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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101292
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】穴あけ装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/40 20060101AFI20230712BHJP
   E04G 21/18 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
E04B5/40 Z
E04B5/40 E
E04G21/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001840
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】奈良本 光太
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA01
2E174DA17
2E174DA41
(57)【要約】
【課題】デッキプレートの載せる位置を梁にマークする作業が行われずに、デッキプレートを梁に載せた後でもデッキプレートの端部の掛かり代を容易に確認できるようにする。
【解決手段】梁(B)に載置されたデッキプレート(D)の穴あけ装置(1)は、デッキプレート(D)の端部に突き当てられて、穴あけの基準位置を決める位置決め部(2)と、デッキプレート(D)の表面から裏面に貫通する穴をあける穿孔部(4)と、穿孔部(4)を支持する支持部(3)と、穿孔部(4)の先端に対向する位置に設けられ、梁(B)とデッキプレート(D)の間に挿入される受止部(5)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁に載置されたデッキプレートの穴あけ装置であって、
前記デッキプレートの端部に突き当てられて、穴あけの基準位置を決める位置決め部と、
前記デッキプレートの表面から裏面に貫通する穴をあける穿孔部と、
前記穿孔部を支持する支持部と、
前記穿孔部の先端に対向する位置に設けられ、前記梁と前記デッキプレートの間に挿入される受止部と、
を備えることを特徴とする穴あけ装置。
【請求項2】
前記穿孔部は、前記位置決め部と前記デッキプレートの端部との接触位置から前記梁への前記デッキプレートの掛かり代だけ離れた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の穴あけ装置。
【請求項3】
前記穿孔部は、前記位置決め部からの距離が可変となるように、前記支持部に移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の穴あけ装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記穿孔部の前記位置決め部からの距離が可変となるように、前記位置決め部に移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の穴あけ装置。
【請求項5】
前記支持部には、前記穿孔部の前記位置決め部からの距離を示す目盛りが設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の穴あけ装置。
【請求項6】
前記穿孔部は、ドリル状に形成されており、前記支持部に回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の穴あけ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にデッキプレートに穴をあける穴あけ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート建造物の床や天井を構築する場合、梁に金属製のデッキプレートを設置し、その上にコンクリートを打設している(例えば、特許文献1参照)。
