IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京電力株式会社の特許一覧

特開2023-101960充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法
<>
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図1
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図2
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図3
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図4
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図5
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図6
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図7
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図8
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図9
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図10
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図11
  • 特開-充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023101960
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/34 20060101AFI20230714BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230714BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20230714BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230714BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230714BHJP
   H02J 3/00 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
H02J7/34 J
H02J7/00 P
H02J7/00 B
H02J7/04 H
H02J7/35 K
H02J3/38 130
H02J3/38 110
H02J3/00 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002222
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】中村 昌平
(72)【発明者】
【氏名】谷田部 雄大
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA13
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA07
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA08
5G503CB16
5G503CC01
5G503EA04
5G503EA08
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】車載蓄電池を備えた車両のモビリティ用途と、蓄電池用途とを両立させる。
【解決手段】充放電制御装置は、直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御する充放電制御装置であって、目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得部と、前記目標時刻を取得する目標時刻取得部と、前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出部と、現在時刻を取得する現在時刻取得部と、取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御する充放電制御装置であって、
目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得部と、
前記目標時刻を取得する目標時刻取得部と、
前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出部と、
現在時刻を取得する現在時刻取得部と、
取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御部と
を備える充放電制御装置。
【請求項2】
前記車載蓄電池から負荷への放電をする際における前記車載蓄電池のSOCの下限値を取得するSOC下限値取得部を更に備え、
前記制御部は、前記車載蓄電池から負荷への放電を制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記下限値に達した場合、前記車載蓄電池から負荷への放電を停止するよう制御する
請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記車載蓄電池の現在のSOCと前記目標SOCとの差分と、前記車載蓄電池を充電する速度である充電電力とに基づいて、前記充電開始時刻を算出する
請求項1又は請求項2に記載の充放電制御装置。
【請求項4】
前記充電電力は、一定の値であり、
前記算出部は、予め設定された前記充電電力に基づいて前記充電開始時刻を算出する
請求項3に記載の充放電制御装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記車載蓄電池を充電するのに要した充電時間及び充電量に基づいて前記充電電力を学習し、学習された前記充電電力に基づいて前記充電開始時刻を算出する
請求項3に記載の充放電制御装置。
【請求項6】
前記算出部により算出された前記充電電力が、所定の定格充電電力以下であるか否かを通知する通知部を更に備える
請求項5に記載の充放電制御装置。
【請求項7】
充電優先時間帯を取得する充電優先時間帯取得部を更に備え、
前記制御部は、取得した前記充電優先時間帯においては、前記充電開始時刻に関わらず充電を開始するよう制御する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の充放電制御装置。
【請求項8】
前記直流電源とは、光エネルギーを直流電力に変換する太陽電池であり、
前記制御部は、系統電力から負荷へ供給される電力又は前記直流電源から前記系統電力へ供給される電力についての情報を取得する電流センサにより取得されたセンサ出力情報に基づいて潮流の方向を判定する
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の充放電制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記充電優先時間帯でない場合であって、前記充電開始時刻に達していない場合であって、かつ前記センサ出力情報に示される前記潮流の方向が前記系統電力へ逆潮流の場合、前記太陽電池から前記車載蓄電池への充電を優先し、前記充電優先時間帯でない場合であって、前記充電開始時刻に達していない場合であって、かつ前記センサ出力情報に示される前記潮流の方向が前記系統電力からの順潮流の場合、前記車載蓄電池の放電を優先する
