(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101393
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】プラズマプローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 18/06 20060101AFI20230712BHJP
【FI】
A61B18/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204272
(22)【出願日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】22150600
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・ハイム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK47
4C160KK70
4C160MM32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単で信頼性があり、長寿命を有する高品質のプローブを提供する。
【解決手段】特にヒトまたは動物の患者の内視鏡治療のためのプラズマプローブであって、少なくとも1つの管腔19、20、21を制限するように構成されたジャケットセクション22と、少なくとも1つの壁セクション23によってジャケットセクションに接続された中央セクション26とを備えるホース本体18を有し、ホース本体の遠位端に配置され、通路チャネル29と、前記ホース本体内に延びるように配置されたチューブシャンク30とを備えるエンドピース17を有し、ジャケットセクションと壁セクションとの間には、ホース本体の遠位端から近位方向に延びるそれぞれ1つのスリット34が形成され、チューブシャンクは、スリット内に延びるように配置される、プラズマプローブ。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にヒトまたは動物の患者の内視鏡治療のためのプラズマプローブ(12)であって、
少なくとも1つの管腔(19、20、21)を制限するように構成されたジャケットセクション(22)と、少なくとも1つの壁セクション(23)によって前記ジャケットセクション(22)に接続された中央セクション(26)とを備えるホース本体(18)を有し、
前記ホース本体(18)の遠位端(15)に配置され、通路チャネル(29)と、前記ホース本体(18)内に延びるように配置されたチューブシャンク(30)とを備えるエンドピース(17)を有し、
前記ジャケットセクション(22)と前記壁セクション(23、24、25)との間には、前記ホース本体(18)の前記遠位端(15)から近位方向に延びるそれぞれ1つのスリット(34、35、36)が形成され、
前記チューブシャンク(30)は、前記スリット(34、35、36)内に延びるように配置される、プラズマプローブ。
【請求項2】
前記ホース本体(18)が、可撓性プラスチックからなることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項3】
前記ジャケットセクション(22)、前記壁セクション(23)、および前記中央セクション(26)が、継ぎ目無しのモノリシック方式で互いに接続されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項4】
前記ホース本体(18)が、その全長に沿って一定の断面を有するように構成されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のプラズマプローブ。
【請求項5】
前記エンドピース(17)が、耐熱プラスチック、金属またはセラミックで作製されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項6】
前記スリット(34、35、36)が、前記チューブシャンク(30)の長さよりも長い長さを含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項7】
前記チューブシャンク(30)の前記通路チャネル(29)が、前記壁セクション(23)がその端部を前記ジャケットセクション(22)に向けて当接する壁を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項8】
前記ジャケットセクション(22)が、少なくとも前記チューブシャンク(30)の領域内に円筒状に構成されることを特徴とする、請求項7に記載のプラズマプローブ。
【請求項9】
前記チューブシャンク(30)の内側で、前記壁セクション(23)が変形されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項10】
