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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101771
(43)【公開日】2023-07-21
(54)【発明の名称】電気コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/10 20060101AFI20230713BHJP
   A47J 31/00 20060101ALI20230713BHJP
   A47J 31/46 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
A47J31/10
A47J31/00 302
A47J31/46 115
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023091236
(22)【出願日】2023-05-16
(62)【分割の表示】P 2022075393の分割
【原出願日】2019-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】504319079
【氏名又は名称】竹下 清助
(72)【発明者】
【氏名】竹下 清助
(57)【要約】
【課題】コーヒー豆の焙煎の仕方による浅煎りや深煎りのコーヒー豆とコーヒー粉が市販されている。浅煎り、深煎りのコーヒー粉に対応してドリップ湯の温度を変えることは美味しいコーヒーを淹れる良い方法の一つである。したがって、蒸らしの湯温度とドリップの湯温度と足し湯の湯温度を設定できるコーヒーメーカーが必要である。
【解決手段】ボイラーへ1カップ分の水量を給水するとき、複数回に分けて給水できるコーヒーメーカーに於いて、蒸らし用の水量をボイラーへ給水して湯沸かしして蒸らし行程を行う、そのあとドリップ用の水量と足し湯用の水量をボイラーへ給水して湯沸かしを行うことができる、このとき蒸らし用の湯温度とドリップ用または足し湯用の湯温度を異なる温度することができるドリップ式の電気コーヒーメーカー。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水タンクとボイラーの間に配置した電動ポンプと、湯を自然落下させるために上位から下位へ鉛直的にボイラーとバッファーとドリッパーとコーヒーカップを配置して、ボイラーとバッファーの間に電磁弁を配置してドリップ行程用の流路を構成し、さらにボイラーとコーヒーカップの間に電磁弁を配置して足し湯行程用の流路を構成したものに於いて、電動ポンプの作動時間を制御して1カップ分の水量をボイラーへ給水して保持して湯沸かしすることができる、沸かした湯は蒸らし行程を行うためにドリップ行程用の流路の電磁弁を制御して蒸らしに必要な湯量をドリッパーへ給湯して蒸らし行程を実行する、ドリップ行程に於いてはドリップ行程用の流路の電磁弁を制御してドリッパーに給湯してドリップ量が1カップのコーヒー量の30~70%になったときドリップ行程用の流路の電磁弁を制御してドリップ行程を完了する、足し湯行程に於いては足し湯行程用の流路の電磁弁を制御してコーヒーカップに直接給湯することができる、このように電動ポンプとドリップ行程用の流路の電磁弁と足し湯行程用の流路の電磁弁を制御して1カップのコーヒー量を淹れるコーヒーメーカーに於いて、1カップ分の水量をボイラーへ給水するとき、最初に蒸らし用の水量を給水して湯沸かしして蒸らし行程を実行する、そのあと蒸らし行程中にまたは蒸らし行程のあとにドリップ用の水量と足し湯用の水量をボイラーへ給水して湯沸かしすることができる、このときの湯沸かし温度は蒸らし用の湯沸かし温度と異なる湯温度に湯沸かしして、ドリップ行程と足し湯行程を行うことができる、このように複数回に分けて給水した水量の合計は1カップ分の水量であり、蒸らし行程とドリップ行程と足し湯行程が完了したときボイラーへ給水した水量が残らない、このようにコーヒーの淹れ方を制御する制御回路を備えたドリップ式の電気コーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路を設けて、ドリップ量と足し湯量を制御することによって、使用者の好みに合わせて美味しいコーヒーを淹れることができるドリップ式の電気コーヒーメーカーである。
【背景技術】
【0002】
図9は約10~12gのコーヒー粉で最初の1/3をドリップ、次の1/3をドリップ、最後の1/3をドリップして、合計約150mLのコーヒーを淹れたときの説明図である。
【0003】