請求項7に従属する請求項8に記載の充放電制御装置。
【請求項10】
直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御するコンピュータに、
目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得ステップと、
前記目標時刻を取得する目標時刻取得ステップと、
前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出ステップと、
現在時刻を取得する現在時刻取得ステップと、
取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項11】
直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御する充放電制御方法であって、
目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得工程と、
前記目標時刻を取得する目標時刻取得工程と、
前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出工程と、
現在時刻を取得する現在時刻取得工程と、
取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御工程と
を有する充放電制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電制御装置、プログラム及び充放電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅に備えられた太陽光発電システムにより得られた電力の分配を制御する技術分野において、住宅内負荷に共有した余剰電力を車両に備えられた車載蓄電池に供給するよう制御する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、太陽光発電により電力が得られなくなる夜間等には、車載蓄電池に蓄えられた電力を住宅内負荷に供給する技術が知られている。このような技術では、特にSOC(State Of Charge)下限値を設定し、車載蓄電池のSOCが設定されたSOC下限値を下回らないよう制御する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-031484号公報
【特許文献2】特開2020-018120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような技術を用いた場合、SOC下限値を低く設定すると、蓄電池として充放電できるSOC範囲は広がるが、SOCが低い状態において乗車した場合に長距離の走行ができないといった問題があった。また、SOC下限値を高く設定すると、長距離走行可能なSOCを確保することはできるが、蓄電池として充放電できるSOC範囲は狭くなる、といった問題があった。また、SOC下限値をこまめに変更すると操作が煩雑となり、ユーザビリティを損なうといった問題があった。すなわち、従来技術によれば、車載蓄電池を備えた車両のモビリティ用途と、蓄電池用途の両立が困難であるといった課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、車載蓄電池を備えた車両のモビリティ用途と、蓄電池用途とが両立するよう好適に制御することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るインバータ充放電制御装置は、直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御する充放電制御装置であって、目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得部と、前記目標時刻を取得する目標時刻取得部と、前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出部と、現在時刻を取得する現在時刻取得部と、取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御部とを備える。
【0007】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置は、前記車載蓄電池から負荷への放電をする際における前記車載蓄電池のSOCの下限値を取得するSOC下限値取得部を更に備え、前記制御部は、前記車載蓄電池から負荷への放電を制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記下限値に達した場合、前記車載蓄電池から負荷への放電を停止するよう制御する。
【0008】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置において、前記算出部は、前記車載蓄電池の現在のSOCと前記目標SOCとの差分と、前記車載蓄電池を充電する速度である充電電力とに基づいて、前記充電開始時刻を算出する。
【0009】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置において、前記充電電力は、一定の値であり、前記算出部は、予め設定された前記充電電力に基づいて前記充電開始時刻を算出する。
【0010】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置において、前記算出部は、前記車載蓄電池を充電するのに要した充電時間及び充電量に基づいて前記充電電力を学習し、学習された前記充電電力に基づいて前記充電開始時刻を算出する。
【0011】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置は、前記算出部により算出された前記充電電力が、所定の定格充電電力以下であるか否かを通知する通知部を更に備える。
【0012】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置は、充電優先時間帯を取得する充電優先時間帯取得部を更に備え、前記制御部は、取得した前記充電優先時間帯においては、前記充電開始時刻に関わらず充電を開始するよう制御する。
【0013】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置において、前記直流電源とは、光エネルギーを直流電力に変換する太陽電池であり、前記制御部は、系統電力から負荷へ供給される電力又は前記直流電源から前記系統電力へ供給される電力についての情報を取得する電流センサにより取得されたセンサ出力情報に基づいて潮流の方向を判定する。
【0014】
また、本発明の一態様に係る充放電制御装置において、前記制御部は、前記充電優先時間帯でない場合であって、前記充電開始時刻に達していない場合であって、かつ前記センサ出力情報に示される前記潮流の方向が前記系統電力へ逆潮流の場合、前記太陽電池から前記車載蓄電池への充電を優先し、前記充電優先時間帯でない場合であって、前記充電開始時刻に達していない場合であって、かつ前記センサ出力情報に示される前記潮流の方向が前記系統電力からの順潮流の場合、前記車載蓄電池の放電を優先する。
【0015】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御するコンピュータに、目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得ステップと、前記目標時刻を取得する目標時刻取得ステップと、前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出ステップと、現在時刻を取得する現在時刻取得ステップと、取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御ステップとを実行させる。
