(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101381
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】熱交換器及び熱交換器を備える分離装置
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20230712BHJP
F28D 9/00 20060101ALI20230712BHJP
F28F 21/08 20060101ALI20230712BHJP
F25J 3/04 20060101ALI20230712BHJP
F25J 5/00 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28F3/08 301A
F28D9/00
F28F21/08 A
F25J3/04 101
F25J5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022171450
(22)【出願日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】2200107
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ダビディアン
【テーマコード(参考)】
3L103
4D047
【Fターム(参考)】
3L103AA06
3L103AA37
3L103BB29
3L103CC22
3L103CC30
3L103DD15
3L103DD22
3L103DD52
3L103DD92
4D047AA08
4D047AB01
4D047AB02
4D047CA04
4D047CA16
4D047DA06
4D047DA17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】小型化の観点からの節約を伴って、交換器内の機能しない通路を作ることなく富む液体の冷却を促進する。
【解決手段】複数の通路、即ち、少なくとも第1及び第2の流体の流れのための第1の一連の通路1と、第1及び第2の流体との熱交換関係に置かれる第3の流体の流れのための第2の一連の通路とで構成された、冷却されるべき第1及び第2の流体B,Cと加熱されるべき少なくとも第3の流体との間の間接的な熱交換のための熱交換器であって、熱交換器は、3つのセクションであって、第2のセクションは、第1のセクションと第3のセクションとの間にある、3つのセクションと、第2のセクション中の第1の一連の通路の一部分中にのみ第1の流体を導入するための手段R1とを備える。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却されるべき第1及び第2の流体(B,C)と加熱されるべき少なくとも第3の流体(A)との間の間接的な熱交換のための熱交換器であって、前記熱交換器は、離間された矩形プレートのスタックで構成され、前記スタックは、長さ、幅、及び高さを有し、前記矩形プレートは、それぞれ、前記スタックの前記長さ及び前記幅である長さ及び幅を有し、前記矩形プレートは、複数の通路、即ち、少なくとも前記第1及び前記第2の流体の流れのための第1の一連の通路(1,2)と、前記第1及び前記第2の流体との熱交換関係に置かれる前記第3の流体の流れのための第2の一連の通路(3)とを前記矩形プレートの間に画定するように互いに平行であり、前記複数の通路は、周縁部によって範囲を定められ、
前記熱交換器は、
前記スタックの前記高さ及び前記幅と前記スタックの前記長さのフラクションとによって各々画定される3つのセクションと、ここで、前記3つのセクションは、前記スタックの一端を備える第1のセクション(SB)、第2のセクション(SBC)、及び前記スタックの他端を備える第3のセクションを備え、前記第2のセクションは、前記第1のセクションと前記第3のセクションとの間にあり、前記第1、前記第2、及び前記第3のセクションのうちの少なくとも2つは並置されるものであり、
前記第1及び前記第2のセクションが並置され、及び/又は前記第2及び前記第3のセクションが並置される前記第1の一連の通路を閉鎖するための手段(P)と、
前記第1のセクションの自由端における前記第1の一連の通路中に前記第1の流体を導入するための手段(B1)と、
前記第1のセクションの前記第1の一連の通路から前記第1の流体を引き出すための手段(R1)と、
