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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101211
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/04 20060101AFI20230712BHJP
   B23D 45/16 20060101ALI20230712BHJP
   B23D 47/00 20060101ALI20230712BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20230712BHJP
   B24B 23/00 20060101ALI20230712BHJP
   B24B 55/05 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B28D1/04 A
B23D45/16
B23D47/00 C
B24B23/02
B24B23/00 Z
B24B55/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001692
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 洸紀
(72)【発明者】
【氏名】津田 翔
【テーマコード(参考)】
3C040
3C047
3C069
3C158
【Fターム(参考)】
3C040AA01
3C040BB13
3C040GG19
3C040GG42
3C040LL05
3C047FF07
3C047FF15
3C047FF17
3C047JJ02
3C069AA01
3C069BA04
3C069BB02
3C069BC02
3C069BC04
3C069CA01
3C069DA05
3C069DA07
3C069EA01
3C158AA03
3C158AA12
3C158AA16
3C158AC03
3C158AC05
3C158CA04
3C158CB03
(57)【要約】
【課題】ブレードカバーの過回動を適切に抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本明細書の作業機は、回転刃と、回転刃が取り付けられた出力シャフトと、出力シャフトを回転駆動する原動機と、出力シャフトを回転可能に支持し、原動機を収容するハウジングと、ハウジングに対して回動可能に取り付けられているブレードカバーを備えている。ブレードカバーの側壁部は第1ストッパ部と第2ストッパ部を備えている。ハウジングの対向部は第1ストッパ受け部と第2ストッパ受け部を備えている。ブレードカバーを回動方向の一方に回動させていくと、第1当接位置において、第1ストッパ部が回動方向の他方側から第1ストッパ受け部に当接する。第1ストッパ部が第1ストッパ受け部に当接した状態からさらにブレードカバーが回動方向の一方に回動される場合、第2当接位置において、第2ストッパ部が回動方向の他方側から第2ストッパ受け部に当接する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転刃と、
前記回転刃が取り付けられた出力シャフトと、
前記出力シャフトを回転駆動する原動機と、
前記出力シャフトを回転可能に支持するとともに、前記原動機を収容するハウジングと、
前記ハウジングに対して前記出力シャフトの回転軸に略一致する回動軸周りに回動可能に取り付けられているブレードカバーと、を備えており、
前記ブレードカバーは、前記回転刃の側面の少なくとも一部を覆う側壁部を備えており、
前記ハウジングは、前記側壁部の前記回転刃の前記側面に対向する側の面とは反対側の面に対向する対向部を備えており、
前記側壁部は、第1ストッパ部および第2ストッパ部を備えており、
前記対向部は、第1ストッパ受け部および第2ストッパ受け部を備えており、
前記ブレードカバーを前記ブレードカバーの回動方向の一方に回動させていくと、第1当接位置において、前記第1ストッパ部が前記回動方向の他方側から前記第1ストッパ受け部に当接し、
前記第1ストッパ部が前記第1ストッパ受け部に当接した状態から、さらに前記ブレードカバーが前記回動方向の前記一方に回動される場合、第2当接位置において、前記第2ストッパ部が前記回動方向の前記他方側から前記第2ストッパ受け部に当接する、作業機。
【請求項2】
前記第1ストッパ部が前記第1ストッパ受け部に当接した状態において、前記第2ストッパ部と前記回動軸を結ぶ直線が、前記第2ストッパ受け部と前記回動軸を結ぶ直線に対してなす角度が、0°-2°の範囲内である、請求項1の作業機。
【請求項3】
前記第1当接位置と、前記第2当接位置は、前記径方向において互いにオフセットしている、請求項1または2の作業機。
【請求項4】
前記第1当接位置は、前記第2当接位置よりも前記径方向外側にオフセットしている、請求項3の作業機。
【請求項5】
前記側壁部は、第3ストッパ部をさらに備えており、
前記対向部は、第3ストッパ受け部をさらに備えており、
前記ブレードカバーを前記回動方向の前記他方に回動させていくと、第3当接位置において、前記第3ストッパ部が前記回動方向の前記一方側から前記第3ストッパ受け部に当接する、請求項1から4の何れか一項の作業機。
【請求項6】
前記出力シャフトは、前記回転軸に対して所定の回転方向に回転駆動され、
前記回動方向の前記一方は、前記出力シャフトの前記回転方向の順方向に相当し、
前記回動方向の前記他方は、前記出力シャフトの前記回転方向の逆方向に相当する、請求項1から5の何れか一項の作業機。
【請求項7】
前記第1ストッパ部、前記第2ストッパ部、および前記第3ストッパ部のうち少なくとも一つは、前記側壁部と一体に形成されている、請求項5または6の作業機。
【請求項8】
前記第1ストッパ部、前記第2ストッパ部、および前記第3ストッパ部のうち少なくとも一つは、前記側壁部と別体に形成されている、請求項5または6の作業機。
【請求項9】
前記第1ストッパ受け部、前記第2ストッパ受け部、および前記第3ストッパ部のうち少なくとも一つは、前記対向部と一体に形成されている、請求項5から8の何れか一項の作業機。
【請求項10】
前記第1ストッパ受け部、前記第2ストッパ受け部、および前記第3ストッパ受け部のうち少なくとも一つは、前記対向部と別体に形成されている、請求項5から8の何れか一項の作業機。
【請求項11】
前記出力シャフトに固定された出力プーリと、
前記ハウジングに回転可能に支持された入力シャフトと、
前記入力シャフトに固定された入力プーリと、
前記入力プーリと前記出力プーリの間に架け渡された伝動ベルトと、をさらに備えており、
前記原動機は、前記入力シャフトを回転駆動することによって前記出力シャフトを回転駆動しており、
