温め装置において形成される包装袋連包の構成の概略を示した説明図である。
【実施例0016】
本発明に係る給袋装置及び当該給袋装置を備えた包装機について、添付した図面にしたがって説明する。
図1は本実施例に係る包装機における全体工程図の概略を示した説明図である。
図2は、
図1に記載した構成の一部が省略されているが、本実施例に係る包装機の構成の概略を示した全体構成図である。
【0017】
包装機100は、
図1に示すように、給袋装置10から連続して給袋される包装袋連包1を搬送装置110が搬送している間に、開口装置120、充填装置130、ガス置換装置140、シール装置150が包装袋の開口端を開いて被包装物を充填し、ガス置換してシールして、搬出装置160で搬出するように構成されている。
また、包装機100は、
図2に示すように、複数個の包装袋Bが連接してなる包装袋連包1を給袋する給袋装置10と、当該包装袋連包1を搬送する搬送装置110と、搬送されている包装袋Bを開口する開口装置120、当該包装袋Bへ被包装物を充填する充填装置130、当該包装袋B内を脱気して不活性ガスへ置換するガス置換装置140、包装袋Bの開口端をシールするシール装置150と、所定数毎に包装袋連包1を切り離して搬出する搬出装置160とから構成されている。
包装機100を構成する各装置について、以下給袋装置10から順に添付した図面にしたがって説明する。
【0018】
給袋装置10は、長尺のフィルムがセットされたフィルム供給ユニット11と、長尺フィルムFを帯体状に折りたたむ折込ガイドユニット12と、帯体状の長尺フィルムFから連続する袋部を備えた包装袋連包1を形成する製袋ユニット13とから構成されている。
図1において省略されているフィルム供給ユニット11は、
図2及び
図6(1)(2)に記載されている。また、折込ガイドユニット12と製袋ユニット13は
図2に記載されている。
フィルム供給ユニット11は、長尺フィルムが巻回されたフィルムロール14と、当該フィルムロールから繰り出された長尺フィルムFに所定のテンションをかける複数個のテンションローラー15とから構成されている。
これによって、フィルム供給ユニット11は、フィルムロール14から繰り出された長尺フィルムFの長手方向に沿った弛みを取り、フィルムに寄ったシワを延ばすことができる。
【0019】
折込ガイドユニット12は、
図2及び
図3に示すように、略二等辺三角形状の板材からなるガイドプレート16と、当該ガイドプレートに対して垂設されたガイドローラー対17,17から構成されている。
ガイドプレート16は、
図3に示すように、長尺フィルムFの幅よりも広い底辺を備え、先端部が長尺フィルムFの幅方向中心に位置するように配置されている。そして、長尺フィルムFは、
図3に示すように、ガイドプレート16の左右両斜辺に沿って、当該長尺フィルムFの左右両端を、ガイドプレート16の下面側から上面側へ回り込ませるように引き回されている。これによって、長尺フィルムFの左右両端を揃えて内側へ折りたたむ谷折りにすることができる。
また、ガイドプレート16は、
図3に示すように、その先端部に略二等辺三角形状のガイド片18を有している。ガイド片18は、先端が反板材側、すなわち反ガイドプレート側の斜め上方を指向するようにガイドプレート16の先端近傍を折り曲げて形成されている。ガイド片18の底辺、すなわち、ガイド片18とガイドプレート16の境界となっている稜線部18aは、
図3に示すように、長尺フィルムFの幅方向中心部に当接する。これによって、谷折りにされる長尺フィルムFの谷底は、ガイド片の底辺の幅と同幅の谷底部が形成される。そして、長尺フィルムFは、
図3に示すように、ガイドローラー対17,17方向へ引っ張られているので、谷底部は、ガイドローラー対17,17へ向かうにしたがって、ガイド片18の左右両斜辺に沿って幅が絞り込まれるように構成されている。
ガイドローラー対17,17は、
図3に示すように、ガイドローラー対17,17の隙間がガイド片18先端と所定の距離を隔てて対向するように配置され、ガイドプレート16に対して垂設されている。相対するガイドローラー対17,17の隙間は、
