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特開2023-101153信号強度監視システム、信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101153
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】信号強度監視システム、信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/318 20150101AFI20230712BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20230712BHJP
   H04W 4/33 20180101ALI20230712BHJP
【FI】
H04B17/318
H04W64/00 110
H04W4/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001566
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 貴之
(72)【発明者】
【氏名】堀内 文人
(72)【発明者】
【氏名】土井 智博
(72)【発明者】
【氏名】松沢 航
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067JJ54
(57)【要約】      (修正有)
【課題】少ない人員で効率的に医療施設内の通信ネットワークの信号強度を監視する信号強度監視システム、信号強度監視方法、コンピュータプログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】システム1は、ユーザUが携帯可能な携帯型医療機器2と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置にユーザUが存在した際の時刻又は測定位置の測定順序に関する時間軸情報と、を送信可能な、ユーザUによって携帯可能な送信装置3と、携帯型医療機器2と通信する電波発信機の信号強度であって、時間軸情報に対応する信号強度に関する信号強度情報を取得する取得装置4と、測定位置情報及び時間軸情報を及び時間軸情報に対応する信号強度情報を取得装置から取得し、時間軸情報に基づいて測定位置情報と信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する統合装置5と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって携帯可能な携帯型医療機器と、
医療施設内に設置されて前記携帯型医療機器と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置に前記ユーザが存在した際の時刻または前記測定位置の測定順序を関する時間軸情報と、を送信可能である、前記ユーザによって携帯可能な送信装置と、
前記携帯型医療機器と通信する前記電波発信機の信号強度であって、前記時間軸情報に対応する前記信号強度に関する信号強度情報を取得する取得装置と、
前記測定位置情報および前記時間軸情報を前記送信装置から取得し、前記時間軸情報に対応する前記信号強度情報を前記取得装置から取得し、前記時間軸情報に基づいて前記測定位置情報と前記信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する統合装置と、を備える、信号強度監視システム。
【請求項2】
前記携帯型医療機器と前記取得装置は、別体の装置である、請求項1に記載の信号強度監視システム。
【請求項3】
前記携帯型医療機器と前記取得装置は、同一の装置である、請求項1に記載の信号強度監視システム。
【請求項4】
前記統合装置は、前記携帯型医療機器、前記送信装置および前記取得装置とは異なる装置である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項5】
前記統合装置は、前記携帯型医療機器、前記送信装置または前記取得装置と同一の装置である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項6】
前記携帯型医療機器は、前記携帯型医療機器と他の携帯型医療機器を識別するための識別情報をさらに送信可能である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項7】
前記統合装置は、前記測定位置情報と、前記複数の電波発信機の各々がカバーする各々の領域に関するカバー領域情報と、に基づいて、前記測定位置をカバーする前記電波発信機を特定する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項8】
前記測定位置情報は、前記医療施設における位置に対応付けられた位置特定情報を含む、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項9】
前記位置特定情報は、前記医療施設の地図情報に基づく前記医療施設における各地点の位置を前記地図上で特定するための情報である、請求項8に記載の信号強度監視システム。
【請求項10】
前記位置特定情報は、座標情報を含む、請求項8または請求項9に記載の信号強度監視システム。
【請求項11】
前記統合装置は、前記測定位置情報と、前記信号強度情報と、に基づいて、前記医療施設における地点ごとに、前記信号強度が所定値以下かどうかを判別する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項12】
前記統合装置は、異なる日付で複数回生成された、前記測定位置情報と、前記時間軸情報と、前記信号強度情報と、に基づいて、前記医療施設における地点ごとに前記信号強度情報が表示される表示データを生成可能である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項13】
前記表示データは、表示される複数の前記信号強度情報のうち、前記信号強度が所定値以下である信号強度情報と、前記信号強度が前記所定値を超える信号強度情報と、を区別するための区別情報を含む、請求項12に記載の信号強度監視システム。
【請求項14】
前記携帯型医療機器は、前記医療施設にいる患者の生体情報を測定可能であり、
前記統合装置は、前記時間軸情報に基づいて、前記信号強度情報および前記生体情報を対応付ける、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の信号強度監視システム。
【請求項15】
医療施設内に設置されて携帯型医療機器と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置にユーザが存在した際の時刻または前記測定位置の測定順序を関する時間軸情報と、を前記ユーザによって携帯可能な送信装置から取得するステップと、
前記携帯型医療機器と通信する前記電波発信機の信号強度であって、前記時間軸情報に対応する前記信号強度に関する信号強度情報を取得するステップと、
前記時間軸情報に基づいて、前記測定位置情報と前記信号強度情報を関連付けた統合情報を生成するステップと、を、コンピュータに実行させる、信号強度監視方法。
【請求項16】
医療施設内に設置されて携帯型医療機器と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置にユーザが存在した際の時刻または前記測定位置の測定順序を関する時間軸情報と、を前記ユーザによって携帯可能な送信装置から取得する機能と、
前記携帯型医療機器と通信する前記電波発信機の信号強度であって、前記時間軸情報に対応する前記信号強度に関する信号強度情報を取得する機能と、
