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特開2023-1018チップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座
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  • 特開-チップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001018
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】チップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座
(51)【国際特許分類】
   B23P 15/28 20060101AFI20221222BHJP
   B23K 20/00 20060101ALI20221222BHJP
   B23B 27/18 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
B23P15/28 Z
B23K20/00 340
B23B27/18
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052351
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2021101154
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000103976
【氏名又は名称】株式会社オリジン
(71)【出願人】
【識別番号】521265151
【氏名又は名称】株式会社フォーカス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角谷 康雄
(72)【発明者】
【氏名】押野 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】西村 博信
(72)【発明者】
【氏名】水谷 直純
(72)【発明者】
【氏名】林 利彦
(72)【発明者】
【氏名】松下 滋
【テーマコード(参考)】
3C046
4E167
【Fターム(参考)】
3C046GG00
4E167AA15
4E167BB04
4E167BB06
(57)【要約】
【課題】ろう付けを用いずに台座に切刃を接合するチップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座を提供する。
【解決手段】台座13に切刃11が接合されたチップの製造装置50は、台座13に接する第1の電極51と、切刃11に接する第2の電極55と、両電極間に流す電流を発生させる電流発生器61と、第1の電極に接触した台座及び/又は第2の電極に接触した切刃を移動方向Rに移動させる移動装置63とを備える。チップの製法は、台座を供給し、切刃を台座の窪みに供給し、切刃を台座に加圧し、加圧中に切刃と台座にまたがって電流を流す。切削工具用チップは、直接接合された切刃と台座とを備える。台座は、窪みが、所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面を有し、各面は切刃が接する接触面から突き出た突起17、27を有し、突起は切刃が窪みに取り付けられる際に軟化して切刃に直接接合する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具に用いられる、台座に切刃が接合されたチップを製造する装置であって、
前記台座に接触する第1の電極と、
前記切刃に接触する第2の電極と、
前記台座及び前記切刃を介して前記第1の電極と前記第2の電極との間に流す電流を発生させる電流発生器と、
前記第1の電極に接触した前記台座及び前記第2の電極に接触した前記切刃の少なくとも一方を移動方向に相対的に移動させる移動装置と、を備え、
前記台座は前記切刃が取り付けられる窪みが形成されており、前記窪みは所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面及び前記第2の面は前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する面であり、
前記移動方向は、前記第1の面及び前記第2の面に前記切刃を近づける方向である、
チップ製造装置。
【請求項2】
前記移動方向は、前記第1の電極と前記第2の電極との距離を近づけるように前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方を移動させたときに、前記第1の電極又は前記第2の電極が移動する方向であり、
前記第1の電極は前記台座が載置される載置面を有し、前記載置面は、前記台座が載置されたときに前記第1の面及び前記第2の面が前記移動方向に対して傾くように形成されている、
請求項1に記載のチップ製造装置。
【請求項3】
前記第2の電極は、前記切刃に接触する第1の接触部分と第2の接触部分とを有し、
前記第1の接触部分は、前記第1の面に接する前記切刃の面の裏側の前記切刃の面に接触する部分であり、
前記第2の接触部分は、前記第2の面に接する前記切刃の面の裏側の前記切刃の面に接触する部分である、
請求項2に記載のチップ製造装置。
【請求項4】
前記移動装置は、前記第1の面に前記切刃を近づける第1の移動装置と、前記第2の面に前記切刃を近づける第2の移動装置と、を有する、
請求項1に記載のチップ製造装置。
【請求項5】
前記第1の電極に接触した前記台座及び前記第2の電極に接触した前記切刃の少なくとも一方を前記移動方向に相対的に移動させることで前記切刃を前記台座に対して加圧しながら、前記台座及び前記切刃を介して前記第1の電極と前記第2の電極との間に電流を流すように、前記移動装置及び前記電流発生器を制御する制御装置を備える、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のチップ製造装置。
【請求項6】
切削工具に用いられる、台座に切刃が接合されたチップを製造する方法であって、
前記切刃が取り付けられる窪みが形成されている前記台座を供給する工程と、
前記切刃を前記窪みに供給する工程と、
前記切刃を前記台座に対して加圧する工程と、
前記切刃を前記台座に対して加圧している最中に、前記切刃と前記台座とにまたがって電流を流す工程と、を備える、
チップの製造方法。
【請求項7】
前記窪みは所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面及び前記第2の面は前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する面であり、
前記切刃を前記台座に対して加圧する工程は、前記切刃と前記台座とを近づけるようにして加えた力の分力が前記第1の面及び前記第2の面に作用する、
請求項6に記載のチップの製造方法。
【請求項8】
切削加工の際に切削対象物を切削する切刃と、
前記切刃が取り付けられた窪みが形成されている台座と、を備え、
前記窪みに取り付けられた前記切刃と前記台座とが直接接合されている、
切削工具用チップ。
【請求項9】
前記窪みは、所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、
前記第1の面は、前記切刃と直接接合されている部分に隣接する部分に、第1の溝が形成されており、
前記第2の面は、前記切刃と直接接合されている部分に隣接する部分に、第2の溝が形成されている、
請求項8に記載の切削工具用チップ。
【請求項10】
前記第1の面は前記切刃が接する第1の接触面を有し、前記第1の接触面は、少なくとも、前記第2の面に近接した部分と、前記第2の面に近接した部分に対して前記切刃と直接接合されている部分及び前記第1の溝を挟んだ反対側の部分と、に設けられており、