パワーカッタとして機能する、請求項1から10の何れか一項の作業機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転刃と、前記回転刃が取り付けられた出力シャフトと、前記出力シャフトを回転駆動する原動機と、前記出力シャフトを回転可能に支持するとともに、前記原動機を収容するハウジングと、前記ハウジングに対して前記出力シャフトの回転軸に略一致する回動軸周りに回動可能に取り付けられているブレードカバーと、を備える作業機が開示されている。前記ブレードカバーは、前記回転刃の側面の少なくとも一部を覆う側壁部を備えている。前記ハウジングは、前記側壁部の前記回転刃の前記側面に対向する側の面とは反対側の面に対向する対向部を備えている。前記側壁部は、第1ストッパ部を備えている。前記対向部は、第1ストッパ受け部を備えている。前記ブレードカバーを前記ブレードカバーの回動方向の一方に回動させていくと、第1当接位置において、前記第1ストッパ部が前記回動方向の他方側から前記第1ストッパ受け部に当接する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-164769号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機では、第1ストッパ部が回動方向の他方側から第1ストッパ受け部に当接することで、ブレードカバーの回動方向の一方への過回動を抑制している。このような作業機では、第1ストッパ部が第1ストッパ受け部に当接した状態であっても、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げる等して、ブレードカバーが回動方向の一方にさらに回動される場合がある。特許文献1の作業機では、第1ストッパ部が第1ストッパ受け部に当接した状態から、ブレードカバーが回動方向の一方にさらに回動される場合には、ブレードカバーの過回動を抑制することができない。本明細書では、ブレードカバーの過回動を適切に抑制することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する作業機は、回転刃と、前記回転刃が取り付けられた出力シャフトと、前記出力シャフトを回転駆動する原動機と、前記出力シャフトを回転可能に支持するとともに、前記原動機を収容するハウジングと、前記ハウジングに対して前記出力シャフトの回転軸に略一致する回動軸周りに回動可能に取り付けられているブレードカバーと、を備えている。前記ブレードカバーは、前記回転刃の側面の少なくとも一部を覆う側壁部を備えている。前記ハウジングは、前記側壁部の前記回転刃の前記側面に対向する側の面とは反対側の面に対向する対向部を備えている。前記側壁部は、第1ストッパ部および第2ストッパ部を備えている。前記対向部は、第1ストッパ受け部および第2ストッパ受け部を備えている。前記ブレードカバーを前記ブレードカバーの回動方向の一方に回動させていくと、第1当接位置において、前記第1ストッパ部が前記回動方向の他方側から前記第1ストッパ受け部に当接する。前記第1ストッパ部が前記第1ストッパ受け部に当接した状態から、さらに前記ブレードカバーが前記回動方向の前記一方に回動される場合、第2当接位置において、前記第2ストッパ部が前記回動方向の前記他方側から前記第2ストッパ受け部に当接する。
【0006】
上記の構成によれば、第1ストッパ部は、第1ストッパ受け部に当接することで、ブレードカバーの回動方向の一方への過回動を抑制している。さらに上記の構成によれば、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げる等して、ブレードカバーが回動方向の一方にさらに回動される場合には、第2ストッパ部が第2ストッパ受け部に当接する。このため、ブレードカバーの回動方向の一方への過回動が二段階で抑制される。上記の構成によれば、ブレードカバーの過回動を適切に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例に係るパワーカッタ10を前方右方上方から見た全体斜視図である。
図2】実施例に係るパワーカッタ10のハウジング14内の構造を右方から見た側方図である。
図3】実施例に係るパワーカッタ10が備える後方ハンドル20を後方上方左方から見た拡大図である。
図4】実施例に係るパワーカッタ10が備えるブレードカバー16の第1側壁部162を右方から見た拡大図である。
図5】実施例に係るパワーカッタ10が備えるブレードアーム14bの対向部142を左方から見た拡大図である。
図6】実施例に係るパワーカッタ10におけるブレードカバー16の過回動抑制機構を下方から見た拡大図である。
図7】実施例に係るパワーカッタ10の、図6に示す基準面Pにおいて、第1ストッパ部110が第2方向側から第1ストッパ受け部210に当接した状態を右方から見た断面図である。
図8】実施例に係るパワーカッタ10の、図6に示す基準面Pにおいて、第3ストッパ部130が第1方向側から第3ストッパ受け部230に当接した状態を右方から見た図である。
図9】実施例に係るパワーカッタ10において、ブレードカバー16を可動範囲内で任意に回動させる場合に、ブレードカバー16によって必ず覆われる回転刃12の所定範囲S1を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ストッパ部が前記第1ストッパ受け部に当接した状態において、前記第2ストッパ部と前記回動軸を結ぶ直線が、前記第2ストッパ受け部と前記回動軸を結ぶ直線に対してなす角度は、0°-2°の範囲内であってもよい。
【0012】
第1ストッパ部が第1ストッパ受け部に当接した状態から第2ストッパ部が第2ストッパ受け部に当接する状態となるまでの間にブレードカバーが大幅に回動されると、ブレードカバーの過回動を適切に抑制できない可能性がある。上記の構成によれば、第2ストッパ部と回動軸を結ぶ直線が第2ストッパ受け部と回動軸を結ぶ直線に対してなす角度は0°-2°の範囲内である。このため、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に当接した状態から、ブレードカバーが大幅に回動されることなく、第2ストッパ部が第2ストッパ受け部に当接する。上記の構成によれば、ブレードカバーの過回動をより適切に抑制することができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1当接位置と、前記第2当接位置は、前記径方向において互いにオフセットしていてもよい。
【0014】
第1当接位置と第2当接位置が回動軸の径方向において互いにオフセットしていない場合、対向部に設けられる第1ストッパ受け部と第2ストッパ受け部は、回動軸の周方向において、少なくとも部分的に重なって配置されることになる。上記の構成によれば、第1ストッパ受け部と第2ストッパ受け部を、回動軸の周方向において重なることなく配置することができる。このため、第1ストッパ受け部と第2ストッパ受け部が設けられる対向部を、回動軸の周方向において小型化できる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1当接位置は、前記第2当接位置よりも前記径方向外側にオフセットしていてもよい。
【0016】
一般的に、ブレードカバーは回動軸近傍においてハウジングに取り付けられる。この場合、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げた際、対向部と側壁部は、回動軸から離れるにつれて互いに離間してしまう。この際、第2ストッパ部と第2ストッパ受け部が大幅に離間すると、第2ストッパ部と第2ストッパ受け部が当接せず、ブレードカバーの過回動が抑制されない可能性がある。上記の構成によれば、第2当接位置が第1当接位置よりも径方向内側にオフセットしているため、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げた際に、第2ストッパ部と第2ストッパ受け部が大幅に離間することが抑制される。このため、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げた際に、第2ストッパ部と第2ストッパ受け部をより確実に当接させることができる。上記の構成によれば、ブレードカバーの過回動をより確実に抑制することができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記側壁部は、第3ストッパ部をさらに備えていてもよい。前記対向部は、第3ストッパ受け部をさらに備えていてもよい。前記ブレードカバーを前記回動方向の前記他方に回動させていくと、第3当接位置において、前記第3ストッパ部が前記回動方向の前記一方側から前記第3ストッパ受け部に当接してもよい。
【0018】