前記時間軸情報に基づいて、前記測定位置情報と前記信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する機能と、を、コンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項16に記載のコンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号強度監視システムおよび信号強度監視方法に関する。さらに、本開示は、当該信号強度監視方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、患者の生体情報(例えば、心電図や血中酸素飽和度等)を取得する無線テレメータと、当該無線テレメータから生体情報を受信するセントラルモニタと、を備えた患者監視システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-177342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無線テレメータ等の携帯型医療機器からセントラルモニタへ生体情報が送信されるとき、当該生体情報は病院内のアンテナネットワークや院内ネットワーク等の医療施設内に設置された通信ネットワークを介してセントラルモニタへ送信される。したがって、生体情報をセントラルモニタへ適切に送信するには、医療施設内の通信ネットワークの信号強度(例えば、院内に設置されているアンテナやアクセスポイントの信号強度)を定期的に管理し、当該通信ネットワークの電波環境を良好な状態に保つ必要がある。しかし、医療施設内の通信ネットワークの信号強度をチェックするには、少なくとも、携帯型医療機器と送信装置を携帯しながら院内を巡回する者と、携帯型医療機器からの信号強度を例えばセントラルモニタに接続されたスペクトルアナライザで確認する者と、が必要である。つまり、医療施設内の通信ネットワークの信号強度のチェックを一人で行うことはできず、この点において改善の余地がある。
【0005】
本開示は、少ない人員で効率的に医療施設内の通信ネットワークの信号強度を監視することができる信号強度監視システム、信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための一態様に係る信号強度監視システムは、
ユーザによって携帯可能な携帯型医療機器と、
医療施設内に設置されて前記携帯型医療機器と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置に前記ユーザが存在した際の時刻または前記測定位置の測定順序を関する時間軸情報と、を送信可能である、前記ユーザによって携帯可能な送信装置と、
前記携帯型医療機器と通信する前記電波発信機の信号強度であって、前記時間軸情報に対応する前記信号強度に関する信号強度情報を取得する取得装置と、
前記測定位置情報および前記時間軸情報を前記送信装置から取得し、前記時間軸情報に対応する前記信号強度情報を前記取得装置から取得し、前記時間軸情報に基づいて前記測定位置情報と前記信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する統合装置と、を備える。
【0007】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る信号強度監視方法は、
医療施設内に設置されて携帯型医療機器と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置にユーザが存在した際の時刻または前記測定位置の測定順序を関する時間軸情報と、を前記ユーザによって携帯可能な送信装置から取得するステップと、
前記携帯型医療機器と通信する前記電波発信機の信号強度であって、前記時間軸情報に対応する前記信号強度に関する信号強度情報を取得するステップと、
前記時間軸情報に基づいて、前記測定位置情報と前記信号強度情報を関連付けた統合情報を生成するステップと、を、コンピュータに実行させる。
【0008】
また、上記の目的を達成するための一態様に係るコンピュータプログラムは、
医療施設内に設置されて携帯型医療機器と通信する複数の電波発信機によってカバーされる複数の領域を特定するための測定位置情報と、測定位置情報に対応する測定位置にユーザが存在した際の時刻または前記測定位置の測定順序を関する時間軸情報と、を前記ユーザによって携帯可能な送信装置から取得する機能と、
前記携帯型医療機器と通信する前記電波発信機の信号強度であって、前記時間軸情報に対応する前記信号強度に関する信号強度情報を取得する機能と、
前記時間軸情報に基づいて、前記測定位置情報と前記信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する機能と、を、コンピュータに実現させる。
【0009】
また、上記の目的を達成するための一態様に係る非一時的コンピュータ可読媒体には、
上記コンピュータプログラムが記憶されている。
【0010】
上記構成に係る信号強度監視システムによれば、統合装置は、測定位置情報および時間軸情報を送信装置から取得し、送信装置から取得した時間軸情報に対応する信号強度情報を取得装置から取得する。また、統合装置は、時間軸情報に基づいて、測定位置情報と信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する。つまり、携帯型医療機器と送信装置を携帯したユーザが医療施設内に設置された複数の電波発信機から発信される電波の信号強度を測定するだけで、測定位置情報と信号強度情報を関連付けた統合情報が統合装置によって生成される。このため、一人のユーザだけで、医療施設内の通信ネットワークの信号強度を監視するのに必要な情報を得ることができる。したがって、このような構成に係る信号強度監視システムによれば、少ない人員で効率的に医療施設内の通信ネットワークの信号強度を監視することができる。また、上記構成に係る信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体においても、同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、少ない人員で効率的に医療施設内の通信ネットワークの信号強度を監視することができる信号強度監視システム、信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第一実施形態に係る信号強度監視システムを例示する概略図である。
図2図2は、第一通信装置から送信される情報を例示する図である。
図3図3は、本開示の一実施形態に係る信号強度監視方法のフローチャート図である。
図4図4は、医療施設内の地図を例示する図である。
図5図5は、医療施設内の地図を座標上に表した状態を例示する図である。
図6図6は、表示データに基づく表示画面を例示する図である。
図7図7は、表示データに基づく表示画面を例示する図である。
図8図8は、第二実施形態に係る信号強度監視システムを例示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(第一実施形態)
図1および図2を参照しつつ、第一実施形態の信号強度監視システム1について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る信号強度監視システム1を例示する概略図である。信号強度監視システム1は、例えば、病院等の医療施設100(図4参照)で用いられる。医療施設100には、複数のアンテナ10(電波発信機の一例)が設置されている。なお、図1では説明の都合上、一つのアンテナ10を図示している。図1に例示するように、信号強度監視システム1は、携帯型医療機器2と、第一通信装置(送信装置の一例)3と、スペクトルアナライザ(取得装置の一例)4と、第二通信装置(統合装置の一例)5と、受信装置6と、を備えている。
【0015】