前記第2の面は前記切刃が接する第2の接触面を有し、前記第2の接触面は、少なくとも、前記第1の面に近接した部分と、前記第1の面に近接した部分に対して前記切刃と直接接合されている部分及び前記第2の溝を挟んだ反対側の部分と、に設けられている、
請求項9に記載の切削工具用チップ。
【請求項11】
切刃が取り付けられることで切削工具に用いられるチップを構成する台座であって、
前記切刃が取り付けられる窪みが形成されており、
前記窪みは、所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、
前記第1の面は、前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する第1の接触面と、前記第1の接触面から突き出た第1の突起とを有し、
前記第2の面は、前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する第2の接触面と、前記第2の接触面から突き出た第2の突起とを有し、
前記第1の突起及び前記第2の突起は、前記切刃が前記窪みに取り付けられる際に軟化して前記切刃に直接接合する部分である、
台座。
【請求項12】
前記第1の接触面は、少なくとも、前記第2の面に近接した部分と、前記第2の面に近接した部分に対して前記第1の突起を挟んだ反対側の部分と、に設けられており、
前記第2の接触面は、少なくとも、前記第1の面に近接した部分と、前記第1の面に近接した部分に対して前記第2の突起を挟んだ反対側の部分と、に設けられており、
前記第1の突起とそれぞれの前記第1の接触面との間に第1の溝が形成されており、
前記第2の突起とそれぞれの前記第2の接触面との間に第2の溝が形成されている、
請求項11に記載の台座。
【請求項13】
前記第1の突起は、少なくとも前記第1の突起の頂部から前記第2の面に近い側の前記第1の溝に向かう側部の輪郭が傾斜しており、前記第1の突起の前記第2の面に近い側の側部の傾斜角度が25度~65度であり、
前記第2の突起は、少なくとも前記第2の突起の頂部から前記第1の面に近い側の前記第2の溝に向かう側部の輪郭が傾斜しており、前記第2の突起の前記第1の面に近い側の側部の傾斜角度が25度~65度である、
請求項12に記載の台座。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はチップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座に関し、特に刃先交換式切削工具における刃先交換チップについてのチップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座に関する。
【背景技術】
【0002】
切削加工に用いられる切削工具として、切刃(刃先)を有するチップを交換することができる刃先交換式切削工具がある。刃先交換式切削工具に対して交換可能に取り付けられるチップ(スローアウェイチップ)は、一例として、超硬合金よりなる本体(台座)に、CBNやダイヤモンド焼結体等の超高硬度焼結体よりなる切刃が接合されて構成されている。このようなチップは、本体に、切刃が、ろう付けで接合されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-326111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本体に切刃がろう付けで接合されている一般的なチップには、例えば次のような問題点がある。一般的なチップでは、本体に切刃をろう付けする際に、ろう付けに熟練した作業員が必要となる。また、本体に切刃をろう付けするのに相当の時間を要する。また、本体への切刃のろう付け作業の自動化が困難である。
【0005】
本開示は上述の課題に鑑み、ろう付けを用いずに台座(本体)に切刃を接合するチップ製造装置、チップの製造方法、切削工具用チップ及び台座を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係るチップ製造装置は、切削工具に用いられる、台座に切刃が接合されたチップを製造する装置であって、前記台座に接触する第1の電極と、前記切刃に接触する第2の電極と、前記台座及び前記切刃を介して前記第1の電極と前記第2の電極との間に流す電流を発生させる電流発生器と、前記第1の電極に接触した前記台座及び前記第2の電極に接触した前記切刃の少なくとも一方を移動方向に相対的に移動させる移動装置と、を備え、前記台座は前記切刃が取り付けられる窪みが形成されており、前記窪みは所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面及び前記第2の面は前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する面であり、前記移動方向は、前記第1の面及び前記第2の面に前記切刃を近づける方向である。
【0007】
このように構成すると、切刃が第1の面及び第2の面に向けて押圧されているときに第1の電極と第2の電極との間に電流を流すことで、切刃と台座との直接接合が可能となる。ここで、直接接合とは、切刃と台座とが圧接等の溶接により行われる接合であって、接着剤層等の中間材を介さずに行われる接合であり、例えば、固相接合は含まれるが、ろう付けは含まれない。
【0008】
また、本開示の第2の態様に係るチップ製造装置は、上記本開示の第1の態様に係るチップ製造装置において、前記移動方向は、前記第1の電極と前記第2の電極との距離を近づけるように前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方を移動させたときに、前記第1の電極又は前記第2の電極が移動する方向であり、前記第1の電極は前記台座が載置される載置面を有し、前記載置面は、前記台座が載置されたときに前記第1の面及び前記第2の面が前記移動方向に対して傾くように形成されている。表現を変えると、本開示の第2の態様に係るチップ製造装置は、切削工具に用いられる、台座に切刃が接合されたチップを製造する装置であって、前記台座に接触する第1の電極と、前記切刃に接触する第2の電極と、前記台座及び前記切刃を介して前記第1の電極と前記第2の電極との間に流す電流を発生させる電流発生器と、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方を移動方向に移動させる移動装置と、を備え、前記移動方向は、前記第1の電極と前記第2の電極との距離を近づけるように前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方を移動させたときに、前記第1の電極又は前記第2の電極が移動する方向であり、前記台座は前記切刃が取り付けられる窪みが形成されており、前記窪みは所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面及び前記第2の面は前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する面であり、前記第1の電極は前記台座が載置される載置面を有し、前記載置面は、前記台座が載置されたときに前記第1の面及び前記第2の面が前記移動方向に対して傾くように形成されている、といってもよい。
【0009】
このように構成すると、載置面は、台座が載置されたときに第1の面及び第2の面が移動方向に対して傾くように形成されているので、第1の電極及び/又は第2の電極を移動方向に移動させたときに、切刃が第1の面及び第2の面に向けて押圧されることとなる。
【0010】
