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特開2023-101326熱中症対応システム、熱中症対応装置、熱中症対応方法、及び熱中症対応プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101326
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】熱中症対応システム、熱中症対応装置、熱中症対応方法、及び熱中症対応プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20230712BHJP
   G01W 1/17 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
G06Q50/26
G01W1/17 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022001901
(22)【出願日】2022-01-07
(71)【出願人】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】森 遥香
(72)【発明者】
【氏名】山谷 千秋
(72)【発明者】
【氏名】望月 計
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】 暑さ指数のみによらない熱中症への対応の必要性の大きさを算出する。
【解決手段】 熱中症対応システム100は、所定の場所における暑さ指数を取得する暑さ指数算出部22と、所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と所定の場所の暑さ指数とに基づいて、所定の場所における熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する必要性マップ生成部26とを備えた構成を有している。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の場所における暑さ指数を取得する暑さ指数取得部と、
前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する対応必要性算出部と、
を備えた、熱中症対応システム。
【請求項2】
前記熱中症関連事項は、前記暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさ又は熱中症の重症化率に関連する事項であり、
前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、熱中症に関連するリスクを算出する、請求項1に記載の熱中症対応システム。
【請求項3】
前記熱中症関連事項の指標は、特定の年齢層の人口の多さを示す情報である、請求項2に記載の熱中症対応システム。
【請求項4】
前記熱中症関連事項の指標は、独居高齢者の人口の多さを示す情報である、請求項2に記載の熱中症対応システム。
【請求項5】
前記熱中症関連事項は、熱中症の発生の可能性を低下させるための措置の充実度に関連する事項であり、
前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、熱中症の発生の可能性を低下させるための措置を充実させる必要性の大きさを算出する、請求項1に記載の熱中症対応システム。
【請求項6】
前記熱中症関連事項の指標は、暑さ指数を低下させるための措置の充実度を示す情報であり、
前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、前記充実度を向上させる必要性の大きさを算出する、請求項5に記載の熱中症対応システム。
【請求項7】
前記熱中症関連事項の指標は、緑被率を示す情報であり、
前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、緑被率を向上させる必要性の大きさを算出する、請求項6に記載の熱中症対応システム。
【請求項8】
前記熱中症関連事項の指標は、暑さ指数に対する熱中症の発生の可能性を低下させるための措置の充実度を示す情報であり、
前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、前記充実度を向上させる必要性の大きさを算出する、請求項5に記載の熱中症対応システム。
【請求項9】
前記暑さ指数取得部は、複数の場所の各々の前記暑さ指数を取得し、
前記対応必要性算出部は、前記複数の場所の各々の前記熱中症関連事項の指標を用いて、前記複数の場所の各々について、前記必要性の大きさを算出する、
請求項1に記載の熱中症対応システム。
【請求項10】
前記複数の場所の前記暑さ指数に基づいて、前記複数の場所を含む領域の前記暑さ指数の分布を示す暑さ指数マップを生成するマップ生成部をさらに備え、