最初の1/3と次の1/3のコーヒーは香りも良く美味しい。しかし、最後の1/3は紅茶のように薄く、雑味の強い美味しくないコーヒーである。そこでドリップ後半の美味しくない部分をドリップしない方法でコーヒーを淹れることができるドリップ式の電気コーヒーメーカーを開発する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1カップのコーヒーを淹れるために電動ポンプによって1カップ分の水量をボイラーに給水、保持して湯沸かしを行ったあとに、一部の湯を蒸らし行程に、一部の湯をドリップ行程に、残りの湯を足し湯行程に使用してコーヒーを淹れる。
【0005】
ドリッパーに給湯するドリップ行程用の流路とコーヒーカップに直接給湯する足し湯行程用の流路を設けて、電磁弁の開閉時間を制御することによって蒸らし行程とドリップ行程と足し湯行程を実行してコーヒーを淹れる全行程を完了する。全行程が完了したときボイラーの湯を使い切ってボイラーに残湯が残らないようにする。
【0006】
ボイラーは1カップ分の水量を十分に保持できる容積があって、給水孔と給湯孔Cを設けて、さらにボイラー内に圧力や負圧が発生しないように排気孔を設けた構成にする。
【0007】
通常の1カップ分の水量をボイラーへ給水するときは電動ポンプの作動時間を制御してボイラーの通常水位まで給水される。しかしながら、過剰給水される異常が発生したときにボイラーから水が溢れないように上限水位に水位センサーを設けて、その感知によって電動ポンプの通電をOFFして給水を停止する。
【0008】
このように本発明はドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路を構成する電磁弁の開閉制御によって1カップのコーヒー量を淹れる方式である。従来2方向の電磁弁を2個使用して二つの流路を構成していたが、2方向の電磁弁1個と3方向の電磁弁1個を使用して二つの流路を構成してドリップ行程と足し湯行程が可能な接続方法と電磁弁の制御方法を発明する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記課題を解決するために、水タンクとボイラーの間に配置した電動ポンプと、湯を容易に自然落下させるために上位から下位へ鉛直的にボイラーとバッファーとドリッパーとコーヒーカップを配置する。
【0010】
ボイラーの給湯孔Cに2方向の電磁弁Cを接続して、さらに電磁弁Cに3方向の電磁弁Dの流入ポートを接続して流出ポートの一方をドリップ行程用の流路のバッファーに接続する。他方の流出ポートを足し湯行程用の流路に接続して、ドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路を構成する。
【0011】
電磁弁Dは3方向弁であるので、電磁弁Dの流入ポートは常に「開」であって、ドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路に接続する流出ポートはどちらか一方の流出ポートを「開」したとき他方の流出ポートは「閉」に切り換わる構造である。
【0012】
電磁弁Cを「閉」に制御して電動ポンプの作動時間を制御して1カップ分の水量をボイラーへ給水して保持して湯沸かしすることができる。沸かした湯は蒸らし行程を行うために電磁弁Cを「開」に制御して電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「開」に制御して蒸らしに必要な湯量をドリッパーに給湯して電磁弁Cを「閉」に制御する。
【0013】
蒸らし行程が完了したときドリップ行程になり電磁弁Cを「開」に制御して、電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「開」に制御してドリッパーに給湯する。ドリップ量が1カップのコーヒー量の30~70%になったとき電磁弁Cを「閉」に制御してドリップ行程を完了する。
【0014】
次に足し湯行程になり電磁弁Cを「開」に制御して電磁弁Dの足し湯行程用の流路を「開」に制御してコーヒーカップに直接給湯して1カップのコーヒー量を淹れる。足し湯行程が完了したときボイラーに残湯が残らない。
【0015】
このように制御回路によって電動ポンプと電磁弁Cと電磁弁Dの作動タイミングと作動時間を制御することによって、蒸らし行程とドリップ行程と足し湯行程を実行して、1カップのコーヒー量のドリップ量が30~70%のコーヒーを淹れることができて、全行程が完了したときにボイラーに残湯が残らない電気コーヒーメーカー。
【0016】
上記の電磁弁Cと電磁弁Dの接続方法の応用として、電磁弁Dをボイラーの給湯孔Cに接続して、電磁弁Cを電磁弁Dに接続する方法がある。ボイラーの底部の給湯孔Cに3方向の電磁弁Dの流入ポートを接続して、さらに電磁弁Dの流出ポートの一方に2方向の電磁弁Cを接続して他方の流出ポートをドリップ行程用のバッファーに接続して、ドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路を構成する。