また、本開示の第3の態様に係るチップ製造装置は、上記本開示の第2の態様に係るチップ製造装置において、前記第2の電極は、前記切刃に接触する第1の接触部分と第2の接触部分とを有し、前記第1の接触部分は、前記第1の面に接する前記切刃の面の裏側の前記切刃の面に接触する部分であり、前記第2の接触部分は、前記第2の面に接する前記切刃の面の裏側の前記切刃の面に接触する部分である。
【0011】
このように構成すると、第1の面及び第2の面が移動方向に対して傾いている台座に対して、切刃を適切に押圧することができる。
【0012】
また、本開示の第4の態様に係るチップ製造装置は、上記本開示の第1の態様に係るチップ製造装置において、前記移動装置は、前記第1の面に前記切刃を近づける第1の移動装置と、前記第2の面に前記切刃を近づける第2の移動装置と、を有する。
【0013】
このように構成すると、台座及び切刃を傾けずに、第1の面及び第2の面において直接接合することが可能になる。
【0014】
また、本開示の第5の態様に係るチップ製造装置は、上記本開示の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係るチップ製造装置において、前記第1の電極に接触した前記台座及び前記第2の電極に接触した前記切刃の少なくとも一方を前記移動方向に移動させることで前記切刃を前記台座に対して加圧しながら、前記台座及び前記切刃を介して前記第1の電極と前記第2の電極との間に電流を流すように、前記移動装置及び前記電流発生器を制御する制御装置を備える。
【0015】
このように構成すると、切刃を台座に接合する工程の自動化を図ることが可能になる。
【0016】
また、本開示の第6の態様に係るチップの製造方法は、切削工具に用いられる、台座に切刃が接合されたチップを製造する方法であって、前記切刃が取り付けられる窪みが形成されている前記台座を供給する工程と、前記切刃を前記窪みに供給する工程と、前記切刃を前記台座に対して加圧する工程と、前記切刃を前記台座に対して加圧している最中に、前記切刃と前記台座とにまたがって電流を流す工程と、を備える。
【0017】
このように構成すると、加圧している最中に切刃と台座とにまたがって電流を流すので、切刃を台座に直接接合することが可能になる。
【0018】
また、本開示の第7の態様に係るチップの製造方法は、上記本開示の第6の態様に係るチップの製造方法において、前記窪みは所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面及び前記第2の面は前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する面であり、前記切刃を前記台座に対して加圧する工程は、前記切刃と前記台座とを近づけるようにして加えた力の分力が前記第1の面及び前記第2の面に作用する。
【0019】
このように構成すると、切刃と台座とを第1の面及び第2の面のそれぞれにおいて適切に直接接合することが可能になる。
【0020】
また、本開示の第8の態様に係る切削工具用チップは、切削加工の際に切削対象物を切削する切刃と、前記切刃が取り付けられた窪みが形成されている台座と、を備え、前記窪みに取り付けられた前記切刃と前記台座とが直接接合されている。
【0021】
このように構成すると、切刃と台座とが直接接合されているので、ろう付けよりも接合強度を大きくすることが可能となる。
【0022】
また、本開示の第9の態様に係る切削工具用チップは、上記本開示の第8の態様に係る切削工具用チップにおいて、前記窪みは、所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面は、前記切刃と直接接合されている部分に隣接する部分に、第1の溝が形成されており、前記第2の面は、前記切刃と直接接合されている部分に隣接する部分に、第2の溝が形成されている。
【0023】
このように構成すると、切刃と台座とを直接接合したときに生じたバリを第1の溝及び第2の溝に収容することができ、寸法精度の低下及び接合強度の低下を抑制することができる。
【0024】
また、本開示の第10の態様に係る切削工具用チップは、上記本開示の第9の態様に係る切削工具用チップにおいて、前記第1の面は前記切刃が接する第1の接触面を有し、前記第1の接触面は、少なくとも、前記第2の面に近接した部分と、前記第2の面に近接した部分に対して前記切刃と直接接合されている部分及び前記第1の溝を挟んだ反対側の部分と、に設けられており、前記第2の面は前記切刃が接する第2の接触面を有し、前記第2の接触面は、少なくとも、前記第1の面に近接した部分と、前記第1の面に近接した部分に対して前記切刃と直接接合されている部分及び前記第2の溝を挟んだ反対側の部分と、に設けられている。
【0025】
このように構成すると、切削工具用チップを切削の用に供したときに、第1の接触面及び第2の接触面において切削負荷を受けることができる。
【0026】
また、本開示の第11の態様に係る台座は、切刃が取り付けられることで切削工具に用いられるチップを構成する台座であって、前記切刃が取り付けられる窪みが形成されており、前記窪みは、所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、前記第1の面は、前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する第1の接触面と、前記第1の接触面から突き出た第1の突起とを有し、前記第2の面は、前記切刃が前記窪みに取り付けられたときに前記切刃が接する第2の接触面と、前記第2の接触面から突き出た第2の突起とを有し、前記第1の突起及び前記第2の突起は、前記切刃が前記窪みに取り付けられる際に軟化して前記切刃に直接接合する部分である。
【0027】
このように構成すると、直接接合に適した台座を提供することができる。
【0028】
また、本開示の第12の態様に係る台座は、上記本開示の第11の態様に係る台座において、前記第1の接触面は、少なくとも、前記第2の面に近接した部分と、前記第2の面に近接した部分に対して前記第1の突起を挟んだ反対側の部分と、に設けられており、前記第2の接触面は、少なくとも、前記第1の面に近接した部分と、前記第1の面に近接した部分に対して前記第2の突起を挟んだ反対側の部分と、に設けられており、前記第1の突起とそれぞれの前記第1の接触面との間に第1の溝が形成されており、前記第2の突起とそれぞれの前記第2の接触面との間に第2の溝が形成されている。
【0029】
このように構成すると、台座に切刃を直接接合したときに生じたバリを第1の溝及び第2の溝に収容することができ、台座に切刃を直接接合したときの寸法精度の低下及び接合強度の低下を抑制することができる。
【0030】
また、本開示の第13の態様に係る台座は、上記本開示の第12の態様に係る台座において、前記第1の突起は、少なくとも前記第1の突起の頂部から前記第2の面に近い側の前記第1の溝に向かう側部の輪郭が傾斜しており、前記第1の突起の前記第2の面に近い側の側部の傾斜角度が25度~65度であり、前記第2の突起は、少なくとも前記第2の突起の頂部から前記第1の面に近い側の前記第2の溝に向かう側部の輪郭が傾斜しており、前記第2の突起の前記第1の面に近い側の側部の傾斜角度が25度~65度である。
【0031】
このように構成すると、台座に切刃を直接接合する際に、第1の突起の傾斜がある側部及び第2の突起の傾斜がある側部と切刃との接触面積を増大させて接合強度を確保することができる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、切刃を台座に直接接合することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一の実施の形態に係るチップの分解斜視図である。
図2】窪みまわりの台座の部分断面図である。
図3】切刃まわりのチップの部分断面図である。
図4】一の実施の形態に係るチップ製造装置の概略構成を示す断面図である。