携帯型医療機器2は、医療施設100内を巡回するユーザUによって携帯されうる。携帯型医療機器2はアンテナ10と通信することができる。携帯型医療機器2は、アンテナネットワーク(医療施設内の通信ネットワークの一例)7および通信ケーブル8を介して、受信装置6と通信可能に接続されている。また、携帯型医療機器2は、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、スペクトルアナライザ4と通信可能に接続されている。携帯型医療機器2は、例えば、患者の生体情報を測定および表示するための携帯型の医用テレメータ等である。携帯型医療機器2は、患者等の生体情報を測定するように構成されている。生体情報としては、例えば、血圧情報、心電図情報等である。携帯型医療機器2は、例えば、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、生体情報を受信装置6に送信する。
【0016】
ユーザUは、アンテナネットワーク7の信号強度を監視する者である。ユーザUは、例えば、患者を模擬して、携帯型医療機器2を用いて医療施設100内にいる患者から取得した生体情報をアンテナ10およびアンテナネットワーク7を介して受信装置6へ送信することで、アンテナネットワーク7の信号強度(アンテナ10から発信される電波の信号強度)を監視する。なお、図1に示す例においては、説明の都合上、一つの携帯型医療機器2しか図示していないが、信号強度監視システム1は、複数の携帯型医療機器2を備えていてもよい。この場合、例えば、複数のユーザUの一人ひとりが携帯型医療機器2を一つずつ携帯し、医療施設100内を巡回する。
【0017】
携帯型医療機器2は、取得した生体情報を送信するとき、所定のチャンネルに応じた電波をアンテナ10に向けて発信する。発信された電波は、アンテナ10およびアンテナネットワーク7を介して、時間的に連続してスペクトルアナライザ4に送られる。また、携帯型医療機器2は、携帯型医療機器2と他の携帯型医療機器を識別するための識別情報として、チャネル情報(図2参照)をスペクトルアナライザ4に送信する。チャネル情報は、周波数帯域に関する情報であり、使用する周波数に対応している。図2に示す例では、使用される周波数は425.1MHzであり、チャネルは2050である。
【0018】
図1に戻り、第一通信装置3について説明する。第一通信装置3は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートパソコン等のユーザUによって携帯可能な端末装置等である。第一通信装置3は、メモリと、プロセッサと、を備えている。メモリは、コンピュータ可読命令(コンピュータプログラム)を記憶するように構成されている。例えば、メモリは、各種コンピュータプログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種コンピュータプログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。また、第一通信装置3のメモリには、医療施設100内の地図に関する地図情報や後述する格子状地図情報が記憶されうる。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)のうちの少なくとも一つにより構成される。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。プロセッサは、例えば、ROMに組み込まれた各種コンピュータプログラムから指定されたコンピュータプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0019】
第一通信装置3は、測定位置情報および時刻情報(時間軸情報の一例)を、例えば無線通信により、第二通信装置5に送信可能である。測定位置情報は、ユーザUが信号強度の測定をした位置(以下、測定位置ともいう。)に関する情報である。測定位置は、例えば、ユーザUが携帯型医療機器2を用いて患者の生体情報を測定した位置に対応する。測定位置情報は、医療施設100における位置に対応付けられた位置特定情報を含む。位置特定情報は、例えば、医療施設100内の各部屋に割り当てられた部屋番号に関する部屋番号情報、医療施設100内の部屋や医療施設100における各地点の位置等を後述する格子状地図上で特定するための座標情報、医療施設100における各領域に割り当てられたエリア番号等の領域情報等である。ユーザUは、位置特定情報を用いて、測定位置を医療施設100に関する地図上で特定することができる。また、測定位置情報は、医療施設100に設置されている複数のアンテナ10によってカバーされる複数の領域を特定するのに用いられうる。時刻情報とは、ユーザUが信号強度の測定をした位置(測定位置)にユーザUが存在した際の時刻に関する情報である。測定位置にユーザUが存在した際の時刻は、例えば、ユーザUが携帯型医療機器2を用いて患者の生体情報を測定した時刻や、テスト送信用の信号である擬似信号を送信した時刻に対応する。第一通信装置3は、例えば、ユーザUが第一通信装置3に備わる表示部(図示せず)に表示された地図または後述する格子状地図上における特定の位置をタッチすることで、測定位置情報および時刻情報を取得する。ただし、第一通信装置3は、例えば、ユーザUが第一通信装置3に備わる入力部(図示せず)に測定位置と測定時刻を入力することで、測定位置情報および時刻情報を取得してもよい。
【0020】
スペクトルアナライザ4は、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、携帯型医療機器2と通信可能に接続されている。スペクトルアナライザ4は、通信ケーブル11を介して、第二通信装置5と通信可能に接続されている。スペクトルアナライザ4は、単位時間ごとにアンテナ10が受信した電波に関する電波信号に含まれる周波数成分の分布を解析することで、周波数ごとに信号強度情報を取得する。スペクトルアナライザ4は、スペクトルアナライザ4に備わる入力部(図示せず)への入力操作に応じて、信号強度情報を、通信ケーブル11を介して第二通信装置5に送信する。
【0021】
第二通信装置5は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ノートパソコン等の端末装置である。第二通信装置5は、メモリと、プロセッサと、無線通信部と、有線通信部と、を備えている。第二通信装置5のメモリは、第一通信装置3のメモリと同様の構成であってもよい。なお、第二通信装置5のメモリには、複数のアンテナ10の各々がカバーする各々の領域に関するカバー領域情報等が記憶されている。カバー領域情報は、例えば、各アンテナ10と、各アンテナ10によってカバーされる領域と、を対応付けるためのテーブル情報である。第二通信装置5のプロセッサは、第一通信装置3のプロセッサと同様の構成であってもよい。第二通信装置5の無線通信部は、例えば、相互に認証可能なBluetooth(登録商標)等の無線通信手段により、第一通信装置3と通信可能に構成されている。第二通信装置5の有線通信部は、例えば、シリアル接続により、通信ケーブル11を介して、スペクトルアナライザ4と通信可能に構成されている。
【0022】
第二通信装置5は、例えば、医療施設100内に設置された通信ネットワークを介して、受信装置6から生体情報を受信する。第二通信装置5は、通信ケーブル11を介して、スペクトルアナライザ4から信号強度情報を受信する。第二通信装置5は、第二通信装置5のプロセッサが、例えば、ROMに組み込まれた各種コンピュータプログラムから指定されたコンピュータプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行することで、以下で詳述する処理を実行する。
【0023】
