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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102026
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】空気調和装置の室外ユニット
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/16 20110101AFI20230714BHJP
【FI】
F24F1/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002349
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川端 立慈
(72)【発明者】
【氏名】林 良美
(72)【発明者】
【氏名】清水 章吾
(72)【発明者】
【氏名】松井 大
(72)【発明者】
【氏名】広田 正宣
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA05
3L054BB02
(57)【要約】
【課題】熱交換器の腐食を抑制できる空気調和装置の室外ユニットを提供する。
【解決手段】扁平管62が側面55、57に接続されるヘッダパイプ52、54を備える熱交換器と、熱交換器を収める筐体10と、筐体10の内部に熱交換器を固定する固定部材70とを備え、固定部材70は、筐体10の内部に固定される固定部74と、ヘッダパイプ52、54の側面51、53のうち、扁平管62が接続される接続面55、57以外で接して保持する保持部72とを備え、保持部72は、ヘッダパイプ52、54の側面51、53の所定箇所で接する接触部80を備え、ヘッダパイプ52、54の側面51、53は、接触部80と接触する箇所と同一の高さでヘッダパイプ52、54の周方向に接触部80と接することなく外部に露出する露出面59を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平管が側面に接続されるヘッダパイプを備える熱交換器と、
前記熱交換器を収める筐体と、
前記筐体の内部に前記熱交換器を固定する固定部材とを備え、
前記固定部材は、前記筐体に固定される固定部と、
前記ヘッダパイプの前記側面のうち、前記扁平管が接続される接続面以外で接して保持する保持部とを備え、
前記保持部は、前記ヘッダパイプの前記側面の所定箇所で接する接触部を備え、
前記ヘッダパイプの前記側面は、前記接触部と接触する箇所と同一の高さで前記ヘッダパイプの周方向に前記接触部と接することなく外部に露出する露出面を備える
ことを特徴とする空気調和装置の室外ユニット。
【請求項2】
前記保持部に保持された前記ヘッダパイプの前記側面のうち、
前記ヘッダパイプの前記側面の周方向に沿った前記露出面の長さ寸法は、前記ヘッダパイプの前記側面の周方向に沿った前記接触部の長さ寸法よりも長い
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項3】
前記露出面は、前記ヘッダパイプの前記側面のうち、前記接続面の反対側に設けられる
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項4】
前記接触部は、前記接続面の縁部に接して設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項5】
前記接触部は、前記ヘッダパイプの側面に接する接触面を備え、
前記保持部は、複数の前記接触部を備え、各前記接触部の接触面が前記ヘッダパイプの側面に接することで前記ヘッダパイプを保持する
ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項6】
前記接触部は、前記ヘッダパイプの側面に向かって突出する突形状を備え、
前記保持部は、複数の前記接触部を備え、各前記接触部の突形状の先端が前記ヘッダパイプの側面に接することで前記ヘッダパイプを保持する
ことを特徴とする請求項1から請求項5に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項7】
前記筐体には、前記ヘッダパイプの長手方向に交差する方向に沿って、複数の前記熱交換器が並べて設けられ、
前記保持部は、前記ヘッダパイプの長手方向に交差する方向に沿って複数個が並べられて前記固定部に設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項8】
複数の前記保持部は、締結部材によって互いに締結され、
前記締結部材には、前記保持部の少なくともいずれか一つが保持する前記ヘッダパイプの前記側面の所定箇所で接する接触部が設けられる
ことを特徴とする請求項7に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項9】
複数の前記保持部は、締結部材によって互いに締結され、
前記締結部材には、各前記保持部が保持する前記ヘッダパイプの前記側面の所定箇所で接する接触部が設けられる
ことを特徴とする請求項7に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項10】
前記ヘッダパイプは、長手方向が前記筐体の上下方向に沿って設けられ、
前記固定部材は、前記ヘッダパイプの長手方向に沿って複数が設けられ、
前記固定部材のそれぞれによって露出される各前記露出面は、前記ヘッダパイプの平面視で、少なくとも一部が互いに重なって設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項11】
前記接触部の上面は、前記露出面に向かうにつれて下方に傾斜する形状を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項12】
前記接触部は、前記露出面に向かうにつれて下方に傾斜する形状を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項13】
前記接触部には、前記ヘッダパイプの長手方向に沿って延びる溝が設けられる
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項14】
前記ヘッダパイプには、前記ヘッダパイプの内部の空間を仕切る隔壁が設けられ、
前記保持部は、前記隔壁を避けた位置で保持する
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項15】
前記接触部は、前記ヘッダパイプと同等以下の電位となる金属材料、または非金属材料で形成される
ことを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【請求項16】
前記固定部は、前記接触部よりも縦弾性係数と降伏点とが大きい材料で形成される
