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特開2023-101779情報処理装置、情報処理方法及び情報処理用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101779
(43)【公開日】2023-07-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20230713BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091432
(22)【出願日】2023-06-02
(62)【分割の表示】P 2021180134の分割
【原出願日】2013-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】越智 悟史
(57)【要約】
【課題】タッチパネルとしての範囲の制約を受けるような処理であっても、地図に関連する複数の処理を連続して行うことが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】地図を表示するディスプレイ2と、地図に関連する操作の態様を検出するタッチパネル1と、一点タッチによる操作が検出された後に、連続したなぞりの操作が検出されたとき、なぞりの操作に対応付けられた探索処理を行い、なぞりの操作の検出後に、二点タッチによる操作が検出され、更に二点タッチによる操作が検出された後になぞりの操作が検出されたとき、二点タッチによる操作に対応付けられ且つ地図に関連したスクロール処理を行う処理部3を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示する表示手段と、
前記表示されている地図に関連する操作の態様を検出する検出手段と、
第1の操作態様による前記操作が検出された後に、連続した前記操作が検出されたとき、当該連続した操作に対応付けられ且つ前記表示されている地図に関連する第1の処理を行う第1処理手段と、
前記連続した操作の検出後に、前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様による前記操作が検出され、更に当該第2の操作態様による操作が検出された後に連続した前記操作が検出されたとき、当該第2の操作態様による操作に対応付けられ且つ前記表示されている地図に関連した、前記第1の処理とは異なる第2の処理を開始する第2処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、地図に関連する処理を行う情報処理装置及び情報処理方法並びに情報処理装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば携帯型の情報端末装置やいわゆるスマートフォンにおいて、表示画面の表面に配置されたタッチパネルを用いて操作を行うことが一般に行われている。このような操作に関する従来技術の一例として、下記特許文献1に記載された技術がある。
【0003】
この特許文献1に記載されている技術では、タッチパネル下に表示された地図に含まれている道路等を指でなぞらせることにより、当該なぞられた道路を移動案内用の経路として設定する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-256032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術では、タッチパネルの範囲に表示された地図内でのみ経路の設定が行えるのであり、タッチパネルの範囲外にまで経路を設定する場合には、例えば表示されている地図の縮尺を変える等することで、表示されている地図の範囲を拡げる必要がある。そしてこの場合、縮尺を例えば大きくすると、地図としての表示範囲は拡がるものの、経路として選択される道路自体が非常に小さくなることにより、それをなぞることが困難となって、手際よく経路設定ができないという問題点があった。
【0006】
そこで本願は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、タッチパネルとしての範囲の制約を受けるような処理であっても、地図に関連する複数の処理を連続して行うことが可能な情報処理装置及び情報処理方法並びに情報処理装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、地図を表示する表示部と、前記地図に関連する操作の態様を検出する検出部と、1点タッチの指のなぞり操作に対応する前記地図上の連続する位置を選択する選択処理、又は、なぞり操作を行う指に追従して前記地図をスクロールさせるスクロール処理を実行する処理部と、前記選択処理中に前記1点タッチの指の接触の終了が検出された場合は、前記終了までに選択された前記地図上の連続する位置に関する所定処理を前記処理部に実行させ、前記選択処理中に2点タッチが検出された場合は、前記選択処理から前記スクロール処理に切り替えて、前記スクロール処理を前記処理部に実行させる制御部と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、地図を表示する表示部を備える情報処理装置において実行される情報処理方法において、検出部が、前記地図に関連する操作の態様を検出する検出工程と、処理部が、1点タッチの指のなぞり操作に対応する前記地図上の連続する位置を選択する選択処理、又は、なぞり操作を行う指に追従して前記地図をスクロールさせるスクロール処理を少なくとも実行する処理工程と、制御部が、前記選択処理中に前記1点タッチの指の接触の終了が検出された場合は、前記終了までに選択された前記地図上の連続する位置に関する所定処理を前記処理部に実行させ、前記選択処理中に2点タッチが検出された場合は、前記選択処理から前記スクロール処理に切り替えて、前記スクロール処理を前記処理部に実行させる制御工程と、を含む。