(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101405
(43)【公開日】2023-07-20
(54)【発明の名称】引抜き成形補強材を含むシートバックフレーム組立体及び座席組立体
(51)【国際特許分類】
B60N 2/68 20060101AFI20230712BHJP
B29D 12/00 20060101ALI20230712BHJP
【FI】
B60N2/68
B29D12/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023000950
(22)【出願日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】17/571,147
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(71)【出願人】
【識別番号】520278664
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス オイロペア
(71)【出願人】
【識別番号】523007362
【氏名又は名称】フレックス-エヌ-ゲート アドバンスド プロダクト ディベロップメント,リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ エー.ハーゲット
(72)【発明者】
【氏名】ジョン サルビア
(72)【発明者】
【氏名】トッド ルパート マック
(72)【発明者】
【氏名】ビカース バティア
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ティー.ドノバン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー エフ.パーキンソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン アール.ペルッカ
【テーマコード(参考)】
3B087
4F213
【Fターム(参考)】
3B087DB02
3B087DB04
3B087DB06
3B087DB10
4F213AA24
4F213AA29
4F213AA31
4F213AA41
4F213AD02
4F213AH26
(57)【要約】
【課題】シートバック組立体を提供すること。
【解決手段】本シートバック組立体は、引抜き成形補強材と樹脂材で形成されたシートバックフレームとを含み、シートバックフレームは、引抜き成形補強材がシートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成されるように、引抜き成形補強材上に部分的にのみオーバーモールドされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートバック組立体であって、
引抜き成形補強材と、
樹脂材で形成されたシートバックフレームであって、前記シートバックフレームが、前記引抜き成形補強材が前記シートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記引抜き成形補強材上に部分的にのみオーバーモールドされる、シートバックフレームと、
を備える、シートバック組立体。
【請求項2】
前記引抜き成形補強材は、連続ガラス繊維強化樹脂材で形成される、請求項1に記載のシートバック組立体。
【請求項3】
前記引抜き成形補強材は、土台壁、前記土台壁の側縁から延びる対の側壁及び前記対の側壁の側縁から延びる対のフランジによって形成される概ねハット形を有する、請求項2に記載のシートバック組立体。
【請求項4】
前記複数の開口は複数のアパーチャーと複数のスロットとを含み、
前記複数のアパーチャーは、前記引抜き成形補強材の前記土台壁の一部分が前記複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数のアパーチャーは、前記対の側壁の少なくとも一方の一部分が前記複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成される、
請求項3に記載のシートバック組立体。
【請求項5】
前記シートバックフレームは、第1面とその反対側の第2面とを含み、前記引抜き成形補強材が前記シートバックフレームの前記第1面と前記第2面との間に位置付けられ、
前記複数のアパーチャー及び前記複数のスロットは前記第1面及び前記第2面の両方に形成され、
前記シートバックフレームの前記第2面は、前記シートバックフレームの前記第2面に形成された複数のリンク部分に沿って延びる複数の補強リブを含み、前記複数のリンク部分が前記シートバックフレームの前記第2面に形成された前記複数のアパーチャーを画定する、
請求項4に記載のシートバック組立体。
【請求項6】
前記引抜き成形補強材は、上部フランジ、上部土台壁、中央壁、前記上部フランジと前記上部土台壁との間に延びる第1上部側壁、前記上部土台壁と前記中央壁との間に延びる第2上部側壁、下部土台壁、下部フランジ、前記中央壁と前記下部土台壁との間に延びる第1下部側壁及び前記下部土台壁と前記下部フランジとの間に延びる第2下部側壁によって形成された概ね二重ハット形を有する、請求項1に記載のシートバック組立体。
【請求項7】
前記複数の開口は、複数の上部アパーチャーと、複数の下部アパーチャーと、複数の上部スロットと、複数の下部スロットと、複数の中間スロットと、を含み、
前記複数の上部アパーチャーは、前記引抜き成形補強材の前記上部土台壁の一部分が前記複数の上部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の下部アパーチャーは、前記引抜き補強材の前記下部土台壁の一部分が前記複数の下部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の上部スロットは、前記引抜き成形補強材の前記第1上部側壁の少なくとも一部分が前記複数の上部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の下部スロットは、前記引抜き成形補強材の前記第1下部側壁の少なくとも一部分が前記複数の下部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の中間スロットは、前記引抜き成形補強材の前記中央壁の少なくとも一部分が前記複数の中間スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成される、
請求項6に記載のシートバック組立体。
【請求項8】
前記シートバックフレームは、複数の上部補強リブと複数の下部補強リブとを含み、前記複数の上部補強リブが、前記引抜き成形補強材の前記第1上部側壁と前記第2上部側壁との間に位置付けられるように構成され、前記複数の下部補強リブが、前記引抜き成形補強材の前記第1下部側壁と前記第2下部側壁との間に位置付けられるように構成される、請求項9に記載のシートバック組立体。
【請求項9】
座席組立体であって、
シートクッションフレームと、
引抜き成形補強材と、
樹脂材で形成されたシートバックフレームであって、前記シートバックフレームが、前記引抜き成形補強材が前記シートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記引抜き成形補強材上に部分的にのみオーバーモールドされる、シートバックフレームと、
を備える、座席組立体。
【請求項10】
前記引抜き成形補強材は、連続ガラス繊維強化樹脂材で形成される、請求項9に記載の座席組立体。
【請求項11】
前記引抜き成形補強材は、土台壁、前記土台壁の側縁から延びる対の側壁及び前記対の側壁の側縁から延びる対のフランジによって形成された概ねハット形を有する、請求項10に記載の座席組立体。
【請求項12】
前記複数の開口は複数のアパーチャーと複数のスロットとを含み、
前記複数のアパーチャーが、前記引抜き成形補強材の前記土台壁の一部分が前記複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数のアパーチャーは、前記対の側壁の少なくとも一方の一部分が前記複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記シートバックフレームは、第1面とその反対側の第2面とを含み、前記引抜き成形補強材が、前記シートバックフレームの前記第1面と前記第2面との間に位置付けられ、
前記複数のアパーチャー及び前記複数のスロットが、前記第1面及び前記第2面の両方に形成され、
前記シートバックフレームの前記第2面は、前記シートバックフレームの前記第2面に形成された複数のリンク部分に沿って延びる複数の補強リブを含み、前記複数のリンク部分が前記シートバックフレームの前記第2面に形成された前記複数のアパーチャーを画定する、
請求項11に記載の座席組立体。
【請求項13】
前記引抜き成形補強材は、上部フランジ、上部土台壁、中央壁、前記上部フランジと前記上部土台壁との間に延びる第1上部側壁、前記上部土台壁と前記中央壁との間に延びる第2上部側壁、下部土台壁、下部フランジ、前記中央壁と前記下部土台壁との間に延びる第1下部側壁及び前記下部土台壁と前記下部フランジとの間に延びる第2下部側壁によって形成された概ね二重ハット形を有する、請求項9に記載の座席組立体。
【請求項14】
前記複数の開口は、複数の上部アパーチャーと、複数の下部アパーチャーと、複数の上部スロットと、複数の下部スロットと、複数の中間スロットと、を含み、
前記複数の上部アパーチャーは、前記引抜き成形補強材の前記上部土台壁の一部分が前記複数の上部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の下部アパーチャーは、前記引抜き成形補強材の前記下部土台壁の一部分が前記複数の下部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の上部スロットは、前記引抜き成形補強材の前記第1上部側壁の少なくとも一部分が前記複数の上部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の下部スロットは、前記引抜き成形補強材の前記第1下部側壁の少なくとも一部分が前記複数の下部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成され、
前記複数の中間スロットは、前記引抜き成形補強材の前記中央壁の少なくとも一部分が前記複数の中間スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、前記シートバックフレームに形成される、
請求項13に記載の座席組立体。
【請求項15】
前記シートバックフレームは、複数の上部補強リブと複数の下部補強リブとを含み、前記複数の上部補強リブが、前記引抜き成形補強材の前記第1上部側壁と前記第2上部側壁との間に位置付けられるように構成され、前記複数の下部補強リブが、前記引抜き成形補強材の第1下部側壁と前記第2下部側壁との間に位置付けられるように構成される、請求項14に記載の座席組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、概略的に、車両用のシートバック(seat back)フレーム組立体、特に、シートバックフレーム及び引抜き成形補強材を有するシートバックフレーム組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、使用位置と跳ね上げ位置との間で移動可能であるスタジアムスタイルの座席を持つ座席組立体を含むことができる。これまでに知られている座席組立体は、金属又は樹脂フレームを含む場合がある。樹脂フレームが、座席組立体に組み込まれる場合、座席組立体のシートバックフレームは、シートバックフレームの強度を改良するための補強部材を含むことができる。
【0003】
座席組立体の樹脂フレームは、オーバーモールドプロセスを使用して形成できる。但し、これまでのオーバーモールドプロセスは、補強部材に対して大きな圧力を加えることが多く、それによって、補強部材を損傷したりオーバーモールド部分内の補強部材を不整合にしたりする。更に、オーバーモールド部分がオーバーモールドプロセス中補強部材を被覆するので、補強部材が損傷しているか又は不整合であるか否かを判断することが難しい可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、オーバーモールドプロセス中補強部材に加えられる圧力量を減少しオーバーモールドプロセスの完了後に補強材の視覚検査を可能にする別のシートバックフレームが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、シートバック組立体は、引抜き成形補強材及びシートバックフレームを含む。シートバックフレームは、樹脂材で形成される。シートバックフレームは、引抜き成形補強材がシートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成されるように、引抜き成形補強材の中へ部分的にのみオーバーモールドされる。
【0006】
第1態様に従った第2態様において、引抜き成形補強材は、連続ガラス繊維強化樹脂材で形成される。
【0007】
第1態様又は第2態様に従った第3態様において、複数の開口は、複数のアパーチャー及び複数のスロットを含む。
【0008】
第1態様~第3態様のいずれか1つに従った第4態様において、引抜き成形補強材は、土台壁、土台壁の側縁から延びる1対の側壁及び対の側壁の側縁から延びる1対のフランジによって形成される概ねハット形を有する。
【0009】
第1態様~第4態様のいずれか1つに従った第5態様において、複数のアパーチャーは、引抜き成形補強材の土台壁の一部分が複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数のアパーチャーは、1対の側壁の少なくとも一方の一部分が複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。
【0010】