【0016】
また、本発明の一態様に係る充放電制御方法は、直流電源から車載蓄電池への充電と、前記車載蓄電池から負荷への放電とを制御する充放電制御方法であって、目標時刻における前記車載蓄電池のSOCを示す目標SOCを取得する目標SOC取得工程と、前記目標時刻を取得する目標時刻取得工程と、前記目標SOCと、前記目標時刻とに基づき、前記車載蓄電池への充電を開始する時刻である充電開始時刻を算出する算出工程と、現在時刻を取得する現在時刻取得工程と、取得した前記現在時刻と算出された前記充電開始時刻とを比較し、前記充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、前記車載蓄電池のSOCが前記目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する制御工程とを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車載蓄電池を備えた車両のモビリティ用途と、蓄電池用途とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態に係る充放電システムの概要を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る充放電制御装置の動作の一例について説明するための図である。
図3】第1の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るユーザ要求取得画面の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る充放電制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係る目標時刻と充放電動作の関係について説明するための図である。
図7】第1の実施形態に係るPV発電量とV2H充放電量と宅内消費電力量との関係の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係るユーザ要求取得画面の一例を示す図である。
図10】第3の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図11】第4の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。
図12】第4の実施形態に係るユーザ要求取得画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下において説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限定されない。
【0020】
[第1の実施形態]
まず、図1から図7を参照しながら、第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る充放電システムの概要を示す図である。同図を参照しながら、充放電システム1の概要について説明する。
充放電システム1は、充放電制御装置10と、住宅20と、車両31と、蓄電池41と、系統電力62とを備える。住宅20は、太陽光パネル21と、負荷57とを備える。充放電システム1は、太陽光パネル21により発電された電力を、負荷57、蓄電池41、及び車両31の少なくとも1つに供給する。また、充放電システム1は、系統電力62から、負荷57及び車両31の少なくともいずれか一方に対して電力を供給する。また、充放電システム1は、車両31及び蓄電池41の少なくともいずれか一方から、負荷57に対して電力を供給する。
【0021】
太陽光パネル21は、接続箱22を介して充放電制御装置10に接続される。
太陽光パネル21は、複数のセルを含んで構成される。複数のセルはそれぞれ太陽から放出された太陽光を直流電力に変換する。太陽光パネル21は、変換した直流電力を、接続箱22を介して、負荷57、系統電力62、蓄電池41、及び車両31の少なくとも1つに供給する。すなわち、太陽光パネル21とは、太陽光等の光エネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を供給する直流電源である。以降の説明において、太陽光パネル21を太陽電池とも記載する場合がある。
【0022】
なお、太陽光パネル21は、電力を供給可能な電流源であればよく、太陽光パネル21に代えて、風力発電、水力発電、地熱発電等のその他の再生可能エネルギーを用いてもよい。
【0023】
蓄電池41は、太陽光パネル21から供給された電力を蓄え、蓄えた電力を負荷57に対して放電する。
ここで、太陽光パネル21の発電量は、その日の天気によって大きく左右される。そこで、充放電システム1は、太陽光パネル21と共に蓄電池41を備えることによって、電力の蓄電および放電を行う。蓄電池41は、太陽光パネル21により発電された電力の余剰分を蓄電し、太陽光パネル21からの出力が低下している場合、又は夜間の時間帯等には、負荷57に対して放電する。充放電システム1は、蓄電池41を備えることにより、負荷57に供給される電圧の低下を抑止する。
【0024】
車両31は、車載蓄電池311を備える。車載蓄電池311は、直流電力を蓄える。車両31は、車載蓄電池311に蓄えられた直流電力をエネルギー源として走行する。すなわち、車両31は電気自動車(Electric Vehicle:EV)、プラグインハイブリッド車(Plug-in Hybrid Electrical Vehicle:PHEV)であってもよい。
車載蓄電池311は、具体的には、DCリンクV2H32を介して太陽光パネル21により発電された電力を蓄電する。また、車載蓄電池311は、DCリンクV2H32を介して系統電力62から供給された電力を蓄電する。
【0025】
車両31が車両として用いられない時間帯においては、車載蓄電池311は、蓄電池41と同等の機能を有するものとして機能する。すなわち、車載蓄電池311は、太陽光パネル21により発電された電力の余剰分を蓄電し、太陽光パネル21からの出力が低下している場合、又は夜間の時間帯等には、負荷57に対して放電する。
【0026】
住宅20は、連系ブレーカ51と、切替ボックス52と、音声モニタ53と、分電盤54と、電流センサ55と、ルータ56と、負荷57とを備える。
連系ブレーカ51は、太陽光パネル21と分電盤54とを連系するために用いられる。また、連系ブレーカ51は、スマートメータ61を介して、系統電力62と分電盤54とを連系するために用いられる。切替ボックス52は、系統連系状態と自立運転状態とを切り替える。音声モニタ53は、太陽光パネル21による発電量や、住宅20における電力使用量等を表示し、音声によるガイダンスを行う。分電盤54は、負荷57に電力を分配する。分電盤54は、いずれかの負荷において漏電が発生している場合には、遮断する漏電ブレーカの機能を有する。電流センサ55は、系統電力62から負荷57へ供給される電力、又は太陽光パネル21から系統電力62へ供給される電力についての情報を取得する。すなわち、電流センサ55のセンサ出力情報に基づいて、潮流の方向を判定することができる。
【0027】
ルータ56は、所定の通信ネットワークNWを介して、携帯端末装置71と接続される。携帯端末装置71とは、スマートフォンやタブレット端末等の、電子機器であってもよい。ルータ56は、充放電制御装置10を介して、音声モニタ53、蓄電池41、DCリンクV2H32と通信を行う。充放電システム1は、これら通信ネットワークを備えることにより、携帯端末装置71から、充放電制御の設定を操作することができる。
【0028】
負荷57は、具体的には100V負荷571と200V負荷572とを備える。100V負荷571は、交流100Vにより駆動される負荷である。100V負荷571の一例としては、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、電球等である。200V負荷572は、交流200Vにより駆動される負荷である。200V負荷572の一例としては、エアコン、電磁調理器等である。