前記チューブシャンク(30)には、その半径方向外面に固定構造(31)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項11】
導電体(27)が、前記中央セクション(26)内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項12】
前記電極本体(38)が、前記中央セクション(26)内に保持されることを特徴とする、請求項1または11に記載のプラズマプローブ。
【請求項13】
前記電極本体(38)が、チューブ形状に構成され、前記導体(27)と前記中央セクション(26)との間を延びることを特徴とする、請求項12に記載のプラズマプローブ。
【請求項14】
前記電極本体(38)が耐熱導電性材料からなり、少なくとも、その表面に導電性コーティング(39)が設けられ、その溶融温度は、残りの電極本体(38)の材料の溶融温度よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマプローブ。
【請求項15】
特にヒトまたは動物の患者の内視鏡治療のためのプラズマプローブを製造するための方法であって、
少なくとも1つの管腔(19、20、21)を制限するように構成されたジャケットセクション(22)と、少なくとも1つの壁セクション(23)によって前記ジャケットセクション(22)に接続された中央セクション(26)とを備えるホース本体(18)を提供するステップと、
前記ホース本体(18)の遠位端(15)に配置され、通路チャネル(29)とチューブシャンク(30)とを備えるエンドピース(17)を提供するステップと、
前記ジャケットセクション(22)と前記壁セクション(23)との間に、前記ホース本体(18)の前記遠位端(15)から近位方向に生じるスリット(34)を生成するステップと、
前記スリット(34)からの壁セクション(23)の変位下で、前記チューブシャンク(30)を前記スリット(34)に挿入するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にヒトまたは動物患者の内視鏡治療のためのプラズマプローブ、ならびにそのようなプラズマプローブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、単一の管腔を囲む可撓性ホースを備える一般的なプラズマプローブが知られており、ホースには、その遠位端にセラミックからなるマウスピースが設けられている。ホースの内側には、マウスピースの中央に位置するその遠位端に電極を形成する導電体が配置されている。動作中、適切なガスが管腔を通って遠位方向に流れ、電極でイオン化されて、プラズマジェットがマウスピースから出る。
【0003】
マウスピースをホースに取り付けるために、マウスピースは、ホース内に延びるチューブシャンクを備える。
【0004】
特許文献2もまた、セラミックまたはPTFEからなるエンドピースが遠位端に設けられたホース本体を有するプラズマプローブを開示している。ここでも、エンドピースは、エンドピースとホースとの間の接続を確立するために、ホース内に延びるシャンクを備える。
【0005】
電極のセンタリングのために、従来技術ではさまざまな手段が提供されている。独国特許出願公開第69632080号明細書によれば、電極は、螺旋状に巻かれた部分を備えることができ、その巻線は、内部からホースまたはエンドピースに当接し、その最後の巻線は、エンドピースの中央にピン形状の電極を保持する。
【0006】
代替としての特許文献1によれば、電極をセンタリングするためにプレートレット形状の要素を設けることができ、プレートレットの側縁は、内部からホースに当接し、その遠位先端自体が電極として機能する。
【0007】
両方の概念は、小型化が進むにつれて限界に達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第10030111号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第69632080号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここから出発して、本発明の目的は、プローブの遠位端の構成のための改善された概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本目的は、請求項1の特徴を有するプローブによって解決される。請求項15は、請求項1に記載のプローブを製造するための特に適切な方法に関する。
【0011】
