2023-101851 椅子

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023101851

(43)【公開日】2023-07-24

(54)【発明の名称】椅子

(51)【国際特許分類】

   A47C 7/44 20060101AFI20230714BHJP

【ＦＩ】

A47C7/44

【審査請求】未請求

【請求項の数】8

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022002038

(22)【出願日】2022-01-11

(71)【出願人】

【識別番号】000152228

【氏名又は名称】株式会社内田洋行

(71)【出願人】

【識別番号】000114385

【氏名又は名称】株式会社クオリ

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(72)【発明者】

【氏名】本間 茂樹

(72)【発明者】

【氏名】山▲崎▼ 悟

(72)【発明者】

【氏名】本田 佳之

(72)【発明者】

【氏名】長坂 典明

【テーマコード（参考）】

3B084

【Ｆターム（参考）】

3B084GA03

3B084GA05

(57)【要約】

【課題】背凭れ構造体からの異音発生を抑制できる椅子を提供する。
【解決手段】椅子の背凭れ構造体は、座部構造体と接続される背凭れ支持体３１と、背凭れ支持体３１に支持される背凭れ本体３２と、背凭れ支持体３１に背凭れ本体３２を取り付ける第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂと、を備え、取付機構４８ａ，４８ｂは、取付ボス６１と、受け部６２と、取付ボス６１が挿入されるファスナ６３と、を備える。背凭れ本体３２が取付ボス６１を備え、背凭れ支持体３１が受け部６２を備え、ファスナ６３は、取付ボス６１および受け部６２とは異なる樹脂材料の成形体で構成されている。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

背凭れ構造体を備える椅子であって、
前記背凭れ構造体は、座部構造体と接続される背凭れ支持体と、
前記背凭れ支持体に支持される背凭れ本体と、
前記背凭れ支持体に前記背凭れ本体を取り付ける取付機構と、を備え、
前記取付機構は、取付ボスと、受け部と、前記受け部に挿入されるとともに前記取付ボスが挿入されるファスナと、を備え、
前記背凭れ本体および前記背凭れ支持体のうちの何れか一方が前記取付ボスを備え、他方が前記受け部を備え、
前記ファスナは、前記取付ボスおよび前記受け部とは異なる樹脂材料の成形体である
椅子。

【請求項2】

前記取付ボスおよび前記ファスナの何れか一方が第１被係合部を備え、他方が前記第１被係合部に係合する第１弾性係合片を備える
請求項１に記載の椅子。

【請求項3】

前記受け部および前記ファスナの何れか一方が第２被係合部を備え、他方が前記第２被係合部に係合される第２弾性係合片を備える
請求項１または２に記載の椅子。

【請求項4】

前記第２弾性係合片は、前記ファスナが備え、前記第２被係合部は、前記受け部が備え、
前記ファスナが前記受け部に固定され、かつ、前記取付ボスが前記ファスナに挿入された状態において、前記取付ボスは、前記第２弾性係合片が前記第２被係合部に対する係合が外れる方向への変位を規制する
請求項３に記載の椅子。

【請求項5】

前記背凭れ支持体は、下部から上方に延びる支柱部と、前記支柱部の上側に位置する上支持部と、を備え、
前記受け部は、前記背凭れ支持体が備え、
前記取付ボスは、前記背凭れ本体が備え、
前記受け部は、前記支柱部と前記上支持部との接続部分に設けられている
請求項１ないし４のうち何れか１項に記載の椅子。

【請求項6】

前記支柱部は、柔軟性を有し、
前記背凭れ本体は、前記背凭れ支持体の下部において揺動可能に支持されている
請求項５に記載の椅子。

【請求項7】

前記ファスナは、支点を挟んで前記第１弾性係合片の先端とは反対側に延びる延長片を備え、
前記受け部は、前記延長片を外部に露出させる操作口を備える
請求項２に記載の椅子。

【請求項8】

前記受け部は、開口を備え、前記開口の開口端が前記第２被係合部である
請求項４に記載の椅子。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、背凭れを備えた椅子に関する。

【背景技術】

【0002】

背凭れを備えた椅子には、特許文献１などに記載されているように、背凭れ構造体として、着座者の背部の荷重を受け止める背受体と、背受体の裏面側に配置されて背受体を支持する背受支持体と、を備えたものがある。背受体は背凭れ本体を構成し、背受支持体は、背凭れ支持体を構成する。このような椅子では、背受体が背受支持体に対して固定されている。具体的に、特許文献１では、背受支持体が挿入孔を備え、背受体が係合突起を備えている。背受体を背受支持体に固定するには、係合突起を挿入口に挿入して係止状態とし、係合突起の挿入口からの抜けが規制された状態とする。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特許第６３１２２９６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ところで、背受体の背受支持体の第２被係合部分は、背受体に荷重が加わると、挿入孔の構成壁と係合突起とが直接強く接触して擦れることで異音が発生してしまうことがある。この種の椅子では、使用時におけるこのような異音発生の抑制が望まれる。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記課題を解決する椅子は、背凭れ構造体を備える椅子であって、前記背凭れ構造体は、座部構造体と接続される背凭れ支持体と、前記背凭れ支持体に支持される背凭れ本体と、前記背凭れ支持体に前記背凭れ本体を取り付ける取付機構と、を備え、前記取付機構は、取付ボスと、受け部と、前記受け部に挿入されるとともに前記取付ボスが挿入されるファスナと、を備え、前記背凭れ本体および前記背凭れ支持体のうちの何れか一方が前記取付ボスを備え、他方が前記受け部を備え、前記ファスナは、前記取付ボスおよび前記受け部とは異なる樹脂材料の成形体である。

