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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101181
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】制御方法、制御装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 11/00 20210101AFI20230712BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20230712BHJP
   G03B 7/097 20210101ALI20230712BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20230712BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20230712BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
G03B11/00
G03B7/091
G03B7/097
G02F1/13 505
G02F1/133 505
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001634
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】新宮 泰弘
【テーマコード(参考)】
2H002
2H083
2H088
2H189
2H193
【Fターム(参考)】
2H002CC01
2H002DB02
2H002DB06
2H083AA05
2H083AA15
2H083AA26
2H083AA32
2H088EA33
2H088HA14
2H088HA28
2H088MA20
2H189AA70
2H189AA72
2H189AA94
2H189HA16
2H189MA15
2H193ZH09
2H193ZH14
2H193ZP13
2H193ZR20
(57)【要約】
【課題】漏光を低減する。
【解決手段】本開示の制御方法は、検出光を照射する発光ユニットを備える調光モジュールを制御する制御方法であって、静止画撮影又は動画撮影において露光を実施している露光期間の少なくとも一部で前記発光ユニットの前記検出光の照射を停止するステップ、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出光を照射する発光ユニットを備える調光モジュールを制御する制御方法であって、
静止画撮影又は動画撮影において露光を実施している露光期間の少なくとも一部で前記発光ユニットの前記検出光の照射を停止するステップ、
を含む、制御方法。
【請求項2】
前記発光ユニットの検出光の照射を停止するステップは、
露光開始に関連するトリガー情報を取得すること、
前記トリガー情報に基づいて前記発光ユニットの検出光の照射を停止すること、
を有する、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記露光開始に関連するトリガー情報は、静止画撮影開始の信号、オートフォーカス開始の信号、動画撮影開始の信号又は外部機器からの外部信号のうち少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記トリガー情報に基づいて前記発光ユニットの検出光の照射を停止することは、前記トリガー情報を取得したタイミングで前記発光ユニットの検出光の照射を停止する、
請求項2又は3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記トリガー情報に基づいて前記発光ユニットの検出光の照射を停止することは、前記トリガー情報を取得したタイミングから所定の時間経過後に前記発光ユニットの検出光の照射を停止する、
請求項2又は3に記載の制御方法。
【請求項6】
前記露光が終了したタイミングで前記発光ユニットの前記検出光の照射の停止を解除するステップ、をさらに含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項7】
静止画撮影又は動画撮影の露光時間の情報を取得するステップ、
前記露光時間の情報と閾値とに基づいて前記発光ユニットの前記検出光の照射を停止するか否かを判定するステップ、
をさらに含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記静止画撮影における前記閾値は0.1秒以上である、
請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記動画撮影における前記閾値は60fps以下の露光時間である、
請求項7に記載の制御方法。
【請求項10】
前記検出光は、可視光である、
請求項1~9のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項11】
検出光を照射する発光ユニットを備える調光モジュールを制御する制御装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を格納した記憶媒体と、
を備え、
前記命令は、請求項1~10のいずれか一項に記載の制御方法を実施するための命令を含む、
制御装置。
【請求項12】
検出光を照射する発光ユニット備える調光モジュールと、
前記調光モジュールを制御する請求項11に記載の制御装置と、
前記調光モジュールを透過した撮像光を撮像する撮像素子と、
を備える、
撮像装置。
【請求項13】
前記調光モジュールは、
光の透過率を調整する液晶パネルと、
前記検出光を受光する受光ユニットと、
を備え、
前記受光ユニットは、
前記検出光のうち前記液晶パネルを透過する第1検出光を受光する第1受光素子と、
前記検出光のうち前記液晶パネルを透過しない第2検出光を受光する第2受光素子と、
をさらに含む、
請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記調光モジュールは、
前記第1受光素子で受光した光の第1受光量と、前記第2受光素子で受光した光の第2受光量と、に基づいて、前記液晶パネルの液晶透過率を算出する透過率算出部と、
