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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101266
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】網戸用薬剤揮散具
(51)【国際特許分類】
   A01M 1/20 20060101AFI20230712BHJP
   E06B 9/52 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
A01M1/20 D
E06B9/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001797
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000112853
【氏名又は名称】フマキラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 峻典
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121CA02
2B121CA15
2B121CA16
2B121CA20
2B121CA31
2B121CA42
2B121CA44
2B121CA81
2B121CC02
2B121EA22
(57)【要約】
【課題】網戸用薬剤揮散具のバタつきを抑制する。
【解決手段】網戸用薬剤揮散具1は、薬剤保持体2と、薬剤保持体2を収容する容器10とを備えている。容器10における網戸100に面する側は、面ファスナ固定面35と、面ファスナ固定面35の周囲に形成され網戸に接する周囲部30bとを有している。面ファスナ固定面35は、周囲部30bよりも網戸100から離れる方向に所定寸法だけオフセットしている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに係合する一方側及び他方側のファスナ構成部材を有する面ファスナによって網戸に取り付けられる網戸用薬剤揮散具において、
揮発性を有する薬剤を保持した薬剤保持体と、
前記薬剤保持体を収容する容器とを備え、
前記容器における前記網戸に面する側は、前記一方側のファスナ構成部材が固定される面ファスナ固定面と、前記面ファスナ固定面の周囲に形成され、前記網戸に接する周囲部とを有し、
前記面ファスナ固定面は、前記周囲部よりも前記網戸から離れる方向に所定寸法だけオフセットしている網戸用薬剤揮散具。
【請求項2】
請求項1に記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記所定寸法は、前記一方側のファスナ構成部材の厚みよりも長く設定されている網戸用薬剤揮散具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記面ファスナ固定面は、平面で構成され、
前記周囲部は、前記面ファスナ固定面と平行な方向に延びるように形成されている網戸用薬剤揮散具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記容器は、前記網戸に沿って上下方向に延びるように形成されており、
前記面ファスナ固定面は、前記容器の上下方向中間部に位置し、
前記周囲部は、前記面ファスナ固定面から上方及び下方にそれぞれ離れて設けられている網戸用薬剤揮散具。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記容器は、前記網戸に沿って左右方向に延びるように形成されており、
前記面ファスナ固定面は、前記容器の左右方向中間部に位置し、
前記周囲部は、前記面ファスナ固定面から左右両方向にそれぞれ離れて設けられている網戸用薬剤揮散具。
【請求項6】
請求項4または5に記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記容器における前記面ファスナ固定面と前記周囲部との間には、通気口が形成されている網戸用薬剤揮散具。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記容器の外周部には、前記網戸へ接近する方向へ延びる周壁部が形成され、
前記周囲部は、前記周壁部の端部から前記網戸に沿う方向に延出する延出板部で構成されている網戸用薬剤揮散具。
【請求項8】
請求項7に記載の網戸用薬剤揮散具において、
