(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101071
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】栽培施設の照明システム
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
A01G7/00 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001403
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】513144453
【氏名又は名称】藤原 慶太
(74)【代理人】
【識別番号】100200942
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 高史
(72)【発明者】
【氏名】藤原 慶太
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA01
2B022DA02
2B022DA08
(57)【要約】
【課題】照明装置の数を減少させることができる栽培施設内の照明システムを提供する。
【解決手段】
作物を栽培する複数の栽培区画を有する栽培施設の照明システムは、栽培施設の内部に設けられ、作物に光を照射する照明装置と、栽培施設内で、照明装置を移動させる移動手段を備えており、移動手段によって、照明装置が、栽培区画の場所に合わせて順に移動可能に構成されている。したがって、照明装置の数を減少させることができる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を栽培する複数の栽培区画を有する栽培施設の照明システムであって、
前記栽培施設の内部に設けられ、作物に光を照射する照明装置と、
前記栽培施設内で、前記照明装置を移動させる移動手段を備え、
前記移動手段によって、前記照明装置が、栽培区画の場所に合わせて、順に移動可能に構成されたことを特徴とする栽培施設の照明システム。
【請求項2】
前記照明装置が、紫外線を照射可能な照明装置であることを特徴とする請求項1に記載の栽培施設の照明システム。
【請求項3】
さらに、各栽培区画の照度を検出する照度検出手段を備え、
前記照明装置によって、光が照射されている栽培区画の積算照度が所定の値を超えると、前記照明装置が次の栽培区画の場所に移動されることを特徴とする請求項1または2に記載の栽培施設の照明システム。
【請求項4】
各栽培区画における照射継続時間が、所定の時間を超えたときに、前記照明装置が次の栽培区画の場所に移動されることを特徴とする請求項1または2に記載の栽培施設の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置が設けられた栽培施設に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、気温が高いときに、作物の上方に設けられた遮光カーテンを用いて、太陽光を遮ることが可能なビニルハウスなどの栽培施設が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ハウス内の温度が所定の温度以上に上昇したときに、遮光カーテンを水平方向に広げ、栽培用ベッドの近傍の温度上昇を抑制する栽培用ハウスが開示されている。
【0004】
また、近年、作物の上方に太陽光パネルを設け、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)を行う農家が増えてきている。
【0005】
このように、栽培施設内の気温の上昇を抑えるため、あるいは、採算性の面から、遮光カーテンや太陽光パネルを作物の上方に配置した場合には、通常、作物が光合成を行うことができるように、遮光カーテンや太陽光パネルの下方に、LEDなどの照明装置が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特に、大規模な栽培施設の場合には、数百もの照明装置が必要となり、高額な設備投資を要していた。
【0008】
したがって、本発明は、照明装置の数を減少させることができる栽培施設内の照明システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のかかる目的は、
作物を栽培する複数の栽培区画を有する栽培施設の照明システムであって、
前記栽培施設の内部に設けられ、作物に光を照射する照明装置と、
前記栽培施設内で、前記照明装置を移動させる移動手段を備え、
前記移動手段によって、前記照明装置が、栽培区画の場所に合わせて、順に移動可能に構成されたことを特徴とする栽培施設の照明システム。
【0010】
本発明によれば、栽培施設の内部に設けられた照明装置を、移動手段によって略水平に移動させることができるから、照明装置の数を低減させることができる。
【0011】
また、本発明によれば、移動手段を用いて、照明装置を、作物の成長が悪いところに移動させることができるから、作物の質や大きさを均一にすることができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、照明装置の数を減らすことができるから、放熱量を減らし、栽培施設内の温度上昇を抑制することができる。