上記の構成によれば、第3ストッパ部は、第3ストッパ受け部に当接することで、ブレードカバーの回動方向の他方への過回動を抑制している。上記の構成によれば、ブレードカバーの回動方向の一方への過回動だけでなく、ブレードカバーの回動方向の他方への過回動も抑制することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記出力シャフトは、前記回転軸に対して所定の回転方向に回転駆動されてもよい。前記回動方向の前記一方は、前記出力シャフトの前記回転方向の順方向に相当するものであってもよい。前記回動方向の前記他方は、前記出力シャフトの前記回転方向の逆方向に相当するものであってもよい。
【0020】
例えば、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げる程のトルクがブレードカバーに発生する状況としては、回転刃とブレードカバーの間に侵入した異物等を介して回転刃のトルクがブレードカバーに伝達される状況が想定される。この場合、ブレードカバーには、ブレードカバーを回転刃の回転方向の順方向に相当する方向へ回動させる向きのトルクが発生する。上記の構成によれば、第1ストッパ部および第2ストッパ部によって、回転刃の回転方向の順方向に相当する方向へのブレードカバーの過回動を二段階で抑制することができる。上記の構成によれば、回転刃のトルクがブレードカバーに伝達される場合において、ブレードカバーの過回動をより適切に抑制できる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ストッパ部、前記第2ストッパ部、および前記第3ストッパ部のうち少なくとも一つは、前記側壁部と一体に形成されていてもよい。
【0022】
電動作業機の製造工程では、ブレードカバーの部品点数を削減したい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ部、第2ストッパ部、および第3ストッパ部のそれぞれを側壁部に対して別個に取り付ける場合に比べて、ブレードカバーの部品点数を削減することができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ストッパ部、前記第2ストッパ部、および前記第3ストッパ部のうち少なくとも一つは、前記側壁部と別体に形成されていてもよい。
【0024】
通常、第1ストッパ部、第2ストッパ部、および第3ストッパ部のそれぞれを側壁部と一体的に形成する場合、第1ストッパ部、第2ストッパ部、および第3ストッパ部については、側壁部に用いる材料と同一の材料が用いられる。ここで、第1ストッパ部、第2ストッパ部、および第3ストッパ部については、側壁部に用いる材料とは異なる材料を用いたい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ部、第2ストッパ部、および第3ストッパ部のうち少なくとも一つについては、側壁部に用いる材料とは異なる材料を用いて形成することができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ストッパ受け部、前記第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部のうち少なくとも一つは、前記対向部と一体に形成されていてもよい。
【0026】
電動作業機の製造工程では、ハウジングの部品点数を削減したい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ受け部、第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部のそれぞれを対向部に対して別個に取り付ける場合に比べて、ハウジングの部品点数を削減することができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ストッパ受け部、前記第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部のうち少なくとも一つは、前記対向部と別体に形成されていてもよい。
【0028】
通常、第1ストッパ受け部、第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部のそれぞれを対向部と一体的に形成する場合、第1ストッパ受け部、第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部については、対向部に用いる材料と同一の材料が用いられる。ここで、第1ストッパ受け部、第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部については、対向部に用いる材料とは異なる材料を用いたい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ受け部、第2ストッパ受け部、および第3ストッパ受け部のうち少なくとも一つについては、対向部に用いる材料とは異なる材料を用いて形成することができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、前記出力シャフトに固定された出力プーリと、前記ハウジングに回転可能に支持された入力シャフトと、前記入力シャフトに固定された入力プーリと、前記入力プーリと前記出力プーリの間に架け渡された伝動ベルトと、をさらに備えていてもよい。前記原動機は、前記入力シャフトを回転駆動することによって前記出力シャフトを回転駆動していてもよい。作業機は、パワーカッタとして機能してもよい。
【0030】
作業機の中でも比較的大きいトルクで回転刃を回転駆動するパワーカッタでは、第1ストッパ受け部が第1ストッパ部に乗り上げる程のトルクがブレードカバーに発生する可能性が比較的高い。上記の構成によれば、パワーカッタにおいて、ブレードカバーの過回動を適切に抑制することができる。
【0031】
(実施例)
(パワーカッタ10の構成)
図1に示すように、作業機の例であるパワーカッタ10は、手持ち式の動力工具であり、主に石材や鉄材といった切断対象物を切断するために用いられる。パワーカッタ10は、回転刃12と、ハウジング本体14aと、ブレードアーム14bと、ブレードカバー16と、前方ハンドル18と、後方ハンドル20と、給水ホース50と、複数のバッテリパック60と、ガイドローラ70を備えている。なお、本明細書では、ハウジング本体14aとブレードアーム14bを総称して「ハウジング14」と呼ぶことがある。
【0032】
また、図2に示すように、パワーカッタ10は、電動モータ4と、制御基板6と、バッテリインタフェース24と、動力伝達部8をさらに備えている。なお、電動モータ4は原動機の例である。
【0033】
(回転刃12)
回転刃12は、円板形状を有するブレードであり、その外周縁に複数の刃先又は研削砥石を有している。回転刃12は、例えばダイヤモンドホイールであってもよい。回転刃12は、いわゆる消耗品であることから、ブレードアーム14bに対して着脱可能に取り付けられている。回転刃12の回転軸は、ブレードアーム14bの長手方向に直交する方向に延びている。
【0034】
ここで、本明細書では、パワーカッタ10が載置面Hに載置されている状態において、載置面Hに直交する方向を上下方向と定め、載置面Hにおいてパワーカッタ10が載置されている方向を上方向と定め、パワーカッタ10から載置面Hに向かう方向を下方向とする。また、上下方向に直交する方向であって、回転刃12の回転軸が延びる方向を左右方向と定める。そして、上下方向および左右方向に垂直な方向を前後方向と定め、後方ハンドル20から前方ハンドル18に向かう方向を前方向とし、前方ハンドル18から後方ハンドル20に向かう方向を後方向とする。
【0035】
(ガイドローラ70)
ガイドローラ70は、ハウジング14の下方に取り付けられている。ガイドローラ70は、左右一対の車輪72(図1参照)を備えている。パワーカッタ10が載置面Hに載置されている状態では、左右一対の車輪72は載置面Hには当接しないように配置されている。パワーカッタ10を使用するユーザは、左右一対の車輪72を任意の面(例えば、載置面Hなど)に当接させながら作業を行うことで、切断対象物に対して回転刃12を安定して前進または後退させることができる。
