(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101062
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】包装機およびその包装方法
(51)【国際特許分類】
B65B 43/00 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
B65B43/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001387
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】増田 和馬
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BB01
3E030DA01
3E030DA07
3E030EA01
3E030EB01
3E030GA03
3E030GA05
(57)【要約】
【課題】 省スペースでコストを低減することができ、様々な被包装物に応じて最適な条件を選択して包装することができると共に生産能力を向上させることができる包装機およびその包装方法を提供する。
【解決手段】本発明の包装機Pは、包装袋aを把持するための袋把持部gと、包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動可能または連続移動可能とする移動体11と、各包装工程を行うための包装用装置Qを備え移動体11と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブル13とを有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋を把持するための袋把持部と、前記包装袋を把持した前記袋把持部を間欠移動可能または連続移動可能とする移動体と、各包装工程を行うための包装用装置を備え前記移動体と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブルとを有していることを特徴とする包装機。
【請求項2】
前記包装機は、前記移動体により前記包装袋を把持した前記袋把持部を連続移動または間欠移動させると共に、前記包装用装置積載テーブルを前記移動体と同期して動作させ前記包装用装置にて包装工程を行った後、前記包装用装置積載テーブルの動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すよう構成されている請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記包装機は、前記移動体により前記包装袋を把持した前記袋把持部を間欠移動させると共に、前記包装用装置積載テーブルを停止させて前記包装用装置にて包装工程を行うように構成されている請求項1に記載の包装機。
【請求項4】
前記包装機はロータリー包装機であり、前記移動体と前記包装用装置積載テーブルは同軸的に設けられ、前記移動体は正方向または逆方向に回転可能に設けられ、前記包装用装置積載テーブルは正方向または逆方向に回転可能に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の包装機。
【請求項5】
前記包装用装置積載テーブルは、前記移動体の上方に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の包装機。
【請求項6】
包装袋を把持するための袋把持部と、前記包装袋を把持した前記袋把持部を間欠移動可能または連続移動可能とする移動体と、各包装工程を行うための包装用装置を備え前記移動体と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブルとを有する包装機による包装方法であって、前記移動体により前記包装袋を把持した前記袋把持部を連続移動または間欠移動させると共に、前記包装用装置積載テーブルを前記移動体と同期して動作させ前記包装用装置にて包装工程を行った後、前記包装用装置積載テーブルの動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すことを特徴とする包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な被包装物に応じて最適な条件を選択して包装することができると共に、高速包装により生産能力を向上させることができる包装機およびその包装機による包装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、包装袋を把持する袋把持部と、包装袋を把持した袋把持部を包装工程毎に間欠移動させるための移動体とを有し、包装袋内に被包装物を充填して施封する包装機が種々提案されている。例えばそのようなものとして、包装袋を把持した袋把持部を包装工程毎に間欠移動させて被包装物を充填し施封するロータリー包装機(例えば特許第6458213号公報)がある。また、包装袋をそれぞれ把持した複数の袋把持部を包装工程毎に同時に間欠移動させて被包装物を充填して施封する多連式包装機(例えば特許第6830573号公報)がある。さらに、包装袋を把持した袋把持部をトラック状に配した包装工程毎に間欠移動させて被包装物を充填し施封するトラック式包装機(例えば特許第6364602号公報)などがある。
【0003】
上記包装機は、様々な被包装物に対して最適な条件の包装を提供するものであるがそれぞれ以下のような傾向があった。すなわち、ロータリー包装機は、袋搬送が間欠移動により行われており生産能力に限界があった。多連式包装機は、機械寸法が大きくなり運搬に問題があり、部品構成数からもコストアップする傾向にあった。トラック式包装機は、設置スペースが大きくなり、袋搬送における位置ずれや機械寿命に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6458213号公報