【0013】
本発明の好ましい実施態様においては、
前記照明装置が、紫外線を照射可能な照明装置である。
【0014】
本発明のこの好ましい実施態様によれば、照明装置が、紫外線を照射することができるものであるから、作物に紫外線を照射し、病原菌を殺菌することができ、病気を予防または治療することができる。
【0015】
また、この好ましい実施態様によれば、紫外線LEDを、順に移動させることができるから、同じ場所で紫外線を照射し続けることを防止し、長時間にわたって紫外線が照射されることにより、作物の葉などが痛む事態を防止することができる。
【0016】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、
さらに、各栽培区画の照度を検出する照度検出手段を備え、
前記照明装置によって、光が照射されている栽培区画の積算照度が所定の値を超えると、前記照明装置が次の栽培区画の場所に移動される。
【0017】
本発明のこの好ましい実施態様によれば、積算照度に基づき、栽培区画の場所に合わせて、照明装置が順に移動されるから、効率的に作物に光を照射することができる。
【0018】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、
各栽培区画における照射継続時間が、所定の時間を超えたときに、前記照明装置が次の栽培区画の場所に移動される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、照明装置の数を減少させることができる栽培施設内の照明システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる照明システムおよび照明システムが適用された栽培施設の全体を示す略正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示された照明システムの移動機構の近傍の模式的正面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示されたA-A線に沿った移動機構の近傍を右側から見た部分断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示された照明システムの制御系、通信系、検出系、入力系および駆動系のブロックダイアグラムである。
【
図5】
図5は、照明装置の停止位置間の移動と光の照射にかかるフローチャートである。
【
図6】
図6は、本発明の他の好ましい実施態様に係る照明システムの制御系、通信系、検出系、入力系および駆動系のブロックダイアグラムである。
【
図7】
図7は、
図6に示された照明システムが設けられた栽培施設の内部の略斜視図である。
【
図8】
図8は、栽培ベッドの配置と、照明装置および筐体の移動順序を示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0022】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる照明システム1および照明システム1が適用された栽培施設2の全体を示す構成図である。
【0023】
本実施態様においては、栽培施設2は、ビニルハウスによって構成されており、その内部に、左右方向に並ぶ6列の栽培ベッド4を備えている。栽培ベッド4においては、イチゴ5が高設栽培されている。各栽培ベッド4は、本発明にかかる栽培区画にあたる。
【0024】
図1に示されるように、栽培施設2の上部には、太陽光パネル54が取り付けられている。また、太陽光パネル54の隙間からの太陽光の侵入を防止するための遮光カーテン55も設けられており、栽培施設2内の温度上昇の防止が図られている。
【0025】
図1に示されるように、栽培施設2の内部に設けられた照明システム1は、フレーム3と、LED管10を有する照明装置9と、照明装置9の移動機構8を備え、移動機構8を用いて、照明装置9が各栽培ベッド4の上方の停止位置11ないし16に、順に、移動されることによって、各栽培ベッド4のイチゴ5に、順に、光が照射される。停止位置11ないし16は左右方向に並んでいる。なお、
図1には、照明装置9が停止位置13に停止している状態が示されている。
【0026】
フレーム3は、左右に設けられた立設フレーム6および左右の立設フレーム6に架けられた水平フレーム7を備え、移動機構8は、水平フレーム7の下面に取り付けられている。以下の説明において、特に断りがない限り、
図1の図面手前側を「前」といい、図面奥側を「後」という。
【0027】
図2は、
図1に示された照明システム1の移動機構8の近傍の模式的正面図であり、
図3は、
図2に示されたA-A線に沿った移動機構8の近傍を右側から見た部分断面図である。
【0028】
図2または