ことを特徴とする請求項15に記載の空気調和装置の室外ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置の室外ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、熱交換器を取り付けるためのブラケットの腐蝕を防止する室外ユニットを開示する。この室外ユニットは、アルミニウム製のブラケットの取付片が鋼板製の送風機室側側板に固定される。鋼板製の送風機室側側板が、アルミニウム製のブラケットの取付片が貫通する開口部を有している。アルミニウム製のブラケットの取付片は、この開口部を貫通して固定される。樹脂カバーは、アルミニウム製のブラケットと鋼板製の送風機室側側板との間に介在してこれらの間に所定の間隔を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013ー139930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、熱交換器の腐食を抑制できる空気調和装置の室外ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における空気調和装置の室外ユニットは、扁平管が側面に接続されるヘッダパイプを備える熱交換器と、前記熱交換器を収める筐体と、前記筐体の内部に前記熱交換器を固定する固定部材とを備え、前記固定部材は、前記筐体に固定される固定部と、前記ヘッダパイプの前記側面のうち、前記扁平管が接続される接続面以外で接して保持する保持部とを備え、前記保持部は、前記ヘッダパイプの前記側面の所定箇所で接する接触部を備え、前記ヘッダパイプの前記側面は、前記接触部と接触する箇所と同一の高さで前記ヘッダパイプの周方向に前記接触部と接することなく外部に露出する露出面を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、固定部材と当該固定部材が接するヘッダパイプの側面に水分が滞留することが抑制される。そのため、熱交換器の腐食を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施の形態1に係る空気調和装置の室外ユニットの斜視図
図2】室外ユニットの内部構造を模式的に示す平面図
図3】熱交換器を示す斜視図
図4】熱交換器を示す側面図
図5】固定部材によって筐体に固定されたヘッダパイプを示す平面図
図6】本開示の実施の形態2に係る固定部材とヘッダパイプとを示す側面図
図7】本開示の実施の形態3に係る固定部材によって筐体に固定されたヘッダパイプを示す平面図
図8】本開示の実施の形態4に係る室外ユニットの内部構造を模式的に示す平面図
図9】固定部材によって筐体に固定されたヘッダパイプを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、室外ユニットにおいて、筐体に熱交換器を取り付けるための固定部材であるブラケットの腐蝕を防止する技術があった。この室外ユニットは、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の熱交換器と、熱交換器のヘッダパイプに取り付けられるアルミニウム製またはアルミニウム合金製のブラケットと、ブラケットが固定される非アルミニウム金属製の筐体の側板と、ブラケットと側板との間に所定の間隔を形成する非金属部材とを備える。
これにより、非金属部材によってアルミニウム製またはアルミニウム合金製のブラケットと非アルミニウム金属製の側板とが接触しないので、非アルミニウム金属とアルミニウム金属との間で腐蝕が起こることに起因するブラケットの腐蝕が防がれる。
【0009】
しかしながら、従来の構成では、ヘッダパイプと、固定部材とが接する箇所において、雨水や結露水等の水分が滞留することがある。そして、この滞留した水分による酸化還元反応等によって、ヘッダパイプが腐食する虞があると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図1図4を用いて、実施の形態1を説明する。各図に示す符号FRは、設置面に設置されて通常使用される状態における室外ユニットの前方を示し、符号UPは、当が室外ユニットの上方を示し、符号LHは、当該室外ユニットの左方を示す。以下の説明において、各方向は、これらの室外ユニットの方向に沿った方向である。
【0012】
[1-1.構成]
[1-1-1.室外ユニットの構成]
図1は、本実施の形態に係る空気調和装置の室外ユニット1の斜視図である。
本実施の形態の空気調和装置は、室内ユニットに収められた室内熱交換器と、室外ユニット1に収められた圧縮機5や膨張弁、室外熱交換器50等で形成された冷凍回路を備える。空気調和装置は、この冷凍回路に冷媒を流通させることで、室内ユニットが設けられた被調和空間の空調を行うものである。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態の室外ユニット1は、側面に配置された室外熱交換器50を通して内部に空気を吸い込み、当該空気を冷媒と熱交換して他の側面から吹き出す、所謂サイドフロー方式、あるいは横吹き型と呼ばれる室外機である。
【0014】
図2は、室外ユニット1の内部構造を模式的に示す平面図である。図2では、説明の便宜上、前面吸気口15と側面吸気口17との下縁を形成する底板12の縁部と、排気口19の縁部を形成する背面板18の所定箇所を一点鎖線で示す。図2では、空気の流れの方向である気流方向A1、A2を二点鎖線で示す。
室外ユニット1は、図1図2に示すように、長手方向が左右方向に沿って延びる箱状の筐体10を備える。本実施の形態では、筐体10の各部は、いずれも鋼板によって形成される。
筐体10は、当該筐体10の底面を形成する底板12と、天面を形成する天板14と、前面を形成する前面板16と、背面を形成する背面板18と、左側面を形成する左側板11と、右側面を形成する右側板13とを備える。
【0015】
図1に示すように、前面板16には、前面吸気口15が設けられる。前面吸気口15は、筐体10の外部から内部に空気が吸い込まれる矩形の開口である。前面板16において、前面吸気口15は、右側板13よりも左側板11に接近した位置に設けられる。
前面板16において、前面吸気口15の右側板13側の縁部に接近した位置には、貫通孔である複数の締結孔20が設けられている。これらの締結孔20は、筐体10の上下方向に沿って延びる同一直線上に並ぶように設けられる。本実施の形態では、前面板16には、3つの締結孔20が設けられる。
【0016】
左側板11には、側面吸気口17が設けられる。側面吸気口17は、筐体10の内部に空気が吸い込まれる矩形の開口である。左側板11において、側面吸気口17は、背面板18よりも前面板16に接近した位置に設けられる。
左側板11において、側面吸気口17の背面板18側の縁部に接近した位置には、筐体10の上下方向に沿って延びる同一直線上に並ぶように、3つの締結孔20が設けられている。
【0017】
図2に示すように、背面板18には、排気口19が設けられる。この排気口19は、筐体10の内部に吸い込まれた空気が当該筐体10の外部に吹き出される開口である。
なお、上述した前面吸気口15や側面吸気口17、及び排気口19には、フィルタや格子状の保護部材が設けられていてもよい。
【0018】
筐体10の内部空間Sは、仕切板21によって2つの空間に仕切られる。この仕切板21は、筐体10の上下方向に沿って所定の高さ寸法で延びると共に、筐体10の前後方向に沿って延びる板状部材である。仕切板21は、下端が底板12に連結されることで筐体10に固定される。仕切板21は、筐体10の前面側に位置する端部が前面板16に連結され、筐体10の背面側に位置する端部が背面板18に連結される。
これによって、筐体10の内部には、仕切板21を挟んで、当該筐体10の右側面側に位置する機械室S1と、当該筐体10の左側面側に位置する送風機室S2との2つの空間が設けられる。
【0019】
機械室S1には、圧縮機5や、膨張弁、室外熱交換器50が備えるヘッダパイプ52、冷媒配管等の冷凍回路を構成する部材や、各種の電気部品等が収められる。
送風機室S2には、送風ファン30と、ヘッダパイプ52を除く室外熱交換器50とが収められる。
送風ファン30は、回転駆動することで筐体10の外部から空気を送風機室S2に導入し、室外熱交換器50を流れる冷媒と熱交換させた後、再び筐体10の外部に放出する軸流ファンである。この送風ファン30は、ファンモータ32と羽根車34とを備える。
ファンモータ32は、羽根車34を回転させる駆動部であり、当該ファンモータ32は、羽根車34が取り付けられる駆動軸36を備えている。
羽根車34は、ファンモータ32によって回転されることで、軸流方向に空気を送り出す回転部品である。
【0020】
送風ファン30は、送風機室S2に設けられるファン支持部材40によって固定される。このファン支持部材40は、一対の支柱42と、モータ取付部材44と、固定板46とを備える。