図5】一の実施の形態に係るチップ製造装置の電極まわりを示す斜視図である。
図6】一の実施の形態に係るチップの製造の手順を示すフローチャートである。
図7】別の実施の形態に係るチップ製造装置の概略構成を示す断面図である。
図8】変形例に係る窪みまわりの台座の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0035】
まず図1図3を参照して、一の実施の形態に係る切削工具用チップ(以下、単に「チップ」という。)10を説明する。図1は、チップ10の分解斜視図である。チップ10は、切刃11と、台座13とを備えている。チップ10は、台座13に形成された窪み14に、切刃11が接合されて構成されている。図2は、窪み14まわりの台座13の部分断面図である。図3は、切刃11まわりのチップ10の部分断面図である。チップ10は、典型的には、切削加工を行う旋盤に用いられるバイトのシャンク(不図示)に対して脱着可能に取り付けられる部品であり、スローアウェイチップと呼ばれることもある。チップ10の切刃11は、切削加工の際に、切削対象物(ワーク)に接する部分となる。台座13には、貫通孔19が形成されている。貫通孔19は、チップ10をバイトのシャンク(不図示)に取り付ける際に、ボルト等の締結部材を通過させるための孔である。チップ10は、切刃11と台座13とが直接接合していることを特徴としている。ここで、直接接合とは、切刃11と台座13とが圧接等の溶接により行われた接合であって、接着剤層等の中間材(例えばろう材)を介さずに行われる接合である。したがって、直接接合には、接合対象部材を液相にせずに固相のまま接合する固相接合は含まれるが、ろう付けは含まれない。以下、チップ10の構成をより詳しく説明する。
【0036】
切刃11は、切削時に切削対象物に食い込むために、切削対象物よりも硬い材料が用いられる。また、切刃11には、適切な靱性を有する材料が用いられる。さらに、切刃11は、台座13への直接接合が良好に行われる材料が用いられる。これらの観点をふまえ、切刃11の材料として、典型的には超硬合金が用いられている。超硬合金は、典型的には、主として、タングステンカーバイドにコバルトが含有した合金(WC-Co)である。切刃11は、本実施の形態では、台座13への直接接合を良好にする観点から、コバルトを多めに含有することとしている。コバルトの含有量は、例えば0.5wt%~20wt%((A/(A+B))×100。以下同じ。)とするとよい。切刃11は、本実施の形態では三角柱状に形成されている。しかしながら、切刃11の外観形状は、用途等の事情に応じて好適な形状とすることができ、例えば、平面視が菱形、矩形、五角形や六角形等の多角形、の形状を有する柱状に形成されていてもよい。切刃11は、三角柱状を形成する面のうち、一方の底面と、一つの側面とが、台座13に接合する面となる。
【0037】
台座13は、切削時の負荷に耐え得るため、硬く、靱性を有する材料が用いられる。また、台座13は、切刃11の直接接合が良好に行われる材料が用いられる。これらの観点をふまえ、台座13の材料として、典型的には超硬合金が用いられている。台座13の材料は、切刃11と同じであってもよく、切刃11よりもコバルトの含有量が多くてもよい。例えば、コバルトの含有量を、0.5wt%~20wt%とするとよい。台座13は、本実施の形態では、概ね、平面視が矩形で全体として四角柱状に形成されており、基本形状が四角柱の8つの角部のうちの1つの角部が切り欠かれて、窪み14が形成されている。窪み14は、切刃11が適合するように、切刃11と合同な三角柱状に切り欠かれて形成されている。窪み14が形成された台座13の部分は、第1の面15と、第2の面25とを有している。第1の面15は、三角柱状の切刃11の底面の一方が当て嵌められる面であり、三角形になっている。第2の面25は、三角柱状の切刃11の側面の一つが当て嵌められる面であり、矩形になっている。第1の面15と第2の面25とは、所定の角度θを持って隣接している。所定の角度θは、切削加工の際にチップ10に作用する応力による悪影響を受けず、切刃11を台座13に接合する際の接合のしやすさ等を勘案して決定するとよい。所定の角度θは、本実施の形態では90度としている。しかしながら、所定の角度θは、状況に応じて、89度、88度、87度、85度、80度、75度等の鋭角としてもよく、91度、92度、93度、95度、100度、105度等の鈍角としてもよい。
【0038】
図2の部分断面図を併せて参照して、第1の面15及び第2の面25のより詳細な構成を説明する。図2の部分断面図は、基本形状が四角柱状の台座13において、四角柱の底面の矩形の対角を結ぶ直線を、四角柱の高さ方向に延ばして切断した際に現れる断面における、窪み14まわりを表している。図2の部分断面図に示すように、第1の面15及び第2の面25は、それぞれ、平面ではなく、凹凸が形成されている。この凹凸は、切刃11の直接接合を好適に行うことを考慮して設けられたものである。まず、第1の面15について見ると、図2の部分断面における両端に、第1の接触面16が設けられている。第1の接触面16は、切刃11が台座13に接合されたときに、切刃11が接触する面である。両側の第1の接触面16は、同一平面に存在する平坦な面である。このような特性から、第1の接触面16を、第1の面15の基準面にすることとする。つまり、第1の面15からの距離や角度を計測する際は、第1の接触面16を基準にすることとする。
【0039】
両端の第1の接触面16の間には、第1の突起17が形成されている。第1の突起17は、頂部(先端)が、第1の接触面16よりも窪み14の側に突き出ている。第1の突起17のこの突き出た部分が、溶接により切刃11に直接接合する部分となる。したがって、第1の突起17が第1の接触面16より突き出る程度は、切刃11との接合態様を勘案して決定するとよく、例えば0.1mm~0.3mm、あるいは0.15mm~0.2mmとしてもよい。第1の突起17の頂部(先端)は、尖っていてもよく、若干の平坦な面の部分が形成されていてもよい。第1の突起17の頂部(先端)に若干の平坦な面の部分が形成されている場合、当該平坦な面の部分は、図2に示す断面において、各第1の接触面16よりも幅が小さく、各第1の接触面16の幅の1/10~1/2、あるいは1/5~1/3程度でもよい。第1の突起17の頂部(先端)の面を比較的小さくすることで、切刃11を台座13に接合する際の押圧抵抗の増大を抑制することができる。第1の突起17とそれぞれの第1の接触面16との間には、第1の溝18が形成されている。第1の溝18は、第1の接触面16よりも窪み14の反対側に凹んだ部分である。第1の溝18の存在により、切刃11が接合された際に、第1の突起17の突き出た部分が軟化し変形して生じたバリを収容することが可能となる。このため、第1の溝18は、切刃11が接合された際に生じたバリを収容することができる容積があれば足りる。
【0040】
第1の突起17は、頂部(先端)から両側の第1の溝18に向かって傾斜している。この第1の突起17の傾斜は、本実施の形態では、内側(第2の面25に近い側)の方が緩やかで、外側の方が急になっている。換言すれば、第1の突起17は、内側(第2の面25に近い側)の傾斜角度αが外側の傾斜角度よりも小さくなっている。ここで、第1の突起17の傾斜角度は、第1の突起17の底部に対して第1の接触面16に平行な仮想直線を置いたときの当該仮想直線と第1の突起17の側面とがなす角度である。このとき、第1の突起17の側面が直線でない場合は、当該側面における頂部と底部とを結んだ直線近似と仮想直線とのなす角度とする。内側(第2の面25に近い側)の傾斜角度αは、25度~65度、好ましくは30度~60度とするとよく、40度~50度あるいは45度であってもよい。傾斜角度αをこのように形成すると、切刃11を台座13に接合しようとして、第1の面15と第2の面25との交線に向けて切刃11を押圧した際に、第1の突起17の内側の側面に概ね沿って切刃11が移動することとなる。このため、第1の突起17の内側の側面と切刃11との接触面積を増大させることができ、接合強度を確保することができる。なお、第1の突起17の外側の側面の傾斜角度は、第1の接触面16に対して直交する角度であってもよい。このように構成された第1の面15を概観すると、両端の第1の接触面16の間に、第1の突起17及び第1の溝18が挟まれている。第1の接触面16、第1の突起17、及び第1の溝18は、図2に示す断面に対して直交する方向(紙面に垂直な方向)に延びている。