図3に示されるように、移動機構8は、左右一対の駆動用筐体23と、左右一対の駆動用筐体23間を結ぶ無端帯ベルト24と、無端帯ベルト24の左右方向中央部を内部に有し、水平フレーム7に取り付けられたガイドレール20と、ガイドレール20の前面に取り付けられ、照明装置9に電力を供給する給電レール21と、給電レール21から照明装置9への電力の供給を仲介する筐体22を備えている。筐体22には、照明装置9が取り付けられている。
【0029】
図2に示されるように、左右一対の駆動用筐体23の内部にはそれぞれ、大型プーリ25および小型プーリ26が設けられており、大型プーリ25に、無端帯ベルト24が巻き付けられている。なお、小型プーリ26は、無端帯ベルト24を強く張るためのものである。
【0030】
右側の大型プーリ25は、モータ27によって回転可能に構成され、右側の大型プーリ25が回転された際に、無端帯ベルト24が走行する。
【0031】
一方、
図3に示されるように、筐体22の上部には、無端帯ベルト24の下部を上下方向に挟む取付部28が設けられており、無端帯ベルト24が走行する際には、無端帯ベルト24に取り付けられた筐体22と、照明装置9とが、左右方向に略水平に移動される。ここに、筐体22の上部には、ガイドレール20内で回転可能な前後一対の車輪29が取り付けられているため、筐体22は、左右方向にスムーズに移動することができる。
【0032】
図3に示されるように、筐体22には、筐体22および照明装置9の移動を停止させるブレーキ機構50が設けられており、モータ27の駆動が停止されたときには、ブレーキ機構50が作動するように構成されている。
【0033】
具体的には、ブレーキ機構50は、可動ブレーキ部材51と、ソレノイド52を備え、可動ブレーキ部材51が、ソレノイド52によって、上方にスライドされた際には、可動ブレーキ部材51の上端部が、ガイドレール20の下面に接触し、筐体22および照明装置9が直ちに停止される。
【0034】
図3に示されるように、給電レール21の内部には、左右方向(
図3の図面奥側および手前側の方向)に延びる接地側電極30および電圧側電極31が設けられている。
【0035】
一方、給電レール21内を左右方向にスライド可能に構成された引っ掛け部材32であって、筐体22の前上部に取り付けられた引っ掛け部材32から前方または後方に延びる接地側電極33および電圧側電極34はそれぞれ、常に、左右方向(
図3の紙面奥側および手前側)に延びる接地側電極30または電圧側電極31に接触し続けるように構成されている。また、本実施態様においては、接地側電極30および電圧側電極31の左右方向の長さは、給電レール21の左右方向の長さと略同一に構成されている。
【0036】
したがって、無端帯ベルト24が走行し、筐体22および照明装置9が左右に移動される間と、筐体22および照明装置9が、いずれの停止位置11ないし16に位置するときのいずれにおいても、給電レール21から、接地側電極30および電圧側電極31ならびに接地側電極33および電圧側電極34と、引っ掛け部材32を介して、筐体22に電力を供給することができる。
【0037】
さらに、
図3に示されるように、筐体22の内部には、接地側電極35および電圧側電極36が設けられており、筐体22の内部から、照明装置9へ延びる接続部材37には、接地側電極35または電圧側電極36に接触する接地側電極38および電圧側電極39が取り付けられている。
【0038】
また、電圧側電極34と、電圧側電極36とは、配線(図示せず)を介して接続されている。
【0039】
したがって、無端帯ベルト24が走行し、筐体22および照明装置9が左右に移動される間においても、接地側電極35および電圧側電極36ならびに接地側電極37および電圧側電極38と、接続部材37を介して、照明装置9に電力を供給することができる。
【0040】
一方、
図3に示されるように、筐体22の前部かつ内部には、照明装置9のLED管10の発光を制御する制御部45が設けられており、制御部45は、電圧側電極34を介して、給電レール21から供給される電力によって作動される。
【0041】
図4は、
図1に示された照明システム1の制御系、通信系、検出系、入力系および駆動系のブロックダイアグラムである。
【0042】
図4に示されるように、照明システム1の制御系は、照明システム1の動作を制御する制御装置40と、LED管10の発光素子46を駆動させるドライバ回路47に制御信号を出力する制御部45(
図3参照)を備えている。
【0043】
なお、本実施態様においては、LED管10は、発光素子46として、赤色の発光素子46と白色の発光素子46を備えている。
【0044】
制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)を有する処理部41と、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を有する記憶部42を備え、記憶部42には、照明システム1を制御する種々のプログラムおよびデータが格納されている。
【0045】
図4に示されるように、照明システム1の通信系は、制御装置40側の通信部48と、制御部45側の通信部45を備えている。
【0046】
図4に示されるように、照明システム1の検出系は、各栽培ベッド4に設けられた照度センサ43と、筐体22および照明装置9の左右方向の位置を検出するポテンショメータ44を備えている。