前記第2のセクション中の前記第1の一連の通路の一部分中にのみ前記第1の流体を導入するための手段(R1)と、
前記第1の一連の通路の前記一部分から前記第1の流体を引き出すための手段(B2)と、
前記第2のセクション中の前記第1の一連の通路の別の部分又は実際に残りの部分中に前記第2の流体を導入するための手段(C1)と、
前記第2のセクションの前記第1の一連の通路の前記別の部分又は実際に前記残りの部分から前記第2の流体を引き出すための手段(R2)と、
前記第3のセクション中の前記第1の一連の通路中に前記第2の流体を導入するための手段(R2)と、
前記第3のセクションの自由端における前記第1の一連の通路から前記第2の流体を引き出すための手段(C2)と、
前記第3のセクション中に前記第3の流体を導入するための手段と、
前記第3の流体に前記第3、前記第2、及び前記第1のセクションを連続して通過させるための手段と、
前記第1のセクションから前記第3の流体を抜き取るための手段と、を備える、熱交換器。
【請求項2】
n個の前記第1の一連の通路は、特に前記第1のセクション(SB)中の前記第1の流体のためのものであり、n-m個の前記第1の一連の通路は、特に前記第2のセクション(SBC)中の前記第1の流体のためのものである、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
どの通路も、前記第3のセクション(SC)中の前記第1の流体の流れのためには接続されない、請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
n個の前記第1の一連の通路は、特に前記第3のセクション(SC)中の前記第2の流体のためのものであり、m<nであるm個の前記第1の一連の通路は、特に前記第2のセクション(SBC)中の前記第2の流体のためのものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
どの通路も、前記第1のセクション(SB)中の前記第2の流体の流れのためには接続されない、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
特に前記第1のセクション(SB)中の前記第1の流体のための前記第1の一連の通路の数は、nであり、特に前記第2のセクション(SBC)中の前記第1の流体のための前記第1の一連の通路の数は、n/2である、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
特に前記第2のセクション(SBC)中の前記第2の流体のための通路の数は、n/2であり、特に前記第3のセクション(SC)中の前記第2の流体のための通路の数は、nである、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記矩形プレートは、アルミニウムで作られ、前記複数の通路中にチャネルを形成するフィンによって互いから分離され、前記矩形プレートと前記フィンとは、共にろう付けされている、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1及び前記第2の一連の通路(1,2,3)のみを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
第1の圧力で動作するように適合された第1のカラム(K1)と、
前記第1の圧力を下回る第2の圧力で動作するように適合された第2のカラム(K2)と、ここで、前記第1のカラムのヘッドは、前記第2のカラムのタンクに熱的に連結されており、
少なくとも前記第1のカラムに浄化され冷却された空気(10)を送るための手段と、
前記第1のカラムのタンクから前記第2のカラムに液体である第1の流体(B)を送るための手段と、
前記第1のカラムのヘッドから前記第2のカラムに液体である第2の流体(C)を送るための手段と、
前記第2のカラムから窒素に富む気体である第3の流体(A)を抜き取るための手段と、
前記第2のカラムから酸素に富む流体(90)を抜き取るための手段と、
前記第1のカラムのタンクから前記第2のカラムに前記第1の流体を前記送るための手段、前記第1のカラムのヘッドから前記第2のカラムに前記第2の流体を前記送るための手段、及び前記第2のカラムから前記第3の流体を前記抜き取るための手段に接続されて、冷却された少なくとも前記第1及び前記第2の流体との間接的な熱交換によって少なくとも前記第3の流体を加熱することを可能にする、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱交換器(S)と、