【0006】

上記構成によれば、取付ボスと受け部との間に、取付ボスおよび受け部とは異なる樹脂材料の成形体であるファスナが介在することで、背凭れ支持体に対して背凭れ本体を通じて荷重が加わった際にも、異音が発生することを抑制できる。

【0007】

上記椅子において、前記取付ボスおよび前記ファスナの何れか一方が第１被係合部を備え、他方が前記第１被係合部に係合する第１弾性係合片を備える構成としてもよい。上記構成によれば、第１被係合部に第１弾性係合片を係合させるだけで、取付ボスに対してファスナを容易に係合させることができる。

【0008】

上記椅子において、前記受け部および前記ファスナの何れか一方が第２被係合部を備え、他方が前記第２被係合部に係合される第２弾性係合片を備える構成としてもよい。上記構成によれば、第２被係合部に第２弾性係合片を係合させるだけで、受け部に対してファスナを容易に係合させることができる。

【0009】

上記椅子において、前記第２弾性係合片は、前記ファスナが備え、前記第２被係合部は、前記受け部が備え、前記ファスナが前記受け部に固定され、かつ、前記取付ボスが前記ファスナに挿入された状態において、前記取付ボスは、前記第２弾性係合片が前記第２被係合部に対する係合が外れる方向への変位を規制する構成としてもよい。

【0010】

上記構成によれば、背凭れ支持体に背凭れ本体が取り付けられた状態において、取付ボスは、第２弾性係合片の第２被係合部に対する係合が外れる方向への変位を規制する。これにより、ファスナが受け部から外れにくくなる。

【0011】

上記椅子において、前記背凭れ支持体は、下部から上方に延びる支柱部と、前記支柱部の上側に位置する上支持部と、を備え、前記受け部は、前記背凭れ支持体が備え、前記取付ボスは、前記背凭れ本体が備え、前記受け部は、前記支柱部と前記上支持部との接続部分に設けられている構成としてもよい。上記構成によれば、背凭れ支持体に対して背凭れ本体を、背凭れ支持体のなかで相対的に強度の高い部分で支持することができる。

【0012】

上記椅子において、前記支柱部は、柔軟性を有し、前記背凭れ本体は、前記背凭れ支持体の下部において揺動可能に支持されている構成としてもよい。上記構成によれば、背凭れ本体が背凭れ支持体の下部において揺動可能であっても上部の取付機構での異音の発生を抑えることができる。

【0013】

上記椅子において、前記ファスナは、支点を挟んで前記第１弾性係合片の先端とは反対側に延びる延長片を備え、前記受け部は、前記延長片を外部に露出させる操作口を備える構成としてもよい。上記構成によれば、操作口を通じて延長片を撓ませることで、第１弾性係合片と第１被係合部との係合を解除することができる。これにより、取付ボスを受け部から取り外し可能となる。

【0014】

上記椅子において、前記受け部は、開口を備え、前記開口の開口端が前記第２被係合部である構成としてもよい。上記構成において、操作口が設けられていない場合、開口を通じてファスナを破壊し、取付ボスを受け部から取り外すことができる。また、操作口がある場合は、取付ボスをファスナから取り外してから、開口を通じて第２被係合部と第２弾性係合片との係合を解除して、受け部からファスナを取り外すことができる。

【発明の効果】

【0015】

本発明によれば、使用時における背凭れ構造体からの異音発生を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】椅子を正面側から見た斜視図である。