第1態様~第5態様のいずれか1つに従った第6態様において、シートバックフレームは、第1面とその反対側の第2面とを含み、引抜き成形補強材は、シートバックフレームの第1面と第2面との間に位置付けられる。複数のアパーチャー及び複数のスロットは、第1面及び第2面の両方に形成される。
【0011】
第1態様~第6態様のいずれか1つに従った第7態様において、シートバックフレームの第2面は、シートバックフレームの第2面に形成された複数のリンク部分に沿って延びる複数の補強リブを含み、複数のリンク部分は、シートバックフレームの第2面に形成された複数のアパーチャーを画定する。
【0012】
第1態様~第7態様のいずれか1つに従った第8態様において、引抜き成形補強材は、上部フランジ、上部土台壁、中央壁、上部フランジと上部土台壁との間に延びる第1上部側壁、上部土台壁と中央壁との間に延びる第2上部側壁、下部土台壁、下部フランジ、中央壁と下部土台壁との間に延びる第1下部側壁、下部土台壁と下部フランジとの間に延びる第2下部側壁によって形成された概ねダブルハット形を有する。
【0013】
第1態様~第8態様のいずれか1つに従った第9態様において、複数の開口は、複数の上部アパーチャーと、複数の下部アパーチャーと、複数の上部スロットと、複数の下部スロットと、複数の中間スロットと、を含む。複数の上部アパーチャーは、引抜き成形補強材の上部土台壁の一部分が、複数の上部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の下部アパーチャーは、引抜き成形補強材の下部土台壁の一部分が複数の下部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の上部スロットは、引抜き成形補強材の第1上部側壁の少なくとも一部分が複数の上部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の下部スロットは、引抜き成形補強材の第1下部側壁の少なくとも一部分が複数の下部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の中間スロットは、引抜き成形補強材の中間壁の少なくとも一部分が複数の中間スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。
【0014】
第1態様~第9態様のいずれか1つに従った第10態様において、シートバックフレームは、複数の上部補強リブと複数の下部補強リブとを含み、複数の上部補強リブは、引抜き成形補強材の第1上部側壁と第2上部側壁との間に位置付けられるように構成され、複数の下部補強リブは、引抜き成形補強材の第1下部側壁と第2下部側壁との間に位置付けられるように構成される。
【0015】
第11態様において、座席組立体は、シートクッションフレームと、引抜き成形補強材と、シートバックフレームと、を含む。シートバックフレームは、樹脂材で形成される。シートバックフレームは、引抜き成形補強材がシートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成されるように、引抜き成形補強材の中に部分的にのみオーバーモールドされる。
【0016】
第11態様に従った第12態様において、引抜き成形補強材は、連続ガラス繊維強化樹脂材で形成される。
【0017】
第11態様又は第12態様に従った第13態様において、複数の開口は、複数のアパーチャーと複数のスロットとを含む。
【0018】
第11態様~第13態様のいずれか1つに従った第14態様において、引抜き成形補強材は、土台壁、土台壁の側縁から延びる1対の側壁及び1対の側壁の側縁から延びる1対のフランジによって形成された概ねハット形を有する。
【0019】
第11態様~第14態様のいずれか1つに従った第14態様において、複数のアパーチャーは、引抜き成形補強材の土台壁の一部分が複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数のアパーチャーは、対の側壁の少なくとも一方の一部分が複数のアパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。
【0020】
第11態様~第15態様のいずれか1つに従った第16態様において、シートバックフレームは、第1面とその反対側の第2面とを含み、引抜き成形補強材は、シートバックフレームの第1面と第2面との間に位置付けられる。複数のアパーチャー及び複数のスロットは、第1面及び第2面の両方に形成される。
【0021】
第11態様~第16態様のいずれか1つに従った第17態様において、シートバックフレームの第2面は、シートバックフレームの第2面に形成された複数のリンク部分に沿って延びる複数の補強リブを含み、複数のリンク部分は、シートバックフレームの第2面に形成される複数のアパーチャーを画定する。
【0022】
第11態様~第17態様のいずれか1つに従った第18態様において、引抜き成形補強材は、上部フランジ、上部土台壁、中央壁、上部フランジと上部土台壁との間に延びる第1上部側壁、上部土台壁と中央壁との間に延びる第2上部側壁、下部土台壁、下部フランジ、中央壁と下部土台壁との間に延びる第1下部側壁及び下部土台壁と下部フランジとの間に延びる第2下部側壁によって形成された概ねダブルハット形を有する。
【0023】
第11態様~第18態様のいずれか1つに従った第19態様において、複数の開口は、複数の上部アパーチャーと、複数の下部アパーチャーと、複数の上部スロットと、複数の下部スロットと、複数の中間スロットと、を含む。複数の上部アパーチャーは、引抜き成形補強材の上部土台壁の一部分が複数の上部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の下部アパーチャーは、引抜き成形補強材の下部土台壁の一部分が複数の下部アパーチャーを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の上部スロットは、引抜き成形補強材の第1上部側壁の少なくとも一部分が複数の上部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の下部スロットは、引抜き成形補強材の第1下部側壁の少なくとも一部分が複数の下部スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。複数の中間スロットは、引抜き成形補強材の中央壁の少なくとも一部分が複数の中間スロットを通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレームに形成される。
【0024】
第11態様~第19態様のいずれか1つに従った第20態様において、シートバックフレームは、複数の上部補強リブと複数の下部補強リブとを含み、複数の上部補強リブは、引抜き成形補強材の第1上部側壁と第2上部側壁との間に位置付けられるように構成され、複数の下部補強リブは、引抜き成形補強材の第1下部側壁と第2下部側壁との間に位置付けられるように構成される。
【0025】
本明細書において説明する実施形態が提示するこれらの及び付加的な特徴は、図面を参照して以下の詳細な説明を読めば充分に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図面に示す実施形態は、本質的に例示的かつ好ましいものであり、請求項によって画定される内容を限定することを意図しない。下記の例示的実施形態の詳細な説明は、図面と一緒に読めば良く理解でき、図面において同様の構造には同様の参照番号が当てられる。
【0027】
【
図1】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った座席組立体の概略的斜視図である。
【
図2A】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図1の座席組立体のシートバックフレームの概略的前面図である。
【
図2B】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図1の座席組立体のシートバックフレームの概略的後面図である。
【
図3A】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図2Aの線A-Aに沿って見たシートバックフレームの概略的部分断面図である。
【
図3B】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図3Aの部分断面図の概略的部分斜視図である。
【
図4】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図1のシートバックフレームのための鋳造装置の概略的部分断面図である。
【
図5】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従ったシートバック組立体の概略的斜視図である。
【
図6A】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図5のシートバック組立体のシートバックフレームの概略的前面図である。
【
図6B】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図5のシートバック組立体のシートバックフレームの概略的後面図である。
【
図7】本明細書において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図5のシートバック組立体のシートバックフレームの概略的部分側面図である。
【
図8】本発明において説明する1つ又は複数の実施形態に従った
図5のシートバックフレームの鋳造装置の概略的部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書に従ったシートバック組立体は、引抜き成形補強材とシートバックフレームとを含む。シートバックフレームは、樹脂材で形成される。シートバックフレームは、引抜き成形補強材上に部分的にのみオーバーモールドされる。引抜き成形補強材は、シートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成される。シートバックフレームを引抜き成形補強材上の一部にのみオーバーモールドすることによって、オーバーモールドプロセス中に引抜き成形補強材に加えられる圧力量が減少する。更に、シートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように引抜き成形補強材を構成することによって、オペレータは、オーバーモールドプロセス完了時に引抜き成形補強材が適切に位置付けられ無傷であることを確認できる。
【0029】
本明細書に従った座席組立体は、シートバックフレームと、引抜き成形補強材と、シートバックフレームに回動式に結合されたシートクッションフレームと、を含む。シートバックフレームは、樹脂材で形成される。シートバックフレームは、引抜き成形補強材上に部分的にのみにオーバーモールドされる。引抜き成形補強材は、シートバックフレームに形成された複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成される。様々な実施形態について、次に更に詳細に説明する。
【0030】
本明細書において使用する場合、「車両長手方向」は、車両の前後方向(即ち、図に示す+/-車両X方向)を意味する。「車両側方向」は、車両の横断方向(即ち、図に示す+/-車両Z方向)を意味し、車両長手方向を横切る。「車両垂直方向」は、車両の上下方向(即ち、図に示す+/-車両Y方向)を意味する。更に、「上方へ」、「下方へ」、「後方へ」、「前方へ」は、車両の様々なコンポーネントの相互の相対的位置付けを説明するために使用する。車両構造は、車両の中心線に関して概ね対称的なので、「上方へ」、「下方へ」、「後方へ」及び「前方へ」は、車両の反対側に位置付けられるコンポーネントについては、交換することができる。更に、車両の特定のコンポーネントについて指示される方向の1つに延びる又は指示される方向の1つに向くものとして説明するが、これらのコンポーネントは、少なくともこれらの方向に延びる又は向くことが分かるはずである。
【0031】
図1は、座席組立体10を概略的に示す。いくつかの実施形態において、座席組立体10は、車両1(いくつかの実施形態において乗用車とすることができる)内に設置される。他の実施形態において、車両1は、トラック、スポーツ用多目的車、バン、ボート、飛行機又はその他のタイプの車両とすることができる。
【0032】
車両1は客室を含み、その中に車両1内で着席する占有者用の座席組立体10が位置付けられる。
図1には座席組立体10を1つしか示さないが、車両1は、他の実施形態においては任意の数の座席組立体10を含むことができることが分かるはずである。
【0033】
図示する実施形態において、座席組立体10は、車両1の後部座席として構成される。非限定的例として、車両1の後部座席は、座席組立体10及び第2座席組立体(図示せず)を含む後部60/40座席とすることができる。したがって、座席組立体10は、車両側方向(即ち、図において座標軸の+/-Z方向)において座席組立体10の外側部分及び内側部分の占有者を支持するための”60”座席として構成できる。他の実施形態において、座席組立体10は、”50/50”座席、キャプテンシート、バケットシート又はその他の様々な座席組立体とすることができることが分かるはずである。
【0034】
座席組立体10は、シートバック組立体11とシートクッションフレーム14とを含む。シートバック組立体11は、シートバックフレーム12と引抜き成形補強材70とを含む。下で更に詳細に説明するように、引抜き成形補強材70は、引抜き成形補強材70がシートバックフレーム12を通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム12内に部分的にのみオーバーモールドされる。シートバックフレーム12とシートクッションフレーム14は、1対のブラケット15を介して相互に結合できる。ブラケット15は、締結具を使用してシートバックフレーム12とシートクッションフレーム14を結合できる。
【0035】