デッキプレートは、梁間に架け渡すように設置されている。このとき、デッキプレートの端部は、梁から落下しないように所定の掛かり代が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-61779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、デッキプレートを梁に載せた後は、梁の縁部がデッキプレートによって覆われてしまうため、梁に載せられているデッキプレートの掛かり代が所定の長さ以上に確保されているかを確認することは困難である。そのため、梁に載せた時のデッキプレートの端部の位置を予め梁にマークしておく必要があるが、この作業、及び、この作業が行われなかった場合の掛かり代の事後確認は非常に手間がかかるものとなっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、デッキプレートの載せる位置を梁にマークする作業が行われずに、デッキプレートを梁に載せた後でもデッキプレートの端部の掛かり代を容易に確認できるようにする穴あけ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る態様は、梁に載置されたデッキプレートの穴あけ装置であって、前記デッキプレートの端部に突き当てられて、穴あけの基準位置を決める位置決め部と、前記デッキプレートの表面から裏面に貫通する穴をあける穿孔部と、前記穿孔部を支持する支持部と、前記穿孔部の先端に対向する位置に設けられ、前記梁と前記デッキプレートの間に挿入される受止部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記穿孔部は、前記位置決め部と前記デッキプレートの端部との接触位置から前記梁への前記デッキプレートの掛かり代だけ離れた位置に設けられていることが好ましい。
【0008】
また、前記穿孔部は、前記位置決め部からの距離が可変となるように、前記支持部に移動自在に設けられていることが好ましい。
【0009】
また、前記支持部は、前記穿孔部の前記位置決め部からの距離が可変となるように、前記位置決め部に移動自在に設けられていることが好ましい。
【0010】
また、前記支持部には、前記穿孔部の前記位置決め部からの距離を示す目盛りが設けられていることが好ましい。
【0011】
また、前記穿孔部は、ドリル状に形成されており、前記支持部に回転自在に設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る態様によれば、デッキプレートの載せる位置を梁にマークする作業が行われずに、デッキプレートを梁に載せた後でもデッキプレートの端部の掛かり代を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】穴あけ装置の斜視図である。
図2】穴あけ装置の正面図である。
図3】穴あけ装置を用いてデッキプレートに穴をあける方法を説明する図である。
図4】穴あけ装置を用いてデッキプレートに穴をあける方法を説明する図である。
図5】穴あけ装置を用いてデッキプレートに穴をあける方法を説明する図である。
図6】穴あけ装置の別の形態を示す斜視図である。
図7図6に示す穴あけ装置において、穿孔部の位置を変えた状態を示す図である。
図8】穴あけ装置の別の形態を示す斜視図である。
図9図8に示す穴あけ装置において、支持部の位置を変えた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施の形態をとりうる。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1図5に示すように、穴あけ装置1は、梁Bに載置されたデッキプレートDに穴をあけることにより、デッキプレートDの梁Bへの掛かり代を確認する際に用いられる。
穴あけ装置1は、位置決め部2と、支持部3と、穿孔部4と、受止部5と、を備えている。
【0016】
位置決め部2は、デッキプレートDの長さ方向(長手方向)または幅方向(短手方向)の端部(端縁)に突き当てられて、穴あけの基準位置を決める。位置決め部2は、例えば、四角柱状に形成された柱体であり、穴あけの際には、梁Bの上面(フランジ部)に対して直角に立設された状態となる。位置決め部2は、四角柱の場合、四つの側面の一つの面2aがデッキプレートDの長手方向端部に突き当てられる。位置決め部2がデッキプレートDの長手方向端部に突き当てられることにより、位置決め部2のデッキプレートD側への移動が規制され、デッキプレートDの穴あけの際の穴あけ装置1の位置を決めることができる。
【0017】
支持部3は、穿孔部4を支持する。支持部3は、例えば、四角柱状に形成された棒材であり、一端が位置決め部2に連結されている。支持部3は、位置決め部2の長手方向における一端側(上端側)近傍において、その長手方向が位置決め部2の長手方向に直交するように設けられている。すなわち、穴あけ装置1を位置決めした際に、支持部3の長手方向がデッキプレートDの長手方向と平行になるように、支持部3は位置決め部2に設けられている。