前記面ファスナ固定面と前記延出板部との間には、前記網戸に接触する部分を有さない網戸用薬剤揮散具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、網戸に取り付けられる網戸用薬剤揮散具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1、2等に開示されているように、住宅等の網戸に取り付けられる薬剤揮散具が知られている。この種の薬剤揮散具は、害虫忌避剤等の薬剤を含浸させた含浸体と、含浸体を収容する容器とを備えている。容器には、空気を流通させるための複数の開口が形成されるとともに、当該容器を網戸に固定するための面ファスナが取り付けられている。この薬剤蒸散具を網戸に取り付けると、風が吹いたときに含浸体に含浸されている薬剤が周囲に拡散するので、例えば窓の近傍に害虫が近寄るのを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】意匠登録第1449797号公報
【特許文献2】意匠登録第1585758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような網戸用薬剤揮散具を面ファスナによって網戸に取り付ける際、薬剤揮散具に固定された片方の面ファスナと、当該面ファスナに係合する他方の面ファスナと、によって網戸を挟みこむことにより、面ファスナ同士を係合させる。これにより、薬剤揮散具を網戸に固定することができる。
【0005】
ところで、面ファスナ自体にも厚みがあるので、上述のようにして薬剤揮散具を網戸に取り付けた場合、薬剤揮散具の容器の周縁部が面ファスナの厚み分だけ網戸から浮き、容器の周縁部と網戸との間に隙間が生じることがある。このような隙間が生じた状態で強い風が吹くと、薬剤揮散具が風であおられ、バタついてしまうことが、本願発明者らの検討によって明らかになった。
【0006】
このようなバタつきが繰り返されると、面ファスナが網戸から外れて薬剤揮散具の落下につながる可能性がある。
【0007】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、網戸用薬剤揮散具のバタつきを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様では、互いに係合する一方側及び他方側のファスナ構成部材を有する面ファスナによって網戸に取り付けられる網戸用薬剤揮散具を前提とする。網戸用薬剤揮散具は、揮発性を有する薬剤を保持した薬剤保持体と、前記薬剤保持体を収容する容器とを備えている。前記容器における前記網戸に面する側は、前記一方側のファスナ構成部材が固定される面ファスナ固定面と、前記面ファスナ固定面の周囲に形成され、前記網戸に接する周囲部とを有している。前記面ファスナ固定面は、前記周囲部よりも前記網戸から離れる方向に所定寸法だけオフセットしている。
【0009】
この構成によれば、一方側のファスナ構成部材が固定される面ファスナ固定面が容器の周囲部よりも網戸から離れる方向にオフセットしているので、網戸用薬剤揮散具を網戸に取り付けた状態では、周囲部と網戸と隙間が小さくなり、網戸用薬剤揮散具のバタつきが抑制される。
【0010】
本開示の第2の態様では、前記所定寸法を前記一方側のファスナ構成部材の厚みよりも長く設定することができる。
【0011】
この構成によれば、一方側及び他方側のファスナ構成部材互いに係合させて両ファスナ構成部材で網戸を挟み込んだ時に、周囲部が網戸に押し付けられる。これにより、周囲部が網戸に確実に接触してバタつきの抑制効果がより一層高まる。
【0012】
本開示の第3の態様では、前記面ファスナ固定面は、平面で構成することができ、また、前記周囲部は、前記面ファスナ固定面と平行な方向に延びるように形成することができる。
【0013】
この構成によれば、網戸用薬剤揮散具を網戸に取り付けた状態で周囲部の広い範囲が網戸に押し付けられるので、網戸用薬剤揮散具が安定する。
【0014】
本開示の第4の態様に係る容器は、前記網戸に沿って上下方向に延びるように形成されており、前記面ファスナ固定面は、前記容器の上下方向中間部に位置し、前記周囲部は、前記面ファスナ固定面から上方及び下方にそれぞれ離れて設けられている。
【0015】
この構成によれば、周囲部が面ファスナ固定面から上下両方向に離れているので、網戸用薬剤揮散具がより一層安定する。
【0016】
本開示の第5の態様に係る容器は、前記網戸に沿って左右方向に延びるように形成されており、前記面ファスナ固定面は、前記容器の左右方向中間部に位置し、前記周囲部は、前記面ファスナ固定面から左右両方向にそれぞれ離れて設けられている。
【0017】
この構成によれば、周囲部が面ファスナ固定面から左右両方向に離れているので、網戸用薬剤揮散具がより一層安定する。
【0018】
本開示の第6の態様では、前記容器における前記面ファスナ固定面と前記周囲部との間に通気口が形成されている。この構成によれば、面ファスナ固定面と周囲部との間の部分を利用して開口面積の広い通気口を得ることができ、薬剤保持体に保持した薬剤の揮散効率を高めることができる。
【0019】
本開示の第7の態様では、前記容器の外周部には、前記網戸へ接近する方向へ延びる周壁部が形成され、前記周囲部は、前記周壁部の端部から前記網戸に沿う方向に延出する延出板部で構成されている。
【0020】