いくつかの実施形態において、シートクッションフレーム14は、回動軸線P1の周りで移動できるようにブラケット15によってシートクッションフレーム14に回動式に結合できる。いくつかの実施形態において、シートクッションフレーム14は、着席位置と跳ね上げ位置との間で回動できる。着席位置のとき、シートクッションフレーム14は、車両1のフロア上の占有者を支持するために位置付けられる。跳ね上げ位置のとき、シートクッションフレーム14は、回動軸線P1の周りで矢印F1の方向にシートバックフレーム12へ向かって回される。跳ね上げ位置のとき、シートクッションフレーム14はシートバックフレーム12と向き合う。
【0036】
いくつかの実施形態において、座席組立体10は、座席組立体10を車両1の床に固定的に締結するための1つ又は複数の取付け点(図示せず)を含むことができる。他のいくつかの実施形態において、座席組立体10は、座席組立体10が車両長手方向(即ち、図に示す±車両X方向)に滑動可能であるように、1対のスライドレールによって車両1の床に滑動可能に取り付けることができる。
【0037】
シートクッションフレーム14は、土台壁16と、1対の側壁18と、前壁20と、後壁22と、を含むことができる。対の側壁18は、
図1に示す着席位置のとき車両長手方向(即ち、+/-X方向)に延びることができ、前壁20及び後壁22は、車両側方向(即ち、+/-Z方向)に延びることができる。対の側壁18、前壁20及び後壁22は、シートクッションフレーム14の周囲を画定するように形成される。シートクッションフレーム14は、又、シートクッションフレーム14によって支持される占有者がシートベルトバックル又はその他のシートアクセサリにアクセスできるようにするノッチ23も含むことができる。
【0038】
シートクッションフレーム14は、樹脂材で形成される。非限定的例として、シートクッションフレーム14は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ビニルエステル及び/又はエポキシなどの少なくとも1つの樹脂又は樹脂の組合せで形成できる。いくつかの実施形態において、シートクッションフレーム14は、繊維強化樹脂材、例えばガラス繊維強化ナイロン樹脂材で形成できる。いくつかの実施形態において、シートクッションフレーム14の土台壁16、対の側壁18、前壁20及び後壁22は、ワンピースモノリス構造体として一体的に形成される。具体的には、シートクッションフレーム14は、単一のワンピースモノリス構造体として繊維強化樹脂材から一体的に鋳造できる。
【0039】
図1及び2A~2Bを見ると、シートバックフレーム12は、土台壁24と、上部クロス部材26と、上部クロス部材26から離間する下部クロス部材28と、1対の側面部材30と、を含む。上部クロス部材26及び下部クロス部材28は、車両側方向(即ち、+/-Z方向)に延びることができる。対の側面部材30は、上部クロス部材26の端部と下部クロス部材28の端部との間に延びる。シートバックフレーム12は、中間クロス部材32を含むことができる。中間クロス部材32は、車両垂直方向(即ち、+/-Y方向)に上部クロス部材26から下部クロス部材28へ向かって延びることができる。中間クロス部材32は、座席組立体10が”60”座席である状況において占有者が支えられる場所の間のエリアにおいてシートバックフレーム12を強化できる。シートバックフレーム12の土台壁24は、前面(以後、第1面と呼ぶ)34とその反対側の後面(以後、第2面と呼ぶ)36とを含む。
【0040】
シートバックフレーム12は、1対の側壁107Aと中間壁107Bとを含む強化部分105を含む。側壁107A及び中間壁107Bは、少なくとも部分的に引抜き成形補強材70を被覆する第1面34の一部分を形成する。
【0041】
シートバックフレーム12は、樹脂材で形成される。非限定的例として、シートバックフレーム12は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ビニルエステル及び/又はエポキシなどの少なくとも1つの樹脂又は樹脂の組合せで形成できる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム12は、繊維強化樹脂材、例えばガラス繊維強化ナイロン樹脂材で形成できる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム12の土台壁24、上部クロス部材26、下部クロス部材28及び中間クロス部材32は、ワンピースモノリス構造体として一体的に形成される。具体的には、シートバックフレーム12は、単一のワンピースモノリス構造体として繊維強化樹脂材から一体的に鋳造できる。
【0042】
シートバックフレーム12は、土台壁24内に一体的に形成されるラッチ38を含むことができる。ラッチ38は、チャイルドシートを固定するためのアンカーとして設置できる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム12は、ノッチ42を含むことができ、シートバックフレーム12によって支えられる占有者がシートベルト組立体又はその他の座席シートアクセサリにアクセスできるようにする。
【0043】
図2Bを見ると、上部クロス部材26は、シートバックフレーム12の第2面36に凹部48を画定する概ねU字形に形成できる。凹部48は、1対の面44によって画定できる。複数の拡張リブ46は、対の面44の間など凹部48内に延びることができる。いくつかの実施形態において、複数の拡張リブ46は、複数の拡張リブ46が相互に結合するように第1方向及び第1方向に対して直交する第2方向に延びる。複数の拡張リブ46は、上部クロス部材26の凹部48を補強するために設置できる。
【0044】
対の側面部材30は、シートバックフレーム12の第2面36に凹部50を画定する概ねU字形に形成できる。凹部50は、1対の面52によって画定できる。複数の拡張リブ54は、凹部50内で対の面52の間に延びることができる。複数の拡張リブ54は対の側面部材30の凹部50を補強するために設置できる。
【0045】
中間クロス部材32は、シートバックフレーム12の第2面36に凹部56を画定する概ねU字形に形成できる。凹部56は、1対の面58によって画定できる。複数の拡張リブ60は、凹部56内で対の面58の間に延びることができる。複数の拡張リブ60は、中間クロス部材32の凹部56を補強するために設置できる。
【0046】
下でさらに詳細に説明するように、補強凹部62は、シートバックフレーム12において、引抜き成形補強材70が配置される場所に形成できる。補強凹部62は、1対の側壁64A及び対の側壁64Aの間に延びる中間壁64Bによって画定できる。複数の補強リブ66が補強凹部62内に延びることができる。複数の補強リブ66は、中間壁64Bから対の側壁64Aの間に延びることができる。
【0047】
更に
図1、2A~2B及び3A~3Bを見ると、シートバックフレーム12は、引抜き成形補強材70を含む。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材70は、シートバックフレーム12内で車両側方向(即ち+/-車両Z方向)に延びることができる細長い補強部材である。図示する実施形態において、引抜き成形補強材70は、下部クロス部材28と上部クロス部材26との間に位置付けられる。他の実施形態において、引抜き成形補強材70はシートバックフレーム12の他の場所に位置付けることができ、他の車両方向に延びることができることが、分かるはずである(例えば、引抜き成形補強材70は、上部クロス部材26及び/又は下部クロス部材28内に一体的に設置できる)。引抜き成形補強材70は、シートバックフレーム12の剛性を更に補強するように構成される。
【0048】
下でさらに詳細に説明するように、引抜き成形補強材70は、シートバックフレーム12の鋳造プロセスいのいてシートバックフレーム12の中へ部分的にのみオーバーモールドされる。具体的には、引抜き成形補強材70は、引抜き成形補強材70がシートバックフレーム12の第1面34と第2面36との間に位置付けられるようにシートバックフレーム12によってオーバーモールドされる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム12と引抜き成形補強材70は、ワンピースモノリス構造体として一体的に鋳造される。
【0049】
図3A及び3Bを見ると、引抜き成形補強材70は、概ねハット形に形成される。引抜き成形補強材70は、土台壁90と、1対の側壁92と、1対のフランジ94と、1対の遠位縁96と、を含む。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材70は、他の様々な幾何学的形状、例えば平面形、正規又は非正規形状又は複合的形状を持つことができる。
【0050】
土台壁90は、第1面90Aと、その反対側の第2面90Bと、第1面90Aと第2面90Bとの間に延びる1対の側縁90Cとを含む。土台壁90の第1面90Aは、シートバックフレーム12の第1面34の内面と向かう合うように位置付けられる。土台壁90の第2面90Bは、シートバックフレーム12の第2面36の内面と向かう合うようにシートバックフレーム12内に位置付けられる。
【0051】
対の側壁92は、第1面92Aと、その反対側の第2面92Bと、1対の側縁92Cと含む。対の側壁92の各々は、土台壁90の側縁90Cから概ね直角に延びる。対の側壁92の第1面92Aの各々は、シートバックフレーム12の第1面34の内面に向かい合うようにシートバックフレーム12内に位置付けられる。対の側壁92の第2面92Bの各々は、シートバックフレーム12の第2面36の内面に向かい合うようにシートバックフレーム12内に位置付けられる。
【0052】
対のフランジ94は、第1面94Aとその反対側の第2面94Bとを含む。対のフランジ94の各々は、対の側壁92の側縁92Cから概ね直角に延びる。対のフランジ94の各々は、対の側壁92の側縁92Cと対の遠位縁96との間に延びる。対のフランジ94の第1面94Aの各々は、シートバックフレーム12の第1面34の内面に向かい合うようにシートバックフレーム12内に位置付けられる。対のフランジ94の第2面92Bの各々は、シートバックフレーム12の第2面36の内面に向かい合うようにシートバックフレーム12内に位置付けられる。
【0053】
図1、2A及び2Bを見ると、引抜き成形補強材70は、1対の孔98を持つこともできる。対の孔98の各々は、引抜き成形補強材70の長手方向に見て、引抜き成形補強材70の端部分に隣接して位置付けられる。対の孔98は、土台壁90に形成される。対の孔98の各々は、土台壁90の第1面90Aと反対側の第2面90Bとの間に延びる。下でさらに詳細に説明するように、対の孔98は、シートバックフレーム12が引抜き成形補強材70上にオーバーモールドされるとき設定された位置に引抜き成形補強材70を保持するのに役立つ。
【0054】
引抜き成形補強材70は、連続繊維強化樹脂材で形成できる。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材70は、樹脂複合材と1つの方向に延びる1つ又は複数の繊維とを含むことができる。非限定的例として、1つ又は複数の繊維は、連続ガラス繊維などのガラス繊維とすることができる。別の非限定的例として、1つ又は複数の繊維は、ガラス繊維及びナイロン繊維とすることができる(例えば、1つ又は複数の繊維の95%はガラス繊維であり、1つ又は複数の繊維の5%はナイロン繊維である)。1つ又は複数の繊維は、引抜き成形補強材70の樹脂複合材(例えば、エポキシ、ポリエステルなどの樹脂)を強化するように構成できる。ガラス繊維は、引抜き成形補強材70の引張り強さ、撓曲率、衝撃抵抗及び寸法安定性を増すことができる。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材70は、連続ガラス繊維強化樹脂材で形成される。
【0055】
いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材70は、長いストランドのガラス繊維などの強化繊維がポリマー樹脂などの液体樹脂材で飽和される連続鋳造引抜き成形プロセスを使用して形成され、その後引抜き成形補強材70の概ねハット形を生成するために加熱成形ダイを通過して引っ張られる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の連続ガラス繊維を液体樹脂材で飽和しながら、顔料及び引抜き成形補強材70の硬化を強化する触媒を添加できる。引抜き成形補強材70は、他の実施形態において、適切な任意の引抜き成形プロセス又はその他の製造プロセスを使用して形成できることが、分かるはずである。
【0056】
図1及び2Aを見ると、シートバックフレーム12の第1面34は、シートバックフレーム12の第1面34を通して引抜き成形補強材70を視覚的に検査できるように位置付けられた複数の開口100を持つように形成される。複数の開口100は、中間壁107Bに形成された複数の成形アパーチャー102と、1対の側壁107A及び中間壁107Bに形成された複数のスロット104と、を含む。複数の成形アパーチャー102及び複数のスロット104は、複数のリンク部分106及び複数の平行の拡張部分108によって分離される。複数の拡張部分108は、複数のリンク部分106の上面及び底面から延びる。
【0057】
複数のリンク部分106は、シートバックフレーム12の前から見たとき概ねX字形を有する。複数のリンク部分106は、概ね正規形状を持つ複数の成形アパーチャー102を間に画定する内面106Aを含む。複数のリンク部分106は、複数の拡張部分108と一緒に複数のスロット104を画定する外面106Bを含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、複数の成形アパーチャー102は、概ね菱形に形成される。複数の成形アパーチャー102の形状は、概ね菱形に限定されず、例えば、三角形、円形、半円形及び長方形を含めて、他の正規及び非正規の幾何学形状を含むことができる。
【0059】
複数の成形アパーチャー102は、引抜き成形補強材70の土台壁90の少なくとも一部分を覆って位置付けられるように、複数のリンク部分106の内面106Aによってシートバックフレーム12の第1面34に形成される。土台壁90の第1面90Aの少なくとも一部分は、シートバックフレーム12に形成された複数の成形アパーチャー102を通して視覚的に検査されるように構成される。