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、地図を表示する表示部を備える情報処理装置に含まれるコンピュータを、前記地図に関連する操作の態様を検出する検出手段、1点タッチの指のなぞり操作に対応する前記地図上の連続する位置を選択する選択処理、又は、なぞり操作を行う指に追従して前記地図をスクロールさせるスクロール処理を少なくとも実行する処理手段、及び、前記選択処理中に前記1点タッチの指の接触の終了が検出された場合は、前記終了までに選択された前記地図上の連続する位置に関する所定処理を前記処理部に実行させ、前記選択処理中に2点タッチが検出された場合は、前記選択処理から前記スクロール処理に切り替えて、前記スクロール処理を前記処理部に実行させる制御手段、として機能させる。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、地図を表示する表示部と、第1操作態様による指のなぞり操作に対応する前記地図上の連続する位置を選択する選択処理、又は、なぞり操作を行う指に追従して前記地図をスクロールさせるスクロール処理を実行する処理部と、前記選択処理中に前記第1操作態様の指の接触が終了した場合は、前記終了までに選択された連続する位置に関する所定処理を前記処理部に実行させ、前記選択処理中に第2操作態様が開始された場合は、前記スクロール処理を前記処理部に実行させる制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】第1実施例に係る情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。
図3】第1実施例に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図4】第1実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(I)であり、(a)は第1例を示す図であり、(b)は第2例を示す図であり、(c)は第3例を示す図である。
図5】第1実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(II)であり、(a)は第4例を示す図であり、(b)は第5例を示す図である。
図6】第1実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(III)であり、(a)は第6例を示す図であり、(b)は第7例を示す図であり、(c)は第8例を示す図である。
図7】第1実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(IV)であり、(a)は第9例を示す図であり、(b)は第10例を示す図である。
図8】第2実施例に係る情報処理装置の動作を示すフローチャート等であり、(a)は当該フローチャートであり、(b)は第2実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図である。
図9】第3実施例に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
図10】第3実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(I)であり、(a)は第1例を示す図であり、(b)は第2例を示す図であり、(c)は第3例を示す図である。
図11】第3実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(II)であり、(a)は第4例を示す図であり、(b)は第5例を示す図である。
図12】第3実施例に係る情報処理装置の動作における画面例を示す図(III)であり、(a)は第6例を示す図であり、(b)は第7例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る情報処理装置の概要構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理装置Sは、検出手段1と、表示手段2と、第1処理手段3と、第2処理手段4と、により構成されている。
【0013】
この構成において、表示手段2は地図を表示する。そして検出手段1は、表示手段2に表示されている地図に関連する操作の態様を検出する。
【0014】