【0036】
(給水ホース50)
図1に示すように、給水ホース50は、パワーカッタ10の右方に設けられている。給水ホース50の先端は、プラグ52を介して、後述するブレードカバー16の第1側壁部162に接続されている。給水ホース50の基端は、後方ハンドル20の下部に取り付けられている。給水ホース50の基端には、給水コネクタ54が設けられている。給水コネクタ54は、ハウジング本体14aによって保持されており、例えば水道の蛇口といった外部の給水源に、ホース(図示省略)を介して接続することができる。このため、給水ホース50は、ブレードカバー16内へ水を供給することができる。
【0037】
(前方ハンドル18および後方ハンドル20)
前方ハンドル18と後方ハンドル20はそれぞれ、ハウジング本体14aに設けられている。前方ハンドル18は、ハウジング本体14aの上方から右方および左方にわたって延在している。前方ハンドル18は、一端がハウジング本体14aの右側面の中央近傍に取り付けられており、他端がハウジング本体14aの左側面の下部に取り付けられている。後方ハンドル20は、ハウジング本体14aから後方に向けて延在している。通常、ユーザは、左手で前方ハンドル18を把持し、右手で後方ハンドル20を把持することで、パワーカッタ10を保持する。このとき、ユーザは、前方ハンドル18を把持する位置を変更することで、パワーカッタ10の姿勢を調整することができる。
【0038】
図3に示すように、後方ハンドル20は、ユーザが後方ハンドル20を把持した手の指で操作可能なメインスイッチ30を備えている。本実施例では、ユーザがメインスイッチ30を操作すると、制御基板6(図2参照)は、電動モータ4(図2参照)への電力供給を開始し、メインスイッチ30の操作が解除されると、制御基板6は、電動モータ4への電力供給を中止する。詳細は後述するが、電動モータ4に電力が供給されると、回転刃12は回転駆動される。すなわち、パワーカッタ10は、メインスイッチ30が操作されている間に限って、回転刃12を回転駆動するように構成されている。
【0039】
後方ハンドル20はさらに、ロックオフスイッチ32を備えている。ロックオフスイッチ32は、後方ハンドル20に対し、左右方向にスライド可能に保持されている。図示しないが、ロックオフスイッチ32が後方ハンドル20に対して右方向に押し込まれていない場合、メインスイッチ30とロックオフスイッチ32が機械的に干渉することによって、メインスイッチ30の操作は禁止されている。ロックオフスイッチ32が後方ハンドル20に対して右方向に押し込まれている場合、メインスイッチ30とロックオフスイッチ32は機械的に干渉しないため、メインスイッチ30の操作は許容されている。
【0040】
後方ハンドル20はさらに、操作ボタン34を備えている。本実施例では、制御基板6(図2参照)は、操作ボタン34の操作に応じて、照明器(図示省略)への電力供給を開始または中止する。すなわち、操作ボタン34は、照明器のON、OFFの切り替えを行うためのボタンである。
【0041】
(複数のバッテリパック60およびバッテリインタフェース24)
図2に示すように、複数のバッテリパック60は、少なくとも一つの二次電池セル(図示省略)を有する。複数のバッテリパック60は、ハウジング本体14aに設けられたバッテリインタフェース24に着脱可能に取り付けられ、電動モータ4に電力を供給することができる。
【0042】
(制御基板6)
制御基板6は、ハウジング本体14aに収容されている。制御基板6は、複数のバッテリパック60と電気的に接続しており、複数のバッテリパック60から供給される電力を調節し、電動モータ4に供給する。本実施例では、電動モータ4がブラシレスモータであることから、制御基板6は、インバータ回路(図示省略)をさらに備える。インバータ回路は、複数のバッテリパック60と電動モータ4との間を電気的に接続しており、複数のバッテリパック60からの直流電力を三相交流電力に変換して、電動モータ4へ供給する。また、制御基板6は、ハウジング14が備える照明器(図示省略)とも電気的に接続しており、複数のバッテリパック60から供給される電力を調節し、照明器に供給することもできる。
【0043】
(電動モータ4)
電動モータ4は、ハウジング本体14aに収容されている。本実施例における電動モータ4はブラシレスモータであり、電動モータ4は、ステータ、ロータ、およびモータシャフト(図示省略)を備えている。電動モータ4に電力が供給されると、モータシャフトの回転駆動が開始される。
【0044】
(動力伝達部8)
動力伝達部8は、入力シャフト81と、出力シャフト85と、入力シャフト81に固定された入力プーリ82と、出力シャフト85に固定された出力プーリ84と、入力プーリ82と出力プーリ84の間に架け渡された伝動ベルト83を備えている。
【0045】
入力シャフト81および入力プーリ82は、ハウジング14によって回転可能に支持されている。入力シャフト81および入力プーリ82の回転軸は、左右方向に沿って配置されている。図示しないが、入力シャフト81は、ハウジング本体14aに収容された減速機等を介して電動モータ4のモータシャフトに接続している。このため、モータシャフトが回転する際、入力シャフト81も同時に回転する。
【0046】
伝動ベルト83は、入力プーリ82および出力プーリ84とともに、ブレードアーム14bに収容されている。本実施例では、入力プーリ82と出力プーリ84は歯付きプーリであり、伝動ベルト83は歯付きベルトである。入力プーリ82と伝動ベルト83は噛み合っている。出力プーリ84と伝動ベルト83も同様に噛み合っている。このため、入力シャフト81が回転する際、入力シャフト81に固定された入力プーリ82および伝動ベルト83によって、出力プーリ84も同時に回転する。
【0047】
出力プーリ84および出力シャフト85は、ハウジング14によって回転可能に支持されている。出力プーリ84および出力シャフト85の回転軸は、左右方向に沿って配置されている。出力シャフト85には、回転刃12が取り付けられている。このため、出力プーリ84が回転する際、出力シャフト85を介して回転刃12も同時に回転する。この際、回転刃12は、出力シャフト85と同一の回転軸周りに回転する。
【0048】
以上のように、動力伝達部8は、電動モータ4による動力を回転刃12に伝達する。これにより、パワーカッタ10において、電動モータ4による回転刃12の回転駆動が可能となっている。本実施例のパワーカッタ10では、回転刃12は、所定の回転方向に回転駆動されるように構成されている。本実施例のパワーカッタ10では、回転刃12は、パワーカッタ10を右方から見た時に、右回りに回転駆動されるように構成されている。
【0049】
(ブレードカバー16)
図1に示すように、ブレードカバー16は、ブレードアーム14bの前端近傍に配置されており、ブレードアーム14bに対して、出力シャフト85(図2参照)の回転軸回りに回動可能に取り付けられている。すなわち、ブレードカバー16の回動軸A(図4参照)は、左右方向に沿って延びている。以下では、ブレードカバー16の回動方向に関して、パワーカッタ10を右方から見た時に右回りとなる方向を第1方向と定め、パワーカッタ10を右方から見た時に左回りとなる方向を第2方向と定める。このように定める場合、第1方向は、回転刃12の回転方向の順方向に相当する方向となり、第2方向は回転刃12の回転方向の逆方向に相当する方向となる。
【0050】
本実施例では、ブレードカバー16とブレードアーム14bの間には、左右方向に押圧された状態の弾性部材(図示省略)が設けられている。このため、弾性部材がブレードカバー16に及ぼす摩擦力に抗してブレードカバー16を回動させる場合に限り、ブレードカバー16の回動が可能となっている。また、ブレードカバー16の径方向外側には、ユーザが把持するグリップ160が設けられている。ユーザは、グリップ160を把持することで、ブレードカバー16の回動操作を比較的容易に行うことができる。