【図2】図１に示す椅子の後面図である。

【図3】図１に示す椅子の側面図である。

【図4】図１に示す椅子の背凭れ構造体を後面側から見た斜視図である。

【図5】図１に示す椅子における背凭れ本体を背凭れ支持体に固定する固定機構を前方から見た分解斜視図である。

【図6】図５に示す固定機構において、ファスナと受け部との関係を後方から見た分解斜視図である。

【図7】受け部にファスナを取り付けた状態の平面図である。

【図8】図７の８－８断面図である。

【図9】図７の９－９断面図である。

【図10】図５に示す固定機構において、ファスナと取付ボスとの関係を前方から見た分解斜視図である。

【図11】図５に示す固定機構において、ファスナと取付ボスとの関係を示す断面図である。

【図12】着座した利用者が胴体を左右方向に傾けたときの背凭れ構造体の状態を示す後面図である。

【図13】図５に示す固定機構において、受け部を下側から見た斜視図である。

【図14】図５に示す固定機構において、受け部からファスナを取り外す状態を示す断面図である。

【図15】図５に示す固定機構において、ファスナを受け部から取り外す状態を正面側からみた斜視図である。

【図16】図５に示す固定機構において、ファスナを受け部から取り外す状態の断面図である。

【図17】固定機構の変形例であって、取付ボスおよびファスナを取り外し不能とした固定機構を後面側から見た斜視図である。

【図18】図１７に示す固定機構に用いるファスナの斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、図１～図１６を用いて、椅子を具体化した一実施形態を説明する。
（椅子の全体構成）
図１および図２に示すように、椅子１は、脚部材１１と、座部構造体１２と、背凭れ構造体１３と、を備えている。本実施形態では、椅子１は、座部構造体１２の座部２２が着座可能に開放されている。この開放された側が前側、座部構造体１２の背凭れ構造体１３の位置する側が後側である。また、本実施形態では、座部構造体１２を前側から見て左右方向が右側および左側であり、脚部材１１に対する座部側が上側、座部２２に対する脚部材１１側が下側である。

【0018】

脚部材１１は、キャスタ付の脚部材である。脚部材１１は、脚柱１１ａを備えている。脚柱１１ａの下端には、放射状に脚部１１ｂが延びている。脚部１１ｂの先端にはキャスタ１１ｃが取り付けられている。脚柱１１ａは、ガススプリングが内蔵されている。このガススプリングは、座部構造体１２が備える第１操作レバー１６の操作に応じて、受台２１の高さ調整を行う。また、第１操作レバー１６の近くには、第２操作レバー１７を備えている。第２操作レバー１７は、リクライニング時の背凭れ反力を調節するためのつまみを備えている。

【0019】

座部構造体１２は、受台２１と、座部２２と、を備えている。受台２１の上部には、座部２２が取り付けられている。この座部２２は、座板の上にウレタンフォーム等のクッション材が積層され、布等によって被覆されて構成されている。

【0020】

（背凭れ構造体）
図２および図３に示すように、背凭れ構造体１３は、前後方向から見て左右対称の形状をしている。背凭れ構造体１３は、背凭れ支持体３１と、背凭れ本体３２と、を備えている。背凭れ本体３２は、背受け部材３３を備えている。

【0021】

背凭れ支持体３１は、接続部材３９によって座部構造体１２と接続されている。背凭れ支持体３１は、下支持部４２と、支柱部４３と、上支持部４６と、を備えている。接続部材３９は、座部構造体１２と下支持部４２とを接続する部材であって、受台２１の下側を後側から前側に向って延び、脚柱１１ａの近くまで延びている。接続部材３９は、下支持部４２に対してねじなどの固定部材によって固定される。なお、接続部材３９と下支持部４２とは、一体成形された一連の部材であってもよい。

【0022】

下支持部４２は、座部２２の後側に左右方向に延在されている。下支持部４２の左右に延びる長手方向の長さは、座部２２の後側縁と同程度の長さ若しくは短い。図４に示すように、下支持部４２において、接続部材３９は、脚柱１１ａ側の面であって長手方向の中央部に固定される。また、下支持部４２の後側の面であって長手方向の中央部には、背凭れ本体３２を揺動可能に支持する揺動支持機構４５が構成されている。揺動支持機構４５は、接続部材３９の接続部分とは反対側の位置に構成されている。

【0023】

支柱部４３は、一対の第１支柱部４３ａおよび第２支柱部４３ｂと、を備えている。一対の支柱部４３ａ，４３ｂは、下支持部４２から上方に向ってなだらかに曲がりながら延びている。具体的に、一対の支柱部４３ａ，４３ｂは、下から、斜め後側に、互いの間隔が開き、そして上方に延びる（第１間隔Ｃ１）。次いで、一対の支柱部４３ａ，４３ｂは、前側に向って互いの間隔が狭まりながら上方に延びる（第２間隔Ｃ２）。その後、一対の支柱部４３ａ，４３ｂは、ほぼ同じ間隔で上方に延びる（第３間隔Ｃ３）。その後、一対の支柱部４３ａ，４３ｂは、左右方向に開き、上支持部４６を構成する。すなわち、第１間隔Ｃ１を構成する部分では、斜め後側に互いの間隔が開くように膨らむ第１湾曲部４７ａが構成される。第２間隔Ｃ２を構成する部分では、前側に向って膨らむ第２湾曲部４７ｂが構成されている。一対の支柱部４３ａ，４３ｂは、第１湾曲部４７ａから第２湾曲部４７ｂにかけて互いに近づく方向に湾曲することで、その間隔が下側の第１間隔Ｃ１よりも上側の第２間隔Ｃ２で狭まる。これにより、第２湾曲部４７ｂより上側は、第１湾曲部４７ａに対して狭幅部となる。

【0024】

上支持部４６は、第１支柱部４３ａおよび第２支柱部４３ｂの各上端を繋ぐとともに、左右方向の外側に向って突出している。すなわち、上支持部４６は、第１支柱部４３ａの上端と第２支柱部４３ｂの上端とを繋ぐ連結部４６ａと、第１支柱部４３ａの上端から一方向に延びる第１延長部４６ｂと、第２支柱部４３ｂの上端から他方向に延びる第２延長部４６ｃと、を備えている。