本発明によるプラズマプローブは、少なくとも1つの管腔を囲むホース本体を備える。半径方向外方向に、この管腔は、ホース本体のジャケットセクションによって環境に向かって制限される。それにより、用語「半径方向」は、プラズマプローブの長手方向延長部が軸方向とみなされる場合の半径方向を指す。ジャケットセクションは、少なくとも1つの壁セクションによって中央セクションに接続されており、中央セクションは、中央に配置することができ、またはホース本体の中心からわずかに変位させることもできる。好ましくは、1つの壁セクションだけでなく、ホース本体の内部を複数の管腔に分割し、それと同時にホース本体の中央セクションを所望の位置、例えば中央位置に保持する複数の壁セクション、例えば3つの壁セクションが設けられる。中央セクション、壁セクション、およびジャケットセクションは、好ましくはモノリシックホース本体の一部であり、すなわち、それらは同じ材料からなり、継ぎ目および接合部無しで互いに隣接する。
【0012】
ホース本体の遠位端には、耐熱プラスチックまたはセラミックなどの耐熱材料から特になるエンドピースが配置される。エンドピースは、ガスまたはプラズマが出るのを可能にする口部を有する中央通路開口部を備える。口部は、エンドピースの遠位面側端面またはその側方領域内に設けることができる。また、複数の口部を設けることもできる。
【0013】
エンドピースは、ホース本体内に延びるチューブシャンクを備える。このために、ホース本体のジャケットセクションと1つまたは複数の壁セクションとの間にスリットが形成され、スリットは、ホース本体の遠位端から近位方向に、好ましくは少なくともエンドピースのチューブシャンクの長さと同じ長さに沿ってホース本体内に延び、この長さは軸方向に測定されるものである。チューブシャンクは、このスリットに挿入され、それによって、壁セクションがチューブシャンクの通路開口部の内壁に当接するように、壁セクションを半径方向内方向に変位させる。
【0014】
ホース本体の壁セクションは、半径方向に、または半径方向に対して斜めに配置することができる。壁セクションは、斜めに配置されている場合、これらがわずかに曲がることで、チューブシャンクのためのスリットを容易に開くことができる。壁セクションは、径方向に配置されている場合、これらが曲がるおよび/または圧縮することで、チューブシャンクのためのスリットを開く。
【0015】
壁セクションとジャケットセクションとの間のスリット内のチューブシャンクの配置により、ジャケットセクションと中央セクションとの間に壁セクションを有するホースにおけるエンドピースの組み立ては、特に簡単となる。ホース本体の内部から材料を除去する必要はない。ジャケットセクションの内面に沿って壁セクションに切断部を設けること、すなわち、例えば切断部によって壁セクションをジャケットセクションから分離することで十分である。一方ではエンドピースのチューブシャンクによってホース本体の開口管腔が狭くなり、他方では圧縮されたまたはさらに内側に曲がった壁セクションによって、エンドピースのチューブシャンクの内側にノズル効果が生じ、これはプラズマプローブとしての動作に有利であり得る。特に、プラズマプローブへの高すぎる熱導入が効果的に低減される。
【0016】
ホース本体は、PTFE、PEなどの可撓性、特に曲げ弾性プラスチックから形成することができる。好ましくは、ジャケットセクション、壁セクション(または複数の壁セクション)、および中央セクションは、それによって主に一緒に成形される。例えば、ホース本体は、全体として押出成形によって製造することができる。
【0017】
壁セクションによってその内部を2つ、3つまたはそれ以上の管腔に好ましく分割することにより、一方では高い可撓性が達成され、他方では、小さい曲げ半径の場合でもホース本体を曲げるときにホース本体を通るガス通路が塞がれないことが達成される。これは、壁セクションがそれぞれの半径方向に対して斜めに配置されている場合に特に当てはまる。
【0018】
好ましくは、ホース本体には、近位端から遠位端まで延びるその全長にわたって一定の断面を設けることができる。遠位端は、患者に面する、治療に役立つ端部である。近位端は、供給装置に接続されるべき端部である。これにより、ホース本体の断面は、ホース本体の長手方向に平行に向けられた法線面を有する表面と称される。長手方向は、近位から遠位に延びる。
【0019】
既に説明したように、エンドピースは、耐熱性プラスチック製またはセラミック製であることができる。これは、特に、1つの単一の電極がホース本体の中央セクション内またはその上に保持され、プラズマ生成に役立つ単極プラズマプローブとしてプローブを構成する場合に当てはまる。しかし、金属のエンドピースを作製し、それを例えば中性導体と接続することも可能である。プローブは、次いで、中央電極とエンドピースとの間で放電が発生するバイポーラプローブとして実現することができる。放電を通って流れるガスをイオン化することができ、その結果、遠位端でプローブを出るプラズマジェットが生成される。
【0020】
エンドピースのチューブシャンクは、エンドピースをホース本体に取り付けるのに役立つ。この目的のために、ジャケットセクションはチューブシャンクの外面に置かれ、壁セクションは、その内側で通路開口部の壁に当接している。これにより、チューブシャンクの外径がジャケットセクションの内径よりもわずかに大きい場合、ジャケットセクションは、予張力下でチューブシャンクに当接することができる。さらに、例えばリブ、歯またはねじの形態で、チューブシャンクの外側に固定構造を設けることができる。