前記対応必要性算出部は、前記複数の場所を含む領域の前記熱中症関連事項の指標の分布を示す指標マップで前記暑さ指数マップを重み付けすることで、前記必要性の分布を示す必要性マップを算出する、請求項9に記載の熱中症対応システム。
【請求項11】
前記暑さ指数取得部は、
前記暑さ指数を算出するための環境情報を測定する環境情報測定部と、
前記環境情報測定部によって測定された前記環境情報から前記暑さ指数を算出する暑さ指数算出部と、
を備えた、請求項1に記載の熱中症対応システム。
【請求項12】
前記環境情報測定部は、前記所定の場所に設置されて、測定した前記環境情報を通信で前記暑さ指数算出部に送信する、請求項11に記載の熱中症対応システム。
【請求項13】
前記環境情報測定部及び前記暑さ指数算出部は、前記所定の場所に設置される、請求項11に記載の熱中症対応システム。
【請求項14】
前記暑さ指数取得部は、
前記複数の場所にそれぞれ設置され、前記暑さ指数を算出するための環境情報を測定する複数の環境情報測定部と、
前記複数の環境情報測定部によって測定された複数の環境情報から前記複数の場所のそれぞれの前記暑さ指数を算出する暑さ指数算出部と、
を備えた、請求項9又は10に記載の熱中症対応システム。
【請求項15】
所定の場所の暑さ指数を取得する暑さ指数取得部と、
前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する対応必要性算出部と、
を備えた、熱中症対応装置。
【請求項16】
所定の場所の暑さ指数を取得し、
前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する、
熱中症対応方法。
【請求項17】
コンピュータを、
所定の場所の暑さ指数を取得する暑さ指数取得部、及び
前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する対応必要性算出部、
として機能させるための熱中症対応プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱中症への対応の必要性の大きさを算出する熱中症対応システム、熱中症対応装置、熱中症対応方法、及び熱中症対応プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地球上の気温は年々上昇傾向にあり、それに伴い、熱中症による死亡者数・救急搬送者数は著しく増加している。特に熱中症が重症化しやすい乳幼児や高齢者などは、その対策が必要であるとして、行政や関連団体等は様々な呼びかけを行うことに注力している。
【0003】
行政は、気象庁の高温注意情報や環境省の暑さ指数等によって国民へ情報提供、注意喚起を行っている。さらに令和3年度より、従来の高温注意情報が熱中症警戒アラートとして運用されている。これは、関係省庁や地方自治体、報道機関や民間事業者へ向けて配信される。サービス業者は、熱中症対策のチラシや広告を作成して、夏季に配布や掲示などを行い、注意喚起を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-076589
【特許文献2】特開2014-181973
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1には、車外の気象状況のデータマップを構築し、現在の車外の気象状況とデータマップに収集された過去の車外の気象状況に基づいて熱中症の発生危険度が高いかを推定することが開示されている。また、熱中症の発症する危険性の判定については、車両の外気温と湿度、皮膚温度の検出や測定した乗員の血流などを利用することが開示されている。文献2には、湿球黒球温度測定装置について記載されており、湿球黒球温度を算出することが開示されている。
【0006】
従来では、熱中症計で得られた暑さ指数に基づいて、暑さ指数が高い区域等に対して注意喚起を行っていた。しかし、暑さ指数だけでは、対応の必要性の大きさは反映されておらず、一律の呼びかけしか行うことはできなかった。例えば、オフィス街など日中に比較的体の丈夫な若年層が主に活動している地域と独居高齢者など熱中症になった際のリスクが大きい人が多い地域とで、同じ暑さ指数が示されたとしても、そのリスクの大きさは異なる。この場合、熱中症への対応の必要性は、独居高齢者数が多い地域ではより高いと言える。
【0007】
そこで、本発明は、暑さ指数のみによらない熱中症への対応の必要性の大きさを算出する熱中症対応システム、熱中症対応装置、及び熱中症対応方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様の熱中症対応システムは、所定の場所における暑さ指数を取得する暑さ指数取得部と、前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する対応必要性算出部とを備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、単に暑さ指数を取得するだけでなく、暑さ指数に基づいて熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさが算出されるので、この情報を用いて、実際の必要に応じて有効な熱中症への対応をすることができる。