【0025】

連結部４６ａには、ヘッドレスト、ジャケットハンガーなどの付属部品を取り付けるための部品取付部が構成されている。部品取付部は、連結部４６ａに設けられた部品取付凹部を、別部品のキャップ４１で閉塞して構成されている。部品取付凹部は、その開口端が後方を向いており、前方から見えにくい場所に設けられている。部品取付凹部は、付属部品を固定するねじ孔などが設けられている。付属部品を取り付けるときには、キャップ４１が取り外され、部品取付凹部に対して付属部品が固定される。

【0026】

連結部４６ａと支柱部４３ａとがなす内側コーナ部である接続部分４９ａには、背凭れ本体３２を固定支持する第１取付機構４８ａが設けられている。連結部４６ａと支柱部４３ｂとがなす内側コーナ部である接続部分４９ｂには、背凭れ本体３２を固定支持する第２取付機構４８ｂが設けられている。

【0027】

背凭れ本体３２は、一例として環状枠形状を有している。背凭れ本体３２は、上固定部５１と、下接続支持部５２と、上固定部５１の左右両側と下接続支持部５２の左右両側とを繋ぐ第１縦枠部５３ａおよび第２縦枠部５３ｂと、を備えている。上固定部５１は、背凭れ支持体３１の上支持部４６の湾曲に倣う湾曲形状を有している。縦枠部５３ａ，５３ｂは、上固定部５１から下接続支持部５２へ向かって斜め前方に延びている。下接続支持部５２は、Ｕ字形状を有しており、その両側は、上固定部５１の左右両側よりも前側へ突出し、中央部が後方に突出するように湾曲している。そして、下接続支持部５２は、その左右両側が縦枠部５３ａ，５３ｂの下側と繋がっている。湾曲した下接続支持部５２において、最も後方に位置する中央部には、揺動支持機構４５を構成する突片５４が下方に向って突出している。

【0028】

背凭れ本体３２には、背受け部材３３が張架されている（図１参照）。背受け部材３３は、一例として、張り部材である。背受け部材３３は、例えばメッシュ形状であり、上固定部５１、下接続支持部５２、および縦枠部５３ａ，５３ｂに渡って、前方からの荷重を好適に受けられるように張架されている。

【0029】

背凭れ支持体３１も背凭れ本体３２も、例えば、共にガラスファイバをナイロンなどの合成樹脂に含ませた強化プラスチックで構成されているが、背凭れ本体３２は、座り心地を良くするため背凭れ支持体３１よりも柔軟性を有するように構成されている。

【0030】

（揺動支持機構）
揺動支持機構４５は、下支持部４２の中央部において、突片５４を左右方向に揺動可能に支持している。一例として、突片５４には、貫通孔が形成されている。貫通孔には、下支持部４２に設けられた軸部が挿通される。これにより、背凭れ本体３２は、背凭れ支持体３１に対して、上部が第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂによって固定され、下部が揺動支持機構４５によって左右方向に揺動可能に支持されている。

【0031】

（取付機構の構成）
図５に示すように、第１取付機構４８ａは、連結部４６ａと支柱部４３ａとがなす内側コーナ部である第１接続部分４９ａに設けられている。第２取付機構４８ｂは、連結部４６ａと支柱部４３ｂとがなす内側コーナ部である第２接続部分４９ｂに設けられている。連結部４６ａと支柱部４３ａ，４３ｂとの接続部分は、接続強度を高めるべく、支柱部４３ａ，４３ｂの高さ方向の中間部分よりも太く、その容積が大きくなるように構成されている。第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂは、このような高容積で高強度の部分に設けて、背凭れ本体３２を背凭れ支持体３１に対して強固に固定できるようにしている。また、背凭れ本体３２は、背凭れ支持体３１に対して、互いに幅方向に離れた第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂによって安定して取り付けられている。さらに、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂが配置される位置は、通常の使用状態において、支柱部４３ａ，４３ｂおよび上支持部４９の陰に隠れて、見えにくい位置でもあるので、意匠に影響を与えにくい位置である。なお、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂは、同様な構成を有している。

【0032】

取付機構４８ａ，４８ｂは、背凭れ本体３２の上固定部５１に設けられる取付ボス６１と、背凭れ支持体３１に構成される受け部６２と、取付ボス６１と受け部６２との間に介在するファスナ６３と、を備えている。

【0033】

（取付ボスの構成）
取付ボス６１は、上固定部５１において、上支持部４６と対向することになる面から上支持部４６の方向に向かって突出した突出片である。取付ボス６１は、相対する主面の各々に第１被係合部６４を備えている。第１被係合部６４は、凹部で構成されている。また、先端部は、例えば円弧形状を有している。２つの取付ボス６１は、上支持部４６において、長手方向における中央から端部方向に等距離だけ離れた位置に設けられている。また、第１取付機構４８ａの受け部６２および第２取付機構４８ｂの受け部６２の位置に対応した位置に設けられている。