【0017】
電磁弁Dは3方向弁であるので、電磁弁Dの流入ポートは常に「開」であって、ドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路に接続する流出ポートはどちらか一方の流出ポートを「開」したとき他方の流出ポートは「閉」に切り換わる構造である。
【0018】
電磁弁Cと電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「閉」に制御して電動ポンプの作動時間を制御して1カップ分の水量をボイラーへ給水して保持して湯沸かしすることができる。蒸らし行程を行うために電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「開」に制御して蒸らしに必要な湯量をドリッパーに給湯して、電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「閉」に制御する。
【0019】
蒸らし行程が完了したときドリップ行程になり、再び電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「開」に制御してドリッパーに給湯してドリップ量が1カップのコーヒー量の30~70%になったとき電磁弁Dのドリップ行程用の流路を「閉」に制御してドリップ行程を完了する。ドリップ行程が完了するまで電磁弁Cは「閉」の状態である。
【0020】
次に足し湯行程になり電磁弁Cを「開」に制御して、コーヒーカップに直接給湯して1カップのコーヒー量を淹れる。足し湯行程が完了したときボイラーに残湯が残らない。
【0021】
このように制御回路によって電動ポンプと電磁弁Dと電磁弁Cの作動タイミングと作動時間を制御することによって、蒸らし行程とドリップ行程と足し湯行程を実行して、1カップのコーヒー量のドリップ量が30~70%のコーヒーを淹れることができて、全行程が完了したときにボイラーに残湯が残らない電気コーヒーメーカー。
【発明の効果】
【0022】
本発明のドリップ式の電気コーヒーメーカーはボイラーとバッファーとドリッパーとコーヒーカップを上位から下位へ鉛直的に配置して、2方向の電磁弁Cと3方向の電磁弁Dによってドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路を構成して2個の電磁弁の作動タイミングと作動時間を制御して湯の自然落下によってコーヒードリップと足し湯が可能である。
【0023】
電動ポンプの作動時間制御によってボイラーへ1カップ分の水量を給水して湯沸かしして、2個の電磁弁の作動タイミングと作動時間を制御することによって、ドリップ量を1カップのコーヒー量の30~70%として、足し湯量を1カップのコーヒー量の70~30%として、ドリップ後半の美味しくない部分をドリップしない方法が可能になり、美味しいコーヒーを淹れることができる。
【0024】
このようにドリップ行程と足し湯行程が完了したとき、1カップのコーヒー量はドリップ量と足し湯量の合計であり、ボイラーに給水された1カップ分の水量は使い切って残湯が残らないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【実施例0025】
ここで使用する下記用語の意味を記述する。
1カップのコーヒー量とは、一人分のコーヒー量であって、1カップの容量の約70~80%であり、ここでは150mLとする。1カップ分の水量とは、1カップのコーヒー量を淹れるために必要な水量であって、1カップのコーヒー量とコーヒー粉に吸水される湯量の合計である。1カップの容量とは、コーヒーカップの満水容量であって、ここでは満水容量を市販紙カップの205mLとする。
【0026】
ドリップとはコーヒー粉に給湯してコーヒーを抽出することである。ドリップ量とはコーヒーカップにドリップされたコーヒー量である。足し湯量とはボイラーから直接コーヒーカップに給湯された湯量である。
【0027】
蒸らし行程とはドリップ行程の前にコーヒー粉に給湯して十分に吸水させて蒸らす行程である。ドリップ行程とは、ドリッパーのコーヒー粉に給湯してコーヒーを抽出する行程であり、蒸らし行程もドリップ行程の一部分である。足し湯行程とは、コーヒーカップに湯だけを直接給湯する行程である。
【0028】
ボイラーの通常水位とは、ボイラーに1カップ分の水量を給水したときの水位である。ボイラーの上限水位とは、水位センサーよって制限されたときの最大水位である。
【0029】