【0010】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項は、前記暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさ又は熱中症の重症化率に関連する事項であってよい。前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、熱中症に関するリスクを算出してよい。
【0011】
この構成により、単に暑さ指数を取得するだけでなく、熱中症の発生のしやすさに基づく熱中症に関するリスクが算出されるので、例えば、暑さ指数が高い場所であっても熱中症の発生のしやすさが比較的低い場所と熱中症の発生のしやすさが比較的高い場所とがある場合に、後者を優先して対応をすることができる。ここでいう熱中症の発生のしやすさ又は重症化率は熱中症対応に関する緊急性、優先順位等を考慮して決定される。また、例えば、暑さ指数が低い場所であっても熱中症の重症化率が比較的高い場所と熱中症の重症化率が比較的低い場所とがある場合に、前者を優先して対応することができる。
【0012】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項の指標は、特定の年齢層の人口の多さを示す情報であってよい。
【0013】
この構成により、特定の年齢層に応じて熱中症の発生リスクが高い場所を把握できる。
【0014】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項の指標は、独居高齢者の人口の多さを示す情報であってよい。
【0015】
この構成により、独居高齢者による熱中症の発生リスクが高い場所を把握できる。
【0016】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項は、熱中症の発生の可能性を低下させるための措置の充実度に関連する事項であってよく、前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、熱中症の発生の可能性を低下させるための措置を充実させる必要性の大きさを算出してよい。
【0017】
この構成により、熱中症の発生の可能性を低下させる措置を充実させる必要性が大きい場所を把握できる。
【0018】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項の指標は、暑さ指数を低下させるための措置の充実度を示す情報であってよく、前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、前記充実度を向上させる必要性の大きさを算出してよい。
【0019】
この構成により、暑さ指数自体を低下させるための措置を充実させる必要性が大きい場所を把握できる。
【0020】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項の指標は、緑被率を示す情報であってよく、前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、緑被率を向上させる必要性の大きさを算出してよい。
【0021】
この構成により、暑さ指数を低下させるための措置として、緑被率を向上させる必要性の大きさを把握できる。
【0022】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記熱中症関連事項の指標は、暑さ指数に対する熱中症の発生の可能性を低下させるための措置の充実度を示す情報であってよく、前記対応必要性算出部は、前記必要性の大きさとして、前記充実度を向上させる必要性の大きさを算出してよい。
【0023】
この構成により、暑さ指数に対する熱中症の発生の可能性を低下させるための措置を充実させる必要性の大きさを把握できる。
【0024】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記暑さ指数取得部は、複数の場所の各々の前記暑さ指数を取得し、前記対応必要性算出部は、前記複数の場所の各々の前記熱中症関連事項の指標を用いて、前記複数の場所の各々について、前記必要性の大きさを算出してよい。
【0025】
この構成により、複数の場所について、単に暑さ指数に基づくのではなく、実際の対応の必要性に応じて、必要性の大きな場所に対して優先的に対応をすることができる。
【0026】
上記の熱中症対応システムは、前記複数の場所の前記暑さ指数に基づいて、前記複数の場所を含む領域の前記暑さ指数の分布を示す暑さ指数マップを生成するマップ生成部をさらに備えていてよく、前記対応必要性算出部は、前記複数の場所を含む領域の前記熱中症関連事項の指標の分布を示す指標マップで前記暑さ指数マップを重み付けすることで、前記必要性の分布を示す必要性マップを算出してよい。