前記透過率算出部で算出された前記液晶透過率に基づいて、前記液晶パネルの透過率を制御する調光制御部と、
をさらに含む、
請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記液晶パネルは、前記光が入射する側の第1面と、前記第1面と対向する第2面とを
有し、
前記発光ユニットは、前記液晶パネルの前記第1面側に配置され、
前記受光ユニット及び前記撮像素子は、前記液晶パネルの前記第2面側に配置される、
請求項13又は14に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出光を照射する発光ユニット備える調光モジュールを制御する制御方法、制御装置およびそれを備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、一対の電極の間に設けられた液晶層と、液晶層の光透過率を検出する透過率センサとを備えた調光モジュールを備える撮像装置が開示されている。また、調光モジュールの透過率センサは、発光部と、発光部に液晶層を間にして対向する受光部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/151579号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置では、漏光を低減するという点で未だ改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、漏光を低減する調光モジュールの制御方法、制御装置およびそれを備える撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様の制御方法は、
静止画撮影又は動画撮影において露光を実施している露光期間の少なくとも一部で前記発光ユニットの前記検出光の照射を停止するステップ、
を含む。
【0007】
本開示の一態様の制御装置は、
検出光を照射する発光ユニットを備える調光モジュールを制御する制御装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行される命令を格納した記憶媒体と、
を備え、
前記命令は、上記態様の制御方法を実施するための命令を含む。
【0008】
本開示の一態様の撮像装置は、
検出光を照射する発光ユニット備える調光モジュールと、
前記調光モジュールを制御する上記態様の制御装置と、
前記調光モジュールを透過した撮像光を撮像する撮像素子と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、漏光を低減する調光モジュールの制御方法、制御装置およびそれを備える撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示す概略ブロック図
図2】撮像装置の主要な構成を示す概略部分断面図
図3】静止画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法のフローチャート
図4】検出光の照射を停止するステップの詳細なフローチャート
図5】静止画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法のタイミングチャート
図6】動画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法の別例のフローチャート
図7】動画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法の別例のタイミングチャート
図8】変形例1の制御方法のタイミングチャート
図9】変形例2の制御方法のタイミングチャート
図10】変形例3の撮像装置の主要な構成を示す概略部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0013】
以下、本開示の実施の形態1に係る制御方法、制御装置および撮像装置について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(実施の形態1)
[撮像装置]
本開示の実施の形態1に係る撮像装置について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本開示の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示す概略ブロック図である。図2は、撮像装置の主要な構成を示す概略部分断面図である。
【0015】
なお、図に示すX-Y-Z座標系は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。X軸方向は調光モジュール1の左右方向を示し、Y軸は前後方向を示し、Z軸方向は上下方向を示している。また、本明細書においては、調光モジュール1に撮像光Lsが入射する液晶パネル10の第1面PS1側を「前側」とし、第1面PS1と反対の第2面PS2側を「後側」としている。
【0016】
図1に示すように、撮像装置100は、調光モジュール1、制御装置2および撮像素子3を備える。撮像装置100は、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット端末等の撮像機能を有する電子機器である。
【0017】
<調光モジュール>
調光モジュール1は、液晶パネル10を電気的に制御することによって、液晶パネル10に入射される光の光量を調整するモジュールである。例えば、調光モジュール1は、撮像装置100のNDフィルタとして用いられる。調光モジュール1は、撮像装置100において、レンズと撮像素子3との間に配置される。この場合、調光モジュール1の前側は、レンズが存在する側に相当し、調光モジュール1の後側は撮像素子3が存在する側に相当する。
【0018】
図1及び図2に示すように、調光モジュール1は、液晶パネル10、発光ユニット20、受光ユニット30および遮光部材40を備える。また、調光モジュール1は、機能的構成として、透過率算出部50および調光制御部51を備える。
【0019】
<液晶パネル>
液晶パネル10は、入射される光の透過率を調整するパネルである。具体的には、液晶パネル10は、第1面PS1、および第1面PS1に対向する第2面PS2を有する板形状を有する。第1面PS1は、調光モジュール1の前側に位置する面であり、液晶パネル10において光が入射する側の面である。第2面PS2は、調光モジュール1の後側に位置する面であり、液晶パネル10において光が透過する側の面である。
