(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101890
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】バーム状化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20230714BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230714BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230714BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20230714BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/31
A61K8/34
A61Q1/14
A61K8/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002102
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】391066490
【氏名又は名称】日本ゼトック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慎也
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC442
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD662
4C083CC01
4C083CC24
4C083DD21
4C083DD22
4C083DD30
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】チューブに充填した場合でもチューブから取り出しやすく、繰り返し揉む等のシェアを掛けたときに液状化せず、保存安定性が良く、さらには、製剤を肌に塗布した後のすすぎ性の良いバーム状化粧料を提供する。
【解決手段】本発明に係るバーム状化粧料は、室温で固形の炭化水素ワックスと、ポリオールと、HLBが8以上の非イオン性界面活性剤とを含み、前記炭化水素ワックスの含有量が、5~25質量%、前記ポリオールの含有量が、3~50質量%であり、水の含有量が1質量%未満である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温で固形の炭化水素ワックスと、
ポリオールと、
HLBが8以上の非イオン性界面活性剤とを含み、
前記炭化水素ワックスの含有量が、5~25質量%、
前記ポリオールの含有量が、3~50質量%であり、
水の含有量が1質量%未満である、バーム状化粧料。
【請求項2】
前記非イオン性界面活性剤の含有量は、5~30質量%である、請求項1に記載のバーム状化粧料。
【請求項3】
前記炭化水素ワックスの融点は、50~110℃である、請求項1または2に記載のバーム状化粧料。
【請求項4】
前記ポリオールは、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のバーム状化粧料。
【請求項5】
クレンジング剤である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のバーム状化粧料。
【請求項6】
チューブに充填される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のバーム状化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーム状化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
皮脂汚れやメイクの除去に用いられる化粧料(クレンジング剤)は、オイル状、ローション状、ジェル状、ミルク状、クリーム状、バーム状等の様々なタイプがある。
その中でも、バーム状化粧料は、油性が高く、油性ファンデーションや日焼け止めといった強固なメイクを落とすことができることから広く一般に使用されている。
【0003】
バーム状化粧料は、一般的に高い洗浄性を得られるが、洗浄後にベタつき感が生じる場合があり、このような問題を解決したバーム状化粧料(固形状の化粧料)が種々開発されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のバーム状化粧料は、硬さ調整および安定性の維持が難しいだけでなく、繰り返し揉まれる等のシェアがかかることにより液状化が起こりやすいためチューブに充填された製品をつくるのが難しかった。また、非イオン性界面活性剤の種類によっては製剤を肌に塗布した後のすすぎ性が低下する課題があった。
そこで、本発明は、チューブに充填した場合でもチューブから取り出しやすく、繰り返し揉まれる等のシェアが掛かったときに液状化せず、保存安定性が良く、さらには、製剤を肌に塗布した後のすすぎ性の良いバーム状化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバーム状化粧料は、室温で固形の炭化水素ワックスと、
ポリオールと、
HLBが8以上の非イオン性界面活性剤とを含み、
前記炭化水素ワックスの含有量が、5~25質量%、
前記ポリオールの含有量が、3~50質量%であり、
水の含有量が1質量%未満である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、チューブに充填した場合でもチューブから取り出しやすく、繰り返し揉まれる等のシェアが掛かったときに液状化せず、保存安定性が良く、さらには、製剤を肌に塗布した後のすすぎ性の良いバーム状化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のバーム状化粧料の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明のバーム状化粧料は、クレンジング剤として適用されることが好ましい。
さらに、本発明のバーム状化粧料は、チューブに充填されて用いられることが好ましい。
具体的には、本発明のバーム状化粧料は、室温で固形の炭化水素ワックスと、ポリオールと、HLBが8以上の非イオン性界面活性剤とをそれぞれ所定量含有し、さらに、水の含有量が1質量%未満の化粧料である。
このような特徴を有することにより、チューブに充填した場合でもチューブから取り出しやすく、繰り返し揉まれる等のシェアが掛かったときに液状化せず、保存安定性が良く、さらには、製剤を肌に塗布した後のすすぎ性の良いバーム状化粧料を提供することができる。
【0009】
<炭化水素ワックス>