支持部3は、位置決め部2との連結位置(側面2a)からデッキプレートDの梁Bへの掛かり代に相当する間隔をあけた位置に孔3aが形成されており、この孔3aに穿孔部4が挿通されている。ここで、孔3aは、例えば、ねじ孔であり、穿孔部4はこの孔3aに螺合されることにより、支持部3に支持されている。
【0018】
穿孔部4は、梁Bに載置されたデッキプレートDの表面から裏面に貫通する穴をあける。穿孔部4は、例えば、ドリル状に形成されている。穿孔部4は、外周面にねじ溝が形成されており、支持部3の孔3aに回転自在に螺合されている。すなわち、穿孔部4は、位置決め部2との連結位置(言い換えると、位置決め部2とデッキプレートDの端部との接触位置である側面2a)から梁BへのデッキプレートDの掛かり代に相当する間隔をあけた位置で支持部3に支持されており、穿孔部4を軸線回りに回転させることにより、穿孔部4は、軸線方向に沿って往復移動する。
穿孔部4は、その軸線が位置決め部2の長手方向に平行となるように支持部3に支持されている。すなわち、穿孔部4は、支持部3の長手方向に対して直交するように支持部3に支持されている。穿孔部4は、デッキプレートDに穴あけする際に、デッキプレートDの表面に対して直交する方向から接近して穴をあける。
穿孔部4の一端は尖るように形成されており、デッキプレートDに接触してデッキプレートDに穴をあける。穿孔部4の他端はインパクトドライバー等の工具Tを着脱できるように形成されている。すなわち、工具Tを穿孔部4の他端に取り付けて駆動させることにより、穿孔部4は、工具Tの駆動と共に軸線回りに回転することができる。
【0019】
受止部5は、穿孔部4の先端に対向する位置に設けられ、梁BとデッキプレートDの間に挿入される。受止部5は、例えば、平面視矩形状に形成された板材であり、梁BとデッキプレートDの間に挿入することができるよう、板厚が薄くなるように形成されている。受止部5は、一端が位置決め部2に連結されている。受止部5は、位置決め部2の長手方向における他端(下端)において、その長手方向が位置決め部2の長手方向に直交するように設けられている。すなわち、穴あけ装置1を位置決めした際に、受止部5の長手方向がデッキプレートDの長手方向と平行になるように、受止部5は位置決め部2に設けられている。すなわち、受止部5は、その長手方向が支持部3の長手方向に平行になるように位置決め部2に設けられている。
受止部5は、少なくとも穿孔部4の先端に対向する位置まで延びており、デッキプレートDに穴をあけて貫通した穿孔部4の先端を受け止め、穿孔部4の先端が梁Bに衝突しないように形成されている。
【0020】
次に、梁Bに載置されたデッキプレートDへの穴あけ方法について説明する。
図3に示すように、穴あけ装置1の受止部5を梁BとデッキプレートDとの間に挿入する。このとき、受止部5の面とデッキプレートDの面とが対向し、受止部5の長手方向がデッキプレートDの長手方向に沿うように、受止部5を梁BとデッキプレートDとの間に挿入する。このとき、穿孔部4は、先端がデッキプレートDに接触しないように、予め上方に移動させておく。
図4に示すように、梁BとデッキプレートDとの間に受止部5が全て挿入されると、デッキプレートDの端部が位置決め部2の側面2aに突き当てられた状態となり、穴あけ装置1の移動が規制される。これにより、穴あけ装置1が位置決めされ、穿孔部4によってデッキプレートDに穴をあける位置が決まる。
図4に示す状態で、穿孔部4の他端(先端の反対側の端部)にインパクトドライバー等の工具Tを装着し、穿孔部4を軸線回りに回転させる。図5に示すように、穿孔部4の回転により、穿孔部4は、デッキプレートDの表面に下降していき、デッキプレートDを貫通することにより、デッキプレートDに穴をあける。穿孔部4は、受止部5に接触すると、それ以上の下降が規制される。
【0021】
穴あけ装置1によりデッキプレートDに穴をあけた後、作業者は穴を覗き、穴から梁Bが見える場合、より厳密には、あけた穴の中心を梁Bの縁部が通っている場合には、梁BへのデッキプレートDの掛かり代を確保できていると判断することができる。一方、穴から梁Bが見えず、下方の空間が見える場合には、梁BへのデッキプレートDの掛かり代を確保できていないと判断することができる。
【0022】