この構成によれば、容器の外周部に周壁部と延出板部とが形成されていることで、容器の剛性を高めることができる。また、延出板部は特に変形し難い部分となり、この変形し難い部分が周囲部となって網戸に押し当てられるので、容器のバタつきの抑制効果がより一層高まる。
【0021】
本開示の第8の態様では、前記面ファスナ固定面と前記延出板部との間には、前記網戸に接触する部分を有していない。
【0022】
この構成によれば、面ファスナ固定面と延出板部の間の網戸に余計なテンションがかからないので、面ファスナの係合が解除されにくくなる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、面ファスナ固定面が容器の周囲部よりも網戸から離れる方向にオフセットしているので、周囲部と網戸と隙間が小さくなり、よって、網戸用薬剤揮散具のバタつきが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示に係る網戸用薬剤揮散具を網戸に取り付けた状態を表側から見た斜視図である。
図2】網戸用薬剤揮散具を網戸に取り付ける前の状態を裏側から見た斜視図である。
図3】網戸用薬剤揮散具を表側から見た図である。
図4】網戸用薬剤揮散具を裏側から見た図である。
図5図3におけるA-A線断面図である。
図6図3におけるA-A線端面図である。
図7図3におけるB-B線断面図である。
図8】網戸用薬剤揮散具の分解斜視図である。
図9】網戸に取り付ける前の当該網戸と網戸用薬剤揮散具との位置関係を示すB-B線相当断面図である。
図10】網戸に取り付けられた状態を示すB-B線相当断面図である。
図11A】右側から風が吹いた場合を示すA-A線端面図である。
図11B】左側から風が吹いた場合を示すA-A線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係る網戸用薬剤揮散具1を網戸100に取り付けた状態を表側から見た斜視図である。この図では、網戸100の網部分の一部のみ示しているが、網戸100は、例えば住宅や事務所、店舗、作業場等に設けられている窓枠に取り付けられている。網戸100は固定式であってもよいし、開閉式であってもよい。この実施形態では、網戸100の上下方向、左右方向及び表裏方向を各図に示すように定義するが、これは説明の便宜を図るためのものである。網戸100の左右方向は、網戸100に向かった時の左右方向と同じであり、例えば引き戸式の網戸100の場合、開閉方向と左右方向とが対応する関係になる。網戸用薬剤揮散具1の左右方向は、網戸100の左右方向と対応しており、網戸用薬剤揮散具1の上下方向は、網戸100の上下方向と対応している。
【0027】
図示しないが、一般的な網戸100は、窓枠等に取り付けられる枠と、枠に張られた網とを備えている。網は、図示するように例えば上下方向に延びる多数の縦糸と、左右方向に延びる多数の横糸とを編んで構成されているが、糸の延びる方向は斜めであってもよい。また、糸の太さや、隣合う糸の間隔は任意に設定することができ、図視する網戸100は一例に過ぎない。
【0028】
網戸用薬剤揮散具1は、図2に示す面ファスナ40によって網戸100に取り付けられて使用される器具であり、揮発性を有する薬剤を保持した薬剤保持体2と、薬剤保持体2を収容する容器10とを備えている。薬剤保持体2は、上下方向及び左右方向に延びる板状をなしており、空気が表裏方向に通過する通気性を有している。薬剤保持体2には、表裏方向に貫通する多数の孔2aが形成されている。薬剤保持体2は、例えば織布等で構成されており、各種薬剤を保持させることができるようになっている。薬剤としては、例えば害虫忌避剤、殺虫剤、芳香剤、除菌剤、消臭剤等を挙げることができ、これらのうちの任意の1つを単独で薬剤保持体2に保持させてもよいし、任意の2つ以上を混合した薬剤を薬剤保持体2に保持させてもよい。薬剤保持体2に薬剤を保持させる際には、薬剤を薬剤保持体2に塗布、散布等することによって保持させてもよい。また、薬剤保持体2が合成繊維による織布である場合は、当該合成繊維に薬剤を練り込むことによって保持させてもよい。また、薬剤保持体2は、樹脂成形体で構成されていてもよい。この場合、薬剤含浸体を構成する樹脂に薬剤を練り込むことによって薬剤を保持させることができる。また、薬剤保持体2は、例えば不織布、網、マット、スポンジ等であってもよい。不織布や織布、網の場合、繊維の間を空気が通過するようになっている。
【0029】
図3図7等に示すように、容器10は、網戸100に沿って延びる扁平な板状をなしており、網戸100に取り付けた状態で当該網戸100から表裏方向に大きく突出しないような形状となっている。この実施形態では、網戸100の屋外側に網戸用薬剤揮散具1を取り付ける場合について説明する。本実施形態の容器10は後述のように、その表側に風受け板部27、28を有しているので、当該風受け板部27、28を屋外側に向けて網戸用薬剤揮散具1を取り付けることにより、屋外で吹く風を取り入れて効率よく薬剤を拡散させることができるためである。ただし、網戸用薬剤揮散具1は、網戸100の屋内側に取り付けて使用することもできる。
