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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101294
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】粉体供給装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/08 20060101AFI20230712BHJP
   B30B 11/00 20060101ALI20230712BHJP
   B01J 4/02 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B30B11/08 A
B30B11/00 F
B01J4/02 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001843
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000141543
【氏名又は名称】株式会社菊水製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(74)【代理人】
【識別番号】100148910
【弁理士】
【氏名又は名称】宮澤 岳志
(72)【発明者】
【氏名】伏見 伸介
(72)【発明者】
【氏名】西村 英之
(72)【発明者】
【氏名】河合 祐也
【テーマコード(参考)】
4G068
【Fターム(参考)】
4G068AA02
4G068AB22
4G068AC11
4G068AD32
4G068AD33
4G068AF31
(57)【要約】
【課題】粉体供給装置における粉体の吐出流量をより速やかに安定させる。
【解決手段】所定期間操作量たるモータの回転数又はモータへの印加電流若しくは印加電圧を変化させず一定に保つ一定保持制御と粉体の吐出流量とその目標値との差分を所定周期で反復的に求めその差分を縮小する方向に同所定周期毎に操作量を増減調整するフィードバック制御とを選択的に実施する制御部を備え、その制御部が、モータの起動直後は一定保持制御を実施し、一定保持制御の期間経過後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を下回る場合フィードバック制御へ移行する一方、一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を上回る場合はフィードバック制御へ移行せず一定保持制御を行い、その再度の一定保持制御における操作量を直近の一定保持制御の期間経過後における粉体の吐出流量とその目標値との差分に応じて変更する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を吐出させるべく送り出すための移送部材と、移送部材を駆動するモータと、モータの制御を行う制御部とを備え、
前記制御部が、
粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量である前記モータの回転数又はモータへの印加電流若しくは印加電圧を変化させず一定に保つ一定保持制御と、
粉体の吐出流量とその目標値との差分を所定周期で反復的に求め、その差分を縮小する方向に同所定周期毎に前記操作量を増減調整するフィードバック制御とを選択的に実施するものであり、
前記モータの起動直後は前記一定保持制御を実施し、
前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を下回るならば、前記フィードバック制御へと移行する一方、
前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を上回るならば、前記フィードバック制御へと移行せず再度一定保持制御を実施することとし、その再度の一定保持制御における前記操作量を直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との差分に応じて変更する粉体供給装置。
【請求項2】
粉体を貯留するホッパと、粉体を吐出させるべく送り出すための移送部材と、この移送部材を駆動するモータと、このモータの制御を行う制御部とを備え、
前記制御部が、
粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量である前記モータの回転数又はモータへの印加電流若しくは印加電圧を変化させず一定に保つ一定保持制御と、
粉体の吐出流量とその目標値との差分を所定周期で反復的に求め、その差分を縮小する方向に同所定周期毎に前記操作量を増減調整するフィードバック制御とを選択的に実施するものであり、
前記ホッパへの粉体の充填直後は前記一定保持制御を実施し、
前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を下回るならば、前記フィードバック制御へと移行する一方、