【0060】
図1、2A及び3Aを見ると、複数のスロット104は、複数のリンク部分106の外面106Bによって画定された概ね三角形端部を持つように形成され、複数のスロット104の残りは、複数のスロット104の各々が隣り合う拡張部分108の間に形成されるとき、概ね長方形に形成される。複数のスロット104は、引抜き成形補強材70の土台壁90、対の側壁92及び対のフランジ94の少なくとも一部分を覆って位置付けられように、複数のリンク部分106の外面106B及び隣接する拡張部分108によってシートバックフレーム12の第1面34に形成される。土台壁90の第1面90Aの少なくとも一部分、対の側壁92の第1面92Aの各々の一部分及び対のフランジ94の第1面94Aの各々の一部分は、複数のスロット104を通して視覚的に検査されるように構成される。シートバックフレーム12の複数のリンク部分106はジャンクション101を含む。ジャンクション101は、第1面34の複数のリンク部分106の交差部である。複数の拡張部分108は、複数のリンク部分106の上部及び底部からそれぞれ上向きに及び下向きに延びるように、シートバックフレーム12の第1面34に形成される。したがって、複数の拡張部分108は、土台壁90の第1面90Aの各々の少なくとも一部分、対の側壁92の第1面92Aの各々の一部分及び対のフランジ94の第1面94Aの一部分を覆って延びるように形成される。
【0061】
図2B、3A及び3Bを見ると、シートバックフレーム12の第2面36は、シートバックフレーム12の第2面36を通して引抜き成形補強材70を視覚的に検査できるように位置付けられた複数の開口110を持つように形成される。シートバックフレーム12の第2面36に形成された複数の開口110は、中間壁64Bに形成された複数の成形アパーチャー112と、側壁64A及び中間壁64Bに形成された複数のスロット114と、を含む。複数の成形アパーチャー112及び複数のスロット114は、複数のリンク部分116及び複数の拡張部分118によって分離される。複数の拡張部分118は、複数のリンク部分116の上面及び底面から延びる。
【0062】
複数のリンク部分116は、シートバックフレーム12の後から見たとき概ねX字形を有する。複数のリンク部分116は、概ね正規形状を持つ複数の成形アパーチャー112をその間に画定する内面116Aを有する。複数のリンク部分116は、複数の拡張部分118と一緒に複数のスロット114を画定する外面116Bを有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、複数の成形アパーチャー112は、概ね菱形に形成される。複数の成形アパーチャー112の形状は概ね菱形に限定されず、例えば三角形、円形、半円形及び長方形を含めて正規及び非正規の幾何学形状を含むことができることが分かるはずである。
【0064】
複数の成形アパーチャー112は、引抜き成形補強材70の土台壁90の少なくとも一部分を覆って位置付けられるように、複数のリンク部分116の内面116Aによってシートバックフレーム12の第2面36に形成される。したがって、土台壁90の第2面90Bの少なくとも一部分は、シートバックフレーム12に形成された複数の成形アパーチャー112を通して視覚的に検査されるように構成される。
【0065】
更に
図2B及び3Bを見ると、複数のスロット114は、複数のリンク部分116の外面116Bによって画定される概ね三角形端部を持つように形成され、複数のスロット114の残りは、複数のスロット114の各々が隣り合う拡張部分118の間に形成されるとき、概ね長方形に形成される。複数のスロット114は、引抜き成形補強材70の土台壁90の第2面90Bの少なくとも一部分、対の側壁92及び対のフランジ94を覆って位置付けられるように、複数のリンク部分116の外面116B及び隣接する拡張部分118によってシートバックフレーム12の第2面36に形成される。したがって、土台壁90の第2面90Bの少なくとも一部分、対の側壁92の第2面92Bの各々の一部分及び対のフランジ94の第2面94Bの各々の一部分は、複数のスロット114を通して視覚的に検査されるように構成される。シートバックフレーム12の複数のリンク部分116は、ジャンクション111を含む。ジャンクション111は、第2面36の複数のリンク部分116の交差部である。複数の拡張部分118は、複数のリンク部分116の上部及び底部からそれぞれ上向きに及び下向きに延びるようにシートバックフレーム12の第2面36に形成される。したがって、複数の拡張部分118は、土台壁90の第2面90Bの少なくとも一部分、対の側壁92の第2面92Bの各々の一部分及び対のフランジ94の第2面94Bの各々の一部分を覆って延びるように形成される。
【0066】
図2B及び3Bを見ると、引抜き成形補強材70の概ねハット形は、補強凹部62を画定する。複数の補強リブ66は、複数のリンク部分116上に位置付けられ、これから外向きに延びる。複数の補強リブ66は、複数のリンク部分116を補強凹部62の側壁64Aに結合する。いくつかの実施形態において、複数の補強リブ66は、複数のリンク部分116の形状に対応する形状を有する。いくつかの実施形態において、複数の補強リブ66は、シートバックフレーム12の後から見たとき、複数のリンク部分116の概ねX字形に対応するために概ねX字形を有する。複数の補強リブ66は、シートバックフレーム12の剛性を更に強化するように構成される。
【0067】
様々な実施形態において、複数のリンク部分106は、第1厚み(T
1)を持つことができ、複数のリブ66は、第2厚み(T
2)を持つことができる。いくつかの実施形態において、第2厚み(T
2)は、第1厚み(T
1)より大きいか又はこれに等しい。第2厚み(T
2)は、他の実施形態において、第1厚み(T
1)より小さくても良い。
図3Aに示すように、第1厚み(T
1)は、ジャンクション101において測られ、第2厚み(T
2)は補強リブ66を通過して延びるジャンクション111において測られる。具体的には、第1厚み(T
1)は、中間壁107Bの厚みであり、第2厚み(T
2)は、中間壁64Bとリブ66の厚みである。
【0068】
実施形態は、概ねX字形を有する複数のリンク部分106、複数のリンク部分116及び複数のリブ66を示すが、複数のリンク部分106、複数のリンク部分116及び複数のリブ66は、他の実施形態において、引抜き成形補強材70をシートバックフレーム12を通して視覚的に検査できるようにする他の幾何学的構成を持つことができることが分かるはずである。非限定的例として、複数のリンク部分106及び複数のリンク部分116の少なくとも1つは、概ね円形又は長円形を持つことができる。
【0069】
様々な実施形態において
図3Aに示すように、ブラケット15は、引抜き成形補強材70に隣接して(即ち、それに近接して又はその近くに)位置付けることができ、締結部材99(例えば、回転可能締結ナット、ピボットボルト、ヒンジ又はその他の類似する締結要素)を使用して、側面部材30をシートクッションフレーム14に回動式に結合するように構成できる。
【0070】
図1、2A~2B、3A~3B及び4を参照しながら、次に、引抜き成形補強材70及び引抜き成形補強材70を持つシートバックフレーム12の製造プロセス例について説明する。上に説明するように、引抜き成形補強材70は、引抜き成形プロセスにおいて形成できる。非限定的例として、引抜き成形プロセスは、テンションローラーを使用して1つ又は複数の連続ガラス繊維のスプーリングを含むことができる。次に、1つ又は複数のガラス繊維を、樹脂槽(ポリエステル、ポリウレタン、ビニルエステル、エポキシなど)に入れて、樹脂を1つ又は複数のガラス繊維に浸透できる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のガラス繊維が樹脂槽の中に在るときに、顔料及び引抜き成形補強材70の硬化を強化する触媒を添加できる。その後、1つ又は複数の連続ガラス繊維と樹脂の混合物を、樹脂を重合化するために、スチール成形ダイなどの熱源へ送ることができる。重合化された樹脂及び1つ又は複数の連続ガラス繊維は、ソリッドガラス繊維強化ポリマーとして熱源から取り出される。引抜き成形補強材70は他の実施形態において適切な任意の引抜き成形プロセス又は他の適切な製造プロセスを使用して形成できることが分かるはずである。
【0071】
引抜き成形プロセスにおいて、引抜き成形補強材70の様々な幾何学的特徴を画定できる。非限定的例として
図3A及び3Bの実施形態に示すように、引抜き成形補強材70は、概ねハット形に形成でき、土台壁90と、対の側壁92と、対のフランジ94と、対の遠位縁96と、を含むことができる。
【0072】
引抜き成形補強材70が形成されると、引抜き成形補強材70は、引抜き成形補強材70がシートバックフレーム12を通して複数の開口100及び複数の開口110から視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム12内に部分的にのみオーバーモールドされる。いくつかの実施形態において
図4に示すように、引抜き成形補強材70は、オーバーモールド室120へ入れられる。非限定的例として、引抜き成形補強材70は、オーバーモールド室120の第1成形基板130と第2成形基板140との間に位置付けることができる。いくつかの実施形態において、第1成形基板130及び第2成形基板140の少なくとも一方は、各々、位置決めピン180(例えば、2方向位置決めピン又は四方位置決めピン)を受け入れるための少なくとも2つのピン孔181を含むことができ、引抜き成形補強材70の対の孔98は、位置決めピン180と整列できる。
図4に示すように、位置決めピン180は、オーバーモールド室120を閉鎖したとき、位置決めピン180の端部が第2成形基板140の一部分と接触するように、引抜き成形補強材70の孔98と整列し、この中へ延びる。第2成形基板140は、位置決めピン180を受け入れるように構成される穴182を含むことができる。いくつかの実施形態において、孔182は、底付きキャビティであり、他のいくつかの実施形態において、孔182は、第2成形基板140を通り抜ける貫通孔である。
【0073】
したがって、対の孔98と位置決めピン180との間の係合は、シートバックフレーム12が引抜き成形補強材70上にオーバーモールドされるとき、引抜き成形補強材70をオーバーモールド室120に対して設定された位置に保持する。引抜き成形補強材70が第1成形基板130と第2成形基板140との間に位置付けられたら、オーバーモールド室120は密閉されて、オーバーモールド室120の外部環境から隔離される。
【0074】
その後、オーバーモールド室120内に射出成形材料を供給できる。非限定的例として、射出成形材料は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ビニルエステル及び/又はエポキシ、又はその他の適切な任意の射出成形材料である。いくつかの実施形態において、添加剤(例えば、可塑剤、繊維、難燃剤、着色剤など)を加熱して、射出成形材料と一緒にオーバーモールド室120の中へ挿入できる。
【0075】
いくつかの実施形態において、オーバーモールド室120は、第1成形基板130と第2成形基板140との間にキャビティを画定し、この中に、オーバーモールドプロセス中、引抜き成形補強材70が位置付けられる。第1成形基板130及び第2成形基板140の各々は、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき引抜き成形補強材70がシートバックフレーム12の第1面34と第2面36との間に位置付けられるような形状を持つことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、第1成形基板130は、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の成形アパーチャー102及び複数のスロット104を画定するために複数のリンク部分106及び複数のジャンクション101がシートバックフレーム12の第1面34に形成されるような形状を持つことができる。複数の突出部150の側面は、複数のリンク部分106の内面106A及び外面106Bを形成する。
【0077】
いくつかの実施形態において、第2成形基板140は、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の補強リブ66がシートバックフレーム12の補強凹部62に形成されるような形状を持つことができる。第2成形基板140は、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の成形アパーチャー112、複数のスロット114及び複数のリブ66を画定するために複数のリンク部分116及び複数のジャンクション111がシートバックフレーム12の第2面36に形成されるような形状を持つことができる。複数の突出部160の側面は、複数のリンク部分116の内面116A及び外面116Bを形成する。
【0078】
更に
図4を見ると、第1成形基板130は、第1成形基板130のモールド面から延びる複数の突出部150(例えば、複数のアパーチャー用突出部及び複数のスロット用突出部)を含むことができる。複数のアパーチャー用突出部150は、オーバーモールドプロセス中引抜き成形補強材70の土台壁90の第1面90Aに直接接触でき、複数の成形アパーチャー102の形状に対応する形状を持つことができる。複数のスロット用突出部150は、オーバーモールドプロセス中土台壁90の第1面90A、対の側壁92の第1面92A及び対のフランジ94の第1面94Aに直接接触でき、複数のスロット104の形状に対応する形状を持つことができる。
【0079】
したがって、射出成形材料がオーバーモールド室120に追加されるとき、射出成形材料は、複数の成形アパーチャー102を形成するように土台壁90の第1面90Aとアパーチャー用突出部150との間に配されない。同様に、射出成形材料がオーバーモールド室120に追加されるとき、射出成形材料は、複数のスロット104を形成するように土台壁90の第1面90A、対の側壁92の第1面92A、対のフランジ94の第1面94A及びスロット用突出部150の間に配されない。