【0027】
この構成により、必要性の大きさの分布をマップで把握することができる。
【0028】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記暑さ指数取得部は、前記暑さ指数を算出するための環境情報を測定する環境情報測定部と、前記環境情報測定部によって測定された前記環境情報から前記暑さ指数を算出する暑さ指数算出部とを備えていてよい。
【0029】
この構成により、暑さ指数取得部は、測定によって暑さ指数を取得できる。
【0030】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記環境情報測定部は、前記所定の場所に設置されて、測定した前記環境情報を通信で前記暑さ指数算出部に送信してよい。
【0031】
この構成により、所定の場所で環境情報を測定して、サーバ装置等の所定の場所とは異なる場所に設置された情報処理装置によって暑さ指数を算出することで、暑さ指数を取得できる。
【0032】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記環境情報測定部及び前記暑さ指数算出部は、前記所定の場所に設置されてよい。
【0033】
この構成により、所定の場所で暑さ指数の算出まで行って暑さ指数を取得できる。
【0034】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記暑さ指数取得部は、前記複数の場所で測定された暑さ指数を前記複数の場所から通信によって取得してよい。
【0035】
この構成により、通信を利用して複数の場所の暑さ指数を取得して対応の必要性の大きさを算出できる。
【0036】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記暑さ指数取得部は、前記暑さ指数を算出するための環境情報を測定する環境情報測定部と、前記環境情報測定部によって測定された前記環境情報から前記暑さ指数を算出する暑さ指数算出部とを備えていてよい。
【0037】
この構成により、暑さ指数を測定して取得することができる。
【0038】
上記の熱中症対応システムにおいて、前記暑さ指数取得部は、前記複数の場所にそれぞれ設置され、前記暑さ指数を算出するための環境情報を測定する複数の環境情報測定部と、前記複数の環境情報測定部によって測定された複数の環境情報から前記複数の場所のそれぞれの前記暑さ指数を算出する暑さ指数算出部とを備えていてよい。
【0039】
一態様の熱中症対応装置は、所定の場所の暑さ指数を取得する暑さ指数取得部と、前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する対応必要性算出部とを備えた構成を有している。
【0040】
この構成により、単に暑さ指数を取得するだけでなく、暑さ指数に基づいて熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさが算出されるので、この情報を用いて、実際の必要に応じて有効な熱中症への対応をすることができる。
【0041】
一態様の熱中症対応方法は、所定の場所の暑さ指数を取得し、前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する構成を有している。
【0042】
この構成により、単に暑さ指数を取得するだけでなく、暑さ指数に基づいて熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさが算出されるので、この情報を用いて、実際の必要に応じて有効な熱中症への対応をすることができる。なお、この熱中症対応方法は、例えば、上記の熱中症対応システムによって実行される。
【0043】
一態様の熱中症対応プログラムは、コンピュータを、所定の場所の暑さ指数を取得する暑さ指数取得部、及び前記所定の場所における熱中症に関連する熱中症関連事項の指標と前記所定の場所の前記暑さ指数とに基づいて、前記所定の場所における前記熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する対応必要性算出部として機能させる構成を有している。
【0044】
この構成によっても、単に暑さ指数を取得するだけでなく、暑さ指数に基づいて熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさが算出されるので、この情報を用いて、実際の必要に応じて有効な熱中症への対応をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、本発明の実施の形態の熱中症対応システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態の熱中症対応システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施の形態の記憶部に記憶される情報を示す表である。