前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を上回るならば、前記フィードバック制御へと移行せず再度一定保持制御を実施することとし、その再度の一定保持制御における前記操作量を直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との差分に応じて変更する粉体供給装置。
【請求項3】
粉体を貯留するホッパを有し、
前記ホッパ内の粉体の質量に基づき粉体の吐出流量を計測する請求項1又は2記載の粉体供給装置。
【請求項4】
前記再度の一定保持制御における前記操作量を、前記直近の一定保持制御における前記操作量に対し、前記直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との比の逆数を乗算して決定する請求項1、2又は3記載の粉体供給装置。
【請求項5】
前記一定保持制御における所定期間の長さが前記フィードバック制御における所定周期の10倍以上である請求項1、2、3又は4記載の粉体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を吐出させるべく送り出す粉体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転圧縮成形機等に粉体を供給するための粉体供給装置においては、所望の粉体の吐出流量を得るべく、以下に述べるような制御が行われている。
【0003】
すなわち、運転開始に先立ち、モータを最高速度で回転させた際の吐出流量の推定値を決定する、チューニングと呼ばれる作業を行い、運転を開始した後、実際の吐出流量が目標値通りであるか確認し、実際の吐出流量が目標値と異なる場合にはモータの回転速度の補正を行うようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
ここで、従来は、実際の吐出流量が目標値と大きく異なる場合、吐出流量を短い所定周期で反復的に実測し、その実測値と目標値との偏差を縮小する方向に同所定周期でモータ回転速度を増減調整するフィードバック制御により供給量を補正しているが、その際にハンチングと呼ばれる現象が発生することがある。PID制御を行えばこの現象の発生を抑制することはできるが、図9に示すように、実際の吐出流量が目標値近傍に達するまでに時間を要するという別の問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-168634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の点に着目し、運転開始後粉体の吐出流量をより速やかに安定させることが可能な構成の粉体供給装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち請求項1の発明に係る粉体供給装置は、粉体を吐出させるべく送り出すための移送部材と、移送部材を駆動するモータと、モータの制御を行う制御部とを備え、前記制御部が、粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量である前記モータの回転数又はモータへの印加電流若しくは印加電圧を変化させず一定に保つ一定保持制御と、粉体の吐出流量とその目標値との差分を所定周期で反復的に求め、その差分を縮小する方向に同所定周期毎に前記操作量を増減調整するフィードバック制御とを選択的に実施するものであり、前記モータの起動直後は前記一定保持制御を実施し、前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を下回るならば、前記フィードバック制御へと移行する一方、前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を上回るならば、前記フィードバック制御へと移行せず再度一定保持制御を実施することとし、その再度の一定保持制御における前記操作量を直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との差分に応じて変更するものである。
【0008】
また、請求項2の発明に係る粉体供給装置は、粉体を貯留するホッパと、粉体を吐出させるべく送り出すための移送部材と、この移送部材を駆動するモータと、このモータの制御を行う制御部とを備え、前記制御部が、粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量である前記モータの回転数又はモータへの印加電流若しくは印加電圧を変化させず一定に保つ一定保持制御と、粉体の吐出流量とその目標値との差分を所定周期で反復的に求め、その差分を縮小する方向に同所定周期毎に前記操作量を増減調整するフィードバック制御とを選択的に実施するものであり、前記ホッパへの粉体の充填直後は前記一定保持制御を実施し、前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を下回るならば、前記フィードバック制御へと移行する一方、前記一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を上回るならば、前記フィードバック制御へと移行せず再度一定保持制御を実施することとし、その再度の一定保持制御における前記操作量を直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との差分に応じて変更するものである。