【0080】
したがって、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の開口100の複数の成形アパーチャー102及び複数の開口100の複数のスロット104は、引抜き成形補強材70がシートバックフレーム12を通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム12の第1面34に形成される。
【0081】
更に
図4を見ると、第2成形基板140は、第2成形基板140のモールド面から延びる複数の突出部160(例えば、複数のアパーチャー用突出部及び複数のスロット用突出部)を含むことができる。複数のアパーチャー用突出部160は、オーバーモールドプロセス中引抜き成形補強材70の土台壁90の第2面90Bに直接接触でき、複数の成形アパーチャー112の形状に対応する形状を持つことができる。複数のスロット用突出部160は、オーバーモールドプロセス中土台壁90の第2面90B、対の側壁92の第2面92B、対のフランジ94の第2面94Bに直接接触でき、複数のスロット114及び複数のリブ66の形状に対応する形状を持つことができる。
【0082】
したがって、射出成形材料がオーバーモールド室120の中へ追加されるとき、射出成形材料は、複数の成形アパーチャー112を形成するように土台壁90の第2面90Bとアパーチャー用突出部160との間に配されない。同様に、射出成形材料がオーバーモールド室120の中へ追加されるとき、射出成形材料は、複数のスロット114及び複数のリブ66を形成するように土台壁90の第2面90B、対の側壁92の第2面92B、対のフランジ94の第2面94B及びスロット用突出部の間に配されない。
【0083】
したがって、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の開口100の複数の成形アパーチャー112、複数の開口100の複数のスロット114及び複数のリブ66は、引抜き成形補強材70がシートバックフレーム12を通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム12の第2面36に形成される。
【0084】
第1成形基板130及び第2成形基板140は、各々複数のリンク部分106及び複数のリンク部分116の形状に対応する形状を持つことができることが分かるはずである。したがって、オーバーモールド室120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の開口100の複数のリンク部分106及び複数のリンク部分116は、シートバックフレーム12のそれぞれ第1面34及び第2面36に形成される。
【0085】
本開示に従った車両は、シートバックフレーム12とシートクッションフレーム14とを含む座席組立体10を含むことが分かるはずである。実施形態において、シートバックフレーム12は、オーバーモールドプロセス中に形成される引抜き成形補強材70の第1面34及び第2面36に複数の開口100を含む。したがって、シートバックフレーム12は、オーバーモールドプロセスが完了した後に引抜き成形補強材70を視覚的に検査できるように構成されるので、オペレータが、オーバーモールドプロセスが完了したとき引抜き成形補強材70が適切に位置付けられ無傷であることを確認できるようにし、それによってオーバーモールドプロセスが完了した後に引抜き成形補強材70の視覚的検査を可能にする。更に、引抜き成形補強材70は、オーバーモールドプロセス中シートバックフレーム12の補強凹部62に形成された複数の補強リブ66を含む。したがって、複数の補強リブ66は、シートバックフレーム12に加えられる捩じり力に対する剛性を与えることができる。
【0086】
したがって、シートバック組立体10を形成する方法は、引抜き成形補強材70を提供することと、引抜き成形補強材70上にシートバックフレーム12をオーバーモールドすることと、引抜き成形補強材70が複数の開口100及び複数の開口110を通して視覚的に検査されるように構成されるように、引抜き成形補強材70上にシートバックフレーム12をオーバーモールドするときにシートバックフレーム12に複数の開口100及び複数の開口110を形成することと、を含む。
【0087】
方法は、シートバックフレーム12の第1面34に複数の開口100を形成するステップを含む。複数の開口100は、複数の成形アパーチャー102と複数のスロット104とを含む。方法は、又、シートバックフレームの第2面36に複数の開口110を形成するステップを含む。複数の開口110は、複数の成形アパーチャー112と、複数のスロット114と、を含む。方法は、又、シートバックフレーム12の第2面36に複数の補強リブ66を形成するステップも含む。
【0088】
図5~8は、別の実施形態に従った座席組立体の全体を、1010で示す。座席組立体1010は、座席組立体1010がシートバックフレーム1012と引抜き成形補強材1070とを有するシートバック組立体1011を含むことを除いて、座席組立体10と同様である。下でさらに詳細に説明するように、引抜き成形補強材1070は、引抜き成形補強材1070がシートバックフレーム1012を通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム1012内に部分的にのみオーバーモールドされる。座席組立体1010は、締結具としてシートバックフレーム1012に結合される対のブラケット15を介してシートバックフレーム1012に結合できる座席組立体10のシートクッションフレーム14を含む。
【0089】
図5及び6A~6Bを見ると、シートバックフレーム1012は、シートバックフレーム1012が上部補強部分1105Aと、下部補強部分1105Bと、上部補強部分1105Aと下部補強部分1105Bとの間に位置付けられた中間補強凹部1105Cとを含む点を除いて、シートバックフレーム12と同様である。上部補強部分1105Aは、1対の上部側壁1107Aと、対の上部側壁1107Aの間に延びる上部中間壁1107Bと、を含む。下部補強部分1105Bは、1対の下部側壁1107Cと、対の下部側壁1107Cの間に延びる下部中間壁1107Dと、を含む。中間補強凹部1105Cは、対の上部側壁1107Aの内側の方と対の下部側壁1107Cの内側の方との間に延びる内側壁1107Eを含む。対の上部側壁1107A、上部中間壁1107B、内側壁1107E、対の下部側壁1107C及び下部中間壁1107Dは、少なくとも部分的に引抜き成形補強材1070を被覆する第2面36の一部として形成される。
【0090】
シートバックフレーム1012は、土台壁24と、上部クロス部材26と、上部クロス部材26から離間する下部クロス部材28と、1対の側面部材30と、を含む。上部クロス部材26及び下部クロス部材28は、車両側方(即ち、+/-Z方向)に延びることができる。対の側面部材30は、上部クロス部材26及び下部クロス部材28の端部間に延びる。シートバックフレーム1012は、中間クロス部材32を含むことができる。中間クロス部材32は、上部クロス部材26から下部クロス部材28へ向かって車両垂直方向(即ち、+/-Y方向)に延びることができる。中間クロス部材32は、座席組立体10が”60”座席である状況において、占有者が支えられる場所の間のエリアにおいてシートバックフレーム1012を補強できる。シートバックフレーム1012の土台壁24は、前面(以後これを第1面と呼ぶ)34と反対側の後面(以後これを第2面と呼ぶ)36とを含む。
【0091】
シートバックフレーム1012は、樹脂材で形成される。非限定的例として、シートバックフレーム1012は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ビニルエステル及び/又はエポキシなどの少なくとも1つの樹脂又は樹脂の組合せで形成できる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム1012は、繊維強化樹脂材、例えばガラス強化ナイロン樹脂材で形成できる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム1012の土台壁24、上部クロス部材26、下部クロス部材28及び中間クロス部材32は、単一のワンピースモノリス構造体として一体的に形成される。具体的には、シートバックフレーム1012は、単一のワンピースモノリス構造体として繊維強化樹脂材から一体的に鋳造できる。
【0092】
シートバックフレーム1012は、土台壁24内に一体的に形成されるラッチ38を含むことができる。ラッチ38は、チャイルドシートを固定するためのアンカーとして設置できる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム1012は、ノッチ42を含むことができ、これは、シートバックフレーム12によって支えられる占有者がシートベルト組立体又はその他のシートアクセサリにアクセスできるようにする。
【0093】
図5及び6Aを見ると、第1面34は、複数の第1補強材1035と複数の第2補強材1037とを持つように形成できる。第1補強材1035は第1方向に延び、第2補強材1037は、第1方向に対して概ね直角を成す第2方向に延びる。第1補強材1035は、対の側面部材30の一方と中間クロス部材32との間で連続的に延びる。第2補強材1037は、上部クロス部材26と下部クロス部材28との間で不連続に延びる。第2補強材1037は、複数の第1補強材の1035と複数の第2補強材1037の交差部において不連続になるように複数の第1補強材1035の各々の間で延びる。複数の第1補強材1035及び複数の第2補強材1037は、概ねU字形の断面を持つように形成され、第1面34に対して隆起する。
【0094】
図6Bを見ると、上部クロス部材26は、シートバックフレーム1012の第2面36に凹部48を画定する概ねU字形に形成される。凹部48は、1対の面44によって画定できる。複数の拡張リブ46は、対の面44の間など凹部48内に延びることができる。いくつかの実施形態において、複数の拡張リブ46は、複数の拡張リブ46が相互に結合するように第1方向及び第1方向に対して概ね直角を成す第2方向に延びる。複数の拡張リブ46は、上部クロス部材26の凹部48を補強するために設置できる。
【0095】
対の側面部材30は、シートバックフレーム12の第2面36に凹部50を画定する概ねU字形に形成できる。凹部50は、1対の面52によって画定できる。複数の拡張リブ54は、凹部50内で対の面52の間に延びることができる。複数の拡張リブ54は、対の側面部材30の凹部50を補強するために設置できる。
【0096】
中間クロス部材32は、シートバックフレーム1012の第2面36に凹部56を画定する概ねU字形に形成できる。凹部56は、1対の面58によって画定できる。複数の拡張リブ60は、凹部56内で対の面58の間に延びることができる。複数の拡張リブ60は、中間クロス部材32の凹部56を補強するために設置できる。
【0097】
下で更に詳細に説明するように、シートバックフレーム1012の第2面36は、引抜き成形補強材1070が配置される位置に、上部補強凹部1062A、下部補強凹部1062B及び中間補強部分1062Cを持つように形成できる。中間補強部分1062Cは、上部補強凹部1062Aと下部補強凹部1062Bとの間に位置付けられる。上部補強凹部1062Aは、1対の上部側壁1064A及び対の上部側壁1064Aの間に延びる上部中間壁1064Bによって画定できる。下部補強凹部1062Bは、1対の下部側壁1064C及び対の下部側壁1064Cの間に延びる下部中間壁1064Dによって画定できる。中間補強部分1062Cは、対の上部側壁1064Aの下側の方と対の下部側壁1064Cの上側の方との間に延びる内側壁1064Eを含む。
【0098】
複数の上部補強リブ1066Aは、上部補強凹部1062A内に延びることができる。複数の上部補強リブ1066Aは、上部中間壁1064Bから延び、対の上部側壁1064Aの間に延びることができる。複数の下部補強リブ1066Bは、下部補強凹部1062B内で延びることができる。複数の下部補強リブ1066Bは、下部中間壁1064Dから延び、対の下部側壁1064Cの間に延びることができる。
【0099】
いくつかの実施形態において、複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bは、シートバックフレーム1012の後から見たとき概ねX字形を有する。複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bは、シートバックフレーム1012の剛性を更に補強するように構成される。複数の上部補強リブ1066Aは、概ねX字形なので複数の上部補強リブ1066Aが交差する位置にジャンクション1111Aを含む。複数の下部補強リブ1066Bは、概ねX字形なので複数の下部補強リブ1066Bが交差する位置にジャンクション1111Bを含む。
【0100】
更に
図5及び6A~6Bを見ると、シートバックフレーム1012は、引抜き成形補強材1070を含む。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材70は、シートバックフレーム1012内で車両側方(即ち、+/-Z方向)に延びることができる細長い補強部材である。図示する実施形態において、引抜き成形補強材1070は、下部クロス部材1028と上部クロス部材1026との間に位置付けられる。他の実施形態において、引抜き成形補強材1070は、シートバックフレーム1012の他の場所に位置付けて、他の車両方向に延びることができることが分かるはずである(例えば、引抜き成形補強材1070は、上部クロス部材26及び/又は下部クロス部材1028内に一体的に設置できる)。引抜き成形補強材1070は、シートバックフレーム1012の剛性を更に補強するように構成される。
【0101】
下でさらに詳細に説明するように、引抜き成形補強材1070は、シートバックフレーム1012の成形プロセスにおいてシートバックフレーム1012の中へ部分的にのみオーバーモールドされる。具体的には、引抜き成形補強材1070は、引抜き成形補強材1070がシートバックフレーム1012の第1面34と第2面36との間に位置付けられるようにシートバックフレーム1012によってオーバーモールドされる。いくつかの実施形態において、シートバックフレーム1012と引抜き成形補強材1070は、ワンピースモノリス構造体として一体的に成形される。