【0021】
ホース本体の中央セクションは、好ましくはホース本体の全長に沿って延びる導電体を備えることができる。中央セクションは、導体を囲むように構成することができる。ホース本体の近位端において、導体は、適切な接続手段、例えばコネクタによって発電機に接続することができる。遠位端において、導電体は電極を形成することができ、または電極と接続することができる。例えば、電極は、小さなチューブ電極として構成することができ、導体によって支持および接触させることができる。チューブ状電極を、導体と、ホース本体のプラスチック材料との間のホース本体の中央セクションに挿入することが可能であり、中央セクションは、それによって外方向に膨張する。ホース、特にその中央セクションの変形下で、電極は、クランプ効果によってその中に保持される。これにより、中央セクションをわずかに膨張させることができ、それによってチューブシャンク内の流れ断面が狭くなり、それによってガスの流速が増加する。
【0022】
しかし、必ずしも必要ではないが、導体が最初にホース本体から遠位方向に突出するように、電極を取り付ける前に導体を露出させることが好都合である。チューブ電極は、最初にこの導体上に移動させることができ、次に中央部分に移動させることができる。ピン電極を使用する場合、これは省略することができる。ピン電極は、次いで、導体に近接して中央セクションに簡単に貫通される。
【0023】
電極が、ステンレス鋼、硬質金属、非金属鋼、タングステン、サーメットまたは導電性セラミックなどの耐熱性導電性材料で作られている場合に有利であることが判明した。電極にはさらに、金属コーティング、特に銀などの金属の金属コーティングを設けることができ、その溶融温度は、電極材料の溶融温度よりも低い。そうすることで、電極から生じる放電を安定させることができ、その放電フットポイントを電極の遠位端に特に集中させることができることが判明した。
【0024】
請求項15は、上述のプラズマプローブを製造するための特に簡単で信頼性の高い方法に関する。この目的のために、最初に、1つまたは複数の管腔を有するホース本体が提供される。ジャケットセクションの内側に隣接して、壁セクションとジャケットセクションとの間の接続は、切断部によって分離される。それぞれの切断部は、数ミリメートルの軸方向の長さを含み、好ましくは、軸方向に測定したエンドピースのシャンクよりも長い。好ましくは、この切断部は、軸方向および/または円周方向に移動するナイフによって材料を除去することなく行われ、その結果、管腔に入る、またはプローブの一部に付着し、後で誤動作を引き起こす可能性があるチップまたは他の粒子(プラスチック粒子)は、生成されない。
【0025】
切断部の生成後、エンドピースのチューブシャンクは、スリット(複数のスリット)内に移動され、壁セクション(または複数の壁セクション)は、スリットから変位する。壁セクションは、エンドピースのチューブセクションの範囲内の流れ断面を狭めることに寄与し、したがってこの場所での流速を増加させる。これは、電極の固定に使用することができる中央セクションの冷却を支援する。
【0026】
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は、関連する説明と共に、従属請求項および/または図面から導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】囲まれたプローブを有する装置の概略基本図である。
【
図2】
図1によるプローブの遠位端の斜視拡大図である。
【
図3】
図2によるプローブの遠位端の電極無しの展開図である。
【
図4】エンドピースの組み立て前のプローブのホース本体の提供中の状態を示す図である。
【
図5】エンドピースの組み立て前のプローブのホース本体の提供中の別の状態を示す図である。
【
図6】エンドピースの組み立て前のプローブのホース本体の提供中の別の状態を示す図である。
【
図7】エンドピースが挿入された変形状態のホース本体の斜視図である。
【
図8】組み立てられた電極を有する
図7によるホース本体の斜視図である。
【
図10】壁セクションが、プローブの遠位端上で見て半径方向線に対して斜めに向けられている、
図9によるプローブを示す図である。
【
図11】半径方向に配置された圧縮された壁セクションを有する、
図10による図内のプローブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1にはプラズマプローブ12が示されており、その近位端13は、プローブ12に供給するための装置14に接続されている。プローブは、プラズマプローブ、特にアルゴンプラズマプローブとして構成することができる。次いで、装置は、例えば無線周波数電圧および電流、ならびにガス、特に不活性ガス、特にアルゴンをプローブ12に供給するために必要な構成要素を備える。単一の装置14の代わりに、複数の装置を設けることもでき、その各々は、個々のタスク、例えばプローブ12への電流の供給またはプローブ12への適切なガスの供給を引き受ける。