【0030】
容器10は、樹脂シートを成形して構成された表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30を有している。樹脂シートは、硬質樹脂製であり、その硬質樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン等を挙げることができる。樹脂シートを図示しない成形機によって真空成形、圧空成形することにより、表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30を得ることができる。真空成形法や圧空成形法は従来から周知の方法を用いることができる。また、表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30を得る際には、不要な部分をトリミングする。
【0031】
なお、網戸用薬剤揮散具1は、網戸100に取り付けるために薄型かつ軽量であることが要求されるため、上記のように樹脂シートの成形により構成されることが好ましいが、これに限らず、例えば樹脂の射出成形等の他の方法で成形しても良い。また、表側容器構成部材20と裏側容器構成部材30をそれぞれ異なる成形方法で成形しても良い。
【0032】
図5図7等に示すように、薬剤保持体2は、表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30によって表裏方向に挟まれた状態で容器10の内部で保持される。薬剤保持体2の形状は、例えば矩形状にすることができるが、これに限られるものではなく、容器10の内部に収容可能で、かつ、容器10の形状に対応した板状であればよい。
【0033】
容器10は、表裏方向から見て、矩形または矩形に近似可能な形状とされている。この場合、矩形とは、正方形であってもよいし、上下方向に長い長方形、左右方向に長い長方形、ひし形、台形等のいずれであってもよい。また、容器10の形状は、矩形または矩形に近似可能な形状以外の形状であってもよく、例えば三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等であってもよい。
【0034】
表側容器構成部材20は容器10の表側を構成する部材であり、また、裏側容器構成部材30は容器10の裏側を構成する部材である。表側容器構成部材20と裏側容器構成部材30を組み合わせることで、容器10が構成される。表側容器構成部材20と裏側容器構成部材30は、例えば嵌合構造によって一体化してもよいし、係合爪を相手側の部材に係合させることによって一体化してもよいし、接着や溶着等によって一体化してもよい。
【0035】
なお、表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30は、一体成形されていても良い。例えば、表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30が接続された状態の部材を、1枚の樹脂シートから成形した後、表側容器構成部材20と裏側容器構成部材30の間の接続箇所を180度折り曲げることによって容器10を構成できる。
【0036】
表側容器構成部材20の外形状と、裏側容器構成部材30の外形状とは略同じである。容器10を表側から見たときには、裏側容器構成部材30の大部分が見えなくなり、また、容器10を裏側から見たときには、表側容器構成部材20の大部分が見えなくなる。尚、表側容器構成部材20及び裏側容器構成部材30の外形状を同じにすることなく、一方を他方よりも大きく形成してもよい。
【0037】
(表側容器構成部材について)
図1及び図3に示すように、表側容器構成部材20の左右方向中央部よりも左側には、左側通気口(第1通気口)21が形成されている。表側容器構成部材20の左右方向中央部よりも右側には、右側通気口(第2通気口)22が形成されている。左側通気口21及び右側通気口22を形成する際には、樹脂シートをトリミング装置等でトリミングする。後述する他の通気口も同様に形成できる。
【0038】
左側通気口21及び右側通気口22は、互いに左右方向に間隔をあけて配置されており、共に上下方向に長く形成されている。左側通気口21の上下方向に延びる縁部は左縁部と右縁部であり、また、右側通気口22の上下方向に延びる縁部は左縁部と右縁部である。左側通気口21の左縁部は、表側容器構成部材20の左端部近傍に位置している。右側通気口22の右縁部は、表側容器構成部材20の右端部近傍に位置している。
【0039】
左側通気口21の右縁部は、上下方向中間部が最も右に位置し、上端部へ行くほど及び下端部へ行くほど左に位置するように形成されている。右側通気口22の左縁部は、上下方向中間部が最も左に位置し、上端部へ行くほど及び下端部へ行くほど右に位置するように形成されている。左側通気口21の上下方向中間部と、右側通気口22の上下方向中間部との間に、上下方向及び左右方向に延びる板部25が形成されている。この板部25には通気口が形成されていない。なおこの板部25は、裏側容器構成部材30の面ファスナ固定面35(後述)に対応して設けられている。