本実施形態においては、コンピュータ可読媒体が利用されうる。コンピュータ可読媒体は、プロセッサが読み取ることのできる情報やデータを記憶しうる、あらゆるタイプの物理メモリ(RAM、ROM等)を指す。コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによる実行処理に関する命令を記憶しうる。なお、「コンピュータ可読媒体」という用語は、有形の品目を包含し、かつ搬送波や一時的な信号は除外する(すなわち、非一時的なものを指す)。非一時的コンピュータ可読媒体とは、例えば、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM)である。
【0024】
受信装置6は、例えば、セントラルモニタである。受信装置6は、例えば、ナースステーション107(図4参照)内に設置される。受信装置6は、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、携帯型医療機器2から生体情報を受信する。受信装置6は、携帯型医療機器2から受信した患者の生体情報を表示するように構成されている。受信装置6は、医療施設100内に設置された通信ネットワークを介して、生体情報を第二通信装置5に送信することができる。
【0025】
アンテナネットワーク7は、複数のアンテナ10を用いて、例えば、各種情報をスペクトルアナライザ4および受信装置6に送信するように構成されている。
【0026】
次に、図3から図7を参照しつつ、信号強度監視システム1によって実行される信号強度監視方法について説明する。なお、本実施形態において、ユーザUは、携帯型医療機器2と第一通信装置3を携帯しながら、図4および図5に例示する医療施設100内の病室101~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107を巡回し、医療施設100に設置された複数のアンテナ10の信号強度を監視するものとする。なお、各部屋に割り当てられている番号は、各部屋の部屋番号を示している。また、本実施形態において、ユーザUは、各部屋の測定位置P1~P7で信号強度の測定を行うものとする。なお、本実施形態において、医療施設100にはアンテナ10A~アンテナ10Gが設置されている。アンテナ10Aは病室101の測定位置P1をカバーしている(すなわち、アンテナ10Aは測定位置P1において通信可能である)。アンテナ10Bは病室102の測定位置P2をカバーしている。アンテナ10Cは病室103の測定位置P3をカバーしている。アンテナ10Dは病室104の測定位置P4をカバーしている。アンテナ10Eは病室105の測定位置P5をカバーしている。アンテナ10Fはスタッフステーション106の測定位置P6をカバーしている。アンテナ10Gはナースステーション107の測定位置P7をカバーしている。なお、医療施設100には、アンテナ10A~アンテナ10G以外の他のアンテナが病室101~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107以外の他の部屋に設置されていてもよい。この場合、ユーザUは、病室101~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107以外の他の部屋も巡回し、当該他の部屋における測定位置をカバーしている他のアンテナの信号強度も監視する。
【0027】
図3に例示するように、ユーザUは、医療施設100の地図情報を第一通信装置3に保存する(STEP01)。ユーザUは、例えば、医療施設100内のサーバに保存されている医療施設100の地図情報を第一通信装置3にダウンロードすることで、医療施設100の地図情報を第一通信装置3に保存する。ただし、ユーザUは、例えば、第一通信装置3に備わるカメラ(図示せず)で医療施設100の地図を撮像することで、医療施設100の地図情報を第一通信装置3に保存してもよい。なお、本実施形態において、第一通信装置3に保存されている医療施設100の地図情報に基づく地図は、図4に例示する地図である。地図情報は、例えば、PDF、jpeg等の形式で第一通信装置3のメモリに保存可能な電子情報である。なお、本実施形態において、医療施設100は四つのエリアに分けられている。なお、当該四つのエリアのそれぞれには、エリア番号として、エリアA1~エリアA4が割り当てられている。エリアA1には、病室101~病室103およびスタッフステーション106が含まれる。エリアA2には、第一デイルーム108および機械室109が含まれる。エリアA3には、病室104~病室105、ナースステーション107、ラウンジ110、器材室111、シャワー室113および男子更衣室114が含まれる。エリアA4には、作業コーナー112、休憩室115、女子更衣室116および第二デイルーム117が含まれる。
【0028】
図3に例示するように、ユーザUは、第一通信装置3の入力部に対して、第一通信装置3に保存されている医療施設100の地図情報と、任意の数の行および列を有する座標に関する座標情報等の格子状情報と、を重ねる処理を行うための入力操作を行う。第一通信装置3は、当該入力操作に基づき、格子状地図情報を生成する(STEP02)。なお、本実施形態において、当該格子状地図情報に基づく格子状地図は、図5に例示する地図である。
【0029】
図5に例示するように、格子状地図は、7個の行(1行~7行)と11個の列(A列~K列)からなる座標を含む。なお、図5に例示する座標は、マス目状の座標であるが、例えば、点状の座標であってもよい。また、当該マス目の形状は正方形に限られず、長方形や円形等の他の形状であってもよい。本実施形態において、各部屋は、その大部分またはその主要部分が配置される座標に配置されているものとして扱われる。例えば、病室101は、その大部分がマス目C1に配置されているので、マス目C1に配置されているものとする。スタッフステーション106は、アンテナ10Fの設置位置と測定位置P6を含むマス目A2に配置されているものとする。
【0030】
図3に例示するように、ユーザUは、第一通信装置3とスペクトルアナライザ4の時刻合わせを行う(STEP03)。具体的には、ユーザUは、例えば、NTP(Network Time Protocol)サーバにアクセスして第一通信装置3の時刻合わせを行い、その後、第一通信装置3の時刻とスペクトルアナライザ4の時刻が一致していることを確認する。第一通信装置3の時刻とスペクトルアナライザ4の時刻が一致していない場合、ユーザUは、スペクトルアナライザ4の時刻を第一通信装置3の時刻に合わせる。
【0031】
ユーザUは、医療施設100内に設置されているアンテナ10A~アンテナ10Fによってカバーされる領域に含まれる病室101~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107を順々に移動する。初めにユーザUは、例えば、病室101(図4参照)に移動する。図3に例示するように、ユーザUは、病室101に移動すると、携帯型医療機器2を用いて患者の生体情報を測定する(STEP04)。なお、患者の生体情報の測定は、信号強度の測定を適切に行う観点から、所定の時間以上行われるのが好ましい。また、生体情報の測定は、実際の測定ではなくデモンストレーションモードの波形生成を用いて代用してもよい。
【0032】
携帯型医療機器2は、アンテナ10A、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、生体情報を受信装置6に送信する。また、受信装置6は、例えば、医療施設100内に設置された通信ネットワークを介して、受信した生体情報を第二通信装置5に送信する。ただし、受信装置6が第二通信装置5に向けて生体情報を送信するタイミングは任意である。つまり、受信装置6は、例えば、受信した生体情報を順次、第二通信装置5に送信してもよいし、信号強度の測定が終了した後にまとめて第二通信装置5に送信してもよい。なお、STEP04においては、患者の生体情報を受信装置6に送信する代わりに、擬似信号をアンテナ10A、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、受信装置6に送信してもよい。生体情報または擬似信号を受信装置6に送信するとき、携帯型医療機器2は、アンテナ10A、アンテナネットワーク7および通信ケーブル8を介して、携帯型医療機器2から発信される電波に関する電波信号をスペクトルアナライザ4に送信する。