【0041】
第2の面25には、第2の接触面26と、第2の突起27と、第2の溝28とが形成されている。第2の接触面26、第2の突起27、第2の溝28は、それぞれ、第1の接触面16、第1の突起17、第1の溝18に対応し、対応するものと同じ機能を果たす。念のため抜粋して確認すると、第2の接触面26は、図2の部分断面において、第2の面25の両端に設けられている。第2の接触面26は、第2の面25の基準面となる。このため、第1の面15及び第2の面25の所定の角度θは、より詳細に見れば、第1の接触面16と第2の接触面26とのなす角に相当することとなる。第2の突起27の第2の接触面26より突き出た部分は、溶接により切刃11に直接接合する部分となる。第2の突起27が第2の接触面26より突き出る程度は、典型的には、上述の第1の突起17が突き出る範囲(0.1mm~0.3mm)の中から適宜決定することができ、第1の突起17と同じでもよく、異なっていてもよい。第2の突起27の頂部(先端)も、第1の突起17の頂部(先端)と同様に、尖っていても、若干の平坦な面の部分が形成されていてもよく、その形成態様は第1の突起17の頂部(先端)と同様である。第2の突起27の傾斜は、本実施の形態では、内側(第1の面15に近い側)の方が緩やかで、外側の方が急になっている。換言すれば、第2の突起27は、内側(第1の面15に近い側)の傾斜角度βが外側の傾斜角度よりも小さくなっている。ここで、第2の突起27の傾斜角度は、第2の突起27の底部に対して第2の接触面26に平行な仮想直線を置いたときの当該仮想直線と第2の突起27の側面とがなす角度である。このとき、第2の突起27の側面が直線でない場合は、当該側面における頂部と底部とを結んだ直線近似と仮想直線とのなす角度とする。内側(第1の面15に近い側)の傾斜角度βは、第1の突起17の内側の傾斜角度αと同じ条件を適用することができ、同様の作用効果を奏する。なお、傾斜角度βは、傾斜角度αと同じであってもよく、異なっていてもよい。第2の突起27の外側の側面の傾斜角度は、第2の接触面26に対して直交する角度であってもよい。このように構成された第2の面25を概観すると、両端の第2の接触面26の間に、第2の突起27及び第2の溝28が挟まれている。第2の接触面26、第2の突起27、及び第2の溝28は、図2に示す断面に対して直交する方向(紙面に垂直な方向)に延びている。これまで説明した台座13の窪み14に切刃11を接合することで、チップ10が構成される。
【0042】
図3に示すチップ10の部分断面図は、図2と同じ断面を表している。図3に示すように、チップ10においても、台座13の第1の溝18及び第2の溝28が現れている。第1の突起17は、第1の接触面16よりも突き出ていた部分が塑性流動して切刃11と直接接合している。第2の突起27は、第2の接触面26よりも突き出ていた部分が塑性流動して切刃11と直接接合している。第1の突起17及び第2の突起27がそれぞれ切刃11と直接接合した部分は、典型的には固相接合となっている。また、第1の突起17の塑性流動した余剰分は、バリとして第1の溝18に収容されている。第2の突起27の塑性流動した余剰分は、バリとして第2の溝28に収容されている。バリが第1の溝18及び第2の溝28に収容されることで、チップ10の寸法精度の低下及び切刃11と台座13との接合強度の低下を抑制することができる。チップ10は、本実施の形態では、第1の接触面16及び第2の接触面26においては、切刃11に接触しているが、切刃11と直接接合していない。切刃11が第1の接触面16及び第2の接触面26に接触していることで、切削時に発生した負荷を第1の接触面16及び第2の接触面26で受けることができる。このように構成されたチップ10は、以下の要領で製造することができる。
【0043】
図4は、一の実施の形態に係るチップ製造装置50の概略構成を示す断面図である。図5は、チップ製造装置50の電極まわりの斜視図である。チップ製造装置50は、本実施の形態では、抵抗溶接を行う装置である。チップ製造装置50は、第1の電極(以下「下電極」という)51と、第2の電極(以下「上電極」という)55と、電源61と、移動装置63と、制御装置65とを備えている。チップ製造装置50は、本実施の形態では、下電極51の鉛直上方に上電極55が配置されて使用される仕様になっている。図4は、切断面が鉛直方向に延びる断面を表している。図5は、主として下電極51及び上電極55まわりを示し、電源61、移動装置63、及び制御装置65を省略している。以下の説明において、チップ10並びに切刃11及び台座13に言及しているときは、適宜図1図3を参照することとする。
【0044】
下電極51は、台座13を接触させる電極である。下電極51は、電流が流れやすい材料が用いられ、典型的には金属で形成されている。下電極51は、本実施の形態では、概ね、基本形状が円柱状である部材に対して、台座13を載置する部分が切り欠かれた外観を呈している。下電極51は、基本形状の円柱状から切り欠かれた内部に、載置面52、53が形成されている。一方の載置面52は、台座13の貫通孔19が形成されている面(以下「底面」という)が接する面となっている。下電極51が使用時の向きで設置されたときに、載置面52は、水平でも鉛直でもなく、仮想鉛直面VFに対して傾いている。載置面52は、本実施の形態では、仮想鉛直面VFに対して約30度傾いているが、この傾きは、25度~35度、あるいは45度等、30度以外の角度であってもよい。もう一方の載置面53は、台座13の底面に交差する台座13の面(以下「側面」という)が接する面となっている。載置面53は、台座13の底面を載置面52に載置したときに、台座13の側面が接する角度で傾いている。本実施の形態では、台座13の底面と側面とが直交しているので、載置面52に対して載置面53が直交している。なお、台座13は、載置面52、53に載置される際、窪み14が最上部に位置するように載置されることから、窪み14の対角に位置する底面の角が最低部に位置することとなる。このため、図4には現れていないが、載置面53は、正面から(図4の紙面において左から)見ると、V字状に延びる2面が形成されている。
【0045】
上電極55は、切刃11を接触させる電極である。上電極55は、電流が流れやすい材料が用いられ、典型的には金属で形成されている。上電極55は、本実施の形態では、概ね、基本形状が円柱状である部材に対して、切刃11が嵌め込まれる部分が切り欠かれた外観を呈している。上電極55は、基本形状の円柱状から切り欠かれた内部に、第1の接触部分(以下「第1接触部」という)56と、第2の接触部分(以下「第2接触部」という)57とを有している。第1接触部56は、切刃11の面が接触する部分である。この第1接触部56が接する切刃11の面は、台座13の第1の面15に接触する切刃11の面の裏側の面である。第1接触部56は、本実施の形態では、切刃11が接触する部分が平坦に形成されている。第2接触部57も、切刃11の面が接触する部分である。この第2接触部57が接する切刃11の面は、台座13の第2の面25に接触する切刃11の面の裏側の面である。第2接触部57も、本実施の形態では、切刃11が接触する部分が平坦に形成されている。また、本実施の形態では、第1接触部56の切刃11が接する平坦面と、第2接触部57の切刃11が接する平坦面とのなす角が、90度になっている。この両平坦面のなす角は、接する切刃11の形状に合わせるように適宜変更するとよい。なお、上電極55は、第1接触部56を有するブロックと第2接触部57を有するブロックとを別体としてこれらを組み合わせて構成することとしてもよく、一体に構成されていてもよい。第1接触部56を有するブロックと第2接触部57を有するブロックとを別体とした場合は、一方が導電性を有さない材料で構成されていてもよい。
