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  • 特開-ダクト開口部構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101957
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】ダクト開口部構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/06 20060101AFI20230714BHJP
   F16J 15/10 20060101ALI20230714BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20230714BHJP
【FI】
B60K11/06
F16J15/10 R
B60K1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002218
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 謙治
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】福本 卓哉
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
3J040
【Fターム(参考)】
3D038AA09
3D038AB01
3D038AC04
3D038AC22
3D235AA02
3D235BB16
3D235BB36
3D235BB45
3D235CC15
3D235FF37
3D235FF43
3D235HH02
3J040BA03
3J040EA16
3J040FA08
3J040HA03
(57)【要約】
【課題】シール性を確保しつつ、ベゼルを内装トリムに取り付けるのに必要なスペースを低減することが可能なダクト開口部構造を提供すること。
【解決手段】ダクト開口部構造は、吸気口10Sを有する内装トリム10と、ベゼル40と、ダクト20と、フィルター50と、シール部材30と、を備える。ベゼル40は、内装トリム10に係合する爪部46を有する。内装トリム10は、爪部46を挿通させた状態で爪部46を係止する係止部12と、係止部12からシール部材30に向かって延びる形状を有するとともにシール部材30に食い込むリブ14と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口を有する内装トリムと、
前記内装トリムに取付け可能なベゼルと、
前記内装トリムの内側に配置されたダクトと、
前記吸気口に取り付けられたフィルターと、
前記吸気口から前記ダクトに至る流路が前記内装トリムの内側における他の空間から遮断されるように前記内装トリムと前記ダクトとの間に配置されたシール部材と、を備え、
前記ベゼルは、前記内装トリムに係合する爪部を有し、
前記内装トリムは、
前記爪部を挿通させた状態で前記爪部を係止する係止部と、
前記係止部から前記シール部材に向かって延びる形状を有するとともに前記シール部材に食い込むリブと、を有する、ダクト開口部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダクト開口部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2019-137261号公報には、吸気ダクトの空気導入側の開口部にフィルタおよび該フィルタを支持するベゼルが配設され、車載の冷却対象物を冷却する空気を導入するダクト開口部構造が開示されている。ベゼルは、車体側部材に取り付けられている。ベゼルには、フィルタが取り付けられている。ダクトの開口部にはシール材が設けられており、このシール材は、ベゼルによって押圧されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-137261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2019-137261号公報に記載されるようなダクト開口部構造において、ベゼルが内装トリムに取り付けられる場合、シール部材を押し付けるための構造に必要なスペースに加え、ベゼルを内装トリムに取り付ける構造のためのスペースも必要となる。
【0005】
本開示の目的は、シール性を確保しつつ、ベゼルを内装トリムに取り付けるのに必要なスペースを低減することが可能なダクト開口部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従ったダクト開口部構造は、吸気口を有する内装トリムと、前記内装トリムに取付け可能なベゼルと、前記内装トリムの内側に配置されたダクトと、前記吸気口に取り付けられたフィルターと、前記吸気口から前記ダクトに至る流路が前記内装トリムの内側における他の空間から遮断されるように前記内装トリムと前記ダクトとの間に配置されたシール部材と、を備え、前記ベゼルは、前記内装トリムに係合する爪部を有し、前記内装トリムは、前記爪部を挿通させた状態で前記爪部を係止する係止部と、前記係止部から前記シール部材に向かって延びる形状を有するとともに前記シール部材に食い込むリブと、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、シール性を確保しつつ、ベゼルを内装トリムに取り付けるのに必要なスペースを低減することが可能なダクト開口部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態におけるダクト開口部構造の内装トリムを概略的に示す正面図である。
図2図1におけるII-II線で示される位置でのダクト開口部構造の断面図である。
図3図2において実線IIIで示される範囲の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態におけるダクト開口部構造の内装トリムを概略的に示す正面図である。図2は、図1におけるII-II線で示される位置でのダクト開口部構造の断面図である。図3は、図2において実線IIIで示される範囲の拡大図である。ダクト開口部構造は、例えば、車両のシートの下方に適用される。