図4図4は、本発明の実施の形態の暑さ指数(地点)マップの例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態の暑さ指数(領域)マップの例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施の形態の熱中症関連事項の指標マップの例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施の形態の必要性マップの例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態の熱中症関連事項の指標マップの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0047】
図1は、本発明の実施の形態の熱中症対応システムの構成を示す図である。熱中症対応システム100は、暑さ指数を測定する複数の熱中症計10と、情報処理装置20とを備えている。熱中症計10及び情報処理装置20は、通信機能を有し、通信ネットワークNを介して互いに通信可能である。特に、本実施の形態では、複数の熱中症計10は、各々測定した暑さ指数を情報処理装置20に送信し、情報処理装置20は、これを受信する。複数の熱中症計10は、複数の所定の場所にそれぞれ設置され、設置された場所の暑さ指数を測定する。複数の熱中症計10は、例えば、行政上の区画に従って複数の市民館、区民館等の公共の施設に配置されてよく、あるいは学区に従って複数の小学校等の特定の施設に配置されてよい。
【0048】
熱中症計10は、暑さ指数を測定した場所の位置情報と共に測定した暑さ指数を情報処理装置20に送信する。なお、熱中症計10は、それ自体が通信機能を有するものでなくても、熱中症計10で測定された暑さ指数が、熱中症計以外の通信機能を有する装置(例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ)を介して情報処理装置20に送信されてもよい。熱中症計10は、常時通信ネットワークNに接続されていて、測定した暑さ指数を定期的に情報処理装置20に送信してよく、あるいは、暑さ指数を送信するたびに通信ネットワークNに接続してもよい。
【0049】
図2は、本発明の実施の形態の熱中症対応システムの構成を示すブロック図である。熱中症計10は、環境情報測定部11と、通信部12と、位置測定部13とを備えている。環境情報測定部11は、暑さ指数を算出するための環境情報として、黒球温度、乾球温度、及び相対湿度を計測する。このために、環境情報測定部11は、黒球温度センサと、気温センサと、湿度センサとを備えている。環境情報測定部11は、環境情報として、黒球温度センサで黒球温度Tgc(℃)を計測し、気温センサで乾球温度T(℃)を計測し、湿度センサで相対湿度を計測して相対湿度と乾球温度から湿球温度T(℃)を算出する。湿球温度T(℃)は暑さ指数取得部で算出されてもよい。
【0050】
位置測定部13は、熱中症計10の位置情報を取得する。位置測定部13は、GPS受信機であってよく、位置情報は緯度及び経度で表されてよい。通信部12は、環境情報測定部11で測定された環境情報、位置測定部13で測定された位置情報、及び環境情報を測定した日時の情報を情報処理装置20に送信する。情報処理装置20に備えられた暑さ指数算出部112は、複数の測定地点に備えられた環境情報取得部111から取得した複数の環境情報に基づいて、各測定地点の暑さ指数を算出する。
【0051】
なお、熱中症計10は、設定されたタイミングで定期的に環境情報を測定して情報処理装置に送信するものであってよく、あるいは、操作者の操作に応じて環境情報を測定するものであってもよく、また、操作者の操作に応じて測定した環境情報を情報処理装置20に送信するものであってよい。
【0052】
情報処理装置20は、熱中症対応装置として機能する。情報処理装置20は、通信部21と、暑さ指数算出部22と、記憶部23と、指標マップ取得部24と、暑さ指数マップ生成部25と、必要性マップ生成部26と、出力部27とを備えている。情報処理装置20は、演算装置、メモリ、記憶装置、各種インターフェース、及び通信モジュールを備えた汎用のコンピュータであってよく、この場合に、暑さ指数算出部22、暑さ指数マップ生成部25、及び必要性マップ生成部26は、それぞれ演算装置が所定のコンピュータプログラムを実行することで実現する機能であってよい。
【0053】
通信部21は、複数の熱中症計10の各々から送信されてきた環境情報、位置情報、日時の情報を受信し、記憶部23に記憶する。本実施の形態では、複数の熱中症計10は、所定の日にち及び所定の時刻に環境情報を測定して、情報処理装置20に送信する。情報処理装置20では、複数の熱中症計10が配置された複数の場所の同時期の環境情報を得ることになる。
【0054】
暑さ指数算出部22は、通信部21で受信した環境情報、又は通信部21で受信して記憶部23に記憶された環境情報に基づいて、下式(1)(屋内の場合)及び(2)(屋外の場合)により、暑さ指数として湿球黒球温度WBGTを算出する。