本発明のバーム状化粧料は、常温で固形の炭化水素ワックスを5~25質量%含んでいる。なお、常温とは、15~25℃の温度をいう。
このような炭化水素ワックスを所定量含むことにより、繰り返し揉む等のシェアを加えてもバーム状の性状を良好に保持することができ、不本意な液だれ等が生じるのを防止することができる。また、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性を良好なものとすることができる。
なお、バーム状とは、固形または半固形の状態を言い、容器を逆さにしても垂れてこない程度の硬さの状態を言う。
さらには、本発明のバーム状化粧料は、種々の形状とすることができ、例えば、クリーム状、ペースト状などとすることが出来る。
【0010】
なお、本発明における上記炭化水素ワックスの含有量は、5~25質量%であるが、7~23質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。
炭化水素ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のパラフィンワックスや、マイクロクリスタリンワックス等を挙げることができ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンワックス、及び/または、マイクロクリスタリンワックスを用いることが好ましい。これにより、繰り返し揉む等のシェアを加えてもバーム状の性状をより良好に保持することができ、不本意な液だれ等が生じるのをより効果的に防止することができる。また、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性をさらに良好なものとすることができる。
炭化水素ワックスの融点は、50~110℃であることが好ましく、55~105℃であることがより好ましく、60~100℃であることがさらに好ましい。これにより、繰り返し揉む等のシェアを加えてもバーム状の性状をさらに良好に保持することができる。また、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性をさらに良好なものとすることができる。
【0011】
<ポリオール>
本発明のバーム状化粧料は、ポリオールを3~50質量%含んでいる。
ポリオールを所定量含むことにより、保存安定性を高いものとしつつ、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性を良好なものとすることができる。
ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,8-デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールよりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、保存安定性をより高いものとしつつ、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性をさらに良好なものとすることができる。
なお、本発明におけるポリオールの含有量は、3~50質量%であるが、5~30質量%であることが好ましく、7~25質量%であることがより好ましい。
【0012】
<非イオン性界面活性剤>
本発明のバーム状化粧料は、HLBが8以上の非イオン性界面活性剤を含んでいる。
このような非イオン性界面活性剤を含有することにより、製剤の保存安定性を良好なものとしつつ、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性を良好なものとすることができる。製剤に繰り返し揉む等のシェアをかけた際に、液状化することを抑制することができる。
なお、本発明で用いる非イオン性界面活性剤のHLBは、8以上であるが、8~19であることが好ましく、10~15であることがより好ましい。これにより、製剤の保存安定性をより良好なものとしつつ、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性をより良好なものとすることができる。
【0013】
HLBが8以上の非イオン性界面活性剤としては、例えば、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、グリセリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルを用いることが好ましい。これにより、製剤の保存安定性をさらに良好なものとしつつ、チューブに充填した際にチューブからの取り出し性をさらに良好なものとすることができる。
上述した非イオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、5~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましく、12~18質量%であることが特に好ましい。
【0014】
<水>
本発明のバーム状化粧料は、水の含有量が1%未満である。このように、水の含有量を少なくすることにより、製剤の保存安定性を良好なものとすることができる。
なお、水の含有量は、1質量%未満であるが、0.5質量%未満であることが好ましく、0.1質量%未満であることがより好ましく、水を含まないことがさらに好ましい。
【0015】
また、上述した炭化水素ワックスの量を1質量部としたとき、ポリオールの含有量は、1/10質量部以上25/3質量部以下であることが好ましく、7/30質量部以上23/5質量部以下であることがより好ましく、2/5質量部以上20/7質量部以下であることがさらに好ましい。
【0016】
<その他の成分>
また、本発明のバーム状化粧料には、上記成分の他、目的および剤形に応じて通常用いられる成分を配合することができる。
そのような成分の例として、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、抗酸化剤、常温で液体の鉱物・合成油、動植物油、ロウ類、脂肪酸、アルコール、高分子化合物、動植物抽出物、アミノ酸類、溶剤、消炎剤、防腐剤、紫外線防止剤、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、pH調整剤、色素・顔料、香料などが挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。以下にそれらの具体例を挙げる。
【0017】
(抗酸化剤)
