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  • 特開-パッド、およびパッドの製造方法 図1
  • 特開-パッド、およびパッドの製造方法 図2
  • 特開-パッド、およびパッドの製造方法 図3
  • 特開-パッド、およびパッドの製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101862
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】パッド、およびパッドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   E01B 9/68 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
E01B9/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002050
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】北村 拓朗
【テーマコード(参考)】
2D056
【Fターム(参考)】
2D056AD03
2D056AD05
2D056CA01
(57)【要約】
【課題】新規のパッド、およびパッドの製造方法を提供する。
【解決手段】本開示に係るパッドは、第1層と、糸状部材と、第2層と、を備える。第1層は、裏面と裏面と反対の表面を有する。糸状部材は、第1層を貫通し、複数のループ部と、係合部と、を有する。複数のループ部は、表面に突出する。係合部は、複数のループ部を連結し、少なくとも部分的に裏面に配置される。第2層は、発泡材料を含み、裏面に接合する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面と前記裏面と反対の表面を有する第1層と、
前記第1層を貫通し、前記表面に突出する複数のループ部と、前記複数のループ部を連結し、少なくとも部分的に前記裏面に配置された係合部と、を有する糸状部材と、
発泡材料を含み、前記裏面に接合する第2層と、
を備える、
パッド。
【請求項2】
前記糸状部材は、樹脂製糸を含み、前記ループ部と前記係合部とは交互に連続して配置される、
請求項1に記載のパッド。
【請求項3】
複数の前記糸状部材を備え、
前記糸状部材は、前記係合部と前記ループ部とが並んで配置される第1方向に交差する第2方向に並んで配置される、
請求項1または2に記載のパッド。
【請求項4】
前記第2方向において隣り合う前記糸状部材は、互いの前記ループ部の中心が前記第1方向に沿って離間して配置される、
請求項3に記載のパッド。
【請求項5】
前記糸状部材は、前記係合部と前記ループ部とが並んで配置される第1方向において、前記第1層の一端から他端まで連続する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のパッド。
【請求項6】
糸状部材を、裏面と前記裏面と反対の表面を有する第1層に貫通させ、前記第1層の表面に突出する複数のループ部と、前記複数のループ部を連結し、少なくとも部分的に前記裏面に配置される係合部と、を形成する工程と、
発泡材料を発泡させて第2層を形成する工程と、
前記糸状部材と一体となった前記第1層の前記裏面と、前記第2層と、を接着する工程と、
を備える、
請求項1に記載のパッドの製造方法。
【請求項7】
前記糸状部材と前記第1層と前記第2層とが一体となった、少なくとも二つの前記パッドを、互いの前記ループ部を対面させて重ねて配置する工程と、
をさらに備える、
請求項6に記載のパッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パッド、およびこのパッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表面に突出部を有するまくらぎ用パッドが知られている。このようなパッドの突出部は、パッド上に形成されたコンクリート製まくらぎに埋設されて、パッドがコンクリート製まくらぎから脱落することを防止する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6674504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなパッドでは、被取付部材(特許文献1の例ではコンクリート製まくらぎ)から剥離することを防止できる形状の突出部を備え、さらに、突出部がパッドから剥離しにくい構造を備えることが好ましい。本開示の課題は、新規のパッド、およびパッドの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係るパッドは、第1層と、糸状部材と、第2層と、を備える。第1層は、裏面と裏面と反対の表面を有する。糸状部材は、第1層を貫通し、複数のループ部と、係合部と、を有する。複数のループ部は、表面に突出する。係合部は、複数のループ部を連結し、少なくとも部分的に裏面に配置される。第2層は、発泡材料を含み、裏面に接合する。
