(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101907
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】単弦を牽引するベンド用レバーの為の跨座式スペーサー
(51)【国際特許分類】
G10D 3/153 20200101AFI20230714BHJP
G10D 1/08 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G10D3/153
G10D1/08 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002136
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】719001783
【氏名又は名称】千田 守男
(72)【発明者】
【氏名】千田 守男
【テーマコード(参考)】
5D002
【Fターム(参考)】
5D002AA05
5D002CC42
(57)【要約】
【課題】ストリングベンダーの器具を後付けで装着する場合、ギター本体への掘り込みや器具の取り替えに係る支出や時間の費消、鋼材使用による重量増での肩への負担があり、器具は小型で軽量で脱着も簡便に出来る簡素な機構とし、装着後の外観はギター本体に対して違和感が少ない事が望まれる。
【解決手段】本発明はブリッジプレート13の鉛直部16に嵌め込み固定して装着でき、軽量で硬質な金属又は靭性の高い樹脂で小型に成形可能な形状をしているため、外観上も違和感が少ない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弦を牽引して音程を操作するベンド用レバーを装着する為の器具で、ブリッジプレートの鉛直部に嵌め込む為の溝を持ち、ブリッジプレートの鉛直面に沿って接する部位に、音程調整ネジ及びスプリングとの接触を避ける為の複数のアーチ状切り欠きと、ネジ頭との接触を避ける為の複数のアーチ状窪みを有し、軽量で硬質な金属または靭性の高い樹脂で成形した跨座式スペーサー。
【請求項2】
音程を調整するストッパーを取り付けるネジ穴を持ち、ベンド用レバーから張られたギター用弦を、鉛直部を持ったブリッジプレート上のサドルまで通す為に設けた、B弦およびG弦用の切り通しを持った請求項1に記載の跨座式スペーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギター演奏におけるストリングベンダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
主にB音に調弦された弦を牽引して音程を操作するストリングベンダーの機構は、1960年代に開発され、テレキャスタータイプのエレキギターのボディに組み込まれて販売される事が多く、後付けで組み込む際は多額の費用と期間が必要となる。テレキャスタータイプ以外の機種でも利用できる器具が開発され、装着や脱着が簡単で、手や腕のみで操作できる型式の製品が市販されているが、嗜好性が顕著に高く製品の供給量が限られている器具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-102419
【特許文献2】US20140196590A1
【特許文献3】US20160232881A1
【特許文献4】US3479917A
【特許文献5】US3512443A
【特許文献6】US4535670A
【特許文献7】US5140884A
【特許文献8】US5481954A
【特許文献9】US7696420B2
【特許文献10】US9251768B2
【特許文献11】US9530388B1
【特許文献12】US9607589B2
【特許文献13】SE 1930349-4 Bender, strangstrackare Swedish Patent Database
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】https://en.wikipedia.org/wiki/B-Bender
【非特許文献2】http://stringbender.com/classic.php
【非特許文献3】https://shop.fender.com/ja-JP/articles/articles-pitch-perfect-a-history-of-the-b-bender
【非特許文献4】https://store.duesenberg.de/en/hardware/multibender/76/duesenberg-multibender
【非特許文献5】http://handbendersweden.com/instructions/
【非特許文献6】https://www.jacksonsteelguitar.com/product/the-edge-pitch-changer-telecaster/
【非特許文献7】http://rollingbender.com/admin/index.php/our-products/