【特許文献2】特許第6830573号公報
【特許文献3】特許第6364602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、省スペースでコストを低減することができ、様々な被包装物に応じて最適な条件を選択して包装することができると共に生産能力を向上させることができる包装機およびその包装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するものは、包装袋を把持するための袋把持部と、前記包装袋を把持した前記袋把持部を間欠移動可能または連続移動可能とする移動体と、各包装工程を行うための包装用装置を備え前記移動体と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブルとを有していることを特徴とする包装機である(請求項1)。
【0007】
前記包装機は、前記移動体により前記包装袋を把持した前記袋把持部を連続移動または間欠移動させると共に、前記包装用装置積載テーブルを前記移動体と同期して動作させ前記包装用装置にて包装工程を行った後、前記包装用装置積載テーブルの動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すように構成されていることが好ましい(請求項2)。前記包装機は、前記移動体により前記包装袋を把持した前記袋把持部を間欠移動させると共に、前記包装用装置積載テーブルを停止させて前記包装用装置にて包装工程を行うように構成されていることが好ましい(請求項3)。前記包装機はロータリー包装機であり、前記移動体と前記包装用装置積載テーブルは同軸的に設けられ、前記移動体は正方向または逆方向に回転可能に設けられ、前記包装用装置積載テーブルは正方向または逆方向に回転可能に設けられていることが好ましい(請求項4)。前記包装用装置積載テーブルは、前記移動体の上方に設けられていることが好ましい(請求項5)。
【0008】
また、上記課題を達成するものは、包装袋を把持するための袋把持部と、前記包装袋を把持した前記袋把持部を間欠移動可能または連続移動可能とする移動体と、各包装工程を行うための包装用装置を備え前記移動体と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブルとを有する包装機による包装方法であって、前記移動体により前記包装袋を把持した前記袋把持部を連続移動または間欠移動させると共に、前記包装用装置積載テーブルを前記移動体と同期して動作させ前記包装用装置にて包装工程を行った後、前記包装用装置積載テーブルの動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すことを特徴とする包装方法である(請求項6)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の包装機によれば、省スペースでコストを低減することができ、様々な被包装物に応じて最適な条件を選択して包装することができると共に生産能力を向上させることができる。
請求項2に記載の包装機によれば、包装袋を把持した袋把持部を連続移動中または間欠移動の移動中に各包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。
請求項3に記載の包装機によれば、包装袋を把持した袋把持部を間欠移動させて各包装工程を行う通常の包装も行うことができる。
請求項4に記載の包装機によれば、より省スペース化できると共によりコストを低減することができると共に、袋搬送における位置ずれや機械寿命の問題も解消される。
請求項5に記載の包装機によれば、包装用装置積載テーブルという包装機の中心付近に各包装用装置を配置することができ、機外からのアクセス性がよくメンテナンス性を向上させることができる。
請求項6に記載の包装方法によれば、包装袋を把持した袋把持部を連続移動中または間欠移動の移動中に各包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の包装機の一実施例の正面概略図である。
【
図2】
図1に示した包装機の平面概略縮小図である。
【
図3】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図4】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図5】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図6】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図7】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図8】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図9】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図10】
図1に示した包装機の包装工程を説明するための説明図である。
【
図11】
図1に示した包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するための説明図である。
【
図12】
図1に示した包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するための説明図である。
【
図13】