【0046】
本実施の形態では、下電極51と上電極55とにまたがって、ガイド58が設けられている。ガイド58は、下電極51及び/又は上電極55を移動方向Rに移動させる際に、移動方向Rに対して交差する方向へ動いてしまうことを防ぐためのものである。ここで、移動方向Rは、本実施の形態では、下電極51と上電極55との距離を近づけるように下電極51及び/又は上電極55を移動させたときに、下電極51又は上電極55が移動する方向である。ガイド58は、本実施の形態では、下電極51の側面に固定されており、上電極55に対しては摺動可能となっている。また、本実施の形態では、下電極51に、固定具59が付属している。固定具59は、載置面52、53に載置された台座13を、下電極51との間に挟むことで、下電極51に固定するものである。固定具59は、典型的には、ボルトを用いて下電極51に固定することができるように構成されている。
【0047】
電源61は、下電極51及び上電極55に電流を供給する装置である。電源61は、下電極51及び上電極55と電気的に接続されている。電源61は、下電極51と上電極55とに挟まれた台座13及び切刃11を介して下電極51と上電極55との間に流す電流を発生させるように構成されており、電流発生器に相当する。電源61は、典型的にはパルス状の直流電流を発生させるように構成されている。電源61は、本実施の形態では、図示は省略するが、電源ユニットと、コンデンサと、トランスと、スイッチ部品とを有している。電源ユニットは、商用交流電源や交流発電機等の交流電源から受電した交流電力を昇圧し整流するものである。コンデンサは、電気エネルギーを蓄電及び放電するものである。トランスは、電源ユニット及びコンデンサから供給される電流を大電流に変換するものである。スイッチ部品は、トランスの上流側に設けられた、典型的にはスイッチング素子等の半導体部品である。電源61は、コンデンサに充電したエネルギーを瞬時に放電することができるように構成されている。このため、電源61を用いた接合では、短時間で大電流を得ることができ、熱影響の少ない接合が可能となっている。また、電源61では、入力電源(交流電源)が比較的小さい容量で足りる。なお、電源61は、コンデンサを用いたコンデンサ式のものに限らず、インバータ式やその他の方式のものであってもよい。電源61は、下電極51及び上電極55に供給する電流の大きさを適宜設定することができるように構成されている。
【0048】
移動装置63は、下電極51及び/又は上電極55を、移動方向Rに移動させる装置である。移動装置63は、本実施の形態では、下電極51及び/又は上電極55を移動方向Rに移動させることを介して、台座13及び/又は切刃11を移動方向Rに移動させることができるようになっている。本実施の形態では、移動方向Rを鉛直方向にしている。したがって、下電極51の載置面52、53は、前述のように仮想鉛直面VFに対して傾いているから、移動方向Rに対しても傾いていることとなる。移動装置63は、本実施の形態では、上電極55を支持していて上電極55を上下に移動させることができるように構成されている。移動装置63は、例えば、上電極55を保持しているブロックを、流体圧(典型的には空気圧又は油圧)で移動させることができるように構成されていてもよい。この構成により、上電極55及び下電極51を、移動方向Rに相対的に移動させることができる。下電極51は、本実施の形態では、静止した台に載置されている。しかしながら、装置構成によっては、上電極55が固定されていて移動装置が下電極51を移動させるように構成されていてもよく、下電極51及び上電極55の双方を移動させるように構成されていてもよい。
【0049】
制御装置65は、チップ製造装置50の動作を制御する装置である。制御装置65は、電源61と有線又は無線で接続されており、下電極51及び上電極55への電流の供給の有無及び供給する電流の大きさを制御することができるよう構成されている。また、制御装置61は、移動装置63と有線又は無線で接続されており、上電極55を上下に移動させることができるように構成されている。また、制御装置65には、後述するチップ10の製造方法を実行するプログラムが内蔵されている。
【0050】
次に図6を参照して、チップ10の製造方法を説明する。図6は、チップ10の製造の手順を示すフローチャートである。以下に説明するチップ10の製造方法は、上述したチップ製造装置50で行われることとする。つまり、以下の説明は、チップ製造装置50の作用の説明を兼ねている。以下のチップ10の製法の説明において、チップ10、切刃11、台座13、及びチップ製造装置50の構成に言及しているときは、適宜図1図5を参照することとする。
【0051】
チップ10の製造開始に先立って、下電極51を作業台に配置しておく。チップ10の製造を開始したら、まず、下電極51に台座13を配置する(S1)。下電極51への台座13の配置は、台座13の窪み14が上部手前(上部で載置面52から遠い側)に来るようにして、台座13を載置面52、53に載置することで行われる。なお、配置は供給の一形態である。また、台座13を載置面52、53に載置した後、固定具59を下電極51に取り付けることで、台座13を下電極51に固定するとよい。下電極51に設置された台座13は、窪み14の第1の面15及び第2の面25が共に水平でも鉛直でもなく、第1の面15と第2の面25との交線が窪み14の最下部に位置するようになっている。また、第1の突起17及び第2の突起27それぞれの内側の傾斜は、外側の傾斜よりも緩やかなので、台座13が下電極51に配置されたときに、移動方向Rに対して外側の傾斜よりも平行に近くなっている(移動方向Rとの角度が小さくなっている)。
【0052】
次に、下電極51に配置された台座13の窪み14に、切刃11を配置する(S2)。このとき、本製法では切刃11を台座13にろう付けすることを予定していないので、接合面にフラックスを塗布する等の事前処理を行う必要が無い。また、下電極51に配置された台座13の窪み14は、第1の面15と第2の面25との交線が窪み14の最下部に位置するようになっているので、切刃11を窪み14に載置するだけで、切刃11を窪み14に配置することができる。なお、台座13は、第1の突起17及び第2の突起27が、それぞれ、第1の接触面16及び第2の接触面26よりも突き出ているので、切刃11は主に第1の突起17及び第2の突起27に支えられることとなる。切刃11を窪み14に配置したら、その切刃11に対して、上電極55をセットする(S3)。このとき、上電極55の第1接触部56と第2接触部57とが切刃11に接するように、上電極55をセットする。上電極55の上には、移動装置63が配置されている。
【0053】