【0047】
図4に示されるように、照明システム1の入力系は、電源スイッチ(図示せず)を含む操作パネル53を備えている。
【0048】
図4に示されるように、照明システム1の駆動系は、右側の大型プーリ25を回転駆動するモータ27と、ブレーキ機構50(
図3参照)のソレノイド52を備えている。
【0049】
モータ27は、両方向駆動型に構成され、大型プーリ25を、正面視(
図2参照)において、時計回りと反時計回りの両方の方向に回転させることができる。
【0050】
以上のように構成された栽培施設2の照明システム9においては、照明装置9は、制御装置40の制御に基づき、以下のようにして、停止位置11ないし16間を移動されながら、各栽培ベッド4に光を照射する。
【0051】
図5は、照明装置9の停止位置11ないし16間の移動と光の照射にかかるフローチャートである。
【0052】
図5に示されるように、操作パネル53の電源スイッチが操作され、制御装置40による照明装置9の移動と点灯の制御が開始されると、制御装置40は、まず、ポテンショメータ44によって、筐体22および照明装置9の左右方向の位置を検出する(ステップS1)。
【0053】
次いで、制御装置40は、検出された筐体22および照明装置9の位置が、
図1に示される停止位置11であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0054】
判定の結果、筐体22および照明装置9の位置が停止位置11である場合には、制御装置40は、照明装置9のLED管10の点灯を開始させる(ステップS3)。
【0055】
一方、判定の結果、筐体22および照明装置9の位置が、停止位置11でない場合には、制御装置40は、モータ27の駆動を開始させ、筐体22および照明装置9を停止位置11に移動させた後に(ステップS4)、LED管10の点灯を開始させる。
【0056】
このとき、制御装置40は、ポテンショメータ44の出力信号に基づき、筐体22および照明装置9が停止位置11に移動されたときに、モータ27の駆動を停止し、ブレーキ機構50を作動させる。
【0057】
LED管10の点灯が開始されると、制御装置40は、停止位置11の下方に位置する栽培ベッド4(最も左方に位置する栽培ベッド4)の近傍に設けられた照度センサ43(最も左方に位置する照度センサ43)の検出信号に基づき、制御装置40による照明装置9の移動と点灯の制御が開始されたときからの積算光量(積算照度)が、35,000ルクスを超えたか否かを判定する(ステップS5)。なお、35,000ルクスという数値は、イチゴの光飽和点が3万ルクスないし4万ルクスであることから設定されたものである。
【0058】
判定の結果、積算光量が35,000ルクスを超えていない場合には、積算光量が35,000ルクスを超えるまで、判定を続ける。
【0059】
一方、判定の結果、積算光量が35,000ルクスを超えている場合には、制御装置40は、ポテンショメータ44の検出信号に基づき、筐体22および照明装置9の現在の位置が、停止位置16であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0060】
判定の結果、筐体22および照明装置9の現在の位置が停止位置16である場合には、制御装置40は、LED管10の点灯を終了させ(ステップS7)、照明装置9の移動と点灯の制御を終了する。
【0061】
これに対して、判定の結果、筐体22および照明装置9の現在の位置が、停止位置16でない場合には、制御装置40は、モータ27を駆動させ、筐体22および照明装置9の現在の停止位置に隣り合う右方の停止位置12、13、14、15または16に、筐体22および照明装置9を移動させる(ステップS8)。
【0062】
こうして、筐体22および照明装置9を、停止位置12、13、14または15に移動させた後に、制御装置40は、その停止位置12、13、14または15の下方の栽培ベッド4に設けられた照度センサ43からの出力信号に基づき、照明装置9の移動と点灯の制御が開始されたときからの積算光量(積算照度)が、35,000ルクスを超えたか否かを判定する。
【0063】
判定の結果、積算光量が35,000ルクスを超えている場合には、制御装置40は、ポテンショメータ44の検出信号に基づき、筐体22および照明装置9の現在の位置が、停止位置16であるか否かを判定する。
【0064】
以後、積算光量が35,000ルクスを超えたときに、筐体22および照明装置9の現在の位置が、停止位置16にあるまで、筐体22および照明装置9の移動と、積算光量の判定と、停止位置16にあるか否かの判定とが繰り返される。そして、積算光量が35,000ルクスを超えたときに、筐体22および照明装置9の現在の位置が、停止位置16にあるときには、制御装置40は、上述のように、LED管10の点灯を終了させ、制御装置40による照明装置9の移動と点灯の制御が終了される。
【0065】
以上のように、各栽培ベッド4の積算光量が35,000ルクスを超えた時点で、隣り合う右側の栽培ベッド4の上方の停止位置に、筐体22および照明装置9を自動的に移動させることができるから、照明装置9を効率的に移動させることができ、放熱量や消費電力を効果的に抑制することができる。