【0029】
図2は、第1の実施形態に係る充放電制御装置の動作の一例について説明するための図である。同図を参照しながら、充放電制御装置10の動作の一例について説明する。充放電制御装置10は電流センサ55を用いて潮流を監視する。潮流の方向が系統電力への逆潮流の場合、太陽光発電電力に余剰があると判断し、車載蓄電池311への充電を行う。また潮流の方向が系統電力からの順潮流の場合、太陽光発電電力が宅内負荷に対して不足していると判断し、車載蓄電池311から宅内分電盤54への放電を行う。
【0030】
電源切替スイッチ11は、通常端子111と、自立端子112と、負荷側端子113とを備える。電源切替スイッチ11は、通常端子111及び負荷側端子113間、又は自立端子112及び負荷側端子113間のいずれか一方に、接続を切り替える。
負荷側端子113は、分電盤54に接続される。また、負荷側端子113は、パワーコンディショナー(PVパワコン)23を介して、太陽光パネル21に接続される。
【0031】
通常端子111は、主幹ブレーカ63を介して、系統電力62に接続される。電源切替スイッチ11と主幹ブレーカ63との間には、電流センサ55が接続される。電流センサ55は、主幹ブレーカ63と電源切替スイッチ11との間に流れる電流を検出する。
電源切替スイッチ11により通常端子111及び負荷側端子113間が導通した場合、系統電力62から負荷57に電力が供給され、又は太陽光パネル21から系統電力62に電力が供給される。
【0032】
自立端子112は、ACリンク型V2H33に接続される。ACリンク型V2H33は、車載蓄電池311と接続される。
電源切替スイッチ11により自立端子112及び負荷側端子113間が導通した場合、車載蓄電池311から負荷57に電力が供給され、又は太陽光パネル21から車載蓄電池311に電力が供給される。
【0033】
図3は、第1の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、充放電制御装置10の機能構成の一例について説明する。充放電制御装置10は、目標SOC取得部110と、目標時刻取得部120と、算出部130と、現在時刻取得部140と、制御部150とを備える。
充放電制御装置10は、ACリンク型V2H33の内部に含まれていてもよい。
【0034】
車両31をモビリティ用途に用いる場合、ユーザが車両31をモビリティ用途に用いるとき(すなわち、ユーザが車両31に乗り込むとき)において、車載蓄電池311のSOC(State Of Charge)が所定値以上であることが望ましい。換言すれば、車載蓄電池311のSOCは、目標時刻において、目標SOC以上であることが望ましい。そこで、充放電制御装置10は、ユーザから、目標時刻と、目標SOCとを取得し、目標時刻において、目標SOC以上となるよう、車載蓄電池311の充放電を制御する。具体的には、目標時刻が7時00分であり、目標SOCが70%である場合において、充放電制御装置10は、毎日7時00分には、車載蓄電池311のSOCが70%以上となるよう、車載蓄電池311の充放電を制御する。
【0035】
なお、目標時刻とは、ユーザが車両31をモビリティ用途に使用し始める予定の時間を示し、目標SOCとは、目標時刻における車載蓄電池311のSOCの目標値を示す値である。
【0036】
目標SOC取得部110は、目標SOCを取得する。目標時刻取得部120は、目標時刻を取得する。目標SOCを含む情報を、目標SOC情報ISとも記載する。また、目標時刻を含む情報を、目標時刻情報ITとも記載する。目標SOC取得部110は、目標SOC情報ISを算出部130に出力する。目標時刻取得部120は、目標時刻情報ITを算出部130に出力する。
【0037】
図4は、第1の実施形態に係るユーザ要求取得画面の一例を示す図である。同図を参照しながら、ユーザ要求取得画面D10の一例について説明する。充放電制御装置10は、ユーザ要求取得画面D10を用いて、ユーザから目標SOC及び目標時刻を取得する。ユーザ要求取得画面D10は、充放電制御装置10が備える不図示の表示部に表示されてもよいし、携帯端末装置71等の他の装置の表示部に表示されてもよい。
【0038】
ユーザ要求取得画面D10は、テキストボックスD11と、テキストボックスD12とを画面構成要素として備える。テキストボックスD11は、ユーザが所定の方法により情報を入力することにより、目標SOCを取得する。テキストボックスD12は、ユーザが所定の方法により情報を入力することにより、目標時刻を取得する。
【0039】
例えば、ユーザは、キーボード等の入力装置やマイク等の音声入力装置により、目標SOC及び目標時刻を入力する。また、ユーザ要求取得画面D10は、所定の選択肢を示すことにより、ユーザは、示された選択肢の中から所望の目標SOC及び目標時刻を選択することにより目標SOC及び目標時刻を入力してもよい。
【0040】
図3に戻り、算出部130は、目標SOC取得部110から目標SOC情報ISを取得し、目標時刻取得部120から目標時刻情報ITを取得する。算出部130は、取得した目標SOC情報ISに含まれる目標SOCと、目標時刻情報ITに含まれる目標時刻とに基づき、充電開始時刻を算出する。
充電開始時刻とは、車載蓄電池311への充電を開始する時刻である。充電開始時刻を含む情報を、充電開始時刻情報ISTとも記載する。算出部130は、充電開始時刻情報ISTを制御部150に出力する。
【0041】
現在時刻取得部140は、現在時刻を取得する。現在時刻を含む情報を、現在時刻情報RTとも記載する。現在時刻取得部140は、現在時刻情報RTを制御部150に出力する。
【0042】
制御部150は、算出部130から充電開始時刻情報ISTを取得し、現在時刻取得部140から現在時刻情報RTを取得する。制御部150は、取得した現在時刻情報RTに含まれる現在時刻と、充電開始時刻情報ISTに含まれる充電開始時刻とを比較し、充電開始時刻となった場合には、太陽光パネル21又は系統電力62から車載蓄電池311に対して充電を開始するよう制御する。また、制御部150は、車載蓄電池311の現在のSOCに関する情報を取得し、現在のSOCと目標SOCとを比較する。制御部150は、車載蓄電池311の現在のSOCが目標SOCに達したと判定した場合に、充電を停止するよう制御する。
【0043】
図5は、第1の実施形態に係る充放電制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。同図を参照しながら、充放電制御装置10の動作の一例について説明する。
【0044】
(ステップS110)ユーザは、所定の方法により「昼間電気料金時間帯」、「夜間電気料金時間帯」を設定する。ユーザの設定により、充放電制御装置10は、「昼間電気料金時間帯」、「夜間電気料金時間帯」についての情報を取得する。
【0045】
「昼間電気料金時間帯」とは、系統電力62から電力を購入する場合における昼間の電気料金が適用される時間帯である。
「夜間電気料金時間帯」とは、系統電力62から電力を購入する場合における夜間の電気料金が適用される時間帯である。
一般に、「昼間電気料金時間帯」及び「夜間電気料金時間帯」において、電気料金は異なる。特に、電気使用量が少ない「夜間電気料金時間帯」の方が、「昼間電気料金時間帯」より、電気料金が安い。
【0046】
(ステップS120)ユーザは、所定の方法により「目標SOC」、「目標時刻」を設定する。ユーザの設定により、充放電制御装置10は、「目標SOC」、「目標時刻」についての情報を取得する。具体的には、目標SOC取得部110が目標SOC情報ISを取得し、目標時刻取得部120が目標時刻情報ITを取得する。
【0047】