を備える、空気分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器及び熱交換器を備える分離装置に関する。熱交換器は、直交流式であり得るが、“Cryogenic Engineering” edited by B.A. Hands, Academic Press, 1986, pages 213-216、EP1338856、及びDE102018009780内で過冷却器について説明されているような、向流式熱交換器にも適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】第1の圧力で動作する第1のカラムK1と、第1の圧力を下回る第2の圧力で動作するように適合された第2のカラムK2とであって、第1のカラムのヘッドは、第2のカラムのタンクに熱的に連結される、第1のカラムK1と第2のカラムK2と、少なくとも第1のカラムに浄化され冷却された空気10を送るための手段とを備える分離装置を示す。
【
図2A】以下のような一連のn個の通路の通路1のうちの1つを示す:-液体BがボックスB1を介して先行技術による熱交換器Sの第1のセクションS
Bに入り、ボックスB2を介して去る。-液体CがボックスC1を介して先行技術による熱交換器Sの第2のセクションS
Cに入り、ボックスC2を介して去る。-2つのセクションS
B及びS
Cは、直列である。
【
図2B】
図2Bの通路の両側上にある
図2Aの通路を加熱するために、先行技術による交換器Sの全長にわたって延びる特に気体Aのための一連のn+1個又は2n個の通路の通路2のうちの1つを示す。
【
図3A】ボックスB1を介して交換器Sの第1のセクションS
Bに入り、ボックスB2を介して去る特に液体Bのための一連のn個の通路の通路1のうちの1つを示す。
【
図3B】ボックスC1を介して交換器Sの第2のセクションS
Cに入り、ボックスC2を介して去る特に液体Cのための一連のp個の通路の通路2のうちの1つを示す。
【
図3C】
図3Cの通路の両側上にある
図3A及び
図3Bの通路を加熱するために、交換器Sの全長にわたって延びる特に気体Aのための一連のn+P+1個又は2n+2p個の通路の通路3のうちの1つを示す。
【
図4A】液体Cが交換器に入る温度よりも冷たい温度で液体Bが交換器を去る
図3Aの変形形態を示す。
【
図4B】液体Cが交換器に入る温度よりも冷たい温度で液体Bが交換器を去る
図3Bの変形形態を示す。
【
図4C】液体Cが交換器に入る温度よりも冷たい温度で液体Bが交換器を去る
図3Cの変形形態を示す。
【
図5A】特に交換器内の液体を冷却するための第1の一連の通路の通路1のうちの1つを示す。
【
図5B】特に交換器内の液体を冷却するための第1の一連の通路の通路2のうちの別のものを示す。
【
図5C】特に交換器内の気体を加熱するための第2の一連の通路の通路3のうちの1つを示す。
【発明を実施するための形態】
【0003】
図1は、第1の圧力で動作する第1のカラムK1と、第1の圧力を下回る第2の圧力で動作するように適合された第2のカラムK2とであって、第1のカラムのヘッドは、第2のカラムのタンクに熱的に連結される、第1のカラムK1と第2のカラムK2と、少なくとも第1のカラムに浄化され冷却された空気10を送るための手段とを備える分離装置を示す。
【0004】
第2のカラム内に環流を作るために、酸素に富む第1のカラムのタンクからの液体Bが、過冷却及び膨張後に第2のカラムの中間段に送られる。同様に、窒素に富む第1のカラムのヘッドからの液体Cは、酸素に富む液体と同じ過冷却器S内でしばしば過冷却され、次いで膨張された後に、第2のカラムのヘッドに送られる。これらの2つの液体は、それぞれ富む液体(rich liquid)及び乏しい液体(poor liquid)と呼ばれる。
【0005】
液体は、過冷却器内で加熱される第2のカラムの気体窒素流Aとの熱交換によって冷却される。
【0006】
低温蒸留によって空気を分離するための装置の過冷却器では、特に、直交流構成では、乏しい液体及び富む液体の冷却は、US2840994にあるように、直列の2つの交換器内で行われる。これらの交換器は、別個のセクションを有する単一の交換器に一体化され得る。これは、富む液体が乏しい液体の進入温度を上回る温度まで冷却されることを意味する。本発明は、小型化の観点からの節約を伴って、交換器内の機能しない通路を作ることなく富む液体の冷却を促進することを可能にすることにある。