【0066】
さらに、本実施態様においては、操作パネル53を用いて、任意の停止位置11、12、13、14、15または16に、照明装置9および筐体22を移動可能に構成されている。
【0067】
具体的には、操作パネル53上で、停止位置11、12、13、14、15または16が選択されると、制御装置40は、まず、ポテンショメータ44に基づき、現在の照明装置9および筐体22の位置を判定する。
【0068】
こうして、照明装置9および筐体22の位置を判定した後に、制御装置40は、照明装置9および筐体22が、選択された停止位置11、12、13、14、15または16に位置するまで、照明装置9および筐体22が選択された停止位置に近づくように、モータ27によって右側の大型プーリ25を時計回り又は反時計回りに回転させ、選択された停止位置11、12、13、14、15または16に位置した時点で、モータ27の駆動を停止させるとともに、ブレーキ機構50を作動させ、LED管10による光の照射を開始させる。
【0069】
したがって、栽培施設2の作業者は、例えば夜間に、イチゴ5の生育状態が芳しくない栽培ベッド4の上方の停止位置(11ないし16のいずれ)に、照明装置9および筐体22を移動させることによって、イチゴ5の生長を促進させることができ、栽培施設2内のイチゴの品質や大きさを均一にすることができる。
【0070】
本実施態様によれば、LED管10を有する照明装置9が、無端帯ベルト24を有する移動機構8によって、左右方向に移動されるから、各栽培ベッド4の上方の位置にそれぞれ、照明装置を設ける必要がなく、したがって、栽培施設2内に設けられる照明装置9の数を大幅に減らすことができる。
【0071】
さらに、本実施態様においては、作業者によって、操作パネル53上で選択された停止位置(11ないし16のいずれ)に、照明装置9および筐体22を移動させることができるから、生育状態が芳しくない栽培ベッド4内のイチゴ5の生育を促進させ、栽培施設2内のイチゴ5の品質や大きさを均一にすることができる。
【0072】
また、本実施態様においては、上述のように、栽培施設2内に設けられる照明装置9の数を大幅に減らすことができるから、照明システムからの放熱量を低減させ、栽培施設2内の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0073】
さらに、本実施態様においては、各栽培ベッド4の近傍の積算光量(積算照度)が所定の光量(本実施態様においては、35,000ルクス)を超えた時点で、筐体22および照明装置9を、隣り合う停止位置(12ないし16のいずれかであり、現在の停止位置の下方に位置する栽培ベッド4の右側の栽培ベッド4の上方の位置)に自動的に移動させることができるから、照明装置9を効率的に移動させることができ、放熱量や消費電力を効果的に抑制することができる。
【0074】
図6は、本発明の他の好ましい実施態様に係る照明システム1の制御系、通信系、検出系、入力系および駆動系のブロックダイアグラムである。
【0075】
図6に示されるように、本実施態様においては、照明システム1の制御系は、照明システム1の動作を制御する制御装置40と、紫外線LED管17の発光素子57を駆動させるドライバ回路47に制御信号を出力する制御部45(
図3参照)と、時間を計測するタイマー18を備えている。
【0076】
図6に示されるように、照明システム1の検出系は、各栽培ベッド4の照度を検出する照度センサ43と、照明装置9および筐体22の左右方向の位置を検出するポテンショメータ44に加え、照明装置9および筐体22の前後方向の位置を検出するポテンショメータ56を備えている。
【0077】
図6に示されるように、照明システム1の駆動系は、右側の大型プーリ25を回転駆動し、照明装置9および筐体22を左右方向に移動させるモータ27と、ブレーキ機構50(
図3参照)のソレノイド52に加え、照明装置9および筐体22を前後方向に移動させるためのモータ77を備えている。
【0078】
一方、通信系および入力系は、
図4に示されたものと同一である。
【0079】
図7は、
図6に示された照明システム1の略斜視図であり、
図8は、栽培ベッド4の配置と、照明装置9および筐体22の移動順序を示す模式的平面図である。
【0080】
図7には、栽培施設2の内部に設けられた照明システム1が図示されている。
図7に示されるように、本実施態様にかかる照明システム1は、栽培施設2に設けられるフレーム74と、紫外線を照射する紫外線LED管17を有する照明装置9と、照明装置9の前後方向移動機構70および左右方向移動機構60を備えている。また、
図8に示されるように、本実施態様においては、栽培施設2内に設けられる栽培ベッド4は、計18個設けられており、前後方向に3行、左右方向に6列にわたって配置されている。
【0081】
本実施態様においては、紫外線を照射する紫外線LED管17を有する照明装置9を、前後方向移動機構70または左右方向移動機構60を用いて、左右方向または前後方向に移動させ、
図8に示される各栽培ベッド4の上方の停止位置に、順に停止し、紫外線を照射可能に構成されている。