抗酸化剤としては、例えば、ビタミンE及びその誘導体(dl-α(β、γ)-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸-dl-α-トコフェロール、リノール酸-dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等)、ビタミンA及びその誘導体(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール及びその誘導体、デヒドロレチナール等のレチナール及びその誘導体等)、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ビタミンB及びその誘導体(チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、ピリドキシンジオクタノエート、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、コリン類等)、ビタミンC及びその誘導体(ジパルミチン酸L-アスコルビル、テトライソパルミチン酸L-アスコルビル等のL-アスコルビン酸アルキルエステル、L-アスコルビン酸リン酸エステル、L-アスコルビン酸硫酸エステル等)、ビタミンD及びその誘導体(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロキシスタナール等 )、ルチン及びその誘導体、チオタウリン、タウリン、ハイドロキノン及びその誘導体、ヒスチジン、カテキン及びその誘導体、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物等が挙げられる。
【0018】
(常温で液体の鉱物・合成油)
鉱物・合成油としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、セレシン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、合成スクワラン等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0019】
(動植物油)
動植物油としては、例えば、スクワラン、オリブ油、ツバキ油、コムギ胚芽油、ホホバ油、アボガド油、カロット油、シア脂、液状シア脂、パーム油、パーム核油、硬化油、馬油、ラノリン類、卵黄油、チョウジ油、ローズヒップ油、ラベンダー油、ハッカ油、スペアミント油、ローズマリー油、マカデミアナッツ油、杏仁油、サフラワー油、サフラワー油(2)、ヒマワリ油、ヒマワリ油(2)、メドゥホーム油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ油、カカオ脂、コメヌカ油、コメ胚芽油、ウイキョウ油、オレンジ油、カミツレ油、キューカンバー油、ククイナッツ油、大豆油、ティーツリー油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、アルガニアスピノサ核油、クランベアビシニカ種子油、アルモンド油、桃仁油、グレープシード油、エミュー油、ミンク油、アサ種子油、アマニ油、サザンカ油、モクロウ、ヤシ油、月見草油、ピスタシオ種子油、マンゴーバター等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
なお、本発明のバーム状化粧料は、液状の植物油を添加することが好ましい。これにより、バーム状化粧料の使用感を良好なものとすることができる。
液状の植物油の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましい。また、液状の植物油の含有量は、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
【0021】
(ロウ類)
ロウ類としては、例えば、ホホバ油、ミツロウ、カルナウバロウ、コメヌカロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、キャンデリラロウ、モンタンロウ、セラック、オレンジラフィー油等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
(脂肪酸)
脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2-エチルブタン酸、イソペンタン酸、2-メチルペンタン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0023】
(アルコール)
アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、2-ヘキシルデカノール、2-オクチルドデカノール、バチルアルコール等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
(高分子化合物)
高分子化合物としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、ファーセレラン、グァーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビノガラクタン、ペクチン、マルメロ、小麦タンパク質、大豆タンパク質、アルブミン、カゼイン、ゼラチン、キトサン、ヒアルロン酸、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、シクロデキストリン、デキストラン、プルラン、結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化グァーガム、ヒドロキシプロピル化グァーガム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
(動植物抽出物)
動植物抽出物としては、例えば、プラセンタエキス、加水分解ケラチン、加水分解シルク、酵母エキス、アロエエキス、コンフリーエキス、シャクヤクエキス、シソエキス、セージエキス、センブリエキス、ハマメリス水、ヒキオコシエキス、ホップエキス、マロニエエキス、モモ葉エキス、ユキノシタエキス、メリッサエキス、ヨモギエキス、ローズマリーエキス、コメヌカ発酵エキス等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
(アミノ酸類)
アミノ酸類としては、例えば、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン、L-アスパラギン、L-システイン、L-セリン、L-チロシン、L-プロリン、ピロリドンカルボン酸塩、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リシン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、オルニチン、ヒスチジン、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