なお、ステップS110に示した動作は、ステップS120に示した動作より少ない頻度で行われてもよい。例えば、ユーザにより操作されるユーザインタフェースにおいて、ステップS110に示した設定項目は、ステップS120に示した設定項目より、深い階層に位置する。このように構成されることにより、ユーザは、ステップS110に示した設定項目と比べて、容易にステップS120に示した設定項目を設定することができる。
【0048】
(ステップS130)算出部130は、ステップS120において取得された「目標時刻」と、「目標SOC」とに基づいて、充電開始時刻を算出する。具体的には、充放電制御装置10は、車載蓄電池311の現在のSOCである「現在SOC」を取得し、「目標時刻」、「現在SOC」、「目標SOC」、「定格充電電力」から充電開始時刻を算出する。「定格充電電力」は、車載蓄電池311に応じて定められた値であって、予め充放電制御装置10が記憶していてもよい。
【0049】
なお、充電開始時刻を算出する算出タイミングは、所定の一定時間間隔ごとでもよい。所定の一定時間とは、例えば3時間や1時間等であってもよい。
また、算出部130は、所定の一定時間間隔ごとに充電開始時刻を算出することに加えて、更に車両31がDCリンクV2H32に再接続された場合を算出タイミングとしてもよい。
【0050】
なお、算出部130は、更に充電電力に基づいて充電開始時刻を算出してもよい。充電電力[kW]とは、車載蓄電池311を充電する速度である。
算出部130が充電速度に基づいて充電開始時刻を算出する場合、算出部130は、車載蓄電池311の現在のSOCと目標SOCとの差分と、充電電力とに基づいて、充電開始時刻を算出する。
【0051】
ここで、充電電力とは、予め定められた一定の値であってもよい。充電電力が予め定められた一定の値である場合、算出部130は、予め設定された充電電力に基づいて充電開始時刻を算出する。
【0052】
また、変形例として、充放電制御装置10は、充電電力を学習するよう構成されていてもよい。この場合、充放電制御装置10は、機械学習アルゴリズムにより充電電力を学習する。機械学習アルゴリズムは、車載蓄電池311を充電するのに要した充電時間と、充電量とを教師データとして、教師有り学習により、充電電力を学習してもよい。機械学習アルゴリズムは、算出部130に含まれていてもよい。
換言すれば、算出部130は、車載蓄電池311を充電するのに要した充電時間及び充電量に基づいて充電電力を学習し、学習された充電電力に基づいて充電開始時刻を算出する。
【0053】
(ステップS140)制御部150は、ステップS130において算出された充電開始時刻になったか否かを判定する。制御部150は、充電開始時刻になったと判定した場合(すなわち、ステップS140;YES)、処理をステップS150に進める。制御部150は、充電開始時刻になっていないと判定した場合(すなわち、ステップS140;NO)、処理をステップS160に進める。
【0054】
(ステップS150)充放電制御装置10は、定格充電電力で車載蓄電池311に充電を行う。充放電制御装置10は、車載蓄電池311が「目標SOC」に達したら、充電を停止する。
なお、充放電制御装置10は、太陽光パネル21により発電された電力であって、負荷57によって消費しきれない電力がある場合、「目標SOC」を超えていたとしても、車載蓄電池311に充電を行ってよい。
充放電制御装置10は、処理をステップS130に進める。
【0055】
以降の説明において、太陽光パネル21により発電された電力であって、負荷57によって消費しきれない電力がある場合を「PV余剰」とも記載する場合がある。また、PV余剰が発生している場合において、余剰分の電力を「PV余剰分」とも記載する場合がある。
また、太陽光パネル21により発電された電力を使用したとしても、負荷57によって消費される電力が不足する場合を「PV不足」とも記載する場合がある。また、PV不足が発生している際において、不足分の電力を「PV不足分」とも記載する場合がある。
【0056】
(ステップS160)制御部150は、現在時刻取得部140により取得された現在時刻に基づいて、昼間料金時間帯であるか否かを判定する。制御部150は、昼間料金時間帯であると判定した場合(すなわち、ステップS160;YES)、処理をステップS170に進める。制御部150は、昼間料金時間帯でないと判定した場合(すなわち、ステップS160;NO)、処理をステップS180に進める。
【0057】
(ステップS170)充放電制御装置10は、「夜間電気料金時間帯」になるまでの間、電流センサ55のセンサ出力情報から、宅内の潮流をモニタする。具体的には、制御部150は、電流センサ55により取得されたセンサ出力情報に基づいて潮流の方向を判定する。
充放電制御装置10は、PV余剰がある場合、車載蓄電池311に充電を行う。また、充放電制御装置10は、負荷57の消費電力が太陽光パネル21により発電された電力を超える場合(すなわち、PV不足)、車載蓄電池311から負荷57に放電を行う。
充放電制御装置10は、処理をステップS130に進める。
【0058】
(ステップS180)充放電制御装置10は、定格電力で車載蓄電池311に充電を行う。充放電制御装置10は、車載蓄電池311のSOCが「目標SOC」に達した場合、車載蓄電池311への充電を停止する。充放電制御装置10は、車載蓄電池311に充電を行う際に、PV余剰がある場合にはPV余剰分を利用し、PV余剰がない場合には系統電力62から充電を行う。
充放電制御装置10は、処理をステップS130に進める。
【0059】
図6は、第1の実施形態に係る目標時刻と充放電動作の関係について説明するための図である。同図を参照しながら、目標時刻と充放電動作の関係について説明する。
同図には、横軸を時間として、朝、昼、夜、深夜における充放電制御装置10の動作を示す。朝、昼、及び夜における電気料金は昼間料金であって、深夜における電気料金は夜間料金である。同図には、一例として1日目の朝、目標SOC及び目標時刻が設定された場合における2日間の動作を示す。また、目標時刻が朝に設定された場合の一例と、昼から夜に設定された場合の一例とについて、それぞれの動作を示す。
【0060】
まず、目標時刻が朝に設定された場合の一例について説明する。
時刻t1において、ユーザは目標SOC及び目標時刻を設定する。具体的には、目標SOC取得部110は目標SOC情報ISを取得し、目標時刻取得部120は目標時刻情報ITを取得する。
算出部130は、取得した目標SOC取得部110及び目標SOC情報ISに基づき、充電開始時刻を算出する。
制御部150は、算出された充電開始時刻と、現在時刻取得部140により取得された現在時刻とを比較し、充電開始時刻になったか否かを判定する。
【0061】
時刻t4までの時間において、充放電制御装置10は、PV余剰分があれば車載蓄電池311を充電する。
また、時刻t4までの時間において、ユーザは車両31をモビリティ用途に使用する場合もあるし、使用しない場合もある。ユーザが車両31をモビリティ用途に使用した場合、車載蓄電池311は、SOC残量が使用に応じて少なくなった状態において、再度、充放電制御装置10に連系される。PV余剰分があれば、充放電制御装置10は、車載蓄電池311に充電を行う。
【0062】
時刻t4において、制御部150は、充電開始時刻になったと判定する。制御部150は、充電開始時刻になったため、車載蓄電池311への充電を開始する。当該時間帯は、夜間料金時間帯である(すなわち、電気料金が安い)が、制御部150は、必ずしも車載蓄電池311のSOCが100%になるまで充電を行わず、目標SOCまでの充電を行う。充放電制御装置10は、車載蓄電池311のSOCが100%になるまで充電を行わないことにより、PV余剰分により充電される飽き領域を確保する。
【0063】
時刻t5において、目標時刻になると、車載蓄電池311のSOCは、目標SOCとなっている。以降、PV余剰分があれば、充放電制御装置10は、車載蓄電池311に充電を行う。