【0102】
図7及び8を見ると、引抜き成形補強材1070は、概ね二重ハット形に形成される。引抜き成形補強材1070は、上部土台壁1090Aと、1対の上部側壁1092Aと、上部フランジ1094Aと、下部土台壁1090Bと、1対の下部側壁1092Bと、下部フランジ1094Bと、中央壁1095と、上部遠位縁1096A及び下部遠位縁1096Bと、を含む。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材1070は、その他の様々の幾何学的形状、例えば平面形、正規形状、非正規形状又は複合的形状を持つことができる。対の上部側壁1092Aは、上部フランジ1094Aと上部土台壁1090Aとの間に延びる第1上部側壁と、上部土台壁1090Aと中央壁1095との間に延びる第2上部側壁と、を含む。対の下部側壁1092Bは、中央壁1095と下部土台壁1090Bとの間に延びる第1下部側壁と、下部土台壁1090Bと下部フランジ1094Bとの間に延びる第2下部側壁と、を含む。
【0103】
上部土台壁1090Aは、第1上面1090AAと、その反対側の第2上面1090ABと、第1上面1090面AAと第2上面1090ABとの間に延びる1対の上部側縁1090ACと、を含む。上部土台壁1090Aの第1上面1090AAは、シートバックフレーム1012の第1面34の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34上部中間壁1107Bの内面に向かう合うように位置付けられる。上部土台壁1090Aの第2上面1090ABは、シートバックフレーム1012の第2面36の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36の上部中間壁1064Bの内面に向かうように、シートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0104】
対の上部側壁1092Aは、第1上面1092AAと、その反対側の第2上面1092ABと、1対の上部側縁1092ACとを含む。対の上部側壁1092Aの各々は、上部土台壁1090Aの上部側縁1090ACから概ね直角に延びる。対の上部側壁1092Aの第1上面1092AAの各々は、シートバックフレーム1012の第1面34の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34の上部側壁1107Aの内面に向かい合うように、シートバックフレーム1012内に位置付けられる。対の上部側壁1092Aの第2上面1092ABの各々は、シートバックフレーム1012の第2面36の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36の上部側壁1064Aの内面に向かい合うように、シートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0105】
上部フランジ1094Aは、第1上面1094AAとその反対側の第2上面1094ABとを含む。上部フランジ1094Aは、上部側壁1092Aの上部側縁1092ACの一方から上部遠位縁1096Aまで概ね直角に延びる。上部フランジ1094Aの第1上面1094AAは、シートバックフレーム1012の第1面34の内面に向かう合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。上部フランジ1094Aの第2上面1092ABは、シートバックフレーム1012の第2面36の内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0106】
下部土台壁1090Bは、第1下面1090BAと、その反対側の第2下面1090BBと、第1下面1090BAと第2下面1090BBとの間に延びる1対の下部側縁1090BCと、を含む。下部土台壁1090Bの第1下面1090BAは、シートバックフレーム1012の第1面34の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34の下部中間壁1107Dの内面に向かい合うように位置付けられる。下部土台壁1090Bの第2下面1090BBは、シートバックフレーム1012の第2面36の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36の下部中間壁1064Dの内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0107】
対の下部側壁1092Bは、第1下面1092BAと、その反対側の第2下面1092BBと、1対の下部側縁1092BCと、を含む。対の下部側壁1092Bの各々は、下部土台壁1090Bの下部側縁1090BCから概ね直角に延びる。対の下部側壁1092Bの第1下面1092BAの各々は、シートバックフレーム1012の第1面34の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34の下部側壁1107Cの内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。対の下部側壁1092Bの第2下面1092BBの各々は、シートバックフレーム1012の第2面36の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36の下部側壁1064Cの内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0108】
下部フランジ1094Bは、第1下面1094BAと、その反対側の第2下面1094BBとを含む。下部フランジ1094Bは、対の下部側壁1092Bの下部側縁1092BCの一方から下部遠位縁1096Bまで概ね直角に延びる。下部フランジ1094Bの第1下面1094BAは、シートバックフレーム1012の第1面34の内面に向かい合うように、シートバックフレーム1012内に位置付けられる。下部フランジ1094Bの第2下面1092BBは、シートバックフレーム1012の第2面36の内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0109】
中央壁1095は、第1面1095Aと、その反対側の第2面1095Bとを含む。中央壁1095は、対の上部側壁1095Aの下側の方の上部側縁1092ACと対の下部側壁1092Bの上側の方の下部側縁1092BCとの間に延びる。中央壁1095の第1面1095Aは、シートバックフレーム1012の第1面34の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34の内側壁1107Eの内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。中央壁1095の第2面1095Bは、シートバックフレーム1012の第2面36の内面、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34の内側壁1064Eの内面に向かい合うようにシートバックフレーム1012内に位置付けられる。
【0110】
図5、6A~6B及び7を見ると、引抜き成形補強材1070は、又、1対の上部孔1098Aと1対の下部孔1098Bとを含むことができる。対の上部孔1098Aの各々は、引抜き成形補強材1070の長手方向に引抜き成形補強材1070の端部に隣接して上部土台壁1090Aに位置付けられる。対の上部孔1098Aの各々は、上部土台壁1090Aの第1上面1090AAとその反対側の第2上面1090ABとの間に延びる。対の下部孔1098Bの各々は、引抜き成形補強材1070の長手方向に引抜き成形補強材1070の端部に隣接して下部土台壁1090Bに位置付けられる。対の下部孔1098Bの各々は、下部土台壁1090Bの第1下面1090BAとその反対側の第2下面1090BBとの間に延びる。下でさらに詳細に説明するように、対の上部孔1098A及び対の下部孔1098Bは、シートバックフレーム1012が引抜き成形補強材1070上にオーバーモールドされるとき引抜き成形補強材1070を設定された位置に保持するのに役立つ。
【0111】
引抜き成形補強材1070は、連続繊維強化樹脂材で形成できる。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材1070は、樹脂複合材と一方向に延びる1つ又は複数の繊維とを含むことができる。非限定的例として、1つ又は複数の繊維は、連続ガラス繊維などのガラス繊維とすることができる。別の非限定的例として、1つ又は複数の繊維は、ガラス繊維とナイロン繊維とすることができる(例えば、1つ又は複数の繊維の95%はガラス繊維であり、1つ又は複数の繊維の5%はナイロン繊維とすることができる)。1つ又は複数の繊維は、引抜き成形補強材1070の樹脂複合材(例えば、エポキシ、ポリエステルなどの樹脂)を強化するように構成できる。ガラス繊維は、引抜き成形補強材1070の引っ張り強さ、撓曲率、衝撃抵抗及び寸法安定性を増すことができる。いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材1070は、連続ガラス繊維強化樹脂材で形成される。
【0112】
いくつかの実施形態において、引抜き成形補強材1070は、連続引抜き成形プロセスを使用して形成され、このプロセスにおいて、長いストランドのガラス繊維などの強化繊維は液体ポリマー樹脂などの液体樹脂材で飽和され、その後概ねハット形の引抜き成形補強材1070を生成するために引っ張られて加熱成形ダイを通過する。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の連続ガラス繊維が液体樹脂材で飽和されるとき、顔料及び引抜き成形補強材1070の硬化を強化する触媒を添加できる。引抜き成形補強材1070は、他の実施形態において任意の適切な引抜き成形プロセス又はその他の適切な製造プロセスを使用して形成できることが分かるはずである。
【0113】
図5及び6Aを見ると、シートバックフレーム1012の第1面34は、シートバックフレーム1012の第1面34を通して引抜き成形補強材1070を視覚的に検査できるように位置付けられた複数の開口1100を持つように形成される。複数の開口1100は、複数の上部成形アパーチャー1102Aと、複数の下部成形アパーチャー1102Bと、複数の上部スロット1104Aと、複数の下部スロット1104Bと、複数の中間スロット1104Cと、を含む。複数の上部成形アパーチャー1102Aは、上部中間壁1107Bを通過して延びるように上部中間壁1107Bに設置される。複数の下部成形アパーチャー1102Bは、下部中間壁1107Dを通過して延びるように下部中間壁1107Dに設置される。
【0114】
対の上部孔1098Aの各々は、それぞれの上部成形アパーチャー1102Aと整列するように引抜き成形補強材1070に設置される。対の下部孔1098Bの各々は、それぞれの下部成形アパーチャー1102Bと整列するように引抜き成形補強材1070に設置される。
【0115】
複数の上部スロット1104Aは、対の上部側壁1107Aの上の方の側壁を通過して延びるように設置される。複数の上部スロット1104Aは、又、上部中間壁1107Bの一部分を通過して延びるように設置できる。いくつかの実施形態において、複数の上部スロット1104Aは、上部中間壁1107B、対の上部側壁1107Aの上の方の側壁を通過して第1面34の中へ延びることができる。
【0116】
複数の下部スロット1104Bは、対の下部側壁1107Cの下の方の側壁を通過して延びるように設置される。複数の下部スロット1104Bは、又、下部中間壁1107Dの一部分を通過して延びるように設置できる。いくつかの実施形態において、複数の下部スロット1104Bは、下部中間壁1107D、対の上部側壁1107Aの下の方の側壁を通過して第1面34の中へ延びることができる。
【0117】
複数の中間スロット1104Cは、内側壁1107Eを通過して延びるように設置される。複数の中間スロット1104Cは、又、上部中間壁1107B、対の上部側壁1107Aの下の方の一部分、対の下部側壁1107Cの上の方及び下部中間壁1107Dを通過して延びるように設置できる。いくつかの実施形態において、複数の中間スロットの1104Cは、上部中間壁1107B、対の上部側壁1107Aの上の方、内側壁1107E、対の下部側壁1107Cの上の方及び下部中間壁1107Dを通過して延びることができる。
【0118】
いくつかの実施形態において、複数の上部成形アパーチャー1102A及び複数の下部成形アパーチャー1102Bは、概ね円形に形成される。複数の成形アパーチャー1102A及び複数の下部成形アパーチャー1102Bの形状は、概ね円形に限定されず、三角形、菱形、半円形及び長方形を含めて他の正規及び非正規の幾何学的形状を含むことが分かるはずである。複数の上部成形アパーチャー1102A及び複数の下部成形アパーチャー1102Bは、同じ又は異なる形状を持つことができる。
【0119】
複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cは、細長い長方形を有し、概ね半円形の端部を持つ。複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cは、概ね半円形の端部を持つ細長い概ね長方形に限定されず、例えば、三角形、菱形、半円形及び長方形を含めてその他の正規及び非正規の幾何学的形状を含むことができる。複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cは、同じ又は異なる形状を持つことができることが分かるはずである。
【0120】