【0051】
ブレードカバー16は、回転刃12の右側側面の一部を覆う第1側壁部162と、回転刃12の左側側面の一部を覆う第2側壁部164(図6参照)と、第1側壁部162と第2側壁部164の間を接続しているとともに、回転刃12の外周縁の一部を覆う周壁部166を備えている。本実施例では、第1側壁部162と、第2側壁部164と、周壁部166は、継ぎ目なく一体的に形成されている。第1側壁部162と、第2側壁部164と、周壁部166には、マグネシウム合金が用いられている。本実施例における第1側壁部162および第2側壁部164は、それぞれ回転刃12の側面のうち、175°以上の角度範囲を覆っている。このため、ブレードカバー16は、回転刃12によって発生する粉塵がユーザに向けて飛散することを防止している。
【0052】
図4に示すように、第1側壁部162は、第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130を備える。本実施例では、第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130は、第1側壁部162に対して継ぎ目なく一体的に形成されている。このため、第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130には、第1側壁部162と同様にマグネシウム合金が用いられている。第1ストッパ部110は、ブレードカバー16の回動軸Aから比較的離れた位置に配置されている。第2ストッパ部120は、ブレードカバー16のブレードアーム14bへの取り付け等を妨げない範囲内で、可能な限り回動軸Aに近接して配置されている。第3ストッパ部130は、回動軸Aの径方向において、第1ストッパ110部と第2ストッパ部120の間に配置されている。
【0053】
第1ストッパ部110は、第1側壁部162から右方に突出して設けられている。第1ストッパ部110は、第1方向側において、回動軸Aの周方向に略垂直な第1ストッパ面112を備える。第1ストッパ部110は、第1ストッパ面112よりも第2方向側において、回動軸Aの周方向に沿って延びる第1リブ114をさらに備える。
【0054】
第2ストッパ部120は、第1側壁部162から右方に突出して設けられている。第2ストッパ部120は、第1方向側において、回動軸Aの周方向に略垂直な第2ストッパ面122を備える。第2ストッパ部120は、第2ストッパ面122よりも第2方向側において、回動軸Aの周方向に沿って延びる第2リブ124をさらに備える。
【0055】
第3ストッパ部130は、第1側壁部162から右方に突出して設けられている。第3ストッパ部130は、第2方向側において、回動軸Aの周方向に略垂直な第3ストッパ面132を備える。第3ストッパ部130は、第3ストッパ面132よりも第1方向側において、回動軸Aの周方向に沿って延びる第3リブ134をさらに備える。
【0056】
(ブレードアーム14b)
図5に示すように、ブレードアーム14bは、ブレードカバー16の第1側壁部162(図4参照)の右面に対向する対向部142を備えている。本実施例では、対向部142には、マグネシウム合金が用いられている。対向部142には、ブレードアーム14bの長手方向に沿って、前方から順に、第2ストッパ受け部220、第3ストッパ受け部230、第1ストッパ受け部210が設けられている。また、対向部142には、第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230に接続するとともに、ブレードアーム14bの長手方向に沿って延在する長手リブ144がさらに設けられている。本実施例では、第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230と、長手リブ144は、継ぎ目なく一体的に形成されている。このため、第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230と長手リブ144には、対向部142と同様にマグネシウム合金が用いられている。
【0057】
第1ストッパ受け部210は、対向部142から左方に突出して設けられている。第1ストッパ受け部210は、ブレードアーム14bの短手方向に沿って延在している。
【0058】
第2ストッパ受け部220は、対向部142から左方に突出して設けられている。第2ストッパ受け部220は、ブレードカバー16の回動軸A(図4参照)の周方向に延在して設けられている。第2ストッパ受け部220は、第2方向側において、回動軸Aの周方向に略垂直な第2ストッパ受け面222を備える。
【0059】
第3ストッパ受け部230は、対向部142から左方に突出して設けられている。第3ストッパ受け部230は、略円柱形状を有している。
【0060】
(ブレードカバー16の過回動抑制機構)
【0061】
図6に示すように、パワーカッタ10を下方から見た時に、第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130と、第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230と、長手リブ144は、前後上下方向に広がる基準面P上に配置されている。以下では、基準面Pにおける断面図を用いて説明を行う。
【0062】
(ブレードカバー16の第1方向への過回動の抑制)
図7に示すように、ブレードカバー16を第1方向に回動させていくと、第1ストッパ部110は、第1当接位置p1において、第2方向側から第1ストッパ受け部210に当接する。第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態では、第1ストッパ部110および第1ストッパ受け部210が互いに反力を及ぼしあうことによって、ブレードカバー16の第1方向への回動が抑制されている。なお、図7に示す状態では、第2ストッパ部120と第2ストッパ受け部220は当接していない。
【0063】
第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態では、第2ストッパ面122および回動軸Aを通る直線と、第2ストッパ受け面222および回動軸Aを通る直線がなす角度θ1は、0°-2°の範囲内である。本実施例では、第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態における、第2ストッパ面122および回動軸Aを通る直線と、第2ストッパ受け面222および回動軸Aを通る直線がなす角度θ1は、1°である。したがって、第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態から、さらにブレードカバー16が第1方向に回動される場合、1°だけ回動した後、第2ストッパ面122が第2方向側から第2ストッパ受け面222に当接する。図示しないが、第2ストッパ部120が第2ストッパ受け部220に当接した状態についても同様に、第2ストッパ部120および第2ストッパ受け部220が互いに反力を及ぼしあうことによって、ブレードカバー16の第1方向への回動は抑制される。なお、第2ストッパ部120と第2ストッパ受け部220が当接する位置(第2当接位置p2)は、第2ストッパ受け面222の位置である。第2当接位置p2は、第1当接位置p1よりも回動軸Aの径方向内側にオフセットしている。
【0064】
以上のように、ブレードカバー16の第1方向への過回動の抑制に関して、通常は、第1ストッパ部110および第1ストッパ受け部210のみが機能する。第2ストッパ部120および第2ストッパ受け部220は、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げた場合等に予備的に機能する。このため、ブレードカバー16の第1方向への過回動は二段階で抑制される。
【0065】
(ブレードカバー16の第2方向への過回動の抑制)