下電極51と上電極55との間に台座13及び切刃11を配置したら、移動装置63を移動方向Rに移動させて、台座13に対する切刃11の加圧を開始する(S4)。このとき、本実施の形態では、移動方向Rが鉛直方向である一方で、窪み14の第1の面15及び第2の面25並びに上電極55の第1接触部56及び第2接触部57の平坦面が水平面及び鉛直面に対して傾いている。このため、上電極55から切刃11に対して鉛直方向(移動方向R)に印加された力(加圧力)が、第1の面15及び第2の面25に直角な分力として、第1の面15及び第2の面25に作用することとなる。したがって、上電極55を移動方向Rに移動させるだけで、切刃11を第1の面15及び第2の面25の両面に向けて加圧することができる。移動装置63の移動は、本実施の形態では、装置の操作者からの指令(入力)に基づいて、制御装置65が行う。このような加圧が行われているときに、制御装置65は、下電極51及び上電極55が接続された電源61のスイッチを適宜入れて、下電極51と上電極55との間に台座13及び切刃11を介して電流を流す(通電工程:S5)。切刃11によって第1の突起17及び第2の突起27それぞれの先端に圧力をかけた状態で電流を流すことにより、切刃11と第1の突起17との間及び切刃11と第2の突起27との間に加圧力と電流とが集中する。そして、この加圧力と電流とが集中した部分が、ジュール熱によって、本実施の形態では、溶融はしないが軟化して、塑性変形する。本実施の形態では、切刃11よりも面積が小さい第1の突起17及び第2の突起27に加圧力が集中するため、第1の突起17及び第2の突起27がより軟化して塑性変形する。第1の突起17及び第2の突起27は、塑性変形しながら切刃11との接触部分が徐々に拡大していって、接合面に原子の拡散が生じて接合が達成される。このように、本実施の形態では、切刃11と台座13との接触部分は、固相接合が行われる。なお、通電は、典型的には、制御装置65により、1又は複数のパルス状の電流が状況に応じて連続して又は間欠的に流されることで行われる。
【0054】
切刃11及び台座13を加圧しながら適宜通電し、切刃11が第1の接触面16全体及び第2の接触面26全体に接触したら、制御装置65は、移動装置63を移動方向Rに動かすことを止める。これにより、台座13に対する切刃11の加圧が終了する(S6)。なお、台座13に対する切刃11の加圧を開始する工程(S4)から、台座13に対する切刃11の加圧を終了する工程(S6)までが、加圧工程に相当する。台座13に対する切刃11の加圧が終了するまでに、軟化して塑性変形した第1の突起17及び第2の突起27は、それぞれ第1の溝18及び第2の溝28に流れ込んで収容される。加圧工程が終了したら、上電極55を退避させ、製造されたチップ10を取り出す(S7)。このようにして、チップ10が製造される。1つのチップ10の製造が完了した後にチップ10の製造を継続する場合は、上述のフローを繰り返せばよい。
【0055】
以上で説明したように、本実施の形態によれば、台座13の窪み14の第1の面15及び第2の面25のそれぞれに、第1の突起17及び第2の突起27が設けられている。このため、切刃11で第1の突起17及び第2の突起27を加圧しながら電流を流すことで、圧接を行うことが可能になり、ろう付けを行わずに切刃11と台座13とを直接接合することができる。また、下電極51の載置面52、53が移動方向Rに対して傾いているので、切刃11と台座13とを移動方向Rに加圧するだけで、切刃11を第1の面15及び第2の面25に向けて加圧することができる。また、上電極55が、第1接触部56及び第2接触部57を有しているので、切刃11を第1の面15及び第2の面25に向けて適切に押圧することができる。また、加圧工程及び通電工程が制御装置65によって制御されるので、チップ10の製造工程の一部を自動化することができる。また、直接接合されて製造されたチップ10は、台座13の第1の接触面16及び第2の接触面26に切刃11が接触しているので、切削加工時に、第1の接触面16及び第2の接触面26で切削負荷を受けることができる。また、切刃11と台座13とを直接接合してチップ10を製造することで、チップ製造装置50を利用した製造が可能になり、ろう付けのような熟練の技術を必要とせず、製造サイクルの長期化を抑制することができる。
【0056】
次に図7を参照して、別の実施の形態に係るチップ製造装置250を説明する。図7は、チップ製造装置250の概略構成を示す断面図である。チップ製造装置250は、下電極251と、上電極255と、電源61と、第1の移動装置263と、第2の移動装置264と、制御装置65とを備えている。チップ製造装置250は、移動装置を2つに分けて、切刃11を第1の面15の方に移動させる第1の移動装置263と、第2の面25の方に移動させる第2の移動装置264と、を有している点が、チップ製造装置50(図4参照)との大きな相違点となっている。また、チップ製造装置250の下電極251及び上電極255の形状が、チップ製造装置50(図4参照)の下電極51及び上電極55とは異なっている。他方、チップ製造装置250の電源61及び制御装置65は、チップ製造装置50(図4参照)のそれらと同様である。
【0057】
下電極251は、上面に、台座13が接触する載置面252が形成されている。載置面252は、典型的には台座13の平面形状を包含する大きさに形成されている。載置面252は、典型的には平坦に形成されている。下電極251は、載置面252が水平になるように設けられている。上電極255は、本実施の形態では、下電極251に載置された台座13の第2の面25に対向する位置に配置されている。換言すれば、上電極255は、第2の面25との間に切刃11を挟む位置に配置されている。上電極255は、本実施の形態では、第2の面25に対向する位置から、台座13の表面(下電極251とは反対側の面)よりも下電極251の反対側に延びている。上電極255は、第2の面25に対向する面に、切刃11に接触する接触部256が形成されている。接触部256の面は、切刃11の三角柱の3つの側面のうち、第2の面25に対向する側面以外の2つの側面に接するように、断面V字状に形成されている。上電極255は、接触部256の反対側(裏側)の面は、典型的には、台座13が下電極251に載置された状態のときの第2の面25に平行な平坦に形成されている。
【0058】
第1の移動装置263は、切刃11を、台座13の窪み14の第1の面15に向けて移動させる装置である。第1の移動装置263は、本実施の形態ではエアシリンダが用いられているが、作動流体は空気に限らず油圧であってもよく、あるいは流体圧シリンダ以外の電動で切刃11を移動させることができるものであってもよい。第1の移動装置263は、エアシリンダのロッドが、第1の面15に対して垂直方向に接近及び離れることができるように構成されている。したがって、第1の面15に垂直で(第1の面15の垂線上で)第1の面15に向かう方向が、第1の移動装置263における移動方向(以下「第1の移動方向R1」という。)となる。第1の移動装置263は、エアシリンダのロッドの先端が、切刃11の端面の三角形の図心に接するように配置されていると、切刃11を第1の面15に安定して押圧することができて、好ましい。第1の移動装置263は、制御装置65からの指令によって作動するように構成されている。
【0059】
第2の移動装置264は、切刃11を、台座13の窪み14の第2の面25に向けて移動させる装置である。第2の移動装置264は、第1の移動装置263と同様に、本実施の形態ではエアシリンダが用いられているが、油圧シリンダであってもよく、電力で作動するものであってもよい。第2の移動装置264は、エアシリンダのロッドが、第2の面25に対して垂直方向に接近及び離れることができるように構成されている。したがって、第2の面25に垂直で(第2の面25の垂線上で)第2の面25に向かう方向が、第2の移動装置264における移動方向(以下「第2の移動方向R2」という。)となる。本実施の形態では、第2の移動方向R2が、第1の移動方向R1に直交している。第2の移動装置264は、エアシリンダのロッドの先端が、台座13が下電極251に載置されたときの第2の面25の図心を通って第2の移動方向R2に延ばした仮想直線上で上電極255に接するように配置されていることが好ましい。このように配置されていると、切刃11を第2の面25に安定して押圧することができる。第2の移動装置264は、制御装置65からの指令によって作動するように構成されている。
【0060】