いくつかの実施形態において、複数の上部成形アパーチャー1102Aと複数の下部成形アパーチャー1102Bは、複数の上部成形アパーチャー1102Aの各々が複数の下部成形アパーチャー1102Bのそれぞれ1つと線形に整列するように、車両垂直方向に整列する。いくつかの実施形態において、複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cは、複数の上部スロット1104Aの各々が複数の下部スロット1104Bのそれぞれ1つ及び複数の中間スロット1104Cのそれぞれ1つと線形に整列するように、車両垂直方向に整列する。いくつかの実施形態において、複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cは、隣合う上部成形アパーチャー1102A及び隣り合う下部成形アパーチャー1102Bの間に配置される。
【0121】
上述のように、複数の開口1100は、シートバックフレーム1012が引抜き成形補強材1070上にオーバーモールドされた後に引抜き成形補強材1070を視覚的に検査できるようにする。複数の上部成形アパーチャー1102Aは、上部土台壁1090Aの第1上面1090AAが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34を通して見えるようにする。複数の下部成形アパーチャー1102Bは、下部土台壁1090Bの第1下面1090BAが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34を通して見えるようにする。複数の上部スロット1104Aは、上部土台壁1090Aの第1上面1090AA、対の上部側壁1092Aの上の方の第1上面1092AA及び上部フランジ1094Aの第1上面1094AAが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34を通して見えるようにする。複数の下部スロット1104Bは、下部土台壁1090Bの第1下面1090BA、対の下部側壁1092Bの下の方の第1下面1092BA及び下部フランジ1094Bの第1下面1094BAが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34を通して見えるようにする。
【0122】
複数の中間スロット1104Cは、上部土台壁1090Aの第1上面1090AA、対の上部側壁1092Aの下の方の第1上面1092AA、中央壁1095の第1面1095A、対の下部側壁1092Bの上の方の第1下面1092BA及び下部土台壁1090Bの第1下面1092BAが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第1面34を通して見えるようにする。
【0123】
図6を見ると、シートバックフレーム1012の第2面36は、シートバックフレーム1012の第2面36を通して引抜き成形補強材1070を視覚的に検査できるように位置付けられた複数の開口1110を持つように形成される。複数の開口1110は、複数の上部成形アパーチャー1112Aと、複数の下部成形アパーチャー1112Bと、複数の上部スロット1114Aと、複数の下部スロット1114Bと、複数の中間スロット1114Cとを含む。複数の上部成形アパーチャー1112Aは、上部中間壁1064Bを通過して延びるように上部中間壁1064Bに設置される。複数の下部成形アパーチャー1112Bは、下部中間壁1064Dを通過して延びるように下部中間壁1064Dに設置される。
【0124】
対の上部孔1098Aの各々は、それぞれの上部成形アパーチャー1112Aと整列するように引抜き成形補強材1070に設置される。対の下部孔1098Bは、それぞれの下部成形アパーチャー1112Bと整列するように引抜き成形補強材1070に設置される。上部成形アパーチャー1102A及び上部成形アパーチャー1112Aと対の上部孔1098Aの整列によって、第1面34から第2面36までシートバックフレーム1012を通過する通路が形成できる。同様に、下部成形アパーチャー1102B及び下部成形アパーチャー1112Bと対の下部孔1098Bの整列によって、第1面34から第2面36までシートバックフレーム1012を通過する通路が形成できる。
【0125】
複数の上部スロット1114Aは、対の上部側壁1064Aの上の方を通過して延びるように設置される。複数の上部スロット1114Aは、又、上部中間壁1064Bの一部分を通過して延びるように設置できる。いくつかの実施形態において、複数の上部スロット1114Aは、上部中間壁1064A、対の上部側壁1064Aの上の方を通過して第2面36の中まで延びることができる。
【0126】
複数の下部スロット1114Bは、対の下部側壁1064Cの下の方の側壁を通過して延びるように設置される。複数の下部スロット1114Bは、又、下部中間壁1064Dの一部分を通過するようにも設置できる。いくつかの実施形態において、複数の下部スロット1114Bは、下部中間壁1064D、対の上部側壁1064Aの下の方の側壁を通過して第2面36の中まで延びることができる。
【0127】
複数の中間スロット1114Cは、中間壁1064Eを通過して延びるように設置される。複数の中間スロット1114Cは、又、上部中間壁1064B、対の上部側壁1064Aの下の方の一部分、対の下部側壁1064Cの上の方及び下部中間壁1064Dを通過して延びるようにも設置できる。いくつかの実施形態において、複数の中間スロット1114Cは、上部中間壁1064B、対の上部側壁1064Aの下の方、内側壁1064E、対の下部側壁1064Cの上の方及び下部中間壁1064Dを通過して延びることができる。
【0128】
いくつかの実施形態において、複数の上部成形アパーチャー1112A及び複数の下部成形アパーチャー1112Bは、概ね円形に形成される。複数の成形アパーチャー1112A及び複数の下部成形アパーチャー1112Bの形状は、概ね円形に限定されず、三角形、菱形、半円形及び長方形を含めてその他の正規及び非正規の幾何学的形状を含むことができる。複数の上部成形アパーチャー1112Aお及び複数の下部成形アパーチャー1112Bは同じ又は異なる形状を持つことができる。
【0129】
複数の上部スロット1117A、複数の下部スロット1117及び複数の中間スロット1117Cは、細長い長方形を有し、概ね半円形の端部を有する。複数の他の形状を使用できることが分かるはずである。
【0130】
複数の上部スロット1117A、複数の下部スロット1117B及び複数の中間スロット1117Cは、概ね半円形の端部を有する細長い概ね長方形に限定されず、例えば三角形、菱形、半円形及び長方形を含めて他の正規及び非正規の幾何学的形状を含むことができる。複数の上部スロット1117A、複数の下部スロット1117B及び複数の中間スロット1117Cは、同じ又は異なる形状を持つことができることが分かるはずである。
【0131】
いくつかの実施形態において、複数の上部成形アパーチャー1112Aと複数の下部成形アパーチャー1112Bは、複数の上部成形アパーチャー1112Aの各々が複数の下部成形アパーチャー1112Bのそれぞれ1つと線形に整列するように、車両垂直方向に整列する。いくつかの実施形態において、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cは、複数の上部スロット1114Aの各々が複数の下部スロット1114Bのそれぞれ1つ及び複数の中間スロット1114Cのそれぞれ1つと線形に整列するように、車両垂直方向に整列する。いくつかの実施形態において、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cは、隣り合う上部成形アパーチャー1112Aと隣り合う下部成形アパーチャー1112Bとの間に配置される。
【0132】
いくつかの実施形態において、複数の開口1100及び複数の開口1110は、第1面34及び第2面36の対応する部分に設置される。第1面34上の複数の開口1100の位置は、第2面36上の複数の開口1110の位置と対応しなくても良いことが分かるはずである。
【0133】
上で論じたように、複数の開口1110は、シートバックフレーム1012が引抜き成形補強材1070上にオーバーモールドされた後に、引抜き成形補強材1070を視覚的に検査できるようにする。複数の上部成形アパーチャー1112Aは、上部土台壁1090Aの第2上面1090ABが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36を通して見えるようにする。複数の下部成形アパーチャー1112Bは、下部土台壁1090Bの第2下面1090BBが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36を通して見えるようにする。複数の上部スロット1114Aは、上部土台壁1090Aの第2上面1090AB、対の上部側壁1092Aの上の方の側壁の第2上面1092AB及び上部フランジ1094Aの第2上面1094が、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36を通して見えるようにする。複数の下部スロット1114Bは、下部土台壁1090Bの第2下面1090BB、対の下部側壁1092Bの下の方の側壁の第2下面1092BB及び下部フランジ1094Bの第2下面1094BBが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面36を通して見えるようにする。
【0134】
複数の中間スロット1114Cは、上部土台壁1090Aの第2上面1090AB、対の上部側壁1092Aの下の方の側壁の第2上面1092AB、中央壁1095の第2面1095B、対の下部側壁1092Bの上の方の側壁の第2下面1092BB及び下部土台壁1090Bの第2下面1092BBが、シートバックフレーム1012、具体的にはシートバックフレーム1012の第2面を通して見えるようにする。
【0135】
様々な実施形態において
図7に示すように、ブラケット15は、引抜き成形補強材1070に隣接して(近接して又はその近くに)位置付けることができ、締結部材99(例えば、回転可能な締結ナット、ピボットボルト、ヒンジ又はこれに類似するその他の締結要素)を使用して側面部材30をシートクッションフレーム14に回動式に結合するように構成される。
【0136】
図5、6A~B、7及び8を参照して、次に、引抜き成形補強材1070及び引抜き成形補強材1070を持つシートバックフレーム1012の形成プロセス例について説明する。上で説明したように、引抜き成形補強材1070は、引抜き成形プロセスにおいて形成できる。非限定的例として、引抜き成形プロセスは、テンションローラーを使用して1つ又は複数の連続ガラス繊維をスプーリングすることを含むことができる。1つ又は複数の連続ガラス繊維を、その後樹脂槽(例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ビニルエステル、エポキシなど)に入れて、樹脂を1つ又は複数の連続ガラス繊維に浸透できる。いくつかの実施形態において、1つ又は複数の連続ガラス繊維が樹脂槽の中に在るときに、顔料及び引抜き成形補強材1070の硬化を強化する触媒を添加できる。その後、1つ又は複数の連続ガラス繊維と樹脂の混合物は、樹脂を重合化するためにスチール成形ダイなどの熱源へ設置できる。重合化された樹脂及び1つ又は複数の連続ガラス繊維は、ソリッドガラス繊維強化ポリマーとして熱源から取り出される。引抜き成形補強材1070は、他の実施形態において適切な引抜き成形プロセス又はその他の適切な製造プロセスを使用して形成できることが分かるはずである。
【0137】
引抜き成形プロセスにおいて、引抜き成形補強材1070の様々な幾何学的特徴を画定できる。非限定的例として、
図7及び8に示すように、引抜き成形補強材1070は、概ね二重ハット形に形成でき、上部土台壁1090と、対の上部側壁1092と、上部フランジ1094Aと、中央壁1095と、下部土台壁1090Bと、対の下部側壁1092Bと、下部フランジ1094Bと、を含むことができる。
【0138】
引抜き成形補強材1070が形成されたら、引抜き形成補強材1070は、引抜き成形補強材1070がシートバックフレーム1012を通して複数の開口1100及び複数の開口1110から視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム1012内に部分的にのみオーバーモールドされる。いくつかの実施形態において、
図8に示すように、引抜き成形補強材1070は、オーバーモールド室1120に入れられる。非限定的例として、引抜き成形補強材1070は、オーバーモールド室1120の第1成形基板1130と第2成形基板1140との間に位置付けることができる。
【0139】
いくつかの実施形態において、第1成形基板1130及び第2成形基板1140の少なくとも一方は、各々、1対の上部ピン孔1181Aと、1対の下部ピン孔1181Bとを含むことができる。対の上部ピン孔1181Aは、1対の上部位置決めピン1180A(例えば、二方向位置決めピン及び四方向位置決めピン)を受け入れるように構成され、引抜き成形補強材1070の対の上部孔1098Aは、対の上部位置決めピン1180Aと整列できる。対の下部ピン孔1181Bは、1対の下部位置決めピン1180B(例えば、二方向位置決めピン及び四方向位置決めピン)を受け入れるように構成され、引抜き成形補強材1070の対の下部孔1098Bは、対の下部位置決めピン1180Bと整列できる。
【0140】
図8に示すように、上部位置決めピン1180Aは、オーバーモールド室1120を閉鎖したとき上部位置決めピン1180Aの端部が第2成形基板1140の一部に接触するように引抜き成形補強材1070の上部孔1098Aと整列しこの中へ延びる。同様に、下部位置決めピン1180Bは、オーバーモールド室1120が閉鎖したとき下部位置決めピン1180Bの端部が第2成形基板1140の一部に接触するように引抜き成形補強材1070の下部孔1098Bと整列しこの中へ延びる。第2成形基板1140は、上部位置決めピン1180Aを受け入れるように構成される上部孔1182Aと、下部位置決めピン1180Bを受け入れるように構成される下部孔1182Bとを含む。いくつかの実施形態において、上部孔1182A及び下部孔1182Bは底付きキャビティであり、他の実施形態において、上部孔1182A及び下部孔1182Bは、第2成形基板1140を通過して延びる貫通孔である。
【0141】