【0029】
プローブ12は、動物またはヒト患者の生体組織に影響を及ぼすためのプラズマジェットを放出する遠位端15を備える。プローブ12は、プローブ12の遠位端15が、例えば内視鏡の作業チャネルを介して、または適切な体腔を介して、治療される組織セクションに直接位置するように配置され得る。プローブ12のプラズマジェットは、
図2から明らかな遠位開口部16から出る。開口部16は、プローブ12のホース本体18に保持された耐熱性材料からなるエンドピース17上に形成されている。ホース本体18は、PTFE、PA12、PEBAX、ポリエチレンなどの可撓性プラスチックからなるが、エンドピース17は、セラミック、耐熱性プラスチックなどの、通常は剛性である、すなわち可撓性が低いが、耐熱性の材料から作製される。
【0030】
ホース本体18は、
図3から明らかなように、少なくとも1つ、ここでは3つの管腔19、20、21を囲んでおり、これらの管腔は、ジャケットセクション22によって外向きに、壁セクション23、24、25によって互いに分離されている。壁セクション23、24、25は、ジャケットセクション22から中央セクション26まで延び、中央セクションによって継ぎ目なくモノリシック方式で接続されている。ホース本体18のこの構成は、
図4から特に明らかである。したがって、ホース本体18は、均一な材料からなるモノリシックな継ぎ目のない本体を形成する。中央セクション26は、実質的に円形または他の(例えば多角形)断面を有することができ、そうでなければ中空である円筒状ジャケットセクション22に対して中央に配置することができる。中央セクション26の中央には、中央セクション26を通ってホース本体18の全長にわたって延びる導電体27を配置することができる。導体27は、裸導体、またはワニスもしくはプラスチックコーティングによって絶縁された導体27とすることができる。壁セクション23、24、25は、好ましいように、半径方向に対して傾斜することができる。壁セクション23、24、25は、平坦または湾曲して実現することができる。半径方向は、軸方向に延びる導体27から半径方向に離れて延びる。軸方向Aは、
図4に矢印で示されている。半径方向は、これと直交する任意の方向である。
【0031】
エンドピースは、例えば
図2および
図3に示すように、開口部16が遠位端開口部として構成される中空本体28を備える。しかし、そうでなければ中央にある通路チャネル29の開口部16は、本体28上に横方向に配置することもできる。さらに、本体28は、例えばその円周に沿って分布する、通路チャネル29と接続された複数のそのような開口部16を備えることができる。次いで、本体28の遠位端を閉じることができる。
【0032】
好ましくは、本体28は、回転対称に構成され、開口部16で終端する通路チャネル29を囲む。通路チャネル29は、本体28と、本体28に隣接し、好ましくはそのモノリシック部品であるチューブシャンク30とを通って延びる。チューブシャンク30は、好ましくは中空の円筒状に構成され、それにより、鋸歯状の外形、個々の歯またはねじ山を有するリングビーズ32、33などの固定手段31をその外周面に備えることができる。チューブシャンク30の外径は、好ましくは、円筒状ジャケットセクション22の内径よりも少なくともわずかに大きい。本体28への移行部におけるチューブシャンク30の遠位端には、ジャケットセクション22の面が当接することができるリングショルダ34が形成される。
【0033】
エンドピース17をホース本体18に接続するために、以下が実施される。
【0034】
第1のステップでは、
図4に示すように、ホース本体18が提供される。ホース本体18は、押出成形によって連続材料として製造することができ、最初にハサミなどの適切な切削工具によって所望の長さに切断することができる。次いで、その近位端において、供給ラインまたは適切なコネクタを接続することができ、ここでは、そのために必要とされる空間は重要ではない。しかし、エンドピース17の遠位端および接続に特に注意が払われる。このために、少なくともオプションとして、導体27が露出するように、適切な切削工具を用いてホース本体18の遠位端から一部が切断される。これにより、後の電極の取り付けが簡単になり、この工程は、省略することもできる。
【0035】
エンドピース17の取り付けに関する次の実際に重要なステップは、ジャケットセクション22と壁セクション23、24、25との間の接続の分離である。このために、
図6に示すように、それぞれの切断部がジャケットセクション22の内周面に沿って作製され、この切断部は、ジャケットセクション22へのそれぞれの移行部において壁セクション23、24、25を分離する。切断部34~36は、