そして第1処理手段3は、第1の操作態様による操作が検出された後に、連続した操作検出されたとき、当該連続した操作に対応付けられ且つ表示手段2に表示されている地図に関連する第1の処理を行う。
【0015】
次に第2処理手段4は、連続した操作の検出後に、第1の操作態様とは異なる第2の操作態様による操作が検出され、更に当該第2の操作態様による操作が検出された後に連続した操作が検出されたとき、当該第2の操作態様による操作に対応付けられ且つ表示手段2に表示されている地図に関連した、第1の処理とは異なる第2の処理を開始する。
【0016】
以上説明したように、実施形態に係る情報処理装置Sの動作によれば、第1の操作態様による操作が検出された後に連続した操作が検出されたとき、その連続した操作に対応付けられた第1の処理を行う。そして、その連続した操作の検出後に第2の操作態様による操作が検出され、更に当該第2の操作態様による操作が検出された後に連続した操作が検出されたとき、当該第2の操作態様による操作及びその後の連続した操作に対応付けられた第2の処理を行う。よって、第2の操作態様による操作を境に第1の処理と第2の処理とを自動的に切り換えるので、例えば第1の処理が操作に供される領域の大きさ上の制約を受けるような処理であっても、第1の処理に連続して第2の処理を継続することができる。
【実施例0017】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図12を用いて説明する。なお以下に説明する各実施例は、表面にタッチパネルが配置された液晶ディスプレイ等のディスプレイを備える情報処理装置に対して、実施形態を適用した場合の実施例である。なお上記情報処理装置としては、例えばいわゆるスマートフォン、ナビゲーション装置又は携帯型の情報端末装置等が該当する。
【0018】
(I)第1実施例
初めに、実施形態に係る第1実施例について、図2乃至図7を用いて説明する。なお、図2は第1実施例に係る情報処理装置の概要構成を示すブロック図であり、図3は当該情報処理装置の動作を示すフローチャートである。また、図4乃至図7は第1実施例に係る情報処理装置の動作における画面例をそれぞれ示す図である。このとき図2では、図1に示した実施形態に係る情報処理装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該情報処理装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0019】
図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置Sの一例としての第1実施例に係る情報処理装置Sは、実施形態に係る表示手段2の一例としてのディスプレイ2と、ディスプレイ2の表示面に設けられた実施形態に係る検出手段1の一例としてのタッチパネル1と、実施形態に係る第1処理手段3の一例及び第2処理手段4の一例並びに本願に係る「探索手段」の一例にそれぞれ相当する処理部3と、表示制御部5と、タッチ検出部6と、により構成されている。
【0020】
この構成においてタッチ検出部6及びタッチパネル1は、タッチパネル1の表面に接触した人の指又はタッチペンのペン先(以下、これらを纏めて単に「指」と称する)の位置及び同時に接触している指の数を検出し、その検出結果を処理部3に出力する。
【0021】
一方表示制御部5は、処理部3の制御の下、ディスプレイ2に表示すべき画像を、タッチパネル1を通して視認可能にディスプレイ2に表示する。
【0022】
これらにより処理部3は、ディスプレイ2及びタッチパネル1を用いた情報処理装置Sとしての通常の処理の他、以下に説明する第1実施例に係る動作を制御する。
【0023】
次に、タッチパネル1等を用いた第1実施例に係る情報処理装置Sの動作について、具体的に図3乃至図7を用いて説明する。なお以下に説明する第1実施例に係る動作では、タッチパネル1に対して一本の指のみで接触することを「一点タッチ」と称し、二本の指で同時にタッチすることを「二点タッチ」と称する。第1実施例に係るタッチパネル1は、いわゆるマルチタッチ対応のタッチパネル1であり、複数の指で同時に接触しても、それぞれの指ごとに、その接触位置及び同時に接触している指の数を検出することが可能に構成されている。
【0024】
また以下に説明する第1実施例に係る情報処理装置Sの動作では、上記一点タッチ及び二点タッチを組み合わせることで、ディスプレイ2に表示されている地図のスクロールと、当該地図上の道路を経由した経路探索と、を実行する。
【0025】
即ち図3に示すように、第1実施例に係る動作では、初めにタッチパネル1及びタッチ検出部6は、ディスプレイ2に表示されている地図をスクロールさせるスクロールモードで動作している(ステップS1)。このスクロールモードの動作自体は従来と同様のものである。
【0026】
次に処理部3は、タッチパネル1上において一点タッチ又は二点タッチのいずれかが実行されたか否かを監視する(ステップS2)。ステップS2の監視において一点タッチが実行されている場合(ステップS2;一点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6を継続してスクロールモードとして動作させる。そして処理部3は、当該一点タッチのままタッチパネル1が指によりなぞられた場合に、その指の動きに合わせてディスプレイ2に表示されている地図をスクロールさせ(ステップS3)、その後上記ステップS1の処理に移行する。なおこのステップS3のスクロール処理の場合、その途中で指がタッチパネルから離れたとしてもスクロールモードは継続される。