【0082】
前後方向移動機構70は、公知の遮光シートの開閉機構(例えば、特開2008-263905号)に記載の折り畳み伸長自在の天井可動枠体)を応用した物である。
【0083】
すなわち、前後方向に並ぶ複数のパイプ79および82であって、それぞれ左右一対の案内レール83上を移動可能に構成されたベアリング84が取り付けられた複数のパイプ79および82と、モータ77によって回転される駆動軸78とがワイヤ68で結ばれており、モータ77が駆動され、ワイヤ68が駆動軸78に巻き取られることによって、最前部に位置するパイプ82が後方に移動され、また、モータ77が駆動され、ワイヤが駆動軸78から解かれることによって、最前部に位置するパイプ82が前方に移動させる構成である。
【0084】
ここに、最前部に位置するパイプ82には、その下方に、左右方向移動機構60が取り付けられており、前後方向移動機構70の作動によって、パイプ82が前後方向に移動されたときには、左右方向移動機構60、筐体22および照明装置9が、一体的に、前後方向に略水平に移動される。
【0085】
照明システム1の左右方向移動機構60は、ガイドレール20が、最前部に位置するパイプ82に取り付けられている点を除き、前記実施態様の移動機構8と同一に構成されており、同様にして、左右方向に照明装置9および筐体22を移動させることができる。
【0086】
また、本実施態様においては、筐体22および照明装置9は、
図8に矢印付きの一点鎖線で示される順序で移動され、各栽培ベッド4の上方の位置に、所定の時間(照射継続時間であり、タイマー18に基づく)にわたって停止し、紫外線を、各栽培ベッド4のイチゴ5(
図8には図示せず)に照射し続けるため、イチゴ5の病気の発生を予防することができる。
【0087】
具体的には、まず、左右方向の位置が61であって、前後方向の位置が73の栽培ベッド4(図面左上の栽培ベッド4)の上方の位置に、筐体22および照明装置9が移動され、紫外線LED管17が点灯される。
【0088】
次いで、紫外線LED管17が点灯された状態で、所定の時間が経過すると、隣り合う栽培ベッド4(左右方向の位置が62であって、前後方向の位置が73の栽培ベッド4)の上方の位置に、モータ27の駆動によって、筐体22および照明装置9が移動され、再び、所定の時間が経過するまで、かかる栽培ベッド4に紫外線が照射される。
【0089】
このように、順番に、所定の時間にわたる紫外線の照射と、右方への移動が繰り返され、左右方向の位置が66であって、前後方向の位置が73の栽培ベッド4の上方の位置まで紫外線の照射が終了すると、モータ77が駆動され、ポテンショメータ56の検出信号に基づき、筐体22および照明装置9が、左右方向の位置が66で前後方向の位置が72の栽培ベッド4の上方の位置まで移動され、この位置で、再び、所定の時間にわたって紫外線が照射される。
【0090】
図8に示されるように、前後方向の位置が72の行においては、筐体22および照明装置9が左方に移動されるように構成されており、72の行の各栽培ベッド4の上方の位置での所定の時間にわたる紫外線の照射と、モータ27の駆動による左隣りの栽培ベッド4への移動とが繰り返され、左右方向の位置が61で、前後方向の位置が72の栽培ベッド4の上方の位置における所定の時間にわたる紫外線の照射まで終了すると、モータ77の駆動(前後方向移動機構70)によって、筐体22および照明装置9が、左右方向の位置が61で前後方向の位置が71の栽培ベッド4の上方の位置に移動され、この位置で、再び、所定の時間にわたって紫外線が照射される。
【0091】
図8に示されるように、前後方向の位置が71の行においては、筐体22および照明装置9が右方に移動されるように構成されており、71の行の各栽培ベッド4の上方の位置での所定の時間にわたる紫外線の照射と、モータ27の駆動による右隣りの栽培ベッド4への移動とが繰り返され、
図8の図面右下の栽培ベッド4(左右方向の位置が66であり、前後方向の位置が71の栽培ベッド4)まで筐体22および照明装置9が移動すると、所定の時間にわたって紫外線が照射された後に、制御装置40による照明装置9の移動と点灯の制御が終了する。
【0092】
このように、本実施態様においては、紫外線LED17を有する照明装置9を、栽培施設2内で、左右方向と前後方向に移動させ、各栽培ベッド4に紫外線を照射させることができるから、各栽培ベッド4のイチゴ5の病原菌を殺菌し、イチゴ5の病気の発生を予防し、または治療することができる。また、各栽培ベッド4の上方にそれぞれ、照明装置9を設ける場合に比して、大幅に照明装置9の数を減少させることができる。
【0093】
さらに、本実施態様においては、各栽培ベッド4の上方の位置に移動されてから、所定の時間が経過すると、左右方向または前後方向に隣り合う栽培ベッド4の上方の位置に移動されるように構成されているから、各栽培ベッド4に、紫外線を効率的に照射することができるとともに、長時間にわたって単一のイチゴ5に紫外線が照射されることを防止し、イチゴ5の葉などが痛むという事態を防ぐことができる。
【0094】
一方、本実施態様においては、操作パネル53を用いて、任意の栽培ベッド4の上方の位置に、照明装置9および筐体22を移動可能に構成されている。