【0009】
これらのようなものであれば、最初の一定保持制御における操作量と再度の一定保持制御における操作量との間の変更幅をフィードバック制御における所定周期毎の操作量の増減量よりも十分大きな適切な値に設定することで、一定保持制御を行う回数を少なくし、より速やかに粉体の供給量を適切なものにできる。
【0010】
上述したような粉体供給装置における粉体の流量の決定方法の一例として、前記ホッパ内の粉体の質量に基づき粉体の吐出流量を計測するものが挙げられる。このようなものであれば、粉体の吐出流量がホッパ内から実際に供給された粉体の質量に基づき間接的に計測されるので、精度よく粉体の吐出流量を計測することができる。
【0011】
また、前記再度の一定保持制御における前記操作量は、前記直近の一定保持制御における前記操作量に対し、前記直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との比の逆数を乗算して決定するのが望ましい。このようなものであれば、粉体の吐出流量をより速やかに目標の値に近づけることができる。
【0012】
そして、前記一定保持制御における所定期間の長さは前記フィードバック制御における所定周期の10倍以上であるのが望ましい。このようなものであれば、粉体の供給量をより速やかに安定させることができる。
【0013】
なお、粉体とは、微小個体の集合体であり、いわゆる顆粒などの粒体の集合体と、粒体より小なる形状の粉末の集合体とを包含する概念である。粉体の具体例として、主薬を含む粉体の他、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、保存剤等が挙げられる。二種類以上の粉体を混合した粉体も本発明にいう粉体の一種であり、主薬を含む粉体にステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を混交したものもまた粉体に該当する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、運転開始後粉体の吐出流量をより速やかに安定させることが可能な構成の粉体供給装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の回転式粉体圧縮成形機の側断面図。
図2】同実施形態における粉体圧縮成形機の要部平面図。
図3】同実施形態における粉体圧縮成形機の円筒図。
図4】同実施形態における粉体圧縮成形機及び粉体混合供給システムの構成を模式的に示す側面図。
図5】同実施形態の粉体混合供給システムの要素である粉体供給装置を示す側面図。
図6】同実施形態の粉体供給装置の制御部が行う制御の流れを示すフローチャート。
図7】同実施形態の粉体供給装置の制御部による制御の内容を説明するタイムチャート。
図8】同実施形態の粉体供給装置の制御部による制御の内容を説明するタイムチャート。
図9】従来の粉体供給装置の制御部による制御の内容を説明するタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。はじめに、本実施形態の粉体供給装置が吐出し供給する混合粉体を用いた後処理を実施する機器の一例として、回転式粉体圧縮成形機(以下「成形機」という)Aの概要を述べる。
【0017】
成形機Aは、混合粉体を臼孔4に充填し、その粉体を杵5、6により圧縮することで、医薬品の錠剤や食品、電子部品等を成形するものである。図1に示すように、成形機Aのフレーム1内には、回転軸となる立シャフト2を設立し、その立シャフト2の上部に接続部21を介して回転盤3を取り付けている。
【0018】
回転盤3は、立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち自転する。回転盤3は、テーブル(臼ディスク)31と、上杵保持部32と、下杵保持部33とからなる。図2に示すように、テーブル31は略円板状をなしており、その外周部に回転方向に沿って所定間隔で複数の臼孔4を設けてある。臼孔4は、テーブル31を上下方向に貫通している。テーブル31は、複数のプレートに分割するものでもよい。また、テーブル31自体に直接臼孔4を穿ち形成するのではなく、テーブル31とは別体をなしテーブル31に対して着脱可能な複数個の臼部材をテーブル31に装着し、それら臼部材の各々に上下方向に貫通した臼孔を穿っている構成としてもよい。
【0019】
各臼孔4の上下には、上杵5及び下杵6を配置する。上杵5及び下杵6は、上杵保持部32及び下杵保持部33により、それぞれが個別に臼孔4に対して上下方向に摺動可能となるように保持させる。上杵5の杵先53は、臼孔4に対して出入りする。下杵6の杵先63は、常時臼孔4に挿入してある。上杵5及び下杵6は、回転盤3及び臼孔4と共に立シャフト2の軸回りに水平回転、即ち公転する。
【0020】
立シャフト2の下端側には、ウォームホイール7を取り付けている。ウォームホイール7には、ウォームギア10が噛合する。ウォームギア10は、モータ8により駆動されるギア軸9に固定している。モータ8が出力する駆動力は、ベルト11によってギア軸9に伝わり、ウォームギア10、ウォームホイール7を介して立シャフト2ひいては回転盤3及び杵5、6を回転駆動する。