【0027】
一方ステップS2の監視において二点タッチが検出された場合(ステップS2;二点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6をスクロールモードから上記経路探索を行うための探索モードに移行させ(ステップS4)、その旨をディスプレイ2上の後述する表示Dにより表示して使用者に認識させる(ステップS5)。
【0028】
次に処理部3は、探索モードへの移行後において、タッチパネル1上において一点タッチ又は二点タッチのいずれかが実行されたか否かを監視する(ステップS6)。ステップS6の監視において一点タッチが検出された場合(ステップS6;一点)、処理部3は、当該一点タッチのままタッチパネル1が指によりなぞられた場合に、その指の動きに相当する地図上の道路等を探索対象たる経路として選択し(ステップS7)、その後、一点タッチを行っている指がタッチパネル1から離れたか否かを監視する(ステップS8)。ステップS8の判定において一点タッチが継続されている場合(ステップS8;NO)、処理部3は上記ステップS6に戻って上記監視を継続する。一方ステップS8の監視において一点タッチを行っていた指がタッチパネル1から離れたことが検出された場合(ステップS8;YES)、処理部3は、当該指が離れた位置を経路の終点(目的地点)として経路を探索し(ステップS9)、その探索結果を表示する等して第1実施例に係る動作を終了する。
【0029】
他方、上記ステップS6の監視において二点タッチが新たに検出された場合(ステップS6;二点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6を探索モードから上記スクロールモードに移行させ(ステップS10)、その旨をディスプレイ2上の表示Dにより表示して使用者に認識させる(ステップS11)。その後処理部3は、上記ステップS1の処理に移行する。
【0030】
次に、図3を用いて説明した第1実施例に係る動作が実行された場合の具体的な表示例について、図4乃至図7を用いて説明する。
【0031】
先ず、図4(a)に例示するように、例えば処理部3及びタッチパネル1等が上記スクロールモードで動作している場合において、タッチパネル1に表示されている地図上のいずれかの位置において、手Hの指によるタッチP1及びタッチP2を含む二点タッチが行われた場合(図3ステップS2;二点参照)、処理部3及びタッチパネル1等は、図4(b)に例示するように探索モードに移行する旨の表示Dをディスプレイ2において実行し(図3ステップS4及びステップS5参照)、図4(c)に例示するように探索モードとして動作するようになる。
【0032】
そして、この状態で図5(a)に例示するようにタッチP1により一点タッチが行われつつ、地図上の道路等がなぞられると、その道路等が経路として選択され(図3ステップS7参照)、更に指が離されると(図3ステップS8;YES)、図5(b)に例示するように自動的に経路Rが設定される(図3ステップS9参照)。
【0033】
これに対し、図4(c)に例示する状態で、図6(a)に例示するようにタッチパネル1に表示されている地図上のいずれかの位置においてタッチP1及びタッチP2を含む二点タッチが行われた場合(図3ステップS6;二点参照)、処理部3及びタッチパネル1等は、図6(b)に例示するようにスクロールモードに移行する旨の表示Dをディスプレイ2において実行し(図3ステップS10及びステップS11参照)、図6(c)に例示するようにスクロールモードとして動作するようになる。この状態で、図7(a)に例示するようにタッチパネル1に表示されている地図上のいずれかの位置においてタッチP1により一点タッチが行われた場合(図3ステップS2;一点参照)、図7(b)に例示するように当該タッチP1によるなぞりの動きに合わせて、地図がスクロールされる(図3ステップS3参照)。
【0034】
以上説明したように、第1実施例に係る情報処理装置Sの動作によれば、一点タッチによる操作が検出された後になぞりの操作が検出されたとき、なぞりの操作に対応付けられた探索モード又はスクロールモードのいずれか一方に移行する。そして、そのなぞりの操作の検出後に二点タッチによる操作が検出され、更に当該二点タッチの操作が検出された後に更になぞりの操作が検出されたとき、当該二点タッチの操作及びその後のなぞりの操作に対応付けられた探索モード又はスクロールモードのいずれか他方に移行する。よって、二点タッチによる操作を境に探索モード又とスクロールモードとが自動的に切り換わるので、例えばスクロールがタッチパネル1の大きさ上の制約を受けるような場合であっても、スクロールモードから連続して探索モードへの移行が可能となる。
【0035】
また図4(b)又は図6(b)に例示するように、モードが切り替わった旨が表示されるので、モードが切り替わったことを容易に認識することができる。
【0036】