【0034】

（受け部の構成）
図６に示すように、受け部６２は、凹部で構成されており、第１取付機構４８ａに対応する受け部６２は、第１接続部分４９ａに設けられている。また、第２取付機構４８ｂに対応する受け部６２は、第２接続部分４９ｂに設けられている。図６は、第２取付機構４８ｂの状態を示し、後面側から見た要部斜視図である。受け部６２の上面は、突合面６５に設けられる開口端であり、この開口端は、ファスナ６３が挿入されるファスナ挿入口６９を構成している。突合面６５は、上固定部５１が突き当てられることで上固定部５１に覆われる面である。

【0035】

ファスナ挿入口６９は、全体が矩形形状であり、一対の長辺と、一対の短辺と、を備えている。受け部６２において、一対の長辺から深さ方向に延びる壁は、相対する前壁６２ａと背壁６２ｂであり、一対の短辺から深さ方向に延びる壁は、相対する側壁６２ｃ，６２ｄである。さらに、受け部６２は、底面を構成する底壁６２ｅを備えている。受け部６２は、前壁６２ａと背壁６２ｂおよび側壁６２ｃ，６２ｄに囲まれた空間がファスナ挿入空間を構成する。受け部６２は、ファスナ挿入口６９よりも底面を小面積として、ファスナ６３を挿入し易く構成されている。

【0036】

前壁６２ａおよび背壁６２ｂにおいて、その中央位置には、深さ方向に延びる第１溝６６を備えている。また、相対する一対の側壁６２ｃ，６２ｄにおいて、深さ方向における中央位置には、開口６７が設けられている。開口６７は、隣接する前壁６２ａおよび背壁６２ｂの一部も切り欠いて構成されている。開口６７の上側の縁部は、第２被係合部７０である。底壁６２ｅは、ファスナ６３の挿入端が突き当てられる底面を構成し、さらに中央部分には、操作口６８が開口されている。操作口６８からは、ファスナ６３の延長片７４が露出される。操作口６８は、上支持部４６の下側の面に配置される。したがって、操作口６８は、配置位置が、椅子の通常の使用状態において、見えにくい場所となり、意匠への影響が小さいものとなる。

【0037】

（ファスナの構成）
ファスナ６３は、受け部６２に挿入され、さらに、受け部６２に挿入された状態において、取付ボス６１が挿入される。ファスナ６３は、上面に矩形形状を有したボス挿入口７１を備えた樹脂成形体である。一例として、ファスナ６３は、背凭れ支持体３１や背凭れ本体３２の成形樹脂である強化プラスチックよりも低摩擦な樹脂で成形されている。また、軟質な樹脂で成形されている。本実施形態において、ファスナ６３は、一例としてポリアセタール樹脂（ＰＯＭ）で成形されている。

【0038】

図７、図８、および、図９に示すように、ファスナ６３は、ボス挿入口７１の一対の長辺から深さ方向に延びるファスナ前壁７１ａとファスナ背壁７１ｂと、を備えている。また、ファスナ６３は、ボス挿入口７１の一対の短辺から深さ方向に延びるファスナ側壁７１ｃ，７１ｄを備えている。ファスナ６３は、底面が開口されている。ファスナ６３において、ファスナ前壁７１ａとファスナ背壁７１ｂとファスナ側壁７１ｃ，７１ｄに囲まれた空間が取付ボス６１が挿入されるボス挿入空間である。

【0039】

図９に示すように、ファスナ前壁７１ａとファスナ背壁７１ｂには、上下逆Ｕ字形状のスリット７２ａを形成することによって、上下方向に延びる第１弾性係合片７２が設けられている。第１弾性係合片７２は、ファスナ前壁７１ａおよびファスナ背壁７１ｂの下端とスリット７２ａの両端との間の連結部分が支点７２ｂである。第１弾性係合片７２は、上側の端部が先端部であって、先端部の内面に第１係合部７３を備えている。各第１弾性係合片７２が備える第１係合部７３は、ボス挿入空間に突出した突出部で構成されている。各第１係合部７３は、第１被係合部６４に係合可能な突出形状として、円形形状を有しており、取付ボス６１の第１被係合部６４に係合される。一対の第１弾性係合片７２は、取付ボス６１を挟み込むものであり、各第１係合部７３の上部は、上端に向うほど肉薄となるテーパ部７３ａ（図７および図８参照）を備えている。テーパ部７３ａは、相対する第１係合部７３の間に取付ボス６１を進入させ易くするための案内部である。

【0040】

第１弾性係合片７２の位置は、受け部６２の第１溝６６の延在方向に一致している。第１弾性係合片７２は、取付ボス６１が係合されるとき、一時的に支点７２ｂを中心に第１係合部７３が互いに離間する方向、すなわち外側に弾性変位することになるが、第１溝６６は、この際の先端部の逃げとなる。

【0041】

ファスナ前壁７１ａおよびファスナ背壁７１ｂは、第１弾性係合片７２において、支点７２ｂを介して第１係合部７３とは反対側の方向に延びる延長片７４を備えている。延長片７４は、ファスナ前壁７１ａおよびファスナ背壁７１ｂの下端よりも更に先まで延びており、受け部６２に取り付けられたときには、操作口６８から露出する。支点７２ｂを中心に延長片７４が互いに近接する方向に弾性変位されると、第１係合部７３は、互いに離間する方向に変位し、第１係合部７３と第１被係合部６４の係合が外れる。