一対の支柱42は、いずれも底板12の上面から上方に向かって起立して延びる柱状の部材である。これらの一対の支柱42は、筐体10の左右方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて並べて配置される。
モータ取付部材44は、ファンモータ32を保持する部材である。このモータ取付部材44は、一対の支柱42に挟み込まれるように取り付けられる。モータ取付部材44は、底板12から所定の高さ寸法で離間する位置で一対の支柱42に取り付けられる。
【0021】
固定板46は、一対の支柱42の上端を固定する部材である。この固定板46は、平面が筐体10の底面に対向し、且つ長手方向が筐体10の前後方向に沿って延びるように配置される板状部材である。固定板46は、例えばねじ締結等によって、前面板16と、背面板18とのそれぞれに長手方向の両端が連結されて筐体10に固定される。筐体10に固定された固定板46は、室外熱交換器50の上端よりも上方に配置される。
なお、固定板46は、前面板16側に位置する端部が室外熱交換器50の上端に係合することで固定されてもよい。
【0022】
筐体10の底面に対向する固定板46の平面には、一対の支柱42の上端が連結される。これによって、一対の支柱42は、固定板46を介して筐体10に固定される。
本実施の形態の固定板46は、板金によって形成される。
【0023】
ファン支持部材40は、ファンモータ32がモータ取付部材44に取り付けられることで送風ファン30を支持する。ファン支持部材40に固定された送風ファン30は、羽根車34が排気口19に対向し、且つ駆動軸36の先端が排気口19に向かう位置に配置される。
【0024】
[1-1-2.室外熱交換器の構成]
図3は、室外熱交換器50を示す斜視図である。図4は、室外熱交換器50を示す側面図である。
室外熱交換器50は、室内機から供給される冷媒を蒸発させる蒸発器、或いは、冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する熱交換器である。
図2図3図4に示すように、本実施の形態の室外熱交換器50は、全体として平面視で略L字状に形成される。
【0025】
室外熱交換器50は、一対のヘッダパイプ52、54と、第1冷媒配管66と、第2冷媒配管68と、隔壁60と、複数の扁平管62と、複数のフィン64とを備える。
本実施の形態において、室外熱交換器50が備えるこれらの部材は、いずれもアルミニウムあるいはアルミニウム合金で形成される。
【0026】
ヘッダパイプ52、54は、いずれも筐体10の上下方向沿って延びる中空の柱状部材である。本実施の形態では、ヘッダパイプ52、54は、いずれも円柱状に形成される。これらのヘッダパイプ52、54は、室外熱交換器50の両端にそれぞれが設けられる。
【0027】
一方のヘッダパイプ52には、第1冷媒配管66と、第2冷媒配管68とが接続される。第1冷媒配管66と第2冷媒配管68とは、室外熱交換器50における冷媒の流入口、または流出口として機能する。
第1冷媒配管66は、一方のヘッダパイプ52が備える側面51の上方に接続される。第2冷媒配管68は、一方のヘッダパイプ52が備える側面51の下方に接続される。
本実施の形態では、第1冷媒配管66と、第2冷媒配管68とは、ヘッダパイプ52の周方向において、平面視で略同一の箇所に接続される。
【0028】
ヘッダパイプ52の内部には、当該ヘッダパイプ52の内部空間SPを上方に位置する上部空間SP1と下方に位置する下部空間SP2との上下に隔てる隔壁60が設けられる。この隔壁60は、当該ヘッダパイプ52の高さ方向において、第1冷媒配管66と、第2冷媒配管68との略中間の位置に配置される。
ヘッダパイプ54の内部には、内部空間SQが設けられる。
【0029】
複数の扁平管62は、内部に冷媒が流れる流路が設けられる扁平な長尺部材である。
各扁平管62は、各ヘッダパイプ52、54の長手方向に沿って、それぞれの長手方向が互いに平行となるように並べられた状態で、当該扁平管62の両端のそれぞれが各ヘッダパイプ52、54の側面51、53のそれぞれに接続される。
すなわち、ヘッダパイプ52の側面51の所定箇所には、当該ヘッダパイプ52の長手方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて、各扁平管62の一方の端部が一列に並べて接続される。同様に、ヘッダパイプ54の側面53の所定箇所には、当該ヘッダパイプ54の長手方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて、各扁平管62の他方の端部が一列に並べて接続される。
このため、各扁平管62の長手方向は、室外熱交換器50の長手方向に一致する。
【0030】
各扁平管62は、それぞれの幅方向が互いに平行となるように各ヘッダパイプ52、54に接続される。
以下、各ヘッダパイプ52、54の側面51、53において、各扁平管62が接続される所定箇所を接続面55、57という。
【0031】
複数のフィン64は、各扁平管62のそれぞれを挿通可能な複数の挿通孔が平面に設けられた平板部材である。各扁平管62は、各フィン64に挿通された状態で、各ヘッダパイプ52、54に接続される。すなわち、各フィン64は、長手方向、及び幅方向が各扁平管62に直交した状態で配置される。このように配置された各フィン64の長手方向は、各ヘッダパイプ52、54の長手方向に一致する。
本実施の形態では、一対のヘッダパイプ52、54と、隔壁60と、第1冷媒配管66と、第2冷媒配管68と、複数の扁平管62と、複数のフィン64とは、ロウ付けによって互いに固定される。
【0032】
送風機室S2において、室外熱交換器50は、長手方向が前面板16と、左側板11とに沿って配置される。具体的には、前面吸気口15の右側板13側の縁部に接近した位置にヘッダパイプ52が配置され、側面吸気口17の背面板18側の縁部に接近した位置にヘッダパイプ54が配置される。そして、室外熱交換器50は、前面板16と左側板11とで形成される筐体10の角部23に接近するように屈曲されて配置される。
【0033】
このように配置された室外熱交換器50は、図1に示すように、前面吸気口15と側面吸気口17を介して、各扁平管62と複数のフィン64との大部分が筐体10から露出する。一方、ヘッダパイプ52は、前面板16に遮蔽され、ヘッダパイプ54は、左側板11に遮蔽される。
【0034】
なお、仕切板21は、ヘッダパイプ52と、複数のフィン64の間を通過するように設けられる。
これによって、ヘッダパイプ52は、機械室S1に配置され、複数の扁平管62やフィン64、ヘッダパイプ54は、送風機室S2に配置される。このため、ヘッダパイプ52は、仕切板21によって、前面吸気口15や側面吸気口17から送風機室S2に流入する空気、及び当該空気が含む水分や塩分等から遮蔽され、腐食が抑制される。
【0035】
[1-1-3.固定部材の構成]
図2に示すように、室外ユニット1は、室外熱交換器50を筐体10に固定する固定部材70を備える。
具体的には、ヘッダパイプ52が複数の固定部材70によって前面板16に固定され、複数の固定部材70によってヘッダパイプ54が左側板11に固定される。本実施の形態では、各ヘッダパイプ52、54は、いずれも3つの固定部材70によって固定される。
【0036】
このように筐体10に固定された各ヘッダパイプ52、54は、いずれも長手方向が筐体10の上下方向に沿って配置される。各ヘッダパイプ52、54の長手方向は、は、鉛直方向と略同一である。
以下、ヘッダパイプ52の固定構造について説明するが、ヘッダパイプ54の固定構造についても同様の構成であり、その説明を省略する。
【0037】
図5は、固定部材70によって筐体10に固定されるヘッダパイプ52を示す平面図である。
図5に示すように、各固定部材70は、いずれも保持部72と固定部74とを備える。
【0038】
固定部74は、固定部材70を筐体10に固定する部材である。この固定部74は、ヘッダパイプ52から離間した位置に設けられる。このため、固定部74は、イオン化傾向に係らず、剛性が高く、保持部72よりも縦弾性係数と降伏点とが大きい材料で形成される。このような材料には、例えば鋼板等がある。