【0007】
第1のカラムK1のタンクから来る富む液体Bは、カラムK1のヘッドから来る乏しい液体Cの進入温度よりも冷たい温度で過冷却器Sを去る。
【0008】
液体又は気体酸素90は、生成物としてカラムK2の底部において抜き取られる。
【0009】
図2A及び
図2Bは、液体B、Cを冷却するための別個のセクションを有する先行技術の熱交換器を構成する通路を示す。
【0010】
図2Aは、以下のような一連のn個の通路の通路1のうちの1つを示す:
-液体BがボックスB1を介して先行技術による熱交換器Sの第1のセクションS
Bに入り、ボックスB2を介して去る。
-液体CがボックスC1を介して先行技術による熱交換器Sの第2のセクションS
Cに入り、ボックスC2を介して去る。
-2つのセクションS
B及びS
Cは、直列である。
【0011】
図2Bは、
図2Bの通路の両側上にある
図2Aの通路を加熱するために、先行技術による交換器Sの全長にわたって延びる特に気体Aのための一連のn+1個又は2n個の通路の通路2のうちの1つを示す。気体は、入口A1から始まって降下し、出口A2に到達する前に専用の一連の通路中で加熱される。このことから、第1のセクションでは、気体Aは、液体Bと熱交換するだけであり、第2のセクションでは、気体Aは、液体Cと熱交換するだけである。
【0012】
交換器Sは、2つの一連の通路を組み合わせる通路のスタックから成り、パターンは、典型的には以下の通りである:(21)*n’2又は(212)*nであり、n’は、パターンの反復の数であり、1以上である。
【0013】
図3A及び
図3Bは、液体B、Cを冷却するための別個のセクションを有する先行技術の熱交換器を構成する通路を示す。
【0014】
図3Aは、ボックスB1を介して交換器Sの第1のセクションS
Bに入り、ボックスB2を介して去る特に液体Bのための一連のn個の通路の通路1のうちの1つを示す。斜線エリアは、流体がその中で循環していないので熱交換が行われないデッドゾーンを表す。
【0015】
図3Bは、ボックスC1を介して交換器Sの第2のセクションS
Cに入り、ボックスC2を介して去る特に液体Cのための一連のp個の通路の通路2のうちの1つを示す。斜線エリアは、流体がその中で循環していないので熱交換が行われないデッドゾーンを表す。
【0016】
図3Cは、
図3Cの通路の両側上にある
図3A及び
図3Bの通路を加熱するために、交換器Sの全長にわたって延びる特に気体Aのための一連のn+P+1個又は2n+2p個の通路の通路3のうちの1つを示す。気体は、入口A1から始まって降下し、出口A2に到達する前に専用の一連の通路中で加熱される。このことから、第1のセクションでは、気体Aは、液体Bと熱交換するだけであり、第2のセクションでは、気体Aは、液体Cと熱交換するだけである。
【0017】
交換器Sは、
図3A、
図3B、及び
図3Cの3つの一連の通路を組み合わせる通路のスタックから成り、パターンは、n=pであるとき、典型的には以下の通りである:(3132)*n’3又は(313323)*nであり、n’は、パターンの反復の数であり、1以上である。
【0018】
図4A、
図4B、及び
図4Cは、液体Cが交換器に入る温度よりも冷たい温度で液体Bが交換器を去る
図3A、
図3B、及び
図3Cの変形形態を示す。このことから、気体Aが2つの液体B、Cと同時に熱を交換する交換器の中央セクションS
BCが存在する。
【0019】
本発明の主題によると、冷却されるべき第1及び第2の流体と加熱されるべき少なくとも第3の流体との間の間接的な熱交換のための熱交換器であって、熱交換器は、離間された矩形プレートのスタックで構成され、スタックは、長さ、幅、及び高さを有し、矩形プレートは、それぞれ、スタックの長さ及び幅である長さ及び幅を有し、矩形プレートは、複数の通路、即ち、少なくとも第1及び第2の流体の流れのための第1の一連の通路と、第1及び第2の流体との熱交換関係に置かれる第3の流体の流れのための第2の一連の通路とを矩形プレートの間に画定するように互いに平行であり、複数の通路は、周縁部によって範囲を定められ、熱交換器は、スタックの高さ及び幅とスタックの長さのフラクションとによって各々画定される3つのセクションであって、3つのセクションは、スタックの一端を備える第1のセクション、第2のセクション、及びスタックの他端を備える第3のセクションを備え、