(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023102053
(43)【公開日】2023-07-24
(54)【発明の名称】車両用灯具システム
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
B60Q1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002385
(22)【出願日】2022-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】奥野 利幸
(72)【発明者】
【氏名】三浦 弘嗣
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 久
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA23
3K339AA25
3K339AA28
3K339AA32
3K339AA34
3K339AA42
3K339AA50
3K339BA02
3K339BA03
3K339BA05
3K339BA22
3K339BA26
3K339BA28
3K339CA01
3K339CA02
3K339CA03
3K339CA11
3K339CA12
3K339CA21
3K339CA22
3K339CA23
3K339CA25
3K339CA30
3K339DA01
3K339EA05
3K339EA06
3K339GB01
3K339GB21
3K339GB26
3K339KA01
3K339KA02
3K339KA09
3K339KA28
3K339KA39
3K339MA05
3K339MC01
3K339MC17
3K339MC77
3K339MC96
(57)【要約】
【課題】既存の車内ランプと車外ランプを用いて、車内ランプと車外ランプが協調して演出照明する車両用灯具システムを提供する。
【解決手段】
車内ランプと車外ランプの両方のランプの点消灯を制御する制御信号を生成し出力する点灯制御手段と、前記点灯制御手段から与えられる制御信号に基づいて前記車両ランプグループの何れかのランプの光源を駆動する光源駆動部と、車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両の乗員によって車外に携帯可能とされ前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機と、前記車載機および前記点灯制御手段を接続している車載ネットワークと、を備えた車両用灯具システムとする。前記点灯制御手段は前記車載ネットワークを通して携帯機の位置情報を取得し、所定範囲内に入ったときに車内ランプと車外ランプの両方を協調して照明する制御信号を生成し出力する。これにより、車両用灯具の商品価値を高めることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方に配置されたランプおよび車両後方に配置されたランプを備え、車両の車外を照明するための複数のランプからなる車外ランプグループと、当該車両の車内を照明するための複数のランプからなる車内ランプグループとを有する車両ランプグループと、
前記車両ランプグループの中の複数のランプの点消灯を制御する制御信号を生成し出力する点灯制御手段と、
前記点灯制御手段から与えられる制御信号に基づいて前記車両ランプグループの何れかのランプの光源を駆動する光源駆動部と、
車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両の乗員によって車外に携帯可能とされ前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機と、
前記車載機および前記点灯制御手段を接続している車載ネットワークと、を備えた車両用灯具システムであって、
前記車載機は、前記携帯機との無線通信情報に基づいて前記携帯機の位置情報を前記車載ネットワークに出力し、
前記点灯制御手段は、前記車載ネットワークを通して前記位置情報を取得し、前記携帯機と前記車両部との距離が所定範囲外から前記所定範囲内に移動したときに、(A)前記車外ランプグループの中の複数のランプを消灯状態から次第に光度を上げて点灯させる、または(B)前記車外ランプグループの中の複数のランプを消灯状態から一定の光度の点灯状態とした後に当該点灯状態から次第に光度を下げる第1制御信号と、
前記車内ランプグループ中のランプの中から少なくともルームランプもしくはアンビエントランプの何れかのランプを連続して所定の光度を保って点灯状態とする第2制御信号と、を生成し出力し、
前記光源駆動部が、前記第1制御信号に基づいて前記車外ランプグループの中の複数のランプの光源を駆動した第1照明状態を実行し、
前記第1照明状態の後に、前記第2制御信号に基づいて前記車内ランプグループの中の所定のランプの光源を駆動させる第2照明状態を実行し、前記携帯機を保持する乗員に対して前記車両の意匠を認識させるように照明する車両用灯具システム。
【請求項2】
前記点灯制御手段は、前記第1照明状態と前記第2照明状態の間に、前記点灯制御手段が生成した所定の第3制御信号に基づいて第3照明状態を実行して照明することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具システム。
【請求項3】
前記第3制御信号は、前記車内ランプグループ中のランプの中からルームランプおよび/またはアンビエントランプを次第に光度を上げて点灯させる制御信号であることを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具システム。
【請求項4】
前記第3制御信号は、さらに、前記車内ランプグループ中のランプの中からルームランプおよび/またはアンビエントランプを次第に光度を上げて点灯させた後に、前記第1制御信号にて点灯する複数のランプを、所定の光度を保って点灯状態を連続させる制御信号であることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具システム。
【請求項5】
車両前方に配置されたランプおよび車両後方に配置されたランプを備え、車両の車外を照明するための複数のランプからなる車外ランプグループと、当該車両の車内を照明するための複数のランプからなる車内ランプグループとを有する車両ランプグループと、
前記車両ランプグループの中の複数のランプの点消灯を制御する制御信号を生成し出力する点灯制御手段と、
前記点灯制御手段から与えられる制御信号に基づいて前記車両ランプグループの何れかのランプの光源を駆動する光源駆動部と、
車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両の乗員によって車外に携帯可能とされ前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機と、
前記車載機および前記点灯制御手段を接続している車載ネットワークと、を備えた車両用灯具システムであって、
前記車載機は、前記携帯機との無線通信情報に基づいて前記携帯機の位置情報として方向および距離に関する情報を前記車載ネットワークに出力し、
前記点灯制御手段は、前記車載ネットワークを通して前記位置情報を取得し、前記携帯機と前記車両部との距離が所定範囲外から前記所定範囲内に移動したときに、前記車外ランプグループの中のランプの中で前記携帯機の方向近傍のランプから車両周囲を周回するように順次点灯するとなるように複数のランプを制御するための第1制御信号と、
前記車内ランプグループ中のランプの中から少なくともルームランプもしくはアンビエントランプの何れかのランプを連続して所定の光度を保って点灯状態とする第2制御信号と、を生成し出力し、
前記光源駆動部が、前記第1制御信号に基づいて前記車外ランプグループの中の複数のランプの光源を駆動した第1照明状態を実行し、
前記第1照明状態の後に、前記第2制御信号に基づいて前記車内ランプグループの中の所定のランプの光源を駆動させる第2照明状態を実行し、前記携帯機を保持する乗員に対して前記車両の意匠を認識させるように照明する車両用灯具システム。