WBGT(℃)=0.7×T+0.2×Tgc+0.1×T(1)
WBGT(℃)=0.7×T+0.3×Tgnc (2)
【0055】
本実施の形態では、熱中症計10に環境情報測定部11と通信部12が設けられ、情報処理装置20に通信部21と暑さ指数算出部22が設けられ、熱中症計10から情報処理装置20に環境情報が送信されて情報処理装置20において暑さ指数が得られる。この環境情報測定部11、通信部12、通信部21、暑さ指数算出部22は、本発明の暑さ指数取得部に相当する。なお、これに代えて、暑さ指数算出部22は、熱中症計10に備えられていてもよい。この場合には、熱中症計10に備えられた環境情報測定部11と暑さ指数算出部22とで暑さ指数取得部が構成され、熱中症計10で取得された暑さ指数が情報処理装置20に送信される。この場合に、情報処理装置20の通信部21は、熱中症計10から暑さ指数を受信するものであり、本願発明の暑さ指数取得部に相当すると考えることもできる。あるいは、暑さ指数算出部22が最終的に暑さ指数を算出する構成であり、よって、この暑さ指数算出部22が本願発明の暑さ指数取得部に相当すると考えることもできる。
【0056】
図3は、本発明の実施の形態の記憶部に記憶される情報を示す表である。記憶部23には、熱中症計10から受信した情報及び暑さ指数算出部22で算出された暑さ情報が記憶される。すなわち、記憶部23には、複数の熱中症計10の測定ごとに、測定日時、測定場所、環境情報(黒球温度、乾球温度、湿球温度)及び暑さ指数が記憶され、同時期に測定された環境情報及び暑さ指数がまとめて記憶される。
【0057】
なお、本実施の形態では、熱中症計10が位置測定部13を有し、熱中症計で位置情報を取得して、これを情報処理装置20に送信したが、位置測定部13を省略してもよい。この場合には、熱中症計10の識別情報が、暑さ指数とともに情報処理装置20に送信されてよい。情報処理装置20は、熱中症計10の識別情報と、当該熱中症計10が測定をする場所の情報との対応関係の情報を有しており、この情報に基づいて、図3に例示する表を生成する。
【0058】
暑さ指数マップ生成部25は、記憶部23に記憶された複数の場所の暑さ指数を地図上にマッピングすることで暑さ指数マップを生成する。図4は、本発明の実施の形態の暑さ指数(地点)マップの例を示す図である。図4の例では、各区画に1つの測定地点が設定されて、暑さ指数が取得されている。
【0059】
暑さ指数マップ生成部25は、暑さ指数を所定の基準に従って、クラス分けする。具体的には、暑さ指数マップ生成部25は、WBGT=31℃以上を「危険」とし、WBGT=28℃以上31℃未満を「厳重警戒」とし、WBGT=25℃以上28℃未満を「警戒」とし、WBGT=25℃未満を「注意」とする。図4に示すように、暑さ指数マップ生成部25は、該当する測定地点に対応する位置に、クラスに応じた色で表された印を付すことで暑さ指数(地点)マップを生成する。
【0060】
なお、暑さ指定マップ生成部25は、各測定地点における1回の測定によって得られた暑さ指数を用いて暑さ指数(地点)マップを生成してもよいが、各測定地点における複数回の測定で得られた複数の暑さ指数の平均値を当該測定地点の暑さ指数として暑さ指数マップを生成してもよい。
【0061】
暑さ指数マップ生成部25は、さらに、複数の測定地点で測定された暑さ指数に基づいて、複数の測定地点を含む地域の暑さ指数を示す暑さ指数(領域)マップを生成する。図5は、本発明の実施の形態の暑さ指数(領域)マップの例を示す図である。図4の例では各区画に1つの測定地点を有するため、図5の例では、各区画全体の暑さ指数は当該区画の測定地点における暑さ指数であると推定されている。
【0062】
なお、暑さ指数(領域)マップは、複数の測定地点を含む地域をグリッド状に小ブロックに分けて、各小ブロックの暑さ指数を、当該小ブロックから最も近い測定地点の暑さ指数であると推定することで作成されてもよく、あるいは、各小ブロックについて、当該小ブロックから複数の測定地点までの距離に応じて各測定地点の暑さ指数の加重平均を取ることで、当該小ブロックの暑さ指数を推定してもよい。
【0063】
指標マップ取得部24は、熱中症に関連する事項(以下、「熱中症関連事項」という。)の指標を示す指標マップを取得する。図6は、本発明の実施の形態の熱中症関連事項の指標マップの例を示す図である。本実施の形態では、熱中症関連事項は、暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさに関連する事項である。具体的には、熱中症関連事項の指標は、独居高齢者の人口の多さを示す情報である。すなわち、同じ暑さ指数であっても、独居高齢者が多い地域は熱中症になる者が発生する可能性が高いと考えられる。よって、本実施の形態では、独居高齢者率の高さを、暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさに関連する事項の指標とする。