【0095】
具体的には、栽培施設2の作業者によって、操作パネル53上で、左右方向の位置(61ないし66のいずれか)と前後方向の位置(71ないし73のいずれか)が指定されると、制御装置40は、まず、ポテンショメータ44の検出信号に基づき、現在の照明装置9および筐体22の左右方向の位置を判定する。
【0096】
次いで、制御装置40は、照明装置9および筐体22が、選択された左右方向の位置(61ないし66のいずれか)に位置するまで、照明装置9および筐体22が選択された左右方向の停止位置に近づくように、左右方向移動機構60のモータ27によって右側の大型プーリ25を時計回り又は反時計回りに回転させ、選択された左右方向の位置61、62、63、64、65または66に位置した時点で、モータ27の駆動を停止させるとともに、ブレーキ機構50を作動させる。
【0097】
こうして、照明装置9および筐体22が、選択された左右方向の位置に移動された後に、制御装置40は、ポテンショメータ56の検出信号に基づき、現在の照明装置9および筐体22の前後方向の位置を判定する。
【0098】
次いで、制御装置40は、照明装置9および筐体22が、選択された前後方向の位置(71ないし73のいずれか)に位置するまで、モータ77を駆動させ、駆動軸78を回転させた後に、紫外線LED管17から紫外線を照射させる。
【0099】
したがって、栽培施設2の作業者は、イチゴ5に病気が発生した栽培ベッド4の上方の位置に、照明装置9および筐体22を移動させることによって、病原菌を殺菌することができる。
【0100】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0101】
例えば、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、右側の大型プーリ25(
図2参照)を回転させ、無端帯ベルト24を走行させる移動機構8を用いて、照明装置9を左右方向に移動可能に構成されており、一方、
図6ないし
図8に示された実施態様においては、移動機構8と略同様に構成された左右方向移動機構60と、複数のパイプ79および82を移動させて遮光シートを開閉する公知の機構を応用した前後方向移動機構70とを用いて、照明装置9を左右方向および前後方向に移動可能に構成されているが、照明装置を、各栽培区画(栽培ベッド4)の場所に合わせて移動させることができれば、照明装置の移動機構(移動手段)は、これらに限定されるものではない。したがって、たとえば、ビニルハウスなどで用いられる、遮光カーテンや保温カーテンを開閉する他の機構を用いて、照明装置を移動可能に構成してもよい。
【0102】
また、
図1ないし
図8に示された各実施態様においては、栽培施設2は、ビニルハウスによって構成されているが、栽培施設をビニルハウスとして構成することは必ずしも必要でなく、本発明にかかる照明システム1が設けられる栽培施設は、植物工場などであってもよい。
【0103】
加えて、
図1ないし
図8に示された各実施態様においては、栽培区画の一例として、栽培ベッド4を挙げているが、栽培施設内の栽培区画として、栽培ベッドを用いることは必ずしも必要でなく、たとえば、照明装置9を、栽培施設内の畝や作物の各列(条)の位置に合わせて移動させるように構成してもよく、栽培施設内のエリアごとに移動させるように構成してもよい。
【0104】
さらに、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、1本のLED管10を左右方向にスライド可能に構成されているが、図面奥側(後方)にさらに、複数のLED管10と、複数のLED管10を左右方向に移動させるためのフレーム3および移動機構8を別途設け、より多くの栽培ベッド4に光を照射可能に構成してもよい。
【0105】
また、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、ポテンショメータ44の検出信号に基づき、筐体22および照明装置9を、左右方向における目的の位置まで移動させるように構成されているが、ポテンショメータ44を設けることは必ずしも必要でなく、モータ27の駆動量(駆動時間)と駆動方向(右側の大型プーリ25の回転量と回転方向)から、筐体22および照明装置9の左右方向の位置を算出するように構成してもよい。
【0106】
さらに、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、遮光カーテン55を閉めた状態で、各栽培ベッド4の積算光量が、3万5千ルクスに達するまで、照明装置9から光を照射するように構成されているが、たとえば、水平方向に並ぶ複数の遮光カーテン55を設けて開けておき、積算光量が3万5千ルクスに達した栽培ベッド4の上方に位置する遮光カーテン55を自動的に閉めるように構成してもよい。
【0107】