【請求項6】
前記第1制御信号に基づき制御される光源が、車両前方コーナーに設けられるランプもしくは車両後方コーナーに設けられるランプの中で前記位置情報に近い側のランプの光源であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の車両用灯具システム。
【請求項7】
前記ランプの光源が、LEDであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の照明点灯制御に関し、特にキーレスエントリーシステムなどの制御装置と連動して点灯する車両用灯具システムである。
【背景技術】
【0002】
車両(自動車)のドアのキーを無線や赤外線によりリモートコントロールで開錠/施錠するシステムがありキーレスエントリシステムと称されている。キーレスエントリシステムは車両側から呼び出し電波を送信して、キー側から応答があれば開錠する準備を行うように仕組まれている。例えば、特許文献1には、キーレスエントリシステムとは別に、より小電力で作動する対人センサなるものを設け、そのセンサが人の接近を感知しないときには電波を発射せず、そのセンサが人の接近を検出したときに、キーレスエントリシステムの呼び出し電波を送信することにより消費電力を抑制する装置が開示されている。
【0003】
また、車両側から周辺にレーダ電波(音波の場合もある)を放射して、他物体に反射した信号を検出することにより、駐車操作時の接触防止など車両の安全性の向上に役立てる車両周辺監視センサや盗難被害にあうことを防止する車両セキュリティ装置も知られている。例えば、特許文献2には、車両の盗難状態が検出されたときに、ホーンの吹鳴とランプの点灯等によって盗難行為の牽制を行うとともに、車両の所有者の携帯機に警報信号を送信して注意を喚起するようにした技術が提案されている。
【0004】
キーレスエントリシステムは、多くの車が駐車している駐車場なのでは、駐車した自己の車両の位置までいかないと車両を発見できず、特に類似の車両が並んでいるときには自己の車両と異なる車両のドアを空けようとしてしまう、という課題がある。また、かかる課題を解決するためにドアの開錠に同期して室内ランプを点灯する車両も実用化されている。しかしながら、その場合でも駐車場には多数の車両が重なって駐車していることが多いため、自己の車両を見つけにくいという問題がある。さらに特許文献2のセキュリティ装置のようにホーンの吹鳴とランプの点灯等によって盗難行為の牽制を行う場合と同じ動作をさせることも考えられる。しかしながら、その場合には盗難行為の牽制のため、盗難などのセキュリティ上の問題が生じた場合と誤って判断するおそれが高い、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-295523号公報
【特許文献2】特開平7-165019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、盗難行為の牽制などの警告表示と認識させるランプ点灯ではなく、乗員に対して車両が歓迎するような印象を与える仕組がない点である。
本発明に係る具体的態様は、車両に配置された車内ランプと車外ランプの光源を所定の順序で駆動させて車両デザインを乗員に魅力的に見せ得る照明をする車両用灯具システムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様は、[1]車両前方に配置されたランプおよび車両後方に配置されたランプを備え、車両の車外を照明するための複数のランプからなる車外ランプグループと、当該車両の車内を照明するための複数のランプからなる車内ランプグループとを有する車両ランプグループと、
前記車両ランプグループの中の複数のランプの点消灯を制御する制御信号を生成し出力する点灯制御手段と、
前記点灯制御手段から与えられる制御信号に基づいて前記車両ランプグループの何れかのランプの光源を駆動する光源駆動部と、
車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両の乗員によって車外に携帯可能とされ前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機と、
前記車載機および前記点灯制御手段を接続している車載ネットワークと、を備えた車両用灯具システムであって、
前記車載機は、前記携帯機との無線通信情報に基づいて前記携帯機の位置情報を前記車載ネットワークに出力し、
前記点灯制御手段は、前記車載ネットワークを通して前記位置情報を取得し、前記携帯機と前記車両部との距離が所定範囲外から前記所定範囲内に移動したときに、(A)前記車外ランプグループの中の複数のランプを消灯状態から次第に光度を上げて点灯させる、または(B)前記車外ランプグループの中の複数のランプを消灯状態から一定の光度の点灯状態とした後に当該点灯状態から次第に光度を下げる第1制御信号と、
前記車内ランプグループ中のランプの中から少なくともルームランプもしくはアンビエントランプの何れかのランプを連続して所定の光度を保って点灯状態とする第2制御信号と、を生成し出力し、
前記光源駆動部が、前記第1制御信号に基づいて前記車外ランプグループの中の複数のランプの光源を駆動した第1照明状態を実行し、
前記第1照明状態の後に、前記第2制御信号に基づいて前記車内ランプグループの中の所定のランプの光源を駆動させる第2照明状態を実行し、前記携帯機を保持する乗員に対して前記車両の意匠を認識させるように照明する車両用灯具システムである。
【0008】
上記発明によれば、機能の異なる車外用ランプグループに属する複数のランプと車内用ランプグループに属するランプが、同じ点灯制御手段により制御することにより、本質的には相互に関連して動作しない車外用ランプグループのランプと車内用ランプグループのランプが、協調して点灯/消灯を行うので、車両用灯具の商品価値を高めることができる。
【0009】
本発明に係る他の態様は、[2]前記点灯制御手段は、前記第1照明状態と前記第2照明状態の間に、前記点灯制御手段が生成した所定の第3制御信号に基づいて第3照明状態を実行して照明することを特徴とする[1]に記載の車両用灯具システムである。
また、[3]前記第3制御信号は、前記車内ランプグループ中のランプの中からルームランプおよび/またはアンビエントランプを次第に光度を上げて点灯させる制御信号であることを特徴とする[2]に記載の車両用灯具システムである。
また、[4]前記第3制御信号は、さらに、前記車内ランプグループ中のランプの中からルームランプおよび/またはアンビエントランプを次第に光度を上げて点灯させた後に、前記第1制御信号にて点灯する複数のランプを、所定の光度を保って点灯状態を連続させる制御信号であることを特徴とする[3]に記載の車両用灯具システムである。
また、[5]車両前方に配置されたランプおよび車両後方に配置されたランプを備え、車両の車外を照明するための複数のランプからなる車外ランプグループと、当該車両の車内を照明するための複数のランプからなる車内ランプグループとを有する車両ランプグループと、
前記車両ランプグループの中の複数のランプの点消灯を制御する制御信号を生成し出力する点灯制御手段と、
前記点灯制御手段から与えられる制御信号に基づいて前記車両ランプグループの何れかのランプの光源を駆動する光源駆動部と、
車両に搭載された無線通信機能を有する車載機と、前記車両の乗員によって車外に携帯可能とされ前記車載機との間で無線通信機能を有する携帯機と、
前記車載機および前記点灯制御手段を接続している車載ネットワークと、を備えた車両用灯具システムであって、
前記車載機は、前記携帯機との無線通信情報に基づいて前記携帯機の位置情報として方向および距離に関する情報を前記車載ネットワークに出力し、
前記点灯制御手段は、前記車載ネットワークを通して前記位置情報を取得し、前記携帯機と前記車両部との距離が所定範囲外から前記所定範囲内に移動したときに、前記車外ランプグループの中のランプの中で前記携帯機の方向近傍のランプから車両周囲を周回するように順次点灯するとなるように複数のランプを制御するための第1制御信号と、
前記車内ランプグループ中のランプの中から少なくともルームランプもしくはアンビエントランプの何れかのランプを連続して所定の光度を保って点灯状態とする第2制御信号と、を生成し出力し、