図3に示すように帯体に折りたたまれた長尺フィルムFが通る程度に開けられている。これによって、ガイドローラー対17,17は、長尺フィルムFからなる帯体を挟み込んで折りたたむと共に、当該帯体に折り癖をつけることができる。
また、ガイド片18の左右両斜辺に沿って幅が絞られた帯体の谷底部は、ガイドローラー対17,17を通過したとき、折り目が外側に来るように山折りに折り込むように構成されている。これによって、帯体の下方に折込部Aを形成することができる。このとき、帯体を厚さ方向に横断面視した場合、
図3に示すように、折込部Aの近傍である帯体下方はW字状に折りたたまれている。
このように、折込ガイドユニット12は、長尺フィルムFを二つ折りにして帯体を形成すると共に、当該帯体の下端をW字状に折り込んで折込部Aを形成するように構成されている。
【0020】
製袋ユニット13は、
図4に示すように、ガイドローラー対17,17の後段に配されたサイドシーラー20と、当該サイドシーラー20の後段に隣り合うように配されたボトムシーラー21から構成されている。
サイドシーラー20は、
図4に示すように、折込ガイドユニット12から供給される帯体を挟み込むように互いに相対し、接離自在な一対のヒーターバー22,22を複数組、好ましくは4組有している。当該ヒーターバー22,22は、帯体の幅方向に亘る長さを備え、当該幅方向に沿って配置され、帯体を構成する長尺フィルムFを溶着可能な所定の温度で維持されている。ヒーターバー22,22は互いに同期して周期的に開閉可能に構成されている。これによって、サイドシーラー20は、折込ガイドユニット12から帯体が供給されたとき、当該帯体をヒーターバー22,22の間へ通して所定位置にセットし、ヒーターバー22,22を閉じて帯体を溶着して、当該帯体に所定間隔でサイドシール部Sを形成する。
帯体をサイドシール部Sで区画した結果、サイドシール部S間には、上端に袋口を備え、下端に折込部を備えた包装袋Bを区画形成することができる。当該包装袋Bは、下端の折込部Aの分だけ底マチを有している。そのため、平袋状の袋部と比べて、容量を増やすことができ、多量の被包装物を収納した場合であっても、袋口を封止しやすくすることができる。
このようにして、サイドシーラー20は、折込ガイドユニット12から供給された帯体をサイドシール部Sで区画して、底マチ付きの包装袋Bが連接する包装袋連包1を形成するように構成されている。
ボトムシーラー21は、
図4に示すように、包装袋連包を挟み込むように互いに相対し、接離自在な一対のヒーターブロック23,23を複数組、好ましくは2組有している。当該ヒーターブロック23,23は、包装袋連包1の長手方向に沿って上面が下方へ湾曲している湾曲面23aを備え、折込部Aで4枚重なっている長尺フィルムFを二枚ずつに溶着可能な所定の温度で維持されている。ヒーターブロック23,23は互いに同期して周期的に開閉可能に構成されている。ボトムシーラー21は、ヒーターブロック23,23が開いたとき、包装袋連包1の包装袋Bを当該ヒーターブロック23,23の間へ通して所定位置にセットし、ヒーターブロック23,23を閉じて折込部Aを溶着する。この溶着時に折込部Aでは、
図3に示すように、厚さ方向で横断面視したときにW字状に4枚重ねられている部分が、V字状に重ねられている二枚ずつ溶着される。折り返した二重のフィルムによって頑丈な脚部Lが形成される。
そして、
図5に示すように、包装袋連包1は、サイドシール部Sを介して連接する複数個の包装袋Bを有し、当該包装袋Bは、上端開口部を開口すると共に脚部Lを拡開したとき、略舟底形状の底マチが形成され、略円筒状に開かれる。
また、脚部Lは、長尺フィルムFが二枚重ねにされ、頑丈に構成されているので、包装袋Bを自立させることができる。これによって、被包装物が、粉体状又は液体状である場合に、自立させた包装袋Bへ容易に充填することができる。さらに、包装袋Bは、舟底形状の底マチを備えているので、包装袋B内の容量を大きくすると共に袋口の封止を容易に行うことができる。
【0021】
上記の構成を有する給袋装置10は、次のように動作して長尺フィルムFを折りたたんで包装袋連包1を形成する。添付した図面にしたがって説明する。