【0042】

図９に示すように、一対のファスナ側壁７１ｃ，７１ｄには、Ｕ字形状のスリットを形成することによって、上下方向に延びる第２弾性係合片７５が設けられている。第２弾性係合片７５は、ボス挿入口７１に近い上側を支点とし、下側先端部に、外側に向って第２係合部７６が設けられている。第２係合部７６は、上側の面がファスナ６３の受け部６２への挿入方向に対して垂直な平坦面であり、開口６７の開口端である第２被係合部７０に係合する。

【0043】

（背凭れ構造体の組立方法）
最初に、背凭れ本体３２が組み立てられる。すなわち、上固定部５１と、下接続支持部５２と、第１縦枠部５３ａおよび第２縦枠部５３ｂに対して背受け部材３３が取り付けられる。次いで、背凭れ本体３２は、上側が第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂを介して背凭れ支持体３１に対して取り付けられる。

【0044】

具体的に、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂは、取付ボス６１、受け部６２、および、ファスナ６３で構成されているところ、受け部６２には、まず、ファスナ６３が取り付けられ、次いで、取付ボス６１が取り付けられる。

【0045】

図７ないし図９に示すように、受け部６２には、第１溝６６に対してファスナ６３の第１弾性係合片７２の位置を合わせる。これと共に、受け部６２には、ファスナ６３がファスナ挿入口６９を通じて挿入される。ファスナ６３は、延長片７４が設けられた底面側がファスナ挿入口６９への挿入端とされる。すると、第２弾性係合片７５が一時的に内側に撓むことで、第２係合部７６が開口６７に入り、第２被係合部７０と係合される。

【0046】

次いで、図１０に示すように、受け部６２にファスナ６３が取り付けられると、次いで、取付ボス６１がファスナ６３のボス挿入口７１を通じて挿入される。すると、図１１に示すように、取付ボス６１の第１被係合部６４には、第１弾性係合片７２が一時的に開くことで第１係合部７３が係合される。第１弾性係合片７２は、第１溝６６の位置と一致していることで、外側に一時的に変位することが許容される。ファスナ６３のボス挿入空間には、取付ボス６１が嵌合する。したがって、第２弾性係合片７５は、取付ボス６１が変位規制壁となって、内側に撓むことが制限される。これにより、ファスナ６３は、受け部６２から脱落できなくなる。

【0047】

以上のように、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂによって、背凭れ本体３２の上側が背凭れ支持体３１に取り付けられると、次いで、揺動支持機構４５によって、背凭れ本体３２の下側が背凭れ支持体３１に取り付けられる。具体的に、背凭れ本体３２の突片５４の貫通孔に下支持部４２に設けられた軸部が挿通される。これにより、背凭れ本体３２は、背凭れ支持体３１に対して、下側が揺動支持機構４５によって左右方向に揺動可能に支持される。

【0048】

その後、背凭れ構造体１３は、座部構造体１２に取り付けられる。なお、背凭れ支持体３１を座部構造体１２に取り付けてから、背凭れ支持体３１に背凭れ本体３２を取り付けるようにしてもよい。

【0049】

（背凭れ構造体の分解方法）
先ず、揺動支持機構４５が分解され、背凭れ本体３２は、下側が背凭れ支持体３１から分離される。その後、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂが分解される。具体的に、図１３に示すように、上支持部４６の下側から外部に臨んだ操作口６８から第１治具が挿入される。そして、図１４に示すように、延長片７４が互いに近接する方向に弾性変位されると、その反対側に位置する第１係合部７３は、互いに離間する方向に変位し、第１係合部７３と第１被係合部６４の係合が外れる。これにより、受け部６２に取り付けられているファスナ６３から取付ボス６１を引き抜くことができる。取付ボス６１が取り外された後は、受け部６２にファスナ６３が残存する。

【0050】

ファスナ６３において、第２弾性係合片７５は、ボス挿入空間から取付ボス６１が無くなることで、内側に変位可能な状態になる。図１５に示すように、第２弾性係合片７５は、開口６７に第２治具を挿入する。すると、第２弾性係合片７５は、内側に変位される。そして、第２係合部７６と第２被係合部７０との係合が外れる。この状態で、ファスナ６３は、受け部６２から取り外すことができる。

【0051】

（椅子の動作説明）
利用者１００が椅子１に着座している場合において、利用者１００が左右方向に胴体を傾ける場合を説明する。図１２に示すように、利用者１００は、骨盤から背骨を左右何れかの方向に湾曲させることになる。脊椎は、全体としてねじる側の半身を縮め、逆側を伸ばすように弓なりになる。このとき、利用者１００は、頭部から動き出し、次いで、胸椎、腰椎、骨盤の順に動く。そして、その傾きは、骨盤の近くの腰椎の周辺の変位量よりも胸椎の周辺の変位量の方が大きくなり、さらに胸椎より上の頭部の変位量の方が更に大きくなる（図１２中矢印Ａ、矢印Ｂ、矢印Ｃ参照）。すなわち、利用者１００の胴体の変位量は、骨盤から頭部に向うほど大きくなる。