【0020】
液晶パネル10は、複数のガラス基板と1つ又は複数の液晶層とが積層された積層構造を有している。ガラス基板は、透明なガラスで形成された基板であり、フラットな板形状を有している。液晶層は、液晶分子を含有している。液晶分子は、例えば、長軸方向と短軸方向を有する棒状の形状を有しており、電圧が印加されると向きが変わる分子である。液晶分子は、その向きによって光学的な性質が変化する。
【0021】
液晶パネル10では、複数のガラス基板の間に液晶層が挟まれており、最外層の2つのガラス基板にはそれぞれ透明電極が設けられており、透明電極に電圧が印加されることによって液晶層の液晶分子の向きが変更される。これにより、液晶パネル10に入射される光の透過率を調整することができる。本実施の形態では、液晶パネル10は、透明電極に電圧を印加することによって、液晶分子の長軸方向がガラス基板と平行になる方向に変化する。このため、透明電極に印加する電圧が大きくなるほど液晶パネル10の透過率が小さくなり、透明電極に印加する電圧が小さくなるほど液晶パネル10の透過率が大きくなる。
【0022】
液晶パネル10には、クリアパネル11が設けられている。クリアパネル11は、例えば、液晶パネル10を構成するガラス基板の一部で形成されている。クリアパネル11は、液晶パネル10の外周に設けられている。
【0023】
液晶パネル10は枠状の筐体に収納されており、液晶パネル10の外周部分、即ちクリアパネル11は筐体によって支持されている。このため、液晶パネル10の第1面PS1は調光モジュール1の前側で筐体から露出し、液晶パネル10の第2面PS2は調光モジュール1の後側で筐体から露出している。
【0024】
発光ユニット20は、検出光を照射するユニットである。発光ユニット20は、発光素子21を有する。発光素子21は、例えば、LED(Light Emitting Dioede)等を用いることができる。検出光は、液晶パネル10の透過率を検出するために用いられる光である。発光素子21は、検出光として、例えば、可視光を照射する。可視光は、例えば、350nm以上600nm以下の波長を有する光である。
【0025】
発光ユニット20は、第1検出光L1と第2検出光L2を照射する発光素子21を有する。第1検出光L1は、発光素子21から液晶パネル10を透過して受光ユニット30に入射する光である。第2検出光L2は、発光素子21から液晶パネル10を透過せずに受光ユニット30に入射する光である。本実施形態では、第2検出光L2は、発光素子21からクリアパネル11を透過して受光ユニット30に入射する。
【0026】
発光ユニット20は、液晶パネル10の第2面PS2側に配置されている。発光素子21は、液晶パネル10の第2面PS2に向けて第1検出光L1を照射する。第1検出光L1は、液晶パネル10の第2面PS2から第1面PS1に向かって液晶パネル10を透過し、後述する受光ユニット30の第1受光素子31に入射する。また、発光素子21は、液晶パネル10の外周に設けられたクリアパネル11に向かって第2検出光L2を照射する。第2検出光L2は、クリアパネル11を透過し、受光ユニット30の第2受光素子32に入射する。本実施形態では、第1検出光L1及び第2検出光L2は、後述する遮光部材40を通って受光ユニット30に入射される。
【0027】
受光ユニット30は、発光ユニット20から照射された光を受光するユニットである。受光ユニット30は、第1受光素子31および第2受光素子32を有する。第1受光素子31および第2受光素子32は、例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタ等を用いることができる。
【0028】
第1受光素子31は、発光ユニット20から照射された検出光のうち液晶パネル10を透過する第1検出光L1を受光する。第2受光素子32は、発光ユニット20から照射された検出光のうち液晶パネル10を透過しない第2検出光L2を受光する。本実施形態では、第2受光素子32は、クリアパネル11を透過した第2検出光L2を受光する。
【0029】
受光ユニット30は、液晶パネル10の第2面PS2側に配置されている。第1検出光L1は、液晶パネル10の第1面PS1から第2面PS2に向かって液晶パネル10を透過し、第1受光素子31に入射する。
【0030】
<遮光部材>
遮光部材40は、発光ユニット20から照射された漏光を遮光する部材である。光が入射する液晶パネル10の前面側から見て、遮光部材40には、第1受光素子31および第2受光素子32と重なる部分に開口41,42が設けられている。光が入射する液晶パネル10の前面側とは、液晶パネル10の第1面PS1から第2面PS2に向かう方向(Y方向)を意味する。本実施形態では、遮光部材40は、例えば、板状の部材で形成されている。また、遮光部材40は、液晶パネル10の第2面PS2側に配置されている。
【0031】
発光ユニット20から照射される第1検出光L1は、遮光部材40の開口41を通り、第1受光素子31に入射する。また、発光ユニット20から照射される第2検出光L2は、遮光部材40の開口42を通り、第2受光素子32に入射する。一方、発光ユニット20から生じる漏光は、遮光部材40によって遮光される。
【0032】
次に、調光モジュール1の機能的構成として、透過率算出部50及び調光制御部51について説明する。
【0033】
<透過率算出部>
透過率算出部50は、第1受光素子31で受光した光の第1受光量と、第2受光素子32で受光した光の第2受光量と、に基づいて、液晶パネル10の液晶透過率を算出する。第1受光量は液晶パネル10を透過した第1検出光L1の光量であり、第2受光量は液晶パネル10を透過せずクリアパネル11を透過した第2検出光L2の光量である。液晶透過率は、第1受光量と第2受光量とに基づいて算出される透過率である。例えば、透過率算出部50は、第2受光量に基づいて第1受光量を補正し、補正した光量に基づいて液晶透過率を算出する。
【0034】
発光素子21は、経年劣化により出力が低下することが考えられる。第2受光素子32の第2受光量は、液晶パネル10を透過しない第2検出光L2の光量である。このため、第2受光素子32の第2受光量を用いて、第1受光素子31の第1受光量を補正することによって、発光素子21の経年劣化による出力の低下をキャンセルすることができる。これにより、より精度高く液晶透過率を算出することができる。