【0064】
この熱中症の発生のしやすさは、熱中症になった場合に重症化する可能性、即ち熱中症の重症化率と理解することもできる。熱中症の発生のしやすさ又は重症化率は、熱中症になったときに近くにすぐに気付ける人がいるか(独居率)、熱中症になった際に迅速に対応できるか、病院の近さ、道の混雑、病院の混雑度合等を考慮して決定されてよい。また、熱中症の発生のしやすさ又は重症化率は、独居高齢者の人口の多さ以外にも、例えば、要介護認定者の人口の多さ、障がい者手帳保持者の人口の多さによって定義されてもよい。
【0065】
図6は、熱中症関連事項の指標として独居高齢者率を表す指標マップである。図6の指標マップでは、図5の暑さ指数(領域)マップと同じ区画ごとに独居高齢者率をクラス分けして示している。具体的には、図6の指標マップでは、独居高齢者率が、6%以上、2%以上6%未満、2%未満の3クラスに分けてられている。なお、独居高齢者率は、当該区画における世帯数に対する65歳以上の1人世帯の数の割合である。
【0066】
指標マップ取得部24は、あらかじめ用意されている指標マップを取得してもよいし、図4に示すようなデータをもとに図6に示す指標マップを作成してもよい。なお、本実施の形態では、図5の暑さ指数(領域)マップと図6の指標マップにおける領域の区分けは同じであるが、暑さ指数(領域)マップと指標マップとで領域の区分けが異なっていてもよい。
【0067】
必要性マップ生成部26は、指標マップと暑さ指数(領域)マップとに基づいて、熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを示す必要性マップを生成する。このために、必要性マップ生成部26は、マップ内の各場所について、暑さ指数を熱中症関連事項の指標で重みづけすることで、熱中症関連事項に関する対応の必要性の大きさを算出する。必要性マップ生成部26は、対応必要性算出部として機能する。
【0068】
図7は、本発明の実施の形態の必要性マップの例を示す図である。図7の必要性マップは、図5の暑さ指数(領域)マップを図6の指標マップで重み付けすることで作成されている。図7の例では、各領域に必要性の度合いを示す数が示されている。なお、必要性マップについても、図5及び図6の例と同様に、区分けされた各領域が必要性の大きさに応じた色で塗分けられていてよい。上述のように、本実施の形態では、図5及び図6はいずれも同じ区画で区分けされているので、区分けされた領域ごとに、暑さ指数を指標(独居高齢者率)で重みづけして、各領域の必要性の大きさを算出することができる。
【0069】
本実施の形態では、必要性マップ生成部26は、複数の測定地点を含む地域の各領域について、暑さ指数に応じた値と熱中症関連事項の指標に応じた値とを乗算することで、必要性の大きさを算出している。このとき、本実施の形態では、暑さ指数をそのまま用いるのではなく、暑さ指数をクラス分けして、各クラスに、暑さ指数の大きさに応じた値を与えている。例えば、「危険」領域を「4」とし、「厳重警戒」領域を「3」とし、「警戒」領域を「2」とし、「注意」領域を「1」とする。また、指標マップにおいても、高齢者人口率が「6%以上」を「3」とし、「2%以上6%未満」を「2」とし、「2%未満」領域を「1」とする。必要性マップ生成部26は、各領域について、暑さ指数に応じた値(1~4)と熱中症関連事項の指標に応じた値(1~3)との積をその領域の必要性の大きさとして算出する。なお、必要性マップ生成部26は、暑さ指数及び/又は指標をそのまま用いて必要性の大きさを算出してもよい。
【0070】
暑さ指数を独居高齢者率で重みづけすることで、独居高齢者による熱中症の発生リスクが得られる。この熱中症の発生リスクは、即ち独居高齢者による熱中症の発生に対応する必要性の大きさを示すものである。よって、この必要性マップを利用して、必要性が高い地域について重点的に、民生委員や保健士のこまめな訪問、ポスティング、エアコンの稼働率チェック等の行政サービスを実施し、あるいは高齢者の熱中症を予防するための民間サービスを実施できる。
【0071】
以上のように、本実施の形態の熱中症対応システムでは、単に各地点で測定された暑さ指数を示すだけでなく、各場所の熱中症関連事項の指標と暑さ指数とに基づいて、熱中症関連事項に応じた対応の必要性を把握できる。具体的には、特に、上記の実施の形態の熱中症対応システムでは、暑さ指数が高く、かつ、独居高齢者が多い地域を特定できるので、サービスリソースを効率的に利用することで、高齢者による熱中症の発生の可能性を低下させるための対応を少ないリソースでも効率的に行うことができる。
【0072】
上記の実施の形態では、暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさに関連する事項として独居高齢者率を用いて、高齢者において熱中症が発生するリスクを、高齢者の熱中症発生可能性を低下させる対応の必要性として算出したが、暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさに関連する事項は、例えば、乳幼児の多さであってもよく、乳幼児、子供、または高齢者の多さであってもよい。すなわち、暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさに関連する事項は、特定の年齢層の人口の多さを示す情報であってよい。