【0040】
表側容器構成部材20の板部25よりも上側には、左側通気口21と右側通気口22との間に上側通気口(第3通気口)23が形成されている。表側容器構成部材20の板部25よりも下側には、左側通気口21と右側通気口22との間に下側通気口(第3通気口)24が形成されている。上側通気口23及び下側通気口24は、互いに上下方向に間隔をあけて配置されており、上側通気口23と下側通気口24との間に板部25が形成されている。上側通気口23及び下側通気口24は、共に左右方向に長く形成されている。上側通気口23の上縁部は、表側容器構成部材20の上端部近傍に位置している。下側通気口24の下縁部は、表側容器構成部材20の下端部近傍に位置している。
【0041】
上側通気口23の下縁部は、左右方向中間部が最も下に位置し、左端部へ行くほど及び右端部へ行くほど上に位置するように形成されている。下側通気口24の上縁部は、上下方向中間部が最も上に位置し、左端部へ行くほど及び右端部へ行くほど下に位置するように形成されている。また、表側容器構成部材20の板部25の周囲には、4つの小径開口部26が形成されている。
【0042】
表側容器構成部材20は、左側通気口21の右縁部から表側(容器10の厚み方向外側)に向けて突出する左側風受け板部(第1風受け板部)27と、右側通気口22の左縁部から表側(容器10の厚み方向外側)に向けて突出する右側風受け板部(第2風受け板部)28とを有している。
【0043】
左側風受け板部27は、左側通気口21の右縁部に沿って上下方向に長く形成されており、左側風受け板部27の上端部は、表側容器構成部材20の上端部近傍に位置し、左側風受け板部27の下端部は、表側容器構成部材20の下端部近傍に位置している。このように構成されているので、左側風受け板部27は、表側容器構成部材20の左上縁部近傍と、板部25の左上縁部とを接続する接続部を兼ねている。また、左側風受け板部27は、表側容器構成部材20の左下縁部近傍と、板部25の左下縁部とを接続する接続部を兼ねている。
【0044】
図5及び図6に示すように、左側風受け板部27は、突出方向先端部に近づくほど左に位置するように傾斜ないし湾曲形成されており、薬剤保持体2の表面と向かい合うように位置付けられている。左側風受け板部27と薬剤保持体2の表面との距離は、左側風受け板部27の突出方向先端部に近づくほど長くなっている。
【0045】
左側風受け板部27の突出方向先端部は、薬剤保持体2の表面に対して略平行となるように曲げられた第1曲げ部27aを有している。すなわち、左側風受け板部27の突出方向先端部は、左へ向けて曲げられるとともに上下方向に延び、薬剤保持体2の表面と正対するように配置される第1曲げ部27aを有している。第1曲げ部27aが左側へ折り曲げられることにより、左側風受け板部27における第1曲げ部27a以外の部分(本体部分)と、第1曲げ部27aとが区別可能になる。左側風受け板部27の本体部分は、薬剤保持体2の表面に対して所定の傾斜角度を持って傾斜している。第1曲げ部27aは板部25とは反対側に折り曲げられることになる。
【0046】
図1に示すように、左側風受け板部27には、第1貫通孔27bが形成されている。この実施形態では、3つの第1貫通孔27bが形成されているが、これに限らず、第1貫通孔27bの数は1つであってもよいし、2つであってもよく、また4つ以上であってもよい。3つの第1貫通孔27bは上下方向に互いに間隔をあけて形成されており、左側風受け板部27の上側部分と、上下方向中間部と、下側部分とにそれぞれ第1貫通孔27bが形成されている。第1貫通孔27bは、上下方向に長い形状を有しているが、これに限らず、正方形、円形等の形状であってもよい。
【0047】
右側風受け板部28は、右側通気口22の左縁部に沿って上下方向に長く形成されており、右側風受け板部28の上端部は、表側容器構成部材20の上端部近傍に位置し、右側風受け板部28の下端部は、表側容器構成部材20の下端部近傍に位置している。このように構成されているので、右側風受け板部28は、表側容器構成部材20の右上縁部近傍と、板部25の右上縁部とを接続する接続部を兼ねている。また、右側風受け板部28は、表側容器構成部材20の右下縁部近傍と、板部25の右下縁部とを接続する接続部を兼ねている。
【0048】
図5及び図6に示すように、右側風受け板部28は、突出方向先端部に近づくほど右に位置するように傾斜ないし湾曲形成されており、薬剤保持体2の表面と向かい合うように位置付けられている。右側風受け板部28と薬剤保持体2の表面との距離は、右側風受け板部28の突出方向先端部に近づくほど長くなっている。
【0049】