【0035】
<調光制御部>
調光制御部51は、透過率算出部50で算出された液晶透過率に基づいて、液晶パネル10の透過率を制御する。例えば、調光制御部51は、設定された目標透過率と液晶透過率に基づいて液晶パネル10の透過率を制御する。目標透過率とは、予め設定された複数の設定値の中から選択される値であってもよいし、所定の数値範囲内から選択される値であってもよい。例えば、液晶パネル10の透過率が1%以上25%以下の範囲で設定変更可能な場合、目標透過率は、1%以上25%以下の範囲内から選択される値であってもよい。目標透過率は、ユーザによって設定されてもよいし、所定の条件に応じて自動的に設定されてもよい。
【0036】
調光制御部51は、目標透過率と液晶透過率とを比較し、液晶透過率が目標透過率と等しくなるように、液晶パネル10の透過率を制御する。本実施形態では、調光制御部51は、液晶パネル10に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル10の透過率を制御する。本実施形態では、調光制御部51は、透過率を大きくしたい場合、液晶パネル10に印加する電圧を小さくし、透過率を小さくしたい場合、液晶パネル10に印加する電圧を大きくする。
【0037】
透過率算出部50および調光制御部51は、電子回路で実現可能である。透過率算出部50および調光制御部51は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。透過率算出部50および調光制御部51の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。透過率算出部50および調光制御部51は、メモリなどの記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0038】
このように、調光モジュール1では、液晶透過率を算出し、算出された液晶透過率と目標透過率とに基づいてフィードバック制御を行うことによって、最適な液晶透過率に調整している。例えば、調光モジュール1では、経時変化等で液晶透過率が変動したとしても、目標透過率に精度よく調整することができる。
【0039】
<制御装置>
制御装置2は、調光モジュール1を制御する装置である。本実施形態では、制御装置2は、撮像素子3も制御する。図1に示すように、制御装置2は、プロセッサ60と、プロセッサ60により実行される命令を格納する記憶媒体61と、を備える。
【0040】
プロセッサ60は、コンピュータにより実行可能な命令を実行するユニットである。プロセッサ60は、記憶媒体61に記憶された命令を実行する。
【0041】
記憶媒体61は、コンピュータにより実行可能な命令を格納する。具体的には、記憶媒体61は、データやプログラムを格納する。記憶媒体61は、例えば、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又はその他のメモリ技術、CD-ROM、DVD又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を格納するために用いることができ、制御装置2がアクセスすることができる任意の媒体を含む。
【0042】
制御装置2は、電子回路で実現可能である。制御装置2は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASICで構成することができる。制御装置2の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。制御装置2は、記憶媒体61に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。
【0043】
<撮像素子>
撮像素子3は、撮像光を撮像する素子である。図2に示すように、撮像素子3は、調光モジュール1を透過して入射してくる撮像光Lsを検出し、撮像信号を取得する素子である。撮像素子3は、例えば、CCD,CMOS等のイメージセンサである。
【0044】
撮像素子3は、調光モジュール1の後側、即ち、調光モジュール1の第2面PS2側に配置される。撮像素子3は、液晶パネル10の第1面PS1から第2面PS2に向かって液晶パネル10を透過した撮像光Lsを検出する。
【0045】
本実施形態では、撮像素子3は、制御装置2によって制御される。
【0046】
[制御方法]
<静止画撮影における制御方法の一例について>
静止画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法について図3を用いて説明する。図3は、静止画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法のフローチャートである。図3は、検出光L1,L2を照射する発光ユニット20を有する調光モジュール1を制御する制御方法のフローチャートである。なお、当該制御方法は、制御装置2によって実施される。
【0047】
図3に示すように、ステップS1では、制御装置2が静止画撮影における露光時間の情報を取得する。例えば、制御装置2は、撮像装置100により静止画を撮影するときの露光時間の設定情報を取得する。露光時間の設定情報は、撮像装置100の記憶部に格納されている。例えば、露光時間の設定情報は、ユーザにより入力された設定情報であってもよいし、撮像装置100が自動的に設定した設定情報であってもよい。
【0048】
ステップS2では、制御装置2が静止画撮影における露光時間の情報と閾値とに基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するか否かを判定する。具体的には、制御装置2は、静止画撮影するときの露光時間が閾値以上であるか否かを判定する。例えば、閾値は0.1秒に設定される。即ち、制御装置2は、静止画撮影の露光時間が0.1秒以上であるか否かを判定する。なお、閾値は0.1秒に限定されない。閾値は0.1秒以上であってもよい。例えば、閾値は1秒以上に設定されてもよいし、2秒以上に設定されてもよい。
【0049】
露光時間が閾値以上である場合、制御フローはステップS3に進む。露光時間が閾値よりも小さい場合、制御フローはステップS1に戻る。
【0050】