【0073】
また、上記の実施の形態では、熱中症関連事項が暑さ指数に対する熱中症の発生のしやすさに関連する事項であったが、熱中症関連事項はこれに限られない。熱中症関連事項は、例えば、熱中症の発生可能性を低下させるための措置の充実度に関連する事項であってよい。これにより、必要性マップ生成部26は、暑さ指数を熱中症関連事項の指標で重み付けすることで、対応の必要性の大きさとして、熱中症の発生の可能性を低下させるための措置を充実させる必要性の大きさを算出することができる。
【0074】
熱中症の発生の可能性を低下させる措置には、暑さ指数自体を低下させる措置と、暑さ指数に対する熱中症の発生の可能性を低下させる措置とが含まれる。前者は、例えば、緑被率の向上、日陰面積の増大等であり、後者は、例えば、公道や公共の施設における休憩所、ミストシャワー、熱中症アラート放送システム設置である。緑被率の向上や公共スペースへのアクセスの提供はSDGsの観点でも有効な措置である。
【0075】
図8は、本発明の実施の形態の熱中症関連事項の指標マップの他の例を示す図である。図8の例では、熱中症関連事項の指標は地域の緑被率である。緑被率は暑さ指数を低下させるのに有利に働くと考えることができる。そこで、図8の例では、暑さ指数が高く、かつ、緑被率が低い地域を、緑被率を優先的に向上させる必要がある地域として特定すべく、緑被率を表す指標マップを用いる。
【0076】
図8の指標マップでは、地域の緑被率がクラス分けされて、領域ごとに緑被率のクラスを示す模様で塗り分けられている。この緑被率を定める区画は、図5に示した暑さ指数(領域)マップにおける区画とは異なっており、緑被率の区画の方が同じ地域をより細かく区分している。このように、暑さ指数マップの領域の区画の仕方と指標マップの区画の仕方とは異なっていてもよい。
【0077】
上記の実施の形態と同様にして、暑さ指数(領域)マップに対してこの指標マップで重みづけをすることで、緑被率を向上させる必要性の大きさを地区ごとに表した必要性マップを得ることができる。このようにして得られた必要性マップは、当該地域の緑化計画を策定する際の有効な参考資料となる。
【0078】
出力部27は、必要性マップ生成部26で生成された必要性マップを出力する。出力部27は、外部の装置に必要性マップを出力するインターフェースであってよく、外部の装置に必要性マップを送信する通信モジュールであってよく、あるいは、必要性マップを表示する表示装置であってもよい。
【0079】
なお、上記の実施の形態では、複数の測定地点で暑さ指数を測定して、それらの複数の測定地点を含む地域を複数の領域に区分けして、区分けされた領域について暑さ指数を推定し(図5参照)、指標マップ(図6参照)で重み付けすることで当該地域の複数の領域の必要性をそれぞれ算出した(図7参照)。しかしながら、本発明の熱中症対応システムは、これに限られず、測定地点における対応の必要性の大きさを算出するものであってもよい。
【0080】
すなわち、図5に示すような暑さ指数(領域)マップではなく、図4に示すような暑さ指数(地点)マップの各測定地点の暑さ指数を図6に示すような指標マップで重み付けすることで、各測定地点における対応の必要性の大きさを算出してよい。また、そのようにして得られた各測定地点における必要性の大きさはマップではなく、表形式で示されてもよい。あるいは、各測定地点の必要性の大きさが得られたら、それらをもとに当該地域を複数の区画に区分けした各領域について必要性の大きさを推定してよい。
【0081】
また、上記の実施の形態では、複数の測定地点に複数の熱中症計10を設置して、情報処理装置20は、それらの複数の熱中症計10から測定された暑さ指数を収集した。これに代えて、1つの熱中症計10を用いて、複数の測定地点に移動して、それぞれの測定地点で暑さ指数を測定することで複数の測定地点の暑さ指数を取得するようにしてもよい。
【0082】
また、上記の実施の形態では、必要性算出部26は、複数の測定地点の暑さ指数を用いて、複数の地点ないし複数の領域の熱中症への対応の必要性の大きさの分布を算出したが、必要性算出部26は、1つの地点の必要性の大きさを算出してもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 熱中症計
11 環境情報測定部
12 通信部
13 位置測定部
20 情報処理装置
21 通信部
22 暑さ指数算出部
23 記憶部
24 指標マップ取得部
25 暑さ指数マップ生成部
26 必要性マップ生成部
27 出力部
100 熱中症対応システム
図1
図2
図3
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図8