【0006】
本開示に係るパッドの製造方法は、糸状部材を第1層に貫通させ、複数のループ部と係合部とを形成する工程と、を備える。第1層は、裏面と裏面と反対の表面を有する。複数のループ部は、第1層の表面に突出する。係合部は、複数のループ部を連結し、少なくとも部分的に裏面に配置される。さらに、本開示に係るパッドの製造方法は、発泡材料を発泡させて第2層を形成する工程と、糸状部材と一体となった第1層と第2層とを接着する工程と、を備える。
【0007】
このパッドによれば、被取付部材とパッドとの間に、第1層の表面から突出したループ部を配置することができる。これにより、被取付部材とパッドとが剥離することを防止することができる。また、このパッドによれば、第1層の裏面と第2層との間に、第1層の裏面に露出した係合部を配置することができる。これにより、第1層と第2層とが剥離することを防止することができる。さらに、このパッドの製造方法によれば、第1層にループ部および係合部を形成したパッドを簡易に効率よく製造することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、新規のパッド、およびパッドの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態におけるパッドの斜視図。
図2】本開示の実施形態におけるパッドの断面図。
図3】本開示の他の実施形態におけるパッドの断面図。
図4】本開示の実施形態におけるパッドの製造方法を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本開示の実施形態におけるパッド1の概略を示した斜視図である。図1における上下方向Hは、紙面上方を上側、下方を下側とするが、実際の重力方向とは必ずしも一致しない。図2は、図1のA-A断面におけるパッド1の断面の概略を示した断面図である。
【0011】
パッド1は、図1に示すように、幅方向(第1方向の一例)Wと、奥行方向(第2方向の一例)Dと、上下方向Hと、に所定の長さを有する。本実施形態におけるパッド1は、略直方体形状に形成されて、鉄道のマクラギパッドとして使用される。具体的には、パッド1は、パッド1の上下方向Hの上側にまくらぎとなる生コンクリートを流し込み硬化させることで、パッド1とまくらぎとが一体に接着される。パッド1は、パッド1とまくらぎとが一体となった状態で、鉄道線路上に防振材および防音材として配置される。
【0012】
これに限らずパッド1は、用途目的に合わせて種々様々な大きさおよび形状に形成可能である。例えば、パッド1は、住宅家屋の防振および防音用の壁材として用いられてもよいし、電動機械と床との間に配置されるダンパとして用いられてもよい。この場合、パッド1は、上下方向Hの上側に被取付部材が接着された状態で、防振材および防音材として配置される。
【0013】
図1に示すように、パッド1は、第1層2と、複数の糸状部材4と、第2層6と、第3層8と、を備える。
【0014】
第1層2は、裏面21と裏面21と反対の表面22を有する。本実施形態では、第1層2は、織布材料を含む、織物である。第1層2は、表面22が上下方向Hの上側、裏面21が上下方向Hの下側となるように配置される。従って、本実施形態では、第1層2の表面22は、そのままパッド1の上面となる。
【0015】
図2に示すように、糸状部材4は、樹脂製糸を含み、第1層2を貫通して縫い込まれる。本実施形態では、糸状部材4は、あらかじめ作成された第1層2に、工業用のミシン等を用いて縫い込まれる。また、これに限らず、糸状部材4は、第1層2が作成される際に、同時に編み込まれてもよい。糸状部材4は、幅方向Wに沿って、第1層2の一端から他端まで連続して縫い込まれる。糸状部材4は、奥行方向Dに沿って第1層2に縫い込まれてもよいし、幅方向Wおよび奥行方向Dに対して斜めに縫い込まれてもよい。
【0016】