ステップS3では、制御装置2が、露光が行われる露光期間の少なくとも一部において発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。例えば、制御装置2は、露光期間の開始から終了まで発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止させるとは、発光ユニット20から検出光L1,L2から出射されない状態にすることを意味する。例えば、制御装置2は、発光ユニット20をオフにしてもよいし、検出光L1,L2が出射される発光ユニット20の出射口を蓋で塞いでもよい。
【0051】
調光モジュール1において、発光ユニット20から照射された検出光L1,L2が液晶パネル10で反射し、漏光となって撮像素子3に入射する場合がある。この場合、静止画撮影をするときに露光時間が長いと、撮影される静止画に漏光が映ってしまう。例えば、2秒以上の露光時間に設定されている場合、撮像素子3に漏光が入射し、静止画に漏光が映る。このため、静止画撮影をする場合に露光を行う露光期間に発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止することによって、漏光が撮像素子3に入射することを抑制できる。これにより、撮影した静止画に漏光が映ることを抑制できる。
【0052】
ステップS3の詳細について図4を用いて説明する。図4は、検出光の照射を停止するステップの詳細なフローチャートの一例である。
【0053】
図4に示すように、ステップS11では、制御装置2が、露光開始に関連するトリガー情報を取得する。具体的には、制御装置2は、露光開始に関連するトリガー情報を取得したか否かを判定する。
【0054】
露光開始に関連するトリガー情報は、静止画撮影開始に関連するトリガー情報であり、例えば、静止画撮影開始の信号、オートフォーカス開始の信号又は外部機器からの外部信号のうち少なくとも1つを含む。
【0055】
静止画撮影開始の信号は、静止画の撮影を開始するための信号である。静止画撮影開始の信号は、静止画撮影を開始するためにユーザによって入力される入力信号であってもよいし、静止画撮影を開始するために撮像装置100によって自動的に生成される信号であってもよい。例えば、静止画撮影開始の信号は、静止画撮影を開始するために撮像装置100の撮像ボタンをユーザが押すことによって生成されてもよいし、ユーザが設定したタイマーが経過したタイミングで静止画撮影を開始するために撮像装置100によって自動的に生成されてもよい。
【0056】
オートフォーカス開始の信号は、フォーカスを自動的に調整する機能を開始する信号である。例えば、オートフォーカス開始の信号は、オートフォーカスを開始するために撮像装置100の撮像ボタンをユーザが半押しすることによって生成されてもよいし、撮像装置100によって自動的に生成されてもよい。
【0057】
外部機器からの外部信号は、撮像装置100と有線ネットワーク又は無線ネットワークを介して接続される外部機器からの信号である。外部機器は、撮像装置100を外部から制御する装置であり、例えば、PC、スマートフォン、タブレット端末、テレビ、リモートコントローラ又はセンサなどを含む。外部信号は、撮像装置100を制御する信号であって、例えば、撮像装置100に静止画撮影を開始させる信号又はオートフォーカスを開始させる信号を含む。また、外部機器がセンサである場合、外部信号はセンサにより生成される検出信号であってもよい。例えば、外部機器がモーションセンサである場合、外部信号は、モーションセンサによって被写体の動きを検出したときに生成される検出信号であってもよい。
【0058】
ステップS12では、制御装置2が、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。制御装置2は、ステップS11でトリガー情報に基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。例えば、制御装置2は、トリガー情報を取得したタイミングで発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。あるいは、制御装置2は、トリガー情報を取得したタイミングから所定の時間経過した後に発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。
【0059】
ステップS13では、制御装置2が、露光が終了したか否かを判定する。例えば、制御装置2は、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止してから所定の時間経過したか否かを判定する。例えば、所定の時間は、ステップS1で取得した露光時間と同じ時間であってもよい。あるいは、所定の時間は、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するタイミングに応じて、露光時間よりも短くてしてもよいし、長くしてもよい。
【0060】
露光が終了している場合、制御フローはステップS4へ進む。露光が終了していない場合、制御フローはステップS12に戻る。
【0061】
図3に戻って、ステップS4では、制御装置2が、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射の停止を解除する。発光ユニット20の検出光L1,L2の照射の停止を解除するとは、発光ユニット20から検出光L1,L2を照射することが可能な状態にすることを意味する。例えば、制御装置2は、発光ユニット20をオフからオンに切り替える。
【0062】
このように、制御装置2がステップS1~S4を実施することによって、例えば、2秒以上の長時間露光を行う静止画撮影において発光ユニット20からの漏光が撮像素子3に入射することを抑制できる。
【0063】
なお、上述した静止画撮影における制御方法がステップS1~S4を含む例について説明したが、これに限定されない。当該制御方法は、ステップS3を含んでいればよく、ステップS1,S2,S4は必須の構成ではない。
【0064】
図5は、本開示の実施の形態1に係る制御方法のタイミングチャートである。なお、図5に示す例において、トリガー情報は静止画撮影開始の信号である。
【0065】
図5に示すように、制御装置2は、トリガー情報を取得した第1タイミングtmg1で発光ユニット20をオンからオフに切り換える。これにより、静止画撮影開始のタイミング、即ち、露光開始のタイミングで検出光L1,L2の照射が停止される。