給袋装置10における給袋工程は、
図6(1)~(5)に示すように、長尺フィルムFがセットされるフィルム供給工程と、長尺フィルムFを帯体状に折りたたむ折込工程と、帯体状の長尺フィルムFからサイドシール部Sを介して連接する包装袋Bを備えた包装袋連包1を形成する製袋工程とから構成されている。
【0022】
フィルム供給工程は、
図6(1)及び(2)に示すように、フィルムロール14から長尺フィルムFを供給する工程である。長尺フィルムFは、
図2及び
図6(2)に示すように、複数個のテンションローラー15を順に通過して、所定の位置にセットされ、続く折込工程へ導入される。
折込工程は、
図6(3)に示すように、ガイドプレート16とガイドローラー対17,17を備えた折込ガイドユニット12によって行われる工程である。長尺フィルムFは後述するように搬送装置110が備える第1グリップ115によって反給袋装置側へ引っ張られるように構成されている。これによって、当該長尺フィルムFは、ガイドプレート16の底辺側から先端側へ向かい、ガイドローラー対17,17の間を通過する。
このとき、長尺フィルムFは、ガイドプレート16の下面側に面当接し、ガイドプレート16の底辺側からガイド片18側に向かって摺動する。ここで、ガイドプレート16は、長尺フィルムFの進行方向に対して前下がりに配置されているので、ガイドプレート16に沿って摺動する長尺フィルムFは、
図3又は
図6(3)に示すように、幅方向中心部を下方へ抑えつけられつつ幅方向左右両端がガイドプレート16を回り込むように引き出される。
これによって、
図3又は
図6(3)に示すように、ガイドローラー対間で揃えられた長尺フィルムの幅方向両端によって、帯体の上端縁が形成される。
【0023】
一方、長尺フィルムFがガイドプレート16に面当接して摺動したとき、ガイドプレート16先端に抑えつけられ下方へ移動する長尺フィルムFの幅方向中心部は、
図3に示すように、ガイド片18の底辺の幅と同幅、すなわちガイド片18とガイドプレート16の境界に形成された稜線18aの長さと同長に谷底部が形成される。ここで、折りたたまれた長尺フィルムFはガイドローラー対17,17の間を通過するように構成されているので、谷底部は平面視したとき、ガイドローラー対17,17へ近づくにしたがって絞り込まれた先細の三角形状に形成されている。これによって、谷底部を形成していた長尺フィルムFは、谷底部が細くなるにしたがって余ることになる。当該余剰部分をガイド片18の左右両斜辺に沿って上方へ折り込むことによって、外側に折り目を備えた山折りの折込部Aを形成することができる。当該折込部Aを含めてガイドローラー対17,17の間を通して、長尺フィルムFの幅方向中心部を谷にして折りたたみ、折りたたまれた長尺フィルムFの谷底部をさらに山折りで折り込んで、帯体の下端縁から所定の長さで折り込んだ折込部Aを形成する。
折込工程で長尺フィルムFから折込部Aを備えた帯体に形成した後は、製袋工程へ移行する。
【0024】
製袋工程は、帯体から包装袋Bが連なった包装袋連包1を製袋する工程である。製袋工程では給袋装置10の製袋ユニット13が用いられ、製袋ユニット13のサイドシーラー20を用いるサイドシール工程と、ボトムシーラー21を用いるボトムシール工程から構成されている。
サイドシール工程は、
図4及び
図6(4)に示すように、サイドシーラー20を通過する帯体を、周期的に所定の間隔で開閉するヒーターバー22,22で挟んでシールする工程である。これによって、帯体上に所定間隔でサイドシール部Sが形成される。当該サイドシール部Sが帯体を区画し、隣り合うサイドシール部S,S間に包装袋Bが形成される。当該包装袋Bは、
図5に示すように、上端に袋口が形成され、下端の折込部Aが包装袋のマチとして形成される。サイドシール工程によって、帯体は、サイドシール部Sで区画された包装袋Bが連接する包装袋連包1に形成される。
続くボトムシール工程は、
図4及び
図6(5)に示すように、形成された包装袋連包1の折込部Aをボトムシーラー21で挟んでシールする工程である。ボトムシーラー21が備えるヒートブロック23,23は、