以下、本発明の実施例である器体1の構成について説明する。図1は本発明の基本構成を示す実施例である。器体1の操作パネル2に電源スイッチ3、選択スイッチ4、スタートスイッチ5を備えている。選択スイッチ4は1カップのコーヒー量の30~100%の範囲でドリップ量を選択することができる。
【0030】
器体後方に着脱可能な水タンク6があり、前方下部にコーヒーを受けるコーヒーカップ7を置くことができる。ドリッパー受け8は着脱可能であり、ドリッパー受け8を取り外してドリッパー9をセットすることができる。ドリッパー9はペーパーフィルター10をセットしてコーヒー粉11を入れることができる。
【0031】
水タンク6とボイラー12は電動ポンプ13を介して給水管14によって連接されている。ボイラー12とバッファー45とドリッパー9とコーヒーカップ7は湯を自然落下させるために上位から下位へ鉛直的に配置されている。
【0032】
図2図3はボイラー12の構成要素を示す。ボイラー12はボイラー容器17と容器蓋18とヒータ19で構成され、温度センサー20、サーモスタット21、温度ヒューズ22を備えている。さらに容器蓋18に給水孔23と排気孔24を設けて、ボイラー容器17の底部に給湯孔C42を設けている。
【0033】
ボイラー12の底部に設けた給湯孔C42に2方向の電磁弁C40を接続して、さらに電磁弁C40に3方向の電磁弁D41の流入ポートを接続する。電磁弁D41は3方向弁であるので流入ポートは常に「開」であり、ドリップ行程用の流路と足し湯行程用の流路に接続する流出ポートはどちらか一方の流出ポートを「開」にしたとき他方の流出ポートは「閉」に切り換わる。
【0034】
ドリップ行程用の流路へ給湯するとき、電磁弁C40は「開」時間を制御して電磁弁D41へ給湯して、電磁弁D41のドリップ行程用の流路側の流出ポートを「開」にしたときバッファー45を介してドリッパー9へ給湯して、蒸らし行程、またはドリップ行程を実行することができる。
【0035】
また、足し湯行程のとき、電磁弁C40は「開」に制御して電磁弁D41のドリップ行程用の流路側の流出ポートを「閉」にして、足し湯行程用の流路側の流出ポートを「開」にしてコーヒーカップ7に直接給湯することができる。
【0036】
排気孔24の目的は、給水のときにボイラー12に内圧が発生しないように排気して1カップ分の水量を容易に給水することができ、また湯沸かしのときボイラー12にスチーム圧力が発生しないようにしている。さらにコーヒーカップ7へ給湯するときボイラー12が負圧にならないように吸気するためである。
【0037】
さらに排気孔24は湯沸かしで発生するスチームやスチーム圧力を器体外に排出するために器体1の外郭に設けた排気口30に排気管31で連接される構成であって、蒸気や水滴が器体1内の構成部品へ悪影響を及ぼさないようにしている。
【0038】
また、ボイラー12は過剰給水を防止するために通常水位28の上方に上限水位29を設定して水位センサー27を設ける。水位センサー27が上限水位29を感知したときに電動ポンプ13の通電をOFFして給水を停止する。
【0039】
以下本発明のコーヒーを淹れる行程の実施例を説明する。図8は操作パネル2の1例である。電源スイッチ3を押して電源を入れ、選択スイッチ4を押して好みのコーヒーを選択したあとに、スタートスイッチ5が押されると電動ポンプ13が作動してボイラー12へ1カップ分の水量が給水されるように電動ポンプ13の作動時間がプログラムされている。1カップ分の水量はボイラー容器17の通常水位28まで給水される水量である。
【0040】
ボイラー12へ1カップ分の水量が給水されたとき電動ポンプ13は停止して水量を保持して、ボイラー12の内部に設置されているヒータ19がONして湯沸かし行程になる。ボイラー12内の湯が90~100℃になったとき温度センサー20が感知してヒータ19をOFFする。この行程まで電磁弁C40は「閉」状態である。
【0041】
90~100℃の湯温に達してヒータ19がOFFしたあとに電磁弁C40が「開」となり、ボイラー12の湯は電磁弁D41に給湯される。電磁弁D41のドリップ行程用の流路側の流出ポートが「開」となって蒸らし行程になり、バッファー45を介してドリッパー9に給湯される。
【0042】
蒸らし用の湯量はドリッパー9の中のコーヒー粉11を蒸らすために充分な約20~30mLであり、給湯のあと電磁弁C40は「閉」となる。約20~30秒間蒸らされる。
【0043】
その後ドリップ行程に入り、再び電磁弁C40が「開」となって、電磁弁D41のドリップ行程用の流路側の流出ポートが「開」となって、バッファー45を介してドリッパー9へ給湯されドリップを開始してコーヒーがコーヒーカップ7へ抽出される。このとき選択スイッチ4で図8のAmericanやGoodtasteが選択されている場合は1カップのコーヒー量の約30~70%をドリップしたとき電磁弁D41のドリップ行程用の流路側の流出ポートが「閉」となり、足し湯行程用の流路側の流出ポートが「開」となって足し湯行程になる。