【0033】
スペクトルアナライザ4は、アンテナ10Aが受信した電波信号を解析することで、測定位置P1にユーザUが存在した際の時刻に対応するアンテナ10Aの信号強度情報を取得する(STEP05)。具体的には、スペクトルアナライザ4は、アンテナ10Aが受信した電波信号に含まれる周波数成分の分布を解析し、その分析結果に基づいて、測定位置P1での測定時間に対応するアンテナ10Aの信号強度に関する信号強度情報を取得する。
【0034】
ユーザUは、病室101でのアンテナ10Aの信号強度の測定を終えると、第一通信装置3の表示部に格子状地図を表示させ、当該格子状地図上における測定位置に対応する位置をタッチすることで、測定位置と測定時刻を入力する(STEP06)。ただし、ユーザUは、図4に例示する地図を第一通信装置3の表示部に表示させ、当該地図上における測定位置に対応する位置をタッチすることで、測定位置と測定時刻を入力してもよい。また、ユーザUは、第一通信装置3に備わる入力部に、測定位置と測定時刻を入力してもよい。
【0035】
次に、第一通信装置3は、ユーザUによる入力操作に基づいて、信号強度の測定を終了するかどうかを判断する(STEP07)。信号強度の測定を終了させる場合、例えば、ユーザUは第一通信装置3に備わる入力部に対して信号強度の測定を終了するための入力操作を行い、第一通信装置3は当該入力操作に基づいて、信号強度の測定を終了すると判断する。ただし、第一通信装置3は、例えば、所定時間以上ユーザUによる入力操作がない場合に、自動的に信号強度の測定を終了すると判断してもよい。信号強度の測定を終了する場合(STEP07においてYES)、STEP08に進み、信号強度の測定を終了しない場合(STEP07においてNO)、STEP04に戻る。本実施形態では、病室102~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107での信号強度の測定も行うので(STEP07においてNO)、STEP04に戻る。このため、ユーザUは、病室102~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107に移動し、STEP04~STEP06を繰り返す。
【0036】
ここで、病室102での信号強度の測定について説明する。病室102は、アンテナ10Aおよびアンテナ10Bによってカバーされている。図4に例示するように、アンテナ10Bは、アンテナ10Aよりも、病室102における測定位置P2に近いため、測定位置P2におけるアンテナ10Bの電波強度は測定位置P2におけるアンテナ10Aの電波強度よりも強い。このため、携帯型医療機器2によって取得された生体情報は、アンテナ10Bを介して、携帯型医療機器2から受信装置6へ送信されるのが好ましい。したがって、本実施形態では、病室102の測定位置P2において携帯型医療機器2によって取得された生体情報は、アンテナ10Bを介して、携帯型医療機器2から受信装置6へ送信される。なお、病室103~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107における信号強度の測定は、病室101における信号強度の測定と同様であるので、説明を省略する。ただし、スタッフステーション106およびナースステーション107における信号強度の測定においては、擬似信号を、アンテナ10Fおよびアンテナ10Gを介して、携帯型医療機器2から受信装置6へ送信してもよい。
【0037】
ユーザUは、病室101~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107における信号強度の測定を終えると、ユーザUは第一通信装置3に備わる入力部に対して信号強度の測定を終了するための入力操作を行う。ユーザUが第一通信装置3に備わる入力部に対して信号強度の測定を終了するための入力操作を行うと(図3のSTEP07においてYES)、第一通信装置3は、STEP06で入力された各測定位置と各測定時刻に基づいて、測定位置情報および時刻情報を生成する。第一通信装置3は、測定位置情報および時刻情報を第二通信装置5に送信する(STEP08)。
【0038】
次いで、ユーザUは、スペクトルアナライザ4に備わる入力部に対し、取得した信号強度情報をスペクトルアナライザ4から第二通信装置5へ送信するための入力操作を行う。図3に例示するように、スペクトルアナライザ4は、ユーザUによる入力操作に応じて、取得された信号強度情報を、通信ケーブル11を介して第二通信装置5に送信する(STEP09)。なお、スペクトルアナライザ4は、信号強度情報を取得するごとに順次、取得された信号強度情報を通信ケーブル11を介して第二通信装置5に送信してもよい。このようにして、第二通信装置5は、信号強度情報を取得する。
【0039】
第二通信装置5は、測定位置情報およびカバー領域情報に基づいて、各測定位置P1~測定位置P7をカバーするアンテナ10A~アンテナ10Gを特定する(STEP10)。第二通信装置5は、測定位置P1をカバーするアンテナはアンテナ10Aであると特定する。第二通信装置5は、測定位置P2をカバーするアンテナはアンテナ10Aおよびアンテナ10Bであると特定する。第二通信装置5は、測定位置P3をカバーするアンテナはアンテナ10Cであると特定する。第二通信装置5は、測定位置P4をカバーするアンテナはアンテナ10Dであると特定する。第二通信装置5は、測定位置P5をカバーするアンテナはアンテナ10Eであると特定する。第二通信装置5は、測定位置P6をカバーするアンテナはアンテナ10Fであると特定する。第二通信装置5は、測定位置P7をカバーするアンテナはアンテナ10Gであると特定する。
【0040】
第二通信装置5は、時刻情報に基づいて、測定位置情報と信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する(STEP11)。統合情報は、例えば、時刻情報と、測定位置情報と、信号強度情報と、を含んでおり、各アンテナ10A~アンテナ10Gの信号強度の測定が行われた時刻、位置および信号強度を一覧的に表示するための情報である。統合情報に含まれる測定位置情報と信号強度情報は、時刻情報を基に紐付けられている。
【0041】
第二通信装置5は、時刻情報に基づいて、信号強度情報および生体情報を対応付ける(STEP12)。
【0042】
第二通信装置5は、測定位置情報と、時刻情報と、信号強度情報と、に基づいて、医療施設100における地点ごとに信号強度情報が表示される表示データD1(図6参照)を生成する(STEP13)。表示データD1に基づく表示画像は、例えば、図6に例示する表示画像である。表示データD1は、信号強度の測定を行った部屋に関する情報、各部屋の属するエリアに関する情報、地図上において各部屋が属するマス目に関する情報、測定位置情報、測定時刻情報および測定結果に関する情報を含む。例えば、エリアA1に属する病室101での信号強度の測定は、測定位置P1において15:30に行われ、信号強度は48dBである。
【0043】
STEP13において、第二通信装置5は、測定位置情報と、信号強度情報と、に基づいて、医療施設100における測定位置P1~測定位置P7ごとに、信号強度が所定値以下かどうかを判別する。なお、本実施形態では、二つの所定値(警告を示す第一所定値および注意を示す第二所定値)が設定されている。第一所定値は30dBであり、第二所定値は40dBである。つまり、注意の深刻度は、警告の深刻度よりも軽度である。
【0044】