図4に示すように、上面が下方に湾曲した湾曲面23aを有しているため、折込部Aをシールしたとき、湾曲面23a側縁の弧線に沿ってシールされない部分とシールされる部分に分かたれる。
ここで、シールされない折込部Aは、
図5に示すように包装袋Bを拡開したとき、上記のマチが平面視略円形状、または相対する円弧の両端に角部を備えた略舟形状の底マチに整形される。
一方、シールされる折込部Aは、折り込まれて二重になっている長尺フィルムFをさらにシールすることになるので、
図5に示すように、包装袋Bの側面よりも頑丈な脚部Lが形成される。これによって、包装袋Bを拡開したとき、
図5に示すように、当該包装袋Bは略円筒状に開くことができる。また、脚部Lは包装袋を自立させることができる。そのため、包装袋Bに充填される被包装物が粉体状又は液体状である場合に、自立して安定している包装袋B内へ容易に充填することができる。さらに、包装袋Bは底マチを備えているので、包装袋B内の容量を大きくすると共に容易に袋口を封止することができる。
このようにして、給袋装置10は、長尺フィルムFから下端に折込部Aを備えた帯体を形成し、さらに当該帯体をサイドシール工程で区画して包装袋Bを形成し、サイドシール部Sを介して包装袋Bが複数個連接した包装袋連包1を形成して、ボトムシール工程で包装袋連包1を構成する各包装袋Bに自立可能な脚部Lを形成することができる。
【0025】
包装機では、給袋装置で形成された包装袋連包は、次に、搬送装置によって、搬送経路上を搬送される。
搬送装置110は、
図1に示すように、搬送経路111に沿って包装袋連包が架設される架設ユニットと、架設されている包装袋連包を構成する包装袋を個々夫々に把持する連包把持ユニット112からなり、所定の搬送経路111に沿って包装袋連包1を搬送するように構成されている。また、
図2は、連包把持ユニット112を省略し、架設ユニット及び搬送経路の構成の概略を示す説明図である。
【0026】
架設ユニットは、当該搬送経路の始端に配した始端側包装袋送り装置113と、反給袋装置側の終端に配した終端側包装袋送り装置114から構成されている。
始端側包装袋送り装置113は、
図2に示すように、搬送経路111に係る搬送方向に対して互い違いに配置された3本のテンションローラーを有している。当該テンションローラーの間に包装袋連包が通されている。当該テンションローラーを搬送方向に沿った同一直線上へ近づけるように移動させることによって、包装袋連包5に掛かるテンションを弱めることができ、搬送方向に沿った同一直線上から離すことによって、包装袋連包5に掛かるテンションを強めることができる。このようにテンションローラーを構成する各ローラーの相対的な位置を調整することによって、包装袋連包1には適切なテンションがかけられると共に、各ローラーが回転することによって、包装袋連包1を搬送経路111に係る搬送方向に沿って送り出すことができる。
【0027】
終端側包装袋送り装置114は、包装袋連包1のサイドシール部S上端を把持する第1グリップ115と、包装袋連包を挟み込むエンドローラー対116から構成されている。
第1グリップ115は、搬送経路111に沿って設けられた第1フレーム(図示略)の始端から終端まで滑動可能に取り付けられている。第1グリップ115は、サーボモータ115aによって第1フレーム上で往復可能に構成されている。これによって、第1グリップ115は、第1フレームの始端から終端に向かって包装袋連包1を引っ張ることができる。第1フレームの終端まで包装袋連包1を引っ張った第1グリップ115は、包装袋連包1を放して、第1フレーム始端へ帰還し、包装袋連包1の上端の所定位置を把持して当該包装袋連包1を搬送経路に沿って引っ張る。第1グリップ115がこれを繰り返すことによって給袋装置10から給袋された包装袋連包1は、所定数の包装袋Bごとに引っ張り出されて、切断され、包装機100外へ搬出される。
エンドローラー対116は、