図5及び図6に示すように、右側風受け板部28の突出方向先端部は、薬剤保持体2の表面に対して略平行となるように曲げられた第2曲げ部28aを有している。すなわち、右側風受け板部28の突出方向先端部は、右へ向けて曲げられるとともに上下方向に延び、薬剤保持体2の表面と正対するように配置される第2曲げ部28aを有している。第2曲げ部28aが右側へ折り曲げられることにより、右側風受け板部28における第2曲げ部28a以外の部分(本体部分)と、第2曲げ部28aとが区別可能になる。右側風受け板部28の本体部分は、薬剤保持体2の表面に対して所定の傾斜角度を持って傾斜しており、右側風受け板部28の本体部分の傾斜方向は、左側風受け板部27の本体部分の傾斜方向と反対方向になっている。また、第2曲げ部28aは板部25とは反対側に折り曲げられることになる。
【0050】
図3に示すように、右側風受け板部28には、第2貫通孔28bが形成されている。この実施形態では、3つの第2貫通孔28bが形成されているが、これに限らず、第2貫通孔28bの数は1つであってもよいし、2つであってもよく、また4つ以上であってもよい。3つの第2貫通孔28bは上下方向に互いに間隔をあけて形成されており、右側風受け板部28の上側部分と、上下方向中間部と、下側部分とにそれぞれ第2貫通孔28bが形成されている。第2貫通孔28bは、上下方向に長い形状を有しているが、これに限らず、正方形、円形等の形状であってもよい。第1貫通孔27bと、第2貫通孔28bとは同じ形状、同じ数であってもよいし、互いに異なる形状、異なる数であってもよい。
【0051】
図5及び図6に示すように、表側容器構成部材20の外周部には、網戸100へ接近する方向(裏側)へ向けて延びる表側周壁部20aが形成されている。表側周壁部20aは、表側容器構成部材20の周方向に連続している。表側周壁部20aの端部には、網戸100に沿う方向に延出する表側延出板部20bが連なっている。
【0052】
(風受け板部の作用効果)
本実施形態に係る網戸用薬剤揮散具1は、左側風受け板部27及び右側風受け板部28がそれぞれ第1曲げ部27a及び第2曲げ部28aを有しているので、表側容器構成部材20の剛性が高まり、ひいては容器10の剛性も高まる。
【0053】
また、容器10の表側には、当該容器10の外側に突出する左側風受け板部27及び右側風受け板部28が設けられているので、風を容器10の表側から当該容器10の内部に取り入れることができる。このとき、左側風受け板部27及び右側風受け板部28がそれぞれ第1曲げ部27a及び第2曲げ部28aを有しているので、第1曲げ部27aが向いた方向からの風、及び第2曲げ部28aが向いた方向からの風が容器10の内部に入り易くなる。よって、風受け板部27、28が容器10の厚み方向へ大きく突出していなくても、風を容器10の内部へ効率よく取り込んで薬剤保持体2に当てることが可能になる。
【0054】
また、左側風受け板部27及び右側風受け板部28が上下方向に長い形状となっているので、左側方または右側方から吹く風を容器10の内部へ多く取り込むことができ、薬剤保持体2に当たる風量を増加させることができる。また、第1曲げ部27aと第2曲げ部とを互いに反対に向けておけば、左右どちらの方向から風が吹いても、風を受け止めて薬剤保持体2に導くことができる。
【0055】
また、図11Aに示すように、左側風受け板部27に貫通孔27bを設けているので、例えば右から風が吹いた場合に左側風受け板部27によって風が完全に遮られることが無くなる。また、図11Bに示すように、右側風受け板部28に貫通孔28bを設けているので、例えば左から風が吹いた場合に右側風受け板部28によって風が完全に遮られることが無くなる。従って、どのような風向きであっても効率よく薬剤を拡散させることができる。
【0056】
(裏側容器構成部材について)
裏側容器構成部材30の左右方向中央部よりも左側には、左側通気口31が形成されている。裏側容器構成部材30の左右方向中央部よりも右側には、右側通気口32が形成されている。左側通気口31及び右側通気口32は、互いに左右方向に間隔をあけて配置されており、共に上下方向に長く形成されている。裏側容器構成部材30の左側通気口31と、表側容器構成部材20の左側通気口21とは、表裏方向に重複している。また、裏側容器構成部材30の右側通気口32と、表側容器構成部材20の右側通気口22とは、表裏方向に重複している。
【0057】
裏側容器構成部材30の左側通気口31の右縁部は、上下方向中間部が最も右に位置し、上端部へ行くほど及び下端部へ行くほど左に位置するように形成されている。裏側容器構成部材30の右側通気口32の左縁部は、上下方向中間部が最も左に位置し、上端部へ行くほど及び下端部へ行くほど右に位置するように形成されている。裏側容器構成部材30の左側通気口31の上下方向中間部と、右側通気口32の上下方向中間部との間に、上下方向及び左右方向に延びる平面で構成された面ファスナ固定面35が形成されている。
【0058】