以上のような穴あけ装置1によれば、デッキプレートDを梁Bに載せた後であっても、穴あけ装置1を用いてデッキプレートDの掛かり代となる位置に簡単に穴をあけることができるので、本来掛かり代となる部分が梁Bに載せられているか否かについて、穴を通して簡単に確認することができる。これにより、梁Bに載せた時のデッキプレートDの端部の位置を予め梁Bにマークする作業が行われなかった場合でも、梁BへのデッキプレートDの掛かり代を容易に確認することができる。
また、穴あけ装置1は、位置決め部2を備えているので、位置決め部2の側面2aをデッキプレートDの端部に突き当てるだけで、穿孔部4により穴あけする位置が決まる。これにより、異なるデッキプレートDであっても同じ掛かり代となる位置に穴をあけることができる。
また、穴あけ装置1は、受止部5を備えているので、穿孔部4がデッキプレートDを貫通して穴をあけた後に梁Bに接触することがなく、穴あけの際に梁Bに傷つけることがない。また、受止部5は、薄板状に形成されているので、梁BとデッキプレートDの間に挿入した際に、デッキプレートDを過度に浮かせることもなく穴あけすることができる。
【0023】
[第2の実施の形態]
次に、穴あけ装置の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態における穴あけ装置1Aが第1の実施の形態における穴あけ装置1と異なる点は、支持部7の構成であるため、以下では支持部7の構成について説明し、穴あけ装置1と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
図6に示すように、支持部7は、穿孔部4の位置決め部2からの距離が調節可能(可変)となるように、穿孔部4を移動自在に支持する。支持部7は、例えば、四角柱状に形成された棒材であり、一端が位置決め部2に連結されている。支持部7は、位置決め部2の長手方向における一端側(上端側)近傍において、その長手方向が位置決め部2の長手方向に直交するように設けられている。すなわち、穴あけ装置1Aを位置決めした際に、支持部7の長手方向がデッキプレートDの長手方向と平行になるように、支持部7は位置決め部2に設けられている。
【0025】
支持部7は、その長手方向に沿って溝7aが形成されており、この溝7aに穿孔部4が挿通されている。溝7aは、掛かり代の異なる穴をあけることができるように設計上取りうる掛かり代の位置に移動できるような長さの溝とされている。穿孔部4は、回転により軸線方向に移動するように螺合するプレートを介して溝7aに設けられている。このプレートは、溝7aの長手方向に沿って移動自在に設けられており、溝7a内の任意の位置で穿孔部4の位置を決めることができる。
【0026】
支持部7の外面には、溝7aの延在方向(支持部7の長手方向)に沿って目盛り7bが付されている。目盛り7bは、位置決め部2と支持部7との連結位置(言い換えると、位置決め部2とデッキプレートDの端部との接触位置である側面2a)からの距離が支持部7に付されており、目盛り7bが示す数値が梁BへのデッキプレートDの掛かり代に相当する。すなわち、目盛り7bは、穿孔部4の位置決め部2からの距離を示すものであり、図7に示すように、溝7a内で穿孔部4を移動させて、掛かり代に相当する値の目盛りに合わせることで、目盛り7bが示す掛かり代の位置でデッキプレートDに穴をあけることができる。例えば、図7(a)は、掛かり代を60mmとした場合にデッキプレートDの端部から60mmの位置に穴をあける際の穿孔部4の位置を示しており、図7(b)は、掛かり代を25mmとした場合にデッキプレートDの端部から25mmの位置に穴をあける際の穿孔部4の位置を示している。
【0027】
また、穿孔部4の他端(先端とは反対側の端部)には、穿孔部4を軸線回りに回転させる際に外力を加える操作バー4aが設けられている。作業者は、操作バー4aを把持して穿孔部4を回転させることにより、穿孔部4は、軸線方向に沿ってデッキプレートDに接近し、デッキプレートDに穴をあけることができる。なお、操作バー4aは必ずしも必要ではなく、第1の実施の形態のように、インパクトドライバー等の工具を取り付けて穿孔部4を回転させるようにしてもよい。
【0028】
以上のような穴あけ装置1Aによれば、第1の実施の形態における穴あけ装置1と同じ効果を奏するほか、支持部7における穿孔部4の位置を調節することができるので、デッキプレートDの端部からの距離を調節して穴をあけることができる。これにより、穴あけ装置1Aを複数の異なる掛かり代の確認に用いることができるので、汎用性の高い穴あけ装置1Aとすることができる。
【0029】
[第3の実施の形態]