図2に示すように包装袋連包1を挟持している。これによって、包装袋連包1が搬送経路111から抜脱することを防止することができ、また第1グリップ115が包装袋連包1を放し、当該包装袋連包1を引っ張るテンションが抜けた場合であっても、包装袋連包1を保持することができる。また、包装袋連包1は、始端側包装袋送り装置113のテンションローラーとエンドローラー対116間に張架されているので、包装袋連包1へシワが寄ることを防止することができる。
【0028】
連包把持ユニット112は、搬送経路111と並行する部分を備えたガイドレール118と、当該ガイドレール118上で包装袋連包1を構成する包装袋Bを個々夫々に把持して搬送する複数個の移動体117と、前記移動体117のガイドレール118上の位置を制御する制御部(図示略)とから構成されている。
【0029】
ガイドレール118は、一対の直線レール部118a、118bと、一対の半円レール部118c、118dとからなるトラック形状の周回軌道に構成されている。ガイドレール118上には、複数個の移動体117が周回軌道に沿って走行自在に配置されている。
直線レール部118aは、搬送経路111近傍で、当該搬送経路111と並行するように配置されている。当該直線レール部118aを、移動体22が搬送経路111に沿って走行する往路とする。
半円レール部118cは、直線レール部118aの終端に連接されている。
直線レール部118bは、半円レール部118cの終端に連接され、直線レール部118aと並行となるように配置されている。当該直線レール部118bを、移動体117が反搬送経路111に沿って走行する復路とする。
半円レール部118dは、直線レール部118bの終端に連接され、当該半円レール部118dの終端は直線レール部118aの始端に接続されている。
これによって、移動体117は、直線レール部118aの始端から終端に向かって往路を移動し、半円レール部118cを通過して、直線レール部118bの復路を戻って、半円レール部118dを移動して、直線レール部118aの始端へ帰還することができる。
ガイドレール118は、
図2に示すように、基台(図示略)に設けた複数個のブラケット118dに取り付けられている。ブラケット118dは、ガイドレール118を上下移動可能に支持している。これによって、搬送経路111に対して相対的にガイドレール118を上下移動させることができるので、包装袋連包1の袋高さに合わせて、ガイドレール118を上下方向へ移動させて調整することができ、様々なサイズの包装袋連包1に対して移動体117の位置を容易に対応させて、把持させることができる。
なお、本実施例においてはガイドレール118を上下移動可能に構成したが、これに限定されるものではなく、ガイドレール118とブラケット118dを固定し、当該ブラケット118dを基台に対して上下移動可能に構成しても良い。
【0030】
移動体117は、
図2に示すように、開閉自在な第2グリップ117aを有している。第2グリップ117aは、直線レール部118aの往路上で、搬送経路111上を搬送される包装袋連包1のサイドシール部Sを把持可能に構成されている。
そして、当該第2グリップ117aは、
図2に示すように、直線レール部118aの往路終端で包装袋連包1を解放した後、一方の半円レールユニット118c、直線レール部118bの復路、他方の半円レールユニット118dを走行して、直線レール部118aの往路始端へ到達し、包装袋連包1のサイドシール部Sを把持するように構成されている。移動体117がガイドレール118上を周回して、繰り返しサイドシール部Sを把持することによって、包装袋連包1を構成する個々の包装袋Bの開口部の開き具合を調整することができ、また搬送経路111上を移動する帯状に長い包装袋連包1が撓まないようにすることができる。
【0031】
連包把持ユニット112は、移動体117をガイドレールに沿ってリニア駆動するように構成され、制御部は、移動体117を駆動する駆動手段と、当該駆動手段を制御する制御手段を有している。
まず、移動体117とガイドレール118は、互いに対向する面の一方に電磁石が取り付けられ、他方には永久磁石が取り付けられている。駆動手段は、当該電磁石の極性を次々に所定のスイッチング動作で反転切替するように構成されている。