【0021】
圧縮成形品、例えば医薬品の錠剤等の原材料となる粉体は、充填装置たるフィードシューA1から臼孔4に充填する。フィードシューA1の種類には、攪拌フィードシューとオープンフィードシューがあり、そのうちの何れを採用しても構わない。フィードシューA1への粉体の供給には、後述する粉体供給装置を含む粉体混合供給システムBを使用する。粉体混合供給システムBは、成形機Aに対して着脱可能である。
【0022】
図2及び図3に示しているように、杵5、6の立シャフト2の軸回りの公転軌道上には、杵5、6を挟むようにして上下に対をなす予圧上ロール12及び予圧下ロール13、本圧上ロール14及び本圧下ロール15がある。予圧上ロール12及び予圧下ロール13、並びに本圧上ロール14及び本圧下ロール15は、臼孔4内に充填された粉体を杵先53、63の先端面を以て上下から圧縮するべく、上下両杵5、6を互いに接近させる方向に付勢する。
【0023】
上杵5、下杵6はそれぞれ、ロール12、13、14、15によって押圧される頭部51、61と、この頭部51、61よりも細径な胴部52、62とを有する。回転盤3の上杵保持部32は、上杵5の胴部52を上下に摺動可能に保持し、下杵保持部33は、下杵6の胴部62を上下に摺動可能に保持する。胴部52、62の先端部位53、63は、臼孔4内に挿入可能となるように、それ以外の部位と比べて一層細く、臼孔4の内径に略等しい直径である。杵5、6の公転により、ロール12、13、14、15は杵5、6の頭部51、61に接近し、頭部51、61に乗り上げるようにして接触する。さらに、ロール12、13、14、15は上杵5を下方に押し下げ、下杵6を上方に押し上げる。ロール12、13、14、15が杵5、6上の平坦面に接している期間は、杵5、6が臼孔4内の粉体に対して一定の圧力を加え続ける。
【0024】
そして、本圧上ロール14及び本圧下ロール15による加圧位置から、回転盤3及び杵5、6の回転方向に沿って先に進んだ位置が、製品排出部となる。ここでは、下杵6の杵先63の上端面が臼孔4の上端即ちテーブル31の上面と略同じ高さとなるまで下杵6が上昇し、臼孔4内にある成形品を臼孔4から押し出す。製品排出部には、臼孔4から押し出された成形品を案内するダンパ17を設置している。臼孔4から押し出された成形品は、回転盤3の回転によりダンパ17に接触し、ダンパ17に沿って成形品回収位置18に向けて移動する。
【0025】
次に、本実施形態における粉体混合供給システムBの構成を述べる。本粉体混合供給システムBは、後処理を実施する機器、ここでは成形機Aに対して混合した粉体を供給する役割を担うものであり、図4に示すように、粉体を貯留しかつその貯留している粉体を吐出する複数の粉体供給装置たる定量供給フィーダB1、B2、B3と、それら複数の定量供給フィーダB1、B2、B3の各々から吐出される粉体を混合した上で吐出する混合装置B4、B5とを具備する。
【0026】
本粉体混合供給システムBは、三基の定量供給フィーダB1、B2、B3を備えている。尤も、フィーダB1、B2、B3の数は、混合する粉体の種類数によって変化し、二基、又は四基以上であってもよい。各フィーダB1、B2、B3は、別種の粉体を吐出するものであってもよく、同種の粉体を吐出するものであってもよい。フィーダB1、B2、B3が吐出する粉体が、予め複数の粉体を混合したものであることもあり得る。粉体の種類としては、例えば主薬を含む粉体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保存剤等を挙げることができる。本実施形態では、第一の粉体供給装置たるフィーダB1が第一の粉体たる主薬を、第二の粉体供給装置たるフィーダB2が第二の粉体たる乳糖等の賦形剤又はその他の粉体を、第二の粉体供給装置たるフィーダB3が第二の粉体たるステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤を、それぞれ吐出して供給する。
【0027】
混合装置B4、B5は、垂直混合装置B4の下流に水平混合装置B5を接続してなるものである。垂直混合装置B4は、フィーダB1が吐出する粉体即ち主薬と、フィーダB2が吐出する粉体即ち賦形剤又はその他の粉体とを混合しつつ、水平混合装置B5に向けて落下させる。この垂直混合装置B4は、漏斗状をなすケースB41と、ケース内の中央部に配置されて自転する垂直又は略垂直な攪拌軸B42と、攪拌軸に一体的に取り付けられた攪拌羽根B43と、攪拌軸B42及び攪拌羽根B43を回転駆動するモータB44とを有する。
【0028】
フィーダB1及びフィーダB2が吐出する各粉体は、垂直混合装置B4のケース内に上方から投下される。それら粉体は、回転する攪拌羽根B43に接触し、攪拌羽根B43により攪拌されながらケースB41内を下方に移動する。ケースB41の下部には、ケースB41を貫通する多数の孔(図示せず)が予め穿たれており、ケースB41内で攪拌された混合粉体はその孔を通じてケースB41内からケースB41外へと流出する。その後、混合粉体は、接続口B45を介して水平混合装置B5へと流入する。
【0029】