図1に示した包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するための説明図である。
【
図14】
図1に示した包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するための説明図である。
【
図15】
図1に示した包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するための説明図である。
【
図16】
図1に示した包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するための説明図である。
【
図17】本発明の包装機の特徴的作用(本発明の包装機の包装方法)の一実施例を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明では、包装袋aを把持するための袋把持部gと、包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動可能または連続移動可能とする移動体11と、各包装工程を行うための包装用装置Qを備え移動体11と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブル13とを有していることで、省スペースでコストを低減することができ、様々な包装物に応じて最適な条件を選択して包装することができると共に生産能力を向上させることができる包装機Pおよびその包装方法を実現した。
【実施例0012】
本発明の包装機を
図1ないし
図17に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の包装機Pは、包装袋aを把持するための袋把持部gと、包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動可能または連続移動可能とする移動体11と、各包装工程を行うための包装用装置Q(給袋装置Q1、印字装置Q2、印字検査装置Q3、開口装置Q4、液充填装置Q5、第1シール装置Q6、第2シール装置Q7、エア抜き装置Q8、冷却シール装置Q9、機外排出装置Q10等)を備え移動体11と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブル13とを有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0013】
この実施例の包装機Pは、包装袋aの袋口を開口して被包装物を充填し施封する装置であり、
図1ないし
図10に示すように、包装袋aを包装部の袋把持部(この実施例ではグリップ対g)に順次供給する給袋工程(第1工程)、賞味期限等を印字する印字工程(第2工程)、印字検査を行う印字検査工程(第3工程)、包装袋aの袋口と袋底を開口する袋上開口・袋底開口工程(第4工程)、被包装物(例えば液状物)を包装袋a内に充填し、被包装物に振動を与える充填・底振動工程(第5工程)、被包装物(例えば固形物)を包装袋a内に充填する第2充填工程(第6工程)、包装袋a内のエア抜きを行うエア抜き工程(第7工程)、袋口付近を水平方向に飾りシールする第1トップシール工程(第8工程)、袋口付近を水平方向にトップシールをすると共に包装袋a内のエア抜きを行う第2トップシール・エア抜き工程(第9工程)、トップシールが冷却(目付け)されると共に被包装物が包装された包装袋aを機外に排出する冷却シール・製品排出工程(第10工程)の10工程を繰り返し行い、被包装物を充填した包装袋aを量産する装置である。
【0014】
なお、この実施例はロータリー包装機Pであるが、本発明を公知の直線移動方式の包装機やトラック式包装機等に適用することも可能である。
【0015】
この包装機Pでは、
図1または
図2に示すように、垂直方向に延在する第1回転軸12を回転自由に支持するスタンド14を機台50上に設け、第1回転軸12の取り付けられた移動体(円盤状回転体)11には、包装袋aを掴着又は釈放するための20対の袋把持部(この実施例ではグリップ対)gが第1回転軸12を中心として等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。そして、包装機Pは、給袋工程(第1工程)において、包装用装置Qの1つである給袋装置Q1によって包装袋aの袋取りが行われ、順次移動してくる袋把持部(グリップ対)gに対して、包装袋aが垂直姿勢で吊り下げ状に支持されるよう構成されている。なお、この実施例の包装機Pは、同一包装工程が同時に2つの包装袋aに対して行われるように、同時に2つの袋把持部(グリップ対)gが順次移動するように構成された2連式包装機であるが、単式包装機または2以外の多連式包装機も本発明の範疇に包含される。
【0016】
移動体11は、包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動可能または連続移動可能させるためのものであり、
図1に示すように、第1駆動ユニット(この実施例ではサーボモータ)15により、間欠回転可能または連続回転可能に構成されている。なお、この実施例の移動体11は第1駆動ユニット15にて回転駆動するように構成されているがこれに限定されるものではなく、例えばインデックステーブルの構造にて移動体が回転駆動するものであってもよい。
【0017】
包装用装置積載テーブル13は、各包装工程を行うための各種包装用装置Qを備えるためのものであり、移動体11と同期して動作可能および動作方向を反転可能に構成されている。具体的には、この実施例の包装用装置積載テーブル13は、