糸状部材4は、第1層2に縫い込まれる方向と交差する方向に間隔を空けて、複数配置されてもよい。本実施形態では、複数の糸状部材4は、奥行方向Dに一定の間隔を空けて均等に並んで配置される。
【0017】
糸状部材4は、複数のループ部41と、係合部42と、を有する。
【0018】
ループ部41は、第1層2の表面22から突出している。すなわち、ループ部41の上部411は、第1層2の表面22から上下方向Hの上側に離間している。ループ部は、幅412および高さ413を有する。本実施形態では、ループ部41の幅412は、高さ413と略同じである。また、一の糸状部材4の隣合うループ部41同士の間隔414は、ループ部41の幅412および高さ413に基づいて決定されてもよい。これに限らず、ループ部41は、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な大きさに変更可能である。本実施形態では、ループ部41は、一の糸状部材4に対して複数個が形成される。すなわち、一の糸状部材4につき、複数のループ部41が第1層2の幅方向に間隔414を空けて規則的に配置される。
【0019】
このような構成により、生コンクリートからまくらぎを成形する過程で、パッド1の複数のループ部41は、生コンクリートに埋没した状態で固定される。これにより、パッド1とまくらぎとの間には、複数のループ部41がコンクリート内に埋設された層が形成される。このため、一体に成形されたパッド1とまくらぎとが、剥離することを防止することができる。
【0020】
本実施形態では、マクラギパッドとして使用するパッド1のループ部41は、幅412が約2mm、高さ413が約3mm、隣り合うループ部41同士の間隔414が約3mmとなるように形成される。
【0021】
係合部42は、複数のループ部41を連結する。係合部42は、少なくとも部分的に裏面21に配置される。本実施形態では、係合部42は、隣合う二つのループ部41の間に配置されて、隣合う二つのループ部41を連結する。係合部42は、一のループ部41の端から連続して、第1層2の表面22から裏面21に貫通する第1部分と、裏面21に露出して配置される第2部分と、裏面21から表面22へ貫通して一のループ部41の隣に配置されたループ部41に連続する第3部分と、を含む。係合部42の一部421は、所定の長さ422が裏面21に露出して配置される。
【0022】
本実施形態では、係合部42は、上下方向Hに沿って、すなわち、第1層2に対して垂直に貫通する。このため、係合部42の所定の長さ422は、隣り合うループ部41同士の間隔414と略同じである。これに限らず、係合部42が第1層2を貫通する際の角度も、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な大きさに変更可能である。
【0023】
係合部42の一部421は、第1層2の裏面21と後述する第2層6との間に配置される。これにより、第1層2と第2層6とは、係合部42の一部421を巻き込んで接着される。このため、係合部42の一部421は、第1層2と第2層6とが剥離することを防ぐことができる。また、係合部42が第1層2と第2層6との間に配置されて一体となって接着されることで、糸状部材4が第1層2から脱落することを防止できる。これにより、糸状部材4のループ部41が、第1層2の表面22において、意図せず脱落し変形することを防止できる。
【0024】
係合部42の一部421は、裏面21から突出せず、裏面21に沿って露出する。係合部42の裏面21に露出する大きさ422は、ループ部41の幅412、高さ413および間隔414に基づいて決定してもよい。これに限らず、係合部42は、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な大きさに変更可能である。
【0025】
本実施形態では、マクラギパッドとして使用するパッド1の係合部42は、裏面21に露出する大きさ422は、約3mmとなるように形成される。
【0026】
ループ部41と係合部42とは、第1層2において、糸状部材4が延びる方向である幅方向Wの一端から他端まで交互に連続して配置される。すなわち、本実施形態では、第1層2の幅方向Wの一端から他端までは、一の糸状部材4が途切れることなく縫い込まれ、ループ部41と係合部42とが規則的に交互に配置される。
【0027】