【0066】
制御装置2は、第1タイミングtmg1から所定の時間、発光ユニット20をオフの状態に維持する。所定の時間は、静止画撮影で設定されている露光時間と同じである。これにより、静止画撮影で露光が行われている露光期間の間、検出光L1,L2の照射が停止される。
【0067】
制御装置2は、第1タイミングtmg1から所定時間経過した第2タイミングtmg2で発光ユニット20をオフからオンに切り換える。これにより、露光が終了したタイミングで検出光L1,L2の照射の停止が解除され、発光ユニット20から検出光L1,L2が照射される。
【0068】
<動画撮影における制御方法の一例について>
動画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法について図5を用いて説明する。図5は、動画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法のフローチャートである。図5は、検出光L1,L2を照射する発光ユニット20を有する調光モジュール1を制御する制御方法のフローチャートである。なお、当該制御方法は、制御装置2によって実施される。
【0069】
図5に示すように、ステップS21では、制御装置2が動画撮影における露光時間の情報としてフレームレートの情報を取得する。例えば、制御装置2は、撮像装置100により動画を撮影するときのフレームレートの設定情報を取得する。フレームレートの設定情報は、撮像装置100の記憶部に格納されている。例えば、フレームレートの設定情報は、ユーザにより入力された設定情報であってもよいし、撮像装置100が自動的に設定した設定情報であってもよい。例えば、制御装置2は、取得したフレームレートの情報に基づいて、動画撮影における露光時間を算出する。
【0070】
ステップS22では、制御装置2が動画撮影における露光時間の情報と閾値とに基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するか否かを判定する。具体的には、制御装置2が、動画撮影における露光時間が閾値以上であるか否かを判定する。例えば、閾値は60fpsの露光時間に設定される。なお、閾値は60fpsに対応する露光時間に限定されない。閾値は60fps以下に対応する露光時間であればよい。例えば、閾値は30fps以下に対応する露光時間であってもよいし、1fps以下に対応する露光時間であってもよい。
【0071】
露光時間が閾値以上である場合、制御フローはステップS23に進む。フレームレートが閾値よりも小さい場合、制御フローはステップS21に戻る。
【0072】
ステップS23では、制御装置2が、露光が行われる露光期間の少なくとも一部において発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。例えば、制御装置2は、動画撮影の開始から終了まで発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。
【0073】
制御装置2は、静止画撮影における制御方法のステップS3と同様にトリガー情報に基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。動画撮影における制御方法では、露光開始に関連するトリガー情報は、動画撮影開始に関連するトリガー情報であり、例えば、動画撮影開始の信号又は外部機器からの外部信号を含む。
【0074】
動画撮影開始の信号は、動画の撮影を開始するための信号である。動画撮影開始の信号は、動画撮影を開始するためにユーザによって入力される入力信号であってもよいし、動画撮影を開始するために撮像装置100によって自動的に生成される信号であってもよい。例えば、動画撮影開始の信号は、動画撮影を開始するために撮像装置100の撮像ボタンをユーザが押すことによって生成されてもよいし、ユーザが設定したタイマーが経過したタイミングで動画撮影を開始するために撮像装置100によって自動的に生成されてもよい。
【0075】
外部機器からの外部信号は、撮像装置100を制御する信号であって、例えば、撮像装置100に動画撮影を開始させる信号を含む。また、外部機器がセンサである場合、外部信号はセンサにより生成される検出信号であってもよい。
【0076】
また、制御装置2は、露光が終了したか否かを判定する。即ち、制御装置2は、動画撮影が終了したか否かを判定する。例えば、制御装置2は、露光終了に関連するトリガー情報を取得する。即ち、制御装置2は、露光終了に関連するトリガー情報を取得したか否かを判定する。
【0077】
露光流量に関連するトリガーは、動画撮影終了に関連するトリガー情報であり、例えば、動画撮影終了の信号又は外部機器からの外部信号を含む。動画撮影終了の信号は、動画の撮影を終了するための信号である。動画撮影終了の信号は、動画撮影を終了するためにユーザによって入力される入力信号であってもよいし、動画撮影を終了するために撮像装置100によって自動的に生成される信号であってもよい。例えば、動画撮影終了の信号は、動画撮影を終了するために撮像装置100の撮像ボタンをユーザが押すことによって生成されてもよいし、ユーザが設定したタイマーが経過したタイミングで動画撮影を終了するために撮像装置100によって自動的に生成されてもよい。
【0078】
外部機器からの外部信号は、例えば、撮像装置100に動画撮影を終了させる信号を含む。また、外部機器がセンサである場合、外部信号はセンサにより生成される検出信号であってもよい。例えば、外部機器がモーションセンサである場合、外部信号は、モーションセンサによって被写体の動きを検出しなくなったときに生成される検出信号であってもよい。
【0079】
動画撮影が終了している場合、制御フローはステップS24へ進む。動画撮影が終了していない場合、制御装置2は発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止し続ける。
【0080】
図6に戻って、ステップS24では、制御装置2が、静止画撮影における制御方法のステップS4と同様に発光ユニット20の検出光L1,L2の照射の停止を解除する。
【0081】
このように、制御装置2がステップS21~S24を実施することによって、例えば、1fps以上のフレームレートで動画撮影を行う場合において発光ユニット20からの漏光が撮像素子3に入射することを抑制できる。