前記光源駆動部が、前記第1制御信号に基づいて前記車外ランプグループの中の複数のランプの光源を駆動した第1照明状態を実行し、
前記第1照明状態の後に、前記第2制御信号に基づいて前記車内ランプグループの中の所定のランプの光源を駆動させる第2照明状態を実行し、前記携帯機を保持する乗員に対して前記車両の意匠を認識させるように照明する車両用灯具システムである。
また、[6]前記第1制御信号に基づき制御される光源が、車両前方コーナーに設けられるランプもしくは車両後方コーナーに設けられるランプの中で前記位置情報に近い側のランプの光源であることを特徴とする[1]から[4]の何れかに記載の車両用灯具システムである。
また、[7]前記ランプの光源が、LEDであることを特徴とする[1]から[6]の何れかに記載の車両用灯具システムである。
【0010】
上記発明の一態様によれば、車両が目覚めるイメージを演出することができる。また、車両に生命感を与えるイメージを演出することができる。また、車両の輪郭を浮かび上がらせて車両フォルムのデザインを強調することができる。これらにより、車両が乗員を迎える準備ができている意思表示を示しているかのような演出効果を照明により実現することができる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、車両デザインを乗員に魅力的に見せ得る照明をする車両用灯具システムを提供することができる。また、車両用灯具の商品価値を高めることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態の車両用灯具システム100の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態におけるキーレスエントリー装置3の構成例を示す概要図である。
【
図3】
図3は、車両側装置12と携帯機との通信可能距離との関係を模式的に示す説明図である。
【
図4】
図4は、車両10に設けたランプグループ2を説明する上面図である。
【
図5】
図5は、車両側装置12および照明装置13の構成例を示す概要図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態におけるランプグループ2の点灯制御を説明するフロー図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態のランプの点灯状態を説明する図である。
図7(A)が要部を示すフロー図、
図7(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、第3の実施形態のランプの点灯状態を説明する図である。
図8(A)が要部を示すフロー図、
図8(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図である。
【
図9】
図9は、第4の実施形態のランプの点灯状態を説明する図である。
図9(A)が要部を示すフロー図、
図9(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図である。
【
図10】
図10は、第5の実施形態のランプの点灯状態を説明する図である。
図10(A)が要部を示すフロー図、
図10(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る除菌装置について好適な実施の形態を挙げて、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、一実施形態の車両用灯具システム100の構成を示す図である。図示の車両用灯具システムは、車両の複数のランプを用いるものであり、点灯制御装置1と、この点灯制御装置1によって点灯制御されるランプグループ2と、キーレスエントリー装置3を含んで構成されている。
【0015】
最初にキーレスエントリーシステム(スマートエントリーシステムともいう)について説明する。
【0016】
図2は、本実施形態におけるキーレスエントリー装置3の構成例を示す概要図である。本実施形態におけるキーレスエントリー装置3は、車両10のドア10aをロックまたはアンロックするものであり、車両10側には車両側装置12が設けられ、使用者は電子キーである携帯機11を携帯し、車両側装置12と携帯機11の間で無線通信を行って認証やドアロック・アンロックの指令等をなすものである。
図3は、車両側装置12と携帯機との通信可能距離との関係を模式的に示す説明図である。
【0017】
携帯機11には、
図2に示すように、第1無線信号を連続的または断続的に送信する携帯機送信部11aと、各種のデータおよびプログラムを記憶するメモリ11dと、このメモリ11dに記憶されたプログラムに基づいて第1無線信号を携帯機送信部11aから所定周期で断続的に出力するように制御するCPU(携帯機制御部)11cと、車両側装置12からのリクエスト信号を受信する携帯機受信部11bとを備えている。また、ドア10aのロック状態からアンロック状態に乗員が手動で切り替えるためのスイッチであるアンロック信号送信用のボタン11e(第1ボタン)、ドア10aのアンロック状態からロック状態に乗員が手動で切り替えるためのスイッチであるロック信号送信用のボタン11f(第2ボタン)と、図示は省略するが上記第1無線信号の送信を停止するスイッチ、も設けられている。携帯機制御部22は、リクエスト信号に含まれるコマンドに基づいて各種動作を行う。メモリ11dに記憶されている各種データには、車両側装置12との認証通信を実現するための必要な携帯機11固有のID情報(スマートキーID)や車両側装置12を特定するためのID情報(車載機ID)を含んでいる。
【0018】
車両側装置12は、
図2に示すように、携帯機11からのアンサー信号を受信する車両側受信部12bと、携帯機11に対してリクエスト信号を送信する車両側送信部12aと、各種制御を行う車両側制御部12cとを備えている。車両側制御部12cは、ドアロックを開閉動作するドアロック機構であるドアロックアクチュエータ13を制御するドアロック制御手段12eと、車両側受信部12bにおいて受信された第1無線信号の電界強度に基づいて携帯機11を保持した乗員から車両までの距離を検出する距離検出手段12fと、各種のデータおよびプログラムを記憶するメモリ12dとが設けられている。
【0019】
上記ドアロック制御手段12eは、車両側装置12の車両側受信部12bにおいて受信された無線信号の電界強度が、予め設定された第1基準値以上であるか否かを判定し、この第1基準値以上であることが確認された場合に、ドア10aをロック状態にしているドアロック機構13を、アンロック状態とする制御信号を出力するように構成されている。これによって、
図3に示すように、携帯機11を所持した乗員Hがドアロック状態にある車両10に近付き、上記第1無線信号の電界強度が上記第1基準値以上となる第1エリアラインE1の内方側(アンロックエリア内)に入ることにより、自動的にドア10aがアンロック状態に移行することになる。
【0020】
また、上記ドアロック制御手段12eは、車両側装置12の車両側受信部12bにおいて受信された無線信号の電界強度が、上記第1基準値よりも小さな値に設定された第2基準値以下であることが確認され、あるいは上記無線信号が所定時間に亘って受信されていないことが確認された場合に、アンロック状態にあるドアロック機構13を、ロック状態とする制御信号を出力するように構成されている。なお、携帯機11に対して信号を送信する車両側送信部12aと車両側装置12からの信号を受信する携帯機受信部11bとの無線通信が成功し、認証通信が実現できていることもロック状態/アンロック状態の切り替えの条件の一つとするのが好ましい。
【0021】
これによって、車両10から降車した乗員Hが携帯機11を持った状態のまま、上記第1エリアラインE1よりも大きい(離れた)第2エリアラインE2によって区画されたロックエリアに入ることにより、上記無線信号の電界強度が上記第2基準値以下となった時点または第1無線信号が受信されない状態が所定時間に亘って継続した時点で、自動的にドアがロック状態に移行することになる。