パッド1は、複数の糸状部材4を備えてもよい。複数の糸状部材4は、平行に配置されてもよく、交差していてもよい。本実施形態では、図1に示すように、複数の糸状部材4が奥行方向Dに所定の間隔43を空けて配置される。第1層2の表面22には、幅方向Wに沿って一の糸状部材4のループ部41が所定の間隔414を空けて規則的に配置されるとともに、奥行方向Dに沿って所定の間隔43を空けて複数の糸状部材4のループ部41が規則的に配置される。すなわち、本実施形態では、第1層2の表面22に、複数の糸状部材4のループ部41が、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、等間隔に分布して規則的に配置される。
【0028】
また、奥行方向Dにおいて隣り合う糸状部材4は、互いのループ部41の中心415が幅方向Wに沿って離間して配置されてもよく、幅方向Wにおいて一致して配置されてもよい。図2に示すように、本実施形態では、奥行方向Dにおいて隣り合う糸状部材4は、互いのループ部41の中心415が幅方向Wに沿って離間して配置される。なお図2では、分かり易さのために、第2の糸状部材4bは、破線で示した。本実施形態では、奥行方向において隣り合う第1の糸状部材4aと第2の糸状部材4bとは、互いのループ部41aと41bとの中心が、幅方向Wに沿って長さ44だけ離間して配置される。すなわち、第2の糸状部材4bは、第1の糸状部材4aに対して、幅方向Wにおいて、長さ44の距離だけオフセットして配置される。本実施形態では、第1の糸状部材4aのループ部41aと第2の糸状部材4bのループ部41bとが離間する長さ44は、ループ部41の大きさ412と略同じである。すなわち、奥行方向Dに沿って、第1の糸状部材4aのループ部41aと、第2の糸状部材4bのループ部41bとが、互い違いに配置される。これにより、パッド1の第1層2の表面22に、複数のループ部41が、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、均等に分布して配置される。
【0029】
第2層6は、発泡材料を含む。本実施形態では、第2層6はポリウレタンを発泡させた発泡成形部材である。第2層6は、上下方向Hにおいて、第1層2および後述する第3層8よりも厚みをもって成形される。本実施形態では、第2層6は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、第1層2と同じ大きさに形成される。また、第2層6はおよそ5mmから200mm程度の厚さで、幅方向Wおよび奥行方向Dに均等に形成される。これに限らず、第2層6の厚さは、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な大きさに変更可能である。
【0030】
第3層8は、不織布材料を含む。本実施形態では、第3層8は、不織布である。第3層8は、上下方向Hにおいて、第1層2と同じまたはより大きな厚みをもって形成される。第3層8は、これに限らず、金属製の板やフィルム等を含んでもよい。本実施形態では、第3層8は、幅方向Wおよび奥行方向Dにおいて、第1層2および第2層6と同じ大きさに形成される。また、第3層8はおよそ5mm程度の厚さで、幅方向Wおよび奥行方向Dに均等に形成される。これに限らず、第3層8の厚さは、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な大きさに変更可能である。また、第3層8は、パッド1の用途や形状に応じて、省略してもよい。
【0031】
次に、図3を用いて本開示の他の実施形態のパッド10について説明する。なお、本実施形態の説明においては、図2に示す実施形態のパッド1と異なる点のみを説明する。
【0032】
図3に示すように、本実施形態では、係合部42は、ループ部41に連続して第1層2の表面22から裏面21に貫通し、複数回に分けて裏面21に露出する。本実施形態では、係合部42は、所定の長さ423にわたって裏面21に露出した後、第1層2の内部で折り返してから、再び所定の長さ423にわたって裏面21に露出する。すなわち、図2の実施形態では、1のループ部41に対して係合部42は1回、裏面21に長さ422にわたって露出したのに対して、本実施形態では、1のループ部41に対して係合部42は2回、裏面21に長さ423にわたって露出する点で異なる。本実施形態では、係合部42は、長さ423が約1.5mmとなるように形成される。これにより、係合部42は、第1層2の裏面21と第2層6との間に配置され、第1層2と第2層とが剥離することを防ぐことができる。
【0033】
これに限らず、係合部42が第1層2の裏面21に露出する長さ423は、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な大きさに変更可能である。また、第1層2の内部で折り返す回数、すなわち、1のループ部41に対して、係合部42が裏面21に露出する回数も、種々様々な大きさに変更可能である。