【0082】
なお、上述した動画撮影における制御方法がステップS21~S24を含む例について説明したが、これに限定されない。当該制御方法は、ステップS23を含んでいればよく、ステップS21,S22,S24は必須の構成ではない。
【0083】
図7は、動画撮影における本開示の実施の形態1に係る制御方法のタイミングチャートである。なお、図7に示す例において、トリガー情報は、動画撮影開始の信号と、動画撮影終了の信号と、を含む。
【0084】
図7に示すように、制御装置2は、動画撮影開始の信号を取得した第1タイミングtmg11で発光ユニット20をオンからオフに切り換える。これにより、動画撮影開始のタイミング、即ち、露光開始のタイミングで検出光L1,L2の照射が停止される。
【0085】
制御装置2は、動画撮影終了の信号を取得した第2タイミングtmg12で発光ユニット20をオフからオンに切り換える。これにより、露光が終了したタイミングで検出光L1,L2の照射の停止が解除され、発光ユニット20から検出光L1,L2が照射される。
【0086】
なお、本実施形態では、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止している間、調光モジュール1では、検出光L1,L2の照射を停止する直前に算出した液晶透過率に基づいてフィードバック制御を行っている。
【0087】
[効果]
本開示の実施の形態1にかかる制御方法、制御装置および撮像装置においては以下の効果を奏することができる。
【0088】
本開示の制御方法は、検出光L1,L2を照射する発光ユニット20備える調光モジュール1を制御する制御方法である。制御方法は、制御方法は、静止画撮影又は動画撮影において露光を実施している露光期間の少なくとも一部で発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するステップS3,S13を含む。
【0089】
このような構成により、漏光を低減することができる。例えば、発光ユニット20から照射される検出光L1,L2の一部は液晶パネル10等で反射することによって漏光となる場合がある。漏光が撮像素子3に入射すると、静止画または動画に漏光が映ってしまう場合がある。本開示の制御方法によれば、静止画撮影又は動画撮影において露光が行われる露光期間の少なくとも一部で、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。これにより、撮像素子3に入射される漏光を低減することができる。その結果、静止画又は動画に漏光が映ってしまうことを抑制でき、撮影する静止画および動画の品質を向上させることができる。
【0090】
また、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するステップS3,S23は、露光開始に関連するトリガー情報を取得するステップS11、トリガー情報に基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するステップS12を有する。このような構成により、露光が開始するタイミングに基づいて、発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止することができる。これにより、静止画撮影時又は動画撮影時において漏光を確実に低減することができる。
【0091】
また、露光開始に関連するトリガー情報は、静止画撮影開始の信号、オートフォーカス開始の信号、動画撮影開始の信号又は外部機器からの外部信号のうち少なくとも1つを含む。このような構成により、静止画撮影時又は動画撮影時において適切なタイミングで発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止することができる。これにより、静止画撮影時又は動画撮影時において漏光をより確実に低減することができる。
【0092】
また、トリガー情報に基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するステップS12は、トリガー情報を取得したタイミングで発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止する。このような構成により、露光開始時又は露光開始のタイミング近傍で発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止することができる。これにより、静止画撮影時又は動画撮影時において漏光をより確実に低減することができる。
【0093】
また、本開示の制御方法は、静止画撮影又は動画撮影の露光時間の情報を取得するステップS1,S21、露光時間と閾値とに基づいて発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を停止するか否かを判定するステップS2,S22を含む。これにより、静止画撮影又は動画撮影において漏光の影響が生じる露光時間に基づいて、効率良く制御することができる。
【0094】
また、本開示の制御方法は、露光が終了したタイミングで発光ユニット20の検出光L1,L2の照射の停止を解除するステップS4,S24を含む。このような構成により、露光終了後、例えば、静止画撮影終了又は動画撮影終了後に発光ユニット20の検出光L1,L2の照射を行うことができる。これにより、露光終了後に調光モジュール1のフィードバック制御を行うことができる。
【0095】
また、発光ユニット20から照射される検出光L1,L2は可視光である。可視光は、透過率の検出範囲が大きいため、より正確に透過率を検出することができる。一方、可視光が漏光として撮像素子3に入射してしまうと、赤外光などの波長帯の光と比べて撮影した静止画又は動画にノイズとして映り込みやすい。本開示の制御方法によれば、静止画撮影時又は動画撮影時において漏光が撮像素子3に入射しににくくなるため、検出光L1,L2に可視光を用いた場合に非常に有益である。
【0096】
本開示の制御装置2及び撮像装置100は、上述した制御方法と同様の効果を奏することができる。
【0097】
なお、本開示の制御方法が適用可能な調整モジュールは、本実施形態で示される調光モジュール1に限定されない。本開示の制御方法は、検出光を照射する発光ユニットを備える調光モジュールであれば適用可能である。