したがって、対の上部孔1098Aと上部位置決めピン1180Aとの間の係合及び対の下部孔1098Bと下部位置決めピン1180Bとの間の係合は、シートバックフレーム1012が引抜き成形補強材1070上にオーバーモールドされるとき、オーバーモールド室1120に対して引抜き成形補強材1070を設定された位置に保持する。引抜き成形補強材1070が第1成形基板1130と第2成形基板1140との間に位置付けられ、対の上部位置決めピン1180A及び対の下部位置決めピン1180Bによって所定の位置に保持されたら、オーバーモールド室1120は、密閉されてオーバーモールド室1120外部の環境から隔離される。
【0142】
その後、射出成形材料をオーバーモールド室1120内に供給できる。非限定的例として、射出成形材料は、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル、ビニルエステル及び/又はその他の任意の適切な射出成形材料とすることができる。いくつかの実施形態において、添加剤(例えば、可塑剤、繊維、難燃剤、着色剤など)を、加熱して射出成形材料と一緒にオーバーモールド室1120へ挿入できる。
【0143】
いくつかの実施形態において、オーバーモールド室1120は、第1成形基板1130と第2成形基板140との間にキャビティを画定し、その中にオーバーモールドプロセス中引抜き成形補強材1070が位置付けられる。第1成形基板1130及び第2成形基板1140の各々は、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化したとき引抜き成形補強材170がシートバックフレーム1012の第1面34と第2面36との間に位置付けられるような形状を持つことができる。
【0144】
いくつかの実施形態において、第1成形基板1130は、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化したとき、複数の上部成形アパーチャー1102A、複数の下部成形アパーチャー1102B、複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cがシートバックフレーム1012の第1面34に形成されるような形状を持つことができる。
【0145】
いくつかの実施形態において、第2成形基板1140は、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化したとき複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bがそれぞれシートバックフレーム1012の上部補強凹部1062A及び複数の下部補強凹部1062Bの中に形成されるような形状を持つことができる。第2成形基板1140は、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化したとき、複数の上部成形アパーチャー1112A、複数の下部成形アパーチャー1112B、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cがシートバックフレーム1012の第2面36に形成されるような形状を持つことができる。
【0146】
更に
図8を見ると、第1成形基板1130は、複数の上部成形アパーチャー1102A、複数の下部成形アパーチャー1102B、複数の上部スロット1104A,複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cを形成するために、第1成形基板1130のモールド面から延びる複数の突出部1150(例えば、複数のアパーチャー用突出部及び複数のスロット用突出部)を含むことができる。複数のアパーチャー用突出部1150は、オーバーモールドプロセス中、上部土台壁1090Aの第1上面1090AAに直接接触でき、引抜き成形補強材1070の下部土台壁1090Bの第1下面1090BAに直接接触でき、複数の上部成形アパーチャー1102A及び複数の下部成形アパーチャー1102Bの形状に対応する形状を持つことができる。複数のスロット用突出部1150は、上部土台壁1090Aの第1上面1090AA、対の上部側壁1092Aの第1上面1092AA、上部フランジ1094Aの第1上面1094AA、中央壁1095の第1面1095A、下部土台壁1090Bの第1下面1090BA、対の下部側壁1092Bの第1下面1092BA、下部フランジ1094Bの第1下面1094BAに直接接触でき、複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cの形状に対応する形状を持つことができる。
【0147】
したがって、射出成形材料がオーバーモールド室1120の中へ追加されるとき、射出成形材料は、複数の上部成形アパーチャー1102A及び複数の下部成形アパーチャー1102Bを形成するように、上部土台壁1090Aの第1上面1090AA、下部土台壁1090Bの第1下面1090BA及びアパーチャー用突出部1150の間には配されない。同様に、射出成形材料がオーバーモールド室1120の中へ追加されるとき、射出成形材料は、複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B及び複数の中間スロット1104Cを形成するように、上部土台壁1090Aの第1上面1090AA、対の上部側壁1092Aの第1上面1092AA、上部フランジ1094Aの第1上面1094AA、中央壁1095の第1面1095A、下部土台壁1090Bの第1下面1090BA、対の下部側壁1092Bの第1下面1092BA、下部フランジ1094Bの第1下面1094BA及びスロット用突出部1150の間には配されない。
【0148】
したがって、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の開口1100の複数の上部成形アパーチャー1102A、複数の下部成形アパーチャー1102B、複数の上部スロット1104A、複数の下部スロット1104B、複数の中間スロット1104Cは、引抜き成形補強材1070がシートバックフレーム1012を通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム1012の第1面34に形成される。
【0149】
更に
図8を見ると、第2成形基板1140は、複数の上部成形アパーチャー1112A、複数の下部成形アパーチャー1112B、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cを形成するために、第2成形基板1140のモールド面から延びる複数の突出部1160(例えば、複数のアパーチャー用突出部及び複数のスロット用突出部)を含むことができる。複数のアパーチャー用突出部1160は、オーバーモールドプロセス中引抜き成形補強材1070の上部土台壁1090Aの第2上面1090ABに直接接触し、下部土台壁1090Bの第2下部面1090BBに直接接触でき、複数の上部成形アパーチャー1112A及び複数の下部成形アパーチャー1112Bの形状に対応する形状を持つことができる。複数のスロット用突出部1160は、上部土台壁1090Aの第2上面1090AB、対の上部側壁1092Aの第2上面1092AB、上部フランジ1094Aの第2上面1094AB、中央壁1095の第2面1095B、下部土台壁1090Bの第2下面1090BB、対の下部側壁1092Bの第2下面1092BB、下部フランジ1094Bの第2下面1094BBに直接接触でき、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cの形状に対応する形状を持つことができる。
【0150】
したがって、オーバーモールド室1120の中へ射出成形材料が追加されるとき、射出成形材料は、複数の上部成形アパーチャー1112A及び複数の下部成形アパーチャー1112Bを形成するように、上部土台壁1090Aの第2上面1090AB、下部土台壁1090Bの第2下面1090BB及びアパーチャー用突出部1160の間に配されない。同様に、射出成形材料がオーバーモールド室1120の中へ追加されるとき、射出成形材料は、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cを形成するように、上部土台壁1090Aの第2上面1090AB、対の上部側壁1092Aの第2上面1092AB、上部フランジ1094Aの第2上面1094AB、中央壁1095の第2面1095B、下部土台壁1090Bの第2下面1090BB、対の下部側壁1092Bの第2下面1092BB、下部フランジ1094Bの第2下面1094BB及びスロット用突出部1160の間に配されない。
【0151】
したがって、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の開口1110の複数の上部成形アパーチャー1112A、複数の下部成形アパーチャー1112B、複数の上部スロット1114A、複数の下部スロット1114B及び複数の中間スロット1114Cは、引抜き成形補強材1070がシートバックフレーム1012を通して視覚的に検査されるように構成されるように、シートバックフレーム1012の第2面36に形成される。
【0152】
第2成形基板1140は、各々、複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bの形状に対応する形状を持つことができることが分かるだろう。したがって、オーバーモールド室1120の中の射出成形材料が硬化するとき、複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bが、シートバックフレーム1012の第2面36に形成される。
【0153】
本開示に従った車両は、シートバックフレーム1012とシートクッションフレーム14とを含む座席組立体1010を含むことが、分かるはずである。実施形態において、シートバックフレーム1012は、オーバーモールドプロセスにおいて形成される引抜き成形補強材1070の第1面34に複数の開口1100、第2面36に複数の開口1110を含む。したがって、シートバックフレーム1012は、オーバーモールドプロセスが完了した後に引抜き成形補強材1070を視覚的に検査できるように構成され、それによってオペレータがオーバーモールドプロセスが完了したとき引抜き成形補強材1070が適切に位置付けられ無傷であることを確認できるようにし、それによって、オーバーモールドプロセスが完了した後、引抜き成形補強材1070を視覚的に検査できるようにする。更に、引抜き成形補強材1070は、オーバーモールドプロセスにおいてシートバックフレーム1012のそれぞれ上部補強凹部1062A及び下部補強凹部1062Bに形成される複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bを含む。したがって、複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bは、シートバックフレーム1012に加えられる捩じり力に対する剛性を与えることができる。
【0154】
したがって、シートバック組立体1010を形成する方法は、引抜き成形補強材1070を提供することと、引抜き成形補強材1070上にシートバックフレーム1012をオーバーモールドすることと、引抜き成形補強材1070が複数の開口1100及び複数の開口1110を通して視覚的に検査されるように構成されるように、引抜き成形補強材1070上にシートバックフレーム1012がオーバーモールドされるときシートバックフレーム1012に複数の開口1100及び複数の開口1110を形成することと、を含む。
【0155】
方法は、又、シートバックフレーム1012の第1面34に複数の開口1100を形成するステップを含むことができる。複数の開口1100は、複数の上部成形アパーチャー1102Aと、複数の下部成形アパーチャー1102Bと、複数の上部スロット1104Aと、複数の下部スロット1104Bと、複数の中間スロット1104Cと、を含む。方法は、又、シートバックフレーム1012の第2面36に複数の開口1110を形成するステップを含む。複数の開口1110は、複数の上部成形アパーチャー1112Aと、複数の下部成形アパーチャー1112Bと、複数の上部スロット1114Aと、複数の下部スロット1114Aと、複数の中間スロット1114Cと、を含む。方法は、シートバックフレーム1012の第2面36に複数の上部補強リブ1066A及び複数の下部補強リブ1066Bを形成するステップも含む。
【0156】
別の実施形態において、方法は、引抜き成形補強材を提供することと、引抜き成形補強材上にシートバックフレームをオーバーモールドすることと、シートバックフレームに複数の開口を形成することと、を含む。複数の開口は、引抜き成形補強材が複数の開口を通して視覚的に検査されるように構成されるように引抜き成形補強材上にシートバックフレームをオーバーモールドするときに形成される。
【0157】
「実質的に」及び「約」は、本明細書において、量的比較、値、計測値又はその他の表現に帰属する固有の不確実度を表現するために使用される。これらの用語は、また、対象物の基本的機能を変えることなく量的表現が明記される基準値から変動できる度合いを表現するためにも使用される。
【0158】
部材間の空間的及び機能的関係は、本明細書において、「に接続」、「に係合」、「に結合」、「に隣接」、「に近接」、「の隣り」、「の上」、「の上方」、「の下方」、「に位置付け」及び「に配置」を含めて様々な用語を使用して説明される。「直接に」と明確に説明しない限り、第1部材と第2部材との間の関係を上記の開示において説明するとき、関係は、第1と第2部材との間に他の介入部材が存在しない直接的関係である可能性はあるが、1つ又は複数の介入部材が第1及び第2部材の間に存在する(空間的に又は機能的に)間接的関係である可能性もある。
【0159】
特定の実施形態を本明細書において例証し説明するが、請求内容の範囲から逸脱することなく様々なその他の変更及び修正を加えることができることが分かるはずである。更に、請求内容の様々な態様について本明細書において説明するが、この態様は、必ずしも結合して利用する必要はない。したがって、請求項は、請求内容の範囲内に在るこれらの全ての変更及び修正を包括することを意図する。
【0160】
請求内容は下記の通りである。
【外国語明細書】