制御装置65は、前述のように、チップ製造装置50(図4参照)の制御装置65と同様に構成されているが、以下の点に留意する。チップ製造装置250では、チップ製造装置50(図4参照)で移動装置63を作動させるタイミングにおいて、第1の移動装置263による第1の移動方向R1への移動と第2の移動装置264による第2の移動方向R2への移動とを同時に行うようになっている。
【0061】
上述のように構成されたチップ製造装置250でチップ10(図3参照)を製造する手順は、概ねチップ製造装置50(図4参照)を用いる場合と同様である。したがって、図6のフローチャートを、チップ製造装置250を用いる場合にも適用することができる。その上で、チップ製造装置50(図4参照)を用いる場合と比較した細部の相違点について以下に言及する。チップ製造装置250を用いる場合は、下電極251に台座13を配置する工程(S1)において、窪み14が第1の移動装置263及び第2の移動装置264に近接する位置に来るようにして、台座13を載置面252に載置する。このとき、台座13の窪み14の第1の面15は水平に広がり、第2の面25は鉛直に広がっている。本実施の形態では、水平の載置面252に台座13を載置するので、台座13の配置を簡便に行うことができる。台座13の窪み14に切刃11を配置する工程(S2)においては、上述の台座13の配置によって第1の面15が最下部に位置するようになっているので、切刃11は第1の面15に載置されることとなる。上電極255をセットする工程(S3)においては、上電極255の接触部256が、切刃11の三角柱状の2つの側面に接するようにする。上電極255を切刃11の側面に接触させることで、切刃11の上側の端面が通電しにくい物質で構成されている場合であっても、側面から切刃11に電流を流すことができる。
【0062】
加圧を開始する工程(S4)においては、制御装置65は、第1の移動装置263による第1の移動方向R1への移動と第2の移動装置264による第2の移動方向R2への移動とを同時に行う。これにより、第1の移動装置263から切刃11に第1の移動方向R1の押圧力が作用し、第2の移動装置264から上電極255を介して切刃11に第2の移動方向R2の押圧力が作用することとなる。通電工程(S5)においては、下電極251と上電極255との間に台座13及び切刃11を介して電流を流すと、上電極255から下電極251へと電流が流れる場合は以下のようになる。上電極255からの電流は、切刃11の三角柱状の2つの側面から切刃11に入る。切刃11に入った電流は第1の面15及び第2の面25の両面を通って台座13に入る。台座13に入った電流は、載置面252から下電極251に至る。このように電流が流れることで、第1の移動方向R1及び第2の移動方向R2へ押圧された切刃11は、台座13の第1の面15及び第2の面25の双方に直接接合する。加圧を終了する工程(S6)においては、制御装置65は、第1の移動装置263による第1の移動方向R1への押圧の解除と第2の移動装置264による第2の移動方向R2への押圧の解除とを同時に行う。製造されたチップ10の取り出し(S7)は、チップ製造装置50(図4参照)を用いる場合と同様である。
【0063】
上述のように、チップ製造装置250を用いてチップ10を製造した場合は、台座13及び切刃11を斜めに配置しなくて済み、台座13の窪み14の第1の面15及び第2の面25を水平面及び鉛直面にすることができる。このため、汎用ロボットの動作方向に馴染むこととなり、チップ製造装置250への材料(台座13及び切刃11)の出し入れを円滑に行うことができ、量産化を促進することができる。
【0064】
なお、上述のチップ製造装置250の説明では、上電極255が、切刃11の三角柱状の側面に接触して第2の移動装置264によって押圧される構成であるとした。しかしながら、上電極255は、切刃11の三角柱状の上端面に接触して第1の移動装置263によって押圧される構成であることとしてもよい。
【0065】
以上の説明では、切刃11を形成する超硬合金が、主として、タングステンカーバイドにコバルトが含有した合金(WC-Co)であるとしたが、コバルトに代えて又はコバルトと共に鉄やニッケルなどの鉄系金属を用いる場合もあり得る。また、切刃11の材質として超硬合金が用いられているとしたが、切刃11は、全体を同種の超硬合金で形成する場合のほか、一部をCBN(立方晶窒化ボロン)やPCD(多結晶ダイヤモンド焼結体)等で形成してもよい。
【0066】
以上の説明では、切刃11と台座13とが直接接合した部分が固相接合であることとした。しかしながら、台座13の特性(材質や形状など)によっては、溶融して接合されたものであってもよい。
【0067】
以上の説明では、切刃11と台座13とを接合する際に加圧力が集中する突起17、27が台座13に形成されていることとしたが、台座13に代えて、又は台座13と共に、切刃11の方に形成されていてもよい。また、突起17、27が軟化し塑性変形したものが流入する溝18、28が台座13に形成されていることとしたが、台座13に代えて、又は台座13と共に、切刃11の方に形成されていてもよい。
【0068】
以上の説明では、第1の突起17及び第2の突起27の傾斜が、内側の方が緩やかで外側の方が急になっていることとしたが、図8の変形例に係る台座13Aに示すように、内側及び外側の傾斜が同程度の傾きであってもよい。
【0069】
以上の説明では、本実施の形態に係る、切削工具用チップ、台座、チップ製造装置、及びチップの製造方法を、一例として各図を用いて説明した。当該説明における各部の構成、構造、数、配置、形状、材質などに関しては、上記具体例に限定されず、当業者が適宜選択的に採用したものも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0070】
10 チップ
11 切刃
13 台座
14 窪み
15 第1の面
16 第1の接触面
17 第1の突起
18 第1の溝
25 第2の面
26 第2の接触面
27 第2の突起
28 第2の溝
50 チップ製造装置
51 下電極(第1の電極)
52、53 載置面
55 上電極(第2の電極)
56 第1接触部(第1の接触部分)
57 第2接触部(第2の接触部分)
61 電源(電流発生器)
63 移動装置
65 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
切削工具に用いられる、台座に切刃が接合されたチップを、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のチップ製造装置を用いて製造する方法であって、
前記切刃が取り付けられる窪みが形成されている前記台座を、前記第1の電極に供給する工程と、
前記切刃を前記窪みに供給する工程と、
前記窪みに供給された前記切刃に、前記第2の電極を接触させる工程と、
前記移動装置によって、前記切刃を前記台座に対して加圧する工程と、
前記切刃を前記台座に対して加圧している最中に、前記切刃と前記台座とにまたがって、前記電流発生器で発生させた電流を流す工程と、を備える、
チップの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項8】
切削加工の際に切削対象物を切削する切刃と、
前記切刃が取り付けられた窪みが形成されている台座と、を備え、
前記窪みに取り付けられた前記切刃と前記台座とが直接接合されており
前記窪みは、所定の角度をなして隣接する第1の面と第2の面とを有し、
前記第1の面は、前記切刃と直接接合されている部分に隣接する部分に、第1の溝が形成されている、
切削工具用チップ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項9】
前記第2の面は、前記切刃と直接接合されている部分に隣接する部分に、第2の溝が形成されている、
請求項8に記載の切削工具用チップ。