【0098】
本実施の形態では、調光モジュール1において、遮光部材40、透過率算出部50及び調光制御部51は必須の構成ではない。調光モジュール1は、遮光部材40、透過率算出部50及び調光制御部51を備えていなくてもよい。例えば、透過率算出部50及び調光制御部51は、制御装置2が備えており、調光モジュール1は受光ユニット30で取得した受光量の情報を制御装置2に送信してもよい。
【0099】
本実施の形態では、透過率算出部50、調光制御部51および制御装置2が別個の要素である例について説明したが、これに限定されない。例えば、透過率算出部50、調光制御部51および制御装置2のうち1つ又は複数の要素は、統合されてもよいし、更に分割されてもよい。
【0100】
本実施の形態では、検出光が可視光である例について説明したが、これに限定されない。例えば、検出光は赤外光又は紫外光等であってもよい。
【0101】
本実施の形態では、ステップS21では制御装置2がフレームレートに基づいて動画撮影における露光時間を算出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御装置2は、フレームレートに基づいて動画撮影における露光時間を算出しなくてもよい。この場合、ステップS22では、制御装置2はフレームレートの閾値を用いて判定を行ってもよい。例えば、制御装置2はステップS21で取得したフレームレートが閾値以下であるか否かを判定してもよい。例えば、フレームレートの閾値は、60fps以下であってもよい。あるいは、フレームレートの閾値は、30fps以下であってもよいし、1fps以下であってもよい。
【0102】
本実施形態では、撮像装置100が制御装置2を備える例について説明したが、これに限定されない。制御装置2は、撮像装置100の構成要素に含まれなくてもよい。
【0103】
以下、本開示の実施の形態1の調光モジュール1の変形例について説明する。
【0104】
[変形例1]
図8は、変形例1の制御方法のタイミングチャートである。図8に示す例では、露光開始に関連するトリガー情報がオートフォーカス開始の信号である。また、発光ユニット20をオフしている時間が露光期間よりも長くなっている。
【0105】
図8に示すように、制御装置2は、露光開始より前のオートフォーカス開始の信号を取得した第1タイミングtmg21で発光ユニット20をオフにしてもよい。
【0106】
また、制御装置2は、静止画撮影開始の信号を取得することによって、露光開始の第2タイミングtmg22を取得する。制御装置2は、第2タイミングtmg22から所定の時間、即ち、静止画撮影で設定された露光時間が経過した第3タイミングtmg23で発光ユニット20をオンにしてもよい。
【0107】
このような構成により、露光開始時において発光ユニット20を確実にオフにすることができる。
【0108】
[変形例2]
図9は、変形例2の制御方法のタイミングチャートである。図9に示す例では、制御装置2は、静止画撮影開始の信号を取得してから所定の時間経過後に発光ユニット20をオフにしている。また、発光ユニット20をオフしている時間が露光期間よりも短くなっている。
【0109】
図9に示すように、制御装置2は、トリガー情報を取得すると、トリガー情報を取得した第1タイミングtmg31から所定の時間td1経過した第2タイミングtmg32で発光ユニット20をオフにしてもよい。所定の時間td1は、漏光の影響が生じない範囲で設定される。また、制御装置2は、第1タイミングtmg31から静止画撮影で設定された露光時間が経過した第3タイミングtmg33で発光ユニット20をオンにしてもよい。
【0110】
このように、漏光の影響がない範囲で、トリガー情報を取得した第1タイミングtmg31からずらして発光ユニット20をオフにしてもよい。これにより、発光ユニット20をオフにしている時間を短くすることができる。
【0111】
なお、変形例1及び2は、トリガー情報に基づいて発光ユニット20をオフにする動作の一例であって、これに限定されない。例えば、変形例2においては、制御装置2は、オートフォーカス開始の信号を取得したタイミングから所定の時間td1経過したタイミングで発光ユニット20をオフにしてもよい。
【0112】
[変形例3]
図10は、変形例3の撮像装置の主要な構成を示す概略部分断面図である。図10に示す撮像装置100Aでは、実施の形態1の撮像装置100と比べて、発光ユニット20と受光ユニット30の位置が反対になっている。
【0113】
図10に示すように、撮像装置100Aの調光モジュール1Aでは、発光ユニット20は、液晶パネル10の第1面PS1側に配置され、受光ユニット30及び撮像素子3は、液晶パネル10の第2面PS2側に配置される。第1検出光L1は、液晶パネル10の第1面PS1から第2面PS2に向かって液晶パネル10を透過し、第1受光素子31に入射する。
【0114】
このように、調光モジュール1Aでは、発光ユニット20が液晶パネル10を挟んで撮像素子3の反対側に配置されている。これにより、発光ユニット20から照射された検出光L1が液晶パネル10で反射して漏光となっても撮像素子3に入射しにくくなる。
【0115】
以上のように、本開示における技術の例示として、上述の実施の形態を説明してきた。そのために、図面および詳細な説明を提供している。したがって、図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0116】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本開示の制御方法は、電子NDフィルタ等の調光モジュールを備える撮像装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0118】
1,1A 調光モジュール
2 制御装置
3 撮像素子
10 液晶パネル
11 クリアパネル
20 発光ユニット
21 発光素子
30 受光ユニット
31 受光素子(第1受光素子)
32 受光素子(第2受光素子)
40 遮光部材
41,42 開口
50 透過率算出部
51 調光制御部
60 プロセッサ
61 記憶媒体
L1 検出光(第1検出光)
L2 検出光(第2検出光)
Ls 撮像光
PS1 第1面
PS2 第2面
100,100A 撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10