これによって、電磁石の磁極が、対向する永久磁石と同極となった場合に、移動体117がガイドレール118に対して反発し、対極となった場合に、移動体117がガイドレール118に対して引き寄せられるので、移動体117はガイドレール118に沿ってリニア駆動する。
なお、本実施例では、ガイドレール118の周回軌道の全周に亘って複数個の電磁石が敷設され、移動体117のベース底面に永久磁石が取り付けられている。ガイドレール118上の電磁石の磁極を切り替えることによって、移動体117を周回軌道上で自在に駆動させることができる。
なお、移動体117の駆動手段は、リニア駆動に限定されるものでは無く、サーボモータ等で駆動させても良い。
【0032】
制御手段は、ガイドレール118上又は移動体117底面に設けた位置センサ(図示略)を有している。位置センサは、ガイドレール118に対する移動体117の位置を個々夫々に検知するように構成されている。ガイドレール118上を走行している複数個の移動体117の各個の位置を検知することによって、制御手段は、移動体117を所定の位置で停止させるか、或いは、移動させるかを制御することができ、また、架設ユニットの始端側及び終端側包装袋送り装置113と連動して、搬送経路111に架設されている包装袋連包1を第2グリップ117aで把持しながら搬送するように構成されている。
これによって、直線レール部118aの往路に沿った総距離の長さを変えずに、たとえば、当該往路上にある移動体117の各停止位置を制御して、一の移動体117と、その直後の移動体117間の距離を伸ばして包装袋Bの開口端を閉じ、他方では、他の移動体117とその直後の移動体117の距離を縮めて包装袋Bの開口端を開口することができる。このようにして、連包把持ユニット112は、搬送経路111と並行しているガイドレール118の往路上にある包装袋連包1を構成する各包装袋Bの開口端の開閉を補助することができる。
【0033】
上記のように、給袋装置10から供給された包装袋連包1は、搬送経路111に沿って架設ユニットで搬送可能に架設されると共に、連包把持ユニット112によって、包装袋連包1を構成する各包装袋Bのサイドシール部Sが把持されて搬送されるように構成されている。包装袋連包1は直線レール部118aに係る往路上を搬送され、当該包装袋連包1を構成する各包装袋Bには、移動体117で支持されている往路上において、以下に説明する包装工程を経て被包装物が充填される。
【0034】
包装工程は、
図1、
図2及び
図6に示すように、袋検査工程、印字工程、開放工程、充填工程、ガス置換工程、シール工程、ガス濃度検査工程、切断工程及び搬出工程からなる。
【0035】
袋検査工程は、
図1及び
図6(6)に示すように、給袋装置10から供給された包装袋連包1を構成する各包装袋Bを検査装置170で検査する工程である。検査装置170は、シール不良を検査可能なシールセンサを有し、サイドシール部S又はボトムシールに係る脚部Lのシール不良を検出可能に構成されている。シール不良を発見した場合は、検査装置170が不良品に対してマーキングすることによって、充填工程を飛ばしたり、切断工程で当該不良品だけ切り離したりする等、不良品を排出する別工程に係る処理を行うことができる。
【0036】
印字工程は、
図1及び
図6(6)に示すように、包装袋連包1を構成する各包装袋Bに印字装置175が所定のコードを印字する工程である。印字装置175は、位置センサ176とプリンタ177とからなる。位置センサ176は、包装袋Bに対して印字する位置を検出するように構成されている。プリンタ117は、位置センサ176で位置決めされた位置に対して所定のコード、たとえば、製造所コード、製造ロット番号、製造日等を印字するように構成されている。
【0037】
開放工程は、
図1、
図2及び
図6(7)に示すように、始端側包装袋送り装置113から引き出された包装袋連包1を構成する包装袋Bを、開放装置120が開放する工程である。開放装置120は、一対の案内ヘラ121,121と一対の吸盤122,122とからなる。案内ヘラ対121,121は、下端が衝合され上端が互いに相反する方向へ開かれた下方に向かって尖った三角形状に形成されている。そして、案内ヘラ対121,121の下端を、包装袋Bの開口端へ差し込むと共に、吸盤対122,122が包装袋Bを搬送経路111に対して左右からそれぞれ吸着して引っ張ることによって、包装袋Bは開放され、包装袋B上端の開口端は開口する。これによって、包装袋Bは、