更に、二点タッチの操作を境に探索モードとスクロールモードとが相互に切り替わるので、これらのモードを連続して実行することができる。
【0037】
また、スクロール自体又は経路選択自体を一点タッチの操作で行うので、複雑な操作をすることなくスクロール等を実行することができる。
【0038】
更に、手Hの指を用いた一点タッチ及び二点タッチによりモードの切り替えを行うので、各ノードの切り替わりを正確に認識することができる。
【0039】
更にまた、探索モードにおいて指を離したときに(図3ステップS8;YES参照)経路の探索を自動的に開始するので、簡易に経路探索を行うことができる。
【0040】
(II)第2実施例
次に、実施形態に係る他の実施例である第2実施例について、図8を用いて説明する。なお、図8は第2実施例に係る情報処理装置の動作を示すフローチャート等である。また、第2実施例に係る情報処理装置のハードウェア的な構成は、基本的に第1実施例に係る情報処理装置Sと同一であるので、以下の説明では、第1実施例に係る情報処理装置Sの部材番号を流用して、第2実施例に係る情報処理装置の動作を説明する。また、図8(a)に示すフローチャートにおいて、図3に示す第1実施例に係る情報処理装置Sの動作と同様の動作については、同様のステップ番号を付して細部の説明は省略する。
【0041】
上述した第1実施例に係る情報処理装置Sでは、探索モードとスクロールモードとを二点タッチの操作により切り替える構成としたが、以下に説明する第2実施例では、例えば自車位置の周辺等を検索する検索モードとスクロールモードとを二点タッチの操作により切り替える。
【0042】
即ち第2実施例に係る情報処理装置Sの動作としては、図8(a)に例示するように、初めに、第1実施例に係る情報処理装置Sの動作におけるステップS1乃至ステップS3の動作が実行される。そして、ステップS2の監視において二点タッチが検出された場合(ステップS2;二点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6をスクロールモードから上記検索モードに移行させ(ステップS13)、その旨をディスプレイ2上の後述する表示Dにより表示して使用者に認識させる(ステップS14)。
【0043】
次に処理部3は、検索モードへの移行後において、タッチパネル1上において一点タッチ又は二点タッチのいずれかが実行されたか否かを監視する(ステップS6)。ステップS6の監視において一点タッチが検出された場合(ステップS6;一点)、処理部3は、当該一点タッチのままタッチパネル1が指によりなぞられた場合に、その指の動きに相当する地図上の領域を検索対象たる領域として設定し(ステップS15)、その後、一点タッチを行っている指がタッチパネル1から離れたか否かを監視する(ステップS8)。ステップS8の判定において一点タッチが継続されている場合(ステップS8;NO)、処理部3は上記ステップS6に戻って上記監視を継続する。一方ステップS8の監視において一点タッチを行っていた指がタッチパネル1から離れたことが検出された場合(ステップS8;YES)、処理部3は、当該指が離れた位置に基づいて周辺検索を行い(ステップS16)、その検索結果を表示する等して第2実施例に係る動作を終了する。
【0044】
他方、上記ステップS6の監視において二点タッチが新たに検出された場合(ステップS6;二点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6を検索モードから上記スクロールモードに移行させ(ステップS17)、その旨をディスプレイ2上の表示Dにより表示して使用者に認識させる(ステップS18)。その後処理部3は、上記ステップS1の処理に移行する。
【0045】
このような第2実施例に係る情報処理装置Sの動作が実行された場合、例えば図8(b)に例示するように、例えば現在位置PPを中心として一点タッチによりなぞられた(図8(a)ステップS15参照)領域(図8(b)において、現在位置PPを中心とした駐車場マーク(「P」マーク)の集まりとして表現されている略台形の領域)内の検索結果が、(図8(b)において駐車場マークとして)ディスプレイ2に表示される(図8(a)ステップS16参照)。なおこの検索モードにおいて、一点タッチにより地図上の一点をタッチした場合に、そのタッチされた位置にある施設又は交差点等の詳細情報を表示するように構成してもよい。
【0046】
以上説明したように、第2実施例に係る情報処理装置Sの動作によれば、第1実施例に係る情報処理装置Sの動作による効果と同様の効果を基にして、検索モードとスクロールモードとを二点タッチの捜査を境に切り替えるので、検索処理とスクロール処理とが連続して実行可能となり、操作に供される領域が狭い場合でも便利に検索処理を行うことができる。
【0047】
(III)第3実施例
最後に、実施形態に係る他の実施例である第3実施例について、図9乃至図12を用いて説明する。なお、図9は第3実施例に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートであり、図10乃至図12は第3実施例に係る情報処理装置の動作における画面例をそれぞれ示す図である。また、第3実施例に係る情報処理装置のハードウェア的な構成は、基本的に第1実施例に係る情報処理装置Sと同一であるので、以下の説明では、第1実施例に係る情報処理装置Sの部材番号を流用して、第3実施例に係る情報処理装置の動作を説明する。