【0064】
時刻t8までの時間において、ユーザは車両31をモビリティ用途に使用する場合もあるし、使用しない場合もある。ユーザが車両31をモビリティ用途に使用した場合、車載蓄電池311は、SOC残量が使用に応じて少なくなった状態において、再度、充放電制御装置10に連系される。PV余剰分があれば、充放電制御装置10は、車載蓄電池311に充電を行う。
【0065】
時刻t8において、制御部150は、再度、充電開始時刻になったと判定する。制御部150は、充電開始時刻になったため、車載蓄電池311への充電を開始する。以降、1日目と同様の処理を繰り返す。
【0066】
次に、目標時刻が昼から夜に設定された場合の一例について説明する。目標時刻が深夜に設定された場合の一例において、目標時刻が朝に設定された場合の一例で既に説明した内容については、説明を省略する場合がある。
【0067】
時刻t2において、制御部150は、充電開始時刻になったと判定する。制御部150は、充電開始時刻になったため、車載蓄電池311への充電を開始する。当該時間帯は、昼間料金時間帯である(すなわち、電気料金が高い)。したがって、制御部150は、可能であれば太陽光パネル21により発電された電力により車載蓄電池311を充電し、PV不足であれば、系統電力62から車載蓄電池311を充電する。
【0068】
具体的には、充放電制御装置10は、電流センサ55により住宅20内の潮流をモニタ氏、PV余剰があれば、太陽光パネル21により発電された電力により車載蓄電池311を充電する。PV不足であれば、系統電力62から車載蓄電池311を充電する。
【0069】
時刻t3において、目標時刻になると、車載蓄電池311のSOCは、目標SOCとなっている。以降、PV余剰分があれば、充放電制御装置10は、車載蓄電池311に充電を行う。
【0070】
なお、本実施形態における目標SOCと目標時刻による設定は、車両31に乗るまでの間(すなわち、車両31をモビリティ用途に使用していない期間)に、車載蓄電池311を蓄電池として利用するための仕組みである、したがって、目標時刻を昼から夜の時間帯に設定することは、原則として推奨しない。
目標時刻を昼から夜の時間帯に設定する場合、本実施形態における制御を用いず、強制的に車載蓄電池311のSOCが100%になるまで充電する満充電モードを用いてもよい。
【0071】
図7は、第1の実施形態に係るPV発電量とV2H充放電量と宅内消費電力量との関係の一例を示す図である。同図を参照しながら、PV発電量、V2H充放電量、宅内消費電力量、及び車載蓄電池311のSOCの、時間ごとの変化の一例について説明する。
図7(A)は、PV発電量、V2H充放電量、宅内消費電力量の、時間ごとの変化の一例を示し、図7(B)は、車載蓄電池311のSOCの、時間ごとの変化の一例について、横軸を時刻として説明する。
【0072】
7時から9時の時間において、宅内消費は、2[KW(キロワット)]を超えており、大きい。したがって、PV不足となり、車載蓄電池311から負荷57に放電が行われ、車載蓄電池311のSOCは66%から63%に減少している。
【0073】
9時から16時の時間において、宅内消費が1[KW]と低くなると、PV余剰分が発生し、充放電制御装置10は、車載蓄電池311へ充電する。9時から16時の時間において、車載蓄電池311のSOCは、65%から84%へ増加している。
【0074】
16時から24時の時間において、再び宅内消費が、2[KW]を超えるようになり、大きくなる。また、日没後は、太陽光パネル21による発電量がゼロとなり、再び車載蓄電池311から放電が行われる。16時から24時の時間において、車載蓄電池311のSOCは、82%から50%へ減少している。
【0075】
24時から5時の時間において、宅内消費は0[KW]となる。24時から1時の時間においては、充放電のいずれも行われない。
【0076】
1時になると、充放電制御装置10は、充電開始時刻になったため、車載蓄電池311への充電を始める。当該時間帯は夜間電気料金時間帯であるため、系統電力62から電力の供給を受けたとしても、安い電気料金で充電することができる。1時から5時の時間において、充放電制御装置10は、目標SOCになるまで車載蓄電池311の充電を行う。1時から56時の時間において、車載蓄電池311のSOCは、55%から70%へ増加している。
すなわち、この一例において目標SOCは70%であり、目標時刻は5時である。
【0077】
5時から7時の時間において、日の出と共にPV発電が開始され、宅内消費が増え始める。充放電制御装置10は、PV余剰分から優先して負荷57に電力を供給し、不足分は車載蓄電池311から放電する。
【0078】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態に係る充放電制御装置10は、目標SOC取得部110を備えることにより目標SOCを取得し、目標時刻取得部120を備えることにより目標時刻を取得し、算出部130を備えることにより目標SOCと目標時刻に基づき充電開始時刻を算出し、現在時刻取得部140を備えることにより現在時刻を取得し、制御部150を備えることにより充電開始時刻となった場合には充電を開始するよう制御し、車載蓄電池311のSOCが目標SOCに達したと判定した場合に充電を停止するよう制御する。すなわち、本実施形態によれば、充放電制御装置10は、目標時刻において車載蓄電池311に対して目標SOCまでの充電を行うよう制御する。したがって、本実施形態によれば、ユーザが車両31をモビリティ用途に使用することもできるし、太陽光パネル21により発電された電力の余剰分を蓄電することもできる。よって、本実施形態によれば、充放電制御装置10は、車載蓄電池を備えた車両のモビリティ用途と、蓄電池用途とを両立させることができる。
【0079】
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10は、算出部130を備えることにより、車載蓄電池311の現在のSOCと目標SOCとの差分と、車載蓄電池311の充電電力とに基づいて、充電開始時刻を算出する。すなわち、充電電力が速ければ目標時刻と充電開始時刻との間は短く、充電電力が遅ければ目標時刻と充電開始時刻との間は長い。したがって、本実施形態によれば、車載蓄電池311の種類や劣化具合等によって充電電力が異なる場合であっても、精度よく、目標時刻において車載蓄電池311に対して目標SOCまでの充電を行うよう制御することができる。
【0080】
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10において、充電電力は、予め定められた一定の値である。充放電制御装置10は、一定の値である充電電力に基づいて充電開始時刻を算出するため、容易に充電開始時刻を算出することができる。
【0081】
また、本実施形態によれば、算出部130は、車載蓄電池311を充電するのに要した充電時間及び充電量に基づいて充電電力を学習する。また、算出部130は、学習された充電電力に基づいて充電開始時刻を算出する。したがって、本実施形態によれば、算出部130は、充電電力が車載蓄電池311の劣化等により変化した場合であっても、精度よく、目標時刻において車載蓄電池311に対して目標SOCまでの充電を行うよう制御することができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10は、直流電源である太陽電池から、車載蓄電池311への充電と、車載蓄電池311から負荷57への放電とを制御する。また、制御部150は、電流センサ55により取得されたセンサ出力情報に基づいて潮流の方向を判定する。すなわち、本実施形態によれば、充放電制御装置10は、電流センサ55により潮流の方向を判定し、判定された潮流の方向に応じて充電又は放電を行う。したがって、本実施形態によれば、充放電制御装置10は、車載蓄電池311について充電又は放電のいずれを行うべきか、容易に判定することができる。