次に、穴あけ装置の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態における穴あけ装置1Bが第1の実施の形態における穴あけ装置1と異なる点は、主として支持部8の構成であるため、以下では支持部8の構成について説明し、穴あけ装置1と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
図8に示すように、支持部8は、穿孔部4の位置決め部2からの距離が調節可能(可変)となるように、位置決め部2に移動自在に設けられている。支持部8は、例えば、四角柱状に形成された棒材であり、一端が位置決め部2に移動自在に挿入されている。支持部8は、位置決め部2の長手方向における一端側(上端側)近傍において、その長手方向が位置決め部2の長手方向に直交するように設けられている。すなわち、穴あけ装置1Bを位置決めした際に、支持部8の長手方向がデッキプレートDの長手方向と平行になるように、支持部8は位置決め部2に設けられている。
【0031】
支持部8は、その他端(位置決め部2から遠い側)近傍に孔8aが形成されており、この孔8aに穿孔部4が挿通されている。ここで、孔8aは、例えば、ねじ孔であり、穿孔部4はこの孔8aに螺合されることにより、支持部8に支持されている。支持部8には、その長手方向に沿って複数の孔8bが所定間隔で形成されており、位置決め部2と一つの孔8bにピン8cが挿通されることで支持部8の位置を位置決め部2に固定することができる。具体的には、一定間隔で形成された孔8bの上方に掛かり代の目盛り8dが付されており、掛かり代の目盛り8dの直下にある孔8aの中心を位置決め部2の側面2aに合わせることにより、当該掛かり代となる位置に穿孔部4が位置するようになっている。なお、掛かり代の目盛り8dの表示は全ての孔8aの上方に付されているわけではないが、孔8aの個数と掛かり代の目盛り8dの表示から各孔8aに対応する掛かり代を簡単に求めることができる。孔8aは、掛かり代の異なる穴をあけることができるように設計上取りうる掛かり代の位置に移動できる分の数だけ孔が形成されている。
孔8aは、支持部8の上面から下面にわたって貫通するように形成されており、その深さ方向が位置決め部2の長手方向に沿うように形成されている。孔8bは、支持部8の一つの側面に形成されており、その深さ方向が位置決め部2の長手方向に直交する方向(梁Bのフランジ面方向、受止部5の面方向)に沿うように形成されている。
【0032】
例えば、図9(a)は、掛かり代を80mmとした場合にデッキプレートDの端部から80mmの位置に穴をあける際の支持部8の位置を示しており、図9(b)は、掛かり代を50mmとした場合にデッキプレートDの端部から50mmの位置に穴をあける際の支持部8の位置を示している。
【0033】
以上のような穴あけ装置1Bによれば、第1の実施の形態における穴あけ装置1と同じ効果を奏するほか、位置決め部2に対する支持部8の位置を調節することができるので、デッキプレートDの端部からの距離を調節して穴をあけることができる。これにより、穴あけ装置1Bを複数の異なる掛かり代の確認に用いることができるので、汎用性の高い穴あけ装置1Bとすることができる。
【0034】
<その他>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。
例えば、穴あけ装置1,1Bの穿孔部4に穴あけ装置1Aの操作バー4aを設けてもよい。
また、上記の説明においては、梁BにデッキプレートDを載せた後にデッキプレートDに穴をあける方法について説明したが、予め工場等で穴あけ装置1,1A,1Bを用いてデッキプレートDに穴をあけていてもよい。この場合、梁Bに載せた時のデッキプレートDの端部の位置を予め梁Bにマークする作業の必要がなくなり、梁BへのデッキプレートDの設置作業の効率を向上させることができる。
また、デッキプレートDにあけた穴を掛かり代の確認のほか、デッキプレートDと梁Bとを固定するねじや釘用の穴として用いてもよい。その際、必要に応じて穴あけ装置1,1A,1Bを用いて梁Bに穴をあけてもよい。
また、穴あけ装置1,1A,1BをデッキプレートD以外の物に穴をあける際に用いてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1,1A,1B 穴あけ装置
2 位置決め部
3 支持部
3a 孔
4 穿孔部
5 受止部
7 支持部
7a 溝
7b 目盛り
8 支持部
8a 孔
8b 孔
8c ピン
8d 目盛り
B 梁
D デッキプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9