(消炎剤)
消炎剤としては、例えば、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、グアイアズレン、グアイアズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、ε-アミノカプロン酸、トラネキサム酸等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
(防腐剤)
防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ウンデシレン酸、ピオニン、l-メントール、d-カンフル、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンゼトニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、エチルヘキシルグリセリン等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
(紫外線防止剤)
紫外線防止剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、オキシベンゾン、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、サリチル酸オクチル、4-tert-ブチル-4’-メトキシ-ジベンゾイルメタン、フェルラ酸、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
(金属イオン封鎖剤)
金属イオン封鎖剤としては、例えば、エデト酸、エデト酸塩、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム、エチレンジアミンテトラキス(2-ヒドロキシイソプロピル)ジオレイン酸塩、ヒドロキシエタンジスルホン酸、ヒドロキシエタンジスルホン酸四ナトリウム、フィチン酸等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エリソルビン酸、没食子酸プロピル、d-δ-トコフェロール等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0032】
(pH調整剤)
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、リン酸およびその塩等が挙げられ、これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
(顔料)
有機顔料の例としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられ、レーキしたものも用いられる。有機顔料としては、例えば赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料紛体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等が、無機顔料としては無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミン、酸化セリウム、硫酸バリウム酸化鉄、紺青等が挙げられる。
【0034】
なお、本発明のバーム状化粧料を充填するチューブとしては、アルミニウムチューブ、ラミネートチューブ、ガラス蒸着チューブ、プラスチックチューブ等を挙げることができる。
以上、本発明のバーム状化粧料について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【実施例0035】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
<クレンジング剤の製造>
(実施例1~13、比較例1~9)
表1、2に示す成分および配合量を用いて、常法に従って、クレンジング剤を製造し、チューブ(ラミネートチューブ)に充填した。
なお、表1及び表2において、A~Eは、それぞれ、A:トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB=10)、B:トリイソステアリン酸PEG-60グリセリル(HLB=13)、C:イソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB=15)、D:イソステアリン酸ソルビタン(HLB=5)、E:トリイソステアリン酸PEG-5グリセリル(HLB=3)を示す。
また、使用したポリエチレンワックスの融点は、80~90℃、マイクロクリスタリンワックスの融点は、60~85℃であった。
【0036】
<評価>
[チューブからの押し出しやすさ・保形性、製剤を肌に塗布した後のすすぎ性]
被験者5名に、各実施例及び各比較例のクレンジング剤を使用してもらい、チューブからの押し出しやすさ・保形性、製剤を肌に塗布した後のすすぎ性について、各自が以下の評価基準に従って5段階評価を行ないサンプル毎に評点を付し、さらに全被験者の評点の平均点を以下の基準に従って判定した。
【0037】
(評価基準)
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良
【0038】
(判定基準(評点の平均点))
A :4.5以上
B :3.5以上4.5未満
C :2.5以上3.5未満
D :2.5未満
【0039】
[10回チューブを揉んだ後の安定性]
各実施例及び各比較例のクレンジング剤の製造翌日にチューブを10回揉んだ後、一日2回ずつ吐出を行ない、下記基準に従い評価した。
A :充填直後から硬さの変化無し
B :充填直後から若干硬さが軟化する
C :充填直後から軟化するが液状化しない
D :液状化が起こる
【0040】
[40℃1週間の保存安定性]
各実施例及び各比較例のクレンジング剤の製造翌日に、各チューブを40℃恒温槽に入れ、1週間後に取り出し、保存安定性を下記基準に従い評価した。
A :充填直後から性状の変化なし
B :充填直後から若干硬化又は軟化する
C :充填直後から大幅に硬化又は軟化するが性状は維持している
D :液状化又は分離が起こる
【0041】
[総合評価]
上記各評価から、下記基準に総合評価した。
A :Dがなく、Aが3つ以上
B :Dがなく、Aが2つ
C :Dがなく、Aが1つまたはAがなし
D :Dが1つ以上
これらの結果を表1及び2に合わせて示した。
【0042】
【0043】
【0044】
表1と表2から解るように、実施例のクレンジング剤は、チューブからの出しやすさ、保存安定性に優れていた。また、実施例のクレンジング剤は、揉まれても液状化が抑制され、すすぎ性にも優れ、総合評価に優れていることが解る。これに対して、比較例では、総合評価も低く、満足いく結果が得られなかった。