これによって、例えば圧縮機5の駆動に伴う振動等が生じた場合であっても、固定部材70が筐体10から離脱することや、変形することが抑制される。このため、ヘッダパイプ52、及び室外熱交換器50が配置位置から逸れることが抑制される。
【0039】
固定部74は、例えば板金等の平板部材を平面視でL字状となるように折り曲げることで形成される。このように形成された固定部74において、折り曲げられた一方の端部側である当接部75の平面には、貫通孔である締結孔77が設けられる。
固定部74は、当接部75の平面と、内部空間Sに面する前面板16の平面とが互いに当接した状態で、締結孔77と、締結孔20とに締結部材92が挿通されることで前面板16に取り付けられる。これによって、固定部材70が筐体10に取り付けられる。
【0040】
固定部74において、折り曲げられた他方の端部側である当接部71の平面には、貫通孔である連結孔73が設けられる。
【0041】
保持部72は、ヘッダパイプ52の側面51のうち、接続面55以外で接して当該ヘッダパイプ52を保持する部材である。
保持部72は、ヘッダパイプ52や扁平管62を含む室外熱交換器50を形成するアルミニウムに対して、イオン化傾向が同等、あるいはイオン化傾向が高い金属材料、すなわちアルミニウムと同等以下の電位となる金属材料によって全体が形成される。このような金属材料には、例えば亜鉛(Zn)等がある。
このように、室外熱交換器50を形成する金属材料よりも同等以下の電位となる金属材料で保持部72が形成されることで、保持部72がヘッダパイプ52を保持する箇所では、結露水や雨水等の滞留した水分が促進する異種金属接触によるヘッダパイプ52の腐食進行を抑制できる。
【0042】
保持部72は、連結部86を備える。連結部86は、露出面59に対向する平面を備える平板部である。この連結部86の略中央には、貫通孔である連結孔87が設けられる。
保持部72と、固定部74とは、連結部86の平面と、当接部71の平面とが互いに接した状態で、連結孔87と、連結孔73とに締結部材90が挿通されることで連結される。
【0043】
連結部86の水平方向における両端には、いずれも延在部84が設けられる。図4に示すように、各延在部84は、いずれも室外熱交換器50の側面視で矩形の面形状を備える平板部である。各延在部84は、固定部74とは反対側に向かって、所定の長さ寸法で、連結部86から延びる。換言すれば、一対の延在部84は、連結部86によって連結される。
これらの延在部84が保持部72に設けられることで、当該保持部72がヘッダパイプ52、54を保持した場合に、固定部74がヘッダパイプ52の露出面59から離間して配置される。
【0044】
図5に示すように、各延在部84の端部には、いずれも接触部80が設けられる。一対の接触部80は、図4に示すように、いずれも室外熱交換器50の側面視で矩形の面形状を備えるように形成される。これらの接触部80は、図5に示すように、平面視でヘッダパイプ52の側面51と略同一の曲率を備えるように曲げられて形成される。
【0045】
図4に示すように、一対の接触部80は、接続面55を避けた位置で、ヘッダパイプ52を挟んで互いに反対側に位置するように配置される。そして、一対の接触部80のそれぞれが備える平面が側面51に接する。すなわち、一対の接触部80は、ヘッダパイプ52を挟み込むように側面51に面接触する。これによって、固定部材70は、より確実にヘッダパイプ52、54を固定できる。以下、側面51に接する各接触部80の曲面を接触面83とし、側面51において、接触面83が接する箇所を被接触面58とする。
【0046】
一対の接触部80は、側面51の周方向において、ヘッダパイプ52を挟んだ接続面55の反対側で、互いに所定の間隔を空けて配置される。このため、ヘッダパイプ52が保持部72に保持された場合には、側面51の一対の被接触面58の間に位置する箇所に、接触部80が接することなく露出する露出面59が形成される。この露出面59は、ヘッダパイプ52の上下方向に沿った長さ寸法が各接触部80の長さ寸法と同一となるように形成される。すなわち、露出面59は、各接触部80、及び保持部72の上端から下端に亘って設けられる。この露出面59は、ヘッダパイプ52の上下方向において、被接触面58と同一の高さに設けられる。
【0047】
このように、保持部72は、露出面59が設けられるように、面接触でヘッダパイプ52を保持することで、保持部72がヘッダパイプ52に接する面積が縮小される。このため、結露水や雨水等の保持部72、及び保持部72とヘッダパイプ52との接触箇所に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部72の腐食を抑制できる。
【0048】
この露出面59は、当該露出面59を伝って、固定部材70に滞留する水分がヘッダパイプ52の下方に排水される排水流路として機能する。これによって、結露水や雨水等の保持部72に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部72の腐食を抑制できる。
【0049】
ヘッダパイプ52の側面51において、露出面59は、接続面55の反対側に位置する。これによって、結露水や雨水等の固定部材70、及び保持部72とヘッダパイプ52との接触箇所に滞留する水分は、接続面55から離間した位置である露出面59を伝って、重力によりヘッダパイプ52の下方に排水される。このため、室外熱交換器50では、接続面55や扁平管62等の表面に当該水分が流れて滞留することが抑制される。
【0050】
図5に示すように、ヘッダパイプ52の側面51の周方向に沿った露出面59の長さ寸法L1は、側面51の周方向に沿った各接触部80、及び各被接触面58の長さ寸法L2よりも長くなるように形成される。
これによって、保持部72がヘッダパイプ52に接する面積が縮小される。このため、重力の影響を受けにくく、表面張力により保持部72とヘッダパイプ52との接触箇所に保持されやすい少量の水分が保持部72に付着した場合であっても、当該水分の付着箇所が縮小される。
【0051】
加えて、保持部72がヘッダパイプ52に接する箇所よりも長い長さ寸法を露出面59が備えることで、より大きな排水流路が形成され、室外ユニット1では、保持部72に付着した水分をより多く排水することができる。このため、保持部72に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部72の腐食を抑制できる。
【0052】
図3に示すように、ヘッダパイプ52には、当該ヘッダパイプ52の長手方向に沿って、3つの固定部材70が取り付けられる。これらの各固定部材70によって側面51に設けられる各露出面59は、ヘッダパイプ52の平面視で、当該ヘッダパイプ52の周方向における少なくとも一部が互いに重なり合うように配置される。本実施の形態では、これらの露出面59は、側面51において、いずれもヘッダパイプ52の長手方向に沿って延びる同一直線上に位置する。
【0053】
これによって、3つの固定部材70の内、上方に位置する固定部材70から露出面59を伝って排水された水分は、下方に位置する固定部材70により設けられる露出面59を伝ってヘッダパイプ52のさらに下方に排水される。すなわち、ヘッダパイプ52は、複数の固定部材70によって固定された場合であっても、下方に位置する固定部材70に上方に位置する固定部材70から排水された水分が滞留することがない。
このため、本実施の形態では、ヘッダパイプ52が複数の固定部材70で固定された場合であっても、各固定部材70に滞留する水分を全ての固定部材70よりも下方に排水することができる。そして、複数の固定部材70でより確実にヘッダパイプ52を固定できると共に、各固定部材70に水分が滞留することを抑制できる。
【0054】
[1-2.動作]
以上のように構成された室外ユニット1について、その動作を以下説明する。