【0083】
[第2の実施形態]
次に、図8及び図9を参照しながら、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る充放電制御装置10Aは、更に「SOC上限値」及び「SOC下限値」に基づいた制御を行う点において、充放電制御装置10とは異なる。
【0084】
「SOC上限値」とは、車載蓄電池311に充電可能なSOCの上限値である。「SOC上限値」は、原則として100%であって、ユーザからの設定を要しなくてもよい。
「SOC下限値」とは、車載蓄電池311から放電可能なSOCの下限値である。充放電制御装置10Aは、設定された「SOC下限値」までの範囲において放電を行う。換言すれば、ユーザは、いつ車両31をモビリティ用途に用いたとしても、「SOC下限値」で設定したSOCは確保されている。
なお、「SOC上限値」又は「SOC下限値」の設定は、車両31及び充放電制御装置10のそれぞれにおいて独自に設定されていてもよい。充放電制御装置10における「SOC上限値」の設定は、車両31に予め設定された「SOC上限値」よりも低い値であることが好適である。充放電制御装置10における「SOC下限値」の設定は、車両31に予め設定された「SOC下限値」よりも高い値であることが好適である。
【0085】
図8は、第2の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、充放電制御装置10Aの機能構成の一例について説明する。
充放電制御装置10Aは、SOC変動可能範囲取得部160を備える点において充放電制御装置10とは異なる。充放電制御装置10Aの説明において、充放電制御装置10と同様の構成については、同様の符号を付すことにより、説明を省略する場合がある。
【0086】
SOC変動可能範囲取得部160は、SOC下限値取得部161とSOC上限値取得部162とを備える。
SOC下限値取得部161は、車載蓄電池311から負荷への放電をする際における車載蓄電池311のSOCの下限値を取得する。SOCの下限値を含む情報をSOC下限値情報ISLとも記載する。SOC下限値取得部161は、SOC下限値情報ISLを制御部150に出力する。
SOC上限値取得部162は、系統電力62又は太陽光パネル21から車載蓄電池311への充電をする際における車載蓄電池311のSOCの上限値を取得する。SOCの上限値を含む情報をSOC上限値情報ISUとも記載する。SOC上限値取得部162は、SOC上限値情報ISUを制御部150に出力する。
【0087】
制御部150は、車載蓄電池311から負荷57への放電を制御し、車載蓄電池311のSOCが下限値に達した場合、車載蓄電池311から負荷57への放電を停止するよう制御する。また、制御部150は、系統電力62又は太陽光パネル21から車載蓄電池311への充電を制御し、車載蓄電池311のSOCが上限値に達した場合、系統電力62又は太陽光パネル21から車載蓄電池311への充電を停止するよう制御する。
【0088】
図9は、第2の実施形態に係るユーザ要求取得画面の一例を示す図である。同図を参照しながら、ユーザ要求取得画面D10Aの一例について説明する。D10AはテキストボックスD13及びテキストボックスD14を備える点においてユーザ要求取得画面D10とは異なる。ユーザ要求取得画面D10Aの説明において、ユーザ要求取得画面D10と同様の構成については、同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。
テキストボックスD13は、ユーザが所定の方法により情報を入力することにより、SOC下限値を取得する。テキストボックスD14は、ユーザが所定の方法により情報を入力することにより、SOC上限値を取得する。同図に示す一例において、SOC下限値は30%であり、SOC上限値は100%である。
【0089】
なお、SOC上限値及びSOC下限値は、図5を参照しながら説明したステップS110において設定されてもよい。ユーザは、所定の方法により「SOC上限値」、及び「SOC下限値」を設定する。ユーザの設定により、充放電制御装置10Aは、「SOC上限値」、及び「SOC下限値」についての情報を取得する。
【0090】
なお、図5を参照しながら説明したステップS150において、充放電制御装置10Aは、車載蓄電池311のSOCが、ステップS110において取得された「SOC上限値」に達した場合、充電を停止する。
また、図5を参照しながら説明したステップS170において、PV不足の場合であっても、車載蓄電池311のSOCがステップS110により取得された「SOC下限値」に達した場合は、充放電制御装置10Aは、車載蓄電池311から負荷57への放電を停止する。
【0091】
[第2の実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態に係る充放電制御装置10Aは、SOC下限値取得部161を備えることにより車載蓄電池311のSOC下限値を取得し、制御部150を備えることにより車載蓄電池311のSOCがSOC下限値に達した場合、車載蓄電池311から負荷57への放電を停止するよう制御する。すなわち、充放電制御装置10Aは、設定された「SOC下限値」を下回らない範囲において、充放電の制御を行う。よって、本実施形態によれば、ユーザは、いつ車両31をモビリティ用途に用いたとしても、必要なSOCが確保された状態において、車両31をモビリティ用途に用いることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10Aは、SOC上限値取得部162を備えることにより、車載蓄電池311のSOC上限値を取得し、制御部150を備えることにより車載蓄電池311のSOCがSOC上限値に達した場合、系統電力62又は太陽光パネル21から車載蓄電池311への充電を停止するよう制御する。すなわち、充放電制御装置10Aは、設定された「SOC上限値」を上回らない範囲において、充放電の制御を行う。よって、本実施形態によれば、ユーザは、不必要に車載蓄電池311を充電し過ぎることを抑止することができる。よって、充放電制御装置10Aによれば、系統電力62から不必要な電力を充電することなく、電気代を節約することができる。
【0093】
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10Aは、SOC変動可能範囲取得部160を備えることにより、充放電の制御を行う際のSOCの範囲を取得する。充放電制御装置10Aは、車載蓄電池311のSOCの範囲が、取得されたSOCの範囲内となるよう充放電の制御を行う。換言すれば、充放電制御装置10Aは、ユーザが車両31をモビリティ用途に使用する際には、車載蓄電池311のSOCの範囲が取得されたSOCの範囲内となるよう制御する。
よって、本実施形態によれば、充放電制御装置10Aは、車載蓄電池311を備えた車両31のモビリティ用途と、蓄電池用途とを両立させることができる。
【0094】
[第3の実施形態]
次に、図10を参照しながら、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態に係る充放電制御装置10Bは、車載蓄電池311が劣化しているか否かを判定する機能を有し、車載蓄電池311が劣化していると判定した場合には、ユーザに車載蓄電池311が劣化していることを通知する点において、充放電制御装置10とは異なる。
【0095】
ここで、蓄電池の劣化度合いは、充電電力によって判定することができる。したがって、第3の実施形態においては、予め所定の充電電力を定めておき、算出した車載蓄電池311の充電電力と比較した結果に応じて、蓄電池の劣化度合いを判定する。
【0096】
図10は、第3の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、充放電制御装置10Bの機能構成の一例について説明する。