【0022】
また、上記ドアロック制御手段12eは、第2エリアラインE2の範囲もしくは第1エリアラインE1の内方側において携帯機11のアンロック信号送信用のボタン11eが操作されることによりロック状態にあるドアロック機構13を、アンロック状態とする制御信号を出力可能とし、ロック信号送信用のボタン11fの操作が確認された場合には、携帯機11を持った乗員Hの位置に関係なくアンロック状態にあるドアロック機構13をロック状態とする制御信号を出力するように構成されている。符号Hで示す乗員は
図3において三角形にてその位置を表示している。
【0023】
図3において符号D1は、上記第1無線信号の電界強度が上記第1基準値以上となる第1エリアラインE1の大まかな距離を示すもので、説明を簡単にするために車両10を中心とした半径D1の円内の範囲を第1エリアラインE1とし、半径D2の円内の範囲を第2エリアラインE2として図示している。
【0024】
距離検出手段12fは、車両側受信部12bにより受信された携帯機11からの電波信号の受信レベルから当該携帯機11の位置を検出する。電波信号の受信レベルは発信源からの距離に関係することから、車両側受信部12bの受信アンテナを複数個所、例えば、運転席、助手席、後席右、後席左などの各席などの各席から等距離でない位置に設けられる。例えば、受信アンテナの一つは運転席側ダッシュボード上に設置されており、受信レベルから発信源である携帯機11までの距離を算出し、携帯機11が車内にあるときにはその距離からどの席に携帯機11が存在するかを検出する。また、携帯機11が車外にあるときは受信したアンテナおよび受信レベルからどの方向に存在するかを決定する。
【0025】
また、キーレスエントリーシステムは上記した例に限るものではない。周知のものを用いることができる。例えば携帯機を保持する乗員が、通信可能距離が比較的短い(通常1~2m)LF波を用いた近距離LF通信が不成立となる距離、または中長距離UHF通信が不成立となる距離まで車両から遠ざかった際に、自動的にドアをロックするオートロック制御装置を用いても良い(特開2003-269023号参照)。乗員が自動車のLF通信領域に入って通信が成立したことを条件に、アンロックする動作へオートロック制御装置を拡張してもすれば良い。さらに、例えば近距離LF通信を行うアンテナを、ドアノブに設けたドアノブアンテナ、トランクに設けたトランクアンテナ、及び車室内に設けた車室内アンテナの複数を設け、それぞれのアンテナとの通信に基づいてどのアンテナの設置方向に存在するかを検出し、距離検出手段12fが携帯機11までの距離を算出するものとすれば良い。
【0026】
なお、車両側制御部12cは、例えば、図示しないが、CPU、RAM、ROMを備えるECUである。車両側制御部12cは、CPUがROMからRAMに読み込まれた所定プログラムを実行することで、ドアロックの制御部として機能する。また、車両側装置12は、車載ネットワークNWに接続されており、距離検出手段12fにて検出した携帯機を保持する乗員の位置や、方向に関する情報を所定の信号として車載ネットワークNWに提供している。車両側装置12は、車載ネットワークNWを介して所定プロトコルに従った通信を行う。車載ネットワークNWは、例えば、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等である。
【0027】
携帯機11と車両側装置12は、上記したように互いに無線通信を行う無線通信機能を有する。車両側装置12は、携帯機11との無線通信情報、特に無線信号の受信レベルおよび位置に関する情報に基づいて携帯機11を保持する乗員Hが所定範囲、例えば上記第1エリアラインE1よりも車両側に入ったか否かを検出し距離を算出することができる。車両に対して車両外部のどの方向に携帯機11があるかについても検出することができる。また、車両側装置12は、携帯機11との無線通信情報に基づいてこれらの携帯機の位置情報および方向に関する情報、すなわち現在位置に関する情報をを車載ネットワークNWに出力する。
【0028】
次に車両10の照明装置について説明する。
【0029】
図4は車両10に設けたランプグループ2を説明する上面図である。車両10には機能の異なる複数のランプからなるランプグループ2が設けられている。ランプグループ2の中で、車外を照明するための車外用ランプグループ2aとして、右側ヘッドランプ102a、左ヘッドランプ102b、右フォグランプ103a、左フォグランプ103b、右前方ターンランプ104a、左前方ターンランプ104b、右後方ターンランプ104c、左後方ターンランプ104d、右コーナリングランプ105a、左コーナリングランプ105b、右エントリランプ106a、左エントリランプ106b、右バックランプ107a、左バックランプ107b、前方ライセンスランプ108a、後方ライセンスランプ108b、右後方テールランプ109aおよび左後方テールランプ109bなどの種々の機能に応じた各照明灯を設けている。なお、図面において点線で囲った範囲は理解を容易にするために代表例としてヘッドランプ、ターンランプ、テールランプの照射領域を単純化して示している。
【0030】
ランプグループ2の中で、車内を照明するための車内用ランプグループ2aとして、室内中央を照明するルームランプ(室内灯)110、前方席を照射する右マップランプ111aおよび左マップランプ111b、座席の側面天井に付いている右リアサイドランプ112aおよび左リアサイドランプ112b、リアハッチやトランク部分にあるラゲッジ(ラゲージ)ランプ113、フロントパネルの照明やドアの上方部分や下方部分に設けてドア付近を照明するアンビエントランプ104などの各照明灯が設けられる。なお、サイドランプはアンビエントランプと称することもある。
【0031】
右ヘッドランプ102aおよび左ヘッドランプ102bは、進行方向前方を照らし出す照明灯である。右フォグランプ103aおよび左フォグランプ103bは、運転者の視認性を向上させるために設けられる各ヘッドランプ102a,102bの補助照明灯である。右前方ターンランプ104a、左前方ターンランプ104b、右後方ターンランプ104cおよび左後方ターンランプ104dは、前後方の車両や歩行者等に対して、車両が右左折する方向を示す方向表示器である。右コーナリングランプ105aおよび左コーナリングランプ105bは、各ターンランプ104a~104dと連動して右左折方向を示す補助表示器である。右エントリランプ106aおよび左エントリランプ106bは、乗員が昇降しやすいように運転席および助手席の各扉の室内側の下部に設けられ、例えば扉の開閉に合わせて、乗員の足元付近を照射する照明灯である。右バックランプ107aおよび左バックランプ107bは、後方の車両等に対して、追突防止や制動を知らせるための照明灯である。前方ライセンスランプ108aおよび後方ライセンスランプ108bは、車両の前後に取り付けられる車両標板(ナンバープレート)を照射する照明灯である。
【0032】
車外用ランプグループ2aを構成するそれぞれのランプは、運転席に設けたスイッチもしくは車両に設けた照度センサなどの信号に基づいて、各ランプの機能に応じた点灯または消灯(本明細書において点灯/消灯と省略して記載する)が行われる。車内用ランプグループ2bを構成するそれぞれのランプも同様にスイッチもしくはセンサ信号に基づいて各ランプの機能に応じた点灯/消灯が行われる。
【0033】
図5は、車両側装置12および照明装置13の構成例を示す概要図である。本実施形態においては車外用ランプグループ2aおよび車内用ランプグループ2bのそれぞれのランプは、各ランプのコネクタを介して、車両本体に設けたバッテリーおよび光源駆動部7に接続されている。
【0034】
光源駆動部7は、車載ネットワークNWに接続されており、運転席に設けたスイッチとは別に、ランプグループ2の個々のランプが点灯制御装置1によっても点灯状態が制御される。光源駆動部7は、それぞれのランプに対応して別個に設けてもよいし、複数のランプに対応してまとめて設けても良い。例えば、左前方に設ける左ヘッドランプ102b、左フォグランプ103b、左前方ターンランプ104bおよび左コーナリングランプ105bのそれぞれの光源駆動部をまとめてヘッドランプのハウジング内に設ければ、複数のランプの駆動部を一つにまとめることができコンパクト化を図ることができる。また、入力電圧検知部などを含んで構成しても良い。光源駆動部7は、点灯制御装置1からの出力信号(制御信号)に基づいて制御される機能を有する。