本実施形態における測定結果は、図6に例示する通りである。したがって、第二通信装置5は、測定位置P1~測定位置P2および測定位置P6~測定位置P7における信号強度は第二所定値より大きいと判断する。第二通信装置5は、測定位置P4における信号強度は第一所定値よりも大きいものの、第二所定値以下であると判断する。第二通信装置5は、測定位置P3および測定位置P5における信号強度は第一所定値以下であると判断する。なお、表示データD1は、表示される複数の信号強度情報のうち、信号強度が第一所定値を超えるものの第二所定値以下である信号強度情報と、第一所定値以下である信号強度情報と、信号強度が第二所定値を超える信号強度情報と、を区別するための区別情報を含む。本実施形態では、ハッチングを用いて、各信号強度情報を区別している。図6に例示するように、信号強度が第一所定値以下の値である信号強度の部分には縦線のハッチングが施されている。第一所定値を超えるものの第二所定値以下の値である信号強度の部分には横線のハッチングが付されている。なお、各信号強度情報を区別する方法は、ハッチングに限られない。信号強度が第一所定値以下の値である信号強度の部分および第一所定値を超えるものの第二所定値以下の値である信号強度の部分のそれぞれには、例えば、異なる色が付されてもよい。
【0045】
第二通信装置5は、異なる日付で複数回生成された、測定位置情報と、時刻情報と、信号強度情報と、に基づいて、医療施設100における測定位置P1~測定位置P7ごとに信号強度情報が表示される表示データD2(図7参照)を生成することもできる。表示データD2に基づく表示画像は、図7に例示する表示画像である。図7に例示する表示画像には、2021年1月12日における測定結果と、2021年2月21日における測定結果と、2021年3月22日における測定結果と、が時系列に並んで表示されている。つまり、図7に例示する表示画像には、三つの異なる日付における測定結果が時系列に並んで表示されている。なお、図7に例示する表示画像において「N/A」の表示は、信号強度の測定が行われなかったことを示している。また、表示データD2は、表示される複数の信号強度情報のうち、信号強度が第一所定値を超えるものの第二所定値以下である信号強度情報と、第一所定値以下である信号強度情報と、信号強度が第二所定値を超える信号強度情報と、を区別するための区別情報を含む。したがって、図7に例示するように、信号強度が第一所定値以下の値である信号強度の部分には縦線のハッチングが施されている。第一所定値を超えるものの第二所定値以下の値である信号強度の部分には横線のハッチングが付されている。
【0046】
例えば、病室101の測定位置P1では、2021年1月12日と2021年3月22日に信号強度の測定が行われており、測定結果はそれぞれ10dBと48dBである。したがって、2021年1月12日の時点における測定位置P1でのアンテナ10Aの信号強度は第一所定値以下である10dBであるが、2021年3月22日の時点における測定位置P1でのアンテナ10Aの信号強度は第二所定値を超える48dBであるので、信号強度は改善されていることが分かる。病室102の測定位置P2では、2021年1月12日、2021年2月21日および2021年3月22日に信号強度の測定が行われており、測定結果はそれぞれ53dB、48dB、44dBである。したがって、測定位置P2でのアンテナ10Bの信号強度は全ての測定日において第二所定値を超えているため早急にアンテナ10Bを保守する必要はないものの、徐々に弱まっていることが分かる。なお、アンテナ10A~アンテナ10Gの保守としては、例えば、アンテナ10A~アンテナ10Gの故障部分の修理、アンテナ10A~アンテナ10Gの位置の調整、他のアンテナへの交換等である。病室105の測定位置P5では、2021年1月12日、2021年2月21日および2021年3月22日に信号強度の測定が行われており、測定結果はそれぞれ20dB、15dB、10dBである。したがって、測定位置P5でのアンテナ10Eの信号強度は全ての測定日において第一所定値以下であり、さらに信号強度は徐々に弱まっているため、早急にアンテナ10Eを保守する必要があることが分かる。
【0047】
第二通信装置5は、さらに、時刻情報に基づいて対応付けられた信号強度情報および生体情報を、例えば第一通信装置3または第二通信装置5に備わる表示部(図示せず)に表示するための表示データを生成することもできる。当該表示データに基づく表示画面は、例えば、図6または図7に示す表示画面に、時刻情報に基づいて対応付けられた生体情報が追加で表示された表示画面である。なお、追加される生体情報は、ユーザUによって適宜選択されうる。ユーザUは、第一通信装置3または第二通信装置5に備わる表示部に表示された当該表示データに基づく表示画像を視認することで、生体情報および生体情報が測定された時刻における信号強度が分かる。なお、表示画面には、生体情報(例えば、心電図波形)の表示のためのリンクを表示してもよく、生体情報から算出されたノイズレベル等を表示してもよい。
【0048】
上記構成に係る信号強度監視システム1、信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体によれば、第二通信装置5は、測定位置情報および時刻情報を第一通信装置3から取得し、第一通信装置3から取得した時刻情報に対応する信号強度情報をスペクトルアナライザ4から取得する。また、第二通信装置5は、時刻情報に基づいて、測定位置情報と信号強度情報を関連付けた統合情報を生成する。つまり、携帯型医療機器2と第一通信装置3を携帯したユーザUが医療施設100内に設置された複数のアンテナ10から発信される電波の信号強度を測定するだけで、測定位置情報と信号強度情報を関連付けた統合情報が第二通信装置5によって生成される。このため、一人のユーザUだけで、医療施設100内のアンテナネットワーク7の信号強度を監視に必要な情報を得ることができる。したがって、信号強度監視システム1によれば、少ない人員で効率的に医療施設100内にアンテナネットワーク7の信号強度を監視することができる。
【0049】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、携帯型医療機器2とスペクトルアナライザ4は別体の装置である。したがって、ユーザUは、簡易な構成の携帯型医療機器2を用いて、医療施設100内にアンテナネットワーク7の信号強度を監視することができる。
【0050】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、第二通信装置5は、携帯型医療機器2、第一通信装置3およびスペクトルアナライザ4とは異なる装置であるので、第二通信装置5の構成を簡易な構成にすることができる。
【0051】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、ユーザUは、携帯型医療機器2と他の携帯型医療機器を識別するための識別情報としてのチャネル情報を用いることで、どの携帯型医療機器2から生体情報が送信されたのかを識別することができる。したがって、例えば、複数人で複数の携帯型医療機器2を用いて信号強度を測定する場合でも、ユーザUはチャネル情報を基に、どの携帯型医療機器2を用いて信号強度を測定したのかを容易に認識することができる。
【0052】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、第二通信装置5は、測定位置情報およびカバー領域情報に基づいて、測定位置P1~測定位置P7をカバーするアンテナ10A~アンテナ10Gを特定できる。したがって、ユーザUは、ある測定位置において測定対象となるべきアンテナ10A~アンテナ10Gを特定することができる。また、例えば、測定対象となるべきアンテナ10Eの信号強度が第一所定値以下であり、信号強度が弱い場合、ユーザUは、当該アンテナ10Eは保守すべきであると判断できる。
【0053】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、測定位置情報は位置特定情報(部屋番号情報、座標情報および領域情報)を含んでいるため、ユーザUは、医療施設100のどの位置における信号強度情報なのかを容易に把握することができる。