【非特許文献8】https://b-blender.com/?page_id=131
【非特許文献9】https://bowdenbbenders.com/
【非特許文献10】https://benderbybjorn.com/pages/product
【非特許文献11】http://barym.com/multi-media.html
【非特許文献12】http://www.apollomusicparts.com/bg-bender/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から存在する、ギター用ストラップを用いて音程を操作するストリングベンダーを後付けで装着する場合、器具の入手やギター本体に掘り込み等の加工を施し組み込むには多額の出費と時間を費やすため、簡便に装着や脱着ができる器具が安価に入手出来る事が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ブリッジプレート13の鉛直部16に簡便な方法で嵌め込んで固定して、弦5を牽引するベンド用レバー19を装着する為の土台となる小型の器具を、軽量で硬質な金属又は靭性の高い樹脂で成形した跨座式スペーサー1を提供する。
【発明の効果】
【0007】
ベンド用レバー19を装着する跨座式スペーサー1は、ブリッジプレート13の鉛直部16に嵌め込み固定する方式で有るため、装着や取り外しは容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図13】
図13は背面部アーチ状切り欠き部分の拡大図である。
【
図15】
図15は6サドルタイプのブリッジプレートでの使用背面斜視図である。
【
図16】
図16は6サドルタイプのブリッジプレートでの使用正面斜視図である。
【
図17】
図17はサドルに乗った弦の接触面の頂点が、ブリッジプレートの鉛直部より高い場合の弦を通す経路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
サドル14と音程調整ネジ11及びスプリング15を具えて、鉛直部16を持ったブリッジプレート13に弦5を張るエレキギターに於いて、単弦を牽引して音程を1音上げてまた元の音程に戻すベンド用レバー19を装着するための器具で、音程調整ネジ11とスプリング15及びネジ頭12を跨いで鉛直部16に嵌め込み固定し、ベンド用レバー19を装着して使用するものである。
【実施例0010】
図3の背面図に表れる複数のアーチ状の切り欠き3は、ブリッジプレート13に具わる音程調整ネジ11とスプリング15を跨ぐように装着するための形状である。
【0011】
図4の左側面図に表れる切り欠きはブリッジプレート13の鉛直部16に差し込むための溝2である。右側面図は左側面図と同一につき、右側面図を省略する。
【0012】
図7のA-A’断面図及び
図11のA-A’斜視断面図におけるアーチ状窪み4はネジ頭12を収納するための形状で、その頂点の高さは背面図に示すアーチ状切り欠き3の頂点よりも低くし、且つ
図8のB-B’断面図に示すように溝2の頂点よりも高さを僅かに低くしている。
【0013】
図2の正面図に表れる円形部は、
図7のA-A’断面図に表れる面を貫通するネジ穴であり、ベンド用レバー19を押し下げて、弦5を牽引する際の終点を決めるストッパー9が装着される。
【0014】
図3の背面図に表れる円形部は貫通するネジ穴で、跨座式スペーサー1をブリッジプレート13の鉛直面17に密着させ固定する為の止めネジが挿入される。
【0015】
図5の平面図と
図6の底面図に示した隠線はネジ穴である。
【0016】
図6の底面図に表れるハの字型の形状はアーチ状切り欠き3に繋がり、B弦及びG弦を挿入する際の経路となる。
【0017】
跨座式スペーサー1をブリッジプレート13の鉛直部16に差し込み固定する。ベンド用レバー19から張られた弦5は、
図2の正面図に表れる細いアーチ状の切り通しから挿入し、ブリッジプレート13鉛直部16の一部に溝を切り込んで通すか、
図15および
図16で示すように中空構造の音程調整ネジ6を通り、サドル14を経て弦巻器へと渡される。
【0018】
図1に示したベンド用レバー19は調弦後の弦5の張力により跨座式スペーサー1正面側に密着する。該スペーサーの角を支点24にして、ベンド用レバー19を手で押し下げる事により弦5は牽引され、ネジ込み量で定めたストッパー9と起点23との間隔の範囲で音程を調整する事ができる。ベンド用レバー19に加えた力を解けば元の音程に戻る。
【0019】
B弦ガイド用切り通し7およびC弦ガイド用切り通し8における、
図3、
図7、
図12および
図13に示したアーチ状切り欠き3の頂点の高さは、
図9のCーC'断面図における経由点乙21及び経由点丙22においては、他の該切り欠きの頂点の高さよりも弦5の太さ分を加えて高くしている。これにより、サドル14に乗った弦5の接触面の頂点が鉛直部16の高さよりも高い場合、B弦ガイド用切り通し7又はG弦ガイド用切り通し8から通される弦5の経路は、
図17に示すように経由点甲20から経由点乙21を経て、鉛直部16を越して経由点丙22へと誘導ができる。