【0052】

このような利用者１００の左右方向の動きに対して、背凭れ構造体１３は次のように動作する。背凭れ本体３２は、利用者１００の背中と背受け部材３３を介して接している。利用者１００が左右のいずれか一方に胴体を変位させると、背凭れ本体３２は、揺動支持機構４５によって胴体と同方向に揺動する。このとき、上側で第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂによって背凭れ本体３２と繋がった背凭れ支持体３１の支柱部４３ａ，４３ｂも、同方向に撓む。これにより、背凭れ全体が胴体の傾いた方向に傾くことになる。そして、支柱部４３ａ，４３ｂも、下支持部４２の近く部位の変位量（矢印Ａ）よりも上支持部４６の近くの変位量（矢印Ｂ）の方が大きくなる。すなわち、利用者１００における脊椎の変位の方向と支柱部４３ａ，４３ｂの変位の方向と量がほぼ同じになる。

【0053】

（実施形態の効果）
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
（１）取付ボス６１と受け部６２との間に、取付ボス６１および受け部６２とは異なる樹脂材料として低摩擦の樹脂材料を使用した成形体であるファスナ６３が介在している。これにより、背凭れ支持体３１に対して背凭れ本体３２を通じて荷重が加わった際にも、異音が発生することを抑制できる。

【0054】

なお、本実施形態において、ファスナ６３は、取付ボス６１および受け部６２より低摩擦の樹脂材料で成形されていれば、取付ボス６１および受け部６２より軟質の樹脂材料である必要は必ずしもない。

【0055】

（２）受け部６２および受け部６２に取り付けられたファスナ６３は、取付ボス６１が取り付けられることで、上側が上固定部５１によって塞がれることになる。したがって、通常の使用状態において、利用者１００から見えにくくなる。また、受け部６２は、支柱部４３の陰に隠れる。したがって、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂが外観上目立つことで背凭れ構造体１３の意匠が悪くなることを防ぐことができる。

【0056】

（３）ファスナ６３に取付ボス６１を嵌入して、第１被係合部６４に第１弾性係合片７２を係合させるだけで、取付ボス６１をファスナ６３に容易に係合させることができる。
（４）受け部６２の第２被係合部７０にファスナ６３の第２弾性係合片７５を係合させるだけで、受け部６２に対してファスナ６３を容易に係合させることができる。

【0057】

（５）背凭れ支持体３１に背凭れ本体３２が取り付けられた状態において、取付ボス６１は、第２弾性係合片７５の第２被係合部７０に対する係合が外れる方向への変位を規制する。これにより、ファスナ６３が受け部６２から外れにくくなる。

【0058】

（６）第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂは、背凭れ支持体３１に対して背凭れ本体３２を、背凭れ支持体３１のなかで相対的に強度の高い部分で支持することができる。

【0059】

（７）受け部６２が構成される第１接続部分４９ａ及び第２接続部分４９ｂは、連結部４６ａと支柱部４３ａとがなす内側コーナ部に配置されることで、見えにくい場所に配置されることになる。これに伴い、操作口６８や開口６７も見えにくい場所に配置されることで、意匠への影響を小さくすることができる。

【0060】

（８）利用者１００が左右方向に胴体を傾けた場合、背凭れ構造体１３も同方向に揺動する。具体的に、背受け部材３３が張架された背凭れ本体３２が揺動支持機構４５の位置を中心に背凭れ支持体３１に対して揺動する。これにより、利用者１００の座り心地を向上することができる。そして、背凭れ本体３２が下側で背凭れ支持体３１に対して揺動しても、上側の第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂにおいて異音が発生することを抑制できる。

【0061】

（９）受け部６２の操作口６８を通じて延長片７４を撓ませることで、第１弾性係合片７２と第１被係合部６４との係合を解除することができる。これにより、取付ボス６１を受け部６２から取り外すことができる。

【0062】

（１０）取付ボス６１をファスナ６３から取り外してから、開口６７を通じて第２被係合部７０と第２弾性係合片７５との係合を解除して、受け部６２からファスナ６３を取り外すことができる。

【0063】

（変形例）
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・図１８に示すように、ファスナ６３は、延長片７４を省略する構成としてもよい。この場合、ファスナ６３は、取付ボス６１および受け部６２よりも低摩擦で、かつ、軟質の樹脂材料で成形されている。図１７に示すように、受け部６２からは、操作口６８が省略される。したがって、操作口６８が無くなる分見栄えは向上する。一方で、ファスナ６３は、一度、受け部６２に取り付けられると、第１弾性係合片７２を、第１係合部７３が互いに離間する方向に変位させることができなくなる。

【0064】

その結果、第２弾性係合片７５も、取付ボス６１が変位規制壁となって、内側に撓むことができなくなる。すなわち、この変形例において、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂは、破壊しない限りは分解不能となる。