【0054】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、ユーザUは、測定位置P1~測定位置P7を地図上で正確に把握することができる。特に、本実施形態において、位置特定情報は座標情報を含んでいるため、測定位置P1~測定位置P7を一意に特定することができる。その結果、ユーザUは、より正確にかつより簡便にアンテナネットワーク7の信号強度を監視することができる。
【0055】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、第二通信装置5は、測定位置P1~測定位置P7ごとに、信号強度が所定値(本実施形態においては、第一所定値および第二所定値)以下かどうかを判別する。したがって、ユーザUは、第二通信装置5による判別結果を用いることで、信号強度が所定値以下の地点を容易に認識することができる。
【0056】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、第二通信装置5は表示データD2を生成する。表示データD2に基づく表示画像には、三つの異なる日付における測定結果が時系列に並んで表示されている。したがって、ユーザUは表示データD2を利用することで、各地点(測定位置P1~測定位置P7)における信号強度の推移を容易に把握することができる。
【0057】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、表示データD1および表示データD2は、区別情報を含んでいる。したがって、ユーザUは区別情報を利用することで、表示される複数の信号強度情報のうち、信号強度が所定値以下である信号強度情報と、信号強度が所定値を超える信号強度情報と、を容易に区別できる。
【0058】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1によれば、第二通信装置5は、時刻情報に基づいて、信号強度情報および生体情報を対応付ける。第二通信装置5は、時刻情報に基づいて対応付けられた信号強度情報および生体情報を、例えば第一通信装置3または第二通信装置5に備わる表示部に表示するための表示データを生成する。第一通信装置3または第二通信装置5に備わる表示部に当該表示データに基づく表示画像が表示されることで、ユーザUは、刻情報に基づいて対応付けられた信号強度情報と生体情報をセットで確認することができる。その結果、生体情報が正常に受信できない場合、ユーザUは、生体情報を正常に受信できない原因は電波環境にあるのかどうかを推測することができる。
【0059】
(第二実施形態)
次に、図3および図8を参照しつつ、第二実施形態に係る信号強度監視システム1Aについて説明する。なお、本実施形態において、第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明し、また説明が重複する部分については適宜説明を省略する。信号強度監視システム1Aは、携帯型医療機器2の代わりに携帯型医療機器2Aを備えている点と、スペクトルアナライザ4を備えていない点と、で、第一実施形態に係る信号強度監視システム1と異なる。また、本実施形態は、携帯型医療機器2Aが取得した生体情報をアクセスポイントAP(電波発信機の一例)および院内ネットワーク(医療施設内の通信ネットワークの一例)70を介して、受信装置6に送信する点でも、第一実施形態と異なる。なお、本実施形態において、信号強度監視システム1Aは、図3に例示する信号強度監視方法を実行する。
【0060】
図8に例示するように、信号強度監視システム1Aは、携帯型医療機器2Aと、第一通信装置(送信装置の一例)3と、第二通信装置(統合装置の一例)5と、受信装置6と、を備えている。
【0061】
携帯型医療機器2Aは、メモリと、プロセッサと、無線通信部と、を備えている。携帯型医療機器2Aは、取得した生体情報をアクセスポイントAPおよび院内ネットワーク70を介して、受信装置6に送信する。なお、図8に示す例においては、説明の都合上、一つのアクセスポイントAPしか図示していないが、本実施形態では、第一実施形態におけるアンテナ10A~アンテナ10Fの位置にアンテナに代えて複数のアクセスポイントAPが設置されている。また、携帯型医療機器2Aによって取得された生体情報は、ローミングによって信号強度が最も強いと判断されたアクセスポイントAPを介して、受信装置6に送信される。これは、信号強度が強いほど安定した通信が可能であるからである。ローミングとは、アクセスポイントと通信接続している通信端末が接続中のアクセスポイントの通信接続範囲の外に移動した場合に、そのアクセスポイントとは別のアクセスポイントに対して通信接続を開始することにより、ネットワーク接続状態を維持することをいう。ただし、携帯型医療機器2Aは、例えば、接続中のアクセスポイントの信号強度が所定値以下になったときに、ローミングを開始してもよい。この場合、携帯型医療機器2Aは、ローミング開始時において信号強度が最も強いアクセスポイントAPに接続される。
【0062】
携帯型医療機器2Aは、アクセスポイントAPと通信することで、通信中のアクセスポイントAPの信号強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)情報(信号強度情報の一例)を取得する。したがって、本実施形態において、携帯型医療機器2Aは取得装置の一例である。このため、信号強度監視システム1Aは、スペクトルアナライザ4を備えていない。携帯型医療機器2Aは、時刻情報と、チャネル情報と、RSSI情報と、をロギングすることができる。ロギングとは、各種情報をメモリに書き込む処理である。つまり、携帯型医療機器2Aは、RSSI情報等の各種情報を、携帯型医療機器2Aに備わるメモリに記憶させる。ユーザUは、携帯型医療機器2Aに備わる入力部(図示せず)に対して、携帯型医療機器2Aのメモリに記憶されている各種情報を第二通信装置5に送信するための入力操作を行うことで、メモリに記憶されている各種情報を携帯型医療機器2Aから第二通信装置5に送信することができる。
【0063】
院内ネットワーク70は、例えば、医療施設内に設置されたIPネットワークである。院内ネットワーク70は、例えば、生体情報等を受信装置6に送信するように構成されている。なお、図8では図示していないが、院内ネットワーク70は、スイッチングハブを備えていてもよい。スイッチングハブとは、OSI参照モデルのデータリンク層で動作する機器であって、リピータハブの複数のホストの間の通信を中継する機能や、データリンク層のイーサネット(登録商標)フレームのヘッダを解読する機能を有する機器である。
【0064】
次に、信号強度監視システム1Aが実行する信号強度監視方法について説明する。信号強度監視システム1Aは、図3に例示する信号強度監視方法を実行する。STEP01~STEP02は、第一実施形態と同様である。
【0065】
STEP03において、ユーザUは、携帯型医療機器2Aと第一通信装置3の時刻合わせを行う。具体的には、ユーザUは、NTPサーバにアクセスして第一通信装置3の時刻合わせを行い、その後、携帯型医療機器2Aの時刻と第一通信装置3の時刻が一致していることを確認する。携帯型医療機器2Aの時刻と第一通信装置3の時刻が一致していない場合、ユーザUは、携帯型医療機器2Aの時刻を第一通信装置3の時刻に合わせる。
【0066】