水平混合装置B5は、垂直混合装置B4において混合された粉体即ち主薬及び賦形剤又はその他の粉体と、フィーダB3が吐出する粉体即ち滑沢剤とを混合しつつ、成形機AのフィードシューA1に向けて移送する。水平混合装置B5は、水平方向又は略水平方向に伸長した筒状のケースB51と、ケースB51内の中央部に配置されて自転する水平又は略水平な攪拌軸B52と、攪拌軸B52に取り付けられた攪拌羽根B53と、攪拌軸B52及び攪拌羽根B53を回転駆動するモータB54とを有する。
【0030】
ケースB51の外側方の端部には、垂直混合装置B4の接続口と接続する受入口B511を設けている。並びに、ケースB51の内側方の端部には、フィードシューA1の内外を連通し当該フィードシューA1に粉体を供給するための供給口A11に接続される吐出口B512を設けている。さらに、ケースB51の中間部位に、フィーダB3と接続する受入口B513を設けている。攪拌軸B52及び攪拌羽根B53は、混合するべき粉体と接触しながら回転して粉体を混合しつつ、当該粉体を鉛直方向に対して交差する方向に沿って移送する攪拌部材となる。この攪拌部材B52、B53は、混合装置B4、B5の終端となる吐出口B512の直前まで伸びている。
【0031】
垂直混合装置B4において混合された粉体は、接続口B45から受入口B511を経て水平混合装置B5のケースB51内に投入される。その粉体は、回転する攪拌羽根B53に接触し、攪拌羽根B53により攪拌されながらケースB51内を外側方から内側方に向かって移動する。その過程で、フィーダB3が吐出する粉体が受入口B513を介してケースB51内に投入され、攪拌羽根B53によりさらに攪拌される。結果、フィーダB1の供給する主薬、フィーダB2の供給する賦形剤又はその他の粉体、及びフィーダB3の供給する滑沢剤が、ケースB51内で混合されながらケースB51に沿って移送されることとなる。最終的に、この混合粉体は吐出口B512から吐出され、成形機AのフィードシューA1の供給口A11に供給される。フィードシューA1は、その供給口A11に供給された混合粉体を、テーブル31に穿たれている臼孔4に充填する。
【0032】
なお、フィードシューA1には予め、粉体混合供給システムBから供給される混合粉体の混合度を測定するための図示しないセンサを設置している。粉体の混合度を測定する手法としては、ラマン分光分析、赤外分光、X線回折、X線透過測定、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等、様々なものが挙げられるが、混合度をリアルタイムで測定できるものであればどのような態様であってもかまわない。一例として、近赤外分光分析(NIR、又は近赤外吸収スペクトル法)によると、混合粉体における主薬の占める量又は割合(比率)、換言すれば混合粉体の均一性(偏析が生じていないかどうか)を評価するべく、移動する混合粉体に対して近赤外分光を照射し、光の吸収及び散乱を計測し、スペクトルを用いて主薬の濃度その他の定性・定量分析を行うことを、所定周期で繰り返す。測定波長としては、賦形剤や滑沢剤のピークがなく主薬の特異的な吸収ピークである波長帯を利用する。また、近赤外分光分析によれば、混合粉体の粒径を測定することもできる。近赤外分光分析を採用する場合、粉体の混合度等を測定するPAT(Process Analytical Technology)センサとして、近赤外線センサをフィードシューA1に設置することとなる。
【0033】
加えて、成形機Aの製品排出部には、特定の成形品、例えば不良品やサンプリング品を、成形品回収位置18に回収する成形品群から選り分けるための成形品排除機構Wを設けている。具体的には、ダンパ17の内部に、加圧空気を流通させる空気通路16を形成し、その空気通路16の先端を回転盤3の径方向に沿って外側方に向けて開口させた空気噴射ノズル16aとしている。加圧空気を供給するポンプ等の図示しない空気供給源と空気通路16とを接続する流路20上には、当該流路20を開閉する制御バルブ22を設置してある。制御バルブ22は、例えば、制御装置から与えられる制御信号により開弁する電磁ソレノイドである。
【0034】
臼孔4から押し出された特定の成形品がダンパ17に接触する前、空気噴射ノズル16aの近傍を通過するときに、制御バルブ22を開弁すると、空気供給源から供給される加圧空気が、流路20及びダンパ17内の空気通路16を経由して空気噴射ノズル16aから噴出する。この噴出した空気は、特定の成形品をテーブル31の外側方に吹き飛ばす。吹き飛ばされた当該成形品は、ダンパ17に沿った先にある成形品回収位置18に到着することはない。このように、本成形機Aにあっては、空気供給源から供給される空気の流通路16、20、噴射ノズル16a及び制御バルブ22が、成形品排除機構Wを構成する。
【0035】
フィードシューA1に設けた近赤外線センサ等を介して測定される混合粉体の組成や混合度等が適正でないとき、その混合粉体を一旦フィードシューA1から成形機Aのテーブル31の臼孔4に充填し、これを上杵5及び下杵6により圧縮成形して成形品の形にする。その上で、当該成形品を、成形品回収位置18に到達する前に、成形品排除機構Wにより排除する。即ち、成形機Aにおいて、不良の混合粉体が充填され成形品が打錠された臼孔4が空気噴射ノズル16aの近傍を通過するときに制御バルブ22を開弁し、空気噴射ノズル16aから空気を噴射して当該成形品をテーブル31外に吹き飛ばす。併せて、警告音の鳴動、装置の停止等を行うこともある。