図5に示すように、略円筒状に拡開し、当該包装袋Bの底部は略舟形状の底マチが形成される。
【0038】
充填工程は、
図1、
図2及び
図6(8)に示すように、包装袋Bに被包装物を充填装置130で充填する工程である。充填装置130は、充填ジョウゴ131、脱気ノズル132、及びストッカー133からなる。ストッカー133には、被包装物、たとえば、小麦粉等の粉体、ドッグフード等の粒体或いはペースト、又は液体がストックされている。充填ジョウゴ131は、開放工程で開放された包装袋Bの開口端に対して抜差自在に構成されている。脱気ノズル132は、充填ジョウゴ131に対して抜差自在に構成され、基端側が脱気装置(図示略)に接続されている。充填工程では、充填ジョウゴ131が包装袋Bの開口端に差し込まれた後、脱気ノズル132が充填ジョウゴ131に差し込まれ、ストッカー133から充填ジョウゴ131を介して被包装物を包装袋Bへ充填する処理が行われると共に、充填後の包装袋B内を脱気ノズル132で吸引して脱気する処理が行われる。
ここで、上記し、
図5に示すように、包装袋連包1を構成する包装袋Bは脚部Lを備え自立可能に形成されているので、包装袋Bには小麦粉又はドッグフード等の粉粒体のような流動性の低いものに限定されず、液体等を含んだ流動性の高いものを充填することができる。
【0039】
ガス置換工程は、
図1、
図2及び
図6(9)(10)に示すように、ガス置換装置140で包装袋B内の空気を所定の不活性ガスへ置換する工程である。ガス置換装置140は、仮シーラー対141,141と、ガスノズル142を有している。仮シーラー対141,141は、置換した不活性ガスが漏れ出ないように、ガスノズル142を抜差可能な隙間を残して包装袋Bの開口端をシールするように構成されている。ガスノズル142は、不活性ガスを充填したガスボンベ(図示略)に接続されており、脱気された包装袋B内へ所定の不活性ガス、たとえば、窒素ガス、二酸化炭素ガス等を充填するように構成されている。
これによって、包装袋B内を不活性ガスで満たして、被包装物が酸化しないようにすることができる。
【0040】
シール工程は、
図1、
図2及び
図6(11)に示すように、包装袋Bの開口端をシール装置150でシールする工程である。シール装置150は、熱又は超音波を用いる一対のシーラー151を有している。当該シーラー対151,151は、包装袋Bの開口部近傍を挟持し、当該開口部近傍を溶着させて包装袋Bを密封するように構成されている。これによって、包装袋連包1を構成する各包装袋Bは被包装物が充填され、ガス置換された後に開口部が順次密封される。
【0041】
ガス濃度検査工程は、
図1及び
図6(11)に示すように、密封された包装袋内の余白に残留している残留ガス、本実施例においては酸素ガスの濃度を検査する工程である。本工程においては、レーザー式ガス濃度測定装置180が使用される。当該レーザー式ガス濃度測定装置180は、包装袋B内の気体に対して酸素ガスを特定する所定吸収波長のレーザー光を透過させて、当該気体内の酸素ガスによって当該レーザー光がどれだけ吸収されたかを測定して包装袋B内の酸素ガス濃度を測定するように構成されている。
これによって、包装袋連包1から特定の包装袋Bを切り取ってサンプル検査を行わなくとも、製造された包装袋Bの全数に対して非破壊検査を行うことができ、製造した袋製品の安全性を向上させることができる。
【0042】
切断工程は、包装袋連包1のサイドシール部Sに切り取り線加工をするとともに、包装袋連包1を構成する包装袋Bを所定数毎に切り離す切り離し加工を行う工程である。切り取り線加工は、
図6(12)に示すように、包装袋連包1のサイドシール部Sの中心をミシン目カッター185で挟み込んでミシン目状の切り取り線を施す処理が行われる。これによって、包装袋連包1を構成する包装袋Bを一つずつ容易に分離することができる。