図8に示すように、ブレードカバー16を第2方向に回動させていくと、第3ストッパ部130は、第3当接位置p3において、第1方向側から第3ストッパ受け部230に当接する。第3当接位置p3は、回動軸Aの径方向において、第1当接位置p1よりも回動軸Aの径方向内側にオフセットしているとともに、第2当接位置p2よりも回動軸Aの径方向外側にオフセットしている。第3ストッパ部130が第3ストッパ受け部230に当接した状態では、第3ストッパ部130および第3ストッパ受け部230が互いに反力を及ぼしあうことによって、ブレードカバー16の第2方向への回動が抑制されている。
【0066】
(ブレードカバー16の可動範囲)
また、第3ストッパ部130が第3ストッパ受け部230に当接した状態では、第1ストッパ面112および回動軸Aを通る直線と、第1当接位置p1および回動軸Aを通る直線がなす角度θ2は、65°である。このため、通常、ブレードカバー16の可動範囲は、第1ストッパ部110および第1ストッパ受け部210と第3ストッパ部130および第3ストッパ受け部230によって、65°の角度範囲内に制限されている。
【0067】
図9に示すように、ブレードカバー16を上記の可動範囲内において回動させる限り、ブレードカバー16は回転刃12の所定範囲S1を必ず覆うように構成されている。本実施例では、所定範囲S1は、回転刃12の後方であって、回転刃12の全周のうち約110°の角度範囲である。ユーザは回転刃12の後方に立って作業を行うため、本実施例のブレードカバー16は、粉塵がユーザに向けて飛散することをより適切に防止することができる。
【0068】
(変形例)
上記の実施例では、作業機の例として、パワーカッタ10について説明した。別の実施例では、作業機はパワーカッタ10以外の作業機であってもよい。例えば、作業機は電動丸鋸やグラインダ等であってもよい。
【0069】
上記の実施例では、原動機の例として、電動モータ4が備えられた構成について説明した。別の実施例では、原動機は、電動モータ4以外の原動機であってもよい。例えば、原動機は、エンジンであってもよい。
【0070】
上記の実施例では、電動モータ4がブラシレスモータである構成について説明した。別の実施例では、電動モータ4はブラシレスモータ以外のモータであってもよい。例えば、電動モータ4はブラシ付きモータ等であってもよい。
【0071】
上記の実施例では、電動モータ4のモータシャフトが、減速機等を介して入力シャフト81に接続している構成について説明した。別の実施例では、電動モータ4のモータシャフトは、減速機等を介することなく、入力シャフト81に接続していてもよい。すなわち、電動モータ4のモータシャフトは、入力シャフト81として機能してもよい。
【0072】
上記の実施例では、入力プーリ82と出力プーリ84が歯付きプーリであり、伝動ベルト83が歯付きベルトであり、入力プーリ82と、伝動ベルト83と、出力プーリ84の間では、主に歯同士の噛み合いによって動力を伝達する構成について説明した。別の実施例では、入力プーリ82と出力プーリ84は歯付きプーリ以外のプーリであってもよく、伝動ベルト83は歯付きベルト以外のベルトであってもよい。例えば、入力プーリ82と出力プーリ84はV字形の溝付きプーリであってもよく、伝動ベルト83は平ベルトやVベルトであってもよい。この場合、入力プーリ82と、伝動ベルト83と、出力プーリ84の間では、主に部材間の摩擦によって動力が伝達される。
【0073】
上記の実施例では、作業機(パワーカッタ10)が、複数のバッテリパック60を備えており、複数のバッテリパック60から電動モータ4に電力が供給される構成について説明した。別の実施例では、作業機(パワーカッタ10)は、複数のバッテリパック60の代わりに、外部電源に接続する電源コードをそなえていてもよく、電源コードを介して外部電源から電動モータ4に電力が供給されてもよい。さらに別の実施例では、作業機(パワーカッタ10)は、複数のバッテリパック60の代わりに、1つのバッテリパックを備えていてもよい。
【0074】
上記の実施例では、複数のバッテリパック60は、2つのバッテリパックである構成について説明した。別の実施例では、複数のバッテリパック60は、3つ以上のバッテリパックであってもよい。例えば、複数のバッテリパック60は、4つのバッテリパックであってもよい。
【0075】
上記の実施例では、回転刃12が、パワーカッタ10を右方から見た時に、右回りに回転駆動される構成について説明した。別の実施例では、回転刃12は、パワーカッタ10を右方から見た時に、左回りに回転駆動されるように構成されていてもよい。
【0076】
上記の実施例では、回転刃12が、所定の回転方向に回転駆動される構成について説明した。別の実施例では、回転刃12の回転方向をユーザが任意に選択可能であってもよく、回転刃12は、ユーザの選択した回転方向に回転駆動されるように構成されていてもよい。
【0077】
上記の実施例では、第1側壁部162と、第2側壁部164と、周壁部166には、マグネシウム合金が用いられている構成について説明した。別の実施例では、第1側壁部162と、第2側壁部164と、周壁部166には、マグネシウム合金以外の材料が用いられていてもよい。例えば、第1側壁部162と、第2側壁部164と、周壁部166には、アルミニウム合金等が用いられていてもよい。
【0078】
上記の実施例では、第1側壁部162および対向部142において、3組のストッパ(第1ストッパ部110および第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ部120および第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ部130および第3ストッパ受け部230)が設けられている構成について説明した。別の実施例では、第1側壁部162および対向部142において、4組以上のストッパが設けられていてもよい。さらに別の実施例では、第1側壁部162および対向部142において、2組のストッパのみが設けられていてもよい。この場合、第3ストッパ部130および第3ストッパ受け部230は設けられていなくてもよく、第1ストッパ部110および第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ部120および第2ストッパ受け部220のみが設けられていてもよい。
【0079】
上記の実施例では、第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130が、第1側壁部162に対して継ぎ目なく一体的に形成されている構成について説明した。別の実施例では、第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130のうち少なくとも一つは、第1側壁部162と別体に形成されていてもよい。この場合、第1側壁部162と別体に形成された第1ストッパ部110と、第2ストッパ部120と、第3ストッパ部130のうち少なくとも一つには、例えば、アルミニウム合金等、マグネシウム合金以外の材料が用いられていてもよい。
【0080】
上記の実施例では、対向部142には、マグネシウム合金が用いられている構成について説明した。別の実施例では、対向部142には、マグネシウム合金以外の材料が用いられていてもよい。例えば、対向部142には、アルミニウム合金等が用いられていてもよい。
【0081】
上記の実施例では、第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230が、対向部142に対して継ぎ目なく一体的に形成されている構成について説明した。別の実施例では、第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230のうち少なくとも一つは、対向部142と別体に形成されていてもよい。この場合、対向部142と別体に形成された第1ストッパ受け部210と、第2ストッパ受け部220と、第3ストッパ受け部230のうち少なくとも一つには、例えば、アルミニウム合金等、マグネシウム合金以外の材料が用いられていてもよい。