【0036】
粉体混合供給システムBを成形機Aに接続する際には、その水平混合装置B5のケースB51の内側端部及び吐出口B512を成形機Aのフレーム1内に挿入する。一方で、粉体混合供給システムBのそれ以外の要素、即ち水平混合装置B5のケースB51の内側端部以外の部分、垂直混合装置B4及び定量供給フィーダB1、B2、B3は、成形機Aのフレーム1外にあり続ける。定量供給フィーダB1、B2、B3、垂直混合装置B4及び水平混合装置B5を支持する粉体混合供給システムBの支持体(フレーム又は筐体)B6の底部には、当該粉体混合供給システムBを簡便に移動可能とするためのキャスタB7を取り付けている。
【0037】
以降、定量供給フィーダB1、B2、B3の構造に関して補記する。図5に示すように、各フィーダB1、B2、B3はそれぞれ、粉体を貯留するホッパB01と、ホッパB01からもたらされる粉体を吐出せしめるべく送り出す移送機構B02と、ホッパB01に対して適時粉体を補給する補給機構B03と、移送機構B02が送り出すことにより吐出する粉体の単位時間あたりの吐出流量を計測するための計測器B04と、粉体の吐出流量が所要の目標値に収束するように移送機構B02を制御する制御部B05とを具備する。
【0038】
移送機構B02は、ホッパB01から落下する粉体と接触してこれを送り出すための移送部材B021と、移送部材B021を回転駆動するモータB022とを備える。移送機構B02としては、例えば既知のスクリューフィーダやテーブルフィーダ、サークルフィーダ(登録商標)、ディスクフィーダ、ロータリフィーダ等を採用できる。スクリューフィーダB02における移送部材B021は、軸心回りに回転する軸に螺旋状の羽根を取り付けたスクリュー羽根であり、その羽根と羽根との間に捉えた粉体を軸心方向に沿って移送する。テーブルフィーダ、サークルフィーダ(登録商標)、ディスクフィーダ、ロータリフィーダにおける移送部材はそれぞれ、回転するテーブル、フラットバー(回転羽根)、ディスク、(ロータリバルブに内蔵の)ロータである。本実施形態では、移送機構B02としてスクリューフィーダを想定している。移送部材B021を駆動するモータB022の回転数は、移送機構B02が送り出す粉体の単位時間あたりの流量に影響を及ぼす。原則として、モータB022の回転数が高くなるほど、送り出す単位時間あたりの粉体の流量が増加する。
【0039】
モータB022(及び、下記補給機構B03のモータB032)は、例えばDC(直流)モータ、特にブラシレスDCモータである。DCモータの基本特性は、
=I+E
=K
T=K=-(KN)/R+(K)/R
である。ここで、VはDCモータのコイルに印加する電源電圧、IはDCモータのコイルを流れる電流、Rは電機子抵抗、Eは逆起電力の電圧、TはDCモータが発生させるトルク、Kはトルク定数、Kは逆起電力定数、NはDCモータの回転数である。
【0040】
補給機構B03は、例えば既知のロータリフィーダ等であり、ホッパB01の上方に存在し、ホッパB01に対して補給するべき粉体を多量に貯蔵している。ホッパB01に臨む補給機構B03の下部には、ロータリバルブB031を設置している。この補給機構B03は、ホッパB01内の粉体の量が所定の下限量まで減少すると、ロータリバルブB031を開弁して貯蔵している粉体をホッパB01に投入する。そして、ホッパB01内の粉体の量が所定の上限量まで回復すると、ロータリバルブB031を閉弁してそれ以上粉体がホッパB01に投入されないようにする。
【0041】
計測器B04は、ホッパB01及びホッパB01に貯留している粉体の現在の重量を反復的に検出するものである。その重量の減算値が、定量供給フィーダB1、B2、B3の粉体の吐出量となる。計測器B04は、例えば、ストレインゲージ式センサであるロードセルであったり、音叉式力センサであったり、フォースバランス式センサであったりする。なお、補給機構B03とホッパB01とは、例えばジャバラ継手B033を介して接続しており、補給機構B03の自重及び補給機構B03が貯蔵している(ホッパB01に補給される前の)粉体の重量がホッパB01に加重されないようにしている。即ち、計測器B04は、補給機構B03及び補給機構B03に貯蔵された粉体の重量を検出しない。
【0042】
制御部B05は、計測器B04の出力信号を受信して現在ホッパB01が貯留している粉体の重量を知得するとともに、移送機構B02における移送部材(即ち、スクリューフィーダのスクリュー羽根)B021を駆動するモータB022や、補給機構B03におけるロータリバルブB031のロータを駆動するモータB032を制御する。制御部B05は、モータB022、B032の作動のON/OFFの切り替えやモータB022、B032の回転数又は出力トルクの制御を司る既知のモータドライバと、モータドライバに対して実現するべきモータB022、B032の回転数又は出力トルクを指令するマイクロコンピュータ、プログラマブルコントローラ、汎用のパーソナルコンピュータ若しくはワークステーション等と要素に含む。モータドライバは、モータB022、B032が包有する各相のコイルに順次電流を印加することでモータB022、B032を回転させるとともに、当該モータB022、B032の回転数及び出力トルクを制御する。モータB022、B032のコイルへの印加電流及び/又は印加電圧を増大させれば、モータB022、B032の出力トルクが増強され、回転数も上昇する。モータB022、B032のコイルへの印加電流及び/又は印加電圧を減少させれば、モータB022、B032の出力トルクが低減され、回転数も下降する。モータB022、B032の制御に際しては、コイルを流れる電流の大きさをPWM(Pulse Width Modulation)制御により増減させることがある。