面ファスナ固定面35は、容器10の上下方向中間部に位置するとともに、容器10の左右方向中間部に位置している。面ファスナ固定面35には通気口が形成されていない。裏側容器構成部材30は容器10における網戸100に面する側に位置することになるので、面ファスナ固定面35は、容器10における網戸100に面する側に形成されることになる。裏側容器構成部材30の面ファスナ固定面35と、表側容器構成部材20の板部25とは、表裏方向に重複している。
【0059】
図2図9に示すように、面ファスナ40は、互いに係合する一方側ファスナ構成部材41及び他方側のファスナ構成部材42を有している。一方側ファスナ構成部材41及び他方側のファスナ構成部材42の一方が多数のループを有するループ側であり、他方がループに係合する多数のフックを有するフック側である。尚、一方側ファスナ構成部材41にループとフックの両方が設けられていて、他方側のファスナ構成部材42にもループとフックの両方が設けられていてもよい。フックやループの形状は任意に設定することができる。
【0060】
一方側ファスナ構成部材41及び他方側ファスナ構成部材42は同じ矩形状に形成されており、面ファスナ固定面35よりも小さくなっている。一方側ファスナ構成部材41が面ファスナ固定面35に固定されている。例えば両面粘着テープや接着剤等を使用して一方側ファスナ構成部材41を面ファスナ固定面35に固定することができる。面ファスナ固定面35と、一方側ファスナ構成部材41とは同じ大きさであってもよい。
【0061】
裏側容器構成部材30の面ファスナ固定面35よりも上側には、左側通気口31と右側通気口32との間に上側通気口33が形成されている。裏側容器構成部材30の面ファスナ固定面35よりも下側には、左側通気口31と右側通気口32との間に下側通気口34が形成されている。上側通気口33及び下側通気口34は、互いに上下方向に間隔をあけて配置されており、上側通気口33と下側通気口34との間に面ファスナ固定面35が形成されている。上側通気口33及び下側通気口34は、共に左右方向に長く形成されている。上側通気口33の上縁部は、裏側容器構成部材30の上端部近傍に位置している。下側通気口34の下縁部は、裏側容器構成部材30の下端部近傍に位置している。裏側容器構成部材30の上側通気口33と、表側容器構成部材20の上側通気口23とは、表裏方向に重複している。また、裏側容器構成部材30の下側通気口34と、表側容器構成部材20の下側通気口24とは、表裏方向に重複している。
【0062】
裏側容器構成部材30の上側通気口33の下縁部は、左右方向中間部が最も下に位置し、左端部へ行くほど及び右端部へ行くほど上に位置するように形成されている。下側通気口34の上縁部は、上下方向中間部が最も上に位置し、左端部へ行くほど及び右端部へ行くほど下に位置するように形成されている。
【0063】
裏側容器構成部材30の外周部には、網戸100へ接近する方向へ向けて延びる裏側周壁部30aが形成されている。裏側周壁部30aは、裏側容器構成部材30の周方向に連続している。裏側周壁部30aは、表側周壁部20aの内側に重なるように配置されている。裏側周壁部30aの端部には、網戸100に沿う方向に延出する裏側延出板部30bが連なっている。裏側延出板部30bは、表側延出板部20bの裏側に重なるように配置されている。
【0064】
裏側延出板部30bは、面ファスナ固定面35の周囲に形成されており、網戸100に接する部分(周囲部)である。この実施形態では、裏側延出板部30bが裏側容器構成部材30の周方向に連続する環状をなしており、左辺部30c、右辺部30d、上辺部30e及び下辺部30fを有している。左辺部30c及び右辺部30dは面ファスナ固定面35から左側方及び右側方にそれぞれ離れて設けられている。上辺部30e及び下辺部30fは面ファスナ固定面35から上方及び下方にそれぞれ離れて設けられている。
【0065】
左辺部30c及び右辺部30dは上下方向に延びている。上辺部30e及び下辺部30fは左右方向に延びている。左辺部30c及び右辺部30dの上端部は、それぞれ、上辺部30eの左端部及び右端部と連なっている。また、左辺部30c及び右辺部30dの下端部は、それぞれ、下辺部30fの左端部及び右端部と連なっている。
【0066】
裏側延出板部30bは、面ファスナ固定面35と平行な方向に延びるように形成されている。また、容器10における面ファスナ固定面35と裏側延出板部30bとの間には、左側通気口31、右側通気口32、上側通気口33及び下側通気口34が形成されている。これにより、面ファスナ固定面35と裏側延出板部30bとの間の領域を利用して表裏方向に空気を通過させることができる。
【0067】
図9に示すように、面ファスナ固定面35は、裏側延出板部30bよりも網戸100から離れる方向に所定寸法Cだけオフセットしている。Cは正の値である。すなわち、図9は非取付状態を示しており、この非取付状態で、面ファスナ固定面35を通る第1仮想平面200と、裏側延出板部30bの裏面を通る第2仮想平面201とを想定した時、第1仮想平面200と第2仮想平面201との距離が上記所定寸法Cとなるように、面ファスナ固定面35の裏側延出板部30bに対する表裏方向の位置が設定されている。また、言い換えると、上記所定寸法Cとなるように、裏側延出板部30bの面ファスナ固定面35に対する表裏方向の位置が設定されている。