図6に破線で示されている。それらは、近位方向に軸方向距離にわたってホース本体18内に延び、それによってその距離は、好ましくは、チューブシャンク30(
図3)の軸方向長さよりも長い。
【0036】
エンドピース17をホース本体18に取り付けるために、チューブシャンク30は、ここで、壁セクション23、24、25とジャケットセクション22との間を移動するように切断部34~36に挿入される。これにより、壁セクション23、24、25は、
図7に示すように、半径方向内方向に変形する。チューブシャンク30の内側輪郭は、
図7において破線の楕円37によって示されている。半径方向に対して斜めに向けられた壁23から25は、半径方向内側に撓み、わずかな程度屈曲する。
【0037】
導体27の露出端は、それ自体が電極として機能することができる。しかし、追加的または代替的に、
図8および特に
図9に示すように、電極本体38を導体27の露出端上で移動させることができ、ホース本体18の中央セクション26に挿入することができる。
図9は、壁セクション23、25(ならびに
図9の切断された壁セクション24)の変形によってチューブシャンク30によって生じるスリット34、36を特に示している。
図9では、電極本体38も明らかであり、この電極本体は、チューブとして構成され、中央セクション26内にその膨張下で延びながら、導体27を内部に取り込む。これは、導体27が
図5に従って最初に露出されたかどうか、またはエンドピースを取り付けるための、すなわちチューブシャンク30を取り込むための切断34、35、36が
図4に従ってホース本体18上で直接実施されたかどうかとは無関係である。
【0038】
図10は、本発明によるプローブを、ここでも通路チャネル29内の図で示す。明らかなように、中央セクション26からほぼ接線方向に延び、半径方向外側で切断されて自由になる壁セクション23、24、25は、通路チャネル29の壁に当接するように、エンドピース17によって内側に変位される。管腔19、20、21は、チューブシャンクおよび壁セクション23、24、25によってわずかに狭くなっており、それによって、エンドピース17の範囲内で管腔19、20、21によって供給されるガスの流速をわずかに増加させる。
【0039】
壁セクション23、24、25は、必ずしも半径方向に対して斜めに配置される必要はなく、したがって中央セクション26から接線方向に延びる。それらはまた、異なるように配置することもでき、例えば、
図11に従って半径方向に向けることができる。壁セクション23、24、25とジャケットセクション22との間のスリットへのエンドピース17のチューブシャンクの挿入の結果、それによって壁セクション23から25の特定の圧縮をもたらすことができ、これは
図11に誇張して示されている。これは、プローブ12の機能の詳細には影響しない。
【0040】
動作中、装置14は、プローブ12の管腔19、20、21に適切なガス、例えばアルゴンなどの不活性ガスを供給する。次いで、このガスは、プローブ12の近位端13から遠位端15まで管腔19、20、21を通って流れ、開口部16からそこを出る。装置14によって、導体27それと共に電極本体38には、患者に取り付けられた中性電極と比べて高い電圧が印加される。したがって、電極本体38から、ガス流をイオン化するガス放電が発生し、その結果、プラズマジェットが開口部16を出て、この開口部を介して、発電機14によって供給された電流が患者に流れ、さらに図示されていない中性電極を介して発電機14に戻る。特に、電極本体38が低融点金属39、特に銀で被覆されている場合、ガス放電の放電フットポイントは、電極本体38の遠位端に集中する。これにより、特に電極本体38が熱伝導性の低い材料、例えばステンレス鋼からなる場合、ホース本体18の中央セクション26への熱導入を低く抑えることができる。チューブシャンク30は、管腔19、20、21の開放流れ断面を狭くする。電極本体38が中央セクション26を拡幅することにより、管腔19、20、21は、さらに狭くなる。そうすることで、チューブセクションの範囲内に、中央セクションの良好な冷却に寄与するノズル効果が生じる。そうすることで、中央セクション26のプラスチックは、損傷を受けることなく電極本体38に直接接触して保持することができる。
【0041】
本発明は、耐熱エンドピース17をホース本体18、特に多管腔ホース本体18に確実かつ簡単に接続するための概念を提供する。本発明による接続技術は、簡単で信頼性があり、長寿命を有する高品質のプローブをもたらす。
【符号の説明】
【0042】
12 プローブ
13 プローブの近位端
14 装置
15 遠位端
16 開口部
17 エンドピース
18 ホース本体
19-21 管腔
22 ジャケットセクション
23-25 壁セクション
26 中央セクション
27 導管
A 軸方向
28 本体
29 通路チャネル
30 チューブシャンク
31 固定手段
32-33 リブ(リングビーズ)
34-36 切断部
37 楕円
38 電極本体
39 コーティング
【外国語明細書】