【0035】
点灯制御装置1は、CPU4、ROM5、RAM6及び入出力部(I/O)及びA/D回路等の電子回路等を備えたマイクロコンピュータを主体として構成されている。また、機能ブロックとして光源駆動部7を備える。ROM5には、例えば
図6に示すようなランプグループ2の各々のランプの点灯動作を制御するための点灯制御プログラムが格納されている。CPU4は、ROM5に格納された点灯制御プログラムをRAM6をワークエリアとして種々の処理が実行される。これにより光源駆動部7を駆動するための制御信号を生成し出力する。点灯制御装置1が本願発明における点灯制御手段に相当し、光源駆動部7に対して車載ネットワークNWを介して制御信号を出力する。
【0036】
点灯制御装置1は、本実施形態においては車外用ランプグループ2aおよび車内用ランプグループ2bの両方のランプに対して、後述する任意の点灯パターンにて複数のランプを所定のタイミングで点灯させるように点灯制御する。また、
図6に示したように、携帯機11を保持する乗員が車両10に近づいたときに乗員を歓迎するような演出照明を行う。これにより乗員に対して車両に搭載されている複数のランプの点灯を通じて車両デザインの魅力を認識させる。車両デザインの魅力を再認識することで、車両への愛着を高めることができる。
【0037】
点灯制御装置1によって点灯するランプの光源は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。点灯制御する光源をLEDに統一することで、光源の種類として白熱球とLEDとが混在する場合に比べて駆動電流に対する応答性を揃えることができるとともに応答速度を白熱球よりも早くすることができる。光源の駆動をLEDの特性を活かした制御を行うことができるので点灯制御装置を簡素化することができる。例えば、光源であるLEDの光度を電流の大きさによって制御する場合であれば、LED駆動回路は、所望の光度に応じた大きさの電流で光源2を駆動する。例えばLED駆動回路が光源をPWM(Pulse Width Modulation)制御可能なものであれば、所望の光度に対応した電流値を示す可変パルス幅の制御信号で光源を駆動する。特に、後述する順次点灯(シーケンシャル点灯)を実施する場合においては応答速度が統一されている方が良い。よって、点灯制御する光源の種類を白熱電球よりも早い応答速度をもったLEDに統一することが好適である。
【0038】
〔第1の実施の形態〕
次に、本実施形態のランプグループ2の点灯制御について
図6を用いて説明する。
図6は、第1の実施形態におけるランプグループ2の点灯制御を説明するフロー図である。
【0039】
前述したように、キーレスエントリー装置3の距離検出手段12fは、車両側受信部12bにより受信された携帯機11からの電波信号の受信レベルから当該携帯機11の位置を検出する。
図3に示すように、携帯機11を所持した乗員Hがドアロック状態にある車両10に近付き、上記第1無線信号の電界強度が上記第1基準値以上となる第1エリアラインE1の内方側(アンロックエリア内)に入ることにより、自動的にドア10aがアンロック状態に移行する。
【0040】
このとき、車載ネットワークNWには、上記第1無線信号の電界強度が上記第1基準値以上となる第1エリアラインE1の内方側(アンロックエリア内)に入ったことを直接もしくは間接的に示す情報、例えば、受信レベルの情報もしくは距離に関する情報が提供されている。さらに、更に受信したアンテナと受信強度から、方向に関する情報も提供されている。
【0041】
本実施形態では、キーレスエントリー装置の信号を利用する。具体的には、まず、点灯制御装置1は、携帯機11までの距離と方向に関する情報、すなわち現在位置に関する情報を車載ネットワークNWから取得するステップを実行する(S1)。
【0042】
次に、点灯制御装置1は、携帯機を保持する乗員までの距離が車外の所定エリア以内かを判断するステップを実行する(S2)。所定エリアは、
図3に示した第1エリアラインE1の内方側(アンロックエリア内)である。ランプグループ2をドア10aのロック状態からアンロック状態へ移行するよりも早い段階で点灯させたい場合には、所定エリアを、
図3に示した第1エリアラインE1より外側の第2エリアラインE2とすれば良い。所定エリア内に存在しないと判断した場合、すなわちNoと判断した場合には、所定時間後にS1のステップに戻って繰り返し所定エリアな以内か否かの判断するステップを実行する。これにより、前記携帯機と前記車両部との距離が所定範囲外から前記所定範囲内に移動したときを知ることができる。
【0043】
次に、点灯制御装置1は、ランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップを実行する(S3)。このステップS3の点灯タイミングは、
図6に示した例ではS31、S32、S33の3つのステップの順で点灯する。
【0044】
S31は、車外用ランプグループ2aの中から、乗員Hに最も近いランプ、例えば右前方のターンランプをゆっくり点灯させる。S32は、車内用ランプグループ2bの中から、例えばルームランプをゆっくり点灯させる。S33は、車内用ランプグループ2bの中から、ルームランプとドアの車室内に設けたアンビエントランプを点灯させる。ドア10aが開放されるか、または一定時間が経過したときにランプ制御プログラムの実行が終了する。
【0045】
点灯制御装置1がランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップS3として3つの順で点灯している。上記ステップS31が、(A)前記車外ランプグループの中の複数のランプを消灯状態から次第に光度を上げて点灯させる第1制御信号を生成し出力する処理に相当する処理である。また、上記ステップS32およびS33が、前記車内ランプグループ中のランプの中から少なくともルームランプもしくはアンビエントランプの何れかのランプを連続して所定の光度を保って点灯状態とする第2制御信号と、を生成し出力する処理に相当する処理である。
【0046】
上記ステップS31において、車外用ランプグループ2aの中から、乗員Hに最も近いランプ、例えば右前方のターンランプをゆっくり点灯させるための制御信号を生成する代わりに、前記車外ランプグループの中の左右のロービームランプおよび左右のテールランプを一斉に点灯状態とした後に点灯状態から次第に光度を下げるものとしても良い。このような点灯制御が、本願発明における(B)前記車外ランプグループの中の複数のランプを消灯状態から一定の光度の点灯状態とした後に当該点灯状態から次第に光度を下げる第1制御信号を生成し出力する処理に相当する処理である。
【0047】
以上の説明からも明らかなように、この第1の実施形態では、携帯機11と車両側装置12との無線送受信機能を利用して、乗員Hの現在位置が検出され、検出された乗員Hの現在位置が自車両から所定エリア内にあると判定されたときに、点灯制御装置1により、車外用ランプと車内用ランプが協調して点灯制御される。これにより、夜間、車両に向かう乗員Hの視認性を向上させることができる。また、乗員Hが自車両の駐車位置を容易に特定することが可能である。しかも、主に点消灯するタイミングを変更することで車外用ランプと車内用ランプが協調して点灯制御することができるので、車両全体が乗員Hを迎える演出感を表現することができる。さらに、既存のキーレスエントリー装置3および車載ネットワークNWを用いるので、簡易かつ安価に構成することができる。
【0048】
〔第2の実施の形態〕
この第2の実施形態では、
図6にて破線で示したランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップ(S3)において、点灯するランプおよび点灯タイミングが異なるように制御する。なお、その他の構成は上記第1の実施形態と同じであるので、上記第1の実施形態と同一の構成要素、同一の機能を果たすステップ処理には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0049】