【0048】
上述した第1実施例に係る情報処理装置Sでは、探索モードとスクロールモードとを二点タッチの操作により切り替える構成としたが、以下に説明する第3実施例では、二点タッチの操作のままスクロールモードを実行すると共に、探索モードは一点タッチの操作により実行する。
【0049】
即ち図9に示すように、第3実施例に係る動作では、初めにタッチパネル1上のいずれかの位置がタッチされると(ステップS20)、処理部3は、そのタッチが一点タッチ又は二点タッチのいずれであるか判定する(ステップS21)。ステップS21の判定において一点タッチであった場合(ステップS21;一点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6を探索モードとして動作させ、その旨をディスプレイ2上の表示Dにより表示して使用者に認識させる(ステップS22)、更に一点タッチでなぞられた位置を確認する(ステップS23)。次に処理部3は、何らかの操作があったか否かを判定し(ステップS24)、一点タッチの操作が継続されている場合は(ステップS24;継続)、その指の動きに相当する地図上の道路等を探索対象たる経路として選択し(ステップS25)、その後、一点タッチを行っている指がタッチパネル1から離れた位置を経路の終点(目的地点)として経路を探索し(ステップS26)、その探索結果を表示する等して第3実施例に係る動作を終了する。一方、上記ステップS24の判定において二点タッチの操作が新たに実行されている場合(ステップS24;二点)、処理部3は後述するステップS27の動作に移行する。
【0050】
他方、上記ステップS21の判定において二点タッチであった場合(ステップS21;二点)、処理部3は、タッチパネル1及びタッチ検出部6をスクロールモードとして動作させ、その旨をディスプレイ2上の表示Dにより表示して使用者に認識させる(ステップS27)、更に二点タッチでなぞられた位置を確認する(ステップS28)。次に処理部3は、何らかの操作があったか否かを判定し(ステップS29)、二点タッチの操作が継続されている場合は(ステップS29;継続)、その指の動きに相当する地図のスクロールを行い(ステップS30)、その後、二点タッチを行っている指がタッチパネル1から離れたら(ステップS31)、スクロールモードを終了する。一方、上記ステップS29の判定において一点タッチの操作が新たに実行されている場合(ステップS29;一点)、処理部3は上記ステップS22の動作に移行する。
【0051】
次に、図9を用いて説明した第3実施例に係る動作が実行された場合の具体的な表示例について、図10乃至図12を用いて説明する。
【0052】
先ず、図10(a)に例示するように、例えば処理部3及びタッチパネル1等が上記探索モードで動作している場合において、タッチパネル1に表示されている地図上のいずれかの位置において、手Hの指によるタッチP1を含む一点タッチが行われた場合(図9ステップS21;一点参照)、この状態で図10(b)に例示するようにタッチP1により一点タッチが行われつつ地図上の道路等がなぞられると、その道路等が経路として選択され(図9ステップS25参照)、更に指が離されると、図10(c)に例示するように自動的に経路Rが設定される(図9ステップS26参照)。
【0053】
これに対し、図10(b)に例示する状態で、図11(a)に例示するようにタッチパネル1に表示されている地図上のいずれかの位置においてタッチP1及びタッチP2を含む二点タッチが行われた場合(図9ステップS24;二点参照)、処理部3及びタッチパネル1等は、図11(b)に例示するようにスクロールモードに移行した旨の表示Dをディスプレイ2において実行し(図9ステップS27参照)、図12(a)に例示するようにスクロールモードとして動作するようになる。この状態で、図12(b)に例示するようにタッチP1による一点タッチが行われた場合(図9ステップS29;一点参照)、図12(b)に例示するように元の探索モードに戻ることになる(図9ステップS22参照)。
【0054】
以上説明したように、第3実施例に係る情報処理装置Sの動作によれば、第1実施例に係る情報処理装置Sの動作による効果と同様の効果を基にして、二点タッチの操作の連続によりスクロールモードが実行されるので、複雑な操作をすることなく、地図をスクロールさせることができる。
【0055】
なお、図3図8(a)又は図9に示したフローチャートに相当するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る処理部3として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 検出手段(タッチパネル)
2 表示手段(ディスプレイ)
3 第1処理手段(処理部)
4 第2処理手段
5 表示制御部
6 タッチ検出部
S 情報処理装置
P1、P2 タッチ
H 手
D 表示
R 経路
図1
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