充放電制御装置10Bは、通知部170を備える点において充放電制御装置10とは異なる。充放電制御装置10Bの説明において、充放電制御装置10と同様の構成については、同様の符号を付すことにより、説明を省略する場合がある。
【0097】
充放電制御装置10Bは、不図示の定格充電電力取得部により、車載蓄電池311の定格充電電力についての情報を取得する。定格充電電力取得部は、不図示の記憶部から、予め記憶された定格充電電力を取得してもよい。
通知部170は、算出部130により算出された充電電力が、所定の定格充電電力以下であるか否かを通知する。例えば、通知部170は、算出部130により算出された充電電力が、所定の定格充電電力以下である場合に、車載蓄電池311が劣化していると判定してもよい。通知部170は、車載蓄電池311が劣化していると判定した場合に、車載蓄電池311が劣化していることを通知する。
【0098】
通知部170は、例えば、不図示の無線通信装置を有しており、無線通信装置により、ルータ56及び所定の通信ネットワークNWを介して携帯端末装置71に、車載蓄電池311が劣化していることを通知してもよい。
変形例として、通知部170は、不図示の発光ダイオード(light emitting diode:LED)を点灯又は点滅させる、液晶ディスプレイ等の不図示の表示部に表示する等により、車載蓄電池311が劣化していることを通知してもよい。
【0099】
[第3の実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態に係る充放電制御装置10Bは、通知部170を備えることにより、算出部130により算出された充電電力が、所定の定格充電電力以下である場合に、車載蓄電池311が劣化していることを通知する。したがって、本実施形態によれば、ユーザは、車載蓄電池311が劣化していることを認識することができる。
【0100】
[第4の実施形態]
次に、図11及び図12を参照しながら、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態に係る充放電制御装置10Cは、更に「充電優先時間帯」に基づいた制御を行う点において、充放電制御装置10とは異なる。
「充電優先時間帯」とは、車載蓄電池311に充電することを優先する時間帯である。
【0101】
図11は、第4の実施形態に係る充放電制御装置の機能構成の一例を示す図である。同図を参照しながら、充放電制御装置10Cの機能構成の一例について説明する。
充放電制御装置10Cは、充電優先時間帯取得部180を備える点において充放電制御装置10とは異なる。充放電制御装置10Cの説明において、充放電制御装置10と同様の構成については、同様の符号を付すことにより、説明を省略する場合がある。
【0102】
充電優先時間帯取得部180は、充電優先時間帯を取得する。充電優先時間帯を含む情報について、充電優先時間帯情報IPTとも記載する。充電優先時間帯取得部180は、充電優先時間帯情報IPTを制御部150に出力する。
制御部150は、取得した充電優先時間帯においては、充電開始時刻に関わらず車載蓄電池311に対して充電を開始するよう制御する。
【0103】
制御部150は、現在時刻が充電優先時間帯でなく、充電開始時刻に達しておらず、かつ電流センサ55により取得されたセンサ出力情報に示される潮流の方向が太陽光パネル21から系統電力62に放電されている方向である場合、太陽光パネル21から車載蓄電池311への充電を優先する。
また、制御部150は、現在時刻が充電優先時間帯でなく、充電開始時刻に達しておらず、かつ電流センサ55により取得されたセンサ出力情報に示される潮流の方向が太陽光パネル21から系統電力62に放電されていない場合(すなわち、系統電力62から電力を購入している場合)、車載蓄電池311の放電を優先する。
【0104】
図12は、第4の実施形態に係るユーザ要求取得画面の一例を示す図である。同図を参照しながら、ユーザ要求取得画面D10Cの一例について説明する。D10CはテキストボックスD5を備える点においてユーザ要求取得画面D10とは異なる。ユーザ要求取得画面D10Cの説明において、ユーザ要求取得画面D10と同様の構成については、同様の符号を付すことにより説明を省略する場合がある。
テキストボックスD15は、ユーザが所定の方法により情報を入力することにより、充電優先時間帯を取得する。同図に示す一例において、充電優先時間帯は、24時00分から6時00分までである。
【0105】
なお、充電優先時間帯は、図5を参照しながら説明したステップS110において設定されてもよい。ユーザは、所定の方法により「充電優先時間帯」を設定する。ユーザの設定により、充放電制御装置10Cは、「充電優先時間帯」についての情報を取得する。
【0106】
[第4の実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態に係る充放電制御装置10Cは、充電優先時間帯取得部180を備えることにより充電優先時間帯を取得し、制御部150を備えることにより
取得した充電優先時間帯においては、充電開始時刻に関わらず充電を開始するよう制御する。なお、充電優先時間帯は、夜間若しくは深夜の時間帯に設定されることを想定している。
したがって、本実施形態によれば、ユーザは充電優先時間帯を設定することにより、充放電制御装置10Cは、電気料金が安い夜間に、優先して車載蓄電池311を充電することができる。
【0107】
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10Cは、制御部150を備えることにより、充電優先時間帯でなく、充電開始時刻に達しておらず、かつ電流センサ55により取得されたセンサ出力情報に示される潮流の方向が太陽光パネル21から放電されている方向である場合、太陽光パネル21から車載蓄電池311への充電を優先する。
また、本実施形態によれば、充放電制御装置10Cは、制御部150を備えることにより、充電優先時間帯でなく、充電開始時刻に達しておらず、かつ電流センサ55により取得されたセンサ出力情報に示される潮流の方向が太陽光パネル21から放電されている方向でない場合、車載蓄電池311の放電を優先する。
なお、充電優先時間帯でない時間帯とは、昼間の時間帯を想定している。したがって、本実施形態によれば、充放電制御装置10Cは、充電優先時間帯が夜間若しくは深夜の時間帯に設定された場合、昼間の時間においても、好適に充放電の制御を行うことができる。
【0108】
なお、上述した実施形態における充放電制御装置10が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0109】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0110】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1…充放電システム、10…充放電制御装置、11…電源切替スイッチ、20…住宅、21…太陽光パネル、23…PVパワコン、22…接続箱、31…車両、311…車載蓄電池、32…DCリンクV2H、33…ACリンク型V2H、41…蓄電池、51…連系ブレーカ、52…切替ボックス、53…音声モニタ、54…分電盤、55…電流センサ、56…ルータ、57…負荷、571…100V負荷、572…200V負荷、61…スマートメータ、62…系統電力、63…主幹ブレーカ、71…携帯端末装置、NW…通信ネットワーク、110…目標SOC取得部、120…目標時刻取得部、130…算出部、140…現在時刻取得部、150…制御部、160…SOC変動可能範囲取得部、161…SOC下限値取得部、162…SOC上限値取得部、170…通知部、180…充電優先時間帯取得部、D10…ユーザ要求取得画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12