ユーザUは、医療施設100内に設置されている複数のアクセスポイントAPによってカバーされる領域に含まれる病室101~病室105、スタッフステーション106およびナースステーション107を順々に移動する。初めにユーザUは、例えば、病室101に移動し、測定位置P1において、信号強度の測定を行う。ユーザUは、測定位置P1において、携帯型医療機器2Aを用いて患者の生体情報を測定する(STEP04)。携帯型医療機器2Aは、アクセスポイントAP、院内ネットワーク70および通信ケーブル8を介して、生体情報を受信装置6に送信する。また、受信装置6は、例えば、医療施設100内に設置された通信ネットワークを介して、受信した生体情報を第二通信装置5に送信する。ただし、受信装置6が第二通信装置5に向けて生体情報を送信するタイミングは任意である。なお、携帯型医療機器2Aは、STEP04において、患者の生体情報の代わりに、擬似信号を、アクセスポイントAP、院内ネットワーク70および通信ケーブル8を介して、受信装置6に送信してもよい。
【0067】
携帯型医療機器2Aは、生体情報を受信装置6に送信する際に、アクセスポイントAPと通信することで、通信中のアクセスポイントAPの信号強度を示すRSSI情報を取得する。つまり、携帯型医療機器2Aは、通信中のアクセスポイントAPの信号強度情報を取得する(STEP05)。なお、当該RSSI情報は、測定位置P1~測定位置P7にユーザUが存在した際の各時刻に対応する信号強度情報である。携帯型医療機器2Aは、時刻情報と、チャネル情報と、RSSI情報と、をロギングする。
【0068】
STEP06~STEP08は、第一実施形態と同様である。ただし、本実施形態においては、ローミングが実行されるので、信号強度の測定を終了しない場合(STEP07においてNO)、ユーザUが他の部屋に移動するだけで、携帯型医療機器2Aは生体情報を送信するのに最も適切なアクセスポイントAPに接続される。このため、ユーザUは、医療施設100内の予め決められた測定位置(測定位置P1~測定位置P7)を巡回すれば、測定対象である全てのアクセスポイントAPの信号強度を測定することができる。
【0069】
ユーザUは、携帯型医療機器2Aに備わる入力部に対して、取得されたRSSI情報を第二通信装置5に送信するための操作を行う。携帯型医療機器2Aは、ユーザUによる入力操作に応じて、取得されたRSSI情報を、例えば無線通信により、第二通信装置5に送信する(STEP09)。このようにして、第二通信装置5は、RSSI情報を取得する。
【0070】
STEP10~STEP13は、第一実施形態と同様である。
【0071】
上記構成に係る信号強度監視システム1A、信号強度監視方法、コンピュータプログラムおよび当該コンピュータプログラムが記憶された非一時的コンピュータ可読媒体によっても、第一実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0072】
また、上記構成に係る信号強度監視システム1Aによれば、携帯型医療機器2Aは、RSSI情報を取得することができる。したがって、ユーザUは、スペクトルアナライザを用意することなく、医療施設100内に院内ネットワーク70の信号強度を監視することができる。
【0073】
上記の実施形態は本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0074】
上記の実施形態において、第一通信装置3は、測定位置情報および時刻情報を第二通信装置5に送信しているが、本開示はこれに限られない。第一通信装置3は、例えば、測定位置情報と、測定位置の測定順序を関する順序情報(時間軸情報の一例)と、を第二通信装置5に送信してもよい。順序情報とは、各測定位置における信号強度の測定の時間的な前後関係を特定するための情報である。順序情報は、例えば、信号強度が測定された順に割り当てられる番号に関する番号情報、測定順序を示す文字に関する文字情報、測定順序を示す記号に関する記号情報等である。
【0075】
上記の実施形態において、第二通信装置5は、タブレット端末、スマートフォン、ノートパソコン等の端末装置であるが、上記の実施形態において第二通信装置5が実行する処理を実行可能な携帯型医療機器やスペクトルアナライザであってもよい。また、上記の実施形態において、信号強度監視システム1,1Aは第一通信装置3と第二通信装置5を備えているが、第二通信装置5は備えていなくてもよい。つまり、第一通信装置3と第二通信装置5は同一の装置であってもよい。第一通信装置3と第二通信装置5が同一の装置である場合、第一通信装置3は、上記の実施形態において第二通信装置5が実行する処理を実行する。これらの場合、ユーザUは、第二通信装置5を用意することなく、医療施設100内にアンテナネットワーク7または院内ネットワーク70の信号強度を監視することができる。
【0076】
上記の実施形態において、携帯型医療機器2,2Aによって取得された生体情報は、医療施設100内に設置された通信ネットワークを介して、受信装置6から第二通信装置5に送信されているが、生体情報が携帯型医療機器2,2Aから第二通信装置5に送信されるまでの経路は、これに限られない。例えば、携帯型医療機器2,2Aによって取得された生体情報は、無線通信により、受信装置6から第二通信装置5に送信されてもよい。また、携帯型医療機器2によって取得された生体情報は、アンテナ10、アンテナネットワーク7および図1において破線で示す通信ケーブル9を介して、第二通信装置5に送信されてもよい。さらに、例えば、携帯型医療機器2Aによって取得された生体情報は、アクセスポイントAP、院内ネットワーク70および図8において破線で示す通信ケーブル9を介して、第二通信装置5に送信されてもよい。
【0077】
上記の実施形態において、表示データD2に基づく表示画像には、三つの異なる日付における測定結果が時系列に並んで表示されているが、三つの異なる日付における測定結果の配列はこれに限られない。
【0078】
上記の実施形態において、表示データD2に基づく表示画像には、三つの異なる日付における測定結果が表示されているが、二つまたは四つ以上の異なる日付における測定結果が表示されていてもよい。
【0079】
上記の実施形態において、STEP03は、STEP01およびSTEP02が実行された後に実行されているが、STEP01およびSTEP02が実行される前に実行されてもよい。
【0080】
上記の実施形態において、ユーザUは、各部屋での信号強度の測定を終えた後に、測定位置と測定時刻を入力しているが、各部屋での信号強度の測定開始時に測定位置と測定時刻を入力してもよい。
【0081】
上記の実施形態において、STEP02は実行されなくてもよい。この場合、ユーザUは、例えばSTEP06において、第一通信装置3の表示部に図4に例示する地図を表示させ、当該地図上における測定位置に対応する位置をタッチすることで、各部屋での信号強度の測定開始時に測定位置と測定時刻を入力する。
【0082】
上記の実施形態において、STEP12は実行されなくてもよい。
【0083】
上記の実施形態において、各部屋には部屋番号が割り当てられているが、ユーザUは、当該部屋番号とは異なる通し番号を各部屋に割り当ててもよい。この場合、ユーザUは、例えば、STEP04が実行される前に、第一通信装置3の入力部に通し番号を入力する。第一通信装置3は、ユーザUによる入力操作に基づいて、通し番号に関する通し番号情報を、第一通信装置3のメモリに記憶させる。これにより、STEP08において、通し番号情報を含む測定位置情報が第二通信装置5に送信される。なお、この場合、通し番号情報は、位置特定情報として機能しうる。
【0084】
上記の実施形態では、二つの所定値(警告を示す第一所定値および注意を示す第二所定値)が設定されているが、どちらか一方の所定値のみが設定されてもよいし、三つ以上の所定値が設定されてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1,1A:信号強度監視システム、2,2A:携帯型医療機器、3:第一通信装置、4:スペクトルアナライザ、5:第二通信装置、6:受信装置、7:アンテナネットワーク、8,9,11:通信ケーブル、10,10A~10G:アンテナ、70:院内ネットワーク、100医療施設、AP:アクセスポイント、D1,D2:表示データ、P1~P7:測定位置
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