【0011】
図1及び図2に示されるように、ダクト開口部構造は、内装トリム10と、ダクト20と、シール部材30と、ベゼル40と、フィルター50と、を備えている。
【0012】
内装トリム10は、例えば、車両のシートの下方に配置される。内装トリム10は、車体フレームに固定されている。図1に示されるように、内装トリム10は、吸気口10Sと、係止部12と、リブ14と、受け部16と、を有している。
【0013】
吸気口10Sは、車室内の空気を内装トリム10の内側に取り込むための開口である。
【0014】
係止部12は、ベゼル40を係止する部位である。図1及び図2に示されるように、係止部12は、吸気口10Sの周囲に形成されている。係止部12は、ベゼル40の爪部46(後述)を挿通させる開口12hを規定している。係止部12は、爪部46を挿通させた状態で爪部46を係止する。
【0015】
リブ14は、シール部材30に食い込む部位である。リブ14は、係止部12からシール部材30に向かって延びる形状を有している。換言すれば、開口12hは、リブ14を基準としてシール部材30が位置する側とは反対側(図2における左側)に開口している。リブ14は、シール部材30の中央部付近に食い込む位置に形成されている。
【0016】
受け部16は、フィルター50を受ける部位である。受け部16は、係止部12から吸気口10Sの中央側に向かって延びている。受け部16は、平坦に形成されている。
【0017】
ダクト20は、内装トリム10の内側に配置されており、車体フレームに固定されている。ダクト20の下流側の端部には、ブロワ(図示略)が設けられている。ダクト20から取り込まれた冷却風は、例えば、車両に搭載された蓄電装置の冷却に用いられる。ダクト20は、シール部材30を保持する保持部22を有している。保持部22は、ダクト20の上流側の端部に形成されている。保持部22は、平坦に形成されている。
【0018】
シール部材30は、吸気口10Sからダクト20に至る流路が内装トリム10の内側における他の空間から遮断されるように、内装トリム10とダクト20との間に配置されている。シール部材30は、スポンジ等からなる。シール部材30は、保持部22に固定されている。図2及び図3に示されるように、シール部材30には、リブ14が食い込んでいる。
【0019】
ベゼル40は、吸気口10Sを覆うように内装トリム10に取り付けられている。図2及び図3に示されるように、ベゼル40は、通気部42と、押付け部44と、爪部46と、保持爪(図示略)と、を有している。
【0020】
通気部42は、空気の通過を許容する。通気部42は、例えば、格子状に形成されている。
【0021】
押付け部44は、内装トリム10にフィルター50を押し付ける部位である。押付け部44は、通気部42の周囲に形成されている。押付け部44は、平坦に形成されている。押付け部44は、受け部16とともにフィルター50を挟持している。
【0022】
爪部46は、内装トリム10に係合する部位である。爪部46は、開口12hに挿通された状態で係止部12に係合している。爪部46は、押付け部44の周囲に設けられている。
【0023】
保持爪は、フィルター50を保持する部位である。内装トリム10には、保持爪及び爪部46との干渉を回避するための凹部が形成されている。
【0024】
フィルター50は、吸気口10Sに取り付けられている。具体的に、フィルター50は、ベゼル40の保持爪に保持された状態で吸気口10Sに取り付けられている。図2及び図3に示されるように、フィルター50は、フィルター本体51と、フィルター本体51の周囲に形成されたフランジ52と、を有している。フランジ52は、受け部16及び押付け部44に挟持されている。
【0025】
以上のように、本実施形態のダクト開口部構造では、シール部材30にリブ14が食い込んでいるため、シール性が有効に確保され、かつ、そのリブ14が、爪部46を係止する係止部12からシール部材30に向かって延びているため、ベゼル40を内装トリム10に取り付ける構造に必要なスペースが低減される。
【0026】
なお、上記実施形態において、リブ14と保持部22との関係は、逆であってもよい。つまり、内装トリム10に、リブ14に代えてシール部材30を保持する保持部が設けられ、ダクト20の端部にリブが設けられてもよい。
【0027】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0028】
上記実施形態におけるダクト開口部構造は、吸気口を有する内装トリムと、前記内装トリムに取付け可能なベゼルと、前記内装トリムの内側に配置されたダクトと、前記吸気口に取り付けられたフィルターと、前記吸気口から前記ダクトに至る流路が前記内装トリムの内側における他の空間から遮断されるように前記内装トリムと前記ダクトとの間に配置されたシール部材と、を備え、前記ベゼルは、前記内装トリムに係合する爪部を有し、前記内装トリムは、前記爪部を挿通させた状態で前記爪部を係止する係止部と、前記係止部から前記シール部材に向かって延びる形状を有するとともに前記シール部材に食い込むリブと、を有する。
【0029】
このダクト開口部構造では、シール部材にリブが食い込んでいるため、シール性が有効に確保され、かつ、そのリブが、爪部を係止する係止部からシール部材に向かって延びているため、ベゼルを内装トリムに取り付ける構造に必要なスペースが低減される。
【0030】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0031】
10 内装トリム、10S 吸気口、12 係止部、12h 開口、14 リブ、16 受け部、20 ダクト、22 保持部、30 シール部材、40 ベゼル、42 通気部、44 押付け部、46 爪部、50 フィルター、51 フィルター本体、52 フランジ。
図1
図2
図3