【0055】
まず、空気調和装置における冷媒の流れについて説明する。
空気調和装置の暖房運転の場合、室外ユニット1が作動を開始すると、圧縮機5が駆動される。圧縮機5は、冷凍回路に封入された冷媒を圧縮し、各冷媒配管を経由してガス冷媒を送り出す。
【0056】
このガス冷媒は、室内熱交換器で熱を放出して凝縮された後、配管を通って膨張弁に流入し、当該膨張弁によって減圧され、第2冷媒配管68を通って室外熱交換器50の下部空間SP2に流入する。下部空間SP2に流入した冷媒は、隔壁60より下方に位置する各扁平管62を通って内部空間SQに流入する。この後、当該冷媒は、隔壁60より上方に位置する各扁平管62を通ってヘッダパイプ52に向かって流れる。室外熱交換器50を流れる冷媒は、扁平管62において、送風ファン30により送り出された空気と熱交換をすることで吸熱して蒸発する。扁平管62で蒸発した冷媒は、上部空間SP1に流れ込んだ後に、第1冷媒配管66から圧縮機5に戻る。
【0057】
次いで、室外ユニット1における空気の流れの方向である気流方向について説明する。
室外ユニット1が作動を開始すると、圧縮機5に先行して送風ファン30が回転駆動を開始する。回転駆動する送風ファン30は、図2の気流方向A1、A2に示すように、空気を室外ユニット1の外部から筐体10の内部、すなわち送風機室S2に流入させる。具体的には、空気は、主に前面吸気口15、及び側面吸気口17から送風機室S2に流入する。送風機室S2に流入する空気は、室外熱交換器50の長手方向と、上下方向に直交する方向、換言すれば扁平管62の幅方向に沿って、各扁平管62と、各フィン64の間を通過する。
【0058】
これによって、複数の扁平管62の内部を流れる冷媒と、複数のフィン64の間を流れる空気との熱交換が促進される。
冷媒と熱交換された空気は、送風ファン30によって、排気口19から筐体10の外部に排出される。
【0059】
上述した動作を繰り返すことで、室外ユニット1は、室外の空気から冷凍回路に熱を吸収し、室内に送り出す。
なお、空気調和装置が冷房運転を行う場合、冷凍回路の冷媒の循環方向は、暖房運転の場合の逆向きとなり、室外熱交換器50は、凝縮器として機能する。
【0060】
上述した動作を行う室外ユニット1では、送風ファン30による気流に乗って筐体10の外部から雨水や大気中の水分が入り込むことがある。また、室外熱交換器50では、冷媒の熱交換に伴って表面に結露水等の水分が生じることがある。そして、室外ユニット1では、ヘッダパイプ52、54を保持する各固定部材70の保持部72の上面と、当該上面に隣接するヘッダパイプ52、54の側面51、53とにこれらの水分が付着する場合がある。
【0061】
本実施の形態の固定部材70は、側面51、53において、接触部80が接触する以外で、露出面59を形成するように接することで、ヘッダパイプ52、54を保持する。このため、室外ユニット1では、保持部72の上面に各種の水分が付着した場合であっても、露出面59を介して、重力によってヘッダパイプ52、54を伝って当該水分を流下させることができる。
すなわち、室外ユニット1では、保持部72の上面に水分が滞留することが抑制される。そして、室外ユニット1では、固定部材70の保持部72がヘッダパイプ52、54を保持する箇所における当該ヘッダパイプ52、54の腐食を抑制できる。
【0062】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、室外ユニット1は、扁平管62が側面51に接続されるヘッダパイプ52、54を備える室外熱交換器50と、室外熱交換器50を収める筐体10と、筐体10の内部に室外熱交換器50を固定する固定部材70とを備える。固定部材70は、筐体10の内部に固定される固定部74と、ヘッダパイプ52、54の側面51、53のうち、扁平管62が接続される接続面55、57以外で接して保持する保持部72とを備える。そして、ヘッダパイプ52、54の側面51、53は、接触部80と接触する箇所と同一の高さでヘッダパイプ52、54の周方向に接触部80と接することなく外部に露出する露出面59を備える。
【0063】
これにより、室外ユニット1では、露出面59が保持部72の上面に付着した水分の排水流路として機能し、保持部72に水分が滞留することを抑制できる。そのため、室外ユニット1では、固定部材70の保持部72がヘッダパイプ52、54を保持する箇所における当該ヘッダパイプ52、54の腐食を抑制できる。
【0064】
本実施の形態のように、ヘッダパイプ52、54の側面51、53の周方向に沿った露出面59の長さ寸法L1は、ヘッダパイプ52、54の側面の周方向に沿った接触部80の長さ寸法L2よりも長くなるようにしてもよい。
これにより、保持部72がヘッダパイプ52に接する面積が縮小される。そのため、例えば凝縮水が少ない冷房や暖房低負荷運転時、あるいは雨水が少ない時期等において、重力の影響を受けにくく、表面張力により保持部72とヘッダパイプ52との接触箇所に保持されやすい少量の水分が保持部72に付着した場合であっても、当該水分の滞留を抑制できる。
加えて、保持部72には、より大きな排水流路が形成される。そのため、室外ユニット1では、保持部72に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部72の腐食を抑制できる。
【0065】
本実施の形態のように、接触部80は、ヘッダパイプ52、54の側面51、53に接する接触面83を備える。そして、保持部72は、複数の接触部80を備え、各接触部80の接触面83がヘッダパイプ52、54の側面51、53に接することでヘッダパイプ52、54を保持するようにしてもよい。
【0066】
これにより、各固定部材70は、ヘッダパイプ52、54の各側面51、53に露出面59を設け、且つ側面51、53に面接触する各接触部80で挟持することでヘッダパイプ52、54を保持する。そのため、各固定部材70は、排水流路から付着した水分を排水できると共に、より確実にヘッダパイプ52、54を固定できる。
【0067】
本実施の形態のように、ヘッダパイプ52、54は、長手方向が筐体10の上下方向に沿って設けられる。固定部材70は、ヘッダパイプ52、54の長手方向に沿って複数が設けられる。そして、各固定部材70がヘッダパイプ52、54を保持することで設けられる各露出面59は、ヘッダパイプ52、54のそれぞれの平面視で、ヘッダパイプ52、54のそれぞれの周方向における少なくとも一部が互いに重なって配置されるようにしてもよい。
【0068】
これにより、上方に位置する固定部材70から排水された水分が下方に位置する固定部材70により設けられる露出面59を次々に伝って、ヘッダパイプ52、54のさらに下方に排水される。そのため、室外ユニット1では、ヘッダパイプ52が複数の固定部材70で固定された場合であっても、各固定部材70に滞留する水分を全ての固定部材70よりも下方に排水し、各固定部材70に水分が滞留することを抑制できる。
【0069】
本実施の形態のように、接触部80は、ヘッダパイプ52、54と同等以下の電位となる金属材料で形成されるようにしてもよい。
これにより、接触部80は、アルミニウムよりも卑な金属、あるいはアルミニウムと同等に卑な金属で形成される。そのため、保持部72がヘッダパイプ52を保持する箇所では、結露水や雨水等の滞留した水分が促進する異種金属接触によるヘッダパイプ52、54の腐食進行を抑制できる。
【0070】
本実施の形態のように、固定部74は、接触部80よりも縦弾性係数と降伏点とが大きい材料で形成されるようにしてもよい。
これにより、例えば圧縮機5の駆動に伴う振動等が生じた場合であっても、固定部材70が筐体10から離脱することや、変形することが抑制される。このため、ヘッダパイプ52、54が前面板16や左側板11に覆われる位置から、前面吸気口15や側面吸気口17から露出する位置に移動することが抑制される。
【0071】
(実施の形態2)
以下、図6を用いて、実施の形態2を説明する。
[2-1.固定部材の構成]