図1に示すように、第1回転軸12内に垂直方向に延在するように設けられた第2回転軸16の上部に取り付けられており、第2回転軸16の下部に設けられた第1ギア17、第2駆動ユニット(この実施例ではサーボモータ)18の軸に固定された第2ギア19、伝達ベルト20を介して、第2駆動ユニット18の回転駆動が包装用装置積載テーブル13へ伝達され、正逆回転可能に構成されている。
【0018】
この実施例では、移動体(円盤状回転体)11と包装用装置積載テーブル13は同軸的に設けられており、移動体11は正方向に回転可能に設けられ、包装用装置積載テーブル13は正逆回転可能に設けられている。このような構成によって、包装機をコンパクト化できることで、より省スペース化できると共によりコストを低減することができる。また、袋搬送における位置ずれや構造が複雑化して機械寿命が短縮化する問題も解消される。
【0019】
さらに、この実施例の包装用装置積載テーブル13は、移動体13の上方に設けられているため、包装用装置積載テーブル13という包装機の中心付近に各包装用装置Qを配置することができ、機外からのアクセス性がよくなりメンテナンス性を向上させることができる。また、包装用装置積載テーブル13が一定区間回転(移動)すると、それに伴って包装用装置Qも一定区間回転(移動)するように構成されている。
【0020】
なお、包装用装置Qには包装工程に使用される装置が広く包含され、以下に限定されるものではないが、例えば、給袋装置、印字装置、印字検査装置、袋上開口装置、袋底開口装置、液充填装置、固形物充填装置、底振動装置、スチーム充填装置、エア抜き装置、シール装置、冷却シール装置または機外排出装置などが挙げられる。また、
図1では、給袋装置Q1または液充填装置Q5は、包装用装置積載テーブル13の両側に存在するように描かれているが、開口装置Q4または第1シール装置Q6と同様、包装用装置積載テーブル13に取り付けられている。
【0021】
そして、この実施例の包装機Pは、移動体11により包装袋aを把持した袋把持部gを連続移動させると共に、包装用装置積載テーブル13を移動体11と同期して動作させ、各包装工程が行われる付近で包装用装置Q(給袋装置Q1、印字装置Q2、印字検査装置Q3、開口装置Q4、液充填装置Q5、第1シール装置Q6、第2シール装置Q7、エア抜き装置Q8、冷却シール装置Q9、機外排出装置Q10等)にてそれぞれ各包装工程を行った後、包装用装置積載テーブル13の動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すように構成されている。これにより、包装袋aを把持した袋把持部gを連続移動させながら各包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。なお、この包装方法がこの実施例の包装機Pにて選択できる1種類目の包装方法である。
【0022】
具体的には、この包装方法では、
図17に示すように、移動体11の動作が連続回転となるように制御され、包装用装置積載テーブル13の動作は、移動体11と同一方向(正方向)に同期して回転する動作と、逆回転(逆方向に戻り回転)する動作とを繰り返すように動作される。移動体11と包装用装置積載テーブル13とがこのような動作を繰り返すことにより、例えば、第8工程(袋口付近を水平方向に飾りシールする第1トップシール工程)が行われる付近では、包装用装置積載テーブル13が移動体11と同一方向(正方向)に同期して回転する動作中にヒートシールを行うことができ、包装袋aを把持した袋把持部gを移動させる移動体11を間欠動作させることなく、連続動作のまま包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。より具体的には、移動体11を連続移動させると、間欠移動と同じ生産能力では包装袋aの移動速度を遅くでき、包装袋aの揺れや被包装物の飛び出しを抑えることができるため、より高速化することができて生産能力を向上させることができる。
【0023】
より具体的には、第8工程(袋口付近を水平方向に飾りシールする第1トップシール工程)が行われる付近では、
図11ないし
図16に示すように順次ヒートシールが行われる。
すなわち、まず
図11に示した状態では、包装用装置積載テーブル13は、移動体11と同一方向(正方向)に同期して回転する動作と、逆回転(逆方向に戻り回転)する動作の狭間の停止状態にあり、対となるシールバー21は開いた状態にある。つぎに、
図12および
図13に示した状態は、包装用装置積載テーブル13が、移動体11と同一方向(正方向)に同期して反時計回りに回転して移動体11に追従している状態を示しており、この間にシールバー21が閉じて包装袋a3および包装袋a4が同時にヒートシールされる。さらに、
図14に示した状態は、包装用装置積載テーブル13が移動体11との追従を終了し停止した後、シールバー21は開いた状態を示している。その後、
図15に示したように、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)する。そして、
図16に示すように、この実施例の包装機Pは、移動体11によって次位に搬送されてくる包装袋a5および包装袋a6に対してヒートシールを行うべく、
図11ないし
図15の動作を行い、これらの動作を繰り返すことにより、移動体11が連続回転しても順次ヒートシールが行われるように構成されている。
【0024】
また、この実施例の包装機Pは、移動体11により包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動させると共に、包装用装置積載テーブル13を移動体11と同期して動作させ包装用装置Q(給袋装置Q1、印字装置Q2、印字検査装置Q3、開口装置Q4、液充填装置Q5、第1シール装置Q6、第2シール装置Q7、エア抜き装置Q8、冷却シール装置Q9、機外排出装置Q10等)にて包装工程を行った後、包装用装置積載テーブル13の動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すようにも構成されている。これにより、包装袋aを把持した袋把持部gを移動中にも各包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。なお、この包装方法(間欠移動設定時の移動時にも各包装工程を行うことができる包装方法)がこの実施例の包装機Pにて選択できる2種類目の包装方法である。