【0068】
所定寸法Cは、一方側ファスナ構成部材41の厚みよりも長く設定されている。具体的には、0.3mm以上、または1.0mm以上に設定されている。これにより、図10に示すように、網戸100に取り付けた状態で、裏側延出板部30bを網戸100に確実に接触させることができる。所定寸法Cが0.3mm未満であると、成形誤差等を考慮した際に、裏側延出板部30bを網戸100に確実に接触させることができなくなるおそれがあるが、0.3mm以上とすることで、成形誤差等が生じていたとしても、裏側延出板部30bを網戸100に確実に接触させることができる。また、所定寸法Cを1.0mm以上とすることで、成形誤差等が生じていたとしても、裏側延出板部30bを網戸100に押し付けることができる。
【0069】
所定寸法Cの上限は、15mm以下であり、また10mm以下とすることができる。所定寸法Cが15mmを超えると、裏側延出板部30bを網戸100に強く押し付ける必要が生じ、その反力によって面ファスナ40の係合が解除されるおそれがある。また、面ファスナ40の係合力によっては、所定寸法Cが10mmを超えた場合で面ファスナ40の係合が解除されることが考えられる。よって、所定寸法Cの上限を設定しておくのが好ましい。
【0070】
また、裏側容器構成部材30において、面ファスナ固定面35と裏側延出板部30bとの間には、網戸100に接触する部分(網戸100に向けて突出している部分)を有さないことが好ましい。仮に、このように網戸100に接触する部分を有していると、面ファスナ固定面35と裏側延出板部30bとの間の網戸100に余計なテンションがかかってしまい、ひいては面ファスナ40の係合が解除されやすくなってしまうためである。
【0071】
(実施形態の作用効果)
網戸100への取り付け時には、一方側ファスナ構成部材41が容器10の裏側の面ファスナ固定面35に固定されているので、この一方側ファスナ構成部材41を網戸100の表に押し付けた状態で、網戸100の裏に他方側ファスナ構成部材42を配置して一方側ファスナ構成部材41に押し付けることで、図10に示すように両ファスナ構成部材41、42を互いに係合させて網戸用薬剤揮散具1を網戸100に取り付けて使用することが可能になる。尚、一方側ファスナ構成部材41を網戸100の裏に押し付けた状態で、網戸100の表に他方側ファスナ構成部材42を配置して一方側ファスナ構成部材41に押し付けることで、両ファスナ構成部材41、42を互いに係合させてもよい。
【0072】
一方側ファスナ構成部材41が固定される面ファスナ固定面35が容器10の裏側延出板部30bよりも網戸100から離れる方向にオフセットしているので、網戸用薬剤揮散具1を網戸100に取り付けた状態では、裏側延出板部30bと網戸100と隙間が小さくなる。特に本実施形態では、オフセットさせる所定寸法Cを、一方側ファスナ構成部材41の厚みよりも長く設定しているので、網戸用薬剤揮散具1を網戸100に取り付けた状態では、図10に示すように、裏側延出板部30bと網戸100と隙間を確実にゼロにできる。すなわち、網戸100に対して裏側延出板部30bを押し付けた状態で、網戸用薬剤揮散具1を網戸100に取り付けることができる。これにより、裏側延出板部30bが網戸100によって支持されることになるので、強い風が吹いた時であっても網戸用薬剤揮散具1のバタつきが抑制される。
【0073】
以上の構成により、強風時のバタつきによって一方側ファスナ構成部材41と他方側ファスナ構成部材42との係合が徐々に緩んでしまうことを防止できる。従って、強い風が吹く環境下においても、他方側ファスナ構成部材42が外れて網戸用薬剤揮散具1が網戸100から落下してしまうことを防止できる。
【0074】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上説明したように、本発明に係る網戸用薬剤揮散具は、例えば住宅等の網戸に取り付けて使用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 網戸用薬剤揮散具
2 薬剤保持体
10 容器
20 表側容器構成部材
21 左側通気口(第1通気口)
22 右側通気口(第2通気口)
23 上側通気口(第3通気口)
24 下側通気口(第3通気口)
25 板部
27 左側風受け板部(第1風受け板部)
27a 第1曲げ部
27b 第1貫通孔
28 右側風受け板部(第2風受け板部)
28a 第2曲げ部
28b 第2貫通孔
30 裏側容器構成部材
30a 裏側周壁部
30b 裏側延出板部(周囲部)
35 面ファスナ固定面
40 面ファスナ
41 一方側ファスナ構成部材
42 他方側ファスナ構成部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B