【0043】
本実施形態の定量供給フィーダB1、B2、B3の制御部B05は、基本的には、ロスインウェイト方式(減量積算値方式)により、当該フィーダB1、B2、B3が吐出する粉体の単位時間あたりの吐出流量をフィードバック制御(例えば、PID制御)する。具体的には、移送機構B02により送り出されることでホッパB01から失われた粉体の重量を計測器B04により常時計測し、その重量の減少の推移が予め設定された吐出流量の目標値と合致しているかどうかを比較して、両者の偏差を縮小する方向に操作量であるモータB022の回転数及び/又は出力トルクを増減させ、当該フィーダB1、B2、B3による粉体の吐出流量を増減させる。
【0044】
加えて、制御部B05は、既に述べた通り、ホッパB01内の粉体の量が所定の下限量まで減少したときに、補給機構B03のロータリバルブB031のロータを駆動するモータB032を作動させ、補給機構B03に貯蔵している粉体をホッパB01に投入する。そして、ホッパB01内の粉体の量が所定の上限量まで回復したならば、当該モータB032の作動を停止してそれ以上粉体がホッパB01に投入されないようにする。
【0045】
しかして本実施形態では、制御部B05は、粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量であるモータB022への印加電流を変化させず一定に保つ一定保持制御と、粉体の吐出流量とその目標値との差分を所定周期で反復的に求め、その差分を縮小する方向に同所定周期毎にモータB022への印加電流を増減調整するフィードバック制御とを選択的に実施するものであり、起動直後、及び補給機構B03に貯蔵している粉体をホッパB01に投入した直後の時間帯には、以下の制御を行う。すなわちこの制御部B05は、モータB022の起動直後及び粉体をホッパB01に投入した直後は上述した一定保持制御を実施し、この一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値以下に小さいならば、上述したフィードバック制御へと移行する一方、一定保持制御の期間を経過した後、粉体の吐出流量とその目標値との差分の絶対値が閾値を超えて大きいならば、上述したフィードバック制御へと移行せず再度一定保持制御を実施することとし、その再度の一定保持制御におけるモータB022への印加電流を直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量とその目標値との差分に応じて変更する制御を行う。なお、上述した制御において、コイルを流れる電流の大きさをPWM(Pulse Width Modulation)制御するようにしている。また、起動に先立ってチューニングを行い粉体の吐出流量の目標値に対応するデューティー比を決定するようにしている。1回目の一定保持制御では、上述したチューニングにおいて決定されたデューティー比で電流をモータB022のコイルに印加するようにしている。
【0046】
より具体的には、フローチャートを図6に示すように、一定保持制御を行い(ステップS1)、粉体の吐出流量を計測する(ステップS2)。より具体的には、ホッパB01内から失われた粉体の質量を示す信号を計測器B04から受信し、その質量の減少速度を粉体の吐出流量とする。
【0047】
その上で、吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|が閾値Fを上回る場合には(ステップS3)、吐出流量の実測値Fの目標値Fに対する割合の逆数F/Fを直近の一定保持制御におけるモータB022への印加電流Iに乗算して新たなモータB022への印加電流Iを決定し(ステップS4)、再度一定保持制御を行う(ステップS1)。
【0048】
一方、吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|が閾値Fを下回る場合には、フィードバック制御に移行する(ステップS5)。
【0049】
図7及び図8には、起動直後の粉体の吐出流量及びモータの回転速度の推移を示している。
【0050】
図7には、1回目の一定保持制御におけるモータB022への印加電流に対応する粉体の吐出流量の実測値Fが目標値Fに対して大きく違わない、換言すれば、1回目の一定保持制御を行った直後の吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|が閾値Fを下回る場合を示している。上述したように、モータB022の起動直後は、粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量であるモータB022への印加電流Iを変化させず一定に保つ一定保持制御を行う。そして、一定保持制御を1回行った直後の時刻Tの吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|が閾値Fを下回っているので、直ちにフィードバック制御に移行する。