図6は、本開示の実施の形態2に係る固定部材170とヘッダパイプ52を示す側面図である。図6において、図3から図5と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態2に係る室外ユニット1は、少なくとも、固定部材70に替えて固定部材170を用いる点で、実施の形態1に係る室外ユニット1と異なる。以下、ヘッダパイプ52の固定構造について説明するが、ヘッダパイプ54の固定構造についても同様の構成であり、その説明を省略する。
【0072】
固定部材170は、保持部172と固定部74とを備える。
保持部172は、実施の形態1の保持部172と同一の材料で形成され、一対の接触部180を備える。これらの接触部180は、平面視でヘッダパイプ52の側面51と略同一の曲率を備えるように曲げられて形成される。側面51の周方向に沿った各接触部180の長さ寸法は、実施の形態1における側面51の周方向に沿った各接触部80、及び各被接触面58の長さ寸法L2と略同一である。
【0073】
一対の接触部180は、図6に示すように、いずれも室外熱交換器50の側面視で略台形の面形状を備えるように形成される。各接触部180の上面185は、ヘッダパイプ52の側面51に接した状態において、接続面55から延在部84に向かうにつれて、下方に傾斜するように形成される。換言すれば、上面185は、露出面59に向かうにつれて、下方に傾斜する形状を備える。
【0074】
これによって、保持部172の上面に水分が付着した場合であっても、当該水分は、各接触部180の上面185の傾斜する方向に沿って流れ、露出面59に誘導される。そして、当該水分は、露出面59から固定部材170の下方に流される。
【0075】
このため、例えば凝縮水が少ない冷房や暖房低負荷運転時、あるいは雨水が少ない時期等において、重力の影響を受けにくく、表面張力により保持部172とヘッダパイプ52との接触箇所に保持されやすい少量の水分が保持部172に付着した場合であっても、室外ユニット1では、当該水分の滞留を抑制できる。
【0076】
[2-2.効果等]
以上のように、本実施の形態において、各接触部180の上面185は、露出面59に向かうにつれて下方に傾斜する形状を備える。
これにより、保持部172の上面に付着した水分は、重力によって、上面185の傾斜に沿って、露出面59に向かって流れる。そのため、室外ユニット1では、保持部72に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部72の腐食を抑制できる。
【0077】
(実施の形態3)
以下、図7を用いて、実施の形態3を説明する。
[3-1.固定部材の構成]
図7は、本開示の実施の形態3に係る固定部材270によって筐体10に固定されたヘッダパイプ52を示す側面図である。図7において、図5と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態3に係る室外ユニット1は、少なくとも、固定部材70に替えて固定部材270を用いる点で、実施の形態1に係る室外ユニット1と異なる。以下、ヘッダパイプ52の固定構造について説明するが、ヘッダパイプ54の固定構造についても同様の構成であり、その説明を省略する。
【0078】
図7に示すように、固定部材270は、保持部272と固定部74とを備える。
保持部272は、ヘッダパイプ52の側面51のうち、接続面55以外で接して保持する部材である。保持部272は、実施の形態1における保持部72と同一の材料によって全体が形成される。
【0079】
保持部272は、連結部286を備える。連結部286は、実施の形態1の連結部86と略同一に形成される。保持部272と、固定部74とは、連結部286の平面と、当接部71の平面とが互いに接した状態で、連結部286に設けられた連結孔287と、連結孔73とに締結部材290が挿通されることで連結される。
【0080】
この締結部材290は、所定の長さ寸法を備える棒状の締結用部材である。この締結部材290は、保持部272と同一の材料によって全体が形成される。締結部材290は、一方の端部が各包囲部282側に突出する突出端292を備える。この突出端292の先端には、平面である接触面293が設けられる。
【0081】
連結部286の水平方向における両端には、いずれも延在部284が設けられる。各延在部284は、実施の形態1の連結部86と略同一に形成され、連結部286から固定部74の反対側に向かって起立して延びる。
【0082】
各連結部286の先端には、一対の包囲部282が設けられる。一対の包囲部282は、いずれも室外熱交換器50の側面視で矩形の面形状を備えるように形成される。これらの包囲部282は、平面視でヘッダパイプ52の側面51と略同一の曲率を備えるように曲げられて形成される。
一対の包囲部282は、接続面55を避けた位置で、ヘッダパイプ52を挟んで互いに反対側に位置するように配置される。一対の包囲部282は、ヘッダパイプ52を挟んだ接続面55の反対側で、互いに所定の間隔を空けて配置される。
【0083】
これらの包囲部282には、いずれも接触部280が設けられる。これらの接触部280は、側面51に対向する各包囲部282の対向面285から、所定の幅寸法で突出する突形状を備える。本実施の形態では、各接触部280は、各包囲部282の接続面55側に位置する端部にそれぞれが設けられる。また、各接触部280は、各包囲部282の上下方向において、略中央に設けられる。
これらの接触部280の先端には、平面である接触面283が設けられる。
【0084】
保持部272は、これらの接触部280の各接触面283が側面51に当接することで、ヘッダパイプ52を保持する。このため、保持部272がヘッダパイプ52を保持する場合には、各包囲部282は、側面51から離間して配置される。
【0085】
さらに、保持部272がヘッダパイプ52を保持する場合には、突出端292の接触面293が当接する。突出端292は、接触部280と略同一の機能を備える。
すなわち、保持部272は、各接触部280の接触面283と、突出端292の接触面293とが側面51に当接することで、ヘッダパイプ52を保持する。以下、側面51において、接触面283と、接触面293とが接する箇所を被接触面258とする。
【0086】
これによって、ヘッダパイプ52が保持部272に保持された場合には、側面51において、各被接触面258の間に位置する箇所に、接触面283と、接触面293とが接することなく露出する露出面259が形成される。
【0087】
このように、室外ユニット1では、保持部272が突形状の各接触部280と、突出端292とでのみヘッダパイプ52に接して保持することで、露出面259が設けられ、保持部272がヘッダパイプ52に接する面積が縮小される。
このため、室外ユニット1では、結露水や雨水等の保持部272に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部72の腐食を抑制できる。加えて、ヘッダパイプ52の側面51には、より大きな排水流路が形成され、保持部272とヘッダパイプ52との接触箇所に付着した水分をより多く排水することができる。
【0088】
[3-2.効果等]
以上のように、本実施の形態において、各接触部280と、突出端292とは、ヘッダパイプ52、54の側面51、53に向かって突出する突形状を備える。保持部272は、各接触部280の突形状の先端である接触面283、293が側面51、53に接することでヘッダパイプ52、54を保持する。
これにより、保持部272は、接触面283、及び接触面293のみで側面51に接し、ヘッダパイプ52に接する面積が縮小される。そして、ヘッダパイプ52の側面51には、より大きな排水流路が形成される。そのため、例えば凝縮水が少ない冷房や暖房低負荷運転時、あるいは雨水が少ない時期等において、重力の影響を受けにくく、表面張力により保持部272とヘッダパイプ52との接触箇所に保持されやすい少量の水分が保持部272に付着した場合であっても、室外ユニット1では、当該水分の滞留を抑制できる。