第2のセクションは、第1のセクションと第3のセクションとの間にあり、第1、第2、及び第3のセクションのうちの少なくとも2つは、並置される、3つのセクションと、第1及び第2のセクションが並置され、及び/又は第2及び第3のセクションが並置される第1の一連の通路を閉鎖するための手段と、第1のセクションの自由端における第1の一連の通路中に第1の流体を導入するための手段と、第1のセクションの第1の一連の通路から第1の流体を引き出すための手段と、第2のセクション中の第1の一連の通路の一部分中にのみ第1の流体を導入するための手段と、第1の一連の通路の一部分から第1の流体を引き出すための手段と、第2のセクション中の第1の一連の通路の別の部分又は実際に残りの部分中に第2の流体を導入するための手段と、第2のセクションの第1の一連の通路の別の部分又は実際に残りの部分から第2の流体を引き出すための手段と、第3のセクション中の第1の一連の通路中に第2の流体を導入するための手段と、第3のセクションの自由端における第1の一連の通路から第2の流体を引き出すための手段と、第3のセクション中に第3の流体を導入するための手段と、第3の流体に第3、第2、及び第1のセクションを連続して通過させるための手段と、第1のセクションから第3の流体を抜き取るための手段とを備える、熱交換器が提供される。
【0020】
他の任意選択の態様によると:
-n個の第1の一連の通路は、特に第1のセクション中の第1の流体のためのものであり、n-m個の第1の一連の通路は、特に第2のセクション中の第1の流体のためのものである。
-どの通路も、第3のセクション中の第1の流体の流れのためには接続されない。
-n個の第1の一連の通路は、特に第3のセクション中の第2の流体のためのものであり、q<=mであるq個の第1の一連の通路は、特に第2のセクション中の第2の流体のためのものである。
- q≠m
-n個の第1の一連の通路は、特に第3のセクション中の第2の流体のためのものであり、m<nであるm個の第1の一連の通路は、特に第2のセクション中の第2の流体のためのものである。
-どの通路も、第1のセクション中の第2の流体の流れのためには接続されない。
-特に第1のセクション中の第1の流体のための第1の一連の通路の数は、nであり、特に第2のセクション中の第1の流体のための第1の一連の通路の数は、n/2である。
-特に第2のセクション中の第2の流体のための通路の数は、n/2であり、特に第3のセクション中の第2の流体のための通路の数は、nである。
-交換器は、2つの流体のみを冷却するように適合される。
-矩形プレートは、アルミニウムで作られ、複数の通路中にチャネルを形成するフィンによって互いから分離され、矩形プレートとフィンとは、共にろう付けされる。
-交換器は、第1及び第2の一連の通路のみを備える。
-交換器は、第4の流体を加熱するための第3の一連の通路を備える。
-第1の一連の通路は、2つの連続するプレートの間に形成された少なくとも第1の通路と、2つの連続するプレートの間に形成された少なくとも第2の通路とを備え、それらの各々は、第2の一連の通路に隣接している。
【0021】
本発明の更なる主題によると、第1の圧力で動作するように適合された第1のカラムと、第1の圧力を下回る第2の圧力で動作するように適合された第2のカラムとであって、第1のカラムのヘッドは、第2のカラムのタンクに熱的に連結される、第1のカラムと第2のカラムと、少なくとも第1のカラムに浄化され冷却された空気を送るための手段と、第1のカラムのタンクから第2のカラムに液体である第1の流体を送るための手段と、第1のカラムのヘッドから第2のカラムに液体である第2の流体を送るための手段と、第2のカラムから窒素に富む気体である第3の流体を抜き取るための手段と、第2のカラムから酸素に富む流体を抜き取るための手段と、第1のカラムのタンクから第2のカラムに第1の流体を送るための手段、第1のカラムのヘッドから第2のカラムに第2の流体を送るための手段、及び第2のカラムから第3の流体を抜き取るための手段に接続されて、冷却された少なくとも第1及び第2の流体との間接的な熱交換によって少なくとも第3の流体を加熱することを可能にする、上記で説明したような熱交換器とを備える、空気分離装置が提供される。
【0022】
本発明は、富む液体及び乏しい液体が共存する交換器の中央エリア内で、交換器内の2つの流体を重ね合わせることと、例えば、各流体のための通路の数を2で除算することによって、通路の一部分が一方の流体に、他の通路の少なくとも一部分が他方の流体に帰することとにあり、外部再分配ボックスは、n個の通路から始まって、この中央エリア内でn/2になることを可能にする。