【0051】
図8には、1回目の一定保持制御におけるモータB022への印加電流に対応する粉体の吐出流量の実測値Fが目標値Fに対して大きく異なる、換言すれば、1回目の一定保持制御を行った直後の吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|が閾値Fを上回る場合を示している。この場合も、モータB022の起動直後は、粉体の吐出流量が増減したとしても所定期間操作量であるモータB022への印加電流Iを変化させず一定に保つ一定保持制御を行うが、一定保持制御を1回行った直後の時刻Tの吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|が閾値Fを上回っているので、吐出流量の実測値Fの目標値Fに対する割合の逆数F/Fを直近の一定保持制御におけるモータB022への印加電流Iに乗算して新たなモータB022への印加電流Iを決定し、再度一定保持制御を行う。そして、2回目の一定保持制御を行った直後の時刻Tの吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値|ΔF|は閾値Fを下回っているので、フィードバック制御に移行する。
【0052】
ここで、制御部B05はモータB022への印加電流のデューティー比を吐出流量の目標値F及び実測値F、Fに対応させて変化させているが、図7及び図8には、見かけ上の電流の大きさの実測値を示している。
【0053】
なお、一定保持制御における所定期間の長さは、フィードバック制御における所定周期の10倍以上であり、具体的には数秒以上、望ましくは10秒以上、更に望ましくは20秒以上に設定されている。
【0054】
このような構成によれば、起動直後及びホッパB01への粉体の補充直後に粉体の吐出流量を計測し、吐出流量の実測値Fと目標値Fとの差分の絶対値が閾値を上回っていればフィードバック制御へと移行せず再度一定保持制御を実施することとし、その再度の一定保持制御におけるモータB022への印加電流Iを直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量の実測値Fとその目標値Fとの差分に応じて変更するので、モータB022への印加電流の変更幅を図9に示すようなフィードバック制御におけるモータB022への印加電流の変更幅を行った場合と比較して大きくすることができ、その結果粉体の供給量をより速やかに安定させることができる。
【0055】
また、再度の一定保持制御におけるモータB022への印加電流Iを、直近の一定保持制御におけるモータB022への印加電流Iに、直近の一定保持制御の期間の経過後における粉体の吐出流量Fとその目標値Fとの比の逆数F/Fを乗算して決定するので、粉体の吐出流量をより速やかに目標の値に近づけることができる。
【0056】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
【0057】
例えば、上述した実施形態では操作量としてモータに印加する電流の大きさを採用し、PWM制御により変化させるようにしているが、他の方法により電流の大きさを変化させる制御を行うようにしてもよい。また、操作量としてモータに印加する電圧やモータ回転数を採用してもよい。
【0058】
また、上述した実施形態ではモータの起動直後及びホッパへの粉体の補充直後に本発明に係る制御を行うようにしているが、モータの起動直後のみに上述した制御を行う場合でも、少なくともモータの起動直後においては粉体の吐出流量をより速やかに安定させることができる。
【0059】
さらに、上述した実施形態では、流量はモータの回転速度に比例し、モータの回転速度は通常モータに印加される電流に比例することから、再度の一定保持制御における操作量である電流のデューティー比を、直近の一定保持制御における電流のデューティー比に、起動直後所定時間経過時点の粉体の流量の目標値に対する比率の逆数を乗算して決定しているが、モータの回転速度がモータに印加される電流に必ずしも比例しない場合は、他の方法で再度の一定保持制御における操作量を決定するとよい。例えば、代表的な吐出流量と対応する電流の大きさとの関係を示すマップを内蔵しておき、補間計算によって所望の吐出流量に対応する電流の大きさを決定する方法等が挙げられる。
【0060】
さらに、一定保持制御における所定期間は、任意に設定してよい。
【0061】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0062】
B1、B2、B3…粉体供給装置(定量供給フィーダ)
B01…ホッパ
B021…移送部材
B022…モータ
B05…制御部
、F…粉体の吐出流量の実測値
…粉体の吐出流量の目標値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9