【0082】
上記の実施例では、第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態における、第2ストッパ面122および回動軸Aを通る直線と、第2ストッパ受け面222および回動軸Aを通る直線がなす角度θ1が、0°-2°の範囲内である構成について説明した。別の実施例では、第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態における、第2ストッパ面122および回動軸Aを通る直線と、第2ストッパ受け面222および回動軸Aを通る直線がなす角度θ1は、0°-30°の範囲内であってもよいし、0°-90°の範囲内であってもよい。
【0083】
上記の実施例では、回動軸Aの径方向において、第2当接位置p2が第1当接位置p1よりも回動軸Aの径方向内側にオフセットしており、第3当接位置p3が第1当接位置p1よりも回動軸Aの径方向内側にオフセットしているとともに、第2当接位置p2よりも回動軸Aの径方向外側にオフセットしている構成について説明した。別の実施例では、第1当接位置p1と、第2当接位置p2と、第3当接位置p3は、どのような位置関係であってもよい。例えば、回動軸Aの径方向において、第1当接位置p1は第2当接位置p2よりも回動軸Aの径方向内側にオフセットしていてもよく、第3当接位置p3は第2当接位置p2よりも回動軸Aの径方向外側にオフセットしていてもよい。
【0084】
上記の実施例では、第3ストッパ部130が第3ストッパ受け部230に当接した状態における、第1ストッパ面112および回動軸Aを通る直線と、第1当接位置p1および回動軸Aを通る直線がなす角度θ2が、65°である構成について説明した。別の実施例では、第3ストッパ部130が第3ストッパ受け部230に当接した状態における、第1ストッパ面112および回動軸Aを通る直線と、第1当接位置p1および回動軸Aを通る直線がなす角度θ2は、65°以外の角度であってもよい。
【0085】
上記の実施例とは異なり、パワーカッタ10は、開閉可能なカバーであって、複数のバッテリパック60を覆うバッテリパックカバーをさらに備えていてもよい。この場合、複数のバッテリパック60を水濡れや粉塵から保護することができる。
【0086】
上記の実施例とは異なり、パワーカッタ10は、給水コネクタ54に接続する給水タンクをさらに備えていてもよい。この場合、給水コネクタ54に外部の給水源と接続するためのホース等を取り付ける必要がなく、ユーザの操作性をさらに向上することができる。また、外部からの給水が不可能な場所であっても使用することができるため、ユーザの利便性を向上することもできる。
【0087】
(対応関係)
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、パワーカッタ10(作業機の例)は、回転刃12と、回転刃12が取り付けられた出力シャフト85と、出力シャフト85を回転駆動する電動モータ4(原動機の例)と、出力シャフト85を回転可能に支持するとともに、電動モータ4を収容するハウジング14と、ハウジング14に対して出力シャフト85の回転軸に一致する回動軸A(出力シャフトの回転軸に略一致する回動軸の例)周りに回動可能に取り付けられているブレードカバー16と、を備えている。ブレードカバー16は、回転刃12の側面の少なくとも一部を覆う第1側壁部162(側壁部の例)を備えている。ハウジング14は、第1側壁部162の右面(回転刃の側面に対向する側の面とは反対側の面の例)に対向する対向部142を備えている。第1側壁部162は、第1ストッパ部110および第2ストッパ部120を備えている。対向部142は、第1ストッパ受け部210および第2ストッパ受け部220を備えている。ブレードカバー16を第1方向(ブレードカバーの回動方向の一方の例)に回動させていくと、第1当接位置p1において、第1ストッパ部110が第2方向(回動方向の他方の例)側から第1ストッパ受け部210に当接する。第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態から、さらにブレードカバー16が第1方向に回動される場合、第2当接位置p2において、第2ストッパ部120が第2方向側から第2ストッパ受け部220に当接する。
【0088】
上記の構成によれば、第1ストッパ部110は、第1ストッパ受け部210に当接することで、ブレードカバー16の第1方向への過回動を抑制している。さらに上記の構成によれば、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げる等して、ブレードカバー16が第1方向にさらに回動される場合には、第2ストッパ部120が第2ストッパ受け部220に当接する。このため、ブレードカバー16の第1方向への過回動が二段階で抑制される。上記の構成によれば、ブレードカバー16の過回動を適切に抑制することができる。
【0089】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態において、第2ストッパ部120と回動軸Aを結ぶ直線が、第2ストッパ受け部220と回動軸Aを結ぶ直線に対してなす角度θ1は、0°-2°の範囲内である。
【0090】
第1ストッパ部110が第1ストッパ受け部210に当接した状態から第2ストッパ部120が第2ストッパ受け部220に当接する状態となるまでの間にブレードカバー16が大幅に回動されると、ブレードカバー16の過回動を適切に抑制できない可能性がある。上記の構成によれば、第2ストッパ部120と回動軸Aを結ぶ直線が第2ストッパ受け部220と回動軸Aを結ぶ直線に対してなす角度θ1は0°-2°の範囲内である。このため、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に当接した状態から、ブレードカバー16が大幅に回動されることなく、第2ストッパ部120が第2ストッパ受け部220に当接する。上記の構成によれば、ブレードカバー16の過回動をより適切に抑制することができる。
【0091】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1当接位置p1と、第2当接位置p2は、径方向において互いにオフセットしている。
【0092】
第1当接位置p1と第2当接位置p2が回動軸Aの径方向において互いにオフセットしていない場合、対向部142に設けられる第1ストッパ受け部210と第2ストッパ受け部220は、回動軸Aの周方向において、少なくとも部分的に重なって配置されることになる。上記の構成によれば、第1ストッパ受け部210と第2ストッパ受け部220を、回動軸Aの周方向において重なることなく配置することができる。このため、第1ストッパ受け部210と第2ストッパ受け部220が設けられる対向部142を、回動軸Aの周方向において小型化できる。
【0093】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1当接位置p1は、第2当接位置p2よりも径方向外側にオフセットしている。
【0094】
一般的に、ブレードカバー16は回動軸A近傍においてハウジング14に取り付けられる。この場合、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げた際、対向部142と第1側壁部162は、回動軸Aから離れるにつれて互いに離間してしまう。この際、第2ストッパ部120と第2ストッパ受け部220が大幅に離間すると、第2ストッパ部120と第2ストッパ受け部220が当接せず、ブレードカバー16の過回動が抑制されない可能性がある。上記の構成によれば、第2当接位置p2が第1当接位置p1よりも径方向内側にオフセットしているため、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げた際に、第2ストッパ部120と第2ストッパ受け部220が大幅に離間することが抑制される。このため、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げた際に、第2ストッパ部120と第2ストッパ受け部220をより確実に当接させることができる。上記の構成によれば、ブレードカバー16の過回動をより確実に抑制することができる。