【0023】
これは、交換器内のデッドゾーンを回避し、効率性と小型化を増大させる。
【0024】
本発明は、直交流交換器に適用されるが、対向流熱交換器にも適用され得る。
【0025】
交換器は、第3の液体を加熱するためにも使用され得ることに留意されたい。
【0026】
本発明を、図面の助けを借りてより詳細に説明する:
図5Aは、特に交換器内の液体を冷却するための第1の一連の通路の通路1のうちの1つを示す。
図5Bは、特に交換器内の液体を冷却するための第1の一連の通路の通路2のうちの別のものを示す。
図5Cは、特に交換器内の気体を加熱するための第2の一連の通路の通路3のうちの1つを示す。
【0027】
本発明による熱交換器は、離間された矩形プレートのスタックで構成され、スタックは、長さ、幅、及び高さを有し、矩形プレートは、それぞれ、スタックの長さ及び幅である長さ及び幅を有し、矩形プレートは、複数の通路を矩形プレートの間に画定するように互いに平行に配置される。
【0028】
通路は、第1及び第2の流体の流れのための第1の一連の通路と、第1及び第2の流体との熱交換関係に置かれる第3の流体の流れのための第2の一連の通路とを備える。
【0029】
説明するケースでは、熱交換器は、第1及び第2の一連の通路のみを備える。しかしながら、他のケースでは、2つよりも多くの液体が冷却され得る。
【0030】
第1の一連の通路は、2つの連続するプレートの間に形成された少なくとも第1の通路1と、2つの連続するプレートの間に形成された少なくとも別の第2の通路2とを備え、それらの各々は、第2の一連の通路に隣接している。
【0031】
通路は、周縁部によって範囲を定められる。
【0032】
この例では、熱交換器は、スタックの高さ及び幅とスタックの長さのフラクションとによって各々画定される3つのセクションを備え、3つのセクションは、スタックの一端を備える第1のセクション、第2のセクション、及びスタックの他端を備える第3のセクションを備え、第2のセクションは、第1のセクションと第3のセクションとの間にあり、第1、第2、及び第3のセクションは、並置される。
【0033】
交換器の端部におけるセクションでは、第1の一連の通路の全ては、好ましくは、冷却されるべき単一の液体を受け入れる。少なくとも中央セクションでは、第1の一連の通路の一部分のみが液体Bを供給され、その他、又は実際に残りの部分は液体Cを供給される。
【0034】
図5Aは、液体B及びCが冷却される、熱交換器の第1の一連の通路の通路1のうちの1つを示し、その一方で、
図5Bは、液体B及びCが冷却される、熱交換器の第1の一連の通路の通路2のうちの別のものを示す。これらの通路の各々は、
図5Cによると、気体Aを加熱するための通路3と接触している。
【0035】
各一連の通路は、第1のセクションSB、第2のセクションSBC、及び第3のセクションSCを含む。下付き参照符号は、セクション中で冷却される液体を示し、このことから、液体Bのみが第1のセクションSB中で冷却され、2つの液体B、Cは、第2のセクションSBC中で冷却され、液体Cのみが第3のセクションSC中で冷却される。
【0036】
図5A及び
図5Bを見ると、液体Bは、第1のセクションS
B中で図の各々の通路中の高温端を構成する下端において交換器に入る。入口ボックスB1は、通路のセット並びに他の通路1及び2と連通しており、本質的に交換器の軸に対して垂直の方向への循環を可能にする。部分的に過冷却された液体Bは、ボックスR1を介して第1のセクションS
Bを去り、それは、液体Bが
図5Aの通路1を通って循環することを可能にしないが、
図5Bの他の通路2に液体Bを送り、ここで、液体Bは、第2のセクションS
BCの通路のセットの一部分、このケースでは半分において循環する。次に、液体Bは、
図5Bの他の通路2のボックスB2を介して交換器を去り、第3のセクションS
Cの通路を通過しない。
【0037】
同様に、液体Cは、第1のセクションS
Bを通過することなく第2のセクションS
BCに直接入る。液体Cは、
図5Aの他の通路2中でのみ冷却され、第2のセクションS
BC中の
図5Bの通路1中では冷却されない。次に、ボックスR2は、通路のセット並びに
図5A及び
図5Bの他の通路1及び2にわたって部分的に冷却された液体Cを分配し、そのため、それは完全に冷却されてボックスC2を去る。