図7は、第2の実施形態のランプの点灯状態を説明する図で、
図7(A)がフロー図の要部、
図7(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図である。なお、
図7(B)において網線で塗りつぶしてある領域がそれぞれのランプの点灯により照明される概略範囲を示しており、符号は
図7(A)のフロー図のステップに対応した点灯を行ったときの点灯状態を示している。
【0050】
第2の実施形態では、
図6にて破線で示したランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップ(S3)の内容、すなわちステップS3の内容を示すサブルーチンが異なる。第1の実施形態では、このサブルーチンがS31、S32、S33の3つのステップの順で点灯するサブルーチンとしていたが、第2の実施形態では、
図7(A)のフロー図にて示すようにステップS3のサブルーチンを、S32a、S32b、S32c、S32d、S32eの5つのステップで順次点灯する内容としている点が異なる。
図7(A)では
図6のステップS2以降のフローを記載している。
【0051】
上記したステップS2にて、Yesの場合、すなわち、携帯機を保持する乗員までの距離が車外の所定エリア以内と判断された場合には、最初に前照灯をゆっくりと点灯させる、より具体的には車外を照射する前照灯の中のロービーム配光用のランプと、デイタイムランニングランプ(DRL)をゆっくり点灯させるステップを実行する(S32a)。次に車内を照射するアンビエントランプの中からインパネを照明するアンビエントランプをゆっくり点灯するステップを実行する(S32b)。このときステップ32aの点灯状態も維持するので、ランプの点灯状態は、
図7(B)におけるS2の非点灯状態から、S32aの車両前方を照射する照明状態、S32bの車両前方および車内前方のインパネが照明される状態となり、順に点灯範囲が広くなる。
【0052】
次に、ドアの車内側に設けたアンビエントランプをゆっくり点灯させるステップを実行する(S32c)。その次に車外後方に設けたテールランプをゆっくり点灯させるステップを実行する(S32d)。このステップ32dまで進むと、
図7(B)においてS32c,S32dの符号にて示すように車両の前方および後方のコーナー部分と車内のドアおよびフロントガラス付近が明るく照らされることになり、乗員は車両デザイン、特に乗員の車両のシグネチャーを認識することができる。なお、本明細書において「ゆっくり点灯」とは、点灯するランプが、消灯している状態から明るさが暗い状態、明るい状態へと、連続的もしくは段階的に時間経過とともに変化する点灯をいう。また、点灯するランプが複数の光源を用いているランプの場合には、その複数の光源の中で点灯する光源数が連続的もしくは段階的に時間経過とともに増加するように点灯する制御も含むものとする。同様に「ゆっくり消灯」とは、連続的もしくは段階的に時間経過とともに点灯状態から消灯状態に明るさが変化することをいう。
【0053】
次に、車内のルームランプを点灯するステップを実行する(S32e)。このステップ32eまで進むと、
図7(B)においてS32eの符号にて示すように、車両の前方および後方のコーナー部分の点灯により車両の外観形状を認識できるとともに、車内がステップ32dの場合よりも明るく照射されることになり、乗員に対して車両のシグネチャーの認識を高めることができ、車両デザインの魅力を再認識させることができる。なお、アンビエントランプが搭載していない車両の場合にはアンビエントランプを点灯するステップを省略する。インパネを照明するアンビエントランプの代わりに前方席を照明するマップランプを用いても良い。
【0054】
これらのステップS32a~S32eにより、点灯するランプはゆっくりと順次点灯するランプが増加して車両を明るく照明する。これにより、乗員は車両の目である前照灯から順番に後方が連動して点灯していき、車両が目覚めるイメージを演出することができる。また、最後にルームランプが点灯し、ドライバーを迎える準備が出来ている意思表示を演出することができる。また、車両が乗員Hが購入した車両の場合には、一般的に車両購入の際は見ていたが購入後は自車のシグネチャーを見る機会が減少している。しかしながら、本実施形態の点灯を行うことで、見る機会が少なくなった自車のシグネチャーに視線を誘導する。従って、車両デザインの魅力を再認識でき、自車への愛着がわき、ひいてはブランドイメージが良くなるという効果も期待できる。
【0055】
〔第3の実施の形態〕
この第3の実施形態も第2の実施形態と同様に、
図6にて破線で示したランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップ(S3)において、点灯するランプおよび点灯タイミングが異なるように制御する。その他の構成は上記第1の実施形態と同じであるので、上記第1の実施形態と同一の構成要素、同一の機能を果たすステップ処理には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0056】
図8は、第3の実施形態のランプの点灯状態を説明する図で、
図8(A)がフロー図、
図8(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図であり、
図7と同様に第1の実施形態のステップS3の内容を示すサブルーチンのフローと、それに対応するランプの点灯状態を説明するものである。
【0057】
上記したステップS2にて、Yesの場合、すなわち、携帯機を保持する乗員までの距離が車外の所定エリア以内と判断された場合には、最初に車両前方のターンランプを点滅させると同時にもしくは点滅直後にデイタイムランニングランプ(DRL)をゆっくり点灯させるステップを実行する(S33a1)、次に車両後方のターンランプを点滅させると同時にもしくは点滅直後にテールランプをゆっくり点灯させるステップを実行する(S33a2)。ステップS33a1とS33a2の順番は逆でも良い。ターンランプはアンバー色の発光で点灯し、その色がポジションランプの白色もしくはテールランプの赤色と混色して路面を照射する。これにより、色の変化も生じさせながら、車両の輪郭を浮かび上がらせることができる。
【0058】
次に、車内のルームランプをゆっくり点灯するステップを実行し(S33a3)、次いで車内を照射するアンビエントランプをゆっくり点灯するステップを実行する(S33a4)。アンビエントランプが搭載していない車両の場合にはアンビエントランプを点灯するステップを省略したり、代わりにマップランプを用いても良い点は第2実施形態と同様である。ステップS33a1、S33a2、S33a3およびS33a4からなるサブルーチンをステップS33aとまとめて表記し、
図8(B)においてS33aと表記してS33a1からS33a4までのステップを終えた点灯状態を示す。
図8(B)にて示したように、車両の輪郭を浮かび上がらせるような演出効果の照明となる。
【0059】
次に、車外を照射する前照灯の中のロービーム配光用のランプを点灯させるステップを実行する(S33b1)。次いで車外後方に設けたテールランプを点灯させるステップを実行する(S33b2)。次いで車内に設けたルームールランプを点灯させるステップを実行する(S33b3)。次いでドア内側などに設けたアンビエントランプを点灯させるステップを実行する(S33b4)。ステップS33b1、S33b2、S33b3およびS33b4からなるサブルーチンをステップS33bとまとめて表記し、
図8(B)においてS33bと表記してS33b1からS33b4までのステップを終えた点灯状態を示す。
図8(B)にて示したように、ステップS33aにおいて車両の輪郭を浮かび上がらせるような演出効果の照明した後に、さらに照明エリアが広くすることで、より一層、車両の輪郭を浮かび上がらせるような演出効果を高めることができる。
【0060】