【0044】
足し湯行程はボイラー12の湯を直接コーヒーカップ7に1カップのコーヒー量の約70~30%を給湯する。このとき電磁弁C40と電磁弁D41の足し湯行程用の流路側の流出ポートはボイラー12内の湯がなくなるまで「開」であって、ボイラー12の湯が無くなったとき電磁弁C40を「閉」にして1カップのコーヒー量を淹れる行程が完了する。
【0045】
また、選択スイッチ4でNormal選択しているときは、1カップのコーヒー量の100%をドリップして、足し湯の無いコーヒーを淹れることができる。
【0046】
さらに、選択スイッチ4でStrongを選択しているときは、ドリップ行程で1カップのコーヒー量の約30~70%をドリップしたあと足し湯を行わない。足し湯が無いのでエスプレッソ風の濃いコーヒーを淹れることができる。このときボイラー12への給水は30~70%ドリップに必要な水量だけを給水して湯沸かしする。
【0047】
このようにコーヒーを淹れる行程が制御回路36のプログラムによって電動ポンプ13と電磁弁C40と電磁弁D41の作動タイミングと作動時間を制御して行われるドリップ式の電気コーヒーメーカーである。
【0048】
上記実施例の電磁弁C40と電磁弁D41の接続方法の応用として、図7のように電磁弁D41の流入ポートをボイラー12の給湯孔C42に接続して、電磁弁D41の一方の流出ポートに電磁弁C40を接続して他方の流出ポートにドリップ行程用の流路側のバッファー45を接続する方法がある。電磁弁D41と電磁弁C40は制御回路36のプログラムによって、作動タイミングと作動時間を制御してドリップ行程用の流路へ、または足し湯行程用の流路へ給湯することができる。
【0049】
上記実施例のプログラムの応用として、蒸らし行程を省略する淹れ方がある。また、ドリップ行程と足し湯行程の順序において、足し湯行程をドリップ行程より先に行うことも可能である。さらにドリップ行程は複数回に分けて数秒の間隔をあけてドリップする方法もある。
【0050】
このように本発明では電動ポンプ13および電磁弁C40と電磁弁D41は制御回路36のプログラムによって制御されるが、プログラム設計の自由度は大変大きい。したがって、プログラムの変更によって、初めにボイラー12へ蒸らし用の水量を給水して湯沸して蒸らし行程を行ったあとに、または蒸らしの途中に再びドリップ用と足し湯用の水量をボイラー12へ給水して湯沸かししてドリップ行程と足し湯行程を行うことも可能である。
【0051】
このように2回に分けてボイラー12へ給水されるときも1カップ分の水量、つまり1カップのコーヒー量を淹れるために必要な水量がボイラー12へ給水される。このとき、蒸らし用の湯沸し温度とドリップ用の湯沸し温度を異なる湯温度に設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】 本発明の基本部品と器体の構成を示す1例である。
図2】 本発明のボイラーの縦断面図の1例である。(図3のA-A断面)
図3】 本発明のボイラーの上面図の1例である。
図4】 従来のボイラーの縦断面図の1例である。(図5のA-A断面)
図5】 従来のボイラーの上面図の1例である。
図6】 従来の基本部品と器体の構成を示す1例である。
図7】 本発明の電磁弁の接続方法の応用例である。
図8】 本発明の操作パネルの1例である。
図9】 市販のドリッパーを使用して、1カップのコーヒー量を淹れるとき、最初の1/3ドリップ、次の1/3ドリップ、最後の1/3ドリップに分けて比較した説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 器体 2 操作パネル
3 電源スイッチ 4 選択スイッチ
5 スタートスイッチ 6 水タンク
7 コーヒーカップ 8 ドリッパー受け
9 ドリッパー 10 ペーパーフィルター
11 コーヒー粉 12 ボイラー
13 電動ポンプ 14 給水管
15 電磁弁A 16 電磁弁B
17 ボイラー容器 18 容器蓋
19 ヒータ 20 温度センサー
21 サーモスタット 22 温度ヒューズ
23 給水孔 24 排気孔
25 給湯孔A 26 給湯孔B
27 水位センサー 28 通常水位
29 上限水位 30 排気口
31 排気管 32 給湯管A
33 給湯管B 34 給湯口A
35 給湯口B 36 制御回路
37 逆止弁 38 ドリップ口
39 カップ受け 40 電磁弁C
41 電磁弁D 42 給湯孔C
43 給湯管C(ドリップ行程用の流路)44 給湯管D(足し湯行程用の流路)
45 バッファー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9