【0025】
さらに、この実施例の包装機Pは、移動体11により包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動させると共に、包装用装置積載テーブル13を停止させて各包装用装置Q(給袋装置Q1、印字装置Q2、印字検査装置Q3、開口装置Q4、液充填装置Q5、第1シール装置Q6、第2シール装置Q7、エア抜き装置Q8、冷却シール装置Q9、機外排出装置Q10等)にて包装工程を行うように制御することができる。これにより、包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動させて各包装工程を行う通常の包装も行うことができる。この包装方法がこの実施例の包装機Pにて選択できる3種類目の包装方法であり、本発明の包装機Pでは、これら3種類の包装方法から、様々な被包装物(例えば液状物、固形物、乾物、粉体、粒状体)等に応じて最適な包装方法および条件(移動速度等)を選択して包装することができる。
【0026】
以上のように、本発明の包装機Pは、省スペースでコストを低減することができ、様々な被包装物(液状物、固形物、乾物、粉体、粒状体等)に応じて最適な条件を選択して包装することができると共に生産能力を向上させることができる。また、各包装用装置Q(給袋装置Q1、印字装置Q2、印字検査装置Q3、開口装置Q4、液充填装置Q5、第1シール装置Q6、第2シール装置Q7、エア抜き装置Q8、冷却シール装置Q9、機外排出装置Q10等)は、包装用装置積載テーブル13という包装機Pの中心付近に設置されているため、包装袋aを含む視認性およびメンテナンス性に優れ、耐久性が向上する。
【0027】
つぎに、本発明の包装機の包装方法を説明するが、包装機Pについては前述した通りであり説明を省略する。
この実施例の包装方法は、包装袋aを把持するための袋把持部gと、包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動可能または連続移動可能とする移動体11と、各包装工程を行うための包装用装置Q(給袋装置Q1、印字装置Q2、印字検査装置Q3、開口装置Q4、液充填装置Q5、第1シール装置Q6、第2シール装置Q7、エア抜き装置Q8、冷却シール装置Q9、機外排出装置Q10等)を備え移動体11と同期して動作可能および動作方向を反転可能な包装用装置積載テーブル13とを有する包装機Pによる包装方法であって、移動体11により包装袋aを把持した袋把持部gを連続移動させると共に、包装用装置積載テーブル13を移動体11と同期して動作させ包装用装置Qにて包装工程を行った後、包装用装置積載テーブル13の動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すことを特徴とする包装方法である。これにより、包装袋aを把持した袋把持部gを連続移動させながら各包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。
【0028】
具体的には、包装袋aを包装部の袋把持部(この実施例ではグリップ対g)に順次供給する給袋工程(第1工程)では、給袋装置Q1にて給袋工程が行われる。給袋装置Q1は、給袋コンベア22上に並べられた包装袋aを一枚ずつ捕捉するための第1袋捕捉部23と、第1袋捕捉部23により保持された包装袋aを受け取った後、袋把持部(グリップ対)gへ受け渡すための第2袋捕捉部24とを有しており、
図1に示すように包装用装置積載テーブル13に取り付けられている。
【0029】
第1袋捕捉部23は、給袋コンベア22によって順次下流側端部に搬送される包装袋aを一枚ずつ捕捉して回動させ垂直姿勢とする回動アーム(複数の袋捕捉パイプ)25を有し、回動アーム25は下端部にそれぞれ包装袋aを上面側から吸着する吸盤26を有している。
【0030】
そして、給袋装置Q1は、
図3に示すように、第1袋捕捉部23によって給袋コンベア22上に並べられた包装袋aを一枚ずつ吸盤26にて吸着させて包装袋aを垂直状態で待機させる。第2袋捕捉部24は待機させた包装袋aを受け取りに行き、受け取りが完了した時点で、包装用装置積載テーブル13が連続回転する移動体11と一定区間、同期して回転し、この同期回転中に第2袋捕捉部24から袋把持部(グリップ対)gへの包装袋aの受け渡しが行われる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)する。これらの動作が繰り返されることにより、第1工程(給袋工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次給袋が行われる。
【0031】
賞味期限等を印字する印字工程(第2工程)では、
図4に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、予め決められた信号を検知すると、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた印字装置Q2により印字が行われる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第2工程(給袋工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次印字が行われる。