これらのステップS33a(S33a1~S33a4)およびステップS33b(S33b1~S33b4)により、点灯するランプはゆっくりと順次点灯するランプが増加して車両を明るく照明する。これにより、乗員は暗闇の中から車両の輪郭が浮かび上がるものとして認識され、車両フォルムを強調し魅力的に見せることができる。また、車両が目覚め、乗員を迎える準備が出来ている意思表示を演出することができる。さらに、車両が乗員Hが購入した車両の場合には、一般的には車両購入に際は見ていたが、購入後は自車のシグネチャーを見る機会が減少している。しかしながら、本実施形態の点灯を行うことで、見る機会が少なくなった自車のシグネチャーに視線を誘導する。従って、車両デザインの魅力を再認識でき、自車への愛着がわき、ひいてはブランドイメージが良くなるという効果も期待できる。
【0061】
〔第4の実施の形態〕
この第4の実施形態も第2の実施形態と同様に、
図6にて破線で示したランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップ(S3)において、点灯するランプおよび点灯タイミングが異なるように制御する。その他の構成は上記第1実施形態と同じであるので、上記第1実施形態と同一の構成要素、同一の機能を果たすステップ処理には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0062】
図9は、第4実施形態のランプの点灯状態を説明する図で、
図9(A)がフロー図、
図9(B)が点灯するランプ位置を示す概略平面図である。
図7と同様に第1の実施形態のステップS3の内容を示すサブルーチンのフローと、それに対応するランプの点灯状態を説明するものである。
【0063】
上記したステップS2にて、Yesの場合、すなわち、携帯機を保持する乗員までの距離が車外の所定エリア以内と判断された場合には、最初に車外用ランプグループ2aを点灯させる。例えば車外車両前方のロービームランプおよび/またはポジションランプと、車両後方のテールランプを点灯させるステップを実行する(S34a1)。次に車内用ランプグループ2bを点灯させる。例えばルームランプを点灯させるステップを実行し(S34a2)、次にアンビエントランプを点灯させるステップを実行する(S34a23)。ステップS34a1~S34a3の点灯順は異なるものでも良い。また、3つのステップもしくは2つのステップを同時に実施するものでも良い。ステップS34a1、S34a2およびS34a3からなるサブルーチンをステップS34aとまとめて表記し、
図9(B)においてS34aと表記してS34a1からS34a3までのステップを終えた点灯状態を示している。
図9(B)にて示したように、ステップS2の非点灯状態からS34aの車内および車外の両方の照明を点灯させることで、夜間に車両全体を浮かび上がらせるような演出効果の照明となる。
【0064】
次にステップS34aで点灯状態としたランプの一部をゆっくり消灯するステップS34bを実行する。ステップS34bのサブルーチンは、最初に点灯状態にある車両前方のロービームランプおよび/またはポジションランプと、車両後方のテールランプをゆっくり消灯させるステップを実行する(S34b1)。次いで車内を照射するルームランプの点灯を保持するステップ(S34b2)およびアンビエントランプの点灯を保持するステップを実行する(S34b3)。このステップ34b2およびS34b3は、ステップS34b1を実行しているときにおいてもステップ34aで点灯した車内ランプの点灯を保持するステップである。ステップS34b1、S34b2およびS34b3からなるサブルーチンをステップS34bとまとめて表記し、
図9(B)においてS34bと表記してS34b1の車外用ランプグループのランプをゆっくり消灯している点灯状態を示す。S34aで車両全体を浮かび上がらせた後に、車外ランプが徐々に消えていく演出効果の照明となる。
【0065】
また、ステップS34bのサブルーチンは、乗員Hがステップ2において所定エリア内に入ったと認識した位置を基準として、より車両に近づいたことを認識できたとき、換言すると車両から携帯機11までの距離が短くなったか否かを確認するステップをステップS34aとステップ34bの間に挿入することが好ましい。車両に近づいてきているか否かを確認することで、車両に近づいていることをゆっくりと消灯する照明で乗員を迎え入れようとしている印象を得ることができるからである。
【0066】
次のステップS34cでは、点灯していた車内ランプもゆっくり消灯させる処理を実行する。具体的には、ステップS34bで車外ランプをゆっくりと消灯状態とし、且つ、車内ランプの点灯状態を保持している照明から、点灯を継続していた車内ランプもゆっくり消灯させる処理を実行する。ステップS34cのサブルーチンは、点灯していた車内ランプであるルームランプをゆっくり消灯させるステップを実行する(S34c1)。次いでアンビエントランプをゆっくり消灯させるステップを実行する(S34c2)。このステップ34c1およびS34c2は、同時に実施しても良いし、逆の順番で実行しても良い。アンビエントランプを搭載していない車両の場合にはアンビエントランプを点灯するステップを省略したり、代わりにマップランプを用いても良い点は第2実施形態と同様である。ステップS34c1およびS34c2からなるサブルーチンをステップS34cとまとめて表記し、
図9(B)においてS34cと表記してS34b1の車内用ランプグループのランプをゆっくり消灯している点灯状態を示す。S34cで残っていた車室内を照明していたランプも徐々に消えていき、車両のランプが消灯していく演出効果の照明を行うことができる。
【0067】
また、ステップS34cのサブルーチンは、ステップ34bのサブルーチンを開始する前の状態における乗員Hの位置を基準として、より車両に近づいたことを認識できたとき、換言すると車両から携帯機11までの距離が短くなったか否かを確認するステップをステップS34bとステップ34cの間に挿入することが好ましい。車両に近づいてきているか否かを確認することで、車両に近づいていることをゆっくりと消灯する照明で乗員を迎え入れようとしている印象を得ることができるからである。
【0068】
これらのステップS34a(S34a1~S34a3)、ステップS34b(S34b1~S34b3)およびステップS34c(S34c1、S34c2)により、車外および車内のランプを同時に点灯させた状態から、最初に車外ランプをゆっくりと順次消灯させ、続いて、車内ランプもゆっくりと消灯させることになる。これにより、乗員は暗闇の中から一度は車両の輪郭および室内が浮かび上がるものとして認識され、車両フォルムを強調し魅力的に見せることができる。また、車両が急に目覚めたような演出をすることができる。さらに、乗員Hが車両に近づいたか否か、すなわち携帯機11が車両に近づいたか否かを判断する処理を設けた場合には、乗員Hが車両に近づくにつれてゆっくり消灯するような演出効果を奏することができ得る。
【0069】
〔第5の実施の形態〕
この第5の実施形態も第2の実施形態と同様に、
図6にて破線で示したランプグループ2の所定のランプを所定のタイミングで点灯させるステップ(S3)において、点灯するランプおよび点灯タイミングが異なるように制御する。その他の構成は上記第1の実施形態と同じであるので、上記第1の実施形態と同一の構成要素、同一の機能を果たすステップ処理には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0070】
図10は、第3の実施形態のランプの点灯状態を説明する図で、
図10(A)がフロー図、
図10(b)が点灯するランプ位置を示す概略平面図であり、
図7と同様に第1の実施形態のステップS3の内容を示すサブルーチンのフローと、それに対応するランプの点灯状態を説明するものである。
【0071】
上記したステップS2にて、Yesの場合、すなわち、携帯機を保持する乗員までの距離が車外の所定エリア以内と判断された場合には、同時に乗員Hに最も近いランプを決定する。例えば
図10(B)の例では右前方から乗員Hが車両に近づいていることを認識する。乗員Hの方向については、第1の実施形態に記載したように車載ネットワークNWに提供されている情報を利用する。
【0072】