【0089】
(実施の形態4)
以下、図8図9を用いて、実施の形態4を説明する。
[4-1.構成]
[4-1―1.室外ユニットの構成]
図8は、本開示の実施の形態4に係る室外ユニット300の内部構造を模式的に示す平面図である。図8において、図2と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
実施の形態4に係る室外ユニット300は、少なくとも、複数の室外熱交換器50を備え、固定部材70に替えて固定部材370を用いる点で、実施の形態1に係る室外ユニット1と異なる。
【0090】
図8に示すように、室外ユニット300は、複数の室外熱交換器50を備える。これらの室外熱交換器50は、実施の形態1の室外熱交換器50と略同一箇所に配置される。これらの室外熱交換器50は、筐体10の外部から内部に向かう方向に沿って並べて配置される。このため、各室外熱交換器50が備えるヘッダパイプ52は、前面板16から筐体10の内部に向かう方向に沿って並べられる。同様に、各室外熱交換器50が備えるヘッダパイプ54は、側面板11から筐体10の内部に向かう方向に沿って並べられる。換言すれば、複数のヘッダパイプ52、54は、当該ヘッダパイプ52、54の長手方向に交差する方向に並べられる。
【0091】
[4-1―2.固定部材の構成]
各ヘッダパイプ52、54は、複数の固定部材370によって筐体10に固定される。
以下、各ヘッダパイプ52の固定構造について説明するが、ヘッダパイプ54の固定構造についても同様の構成であり、その説明を省略する。
【0092】
図9は、本開示の実施の形態4に係る固定部材370によって筐体10に固定された複数のヘッダパイプ52を示す平面図である。図8において、図7と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、固定部材370は、一対の保持部372と、固定部374とを備える。
【0093】
固定部374は、固定部材70を筐体10に固定する部材である。この固定部374は、実施の形態1の固定部74と同一の材料で形成され、平板部材をL字状となるように折り曲げることで形成される。この固定部374において、折り曲げられた一方の端部側である当接部371の平面には、当該当接部371の長手方向に沿って、2つの連結孔373が並べて設けられる。この当接部371は、当接部71よりも長手方向の長さ寸法が長くなるように形成される。
固定部374は、折り曲げられた他方の端部側である当接部375を備える。固定部374は、当接部375に設けられる締結孔77と、締結孔20とに締結部材92が挿通されることで前面板16に取り付けられる。
【0094】
各保持部372は、ヘッダパイプ52の側面51のうち、接続面55以外で接して保持する部材である。各保持部372は、実施の形態1の保持部72と同一の材料で全体が形成される。
【0095】
各保持部372は、いずれも連結部386と、当該連結部386の両端から起立して延びる延在部384を備える。連結部386は、実施の形態3の連結部286と略同一であり、延在部384は、実施の形態3の延在部284と略同一である。連結部386には、連結孔387が設けられる。
【0096】
各延在部384の先端には、いずれも包囲部382が設けられる。これらの包囲部382は、実施の形態3の包囲部282と同一の形状を備える。
これらの包囲部382のいずれか一方には、接触部380が設けられる。接触部380は、実施の形態3と略同一形状に形成され、接触部280側面51に対向する一方の包囲部382の対向面385から、所定の幅寸法で突出する。接触部380の先端には、平面である接触面383が設けられる。本実施の形態では、接触部380は、包囲部382の接続面55側に位置する端部に設けられる。
他方の包囲部382には、貫通孔である連結孔389が設けられる。
【0097】
各保持部372は、いずれも固定部374の当接部371取り付けられる。具体的には、各保持部372は、当接部371の長手方向に沿って、連結孔389が設けられる包囲部382が互いに隣り合うように並べて配置される。
各保持部372と、固定部374とは、各連結部386の平面と、当接部371の平面とが互いに接した状態で、各連結部386に設けられた連結孔387と、一対の連結孔373とのそれぞれに締結部材390が挿通されることで連結される。
【0098】
これらの締結部材390は、実施の形態3の締結部材290と略同一の部材である。各締結部材390は、突出端392を備え、当該突出端392の先端に平面である接触面393が設けられる。
【0099】
互いに隣り合って配置された各保持部372の連結孔389には、締結部材394が挿通される。これによって、一対の保持部372は、互いに連結される。
締結部材394は、所定の長さ寸法を備える棒状の締結用部材である。この締結部材394は、アルミニウムよりも卑な金属、あるいはアルミニウムと同等に卑な金属によって全体が形成される。締結部材394は、各連結孔389挿通されると、両端が各対向面385のそれぞれから所定の幅寸法で突出する。この締結部材394の両端には、平面である接触面395が設けられる。
【0100】
固定部材370が前面板16に固定されると、各保持部372は、各ヘッダパイプ52の長手方向に交差する方向に並べて配置される。このため、各保持部372は、並べて配置される複数のヘッダパイプ52をそれぞれが保持することが可能である。
【0101】
各保持部372は、接触部380の接触面383と、締結部材394のいずれか一方の接触面395と、突出端392の接触面393とが各側面51に当接することで、各ヘッダパイプ52を保持する。すなわち、突出端392と、締結部材394とは、接触部280と略同一の機能を備える。
これによって、各保持部372が各ヘッダパイプ52を保持する場合には、各包囲部382は、側面51から離間して配置される。また、ヘッダパイプ52が保持部372に保持された場合には、接触面283と、接触面293とが接することなく露出する露出面359が側面51に形成される。
【0102】
このように、露出面359が設けられるように保持部372がヘッダパイプ52を保持することで、保持部372がヘッダパイプ52に接する面積が縮小される。このため、結露水や雨水等の保持部372に滞留する水分が抑制され、当該水分によるヘッダパイプ52や保持部372の腐食を抑制可能である。
さらに、ヘッダパイプ52には、排水流路として機能する露出面359が形成され、保持部372とヘッダパイプ52との接触箇所に付着した水分をより多く排水することができる。
【0103】
[4-2.効果等]
以上のように、本実施の形態において、保持部372は、ヘッダパイプ52、54の長手方向に交差する方向に沿って複数個が並べられて固定部374に設けられる。
これにより、室外ユニット300は、長手方向に交差する方向に並べて配置される複数のヘッダパイプ52、54を一つの固定部材370で固定できる。そのため、室外ユニット300では、部品点数の増加を抑制できると共に、容易に複数の室外熱交換器50を固定できる。
【0104】
本実施の形態のように、締結部材394が挿通される。これによって、一対の保持部372は、締結部材394によって互いに連結される。締結部材394の両端には、接触面393が設けられる。そして、一対の保持部372は、接触面393が各側面51、53に当接することで、各ヘッダパイプ52、54を保持してもよい。
これにより、締結部材394は、複数の保持部372を締結すると共に、ヘッダパイプ52、54を支持することができる。
【0105】
なお、本実施の形態では、固定部材370は、2つの保持部372を備えるとしたが、これに限らず3つ以上を備えていてもよい。
また例えば、本実施形態では、締結部材394の両端に接触面393が設けられるとしたが、いずれか一方のみに設けられていてもよい。
また例えば、保持部372は、実施の形態3のような突形状の各接触部280に限らず、実施の形態1の接触部80のように、面接触でヘッダパイプ52を保持する形状を備えていてもよい。