【0065】

修理時などに、破壊することで取付ボス６１と受け部６２とを分離する場合は、一例として、開口６７から治具を挿入して、ファスナ６３などを破壊し、取付ボス６１を受け部６２から取り外すことになる。そして、破壊されたファスナ６３を取り除き、その後、新規なファスナ６３を使って、取付ボス６１を受け部６２に取り付けることになる。受け部６２や取付ボス６１は、ファスナ６３よりも硬い樹脂材料で成形されている。したがって、ファスナ６３だけを容易に破壊することができる。

【0066】

・第２被係合部７０は、開口６７の開口端に構成するのではなく、ファスナ側壁７１ｃ，７１ｄに、ファスナ挿入空間の方向に突出する突起などで構成してもよい。
・支柱部４３は、１本であってもよいし、３本以上であってもよい。支柱部４３が有する柔軟性は、材料によって調整してもよいし、太さなど形状によって調整してもよいし、これらの組み合わせで調整してもよい。

【0067】

・椅子１は、揺動支持機構４５を備えていなくてもよい。すなわち、椅子１は、上側も下側も、背凭れ本体３２が背凭れ支持体３１に揺動しないように取り付けられていてもよい。

【0068】

・第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂが配置される位置は、第１接続部分４９ａおよび第２接続部分４９ｂ以外の場所に設けてもよい。一例として、第１延長部４６ｂの位置に第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂを設けてもよい。また、連結部４６ａの位置に設けてもよい。２か所に第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂを設ける場合は、背凭れ支持体３１に対して背凭れ本体３２を安定して支持するため、近接して設けるよりも離れた位置に設けることが好ましい。第１接続部分４９ａおよび第２接続部分４９ｂは、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂをできるだけ離した位置であり、かつ、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂを設けるだけの容積と強度を有した位置である。

【0069】

・取付ボス６１は、ファスナ６３に挿入されたとき、第２弾性係合片７５のボス挿入空間の方向への変位を規制する構成を有していなくてもよい。この場合、取付ボス６１に対してファスナ６３が取り付けられた状態で、第２弾性係合片７５をボス挿入空間の方向に撓ませて、ファスナ６３を受け部６２から取り外すことが可能となる。

【0070】

・第２被係合部７０は、ファスナ６３の例えばファスナ側壁７１ｃ，７１ｄの外面に突設されていてもよい。この場合、第２弾性係合片７５は、受け部６２の側壁６２ｃ，６２ｄに設けられることになる。

【0071】

・第１被係合部６４は、ファスナ６３に設けてもよい。この場合、第１弾性係合片７２は、取付ボス６１側に設けられることになる。
・第２係合部７６および第２被係合部７０の位置は、上記実施形態の位置を基準にして、受け部６２のファスナ挿入口６９の近くに設けてもよいし、底壁６２ｅの近くに設けてもよい。

【0072】

・取付ボス６１を上支持部４６の例えば接続部分４９ａ，４９ｂに上側を向くように突設し、受け部６２を上固定部５１の取付ボス６１との対応位置に設けるようにしてもよい。このような構成によっても、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。

【0073】

・取付機構の数は、２つに限定されるものではなく、１つでも、３つ以上であってもよい。一例として、取付機構を１つとする場合、上支持部４６および上固定部５１の幅方向中央に配置してもよい。また、取付機構を３つとする場合、第１取付機構４８ａおよび第２取付機構４８ｂに加え、上支持部４６および上固定部５１の幅方向中央に配置するようにしてもよい。

【0074】

・ファスナ６３は、背凭れ支持体３１の材料よりも硬質な材料を用いてもよい。
・背凭れ本体３２に張架される背受け部材３３としては、メッシュシートに限定されるものではなく、座部２２で使用した布張地などであってもよい。また、背凭れ本体３２は、ウレタンなどのクッションタイプであってもよい。クッションタイプの場合は、背凭れ本体３２は、板状または多孔板に対してウレタンなどのクッション材を配置し不透過性の布張地で被覆して構成される。すなわち、背凭れ本体３２は、背受け部材３３と一体的に構成されることになる。そして、背凭れ本体３２は、少なくとも、上固定部５１と下接続支持部５２を備えていればよい。

【0075】

・椅子１としては、キャスタ１１ｃを備えていない脚部材であってもよい。
また、座部２２には、肘掛部を設けるようにしてもよい。

【符号の説明】

【0076】

１３…背凭れ構造体
３１…背凭れ支持体
３２…背凭れ本体
３３…背受け部材
４３（４３ａ，４３ｂ）…支柱部
４５…揺動支持機構
４６…上支持部
４６ａ…連結部
４６ｂ，４６ｃ…延長部
４８ａ，４８ｂ…取付機構
４９ａ，４９ｂ…接続部分
５１…上固定部
６１…取付ボス
６２…受け部
６３…ファスナ
６４…第１被係合部
６６…第１溝
６７…開口
６８…操作口
６９…ファスナ挿入口
７０…第２被係合部
７１…ボス挿入口
７２…第１弾性係合片
７２ｂ…支点
７３…第１係合部
７４…延長片
７５…第２弾性係合片
７６…第２係合部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】