【0038】
気体Aは、第3、第2、及び第1のセクションを連続して通って交換器を通過し、第1のセクションから加熱されて抜き取られる。
【0039】
3つのセクションは、このことから、スタックの一端を備える第1のセクション、第2のセクション、及びスタックの他端を備える第3のセクションを備え、第2のセクションは、第1のセクションと第3のセクションとの間にある。3つのセクションの各々は、スタックの高さ及び幅とスタックの長さのフラクションとによって画定される。
【0040】
本発明は、ここでは、空気分離装置の液体B、C、例えば、富む液体及び乏しい液体のための第2のセクション中の同数の通路で説明した。それは、異なる数の通路、及び異なる又は追加の流体で推定され得る。
【0041】
交換器は、
図5A及び
図5Bの通路1及び他の通路2から成る第1の一連の通路と、
図5Cの通路3から成る第2の一連の通路とを含む。
【0042】
交換器Sは、2つの一連の通路を組み合わせる通路のスタックから成り、パターンは、典型的には以下の通りである:(3132)*n’3又は(313323)*nであり、n’は、パターンの反復の数であり、1以上である。
【0043】
交換器の構成では、熱交換を伴わないデッドゾーンは存在しない。
【0044】
交換器は、3つのセクションに「分割」される:
・富む液体Bのみが循環しているセクションSB、
・富む液体B及び乏しい液体Cが共存する共有セクションSBC、
・乏しい液体Cのみが循環しているセクションSC。
【0045】
空気の分離の特定の例では、富む液体Bは、底部において、セクションSB中のn個の通路に入り、次いで、外部ボックスを介して去り、その後、共有セクションSBCの底部において一部分、例えば、n/2個の通路に再び入って、次いで、共有エリアの頂部において去る。
【0046】
乏しい液体Cは、通路の一部分、又は実際に残りの部分、例えば、共有セクションSBCの底部におけるn/2個の通路に入り、次いで、共有セクションの頂部において外部ボックスを介して去り、セクションSCの底部においてn個の通路に再び入って、次いで、セクションSCの頂部において去る。
【0047】
外部ボックスR1、R2は、流体が交換器を循環する通路の数を変更することを可能にする。
【0048】
入口/出口B1、B2、C1、C2は、通路の数に応じて、同じ面又は反対の面上にあり得る。
【0049】
原理は、富む液体と乏しい液体との間の異なる数の通路に拡張され得、共有エリア中の分配は、半々以外であり得る。
【0050】
富む液体及び乏しい液体以外の流体、典型的には、液体空気、液体窒素、及び液体酸素も存在し得る。同様に、残留窒素に加えて純窒素が存在し得る。
【0051】
交換器は、第1の一連の通路を閉鎖する壁部Pを備え、ここで、第1及び第2のセクションは、並置され、及び/又は、ここで、第2及び第3のセクションは、並置される。
【0052】
好ましくは、交換器のプレートは、アルミニウムで作られ、複数の通路中にチャネルを形成するフィンによって互いから分離され、矩形プレートとフィンとは、共にろう付けされる。
【0053】
本発明による交換器は、直交流型であり得るが、対向流熱交換器にも適用され得る。
【0054】
交換器は、第1の圧力で動作するように適合された第1のカラムと、第1の圧力を下回る第2の圧力で動作するように適合された第2のカラムとであって、第1のカラムのヘッドは、第2のカラムのタンクに熱的に連結される、第1のカラムと第2のカラムと、少なくとも第1のカラムに浄化され冷却された空気を送るための手段と、第1のカラムのタンクから第2のカラムに液体である第1の流体Bを送るための手段と、第1のカラムのヘッドから第2のカラムに液体である第2の流体Cを送るための手段と、第2のカラムから窒素に富む気体である第3の流体Aを抜き取るための手段と、第2のカラムから酸素に富む流体を抜き取るための手段とを備える、空気分離装置に一体化され得る。熱交換器は、第1及び第2の流体との、好ましくは、その主垂直軸との間接的な熱交換による第3の流体の加熱を可能にするために接続される。
【0055】
熱交換器は、少なくとも1つの追加の一連の加熱通路を追加することによって、又は第2の一連の通路を分離することによって、少なくとも2つの流体、例えば2つの気体窒素流を加熱するために使用され得る。
【0056】
熱交換器は、第2のセクションの通路を少なくとも3つに分離することによって少なくとも3つの流体を冷却するために使用され得る。
【外国語明細書】