【0034】
次に、図4を用いて本開示の実施形態における、パッド1の製造方法について説明する。図4に示すように、本開示のパッド1の製造方法Mは、ループ部形成工程M1と、発泡成形工程M2と、接着工程M3と、裁断工程M4と、積載工程M5と、を備える。
【0035】
ループ部形成工程M1は、第1層2となる織布部材を用意し、糸状部材4を第1層2に貫通させ、ループ部41と、係合部42と、を形成する。本実施形態では、幅方向Wおよび奥行方向Dに所定の大きさで形成された織布部材に、ミシンによって樹脂製糸を規則的に縫い込んでいくことで、第1層2および糸状部材4とする。これに限らず、織布部材に樹脂製糸を縫い込んだ後に、所定の大きさに裁断することで、第1層2および糸状部材4としてもよい。
【0036】
次に、発泡成形工程M2において、発泡材料を発泡させて第2層6を形成する。本実施形態では、所定の形状に形成された成形型に発泡材料を投入し、成形型の内部で発泡させ加熱するモールド法で第2層6を形成する。
【0037】
次に、接着工程M3において、ループ部形成工程M1において形成した第1層2および糸状部材4と、発泡成形工程M2において形成した第2層6とを接着させる。すなわち、接着工程M3では、糸状部材4と一体となった第1層2の裏面21と、第2層6と、を接着する。本実施形態では、予め形成された第2層6に対して第1層2および糸状部材4を接着して一体とする。さらに、第2層6に、不織布である第3層8を接着してもよい。
【0038】
これに限らず、例えば第2層6を所定の速度で移動するコンベア上で発泡および加熱を行うコンベア法で形成し、凝固途中の発泡材料に一体となった第1層2および糸状部材4を配置することで、第2層6、第1層2および糸状部材4を接着してもよい。この場合、凝固途中の発泡材料に糸状部材4の係合部42が露出した第1層2の裏面21を合わせるように配置することで、発泡成形工程M2と接着工程M3とを同時に完了することができる。
【0039】
本実施形態では、発泡成形工程M2と接着工程M3とを段階を踏んで実施したが、本開示はこれに限定されない。すなわち、モールド法で第2層6を形成する場合に、発泡成形工程M2と接着工程M3を同時に実施してもよい。また、コンベア法で第2層6を形成する場合に、発泡成形工程M2と接着工程M3とを段階を踏んで実施してもよい。これに限らず、発泡成形工程M2と接着工程M3の実施においては、パッド1の用途や形状に応じて種々様々な工法を採用することができる。
【0040】
次に、裁断工程M4において、一体となった第1層2、糸状部材4、第2層6および第3層8を、所定の大きさに裁断してパッド1とする。本実施形態では、第1層2、糸状部材4、第2層6および第3層8が一体となった後に、これらを裁断するが、これに限らず、予め所定の大きさで形成した第1層2および糸状部材4を、所定の大きさに形成または裁断された第2層6に接着してもよい。
【0041】
最後に、積載工程M5において、少なくとも二つのパッド1を、互いのループ部41を対面させて重ねて配置する。すなわち、本実施形態では、二つのパッド1を互いの表面22同士が対面するように上下方向Hに重ねて積載する。これにより、一方のパッド1のループ部41の先端は、他方のパッド1の第1層2の表面22に当接して配置される。このとき、互いのループ部41の先端同士が当接しないように、パッド1同士を幅方向Wおよび奥行方向Dにずらして重ねてもよい。このため、上下方向Hに重ねられた二つのパッド1は、互いのループ部41が干渉し合って、幅方向Wおよび奥行方向Dへの移動が規制される。この結果、二つのパッド1が輸送中に移動したりずれることを防止することができる。
【0042】
本開示では、少なくとも二つのパッド1を上下方向Hに重ねて積載したが、これに限らず、二つのパッド1を幅方向Wおよび奥行方向Dに沿って重ねて積載してもよい。
【0043】
以上説明した通り、本開示によれば、新規のパッドおよびパッドの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0044】
1(10):パッド 2:第1層 21:裏面 22:表面
4:糸状部材 41(41a,41b):ループ部 42:係合部
6:第2層
W:幅方向(第1方向) D:奥行方向(第2方向)
M:製造方法
M1:ループ部形成工程 M2:発泡成形工程 M3:接着工程 M4:裁断工程
図1
図2
図3
図4