【0106】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1から4を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1および2で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0107】
上述した実施の形態2、3において、固定部材270、370は、接触部280、380、突出端292、392、及び締結部材394によって、3か所でヘッダパイプ52、54に当接することで当該ヘッダパイプ52、54を保持するとした。しかしながらこれに限らず、固定部材270、370は、2か所、あるいは4カ所以上でヘッダパイプ52、54に当接することで当該ヘッダパイプ52、54を保持してもよい。
【0108】
上述した各実施の形態において、固定部材70、170、270、370が備える接触面83、283、293、383、393、395には、ヘッダパイプ52、54の長手方向に沿って延びる溝が設けられていてもよい。これによって、接触部80、180、280、380と、ヘッダパイプ52、54の側面51、53との間に水分を流すことが可能な流路が形成される。このため、固定部材70、170、270、370は、結露水や雨水等の滞留した水分を溝から流すことで、ヘッダパイプ52、54を保持しつつ、ヘッダパイプ52、54の腐食を抑制できる。
【0109】
上述した各実施の形態において、固定部材70、170、270、370は、隔壁60を避けた位置で各ヘッダパイプ52、54を保持してもよい。これによって、固定部材70、170、270、370がヘッダパイプ52、54を保持することに伴う荷重が隔壁60にかかることが抑制される。
【0110】
上述した各実施の形態において、接触面83、283、383、395の少なくとも一部は、接続面55、57の縁部に接する、あるいは重なる位置に配置されてもよい。換言すれば、図5に示すように、接触部80、180、280、380は、接続面55、57の縁部、あるいは扁平管62に端部が当接するように配置されてもよい。
これによって、熱交換器50では、扁平管62に発生した凝縮水等の水分が当該扁平管62の側面や接続面55、57を伝い流下した場合に、接触部80、180、280、380の端部に接すると、表面張力によって接触部80、180、280、380に引き寄せられる。このため、熱交換器50では、各扁平管62に付着する水分を排水することができ、各扁平管62に水分が滞留することが抑制される。
【0111】
上述した各実施の形態において、固定部材70、170、270、370は、ヘッダパイプ52、54の長手方向に沿って、複数個が設けられるとした。
ここで、一般的にヘッダパイプ52、54では、上方よりも下方の方で結露水が生じやすい。
この場合において、ヘッダパイプ52、54の下方に設けられる固定部材70、170、270、370は、ヘッダパイプ52、54の上方に設けられる固定部材70、170、270、370よりも、ヘッダパイプ52、54の周方向における各接触面83、283、293、383、393、395の長さ寸法が小さく形成されてもよい。
【0112】
これによって、室外ユニット1、300では、ヘッダパイプ52、54の上方に設けられる固定部材70、170、270、370の各接触面83、283、293、383、393、395をより大きく形成することができる。加えて、ヘッダパイプ52、54の下方に設けられる固定部材70、170、270、370によって形成される露出面59、259、359をより大きく形成することができる。
このため、結露水が生じにくい上方に位置する固定部材70、170、270、370では、各接触面83、283、293、383、393、395をより大きく形成することで、ヘッダパイプ52、54をより確実に支持することができる。一方、下方に位置する固定部材70、170、270、370では、露出面59、259、359をより大きく形成することができ、より確実に滞留した水分を排水できる。
【0113】
なお、これに限らず、例えばヘッダパイプ52、54には、上方に固定部材70が設けられ、下方に固定部材270が設けられていてもよい。
また例えば、固定部材370では、風下側に位置する接触面383よりも風上側に位置する保持部372の接触面383が小さくなるように形成されてもよい。
【0114】
上述した各実施の形態において、固定部材70、170、270、370は、固定部74、374を介して筐体10に固定されるとした。しかしながらこれに限らず、延在部84、284、384の側面に締結孔を設け、締結部材を用いて延在部84、284、384を左側板11や前面板16に固定することで、各固定部材70、170、270、370を筐体10に固定してもよい。この場合において、固定部材70、170、270、370は、固定部74、374が省略されていてもよい。
【0115】
上述した各実施の形態では、保持部72、172、272、372と、締結部材290、390と、突出端392とがいずれもヘッダパイプ52、54を形成する材料と同等以下の電位となる金属材料によって全体が形成されるとした。
しかしながらこれに限らず、接触部80、280、380、及び接触面293、393、395のみがヘッダパイプ52、54を形成する材料と同等以下の電位となる金属材料によって形成されてもよい。
【0116】
また、接触部80、280、380、及び接触面293、393、395は、ヘッダパイプ52、54を形成する材料と同等以下の電位となる金属材料に限らず、例えばセラミック材や樹脂材等の非金属材料によって形成されていてもよい。
これによって、各保持部72、172、272、372がヘッダパイプ52を保持する箇所では、結露水や雨水等の滞留した水分が促進する異種金属接触による腐食進行を抑制できる。
【0117】
また例えば、接触部80、280、380、及び接触面293、393、395には、不動態被膜の形成や、ヘッダパイプ52、54を形成する材料と同等以下の電位となる金属を用いたメッキ処理、あるいは樹脂コーティングを行ってもよい。この場合、接触部80、280、380、及び接触面293、393、395は、ヘッダパイプ52、54を形成する材料と同等以上の電位となる金属材料であってもよい。
また、これらの処理は、固定部74、374に施してもよい。
【0118】
上述した各実施の形態において、固定部材70、170、270、370は、前面板16に取り付けられるとした。しかしながらこれに限らず、固定部材70、170、270、370は、例えば、仕切板21等の筐体10の内部に設けられる他の部材であってもよい。
【0119】
上述した各実施の形態において、室外ユニット1、300は、横吹き型の熱交換ユニットであるとした。しかしながらこれに限らず、室外ユニット1、300は、例えば、筐体10の側面側から空気が吸い込まれ、筐体10の上部から上方に空気が吹き出される、所謂上吹き型の熱交換ユニットであってもよい。
【0120】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本開示は、固定部材を用いてヘッダパイプが筐体に固定される室外ユニットに適用可能である。具体的には、扁平管熱交換器を備える室外ユニット等に、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0122】
1、300 室外ユニット
10 筐体
50 室外熱交換器
51、53 側面
52、54 ヘッダパイプ
55、57 接続面
59、259、359 露出面
62 扁平管
70、170、270、370 固定部材
72、172、272、372 保持部
74、374 固定部
80、180、280、380 接触部
83、283、293、383、393、395 接触面
292、392 突出端(接触部)
394 締結部材(接触部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9