そして、
図6(13)に示すように、所定個数ごとに第1グリップ115が包装袋連包1を搬送経路111に沿って引っ張り出す。その後、
図6(14)に示すように、包装袋連包1は、所定個数の包装袋Bごと、たとえば、
図1に示すように3包ごと、また単包乃至は2包ごとにカッター190で切り離される。これによって、搬送経路111に沿って給袋装置10からつながって加工された包装袋連包1は所定数毎に切り離されて袋製品が形成される。
なお、切り取り線加工の後、カッター190で切り離さずに、つづら状のドラムを備えた巻き取り機165で巻き取って、包装袋連包1をロール状に巻き取っても良い。
【0043】
搬出工程は、形成された袋製品を搬出装置160で包装機100から搬出する工程である。搬出装置160は、選別器161、スロープ162、及び搬出コンベア163を有している。選別器161は、正常品をスロープ162の表面へ、不良品をスロープ162の背後へ振り分けて、不良品を搬出工程から排出する装置である。スロープ162は、正常な袋製品が滑り落ちる所定の角度で傾けられて構成されている。滑り落ちた袋製品は、搬出コンベア163が包装機100外へ搬出する。
【0044】
本実施例に係る給袋装置10及び当該給袋装置10を備えた包装機100によれば、
図3に示すように、長尺フィルムFを折り畳んで形成した帯体に折込部Aを形成し、サイドシール加工とボトムシール加工を経て、
図5に示すように、脚部Lを備えた自立可能な包装袋Bを複数個連接した包装袋連包1を形成するようにした。そして、当該包装袋Bは、折込部Aをボトムシールしたことによって、底マチが形成される。
これによって、包装袋Bの容積を増やし、包装袋Bを容易に開口すると共に当該包装袋Bを自立させることができる。そのため、小麦粉又はドッグフードのような粉粒体のみならず、固形と調味液或いは飲料水のように液体が含まれている被包装物であっても中身をこぼさず容易に充填することができる。
また、給袋装置10の折込ガイドユニット12が備えるガイドプレート16を、先端に折曲したガイド片18を有するガイドプレート16から、ガイド片18を備えていない三角形状のガイドプレート16へ取り換えると共に、製袋ユニットのボトムシーラー21を停止させることによって折込部Aの無い平袋状の包装袋連包1を容易に給袋することができる。すなわち、簡単な操作で平袋と自立可能な底マチ付きの包装袋を容易に切り替えて対応することができるので、汎用性に優れた包装機100を提供することができる。
本実施例に係る包装機100によれば、第1実施例に示した給袋装置10によって形成された包装袋連包1を構成する各包装袋Bをそれぞれウォーマー対201,201で温めて、それぞれ別個独立に動作可能に制御される移動体117の第2グリップ117aでサイドシール部Sを挟持して、搬送経路111に沿って互いに相前後する移動体間の距離を、互いに相反する方向へ相対的に離間させることで、包装袋Bを引き伸ばすようにした。
これによって、長尺フィルムFからなる包装袋Bの表裏が溶着しない温度で引き延ばされて、包装袋B内の容積を増加させることができ、嵩の大きい充填物であっても長尺フィルムFを張り替えることなく容易に対応することができる。
第1実施例又は第2実施例に係る包装機100によれば、当該包装機100が有する給袋装置10において、先端にガイド片18を備えたガイドプレート16とガイドローラー対17,17で折込部Aを形成し、ボトムシーラー21で底マチを形成して、自立可能な包装袋Bが連接する包装袋連包1を形成するようにした。また、形成された包装袋連包1を構成する各包装袋Bをウォーマー対201,201で温めて袋幅を引き伸ばすようにした。
これによって、包装袋B部分の容積を増やすと共に包装袋B部分に形成した脚部Lを下にした底マチ付きの包装袋へ被包装物を充填することができるので、小麦粉又はドッグフード等の粉粒体状のもの、固形物と調味液をあわせて充填したもの、或いは飲料水等の液状のもの等、多くの被包装物に対応することができ、それら被包装物の嵩が大きい場合であっても容易に対応することができる包装機100を提供することができる。