最初に車外用ランプグループ2aの中から、乗員Hに最も近いランプ、例えば右前方のターンランプ、右前方のポジションランプおよび右前方のロービームランプを順次点灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35a1)。次に乗員Hから遠く、乗員と同じく車両前方側に位置するランプ、すなわち車両前方左側のランプを順次点灯させる。具体的には、左前方のロービームランプ、左前方のポジションランプおよび左前方のターンランプを順次点灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35a2)。この乗員Hに近い位置が前方側か後方側かによって、同じ側の車外用ランプの中から乗員Hに近い側から遠方側に向かって順次点灯するように制御信号を生成し出力させる。
【0073】
次に、乗員Hから最も遠い車外用ランプである、左後方のターンランプ、左後方のテールランプを順次点灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35a3)。次に同じく車両後方側の乗員Hに近い側、すなわち右後方のランプとして右後方のテールランプおよび右後方のターンランプを順次点灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35a4)。
【0074】
順次点灯とは、乗員Hに近い側から遠い側に向かって流れるように順に点灯していく動的な点灯として視認させるものをいい、シーケンシャル点灯とも呼ぶ。シーケンシャル点灯については例えば本願と同一出願人による出願である特願2017-63235号や、特願昭61-252982号に記載されている。シーケンシャル点灯によって車外用ランプグループ2aのランプのうち、乗員Hに近い位置のランプから、車両を回るようにして順次点灯させる。このステップS35a1、S35a2、S35a3およびS35a4からなる順次点灯するサブルーチンをステップS35aとまとめて表記し、
図10(B)においてS35aと表記してS35a1、S35a3およびS35a4のステップを終えた点灯状態を示す。機能の異なる複数のランプを用いて車両の周囲を周回するようなシーケンシャル点灯を行うことで、車両の輪郭を浮かび走り回りながら浮かび上がらせるような演出効果の照明となる。
【0075】
次に、順次消灯を行うことで、最初の順次点灯を実施するステップS35aの乗員Hに近い側から遠い側に向かって流れるように順に点灯していく動的な点灯として視認させる点灯パターンを認識するように2回目の周回を実施するためのステップS35bのサブルーチンを行う。この一次的な消灯を順次実施することにより車両の周囲を回るように順次点灯する流れを感じさせる。この制御方法も順次点灯に含まれるものとして説明する。
【0076】
具体的には、右前方のターンランプ、右前方のポジションランプおよび右前方のロービームランプを一次的に順次消灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35b1)。次に乗員Hから遠く、乗員と同じく車両前方側に位置するランプ、すなわち車両前方左側のランプを一次的に順次消灯させる。具体的には、左前方のロービームランプ、左前方のポジションランプおよび左前方のターンランプを一次的に順次消灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35b2)。次に、乗員Hから最も遠い車外用ランプである、左後方のターンランプ、左後方のテールランプを一次的に順次消灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35b3)。次に同じく車両後方側の乗員Hに近い側、すなわち右後方のランプとして右後方のテールランプおよび右後方のターンランプを一次的に順次消灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35b4)。なお、シーケンシャル点灯は車両の周囲を1~2回周回するのみでなく、それ以上の周回を実施するように点灯させても良い。
【0077】
車両周囲を走り回るような順次点灯の次に、車内用ランプグループ2bに属するランプを点灯させる。具体的にはアンビエントランプ、ルームランプを点灯させるための制御信号を生成し出力するステップを実行する(S35c)。
【0078】
これらのステップS35a(S35a1~S35a4)、ステップS35b(S35b1~S35b4)およびステップS35cにより、最初に車両周囲を走り回るように動的に進行するように順次点灯させ、車両の輪郭を照明する。これにより、乗員は暗闇の中から車両の輪郭が浮かび上がるものとして認識され、車両フォルムを強調し魅力的に見せることができる。また、明かりが車両の周囲を走り回っているような動きを車外用ランプグループ2aに所属する機能の異なる複数のランプで行うことで、車両が感情を持って動いている印象を与えることができる。また、最後に車内用ランプグループ2bも点灯することで、乗員を迎える準備が出来ている意思表示を演出することが期待できる。
【0079】
〔変形例〕
第1から第5の実施形態においては、キーレスエントリー装置3を用いて乗員Hが車両に対して所定の距離内に近づいたか否かを判定していた。携帯機11に設けた第1ボタン11eおよび第2ボタン11fのスイッチ動作により受信した信号を、上記実施形態における「現在位置に関する情報」とみなして動作する制御とすることもできる。すなわち、これらのスイッチ動作に応じてキーレスエントリー装置3が車載ネットワークNWに現在位置に関する情報を提供する。点灯制御装置1が、現在位置に関する情報を車載ネットワークNWから取得するステップを実行する(S1)。ついで、点灯制御装置1は、携帯機を保持する乗員までの距離が車外の所定エリア以内かを判断するステップ(S2)を省略するか、もしくは所定エリア以内である、とみなしてステップS2にてYesと判断する処理を実行すれば良い。
【0080】
また、キーレスエントリー装置3のアンテナの受信強度を用いて携帯機11の位置および方向を定める用いるかわりに、セキュリティー装置を用いることも考えられる。車両盗難防止用セキュリティシステムは、車両に設けた各種センサに基づいて車両に対する衝撃などに応じて警告動作や通報動作を行う。車両に設けた各種センサ信号のなかから、車両周辺監視センサによる信号を用いて、乗員が車両周辺の所定範囲内にいるか否かを特定するようにすれば良い。
【0081】
以上のような実施形態によれば、携帯機11を持った乗員Hが車両に近づいたときに、車両の室外ランプおよび室内ランプが所定の順序で点灯することで商品価値を高めることができる。
【0082】
以上に、本発明の実施形態及びその変形例を説明したが、上記実施形態および変形例はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその趣旨から逸脱することなく他の様々な形で構成の付加、省略、置換及びその他の変更が可能である。点灯するランプも上記のランプに限るものではない。例えば、前方および後方ライセンスランプも点灯させるようにしても構わない。また、ターンランプを複数の発光部に分割し、ターンランプ自体も順次点灯させることで、より一層流れるような印象を想起するようにして、車両用灯具システムの商品価値を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
四輪自動車、トラック、三輪車など車内空間を備える車両の照明装置に適用できる。
【符号の説明】
【0084】
1…点灯制御装置
2…ランプグループ
2a…車外用ランプグループ
2b…車内用ランプグループ
3…キーレスエントリー装置
4…CPU
5…ROM
6…RAM
7…光源駆動部
10…車両
10a…ドア
11…携帯機
11a…携帯機送信部
11b…携帯機受信部
11c…CPU(携帯機制御部)
11d…メモリ
11e…アンロック信号送信用のボタン
11f…ロック信号送信用のボタン
12…車両側装置
12a…車両側送信部
12b…車両側受信部
12c…車両側制御部(ECU)
12d…メモリ
12e…ドアロック制御手段
12f…距離検出手段
13…ドアロックアクチュエータ(ドアロック機構)
E1…第1エリアライン
E2…第2エリアライン
H…乗員
D1…第1エリアラインの距離(半径)
D2…第2エリアラインの距離(半径)