【0095】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1側壁部162は、第3ストッパ部130をさらに備えている。対向部142は、第3ストッパ受け部230をさらに備えている。ブレードカバー16を回動方向の他方に回動させていくと、第3当接位置p3において、第3ストッパ部130が第1方向側から第3ストッパ受け部230に当接する。
【0096】
上記の構成によれば、第3ストッパ部130は、第3ストッパ受け部230に当接することで、ブレードカバー16の第2方向への過回動を抑制している。上記の構成によれば、ブレードカバー16の第1方向への過回動だけでなく、ブレードカバー16の第2方向への過回動も抑制することができる。
【0097】
1つまたはそれ以上の実施形態において、出力シャフト85は、パワーカッタ10を右方から見た時に、右回り(回転軸に対して所定の回転方向の例)に回転駆動される。第1方向は、出力シャフト85の回転方向の順方向に相当する。第2方向は、出力シャフト85の回転方向の逆方向に相当する。
【0098】
例えば、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げる程のトルクがブレードカバー16に発生する状況としては、回転刃12とブレードカバー16の間に侵入した異物等を介して回転刃12のトルクがブレードカバー16に伝達される状況が想定される。この場合、ブレードカバー16には、ブレードカバー16を回転刃12の回転方向の順方向に相当する第1方向へ回動させる向きのトルクが発生する。上記の構成によれば、第1ストッパ部110および第2ストッパ部120によって、回転刃12の回転方向の順方向に相当する第1方向へのブレードカバー16の過回動を二段階で抑制することができる。上記の構成によれば、回転刃12のトルクがブレードカバー16に伝達される場合において、ブレードカバー16の過回動をより適切に抑制できる。
【0099】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130のうち少なくとも一つは、第1側壁部162と一体に形成されている。
【0100】
パワーカッタ10の製造工程では、ブレードカバー16の部品点数を削減したい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130のそれぞれを第1側壁部162に対して別個に取り付ける場合に比べて、ブレードカバー16の部品点数を削減することができる。
【0101】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130のうち少なくとも一つは、第1側壁部162と別体に形成されている。
【0102】
通常、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130のそれぞれを第1側壁部162と一体的に形成する場合、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130については、第1側壁部162に用いる材料と同一の材料が用いられる。ここで、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130については、第1側壁部162に用いる材料とは異なる材料を用いたい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ部110、第2ストッパ部120、および第3ストッパ部130のうち少なくとも一つについては、第1側壁部162に用いる材料とは異なる材料を用いて形成することができる。
【0103】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230のうち少なくとも一つは、対向部142と一体に形成されている。
【0104】
パワーカッタ10の製造工程では、ハウジング14の部品点数を削減したい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230のそれぞれを対向部142に対して別個に取り付ける場合に比べて、ハウジング14の部品点数を削減することができる。
【0105】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230のうち少なくとも一つは、対向部142と別体に形成されている。
【0106】
通常、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230のそれぞれを対向部142と一体的に形成する場合、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230については、対向部142に用いる材料と同一の材料が用いられる。ここで、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230については、対向部142に用いる材料とは異なる材料を用いたい場合がある。上記の構成によれば、第1ストッパ受け部210、第2ストッパ受け部220、および第3ストッパ受け部230のうち少なくとも一つについては、対向部142に用いる材料とは異なる材料を用いて形成することができる。
【0107】
1つまたはそれ以上の実施形態において、パワーカッタ10は、出力シャフト85に固定された出力プーリ84と、ハウジング14に回転可能に支持された入力シャフト81と、入力シャフト81に固定された入力プーリ82と、入力プーリ82と出力プーリ84の間に架け渡された伝動ベルト83と、をさらに備えている。電動モータ4は、入力シャフト81を回転駆動することによって出力シャフト85を回転駆動している。
【0108】
作業機の中でも比較的大きいトルクで回転刃12を回転駆動するパワーカッタ10では、第1ストッパ受け部210が第1ストッパ部110に乗り上げる程のトルクがブレードカバー16に発生する可能性が比較的高い。上記の構成によれば、パワーカッタ10において、ブレードカバー16の過回動を適切に抑制することができる。
【符号の説明】
【0109】
4 :電動モータ
6 :制御基板
8 :動力伝達部
10 :パワーカッタ
12 :回転刃
14 :ハウジング
14a :ハウジング本体
14b :ブレードアーム
16 :ブレードカバー
18 :前方ハンドル
20 :後方ハンドル
24 :バッテリインタフェース
30 :メインスイッチ
32 :ロックオフスイッチ
34 :操作ボタン
50 :給水ホース
52 :プラグ
54 :給水コネクタ
60 :バッテリパック
70 :ガイドローラ
72 :車輪
81 :入力シャフト
82 :入力プーリ
83 :伝動ベルト
84 :出力プーリ
85 :出力シャフト
110 :第1ストッパ部
112 :第1ストッパ面
114 :第1リブ
120 :第2ストッパ部
122 :第2ストッパ面
124 :第2リブ
130 :第3ストッパ部
132 :第3ストッパ面
134 :第3リブ
142 :対向部
144 :長手リブ
160 :グリップ
162 :第1側壁部
164 :第2側壁部
166 :周壁部
210 :第1ストッパ受け部
220 :第2ストッパ受け部
222 :第2ストッパ受け面
230 :第3ストッパ受け部
A :回動軸
H :載置面
P :基準面
S1 :所定範囲
p1 :第1当接位置
p2 :第2当接位置
p3 :第3当接位置
図1
図2
図3
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図9