また、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、左端部の停止位置11から、右端部の停止位置16に至るまで、照明装置9および筐体22を移動させ、光を照射するように構成されているが、栽培施設2内において、太陽光パネル54の存在によって、光が当たらない栽培ベッド4の上方の位置のみに照明装置9および筐体22を停止させ、光を照射するように構成してもよい。さらに、照明装置9を、栽培区画(栽培ベッド4)ごとに逐次停止させることは必ずしも必要でなく、複数の栽培区画の上方または近傍の位置を、低速で、連続的に移動させるように構成してもよい。
【0108】
さらに、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、各栽培ベッド4における積算光量に基づき、LED管10を有する照明装置9を、左右方向に移動させるように構成し、
図6ないし
図8に示された実施態様においては、各栽培ベッド4の上方の位置における照射継続時間に基づき、紫外線LED管17を有する照明装置9を、左右方向および前後方向に移動させるように構成しているが、各停止位置(11ないし16のいずれか)において、所定の時間(照射継続時間)が経過した時点で、LED管10を有する照明装置9を移動させてもよく、また、紫外線LED管17を有する照明装置9を、各栽培ベッド4における積算光量が所定の量を超えた時点で、移動させるように構成してもよく(この場合には、照度検出手段として積算光量計を用いてもよい)、紫外線LED管17を左右方向のみに移動させるように構成し、LED管10を左右方向および前後方向に移動させるように構成してもよい。
【0109】
さらに、各停止位置(11ないし16のいずれか)において、所定の時間(照射継続時間)が経過した時点で、LED管10を有する照明装置9を移動させるように構成する場合には、すべての栽培ベッド4への照射継続時間(照射時間)を同一に構成することは必ずしも必要でなく、太陽光が当たる栽培ベッド4の上方の停止位置では、照射時間を短く(例えば2時間)構成し、太陽光が当たらない栽培ベッド4の上方の停止位置では、照射時間を長く(例えば8時間)構成してもよい。
【0110】
また、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、積算光量の起算は、操作パネル53の電源スイッチが操作され、照明装置9の移動と点灯の制御が開始されたときに開始されるように構成されているが、積算光量の起算のタイミングは、照明装置9が、各停止位置11、12、13、14または15に停止したときからとして構成してもよく、1日のうちの特定の時間または任意の時間から積算光量を起算するように構成してもよい。
【0111】
また、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、積算光量が35,000ルクスを超えたか否か(
図5のステップS5参照)によって、筐体22および照明装置9の移動を決定するように構成されているが、閾値となる積算光量は、特にこれに限定されるものではなく、イチゴ5の光飽和点である3万ルクスまたは4万ルクスでもよく、さらに、栽培される作物は、イチゴ5に限定されるものではない。
【0112】
さらに、
図1ないし
図5に示された実施態様においては、白色および赤色の発光素子46を備えたLED管10を有する照明装置9を用いており、
図6ないし
図8に示された実施態様においては、紫外線LED管17を有する照明装置9を用いているが、栽培施設2に、どちらか一方のみの照明装置9および移動手段を設ける必要はなく、白色および赤色の発光素子46を備えたLED管10を有する照明装置9と、紫外線LED管17を備えた照明装置9の両方をそれぞれ略水平方向に移動可能に、単一の栽培施設2に設けてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 照明システム
2 栽培施設
3 フレーム
4 栽培ベッド
5 イチゴ
6 立設フレーム
7 水平フレーム
8 移動機構
9 照明装置
10 LED管
11 停止位置
12 停止位置
13 停止位置
14 停止位置
15 停止位置
16 停止位置
17 紫外線LED管
18 タイマー
20 ガイドレール
21 給電レール
22 筐体
23 駆動用筐体
24 無端帯ベルト
25 大型プーリ
26 小型プーリ
27 モータ
28 取付部
29 車輪
30 接地側電極
31 電圧側電極
32 引っ掛け部材
33 接地側電極
34 電圧側電極
35 接地側電極
36 電圧側電極
37 接続部材
38 接地側電極
39 電圧側電極
40 制御装置
41 処理部
42 記憶部
43 照度センサ
44 ポテンショメータ
45 制御部
46 発光素子
47 ドライバ回路
48 通信部
49 通信部
50 ブレーキ機構
51 可動ブレーキ部材
52 ソレノイド
53 操作パネル
54 太陽光パネル
55 遮光カーテン
56 ポテンショメータ
57 発光素子
60 左右方向移動機構
61 左右方向の停止位置
62 左右方向の停止位置
63 左右方向の停止位置
64 左右方向の停止位置
65 左右方向の停止位置
66 左右方向の停止位置
68 ワイヤ
70 前後方向移動機構
71 前後方向の停止位置
72 前後方向の停止位置
73 前後方向の停止位置
77 モータ
78 駆動軸
79 パイプ
82 パイプ
83 案内レール
84 ベアリング