【0032】
印字検査を行う印字検査工程(第3工程)では、
図5に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、予め決められた信号を検知すると、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた印字検査装置Q3により印字検査が行われる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第3工程(給袋工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次印字検査が行われる。
【0033】
包装袋aの袋口と袋底を開口する袋上開口・袋底開口工程(第4工程)では、
図6に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた開口装置Q4により袋上の開口および袋底の開口が行われる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第4工程(袋上開口・袋底開口工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次袋上開口・袋底開口が行われる。
【0034】
被包装物(液状物)を包装袋a内に充填し、被包装物に振動を与える充填・底振動工程(第5工程)では、
図1または
図7に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた液充填装置Q5および底振動装置(図示しない)により、被包装物(液状物)が包装袋a内に充填されると共に被包装物に振動が与えられる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第5工程(充填・底振動工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次、充填・底振動が行われる。
【0035】
被包装物(固形物)を包装袋a内に充填する第2充填工程(第6工程)では、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた固形物充填装置(図示しない)により、被包装物(固形物)が包装袋a内に充填される。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第6工程(第2充填工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次、第2充填が行われる。
【0036】
包装袋a内のエア抜きを行うエア抜き工程(第7工程)では、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられたエア抜き装置(図示しない)により、包装袋a内のエア抜きが行われる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第7工程(エア抜き工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次、包装袋a内のエア抜きが行われる。
【0037】
袋口付近を水平方向に飾りシールする第1トップシール工程(第8工程)では、
図8に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた第1シール装置Q6により、袋口付近を水平方向に飾りシールが施される。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第8工程(第1トップシール工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次、トップシールが行われる。
【0038】
袋口付近を水平方向にトップシールをすると共に包装袋a内のエア抜きを行う第2トップシール・エア抜き工程(第9工程)では、
図9に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた第2シール装置Q7により袋口付近を水平方向にシールが施されると共に、エア抜き装置Q8により包装袋a内のエア抜きが行われる。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第9工程(第2トップシール・エア抜き工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次、トップシールおよび包装袋a内のエア抜きが行われる。
【0039】
トップシールが冷却(目付け)されると共に被包装物が包装された包装袋aを機外に排出する冷却シール・製品排出工程(第10工程)では、
図10に示すように、袋把持部(グリップ対)gに吊り下げ状に支持された包装袋aが連続移動する中、移動体11との同期回転中に包装用装置積載テーブル13に取り付けられた冷却シール装置Q9および機外排出装置Q10により、冷却シールされた後、製品として機外排出される。その後、包装用装置積載テーブル13は、逆回転(逆方向に戻り回転)し、これらの動作が繰り返されることにより、第10工程(冷却シール・製品排出工程)が行われる付近で、移動体11が連続回転している中で順次、冷却シールおよび製品の機外排出が行われる。
【0040】
また、この実施例の包装機Pによる包装方法は、移動体11により包装袋aを把持した袋把持部gを間欠移動させると共に、包装用装置積載テーブル13を移動体11と同期して動作させ包装用装置Qにて包装工程を行った後、包装用装置積載テーブル13の動作方向を反転させ戻る動作を繰り返すことも可能である。これにより、包装袋を把持した袋把持部を移動中にも各包装工程を行うことができ、高速包装により生産能力を向上させることができる。